中瀬一博 (())
KASUYA, Akira (())
倉敷紡績株式会社 (〒54 岡山県倉敷市本町7番1号 Okayama, 71000, JP)
NAKASE, Kazuhiro (())
中瀬一博 (())
| 天然繊維を含む糸と、合成樹脂からなるスリットヤーンを含む繊維強化樹脂(FRP)用糸であって、 前記天然繊維を含む糸を芯糸とし、前記芯糸の周囲に合成樹脂からなるスリットヤーンを巻きつけて被覆するか又は引き揃え、 前記スリットヤーンはFRPにしたときにマトリックス樹脂となる熱可塑性合成樹脂とすることを特徴とする繊維強化樹脂用複合糸。 |
| 前記スリットヤーンは、前記芯糸の表面をS方向に巻かれているスリットヤーンと、Z方向に巻かれているスリットヤーンからなる請求項1に記載の繊維強化樹脂用複合糸。 |
| 天然繊維を含む糸は、1本又は複数本の糸である請求項1に記載の繊維強化樹脂用複合糸。 |
| 前記芯糸には、さらに1本又は複数本のスリットヤーンを添え糸として加える請求項1又は2に記載の繊維強化樹脂用複合糸。 |
| 前記天然繊維糸は、麻の紡績糸である請求項1~4のいずれか1項に記載の繊維強化樹脂用複合糸。 |
| 前記天然繊維糸と前記スリットヤーンの配合割合は、重量比で天然繊維糸:スリットヤーン=80:20~20:80の範囲である請求項1~5のいずれか1項に記載の繊維強化樹脂用複合糸。 |
| 前記天然繊維を含む糸は単糸であり、前記スリットヤーンは複数本である請求項1~6のいずれか1項記載の繊維強化樹脂用複合糸。 |
| 請求項1~7のいずれかに記載の繊維強化樹脂用複合糸を、織物、編み物、多軸挿入たて編み物、又は組み物とした繊維強化樹脂用中間体。 |
| 請求項8に記載の繊維強化樹脂用中間体を、前記スリットヤーン樹脂の融点以上の金型温度に加熱してプレス成形した繊維強化樹脂成形体。 |
| 請求項1~7のいずれかに記載の繊維強化樹脂用複合糸を少なくとも一方向に配列し、前記スリットヤーン樹脂の融点以上の金型温度に加熱してプレス成形した繊維強化樹脂成形体。 |
本発明は、天然繊維を含む繊維強化樹脂 複合糸と中間体及びこれを用いた繊維強化 脂成形体に関する。
自動車や飛行機、車両などの内装にはプラ チックが使用され、金属に比較して軽量化 れている。プラスチックだけでは強度が不 するため、プラスチックにガラスの短繊維( 一定の長さにカットしたもの)を混入してい 。しかし廃棄したときに、焼却炉で燃焼さ ると、プラスチックは分解してCO 2 と水になるが、ガラスは溶融して固まり、焼 却炉内部に付着する。これにより焼却炉の寿 命が著しく低下するといった問題が懸念され ている。ガラスのような高い強度を持つ材料 として、炭素繊維が知られているが、高価で 実用的用途には使用できない問題がある。
そこで、近年天然繊維による繊維強化熱 塑性樹脂成形体(FRTP)は社会的に関心が高ま ている。これは、リサイクル可能であり、 の中でマテリアルリサイクルとして繰り返 使用可能であること、サーマルリサイクル して燃焼時に有毒ガスがでないこと、エネ ギー問題による移動体の軽量化が可能であ 、軽量化することで燃費を向上できること 植物系天然繊維は光合成時に二酸化炭素を の内部に吸収し、燃焼させても排出される 酸化炭素は元と変わらないことから、環境 題を起こさないことが挙げられる。
補強繊維に天然繊維を用いた繊維強化樹 は、特許文献1~2に提案されている。特許文 1には、麻繊維の短繊維を不織布、織物、編 み物に加工して繊維補強樹脂にすることが記 載され、特許文献2には、ケナフ繊維の短繊 を不織布、織物に加工して繊維補強樹脂に ることが記載されている。さらに本発明者 は、麻などの天然繊維糸と合成樹脂フィル とを溶融一体化した繊維強化樹脂成形体を 案した(特許文献3)。
しかし、特許文献1~2は、麻繊維やケナフ 維の短繊維を用いて不織布、織物、編み物 加工し、樹脂と溶融混合するか含浸して繊 強化樹脂(FRP)にするため、繊維内部に樹脂 浸透しにくく、大掛かりな装置が必要であ 、成形も容易でないという問題があった。 に、天然繊維は、ガラス繊維や炭素繊維に べて分解温度が低く、マトリックス樹脂と る熱可塑性樹脂を浸透容易となる粘度にま 加熱することができず、浸透性の問題が非 に重要であった。また、特許文献3は、FRTP成 形時に合成樹脂フィルムを積層する必要があ り、生産性が低下するとともに、成形温度が 低い場合において、熱可塑性樹脂を天然繊維 糸内に均一に含浸させることが困難であると いう問題があった。
本発明は、前記従来の問題を解決するた 、天然繊維糸内部に樹脂が浸透し易く、成 性がよく、環境問題がなく、強度が高く、 一な物性の繊維強化樹脂用複合糸と中間体 びこれを用いた繊維強化樹脂成形体を提供 る。
本発明の繊維強化樹脂用複合糸は、天然 維を含む糸と、合成樹脂からなるスリット ーンを含む繊維強化樹脂(FRP)用糸であって 前記天然繊維を含む糸を芯糸とし、前記芯 の周囲に合成樹脂からなるスリットヤーン 巻きつけて被覆するか又は引き揃え、前記 リットヤーンはFRPにしたときにマトリック 樹脂となる熱可塑性合成樹脂とすることを 徴とする。
本発明の繊維強化樹脂用中間体は、前記 維強化樹脂用複合糸を、織物、編み物、多 挿入たて編み物、又は組み物としたことを 徴とする。
本発明の繊維強化樹脂成形体は、前記繊 強化樹脂用中間体を、前記スリットヤーン 脂の融点以上の金型温度で加熱してプレス 形したものである。
本発明の別の繊維強化樹脂成形体は、前 繊維強化樹脂用複合糸を少なくとも一方向 配列し、前記スリットヤーン樹脂の融点以 の金型温度に加熱してプレス成形したもの ある。
本発明は、天然繊維を含む1本又は複数本 の糸を芯糸とし、前記芯糸の周囲にFRPにした ときにマトリックス樹脂となる熱可塑性合成 樹脂スリットヤーンを巻きつけてカバーリン グするか又は引き揃える。これにより、芯糸 とスリットヤーンとの接触面積を大きくでき 、熱可塑性合成樹脂の融点以上に加熱したと きに、スリットヤーンは溶融され、この溶融 した熱可塑性合成樹脂が迅速に天然繊維糸に 浸入し、天然繊維糸と溶融熱可塑性合成樹脂 の複合一体化が効率的に行われる。すなわち 、スリットヤーンは直接芯糸に巻きつけられ ているか又は引き揃えられているので、溶融 した際に、芯糸内部に樹脂が浸透し易い。こ の結果、成形性がよく、強度が高く、均一な 物性の繊維強化樹脂が得られる。なお、スリ ットヤーンは、フィラメントのように撚りを 掛ける必要が無く、生産性に優れる。
また、天然繊維を用いることから、廃棄 際の環境問題を解消することができる。さ に、天然繊維糸を用いることで、連続繊維 して扱うことが可能になり、成形体中の天 繊維の体積含有率(Vf)を向上させることが可 能である。また、天然繊維特有の個体差や収 穫された場所での差異などがあっても、紡績 前工程で混合されることにより安定した物性 を得ることができる。加えて、天然繊維はス リットヤーンでカバーリング又は引き揃えら れているので、スリットヤーンを溶融させる ために加熱しても加熱初期は天然繊維の加熱 劣化は防止される。
本発明においては、天然繊維を含む1本又 は複数本の糸を芯糸とし、前記芯糸の周囲に FRPにしたときにマトリックス樹脂となる熱可 塑性合成樹脂製スリットヤーンを巻きつけて 被覆(カバーリング)するか又は引き揃える。 のようにすると、前記複合糸を所定の方向 揃えて加熱プレス成形することにより、前 スリットヤーンは溶融してそのままFRPのマ リックス樹脂となる。溶融した熱可塑性合 樹脂は迅速に天然繊維糸に浸入し、天然繊 糸と溶融熱可塑性合成樹脂の複合一体化が 率的に行われる。
前記スリットヤーンを巻きつける場合は 前記芯糸の表面をS方向又はZ方向に1方向に いてもよいが、前記芯糸の表面をS方向及び Z方向の2方向から巻くのが好ましい。このよ にすると、スリットヤーンのカバーリング が安定する。
天然繊維を含む糸にスリットヤーンを引 揃える場合も、前記スリットヤーンはFRPに たときにマトリックス樹脂となる熱可塑性 成樹脂である。このようにすると、引き揃 糸を所定の方向に揃えて加熱プレス成形す ことにより、スリットヤーンは溶融してそ ままFRPのマトリックス樹脂となる。溶融し 熱可塑性合成樹脂は迅速かつ均一に天然繊 糸に浸入し、天然繊維糸と溶融熱可塑性合 樹脂の複合一体化が効率的に行われる。
スリットヤーンは、合成樹脂フィルムを 定幅にカットして得ることができる。スリ トヤーンの好ましい幅は0.5~10mm、さらに好 しくは1~6mmである。スリットヤーンの厚みは 5~300μmが好ましく、さらに好ましくは10~100μm ある。スリットヤーンの好ましい繊度は100~ 3000deci tex、さらに好ましくは200~1500deci texで ある。スリットヤーンが芯糸をカバーリング する場合の被覆率は30~100%が好ましく、50~100% より好ましい。
スリットヤーンは、通常金属を蒸着して 糸、銀糸などの装飾糸、電磁波シールド糸 帯電防止糸等として使用するが、本発明で 金属蒸着はしないで、合成樹脂フィルム自 のみの状態で使用する。
前記スリットヤーンを巻きつける場合は 前記芯糸には、さらに1本又は複数本のスリ ットヤーンを添え糸(引き揃え糸)として加え のが好ましい。このようにすると、天然繊 とマトリックス樹脂との配合割合を容易に 節可能となると共に天然繊維糸間の内部に ける天然繊維と溶融熱可塑性合成樹脂の複 一体化を効率よく行うことができる。
前記スリットヤーンを引き揃える場合は 前記芯糸及び引き揃えたスリットヤーンの 体性を向上させるため、例えばフィラメン やスリットヤーンで粗くカバリングするの 好ましい。このようにすると、多軸挿入た 編み機に用いた際に、芯糸とスリットヤー とがバラバラになることを防止でき、均一 繊維強化樹脂成形体を得ることができる。
本発明で使用できる天然繊維としては植 系天然繊維が好ましく、具体的には綿繊維 麻繊維、ケナフ繊維、竹繊維、カポック等 挙げられる。とくに、亜麻糸(リネン)繊維 はラミー等の麻繊維が好ましい。麻繊維は 年草で3ヶ月で収穫でき、原料供給も安定し いるからである。前記麻繊維は乾燥してか 成形するのが好ましいが、乾燥しないで平 水分率を有する状態でも使用できる。平衡 分率であれば、強度を高く維持できるから ある。
天然繊維糸の好ましい繊度は20~200texであ 。この範囲の繊度であれば、FRP用繊維とし 取り扱いやすい。また、天然繊維糸の撚り は100~500回/mの範囲が好ましい。
本発明で使用できる熱可塑性合成樹脂か なるスリットヤーンは、通常FRPのマトリッ ス樹脂として使用されている樹脂であって かつ天然繊維の分解温度より低い融点を有 る樹脂が好ましい。例えば天然繊維として 繊維を使用する場合は、200℃以下の融点を する樹脂が好ましい。このようなスリット ーン樹脂としては、例えばポリプロピレン( PP)、ポリエチレン(PE)、及びこれらの共重合 、共重合ポリエステル、共重合ポリアミド ポリ塩化ビニル、共重合ポリアセタール、 リ乳酸、ポリコハク酸ブチルなどの繊維が る。
天然繊維糸とスリットヤーンの配合割合 、重量比で天然繊維糸:スリットヤーン=80:20 ~20:80の範囲が好ましい。この範囲であれば、 天然繊維糸とスリットヤーンが溶融した樹脂 の複合一体化を効率よく行える。
本発明の繊維強化樹脂用複合糸は、糸そ ものをロービング法などにより引き揃えてF RPに成形できる。その他、織物、編み物、多 挿入たて編み物、又は組み物とし、繊維強 樹脂用中間体とすることもできる。これら 中間体は、最終成形体に使用するためのプ プレグとすることもできる。織物、編み物 多軸挿入たて編み物は、シート状に成形し 使用でき、組み物はパイプ状に成形して使 できる。織物及び編み物の組織は、公知の かなる組織でも使用できる。
このような成形体を製造するには、金型 度を、スリットヤーン樹脂の融点以上、前 天然繊維の分解温度以下に加熱して加圧成 する。また、繊維強化樹脂用複合糸を少な とも一方向に配列し、金型温度を、スリッ ヤーン樹脂の融点以上、前記天然繊維の分 温度以下に加熱して加圧成形して繊維強化 脂成形体を得ることもできる。特に、天然 維中への熱可塑性樹脂の含浸性を考慮する らば、上記温度範囲であって、なるべく高 温度、例えば分解温度から0℃~20℃程度低い 温度で成形するのが好ましい。天然繊維とし て麻繊維を使用する場合は、金型温度として 200℃前後、例えば180~200℃程度が好ましい。 お、スリットヤーン樹脂の融点が120℃程度 ように、麻繊維の分解温度に比べ低い温度 場合には、融点温度から0℃~50℃程度高い温 で成形してもよい。
前記繊維強化熱可塑性樹脂成形体は、従 の公知の成形方法の使用が可能であり、ホ トスタンピング法、プリプレグ成形法、SMC 形法等が挙げられる。熱可塑性樹脂のフィ ムを溶融して圧縮加工したフィルムスタッ ング法により成形してもよい。
次に図面を用いて説明する。図1は本発明 の一実施形態における繊維強化樹脂用複合糸 の斜視図である。繊維強化樹脂用複合糸20は 2本の芯糸の天然繊維糸11,12と、2本の添え糸 であるスリットヤーン13,14の周囲を、スリッ ヤーン15a,15b,16a,16bでカバーリングしている スリットヤーン15a,15bはZ撚りであり、スリ トヤーン16a,16bはS撚りである。天然繊維糸11, 12は撚糸、解撚糸、無撚糸、結束糸、スライ ー糸などどのようなものであっても良い。 え糸のスリットヤーン13,14、巻きつけ糸の リットヤーン15a,15b,16a,16bは、繊維強化樹脂(F RP)にしたときにマトリックス樹脂となる熱可 塑性合成樹脂とする。繊維強化樹脂用複合糸 20の繊度は、80~1,500texの範囲が好ましい。
図2は本発明の別の実施形態における繊維 強化樹脂用複合糸の斜視図である。繊維強化 樹脂用複合糸21は、1本の芯糸の天然繊維糸17 周囲をスリットヤーン18,19でカバーリング ている。スリットヤーン18はZ撚りであり、 リットヤーン19はS撚りである。
図3は本発明の別の実施形態における繊維 強化樹脂用複合糸の斜視図である。繊維強化 樹脂用糸30は、天然繊維糸31と、その周囲の4 のスリットヤーン32a~32dを引き揃えたもので ある。スリットヤーン32a~32dは、例えばポリ ロピレンフィルム(厚さ5~300μm)を幅0.5~10mmに リットし、好ましい繊度は100~3000deci texとす る。天然繊維糸31は撚糸、解撚糸、無撚糸、 束糸、スライバー糸などどのようなもので っても良い。スリットヤーン32a~32dは、繊維 強化樹脂(FRP)にしたときにマトリックス樹脂 なる熱可塑性合成樹脂である。繊維強化樹 用糸30の繊度は、200~5,000deci texの範囲が好 しい。
図4は本発明の別の実施形態における繊維 強化樹脂用複合糸の斜視図である。繊維強化 樹脂用糸40は、図3に示す引き揃え30にPPフィ メント41を巻き付けたものである。このよう にすると一体性が向上する。
これらの糸を用いて、プレス法により成 体を成形する一例を説明する。図6Aは本発 の一実施例の加熱プレス法による成形方法 示す斜視図、図6Bは同成形方法の斜視図、図 6Cは同成形方法の断面図である。天然繊維糸 らなる芯糸表面にスリットヤーンを巻き付 た複合糸1a,1bを図6Aに示すように、メタルフ レーム2に一方向に巻き付ける。複合糸1a,1bの 巻きつけ本数は、例えば幅20mmに対し52本、巻 きつけ重量14gとした。図6Aに示すとおり、メ ルフレーム2に一定間隔を置いて2カ所巻き けた。この巻きつけた複合糸1a,1bに、図6B~C 示すように、熱プレス金型4,5によって天然 維糸とスリットヤーンを加熱加圧し、溶融 体化させる。スリットヤーンとしてポリプ ピレン(PP)フィルムをスリットしたものを用 る場合、スリットヤーンの融点は約164℃で る。天然繊維糸としてラミー紡績糸を用い 場合、その分解温度は約200℃である。この うな場合、金型温度は180~210℃、圧力は1~20MP a、加熱成形時間は0.5~20分程度が好ましい。
図7は、多軸挿入たて編み物の概念斜視図 である。複数の方向に各々配列された天然繊 維糸(例えば亜麻糸紡績糸)の周囲にスリット ーンを巻き付けた繊維強化樹脂用複合糸1a~1 fは、編針6に掛けられたステッチング糸7,8に って厚さ方向にステッチング(結束)され、 体化されている。このような多軸挿入たて み物を繊維補強中間体とし、加熱プレス成 することもできる。この多軸状の積層シー は、多方向に補強効果の優れた繊維強化プ スチックを得ることが可能となる。ステッ ング糸の代わりに、又は併用してバインダ を用いても良い。
以下実施例を用いて本発明を具体的に説 する。なお、本発明は下記の実施例に限定 れるものではない。
(実施例1)
本実施例においては、図1に示すような構造
の複合糸20を作製した。天然繊維糸11,12とし
ラミーの紡績糸(167tex、撚り数250回/m、平均
維長72mm)2本使用し、これに添え糸13,14として
44texのポリプロピレン(PP)スリットヤーン2本
引き揃えたものを芯糸とした。この芯糸の
面に、幅2mm、厚み50μm、44texのPPスリットヤ
ンをZ撚りで2本(15a,15b)、S撚りで2本(16a,16b)カ
ーリングマシンを用いてカバーリングする
とで1本の複合糸20を形成した。S撚り、Z撚
とも1mあたり300回巻き付けた。ラミー紡績糸
とPP糸の割合は、重量比で50:50であった。な
、カバーリング後の複合糸の拡大写真を3カ
撮影し、写真上で1cmの糸長さの範囲につい
、紡績糸面積及び被覆していない部分の面
を元に、スリットヤーンが芯糸をカバーリ
グする被覆率を算出したところ、3カ所平均
で99%の被覆率であった。
この複合糸20を用いて図6A~Cに示すプレス により成形体を作製した。すなわち、メタ フレーム2に、複合糸1a、1bを図6Aのように一 方向に巻きつけた。複合糸の巻きつけ回数は 26回とし、複合糸1aの本数は幅20mmに対し、上 それぞれ26本であり、合計52本であった。ま た、複合糸1bも同様に合計52本である。なお 図6Aに示すとおりメタルフレーム2に一定間 に2箇所巻き付けた。この巻きつけた複合糸 、図6B~Cに示すように、熱プレス金型4,5によ って複合糸20を加熱加圧し、溶融一体化させ 。PPスリット糸の融点が164℃であったので 金型温度は190℃と200℃に設定した。圧力は10 MPa、時間を10分とした。
得られた成形品を長さ180mmにカットし、 張試験片(長さ180mm、幅20mm、厚み約1.2mm)を作 した。なお、引張試験は、JIS K 7054:1995に じ、オートグラフ(島津製作所製:AG-IS)を用い て、つかみ具間距離100mm、試験速度1mm/minで行 った。これらの成形体の引張試験結果を表1 示す。金型温度200℃、5分で得られた成形体 含浸状態を示す光学顕微鏡により観察した 面写真を図8Aに示し、同200℃、10分で得られ た成形体の含浸状態を示す断面写真を図8Bに す。これらの写真の倍率は下線の長さ1mmと て示す(図9~13においても同じ)。
(比較例1)
ラミーの紡績糸(167tex)1本と37.8texのPPフィラ
ントヤーン3本を引き揃えたものを、37.8tex
PPフィラメント1本でカバーリングマシンを
いてカバーリングすることで1本の複合糸を
成した以外は、実施例1と同様とした。これ
らの成形体の引張試験結果を表1に示す。金
温度200℃、5分で得られた成形体の含浸状態
示す断面写真を図9Aに示し、同200℃、10分で
得られた成形体の含浸状態を示す断面写真を
図9Bに示す。
(備考1)ラミー糸:糸切れあり、成形不良と った。
表1から明らかなとおり、実施例1は比較 1に比べて、引張強度及び弾性率は弾性率及 強度とも高いことが確認できた。また、図8 A-B(実施例1の含浸状態を示す断面写真)及び図 9A-B(比較例1の含浸状態を示す断面写真)から 実施例1で得られた糸は、比較例1のそれと比 べて芯糸内部に空洞が少なく、樹脂が良く浸 透していることが分かる。
(実施例2)
本実施例においては、図2に示すような構造
の複合糸21を作製した。先ず天然繊維糸17と
てラミーの紡績糸(167tex)1本を使用し、幅2mm
厚み50μm、44texのPPスリットヤーン2本(18,19)を
、Z撚りで1本(18)、S撚りで1本(19)カバーリング
マシンを用いてカバーリングすることで1本
複合糸21を形成した。S撚り、Z撚りとも1mあ
り300回巻き付けた。ラミー紡績糸とPP糸の割
合は、重量比で43:57であった。なお、カバー
ング後の複合糸の拡大写真を3カ所撮影し、
写真上で1cmの糸長さの範囲について、紡績糸
面積及び被覆していない部分の面積を元に、
スリットヤーンが芯糸をカバーリングする被
覆率を算出したところ、3カ所平均で99%の被
率であった。
得られた複合糸21を用いて、図6A~Cに示す レス法により成形体を作製した。このとき メタルフレーム2への複合糸の巻きつけ回数 は52回とし、複合糸1aの本数は幅20mmに対し、 下それぞれ52本であり、合計104本であった また、複合糸1bも同様に合計104本である。上 記以外は、実施例1と同様に実施した。金型 度200℃、5分で得られた成形体の含浸状態を す断面写真を図10Aに示し、同200℃、10分で られた成形体の含浸状態を示す断面写真を 10Bに示す。比較として、比較例1で得られた を使用した。これらの成形体の引張試験結 を表2に示す。
(備考1)ラミー糸:糸切れあり、成形不良と った。
表2から明らかなとおり、実施例2は比較 1に比べて、引張強度及び弾性率は弾性率及 強度とも高いことが確認できた。また、図1 0A-B(実施例2の含浸状態を示す断面写真)から 実施例2で得られた糸は、実施例1と同様、芯 糸内部に空洞が少なく、樹脂が良く浸透して いることが分かる。
(実施例3)
本実施例においては、図3に示すような構造
の引き揃え糸30を作製した。天然繊維糸31と
てラミーの紡績糸(1670deci tex、撚り数250回/m
平均繊維長72mm)1本を使用し、これに引き揃
糸32a~32dとして、444deci texのポリプロピレン
(PP)スリットヤーン4本を引き揃えた。スリッ
ヤーン42a~42dは、幅1.2mm、厚み50μmであった
ラミー紡績糸とPP糸の割合は、ラミー48質量%
、PP52質量%であった。
この引き揃え糸30を用いて図6A~Cに示すプ ス法により成形体を作製した。すなわち、 タルフレーム2に、引き揃え糸1a、1bを図6Aの ように一方向に巻きつけた。引き揃え糸の巻 きつけ回数は52回とし、引き揃え糸1aの本数 幅20mmに対し、上下それぞれ52本であり、合 104本であった。また、引き揃え糸1bも同様に 合計104本である。なお、図6Aにあるとおりメ ルフレーム2に一定間隔に2箇所巻き付けた この巻きつけた糸に、図6B~Cに示すように、 プレス金型4,5によって引き揃え糸20を加熱 圧し、溶融一体化させた。PPスリット糸の融 点が164℃であったので、金型温度は190℃(実 番号1)と200℃(実験番号2)に設定した。圧力は 10MPa、成型時間を5分とした。
得られた成形品を長さ180mmにカットし、 張試験片(長さ180mm、幅20mm、厚み約1.2mm)を作 した。なお、引張試験は、JIS K 7054:1995に じ、オートグラフ(島津製作所製:AG-IS)を用い て、つかみ具間距離100mm、試験速度1mm/minで行 った。この実験の条件を表3に示し、成形体 引張試験結果を表4に示す。
金型温度190℃、5分の成形品を光学顕微鏡 により観察した断面写真を図11A~Cに示す。図1 1Aは成形体の幅方向に切断した断面写真、図1 1B~Cは図11Aの拡大断面写真である。図11B~Cから 明らかなとおり、断面にはボイトは見られず 、PPがラミー糸内に均一に浸透していた。金 温度200℃、5分の成形品の断面観察写真を図 12A~Cに示す。断面観察写真から、PPとラミー 維の複合一体化成形ができていることが確 できた。
(実施例4)
図4に示すような構造の引き揃え糸40を作製
た。実施例3で使用した引き揃え30を使用し
これにPPフィラメント(94deci tex、巻き付け
200回/m)41を巻き付けた。得られた複合糸40を
いて、実施例3と同様に成形した。この実験
の条件を表3に示し、成形体の引張試験結果
表4に示す。なお、ラミー紡績糸とPP糸の割
は、実施例3の複合糸とほぼ同じであった。
(比較例2)
図5示すような構造の引き揃え糸50を作製し
。天然繊維糸51としてラミーの紡績糸(1670dec
i tex(1500d)、撚り数250回/m、平均繊維長72mm)1本
を使用し、これに巻き付け糸として378deci tex
(340d)のポリプロピレン(PP)フィラメントヤー
4本をカバーリング糸として巻きつけた。フ
ラメントヤーン52a~52bはS撚りであり、52c~52d
Z撚りである。得られた引き揃え糸50を用い
、実施例3と同様に成形した。この実験の条
件を表3に示し、成形体の引張試験結果を表4
示す。
金型温度200℃、5分の成形品を光学顕微鏡 により観察した断面写真を図13A~Bに示す。図1 3Aは成形体の幅方向に切断した断面写真、図1 3Bは図13Aの拡大断面写真である。図13Bから明 かなとおり、断面にはボイトが観察され、P Pがラミー糸内に不均一に浸透していた。
(比較例3)
前記特許文献3に開示されている、天然繊維
糸と合成樹脂フィルムとを溶融一体化した繊
維強化樹脂成形体の例を示す。天然繊維糸と
してラミーの紡績糸(1670deci tex(1500d)、撚り数
250回/m、平均繊維長72mm)1本を使用し、図6Aに
すようにメタルフレーム2に一方向に巻きつ
た。巻きつけ回数は52回とし、糸1aの本数は
幅20mmに対し、上下それぞれ52本であり、合計
104本であった。また、糸1bも同様に合計104本
した。図6Aにあるとおりメタルフレーム2に
定間隔に2箇所巻き付けた。この巻きつけた
糸1a,1a間、糸1b,1b間、糸1a,1bと金型4の間、糸1a
,1bと金型5の間にそれぞれ厚み200μm、幅20mmの
リプロピレン(PP)フィルムを配置し、図6B~C
示すように、熱プレス金型4,5によって加熱
圧し、溶融一体化させた。金型温度は190℃(
験番号1)と200℃(実験番号2)に設定した。圧
は10MPa、成型時間を5分とした。この実験の
件を表3に示し、成形体の引張試験結果を表4
に示す。
表4から明らかなとおり、実施例3~4は比較 例2~3に比べて、弾性率は高いことが確認でき た。また、図11~12(実施例3の含浸状態を示す 面写真)及び図13(比較例2の含浸状態を示す断 面写真)から、実施例3で得られた糸は、比較 2のそれと比べて芯糸内部に空洞が少なく、 樹脂が均一に浸透していることが分かる。加 えて、比較例3のフィルムスタック法は、FRTP 形時に合成樹脂フィルムを積層する操作が 要であり、操作性が悪く生産性が低下する ともに、成形温度が低い場合において、熱 塑性樹脂を天然繊維糸内に均一に含浸させ ことが困難であった。
1a~1f,20,21,30,40,50 複合糸
2 メタルフレーム
4,5 熱プレス金型
6 編針
7,8 ステッチング糸
11,12,17,31,51 天然繊維糸
13,14,32a~32d 添え糸のスリットヤーン
15a~15b,16a~16b,18,19 巻き付け糸のスリットヤー
41,52a~52d 巻き付けフィラメント
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