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Title:
CARBON/ALUMINUM COMPOSITE COMPOUND AND INORGANIC COMPOUND COATED WITH CARBON/ALUMINUM COMPOSITE COMPOUND
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/139747
Kind Code:
A1
Abstract:
A method in which a novel composite compound excellent in heat resistance, lightweight property, flame retardancy, chemical resistance, and electrical conductivity can be obtained inexpensively and a substance which is harmful chemically or morphologically is converted into a harmless substance through a safe operation. The operation yields a structure which comprises the inorganic compound made harmless and the composite compound with which the surface of the inorganic compound is coated. Application of the method to a waste treatment can hence contribute to resource recycling. The compound is a carbon/aluminum composite compound obtained by distilling an aqueous dispersion containing poly(aluminum chloride) and a water-soluble organic substance to remove the water and then burning the residue at 300°C or higher. The structure is one made of an inorganic compound coated with a carbon/aluminum composite compound and is obtained by impregnating inorganic compound particles with an aqueous solution containing poly(aluminum chloride) and a water-soluble organic substance and burning the resultant particles. Also provided is a method of waste treatment which comprises ripping off a waste containing an acicular inorganic compound while spraying an aqueous poly(aluminum chloride) solution thereover, subsequently infiltrating a water-soluble organic substance into the waste, and burning the mixture.

Inventors:
SUGIYAMA OSAMU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/050502
Publication Date:
November 20, 2008
Filing Date:
January 17, 2008
Export Citation:
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Assignee:
HI VAN CORP (JP)
SUGIYAMA OSAMU (JP)
International Classes:
C01B31/02; A62D3/40; B09B3/00; C04B35/52; A62D101/41; C08J11/12
Foreign References:
JPH0710516A1995-01-13
JPS61282430A1986-12-12
JPH08208209A1996-08-13
JPH11292527A1999-10-26
JPH07111026B21995-11-29
JP2007138365A2007-06-07
Other References:
MORI T. ET AL.: "Biwako Ryuiki Gesuido Konanchubu Joka Center Tanka Shori System Donyu Jigo Chosa", ANNUAL REPORT, RESEARCH AND TECHNOLOGY DEVELOPMENT DIVISION, JAPAN SEWAGE WORKS AGENCY, 2002, pages 239 - 245
See also references of EP 2157049A4
Attorney, Agent or Firm:
TAKAHASHI, Noriaki et al. (Suginami-ku Tokyo, 33, JP)
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Claims:
 ポリ塩化アルミニウム及び有機物を含有する水溶液を260℃~2800℃で焼成してなるものであることを特徴とする炭素アルミニウム複合化合物。
 上記水溶液が、更に、炭素粒子、炭素源粒子、粘土鉱物粒子及びホウ砂からなる群より選ばれた1種以上を含有するものである請求項1記載の炭素アルミニウム複合化合物。
 上記有機物が水溶性有機物である請求項1記載の炭素複合化合物。
 上記水溶性有機物が糖類である請求項3記載の炭素複合化合物。
 上記水溶液が、更に、リン酸(水素)塩又は(重)炭酸塩を含有するものである請求項1記載の炭素アルミニウム複合化合物。
 無機化合物粒子又は無機化合物粒子を含有する複合物に、ポリ塩化アルミニウム及び有機物を含有する水溶液を含浸させ、260℃~2800℃で焼成してなるものであることを特徴とする炭素アルミニウム複合化合物被覆無機化合物構造体。
 上記無機化合物粒子が針状無機化合物である請求項6記載の炭素アルミニウム複合化合物被覆無機化合物構造体。
 上記針状無機化合物がアスベスト、合成ゾノトライト又はガラス繊維である請求項7記載の炭素アルミニウム複合化合物被覆無機化合物構造体。
 上記複合物が廃棄物に含有されているものである請求項6記載の炭素アルミニウム複合化合物被覆無機化合物構造体。
 上記有機物が水溶性有機物である請求項6記載の炭素アルミニウム複合化合物被覆無機化合物構造体。
 上記水溶性有機物が糖類である請求項10記載の炭素アルミニウム複合化合物被覆無機化合物構造体。
 上記水溶液が、更に、リン酸(水素)塩又は(重)炭酸塩を含有するものである請求項6記載の炭素アルミニウム複合化合物被覆無機化合物構造体。
 針状無機化合物を含有する廃棄物を、ポリ塩化アルミニウムを含有する水溶液を吹き付けながら剥離し、そこに有機物を含有させた後、260℃~2800℃で焼成することを特徴とする廃棄物の処理方法。
 上記有機物が水溶性有機物である請求項13記載の廃棄物の処理方法。
 上記水溶性有機物が糖類である請求項14記載の廃棄物の処理方法。
 請求項1ないし請求項5の何れかの請求項記載の炭素アルミニウム複合化合物を含有することを特徴とする耐熱性組成物。
 請求項6ないし請求項12の何れかの請求項記載の炭素アルミニウム複合化合物被覆無機化合物を含有することを特徴とする耐熱性組成物。
 ポリ塩化アルミニウム、糖質液等の有機炭素化合物を浸透定着させ焼成することを特徴とするミネラルファイバー炭化法。
 無機粒子に対し糖成分等の有機炭素化合物に加えPAC、ホウ砂等の不燃剤をブレンドし浸透定着させ焼成炭化させることを特徴とする無機化合物炭化法。
 高粘性炭水化合物水溶液に難燃剤、不燃剤を複合させた処理剤を疎水性プラスチック素材表面層に被覆して酸素遮断し焼成炭化させることを特徴するプラスチック等の炭化水素化合物炭化法。
Description:
炭素アルミニウム複合化合物及 炭素アルミニウム複合化合物被覆無機化合

 本発明は、炭素アルミニウム複合化合物 及び炭素アルミニウム複合化合物が被覆さ た無機化合物、並びに結果的にかかる化合 が生成されるような廃棄物の処理方法に関 るものである。

 耐熱性を有する組成物は種々知られてい が、その耐熱性については未だ十分ではな った。更に、耐熱性に加えて難燃性や導電 が付与され、コスト的にも有利な組成物は ど知られていない。例えば、炭素化合物の 種であるグラファイトは、高い耐熱性を有 ているが、空気中で500℃~700℃以上に加熱す ると燃焼し、耐熱性と難燃性を併せ持つもの ではなかった。また、一般に金属や合金は、 難燃性は有するが耐熱性に劣り、白金、タン グステン等の金属は、耐熱性を併せ持つが、 密度が大きく軽量化が望めず、また、コスト 的にも極めて不利であった。

 一方、近年、廃棄物を無害化して処理す ことの重要性が高まってきている。特に、 魔の鉱物、静かな時限爆弾と呼ばれて恐れ れているアスベスト(クリソタイル、クロシ ドライト等の各種石綿類)、合成ゾノトライ 、ガラス繊維等の針状無機化合物(無機ファ バー)の処理は、廃棄処理中に飛散し易いこ と、毒性を発揮する針状形状を毒性を発揮し ないような形状に変形することが難しいこと 等から、その廃棄処理に関して更なる進展が 望まれている。

 特に、アスベスト廃棄物は地球規模の問 であり、早急に解決しなければ後世に禍根 残すことになるといわれており、日本にお ても、年間100万トンの廃棄処理量が予測さ ている。しかしながら、飛散性のアスベス 廃棄物の処理に関し現在知られているもの して、1500℃以上の高温でプラズマ溶融スラ グ化技術、ハロゲン化合物を使用した700℃で の無害化技術等があるが、膨大なエネルギー を必要とするか、従前の有害物反応を単に転 用しているに過ぎず、コストパフォーマンス や安全性に優れたものはなかった。

 また、アスベストのように中皮腫等の要 とはならないが、アスベストの代替品であ 合成ゾノトライトも、結合性に劣り、表面 繊維が容易に離脱し、離脱したものが浮遊 、それを吸引する恐れが高く、近い将来に 康被害が発生していることが発覚する可能 が高い。そのため、廃棄処理の問題に関し も改良技術が今から望まれている。

 また、ガラス繊維はあまり浮遊しないが チクチクとした痒み等、廃棄物処理の作業 悪影響を及ぼすものである。すなわち、例 ば、船舶、浄化槽、浴槽等の材料に頻繁に いられている「不飽和ポリエステルにガラ 繊維を分散させた複合材料であるGFRP」につ いても、その廃棄物処理に優れたものがなく 、ガラス繊維の廃棄処理の問題に関しても早 期解決が望まれている。

 一方、ポリ塩化アルミニウムは、主に水 浄化剤として用いられており、焼成して耐 性組成物や難燃性組成物を生成させる用途 はそもそも殆ど用いられていない。特許文 1及び特許文献2には、ポリ塩化アルミニウ と土壌とを含有する混練物を焼成してなる 質浄化材が記載されているが、炭素を含有 る耐熱性組成物等、有用な物が得られると うものではなく、また、廃棄物の処理とは 係がなかった。

 ポリ塩化アルミニウムを用いた廃棄物の 理で、かつ焼成を伴う技術としては、特許 献3ないし特許文献5記載のものが知られて るが、それらは何れも、ポリ塩化アルミニ ムを凝集剤として用い、その凝集により生 たスラッジ(汚泥)を焼成する汚泥廃棄物の乾 燥処理方法等であって、一般廃棄物の処理方 法ではなく、毒性のある針状無機化合物の処 理方法ではなかった。しかも、それらの処理 によって生成されるものは炭素を含むもので はなく、耐熱性、難燃性、導電性等に優れた 有用な組成物を得て、資源の再利用を図るも のでもなかった。

 近年、毒性のある廃棄物の処理に関して れた技術が望まれており、更に資源リサイ ルの観点からも、処理のコストダウンの観 からも、かかる処理によって生じた物質を 効に利用できる技術が望まれていた。

特開平6-304472号公報

特開2000-325781号公報

特開平6-090616号公報

特開2003-019500号公報

特開2005-254195号公報

 本発明は上記背景技術に鑑みてなされた のであり、その課題は、耐熱性;耐燃性;酸 アルカリ、有機溶媒等に対する耐薬品性;導 性;軽量性等に優れた化合物やそれを含有す る組成物を比較的安価に得ることにある。更 に、化学的に有害な物質や形状的に有害な物 質を、安全な操作によって無害な物質へと変 換させる処理方法を提供することにある。ま た、資源リサイクルにも貢献する廃棄物処理 方法を提供することにある。

 本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭 検討を重ねた結果、特定の水溶性アルミニ ム化合物と炭素源として有機化合物を用い それらを焼成することによって、耐熱性、 燃性、耐薬品性、導電性、軽量性、コスト フォーマンス等に優れた複合化合物やそれ 含有する組成が得られることを見出して本 明を完成するに至った。また、特定の水溶 アルミニウム化合物と炭素源として有機化 物を用い、それらを有害物質に浸透させて 成することによって容易に無害化できるこ を見出して本発明を完成するに至った。

 すなわち、本発明は、ポリ塩化アルミニ ム及び有機物を含有する水溶液を260℃~2800 で焼成してなるものであることを特徴とす 炭素アルミニウム複合化合物を提供するも であり、また、かかる炭素アルミニウム複 化合物を含有することを特徴とする耐熱性 成物を提供するものである。

 また、本発明は、無機化合物粒子又は無 化合物粒子を含有する複合物に、ポリ塩化 ルミニウム及び有機物を含有する水溶液を 浸させ、260℃~2800℃で焼成してなるもので ることを特徴とする炭素アルミニウム複合 合物被覆無機化合物構造体を提供するもの あり、また、かかる炭素アルミニウム複合 合物被覆無機化合物を含有することを特徴 する耐熱性組成物を提供するものである。

 また、本発明は、針状無機化合物を含有 る廃棄物を、ポリ塩化アルミニウムを含有 る水溶液を吹き付けながら剥離し、そこに 機物を含有させた後、260℃~2800℃で焼成す ことを特徴とする廃棄物の処理方法を提供 るものである。

 また、本発明は、ポリ塩化アルミニウム び有機物を浸透定着させ焼成することを特 とするミネラルファイバー炭化法を提供す ものである。

 また、本発明は、無機粒子に対し糖成分 の有機炭素化合物に加えPAC、ホウ砂等の不 剤をブレンドし浸透定着させ焼成炭化させ ことを特徴とする無機化合物炭化法を提供 るものである。

 また、本発明は、高粘性炭水化合物水溶 に難燃剤、不燃剤を複合させた処理剤を疎 性プラスチック素材表面層に被覆して酸素 断し焼成炭化させることを特徴するプラス ック等の炭化水素化合物炭化法を提供する のである。

 本発明によれば、耐熱性、軽量性等に優 た新規な複合化合物やそれを含有する新規 組成物を極めて安価に得ることができる。 た、耐燃性、耐薬品性、導電性等にも優れ 新規な複合化合物を得ることができる。

 また、化学的又は形状的に有害な物質に して、安全な操作によって無害な物質へと 換させる方法を提供することができる。更 その際、該無害化された無機化合物の少な とも表面を上記複合化合物が被覆すること よって、更に優れた構造体を得ることがで る。また、上記方法を廃棄物の処理に適用 ることによって、上記化合物、組成物又は 造体が得られるので、資源リサイクルにも 献することができる。

 本発明によれば、静かな時限爆弾と言わ る飛散性アスベスト繊維を高温耐酸化性炭 粒子として再生することで有価物となる。 た、健康上の障害も解消される。従って、 別管理型埋め立て処分場の低減化可能であ 。また、熱に極めて優れた特性をもつアス スト繊維組織内に有機炭素化合物を浸透拡 する技術であり、無害な炭化処理方法であ 。また、省エネルギー化を考慮し熱分解を 助する、安全、適切な薬剤の選定をするこ ができる。この基本的な炭化技術操作を駆 することで、飛散性ファイバーのみならず 産業廃棄物の多くを有価物として炭素化で る。

 また、GFRP(マトリクス・不飽和ポリエス ル/ガラス繊維)廃棄物等も、本発明に含まれ る炭素化処理方法で、有効な炭素素材として 再利用が可能となる。本発明に含まれる産業 廃棄物炭化法は、省エネルギーで飛散性アス ベストを炭素粒子化して無害化することがで きる。その他、魚網、スチロール等のプラス チックや液状ゴム等を再資源化し、その炭素 化組成物を資源再生化して、有価物として有 効利用が可能である。本発明の炭素アルミニ ウム複合化合物は、従来のカーボンの常識を 覆すほど不燃性であり、特異な構造の軽量高 温耐酸化性断熱カーボンである。

実施例9で得られた炭素アルミニウム複合化 物被覆無機化合物構造体を、屈折率n D 25℃ =1.550とした位相差顕微鏡で、100倍で測定した 写真である。 実施例14で得られた炭素アルミニウム複合化 物被覆無機化合物構造体を、屈折率n D 25℃ =1.550とした位相差顕微鏡で、100倍で測定した 写真である。 実施例9で得られた炭素アルミニウム複 合化合物被覆無機化合物構造体の、CuKα線を いた粉末X線回折パターンである。 実施例14で得られた炭素アルミニウム 合化合物被覆無機化合物構造体の、CuKα線を 用いた粉末X線回折パターンである。

 以下、本発明について説明するが、本発 は以下の実施の形態に限定されるものでは く、任意に変形して実施することができる

<炭素アルミニウム複合化合物>
 本発明は、ポリ塩化アルミニウム及び有機 を含有する水溶液を焼成してなる炭素アル ニウム複合化合物に係るものである。ここ 「水溶液」中には、水に不溶なものが含ま ていて水系分散液となっていてもよい。

 ここで、「ポリ塩化アルミニウム」とは、[ Al 2 (OH) n Cl 6-n ] m  (1<n<5)で表わされる物質で、OHが橋かけ たアルミニウムの多核錯体を主成分とする のの水溶液をいう。製造方法は特に限定は いが、水酸化アルミニウムを塩酸に溶解さ 、加圧下又は要すれば溶解助剤を加え、こ に重合促進剤として硫酸基を添加して反応 せたものが好ましい。溶解助剤や重合促進 は、本発明の効果を損なわないものであれ 特に限定はされない。上記式中、mは10以下 好ましい。なお、以下、上記水溶液を「PAC と略記する場合がある。本発明には、「ポ 塩化アルミニウム」又は「PAC」として、水 浄化用又は廃水処理用に一般に市販されて るものが好適に使用できる。使用されるPAC のアルミニウム含有量は特に限定はないが 3~30質量%が好ましく、5~20質量%がより好まし く、8~15質量%が特に好ましい。なお、適宜、 に水を追加して使用することもできる。

 上記「有機物」は、本発明の炭素アルミ ウム複合化合物の炭素源として必須である 「有機物」は特に限定はないが、常温で液 の有機物又は後述する水溶性有機物が、ポ 塩化アルミニウムを含有する水系分散液に 散又は溶解し易い点で好ましい。「有機物 としては固体の有機物も使用できる。例え 、本発明を後述する「針状無機化合物を含 する廃棄物の処理方法」に適用するときに 、該針状無機化合物を分散させている樹脂 上記「有機物」として好適である。かかる 脂としては、例えば、アスベスト、ガラス 維等を分散させている(メタ)アクリル樹脂 ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビニル ステル樹脂等が挙げられる。

 常温で液体の有機物中、水溶性有機物で い有機物であっても、炭素粒子、粘土鉱物 子、ホウ砂及び木質粒子からなる群より選 れた1種以上の粒子、又は、アスベスト等の 無機化合物粒子存在下に、容易にPAC中に溶解 又は分散する。極めて撥水性が高い非極性系 有機物であっても、水酸化ナトリウム等のア ルカリ水溶液、エタノール等のアルコール類 と水との混合液に、容易に溶解又は分散させ ることが可能である。従って、水酸化ナトリ ウム等のアルカリ化合物、エタノール等のア ルコール類等を配合することも好ましい。

 「常温で液体の有機物」としては、以下 「水溶性有機物」のうち常温で液体のもの 他、メチルイソブチルケトン、ジブチルケ ン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エ チル、酢酸ブチル、酪酸エチル等のエステル 類;ラウリン酸エステル、リノール酸エステ 等の長鎖脂肪酸エステル類;植物油;動物油; クロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素 1,2-ジクロロエタン、1,1,1-トリクロロエタン 1,1,2-トリクロロエチレン等の塩素含有炭化 素類;臭素又はヨウ素含有炭化水素類;トル ン、キシレン、ナフタレン等の芳香族炭化 素類;石油、石炭、コールタール等の埋蔵物 はその留分;等が挙げられる。これらは1種 は2種以上を混合して用いられる。

 純水には不溶の有機物であっても、意外 もポリ塩化アルミニウム水溶液には、溶解 たり、また均一に分散したりする場合があ 。従って、「有機物」としては、焼成して られる「炭素アルミニウム複合化合物」や 炭素アルミニウム複合化合物被覆無機化合 構造体」の、難燃性、耐熱性等の物性を優 的に考慮して選択することができる。焼成 より得られたものの難燃性を向上させるに 、特に、塩素、臭素及び/又はヨウ素含有炭 化水素類が好ましい。塩素含有炭化水素類と しては、特にポリ塩化アルミニウム水溶液に 溶解したり均一に分散したりするものが好ま しい。

 「固体の有機物」としては、本発明にお ては特に限定はない。細片や粒子形状のも が特に好適に用いられる。

 「有機物」としては、ポリ塩化アルミニ ム水溶液に対する溶解性、環境特性等の点 、水溶性有機物が好ましい。ここで、「水 性」とは、水に易溶性である必要はなく、 かでも最適温度で水に実質的に溶解すれば い。従って、「水溶性有機物を含有する水 分散液」には、水溶性有機物が溶解と共に 部分散されていてもよい。有機物は常に炭 を有するので、「水溶性有機物」としては に限定はないが、グルコース、フルクトー 等の単糖類;シュクロース等の二糖類;でん ん等の多糖類;配糖体;ソルビット、マンニッ ト等の糖アルコール;メタノール、エタノー 、プロパノール等の1価アルコール;エチレン グリコール、プロピレングリコール、グリセ リン、ポリエチレングリコール、ポリプロピ レングリコール等の多価アルコール;アセト 、テトラヒドロフラン等の水溶性溶媒;ポリ ニルアルコール、ポリビニルピロリドン等 水溶性ポリマー;等が挙げられる。これらは 1種又は2種以上を混合して用いられる。

 中でも、グルコース、フルクトース、シ クロース、でんぷん等の糖類又は糖類の誘 体等が、沸点が高く扱い易いこと、水に対 る溶解性が高いこと、安全性が高いこと、 価なこと、焼成により比重の小さい良好な 素アルミニウム複合化合物を与えること等 点で好ましい。糖類又はその誘導体の形態 しては特に限定はないが、上白糖、三温糖 の砂糖;イモ、トウモロコシ等の植物由来の でんぷん若しくはでんぷん系の糊;米粉、餅 粉、小麦粉、トウモロコシ粉等の粉;片栗粉 が上記点から特に好ましい。

 PACと有機物との配合比率は、良好な炭素 ルミニウム複合化合物が生成するように配 すれば特に限定はないが、アルミニウム含 量が10質量%のPACの場合、該PAC100質量部に対 て、有機物が10~400質量部が好ましく、20~200 量部がより好ましく、30~100質量部が特に好 しい。アルミニウム含有量が10質量%でないP ACの場合には、上記配合比率はアルミニウム 算で比例増減した範囲が好ましい範囲であ 。

 PACと水溶性有機物を含有する水系分散液 製造方法は特に限定はされないが、糖類等 水溶性有機物が冷水に難溶の場合は、それ 温水に溶解した後に、PACと混合することが ましい。また、後述する廃棄物の処理方法 場合には、該廃棄物及び「PAC又はPACの水に る希釈物」の混合物に対して、後から水溶 有機物の水溶液を加えることが、作業性が い、廃棄物が存在する場所の有機物による 染がない、コスト低減等の点で好ましい。 PAC又はPACの水希釈物」の混合物を廃棄物に かかる溶液を吹き付け等の処理をすること よって、該廃棄物の飛散が抑制されるから あり、該廃棄物に毒性や飛散性がある場合 は、特にこの順番で混合する方法が好まし 。

 PACと有機物を含有する水溶液には、更に 炭素粒子、炭素源粒子、粘土鉱物粒子及び ウ砂からなる群より選ばれた1種以上を含有 させることが好ましい。炭素源粒子としては 、セルロース系粒子等が特に好ましい。炭素 粒子又は炭素源粒子を含有させると、耐熱性 、軽量性、耐薬品性、導電性等が極めて上昇 し、粘土鉱物粒子やホウ砂を含有させると、 耐燃性、耐薬品性等が極めて上昇する。

 炭素粒子としては、例えば、木炭、竹炭 が挙げられ、炭素源粒子としては、木くず カンナくず等の木質粒子;廃紙、段ボール、 シュレッダー紙等の紙類;オカラ残渣;トウモ コシ、麦、稲等の残渣;籾殻、蕎麦殻等の穀 類殻;等が挙げられる。また、粘土鉱物粒子 しては、ケイソウ土、ジルコンフラワー、 ントナイト、陶土等が好ましいものとして げられる。特に、粘土鉱物粒子中の、Mg、Si Al、Zr等の元素は、本発明の炭素アルミニウ ム複合化合物中に含有されることによって、 耐熱性、耐薬品性等を更に向上させることが できるため好ましい。

 ホウ砂を含有させると、低温領域で融合 てガラス化した成分が酸素を遮断して炭素 が容易となり、また更に、難燃性の極めて い炭素アルミニウム複合化合物を与えるこ ができる。

 上記炭素源粒子、粘土鉱物粒子等は、廃 物に含有されることが多く、かかる廃棄物 の成分によって、得られた炭素アルミニウ 複合化合物の上記物性を向上させることが 能となる。従って、性能向上効果と廃棄物 理によるコスト抑制効果の相乗効果を得る とができる。

 PACと有機物を含有する水溶液の合計量に する、「炭素粒子、炭素源粒子、粘土鉱物 子及びホウ砂からなる群より選ばれた1種以 上の粒子」の含有量は特に限定はないが、PAC (アルミニウム含有量10質量%)と有機物の合計 100質量部に対し、炭素源粒子の場合は、10~5 0質量部が好ましく、25~35質量部がより好まし く、27~32質量部が特に好ましい。また、粘土 物粒子の場合は、100~400質量部が好ましく、 200~300質量部が特に好ましい。また、ホウ砂 場合は、1~20質量部が好ましく、2~10質量部が より好ましく、5~6質量部が特に好ましい。PAC 中のアルミニウムの含有量に応じて、上記好 ましい範囲は比例増減される。

 PACと有機物を含有する水溶液には、更に 上記以外のその他の物質を配合させること できる。かかるその他の物質としては、リ 酸水素2アンモニウム、リン酸水素ナトリウ ム等のリン酸(水素)塩;重炭酸アンモニウム、 重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム等の(重) 酸塩等が挙げられる。これらは、ポリ塩化 ルミニウムと有機物と共に焼成されて、炭 を促進したり、炭素アルミニウム複合化合 の耐熱性を更に向上させたりすることがで 、pH値の調整剤としても極めて有効である

 リン酸(水素)塩又は(重)炭酸塩の配合量は 、PAC(アルミニウム含有量10質量%)と有機物を 有する水溶液100質量部に対して、10~200質量 が好ましい。25~100質量部が好ましい。30~70 量部が好ましい。

 後述する廃棄物の処理方法においては、 記「ポリ塩化アルミニウム及び有機物を含 する分散液」には、廃棄物中に含まれる他 成分が含有されていてもよい。これら「他 成分」は、炭素アルミニウム複合化合物の 性を大きく損なわない程度に含有される。 他の成分」としては特に限定はないが、具 的には、例えば、アスベスト、合成ゾノト イト、ガラス繊維等の針状無機化合物をフ ラーとして用いたときの、バインダー樹脂 挙げられる。かかるバインダー樹脂として 、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹 、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂;アクリル 樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニル樹脂等 の熱可塑性樹脂等の有機樹脂が挙げられる。 これらの有機樹脂は、焼成中に一体となって 炭素源となるため、含有されることがむしろ 好ましい場合がある。

 本発明の炭素アルミニウム複合化合物は 上記「ポリ塩化アルミニウム及び水溶性有 物を含有する水系分散液」を原料にして焼 工程を経て得られる。水の留去は焼成工程 で行ってもよいが、焼成に先立って、常法 従って水を留去することも好ましい。

 焼成の方法としては、加熱炉中に静置し 焼成する方法、火炎を直接接炎する方法、 続焼成炉に供給する方法、スライダー落下 式による方法等が挙げられる。このうち、 ップバーナ等によって、火炎を直接接炎す 方法が熱効率の点で好ましい。火炎を直接 炎する方法における燃焼ガスは特に限定は いが、水素、メタン、エタン、プロパン、 タン、一酸化炭素、都市ガス等が好ましい

 焼成は260℃~2800℃の範囲で行われること 必須である。焼成温度は400℃~2000℃の範囲が 好ましく、600℃~1800℃の範囲がより好ましく 700℃~1500℃の範囲が特に好ましく、800℃~1000 ℃の範囲が更に好ましい。また、焼成雰囲気 は特に限定はなく、真空中;窒素、アルゴン の不活性気体中;空気、酸素等の活性気体中 の何れでもよい。本発明においては、焼成 空気中で行っても、炭素アルミニウム複合 合物中の炭素が燃えてしまうことがないの 、操作の容易さの点からは空気中で焼成を うことが好ましい。火炎を直接接炎する方 における焼成温度は、熱電対放射温度計セ サープローブ(シースサイズは、例えばφ8×5 00mm)を被対象物の中に差し込むことにより測 し、本発明における上記焼成温度はそのよ に測定したものとして定義される。

 焼成の時間としては、特に限定はないが 加熱炉中に静置して焼成する方法において 、10~60分が好ましく、15~40分がより好ましく 、20~25分が特に好ましい。また、火炎を直接 炎する方法においては、2分~30分が好ましく 、3分~20分が好ましく、5~10分が特に好ましい

 なお、焼成は酸素存在下等の酸化雰囲気 で行われてもよいし、非酸化雰囲気中で行 れてもよい。酸化雰囲気中で焼成する場合 焼成温度800℃以下では、黒色の炭素アルミ ウム複合化合物が生成される。また、非酸 雰囲気中で焼成の場合、焼成温度300~1200℃ は、白色の炭素アルミニウム複合化合物が 成される。酸化雰囲気中、非酸化雰囲気中 、それぞれ上記温度範囲で焼成することが も好ましい。

 焼成して得られた炭素アルミニウム複合 合物は、必要に応じて解砕又は粉砕して粒 状又は粉末状のものにすることが、取り扱 の容易さの点で好ましい。得られた「粒子 又は粉末状の炭素アルミニウム複合化合物 は通常黒色であるが、灰色又は無色(白色を 含む)であっても本発明の範囲に含まれる。 色の要因は、炭素化により生成される縮合 環構造によるものと推察されるが、本発明 それに限定されるものではない。

 本発明の「炭素アルミニウム複合化合物 の具体的組成や具体的構造は特に限定され い。炭素部分は、炭素化により黒鉛(グラフ ァイト)構造ができていても、その中間段階 ある炭素前駆体でもよい。アルミニウムの 学結合状態や物理的配合状態については明 かではなく、従って特に限定はない。なお 本発明の炭素アルミニウム複合化合物は構 が明らかではないため、製造方法によって か特定できないため製造方法で物を特定し が、本発明の炭素アルミニウム複合化合物 は、上記方法で製造され得る物質であれば 如何なる製造方法で製造されたものであっ も含まれる。ただし、本発明の炭素アルミ ウム複合化合物は、上記方法で製造される とが、製造方法が容易である点、後述する 棄物の処理方法に適用できる点から好まし 。

<炭素アルミニウム複合化合物被覆無機化 物構造体>
 上記した「ポリ塩化アルミニウム及び有機 を含有する水溶液」を、無機化合物粒子又 無機化合物粒子を含有する複合物に含浸さ て、それを上記方法で焼成してなるものも 耐熱性、軽量性、難燃性、耐薬品性、導電 等に優れている。この「炭素アルミニウム 合化合物被覆無機化合物構造体」の構造は 「無機化合物粒子又は無機化合物粒子を含 する複合物」が焼成を経て、化学的及び/形 状的に変化した「無機化合物」の周囲に、上 記した炭素アルミニウム複合化合物が被覆し た構造のものであってもよいし、該無機化合 物粒子中に「ポリ塩化アルミニウム及び有機 物を含有する水溶液」が浸透し、その状態で 同時に焼成されることによって、独自の「無 機化合物」を生成していてもよい。また、両 者の組合せ、すなわち、芯となる無機化合物 粒子が変性し、かつ被覆構造を有するもので あってもよい。

 上記無機化合物粒子としては、種類、形 共に特に限定はない。種類としては、炭酸 ルシウム、硫酸バリウム、タルク、無機着 顔料、アスベスト、合成ゾノトライト、ガ ス繊維(ガラスウールも含まれる)等が挙げ れる。本発明を廃棄物の処理方法に適用し 場合には、上記無機化合物粒子としては、 脂に一般的に含有されている上記の汎用フ ラーが特に好ましい。

 また、粒子の形状は針状のものであって 非針状のものであってもよいが、針状のも が、廃棄物の処理方法に適用した時に、本 明の前記効果(毒性のある粒子の飛散を抑え ての無害化)が有効に奏されるために好まし 。上記無機化合物粒子は針状無機化合物で ることが好ましいが、上記針状無機化合物 、アスベスト、合成ゾノトライト又はガラ 繊維(ガラスウールも含まれる)であることが より好ましい。アスベストの種類は特に限定 はないが、クリソタイル(温石綿、白石綿)等 蛇紋石系;クロシドライト(青石綿)、アモサ ト(茶石綿)、アンソフィライト、トレモラ ト、アクチノライト等の角閃石系のアスベ トに適用させることが好ましい。

 上記した「ポリ塩化アルミニウム及び有 物を含有する水溶液」に針状無機化合物を 浸させて焼成した時には、針状の長手方向 何箇所か切れて針状でなくなる。また、針 無機化合物の繊維組織が脆弱となり、先端 尖った粒子形状が焼成後には先端が丸まっ 形状になる。それら2種の現象の一方又は両 方が起こるために、針状無機化合物の先端形 状等の形状に起因する毒性がなくなる。

 切れたり丸まったりする作用原理は明ら ではないが、「ポリ塩化アルミニウム及び 機物を含有する水溶液」が、針状無機化合 の1本1本の内部まで浸透して、それらが同 に酸素雰囲気で焼成されることによって、 湿性の針状粒子が切断するものと推察して る。

 上記無機化合物粒子に含有されるマグネ ウム(Mg)、ケイ素(Si)等は、炭素アルミニウ 複合化合物中に取り込まれて、耐熱性を向 させる。アスベストにはマグネシウム(Mg)と イ素(Si)が含有されているので、アスベスト の廃棄処理に適用した時には、毒性粒子の無 毒化処理と同時に、それらの元素が含有され て耐熱性がより向上した炭素アルミニウム複 合化合物や炭素アルミニウム複合化合物被覆 無機化合物構造体が得られるので、二重の意 味で好ましい。

 「無機化合物粒子を含有する複合物」と ては、種々の目的を持った無機フィラーと インダー樹脂を含有する複合物;腐葉土等の 植物由来の有機物と無機化合物粒子を含む土 を含有する土壌等が挙げられる。具体的には 、例えば、船舶、浄化槽、浴槽等の材料に汎 用されている「硬化性樹脂にガラス繊維を分 散させた複合物(以下、「GFRP」と略記する); 材、石綿スレート、高温配管等の材料に用 られている「モルタル等にアスベストを分 させた複合物」;塗料、接着剤等の白色化や 色に汎用されている「樹脂に、炭酸カルシ ム、硫酸バリウム、タルク、無機着色顔料 酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム等 粒子が分散された複合物」;配線板材料等の 「樹脂に、硫酸バリウム、タルク、無機着色 顔料等の粒子が分散された複合物」;等が挙 られる。

 上記「無機化合物粒子を含有する複合物 が廃棄物に含有されているものである場合 は、廃棄物が処理されることと、その結果 して炭素アルミニウム複合化合物被覆無機 合物構造体が得られることが同時に達成さ るので特に好ましい。

 炭素アルミニウム複合化合物被覆無機化 物構造体の製造工程において、複合物中に 有されるバインダー樹脂は、存在しても悪 響を殆ど及ぼさないばかりか、炭素アルミ ウム複合化合物被覆無機化合物構造体が製 される過程において炭素源として有効に用 られる。すなわち、後述する廃棄物の処理 法において、複合物中に含有されるバイン ー樹脂は、予め別途除去する必要は通常は い。

 ポリ塩化アルミニウム及び有機物の合計 に対する無機化合物粒子の含有量は特に限 はないが、上記合計量100質量部に対して、 機化合物粒子10~400質量部が好ましく、20~200 量部がより好ましく、30~100質量部が特に好 しい。無機化合物粒子の含有量が多過ぎる 、ポリ塩化アルミニウムと水溶性有機物が 分な量で浸透しない場合があり、被覆が不 分になる場合がある。一方、無機化合物粒 の含有量が少な過ぎると、炭素アルミニウ 複合化合物被覆無機化合物構造体の特性が 揮されない場合がある。

 本発明において「無機化合物粒子」とし 針状無機化合物を用いることが好ましいが この内、針状無機化合物としてアスベスト 用いる場合、PACと水溶性有機物の合計量に するアスベストの含有量は、PAC(アルミニウ ム含有量10質量%)と有機物の合計100質量部に し、10~200質量部が好ましく、15~100質量部が り好ましく、20~50質量部が特に好ましい。以 上の範囲は、PACのアルミニウム含有量によっ て比例増減される。

<廃棄物の処理方法>
 本発明の態様には、針状無機化合物を含有 る廃棄物を、ポリ塩化アルミニウムを含有 る水溶液を吹き付けながら剥離し、そこに 溶性有機物を含有させて水系分散液とし、 こから水を留去後、300℃以上で焼成するこ を特徴とする廃棄物の処理方法が含まれる

 針状無機化合物は、有害であったり、飛 性があったりするので、ポリ塩化アルミニ ムを含有する水溶液を吹き付けることによ て、有害物の飛散が抑制され、作業者の健 に害を与えることがない。常温環境下にお て乾燥しない特性を持つポリ塩化アルミニ ムの特性を最大限に発揮させることができ 。かかる水溶液には、ポリ塩化アルミニウ 以外に、前記した物質が含有されているこ も好ましい。水溶液に糖類を含有させる場 、飛散防止除去作業時に塗布させる必要は く、低温短時間無害化処理時に添加し焼成 ることが、作業簡略化の上で好ましい。ま 、水溶性有機物は、廃棄物に吹き付ける水 液中に含有させておいてもよいが、廃棄物 吹き付けて廃棄物が含有された水溶液中に 後から添加することが、完全無害化、作業 の観点から好ましい。

 上記水溶液の粘度は、吹き付け除去が好 にできるように水で適宜希釈することが好 しい。吹き付ける水溶液は、市販のPAC(アル ミニウム含有量10質量%)100質量部に対し、水 5~30質量部加えて調製することが好ましく、 を10~15質量部加えて調製することが特に好 しい。以上の範囲は、PACのアルミニウム含 量によって比例増減される。

 現在まだ撤去されていない飛散性アスベ トの浸透固定化処理剤も後述するXSPと後述 る分散液Xの複合処理剤で飛散防止浸透固定 処理剤として吹き付け可能。この浸透吹き付 け操作によって固定化され撤去されたアスベ ストは焼成する操作で容易に炭素化合物に変 化する。

 すなわち、本発明の一形態は、ポリ塩化 ルミニウム、糖質液等の有機炭素化合物を 透定着させ焼成することを特徴とするミネ ルファイバー炭化法である。

 炭化処理剤は安全性の高い原料であり且 安価。コスト優位性は高く、従来方式に比 資源再生再利用という特長から原料の節約 加え、廃棄物発生を最小限に抑えその結果 環境負荷、廃棄物処理埋め立て処理費用を しく下げる。

 最近プラスチック製品の再生利用につい 多くの関心が寄せられている。製造過程で 棄物の再生利用に比べ最終消費廃棄物は、 に多くの困難があり、回収、分類、分離の 程において廃棄物は様々な物質で汚染され いる簡単容易な方法では防げず問題は未解 である。本発明の一態様の炭化処理方法を み込んだ炭化炉プラントシステムが稼動す ば、炭化炉の損傷もなく焼成によって炭化 になったものは総て熱分解耐熱カーボン素 として再生資源となる。また、従来システ で焼却炉、溶融炉等から埋め立て処分され 焼却灰等も、例えば、本発明の後述するXSP よる処理によって炭素が注入されてカーボ 担持セラミックスとして耐熱素材として多 な応用化が期待できる。

 アスベスト炭素化、合成ゾノトライト、 ラス繊維、グラスウール等に適した処理方 として極めて有効な核となりうる可能性の 素成分が多い砂糖が見出された。砂糖はブ ウ糖と果糖が結合したものであり日常我々 常用する食品でもあり、素材組織内に良く 透する浸透圧作用に極めて優れている素材 ある。また、助剤としてポリ塩化アルミニ ムやホウ砂との複合化が早期炭化法にとっ 有効であることが実験により確認された。 リ塩化アルミニウムは凝集性浄水剤であり JIS K1475-1978水道用ポリ塩化アルミニウムで る。また、澱粉系の糊、ホウ砂、PAC、糖分 複合した化合物を処理剤としても極めて有 である。

 すなわち、本発明の一形態は、無機粒子 対し糖成分等の有機炭素化合物に加えPAC、 ウ砂等の不燃剤をブレンドし浸透定着させ 成炭化させることを特徴とする無機化合物 化法である。

 1:PACと高濃度のガムシロップは相互とも分 することなく容易に相溶する。
浸透定着するメカニズムは、主に糖の浸透圧 作用によるブドウ糖、果糖溶媒とPAC成分によ る浸透膨潤効果によってミネラルファイバー 組織内部に無機高分子であるPAC成分が糖溶媒 と共に浸透して定着するすなわち有機炭素成 分が吸湿性無機ファイバー成分中に定着固定 する。
 また、燃焼性炭素を多く含有する糖成分は 燃性無機高分子PACと相溶している。その効 で1次的に発火燃焼するが過大に燃焼せず、 高熱によって速やかに有機炭素を含むアスベ スト繊維と共にチャー化過程をたどり強固な 繊維組織を分断し全て炭素状粒子に変化する 。

 PACは、主成分として酸化アルミニウム、硫 イオンを含む塩基性で有り可燃性物質を含 ず短時間高温焼成時、酸化アルミニウムも 合された状態の炭素石綿と共に融合固定化 る。
 熱分解した炭素は、生体内不活性であり、 ァイバー形状とは異なる炭素化アスベスト 子として無害化する。したがって、ファイ ー飛散による健康被害、環境汚染は皆無と る。
 炭素成分を浸透させる操作から生まれる無 鉱物中の珪素、マグネシウム化合物等と共 パイロ化した炭素と融合した特異な構造の 化ケイ素、酸化マグネシウム等とカーボン した新素材は、高温耐酸化特性に極めて優 た高性能のカーボン素材に構造変化したも と推察される。また、分散液Xの反応におい ては、ホウ砂成分が約760℃前後でガラス化す る工程を経る過程において低分子糖成分、炭 水化物・ホウ砂等を注入された状態のアスベ ストも共に760℃前後の低温度領域の短時間で 熱溶融し、炭化後の温度低下と共に繊維組織 が硬質化し破壊され全て炭素粒子に変化する 。但しホウ砂成分濃度が余り高いと得られる 炭化物の耐熱性は劣ることは避けられない。

 2:ガラス繊維単独の表面層炭化方法もXSP 浸透によって酸性のPAC成分と糖質の浸透効 によって繊維組織が解繊する事例からも判 可能な様に、繊維組織表面層近傍に炭素成 が定着する。したがってガラスの溶融温度 下で焼成する操作で表面層のみに炭素が定 する。この時、炭化水素化合物液状物質が 在すると更に解繊して炭素定着が増す。

 3:GFRPにおける炭化は、炭化水素化合物であ 為、前処理として糖成分等の炭素成分の浸 注入は基本的に必要とせず、難燃性化合物 ウ砂等とレジン表面層に簡易な酸素遮断層 ウ砂、PAC含有澱粉層を形成し、酸化性雰囲 において焼成する操作で灰化させずガラス 維以外は全て炭化する。無機難燃剤、無機 燃性物質を含む炭水化物で空気遮断被覆さ た状態のGFRPに接炎しても、直ぐには燃焼せ ず初期段階では、レジンは熱伝播のみで熱溶 融する。この熱溶融と同時に2種の難燃剤も ジン中に融合された状態となり、融合した ウ砂成分のみはガラス化によって酸素を部 的に遮断し酸素濃度が希薄状態の雰囲気下 おいてレジンは炭化する。
 一方複合されているマトリクス中のガラス 維表面層にも炭素化したレジン、シランカ プリング剤が表面層近傍に炭素として定着 る。

 すなわち、本発明の1つの形態は、高粘性 炭水化合物水溶液に難燃剤、不燃剤を複合さ せた処理剤を疎水性プラスチック素材表面層 に被覆して酸素遮断し焼成炭化させることを 特徴するプラスチック等の炭化水素化合物炭 化法である。

 上記した「ポリ塩化アルミニウム及び有 物を含有する水溶液」に針状無機化合物を 浸させて焼成した時に、針状の長手方向が れて針状でなくなり、針状無機化合物の繊 組織が脆弱となり、先端が尖った粒子形状 焼成後には先端が丸まった形状になる作用 理は明らかではなく、また、本発明は以下 作用原理に限定されるものではないが、以 のように考えられる。

 「ポリ塩化アルミニウム及び有機物を含 する水溶液」が、針状無機化合物の1本1本 内部まで浸透して、それらが同時に焼成さ ることによって、針状粒子が切断するもの 推察している。

 針状無機化合物は、PAC水溶液に含浸され と、徐々に繊維組織内に浸透する。例えば 針状無機化合物としてクリソタイルを用い 場合、含浸期間が10日間で、その含有率が10 .3質量%になる。針状無機化合物の場合、焼成 中に更に分解する。

 針状無機化合物の焼成による分解の作用・ 理を以下に示す。
1.極めて低温で溶融固化する糖質・澱粉類が 維組織内で発生する。
2.ホウ砂は通常760℃の温度領域でガラス質と て溶融固化するか、これよりも更に低温で 溶融固化炭素化する糖質・澱粉を含むこと 、約500℃近傍で溶融する(低温溶融化)。
3.PAC中の含有アルミニウム成分(10~11%)及び微 のホウ砂成分は、前記の有機物を灰化もさ ることなく炭素化させ不燃効果を発揮する

 酸化雰囲気焼成中(時間の経過)に以下の化 反応が進行する。
4.多量のPAC、糖質と微量のホウ砂を含有する スベスト鉱物は、炉内300~500℃近傍から有機 物とホウ砂成分の溶解が進行すると、赤熱状 況と共に熱分解ガスが発生し、熱分解ガスの みが完全燃焼する(無煙)。
5.熱分解ガスの燃焼は、2~5分で終束し、その コロナ状のパイロフレームが発生する。こ パイロフレーム温度950~1050℃に達する。(フ ーム発生時間2~3分間)
6.パイロフレームが終束すると被対象物は赤 光から黄色光、さらに白色光へと変化して 成を完了する。徐熱後の炭化物は微粒子と 粒状の炭素であるが、すべてわずかな応力 容易に微粒子として崩壊する。

 以下に、実施例及び比較例を挙げて本発 を更に具体的に説明するが、本発明は、そ 要旨を超えない限りこれらの実施例に限定 れるものではない。

実施例1
<炭素アルミニウム複合化合物>
 ショ糖25質量部を水25質量部に50℃で加熱溶 し、そこにPAC(王子製紙社製、「PAC」(アル ニウム量として10~11質量%))50質量部を加え攪 して均一に混合した。以下、このようにし 得られた水溶液を「XSP」と略記する。

 XSP100gをバットに厚さ2mmとなるように入れ 、20℃で5時間静置した後、試料表面に1300℃ 炎を、バーナーから直接当てて焼成した。 成は空気中で行った。K熱電対温度計シース 試料の表面層近傍に入れて測定した温度は7 50~880℃であった。バーナー接炎開始後20分間 、全て均一な黒色で粒子状の炭素アルミニ ム複合化合物を得た。

実施例2
<炭素アルミニウム複合化合物>
 実施例1において、ショ糖25質量部に代えて 米粉25質量部を用いた以外は実施例1と同様 して、炭素アルミニウム複合化合物を得た

実施例3
<炭素アルミニウム複合化合物>
 XSP50質量部、ホウ砂45質量部及び水55質量部 均一に攪拌混合した。この液50gをバットに さ20mmとなるように入れ、20℃で28時間静置 た。表面にホウ砂の微結晶体が析出したが そのまま、実施例1と同様にバーナー接炎を 始した。1500℃で5分間焼成して炭素アルミ ウム複合化合物を得た。

実施例4
<炭素アルミニウム複合化合物>
 実施例3と同様に、XSP50質量部、ホウ砂45質 部及び水55質量部を均一に攪拌混合した。そ こに更に、炭素粒子として竹炭粒子13質量部 粘土鉱物粒子として陶土12質量部を配合し 一に分散させた。その液を用いて実施例3と 様にして、炭素アルミニウム複合化合物を た。

実施例5
<炭素アルミニウム複合化合物>
 XSP50質量部と、木質粒子として木屑30質量部 を均一に混合し、その分散液を用いた以外は 実施例1と同様にして、炭素アルミニウム複 化合物を得た。

実施例6
<炭素アルミニウム複合化合物被覆無機化 物構造体>
 ステンレス容器中に、XSP100gを入れ、そこに 厚さ3mmのアスベスト織物100gを浸漬させた。20 ℃で10時間浸漬させた後、引き上げて、付着 た余分な液を重力で下に落とした後、XSPが 透したアスベスト織物を不燃性シートの上 水平に置いた。アスベスト織物の表面に、 をバーナーから直接当てて焼成した。焼成 空気中で行った。温度計をアスベスト織物 下5mmの部分に入れて、接炎直下の温度を測 した。1200℃で10分間焼成したところ、熱溶 せずに、炭素アルミニウム複合化合物被覆 機化合物構造体が得られた。

 アスベスト粒子は、この焼成によって、 状に変化していた。また、尖った部分がな なり先端が丸くなっていた。得られた炭素 ルミニウム複合化合物被覆無機化合物構造 には、アルミニウムと炭素に加えて、ケイ とマグネシウムが含有されていた。

実施例7
 実施例6において、炎をバーナーから直接試 料に当てて焼成する代わりに、試料を加熱装 置の中に入れて、加熱装置中の温度を800℃に 設定し、60分間焼成した以外は、実施例6と同 様に炭素アルミニウム複合化合物被覆無機化 合物構造体を調製した。この焼成によって、 アスベスト由来の無機化合物は粒状に変化し ていた。また、尖った部分がなくなり先端が 丸くなっていた。

実施例8
<炭素アルミニウム複合化合物被覆無機化 物構造体>
 ホウ砂100質量部、水300部を混合後、加熱沸 させながら攪拌して均一溶液を得た。この に水溶きした米粉5質量部を攪拌しながら添 加し、更に、PAC120質量部を加え攪拌して分散 液Xを得た。PAC添加によって粘度が上がり、 度低下と共に糊化した。

 飛散性アスベスト(クリソタイル10質量%含 有)40質量部に対して、上記分散液Xを10質量部 混合し、湿潤状態のまま接炎した。焼成時間 以外は実施例6と同様に焼成したところ、バ ナー接炎20分間で炭素アルミニウム複合化合 物被覆無機化合物構造体が得られた。

 得られた炭素アルミニウム複合化合物被 無機化合物構造体中の無機化合物の平均長 は焼成前よりはるかに短くなり、アスベス が粒状に変化して無害化していた。また、 った部分がなくなり先端が丸くなっていた 得られた炭素アルミニウム複合化合物被覆 機化合物構造体には、アルミニウムと炭素 加えて、ケイ素とマグネシウムが含有され いた。

実施例9
<炭素アルミニウム複合化合物被覆無機化 物構造体>
 実施例8において、分散液Xの代わりにXSPを いた以外は実施例8と同様にして炭素アルミ ウム複合化合物被覆無機化合物構造体を得 。得られた炭素アルミニウム複合化合物被 無機化合物構造体においては、アスベスト 切断されており無害化されていた。また、 った部分がなくなり先端が丸くなっていた 得られた炭素アルミニウム複合化合物被覆 機化合物構造体には、酸素が多く、アルミ ウムと炭素に加えて、ケイ素とマグネシウ が含有されていた。

実施例10
 ガラス繊維を不飽和ポリエステル中に分散 せて硬化させて得られた廃棄物(ユニットバ ス等に用いられていたものであり、以下、「 GFRP」と略記する)を、約30~40mmの大きさに粗粉 砕したもの40gを、浸漬に充分な量のXSPに3分 浸漬した。引き上げて、付着した余分な液 重力で下に落とした後、XSPが浸透したGFRPを 燃性シートの上に置いた。表面に炎をバー ーから直接当てて焼成した。焼成は空気中 行った。温度計をGFRP内に入れて、接炎直下 の温度を測定した。1000℃で20分間焼成して、 炭素アルミニウム複合化合物被覆無機化合物 構造体を得た。

 GFRP中のガラス繊維は、焼成によって平均 長さ2mm以下に切断されており、その周囲に炭 素アルミニウム複合化合物が覆っていた。不 飽和ポリエステルは全て炭素化していた。得 られた炭素アルミニウム複合化合物被覆無機 化合物構造体には、アルミニウムと炭素に加 えてナトリウムが含有されていた。

実施例11
 不燃板上に、ガラス繊維50gを載せ、XSP100gを 添加し、ヘラで攪拌した。実施例10と同様に バーナーを用いて接炎した。更に、1000℃で 20分間、焼成を行って、炭素アルミニウム複 化合物被覆無機化合物構造体を得た。この 成中、ガラス繊維は溶融しなかった。炭素 ルミニウム複合化合物被覆無機化合物構造 は、ガラス繊維特有のチクチクとした皮膚 痒みを与えないものであった。

実施例12
 不燃板上に、合成ゾノトライト20gを載せ、X SP50gを添加し、ヘラで攪拌混合した。XSPは合 ゾノトライト中に浸透した。実施例10と同 に、バーナーを用いて接炎した。接炎直後 水が沸騰した。更に、1000℃で7分間、焼成を 行って、炭素アルミニウム複合化合物被覆無 機化合物構造体26.3gを得た。

 得られたアルミニウム複合化合物被覆無 化合物構造体中の合成ゾノトライト由来の 機物は針状形状を失い、平均粒径100μmの球 に近い粒子と、平均粒径1mm~1.5mmの粗粒子が 在している状態となった。

実施例13
 本発明ミネラルファイバー炭化法の場合の 要材料を示す。
砂糖(上白糖、三温糖等)、実施例1で用いたも のと同じポリ塩化アルミニウム(PAC)、ホウ砂 澱粉
ミネラルファイバー無害化炭化法に用いる代 表的な処理剤の成分重量比組成を以下に示す 。
(A)基本重量比組成(以下、炭素化A剤と略称す )
炭素化A剤シロップの作成。
砂糖1kg:水1kgを熱溶解して50%濃度シロップを る。
(B)前記、炭素化A剤シロップ100質量部:PAC100質 部をブレンドする。
(これを「XSP」と呼称する)

実験1-A:炭化する素材として、厚さ3mmのアス スト織物を選定した。
A-1、XSPを適度な非極性容器或いはステンレス 容器に適量投入する。
A-2、無害化する試料を前記の容器に入れ12時 程度浸漬する。
A-3、時間の経過と共に浸漬膨潤した試料を10 間後、引き上げる。
1200℃火焔照射8分間連続(酸化雰囲気)。熱溶 せず速やかに炭化する。
この炭化物は、固形体であるが、追加加熱2 間継続させると容易に崩壊し粒子長さ2~3mm以 内の顆粒状炭素に変化する。
本発明の1つの形態はミネラルファイバー成 中にPAC、有機炭素化合物を注入してなる無 無害化カーボン化技術である。
この操作で得られた無害なカーボン化セラミ ックは、酸化ケイ素・酸化マグネシウム・酸 化アルミニウム・炭素を含む1500℃±に充分に 耐える超高温耐酸化性パイロカーボンと言え る。

実施例14
実験1-B:炭素化する素材として、飛散性アス スト繊維を選定した。
 炭素化処理剤Bの作成。
1、ホウ砂100部に熱湯300部を注ぎ加熱沸騰さ る。2、前記25%濃度のホウ砂水の温かい内に 溶きした米粉5部を攪拌しながら添加する。
2、前記1に対しPAC120部を加え攪拌、徐々に粘 が上がり温度低下と共に糊化する。
 (この組成物を「分散液X」と呼称する)
飛散性アスベスト(クリソタイル10.3%含有)40部 :XSP10部:炭化処理剤B50部を全て混合して湿潤 態時に1200℃バーナー接炎20分間で全て粒子 の炭化物とした。
処理剤をブレンドした状態で乾燥固定化し接 炎炭化させると処理時間は約10分間短縮され 。

実施例15
実験2:炭化する素材として、GFRPカット素材を 約30~40mm粗粉砕したもの6片約40g。
実験1同様に試料をXSPに浸し、2~3分後、引き げ前記使用のバーナーで燃焼炭化させた。 ーナー直照射時間は試料の容積によって異 るが、試料40gの場合3分間で熱分解(パイロ) たガラス光沢のある長さ2~5mm±の短繊維短冊 態の表面層近傍が炭素化されたガラス繊維 得られる。
炭化GFRPを粗粉砕した断面ガラス繊維(ロービ グクロス・チョプドストランドマット)組織 は、表面層近傍に糖成分と金属水和物が浸透 し加熱によってガラス繊維表面層に炭素が固 定化されたものと推察される。このガラス繊 維表面層には、熱硬化性樹脂である不飽和ポ リエステル樹脂のガラス化炭素が定着融合し ている。
この実験で明白である様に廃棄処分方法に有 効な手立てのないGFRP素材の廃船や浄化槽、 ニットバス等の適性処分法として極めて有 な方法であると考えられる。
また、この炭素化法で得られる特異な構造の 熱硬化性カーボン素材は、酸素雰囲気ではグ ラファイト素材を超える高温耐酸化性ガラス 質カーボンである。

実施例16
実験3:炭素化する素材としてガラス短繊維単 を試料とした。
 アルミ板上に、ガラス繊維を適量のせ、XSP 適量添加して、ヘラで攪拌し馴染ませる。
 このガラス繊維を攪拌する操作で繊維組織 解繊され少し膨潤してくる、この間約20秒 である。
 前記同様に直にバーナーを照射する操作で 体が即沸騰し僅か4秒程度から表面層が接炎 した部位から順次表面炭化層を形成する。
 この操作で得られたガラス繊維炭素化物は 僅かに表面光沢が観察される繊維状形態を 持した状態のカーボンであり、表面層に炭 が定着したガラス繊維に変化している。こ 炭素化の過程においてガラス繊維は溶融す ことはない。
 また、この操作で得られたガラス繊維は、 ラス繊維固有のチクチクとした皮膚の痒み の皮膚障害も解消される。

実施例17
実験4:炭素化する試料としてファイバー飛散 問題となる合成ゾノトライトを選定した。
 アルミ板上に粗小片合成ゾノトライト20g:XSP 50gを添加して混合する。
 ゾノトライト中に良く浸透し定着する。
 前記同様に直にバーナーを照射する操作で 7分間の短時間照射で全て炭化する。
得られた炭化物の重量は、26,3g(炭化収率37,57+ %)
 この焼成直後の炭化物は繊維形状を失い球 に近い微粒子100μm±と粗粒子1~1,5mmが混在し いる状態であるが、ロール転圧等で容易に5 0μm程度に粒子化可能である。

実施例18
 以下、本発明の実施例、飛散性アスベスト 場合を以下に説明する。
飛散性アスベスト50部:XSP15部:分散液X35部を全 て良く混合する。
湿潤状態のまま平らに薄く広げ、簡易バーナ ー1200℃火焔を照射。時々処理体を混ぜ合わ ながら約20分間で全て炭素化した。この炭素 の形状は3~5mm±の粗粒子である。照射を継続 て行うと徐々に細い粒子となる。

実施例19
 以下、本発明の実施例、飛散性アスベスト 場合を以下に説明する。
 飛散性アスベスト45部:分散液X35部:炭素化A 20部を全て良く混合後、乾燥させる。
 含水率15%±時に前記同様な攪拌操作を加え がら火焔を照射。平らに広げる程炭化する 度が速くなる傾向があり、カーボン化に到 までの照射時間は、前期より短縮され約12分 間である。

 アスベスト織物の場合は、緻密で強固な 合である為、処理剤を事前に良く浸透させ おく必要性があるが、飛散性ファイバーの 合は、容易に処理剤が速やかに浸透定着す 。浸透定着後は適度に乾燥させることで炭 する処理時間も短縮される。また、乾燥し もアスベストファイバーは固定されている 、飛散することはなく安全である。

実施例20
 以下、本発明の実施例、GFRPの場合を以下に 説明する。
GFRP粗粉砕物40部:分散液X55部:XSP5部を全て良く 攪拌し、GFRP試料全体を処理液で濡らす。
攪拌処理後、約20分後前記同様火焔照射。試 は作業終了間際一次的に着火するが、灰化 ず全て炭化した。炭化収率33%±(飛散ロス有 )得られた初期カ-ボンは短冊状であるが、 ーラー転圧する操作で、1mm±カーボン粒子と 炭素を表面層に定着したガラス繊維が得られ る。

実施例21
 以下、本発明の実施例、短ガラス繊維(Eガ ス短繊維)の場合を説明する。
 短ガラス繊維50部:XSP50部を全て良く攪拌し 底に薄く塗り広げる。
 火焔照射約4分間でガラス繊維表面層にカー ボンが定着する。炭素化した収率は57,5%と高 。
 従来のガラス繊維は、チクチクとした痒み あるがこの得られた表面カーボン層を形成 たガラス繊維は皮膚を刺激せず取り扱い容 が容易であり、本来固有の耐熱性も保持し いる。

実施例22
 以下、本発明の実施例、合成ゾノトライト 場合を説明する。
合成ゾノトライト砕片15,5部:XSP85,5部を添加す るが、非常に良く吸収された為、更に砕片し 火焔照射する。接炎途中は火の粉が舞い上が るが約15分間程度で炭化する。炭化収率23%±

 数多くの実験結果から得た知見として炭素 持たない無機系化合物は有機炭素化合物を 収させる操作と焼成によって炭素化させる とが可能であることが判明した。
 有機炭素を持つ廃棄物は様々あり、果実の 果によって廃棄される果物やジュースの絞 かす、白ワインの絞りかす等や澱粉系炭水 物として炊飯における残飯等を利用するこ で更なるコストダウンと廃棄資源の有効活 が期待できる(試験実施済み)。

 可燃性である炭化水素化合物中の疎水性 質は難燃性ないし不燃性の無機物を相溶し 高粘性の被覆層(酸素遮断効果と難燃性)を 面形成させることで炭素化可能。具体的に 、澱粉水溶液に不燃性無機化合物(鉱物粉体 無機難燃剤)をブレンドし、疎水性表面に粘 着させても良い。砕石によって選鉱水洗いさ れた後に残土としての沈殿廃土も有効利用可 能。(試験実施済み)この様な鉱物粉末は、不 性、蓄熱性にも優れている為、焼成時の早 炭化促進材としても有効である。

 吸湿性炭化水素化合物や炭水化物類は、不 性物質をその素地中に担持させる操作と焼 によって炭素化可能である。
 例えば、スポンジと言われる連続気泡体の ォーム材等も高濃度30%のホウ砂水や燐酸水 2アンモニウム20%溶液と適当な粘土や廃土と の組み合わせやPAC水溶液等の浸透や担持操作 によって灰分を出すことなく炭化可能である 。
 籾殻、米糠脱脂粉、かんな屑等も同様な方 で熱分解オールドカーボンとして耐熱性に れた素材となる。

実施例23
<廃棄物の処理方法>
 クリソタイル(白石綿)であるアスベストが 熱材として厚さ50mmに貼り付けられている天 面に対し、PAC(王子製紙社製、「PAC」)85kgと 15kgよりなる水溶液を吹き付けながら剥離し た。剥離された断熱材は約5500kgであった。ア スベストは一切飛散せず、養生も容易であり 、作業者の安全上の問題は全くなかった。

 その後、PAC水溶液が浸透した撤去アスベ ト40kgに対し、ショ糖10kgを水10kgに溶解した 溶液を加えてよく混合した。水溶性有機物( ショ糖)を配合する上記操作は、アスベスト あった現場ではなく、廃棄物処理場に運搬 てからそこで行った。

 得られたものを、ステンレス容器の中に さ約15mmになるように均一に入れ、可搬式簡 易焼成炉内(赤外線バーナー、設定温度800℃ プロパンガス使用)で焼成した。焼成は空気 で行った。炉内温度計は800~870℃であり、試 料の表面温度は焼成開始から3~5分後からは常 に1040~1080℃であった。炉内投入開始後18分で て黒色粒子状の炭素アルミニウム複合化合 被覆無機化合物構造体が得られた。

 アスベスト繊維は、この焼成によって粒 に変化していた。また、尖った部分がなく り先端が丸くなって、形状に起因するアス ストの毒性が完全になくなっていた。得ら た炭素アルミニウム複合化合物被覆無機化 物構造体には、多くの酸素とアルミニウム 加えて、ケイ素とマグネシウムが含有され ため、更に耐熱性が向上した。

評価例
<粒子形状の評価>
 実施例9及び実施例14で得られた炭素アルミ ウム複合化合物被覆無機化合物構造体を、 折率n D 25℃ =1.550とした位相差顕微鏡で100倍と400倍で観察 した。結果を、それぞれ図1及び図2に示す。 スベスト特有の針状形態は全く見られなか た。

<結晶構造の評価>
 実施例9及び実施例14で得られた炭素アルミ ウム複合化合物被覆無機化合物構造体を、C uKα線を用いた粉末X線回折装置を用い、そのX 線回折パターンを測定した。結果を、それぞ れ図3及び図4に示す。クリソタイル結晶、ア サイト結晶、クロシドライト結晶に特有のX 線回折ピークが何れも見られなかった。

<耐熱性の評価>
評価方法-1
 上記全ての実施例で得られた、炭素アルミ ウム複合化合物の粉末20g、又は、20gのほぼ 方体に成型された炭素アルミニウム複合化 物被覆無機化合物構造体を、実質的に空気 遮蔽したマッフル炉中に入れ、1300℃で24時 加熱したが、外観、質量ともに全く変化が られなかった。

評価方法-2
 上記全ての実施例で得られた、炭素アルミ ウム複合化合物の粉末20g、又は、20gのほぼ 方体に成型された炭素アルミニウム複合化 物被覆無機化合物構造体を、電気炉中で空 中の存在下で、1350℃で1時間加熱したが、 観、質量ともに全く変化が見られなかった

評価方法-3
 上記全ての実施例で得られた、炭素アルミ ウム複合化合物の粉末20g、又は、20gのほぼ 方体に成型された炭素アルミニウム複合化 物被覆無機化合物構造体を、GOXで、1800℃で 30分加熱したが、外観、質量ともに全く変化 見られなかった。

<難燃性の評価>
評価方法-1
 上記全ての実施例で得られた、炭素アルミ ウム複合化合物又は炭素アルミニウム複合 合物被覆無機化合物構造体を、5mm×5mm×50mm 、常法に従って加圧成形し、燃焼ガスとし ブタンを用いた炎を成型体の先端に60秒間接 炎したが着火しなかった。また、溶融もせず 、無煙性であった。

評価方法-2
 上記全ての実施例で得られた、炭素アルミ ウム複合化合物又は炭素アルミニウム複合 合物被覆無機化合物構造体を、5mm×5mm×50mm 、常法に従って加圧成形し、難燃性試験UL94 行ったが、全て燃焼認定垂直試験UL94 V-0を たした。

<導電性の評価>
 上記全ての実施例で得られた、炭素アルミ ウム複合化合物又は炭素アルミニウム複合 合物被覆無機化合物構造体を、粉末のまま φ7mm、長さ200mmのアクリル樹脂製パイプの中 に詰めた。2cmの高さから5回タッピングした 、直流電圧をパイプに詰めた試料の上と下 ら印可して、20℃での電流値を測定した。こ のように軽く詰めただけの棒状の試験体の比 抵抗は、何れも10 -6 ω・cm以下であった。

<耐薬品性の評価>
 上記全ての実施例で得られた、炭素アルミ ウム複合化合物又は炭素アルミニウム複合 合物被覆無機化合物構造体10gをフラスコに り、それぞれ、1N(規定)希硫酸、5質量%水酸 ナトリウム、アセトンを、それぞれ100g添加 して、20℃に静置して化学反応の有無を目視 観察した。何れも外観に変化が見られず化 反応は進行していなかった。

 以上の結果より分かるように、上記実施 で得られた、本発明の「炭素アルミニウム 合化合物」又は「炭素アルミニウム複合化 物被覆無機化合物構造体」は、耐熱性、難 性、導電性、耐薬品性が、共に優れていた

 本発明の「炭素アルミニウム複合化合物 、「炭素アルミニウム複合化合物被覆無機 合物構造体」は、耐熱性、難燃性、導電性 耐薬品性に優れているため、電磁波シール 、導電性フィラー、不燃カーボン、不燃カ ボンブラック、不燃耐火建材、有機金属代 、活性炭、有害物質吸着材、分子ふるい、 摩擦材、紫外線防止剤、顔料、C/Cコンポジ ト超耐熱フィラー、ゴム補強材、アスファ ト耐熱向上剤、土壌改良材等に広く利用さ るものである。また、本発明の廃棄物の処 方法は、処理中に有毒粒子の飛散がなく、 られたものも有効に活用できるので、廃棄 処理のトータルのコストも削減され、上記 野に広く利用されるものである。

 本願は、2007年5月14日に出願した日本の特 許出願である「特願2007-153344」に基づくもの あり、この出願の全ての内容はここに引用 、本発明の明細書の開示として取り込まれ ものである。