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Patent Searching and Data


Title:
COMPOSITE OXIDE SINTER, PROCESS FOR PRODUCING AMORPHOUS COMPOSITE OXIDE FILM, AMORPHOUS COMPOSITE OXIDE FILM, PROCESS FOR PRODUCING CRYSTALLINE COMPOSITE OXIDE FILM, AND CRYSTALLINE COMPOSITE OXIDE FILM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/011232
Kind Code:
A1
Abstract:
An amorphous film which consists substantially of indium, tin, calcium, and oxygen, and has a tin content and a calcium content of 5-15% in terms of Sn/(In+Sn+Ca) atom number ratio and 0.1-2.0% in terms of Ca/(In+Sn+Ca) atom number ratio, respectively, with the remainder being indium and oxygen. It is characterized in that the film, upon annealing at 260°C or lower, crystallizes and comes to have a resistivity of 0.4 mΩ or lower. The ITO film is a thin ITO film for use in, e.g., a display electrode for flat panel displays. The amorphous ITO film is obtained by film deposition on a substrate by sputtering without heating the substrate and without water addition during the deposition. This ITO film has the property of crystallizing upon annealing at 260°C or lower, which is not so high, and thereby coming to have a lower resistivity than before the crystallization. Also provided are a process for producing the ITO film and a sinter for the film production.

Inventors:
IKISAWA, Masakatsu (Usuba Hanakawa-ch, Kitaibaraki-shi Ibaraki 35, 3191535, JP)
生澤 正克 (〒35 茨城県北茨城市華川町臼場187番地4 日鉱金属株式会社 磯原工場内 Ibaraki, 3191535, JP)
YAHAGI, Masataka (Usuba Hanakawa-ch, Kitaibaraki-shi Ibaraki 35, 3191535, JP)
矢作 政隆 (〒35 茨城県北茨城市華川町臼場187番地4 日鉱金属株式会社 磯原工場内 Ibaraki, 3191535, JP)
Application Number:
JP2008/062171
Publication Date:
January 22, 2009
Filing Date:
July 04, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NIPPON MINING & METALS CO., LTD. (10-1, Toranomon 2-chome Minato-k, Tokyo 01, 1050001, JP)
日鉱金属株式会社 (〒01 東京都港区虎ノ門二丁目10番1号 Tokyo, 1050001, JP)
IKISAWA, Masakatsu (Usuba Hanakawa-ch, Kitaibaraki-shi Ibaraki 35, 3191535, JP)
生澤 正克 (〒35 茨城県北茨城市華川町臼場187番地4 日鉱金属株式会社 磯原工場内 Ibaraki, 3191535, JP)
YAHAGI, Masataka (Usuba Hanakawa-ch, Kitaibaraki-shi Ibaraki 35, 3191535, JP)
International Classes:
C04B35/00; C23C14/08; C23C14/34; H01B5/14; H01B13/00
Attorney, Agent or Firm:
OGOSHI, Isamu (OGOSHI International Patent Office Daini-Toranomon Denki Bldg, 5F 3-1-10 Toranomon, Minato-k, Tokyo 01, 1050001, JP)
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Claims:
 実質的にインジウム、スズ、カルシウムおよび酸素からなり、スズがSn / (In + Sn + Ca )の原子数比で5~15%の割合で、カルシウムがCa / ( In + Sn + Ca )の原子数比で0.1~2.0%の割合で含有されており、残部がインジウムと酸素からなる複合酸化物焼結体。
 焼結体の抵抗率が0.2mωcm以下であることを特徴とする請求項1記載の複合酸化物焼結体。
 請求項1または2に記載の複合酸化物焼結体をスパッタすることによって、同組成のアモルファス膜を製造することを特徴とするアモルファス複合酸化膜の製造方法。
 実質的にインジウム、スズ、カルシウムおよび酸素からなり、スズがSn / (In + Sn + Ca )の原子数比で5~15%の割合、カルシウムが、Ca / ( In + Sn + Ca )の原子数比で0.1~2.0%の割合で含有されており、残部がインジウムと酸素からなるアモルファス複合酸化膜。
 実質的にインジウム、スズ、カルシウムおよび酸素からなり、スズがSn / (In + Sn + Ca )の原子数比で5~15%の割合、カルシウムが、Ca / ( In + Sn + Ca )の原子数比で0.1~2.0%の割合で含有されており、残部がインジウムと酸素からなるアモルファス複合酸化膜を製造した後に、当該膜を260℃以下の温度でアニールすることによって結晶化させることを特徴とする結晶質複合酸化膜の製造方法。
 実質的にインジウム、スズ、カルシウムおよび酸素からなり、スズがSn / (In + Sn + Ca )の原子数比で5~15%の割合、カルシウムが、Ca / ( In + Sn + Ca )の原子数比で0.1~2.0%の割合で含有されており、残部がインジウムと酸素からなる結晶質複合酸化膜。
 膜の抵抗率が0.4mωcm以下であることを特徴とする請求項6に記載の結晶質複合酸化膜。
 実質的にインジウム、スズ、カルシウム、マグネシウムおよび酸素からなり、スズがSn / (In + Sn + Ca + Mg )の原子数比で5~15%の割合、カルシウムとマグネシウムの合計が、( Ca + Mg ) / ( In + Sn + Ca + Mg )の原子数比で0.1~2.0%の割合で含有されており、残部がインジウムと酸素からなる複合酸化物焼結体。
 焼結体の抵抗率が0.2mωcm以下であることを特徴とする請求項8記載の複合酸化物焼結体。
 請求項8または9に記載の複合酸化物焼結体をスパッタすることによって、同組成のアモルファス膜を製造することを特徴とするアモルファス複合酸化膜の製造方法。
 実質的にインジウム、スズ、カルシウム、マグネシウムおよび酸素からなり、スズがSn / (In + Sn + Ca + Mg )の原子数比で5~15%の割合、カルシウムとマグネシウムの合計が、( Ca + Mg ) / ( In + Sn + Ca + Mg )の原子数比で0.1~2.0%の割合で含有されており、残部がインジウムと酸素からなるアモルファス複合酸化膜。
 実質的にインジウム、スズ、カルシウム、マグネシウムおよび酸素からなり、スズがSn / (In + Sn + Ca + Mg )の原子数比で5~15%の割合、カルシウムとマグネシウムの合計が、( Ca + Mg ) / ( In + Sn + Ca + Mg )の原子数比で0.1~2.0%の割合で含有されており、残部がインジウムと酸素からなるアモルファス複合酸化膜を製造した後に、当該膜を260℃以下の温度でアニールすることによって結晶化させることを特徴とする結晶質複合酸化膜の製造方法。
 実質的にインジウム、スズ、カルシウム、マグネシウムおよび酸素からなり、スズがSn / (In + Sn + Ca + Mg )の原子数比で5~15%の割合、カルシウムとマグネシウムの合計が、( Ca + Mg ) / ( In + Sn + Ca + Mg )の原子数比で0.1~2.0%の割合で含有されており、残部がインジウムと酸素からなる結晶質複合酸化膜。
 膜の抵抗率が0.4mωcm以下であることを特徴とする請求項13に記載の結晶質複合酸化膜。
Description:
複合酸化物焼結体、アモルファ 複合酸化膜の製造方法、アモルファス複合 化膜、結晶質複合酸化膜の製造方法及び結 質複合酸化膜

 本発明は、フラットパネルディスプレイ において、電極として形成される結晶質複 酸化膜及びその製造方法、アモルファス複 酸化膜及びその製造方法並びに前記酸化膜 製造に使用される複合酸化物焼結体に関す ものである。

 ITO (Indium Tin Oxide) 膜は、低抵抗率、高 過率、微細加工容易性等の特徴を有し、こ らの特徴が、他の透明導電膜より優れてい ことから、フラットパネルディスプレイ用 示電極をはじめとして、広範囲の分野にわ って使用されている。現在、産業上の生産 程におけるITO膜の成膜方法の殆どは、大面 に均一性、生産性良く作製できることから ITO焼結体をターゲットとしてスパッタする いわゆるスパッタ成膜法である。

 ITO透明導電膜を利用するフラットパネル ィスプレイ製造プロセスにおいては、スパ タ直後のITO膜の結晶性は非晶質で、非晶質 状態でエッチング等の微細加工を行い、そ 後の熱アニール処理で、ITO膜を結晶化させ いる場合が多い。この理由は、ITO非晶質膜 エッチングレートが大きいために生産上有 であり、かつITO結晶膜は低抵抗率で耐熱性 優れているという両方の利点を享受できる らである。

 ITOターゲットをスパッタして得られる膜の どの部分は非晶質であるが、一部が結晶化 てしまう場合が多い。この理由は、ITO膜の 晶化温度は約150℃であり、膜の殆どの部分 、これ以下の温度にしかならないので非晶 であるが、スパッタによって基板へ飛来し くる粒子の中には、かなり高いエネルギー 有するものがあり、基板到達後のエネルギ の授受によって、膜の温度が結晶化温度以 の高温となり、膜が結晶化してしまう部分 生じるからである。
 この様にITO膜の一部に結晶化した部分が生 ると、その部分はエッチング速度が、非晶 の部分より、約2桁程小さいため、その後の エッチングの際に、いわゆる、エッチング残 渣として残ってしまい、配線ショート等の問 題を引き起こしてしまう。

 そこで、スパッタ膜の結晶化を防ぎ、スパ タ膜全部を非晶質とする方法として、スパ タ時にチャンバー内にアルゴンなどのスパ タガスに加えて、水(H 2 O)を添加することが有効であることが知られ いる(例えば、非特許文献1参照)。
 しかし、水添加でのスパッタによって非晶 の膜を得ようとする方法には、数々の問題 がある。まず、スパッタ膜にパーティクル 発生してしまう場合が多い。パーティクル スパッタ膜の平坦性や結晶性に悪影響を及 す。また、水を添加しなければパーティク は発生しないことから、パーティクル発生 問題は水添加が原因である。

 さらに、スパッタチャンバー内の水濃度は スパッタ時間の経過に伴って、次第に低下 てくるため、当初は適切な水濃度であった しても、次第に適切濃度に満たない濃度に ってしまい、スパッタ膜の一部が結晶化し しまう。
 しかし、一方で、確実に非晶質のスパッタ を得るために、添加する水濃度を高くして まうと、その後のアニールで膜が結晶化す 際の結晶化温度が、非常に高くなり、得ら る膜の抵抗率が、非常に高くなってしまう いう問題が生じてしまう。
 つまり、スパッタ膜全部を非晶質とするた に、水添加でのスパッタによると、常に、 ャンバー内の水濃度を把握、制御する必要 あるが、それは非常に困難であるとともに 大変な手間と労力を要してしまうのである

 この様な問題を解決するために、結晶性膜 作製されやすいITO膜ではなく非晶質安定な 明導電材料を一部では用いられている。例 ば、酸化インジウムに亜鉛を添加した組成 焼結体をターゲットとして、当該ターゲッ をスパッタして非晶質膜が得られることは られているが、この様にして得られたスパ タ膜は、非常に非晶質安定で、500℃以上の 温にしないと結晶化しない。
 従って、結晶化させて、エッチング速度を 違いに小さくすることによるプロセス上の 点を得ることができず、スパッタ膜の抵抗 が約0.45mωcmと、結晶化したITO膜より高い値 ある。さらに、当該膜は可視光平均透過率 約85%程度でありITO膜より劣っている。

 また、本発明と形式上は類似している部分 有するが、構成や技術的思想が異なるもの して、以下の特許文献等があり、これらの 要等について以下に記す。
 特許文献1(特開2003-105532号公報)および2(特開 2004-149883号公報)には、ITOに絶縁性酸化物を添 加して、高抵抗率な透明導電膜を形成するた めのスパッタリングターゲットについての記 載があり、絶縁性酸化物の例として、酸化カ ルシウム、酸化マグネシウム等が挙げられて いるが、実施例には酸化珪素についての記述 のみである。 該特許出願の目的は、高抵抗 膜を得ることのみであり、成膜時の膜の結 性や、その後のアニールによる膜の結晶化 の技術的思想に関する観点は全く含まれて ないのである。

Thin Solid Films 445 (2003) p235~240

特開2003-105532号公報

特開2004-149883号公報

 以上で説明した様に先行技術として、酸化 ンジウムに亜鉛を添加した組成の焼結体を ーゲットとして用いるものは、膜抵抗率が い等の欠点を有しているために、解決策と ては充分でない。
 また、本願発明と形式上類似するITOにカル ウム等を添加することを一部に含む特許出 等は、本願発明が課題とする事項を捉えて らずに、単にカルシウム等の添加による膜 高抵抗率効果等を目的するものであり、本 発明の様な膜の結晶性の制御や結晶化後の の低抵抗率を利用するといった技術的思想 含まれていない。
 また、添加するカルシウム等の濃度が高抵 率効果を狙う場合は、添加量が高過ぎてお 、本発明における有用な膜特性についての 述や製造方法等の実施例記述等は全くない である。

 本発明の課題は、フラットパネルディス レイ用表示電極等に用いられるITO系薄膜を 基板無加熱でスパッタ時に水添加すること く、非晶質のITO膜が得られ、そのスパッタ はエッチングの際に、結晶化した膜の一部 残渣として残るようなことがなく、比較的 いエッチング速度でエッチングができるよ なエッチング特性に優れているとともに、 該スパッタ膜が、あまり高温でないアニー によって結晶化するとともに、結晶化後の 抗率が充分低くなるようなITO系膜、その膜 製造方法及び膜製造のための焼結体を提供 るものである。

 本発明者らは、ITOに各種元素を添加した 化物ターゲットについて、鋭意検討を重ね 結果、ITOにカルシウムまたはカルシウム及 マグネシウムを、適切濃度添加した焼結体 所定の条件でスパッタし、さらにこれによ て得られるスパッタ膜を所定の条件でアニ ルすることで上記問題点を解決できること 見出し、本発明を完成した。

 即ち、本発明は、
1)実質的にインジウム、スズ、カルシウムお び酸素からなり、スズがSn / (In + Sn + Ca )の原子数比で5~15%の割合、カルシウムが、Ca  / ( In + Sn + Ca )の原子数比で0.1~2.0%の割 で含有されており、残部がインジウムと酸 からなる複合酸化物焼結体、を提供する。

 また、本願発明は、
2)焼結体の抵抗率が0.2mωcm以下であることを 徴とする前記1)記載の複合酸化物焼結体、を 提供する。

 また、本願発明は、
3)前記1)または2)に記載の複合酸化物焼結体を スパッタすることによって、同組成のアモル ファス膜を製造することを特徴とするアモル ファス複合酸化膜の製造方法、を提供する。
 透明導電膜用のアモルファス複合酸化膜を 成する場合には、アモルファス複合酸化膜 同一成分組成の焼結体を製造して、スパッ リングすることが非常に効率の良い方法で る。

 また、本願発明は、
4)実質的にインジウム、スズ、カルシウムお び酸素からなり、スズがSn / (In + Sn + Ca )の原子数比で5~15%の割合、カルシウムが、Ca  / ( In + Sn + Ca )の原子数比で0.1~2.0%の割 で含有されており、残部がインジウムと酸 からなるアモルファス複合酸化膜、を提供 る。

 また、本願発明は、
5)実質的にインジウム、スズ、カルシウムお び酸素からなり、スズがSn / (In + Sn + Ca )の原子数比で5~15%の割合、カルシウムが、Ca  / ( In + Sn + Ca )の原子数比で0.1~2.0%の割 で含有されており、残部がインジウムと酸 からなるアモルファス複合酸化膜を製造し 後に、当該膜を260℃以下の温度でアニール ることによって結晶化させることを特徴と る結晶質複合酸化膜の製造方法、を提供す 。
 本願発明において、基板上に形成したアモ ファス複合酸化膜を比較的低温でアニール ることにより、容易に結晶質の複合酸化膜 変換できる。これは、本願発明の著しい特 の一つである。

 また、本願発明は、
6)実質的にインジウム、スズ、カルシウムお び酸素からなり、スズがSn / (In + Sn + Ca )の原子数比で5~15%の割合、カルシウムが、Ca  / ( In + Sn + Ca )の原子数比で0.1~2.0%の割 で含有されており、残部がインジウムと酸 からなる結晶質複合酸化膜、を提供する。
 本願発明において、ITO複合酸化膜の成分に さらにカルシウムが必須成分として含有さ ている。このカルシウムの含有は、ITO複合 化膜の非晶質化の上で重要な役割を有する

 また、本願発明は、
7)膜の抵抗率が0.4mωcm以下であることを特徴 する前記6)に記載の結晶質複合酸化膜、を提 供する。
 本願発明の結晶質複合酸化膜は、上記4)の モルファス複合酸化膜と組成は同一である 、その抵抗率は著しく低い膜が形成できる

 また、本願発明は、
8)実質的にインジウム、スズ、カルシウム、 グネシウムおよび酸素からなり、スズがSn  / (In + Sn + Ca + Mg )の原子数比で5~15%の割 、カルシウムとマグネシウムの合計が、( C a + Mg ) / ( In + Sn + Ca + Mg )の原子数比 で0.1~2.0%の割合で含有されており、残部がイ ジウムと酸素からなる酸化物焼結体、を提 する。

 また、本願発明は、
9)焼結体の抵抗率が0.2mωcm以下であることを 徴とする前記8)記載の酸化物焼結体、を提供 する。

 また、本願発明は、
10)前記8)または9)に記載の複合酸化物焼結体 スパッタすることによって、同組成のアモ ファス膜を製造することを特徴とするアモ ファス複合酸化膜の製造方法、を提供する
 透明導電膜用のアモルファス複合酸化膜を 成する場合には、アモルファス複合酸化膜 同一成分組成の焼結体を製造して、スパッ リングすることが非常に効率の良い方法で る。

 また、本願発明は、
11)実質的にインジウム、スズ、カルシウム、 マグネシウムおよび酸素からなり、スズがSn / (In + Sn + Ca + Mg )の原子数比で5~15%の割 合、カルシウムとマグネシウムの合計が、(  Ca + Mg ) / ( In + Sn + Ca + Mg )の原子数 で0.1~2.0%の割合で含有されており、残部がイ ンジウムと酸素からなるアモルファス複合酸 化膜、を提供する。

 また、本願発明は、
12)実質的にインジウム、スズ、カルシウム、 マグネシウムおよび酸素からなり、スズがSn / (In + Sn + Ca + Mg )の原子数比で5~15%の割 合、カルシウムとマグネシウムの合計が、(  Ca + Mg ) / ( In + Sn + Ca + Mg )の原子数 で0.1~2.0%の割合で含有されており、残部がイ ンジウムと酸素からなるアモルファス複合酸 化膜を製造した後に、当該膜を260℃以下の温 度でアニールすることによって結晶化させる ことを特徴とする結晶質複合酸化膜の製造方 法、を提供する。
本願発明において、基板上に形成したアモル ファス複合酸化膜を比較的低温でアニールす ることにより、容易に結晶質の複合酸化膜に 変換できる。これは、本願発明の著しい特徴 の一つである。

 また、本願発明は、
13)実質的にインジウム、スズ、カルシウム、 マグネシウムおよび酸素からなり、スズがSn / (In + Sn + Ca + Mg )の原子数比で5~15%の割 合、カルシウムとマグネシウムの合計が、(  Ca + Mg ) / ( In + Sn + Ca + Mg )の原子数 で0.1~2.0%の割合で含有されており、残部がイ ンジウムと酸素からなる結晶質複合酸化膜、 を提供する。
 本願発明において、ITO複合酸化膜の成分に さらにカルシウム及びマグネシウムが必須 分として含有されている。このカルシウム びマグネシウムの含有は、ITO複合酸化膜の 晶質化の上で重要な役割を有する。

 また、本願発明は、
14)膜の抵抗率が0.4mωcm以下であることを特徴 する前記13)に記載の結晶質複合酸化膜、を 供する。
 本願発明の結晶質複合酸化膜は、上記11)の モルファス複合酸化膜と組成は同一である 、その抵抗率は著しく低い膜が形成できる

 本発明の第一の特徴は、添加されたカルシ ム等が、ITOのネットワーク構造結合を切断 る効果により、結晶化を防止する点にある そして、単にITO膜の結晶化を妨げるだけで れば、添加濃度を非常に高くすることで達 できる。
 しかしながら、その場合は、本発明の第2の 特徴である、成膜後にあまり高すぎない温度 でのアニールで膜が結晶化して、結晶化後の 膜の抵抗率が低いという特徴を発揮させるこ とができない。なぜなら、添加元素濃度を高 くしてしまうと、結晶化温度が上昇するとと もに、結晶化後の膜抵抗率も高くなってしま うからである。
 つまり、本発明特徴は、成膜時のスパッタ の非晶質化と、その後の適切温度でのアニ ルによる膜の結晶化と低抵抗率化の両方を 現できる点にあり、本発明は、この様な課 の解決を初めて示した新規な技術的思想を するのである。

 本発明によれば、ITOにカルシウム等を適 濃度添加したスパッタリングターゲットを いて、成膜時に水を添加することなく、基 無加熱の状態で、所定の条件でスパッタ成 することで、膜全体が非晶質の膜を得るこ ができる。また、その膜はその後のエッチ グで、エッチング残渣の発生という問題が く、結晶質のITO膜と比較して、約2桁もエッ チングレートが速いという、ITO非晶質膜の有 する利点を享受することができる。さらに、 成膜後にあまり高すぎない温度でのアニール によって、膜が結晶化して、膜の抵抗率が低 くなるという利点をも得ることができるとい う、非常に有用な効果が得られる。

実施例1のスパッタ後の膜のXRD回折測定 結果を示すグラフである。 実施例1のスパッタ後の膜のエッチング 途中での膜表面の電子顕微鏡写真を示す図で ある。 実施例1のスパッタ後の膜のアニール温 度と膜抵抗率およびXRD測定でのピーク強度と の相関を示すグラフである。 比較例1のスパッタ後の膜のエッチング 途中での膜表面の電子顕微鏡写真を示す図で ある。

 本発明に係る複合酸化物焼結体、アモルフ ス複合酸化膜、結晶質複合酸化物膜、アモ ファス複合酸化膜の製造方法、結晶質複合 化物の製造方法を、さらに詳しく説明する 本発明の透明導電膜形成用複合酸化物焼結 に有用である複合酸化物焼結体は、実質的 インジウム、スズ、カルシウムおよび酸素 らなり、スズがSn / (In + Sn + Ca )の原子 比で5~15%の割合で、カルシウムが、Ca / ( I n + Sn + Ca )の原子数比で0.1~2.0%の割合で含 されており、残部がインジウムと酸素から ることを特徴としている。
 ここで、Snはスズの原子数、Inはインジウム の原子数、Caはカルシウムの原子数をそれぞ 表しており、全金属原子であるインジウム スズおよびカルシウムの合計の原子数に対 る、スズおよびカルシウムの原子数比の適 濃度範囲をそれぞれ示している。 
 該透明導電膜形成用スパッタリングターゲ トおよび該透明導電膜の組成は、前記透明 電膜形成用酸化物焼結体の組成と実質的に じである。
 スパッタリングターゲットは、該酸化物焼 体を所定の直径、厚みに加工しただけのも であり、また、該透明導電膜は、該スパッ リングターゲットをスパッタ成膜して得ら る膜であり、該スパッタリングターゲット スパッタ成膜して得られる膜には組成の差 殆ど無いからである。

 本願明細書で使用する「実質的に」とは 透明導電膜形成用複合酸化物焼結体の構成 素が、インジウム、スズ、カルシウム、酸 の4種類のみから形成されているが、通常入 手可能な原料中に含まれ、その原料製造時の 通常の精製方法では除去しきれない不可避的 不純物を不可避的濃度範囲で含んでいたとし ても、本発明はそれらをも含む概念であるこ とを示すものなのである。すなはち、不可避 的不純物は本願発明に含まれるものである。

 スズは酸化インジウムに添加されると、n 型ドナーとして働き、抵抗率を低下させる効 果があり、市販のITOターゲットなどは、通常 、スズ濃度Snが、Sn / (In + Sn) = 10%程度で る。スズ濃度が低すぎると、電子供給量が なくなり、また、逆に多すぎると電子散乱 純物となって、どちらの場合も、スパッタ よって得られる膜の抵抗率が高くなってし う。従って、ITOとして適切なスズの濃度範 は、スズ濃度Snが、Sn / (In + Sn + Ca )の式 で5~15%の範囲であることから、本発明でのス 濃度は規定されている。

 カルシウムはITOに添加されると、膜の結晶 を妨げて、非晶質化させる効果がある。カ シウムの濃度Caが、Ca / ( In + Sn + Ca ) & lt; 0.1%であると、膜を非晶質化させる効果が 殆ど無く、スパッタした膜が、一部結晶化し てしまう。
 逆に、Ca / ( In + Sn + Ca ) > 2.0%であ と、スパッタして得られた非晶質の膜を、 晶化させるために必要なアニール温度が260 を超える高温となってしまい、その様なプ セス実施のためのコスト、手間、時間を要 てしまって、生産上不適当である。

 さらに、カルシウム濃度が高過ぎると、高 でアニールして膜を結晶化させたとしても 得られる膜の抵抗率が高くなり、透明導電 の導電性の観点から大きな欠点となってし う。従って、カルシウム濃度は、本発明で 定しているように、Ca / ( In + Sn + Ca ) 原子比で0.1~2.0%の割合であることが望ましい 。カルシウム濃度は、この様にして決定され たものである。
 また、カルシウムの代わりにカルシウムと グネシウムと混合させた場合についても、 様の傾向があることから、カルシウムとマ ネシウムの合計濃度は決定されている。

 以下に酸化物焼結体の製造方法について説 する。
 本発明の酸化物焼結体を製造するためには まず、原料である酸化インジウム粉末、酸 スズ粉末、および酸化カルシウム粉末を、 定の割合で秤量し、混合する。混合が不充 であると、製造したターゲットに酸化カル ウムが偏析している高抵抗率領域と低抵抗 領域が存在して、スパッタ成膜時に高抵抗 領域での帯電によるアーキング等の異常放 が起き易くなってしまう。

 そこで、混合にはスーパーミキサーを用い 、毎分2000~4000回転程度の高速回転で、約2~5 程度の充分な混合を行うことが望ましい。 お、原料粉は酸化物であるために雰囲気ガ は、特に原料の酸化を防止する等の考慮が 要ないために大気でかまわない。
 なお、この段階で大気雰囲気中において、1 250~1350℃、4~6時間保持の仮焼工程を入れて、 料間の固溶を促進させておくことも有効で る。また、酸化インジウムと酸化カルシウ 、あるいは、酸化スズと酸化カルシウムを 合粉として、仮焼しておいても良い。

 次に、混合紛の微粉砕を行う。これは原 紛のターゲット中での均一分散化のためで り、粒径の大きい原料分が存在するという とは、場所により組成むらが生じているこ になり、特に、酸化カルシウムは絶縁性な で、スパッタ成膜時の異常放電の原因とな てしまう。また、カルシウムによる結晶化 止効果にむらが生じることになり、カルシ ム濃度の低い領域でのITOの結晶化が生じて まう原因ともなる。

 従って、微粉砕は原料粉の粒径が平均粒 (D50)が、1μm以下、好ましくは0.6μm以下とな まで行うことが望ましい。実際には、混合 に水を加えて、固形分40~60%のスラリーとし 、直径1mmのジルコニアビーズで1.5~3.0時間程 度の微粉砕を行う。

 次に、混合粉の造粒を行う。これは、原 粉の流動性を良くして、プレス成型時の充 状況を充分良好なものにするためである。 インダーの役割を果たすPVA(ポリビニルアル コール)をスラリー1kgあたり100~200ccの割合で 合して、造粒機入口温度200~250℃、出口温度1 00~150℃、ディスク回転数8000~10000rpmの条件で 粒する。

 次に、プレス成型を行う。所定サイズの型 造粒粉を充填し、面圧力700~900kgf/cm 2 で成形体を得る。面圧力700kgf/cm 2 以下であると、充分な密度の成形体を得るこ とができず、面圧力900kgf/cm 2 以上にする必要も無く、無駄なコストやエネ ルギーを要するので生産上好ましくない。

 最後に焼結を行う。焼結温度は1450~1600℃で 保持時間は4~10時間、昇温速度は4~6℃/分、 温は炉冷で行う。焼結温度が1450℃より低い 、焼結体の密度が充分大きくならず、1600℃ を超えると炉ヒーター寿命が低下してしまう 。保持時間が4時間より短いと、原料粉間の 応が充分進まず、焼結体の密度が充分大き ならず、焼結時間が10時間を越えても、反応 は充分起きているので、不必要なエネルギー と時間を要する無駄が生じて生産上好ましく ない。
 昇温速度が4℃/分より小さいと、所定温度 なるまでに不必要に時間を要してしまい、 温速度が6℃/分より大きいと、炉内の温度分 布が均一に上昇せずに、むらが生じてしまう 。この様にして得られた焼結体の密度は、相 対密度で約99.9%、バルク抵抗は約0.13mωcm程度 なる。

 以下にスパッタリングターゲットの製造方 について説明する。
 上記の様な製造条件によって得られた酸化 焼結体の外周の円筒研削、面側の平面研削 することによって厚さ4~6mm程度、直径はス ッタ装置に対応したサイズに加工し、銅製 バッキングプレートに、インジウム系合金 どをボンディングメタルとして、貼り合わ ることでスパッタリングターゲットとする とができる。

 以下にスパッタリング成膜方法について説 する。
 本発明の透明導電膜は、本発明のスパッタ ングターゲットを用いて、アルゴンガス圧 0.4~0.8Pa、ターゲットと基板間隔を50~110mm、 ラスなどを基板として無加熱で、スパッタ ワーを、例えば、ターゲットサイズが8イン の場合は、200~900Wで直流マグネトロンスパ タ成膜することで得ることができる。

 基板間隔が50mmより短いと、基板に到達す るターゲット構成元素の粒子の運動エネルギ ーが大きくなりすぎて、基板へのダメージが 大きく、膜抵抗率が増加してしまうとともに 、膜が一部結晶化してしまう可能性がある。 一方、ターゲットと基板間隔が110mmより長い 、基板に到達するターゲット構成元素の粒 の運動エネルギーが小さくなりすぎて、緻 な膜が形成されず、抵抗率が高くなってし う。アルゴンガス圧やスパッタパワーにつ ての適切範囲も、同様の理由から上記の様 なっている。また、基板温度も加熱すると が結晶化し易くなる。従って、これらのス ッタ条件を適切に選択することで、得られ 膜がアモルファスとなり得る。

 以下に膜の特性評価方法について説明する
上記の様にして得られた透明導電膜の結晶性 の判定は、膜のX線回折測定(XRD測定)で結晶性 の膜が示すようなピークの有無、シュウ酸に よる膜のエッチングで結晶性の膜が示すよう なエッチング残渣が生じるかどうかから確認 することができる。つまり、X線回折測定でIT O結晶に起因する特有のピークがなく、エッ ング残渣がない場合にその膜はアモルファ であると判定できる。

 シュウ酸による膜のエッチング方法は、例 ば、シュウ酸二水和物(COOH) 2 ・2H 2 Oを純水と、シュウ酸:純水=5:95重量%の比率で 合した液を、エッチャントとして、液温を4 0℃に保つように恒温槽に入れて、膜付き基 を攪拌して行うことができる。
また、膜の抵抗率はホール測定によって求め ることができる。

 以下に膜のアニール方法について説明する
 上記の様にして得られた非晶質膜を結晶化 せるためには、例えば、窒素雰囲気下で、 加元素によって若干異なるが160~260℃の温度 で、30~60分間アニールをすることで得ること できる。膜が結晶化したことは、XRD測定で ピーク強度が極めて強くなることやシュウ による膜のエッチングで、エッチング速度 非晶質の膜より約2桁小さくなることからも 確認できる。

 また、結晶化した膜は、スズによる電子放 効果が充分に行われ、キャリア濃度と移動 の両方が増加して、添加元素濃度によって 干異なるが、4×10 -4  ωcm以下の低い抵抗率が実現できる。

 以下に本発明を実施例でさらに詳細に説 するが、本発明はこれらに限定されるもの はない。すなはち、本願発明の技術的思想 範囲での、変更、他の実施態様は、全て本 発明に含まれるものである。

(実施例1)
 原料である酸化インジウム粉末、酸化スズ 末および酸化カルシウム粉末とを、原子数 でIn:Sn:Ca=90.78:9.08:0.14%となるように秤量し、 大気雰囲気中でスーパーミキサーにより、毎 分3000回転、3分の混合を行った。
次に、混合粉に水を加えて、固形分50%のスラ リーとして、直径1mmのジルコニアビーズで2 間の微粉砕を行い、混合粉の平均粒径(D50)を 0.6μm以下とした。その後、PVA(ポリビニルア コール)をスラリー1kgあたり125ccの割合で混 して、造粒機入口温度220℃、出口温度120℃ ディスク回転数9000rpmの条件で造粒した。

 さらに、8インチターゲット直径となる様な 所定のサイズの型に造粒粉を充填し、面圧力 780kgf/cm 2 でプレスして成形体を得た。そして、成形体 を昇温速度5℃/分で1540℃間まで昇温させ、154 0℃で5時間保持後、降温は炉冷とする焼結を った。
 上記条件で得られた酸化物焼結体の外周の 筒研削、面側の平面研削をして、厚さ5mm程 、直径8インチとし、銅製のバッキングプレ ートに、インジウムをボンディングメタルと して、貼り合わせることでスパッタリングタ ーゲットとした。このようにして得られたス パッタリングターゲットの抵抗率を測定した ところ、0.18mωcmであった。

 上記スパッタリングターゲットを用いて、 ルゴンガス圧を0.5Pa、ターゲットと基板間 を80mm、無アルカリガラスを基板として、基 無加熱の状態で、スパッタパワーを785W、成 膜時間22秒で直流マグネトロンスパッタ成膜 ることで、膜厚約550Åの膜を得た。上記膜 XRD測定を行った結果、結晶性を示すピーク 認められなかった。膜のXRD測定結果を図1に 示す。
 また、膜をシュウ酸:純水=5:95重量%の比率で 混合した液をエッチャントとして、エッチン グを行ったが、エッチング残渣は認められな かった。
 エッチング途中の膜表面の電子顕微鏡写真 図2に示す。上記2種類の膜特性判定評価結 から、得られた膜は非晶質であると判定で た。

 上記非晶質膜を窒素雰囲気下で、100~210℃の 各温度、10℃間隔で60分間アニールを行い、 ニール後の膜のXRD測定、抵抗率、透過率を 定した。アニール温度とXRD測定でのピーク 度、および膜抵抗率との相関を図3に示す。
 アニール温度の増加に伴って、XRD測定にお るピーク強度が次第に大きくなっていくが ある温度からピーク強度は急激に大きくな 、その後安定する。また、アニール温度の 加に伴って、膜抵抗率が低下してくるが、 る温度から膜抵抗率が急激に小さくなり、 の後、安定する。

 これら両方の温度はほぼ一致しており、ピ ク強度と抵抗率が安定化し始める温度を、 の結晶化温度とした。結晶化温度の決定に たって、安定化したかどうかの判断には、 干幅があるため、約5℃程度のずれは生じる が、この値は厳密に決定する必要は無く、添 加物濃度との傾向を把握すれば充分である。
 結晶化後の膜のXRD測定結果を図1に示す。当 該膜の結晶化温度は177℃、結晶化後の膜抵抗 率は0.21mωcmであった。これらの結果を表1に す。また、波長550nmでの透過率は90%であった 。

(実施例2~6)
 実施例1の焼結体組成を以下の様に変えて、 その他の条件は、実施例1と同じ条件で行っ ものが、実施例2~6である。
 実施例2では焼結体組成の原子数比%が、In:Sn :Ca=90.66:9.07:0.27、実施例3では焼結体組成の原 数比%が、In:Sn:Ca=90.41:9.04:0.55、実施例4では 結体組成の原子数比%が、In:Sn:Ca=89.91:8.99:1.10 実施例5では焼結体組成の原子数比%が、In:Sn :Ca=89.41:8.94:1.65、実施例6では焼結体組成の原 数比%が、In:Sn:Ca=89.09:8.91:2.00である。
 このようにして得られたスパッタリングタ ゲットの抵抗率を測定したところ、0.15~0.18m ωcmであった。成膜時の結晶性、結晶化温度 よび結晶化後の膜抵抗率は、それぞれ表1に 載の通りである。

 以上の結果から、これらの実施例では、成 後の膜の結晶性はいずれも非晶質であり、 晶化温度はカルシウム添加濃度の増加に伴 て、次第に高温になっていくが、実施例6の 結果からも分かるように、結晶化温度は243℃ であり、さほどの高温とはならなかった。
 また、結晶化後の膜の抵抗率は、カルシウ 添加濃度の増加に伴って次第に大きくなっ いくが、実施例6の結果でもまだ、0.39mωcmで あり、この値は後述する比較例2の場合の酸 インジウムに亜鉛を添加した非晶質膜の抵 率が、0.45mωcmであることと比較しても、よ 小さな値のままであった。

(実施例7~14)
 実施例1~6の場合のカルシウム添加に代えて カルシウム及びマグネシウム添加としたの 実施例7~14である。
 その際、カルシウム濃度とカルシウム及び グネシウムの合計を一致させた。具体的に 実施例1のカルシウム濃度と実施例7のカル ウム及びマグネシウムの合計濃度を同じに た。また、実施例2のカルシウム濃度を実施 8、9、10のそれぞれのカルシウム及びマグネ シウムの合計濃度は同じであり、さらに実施 例8、9、10ではカルシウムとマグネシウムの 度をそれぞれ1:1、1:2、2:1に変化させた。
 また、実施例3と実施例11、実施例4と実施例 12、実施例5と実施例13、実施例6と実施例14の ルシウム濃度とカルシウム及びマグネシウ の合計濃度を同じにした。このようにして られたスパッタリングターゲットの抵抗率 測定したところ、0.15~0.18mωcmであった。成 時の結晶性、結晶化温度および結晶化後の 抵抗率は、それぞれ表1に記載の通りである

 以上の結果から、これらの実施例では、成 後の膜の結晶性はいずれも非晶質であり、 晶化温度はカルシウム及びマグネシウムの 計添加濃度の増加に伴って、次第に高温に ってき、結晶化温度はカルシウム濃度とカ シウム及びマグネシウムの合計濃度を同じ した場合には、結晶化温度はカルシウム及 マグネシウム添加の方が、カルシウムのみ 加の場合より約6℃程度高くなったが、結晶 化後の膜抵抗率は殆ど同じであった。
 また、結晶化後の膜の抵抗率は、カルシウ 添加濃度の増加に伴って次第に大きくなっ いくが、実施例14の結果でもまだ、0.40mωcm あり、この値は後述する比較例2の場合の酸 インジウムに亜鉛を添加した非晶質膜の抵 率が、0.45mωcmであることと比較しても、よ 小さな値のままであった。

(比較例1~2)
 実施例1の焼結体にマグネシウムを添加せず に、酸化インジウムにスズ、または酸化イン ジウムに亜鉛を添加した組成物を焼結体とし て用いて、その他の条件は、実施例1と同じ 件で行ったものが、比較例1~2である。比較 1では焼結体組成の原子数比%が、In:Sn=90.00:10. 00、比較例2では焼結体組成の原子数比%が、In :Zn=90.00:10.00である。成膜時の結晶性、結晶化 温度および結晶化後の膜抵抗率は、それぞれ 表1に記載の通りである。
 また、比較例1の膜をエッチングした際の膜 表面の電子顕微鏡写真を図4に示す。エッチ グ残渣として結晶化した部分の膜が残って まっている様子が分かる。

 以上の結果から、比較例1では、結晶化温 度が低く、結晶化後の膜抵抗率が小さいが、 成膜時の膜質が結晶化しており、エッチング 残渣として残ってしまう問題が生じる。一方 、比較例2では、成膜後の膜質は非晶質で、 抵抗率は0.45mωmであり、当該膜は非常に非晶 質安定すぎて、結晶化温度は600℃と極めて高 温であり、また、結晶化後の膜抵抗率は2.42m mと非常に高い。

(比較例3~4)
 実施例1の焼結体組成を以下の様に変えて、 その他の条件は、実施例1と同じ条件で行っ ものが、比較例3~4である。比較例3では焼結 組成の原子数比%が、In:Sn:Ca=90.85:9.08:0.07、比 較例4では焼結体組成の原子数比%が、In:Sn:Ca=8 8.64:8.86:2.50である。比較例3はカルシウム添加 濃度が小さいもの、比較例4はカルシウム添 濃度が大きいものである。成膜時の結晶性 結晶化温度および結晶化後の膜抵抗率は、 れぞれ表1に記載の通りである。

 以上の結果から、比較例3では、結晶化温度 が低く、結晶化後の膜抵抗率が小さいが、成 膜時の膜質が結晶化しており、エッチング残 渣として残ってしまう問題が生じる。
 一方、比較例4では、成膜後の膜質が非晶質 ではあるが、結晶化温度が260℃を超える高温 となってしまい、また、結晶化後の膜抵抗率 が、0.47mωmと高くなってしまう。 
 この値は前述した比較例2の場合の、酸化イ ンジウムに亜鉛を添加した場合に得られる膜 のアニール前の抵抗率と同等になってしまう ので、抵抗率の観点からの優位性は特になく なってしまう。

 上記で説明した様に、本発明によれば、水 添加することなく、当該ターゲットをスパ タ成膜することで、膜全部が非晶質であるI TO系膜が得られ、その後にあまりに高温でな 温度でのアニールで膜が結晶化し、膜のエ チング速度が小さくなり、抵抗率が低い膜 得られる点で、透明導電体として非常に有 である。