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Title:
COMPOSITE MATERIAL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/008312
Kind Code:
A1
Abstract:
A composite material suitable for practical use which is satisfactorily improved in interlaminar shear strength and compressive strength as compared with conventional composite materials, specifically, a composite material produced by laminating alternately prepreg sheets (5) prepared by impregnating either an unidirectional fibrous body (3) prepared by arranging in parallel carbon fiber rovings (2) composed of sized carbon filaments (1) or a fabric woven by using the carbon fiber rovings (2) as the warp and the weft with a curable matrix resin (4) and resin sheets (6) made of a curable resin, wherein cup stack type CNTs (7) are dispersed in the matrix resin (4) of the prepreg sheets (5) and the curable resin of the resin sheets (6).

Inventors:
ARAI MASAHIRO (JP)
TAKAHASHI TATSUHIRO (JP)
YANAGISAWA TAKASHI (JP)
ISHIBASHI MASARU (JP)
ASANO YUKIO (JP)
IMI KAZUNARI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/062019
Publication Date:
January 15, 2009
Filing Date:
July 02, 2008
Export Citation:
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Assignee:
GSI CREOS CORP (JP)
ARISAWA SEISAKUSHO KK (JP)
ARAI MASAHIRO (JP)
TAKAHASHI TATSUHIRO (JP)
YANAGISAWA TAKASHI (JP)
ISHIBASHI MASARU (JP)
ASANO YUKIO (JP)
IMI KAZUNARI (JP)
International Classes:
B32B5/28; C08J5/24; C01B31/02
Foreign References:
JPS6063229A1985-04-11
JPS60231738A1985-11-18
JPS63162733A1988-07-06
JPH04267139A1992-09-22
JPS6265212U1987-04-23
JP2007098918A2007-04-19
JP2006274211A2006-10-12
Attorney, Agent or Firm:
YOSHII, Takeshi et al. (Nagaoka-shiNiigata, 61, JP)
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Claims:
 複数の炭素フィラメントを収束した炭素繊維束を一方向に引き揃えた一方向繊維体若しくは前記炭素繊維束を経糸及び緯糸として織成した織成繊維体に、硬化性のマトリックス樹脂を含浸させて構成されるプリプレグと、硬化性樹脂で構成される樹脂シートとを交互に積層して成る複合材料であって、前記プリプレグのマトリックス樹脂及び前記樹脂シートの硬化性樹脂には、カップスタック型のCNTが分散状態で含有されていることを特徴とする複合材料。
 請求項1記載の複合材料において、前記カップスタック型のCNTとして、アスペクト比が2~50に設定されているものが採用されていることを特徴とする複合材料。
 請求項1記載の複合材料において、前記プリプレグのマトリックス樹脂より前記樹脂シートの硬化性樹脂の方が、前記カップスタック型のCNTの含有割合が高く設定されていることを特徴とする複合材料。
 請求項2記載の複合材料において、前記プリプレグのマトリックス樹脂より前記樹脂シートの硬化性樹脂の方が、前記カップスタック型のCNTの含有割合が高く設定されていることを特徴とする複合材料。
 請求項3記載の複合材料において、前記マトリックス樹脂には、このマトリックス樹脂に対してカップスタック型のCNTが2~10wt%含有されていることを特徴とする複合材料。
 請求項4記載の複合材料において、前記マトリックス樹脂には、このマトリックス樹脂に対してカップスタック型のCNTが2~10wt%含有されていることを特徴とする複合材料。
 請求項5記載の複合材料において、前記樹脂シートの硬化性樹脂には、この硬化性樹脂に対してカップスタック型のCNTが10~30wt%含有されていることを特徴とする複合材料。
 請求項6記載の複合材料において、前記樹脂シートの硬化性樹脂には、この硬化性樹脂に対してカップスタック型のCNTが10~30wt%含有されていることを特徴とする複合材料。
 請求項1~8いずれか1項に記載の複合材料において、前記プリプレグのマトリックス樹脂及び前記樹脂シートの硬化性樹脂として、同一組成の樹脂が採用されていることを特徴とする複合材料。
Description:
複合材料

 本発明は、複合材料に関するものである

 従来から、炭素繊維体(基材)とマトリッ ス樹脂とで構成されるプリプレグを複数積 して成る複合材料は、軽量で且つ力学的特 に秀れるため、スポーツ用途,自動車用途,航 空機用途などの幅広い分野で使用されている 。尚、プリプレグとは基材にマトリックス樹 脂を含浸させ半硬化状態としたものである。

 また、近年においては、気相成長法によ 作製されるカーボンナノチューブ(以下、「 CNT」という。)を上記複合材料の分野で利用 ることにより、力学的特性を向上させるこ が提案されている。

 具体的には、例えば、特許文献1に開示さ れるように、一方向繊維体を基材とし、マト リックス樹脂を含浸させ半硬化状態としたユ ニダイレクションプリプレグ(以下、「UDPP」 いう。)を複数積層し、各層間にCNTを添加し て硬化成形させて成る複合材料や、特許文献 2に開示されるように、長繊維に含浸させる 脂母材(マトリックス樹脂)に気相成長炭素繊 維(CNT)を分散させ、その後、硬化成形させて る複合材料等が知られている。

特開2005-22141号公報

特開平7-41564号公報

 しかしながら、上記特許文献1及び特許文 献2に開示される複合材料では、十分な圧縮 度や層間せん断強度の向上効果が発揮され いない。即ち、上記気相成長法により作製 れたCNTは、直径が数十nm~数百nmでアスペクト 比が数十~数百の非常に細い繊維状物質であ が、このようなCNTをマトリックス樹脂に含 させても、圧縮強度や層間せん断強度を十 に向上させることはできない。また、マト ックス樹脂のみに上記CNTを分散させた場合 は、基材とマトリックス樹脂との結合及びUD PP同士の結合への寄与度が小さく、十分な層 せん断強度が発揮されない。

 更に、UDPPを積層し、その層間にCNTを添加 する場合、均一に添加することは困難である ため、例えば層間せん断強度などで強度ムラ が発生し易くなる。

 本発明は、上述のような現状に鑑み、細 繊維状のCNTではなく、カップスタック型のC NTをプリプレグ及びこのプリプレグの間に設 られる樹脂シートに夫々分散状態で含有せ めることで上記問題点を解決したもので、 来の複合材料に比し、層間せん断強度及び 縮強度を十分に向上させることが可能な極 て実用性に秀れた複合材料を提供するもの ある。

 添付図面を参照して本発明の要旨を説明 る。

 複数の炭素フィラメント1を収束した炭素 繊維束2を一方向に引き揃えた一方向繊維体3 しくは前記炭素繊維束2を経糸及び緯糸とし て織成した織成繊維体に、硬化性のマトリッ クス樹脂4を含浸させて構成されるプリプレ 5と、硬化性樹脂で構成される樹脂シート6と を交互に積層して成る複合材料であって、前 記プリプレグ5のマトリックス樹脂4及び前記 脂シート6の硬化性樹脂には、カップスタッ ク型のCNT7が分散状態で含有されていること 特徴とする複合材料に係るものである。

 また、請求項1記載の複合材料において、 前記カップスタック型のCNT7として、アスペ ト比が2~50に設定されているものが採用され いることを特徴とする複合材料に係るもの ある。

 また、請求項1記載の複合材料において、 前記プリプレグ5のマトリックス樹脂4より前 樹脂シート6の硬化性樹脂の方が、前記カッ プスタック型のCNT7の含有割合が高く設定さ ていることを特徴とする複合材料に係るも である。

 また、請求項2記載の複合材料において、 前記プリプレグ5のマトリックス樹脂4より前 樹脂シート6の硬化性樹脂の方が、前記カッ プスタック型のCNT7の含有割合が高く設定さ ていることを特徴とする複合材料に係るも である。

 また、請求項3記載の複合材料において、 前記マトリックス樹脂4には、このマトリッ ス樹脂4に対してカップスタック型のCNT7が2~1 0wt%含有されていることを特徴とする複合材 に係るものである。

 また、請求項4記載の複合材料において、 前記マトリックス樹脂4には、このマトリッ ス樹脂4に対してカップスタック型のCNT7が2~1 0wt%含有されていることを特徴とする複合材 に係るものである。

 また、請求項5記載の複合材料において、 前記樹脂シート6の硬化性樹脂には、この硬 性樹脂に対してカップスタック型のCNT7が10~3 0wt%含有されていることを特徴とする複合材 に係るものである。

 また、請求項6記載の複合材料において、 前記樹脂シート6の硬化性樹脂には、この硬 性樹脂に対してカップスタック型のCNT7が10~3 0wt%含有されていることを特徴とする複合材 に係るものである。

 また、請求項1~8いずれか1項に記載の複合 材料において、前記プリプレグ5のマトリッ ス樹脂4及び前記樹脂シート6の硬化性樹脂と して、同一組成の樹脂が採用されていること を特徴とする複合材料に係るものである。

 本発明は、上述のように構成したから、 来の複合材料に比し、層間せん断強度及び 縮強度を十分に向上させることが可能な極 て実用性に秀れた複合材料となる。

 好適と考える本発明の実施形態を、図面 基づいて本発明の作用を示して説明する。

 マトリックス樹脂4にカップスタック型の CNT7(以下、「CSCNT7」という。)が分散状態で含 有されたプリプレグ5と、硬化性樹脂にCSCNT7 分散状態で含有された樹脂シート6とを交互 積層し、硬化成形して成る複合材料は、分 したCSCNT7により繊維体3とマトリックス樹脂 4との結合及びプリプレグ5同士の結合が強固 なり、硬化後の各プリプレグ5間において層 間剥離が生じ難い。

 具体的には、CSCNT7は、図1,2に図示したよ な構造、即ち、炭素網Aの端部(カップの上 部a)に多くの官能基(例えばカルボキシル基 水酸基)を有するユニット構造が複数積み重 った構造であり、上下端部だけでなく側周 にも官能基が存在することになるため、そ だけ濡れ性に秀れることになる。従って、 リプレグ5と樹脂シート6とにCSCNT7を均一に 散させることが可能となり、CSCNT7が均一に 散することで以下の作用効果を生じる。

 (1) CSCNT7は、上記構造を有するため、繊 体3とマトリックス樹脂4との間においてCSCNT7 の端部が楔効果を発揮することで両者の結合 が強固となり、これにより繊維体3間の層間 ん断強度が向上する。

 (2) また、CSCNT7の各ユニット同士の間(各 ップ状の炭素網Aの内周面b及び外周面cの間) には間隙が存在し、これにより、外部から応 力が加わった場合、応力吸収が行われるため 、座屈し難い。よって、複合材料とした場合 に圧縮強度が向上すると考えられる。

 (3) 更に、例えばCSCNT7を含有させるプリ レグ5及び樹脂シート6に濃度差を持たせるこ とで、プリプレグ5と樹脂シート6とを積層し 硬化成形により樹脂が溶融した際、CSCNT7が 濃度側から低濃度側へと移動する。これに り、上記楔効果をプリプレグ5と樹脂シート 6との境界部分でも効率良く発現させること 可能となる。

 (4) その上、例えばプリプレグ5のマトリ クス樹脂4及び樹脂シート6の硬化性樹脂の 成を同一とした場合には、複合材料中で相 離が生じ難くなり、それだけ剥離強度を向 させることが可能となる。

 よって、本発明によれば、従来の複合材 に比し、層間せん断強度及び圧縮強度が大 に向上した複合材料を実現可能となる。

 本発明の具体的な実施例について図面に づいて説明する。

 本実施例は、複数の炭素フィラメント1を 収束した炭素繊維束2を一方向に引き揃えた 方向繊維体3若しくは前記炭素繊維束2を経糸 及び緯糸として織成した織成繊維体に、硬化 性のマトリックス樹脂4を含浸させて構成さ るプリプレグ5と、硬化性樹脂で構成される 脂シート6とを交互に積層して成る複合材料 であって、前記プリプレグ5のマトリックス 脂4及び前記樹脂シート6の硬化性樹脂には、 カップスタック型のCNT7が分散状態で含有さ ているものである。

 具体的には、図3に図示したように、繊維 体として複数の炭素フィラメント1を収束し 炭素繊維束2を一方向に引き揃えた一方向繊 体3が採用されており、この一方向繊維体3 熱硬化性のマトリックス樹脂4を含浸させる とでUDPPが構成され、このUDPPを熱硬化性樹 で構成される樹脂シート6を介して複数積層 て加熱硬化せしめることで複合材料とする 尚、炭素繊維束2を経糸及び緯糸として織成 して成る織成繊維体を用いても良い。また、 硬化性樹脂として熱硬化性樹脂以外の樹脂を 採用しても良い。

 各部を具体的に説明する。

 プリプレグ5のマトリックス樹脂4及び樹 シート6の熱硬化性樹脂に含有せしめられる ップスタック型のCNT7(CSCNT7)として、アスペ ト比が2~50に設定されているものが採用され ている。これは、アスペクト比が2未満若し は50を超えるとCSCNT構造を有効に活用できず 十分な力学的特性が発揮されないためであ 。

 また、CSCNT7の含有割合は、プリプレグ5の マトリックス樹脂4より前記樹脂シート6の硬 性樹脂の方が高く設定されている。

 これにより、加熱硬化の際に樹脂が溶融 ると、CSCNT含有割合の高い(高濃度の)樹脂シ ート6側からCSCNT含有割合の低い(低濃度の)プ プレグ5側にCSCNT7が移動し、この際、溶融し て一体化しつつあるプリプレグ5と樹脂シー 6との境界部分にもCSCNT7が存在することにな 、上記楔効果によりプリプレグ5と樹脂シー ト6との結合強度が強固となる。

 尚、マトリックス樹脂4には、このマトリ ックス樹脂4に対してCSCNT7が2~10wt%含有されて る。これは、2wt%以下になるとCSCNT構造の特 を有効に活用することができず、10wt%以上 なると繊維体に樹脂を均一且つ十分に含浸 せることができなくなり、十分な力学的特 が発揮されないためである。

 また、樹脂シート6の硬化性樹脂には、こ の硬化性樹脂に対してCSCNT7が10~30wt%含有され いる。これは、10wt%以下になるとCSCNT構造の 特性を有効に活用することができず、30wt%以 になると樹脂との均一化が困難となるため ある。

 また、プリプレグ5のマトリックス樹脂4 び前記樹脂シート6の熱硬化性樹脂は、同一 樹脂組成が採用されている。これにより、 熱硬化の際に相分離が起こり難く、それだ 剥離強度が向上する。

 具体的には、熱硬化性樹脂としては以下のA ~Cから成る樹脂組成物を採用する。
A:主剤
  ノボラック系エポキシ樹脂若しくはビス ェノールA型エポキシ樹脂
B:硬化剤
  ジシアンジアミド(主剤を硬化させるもの あれば特に制限はない。)
C:硬化促進剤
  DCMU若しくはイミダゾール(主剤を硬化させ るものであれば特に制限はない。)
 本実施例においては、ビスフェノールA型エ ポキシ樹脂とジシアンジアミドとDCMUとから る樹脂組成物が採用されている。

 以下、本実施例の作製方法について説明 る。

 樹脂シート6は、上記主剤にCSCNT7を添加し て攪拌混合した後、上記硬化剤を添加して70~ 80℃×0.5~2hの条件で加熱攪拌し、更に、上記 化促進剤を加えた後、70~80℃×3~10minの条件で 加熱攪拌し、続いて、当該樹脂組成物を離型 フィルム(図示省略)上に塗布し、厚さが20~100 mのシート状となるように成形して作製され 。尚、有機溶剤を適宜加えてもよい。具体 には本実施例では以下の手順で作製してい 。

 (1) 上記主剤(100重量部)にCSCNT7(アスペク 比10)を全体樹脂量に対して10wt%となるように 添加して、攪拌混合する。

 (2) 攪拌混合後、(1)の樹脂組成物に上記 化剤(4.5重量部)を添加する。その後、75℃×0. 5hで加熱しながら攪拌する。

 (3) (2)の樹脂組成物に上記硬化促進剤(3重 量部)を加えた後、75℃×5minで更に加熱しなが ら攪拌する。

 (4) (3)の樹脂組成物を離型フィルム上に 布し、厚さが50μmのシート状となるように成 形する。

 尚、プリプレグ5のマトリックス樹脂4と るプリプレグ用樹脂シートは、上記(1)のCSCNT 7を全体樹脂量に対して5wt%となるように添加 る点以外は、上記同様の手順で作製される

 プリプレグ5(UDPP)は、上述のようにして作製 したプリプレグ用樹脂シート及び東レ製T-700S Cを炭素繊維束2として採用し、FAW(単位面積当 たりの繊維重量)=125g/m 2 の目付けの一方向繊維体3を用いて作製され 。

 具体的には、一方向繊維体3の両面若しくは 片面にプリプレグ用樹脂シートを積層し、こ の一方向繊維体3とプリプレグ用樹脂シート から成る積層体を離型フィルムを介して80~12 0℃×3~10min×1~10kgf/cm 2 で熱ラミネートすることで、プリプレグ5が 製される。

 本実施例においては、一方向繊維体3の片面 にプリプレグ用樹脂シートを積層し、この積 層体を離型フィルムを介して100℃×5min×2~4kgf/ cm 2 で熱ラミネートすることでプリプレグ5を作 している。

 本実施例は、上述のようにして作製したUDPP と樹脂シート6とを所定の枚数積層した後(図3 (a))、120~150℃×0.5~2h×1~5kgf/cm 2 で硬化成形することで作製される(図3(b))。具 体的には、130℃×1h×3kgf/cm 2 で硬化成形することで作製されている。

 ここで、本実施例では、上述のようにプ プレグ5を樹脂シート6を介して積層し、且 、プリプレグ5及び樹脂シート6の双方にCSCNT7 を含有せしめ、更に、プリプレグ5より樹脂 ート6のCSCNT7の含有割合を高くしているため 加熱されて図3(b)の状態となると、マトリッ クス樹脂4及び樹脂シート6の熱硬化性樹脂が 融して境界が曖昧となり、樹脂シート6に含 有されるCSCNT7がより低濃度側のプリプレグ5 移動する。これにより、樹脂シート6は、樹 シート6の中心部分でCSCNT7の濃度が最も高く 、プリプレグ5側へ行くほど濃度が徐々に低 なる分布を有し、さらに樹脂シート6とプリ レグ5の境界部でCSCNT7が存在するため、CSCNT7 の楔効果が効率よく発揮される。

 よって、各層間の結合がそれだけ強固と り、層間せん断強度が大幅に向上すること なる。また、CSCNT7は気相成長法により得ら る従来のCNTに比し座屈しにくく、応力吸収 どが良好に行われるため、圧縮強度も大幅 向上する。

 しかも、プリプレグ5と樹脂シート6とを 互に積層させることで、マトリックス樹脂4 CSCNT7を多く含有させなくても、樹脂シート6 に多めに含有させておくことで、繊維体への マトリックス樹脂4の含浸を阻害することな 上記作用効果を得ることができる。

 本実施例は上述のように構成したから、 トリックス樹脂4にCSCNT7が分散状態で含有さ れたプリプレグ5と、硬化性樹脂にCSCNT7が分 状態で含有された樹脂シート6とを交互に積 し、硬化成形して成る複合材料は、分散し CSCNT7により繊維体3とマトリックス樹脂4と 結合及びプリプレグ5同士の結合が強固とな 、硬化後の各プリプレグ5間において層間剥 離が生じ難い。また、外部から応力が加わっ た場合、CSCNT7により応力吸収が行われるため 、座屈し難く、圧縮強度が向上する。更に、 マトリックス樹脂4及び樹脂シート6の硬化性 脂の組成を同一としたから、複合材料中で 分離が生じ難くなり、それだけ剥離強度を 上する。

 よって、本実施例は、従来の複合材料に し、層間せん断強度及び圧縮強度を十分に 上させることが可能な極めて実用性に秀れ 複合材料となる。

 本実施例の効果を裏付ける実験例につい 説明する。

 実験例では、上述のようにUDPP及び樹脂シ ートにCSCNTを含有させた実施例と、UDPP及び樹 脂シートにCSCNTを含有させない比較例1と、UDP PにCSCNTを含有させ樹脂シートにはCSCNTを含有 せない比較例2のGIC及びGIICを測定し、比較 た。図4に実験結果を示す。GIC及びGIICは共に JIS K7086に準拠して測定した。尚、測定用試 は、上下の最外層がUDPPとなるように8枚のUDP Pと7枚の樹脂シートとを交互に積層し、硬化 形して得たものである。また、UDPPの繊維引 き揃え方向は各層同一方向(0°方向)とした。

 実験結果から、プリプレグ及び樹脂シー の双方にCSCNTを含有させることで、GIC及びGI ICの著しい向上が認められた。このように直 的な開口破壊靱性が著しく向上した報告例 今までに無い。従って、層間せん断強度(ILS S)及び圧縮強度も著しく向上するものと想定 れる。

カップスタック型のCNTの要部の拡大概 説明斜視図である。 カップスタック型のCNTの構成概略説明 である。 本願発明の拡大概略説明断面図である 実験結果を示す表である。