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Patent Searching and Data


Title:
COMPOSITION CONTAINING LICORICE-DERIVED POLYPHENOL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/143182
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a composition comprising a licorice-derived polyphenol and an active ingredient other than the licorice-derived polyphenol (an antioxidant component, a polyphenol other than the licorice-derived polyphenol, or a component involved in the absorption or metabolism of a lipid). The composition is highly safe, can be produced readily, and can be used in a food or beverage such as a health food and a food with health claims (e.g., a food for specified health uses, a food with nutrient function claims), a drug, a quasi drug, a cosmetic or the like. The composition is capable of inhibiting the accumulation of a body fat, promoting the decomposition of a body fat, or accelerating the production of an energy, and is therefore useful for the treatment of obesity, metabolic syndrome or the like.

Inventors:
SAKAMOTO HIROKAZU (JP)
TOMINAGA YUJI (JP)
KITAMURA SHIRO (JP)
YOKOTA SHINICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/059062
Publication Date:
November 27, 2008
Filing Date:
May 16, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KANEKA CORP (JP)
SAKAMOTO HIROKAZU (JP)
TOMINAGA YUJI (JP)
KITAMURA SHIRO (JP)
YOKOTA SHINICHI (JP)
International Classes:
A61K36/48; A23K1/14; A23K1/16; A23L1/30; A23L1/305; A23L33/15; A61K31/07; A61K31/122; A61K31/198; A61K31/221; A61K31/35; A61K31/353; A61K31/355; A61K31/36; A61K31/375; A61K45/00; A61P3/00; A61P3/02; A61P3/04; A61P3/06; A61P3/10; A61P9/12; A61P17/16; A61P17/18; A61P39/06
Domestic Patent References:
WO2005110400A12005-11-24
WO2002047699A12002-06-20
WO2003037316A12003-05-08
WO2005011672A12005-02-10
WO2006103750A12006-10-05
WO2004041257A22004-05-21
WO2002047699A12002-06-20
WO2005110400A12005-11-24
WO2003037316A12003-05-08
WO2006085562A12006-08-17
WO2007060992A12007-05-31
Foreign References:
JP2006265140A2006-10-05
JP2003081744A2003-03-19
JP2004339141A2004-12-02
JP2006212021A2006-08-17
Other References:
AOKI F. ET AL.: "Suppression by Licorice Flavonoids of Abdominal Fat Accumulation and Body Weight Gain in High-Fat Diet-Induced Obese C57BL/6J Mice", BIOSCI. BIOTECHNOL. BIOCHEM., vol. 71, no. 1, January 2007 (2007-01-01), pages 206 - 214, XP002538766
NAKAGAWA K. ET AL.: "Licorice Flavonoids Suppress Abdominal Fat Accumulation and Increase in Blood Glucose Level in Obese Diabetic KK-Ay Mice", BIOL. PHARM. BULL., vol. 27, no. 11, 2004, pages 1775 - 1778, XP008125009
HAMANO Y.: "Effects of dietary lipoic acid on plasma lipid, in vitro insulin sensitivity, metabolic response to corticosterone and in vitro lipolysis in broiler chickens", BR. J. NUTR., vol. 95, no. 6, 2006, pages 1094 - 1101, XP008125008
SHIMODA H. ET AL.: "Coenzyme Q10, alpha-lipolic acid no Koka o Saguru alpha-lipolic acid no Diet Koka", FRAGR. J., vol. 33, no. 8, 2005, pages 63 - 67, XP008125007
AOE S. ET AL.: "KK Mouse no Naizo Shibo Chikuseki ni Oyobosu Shokuhin Sozai no Eikyo", THE JAPANESE SOCIETY OF NUTRITION AND FOOD SCIENCE TAIKAI KOEN YOSHISHU, vol. 60TH, 2006, pages 65
YOGU S. ET AL.: "alpha-lipolic acid no Hakushoku Shibo Saibo 3T3-L1 ni Okeru Shibo Chikuseki eno Eikyo", NIPPON NOGEI KAGAKUKAI TAIKAI KOEN YOSHISHU, vol. 2006, 2006, pages 71, XP008118287
CHEMISTRY OF ORGANIC NATURAL PRODUCTS, vol. 73, 1998
See also references of EP 2163252A1
Attorney, Agent or Firm:
TAKASHIMA, Hajime (1-1 Fushimimachi 4-chome, Chuo-ku, Osaka-sh, Osaka 44, JP)
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Claims:
 甘草ポリフェノールおよび抗酸化成分を含有することを特徴とする組成物。
 抗酸化成分が、αリポ酸、グルタチオン、アスタキサンチン、リコペン、タウリン、メチオニン、S-アデノシル-メチオニン、システイン、シスチン、チオール化合物、還元糖、セサミン、カプサイシン、クエン酸、ピクノジェノール、フコキサンチン、リグナン、ピペリン、ポリコサノール、アントシアニン、プロアントシアニジン、クロロゲン酸、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンEおよびカロテノイドからなる群より選ばれる1種以上である、請求項1記載の組成物。
 甘草ポリフェノールおよび甘草ポリフェノール以外のポリフェノールを含有することを特徴とする組成物。
 甘草ポリフェノール以外のポリフェノールが、ゲニステイン、ダイゼイン、ケルセチン、ルチン、カテキン、エピガロカテキンガレート、ヘスペリジン、ノビレチン、チロソール、ヒドロキシチロソール、オレウロペイン、ナリンゲニン、コーヒー酸、リンゴポリフェノール、茶ポリフェノールおよび没食子酸からなる群より選ばれる1種以上である、請求項3記載の組成物。
 甘草ポリフェノールおよび脂質の吸収または代謝にかかわる成分を含有することを特徴とする組成物。
 脂質の吸収または代謝にかかわる成分が脂質吸収阻害成分である請求項5記載の組成物。
 脂質吸収阻害成分が、乳酸菌、酵母、多糖類、食物繊維、オリゴ糖、イヌリン、キチン、キトサン、植物ステロール、ペクチン、グルコサミン、N-アセチルグルコサミン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、アルギン酸ナトリウムおよびタンニンからなる群より選ばれる1種以上である、請求項6記載の組成物。
 脂質の吸収または代謝にかかわる成分が細胞の脂質代謝を修飾する成分である請求項5記載の組成物。
 細胞の脂質代謝を修飾する成分が、カルニチン、カプサイシン、リンゴ酸、ヒドロキシクエン酸、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、セサミン、ピルビン酸、クルクミノイド、ジンゲロール、ピクノジェノール、レスベラトロール、大豆タンパク、共役リノール酸、カテキン、カフェイン、フコキサンチン、ジアシルグリセロール、グルコマンナン、リグナン、フラクトオリゴ糖、ピペリン、ポリコサノール、クロム、亜鉛、バナジウム、リン脂質および高度不飽和脂肪酸からなる群より選ばれる1種以上である、請求項8記載の組成物。
 細胞の脂質代謝を修飾する成分が、トウガラシ、茶、発酵茶、コーヒー、胡椒、ガルシニア、生姜、ブルーベリー、柑橘類、ブドウおよびそれらの抽出物からなる群より選ばれる1種以上である、請求項8記載の組成物。
 さらにビタミンまたはビタミン様成分を含有することを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の組成物。
 ビタミンまたはビタミン様成分が、ビタミンB、ビタミンK、葉酸およびイノシトールからなる群より選ばれる1種以上である請求項11記載の組成物。
 さらに、アミノ酸またはアミノ酸誘導体を含有することを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の組成物。
 アミノ酸またはアミノ酸誘導体が、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、グリシン、プロリン、グルタミン、グルタミン酸、アスパラギン、アスパラギン酸、アルギニン、リジン、シトルリン、オルニチンおよびそれらの誘導体からなる群より選ばれる1種以上である請求項13記載の組成物。
 甘草ポリフェノールを、甘草疎水性抽出物の態様で含有する請求項1~14のいずれか1項に記載の組成物。
 甘草ポリフェノールが、少なくともグラブリジンを含有する請求項1~15のいずれか1項に記載の組成物。
 組成物中に含まれるグリチルリチンの含有量が、グラブリジンの含有量以下である、請求項16記載の組成物。
 さらに、中鎖脂肪酸トリグリセリドを含有する、請求項1~17のいずれか1項に記載の組成物。
 体脂肪蓄積抑制剤である、請求項1~18のいずれか1項に記載の組成物。
 体脂肪分解促進剤である、請求項1~18のいずれか1項に記載の組成物。
 エネルギー産生促進剤である、請求項1~18のいずれか1項に記載の組成物。
 肥満、メタボリックシンドローム、糖尿病、高脂血症または高血圧症の治療に用いられる1~21のいずれか1項に記載の組成物。
 食品、飲料、機能性食品、栄養補助食品、医薬品、医薬部外品、化粧品、動物用医薬品、ペットフード、飼料または餌料である1~22のいずれか1項に記載の組成物。
 肥満、メタボリックシンドローム、糖尿病、高脂血症または高血圧症の治療に用いられる医薬品と併用される請求項1~23のいずれか1項に記載の組成物。
 経口摂取用製剤である、請求項1~24のいずれか1項に記載の組成物。
 有効量の、請求項1~25のいずれか1項に記載の組成物を、対象に投与することを含む、エネルギー産生を促進する方法。
 有効量の、請求項1~25のいずれか1項に記載の組成物を、対象に投与することを含む、肥満、メタボリックシンドローム、糖尿病、高脂血症または高血圧症の予防、改善または治療方法。
 有効量の、請求項1~25のいずれか1項に記載の組成物を、対象に投与することを含む、痩身方法。
 体脂肪蓄積抑制、体脂肪分解促進またはエネルギー産生促進のための請求項1~25のいずれか1項に記載の組成物の製造のための、甘草ポリフェノールおよび抗酸化成分の使用。
 体脂肪蓄積抑制、体脂肪分解促進またはエネルギー産生促進のための請求項1~25のいずれか1項に記載の組成物の製造のための、甘草ポリフェノールおよび甘草ポリフェノール以外のポリフェノールの使用。
 体脂肪蓄積抑制、体脂肪分解促進またはエネルギー産生促進のための請求項1~25のいずれか1項に記載の組成物の製造のための、甘草ポリフェノールおよび脂質の吸収または代謝にかかわる成分の使用。
 
Description:
甘草ポリフェノールを含有する 成物

 本発明は、甘草ポリフェノールを含有し 健康食品や保健機能食品(特定保健用食品、 栄養機能食品)などの飲食品、医薬品、医薬 外品、化粧品、動物用医薬品、ペットフー 、飼料または餌料などに使用することがで る組成物に関する。

 甘草は、中国、ヨーロッパ、ロシア、ア ガニスタン、イラン、パキスタン等に広く 布するマメ科カンゾウ属(Glycyrrhiza属)の植物 であり、その根などを食品および生薬として 利用してきた長い摂取経験がある植物である 。甘草の水抽出物の主成分であるグリチルリ チン(グリチルリチン酸)に抗炎症作用、抗腫 作用、抗アレルギー作用などの優れた薬理 用があることから、広く食品、医薬品、化 品などに利用されてきた。また、グリチル チンはショ糖の約200倍の甘さがあることか 、甘味料としても利用されている。甘草は 日本では食品添加物や食品に使用されてい のをはじめ、米国では、GRAS(一般的に安全 して認められる)食品として1985年にFDAにより 登録されており、1990年のデザイナーズフー 計画において、がん予防食品として認めら 摂取が推奨された。欧州では、甘草は、甘 飴をはじめとした甘草菓子として日常的に 取されている食品である。

 一方、甘草または甘草水抽出残渣から有 溶媒等によって抽出される甘草疎水性成分 は、酸化防止作用、抗菌作用、酵素阻害作 、抗腫瘍作用、抗アレルギー作用、抗ウィ ス作用等、多くの有用な作用を示すことが 告されている。甘草の主な品種としてグリ ルリーザ・グラブラ(Glycyrrhiza. glabra)、G.ウ レンシス(G. uralensis)、G.インフラータ(G. inf lata)などが挙げられる。いずれの品種にも親 性成分であるグリチルリチン(グリチルリチ ン酸)が含まれている。また、甘草には、甘 ポリフェノールとしてプレニルフラボノイ が多数含まれており、特に疎水性成分とし 、品種によって特異的なフラボノイドが含 れている(非特許文献1)。この品種特異的な ラボノイドは、甘草の品種同定に利用され こともある。

 最近、甘草から得られる抽出物のうち、 草ポリフェノールを含有しグリチルリチン 量が極微量である甘草疎水性抽出物が、内 脂肪低減作用を有し、メタボリックシンド ーム(マルチプル・リスク・ファクター症候 群)の予防および/または改善に有用であるこ が見出されている(特許文献1)。また甘草疎 性抽出物がリパーゼ阻害作用を有すること( 特許文献2)、コレステロール吸収阻害作用を すること(特許文献2)、さらにその成分がPPAR γリガンド活性を有すること(特許文献3、4、5 )等が報告されている。

 甘草は生薬として、グリチルリチンを有効 分とするものが、単独使用あるいは複数の 薬との組合せで用いられているが、実質的 グリチルリチン量が少ない甘草疎水性抽出 と他のポリフェノールやフラボノイド成分 と組み合わせた組成物を積極的に言及した 告は見当たらない。

WO02/47699

WO2005/110400

WO03/037316

WO2006/085562

WO2007/060992 Progress in the Chemistry of Organic Natural Pr oducts, Vol.73, (1998)

 本発明者らは、安全性が高く容易に製造 ることができ、健康食品や保健機能食品(特 定保健用食品、栄養機能食品)などの飲食品 医薬品、医薬部外品、化粧品などに利用す ことができる甘草ポリフェノールを含有す 組成物を提供することを課題として検討し 。

 本発明者らは、甘草ポリフェノールと、 酸化成分、甘草ポリフェノール以外のポリ ェノール、脂質吸収阻害成分もしくは細胞 脂質代謝を修飾する成分などの脂質の吸収 しくは代謝にかかわる成分を適宜組み合わ ることにより、より好ましい組成物が提供 れることを見出した。また本発明の組成物 、体脂肪蓄積抑制、体脂肪分解促進および ネルギー産生促進効果を有することから体 肪蓄積・肥満・メタボリックシンドローム の予防および治療に有効であることを見出 た。すなわち、本発明が提供するのは以下 通りである。

[1]甘草ポリフェノールおよび抗酸化成分を含 有することを特徴とする組成物。
[2]抗酸化成分が、αリポ酸、グルタチオン、 スタキサンチン、リコペン、タウリン、メ オニン、S-アデノシル-メチオニン、システ ン、シスチン、チオール化合物、還元糖、 サミン、カプサイシン、クエン酸、ピクノ ェノール、フコキサンチン、リグナン、ピ リン、ポリコサノール、アントシアニン、 ロアントシアニジン、クロロゲン酸、ビタ ンC、ビタミンA、ビタミンEおよびカロテノ ドからなる群より選ばれる1種以上である、 [1]記載の組成物。
[3]甘草ポリフェノールおよび甘草ポリフェノ ール以外のポリフェノールを含有することを 特徴とする組成物。
[4]甘草ポリフェノール以外のポリフェノール が、ゲニステイン、ダイゼイン、ケルセチン 、ルチン、カテキン、エピガロカテキンガレ ート、ヘスペリジン、ノビレチン、チロソー ル、ヒドロキシチロソール、オレウロペイン 、ナリンゲニン、コーヒー酸、リンゴポリフ ェノール、茶ポリフェノールおよび没食子酸 からなる群より選ばれる1種以上である、[3] 載の組成物。
[5]甘草ポリフェノールおよび脂質の吸収また は代謝にかかわる成分を含有することを特徴 とする組成物。
[6]脂質の吸収または代謝にかかわる成分が脂 質吸収阻害成分である[5]記載の組成物。
[7]脂質吸収阻害成分が、乳酸菌、酵母、多糖 類、食物繊維、オリゴ糖、イヌリン、キチン 、キトサン、植物ステロール、ペクチン、グ ルコサミン、N-アセチルグルコサミン、ヒア ロン酸、コンドロイチン硫酸、アルギン酸 トリウムおよびタンニンからなる群より選 れる1種以上である、[6]記載の組成物。
[8]脂質の吸収または代謝にかかわる成分が細 胞の脂質代謝を修飾する成分である[5]記載の 組成物。
[9]細胞の脂質代謝を修飾する成分が、カルニ チン、カプサイシン、リンゴ酸、ヒドロキシ クエン酸、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、 セサミン、ピルビン酸、クルクミノイド、ジ ンゲロール、ピクノジェノール、レスベラト ロール、大豆タンパク、共役リノール酸、カ テキン、カフェイン、フコキサンチン、ジア シルグリセロール、グルコマンナン、リグナ ン、フラクトオリゴ糖、ピペリン、ポリコサ ノール、クロム、亜鉛、バナジウム、リン脂 質および高度不飽和脂肪酸からなる群より選 ばれる1種以上である、[8]記載の組成物。
[10]細胞の脂質代謝を修飾する成分が、トウ ラシ、茶、発酵茶、コーヒー、胡椒、ガル ニア、生姜、ブルーベリー、柑橘類、ブド およびそれらの抽出物からなる群より選ば る1種以上である、[8]記載の組成物。
[11]さらにビタミンまたはビタミン様成分を 有することを特徴とする[1]~[10]のいずれか1 に記載の組成物。
[12]ビタミンまたはビタミン様成分が、ビタ ンB、ビタミンK、葉酸およびイノシトールか らなる群より選ばれる1種以上である[11]記載 組成物。
[13]さらに、アミノ酸またはアミノ酸誘導体 含有することを特徴とする[1]~[12]のいずれか 1項に記載の組成物。
[14]アミノ酸またはアミノ酸誘導体が、アラ ン、バリン、ロイシン、イソロイシン、グ シン、プロリン、グルタミン、グルタミン 、アスパラギン、アスパラギン酸、アルギ ン、リジン、シトルリン、オルニチンおよ それらの誘導体からなる群より選ばれる1種 上である[13]記載の組成物。
[15]甘草ポリフェノールを、甘草疎水性抽出 の態様で含有する[1]~[14]のいずれか1項に記 の組成物。
[16]甘草ポリフェノールが、少なくともグラ リジンを含有する[1]~[15]のいずれか1項に記 の組成物。
[17]組成物中に含まれるグリチルリチンの含 量が、グラブリジンの含有量以下である、  [16]記載の組成物。
[18]さらに、中鎖脂肪酸トリグリセリドを含 する、[1]~[17]のいずれか1項に記載の組成物
[19]体脂肪蓄積抑制剤である、[1]~[18]のいずれ か1項に記載の組成物。
[20]体脂肪分解促進剤である、[1]~[18]のいずれ か1項に記載の組成物。
[21]エネルギー産生促進剤である、[1]~[18]のい ずれか1項に記載の組成物。
[22]肥満、メタボリックシンドローム、糖尿 、高脂血症または高血圧症の治療に用いら る[1]~[21]のいずれか1項に記載の組成物。
[23]食品、飲料、機能性食品、栄養補助食品 医薬品、医薬部外品、化粧品、動物用医薬 、ペットフード、飼料または餌料である[1]~[ 22]のいずれか1項に記載の組成物。
[24]肥満、メタボリックシンドローム、糖尿 、高脂血症または高血圧症の治療に用いら る医薬品と併用される[1]~[23]のいずれか1項 記載の組成物。
[25]経口摂取用製剤である、[1]~[24]のいずれか 1項に記載の組成物。
[26]有効量の、[1]~[25]のいずれか1項に記載の 成物を、対象に投与することを含む、エネ ギー産生を促進する方法。
[27]有効量の、[1]~[25]のいずれか1項に記載の 成物を、対象に投与することを含む、肥満 メタボリックシンドローム、糖尿病、高脂 症または高血圧症の予防、改善または治療 法。
[28]有効量の、[1]~[25]のいずれか1項に記載の 成物を、対象に投与することを含む、痩身 法。
[29]体脂肪蓄積抑制、体脂肪分解促進または ネルギー産生促進のための[1]~[25]のいずれか 1項に記載の組成物の製造のための、甘草ポ フェノールおよび抗酸化成分の使用。
[30]体脂肪蓄積抑制、体脂肪分解促進または ネルギー産生促進のための[1]~[25]のいずれか 1項に記載の組成物の製造のための、甘草ポ フェノールおよび甘草ポリフェノール以外 ポリフェノールの使用。
[31]体脂肪蓄積抑制、体脂肪分解促進または ネルギー産生促進のための[1]~[25]のいずれか 1項に記載の組成物の製造のための、甘草ポ フェノールおよび脂質の吸収または代謝に かわる成分の使用。

 甘草ポリフェノールと他の有効成分を組 合わせた本発明の組成物は、肥満やそれを 来とするメタボリックシンドローム等の予 または改善剤へ使用できる。また、食経験 ある植物由来の成分と、日常的に摂取され いる有用成分との組み合わせであるため、 作用が少なく長期に摂取することが可能で る。

 以下に、本発明の実施の形態を詳しく説 する。

 本発明の組成物は、甘草ポリフェノール 、抗酸化成分、甘草ポリフェノール以外の リフェノール、または脂質吸収阻害成分あ いは細胞の脂質代謝を修飾する成分などの 質の吸収あるいは代謝にかかわる成分など 含有することを特徴とする組成物である(以 下これらを総称して本発明の組成物というこ ともある)。

 本発明における甘草ポリフェノールとは 甘草中のポリフェノール成分のことである 本発明において、甘草ポリフェノールの由 となる甘草は、グリキルリーザ(Glycyrrhiza)属 に属する植物なら特に限定されないが、具体 的には、グリキルリーザ ウラレンシス(Glycyr rhiza uralensis(G.uralensis))、グリキルリーザ イ フラータ(G.inflata)、グリキルリーザ グラブ ラ(G.glabra)、グリキルリーザ エウリカーパ(G. eurycarpa)、グリキルリーザ アスペラ(G.aspera) が挙げられる。好ましくは、G.uralensis、G.infl ata、G.glabra等であり、さらに好ましくは、G.gl abraである。

 本発明の組成物に含有される甘草ポリフ ノールは、上記のような甘草に含まれるポ フェノール成分であれば特に限定されない 具体的には、グリシクマリン(glycycoumarin)、 リシロール(glycyrol)、グリシリン(glycyrin)、 クイリチゲニン(liquiritigenin)、グリコリコン( glicoricone)、グラブリジン(glabridin)、グラブレ (glabrene)、グラブロール(glabrol)、3’-ヒドロ シ-4’-O-メチルグラブリジン(3’-hydroxy-4’-O -methylglabridin)、4’-O-メチルグラブリジン(4’- O-methylglabridin)、グリウラリンB(glyurallin B)、 コクマロン(licocoumarone)、ガンカオニンI(gancao nin I)、デヒドログリアスペリンD(dehydroglyasper in D)、エチナチン(echinatin)、イソリコフラボ ール(isolicoflavonol)、デヒドログリアスペリ C(dehydroglyasperin C)、グリアスペリンB(glyasperin  B)、グリチルイソフラバノン(glycyrrhisoflavanon e)、ルピワイテオン(lupiwighteone)、グリアスペ ンD(glyasperin D)、セミリコイソフラボンB(semi licoisoflavone B)等が挙げられる。本発明の組成 物には、これらのような甘草ポリフェノール 成分のうち少なくとも1種以上の甘草ポリフ ノールが含まれるが、そのうち、グラブリ ン、グラブレン、グラブロール、3’-ヒドロ キシ-4’-O-メチルグラブリジン、4’-O-メチル グラブリジンなどのいずれか1種以上含まれ いるのが好ましく、少なくともグラブリジ が含まれているのがより好ましい。

 ポリフェノールは、一般的にはフェノー 性水酸基を複数持つ構造を有する化合物で り、ベンゼン環に複数の水酸基が結合した べての化合物またはその誘導体である。ポ フェノール量の測定法としては、酒石酸鉄 、プルシアンブルー法、フォリン-チオカル ト法、フォリン-デニス法などの比色法やHPLC による成分ごとの測定があり、どの測定法 用いてもよいが、ポリフェノール全体量の 定にはフォリン-デニス法またはフォリン- オカルト法が使われることが多い。フォリ -デニス法またはフォリン-チオカルト法の場 合、標準物質を用いることで標準物質による 検量線を作成し、標準物質換算で求めること ができる。甘草疎水性抽出物の場合は、例え ばグリキルリーザ グラブラ(G.glabra)であれば 、グラブリジンを標準物質とすることができ る。具体的には、例えば後述する実施例記載 の方法により、本発明の組成物中に含まれる 甘草ポリフェノール成分の含有量を、グラブ リジン換算値として求めることができる。

 また、甘草ポリフェノールの多くは抗酸 作用を有し、中鎖脂肪酸に溶解するものが い。本発明の組成物の抗酸化力を測定する 合、たとえば活性酸素および/またはフリー ラジカルの消去作用で示す事ができる。本発 明の組成物において、甘草ポリフェノールと 他の有効成分が共存する場合の抗酸化力が、 それぞれ単独での抗酸化力を上回る場合、本 発明の組成物は相乗的に抗酸化力を高めるこ とができる。

 本発明の組成物に含有される甘草ポリフ ノールは、甘草ポリフェノールそのものを 品(たとえば単離精製したものや試薬、化学 合成品など)として含有させてもよい。天然 からの単離精製品の場合、甘草中のポリフ ノール成分として知られているものであれ 、その由来は甘草でなくともかまわない。 た甘草ポリフェノールが甘草疎水性抽出物 態様である組成物も、本発明の組成物であ 。甘草ポリフェノールを主成分とする甘草 水性抽出物を使用し、本発明の組成物とす のが、製造コスト等の面からは好ましい。 の場合使用される甘草疎水性抽出物は、G.グ ラブラ種、G.ウラレンシス種、G.インフラー 種等の甘草より得ることができる。

 本発明における甘草疎水性抽出物は、甘草 疎水性成分を抽出して得た抽出液、または れから抽出溶媒を除去したものである。本 明における甘草疎水性抽出物を甘草から得 場合、その方法は特に限定されない。例え 甘草またはその粉末、あるいは甘草培養細 などからその疎水性成分を、有機溶媒を用 た抽出等により得ることが出来る。あるい 、あらかじめ甘草の親水性成分を水あるい アルカリ水溶液を用いて抽出・除去した後 その甘草残渣または残渣を乾燥させたもの ら、甘草中の疎水性成分を、有機溶媒を用 た抽出により得ることができる。あるいは 上記方法で一度抽出された疎水性抽出物を さらに別種の有機溶媒で抽出することによ 得ることができる。
 ここで用いる有機溶媒は、医薬品や食品、 品添加物などの製造、加工に使用が許可さ たものが好ましい。アルコール類(例えばエ タノール)、エステル類(例えば酢酸エチル)、 ケトン類(例えばアセトン)、炭化水素類(例え ばヘキサン)などの有機溶媒や油脂類(例えば 鎖脂肪酸トリグリセリド)等が挙げられる。 好ましくはアルコール類、ケトン類、油脂類 が良く、具体的にはエタノール、アセトン、 中鎖脂肪酸トリグリセリドなどを使用するの が好ましい。これら溶媒は単独で用いても2 以上を混合して用いてもよい。またこれら 含水溶媒を用いても良い。但し、後述する リチルリチンの含有量を低く抑えるために 、抽出溶媒の含水割合は低い方が好ましい
 本発明において甘草疎水性抽出物は、上述 た有機溶媒を用いて抽出された抽出物をそ まま使用してもよいが、さらに精製工程、 とえばカラム処理、脱臭処理、脱色処理な により粗精製または精製して使用してもよ 。本発明の組成物において、甘草ポリフェ ールとして甘草疎水性抽出物を使用する場 、その甘草疎水性抽出物は甘草ポリフェノ ルを主成分とするものであって、例えば、 述した甘草ポリフェノールを好ましくは60 量%以上、より好ましくは70重量%以上含むも が使用される。

 本発明の組成物において、組成物中のグ チルリチンの含有量は、組成物中の甘草ポ フェノール成分の含有量以下であるのが好 しく、さらには甘草ポリフェノール成分中 グラブリジンの含有量以下であるのが好ま い。甘草疎水性抽出物中には、その抽出条 によっては、甘草ポリフェノール以外の成 、例えば親水性成分であるグリチルリチン 含まれることがある。本発明の組成物にお て、甘草疎水性抽出物を使用する場合、長 摂取するときの安全性の観点から、グリチ リチンの含有量は少ない方が好ましい。よ てグリチルリチンを実質的に含まない、ま はその含有量が低い甘草疎水性抽出物を使 するのが好ましい。

 本発明の組成物における甘草ポリフェノー の含有量は特に限定されないが、0.1重量%以 上が好ましく、1重量%以上がより好ましい。
 本発明の組成物における甘草疎水性抽出物 含有量は特に限定されないが、0.1重量%以上 が好ましく、1重量%以上がより好ましく、3重 量%以上が特に好ましい。組成物中の甘草ポ フェノールあるいは甘草疎水性抽出物の含 量の上限は特に限定されず、甘草ポリフェ ール成分を多く含む方が好ましいが、他の 効成分を必要量含有する観点からは、99重量 %以下が好ましく、90重量%以下がより好まし 。

 本発明の組成物の一態様としては、甘草ポ フェノールおよび抗酸化成分を含有する。 発明における抗酸化成分とは、タンパク質 脂質、ポリフェノールまたはフラボノイド 酸化を抑制する成分、あるいは活性酸素お び/またはフリーラジカルの消去作用を有す る成分である。該抗酸化成分は、製品劣化や 臭味を抑制したり生体を活性酸素またはフリ ーラジカルが原因となる障害から防護するの に有用な成分である。本発明における抗酸化 成分としては、特に限定されないが、αリポ 、グルタチオン、アスタキサンチン、リコ ン、タウリン、メチオニン、S-アデノシル- チオニン、システイン、シスチン、補酵素A などのチオール化合物、還元糖、セサミン、 カプサイシン、クエン酸、ピクノジェノール 、フコキサンチン、リグナン、ピペリン、ポ リコサノール、アントシアニン、プロアント シアニジン、クロロゲン酸、ビタミンC、ビ ミンA、ビタミンEおよびカロテノイドなどが 挙げられる。そのなかでも、αリポ酸、グル チオン、アスタキサンチン、リコペン、タ リン、メチオニン、S-アデノシル-メチオニ 、補酵素Aなどのチオール化合物、セサミン 、カプサイシン、クエン酸、ピクノジェノー ル、フコキサンチン、ピペリン、ポリコサノ ール、アントシアニン、プロアントシアニジ ン、クロロゲン酸、ビタミンC、ビタミンA、 タミンEおよびカロテノイドが好ましく、α ポ酸、グルタチオン、アスタキサンチン、S -アデノシル-メチオニンが特に好ましい。
 上記抗酸化成分は、単独で用いても2種以上 を混合して用いてもよい。ここでいう還元糖 とは還元力のある糖のことであり、単糖類の すべてと二糖類の麦芽糖、乳糖がこれに当た る。なおセサミン、カプサイシン、クエン酸 、ピクノジェノール、フコキサンチン、リグ ナン、ピペリン、ポリコサノールは後述する 細胞の脂質代謝を修飾する作用も有する。

 本発明の組成物の別の態様としては、甘 ポリフェノールおよび甘草ポリフェノール 外のポリフェノールを含有する。甘草ポリ ェノール以外のポリフェノールとは、例え 、ゲニステイン、ダイゼイン、ケルセチン ルチン、カテキン、エピガロカテキンガレ ト、ヘスペリジン、ノビレチン、チロソー 、ヒドロキシチロソール、オレウロペイン ナリンゲニン、コーヒー酸、リンゴポリフ ノール、茶ポリフェノール、没食子酸など 挙げられる。好ましくは、ゲニステイン、 イゼイン、ケルセチン、ルチン、カテキン エピガロカテキンガレート、ヘスペリジン ノビレチン、ナリンゲニン、コーヒー酸、 ンゴポリフェノール、茶ポリフェノールで る。これらのポリフェノールは単独で用い も2種以上を混合して用いてもよい。ここで いうゲニステインとは、大豆等の豆科植物に 含まれるポリフェノールである。

 本発明の組成物の別の態様としては、甘 ポリフェノールおよび脂質の吸収または代 にかかわる成分を含有する。脂質の吸収ま は代謝にかかわる成分には、脂質吸収阻害 分または細胞の脂質代謝を修飾する成分が げられる。

 本発明における脂質吸収阻害成分とは、 管からの脂質の吸収を阻害する成分である 具体的には、乳酸菌、酵母、多糖類、食物 維、オリゴ糖、イヌリン、キチン、キトサ 、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、グル サミン、N-アセチルグルコサミン、ヒアル ン酸、コンドロイチン硫酸、タンニン、植 ステロールなどが挙げられる。好ましくは 糖類、食物繊維、オリゴ糖、タンニン、植 ステロールである。これらの成分は単独で いても2種以上を混合して用いてもよい。

 本発明における細胞の脂質代謝を修飾する 分とは、生体内における脂質や糖質の代謝 促進または低下させる等の作用を及ぼす成 である。具体的には、カルニチン、カプサ シン、リンゴ酸、ヒドロキシクエン酸、酢 、プロピオン酸、クエン酸、セサミン、ピ ビン酸、クルクミノイド、ジンゲロール、 クノジェノール、レスベラトロール、大豆 ンパク、共役リノール酸、カテキン、カフ イン、フコキサンチン、ジアシルグリセロ ル、グルコマンナン、リグナン、フラクト リゴ糖、ピペリン、ポリコサノール、クロ 、亜鉛、バナジウム、リン脂質、DHAやEPAな の高度不飽和脂肪酸等、トウガラシ、茶、 酵茶、コーヒー、胡椒、ガルシニア、生姜 ブルーベリー、柑橘類、ブドウおよびそれ の抽出物などが挙げられる。好ましくは、 ルニチン、カプサイシン、酢酸、セサミン クルクミノイド、ジンゲロール、ピクノジ ノール、レスベラトロール、大豆タンパク 共役リノール酸、カテキン、カフェイン、 コキサンチン、ジアシルグリセロール、リ ナン、ピペリン、ポリコサノール、クロム 亜鉛、バナジウム、リン脂質、DHAやEPAなど 高度不飽和脂肪酸等、トウガラシ、茶、発 茶、コーヒー、胡椒、ガルシニア、生姜、 ルーベリー、柑橘類、ブドウおよびそれら 抽出物であり、より好ましくは、カルニチ 、セサミン、ピクノジェノール、共役リノ ル酸、カテキン、カフェイン、バナジウム ある。これらの成分は単独で用いても2種以 上を混合して用いてもよい。
 グルコース分解や合成を司る解糖系や糖新 系の糖代謝系は、脂肪酸代謝系に強く関わ ている。例えば、脂肪酸合成に必要なNADPH 2 はグルコース解糖系から供給されるため、グ ルコース解糖系の抑制、またはグルコース6 ン酸脱水素酵素やマリックエンザイムの抑 により、脂肪酸合成も抑制される。従って このような糖代謝系に影響を与える成分も 本発明でいう細胞の脂質代謝を修飾する成 に含まれる。

 本発明の組成物における、上述した他の 効成分の含有量は特に限定されないが、甘 ポリフェノールとの相乗効果を期待する観 から、甘草ポリフェノールと他の有効成分 重量比として、1:100~10000:1の範囲が好ましく 、1:10~1000:1の範囲がより好ましく、1:5~10:1の 囲が特に好ましい。

 本発明の組成物には、さらにビタミンまた ビタミン様成分を含有してもよい。該ビタ ンまたはビタミン様成分とは、微量で体内 代謝に重要な働きをしているにもかかわら 自分でつくることができない化合物や該定 には含まれないものの体内で重要な働きを ている化合物である。本発明におけるビタ ンとしては、ビタミンB1、B2、B6、B12、葉酸 ナイアシン、ビオチン、パントテン酸等の タミンB(群)、ビタミンC(L-アスコルビン酸) の水溶性ビタミン;ビタミンA、D、E、Kなどの 脂溶性ビタミン;等が挙げられる。微量で生 調節機能を持つビタミンは、生体調節機能 持つポリフェノールやフラボノイドと呼ば る成分と複合的に生体調節を行なうと考え れ、ビタミンと甘草ポリフェノールの組合 は有効である。
 また、ビタミン様成分としては、コリン、 ノシトール、パラアミノ安息香酸、パンガ ン酸、ビタミンU、ニコチン酸アミド、ビタ ミンCやE等のエステル誘導体、さらにFAD,NADH NADPHなどの補酵素類、クレアチンリン酸やATP などが挙げられる。

 本発明の組成物はさらに、アミノ酸また アミノ酸誘導体を含有してもよい。アミノ またはアミノ酸誘導体としては、アラニン バリン、ロイシン、イソロイシン、グリシ 、プロリン、セリン、グルタミン、グルタ ン酸、アルギニン、リジン、アスパラギン アスパラギン酸、シトルリン、オルニチン カルニチンおよびそれらの誘導体が挙げら る。これらのアミノ酸はL体、D体、これら 混合物(例えば、ラセミ体)のいずれでもよい 。

 本発明の組成物は、さらに中鎖脂肪酸トリ リセリドを含有してもよい。甘草ポリフェ ールは、取り扱いの観点から中鎖脂肪酸ト グセリドに溶解した形で使用するのが好ま い。その場合使用される中鎖脂肪酸トリグ セリドは、炭素数が6~12の脂肪酸から構成さ れるものであれば特に限定されないが、炭素 数が8または10の飽和脂肪酸から構成されるト リグリセリドが好ましく、炭素数8の飽和脂 酸から構成されるトリグリセリドを主成分 するものがより好ましい。中鎖脂肪酸トリ リセリドの構成脂肪酸の比率としては、特 限定されないが、炭素原子数8~10の脂肪酸の 成比率は50重量%以上が好ましく、70重量%以 がより好ましい。また、20℃での比重が0.94~ 0.96、20℃での粘度が23~28cPの中鎖脂肪酸トリ リセリドが特に好ましい。これら中鎖脂肪 トリグリセリドは、天然由来のものやエス ル交換などにより調製したものなど、いず も使用することができる。
 また、本発明で使用される中鎖脂肪酸トリ リセリドは、中鎖脂肪酸トリグリセリドを むグリセリン脂肪酸エステルであってもよ 。好ましくは中鎖脂肪酸トリグリセリドを5 0重量%以上含むグリセリン脂肪酸エステル、 り好ましくは中鎖脂肪酸トリグリセリドを7 0重量%以上含むグリセリン脂肪酸エステルで る。

 また上記中鎖脂肪酸トリグリセリドとと に、部分グリセリドを併用することも出来 し、あるいは、中鎖脂肪酸トリグリセリド 代わりに、中鎖脂肪酸の部分グリセリドを いることもできる。該部分グリセリドは、 分グリセリドを含むグリセリン脂肪酸エス ルであって、好ましくは部分グリセリドを5 0重量%以上含むグリセリン脂肪酸エステル、 り好ましくは部分グリセリドを70重量%以上 むグリセリン脂肪酸エステルである。ここ の部分グリセリドとは、ジグリセリド(1,2- アシルグリセロール、1,3-ジアシルグリセロ ル)またはモノグリセリド(1-モノアシルグリ セロール、2-モノアシルグリセロール)であり 、いずれを用いても良いし、両者が混合され たものを用いても良い。加工性の観点からジ グリセリドが好ましい。また、部分グリセリ ドは、天然由来のものやエステル交換などに より調製したものなど、いずれも使用するこ とができる。上記部分グリセリドを構成する 脂肪酸残基は、炭素数4~24のものが例示され 用途に応じてそれらの飽和脂肪酸、不飽和 肪酸等を選択することが可能である。例え 、流動性が必要とされる場合は不飽和脂肪 であることが好ましく、可塑性が必要とさ る場合は飽和脂肪酸であることが好ましい また、イソステアリン酸等の分岐脂肪酸を いることも可能である。

 また、本発明の甘草ポリフェノールと他 有効成分を含有する組成物には、他の素材 適宜添加されていてもよい。このようなも としては、特に制限されず、例えば、賦形 、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、酸化防止剤、 色剤、凝集防止剤、吸収促進剤、有効成分 溶解補助剤、安定化剤、油脂、粘度調整剤 が挙げられる。

 上記賦形剤としては特に制限されないが 例えば、白糖、乳糖、ブドウ糖、コーンス ーチ、マンニトール、結晶セルロース、リ 酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグ シウム等を挙げることができる。

 上記崩壊剤としては特に制限されないが 例えば、でんぷん、寒天、クエン酸カルシ ム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム デキストリン、結晶セルロース、カルボキ メチルセルロース、トラガント等を挙げる とができる。

 上記滑沢剤としては特に制限されないが 例えば、タルク、ステアリン酸マグネシウ 、ポリエチレングリコール、シリカ、硬化 物油等を挙げることができる。

 上記結合剤としては特に制限されないが 例えば、エチルセルロース、メチルセルロ ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロース トラガント、シェラック、ゼラチン、アラ アゴム、ポリビニルピロリドン、ポリビニ アルコール、ポリアクリル酸、ポリメタク ル酸、ソルビトール等を挙げることができ 。

 上記酸化防止剤としては、特に制限され いが、例えば、アスコルビン酸、トコフェ ール、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナ リウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、クエン酸 を挙げることができる。

 上記着色剤としては特に制限されないが 例えば、医薬品、食品に添加することが許 されているもの等を挙げることができる。

 上記凝集防止剤としては特に制限されな が、例えば、ステアリン酸、タルク、軽質 水ケイ酸、含水二酸化ケイ酸等を挙げるこ ができる。

 上記吸収促進剤としては特に制限されな が、例えば、高級アルコール類、高級脂肪 類、ショ糖脂肪酸エステルやソルビタン脂 酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタ 脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エ テル等の界面活性剤等を挙げることができ 。

 上記有効成分の溶解補助剤としては特に 定されないが、フマル酸、コハク酸、リン 酸等の有機酸等が挙げられる。

 上記安定化剤としては特に制限されない 、例えば、安息香酸、安息香酸ナトリウム パラオキシ安息香酸エチル、プロピレング コール等が挙げられる。

 上記油脂成分としては特に限定されず、 えば、コーン油、ナタネ油、ハイエルシン タネ油、大豆油、オリーブ油、紅花油、綿 油、ヒマワリ油、米糠油、シソ油、エゴマ 、アマニ油、月見草油、カカオ脂、落花生 、パーム油、パーム核油などの植物油、魚 、牛脂、豚脂、乳脂、卵黄油などの動物油 またはこれらを原料として分別、水添、エ テル交換などを行った油脂、或いはこれら 混合油を使用することができる。

 上記粘度調整剤としては特に制限されな が、例えば、ミツロウ、モクロウ、ラノリ 、微結晶性ワックス、流動パラフィン等が げられる。

 本発明の組成物は、体脂肪蓄積抑制剤、体 肪分解促進剤またはエネルギー産生促進剤 して使用することができる。
 本発明における体脂肪蓄積抑制剤は、摂取 た脂質や糖類などが体脂肪として蓄積する とを抑制するものである。
 本発明における体脂肪分解促進剤は、脂肪 分解系を活性化させることにより肝臓や筋 などで脂肪酸をエネルギーや熱に変換する とで体脂肪の分解を促進するものである。
 本発明のエネルギー産生促進剤は、トリカ ボン酸回路(TCA回路)やその後の電子伝達系 どで、エネルギーの産生を促進するもので る。
 一般に、肥満の予防および治療には、食欲 制剤、脂質や糖質の吸収阻害剤、体脂肪合 抑制剤、または体脂肪分解を促進する脂肪 代謝促進剤、エネルギー産生促進剤、熱産 促進剤、低エネルギー食等が有効であるこ は知られている。食欲抑制剤および、脂質 糖質の吸収阻害剤は、体内に取り込まれる ロリーを低下させることにより、体脂肪が 積するのを抑制する作用を持つ。体脂肪合 抑制剤は、脂肪酸合成系を抑制することに り脂肪酸再合成が抑制される結果、摂取し 脂肪酸が体脂肪として蓄積することを抑制 る作用がある。脂肪酸代謝促進剤は、脂肪 分解系を活性化させることにより肝臓や筋 で脂肪酸をエネルギーや熱に変換すること 体脂肪分解促進作用を持つ。エネルギー産 促進については、トリカルボン酸回路(TCA回 路)とその後の電子伝達系でATPの形でエネル ーになるため、この経路を活性化させる成 はエネルギー産生促進作用を持つ。例えば α-リポ酸やL-カルニチンなどはその作用を持 つと考えられる。熱産生促進については、例 えば、βアドレナリン受容体に対するアゴニ ト(作動薬)の作用や、脱共役タンパク質(UCP) 活性化剤の作用が有効である。このβ3アドレ ナリン受容体アゴニストや脱共役タンパク質 活性化剤は、熱産生の促進作用および脂肪分 解の促進作用があることが知られている。こ のことから肥満などの生活習慣病の予防およ び/または改善には体脂肪蓄積抑制や体脂肪 解の促進が有効である。

 本発明における体脂肪蓄積抑制剤は、その 草ポリフェノール総量として成人一日一人 たり0.01~100mg/kg体重、好ましくは0.1~30mg/kg体 を摂取することが望ましい。
 本発明における体脂肪分解促進剤は、その 草ポリフェノール総量として成人一日一人 たり0.01~100mg/kg体重、好ましくは0.1~30mg/kg体 を摂取することが望ましい。
 本発明におけるエネルギー産生促進剤は、 の甘草ポリフェノール総量として成人一日 人当たり0.01~100mg/kg体重、好ましくは0.1~30mg/ kg体重を摂取することが望ましい。

 その他の有効成分の成人一日一人当たりの 取量は、その成分ごとに異なるが、抗酸化 分は0.001~1000mg/kg体重、好ましくは0.01~100mg/kg 体重を摂取することが望ましい。
 同様に甘草ポリフェノール以外のポリフェ ールの同摂取量は、0.001~1000mg/kg体重、好ま くは0.01~100mg/kg体重を摂取することが望まし い。
 さらに脂質の吸収または代謝にかかわる成 の同摂取量は、0.001~1000mg/kg体重、好ましく 0.01~100mg/kg体重を摂取することが望ましい。

 本発明の組成物は、肥満やそれを原因とす メタボリックシンドローム、糖尿病、高脂 症または高血圧症を、予防、改善または治 することが出来る。本発明の組成物を、内 脂肪蓄積や肥満、メタボリックシンドロー 、糖尿病、高脂血症または高血圧症の予防 改善・治療に用いる場合、甘草ポリフェノ ル総量として、投与対象、投与ルート、対 疾患、症状などにより異なるが、成人一日 人当たり0.01~100mg/kg体重、好ましくは0.1~30mg/ kg体重を摂取できる量の組成物を摂取するこ が望ましい。
 またその他の有効成分の成人一日一人当た の摂取量は、投与対象、投与ルート、対象 患、症状などにより異なるが、抗酸化成分 0.001~1000mg/kg体重、好ましくは0.01~100mg/kg体重 を摂取することが望ましい。
 同様に甘草ポリフェノール以外のポリフェ ールの同摂取量は、0.001~1000mg/kg体重、好ま くは0.01~100mg/kg体重を摂取することが望まし い。
 さらに脂質の吸収または代謝にかかわる成 の同摂取量は、0.001~1000mg/kg体重、好ましく 0.01~100mg/kg体重を摂取することが望ましい。
 上記の摂取量は、1日に1回または数回に分 て摂取することができる。摂取期間は、特 限定はないが、通常は2週間以上、好ましく 1ヶ月以上である。

 本発明の組成物は、ヒト、ヒト以外の動 〔例えば、ヒト以外の哺乳類(ブタ、ウシ、 ウマ、イヌ等の家畜および愛玩動物)、鳥類( チメンチョウ、ニワトリ等の家禽および愛 動物)等〕等に適用することが有用である。 好ましくは、肥満状態にあるヒトやヒト以外 の動物、あるいは肥満に由来するメタボリッ クシンドローム、糖尿病、高脂血症または高 血圧症患者やその虞を指摘されている対象者 、それらの予防を希望する健常者に適用され る。

 本発明の組成物は、肥満、メタボリック ンドローム、糖尿病、高脂血症または高血 症の治療に使用することができる。

 本発明の組成物は、肥満、メタボリックシ ドローム、糖尿病、高脂血症または高血圧 の治療に用いられる医薬品(併用薬というこ ともある)と併用することもできる。この場 の「併用」とは、同一製剤とすることだけ なく、別製剤として同時あるいは時間をあ て併用摂取することも含まれる。
 併用薬の投与量は、各薬剤の臨床上用いら ている用量を基準として適宜選択すること できる。また、本発明の組成物と併用薬の 合比は、投与対象、投与ルート、対象疾患 症状、組み合わせなどにより適宜選択する とができる。

 肥満やそれに由来するメタボリックシンド ームの治療に用いられる医薬品とは、食欲 抑制する医薬品として、フェンフルラミン フルオキセチン、マジンドールなど、消化 収を阻害する医薬品としてアカルボース、 グリボース、リパーゼインヒビターなどが げられるがこれらに限定されるものではな 。
 糖尿病の治療に用いられる医薬品としては 一般的な糖尿病薬として使用されているイ スリン製剤、スルホニル尿素薬、α-グルコ ダーゼ阻害薬、ビグアナイド薬、インスリ 抵抗性改善薬、インスリン作用増強剤およ 速攻型食後血糖降下薬などが挙げられるが れらに限定されるものではない。
 高脂血症の治療に用いられる医薬品として 、スタチン剤、陰イオン交換樹脂、プロブ ール、フィブラート剤、イコサペント酸、 チルニコチン酸などが挙げられるがこれら 限定されるものではない。
 高血圧症の治療に用いられる医薬品として 、利尿剤、β遮断薬、α1遮断薬、カルシウ 拮抗剤、アンジオテンシン変換酵素阻害薬 アンジオテンシンII拮抗薬などが挙げられる がこれらに限定されるものではない。

 本発明の組成物は、機能性食品、栄養補 食品などの食品、飲料、医薬品、医薬部外 、化粧品、動物用医薬品、ペットフード、 料または餌料として使用できる。

 本発明の組成物を、機能性食品、栄養補 食品、医薬品、医薬部外品、動物用医薬品 して使用する場合、本発明の組成物は、そ まま摂取してもよい。また本発明の組成物 、経口摂取用製剤の形態であってもよい。 口摂取用製剤としては、カプセル剤(ハード カプセル、マイクロカプセル、ソフトカプセ ル)、錠剤、散剤、チュアブル製剤、シロッ 、液剤などの、経口的に摂取出来る形態が げられる。カプセル剤とする場合のカプセ 基材としては特に制限されず、牛骨、牛皮 豚皮、魚皮等を由来とするゼラチンをはじ として、他の基材、例えば、食品添加物と て使用しうるカラギーナン、アルギン酸等 海藻由来品やローカストビーンガムやグア ガム等の植物種子由来品、プルラン、カー ラン等の微生物由来品やセルロース類を含 製造用剤も使用しうる。

 また、本発明の組成物は、一般的な食品 加えることもできる。例えば、乳飲料、清 飲料、栄養ドリンク、美容ドリンクなどの 料、チューインガム、チョコレート、キャ ディー、ゼリー、ケーキ、ビスケット、ク ッカーなどの菓子類、アイスクリーム、氷 などの冷菓類、うどん、中華麺、スパゲテ ー、即席麺などの麺類、蒲鉾、竹輪、半片 どの練り製品、ドレッシング、マヨネーズ ソースなどの調味料、パン、ハム、雑炊、 飯、スープ、各種レトルト食品、各種冷凍 品等に適宜添加して用いることができる。 うまでもなく、他の食品形態として利用す こともできる。更にはペットフードや家畜 料などへも利用することができる。

 本発明の組成物は、食品、飲料、機能性食 、栄養補助食品、医薬品、医薬部外品、化 品、動物用医薬品、ペットフード、飼料ま は餌料の用途に使用できる。ここでいう機 性食品とは、いわゆる健康食品の他、健康 助食品、特定保健用食品、栄養機能食品な 、医薬品以外で健康維持のために摂取出来 食品形態の全てを指している。また、食品 いわゆる健康食品であるような場合には、 草ポリフェノールおよびその他の有効成分 1食あたりの摂取単位量の形態で包装された 形態などが挙げられ、食品が健康ドリンクで あるような場合には、該甘草ポリフェノール およびその他の有効成分が懸濁あるいは溶解 したドリンクが1食あたり飲み切りの形態で ン等に入れられている形態が挙げられる。
 1食あたりの摂取単位量とは、食品の場合、 摂取される有効成分量である。特に食品の場 合、食品全体の摂取量は個人差があり、組成 物中の有効成分の含有量として一概に規定す ることが困難であるので、上述した1日あた の有効摂取量を勘案して、有効成分の1回摂 量として規定することが推奨される。当該1 回摂取量は、年齢、体重、性別、ストレスの 程度などによって適宜変動する量である。な お医薬品の場合、包装された形態や1回当た の飲み切りの形態でビン等に入れられてい 形態で、1回摂取量、すなわち1回に投与され る有効成分量を含む。

 さらに、本発明の組成物は、非経口剤の 態であってもよい。例えば皮膚に直接塗布 る形態とすることもできる。この場合、剤 は、特に限定されるものではなく、例えば 適当な基剤中に上記組成物を溶解または混 分散させて、クリーム状、ペースト状、ゼ ー状、ゲル状、乳液状、液状の形状になさ たもの(軟膏剤、リニメント剤、ローション 剤、スプレー剤など)、基剤中に上記組成物 溶解または混合分散させたものを支持体上 展延したもの(パップ剤など)、粘着剤中に上 記組成物を溶解または混合分散させたものを 支持体上に展延したもの(プラスター剤、テ プ剤など)が挙げられる。

 本発明の組成物を医薬部外品として使用 る場合の医薬部外品とは、薬事法に定めら た医薬部外品を指し、経口剤(エキス剤、エ リキシル剤、シロップ剤、チンキ剤、リモナ ーデ剤等の液剤とカプセル剤、顆粒剤、丸剤 、散剤、錠剤等の固形剤)などが挙げられる

 有効量の本発明の組成物を、対象に投与 ることを含む、エネルギー産生を促進する 法、肥満、メタボリックシンドローム、糖 病、高脂血症あるいは高血圧症の予防、改 、あるいは治療方法、または痩身方法も本 明の一態様である。なお本発明における痩 方法とは、主として体脂肪を減らすことに り、体重を減少させることである。

 体脂肪蓄積抑制、体脂肪分解促進または ネルギー産生促進のための本発明の組成物 製造のための、甘草ポリフェノールおよび の他の成分の使用も本発明の別の態様であ 。

 以下に、実施例を挙げて本発明をさらに 体的に説明するが、本発明はこれらの実施 に限定されるものではない。

 (実施例1)
 アフガン産甘草(G.glabra)の根茎部1.0Kgを用い エタノール5.0Lによる抽出(45℃、2時間、2回) を行った後、減圧濃縮により濃縮液0.45Lを得 。次いで、この濃縮液0.3Lを活性炭処理した 後、更に濃縮して、甘草疎水性抽出物含有エ タノール溶液123.6g(甘草疎水性抽出物24.8g含有 )を得た。さらに、この甘草疎水性抽出物含 エタノール溶液50.0gを減圧濃縮し、甘草疎水 性抽出物10.0gを得た。

 (実施例2)
 実施例1の甘草疎水性抽出物含有エタノール 溶液63.9gと中鎖脂肪酸トリグリセライド(アク ターM2;理研ビタミン(株)、脂肪酸組成はC8:C10= 99:1)18.8gを混合し、減圧濃縮によりエタノー を除去した。減圧濃縮により得られた28.7gを 吸引濾過により不溶分を濾別した後、不溶分 をヘキサンで洗浄し、得られた回収オイルは 先の濾液に加えた。回収した濾液26.2gに中鎖 肪酸トリグリセリド4.5gを添加して、甘草疎 水性抽出物含有中鎖脂肪酸トリグリセリド溶 液30.7g(うち、甘草疎水性抽出物8.9gを含有)を た。

 HPLC分析
 <HPLC分析サンプルの調整>
 上記甘草疎水性抽出物含有中鎖脂肪酸トリ リセリド溶液1gをHPLC用メタノールに溶解し 全量を100mlに調整した。

 <HPLC条件>
 カラム : YMC、J’sphere ODS-H80、4.6×250mm
 カラム温度 : 40℃
 移動相 : A=20mMリン酸水溶液
       B=アセトニトリル:メタノール(50:50= v/v)
 グラジエント : 移動相Aに対して、Bの比率 を分析開始20分まで50%で一定とし、20分以降75 分後に80%となるように一定比率で上昇させ、 75分以降80分まで100%で一定とし、80分以降100 まで50%で一定とする条件
 流速 : 1ml/min
 波長 : UV282nm
 サンプル注入量: 20μL

 <分析結果>
 甘草疎水性抽出物含有中鎖脂肪酸トリグリ リド溶液1gに含まれる各々の成分の含有量 、グラブレン(4.4mg)、グラブリジン(30.0mg)、 ラブロール(6.0mg)、4’-O-メチルグラブリジン (5.2mg)であった。

 <ポリフェノール分析>
 グラブリジン(和光純薬工業株式会社製)を 準物質に用いたフォリン-デニス法によるポ フェノール含量の測定を行った結果、甘草 水性抽出物含有中鎖脂肪酸トリグリセリド 液1g中のポリフェノールの総含有量は、239.1 mgであった。

 (参考例)
 アフガン産甘草(G.glabra)の根茎部40gを用い、 80%エタノール300mLによる抽出(45℃、2時間、2 )を行った。減圧濃縮、活性炭処理後、さら 減圧濃縮によりエタノールを除去して甘草 水性抽出物5.2gを得た。グラブリジンとグリ チルリチンの含有量は、甘草疎水性抽出物あ たりグラブリジン2.0重量%、グリチルリチン7. 1重量%であった。
 なお、同条件で実施例2の甘草疎水性抽出物 含有中鎖脂肪酸トリグリセリド溶液のグリチ ルリチン含有量を測定したところ、検出限界 (0.001重量%)以下であった。

 <グリチルリチンのHPLC条件>
 カラム : YMC、J’sphere ODS-H80、4.6×250mm
 カラム温度 : 40℃
 移動相 : A=アセトニトリル
       B=20mMリン酸水溶液
 グラジエント :移動相Aの比率を分析開始10 まで36%で一定とし、10分以降50分後に45%とな るように一定比率で上昇させ、50分以降55分 で100%で一定とし、55分以降75分まで36%で一定 とする条件
 流速 : 1ml/min
 波長 : UV254nm
 サンプル注入量: 20μL

 (実施例3)
 アフガン産甘草(G.glabra)の根茎部500gを用い 91%エタノール3.1Lによる抽出(45℃、2時間、2 )を行った。減圧濃縮、活性炭処理後、さら 減圧濃縮によりエタノールを除去して甘草 水性抽出物42.5gを得た。グラブリジンとグ チルリチンの含有量は、甘草疎水性抽出物 たりグラブリジン3.6重量%、グリチルリチン2 .1重量%であった。

 (実施例4)
 ミツロウ8重量部、レシチン2重量部、ジグ セリンモノオレエート18重量部の混合物に実 施例2で得た甘草疎水性抽出物含有中鎖脂肪 トリグリセリド溶液70重量部およびアスタキ サンチン1重量部、ビタミンA 1重量部を添加 合し、ロータリー式ソフトカプセル製造装 を用いてゼラチン皮膜に圧入して飲食用ソ トカプセル剤を得た。

 (実施例5)
 実施例1で得た甘草疎水性抽出物10重量部、 リポ酸5重量部、ビタミンC 1重量部、ビタミ ンE 2重量部、L-バリン2重量部、アスパラギ 酸2重量部、L-カルニチン5重量部、カテキン2 重量部、セサミン2重量部、クエン酸2重量部 フラクトオリゴ糖2重量部、ミツロウ5重量 、大豆ペプチド5重量部、中鎖脂肪酸トリグ セリド55重量部を混合し、ロータリー式ソ トカプセル製造装置を用いてゼラチン皮膜 圧入して飲食用ソフトカプセル剤を得た。

 (実施例6)
 実施例2で得た甘草疎水性抽出物含有中鎖脂 肪酸トリグリセリド溶液5重量部およびリコ ン(トマト抽出物)1重量部を微結晶セルロー 40重量部に吸着させた後、これに、コーンス ターチ20重量部、乳糖8重量部、カルボキシメ チルセルロース8重量部、ステアリン酸マグ シウム2重量部を混合し、次いでポリビニル ロリドンの水溶液を8重量部加え顆粒化した 。これに滑沢剤としてタルク8重量部を加え 混合した後、錠剤に打錠した。

 (実施例7)
 実施例1で得た甘草疎水性抽出物10重量部、 スタキサンチン1重量部、グリセロールソル ビタン脂肪酸エステル60重量部、微結晶性ワ クス10重量部、オリーブ油30重量部、流動パ ラフィン180重量部、ステアリン酸マグネシウ ム10重量部、プロピレングリコール37重量部 硫酸マグネシウム7重量部、脱塩素水655重量 を含有するクリームを調製した。

 (実施例8)in vitro肥満モデルの作製
 脂肪前駆細胞として3T3-L1細胞(大日本住友製 薬株式会社)を用いた。3T3-L1細胞は、75cm 2 フラスコで継代用培地A(10%ウシ血清添加DMEM、 ペニシリン・ストレプトマイシン添加)を用 て培養した。24ウェルプレートに3T3-L1細胞を 20000cells/wellの細胞数で播種した。翌日、継代 用培地B(10%ウシ胎児血清添加high glucose DMEM、 ペニシリン・ストレプトマイシン添加)に置 し、48時間後に分化誘導培地に置換した。分 化誘導培地の組成は、継代用培地Bを基本培 とし、デキサメサゾン、イソブチルメチル サンチン、インスリン、ピオグリタゾンを れぞれ最終濃度が0.5μM、500μM、8μg/ml、2μMと なるように添加したものを用いた。さらに48 間後に分化促進培地に置換した。分化促進 地の組成は、継代用培地Bを基本培地とし、 インスリン、ピオグリタゾンをそれぞれ最終 濃度が8μg/ml、2μMとなるように添加したもの 用いた。さらに48時間後、継代用培地Bに置 した。以後、1日おきに継代用培地Bで培地 換を繰り返した。7~10日後に位相差顕微鏡に り3T3-L1細胞が成熟脂肪細胞に分化している とを確認し、以下の試験に供した。

 (実施例9)甘草ポリフェノール及び抗酸化成 の脂質分解促進作用
 実施例9で作製したin vitro肥満モデルを用い て甘草ポリフェノールを主成分とする甘草疎 水性抽出物および抗酸化成分の脂質分解に及 ぼす影響を検討した。さらに各々の併用効果 についても検討した。

 継代用培地Bをアスピレーターで除去した後 、KRB-HEPES(128mM NaCl, 10mM NaH 2 PO 4 , 4.7mM KCl, 1.25mM CaCl 2 , 1.25mM MgCl 2 , 50mM HEPES、pH7.4)で洗浄した。実施例1の甘草 疎水性抽出物(50mg/ml)と抗酸化成分としてαリ 酸(100mM)をそれぞれDMSOに溶解した。KRB-HEPES BSA(終濃度1%)、グルコース(終濃度5mM)および ピネフリン(終濃度0.1μM)を添加した液(Buffer  A)で目的の濃度になるように甘草疎水性抽出 またはαリポ酸の希釈を行い、細胞へ添加 た。甘草疎水性抽出物の最終濃度は25μg/ml、 αリポ酸の最終濃度は30μMとし、それぞれの 独添加と両者を加えたものを作成した。24時 間後に培養上清を分取して、遠心上清をサン プルとした。グリセロール濃度測定には、Zen -Bio社製のGlycerol Reagent Aを用い、細胞の蛋白 質濃度あたりのグリセロール量を算出し、比 較検討した。グリセロール分泌量は、細胞内 の脂質分解の指標として一般的に用いられて おり、該量が多いほど脂質分解促進効果が強 い。

 表1から明らかなように、甘草疎水性抽出 物とαリポ酸を併用することで、顕著な脂質 解促進効果が得られた。

 (実施例10)甘草ポリフェノールおよび甘草ポ リフェノール以外のポリフェノールの脂質分 解促進作用
 実施例9で作製したin vitro肥満モデルを用い て甘草ポリフェノールを主成分とする甘草疎 水性抽出物および甘草ポリフェノール以外の ポリフェノールの脂質分解に及ぼす影響を検 討した。さらに各々の併用効果についても検 討した。

 継代用培地Bを除去した後、KRB-HEPESで洗浄 した。実施例1の甘草疎水性抽出物(50mg/ml)と 草ポリフェノール以外のポリフェノールと てゲニステイン(100mM)をそれぞれDMSOに溶解し た。Buffer Aで目的の濃度になるように甘草疎 水性抽出物またはゲニステインの希釈を行い 、細胞へ添加した。甘草疎水性抽出物の最終 濃度は25μg/ml、ゲニステインの最終濃度は10μ Mとし、それぞれの単独添加と両者を加えた のを作成した。24時間後に培養上清を分取し て、遠心上清をサンプルとした。グリセロー ル濃度測定には、Zen-Bio社製のGlycerol Reagent A を用い、細胞の蛋白質濃度あたりのグリセロ ール量を算出し、比較検討した。

 表2から明らかなように、甘草疎水性抽出 物とゲニステインを併用することで、顕著な 脂質分解促進効果が得られた。

 (実施例11)甘草ポリフェノールおよび細胞の 脂質代謝を修飾する成分の脂質分解促進作用
 実施例9で作製したin vitro肥満モデルを用い て甘草ポリフェノールを主成分とする甘草疎 水性抽出物および細胞の脂質代謝を修飾する 成分の脂質分解に及ぼす影響を検討した。さ らに各々の併用効果についても検討した。

 継代用培地Bを除去した後、KRB-HEPESで洗浄 した。実施例1の甘草疎水性抽出物(50mg/ml)と 胞の脂質代謝を修飾する成分としてカルニ ン(100mM)をそれぞれDMSOに溶解した。Buffer Aで 目的の濃度になるように甘草疎水性抽出物ま たはカルニチンの希釈を行い、細胞へ添加し た。甘草疎水性抽出物の最終濃度は25μg/ml、 ルニチンの最終濃度は80μMとし、それぞれ 単独添加と両者を加えたものを作成した。24 時間後に培養上清を分取して、遠心上清をサ ンプルとした。グリセロール濃度測定には、 Zen-Bio社製のGlycerol Reagent Aを用い、細胞の蛋 白質濃度あたりのグリセロール量を算出し、 比較検討した。

 表3から明らかなように、甘草疎水性抽出 物とカルニチンを併用することで、顕著な脂 質分解促進効果が得られた。

 以上、本発明の具体的な態様のいくつか 詳細に説明したが、当業者であれば示され 特定の態様には、本発明の教示と利点から 質的に逸脱しない範囲で様々な修正と変更 なすことは可能である。従って、そのよう 修正および変更も、すべて後記の請求の範 で請求される本発明の精神と範囲内に含ま るものである。

 本出願は日本で出願された特願2007-131779、 国仮出願60/950,432を基礎としており、その内 は本明細書に全て包含されるものである。