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Title:
COMPACT CONTAINER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/099833
Kind Code:
A1
Abstract:
A compact container has a container body for receiving cosmetics etc., a lid for opening and closing the upper face of the container body, a pair of a first hinge piece and a second hinge piece formed on either of the container body and the lid, a hinge block formed on the other of the container body and the lid and placed between the first and second hinge pieces, and a hinge pin inserted across the hinge block and the hinge pieces and rotatably connecting the lid to the container body. A torsion spring for urging the lid in the opening direction is provided on the first hinge piece side. A fitting projection is formed on either of the second hinge piece and the hinge block facing the second hinge piece, and a fitting depression is formed on the other. A friction material for braking rotation of the lid is provided in the fitting depression. A braking projection is provided on either the outer peripheral surface of the fitting projection and the inner peripheral surface of the fitting depression, and the braking projection is in sliding contact with the other to brake rotation of the lid in the opening direction. A recessed peripheral surface section for freeing the braking projection from the sliding contact is formed between the outer peripheral surface of the fitting projection and the inner peripheral surface of the fitting depression.

Inventors:
SEKINE MASAYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/052307
Publication Date:
August 21, 2008
Filing Date:
February 13, 2008
Export Citation:
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Assignee:
YOSHIDA INDUSTRY CO (JP)
SEKINE MASAYUKI (JP)
International Classes:
A45D33/00; B65D43/16
Foreign References:
JP2003339428A2003-12-02
JPH0744246Y21995-10-11
JP2003000335A2003-01-07
JP2006036263A2006-02-09
JP2006036263A2006-02-09
Other References:
See also references of EP 2005855A4
Attorney, Agent or Firm:
ISSHIKI & CO. (12-7 Shinbashi 2-chome,Minato-k, Tokyo 04, JP)
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Claims:
 化粧料などを収納する容器本体と、該容器本体の上面を開閉する蓋体と、該容器本体と該蓋体の何れか一方に形成される一対の第1ヒンジ片および第2ヒンジ片と、該容器本体と該蓋体の他方に形成され該第1及び第2ヒンジ片の間に配設されるヒンジブロックと、該ヒンジブロックと該ヒンジ片それぞれにわたって挿通され、該蓋体を該容器本体に回動自在に連結するヒンジピンとを有するコンパクト容器であって、上記第1ヒンジ片側に上記容器本体および上記蓋体でその両端を係止して該蓋体を開放方向へ回動すべく付勢するトーションスプリングを設け、上記第2ヒンジ片とこれに面する上記ヒンジブロックのいずれか一方に嵌合凸部を形成するとともに、他方に該嵌合凸部が嵌合される嵌合凹部を形成し、該嵌合凹部内に、上記嵌合凸部で挟圧して、上記トーションスプリングに抗して上記蓋体の回動を制動する摩擦材を設け、上記蓋体の回動方向に沿う上記嵌合凸部の外周面と上記嵌合凹部の内周面のいずれか一方に、他方に摺接して上記トーションスプリングに抗して該蓋体の開放方向への回動を制動する制動突起を設け、上記嵌合凸部の外周面と上記嵌合凹部の内周面との間に、少なくとも上記蓋体の閉止位置で上記制動突起の摺接を離脱させる周面後退部を形成したことを特徴とするコンパクト容器。
 前記嵌合凸部が円筒形状に形成され、前記制動突起が円筒形の該嵌合凸部から径方向外側に突出形成され、前記嵌合凹部が円弧状内周壁を有すると共に該円弧状周壁に連接して前記周面後退部が形成されてなることを特徴とする請求項1記載のコンパクト容器。
 前記嵌合凸部が円弧状外周壁を有すると共に該円弧状外周壁に連接して前記周面後退部が形成され、前記嵌合凹部が円弧状内周壁を有すると共に該円弧状内周壁に連接して前記該円弧状周壁の中心方向へ突出した制動突起を有してなることを特徴とする請求項1記載のコンパクト容器。
 前記一対の第1ヒンジ片及び第2ヒンジ片が前記容器本体に形成され、前記ヒンジブロックが前記蓋体に形成されてなることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のコンパクト容器。
 前記嵌合凹部を前記ヒンジブロックの側面に形成すると共に該嵌合凹部の一部を該ヒンジブロックの側終端に向けて切り欠き部を形成し、前記嵌合凸部を前記第2ヒンジ片に形成すると共に該嵌合凸部が該切り欠き部を通して該嵌合凹部に嵌合可能としてなることを特徴とする請求項4記載のコンパクト容器。
 前記摩擦材が弾性変形を生じるゴム材または合成樹脂材で形成されたOリングからなることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のコンパクト容器。
Description:
コンパクト容器

 本発明は、容器本体に回動自在に取り付 られ自動的に開放される蓋体の開放速度を 御する機構を備えたコンパクト容器に関す 。

 コンパクト容器の蓋体を自動的に開放さ つつその開放速度を制御することにより、 用性と高級感の双方を向上させる技術とし 、特許文献1が知られている。特許文献1に 、蓋体又は容器本体の一方に設けられたシ フトが他方に設けられたシャフト挿通部に 入されるとともに、蓋体を開く方向に付勢 る付勢手段が設けられ、蓋体が容器本体に して緩やかに開くようにシャフトとシャフ 挿通部の間に粘性材が充填された容器が示 れている。この容器では、蓋体の開放操作 伴い蓋体に設けられたシャフト挿通孔がシ フトまわりに回動し、その際粘性材が両者 相対回動の抵抗となり付勢手段による蓋体 開放動作の速度が制御されている(例えば、 開2006-36263号公報参照)。

 しかしながら、特許文献1の技術はシャフ トとシャフト挿通孔の間に粘性材の充填を前 提としているため、シャフトとシャフト挿通 孔の間に粘性材を充填するための隙間を確保 したり、充填された粘性材が漏出しないよう にシール材を設ける必要があり、シャフト等 の部材形状が複雑となる。また、粘性材の充 填やシール材の取り付けなどの工程も増加し 組み立てに手間が掛かる。さらに粘性材の充 填状況を確認することは難しく、品質管理も 容易でない。このため組み立てに手間が掛か り製造コストが嵩んでしまう。

 本発明は上記従来の課題に鑑みて創案さ たものであって、部材形状や機構が簡単で 組み立て性にも優れ、生産コストの低減も 能な、蓋体の開放速度の制御機構を有する ンパクト容器を提供することを目的とする

 本発明にかかるコンパクト容器は、化粧 などを収納する容器本体と、該容器本体の 面を開閉する蓋体と、該容器本体と該蓋体 何れか一方に形成される一対の第1ヒンジ片 および第2ヒンジ片と、該容器本体と該蓋体 他方に形成され該第1及び第2ヒンジ片の間に 配設されるヒンジブロックと、該ヒンジブロ ックと該ヒンジ片それぞれにわたって挿通さ れ、該蓋体を該容器本体に回動自在に連結す るヒンジピンとを有するコンパクト容器であ って、上記第1ヒンジ片側に上記容器本体お び上記蓋体でその両端を係止して該蓋体を 放方向へ回動すべく付勢するトーションス リングを設け、上記第2ヒンジ片とこれに面 る上記ヒンジブロックのいずれか一方に嵌 凸部を形成するとともに、他方に該嵌合凸 が嵌合される嵌合凹部を形成し、該嵌合凹 内に、上記嵌合凸部で挟圧して、上記トー ョンスプリングに抗して上記蓋体の回動を 動する摩擦材を設け、上記蓋体の回動方向 沿う上記嵌合凸部の外周面と上記嵌合凹部 内周面のいずれか一方に、他方に摺接して 記トーションスプリングに抗して該蓋体の 放方向への回動を制動する制動突起を設け 上記嵌合凸部の外周面と上記嵌合凹部の内 面との間に、少なくとも上記蓋体の閉止位 で上記制動突起の摺接を離脱させる周面後 部を形成したことを特徴とする。

 好ましくは、前記嵌合凸部が円筒形状に 成され、前記制動突起が円筒形の該嵌合凸 から径方向外側に突出形成され、前記嵌合 部が円弧状内周壁を有すると共に該円弧状 壁に連接して前記周面後退部が形成されて ることである。

 また好ましくは、前記嵌合凸部が円弧状 周壁を有すると共に該円弧状外周壁に連接 て前記周面後退部が形成され、前記嵌合凹 が円弧状内周壁を有すると共に該円弧状内 壁に連接して該円弧状内周壁の中心方向へ 出した制動突起を有してなることである。

 また、好ましくは、前記一対の第1ヒンジ 片及び第2ヒンジ片が前記容器本体に形成さ 、前記ヒンジブロックが前記蓋体に形成さ てなることである。

 また好ましくは、前記嵌合凹部を前記ヒ ジブロックの側面に形成すると共に該嵌合 部の一部を該ヒンジブロックの側終端に向 て切り欠き部を形成し、前記嵌合凸部を前 第2ヒンジ片に形成すると共に該嵌合凸部が 該切り欠き部を通して該嵌合凹部に嵌合可能 としてなることである。

 また好ましくは、前記摩擦材が弾性変形 生じるゴム材または合成樹脂材で形成され Oリングからなることである。

本発明に係るコンパクト容器の好適な 実施形態を示す縦断面図である。 図1に示すコンパクト容器の後方部分の 拡大縦断面図である。 図1に示すコンパクト容器の蓋体が最大 の開放状態における後方部分の拡大縦断面図 である。 図1に示すコンパクト容器の第2ヒンジ とヒンジブロックの取りつけ状況を示す水 断面図である。 図1に示すコンパクト容器のヒンジブロ ックへの摩擦材およびトーションスプリング の組み付け状況を説明する図である。 図1に示すコンパクト容器の第2ヒンジ とヒンジピンとの関係を説明する図である 本発明に係るコンパクト容器の変形例 示す後方部分の拡大縦断面図である。

符号の説明

1 コンパクト容器、2 容器本体、3 第1ヒン 片、
4 第2ヒンジ片、5 蓋体、6 ヒンジブロック 7 ヒンジピン、
8 トーションスプリング、10 嵌合凸部、11  合凹部、
12 摩擦材、13 制動突起、14 周面後退部

 以下に、本発明にかかるコンパクト容器 好適な一実施形態を添付図面を参照して詳 に説明する。本実施形態にかかるコンパク 容器1は基本的には、図1~図6に示すように、 容器本体2に蓋体5が開閉自在にヒンジ結合さ ている。

 容器本体2は合成樹脂材で成形され、化粧 皿20を収納する収納凹所21を区画形成する周 22が形成されている。周壁22の前面部22a中央 は前面凹部23が形成される。前面凹部23には 、蓋体5を容器本体2に係止するフック用突起2 4が突設形成される。前面凹部23にはフックピ ース15がスライド自在に取り付けられている 周壁22の後面部22bには、左右両端から後方 突出させて第1ヒンジ片3と第2ヒンジ片4が容 本体2と一体形成される。第1ヒンジ片3およ 第2ヒンジ片4には、これらを左右方向に貫 してヒンジピン孔9が形成される。また、第1 ヒンジ片3と第2ヒンジ片4間の後面部22bの下方 には、後方へ突出させて後面突出部22dが形成 される。

 蓋体5は合成樹脂材で成形され、その下面 側には鏡板16が取り付けられている。蓋体5の 平面外形輪郭は、蓋体5を容器本体2上に重ね わせたときに、その下面が容器本体2の周壁 22上端に当接するように、容器本体2の平面外 形輪郭に概ね一致させて形成される。これに より、容器本体2の前面凹部23にはその上方か ら蓋体5の前端5aが覆い被さる。蓋体5の前端5a には、周壁22の前面部22aに沿わせて、やや後 へ傾斜したフック片17が形成される。フッ 片17は、その先端部でフック用突起24に係合 れる。蓋体5の後端5bには、その下面中央部 らヒンジ片3、4間に垂下させて、ヒンジブ ック6が一体成形される。

 ヒンジブロック6には、その左右方向中央 側から左右両側面それぞれに向かってヒンジ ピン孔9が形成される。ヒンジブロック6の各 ンジピン孔9と、第1ヒンジ片3、第2ヒンジ片 4の各ヒンジピン孔9は、各々左右方向で一連 連通し、左右から一対のヒンジピン7、7が 通される。ヒンジピン7、7の挿通により容器 本体2に対し蓋体5が回動自在に取り付けられ 。ヒンジブロック6の下面両角部は円弧状に 形成され、この円弧形状に沿って、容器本体 2の後面突出部22dの上面が形成される。これ より、蓋体5の回動時において、後面突出部2 2dとヒンジブロック6の下面角部との接触が防 止される。一方、蓋体5の最大の開放状態に いて、後面突出部22dはヒンジブロック6の後 部6bに当接して蓋体5の最大の開度を規制す ストッパーとなる。

 ヒンジブロック6の第1ヒンジ片3に対向す 面には、蓋体5を開放方向へ回動すべく付勢 するトーションスプリング8が設けられる。 ーションスプリング8は、鋼製の巻き線によ 構成され、ヒンジブロック6の第1ヒンジ片3 対向する面に形成された設置用凹部(図示せ ず)に収納される。設置用凹部はヒンジピン 9を中心として円筒状に形成され、そこに設 されたトーションスプリング8の内方にはヒ ンジピン7が挿通される。

 トーションスプリング8のヒンジブロック 6側の端部は、ヒンジピン7の軸方向へ延出さ 、設置用凹部の奥面に形成された細孔(図示 せず)に挿入される。第1ヒンジ片3側の他端部 は、トーションスプリング8の接線方向(ヒン ピン7に直交する方向)へ延出され、容器本 2の後面部22bに形成された係止部(図示せず) 係止される。上記両端の係止によりトーシ ンスプリング8は、蓋体5を開く方向に付勢状 態とされる。トーションスプリング8の付勢 は、蓋体5の閉止位置において最大となり、 体5の最大開放状態においても付勢力が維持 されるよう設定され、付勢力の大きさは、蓋 体5の形状や重量、蓋体5の回動時の摩擦抵抗 などを考慮して決定される。

 ヒンジブロック6の第2ヒンジ片4に対向す 面には、ヒンジピン孔9を中心として円筒状 の嵌合凹部11が形成される。嵌合凹部11の奥 11cには、トーションスプリング8に抗して蓋 5の回動を制動する摩擦材12が、嵌合凸部10 先端部10bと嵌合凹部11の奥面11cに、その厚さ 方向に挟圧されて、弾性変形した状態で設け られる。本実施形態における摩擦材12は、弾 変形を生じるゴム材又は合成樹脂材で成形 れたOリングで構成されている。摩擦材12は 弾性変形することにより嵌合凸部10の先端 10bと、嵌合凹部11の奥面11cに密着して摩擦抵 抗を発生し、トーションスプリング8により 放方向へ付勢された蓋体5の回動速度を制御 る。摩擦材12の材質、表面の平滑度、第2ヒ ジ片4やヒンジブロック6との接触面の大き 等を変えることにより、蓋体5と容器本体2と の回動摩擦力が調整できる。

 第2ヒンジ片4のヒンジブロック6に対向す 面4aには、ヒンジピン孔9を中心として、第1 ヒンジ片3方向へ円筒状の嵌合凸部10が突設さ れる。嵌合凸部10の後方側の外周面10aには、 合凸部10の外周面10aを直径方向に拡張させ 制動突起13が形成されている。制動突起13は 合凹部11の内周面11aに摺接することにより 擦抵抗を生じて蓋体5の回動を制動する。制 突起13は、その突出寸法、幅、長さを変え ことにより、嵌合凹部11との摺接時の押圧力 や摺接面積を変更して、摩擦抵抗を調節する ことが可能となっている。なお押圧力は、制 動突起13と嵌合凹部11との摺接より嵌合凸部10 と嵌合凹部に生じる弾性変形により得られる 。

 これら摩擦材12および制動突起13による回 動摩擦力と、トーションスプリング8の付勢 の大きさとを調整することにより、蓋体5を 放方向へ回動させる力の大きさ、そしてま 蓋体5の開放速度を調整することができる。

 嵌合凹部11の下部には、嵌合凸部10を嵌合 凹部11へ挿入して嵌合させるための切り欠き 11bが設けられる。嵌合凹部11の切り欠き幅 、嵌合凸部10を嵌合凹部11へ挿入可能であり 入後は容易に脱落しないよう、嵌合凸部10 外径よりやや小さく設定されている。嵌合 部10を嵌合凹部11へ挿入する際は、両者の弾 変形を利用する。

 嵌合凹部11の内周面11aには、内周面11aを 合凹部11の直径方向外側へ拡張した周面後退 部14が形成される。周面後退部14は、蓋体5後 側の内周面11aに、切り欠き部11bの端部から 蓋体5閉止時の制動突起13の位置を包含する 囲で形成される。周面後退部14に制動突起13 が位置する場合には、制動突起13と内周面11a の摺接は生じないため、制動突起13による ーションスプリング8に抗する制動は生じな なる。蓋体5閉止時の制動突起13の位置を包 する範囲で周面後退部14が形成されている め、大きな付勢力を必要とする蓋体5の開放 作始動時には、制動突起13による摩擦抵抗 発生せず、蓋体5のスムーズな上昇が可能と る。

 本実施形態にかかるコンパクト容器1の作 用について説明する。トーションスプリング 8を、その端部を細孔に挿入しながら設置用 部に装着し、ヒンジブロック6の嵌合凹部11 の奥面11cに摩擦材12を装着する。摩擦材12が 着された嵌合凹部11へ、切り欠き部11bを通 て嵌合凸部10を挿入して嵌合させながら、容 器本体2へ蓋体5を上方から装着する。嵌合凸 10は、その嵌合突起13が嵌合凹部11の周面後 部14に収まる位置で嵌合されるため、内周 11aとの摩擦抵抗を生じることなく挿入でき 。この作業に平行して、トーションスプリ グ8の端部を容器本体2の係止部に係止させて 蓋体5に付勢力を与えるとともに、嵌合凸部10 と嵌合凹部11で摩擦材12を挟圧して蓋体5に回 時の摩擦抵抗力を与える。次に容器本体2の 第1、第2ヒンジ片3、4のヒンジピン孔9と、ヒ ジブロック6のヒンジピン孔9を連通させて ンジピン7を挿入する。これにより、トーシ ンスプリング8により開放方向へ付勢された 状態で蓋体5が容器本体2に取り付けられる。

 コンパクト容器1の蓋体5を開放する際は 容器本体2の前面凹部23のフックピース15を押 し込んでスライドさせフック片17を上方に押 上げて、フック片17の先端をフック用突起24 から離脱させて係止を解除する。係止が解除 された蓋体5は、トーションスプリング8の付 力により、蓋体5の自重や摩擦材12による摩 抵抗に抗して自動的に開放方向へ回動を開 する。蓋体5の開放動作の際、付勢力により 蓋体5が加速されて急激な開放動作とならな ように、摩擦材12と制動突起13による摩擦抵 により開放速度が制御される。

 蓋体5の開放動作始動時の制動突起13は周 後退部14に位置するため、制動突起13による 摩擦抵抗は生じないが、蓋体5の開放動作始 後に、制動突起13は内周面11aに摺接して摩擦 抵抗が発生する。蓋体5の開度が大きくなる つれて、トーションスプリング8による付勢 は弱くなるが、同時に蓋体5の自重によるヒ ンジピン7廻りのモーメントも小さくなるた 両者の力の変動が相殺され、蓋体5の開放動 はほぼ安定する。一方、摩擦材12による摩 抵抗および制動突起13による摩擦抵抗は開度 に関係なく一定に作用して回動速度を制御す る。このため、開放速度が一定でゆっくりに 保たれた自動的な蓋体5の開放が可能となる このようにトーションスプリング8の付勢力 対し、摩擦材12による摩擦抵抗、制動突起13 による摩擦抵抗が制動力として作用し、急激 な開放動作が制動されて蓋体5の開放速度が 御される。

 蓋体5は、ヒンジブロック6の後面部6bが容 器本体2の後面突出部22dに当接して開放動作 停止する。なお、蓋体5の開放動作が終了し もトーションスプリング8による蓋体5の開 方向への付勢力は存続する。このためヒン ブロック6の後面部6bが容器本体2の後面突出 22dへ押圧された状態となり、蓋体5は最大の 開放状態で安定して保持される。

 開放状態にある蓋体5を閉止状態にする際 は、トーションスプリング8による付勢力お び摩擦材12や制動突起13による抵抗に抗して 体5を押し下げて、閉止方向へ回動させる。 閉止方向への回動により、蓋体5のフック片17 を容器本体2の前面凹部23に挿入し、蓋体5の 面を容器本体2の周壁22上端に当接させ、フ ク片17の先端部をフック用突起24に係合させ 蓋体5を閉止状態にする。

 以上説明したように、本実施形態にかか コンパクト容器1にあっては、蓋体5はトー ョンスプリング8の付勢力により自動的に開 方向へ回動すると同時に、摩擦材12、制動 起13によりその開放速度が制御され、開放動 作始動時から安定したゆるやかな速度で開放 する。これにより、高級感あるコンパクト容 器となる。

 本実施形態の蓋体5の開放速度の制御機構 は、蓋体5を付勢するトーションスプリング8 、それを制動する摩擦材12および制動突起13 と内周面11aと周面後退部14等で構成されるた 、機構や部材形状が簡単であり、組み立て に優れ、生産コストの低減が可能となる。

 また、トーションスプリング8に強い付勢 力を与えても、摩擦材12と制動突起13による 重の制動手段を有し、かつ、これらによる 動力とトーションスプリング8による付勢力 の調整が容易であるため、確実に蓋体の5の 開放速度を制御できる。これにより、トーシ ョンスプリング8に付勢力を与えて確実な開 動作を確保した上で、改めて強い制動力を えることで、蓋体5の開放動作の安定性を保 しつつ、確実に開放速度を低速に制御でき 。さらに、トーションスプリング8の付勢力 に抗する制動手段が複数あるため、開放速度 の微調整が可能となる。例えば、蓋体5の自 と制動突起13により蓋体5の開放速度を大ま に調整した後に、摩擦材12により開放速度の 微調整を行うことも可能となる。

 本実施形態において、嵌合凹部11の周面 退部14は、切り欠き部11bの端部から、蓋体5 止時の制動突起13の位置を包含する範囲で、 蓋体5の後方側内周面11aに形成されているが この範囲を拡げることにより(図7参照)、蓋 5の開放がある程度進行した段階で、制動突 13による制動を開始させても良い。この場 、蓋体5の開放動作速度が遅い始動時は制動 起13による制動を受けずに開放が進み、蓋 5の開放動作が加速された段階で制動を効か 制御が出来る。

 上記実施形態においては、第1ヒンジ片及 び第2ヒンジ片が容器本体に形成され、ヒン ブロックが蓋体に形成されているが、これ は逆に、第1ヒンジ片及び第2ヒンジ片が蓋体 に形成され、ヒンジブロックが容器本体に形 成されてもよい。

 また、上記実施形態においては、第2ヒン ジ片4に円筒形状の嵌合凸部10を設け、ヒンジ ブロック6に円弧状内周壁を有する嵌合凹部11 を設けたが、第2ヒンジ片4に円弧状内周壁を する嵌合凹部11を形成し、ヒンジブロック6 円筒形状の嵌合凸部10を形成しても良い。

 また、上記実施形態においては、径方向 側に突出する制動突起13を嵌合凸部10に形成 し、周面後退部14は嵌合凹部11に形成したが これに限られず、制動突起13を、嵌合凹部11 内周面11aから直径方向の内側に突出させて 成し、周面後退部14を、嵌合凸部10の外周面 10aを直径方向の内方に後退させて形成しても よい。即ち、嵌合凸部が円弧状外周壁を有す ると共に円弧状外周壁に連接して周面後退部 が形成され、嵌合凹部が円弧状内周壁を有す ると共に円弧状内周壁に連接して円弧状内周 壁の中心方向へ突出した制動突起を有しても よい。

  以上の記載から明らかなように、本発 にかかるコンパクト容器にあっては、部材 状や機構が簡単であり、組み立て性に優れ 生産コストの低減も可能な、蓋体の開放速 の制御機構を得ることができる。