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Title:
COMPOSITION FOR COATING PAPER/FIBER PRODUCTS, COATING FILM, AND PAPER/FIBER PRODUCT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/125756
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a composition for coating paper/fiber products made from an acrylic-based emulsion, the film of which has excellent blocking resistance and wet abrasion resistance, and that has excellent film formation properties at room temperature. The coating composition for paper/fiber products is made from an acrylic-based emulsion containing a polymer (A1) with a glass transition temperature in the range of -70ºC to 0ºC, a polymer (A2) with a glass transition temperature in the range of 50ºC to 100ºC, and which are obtained from a (meth)acrylic acid ester monomer alone or by polymerizing a (meth)acrylic acid ester monomer and a styrene monomer, and shellac, wherein which coating composition for paper/fiber products, the combined average glass transition temperature of the aforementioned polymer (A1) and polymer (A2) is 20ºC or less.

Inventors:
ISHIDA, Takuya (Konishi Co. Ltd., 3-35, Nishibori 5-chome, Sakura-ku, Saitama-sh, Saitama 32, 33808, JP)
石田 卓也 (〒32 埼玉県さいたま市桜区西堀5丁目3番35号 コニシ株式会社浦和研究所内 Saitama, 33808, JP)
YAMAMOTO, Shinobu (Konishi Co. Ltd., 3-35, Nishibori 5-chome, Sakura-ku, Saitama-sh, Saitama 32, 33808, JP)
Application Number:
JP2009/057103
Publication Date:
October 15, 2009
Filing Date:
April 07, 2009
Export Citation:
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Assignee:
KONISHI CO., LTD. (6-10, Doshomachi 1-chome Chuo-ku, Osaka-sh, Osaka 45, 54100, JP)
コニシ株式会社 (〒45 大阪府大阪市中央区道修町1丁目6番10号 Osaka, 54100, JP)
ISHIDA, Takuya (Konishi Co. Ltd., 3-35, Nishibori 5-chome, Sakura-ku, Saitama-sh, Saitama 32, 33808, JP)
石田 卓也 (〒32 埼玉県さいたま市桜区西堀5丁目3番35号 コニシ株式会社浦和研究所内 Saitama, 33808, JP)
International Classes:
D21H19/20; C08F2/44; C08F289/00; C08L25/14; C08L33/08; C08L93/02; C09D5/02; C09D7/12; C09D125/14; C09D133/06; D06M15/263; D06M15/507; D21H19/22
Attorney, Agent or Firm:
TSUKUNI, Hajime (SVAX TS Bldg, 22-12Toranomon 1-chome,Minato-k, Tokyo 01, 10500, JP)
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Claims:
 下記の重合体(A1)、重合体(A2)およびセラックを含有するアクリル系エマルジョンからなる紙・繊維製品のコーティング用組成物であって、前記重合体(A1)および重合体(A2)の合計の平均ガラス転移温度が20℃以下であることを特徴とする紙・繊維製品のコーティング用組成物。
 重合体(A1):(メタ)アクリル酸エステルモノマー単独、または(メタ)アクリル酸エステルモノマー及びスチレンモノマーを重合して得られる、ガラス転移温度が-70℃以上0℃以下の範囲にある重合体。
 重合体(A2):(メタ)アクリル酸エステルモノマー単独、または(メタ)アクリル酸エステルモノマー及びスチレンモノマーを重合して得られる、ガラス転移温度が50℃以上100℃以下の範囲にある重合体。
 前記セラックを含有する分散剤中で、(メタ)アクリル酸エステルモノマー単独、または(メタ)アクリル酸エステルモノマー及びスチレンモノマーを重合して得られる前記重合体(A1)および重合体(A2)を含有することを特徴とする請求項1に記載の紙・繊維製品のコーティング用組成物。
 前記重合体(A1)、重合体(A2)およびセラックを混合して得られることを特徴とする請求項1に記載の紙・繊維製品のコーティング用組成物。
 前記セラックの含有量が、コーティング用組成物の全固形分に対して2~20質量%であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの項に記載の紙・繊維製品のコーティング用組成物。
 前記重合体(A1)および重合体(A2)が、(メタ)アクリル酸エステルモノマー単独または(メタ)アクリル酸エステルモノマー及びスチレンモノマーに、さらにそれらのモノマーと共重合可能な他のビニル系重合性単量体を重合して得られる重合体である請求項1乃至4のいずれかの項に記載の紙・繊維製品のコーティング用組成物。
 請求項1乃至5のいずれかの項に記載の紙・繊維製品のコーティング用組成物から得られるコーティング皮膜であって、示差走査熱量測定によって測定されるガラス転移温度が、50℃以上100℃以下及び-70℃以上0℃以下の各領域にそれぞれ1つ以上あることを特徴とするコーティング皮膜。
 請求項1乃至5のいずれかの項に記載の紙・繊維製品のコーティング用組成物によって表面処理されていることを特徴とする紙・繊維製品。
Description:
紙・繊維製品のコーティング用 成物、コーティング皮膜および紙・繊維製

 本発明は、紙製品や不織布等の繊維製品 コーティング用組成物、コーティング皮膜 らびに該コーティング用組成物で処理され 紙・繊維製品に関するものである。

 紙袋、バッグ、表紙、化粧箱、壁紙等の 製品や不織布等の繊維製品においては、表 にコーティング剤を塗布し、紙・繊維製品 体及び紙・繊維製品の表面に施された印刷 を保護することが行われている。

 このようなコーティング剤には、一般に 水性、耐摩擦性、耐ブロッキング性等の諸 能が求められるために、紙や繊維との密着 や塗工性に優れているアクリル系エマルジ ンを用いたコーティング剤が知られている

 例えば、特許文献1では、分子内にカルボ キシル基を含有するエチレン性重合モノマー 、エポキシシランカップリング剤およびその 他のエチレン性重合モノマーを乳化重合して 得られた水性樹脂エマルジョンと、フッ素系 撥水撥油剤からなるフッ素樹脂含有水性樹脂 エマルジョンが提案されている。しかし、特 許文献1では、重合系内でカルボキシル基含 モノマーとエポキシシランカップリング剤 反応させるため、耐水性、耐摩擦性は得ら るものの、未だ十分な耐湿摩擦性を得るこ ができないという問題があった。

 また、特許文献2では、カルボニル基を有 するα,β-エチレン性不飽和モノマーを10~20重 %含有し、ガラス転移温度が60℃以上のアク ル樹脂粒子100重量部に対して、分子量174~316 のヒドラジン-アジピン酸縮合物5~20重量部を む水性オーバープリントワニス組成物が提 されている。これは、カルボニル基とヒド ジン-アジピン酸縮合物との反応によって、 堅牢かつ光沢に優れた塗膜を形成するもので あるが、実際には40℃で6時間程度の乾燥時間 (反応時間)が必要であった。

特開2005-179473号公報

特開平6-212094号公報

 コーティング皮膜に耐湿摩擦性を付与す ためには、皮膜物性を比較的柔らかくすれ よく、そのためにはガラス転移温度が低い クリル系エマルジョン用いればよい。しか 、ガラス転移温度が低いアクリル系エマル ョンから得られる皮膜は、常温で粘着性を 現するので、耐ブロッキング性が低下する いう問題点がある。

 一方、耐ブロッキング性を得るために、 較的高いガラス転移温度を有するアクリル エマルジョンを用いた場合には、皮膜の耐 摩擦性が低下すると共に常温での成膜性も 下するという問題が発生する。

 本発明は、上記のような問題点を解決す ためになされたものであり、皮膜の耐ブロ キング性および耐湿摩擦性に優れ、かつ常 での成膜性に優れたアクリル系エマルジョ からなる紙・繊維製品のコーティング用組 物を提供することを目的とする。

 また、本発明は、上記の紙・繊維製品の ーティング用組成物からなるコーティング 膜ならびに該コーティング用組成物で処理 れた紙・繊維製品を提供することを目的と る。

 上記課題を解決するために、本発明者ら 鋭意研究した結果、アクリル系エマルジョ 中に異なるガラス転移温度を有する重合体 らなる粒子を混在させ、かつセラックを配 することによって、皮膜の耐ブロッキング および耐湿摩擦性に優れ、かつ常温での成 性に優れるコーティング用組成物が得られ ことを見出し、本発明を完成させるに至っ 。

 すなわち、本発明は、下記の重合体(A1)、 重合体(A2)およびセラックを含有するアクリ 系エマルジョンからなる紙・繊維製品のコ ティング用組成物であって、前記重合体(A1) よび重合体(A2)の合計の平均ガラス転移温度 が20℃以下であることを特徴とする紙・繊維 品のコーティング用組成物である。

 重合体(A1):(メタ)アクリル酸エステルモノ マー単独、または(メタ)アクリル酸エステル ノマー及びスチレンモノマーを重合して得 れる、ガラス転移温度が-70℃以上0℃以下の 範囲にある重合体。

 重合体(A2):(メタ)アクリル酸エステルモノ マー単独、または(メタ)アクリル酸エステル ノマー及びスチレンモノマーを重合して得 れる、ガラス転移温度が50℃以上100℃以下 範囲にある重合体。

 また、本発明は、上記の紙・繊維製品の ーティング用組成物から得られるコーティ グ皮膜であって、示差走査熱量測定によっ 測定されるガラス転移温度が、50℃以上100 以下及び-70℃以上0℃以下の各領域にそれぞ 1つ以上あることを特徴とするコーティング 皮膜である。

 さらに、本発明は、上記の紙・繊維製品 コーティング用組成物によって表面処理さ ていることを特徴とする紙・繊維製品であ 。

 本発明の紙・繊維製品のコーティング用組 物は、皮膜の耐ブロッキング性および耐湿 擦性に優れ、かつ常温での成膜性に優れる いう効果を奏する。
 また、本発明のコーティング用組成物から られるコーティング皮膜又は該コーティン 用組成物によって表面処理された紙・繊維 品は、耐湿摩擦性及び耐ブロッキング性に れるという効果を奏する。

 以下、本発明を実施するための最良の形 を、詳細に説明する。なお、本発明はこれ の例示にのみ限定されるものではなく、本 明の要旨を逸脱しない範囲内において種々 変更を加え得ることは勿論である。

 本発明に係る紙・繊維製品のコーティン 用組成物は、下記の重合体(A1)、重合体(A2) よびセラックを含有するアクリル系エマル ョンからなる紙・繊維製品のコーティング 組成物であって、前記重合体(A1)および重合 (A2)の合計の平均ガラス転移温度が20℃以下 あることを特徴とする。

 重合体(A1):(メタ)アクリル酸エステルモノ マー単独、または(メタ)アクリル酸エステル ノマー及びスチレンモノマーを重合して得 れる、ガラス転移温度が-70℃以上0℃以下の 範囲にある重合体。

 重合体(A2):(メタ)アクリル酸エステルモノ マー単独、または(メタ)アクリル酸エステル ノマー及びスチレンモノマーを重合して得 れる、ガラス転移温度が50℃以上100℃以下 範囲にある重合体。

 本発明においては、アクリル系エマルジ ン中に異なるガラス転移温度を有する重合 (A1)および重合体(A2)からなる粒子を混在さ 、なおかつセラックを配合することによっ 、耐湿摩擦性、常温での成膜性と、紙・繊 製品の耐ブロッキング性という互いに相反 る性能を発現させることができる。なお、 願においては、アクリル酸エステルとメタ リル酸エステルとをあわせて「(メタ)アクリ ル酸エステル」と表記する。

 本発明のコーティング用組成物は、前記 ラックを含有する分散剤中で、(メタ)アク ル酸エステルモノマー単独、または(メタ)ア クリル酸エステルモノマー及びスチレンモノ マーを重合して得られる重合体(A1)および重 体(A2)を含有することが好ましい。セラック 含有する分散剤中で、重合体(A1)および重合 体(A2)の重合を行うことによって、さらに効 的に皮膜の耐湿摩擦性、常温での成膜性と 紙・繊維製品の耐ブロッキング性という互 に相反する性能を発現させることができる

 また、本発明のコーティング用組成物は 前記重合体(A1)、重合体(A2)およびセラック 混合して得られる紙・繊維製品のコーティ グ用組成物が好ましい。

 [アクリル系エマルジョンについて]
 本発明におけるアクリル系エマルジョンは (メタ)アクリル酸エステルモノマー単独、 たは(メタ)アクリル酸エステルモノマー及び スチレンモノマーを重合して得られる重合体 (A1)と重合体(A2)、およびセラックを含有し、 記重合体(A1)および重合体(A2)の合計の平均 ラス転移温度が20℃以下であることを特徴と する。

 重合体(A1)はガラス転移温度が-70℃以上0 以下の範囲にあるポリマー粒子(A1)であり、 り好ましくは-50℃以上-20℃以下の範囲であ 。重合体(A2)はガラス転移温度が50℃以上100 以下の範囲にあるポリマー粒子(A2)であり、 より好ましくは70℃以上90℃以下である。

 本発明においては、エマルジョン中にガ ス転移温度が異なる粒子(A1)、(A2)が混在し 存在することが必要である。その理由は定 ではないが、本発明者らは以下のように推 している。このようなガラス転移温度が異 る粒子が混在するエマルジョンが成膜する 、その皮膜はミクロ的に高ガラス転移温度 ポリマーがリッチな領域と、低ガラス転移 度のポリマーがリッチな領域とが混在する 均一構造となるものと考えられる。皮膜が クロ的にこのような不均一構造をとること よって、耐湿摩擦性、常温での成膜性と、 ・繊維製品の耐ブロッキング性という互い 相反する性能を発現させることができるも と考える。

 したがって、アクリル系エマルジョンを得 ための方法としては、このような異なるガ ス転移温度を有する粒子が混在する状態を じさせる方法であれば特に制限されない。
 例えば、ガラス転移温度の異なる2種の重合 体(A1)および重合体(A2)を含有するエマルジョ を混合する方法が挙げられる。

 また、同一の重合装置で連続的に異なる ノマー組成からなる重合体(A1)および重合体 (A2)を含有するエマルジョンを重合する方法 もよい。このような重合方法は一般的には 段重合法と呼ばれるが、多段重合を行う場 には前段の反応を完了させた後、後段の重 を行うことによって異なるガラス転移温度 有する粒子を混在させることが可能となる 混合方法と比較すると、同一の重合装置で 造できることから工程上のメリットが大き ため多段重合法がより好ましい。

 [(メタ)アクリル酸エステルモノマー及びス レンモノマーについて]
 本発明においては、重合体(A1)および重合体 (A2)を得るために、メタ)アクリル酸エステル ノマー単独、または(メタ)アクリル酸エス ルモノマー及びスチレンモノマーを用いる とができる。

 本発明で用いられる(メタ)アクリル酸エ テルモノマーとしては、アクリル酸、メタ リル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エ ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチル ヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸 2-ヒドロキシエチルなどのアクリル酸エステ ;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル 、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2-エチ ヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタク ル酸2-ヒドロキシエチルなどのメタクリル エステル;アクリル酸ジメチルアミノエチル メタクリル酸ジメチルアミノエチルおよび れらの四級化物など従来公知の化合物が挙 られる。これらの中では、得られた皮膜の 水度が低くなる結果として耐湿摩擦性によ 優れるため、疎水モノマーが特に好ましい

 また、上記(メタ)アクリル酸エステルモ マーとスチレンモノマーとを共重合させて よい。スチレンモノマーの使用量は,平均ガ ス転移温度の範囲内であれば、特に限定さ ない。

 また、本発明においては、重合体(A1)およ び重合体(A2)が、(メタ)アクリル酸エステルモ ノマー単独または(メタ)アクリル酸エステル ノマー及びスチレンモノマーに、さらに本 明の効果を損なわない範囲で、それらのモ マーと共重合可能な他のビニル系重合性単 体を重合して得られる重合体であってもよ 。

 (メタ)アクリル酸エステルモノマー、ス レンモノマーと共重合可能な他のビニル系 合性単量体としては、エチレン性不飽和単 体、ジエン系単量体等の単量体が挙げられ 。これらの単量体の具体例としては、エチ ン、プロピレン、イソブチレンなどのオレ ィン;塩化ビニル、フッ化ビニル、ビニリデ クロリド、ビニリデンフルオリドなどのハ ゲン化オレフィン;ギ酸ビニル、酢酸ビニル 、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニ ルなどのビニルエステル;さらには、アクリ アミド、メタクリルアミド、N-メチロールア クリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン およびそのナトリウム塩などのアクリルア ド系単量体;α-メチルスチレン、p-スチレン ルホン酸およびナトリウム、カリウム塩な の他のスチレン系単量体;その他N-ビニルピ リドンなど、また、ブタジエン、イソプレ 、クロロプレンなどのジエン系単量体が挙 られる。これらの化合物は1種または2種以上 の混合物であってもよい。

 [ガラス転移温度について]
 本発明におけるアクリル系エマルジョンに 有されている重合体(A1)および重合体(A2)の ラス転移温度は、重合体(A1)および重合体(A2) を得るために用いられる、それぞれの(メタ) クリル酸エステルモノマー、スチレンモノ ー、他のビニル系重合性単量体のホモポリ ーのガラス転移温度から、以下のFOX(Gordon-Ta ylor)の式を用いて求められる。

 FOXの式: 1/Tg=(a 1 /Tg 1 )+・・・+(a n /Tg n )
 上記のFOXの式において、
 Tg:ガラス転移温度(単位:K)、
 Tg n :第n番目の(メタ)アクリル酸エステルモノマ 、スチレンモノマーまたは他のビニル系重 性単量体のホモポリマーのガラス転移温度( 位:K)、
 a n :第n番目の((メタ)アクリル酸エステルモノマ 、スチレンモノマーまたは他のビニル系重 性単量体の重量分率
 n:モノマーの数
 を表わす。

 また、ホモポリマーのガラス転移温度は 文献「T.G.Fox,Bulletin Am.Physics Sci.,1(3),123(1956) 」に記載されている値から求められる。例え ば、メタクリル酸メチルのホモポリマーガラ ス転移温度は105℃、メタクリル酸2-エチルヘ シルのホモポリマーのガラス転移温度は-70 である。((株)高分子刊行会発行「合成ラテ クスの応用」1993年7月10日第一版158ページ参 照)。

 そして、重合体(A1)においては、FOXの式に より算出されるガラス転移温度が-70℃以上0 以下の範囲にある。重合体(A2)においては、F OXの式により算出されるガラス転移温度が50 以上100℃以下の範囲にある。

 また、アクリル系エマルジョン全体とし 、重合体(A1)および重合体(A2)の合計の平均 ラス転移温度が20℃以下である。即ち。FOXの 式により算出される、使用されるモノマー総 体の平均ガラス転移温度が20℃以下である。

 本発明のアクリル系エマルジョンに含有 れる重合体(A1)および重合体(A2)の含有量は 重合体(A1)および重合体(A2)の合計の平均ガラ ス転移温度の範囲内であれば特に限定されな い。

 [セラックについて]
 本発明におけるセラックは、南洋植物に寄 するラック貝殻虫の分泌する樹脂状物質を 製したものである。セラックは、例えばア ウリチン酸とジャラール酸又はラクシジャ ール酸とがエステル結合した軟化樹脂やそ 軟化樹脂が数個結合したもの等、多数の樹 酸の混合物を含有している。

 このようなセラックは市販されており、例 ば岐阜セラック(株)製の「N811」、日本シェ ック(株)製の「NSC」等として商業的に入手 ることができる。
 本発明においては市販のセラックを、水に 解させるためにアルカリで中和したアルカ 塩として使用することが好ましい。セラッ をアルカリで中和して使用する場合、セラ クの中和度はセラックの全酸価に対し80%以 が好ましい。中和度が80%を下回ると水溶化 にくくなる。また、中和に用いるアルカリ 質は特に限定されるものではないが、アン ニア、トリエタノールアミン、モルホリン の揮発性物質を用いることが好ましい。

 本発明において、セラックはエマルジョ を得た後に添加してもよい。また、セラッ 単独を分散剤として用いて、エマルジョン 重合してもよいし、セラックと他の分散剤 を併用してもよい。より効果的に皮膜の耐 摩擦性、常温での成膜性と、紙・繊維製品 耐ブロッキング性を得るためには、セラッ と分散剤とを併用して重合を行うのが特に ましい。

 本発明においてセラックは、コーティン 用組成物の全固形分に対して2~20質量%、好 しくは5~15質量%含有される。2質量%を下回る 常温での耐湿摩擦性の観点で不具合が生じ 20質量%を超えると高コスト、高粘度となっ しまい実使用が困難になるなどの不具合が じる。

 [分散剤について]
 本発明における他の分散剤は、上述の(メタ )アクリル酸エステルモノマー、スチレンモ マーをエマルジョン重合するに際して、こ らのモノマーを水中に安定分散するための 護コロイド又は界面活性剤である。上述の うにセラックと分散剤とを併用するのが好 しい。

 本発明で用いられる分散剤としては、保 コロイドとしては、ポリビニルアルコール ポリアクリル酸、ヒドロキシエチルセルロ ス等の従来公知の水溶性高分子が挙げられ 。界面活性剤としては、例えばアルキル硫 エステル、ポリオキシエチレンアルキルエ テル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンス ホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸 、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルジ ェニルエーテルジスルホン酸塩、ナフタレ スルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシ チレン多環フェニルエーテル硫酸エステル 、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニ エーテル硫酸エステル塩などのアニオン性 面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエ テル、ポリオキシアルキレンアルキルエー ル、ポリオキシエチレン多環フェニルエー ル、ポリオキシエチレンジスチレン化フェ ルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル ェニルエーテルなどのノニオン性界面活性 、脂肪族炭化水素基を有する第一級アミン 、第二級アミン塩、第三級アミン塩、第四 アンモニウム塩、この第四級アンモニウム のカチオン性界面活性剤としてはラウリル リメチルアンモニウムクロライド、セチル リメチルアンモニウムクロライド、ステア ルトリメチルアンモニウムクロライドなど カチオン性界面活性剤が挙げられる。また 重合性のアリル基含有ポリオキシエチレン ルキルエーテル硫酸エステル塩、アリル基 有ポリオキシエチレンアルキルエーテル等 いわゆる反応性界面活性剤も用いることが きる。他の分散剤の使用量は、使用する重 性モノマー100質量部に対して1~10質量部が好 ましい。

 乳化重合に用いられる重合開始剤は、例 ば、ラジカル重合触媒、レドックス重合触 の中から適宜選択して使用できる。重合開 剤の具体例を示すと、水溶性開始剤の例と ては過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム の過硫酸塩が挙げられ、レドックス系開始 としては過酸化水素、クメンヒドロパーオ サイド、t-ブチルパーオキサイド、過硫酸 等の開始剤とグルコース、デキストロース ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシラ ト、亜硫酸水素ナトリウムなどの還元剤と 組み合わせが挙げられる。油溶性開始剤と ては、アゾビスイソブチロニトリルなどの ゾ化合物、ベンゾイルパーオキサイドなど 過硫酸物等が挙げられる。また、重合開始 の使用量は、使用する重合性モノマー100質 部に対して0.01~0.5質量部が好ましい。

 [その他成分について]
 また、その他の成分として、増粘剤、中和 、安定剤、レベリング剤、可塑剤、消泡剤 防カビ剤、アルコール類などの添加剤、ク ー、タルク、炭酸カルシウム、コロイダル リカ、シリカのような無機充填剤が目的に じて適宜配合されていてもよい。
 特に、つや消しタイプのコーティング皮膜 得るためには、本発明のコーティング用組 物にシリカを配合する事が好ましい。シリ の種類としては特に限定されないが、未処 のものや表面を無機物や有機物等で処理を したものを用いることもできる。つや消し 使用されるシリカとしては、平均粒子径が1 ~10μmであるものが好ましい。なお、ここでい う平均粒子径とは、コールターカウンター法 により測定されるものである。
 本発明においてシリカの配合量は、つや消 等のコーティングとしての諸性能が損なわ ない範囲内であれば特に限定されないが、 えばシリカを配合したコーティング用組成 の全固形分に対して1~30質量%、好ましくは1~ 20質量%が望ましい。
 また、シリカの沈降防止剤として従来公知 界面活性剤、分散剤等を組み合わせて用い ことができる。

 [コーティング皮膜]
 本発明のコーティング皮膜は、上記の紙・ 維製品のコーティング用組成物から得られ コーティング皮膜であって、示差走査熱量 定によって測定されるガラス転移温度が、5 0℃以上100℃以下及び-70℃以上0℃以下の各領 にそれぞれ1つ以上あることを特徴とする。

 [示差走査熱量測定(DSC測定)について]
 本発明におけるアクリル系エマルジョンは 下記条件で示差走査熱量測定(DSC測定)を行 、ガラス転移温度をJIS K7121に準拠して求め 際に、50℃以上100℃以下及び-70℃以上0℃以 の各領域内に、それぞれ1つ以上の補外ガラ ス転移開始温度(Tig)が測定される。なお、測 に際しては、コーティング用組成物を成膜 てフィルム状にしたものを用いる。

  装置名    ; (株)島津製作所社製DSC-50
  パン     ; アルミパン(非気密型)
  試料質量   ; 10mg
  昇温開始温度 ; -80℃
  昇温終了温度 ; 110℃
  昇温速度   ; 10℃/min
  雰囲気    ; 窒素

 [本発明のコーティング用組成物による紙・ 繊維の表面処理について]
 本発明のコーティング用組成物を使用して ・繊維等を表面処理して加工する方法とし は公知の方法を使用できる。すなわち、紙 繊維等の被処理物にフレキソ印刷機、グラ ア印刷機等一般的な印刷方法によって印刷( 塗布・コート)することができ、その後常温 燥工程又は加熱乾燥工程を経て表面処理さ る。

 以下、本発明を実施例に基づいて詳細に 明するが、本発明は実施例に限定されるも ではない。なお、以下の実施例および比較 において「部」および「%」は、特に断らな い限り質量基準を表す。

 [試験方法と評価基準]
 コーティング用組成物の耐湿摩擦性、成膜 及びこれを塗工した紙・繊維製品の耐ブロ キング性を下記の要領で評価した。

 <耐湿摩擦性試験>
 樹脂/顔料の固形分比=1/1の水系フレキソイ キをバーコーター#3(塗布量:4g/m 2 (固形分換算:1.6g/m 2 ))でコート紙に塗工し、23℃50%RHで24時間乾燥 た。その後、実施例および比較例で得られ コーティング用組成物をバーコーター#3(塗 量:4g/m 2 (固形分換算:1.6g/m 2 ))で塗工し、23℃50%RHで24時間乾燥し、試料を 成した。コーティング用組成物を塗工した 料の表面を水で湿した(75%湿潤度)綿布(カナ ン3号)で、荷重500gを乗せて30回往復させ、 布へのインキの転着を比較した。

 <評価基準>
  ◎:インキの転着がない
  ○:ややインキの転着がある
  △:インキの転着がある
  ×:非常にインキの転着がある
 <成膜性試験>
 JIS K6828-2に従い、MFFT(最低造膜温度)を測定 た。

 <耐ブロッキング性試験>
 耐湿摩擦性試験と同様に試料を作製した。 の試料のコーティング用組成物の塗工面同 を重ね合わせ、荷重100g/cm 2 をかけて、50℃95%RH雰囲気下で24時間放置後、 塗布面同士を剥がした際のブロッキング性を 比較した。

 <評価基準>
  ○:ブロッキング無し
  △:ややブロッキングしている
  ×:ブロッキングしている

 [コーティング用組成物の製造例]
 実施例1
 撹拌装置付きフラスコに脱イオン水を143部 込み、乳化剤(ペレックスSS-H:花王社製)3.6部 をその中に添加し、撹拌して乳化剤水溶液を 得た。この中にメタクリル酸メチル(ガラス 移温度は105℃)160部、メタクリル酸2-エチル キシル(ガラス転移温度は-70℃)20部の混合物( FOXの式より求めたガラス転移温度Tg 1 72℃)を徐々に添加してモノマー乳化物(M-1)を た。

 次に、撹拌装置付きフラスコに脱イオン水 140部仕込み、乳化剤(ペレックスSS-H:花王社 )5部をその中に添加し、撹拌して乳化剤水 液を得た。この中にメタクリル酸メチル40部 、メタクリル酸2-エチルヘキシル170部の混合 (FOXの式より求めたガラス転移温度Tg 2 -50℃)を徐々に添加してモノマー乳化物(M-2)を 得た。

 別のコンデンサー及び撹拌装置付きフラ コに脱イオン水を250部と、セラック(PEARL N- 811:岐阜セラック社製)45部、乳化剤(ペレック SS-H:花王社製)4部を仕込み、撹拌しながら25% アンモニア水7部を添加し、75℃まで昇温、30 間温度を維持しセラックを溶解させた水溶 (C)を得た。

 その後、水溶液(C)の温度を75℃に設定して 上記モノマー乳化物(M-1)を過硫酸カリウム水 溶液(4%溶液)10部とともに撹拌下、窒素ガス気 流中で100分、滴下して乳化重合し、60分間温 を維持したまま熟成した。その後、水溶液( C)の温度を75℃に維持したまま、上記モノマ 乳化物(M-2)を過硫酸カリウム水溶液(4%溶液)10 部とともに撹拌下、窒素ガス気流中で120分、 滴下して乳化重合し、60分間温度を維持した ま撹拌した。その後、脱イオン水で固形分4 0%に調整し水性エマルジョン(C-1)を得た。こ エマルジョンについて、FOXの式より求めた ノマー全体の平均ガラス転移温度Tg 3 は-6.8℃である。

 以下にFOXの式より、上記のガラス転移温度 算出する方法を示す。
(1)モノマー乳化物(M-1)
   1/Tg 1 =160/180×1/(105+273)
         +20/180×(-70+273)
   Tg 1 は345(K)であり、Tg 1 =72(℃)となる。
(2)モノマー乳化物(M-2)
   1/Tg 2 =40/210×1/(105+273)
         +170/210×(-70+273)
   Tg 2 は223(K)であり、Tg 2 =-50(℃)となる。
(3)エマルジョン(モノマー全体)
   1/Tg 3 =200/390×1/(105+273)
         +190/390×(-70+273)
   Tg 3 は266(K)であり、Tg 3 =-6.8(℃)となる。

 実施例2
 撹拌装置付きフラスコに脱イオン水を252部 込み、乳化剤(ペレックスSS-H:花王社製)7.8部 をその中に添加し、撹拌して乳化剤水溶液を 得た。この中にメタクリル酸メチル320部、メ タクリル酸2-エチルヘキシル40部の混合物(FOX 式より求めたガラス転移温度72℃)を徐々に 加してモノマー乳化物(M-3)を得た。

 別のコンデンサー及び撹拌装置付きフラ コに脱イオン水を200部と、乳化剤(ペレック スSS-H:花王社製)4部を仕込み、75℃まで昇温し た。その後水溶液の温度を75℃に設定して、 記モノマー乳化物(M-3)を過硫酸カリウム水 液(4%溶液)10部とともに撹拌下、窒素ガス気 中で100分、滴下して乳化重合し、60分間温度 を維持したまま熟成した。その後、脱イオン 水で固形分40%に調整し水性エマルジョン(C-2) 得た。

 次に撹拌装置付きフラスコに脱イオン水 260部仕込み、乳化剤(ペレックスSS-H:花王社 )9.3部をその中に添加し、撹拌して乳化剤水 溶液を得た。この中にメタクリル酸メチル80 、メタクリル酸2-エチルヘキシル340部の混 物(FOXの式より求めたガラス転移温度-50℃)を 徐々に添加してモノマー乳化物(M-4)を得た。

 別のコンデンサー及び撹拌装置付きフラ コに脱イオン水を200部と、乳化剤(ペレック スSS-H:花王社製)4部を仕込み、75℃まで昇温し た。その後水溶液の温度を75℃に設定して、 記モノマー乳化物(M-4)を過硫酸カリウム水 液(4%溶液)10部とともに撹拌下、窒素ガス気 中で100分、滴下して乳化重合し、60分間温度 を維持したまま熟成した。その後、脱イオン 水で固形分40%に調整し水性エマルジョン(C-3) 得た。

 さらに別のコンデンサー及び撹拌装置付 フラスコに脱イオン水を415部と、セラック( PEARL N-811:岐阜セラック社製)90部、を仕込み 撹拌しながら25%アンモニア水14部を添加し、 75℃まで昇温、30分間温度を維持しセラック 溶解させることでセラック水溶液(C-4)を得た 。

 上記で得られた(C-2)を26.4部、(C-3)を22.5部 (C-4)を4.9部それぞれ混合し、脱イオン水で 形分40%に調整し水性エマルジョン(C-5)を得た 。

 比較例1
 撹拌装置付きフラスコに脱イオン水を260部 込み、乳化剤(ペレックスSS-H:花王社製)9.3部 をその中に添加し、撹拌して乳化剤水溶液を 得た。この中にメタクリル酸メチル347部、メ タクリル酸2-エチルヘキシル43部の混合物(FOX 式より求めたガラス転移温度72℃)を徐々に 加してモノマー乳化物(M-5)を得た。

 別のコンデンサー及び撹拌装置付きフラ コに脱イオン水を250部と、セラック(PEARL N- 811:岐阜セラック社製)45部、乳化剤(ペレック SS-H:花王社製)4部を仕込み、撹拌しながら25% アンモニア水7部を添加し、75℃まで昇温、30 間温度を維持しセラックを溶解させた。そ 後水溶液の温度を75℃に設定して、上記モ マー乳化物(M-5)を過硫酸カリウム水溶液(4%溶 液)20部とともに撹拌下、窒素ガス気流中で220 分、滴下して乳化重合し、60分間温度を維持 たまま撹拌した。その後、脱イオン水で固 分40%に調整し水性エマルジョン(C-6)を得た このエマルジョンについてFOXの式より求め 平均ガラス転移温度は-50℃である。

 実施例3~9、比較例2、比較例3~5
 実施例3~9、比較例3~5に関しては、実施例1に おける(M-1)成分、(M-2)成分及びセラック含有 を各々表1に示す配合量に変えた以外は実施 1と同様にして各コーティング用組成物を得 た。

 比較例2においては、比較例1における(M-5)成 分を表1に示す配合量に変えた以外は比較例1 同様にして各コーティング用組成物を得た
 得られたコーティング用組成物を用い、耐 摩擦性試験、成膜性試験及び耐ブロッキン 性試験を行い評価した。その評価結果を表1 ~3に示す。

 また、表にはDSC測定の結果、検出された ラス転移温度も併せて示した。

 表の結果から明らかなように本発明に係 コーティング用組成物は、耐湿摩擦性、成 性及び耐ブロッキング性に優れていること 認められる。

 実施例10
 本発明に係るコーティング用組成物にシリ を配合して、つや消しタイプのコーティン 皮膜を得た実施例を示す。
 シリカ(AY-460:東ソーシリカ社製、平均粒子 3.5μm)10部と水10部を混合してスラリー(C-7)を た。実施例1で得られた水性エマルジョン100 部に対し、前記スラリー(C-7)6部を混合し、脱 イオン水で固形分40%に調整してコーティング 用組成物(C-8)を得た。得られたコーティング 組成物(C-8)を用いて、耐湿摩擦性試験、成 性試験及び耐ブロッキング性試験を行い評 したところ、実施例1と同等の結果が得られ 。また、コーティング用組成物(C-8)から得 れたコーティング皮膜はつや消しされた製 であった。

 本発明に係る紙・繊維製品のコーティン 用組成物は、耐湿摩擦性、耐ブロッキング 及び常温での成膜性に優れ、袋、バッグ、 紙、化粧箱、壁紙等の紙・不織布等の繊維 品のコーティング用途に有用である。




 
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