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Patent Searching and Data


Title:
COLORING MATTER-SENSITIZED PHOTOELECTRIC CONVERSION ELEMENT, PROCESS FOR PRODUCING THE COLORING MATTER-SENSITIZED PHOTOELECTRIC CONVERSION ELEMENT, ELECTRONIC EQUIPMENT, SEMICONDUCTOR ELECTRODE, AND PROCESS FOR RPODUCING THE SEMICONDUCTOR ELECTRODE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/016869
Kind Code:
A1
Abstract:
This invention provides a coloring matter-sensitized photoelectric conversion element comprising an electrolyte layer (6) provided between a semiconductor electrode (3) formed of, for example, semiconductor fine particles, onto which a coloring matter for sensitizing has been adsorbed, and a counter electrode (5), wherein two types of coloring matters are used as the coloring matter and are adsorbed on respective different sites on the surface of the semiconductor electrode (3). The semiconductor particles are formed of, for example, TiO2. The two types of coloring matters are, for example, tris(isothiocyanato)-ruthenium(II)-2,2':6',2''-terpyridine-4,4',4''-tricarboxylic acid and 2-cyano-3-[4-[4-(2,2-diphenylethenyl)phenyl]-1,2,3,3a,4,8b-hexahydrocyclopent[b]indol-7-yl]-2-propenoic acid. The above constitution can realize the provision of a coloring matter-sensitized photoelectric conversion element, such as coloring matter-sensitized solar cells which can realize higher level of light absorbance and photoelectric conversion efficiency than the case where a single type of high-purity coloring matter is used, and a process for producing the coloring matter-sensitized photoelectric conversion element.

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Inventors:
YONEYA, Reiko (1-7-1 Konan Minato-k, Tokyo 75, 1080075, JP)
米屋 麗子 (〒75 東京都港区港南1丁目7番1号 ソニー株式会社内 Tokyo, 1080075, JP)
MOROOKA, Masahiro (1-7-1 Konan Minato-k, Tokyo 75, 1080075, JP)
Application Number:
JP2008/058718
Publication Date:
February 05, 2009
Filing Date:
May 12, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SONY CORPORATION (1-7-1 Konan, Minato-ku Tokyo, 75, 1080075, JP)
ソニー株式会社 (〒75 東京都港区港南1丁目7番1号 Tokyo, 1080075, JP)
YONEYA, Reiko (1-7-1 Konan Minato-k, Tokyo 75, 1080075, JP)
米屋 麗子 (〒75 東京都港区港南1丁目7番1号 ソニー株式会社内 Tokyo, 1080075, JP)
International Classes:
H01M14/00; H01L31/04
Foreign References:
JP2005346934A2005-12-15
JP2006179488A2006-07-06
JP2003249279A2003-09-05
JP2004006235A2004-01-08
US2664194A1953-12-29
Other References:
See also references of EP 2175516A4
B. O'REGAN; M. GRAETZEL, NATURE, vol. 353, 1991, pages 737 - 749
K. HARA ET AL., JOURNAL OF PHYSICAL CHEMISTRY B, vol. 109, no. 50, 2005, pages 23776 - 23778
MASATOSHI YANAGIDA ET AL.: "Electron transport process in dye sensitized titanium oxide nanocrystal electrode to which a ruthenium dipyridine complex and a ruthenium biquinoline complex are co-adsorbed", PHOTOCHEMICAL DISCUSSION MEETING, 2P132, 2005
HIRONORI ARAKAWA: "Recent Advances in Research and Development for Dye-Sensitized Solar Cells", 2001, CMC, pages: 45 - 47
Attorney, Agent or Firm:
IWASAKI, Sachikuni et al. (Toranomon Kotohira Tower2-8, Toranomon 1-chom, Minato-ku Tokyo 01, 1050001, JP)
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Claims:
 増感用の色素が吸着した半導体電極と対極との間に電解質層を有する色素増感光電変換素子において、
 上記色素が二種類の色素からなり、この二種類の色素が上記半導体電極の表面の互いに異なる部位に吸着している
 ことを特徴とする色素増感光電変換素子。
 上記半導体電極が半導体微粒子からなることを特徴とする請求項1記載の色素増感光電変換素子。
 上記半導体微粒子が酸化チタンからなることを特徴とする請求項2記載の色素増感光電変換素子。
 上記二種類の色素はトリス(イソチオシアナート)-ルテニウム(II)-2,2' :6' ,2'' -ターピリジン-4,4' ,4''-トリカルボン酸および2-Cyano-3-[4-[4-(2,2-diphenylethenyl)phenyl]-1,2,3,3a,4,8b-hexahydrocyclopent[b]indol-7-yl]- 2-propenoic acid であることを特徴とする請求項3記載の色素増感光電変換素子。
 上記二種類の色素はトリス(イソチオシアナート)-ルテニウム(II)-2,2' :6' ,2'' -ターピリジン-4,4' ,4''-トリカルボン酸およびビス(2,2'-ジピリジル-4,4'-ジカルボン酸)-ルテニウム(II)2 テトラブチルアンモニウム錯体であることを特徴とする請求項3記載の色素増感光電変換素子。
 増感用の色素が吸着した半導体電極と対極との間に電解質層を有する色素増感光電変換素子の製造方法において、
 上記色素として二種類の色素を含む色素溶液中に上記半導体電極を浸漬することにより上記二種類の色素を上記半導体電極の表面の互いに異なる部位に吸着させるようにした
 ことを特徴とする色素増感光電変換素子の製造方法。
 上記半導体電極が半導体微粒子からなることを特徴とする請求項6記載の色素増感光電変換素子の製造方法。
 上記半導体微粒子が酸化チタンからなることを特徴とする請求項7記載の色素増感光電変換素子の製造方法。
 上記二種類の色素はトリス(イソチオシアナート)-ルテニウム(II)-2,2' :6' ,2'' -ターピリジン-4,4' ,4''-トリカルボン酸および2-Cyano-3-[4-[4-(2,2-diphenylethenyl)phenyl]-1,2,3,3a,4,8b-hexahydrocyclopent[b]indol-7-yl]- 2-propenoic acid であることを特徴とする請求項8記載の色素増感光電変換素子の製造方法。
 上記二種類の色素はトリス(イソチオシアナート)-ルテニウム(II)-2,2' :6' ,2'' -ターピリジン-4,4' ,4''-トリカルボン酸およびビス(2,2'-ジピリジル-4,4'-ジカルボン酸)-ルテニウム(II)2 テトラブチルアンモニウム錯体であることを特徴とする請求項8記載の色素増感光電変換素子の製造方法。
 増感用の色素が吸着した半導体電極と対極との間に電解質層を有する色素増感光電変換素子を用いた電子機器において、
 上記色素が二種類の色素からなり、この二種類の色素が上記半導体電極の表面の互いに異なる部位に吸着している
 ことを特徴とする電子機器。
 増感用の色素が吸着した半導体電極において、
 上記色素が二種類の色素からなり、この二種類の色素が上記半導体電極の表面の互いに異なる部位に吸着している
 ことを特徴とする半導体電極。
 増感用の色素が吸着した半導体電極の製造方法において、
 上記色素として二種類の色素を含む色素溶液中に上記半導体電極を浸漬することにより上記二種類の色素を上記半導体電極の表面の互いに異なる部位に吸着させるようにした
 ことを特徴とする半導体電極の製造方法。
 増感用の色素が吸着した半導体電極と対極との間に電解質層を有する色素増感光電変換素子において、
 上記色素が複数種類の色素からなり、この複数種類の色素のうちの少なくとも二種類の色素が上記半導体電極の表面の互いに異なる部位に吸着している
 ことを特徴とする色素増感光電変換素子。
 増感用の色素が吸着した半導体電極と対極との間に電解質層を有する色素増感光電変換素子の製造方法において、
 上記色素として複数種類の色素を含む色素溶液中に上記半導体電極を浸漬することにより上記複数種類の色素のうちの少なくとも二種類の色素を上記半導体電極の表面の互いに異なる部位に吸着させるようにした
 ことを特徴とする色素増感光電変換素子の製造方法。
 増感用の色素が吸着した半導体電極と対極との間に電解質層を有する色素増感光電変換素子を用いた電子機器において、
 上記色素が複数種類の色素からなり、この複数種類の色素のうちの少なくとも二種類の色素が上記半導体電極の表面の互いに異なる部位に吸着している
 ことを特徴とする電子機器。
 増感用の色素が吸着した半導体電極において、
 上記色素が複数種類の色素からなり、この複数種類の色素のうちの少なくとも二種類の色素が上記半導体電極の表面の互いに異なる部位に吸着している
 ことを特徴とする半導体電極。
 増感用の色素が吸着した半導体電極の製造方法において、
 上記色素として複数種類の色素を含む色素溶液中に上記半導体電極を浸漬することにより上記複数種類の色素のうちの少なくとも二種類の色素を上記半導体電極の表面の互いに異なる部位に吸着させるようにした
 ことを特徴とする半導体電極の製造方法。
Description:
色素増感光電変換素子およびそ 製造方法ならびに電子機器ならびに半導体 極およびその製造方法

 この発明は、色素増感光電変換素子およ その製造方法ならびに電子機器ならびに半 体電極およびその製造方法に関し、例えば 増感用の色素が吸着した半導体微粒子から る半導体電極を用いた色素増感太陽電池に 用して好適なものである。

 太陽光を電気エネルギーに変換する光電変 素子である太陽電池は太陽光をエネルギー としているため、地球環境に対する影響が めて少なく、より一層の普及が期待されて る。
 太陽電池の材質としては様々なものが検討 れているが、シリコンを用いたものが多数 販されており、これらは大別して、単結晶 たは多結晶のシリコンを用いた結晶シリコ 系太陽電池と、非晶質(アモルファス)シリ ン系太陽電池とに分けられる。従来、太陽 池には、単結晶または多結晶のシリコン、 なわち結晶シリコンが多く用いられてきた

 しかしながら、結晶シリコン系太陽電池で 、光(太陽)エネルギーを電気エネルギーに 換する性能を表す光電変換効率が、アモル ァスシリコン系太陽電池に比べて高いもの 、結晶成長に多くのエネルギーと時間とを するため生産性が低く、コスト面で不利で った。
 また、アモルファスシリコン系太陽電池は 結晶シリコン系太陽電池と比べて光吸収性 高く、基板の選択範囲が広い、大面積化が 易であるなどの特徴があるが、光電変換効 が結晶シリコン系太陽電池より低い。さら 、アモルファスシリコン系太陽電池は、生 性は結晶シリコン系太陽電池に比べて高い 、結晶シリコン系太陽電池と同様に製造に 空プロセスが必要であり、設備面での負担 未だに大きい。
 一方、上記の問題を解決し、太陽電池のよ 一層の低コスト化に向けて、シリコン系材 に代えて有機材料を用いた太陽電池が長く 究されてきた。しかしながら、この太陽電 の多くは光電変換効率が1%程度と低く、実 化には至らなかった。

 その中で、1991年にグレッツェルらのグルー プにより提案された色素増感太陽電池(光電 化学電池)は安価で高い光電変換効率を示し また、従来のシリコン系太陽電池とは異な 製造の際に大掛かりな装置を必要としない となどから注目されている(例えば、「B.O  Regan, M.Graetzel, Nature, 353,pp.737-740(1991)」お び「特許第2664194号明細書」参照。)。
 図7は従来の一般的な色素増感太陽電池、よ り一般的には色素増感光電変換素子の構造を 示す。図7に示すように、この色素増感光電 換素子は、一般的に、ガラスなどの透明基 101上にFTO(フッ素ドープ酸化スズ)などからな る透明電極102を形成し、その上に半導体層103 を形成して増感用の色素を吸着させたものと 、基板104上に形成したFTOなどからなる電極105 aおよび白金層などの導電層105bからなる対極1 05とを対向させ、それらの間にI -  /I などの酸化還元種(レドックス対)を含む有機 解液などからなる電解質層106を充填した構 を有する。透明電極102と対極105との間に外 回路が接続される。半導体層103としては、 化チタン(TiO )などの半導体微粒子を焼結させた多孔質層 用いられることが多い。この半導体層103を 成する半導体微粒子の表面に増感用の色素 吸着している。

 この色素増感光電変換素子の動作原理を図8 に示すエネルギー図を参照して説明する。た だし、図8では、透明電極102の材料としてFTO 増感用の色素107として後述するN719、半導体 103の材料としてTiO 、酸化還元種としてI /I を用いる場合を考える。この色素増感光電変 換素子は、透明基板101側から光が入射すると 、対極105を正極、透明電極102を負極とする電 池として動作する。その原理は次の通りであ る。

 すなわち、透明基板101および透明電極102を 過してきた光子を色素107が吸収すると、こ 色素107中の電子が基底状態(HOMO)から励起状 (LUMO)へ励起される。こうして励起された電 は半導体層103の伝導帯に引き出され、この 導体層103を通って透明電極102に到達する。
 一方、電子を失った色素107は、電解質層106 の還元剤、すなわちI から下記の反応
  2I  → I  + 2e
  I  +I  →I
によって電子を受け取り、電解質層106中に酸 化剤、すなわちI (I とI との結合体)を生成させる。こうして生成し 酸化剤は拡散によって対極105に到達し、上 の反応の逆反応
  I  →I  +I
  I  + 2e  → 2I
によって対極105から電子を受け取り、もとの 還元剤に還元される。

 透明電極102から外部回路へ送り出された電 は、外部回路で電気的仕事をした後、対極1 05に戻る。このようにして、色素107にも電解 層106にも何の変化も残さず、光エネルギー 電気エネルギーに変換される。
 半導体層103に吸着させる色素107としては、 常、可視光領域付近の光を吸収することが きる物質、例えば、ビピリジン錯体、テル リジン錯体、メロシアニン色素、ポルフィ ン、フタロシアニンなどが用いられる。

 従来、この色素増感光電変換素子におい 高い光電変換効率を実現するには、増感用 色素として純度の高い一種類の色素を用い のがよいとされてきた。これは、複数種類 色素を半導体層103上に混在させた場合、色 同士の間で電子の授受あるいは電子とホー との再結合が起こったり、励起された色素 ら半導体層103に受け渡された電子が別種の 素によって捕獲されたりして、励起された 素107から透明電極102に到達する電子が減少 、吸収された光子から電流が得られる比率 すなわち量子収率が著しく低下すると考え れるからである(例えば、「K.Hara, K.Miyamoto, Y.Abe, M.Yanagida ,Journal of PhysicalChemistry B, 10 9(50), p.23776-23778(2005)」、「柳田真利ら、2005 光化学討論会、2P132、「ルテニウムビピリジ ン錯体とルテニウムビキノリン錯体を共吸着 させた色素増感酸化チタンナノ結晶電極にお ける電子輸送過程」」、「[平成19年7月24日検 索]、インターネット〈URL:http://kuroppe.tagen.toho ku.ac.jp/ ̄dsc/cell.html 、FAQの「色素増感太陽電 池の理論効率について」」参照。)。

 単独で用いる増感色素としては、ビピリ ン錯体の一種であるシス-ビス( イソチオシ アナト) ビス(2,2’-ビピリジル-4,4 ’-ジカル ボン酸) ルテニウム(II)二テトラブチルアン ニウム錯体(以下「N719」という。)が、増感 素としての性能に優れており、一般的に用 られている。そのほか、ビピリジン錯体の 種であるシス-ビス( イソチオシアナト) ビ (2,2’-ビピリジル-4,4 ’-ジカルボン酸) ル ニウム(II)(以下「N3」という。)や、テルピ ジン錯体の1種であるトリス( イソチオシア ト)(2,2’:6’,2''-テルピリジル-4,4 ’,4''-ト カルボン酸) ルテニウム(II)三テトラブチル ンモニウム錯体(以下「ブラックダイ」とい う。)が一般的に用いられる。

 特にN3やブラックダイを用いる時には、 吸着剤もよく用いられる。共吸着剤は半導 層103上で色素分子が会合するのを防止する めに添加される分子であり、代表的な共吸 剤としてケノデオキシコール酸、タウロデ キシコール酸塩、1-デクリルホスン酸などが 挙げられる。これらの分子の構造的特徴とし ては、半導体層103を構成する酸化チタンに吸 着されやすい官能基としてカルボキシル基や ホスホノ基などを持つこと、色素分子間に介 在して色素分子間の干渉を防止するためにσ 合で形成されていることなどが挙げられる

 一般に光電変換素子を効果的に動作させ ためには、まずは、光電変換素子に入射し くる光を最大限に利用することができるよ に、光吸収率を高めることが重要であり、 に、吸収した光エネルギーを電気エネルギ に変換する変換効率(光電変換効率)を高め ことが重要である。色素増感光電変換素子 は、光吸収は色素107によって担われるから この色素107として入射光に対して最適な光 収特性を有する色素を選択することによっ 、最高の光吸収率を実現することができる 期待される。

 太陽光には赤外光から紫外光まで連続して 々な波長の光が含まれているから、色素増 光電変換素子を太陽電池として応用した場 に高い光吸収率を実現するには、色素107と て、長波長領域も含めてできるだけ広範囲 波長領域の光、特に波長が300~900nmの光を余 ことなく吸収することができる色素を選択 ることが望ましい。
 しかしながら、色素107内の電子の状態は量 力学的に定まり、その物質固有のエネルギ 状態しか取り得ない。従って、基底状態(HOM O)にある電子と励起状態(LUMO)にある電子との ネルギー差、つまり、電子を基底状態から 起状態に励起するのに必要なエネルギー(バ ンドギャップエネルギー)もその物質固有の として定まっており、それに対応して色素10 7が吸収することができる光も特定の波長領 の光に限定される。また、励起された電子 半導体層103の伝導帯へ移動することができ ように、色素107のバンドギャップエネルギ は小さくなりすぎないことが必要である。

 図9(A)は現在一般的に入手可能な四種類の 代表的色素の吸収スペクトルを示し、図9(B) モル吸光係数が小さい三種類の色素の吸収 ペクトルを拡大して示したグラフである。 9(A)および図9(B)から、ブラックダイは、860nm 近を長波長末端として広範囲の吸収波長領 を有することが分かるが、全般にモル吸光 数が小さく、特に短波長側に吸光度が不足 る領域が存在する。N719は、短波長側でブラ ックダイと同等以上のモル吸光係数を有する ものの、吸収波長領域の長波長側末端は730nm 近にあり、長い波長の光を有効に利用する とができない。5-[[4-[4-(2,2-diphenylethenyl)phenyl] -1,2,3,3a,4,8b-hexahydrocyclopent[b]indol-7-yl]methylene]-2- (3-ethyl-4-oxo-2-thioxo-5-thiazolidinylidene)-4-oxo-3-Thiazo lidineacetic acid(以下「色素B」という。)による 光吸収は、N719とほぼ同様の波長依存性を有 、モル吸光係数はN719よりも小さい。2-Cyano-3- [4-[4-(2,2-diphenylethenyl)phenyl]-1,2,3,3a,4,8b-hexahydrocy clopent[b]indol-7-yl]-2-propenoic acid(以下「色素A」 いう。)は、モル吸光係数は大きいものの、 吸収波長領域が狭く限られる。

 上述のように、現在のところ、波長300~900 nmの太陽光を余すことなく吸収することがで る色素は存在しない。色素増感光電変換素 を太陽電池として用いた場合の最高性能は 色素107としてN719を用いた場合に達成されて おり、例えば、開放電圧0.755V、光電変換効率 8.23%の性能が得られている。この結果を、結 シリコン系太陽電池で達成されている開放 圧0.6V、光電変換効率15%の性能と比べると、 光電変換効率は半分強にとどまっている。

 開放電圧は色素増感光電変換素子の方が結 シリコン系太陽電池より大きいことを考慮 ると、色素増感太陽電池の低い光電変換効 の原因は、得られる光電流が結晶シリコン 太陽電池に比べ著しく少ないことにあり、 の主因は、色素107による光吸収率が不十分 あることにあると考えられる。すなわち、 陽光に含まれる様々な波長の光の全てを効 よく吸収することができる色素が存在しな ため、一種類の色素を用いた色素増感太陽 池では光吸収率が不十分になると考えられ 。
 なお、酸化チタン(TiO )微粒子が分散されたTiO ペーストの作製方法が知られている(例えば 「荒川裕則「色素増感太陽電池の最新技術 (シーエムシー)p.45-47(2001)」参照。)。

 上述のように、一種類の色素では十分な光 収を得ることができないのであれば、吸収 長特性が互いに異なる複数種類の色素を混 して増感色素として用いることが考えられ 。しかしながら、上述のように、複数種類 色素を半導体層103上に混在させて用いると 実際には光電変換効率が低下する場合がほ んどである。これは、既に述べたように、 素間での電子移動などによって、吸収され 光子から電流が得られる比率、すなわち量 収率が著しく低下するからである。
 そこで、この発明が解決しようとする課題 、純度の高い一種類の色素を用いる場合よ も高い光吸収率および光電変換効率を得る とができる色素増感太陽電池などの色素増 光電変換素子およびその製造方法ならびに のような色素増感光電変換素子に用いて好 な半導体電極およびその製造方法ならびに のような色素増感光電変換素子を用いた電 機器を提供することである。

 本発明者らは、上記課題を解決するため 鋭意研究を行った結果、色素増感光電変換 子において、半導体電極に増感用の色素と て特定の組み合わせの二種類の色素を吸着 せることにより、半導体電極に一種類の色 を吸着させる場合に比べて光吸収率および 電変換効率の大幅な向上を図ることができ ことを見出した。そして、その理由を解明 るために種々実験を行った結果、後に詳述 るように、特定の組み合わせの複数種類の 素を半導体電極に吸着させた場合、これら 色素のそれぞれの吸着量が、一種類の色素 吸着させた時の吸着量とほぼ同量となるこ を見出し、この事実に基づいて考察を行っ 結果、これはこれらの色素が半導体電極の 面の互いに異なる部位に吸着しているため あるという結論に至り、この発明を案出す に至ったものである。

 すなわち、上記課題を解決するために、第1 の発明は、
 増感用の色素が吸着した半導体電極と対極 の間に電解質層を有する色素増感光電変換 子において、
 上記色素が二種類の色素からなり、この二 類の色素が上記半導体電極の表面の互いに なる部位に吸着している
 ことを特徴とするものである。

 第2の発明は、
 増感用の色素が吸着した半導体電極と対極 の間に電解質層を有する色素増感光電変換 子の製造方法において、
 上記色素として二種類の色素を含む色素溶 中に上記半導体電極を浸漬することにより 記二種類の色素を上記半導体電極の表面の いに異なる部位に吸着させるようにした
 ことを特徴とするものである。

 第3の発明は、
 増感用の色素が吸着した半導体電極と対極 の間に電解質層を有する色素増感光電変換 子を用いた電子機器において、
 上記色素が二種類の色素からなり、この二 類の色素が上記半導体電極の表面の互いに なる部位に吸着している
 ことを特徴とするものである。

 第4の発明は、
 増感用の色素が吸着した半導体電極におい 、
 上記色素が二種類の色素からなり、この二 類の色素が上記半導体電極の表面の互いに なる部位に吸着している
 ことを特徴とするものである。

 第5の発明は、
 増感用の色素が吸着した半導体電極の製造 法において、
 上記色素として二種類の色素を含む色素溶 中に上記半導体電極を浸漬することにより 記二種類の色素を上記半導体電極の表面の いに異なる部位に吸着させるようにした
 ことを特徴とするものである。

 第1~第5の発明において、半導体電極の表 の互いに異なる部位とは、例えば、互いに 指数が異なる結晶面を意味し、その一つの 晶面の吸着サイトに一方の色素が特異的に 着し、もう一つの結晶面の吸着サイトに他 の色素が特異的に吸着する。これによって 二種類の色素を吸着させる場合、これらの 素は互いに独立にそれぞれの結晶面に吸着 ることができ、二種類の色素を吸着させる 合に、それぞれの色素の吸着量が、一種類 色素を吸着させる場合と同等の吸着量とな ことが説明できる。

 第1~第5の発明において、増感用の二種類 色素としては、増感作用を示すことに加え 、一方の色素の分子は吸着末端にカルボキ ル基を有し、このカルボキシル基によって 導体電極と脱水反応によって結合し、他方 色素の分子は吸着末端にカルボキシル基お び補吸着官能基(シアノ基、アミノ基、チオ ール基、チオン基などの半導体電極と弱い結 合を形成するもの)との弱い静電力によって 合するものであることが好ましい。具体的 は、この二種類の色素は、例えば、ブラッ ダイと色素Aとの組み合わせや、ブラックダ とN719との組み合わせなどである。

 半導体電極には、必要に応じて、上記の 種類の色素に加えて一種類または複数種類 他の色素を吸着させてもよい。他の色素と ては、具体的には、例えば、ローダミンB、 ローズベンガル、エオシン、エリスロシンな どのキサンテン系色素、メロシアニン、キノ シアニン、クリプトシアニンなどのシアニン 系色素、フェノサフラニン、カブリブルー、 チオシン、メチレンブルーなどの塩基性染料 、クロロフィル、亜鉛ポルフィリン、マグネ シウムポルフィリンなどのポルフィリン系化 合物が挙げられ、その他のものとしてはアゾ 色素、フタロシアニン化合物、クマリン系化 合物、ビピリジン錯化合物、アントラキノン 系色素、多環キノン系色素などが挙げられる 。これらの中でも、リガンド(配位子)がピリ ン環またはイミダゾリウム環を含み、Ru、Os 、Ir、Pt、Co、FeおよびCuからなる群より選ば た少なくとも一種の金属の錯体の増感色素 量子収率が高く好ましい。

 色素の半導体電極への吸着方法に特に制 はないが、上記の色素を、例えばアルコー 類、ニトリル類、ニトロメタン、ハロゲン 炭化水素、エーテル類、ジメチルスルホキ ド、アミド類、N-メチルピロリドン、1,3-ジ チルイミダゾリジノン、3-メチルオキサゾ ジノン、エステル類、炭酸エステル類、ケ ン類、炭化水素、水などの溶媒に溶解させ これに半導体電極を浸漬したり、これらの 素を含む溶液(色素溶液)を半導体電極上に塗 布したりすることができる。必要に応じて、 色素分子同士の会合を低減する目的でデオキ シコール酸などを添加してもよい。さらには 、紫外線吸収剤を併用してもよい。

 必要に応じて、半導体電極に色素を吸着 せた後に、過剰に吸着した色素の除去を促 する目的で、アミン類を用いて半導体電極 表面を処理してもよい。アミン類の例とし はピリジン、4-tert-ブチルピリジン、ポリビ ニルピリジンなどが挙げられ、これらが液体 の場合はそのまま用いてもよいし、有機溶媒 に溶解して用いてもよい。

 半導体電極は典型的には透明導電性基板 に設けられる。この透明導電性基板は、導 性または非導電性の透明支持基板上に透明 電膜を形成したものであっても、全体が導 性の透明基板であってもよい。この透明支 基板の材質は特に制限されず、透明であれ 種々の基材を用いることができる。この透 支持基板は、光電変換素子外部から侵入す 水分やガスの遮断性、耐溶剤性、耐候性な に優れているものが好ましく、具体的には 石英、ガラスなどの透明無機基板、ポリエ レンテレフタレート、ポリエチレンナフタ ート、ポリカーボネート、ポリスチレン、 リエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニ ンサルファイド、ポリフッ化ビニリデン、 トラアセチルセルロース、ブロム化フェノ シ、アラミド類、ポリイミド類、ポリスチ ン類、ポリアリレート類、ポリスルフォン 、ポリオレフィン類などの透明プラスチッ 基板が挙げられ、これらの中でも特に可視 領域の透過率が高い基板を用いるのが好ま いが、これらに限定されるものではない。 の透明支持基板としては、加工性、軽量性 どを考慮すると透明プラスチック基板を用 るのが好ましい。また、この透明支持基板 厚さは特に制限されず、光の透過率、光電 換素子の内部と外部との遮断性などによっ 自由に選択することができる。

 透明導電性基板の表面抵抗(シート抵抗)は いほど好ましい。具体的には、透明導電性 板の表面抵抗は500ω/cm 2 以下が好ましく、100ω/cm 2 がさらに好ましい。透明支持基板上に透明導 電膜を形成する場合、その材料としては公知 のものを使用可能であり、具体的には、イン ジウム-スズ複合酸化物(ITO)、フッ素ドープSnO (FTO)、SnO 、ZnO、インジウム-亜鉛複合酸化物(IZO)などが 挙げられるが、これらに限定されるものでは なく、また、これらを二種類以上組み合わせ て用いることもできる。また、透明導電性基 板の表面抵抗を低減し、集電効率を向上させ る目的で、透明導電性基板上に、導電性の高 い金属などの導電材料からなる配線を別途設 けてもよい。この配線に用いる導電材料に特 に制限はないが、耐食性、耐酸化性が高く、 導電材料自体の漏れ電流が低いことが望まし い。ただし、耐食性が低い導電材料でも、金 属酸化物などからなる保護層を別途設けるこ とで使用可能となる。また、この配線を腐食 などから保護する目的で、配線は透明導電性 基板と保護層との間に設置することが好まし い。

 半導体電極は、典型的には半導体微粒子か なる。この半導体微粒子の材料としては、 リコンに代表される元素半導体のほかに、 種の化合物半導体、ペロブスカイト構造を する化合物などを使用することができる。 れらの半導体は、光励起下で伝導帯電子が ャリアーとなり、アノード電流を与えるn型 半導体であることが好ましい。これらの半導 体は、具体的に例示すると、TiO 、ZnO、WO 、Nb O 、TiSrO 、SnO などであり、これらの中でもアナターゼ型の TiO が特に好ましい。半導体の種類はこれらに限 定されるものではなく、また、これらを二種 類以上混合して用いることもできる。さらに 、半導体微粒子は粒子状、チューブ状、棒状 など必要に応じて様々な形態を取ることが可 能である。

 半導体微粒子の粒径に特に制限はないが 一次粒子の平均粒径で1~200nmが好ましく、特 に好ましくは5~100nmである。また、この平均 径の半導体微粒子にこの平均粒径より大き 平均粒径の半導体微粒子を混合し、平均粒 の大きい半導体微粒子により入射光を散乱 せ、量子収率を向上させることも可能であ 。この場合、別途混合する半導体微粒子の 均粒径は20~500nmであることが好ましい。

 半導体微粒子からなる半導体電極の作製 法に特に制限はないが、物性、利便性、製 コストなどを考慮した場合には湿式製膜法 好ましく、半導体微粒子の粉末あるいはゾ を水などの溶媒に均一分散したペーストを 製し、透明導電性基板上に塗布する方法が ましい。塗布は、その方法に特に制限はな 、公知の方法に従って行うことができ、例 ば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバ 法、スピンコート法、ローラーコート法、 レードコート法、グラビアコート法、また 湿式印刷方法としては、例えば、凸版、オ セット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリ ン印刷など様々な方法により行うことがで る。半導体微粒子の材料として結晶酸化チ ンを用いる場合、その結晶型は、アナター 型が光触媒活性の点から好ましい。アナタ ゼ型酸化チタンは市販の粉末、ゾル、スラ ーでもよいし、あるいは、酸化チタンアル キシドを加水分解するなどの公知の方法に って所定の粒径のものを作ってもよい。市 の粉末を使用する際には粒子の二次凝集を 消することが好ましく、塗布液調製時に乳 やボールミルなどを使用して粒子の粉砕を うことが好ましい。このとき、二次凝集が かれた粒子が再度凝集するのを防ぐため、 セチルアセトン、塩酸、硝酸、界面活性剤 キレート剤などを添加することができる。 た、増粘の目的でポリエチレンオキシドや リビニルアルコールなどの高分子、セルロ ス系の増粘剤など、各種の増粘剤を添加す こともできる。

 半導体微粒子層は多くの色素を吸着する とができるように、表面積の大きいものが ましい。このため、半導体微粒子層を支持 上に塗設した状態での表面積は、投影面積 対して10倍以上であることが好ましく、100 以上であることがより好ましい。この上限 特に制限はないが、通常1000倍程度である。 導体微粒子層は、一般に、その厚さが増大 るほど単位投影面積当たりの担持色素量が えるため光の捕獲率が高くなるが、注入し 電子の拡散距離が増すため電荷再結合によ ロスも大きくなる。従って、半導体微粒子 には好ましい厚さが存在するが、その厚さ 一般的には0.1~100μmであり、1~50μmであるこ がより好ましく、3~30μmであることが特に好 しい。半導体微粒子層は支持体に塗布した に粒子同士を電子的にコンタクトさせ、膜 度の向上や基板との密着性を向上させるた に、焼成して多孔質とすることが好ましい 焼成温度の範囲に特に制限はないが、温度 上げ過ぎると基板の抵抗が高くなってしま 、溶融することもあるため、通常は40~700℃ あり、より好ましくは40~650℃である。また 焼成時間も特に制限はないが、通常は10分~1 0時間程度である。焼成後、半導体微粒子層 表面積を増大させたり、半導体微粒子間の ッキングを高めたりする目的で、例えば四 化チタン水溶液や直径10nm以下の酸化チタン 微粒子ゾルのディップ処理を行ってもよい 透明導電性基板の支持体にプラスチック基 を用いている場合は、結着剤を含むペース を基板上に塗布し、加熱プレスによる基板 の圧着を行うことも可能である。

 対極は導電性物質であれば任意のものを いることができるが、絶縁性の物質でも半 体電極に面している側に導電層が設置され いれば、これも使用可能である。ただし、 極の材料としては電気化学的に安定である 料を用いることが好ましく、具体的には、 金、金、カーボン、導電性ポリマーなどを いることが望ましい。また、酸化還元の触 効果を向上させる目的で、半導体電極に面 ている側は微細構造で表面積が増大してい ことが好ましく、例えば、白金であれば白 黒状態に、カーボンであれば多孔質状態に っていることが望まれる。白金黒状態は白 の陽極酸化法、塩化白金酸処理などによっ 、また多孔質状態のカーボンは、カーボン 粒子の焼結や有機ポリマーの焼成などの方 により形成することができる。また、透明 電性基板上に白金などの酸化還元触媒効果 高い金属を配線するか、表面を塩化白金酸 理することにより、透明な対極として使用 ることもできる。

 電解質は、ヨウ素(I )と金属ヨウ化物もしくは有機ヨウ化物との み合わせ、臭素(Br )と金属臭化物あるいは有機臭化物との組み わせのほか、フェロシアン酸塩/フェリシア 酸塩やフェロセン/フェリシニウムイオンな どの金属錯体、ポリ硫化ナトリウム、アルキ ルチオール/アルキルジスルフィドなどのイ ウ化合物、ビオロゲン色素、ヒドロキノン/ ノンなどを用いることができる。上記金属 合物のカチオンとしてはLi、Na、K、Mg、Ca、C sなど、上記有機化合物のカチオンとしては トラアルキルアンモニウム類、ピリジニウ 類、イミダゾリウム類などの4級アンモニウ 化合物が好ましいが、これらに限定される のではなく、また、これらを二種類以上混 して用いることもできる。この中でも、I とLiI、NaIやイミダゾリウムヨーダイドなどの 4級アンモニウム化合物とを組み合わせた電 質が好ましい。電解質塩の濃度は溶媒に対 て0.05~10Mが好ましく、さらに好ましくは0.2~3M である。I やBr の濃度は0.0005~1Mが好ましく、さらに好ましく は0.001~0.5Mである。また、開放電圧、短絡電 を向上させる目的で4-tert-ブチルピリジンや ンズイミダゾリウム類などの各種添加剤を えることもできる。

 上記電解質組成物を構成する溶媒として 、アルコール類、エーテル類、エステル類 炭酸エステル類、ラクトン類、カルボン酸 ステル類、リン酸トリエステル類、複素環 合物類、ニトリル類、ケトン類、アミド類 ニトロメタン、ハロゲン化炭化水素、ジメ ルスルホキシド、スルフォラン、N-メチル ロリドン、1,3-ジメチルイミダゾリジノン、3 -メチルオキサゾリジノン、炭化水素などが げられるが、これらに限定されるものでは く、また、これらを二種類以上混合して用 ることもできる。さらに、溶媒としてテト アルキル系、ピリジニウム系、イミダゾリ ム系4級アンモニウム塩の室温イオン性液体 用いることも可能である。

 光電変換素子の漏液、電解質の揮発を低 する目的で、上記電解質組成物へゲル化剤 ポリマー、架橋モノマーなどを溶解させ、 ル状電解質として使用することも可能であ 。ゲルマトリクスと電解質組成物との比率 、電解質組成物が多ければイオン導電率は くなるが、機械的強度は低下し、逆に電解 組成物が少なすぎると機械的強度は大きい イオン導電率は低下するため、電解質組成 はゲル状電解質の50~99wt%が好ましく、80~97wt% がより好ましい。また、上記電解質と可塑剤 とをポリマーに溶解させ、可塑剤を揮発除去 することで全固体型の光電変換素子を実現す ることも可能である。

 光電変換素子の製造方法は特に限定され いが、例えば電解質組成物が液状、もしく 光電変換素子内部でゲル化させることが可 であり、導入前は液状の電解質組成物の場 、増感用の色素が吸着した半導体電極と対 とを向かい合わせ、これらの電極が接しな ように半導体電極が形成されていない基板 分を封止する。このとき、半導体電極と対 との隙間の大きさに特に制限はないが、通 1~100μmであり、より好ましくは1~50μmである この電極間の距離が長すぎると、導電率の 下から光電流が減少してしまう。封止方法 特に制限されないが、耐光性、絶縁性、防 性を備えた材料を用いることが好ましく、 ポキシ樹脂、紫外線硬化樹脂、アクリル樹 、ポリイソブチレン樹脂、EVA(エチレンビニ ルアセテート) 、アイオノマー樹脂、セラミ ック、各種熱融着樹脂などを用いることがで き、また、種々の溶接法を用いることができ る。また、電解質組成物の溶液を注液する注 入口が必要であるが、色素が吸着した半導体 電極およびそれに対向する部分の対極上でな ければ、注入口の場所は特に限定されない。 注液方法に特に制限はないが、予め封止され 、溶液の注入口を開けられた上記セルの内部 に注液を行う方法が好ましい。この場合、注 入口に溶液を数滴垂らし、毛細管現象により 注液する方法が簡便である。また、必要に応 じて減圧もしくは加熱下で注液の操作を行う こともできる。完全に溶液が注入された後、 注入口に残った溶液を除去し、注入口を封止 する。この封止方法にも特に制限はないが、 必要であればガラス板やプラスチック基板を 封止剤で貼り付けて封止することもできる。 また、ポリマーなどを用いたゲル状電解質、 全固体型の電解質の場合、色素が吸着した半 導体電極上で電解質組成物と可塑剤とを含む ポリマー溶液をキャスト法により揮発除去さ せる。可塑剤を完全に除去した後、上記方法 と同様に封止を行う。この封止は真空シーラ ーなどを用いて、不活性ガス雰囲気下、もし くは減圧中で行うことが好ましい。封止を行 った後、電解質を半導体電極へ十分に含浸さ せるため、必要に応じて加熱、加圧の操作を 行うことも可能である。

 色素増感光電変換素子はその用途に応じて 々な形状で作製することが可能であり、そ 形状は特に限定されない。
 色素増感光電変換素子は、最も典型的には 色素増感太陽電池として構成される。ただ 、色素増感光電変換素子は、色素増感太陽 池以外のもの、例えば色素増感光センサー どであってもよい。
 電子機器は、基本的にはどのようなもので ってもよく、携帯型のものと据え置き型の のとの双方を含むが、具体例を挙げると、 帯電話、モバイル機器、ロボット、パーソ ルコンピュータ、車載機器、各種家庭電気 品などである。この場合、色素増感光電変 素子は、例えばこれらの電子機器の電源と て用いられる色素増感太陽電池である。
 半導体電極は、必ずしも色素増感光電変換 子に用いるものに限定されず、他の用途に いてもよい。

 第6の発明は、
 増感用の色素が吸着した半導体電極と対極 の間に電解質層を有する色素増感光電変換 子において、
 上記色素が複数種類の色素からなり、この 数種類の色素のうちの少なくとも二種類の 素が上記半導体電極の表面の互いに異なる 位に吸着している
 ことを特徴とするものである。

 第7の発明は、
 増感用の色素が吸着した半導体電極と対極 の間に電解質層を有する色素増感光電変換 子の製造方法において、
 上記色素として複数種類の色素を含む色素 液中に上記半導体電極を浸漬することによ 上記複数種類の色素のうちの少なくとも二 類の色素を上記半導体電極の表面の互いに なる部位に吸着させるようにした
 ことを特徴とするものである。

 第8の発明は、
 増感用の色素が吸着した半導体電極と対極 の間に電解質層を有する色素増感光電変換 子を用いた電子機器において、
 上記色素が複数種類の色素からなり、この 数種類の色素のうちの少なくとも二種類の 素が上記半導体電極の表面の互いに異なる 位に吸着している
 ことを特徴とするものである。

 第9の発明は、
 増感用の色素が吸着した半導体電極におい 、
 上記色素が複数種類の色素からなり、この 数種類の色素のうちの少なくとも二種類の 素が上記半導体電極の表面の互いに異なる 位に吸着している
 ことを特徴とするものである。

 第10の発明は、
 増感用の色素が吸着した半導体電極の製造 法において、
 上記色素として複数種類の色素を含む色素 液中に上記半導体電極を浸漬することによ 上記複数種類の色素のうちの少なくとも二 類の色素を上記半導体電極の表面の互いに なる部位に吸着させるようにした
 ことを特徴とするものである。
 第6~第10の発明においては、第1~第5の発明に 関連して説明したことが成立する。

 上述のように構成されたこの発明におい は、少なくとも二種類の色素を半導体電極 表面の互いに異なる部位に吸着させるので これらの色素のそれぞれの吸着量を単独で 着させた場合と同等にすることができ、こ らの色素をそれぞれ十分な量だけ吸着させ ことができる。

この発明の一実施形態による色素増感 電変換素子の要部の断面図である。 この発明の一実施形態による色素増感 電変換素子における半導体微粒子層に二種 の色素が吸着している様子を模式的に示す 線図である。 この発明の一実施形態による色素増感 電変換素子の動作を説明するためのエネル ー図である。 ブラックダイおよび色素Aの化学構造お よびIPCEスペクトルを示す略線図である。 N719の化学構造を示す略線図である。 この発明の実施例および比較例による 素増感光電変換素子のIPCEスペクトルを示す 略線図である。 従来の色素増感光電変換素子の要部の 面図である。 従来の色素増感光電変換素子の動作を 明するためのエネルギー図である。 代表的な色素の光吸収特性を示す略線 である。

 以下、この発明の一実施形態について図面 参照しながら説明する。なお、実施形態の 図において、同一または対応する部分には 一の符号を付す。
 図1はこの一実施形態による色素増感光電変 換素子を示す。
 図1に示すように、この色素増感光電変換素 子は、ガラスなどの透明基板1上にFTOなどか なる透明電極2を形成し、その上に半導体微 子層3を形成して増感用の色素を吸着させた ものと、基板4上に形成したFTOなどからなる 極5aおよび白金層などの導電層5bからなる対 5とを対向させ、それらの間にI /I などの酸化還元種(レドックス対)を含む有機 解液などからなる電解質層6を充填した構造 を有する。電解質層6は、図示省略した所定 封止部材により封止されている。透明電極2 対極5との間に外部回路が接続される。半導 体微粒子層3としては、例えば、TiO などの半導体微粒子を焼結させた多孔質層が 用いられるが、これに限定されるものではな い。この半導体微粒子層3を構成する半導体 粒子の表面に増感用の色素が吸着している

 この色素増感光電変換素子で特徴的なこ は、半導体微粒子層3において、増感用の色 素として二種類の色素がこの半導体微粒子層 3の表面の互いに異なる部位、例えばこの半 体微粒子層3を構成する半導体微粒子の表面 互いに面指数が異なる結晶面にそれぞれ吸 していることである。この様子を図2を参照 して説明する。図3は半導体微粒子層3の表面 存在する、互いに面指数が異なる二つの領 3a、3bを模式的に示したイメージ図である。 例えば、領域3aが(100)面の結晶面、領域3bが(11 0)面の結晶面である。実際に、半導体微粒子 3を構成する半導体微粒子の表面には互いに 面指数が異なる複数のファセットが形成され ており、これらが領域3a、3bとなり得る。こ 場合、二種類の色素のうちの一方が例えば 域3aに吸着し、他方が例えば領域3bに吸着す 。こうすることで、これらの二種類の色素 吸着量をそれぞれを単独で吸着させた場合 同等の吸着量にすることができ、二種類の 素のそれぞれの吸着量を十分に大きくする とができる。

 次に、この色素増感光電変換素子の製造方 について説明する。
 まず、透明基板1を用意し、その上に透明電 極2を形成する。次に、この透明電極2上に、 導体微粒子が分散されたペーストを所定の ャップ(厚さ)に塗布する。次に、この透明 板1を所定温度に加熱して半導体微粒子を焼 することにより半導体微粒子層3を形成する 。次に、この半導体微粒子層3が形成された 明基板1を二種類の色素を含む色素溶液に浸 してこの半導体微粒子層3にこの二種類の色 素を吸着させる。この際、これらの二種類の 色素は、半導体微粒子層3の表面の互いに異 る部位にそれぞれ特異的に吸着するので、 着は互いに独立に起き、吸着サイトを互い 奪い合うことがない。こうして、二種類の 素が吸着した半導体微粒子層3が形成される

 一方、基板4を別途用意し、その上に電極 5aおよび導電層5bを形成し、対極5を形成する そして、上記の透明基板1とこの基板4とを 導体微粒子層3および対極5が所定の間隔、例 えば1~100μm、好ましくは1~50μmの間隔をおいて 互いに対向するように配置するとともに、所 定の封止部材を用いて電解質層6が封入され 空間を作り、この空間に予め形成された注 口から電解質層6を注入する。その後、この 液口を塞ぐ。これによって、色素増感光電 換素子が製造される。

 この色素増感光電変換素子の動作原理を図3 に示すエネルギー図を参照して説明する。た だし、図3では、透明電極2の材料としてFTO、 種類の色素7a、7bとしてそれぞれブラックダ イおよび色素A、半導体微粒子層3の材料とし TiO 、酸化還元種としてI /I を用いる場合を考える。この色素増感光電変 換素子は、透明基板1側から光が入射すると 対極5を正極、透明電極2を負極とする電池と して動作する。その原理は次の通りである。

 すなわち、透明基板1および透明電極2を透 してきた光子を色素7a、7bが吸収すると、こ らの色素7a、7b中の電子が基底状態(HOMO)から 励起状態(LUMO)へ励起される。この際、二種類 の色素7a、7b(例えば、ブラックダイおよび色 A)を用いているため、一種類の色素だけを いる従来の色素増感光電変換素子に比べて より広い波長領域の光をより高い光吸収率 吸収することができる。こうして励起され 電子は半導体微粒子層3の伝導帯に引き出さ 、この半導体微粒子層3を通って透明電極2 到達する。この際、二種類の色素7a、7b、例 ばブラックダイおよび色素Aが、最小励起エ ネルギーが互いに十分異なる色素からなるた め、これらの色素7a、7bは互いの量子収率を 下させることがなく、これらの色素7a、7bに る光電変換機能が発現し、電流の発生量が きく向上する。
 一方、電子を失った色素7a、7bは、電解質層 6中の還元剤、すなわちI- から下記の反応
  2I  → I  + 2e
  I  +I  →I
によって電子を受け取り、電解質層6中に酸 剤、すなわちI (I とI との結合体)を生成させる。こうして生成し 酸化剤は拡散によって対極5に到達し、上記 反応の逆反応
  I  →I  +I
  I  + 2e  → 2I
によって対極5から電子を受け取り、もとの 元剤に還元される。
 透明電極2から外部回路へ送り出された電子 は、外部回路で電気的仕事をした後、対極5 戻る。このようにして、色素7a、7bにも電解 層6にも何の変化も残さず、光エネルギーが 電気エネルギーに変換される。

 図4は、最も高い性能向上効果が得られた ブラックダイ(図4(A))と色素A(図4(B))との組み わせについて、各色素の構造式およびIPCE(Inc ident Photon-to-current Conversion Efficiency)スペク ルを示す説明図である。図4と先に示した図9 とから、基本色素であるブラックダイの吸光 度が不足する短波長領域の光吸収を、補助色 素である色素Aが補助する関係にあることが かる。しかも、ブラックダイの吸収ピーク 長が400nm以上の波長領域に存在し、吸収波長 領域の長波長側末端が860nm付近にあるのに対 、色素Aの吸収ピーク波長は400nm以下の波長 域に存在し、吸収波長領域の長波長側末端 480nm付近にある。これは両色素のバンドギ ップエネルギーが互いに大きく異なってい ことを表している。ブラックダイと色素Aと 半導体微粒子層3上に混在させた場合、従来 知られていた例とは異なり光電変換効率が低 下しないのは、両色素が半導体微粒子層3の 面の互いに異なる部位にそれぞれ十分な量 け吸着していることに加えて、両色素のバ ドギャップエネルギーが互いに大きく異な ているため、色素間での電子移動が起こり くいためと考えられる。

 図3のエネルギー図には、色素7a、7bがブ ックダイと色素Aとからなる系で、色素Aの光 電変換効率が向上する機構が示されている。 上述したように、各色素がそれぞれ光子を吸 収すると色素中の電子が基底状態(HOMO)から励 起状態(LUMO)へ励起される。この系では、色素 Aの励起状態の電子が半導体微粒子層3の伝導 に引き出される経路が二種類存在する。す わち、色素Aの励起状態から直接、半導体微 粒子層3の伝導帯に引き出される直接経路8と 色素Aの励起状態の電子が、まず、エネルギ ー準位の低いブラックダイの励起状態へ引き 出され、次に、ブラックダイの励起状態から 半導体微粒子層3の伝導帯に引き出される間 経路9とである。この間接経路9の寄与によっ て、ブラックダイが共存する系では、色素A 光電変換効率が向上する。

 色素増感光電変換素子の実施例について説 する。
〈実施例〉
 半導体微粒子としてTiO 微粒子を用いた。TiO 微粒子が分散されたペーストを「荒川裕則「 色素増感太陽電池の最新技術」(シーエムシ )p.45-47(2001)」を参考にして以下のように作製 した。125mlのチタンイソプロポキシドを750ml 0.1M硝酸水溶液に室温で撹拌しながらゆっく 滴下した。滴下が終了したら、この溶液を8 0℃の恒温槽に移し、8時間撹拌して、白濁し 半透明のゾル溶液を得た。このゾル溶液を 温まで放冷し、ガラスフィルターでろ過し 後、700mlにメスアップした。得られたゾル 液をオートクレーブへ移し、220℃で12時間水 熱処理を行った後、1時間超音波処理を行う とにより分散処理した。次に、この溶液を バポレーターにより40℃で濃縮し、TiO の含有量が20wt%になるように調製した。この 縮ゾル溶液に、ペースト中のTiO に対して20wt%のポリエチレングリコール(分子 量50万)とペースト中のTiO に対して30wt%の粒径200nmのアナターゼ型TiO を添加し、これらを撹拌脱泡機で均一に混合 し、増粘したTiO ペーストを得た。

 次に、上記のように得られたTiO ペーストをFTO基板へブレードコーティング法 により大きさ5mm×5mm、ギャップ200μmで塗布し 後、500℃に30分間保持し、TiO をFTO基板上に焼結した。次に、焼結されたTiO 膜へ0.1MのTiCl 水溶液を滴下し、室温下、15時間保持した後 洗浄を行い、その後再び500℃で30分間焼成 行った。
 次に、こうして作製したTiO 焼結体の不純物を除去し、活性を高める目的 で、紫外線照射装置により30分間、紫外線露 を行った。

 次に、十分に精製したブラックダイを25.5 mg、色素Aを3.2mg、アセトニトリル:tert-ブタノ ル=1:1混合溶媒50mlに溶解させた。次に、こ 色素溶液に上記半導体電極を室温下、72時間 浸漬して色素を吸着させた。この半導体電極 をアセトニトリル:tert-ブタノール=1:1混合溶 、アセトニトリルの順で洗浄し、暗所で乾 させた。

 対極は、予め0.5mmの注液口が開けられたFTO 板にCrを厚さ50nm、次いでPtを厚さ100nm順次ス ッタし、その上に塩化白金酸のイソプロピ アルコール(IPA)溶液をスプレーコートし、38 5℃で15分間加熱したものを用いた。
 次に、上記のように形成された色素吸着TiO 2  微粒子層、すなわち色素増感半導体電極のT iO 面と対極のPt面とを向かい合わせ、その外周 厚さ30μmのアイオノマー樹脂フィルムとア リル系紫外線硬化樹脂とによって封止した

 一方、メトキシアセトニトリル2gにヨウ化 トリウム(NaI)0.030g、1-プロピル-2,3-ジメチル ミダゾリウムヨーダイド1.0g、ヨウ素(I 2  )0.10g、4-tert-ブチルピリジン0.054gを溶解させ 、電解質組成物を調製した。
 上記混合溶液を予め準備した素子の注液口 ら送液ポンプを用いて注入し、減圧するこ で素子内部の気泡を追い出した。次に、注 口をアイオノマー樹脂フィルム、アクリル 脂、ガラス基板で封止し、色素増感光電変 素子を得た。

 色素の吸着量を見積もるために、色素が 着した半導体電極をまず無水酢酸に浸漬し 30℃で一時間静置して色素Aのみを溶出させ 。次に、0.1N水酸化ナトリウム水溶液に浸漬 して、直ちにブラックダイを溶出させた。そ れぞれの溶液のそれぞれのモル吸光係数から 色素の吸着量を算出した。

〈比較例A〉
 半導体電極に色素Aだけを吸着させること以 外は上記実施例と同様に色素増感光電変換素 子を作製した。
 すなわち、色素Aを3.2mg、アセトニトリル:ter t-ブタノール=1:1混合溶媒50mlに溶解させた。 に、この色素溶液に上記半導体電極を室温 、12時間浸漬して色素を吸着させた。この半 導体電極をアセトニトリル:tert-ブタノール=1: 1混合溶媒、アセトニトリルの順で洗浄し、 所で乾燥させた。
 色素の吸着量を見積もるために、色素吸着 導体電極を無水酢酸に浸漬し、30℃で一時 静置して色素Aを溶出させた。色素Aの無水酢 酸でのモル吸光係数から色素の吸着量を算出 した。

〈比較例B〉
 半導体電極にブラックダイだけを吸着させ こと以外は上記実施例と同様に色素増感光 変換素子を作製した。
 すなわち、十分に精製したブラックダイを1 3.6mg、アセトニトリル:tert-ブタノール=1:1混合 溶媒50mlに溶解させた。次に、この色素溶液 上記半導体電極を室温下、72時間浸漬して色 素を吸着させた。この半導体電極をアセトニ トリル:tert-ブタノール=1:1混合溶媒、アセト トリルの順で洗浄し、暗所で乾燥させた。
 色素の吸着量を見積もるために、色素吸着 導体電極を0.1N水酸化ナトリウム水溶液に浸 漬して、直ちにブラックダイを溶出させた。 ブラックダイの0.1N水酸化ナトリウム水溶液 のモル吸光係数から色素の吸着量を算出し 。

〈比較例C〉
 半導体電極にN719だけを吸着させること以外 は上記実施例と同様に色素増感光電変換素子 を作製した。
 すなわち、十分に精製したN719を17.8mg、アセ トニトリル:tert-ブタノール=1:1混合溶媒50mlに 解させた。次に、この色素溶液に上記半導 電極を室温下、72時間浸漬して色素を吸着 せた。この半導体電極をアセトニトリル:tert -ブタノール=1:1混合溶媒、アセトニトリルの で洗浄し、暗所で乾燥させた。
 色素の吸着量を見積もるために、色素吸着 導体電極を0.1N水酸化ナトリウム水溶液に浸 漬して、直ちにN719を溶出させた。N719の0.1N水 酸化ナトリウム水溶液でのモル吸光係数から 色素の吸着量を算出した。

 以上のようにして作製した実施例および比 例A~Cの色素増感光電変換素子において、擬 太陽光(AM1.5,100mW/cm )照射時におけるI(電流)-V(電圧)曲線の開放電 (V oc )、短絡電流(J sc )、フィルファクター(ff)および光電変換効率 測定した。測定結果を表1に示す。色素吸着 量の測定結果を表2に示す。また、IPCEの測定 果を図6に示す。

 表1から、ブラックダイおよび色素Aからな 二種類の色素を用いた実施例の色素増感光 変換素子では、一種類の色素だけを用いた 較例A~Cの色素増感光電変換素子と比較して 光電変換効率が飛躍的に向上していること 分かる。
 表2から、実施例における二種類の色素、す なわちブラックダイおよび色素Aのそれぞれ 吸着量は、ブラックダイおよび色素Aをそれ れ単独で吸着させた時の吸着量とほぼ同量 あることが分かる。この色素吸着量の測定 果からブラックダイおよび色素Aはそれぞれ 半導体電極の表面の異なる部位に吸着してい ると考えることができる。
 図6のIPCEの測定結果より、実施例では、比 例A~Cに比べて、より広範囲の波長領域にお て大きなIPCEが得られていることが分かる。

 以上のように、この一実施形態によれば 増感用の色素7a、7bを半導体微粒子層3の表 の互いに異なる部位に吸着させているので これらの色素7a、7bのそれぞれの吸着量をこ らの色素7a、7bを単独で吸着させる場合と同 等の量だけ吸着させることができ、これによ って光吸収率および光電変換効率が、一種類 の色素だけを用いた従来の色素増感光電変換 素子に比べて高い高性能の色素増感光電変換 素子を実現することができる。

 以上、この発明の一実施形態および実施例 ついて具体的に説明したが、この発明は、 述の実施形態および実施例に限定されるも ではなく、この発明の技術的思想に基づく 種の変形が可能である。
 例えば、上述の実施形態および実施例にお て挙げた数値、構造、形状、材料、原料、 ロセスなどはあくまでも例に過ぎず、必要 応じてこれらと異なる数値、構造、形状、 料、原料、プロセスなどを用いてもよい。

 この発明によれば、半導体電極にバンド ャップエネルギーや吸収波長領域が互いに なる二種類の色素をそれぞれ十分な量だけ 着させることができるので、光吸収率およ 光電変換効率が高い色素増感光電変換素子 実現することができる。そして、このよう 高性能の色素増感光電変換素子を用いて高 能の電子機器を実現することができる。