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Patent Searching and Data


Title:
COMPONENT SEPARATION DEVICE AND METHOD OF COMPONENT SEPARATION THEREWITH
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/142850
Kind Code:
A1
Abstract:
A component separation device comprising a flow channel, an acoustic wave generator capable of generating acoustic waves in the interior of the flow channel, a first introduction channel for introduction of a first solution containing solid particles in the flow channel, a second introduction channel for introduction of a second solution and two or more outlead channels for leading out the solution from the flow channel. The first introduction channel is provided with a concentration gradient forming unit capable of forming a concentration gradient of the solid particles. The solid particles can be extracted into a solution of high purity athigh recovery rate.

Inventors:
TAKAHASHI MAKOTO
NAKATANI MASAYA
HIRAOKA SOICHIRO
USHIO HIROSHI
OSHIMA AKIYOSHI
Application Number:
PCT/JP2008/001199
Publication Date:
November 27, 2008
Filing Date:
May 14, 2008
Export Citation:
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Assignee:
PANASONIC CORP (JP)
TAKAHASHI MAKOTO
NAKATANI MASAYA
HIRAOKA SOICHIRO
USHIO HIROSHI
OSHIMA AKIYOSHI
International Classes:
B03B13/00; B01D57/00; B01J19/10; C12M1/34; G01N37/00
Foreign References:
JP2006501994A2006-01-19
JP2005319407A2005-11-17
JP2001525722A2001-12-11
JP2004283828A2004-10-14
JP2004354364A2004-12-16
JP2004535912A2004-12-02
Other References:
AUGUSTSSON P, PETERSSON F., LAURELL T.: "IMPROVED CARRIER MEDIUM EXCHANGE EFFICIENCY IN ACOUSTIC STANDING WAVE PARTICLE WASHING", THE 10TH INTERNATIONAL CONFERENCE ON MINIATURISED SYSTEMS FOR CHEMISTRY AND LIFE SCIENCES, 2006, pages 627 - 629
LAURELL T., PETERSSON F., NILSSON A.: "Chip integrated for acoustic separation and manipulation of cells and particles", CHEMICAL SOCIETY REVIEWS, vol. 36, no. 3, March 2007 (2007-03-01), pages 492 - 506, XP008117651
PER AUGUSTSSON ET AL., UTAS, 2006, pages 627 - 629
See also references of EP 2145687A4
Attorney, Agent or Firm:
IWAHASHI, Fumio et al. (1006 Oaza Kadoma, Kadoma-sh, Osaka 01, JP)
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Claims:
流路と、
前記流路の内部に音響波を発生させる音響波発生装置と、
前記流路に固形粒子を含む第一の溶液を導入する第一の導入路と、
前記流路に第二の溶液を導入する第二の導入路と、
前記流路から溶液を導出する二つ以上の導出路とを設け、
前記第一の導入路に前記固形粒子の濃度勾配を形成することができる濃度勾配形成装置を設けた成分分離デバイス。
前記濃度勾配形成装置として前記第一の導入路の内部に音響波を発生させる音響波発生装置を設けた請求項1に記載の成分分離デバイス。
前記音響波発生装置を、第一の電極層、圧電体層及び第二の電極層からなる積層圧電デバイスを含む構成とした請求項2に記載の成分分離デバイス。
前記流路に音響波を発生させる前記音響波発生装置と、前記第一の導入路に音響波を発生させる前記音響波発生装置を個別に制御できる構成とした請求項2に記載の成分分離デバイス。
前記音響波発生装置を、第一の電極層、圧電体層及び第二の電極層とからなる積層圧電デバイスを含む構成とした請求項1に記載の成分分離デバイス。
前記第一の導入路の前記固形粒子の濃度が高い領域に、第二の導入路を接続し前記第二の溶液を導入する請求項1に記載の成分分離デバイス。
前記流路の固形粒子の濃度が高い領域に、第三の導入路を接続し前記第二の溶液を導入する請求項6に記載の成分分離デバイス。
前記第一の導入路に少なくとも一つの第二の導出路を設けた請求項1に記載の成分分離デバイス。
前記第二の導入路を形成した側面と同じ側面に第二の導出路を設けた請求項8に記載の成分分離デバイス。
前記第二の導出路の内径を前記固形粒子の外径よりも小さくした請求項8に記載の成分分離デバイス。
前記第一の導入路と前記流路とに前記音響波として異なる定在波を発生させる構成とした請求項2に記載の成分分離デバイス。
前記流路を複数備え、
これらの前記流路には、前記固形粒子の濃度が高い領域を分岐された前記第一の導入路と、分岐された前記第二の導入路とが、それぞれに接続されている請求項1に記載の成分分離デバイス。
分岐された前記第一の導入路と同数の前記流路を形成した請求項12に記載の成分分離デバイス。
流路と、
前記流路の内部に音響波を発生させる音響波発生装置と、
前記流路に第一の溶液を導入する第一の導入路と、
前記第一の導入路の内部に音響波を発生させる音響波発生装置と、
前記流路に第二の溶液を導入する第二の導入路と、
前記流路から溶液を導出する二つ以上の導出路と、
を設けた成分分離デバイス。
前記合流点における前記第二の導入路の幅が前記第一の導入路の幅より広い請求項14記載の成分分離デバイス。
前記第二の導入路は、前記第一の導入路の幅方向の中間点に接続されている請求項14に記載の成分分離デバイス。
前記第一の導入路に少なくとも一つの第二の導出路を設けた請求項14に記載の成分分離デバイス。
前記流路を複数備え、
これらの前記流路には、幅方向の中間点で分岐された前記第一の導入路と、分岐された前記第二の導入路とが、それぞれに接続されている請求項14に記載の成分分離デバイス。
Description:
成分分離デバイス及びこれを用 た成分分離方法

 本発明は、細胞培養液、血液、乳液など 代表されるような溶液と固形粒子が混合し 混合溶液において、固形粒子の抽出、分離 行うことのできる成分分離デバイス及びこ を用いた成分分離方法に関するものである

 細胞は遺伝子やタンパク質の発現、代謝 物の生成、免疫系及び増殖分化などの生命 動の制御を行っており、生体反応機構の解 だけでなく、医療診断分野に大きく貢献す ものとして、その解析研究が進められてい 。

 一般的に、細胞を解析するための前処理 して、培養液中で保存されている細胞を検 用の溶液に抽出する必要があり、現在は、 心分離装置やピペットにより操作されてい 。しかしながら、操作時間が長い、遠心分 による細胞の破壊が起こり、貴重な細胞や 価な培養液を必要以上に大量に消費してし うという課題があった。

 これに対して、MEMS(Micro Electro Mechanical S ystem)技術を用いて作製したデバイスによって 、細胞の前処理操作を行う研究が進められて いる。これらの細胞の前処理を行うMEMSデバ スの中で、音響波を利用したものは細胞に して非接触で作用させることができること 加え、圧電体素子などを用いることで小型 音響波音源の構造を実現できるとともに制 性に優れたデバイスを実現している。この 響波を利用したデバイスを用いた細胞の前 理の方法の一例として、特許文献1では、細 と第一の溶液の混合溶液と、細胞を抽出し い第二の溶液とを同時に抽出機能を有する 路に導入し、非特許文献1では音響波の作用 によって細胞を第二の溶液に抽出している。 また、他の例として、抽出機能を有する流路 に対して、連続的に第二の溶液の導入路と、 細胞が抽出された第一の溶液の導出路を形成 している。

 図15は、非特許文献1に開示されている従 の成分分離デバイスを用いて固形粒子を抽 する方法を説明するための平面図である。 15において、固形粒子120と第一の溶液123の 合液を矢印130で示す方向に第一の導入路103 ら投入する。それとともに、第二の導入路10 4から第二の溶液124を矢印131にて示す方向に 入する。そして、音響波発生装置111により 生させた音響波を流路102に伝達し、この流 102の中央に音響波の節138を有する定在波を 生させる。

 そこを流れる固形粒子120はその音響波か の放射圧によって、流路102の中央に向かう 向に定在波の影響力を受け、第一の溶液123 流れの中から第二の溶液124の流れの中に固 粒子120が抽出されるように移動する。そし 、導出路105によって、矢印132で示す方向に 二の溶液124と抽出された固形粒子120の混合 が導出され、矢印133で示す方向に第一の溶 123と第二の溶液124の中へ抽出されなかった 部の固形粒子120が導出される。

 しかしながら、前記従来の技術において、 くの固形粒子120を抽出しようとすると、第 の導入路104の幅方向に対する固形粒子120の 置のばらつき、個々の固形粒子120の大きさ ばらつきのため、完全に第二の溶液124の中 固形粒子120を取り込むことが困難であった

特表2004-535912号公報 Per Augustsson et al.、μTAS 2006、pp627-629

 本発明の成分分離デバイス及びこれを用 た成分分離方法は、流路と、この流路の内 に音響波を発生させる音響波発生装置と、 路に第一の導入路、第二の導入路および二 以上の導出路を設ける。そして、第一の導 路に固形粒子の濃度勾配を形成することが きる濃度勾配形成装置を設けた構成とした のである。第一の導入路に濃度勾配形成装 を設け、流路に音響波発生装置を設けると もに第二の導入路を流路に接続する。これ よって、効率的に固形粒子の抽出もしくは 離を行うことができるとともに固形成分の い回収率を実現できる成分分離デバイス及 これを用いた成分分離方法を提供すること できる。

図1は本発明の実施の形態1における成 分離デバイスの構成を示す平面図である。 図2は本発明の実施の形態1における成 分離デバイスの分解斜視図である。 図3は本発明の実施の形態1における成 分離デバイスの音響波発生装置の構成を示 断面図である。 図4Aは本発明の実施の形態1における成 分分離デバイスの導入路断面図である。 図4Bは本発明の実施の形態1における成 分分離デバイスの導入路断面図である。 図5Aは本発明の実施の形態1における成 分分離デバイスの流路断面図である。 図5Bは本発明の実施の形態1における成 分分離デバイスの流路断面図である。 図6は本発明の実施の形態1における成 分離デバイスの平面図である。 図7は本発明の実施の形態2における成 分離デバイスの構成を示す平面図である。 図8は本発明の実施の形態3における成 分離デバイスの構成を示す平面図である。 図9は本発明の実施の形態3における成 分離デバイスの分解斜視図である。 図10は本発明の実施の形態4における成 分分離デバイスの構成を示す平面図である。 図11は本発明の実施の形態5における成 分分離デバイスの構成を示す平面図である。 図12は本発明の実施の形態6における成 分分離デバイスの構成を示す平面図である。 図13は本発明の実施の形態6における成 分分離デバイスの分解斜視図である。 図14は本発明の実施の形態7における成 分分離デバイスの構成を示す平面図である。 図15は従来の成分分離デバイスの構成 示す断面図である。

符号の説明

 1  基板
 2,2a,2b  流路
 3  第一の導入路
 4  第二の導入路
 5,5a,5b  第一の導出路
 6  第二の導出路
 7,7a,7b  分岐部
 8,8a,8b  導入孔
 10  封止部
 11  音響波発生装置
 12  濃度勾配形成装置
 13  第一の電極層
 14  圧電体層
 15  第二の電極層
 20  固形粒子
 20a  第一の固形粒子
 20b  第二の固形粒子
 23  第一の溶液
 24  第二の溶液

 (実施の形態1)
 以下、本発明の実施の形態1における成分分 離デバイス及びこれを用いた成分分離方法に ついて図面を用いて説明する。図1は本発明 実施の形態1における成分分離デバイスの構 を示す平面図である。図2は図1の分解斜視 である。図3は音響波発生装置11の構成を示 断面図である。同一の要素については、同 の符号で表す。

 図2において、1はシリコンからなる基板 あり、この基板1のA面(表面)に所定の幅と深 をもつ流路2を設け、さらに基板1のB面(裏面 )に流路2に音響波を発生させることのできる 響波発生装置11が形成されている。音響波 生装置11を基板1のB面に形成することで、生 性に優れた構成とすることができる。これ A面側には封止部10を設けることから、A面は 平坦な平面を有していることが好ましく、ま た、薄膜プロセスによって音響波発生装置11 形成する時、平坦なB面に形成することが好 ましいからである。

 なお、この音響波発生装置11は流路2の内 に音響波を発生させることができれば、基 1のA面または基板1の側面に形成しても良い

 この音響発生装置11を用いて音響波を発 させることによって流路2の内部に音響波を 射し、流路2の内部を流れる液体に定在波を 発生させる構成としている。

 ここで、流路2の幅をW、流路2に導入する 液の音速をv、音響波を発生させる周波数を fとすると、f=(n/2)×v/W(nは自然数)の数式を満 する周波数fの音響波が流路2に照射されると 、その音響波が流路2の内部で反射を繰り返 、重なり合うことで流路2の内部に定在波を 生させることができる。そして、この溶液 に固形粒子20が浮遊しているとすると、こ 固形粒子20は定在波の節38近傍に集めること できる。

 流路2はガラスからなる封止部10で陽極接 により封止されている。ガラスを用いるこ で、上面より固形粒子20の移動状態を観察 ながら調整および成分の分離を行うことが きる。

 ここで、封止部10はプラスチックあるい シリコンを用いても良く、材料に合わせて 宜接合方法は変更することができる。

 図1において、流路2に固形粒子20を含む第 一の溶液23を導入するための第一の導入路3と 第二の溶液24を導入するための第二の導入路4 を形成している。さらに、流路2からそれぞ の溶液を導出する第一の導出路5を設けてい 。これらの流路2、第一の導入路3、第二の 入路4及び第一の導出路5に示した溝の形状は 、基板1にシリコンを用いた場合、フォトリ ブラフィー法やドライエッチング法を用い ことで、効率よく精度の高い寸法形状の成 分離デバイスを実現することができる。

 なお、ここでは精度よく流路2を形成する ことができるシリコンを基板1に用いている 、音響波を伝達することができる物質であ ば、プラスチックやガラスなどを用いても い。

 また、基板1のB面に第一の導入路3を流れ 固形粒子20に濃度勾配を形成することので る濃度勾配形成装置12となる音響波発生装置 を設けている。この音響波発生装置を用いて 濃度勾配を形成する方法は、前記流路2に設 た音響波発生装置11の作用と同様の方法によ って第一の導入路3の内部において、固形粒 20に対して濃度勾配を形成することができる 。この濃度勾配形成装置12は導入路3を流れる 固形粒子20に濃度勾配を形成することのでき 方法であれば良い。例えば導入路3の内部の 固形粒子20に作用する位置に電極を配置し電 泳動現象を利用する方法、あるいは導入路3 の内部にピラーまたは分岐流路を設けて固形 粒子20の流れ方向を制限する方法などを用い もよい。

 このような構成とすることによって、第 の導入路3には固形粒子20の濃度勾配が形成 れ、第一の導入路3の幅方向に対する固形粒 子20の位置のばらつきを低減することができ 次の流路2における抽出、分離を効率的に確 実に行うことができ、回収率の高い成分分離 デバイスとすることができる。

 また、濃度勾配形成装置12を音響波発生 置とすることで、固形粒子20に対し非接触で 作用させることが可能であり、簡単な構造で 電気的に動作を制御することによって所望の 位置に濃度勾配を形成することができるとい う利点を有する。

 また、音響波発生装置11と濃度勾配形成 置12に同一の音響波発生機構を用いても良い が、個別に音響波の特性を制御可能とするこ とで固形粒子20の分離、抽出に対する自由度 向上する。例えば、第一の導入路3の流路幅 と流路2の流路幅は異なっており、定在波を 生させる周波数が異なることから、個別に 御することが好ましい。また、それぞれの 液23,24の流量を制御するときにおいても、個 別に制御できるようにしておくことによって 効率的に分離、抽出ができるという利点を有 する。

 次に、音響波発生装置11もしくは濃度勾 形成装置12となる音響波発生装置の構成を図 3に示す。濃度勾配形成装置12も音響波を発生 させるものを用いることが出来るので、同様 の構造となる。図3に示すように、この音響 発生装置は第一の電極層13と圧電体層14と第 の電極層15からなる積層構造で構成した圧 アクチュエータとしている。流路2などを形 したシリコン基板の一面に薄膜形成法など 利用し、小型で高精度な寸法形状の音響波 生装置11を設けることができる。従って、 分分離デバイスの小型化を容易に実現する とができる。

 次に、この成分分離デバイスを用いて固 粒子20を抽出する方法について図1、図4A、 4B、図5A及び図5Bを用いて説明する。なおこ では、濃度勾配発生手段12が音響波発生装置 である場合について説明する。図4A、図4Bは 発明の実施の形態1における成分分離デバイ の導入路断面図である。図5A、図5Bは本発明 の実施の形態1における成分分離デバイスの 路断面図である。

 図1において、第一の導入路3へ送液手段 用いて矢印30の方向に第一の溶液23と固形粒 20の混合液を導入する。固形粒子20は溶液23 均等に混ざっている。このとき図4Aに示す うに、第一の導入路3の中央に定在波の節38 発生するように濃度勾配発生手段12である音 響波発生装置を駆動させる。すると、そこを 流れる固形粒子20はその音響波からの放射圧 よって、第一の導入路3の中央に向かう方向 に定在波の影響力を受け、音響波の圧力の最 も少ない音響波の節に集まってくる。この例 の場合は、音響波の節は第一の導入路の中央 線上なので、図4Bに示すように、固形粒子20 その中央線の上に集まってくる。即ち、音 波の放射圧によって、固形粒子20に、第一の 導入路3の中央で濃度が高まるような濃度勾 を形成させることができる。

 次に、固形粒子20は第一の導入路3で形成 た濃度勾配を保ちつつ、第一の溶液23とと に流路2に導入される。一方、第二の導入路4 へ、送液手段(図示せず)を用いて矢印31の方 に第二の溶液24が導入されている。このとき 、流路2の構成として定在波の節38が第二の溶 液の流れの内部に存在するように構成するこ とが不可欠である。それを実現するために、 流路形状、導入量、もしくは音響波発生装置 11の全体的な設計によって調整することが重 である。

 図5A、図5Bは本発明の実施の形態1におけ 成分分離デバイスの流路の断面図である。 こで、図5Aに示すように、流路2の中央に定 波の節38が発生するように音響波発生装置11 駆動させた場合について説明する。固形粒 20は音響波の放射圧により定在波の節38の方 向、つまり、流路2の中央方向に力を受け、 の結果、図5Bに示すように第一の溶液23から 二の溶液24中に移動させることができる。

 そして、この固形粒子20の移動を完了し 第一の溶液23と第二の溶液24は流路2の後方に 設けた第一の導出路5へ導入される。

 この第一の導出路5の流路形状及び流路長 さの設計などにより、固形粒子20を含んだ第 の溶液24を矢印32の方向へ導出し、第一の溶 液23を矢印33の方向へ別々に導出することが 能となる。

 以上説明してきたように、第一の導入路3 において第一の溶液23の内部に浮遊している 形粒子20に対して濃度勾配を形成した後、 路2の内部で固形粒子20を第一の溶液23から第 二の溶液24中へ抽出移動させることによって 精度良く整列させることができる。このこ から、固形粒子20の移動距離のばらつきを 減することができるため、固形粒子20の抽出 を短時間で連続的に精度良く行うことが可能 となる。

 以下、この成分分離デバイスの応用例と て、培養液中に保存している細胞を分離抽 する場合について説明する。このとき、上 の説明は、固形粒子20を細胞、第一の溶液23 を細胞の培養液、および第二の溶液24を細胞 液と置き換えて説明することができる。こ 細胞外液とはK+イオンが4mM程度、Na+イオン 145mM程度、Cl-イオンが123mM程度添加された電 液であり、細胞の電気生理現象を測定する きに用いる測定液である。

 ここで、細胞は培養液中に存在している 合は長期間活性を保つことができるが、培 液中には不明瞭なイオン成分が多数存在し おり、培養液中では精度の高い細胞の電気 理現象の測定を行うことはできない。精度 高い細胞の電気生理現象の測定を行うため は細胞を細胞外液中に抽出する必要がある しかしながら、細胞は細胞外液中に存在し いると徐々に活性を失っていくことから、 胞の抽出は検査に必要な量を速やかに行う とが重要である。

 これに対して、本実施の形態1にて説明し てきた成分分離デバイスを用いて培養液中の 細胞の分離操作を行うことによって、細胞の 培養液から必要な量を細胞外液中へ細胞を速 やかに分離、抽出することができることから 、細胞の活性を保ちつつ精度の高い細胞の電 気生理現象の測定を行うことができる。

 また、HEK細胞やCHO細胞に代表される付着 細胞は、細胞を培養中に培養容器と付着す 。この付着性細胞の電気生理現象の測定を う場合、トリプシン溶液により培養容器か 剥離する必要がある。しかしながら、この リプシン溶液は細胞の活性を著しく低下さ るため、細胞を剥離後速やかに培養液中も くは細胞外液中に抽出する必要がある。

 これに対して、固形粒子20を細胞とし、 一の溶液23をトリプシン溶液とし、第二の溶 液24を細胞の培養液もしくは細胞外液とする とによって、細胞をトリプシン溶液から細 の培養液もしくは細胞外液中へ速やかに抽 、分離することができる。この一旦剥離さ た細胞は細胞の培養液を攪拌することで細 の培養液中に浮遊した状態にして保存して くことが可能であり、細胞の活性を保ちつ 保存することができる。また、細胞を細胞 液中へ抽出することによってそのまま速や に細胞の電気生理現象の測定を行うことが きる。

 次に、本実施の形態1における別の例であ る成分分離デバイスおよびこれを用いた成分 分離方法について図面を用いて説明する。図 6は、異なった大きさの固形粒子20a,20bを含む 液の中から選択的に特定の固形成分20(例え 20a)のみを分離する方法を説明するための実 施の形態1に係る成分分離デバイスの平面図 ある。なお、ここでは濃度勾配発生手段12と して音響波発生装置を用いた場合について説 明する。

 図6に示すように、音響波の影響を受けや すい第一の固形粒子20aと、第一の固形粒子20a よりも音響波の影響を受けにくい第二の固形 粒子20bとが第一の溶液23内に混入している。 一の導入路3へ送液手段(図示していない)を いて矢印30の方向に第一の溶液23を送り、こ の混入した固形粒子20a、20bを選択的に分離す る場合がある。例えば血液中に存在する赤血 球と白血球を分離して検査分析を行うときな どがある。

 このような混合溶液に対して、第一の導 路3の中央に第一の固形粒子20aと第二の固形 粒子20bとの両方の濃度が高くなるように濃度 勾配発生手段12を駆動させて所定の定在波の 38を発生させる。すると、第一の固形粒子20 aが先に、第二の固形粒子が後から第一の固 粒子20aが後から、導入路3の中心線上に集ま てくる。結局、第一の固形粒子20aと第二の 形粒子20bとはその濃度勾配を保ちつつ第一 溶液23と共に流路2に導入される。

 一方、第二の導入路4へ送液手段(図示し いない)を用いて矢印31の方向に第二の溶液24 を導入する。

 流路2の中央に定在波の節が発生するよう に音響波発生装置11を駆動させる。このこと よって、第一の固形粒子20a及び第二の固形 子20bは音響波の放射圧により定在波の節38 方向、つまり、流路2の中央方向に力を受け 。固形粒子は、一般にその体積が大きいほ 音響波の影響を受けやすく動きやすい。音 波発生装置11の出力を調整して、体積の大 い固形粒子20aのみが音響波の影響を受け流 2の中を流れる過程で実際に流路2の中央線部 に動くようにする。つまり、体積の小さな固 形粒子20bは、流路2の区間を流れる間には、 干の音響波の影響を受けるものの、流路2の 央線部までは動いていかないように出力を 整する。こうして、第一の第一の溶液23か 第二の溶液24中に固形粒子20aのみを移動させ る。そして、第二の固形粒子20bを含んだ第一 の溶液23は第一の導出路5bへ導出し、第一の 形粒子20aを含んだ第二の溶液24は第一の導出 路5aへ分岐して導出することができる。この 一の導出路5a、5bの流路形状及び長さを最適 な条件に設計することにより、効率よく第二 の溶液24と第一の固形粒子20aを矢印32に示す 向に導出させ、第一の溶液23と第二の固形粒 子20bを矢印33に示す方向に導出することが可 である。

 以上説明してきたように、図6に示した構 成とすることによって、第一の導入路3にお て第一の固形粒子20aと第二の固形粒子20bの 度勾配を形成した後、次の流路2で第一の溶 23から第二の溶液24へ第一の固形粒子20aのみ を抽出する。このことで、固形粒子20aの移動 距離のばらつきを低減することができること から、高い回収率で効率よく固形粒子20a、20b の抽出、分離を連続的に行うことが可能とな る。

 このような成分分離デバイスを用いる用 として、第一の固形粒子20aと第二の固形粒 20bを大きさの異なる細胞の抽出、分離に用 ることができる。例えば、血液中の血球成 である赤血球と白血球は異なる大きさ、形 を有しておりその音響波特性は異なる。こ 血液中から赤血球または白血球のみを抽出 分離する場合に用いることが可能である。 るいは、培養された細胞では同種の細胞で っても細胞分裂した後の経過時間、あるい 凝集により大きさが異なることで音響波特 が異なり、細胞の解析において細胞の形状 均一性は測定精度に大きく影響を及ぼすこ がある。この細胞の培養液から均一な形状 細胞のみを抽出、分離することが可能であ 。

 このように、図6で示した成分分離デバイ ス及び成分分離方法を用いることで、異なっ た形状、大きさを有する細胞の中から必要な 細胞を精度良く短時間で抽出、分離すること ができることから、細胞の解析において測定 精度及び速度を向上させることができる。

 (実施の形態2)
 以下、本発明の実施の形態2における成分分 離デバイスについて図面を用いて説明する。 図7は本発明の実施の形態2における成分分離 バイスの構成を示す平面図である。

 図7に示すように、第一の導入路3には固 粒子20の濃度が高くなる領域に分岐7を設け いる。この分岐7によって分岐された第一の 入路3の間に導入孔8及び第二の導入路4を設 ており、この分岐された第一の導入路3と第 二の導入路4はいずれも同一の流路2に接続し いる。このような構成により、第一の導入 3から導入する第一の溶液23の固形粒子20の 度が高い領域と、第二の導入路4から導入す 第二の溶液24が、流路2において接するよう 流すことができる。

 このような構成とすることで、固形粒子2 0の濃度分布の濃いところの近傍に第二の溶 24を合流させることができる。これによって 、固形粒子20の分離と抽出に要する移動距離 短くすることが可能であり、効率的な分離 抽出を行うことができる。また、分岐した れをいずれも流路2に接続することで、固形 粒子20のロスを低減することができる。さら 、第二の溶液24の両側で第一の溶液23と接す るような流れを容易に実現できることから、 少量の第二の溶液24で多くの固形粒子20の分 、抽出が可能となる利点を有する。

 次に、図7に示すように、上記の基本の( 段の)構成を直列に(数段)接続することによ 上記作用を繰り返すことが可能である。つ り、次段として、流路2にて濃度分布をもた 中央線上に固形粒子20を集めた流れに対し その中央線上に更に第二の分岐7aを設置し、 第二の導入孔8aから第二の溶液24を導入し第 の導入路2aとする。この合流を第二の流路2a し、再度音波発生器11にて固形粒子20を中心 線上に集める。そして、更に次段として、第 二の流路2aにて濃度分布をもたせ中央線上に 形粒子20を集めた流れに対し、その中央線 に更に第三の分岐7bを設置し、第三の導入孔 8bから第二の溶液24を導入し第四の導入路2bと する。この繰り返しで、第二の溶液24に第一 溶液23が混入してくることを大幅に低減し 第二の溶液24の純度を高めていくことができ る。そのため、分離、抽出の純度を容易に向 上させることができる。

 (実施の形態3)
 以下、本発明の実施の形態3における成分分 離デバイス及びこれを用いた成分分離方法に ついて、図面を用いて説明する。図8は本発 の実施の形態3における成分分離デバイスの 成の概要を説明するための平面図である。 9は図8の分解斜視図である。

 図8と図9とにおいて、1はシリコンからな 基板であり、この基板1の第1面に所定の幅 深さをもつ流路2を設け、さらに基板1の他方 の面に流路2に音響波を発生させることがで る音響波発生装置11を形成している。これに よって、生産性に優れた構成とすることがで きる。これは、流路2を形成した基板1の第1面 には封止部10を設けることから、基板1の第1 は平坦な平面を有していることが好ましく また、薄膜プロセスによって音響波発生装 11を形成する時、溝加工などの無い平坦な第 2面に形成することが好ましい。

 そして、この音響波発生装置11を用いて 響波を発生させることによって、流路2の内 に音響波を放射し、流路2の内部を流れる液 体に定在波を発生させる構成としている。こ の定在波を制御することによって、固形粒子 20を分離抽出することができる。

 ここで、流路2の幅をW、流路2に導入する 液の音速をv、音響波を発生させる周波数を fとすると、f=(n/2)×v/W(nは自然数)の数式を満 する周波数fの音響波が流路2に照射されると 、その音響波が流路2の内部で反射を繰り返 、重なり合うことで流路2の内部に定在波を 生させることができる。そして、流路2の内 部に、固形粒子20が浮遊している溶液が存在 ると、この固形粒子20は定在波の節38bの近 に集めることができる。なお、この音響波 生装置11は流路2の内部に音響波を発生させ ことができれば、基板1の第1面または側面に 形成しても良い。

 次に、流路2の上面はガラスからなる封止 部10で陽極接合により封止した構成としてい 。封止部10にガラスを用いることで、上面 り固形粒子20の移動状態を観察しながら流量 、音響波の強度などの調整および最適な成分 の分離を行うことができる。なお、封止部10 プラスチックあるいはシリコンを用いても く、材料に合わせて適宜その接合方法は変 することができる。

 次に、前記流路2に固形粒子20を含む第一 溶液23を導入するための第一の導入路3と第 の溶液24を導入するための第二の導入路4を 成している。この第一の導入路3は固形粒子 20を含む第一の溶液23を導入し、固形粒子20を 所定の位置に配置するように揃えるために濃 度勾配形成装置12を設けている。図2に示すよ うに、基板1の第2面に第一の導入路3を流れる 固形粒子20に濃度勾配を形成することのでき 濃度勾配形成装置12となる音響波発生装置 設けており、この音響波発生装置を用いて 度勾配を形成する方法は、前記流路2に設け 音響波発生装置11の作用と同様の方法によ て第一の導入路3の内部において、固形粒子2 0に対して濃度勾配を形成することができる

 なお、この濃度勾配形成装置12は第一の 入路3を流れる固形粒子20に濃度勾配を形成 ることのできる方法であれば良く、例えば 一の導入路3の内部の固形粒子20に作用する 置に電極を配置し電気泳動現象を利用する 法などを用いてもよい。

 また、第二の導出路6は濃度勾配形成装置 12によって整列された固形粒子20を含んだ第 の溶液23の固形粒子20を含まない一部を除去 るためのものであり、これによって固形粒 20の濃度を高められることから、第二の溶 24の使用量を抑制することができる。

 図8では二つの第二の導出路6を形成して るが、この第二の導出路6は少なくとも一つ れば良い。第二の導出路6を複数設けること によって固形粒子20の濃度をより高めた第一 溶液23を流路2へ送液することができる。第 の導入路3では濃度勾配形成装置12を設けて 形粒子20の濃度勾配を形成し、余分となっ 第一の溶液23を第二の導出路6から導出する とによって、第一の導入路3の幅方向に対す 固形粒子20の位置のばらつきおよび移動距 を低減することができる。従って、次の音 波発生装置11を有する流路2における固形粒 20の抽出、分離を効率的に確実に行うことが でき、回収率の高い成分分離デバイスとする ことができる。

 第二の導入路4は抽出された固形粒子20を 散させるための第二の溶液24を導入するた に設けている。第二の導入路4と同じ側面に 少なくとも一つの第二の導出路6を形成する ことによって、高い濃度の固形粒子20を含ん 第一の溶液23と第二の導入路4から導入され 第二の溶液24が流路2において接する界面を 易に形成することが可能となり、固形粒子2 0の移動距離を低減し、速やかに固形粒子20を 第二の溶液24の中に抽出、分離することがで る。

 すなわち、図8に示すように、導入路3は 第二の導入路4と同じ側面の支流6a(導出路6) 流路2に繋がる本流3aと端の部分が側方に逃 る支流6bとに分流している。このうち本流3a 、濃度の高い中心線上の領域を含む。第二 導入路4と同じ側面の支流6aと本流3aとの分 点は、導入路3の中心線からほんの少しずれ ところにある。そこで、本流3aは、導入路4 の側面に固形粒子20の濃度が高い部分を持 ながら、導入路4との合流である流路2に流れ 込む。

 合流するときに、導入路4の幅は、本流3a 幅より幅広い。音波発生装置11によって作 される音響波の節は流路2の中心線上に設定 れる。そこで、音響波の節は導入路4に相当 する側の流路3の中にある。固形粒子20は、こ の節に向かって移動する。もともと本流3aの では、固形粒子20の濃度の高い部分は、導 路4側に寄っているので、上記の移動は短い 離の間で行うことが出来る。

 次に、流路2からそれぞれの溶液を導出す る少なくとも二つの第一の導出路5を設けて る。このうち、一つの第一の導出路5は固形 子20が分散していた第一の溶液23を回収する ためにあり、もう一つの第一の導出路5は流 2で固形粒子20を取り込んだ第二の溶液24を回 収するために設けている。即ち、第一の溶液 23を導出する第一の導出路5は、本流3aと同じ になっており、また、第二の溶液24を導出 るための第一の導出路5は、導入路4と同じ幅 になっている。流路2の中心線に集まってい 固形粒子20は、太いほうの導出路、すなわち 、第二の溶液の導出路の方に導出される。

 (実施の形態4)
 次に本発明の成分分離デバイスの実施の形 4について、図10を用いて説明する。図10は 発明の実施の形態4における成分分離デバイ の構成を示す平面図である。本実施の形態 は、多数の第二の導出路を設けている。図1 0に示すように第二の導出路6の内径の大きさ 固形粒子20の外径よりも小さくしているこ を特徴としている。これによって、うまく 列させることができなかった固形粒子20が第 二の導出路6から出て行くのを防ぐことがで る。

 そして、このような第二の導出路6を複数 設けることによって効率よく第一の溶液23を 出することができる。さらに、複数の第二 導出路6を勾配を有するように配置させるこ とによって、さらに固形粒子20の濃度を高め 第一の溶液23を流路2へ送液することが可能 なる。

 (実施の形態5)
 次に、本発明の成分分離デバイスの実施の 態5について図面を用いて説明する。図11は 発明の実施の形態5における成分分離デバイ スの構成を示す平面図である。異なった大き さの固形粒子20a,20bを含む溶液の中から選択 に特定の粒子、例えば固形粒子20aのみを分 する方法を説明するための図である。ここ は音響波の影響を受けやすい第一の固形粒 20aと音響波の影響を受けにくい第二の固形 子20bとが混入している場合について、濃度 配形成装置12として音響波発生装置を用いた 成分分離デバイスについて説明する。

 図11に示す本実施の形態は、図8および図9 で示した実施の形態3と基本的な構成は同じ ある。異なるのは、体積の大きな固形粒子20 aと体積の小さな固形粒子20bとを振り分ける めの構造である。そして、振り分けのため 構造は、先に図6にて示した嫉視の形態1の他 の例での。二種類の固形粒子の振り分け構造 と、基本的な部分は同じである。

 すなわち、第一の導入路3の中央に第一の 固形粒子20aと第二の固形粒子20bとの両方の濃 度が高くなるように濃度勾配発生手段12を駆 させて所定の定在波の節38を発生させる。 ると、第一の固形粒子20aが先に、第二の固 粒子が後から第一の固形粒子20aが後から、 入路3の中心線上に集まってくる。結局、第 の固形粒子20aと第二の固形粒子20bとはその 度勾配を保ちつつ第一の溶液23と共に流路2 導入される。このとき、両サイドの第二の 出路6にて、固形粒子を殆ど含まない第一の 溶液23は、外部に導出される。

 一方、第二の導入路4へ送液手段(図示し いない)を用いて矢印31の方向に第二の溶液24 を導入する。

 流路2の中央に定在波の節が発生するよう に音響波発生装置11を駆動させる。このこと よって、第一の固形粒子20a及び第二の固形 子20bは音響波の放射圧により定在波の節38 方向、つまり、流路2の中央方向に力を受け 。固形粒子は、一般にその体積が大きいほ 音響波の影響を受けやすく動きやすい。音 波発生装置11の出力を調整して、体積の大 い固形粒子20aのみが音響波の影響を受け流 2の中を流れる過程で実際に流路2の中央線部 に動くようにする。つまり、体積の小さな固 形粒子20bは、流路2の区間を流れる間には、 干の音響波の影響を受けるものの、流路2の 央線部までは動いていかないように出力を 整する。こうして、第一の第一の溶液23か 第二の溶液24中に固形粒子20aのみを移動させ る。

 しかし、固形成分20bも流路2内で、若干で はあるが平均的に中心線側に動く。そこで、 第一の溶液23を導出する導出路5bは、導入路 本流3aの幅よりも太い幅で、しかも第二の溶 液24の導出路5aよりは狭い幅で形成されてい 。この導出路5a、5bの流路形状及び長さを最 な条件に設計することにより、効率よく第 の溶液24と第一の固形粒子20aを矢印32に示す 方向に導出させ、第一の溶液23と第二の固形 子20bを矢印33に示す方向に導出することが 能である。

 (実施の形態6)
 以下、本発明の実施の形態6における成分分 離デバイス及びこれを用いた成分分離方法に ついて図面を用いて説明する。図12は本発明 実施の形態6における成分分離デバイスの構 成を示す平面図である。図13はその分解斜視 である。

 図12と図13において、基本構造は、実施の 形態1と同じである。実施の形態1と同じ構成 素には同じ符号を付与する。実施の形態1と 異なる箇所は分岐と合流の構造である。

 基板1の同一平面上には、流路2に固形粒 20を含む第一の溶液23を導入するための第一 導入路3と、この第一の導入路3を分岐する 一の分岐部7と、第二の溶液24を導入するた の第二の導入路4と、この第二の導入路4を分 岐する第二の分岐部8と、流路2からそれぞれ 溶液23、24を導出する複数の導出路5を設け いる。

 このような構成とすることによって、第 の導入路3には固形粒子20の濃度勾配を形成 、固形粒子20の濃度が高い領域を第一の分 部7によって分岐した流れと、第二の導入路4 と第二の分岐部8から第二の溶液24の流れを流 路2に導入することができ、これによって固 粒子20の濃度が高い第一の溶液23の領域と第 の溶液24が流路2において流体の界面を形成 るような流れを形成することが可能であり 前段において流体の界面近傍に固形粒子20 移動させていることから、固形粒子20の移動 距離を低減し、速やかに第一の溶液23から第 の溶液24の中に固形粒子20の抽出、分離を行 うことができる。これによって、固形粒子20 回収率を高めることができる。

 第一の分岐部7及び第二の分岐部8の形状 固形粒子20の形状、大きさ、重さによって任 意の形状とすることができ、その断面形状を 直線状、曲線状、階段状などの形状とするこ とができる。

 図12において、第一の分岐部7は、第一の 入路3の中心線上にある。このことで中心線 上にある固形粒子20が分岐後は流れの片側の に寄って流路2に流れていく。流路2で第二 溶液24と合流するが、このとき、第一の溶液 23に関しては、第二の溶液24と合流する側に 形粒子20が寄っている。流路2は、第一の溶 23の流れてきた幅よりも、第二の溶液24の流 てきた幅の方が幅広であり、両者の幅の和 幅をもつ。音響発生装置11からの音響波の 38は、流路の中心にある。従って、合流時に 第一の溶液23の片側に寄っていた固定粒子20 、音響波により、非常に短い距離を移動す だけで、この音響波の節38に集められる。集 められた固形粒子20は、導出路から第二の溶 24と共に導出される。

 以上説明してきたように、第一の導入路3 において第一の溶液23の内部に分散している 形粒子20に対して濃度勾配を形成し、固形 子20の濃度が高い領域を第一の分岐部7によ て分岐する。第一の溶液23の中に濃度勾配を 形成した流体の流れを流路2に導入するとと に、第一の導入路3に対向させるように配置 た第二の導入路4から第二の溶液24を第二の 岐部8を介して導入することで、固形粒子20 濃度が高い領域と第二の溶液24とが流路2に いて界面を形成するように流体の流れを形 できる。流路2の内部で固形粒子20を第一の 液23から定在波の節38が存在する第二の溶液 24の中へ抽出移動させる。これによって、固 粒子20の移動距離を短くし、高い回収率で 実に固形粒子20を第二の溶液24の中へ移動さ ることができる。

 (実施の形態7)
 次に、本実施の形態7における別の例の成分 分離デバイスの構成について図面を用いて説 明する。図14は本発明の実施の形態7における 成分分離デバイスの構成を示す平面図である 。図14の構成は、基本部分は図12、図13で示し た実施の形態6と同様である。同じ構成要素 は同一の符号を付与する。本実施の形態が 実施の形態6と異なるところは、体積の大き 固形粒子20aと体積の小さな固形粒子20bとを り分けるための構造である。

 このように、体積の大きな固形粒子20aと 積の小さな固形粒子20bとが混合した溶液に いても、第一の導入路3においては、実施の 形態6で説明したのと同じく、両方の固形粒 は中心線上に集まる。第一の分岐部7は、第 の導入路3の中心線上にある。このことで中 心線上にある第一の固形粒子20aと第二の固形 粒子20bは両方、分岐後は流れの片側の端に寄 って流路2に流れていく。流路2で第二の溶液2 4と合流するが、このとき、第一の溶液23に関 しては、第二の溶液24と合流する側に両方の 形粒子が寄っている。流路2は、第一の溶液 23の流れてきた幅よりも、第二の溶液24の流 てきた幅の方が幅広であり、両者の幅の和 幅をもつ。音響発生装置11からの音響波の節 38は、流路の中心にある。従って、合流時に 一の溶液23の片側に寄っていた固定粒子20は 、音響波により、非常に短い距離を移動する だけで、この音響波の節38に集められる。集 られた固形粒子20は、導出路から第二の溶 24と共に導出される。

 この時に、固形粒子の体積の大きさによ 、移動の速度、または移動の応答速度が異 る。大きな体積のものほど早く移動する。 ち、第一の固形粒子20aの方が移動が早い。 こで、流路2における音響波発生器11の条件 流路2の条件、第一の導出路5の条件を、実 の形態5にて説明した条件と同様にすると、 施の形態5と同様に、体積の異なる固形粒子 の片方だけを取り出すことができる。

 以上説明してきたように、図6に示した構 成とすることによって、第一の導入路3にお て少なくとも第一の固形粒子20aの濃度勾配 形成する。その後、第一の固形粒子20aの濃 が高い領域を第一の分岐部7によって分岐し 流れを流路2に導入するとともに、第一の分 岐部7と同一側面に形成した第二の導入路4か 第二の溶液24を導入することで、固形粒子20 の濃度が高い領域と第二の溶液24が流路2にお いて接するように流れを形成する。そして、 次の流路2で第一の溶液23から第二の溶液24へ 一の固形粒子20aのみを抽出する。このこと 、固形粒子20aの移動距離とばらつきを低減 ることができることから、高い回収率で効 良く、それぞれの固形粒子20a、20bの抽出、 離を連続的に行うことが可能となる。

 このように、図14で示した成分分離デバ ス及び成分分離方法を用いることで、異な た形状、大きさを有する細胞の中から、必 な細胞を精度良く短時間で抽出、分離する とができることから、細胞の解析において 定精度及び速度を向上させることができる

 本発明は、例えば、細胞培養液、血液、 液などに代表される溶液と固形粒子が混合 た混合溶液において、固形粒子の抽出、分 を効率的に行うことができるという効果を し、固形粒子の特性を計測するための前処 デバイスに有用である。