Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
COMPOSITION FOR DIAGNOSIS OF PRION DISEASE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/072417
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a composition comprising a compound represented by the general formula (I). The compound has high binding specificity to abnormal prion protein and high penetration into the brain. Therefore, the composition is useful for the diagnosis of a prion disease. (I) wherein R1, R2, R3 and R4 independently represent a hydrogen atom or the like; and R5 represents a 4-dimethylaminophenyl group or the like.

Inventors:
NAKAYAMA MORIO (JP)
HARATAKE MAMORU (JP)
ONO MASAHIRO (JP)
KATAMINE SHIGERU (JP)
NISHIDA NORIYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/071334
Publication Date:
June 11, 2009
Filing Date:
November 25, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
UNIV NAGASAKI (JP)
NAKAYAMA MORIO (JP)
HARATAKE MAMORU (JP)
ONO MASAHIRO (JP)
KATAMINE SHIGERU (JP)
NISHIDA NORIYUKI (JP)
International Classes:
A61K51/00; G01N33/15; G01N33/50
Domestic Patent References:
WO2006057323A12006-06-01
Other References:
KAORI UBAGAI ET AL.: "Prion Tanpakushitsu Ketsugosei Kagobutsu no Tansaku to Bunshi Imaging eno Oyo", THE PHARMACEUTICAL SOCIETY OF JAPAN KYUSHU SHIBU TAIKAI KOEN YOSHISHU, vol. 24TH, 15 November 2007 (2007-11-15), pages 104
ONO,M. ET AL.: "Synthesis and characterization of styrylchromone derivatives as beta-amyloid imaging agents", BIOORG MED CHEM, vol. 15, no. 1, 2007, pages 444 - 450
ONO,M. ET AL.: "Structure-activity relationship of chalcones and related derivatives as ligands for detecting of beta-amyloid plaques in the brain", BIOORG MED CHEM, vol. 15, no. 19, 2007, pages 6388 - 6396
ONO,M. ET AL.: "Novel benzofuran derivatives for PET imaging of beta-amyloid plaques in Alzheimer's disease brains", J MED CHEM, vol. 49, no. 9, 2006, pages 2725 - 2730
Attorney, Agent or Firm:
NOMURA, Kenichi et al. (30-1 Tsuruyacho 3-chome,Kanagawa-ku, Yokohama-sh, Kanagawa 35, JP)
Download PDF:
Claims:
 一般式(I)
〔式中、R 1 、R 2 、R 3 、及びR 4 は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、スルホン基、ジメチルアミノ基、メチルアミノ基、アミノ基、ニトロ基、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基、2-フルオロエトキシ基、3-フルオロプロポキシ基、4-フルオロブトキシ基、又は5-フルオロペントキシ基を示し、R 5 は下記置換基群Aから選ばれた1若しくは2以上の置換基によって置換されていてもよいアリール基、下記置換基群Aから選ばれた1若しくは2以上の置換基によって置換されていてもよい芳香族複素環基を示し、置換基群Aは、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、スルホン基、ジメチルアミノ基、メチルアミノ基、アミノ基、ニトロ基、炭素数1~4のアルキル基、及び炭素数1~4のアルコキシ基からなる群である。〕
で表される化合物若しくは前記化合物を放射性核種で標識した化合物、又はこれらの化合物の医薬上許容される塩を含有するプリオン病診断用組成物。
 一般式(I)におけるR 1 、R 2 、R 3 、R 4 のいずれかが、ハロゲン原子である請求項1に記載のプリオン病診断用組成物。
 一般式(I)におけるR 1 、R 2 、R 3 、R 4 のいずれかが、ヨウ素原子である請求項1に記載のプリオン病診断用組成物。
 一般式(I)におけるR 5 が、置換基群Aから選ばれた1若しくは2以上の置換基によって置換されていてもよいフェニル基である請求項1乃至3のいずれか一項に記載のプリオン病診断用組成物。
 一般式(I)におけるR 5 が、4-アミノフェニル基、4-メチルアミノフェニル基、又は4-ジメチルアミノフェニル基である請求項1乃至3のいずれか一項に記載のプリオン病診断用組成物。
 一般式(II)
〔式中、R 6 は下記置換基群Bから選ばれた1若しくは2以上の置換基によって置換されていてもよい芳香族複素環基を示し、R 7 は下記置換基群Bから選ばれた1若しくは2以上の置換基によって置換されていてもよいアリール基、又は下記置換基群Bから選ばれた1若しくは2以上の置換基によって置換されていてもよい芳香族複素環基を示し、置換基群Bは、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、スルホン基、ジメチルアミノ基、メチルアミノ基、アミノ基、ニトロ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~4のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数2~8のアルコキシアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数3~12のアルコキシアルコキシアルコキシ基、式:-(CH 2 CH 2 O) n -F [式中、nは4~10の整数を表す。] で表される基からなる群である。〕
で表される化合物若しくは前記化合物を放射性核種で標識した化合物、又はこれらの化合物の医薬上許容される塩を含有するプリオン病診断用組成物。
 一般式(II)におけるR 6 が、6-ヨードピリジン-3-イル基、6-フルオロピリジン-3-イル基、6-ヒドロキシピリジン-3-イル基、5-ヨードピリジン-2-イル基、5-フルオロピリジン-2-イル基、5-ヒドロキシピリジン-2-イル基、5-ヨードピリジン-3-イル基、5-フルオロピリジン-3-イル基、5-ヒドロキシピリジン-3-イル基、4-ヨードピリジン-2-イル基、4-フルオロピリジン-2-イル基、4-ヒドロキシピリジン-2-イル基、5-ヨードチオフェン-2-イル基、5-フルオロチオフェン-2-イル基、5-ヒドロキシチオフェン-2-イル基、5-ヨードフラン-2-イル基、5-フルオロフラン-2-イル基、5-ヒドロキシフラン-2-イル基、5-アミノチオフェン-2-イル基、5-メチルアミノチオフェン-2-イル基、5-ジメチルアミノチオフェン-2-イル基、5-アミノフラン-2-イル基、5-メチルアミノフラン-2-イル基、5-ジメチルアミノフラン-2-イル基、チアゾール-2-イル基、1H-イミダゾール-5-イル基、1H-イミダゾール-2-イル基、6-(2-フルオロエチル)ピリジン-3-イル基、6-(2-フルオロエトキシ)ピリジン-3-イル基、6-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ]ピリジン-3-イル基、6-{2-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ]エトキシ}ピリジン-3-イル基、5-(2-フルオロエチル)チオフェン-2-イル基、5-(2-フルオロエトキシ)チオフェン-2-イル基、5-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ]チオフェン-2-イル基、5-{2-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ]エトキシ}チオフェン-2-イル基、5-(2-フルオロエチル)フラン-2-イル基、5-(2-フルオロエトキシ)フラン-2-イル基、5-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ]フラン-2-イル基、5-{2-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ]エトキシ}フラン-2-イル基、ピリジン-4-イル基、ピリジン-3-イル基、又はピリジン-2-イル基である請求項6に記載のプリオン病診断用組成物。
 一般式(II)におけるR 7 が、4-アミノフェニル基、4-メチルアミノフェニル基、4-ジメチルアミノフェニル基、4-ヒドロキシフェニル基、4-メトキシフェニル基、6-ヨードピリジン-3-イル基、6-フルオロピリジン-3-イル基、6-ヒドロキシピリジン-3-イル基、5-ヨードピリジン-2-イル基、5-フルオロピリジン-2-イル基、5-ヒドロキシピリジン-2-イル基、5-ヨードピリジン-3-イル基、5-フルオロピリジン-3-イル基、5-ヒドロキシピリジン-3-イル基、4-ヨードピリジン-2-イル基、4-フルオロピリジン-2-イル基、4-ヒドロキシピリジン-2-イル基、5-ヨードチオフェン-2-イル基、5-フルオロチオフェン-2-イル基、5-ヒドロキシチオフェン-2-イル基、5-ヨードフラン-2-イル基、5-フルオロフラン-2-イル基、5-ヒドロキシフラン-2-イル基、5-アミノチオフェン-2-イル基、5-メチルアミノチオフェン-2-イル基、5-ジメチルアミノチオフェン-2-イル基、5-アミノフラン-2-イル基、5-メチルアミノフラン-2-イル基、5-ジメチルアミノフラン-2-イル基、チアゾール-2-イル基、1H-イミダゾール-5-イル基、1H-イミダゾール-2-イル基、6-(2-フルオロエチル)ピリジン-3-イル基、6-(2-フルオロエトキシ)ピリジン-3-イル基、6-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ]ピリジン-3-イル基、6-{2-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ]エトキシ}ピリジン-3-イル基、5-(2-フルオロエチル)チオフェン-2-イル基、5-(2-フルオロエトキシ)チオフェン-2-イル基、5-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ]チオフェン-2-イル基、5-{2-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ]エトキシ}チオフェン-2-イル基、5-(2-フルオロエチル)フラン-2-イル基、5-(2-フルオロエトキシ)フラン-2-イル基、5-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ]フラン-2-イル基、5-{2-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ]エトキシ}フラン-2-イル基、ピリジン-4-イル基、ピリジン-3-イル基、又はピリジン-2-イル基である請求項6又は7に記載のプリオン病診断用組成物。
 一般式(II)におけるR 6 が、6-ヨードピリジン-3-イル基、6-フルオロピリジン-3-イル基、6-(2-フルオロエチル)ピリジン-3-イル基、6-(2-フルオロエトキシ)ピリジン-3-イル基、6-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ]ピリジン-3-イル基、6-{2-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ]エトキシ}ピリジン-3-イル基、5-ヨードチオフェン-2-イル基、5-フルオロチオフェン-2-イル基、5-(2-フルオロエチル)チオフェン-2-イル基、5-(2-フルオロエトキシ)チオフェン-2-イル基、5-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ]チオフェン-2-イル基、5-{2-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ]エトキシ}チオフェン-2-イル基、5-ヨードフラン-2-イル基、5-フルオロフラン-2-イル基、5-(2-フルオロエチル)フラン-2-イル基、5-(2-フルオロエトキシ)フラン-2-イル基、5-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ]フラン-2-イル基、又は5-{2-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ]エトキシ}フラン-2-イル基であり、一般式(II)におけるR 7 が、5-アミノチオフェン-2-イル基、5-メチルアミノチオフェン-2-イル基、5-ジメチルアミノチオフェン-2-イル基、5-アミノフラン-2-イル基、5-メチルアミノフラン-2-イル基、5-ジメチルアミノフラン-2-イル基、チアゾール-2-イル基、1H-イミダゾール-5-イル基、1H-イミダゾール-2-イル基、4-アミノフェニル基、4-メチルアミノフェニル基、4-ジメチルアミノフェニル基、4-ヒドロキシフェニル基、4-メトキシフェニル基、ピリジン-4-イル基、ピリジン-3-イル基、又はピリジン-2-イル基である請求項6に記載のプリオン病診断用組成物。
 一般式(II)におけるR 6 が、5-アミノチオフェン-2-イル基、5-メチルアミノチオフェン-2-イル基、5-ジメチルアミノチオフェン-2-イル基、5-アミノフラン-2-イル基、5-メチルアミノフラン-2-イル基、5-ジメチルアミノフラン-2-イル基、チアゾール-2-イル基、1H-イミダゾール-5-イル基、1H-イミダゾール-2-イル基、ピリジン-4-イル基、ピリジン-3-イル基、又はピリジン-2-イル基であり、一般式(II)におけるR 7 が、6-ヨードピリジン-3-イル基、6-フルオロピリジン-3-イル基、6-(2-フルオロエチル)ピリジン-3-イル基、6-(2-フルオロエトキシ)ピリジン-3-イル基、6-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ]ピリジン-3-イル基、6-{2-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ]エトキシ}ピリジン-3-イル基、5-ヨードチオフェン-2-イル基、5-フルオロチオフェン-2-イル基、5-(2-フルオロエチル)チオフェン-2-イル基、5-(2-フルオロエトキシ)チオフェン-2-イル基、5-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ]チオフェン-2-イル基、5-{2-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ]エトキシ}チオフェン-2-イル基、5-ヨードフラン-2-イル基、5-フルオロフラン-2-イル基、5-(2-フルオロエチル)フラン-2-イル基、5-(2-フルオロエトキシ)フラン-2-イル基、5-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ]フラン-2-イル基、又は5-{2-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ]エトキシ}フラン-2-イル基である請求項6に記載のプリオン病診断用組成物。
 一般式(II)におけるR 6 が、6-ヒドロキシピリジン-3-イル基、5-ヒドロキシチオフェン-2-イル基、5-ヒドロキシフラン-2-イル基、6-(2-フルオロエトキシ)ピリジン-3-イル基、6-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ]ピリジン-3-イル基、6-{2-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ]エトキシ}ピリジン-3-イル基、5-(2-フルオロエトキシ)チオフェン-2-イル基、5-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ]チオフェン-2-イル基、5-{2-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ]エトキシ}チオフェン-2-イル基、5-(2-フルオロエトキシ)フラン-2-イル基、5-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ]フラン-2-イル基、又は5-{2-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ]エトキシ}フラン-2-イル基であり、一般式(II)におけるR 7 が、5-メチルアミノチオフェン-2-イル基、5-ジメチルアミノチオフェン-2-イル基、5-メチルアミノフラン-2-イル基、5-ジメチルアミノフラン-2-イル基、4-メチルアミノフェニル基、又は4-ジメチルアミノフェニル基である請求項6に記載のプリオン病診断用組成物。
 一般式(II)におけるR 6 が、5-メチルアミノチオフェン-2-イル基、5-ジメチルアミノチオフェン-2-イル基、5-メチルアミノフラン-2-イル基、又は5-ジメチルアミノフラン-2-イル基であり、一般式(II)におけるR 7 が、6-ヒドロキシピリジン-3-イル基、5-ヒドロキシチオフェン-2-イル基、又は5-ヒドロキシフラン-2-イル基である請求項6に記載のプリオン病診断用組成物。
 放射性核種が、陽電子放出核種である請求項1乃至12のいずれか一項に記載のプリオン病診断用組成物。
 放射性核種が、γ線放出核種である請求項1乃至12のいずれか一項に記載のプリオン病診断用組成物。
 プリオン病が、クロイツフェルド-ヤコブ病、又はウシ海綿状脳症である請求項1乃至14のいずれか一項に記載のプリオン病診断用組成物。
 プリオン病のモデル動物に被験物質を投与する工程、前記モデル動物に請求項1乃至15のいずれか一項に記載のプリオン病診断用組成物を投与する工程、及び前記モデル動物の脳中に含まれる一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物の分布又は量を調べる工程を含むプリオン病の治療薬又は予防薬のスクリーニング方法。
 プリオン病のモデル動物に前記疾患の治療薬又は予防薬を投与する工程、前記モデル動物に請求項1乃至15のいずれか一項に記載のプリオン病診断用組成物を投与する工程、及び前記モデル動物の脳中に含まれる一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物の分布又は量を調べる工程を含むプリオン病の治療薬又は予防薬の評価方法。
Description:
プリオン病診断用組成物

 本発明は、クロイツフェルド-ヤコブ病(CJ D)、ウシ海綿状脳症(BSE)などのプリオン病の 断のために用いられる組成物、前記組成物 利用したプリオン病の治療薬又は予防薬の クリーニング方法、前記組成物を利用した リオン病の治療薬又は予防薬の評価方法に する。

 近年、クロイツフェルド-ヤコブ病(CJD)、 シ海綿状脳症(BSE)をはじめとするプリオン が、ヒトおよび動物への感染性神経変性疾 として問題となっている。現在、プリオン の確定診断は、患者死後脳の病理組織検査 よび免疫生化学的検査により行われており 広範な脳障害が生じる前の早期段階でプリ ン病を診断することは困難となっている。 らに、プリオン病に対する有効な治療薬(キ クリン、アンフォルジンなど)が開発されて いるものの、発症前の早期段階での診断が困 難であることから、その利用は発症後となる ため、薬効を低下させる。このような状況下 、プリオン病の早期診断法の必要性は高く、 その早急な開発が強く求められている。

国際公開第2006/057323号パンフレット

 本発明は、プリオン病の病原蛋白質であ 、異常型プリオン蛋白質を体外から画像化 きる分子イメージングプローブを開発し、 リオン病を早期に診断可能にする手段を提 することを目的とする。

 プリオン蛋白質には、正常プリオン蛋白質( PrP)と、病原性および感染性を持った異常型 リオン蛋白質(PrP Sc )の二つの存在形態があるが、脳内でのPrP Sc の生成を早期に検出することによって、プリ オン病の早期診断が可能になると考えられる 。PrPとPrP Sc はアミノ酸の1次配列は同一であるが、PrPはα ヘリックス構造を、PrP Sc はβシート型構造に富んだ構造を特徴とする に大きな相違がある。

 そこで、本発明者は、PrP Sc のβシート構造を特異的に認識し、結合する 分子化合物の探索を行い、PET、SPECT、光イ ージングなどの画像診断用薬剤となりうる 合物を見出した。

 本発明は以上のような知見に基づき完成 れたものである。

 即ち、本発明は、以下の(1)~(17)を提供す ものである。

(1)一般式(I)

〔式中、R 1 、R 2 、R 3 、及びR 4 は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原 子、水酸基、カルボキシル基、スルホン基、 ジメチルアミノ基、メチルアミノ基、アミノ 基、ニトロ基、炭素数1~4のアルキル基、炭素 数1~4のアルコキシ基、2-フルオロエトキシ基 3-フルオロプロポキシ基、4-フルオロブトキ シ基、又は5-フルオロペントキシ基を示し、R 5 は下記置換基群Aから選ばれた1若しくは2以上 の置換基によって置換されていてもよいアリ ール基、下記置換基群Aから選ばれた1若しく 2以上の置換基によって置換されていてもよ い芳香族複素環基を示し、置換基群Aは、ハ ゲン原子、水酸基、カルボキシル基、スル ン基、ジメチルアミノ基、メチルアミノ基 アミノ基、ニトロ基、炭素数1~4のアルキル 、及び炭素数1~4のアルコキシ基からなる群 ある。〕
で表される化合物若しくは前記化合物を放射 性核種で標識した化合物、又はこれらの化合 物の医薬上許容される塩を含有するプリオン 病診断用組成物。

(2)一般式(I)におけるR 1 、R 2 、R 3 、R 4 のいずれかが、ハロゲン原子である(1)に記載 のプリオン病診断用組成物。

(3)一般式(I)におけるR 1 、R 2 、R 3 、R 4 のいずれかが、ヨウ素原子である(1)に記載の プリオン病診断用組成物。

(4)一般式(I)におけるR 5 が、置換基群Aから選ばれた1若しくは2以上の 置換基によって置換されていてもよいフェニ ル基である(1)乃至(3)のいずれかに記載のプリ オン病診断用組成物。

(5)一般式(I)におけるR 5 が、4-アミノフェニル基、4-メチルアミノフ ニル基、又は4-ジメチルアミノフェニル基で ある(1)乃至(3)のいずれかに記載のプリオン病 診断用組成物。

(6)一般式(II)

〔式中、R 6 は下記置換基群Bから選ばれた1若しくは2以上 の置換基によって置換されていてもよい芳香 族複素環基を示し、R 7 は下記置換基群Bから選ばれた1若しくは2以上 の置換基によって置換されていてもよいアリ ール基、又は下記置換基群Bから選ばれた1若 くは2以上の置換基によって置換されていて もよい芳香族複素環基を示し、置換基群Bは ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、 ルホン基、ジメチルアミノ基、メチルアミ 基、アミノ基、ニトロ基、ハロゲン原子で 換されていてもよい炭素数1~4のアルキル基 ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素 1~4のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換さ ていてもよい炭素数2~8のアルコキシアルコ シ基、ハロゲン原子で置換されていてもよ 炭素数3~12のアルコキシアルコキシアルコキ 基、式:-(CH 2 CH 2 O) n -F [式中、nは4~10の整数を表す。] で表され 基からなる群である。〕
で表される化合物若しくは前記化合物を放射 性核種で標識した化合物、又はこれらの化合 物の医薬上許容される塩を含有するプリオン 病診断用組成物。

(7)一般式(II)におけるR 6 が、6-ヨードピリジン-3-イル基、6-フルオロ リジン-3-イル基、6-ヒドロキシピリジン-3-イ ル基、5-ヨードピリジン-2-イル基、5-フルオ ピリジン-2-イル基、5-ヒドロキシピリジン-2- イル基、5-ヨードピリジン-3-イル基、5-フル ロピリジン-3-イル基、5-ヒドロキシピリジン -3-イル基、4-ヨードピリジン-2-イル基、4-フ オロピリジン-2-イル基、4-ヒドロキシピリジ ン-2-イル基、5-ヨードチオフェン-2-イル基、5 -フルオロチオフェン-2-イル基、5-ヒドロキシ チオフェン-2-イル基、5-ヨードフラン-2-イル 、5-フルオロフラン-2-イル基、5-ヒドロキシ フラン-2-イル基、5-アミノチオフェン-2-イル 、5-メチルアミノチオフェン-2-イル基、5-ジ メチルアミノチオフェン-2-イル基、5-アミノ ラン-2-イル基、5-メチルアミノフラン-2-イ 基、5-ジメチルアミノフラン-2-イル基、チア ゾール-2-イル基、1H-イミダゾール-5-イル基、 1H-イミダゾール-2-イル基、6-(2-フルオロエチ )ピリジン-3-イル基、6-(2-フルオロエトキシ) ピリジン-3-イル基、6-[2-(2-フルオロエトキシ) エトキシ]ピリジン-3-イル基、6-{2-[2-(2-フルオ ロエトキシ)エトキシ]エトキシ}ピリジン-3-イ ル基、5-(2-フルオロエチル)チオフェン-2-イル 基、5-(2-フルオロエトキシ)チオフェン-2-イル 基、5-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ]チオ ェン-2-イル基、5-{2-[2-(2-フルオロエトキシ) トキシ]エトキシ}チオフェン-2-イル基、5-(2- ルオロエチル)フラン-2-イル基、5-(2-フルオ エトキシ)フラン-2-イル基、5-[2-(2-フルオロ トキシ)エトキシ]フラン-2-イル基、5-{2-[2-(2- フルオロエトキシ)エトキシ]エトキシ}フラン -2-イル基、ピリジン-4-イル基、ピリジン-3-イ ル基、又はピリジン-2-イル基である(6)に記載 のプリオン病診断用組成物。

(8)一般式(II)におけるR 7 が、4-アミノフェニル基、4-メチルアミノフ ニル基、4-ジメチルアミノフェニル基、4-ヒ ロキシフェニル基、4-メトキシフェニル基 6-ヨードピリジン-3-イル基、6-フルオロピリ ン-3-イル基、6-ヒドロキシピリジン-3-イル 、5-ヨードピリジン-2-イル基、5-フルオロピ ジン-2-イル基、5-ヒドロキシピリジン-2-イ 基、5-ヨードピリジン-3-イル基、5-フルオロ リジン-3-イル基、5-ヒドロキシピリジン-3- ル基、4-ヨードピリジン-2-イル基、4-フルオ ピリジン-2-イル基、4-ヒドロキシピリジン-2 -イル基、5-ヨードチオフェン-2-イル基、5-フ オロチオフェン-2-イル基、5-ヒドロキシチ フェン-2-イル基、5-ヨードフラン-2-イル基、 5-フルオロフラン-2-イル基、5-ヒドロキシフ ン-2-イル基、5-アミノチオフェン-2-イル基、 5-メチルアミノチオフェン-2-イル基、5-ジメ ルアミノチオフェン-2-イル基、5-アミノフラ ン-2-イル基、5-メチルアミノフラン-2-イル基 5-ジメチルアミノフラン-2-イル基、チアゾ ル-2-イル基、1H-イミダゾール-5-イル基、1H- ミダゾール-2-イル基、6-(2-フルオロエチル) リジン-3-イル基、6-(2-フルオロエトキシ)ピ ジン-3-イル基、6-[2-(2-フルオロエトキシ)エ キシ]ピリジン-3-イル基、6-{2-[2-(2-フルオロ トキシ)エトキシ]エトキシ}ピリジン-3-イル 、5-(2-フルオロエチル)チオフェン-2-イル基 5-(2-フルオロエトキシ)チオフェン-2-イル基 5-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ]チオフェ -2-イル基、5-{2-[2-(2-フルオロエトキシ)エト シ]エトキシ}チオフェン-2-イル基、5-(2-フル オロエチル)フラン-2-イル基、5-(2-フルオロエ トキシ)フラン-2-イル基、5-[2-(2-フルオロエト キシ)エトキシ]フラン-2-イル基、5-{2-[2-(2-フ オロエトキシ)エトキシ]エトキシ}フラン-2- ル基、ピリジン-4-イル基、ピリジン-3-イル 、又はピリジン-2-イル基である(6)又は(7)に 載のプリオン病診断用組成物。

(9)一般式(II)におけるR 6 が、6-ヨードピリジン-3-イル基、6-フルオロ リジン-3-イル基、6-(2-フルオロエチル)ピリ ン-3-イル基、6-(2-フルオロエトキシ)ピリジ -3-イル基、6-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキ ]ピリジン-3-イル基、6-{2-[2-(2-フルオロエト シ)エトキシ]エトキシ}ピリジン-3-イル基、5- ヨードチオフェン-2-イル基、5-フルオロチオ ェン-2-イル基、5-(2-フルオロエチル)チオフ ン-2-イル基、5-(2-フルオロエトキシ)チオフ ン-2-イル基、5-[2-(2-フルオロエトキシ)エト シ]チオフェン-2-イル基、5-{2-[2-(2-フルオロ トキシ)エトキシ]エトキシ}チオフェン-2-イ 基、5-ヨードフラン-2-イル基、5-フルオロフ ラン-2-イル基、5-(2-フルオロエチル)フラン-2- イル基、5-(2-フルオロエトキシ)フラン-2-イル 基、5-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ]フラ -2-イル基、又は5-{2-[2-(2-フルオロエトキシ) トキシ]エトキシ}フラン-2-イル基であり、一 般式(II)におけるR 7 が、5-アミノチオフェン-2-イル基、5-メチル ミノチオフェン-2-イル基、5-ジメチルアミノ チオフェン-2-イル基、5-アミノフラン-2-イル 、5-メチルアミノフラン-2-イル基、5-ジメチ ルアミノフラン-2-イル基、チアゾール-2-イル 基、1H-イミダゾール-5-イル基、1H-イミダゾー ル-2-イル基、4-アミノフェニル基、4-メチル ミノフェニル基、4-ジメチルアミノフェニル 基、4-ヒドロキシフェニル基、4-メトキシフ ニル基、ピリジン-4-イル基、ピリジン-3-イ 基、又はピリジン-2-イル基である(6)に記載 プリオン病診断用組成物。

(10)一般式(II)におけるR 6 が、5-アミノチオフェン-2-イル基、5-メチル ミノチオフェン-2-イル基、5-ジメチルアミノ チオフェン-2-イル基、5-アミノフラン-2-イル 、5-メチルアミノフラン-2-イル基、5-ジメチ ルアミノフラン-2-イル基、チアゾール-2-イル 基、1H-イミダゾール-5-イル基、1H-イミダゾー ル-2-イル基、ピリジン-4-イル基、ピリジン-3- イル基、又はピリジン-2-イル基であり、一般 式(II)におけるR 7 が、6-ヨードピリジン-3-イル基、6-フルオロ リジン-3-イル基、6-(2-フルオロエチル)ピリ ン-3-イル基、6-(2-フルオロエトキシ)ピリジ -3-イル基、6-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキ ]ピリジン-3-イル基、6-{2-[2-(2-フルオロエト シ)エトキシ]エトキシ}ピリジン-3-イル基、5- ヨードチオフェン-2-イル基、5-フルオロチオ ェン-2-イル基、5-(2-フルオロエチル)チオフ ン-2-イル基、5-(2-フルオロエトキシ)チオフ ン-2-イル基、5-[2-(2-フルオロエトキシ)エト シ]チオフェン-2-イル基、5-{2-[2-(2-フルオロ トキシ)エトキシ]エトキシ}チオフェン-2-イ 基、5-ヨードフラン-2-イル基、5-フルオロフ ラン-2-イル基、5-(2-フルオロエチル)フラン-2- イル基、5-(2-フルオロエトキシ)フラン-2-イル 基、5-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ]フラ -2-イル基、又は5-{2-[2-(2-フルオロエトキシ) トキシ]エトキシ}フラン-2-イル基である(6)に 記載のプリオン病診断用組成物。

(11)一般式(II)におけるR 6 が、6-ヒドロキシピリジン-3-イル基、5-ヒド キシチオフェン-2-イル基、5-ヒドロキシフラ ン-2-イル基、6-(2-フルオロエトキシ)ピリジン -3-イル基、6-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ ]ピリジン-3-イル基、6-{2-[2-(2-フルオロエトキ シ)エトキシ]エトキシ}ピリジン-3-イル基、5-( 2-フルオロエトキシ)チオフェン-2-イル基、5-[ 2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ]チオフェン-2 -イル基、5-{2-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキ ]エトキシ}チオフェン-2-イル基、5-(2-フルオ エトキシ)フラン-2-イル基、5-[2-(2-フルオロ トキシ)エトキシ]フラン-2-イル基、又は5-{2- [2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ]エトキシ}フ ラン-2-イル基であり、一般式(II)におけるR 7 が、5-メチルアミノチオフェン-2-イル基、5- メチルアミノチオフェン-2-イル基、5-メチル アミノフラン-2-イル基、5-ジメチルアミノフ ン-2-イル基、4-メチルアミノフェニル基、 は4-ジメチルアミノフェニル基である(6)に記 載のプリオン病診断用組成物。

(12)一般式(II)におけるR 6 が、5-メチルアミノチオフェン-2-イル基、5- メチルアミノチオフェン-2-イル基、5-メチル アミノフラン-2-イル基、又は5-ジメチルアミ フラン-2-イル基であり、一般式(II)における R 7 が、6-ヒドロキシピリジン-3-イル基、5-ヒド キシチオフェン-2-イル基、又は5-ヒドロキシ フラン-2-イル基である(6)に記載のプリオン病 診断用組成物。

(13)放射性核種が、陽電子放出核種である(1 )乃至(12)のいずれかに記載のプリオン病診断 組成物。

(14)放射性核種が、γ線放出核種である(1)乃 至(12)のいずれかに記載のプリオン病診断用 成物。

(15)プリオン病が、クロイツフェルド-ヤコ 病、又はウシ海綿状脳症である(1)乃至(14)の いずれかに記載のプリオン病診断用組成物。

(16)プリオン病のモデル動物に被験物質を 与する工程、前記モデル動物に(1)乃至(15)の ずれかに記載のプリオン病診断用組成物を 与する工程、及び前記モデル動物の脳中に まれる一般式(I)又は一般式(II)で表される化 合物の分布又は量を調べる工程を含むプリオ ン病の治療薬又は予防薬のスクリーニング方 法。

(17)プリオン病のモデル動物に前記疾患の 療薬又は予防薬を投与する工程、前記モデ 動物に(1)乃至(15)のいずれかに記載のプリオ 病診断用組成物を投与する工程、及び前記 デル動物の脳中に含まれる一般式(I)又は一 式(II)で表される化合物の分布又は量を調べ る工程を含むプリオン病の治療薬又は予防薬 の評価方法。

 また、本発明は、以下の(18)~(23)を提供す ものである。

(18) 一般式(III)

〔式中、R 8 、R 9 、R 10 、及びR 11 は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原 子、水酸基、カルボキシル基、スルホン基、 ジメチルアミノ基、メチルアミノ基、アミノ 基、ニトロ基、炭素数1~4のアルキル基、炭素 数1~4のアルコキシ基、2-フルオロエトキシ基 3-フルオロプロポキシ基、4-フルオロブトキ シ基、又は5-フルオロペントキシ基を示し、R 12 は下記置換基群Cから選ばれた1若しくは2以上 の置換基によって置換されていてもよいアリ ール基、下記置換基群Cから選ばれた1若しく 2以上の置換基によって置換されていてもよ い芳香族複素環基を示し、置換基群Cは、ハ ゲン原子、水酸基、カルボキシル基、スル ン基、ジメチルアミノ基、メチルアミノ基 アミノ基、ニトロ基、炭素数1~4のアルキル 、及び炭素数1~4のアルコキシ基からなる群 ある。〕
で表される化合物若しくは前記化合物を放射 性核種で標識した化合物、又はこれらの化合 物の医薬上許容される塩を含有するプリオン 病診断用組成物。

(19)一般式(III)におけるR 8 、R 9 、R 10 、R 11 のいずれかが、ハロゲン原子である(18)に記 のプリオン病診断用組成物。

(20)一般式(III)におけるR 8 、R 9 、R 10 、R 11 のいずれかが、ヨウ素原子である(18)に記載 プリオン病診断用組成物。

(21)一般式(III)におけるR 8 、R 9 、R 10 、R 11 のいずれかが、2-フルオロエトキシ基である( 18)に記載のプリオン病診断用組成物。

(22)一般式(III)におけるR 12 が、置換基群Cから選ばれた1若しくは2以上の 置換基によって置換されていてもよいフェニ ル基である(18)乃至(21)のいずれかに記載のプ オン病診断用組成物。

(23)一般式(III)におけるR 12 が、4-アミノフェニル基、4-メチルアミノフ ニル基、又は4-ジメチルアミノフェニル基で ある(18)乃至(21)のいずれかに記載のプリオン 診断用組成物。

 一般式(I)、(II)、(III)で表される化合物は、P rP Sc のβシート構造を特異的に結合する性質を持 、また、十分な量が脳へ移行することから プリオン病の診断に有用である。

BSE感染モデルマウス脳切片を用いた蛍 染色実験に用いた化合物の化学構造を示す 。 化合物16の合成経路を示す図。 化合物1によるBSE非感染マウス脳切片(A) およびBSE感染マウス脳切(B)の蛍光染色、抗プ リオン抗体によるBSE感染マウス脳切片の免疫 染色(C)を示す図。 化合物2によるBSE非感染マウス脳切片(A) およびBSE感染マウス脳切片(B)の蛍光染色、抗 プリオン抗体によるBSE感染マウス脳切片の免 疫染色(C)を示す図。 化合物3によるBSE非感染マウス脳切片(A) およびBSE感染マウス脳切片(B)の蛍光染色、抗 プリオン抗体によるBSE感染マウス脳切片の免 疫染色(C)を示す図。 化合物4によるBSE非感染マウス脳切片(A) およびBSE感染マウス脳切片(B)の蛍光染色、抗 プリオン抗体によるBSE感染マウス脳切片の免 疫染色(C)を示す図。 化合物5によるBSE非感染マウス脳切片(A) およびBSE感染マウス脳切片(B)の蛍光染色、抗 プリオン抗体によるBSE感染マウス脳切片の免 疫染色(C)を示す図。 化合物6によるBSE非感染マウス脳切片(A) およびBSE感染マウス脳切片(B)の蛍光染色、抗 プリオン抗体によるBSE感染マウス脳切片の免 疫染色(C)を示す図。 化合物7によるBSE非感染マウス脳切片(A) およびBSE感染マウス脳切片(B)の蛍光染色、抗 プリオン抗体によるBSE感染マウス脳切片の免 疫染色(C)を示す図。 化合物8によるBSE非感染マウス脳切片(A )およびBSE感染マウス脳切片(B)の蛍光染色、 プリオン抗体によるBSE感染マウス脳切片の 疫染色(C)を示す図。 化合物16によるBSE非感染マウス脳切片( A)およびBSE感染マウス脳切片(B)の蛍光染色、 プリオン抗体によるBSE感染マウス脳切片の 疫染色(C)を示す図。

 以下、本発明を詳細に説明する。

 本発明において、「ハロゲン原子」とは 例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子 ヨウ素原子である。

 本発明において、「炭素数1~4のアルキル 」とは、例えば、メチル基、エチル基、プ ピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソ チル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基である

 本発明において、「ハロゲン原子で置換 れていてもよい炭素数1~4のアルキル基」と 、例えば、フルオロメチル基、2-フルオロ チル基、3-フルオロプロピル基、4-フルオロ チル基などである。

 本発明において、「炭素数1~4のアルコキ 基」とは、例えば、メトキシ基、エトキシ 、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブト シ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、ter t-ブトキシ基である。

 本発明において、「炭素数2~8のアルコキ アルコキシ基」とは、例えば、2-エトキシ トキシ基などである。

 本発明において、「炭素数3~12のアルコキ シアルコキシアルコキシ基」とは、例えば、 2-(2-エトキシエトキシ)エトキシ基などである 。

 本発明において、「ハロゲン原子で置換 れていてもよい炭素数1~4のアルコキシ基」 は、例えば、フルオロメトキシ基、2-フル ロエトキシ基、3-フルオロプロポキシ基、4- ルオロブトキシ基などである。

 本発明において、「ハロゲン原子で置換 れていてもよい炭素数2~8のアルコキシアル キシ基」とは、例えば、2-(2-フルオロエト シ)エトキシ基などである。

 本発明において、「ハロゲン原子で置換 れていてもよい炭素数3~12のアルコキシアル コキシアルコキシ基」とは、例えば、2-[2-(2- ルオロエトキシ)エトキシ]エトキシ基など ある。

 本発明において、「アリール基」とは、 えば、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチ ル基などである。

 本発明において、「芳香族複素環基」と 、例えば、チオフェン-2-イル基、チオフェ -3-イル基、フラン-2-イル基、フラン-3-イル 、ピリジン-2-イル基、ピリジン-3-イル基、 リジン-4-イル基、ピリミジン-2-イル基、ピ ミジン-4-イル基、ピリミジン-5-イル基など ある。

 本発明において、「置換基群Aから選ばれ た置換基によって置換されていてもよいアリ ール基」とは、例えば、2-ジメチルアミノフ ニル基、2-メチルアミノフェニル基、2-メト キシフェニル基、2-ヒドロキシフェニル基、3 -ジメチルアミノフェニル基、3-メチルアミノ フェニル基、3-メトキシフェニル基、3-ヒド キシフェニル基、4-ジメチルアミノフェニル 基、4-メチルアミノフェニル基、4-メトキシ ェニル基、4-ヒドロキシフェニル基、3-ヒド キシ-4-ジメチルアミノフェニル基、3-ヒド キシ-4-メチルアミノフェニル基、3-ヒドロキ シ-4-メトキシフェニル基、3,5-ジヒドロキシ-4 -ジメチルアミノフェニル基、3,5-ジヒドロキ -4-メチルアミノフェニル基、3,5-ジヒドロキ シ-4-メトキシフェニル基などである。

 本発明において、「置換基群Aから選ばれ た置換基によって置換されていてもよい芳香 族複素環基」とは、例えば、5-ジメチルアミ ピリジン-2-イル基、5-メチルアミノピリジ -2-イル基、5-メトキシピリジン-2-イル基、6- メチルアミノピリジン-3-イル基、6-メチル ミノピリジン-3-イル基、6-メトキシピリジン -3-イル基などである。

 本発明において、「置換基群Bから選ばれ た置換基によって置換されていてもよいアリ ール基」とは、例えば、2-ジメチルアミノフ ニル基、2-メチルアミノフェニル基、2-アミ ノフェニル基、2-メトキシフェニル基、2-ヒ ロキシフェニル基、3-ジメチルアミノフェニ ル基、3-メチルアミノフェニル基、3-アミノ ェニル基、3-メトキシフェニル基、3-ヒドロ シフェニル基、4-ジメチルアミノフェニル 、4-メチルアミノフェニル基、4-アミノフェ ル基、4-メトキシフェニル基、4-ヒドロキシ フェニル基、3-ヒドロキシ-4-ジメチルアミノ ェニル基、3-ヒドロキシ-4-メチルアミノフ ニル基、3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル基 、3,5-ジヒドロキシ-4-ジメチルアミノフェニ 基、3,5-ジヒドロキシ-4-メチルアミノフェニ 基、3,5-ジヒドロキシ-4-メトキシフェニル基 などである。

 本発明において、「置換基群Bから選ばれ た置換基によって置換されていてもよい芳香 族複素環基」とは、例えば、6-ヨードピリジ -3-イル基、6-フルオロピリジン-3-イル基、6- ヒドロキシピリジン-3-イル基、6-(2-フルオロ チル)ピリジン-3-イル基、6-(2-フルオロエト シ)ピリジン-3-イル基、6-[2-(2-フルオロエト シ)エトキシ]ピリジン-3-イル基、6-{2-[2-(2-フ ルオロエトキシ)エトキシ]エトキシ}ピリジン -3-イル基、5-ヨードピリジン-2-イル基、5-フ オロピリジン-2-イル基、5-ヒドロキシピリジ ン-2-イル基、5-(2-フルオロエチル)ピリジン-2- イル基、5-(2-フルオロエトキシ)ピリジン-2-イ ル基、5-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ]ピ ジン-2-イル基、5-{2-[2-(2-フルオロエトキシ) トキシ]エトキシ}ピリジン-2-イル基、5-ヨー ピリジン-3-イル基、5-フルオロピリジン-3- ル基、5-ヒドロキシピリジン-3-イル基、5-(2- ルオロエチル)ピリジン-3-イル基、5-(2-フル ロエトキシ)ピリジン-3-イル基、5-[2-(2-フル ロエトキシ)エトキシ]ピリジン-3-イル基、5- {2-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ]エトキシ} ピリジン-3-イル基、4-ヨードピリジン-2-イル 、4-フルオロピリジン-2-イル基、4-ヒドロキ シピリジン-2-イル基、4-(2-フルオロエチル)ピ リジン-2-イル基、4-(2-フルオロエトキシ)ピリ ジン-2-イル基、4-[2-(2-フルオロエトキシ)エト キシ]ピリジン-2-イル基、4-{2-[2-(2-フルオロエ トキシ)エトキシ]エトキシ}ピリジン-2-イル基 、5-ヨードチオフェン-2-イル基、5-フルオロ オフェン-2-イル基、5-ヒドロキシチオフェン -2-イル基、5-ヨードフラン-2-イル基、5-フル ロフラン-2-イル基、5-ヒドロキシフラン-2-イ ル基、5-アミノチオフェン-2-イル基、5-メチ アミノチオフェン-2-イル基、5-ジメチルアミ ノチオフェン-2-イル基、5-アミノフラン-2-イ 基、5-メチルアミノフラン-2-イル基、5-ジメ チルアミノフラン-2-イル基、チアゾール-2-イ ル基、1H-イミダゾール-5-イル基、1H-イミダゾ ール-2-イル基、5-ジメチルアミノピリジン-2- ル基、5-メチルアミノピリジン-2-イル基、5- メトキシピリジン-2-イル基、6-ジメチルアミ ピリジン-3-イル基、6-メチルアミノピリジ -3-イル基、6-メトキシピリジン-3-イル基、5-( 2-フルオロエトキシ)チオフェン-2-イル基、5-[ 2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ]チオフェン-2 -イル基、5-{2-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキ ]エトキシ}チオフェン-2-イル基、5-(2-フルオ エトキシ)フラン-2-イル基、5-[2-(2-フルオロ トキシ)エトキシ]フラン-2-イル基、又は5-{2- [2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ]エトキシ}フ ラン-2-イル基などである。

 本発明において、「置換基群Cから選ばれ た置換基によって置換されていてもよいアリ ール基」とは、例えば、2-ジメチルアミノフ ニル基、2-メチルアミノフェニル基、2-メト キシフェニル基、2-ヒドロキシフェニル基、3 -ジメチルアミノフェニル基、3-メチルアミノ フェニル基、3-メトキシフェニル基、3-ヒド キシフェニル基、4-ジメチルアミノフェニル 基、4-メチルアミノフェニル基、4-メトキシ ェニル基、4-ヒドロキシフェニル基、3-ヒド キシ-4-ジメチルアミノフェニル基、3-ヒド キシ-4-メチルアミノフェニル基、3-ヒドロキ シ-4-メトキシフェニル基、3,5-ジヒドロキシ-4 -ジメチルアミノフェニル基、3,5-ジヒドロキ -4-メチルアミノフェニル基、3,5-ジヒドロキ シ-4-メトキシフェニル基などである。

 本発明において、「置換基群Cから選ばれ た置換基によって置換されていてもよい芳香 族複素環基」とは、例えば、5-ジメチルアミ ピリジン-2-イル基、5-メチルアミノピリジ -2-イル基、5-メトキシピリジン-2-イル基、6- メチルアミノピリジン-3-イル基、6-メチル ミノピリジン-3-イル基、6-メトキシピリジン -3-イル基などである。

 一般式(I)において、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 は、好適には、いずれかがハロゲン原子であ り、より好適には、いずれかがヨウ素原子で ある。

 一般式(I)において、R 5 は、好適には、ハロゲン原子、水酸基、カル ボキシル基、スルホン基、ジメチルアミノ基 、メチルアミノ基、アミノ基、ニトロ基、炭 素数1~4のアルキル基、及び炭素数1~4のアルコ キシ基からなる群から選ばれた1若しくは2以 の置換基によって置換されていてもよいフ ニル基であり、より好適には、4-ジメチル ミノフェニル基、4-メチルアミノフェニル基 、4-メトキシフェニル基、又は4-ヒドロキシ ェニル基である。

 一般式(II)においてR 6 は、好適には、6-ヨードピリジン-3-イル基、6 -フルオロピリジン-3-イル基、6-ヒドロキシピ リジン-3-イル基、5-ヨードピリジン-2-イル基 5-フルオロピリジン-2-イル基、5-ヒドロキシ ピリジン-2-イル基、5-ヨードピリジン-3-イル 、5-フルオロピリジン-3-イル基、5-ヒドロキ シピリジン-3-イル基、4-ヨードピリジン-2-イ 基、4-フルオロピリジン-2-イル基、4-ヒドロ キシピリジン-2-イル基、5-ヨードチオフェン- 2-イル基、5-フルオロチオフェン-2-イル基、5- ヒドロキシチオフェン-2-イル基、5-ヨードフ ン-2-イル基、5-フルオロフラン-2-イル基、5- ヒドロキシフラン-2-イル基、5-アミノチオフ ン-2-イル基、5-メチルアミノチオフェン-2- ル基、5-ジメチルアミノチオフェン-2-イル基 、5-アミノフラン-2-イル基、5-メチルアミノ ラン-2-イル基、5-ジメチルアミノフラン-2-イ ル基、チアゾール-2-イル基、1H-イミダゾール -5-イル基、1H-イミダゾール-2-イル基、6-(2-フ オロエチル)ピリジン-3-イル基、6-(2-フルオ エトキシ)ピリジン-3-イル基、6-[2-(2-フルオ エトキシ)エトキシ]ピリジン-3-イル基、6-{2- [2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ]エトキシ}ピ リジン-3-イル基、5-(2-フルオロエチル)チオフ ェン-2-イル基、5-(2-フルオロエトキシ)チオフ ェン-2-イル基、5-[2-(2-フルオロエトキシ)エト キシ]チオフェン-2-イル基、5-{2-[2-(2-フルオロ エトキシ)エトキシ]エトキシ}チオフェン-2-イ ル基、5-(2-フルオロエチル)フラン-2-イル基、 5-(2-フルオロエトキシ)フラン-2-イル基、5-[2-( 2-フルオロエトキシ)エトキシ]フラン-2-イル 、5-{2-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ]エト シ}フラン-2-イル基、ピリジン-4-イル基、ピ リジン-3-イル基、又はピリジン-2-イル基であ り、より好適には、6-ヨードピリジン-3-イル 、5-ヨードチオフェン-2-イル基、6-(2-フルオ ロエトキシ)ピリジン-3-イル基、6-[2-(2-フルオ ロエトキシ)エトキシ]ピリジン-3-イル基、6-{2 -[2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ]エトキシ} リジン-3-イル基、5-(2-フルオロエトキシ)チ フェン-2-イル基、5-[2-(2-フルオロエトキシ) トキシ]チオフェン-2-イル基、5-{2-[2-(2-フル ロエトキシ)エトキシ]エトキシ}チオフェン-2 -イル基、5-(2-フルオロエトキシ)フラン-2-イ 基、5-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ]フラ -2-イル基、又は5-{2-[2-(2-フルオロエトキシ) トキシ]エトキシ}フラン-2-イル基である。

 一般式(II)においてR 7 は、好適には、4-アミノフェニル基、4-メチ アミノフェニル基、4-ジメチルアミノフェニ ル基、4-ヒドロキシフェニル基、4-メトキシ ェニル基、6-ヨードピリジン-3-イル基、6-フ オロピリジン-3-イル基、6-ヒドロキシピリ ン-3-イル基、5-ヨードピリジン-2-イル基、5- ルオロピリジン-2-イル基、5-ヒドロキシピ ジン-2-イル基、5-ヨードピリジン-3-イル基、 5-フルオロピリジン-3-イル基、5-ヒドロキシ リジン-3-イル基、4-ヨードピリジン-2-イル基 、4-フルオロピリジン-2-イル基、4-ヒドロキ ピリジン-2-イル基、5-ヨードチオフェン-2-イ ル基、5-フルオロチオフェン-2-イル基、5-ヒ ロキシチオフェン-2-イル基、5-ヨードフラン -2-イル基、5-フルオロフラン-2-イル基、5-ヒ ロキシフラン-2-イル基、5-アミノチオフェン -2-イル基、5-メチルアミノチオフェン-2-イル 、5-ジメチルアミノチオフェン-2-イル基、5- アミノフラン-2-イル基、5-メチルアミノフラ -2-イル基、5-ジメチルアミノフラン-2-イル 、チアゾール-2-イル基、1H-イミダゾール-5- ル基、1H-イミダゾール-2-イル基、6-(2-フルオ ロエチル)ピリジン-3-イル基、6-(2-フルオロエ トキシ)ピリジン-3-イル基、6-[2-(2-フルオロエ トキシ)エトキシ]ピリジン-3-イル基、6-{2-[2-(2 -フルオロエトキシ)エトキシ]エトキシ}ピリ ン-3-イル基、5-(2-フルオロエチル)チオフェ -2-イル基、5-(2-フルオロエトキシ)チオフェ -2-イル基、5-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキ ]チオフェン-2-イル基、5-{2-[2-(2-フルオロエ キシ)エトキシ]エトキシ}チオフェン-2-イル 、5-(2-フルオロエチル)フラン-2-イル基、5-(2- フルオロエトキシ)フラン-2-イル基、5-[2-(2-フ ルオロエトキシ)エトキシ]フラン-2-イル基、5 -{2-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ]エトキシ }フラン-2-イル基、ピリジン-4-イル基、ピリ ン-3-イル基、又はピリジン-2-イル基であり より好適には、4-ジメチルアミノフェニル基 である。

 また、R 6 及びR 7 の好適な組み合わせとしては、以下の(A)~(D) 挙げることができる。

(A)R 6 が、6-ヨードピリジン-3-イル基、6-フルオロ リジン-3-イル基、6-(2-フルオロエチル)ピリ ン-3-イル基、6-(2-フルオロエトキシ)ピリジ -3-イル基、6-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキ ]ピリジン-3-イル基、6-{2-[2-(2-フルオロエト シ)エトキシ]エトキシ}ピリジン-3-イル基、
5-ヨードチオフェン-2-イル基、5-フルオロチ フェン-2-イル基、5-(2-フルオロエチル)チオ ェン-2-イル基、5-(2-フルオロエトキシ)チオ ェン-2-イル基、5-[2-(2-フルオロエトキシ)エ キシ]チオフェン-2-イル基、5-{2-[2-(2-フルオ エトキシ)エトキシ]エトキシ}チオフェン-2- ル基、5-ヨードフラン-2-イル基、5-フルオロ ラン-2-イル基、5-(2-フルオロエチル)フラン- 2-イル基、5-(2-フルオロエトキシ)フラン-2-イ 基、5-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ]フラ ン-2-イル基、又は5-{2-[2-(2-フルオロエトキシ) エトキシ]エトキシ}フラン-2-イル基であり、R 7 が、5-アミノチオフェン-2-イル基、5-メチル ミノチオフェン-2-イル基、5-ジメチルアミノ チオフェン-2-イル基、5-アミノフラン-2-イル 、5-メチルアミノフラン-2-イル基、5-ジメチ ルアミノフラン-2-イル基、チアゾール-2-イル 基、1H-イミダゾール-5-イル基、1H-イミダゾー ル-2-イル基、4-アミノフェニル基、4-メチル ミノフェニル基、4-ジメチルアミノフェニル 基、4-ヒドロキシフェニル基、4-メトキシフ ニル基、ピリジン-4-イル基、ピリジン-3-イ 基、又はピリジン-2-イル基である。

(B)R 6 が、5-アミノチオフェン-2-イル基、5-メチル ミノチオフェン-2-イル基、5-ジメチルアミノ チオフェン-2-イル基、5-アミノフラン-2-イル 、5-メチルアミノフラン-2-イル基、5-ジメチ ルアミノフラン-2-イル基、チアゾール-2-イル 基、1H-イミダゾール-5-イル基、1H-イミダゾー ル-2-イル基、ピリジン-4-イル基、ピリジン-3- イル基、又はピリジン-2-イル基であり、R 7 が、6-ヨードピリジン-3-イル基、6-フルオロ リジン-3-イル基、6-(2-フルオロエチル)ピリ ン-3-イル基、6-(2-フルオロエトキシ)ピリジ -3-イル基、6-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキ ]ピリジン-3-イル基、6-{2-[2-(2-フルオロエト シ)エトキシ]エトキシ}ピリジン-3-イル基、5- ヨードチオフェン-2-イル基、5-フルオロチオ ェン-2-イル基、5-(2-フルオロエチル)チオフ ン-2-イル基、5-(2-フルオロエトキシ)チオフ ン-2-イル基、5-[2-(2-フルオロエトキシ)エト シ]チオフェン-2-イル基、5-{2-[2-(2-フルオロ トキシ)エトキシ]エトキシ}チオフェン-2-イ 基、5-ヨードフラン-2-イル基、5-フルオロフ ラン-2-イル基、5-(2-フルオロエチル)フラン-2- イル基、5-(2-フルオロエトキシ)フラン-2-イル 基、5-[2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ]フラ -2-イル基、5-{2-[2-(2-フルオロエトキシ)エト シ]エトキシ}フラン-2-イル基である。

(C)R 6 が、6-ヒドロキシピリジン-3-イル基、5-ヒド キシチオフェン-2-イル基、又は5-ヒドロキシ フラン-2-イル基であり、R 7 が、5-メチルアミノチオフェン-2-イル基、5- メチルアミノチオフェン-2-イル基、5-メチル アミノフラン-2-イル基、5-ジメチルアミノフ ン-2-イル基、4-メチルアミノフェニル基、 は4-ジメチルアミノフェニル基である。

(D)R 6 が、5-メチルアミノチオフェン-2-イル基、5- メチルアミノチオフェン-2-イル基、5-メチル アミノフラン-2-イル基、又は5-ジメチルアミ フラン-2-イル基であり、R 7 が、6-ヒドロキシピリジン-3-イル基、5-ヒド キシチオフェン-2-イル基、又は5-ヒドロキシ フラン-2-イル基である。

 一般式(III)において、R 8 、R 9 、R 10 、R 11 は、好適には、いずれかがハロゲン原子、又 はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素 数1~4のアルコキシ基であり、より好適には、 いずれかがヨウ素原子、又は2-フルオロエト シ基である。

 一般式(III)において、R 12 は、好適には、ハロゲン原子、水酸基、カル ボキシル基、スルホン基、ジメチルアミノ基 、メチルアミノ基、アミノ基、ニトロ基、炭 素数1~4のアルキル基、及び炭素数1~4のアルコ キシ基からなる群から選ばれた1若しくは2以 の置換基によって置換されていてもよいフ ニル基であり、より好適には、4-ジメチル ミノフェニル基、4-メチルアミノフェニル基 、4-メトキシフェニル基、又は4-ヒドロキシ ェニル基である。

 一般式(I)で表される化合物のうち代表的 ものを表1に示す。なお、以下の表において 、「Me」はメチル基を、「Phe」はフェニル基 、「FE」はフルオロエトキシ基を表す。

 上記化合物のうちで、好ましいものとして 、I-1の化合物(化合物4)を挙げることができ 。

 一般式(II)で表される化合物のうち代表的 なものを表2~12に示す。

 上記化合物のうちで、好ましいものとして 、II-79(化合物8)、II-80(化合物7)を挙げること ができる。

 一般式(III)で表される化合物のうち代表 なものを表13に示す。

 上記化合物のうちで、好ましいものとして 、III-44(化合物16)を挙げることができる。

 一般式(I)で表される化合物は、後述する 施例の記載、及びMarder M et al, Biochemical a nd Biophysical Research Communications, 223, 384-389,  1996, Marder M et al, Bioorganic &Medicinal Chemi stry Letters, 7, 2003-2008, 1997などの記載に従っ て合成することができる。

 一般式(II)で表される化合物は、後述する 実施例の記載、及びBoeck P et al, Bioorganic &a mp; Medicinal Chemistry, 14, 1538-1545, 2006, Robinson  PR et al, Bioorganic & Medicinal Chemistry Lett ers, 13, 4007-4013, 2005などの記載に従って合成 することができる。

 一般式(III)で表される化合物は、後述す 実施例の記載などの記載に従って合成する とができる。

 一般式(I)、(II)、(III)で表される化合物は、 識物質によって標識されていることが好ま い。標識物質としては、蛍光物質、アフィ ティー物質などを使用してもよいが、放射 核種を使用するのが好ましい。標識に用い 放射性核種の種類は特に限定されず、使用 態様によって適宜決めることができる。例 ば、一般式(I)、(II)、(III)で表される化合物 コンピューター断層撮影法(SPECT)による診断 に使用する場合、放射性核種は 99m Tc、 111 In、 67 Ga、 201 Tl、 123 I、 133 Xe(好適には、 99m Tc、 123 I)などのγ線放出核種を使用することができ 。また、陽電子断層撮影法(PET)による診断に 使用する場合には、 11 C、 13 N、 15 O、 18 F、 62 Cu、 68 Ga、 76 Br(好適には、 11 C、 13 N、 15 O、 18 F)などの陽電子放出核種を使用することがで る。また、一般式(I)、(II)、(III)で表される 合物をヒト以外の動物に投与する場合には より半減期の長い放射性核種、例えば、 125 Iなどを使用してもよい。放射性核種は、一 式(I)、(II)、(III)で表される化合物の分子中 含まれる形でもよく、また、一般式(I)、(II) (III)で表される化合物に結合する形であっ もよい。

 一般式(I)、(II)、(III)で表される化合物に放 性核種を結合させる方法は、各放射性核種 おいて一般的に用いられている方法でよい また、一般式(I)、(II)、(III)で表される化合 に放射性核種を結合させる場合、放射性核 のみを結合させてもよいが、他の物質と結 した状態の放射性核種を結合させてもよい 前述した 99m Tcは、通常、錯体の形で被標識化合物に結合 せるので、一般式(I)、(II)、(III)で表される 合物に結合させる場合も、 99m Tcを含む錯体を結合させてもよい。 99m Tcを含む錯体としては、2-ヒドラジノピリジ を含む錯体(Liu S et al, Bioconjug Chem. 1996 Ja n-Feb;7(1):63-71.)、N-(2-メルカプトエチル)-2-〔(2- メルカプトエチル)アミノ〕-アセトアミドを む錯体(Zhen W et al, J Med Chem. 1999 Jul 29;4 2(15):2805-15.)、2,2’-(1,2-エタンジイルジイミノ )ビスエタンチオールを含む錯体(Oya S et al, Nucl Med Biol. 1998 Feb;25(2):135-40.)、トリカル ニル錯体(Schibli R et al, Bioconjug Chem. 2000 M ay-Jun;11(3):345-51)などを例示できる。

 一般式(I)、(II)、(III)で表される化合物の わりに、医薬上許容される塩を使用するこ も可能である。医薬上許容される塩として 、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム 塩、リチウム塩)、アルカリ土類金属塩(カル ウム塩、マグネシウム塩)、硫酸塩、塩酸塩 、硝酸塩、リン酸塩などを例示できる。

 本発明の組成物はプリオン病の診断に用 られる。ここで、「プリオン病」とは、異 型プリオン蛋白質によって起きる疾患をい 、クロイツフェルド-ヤコブ病(CJD)やウシ海 状脳症(BSE)を含む。また、一般には「疾患 と認識されない疾患の前駆症状も、本発明 おける「プリオン病」に含まれる。

 本発明の組成物によるプリオン病の診断は 通常、本発明の組成物を診断対象者又は実 動物などに投与し、その後、脳の画像を撮 し、画像における一般式(I)、(II)、(III)で表 れる化合物の状態(量、分布等)に基づいて う。本発明の組成物の投与方法は特に限定 れず、化合物の種類、標識物質の種類など 応じて適宜決めることができるが、通常は 皮内、腹腔内、静脈、動脈、又は脊髄液へ 注射又は点滴等によって投与する。本発明 組成物の投与量は特に限定されず、化合物 種類、標識物質の種類などに応じて適宜決 ることができるが、成人の場合、一般式(I) (II)、(III)で表される化合物を1日当たり10 -10 ~10 -3 mg投与するのが好ましく、10 -8 ~10 -5  mg投与するのが更に好ましい。

 上記のように本発明の組成物は、通常、 射又は点滴によって投与するので、注射液 点滴液に通常含まれる成分を含んでいても い。このような成分としては、液体担体(例 えば、リン酸カリウム緩衝液、生理食塩水、 リンゲル液、蒸留水、ポリエチレングリコー ル、植物性油脂、エタノール、グリセリン、 ジメチルスルホキサイド、プロピレングリコ ールなど)、抗菌剤、局所麻酔剤(例えば、塩 プロカイン、塩酸ジブカインなど)、緩衝液 (例えば、トリス-塩酸緩衝液、ヘペス緩衝液 ど)、浸透圧調節剤(例えば、グルコース、 ルビトール、塩化ナトリウムなど)を例示で る。

 本発明のプリオン病診断用組成物は、プ オン病の治療薬や予防薬のスクリーニング も利用できる。例えば、クロイツフェルド- ヤコブ病やウシ海綿状脳症などの疾患のモデ ル動物に被験物質を投与した後、前記モデル 動物に本発明のプリオン病診断用組成物を投 与し、その後、前記モデル動物の脳中に含ま れる一般式(I)、(II)、(III)で表される化合物の 分布又は量を調べ、その結果、コントロール (被験物質を投与していないモデル動物)との に有意な差異(例えば、分布部位の縮小、量 の減少など)が検出されれば、被験物質はプ オン病の治療薬の候補となり得る。また、 疾患の前駆症状」のモデル動物に被験物質 投与した後、前記モデル動物に本発明のプ オン病診断用組成物を投与し、その後、前 モデル動物の脳中に含まれる一般式(I)、(II) (III)で表される化合物の分布又は量を調べ その結果、コントロールとの間に有意な差 (例えば、分布部位の縮小又は拡大の鈍化、 の減少又は増大の鈍化など)が検出されれば 、被験物質はプリオン病の予防薬の候補とな り得る。

 また、本発明のプリオン病診断用組成物 、既に効果が確認されているプリオン病の 療薬や予防薬の評価にも利用できる。即ち プリオン病のモデル動物に前記疾患の治療 又は予防薬を投与した後、前記モデル動物 本発明のプリオン病診断用組成物を投与し その後、前記モデル動物の脳中に含まれる 般式(I)、(II)、(III)で表される化合物の分布 は量を調べ、これにより、前記治療薬や予 薬の評価(具体的には、有効な投与量、有効 な投与方法など)を行う。

〔実験方法〕
化合物の合成
 化合物1、2、3、4、5、6の合成は、過去に報 した方法に従い行った(Ono et al., J Med Chem , 2005, 48, 7253-60, Ono et al., Bioorg Med Chem,  15, 6802-9, Ono et al, Bioorg Med Chem, 2007, 15,  444-50, PCT/JP2005/021642 (WO/2006/057323), Ono et al.,  Biochem Biophys Res Commun, 2007, 361, 16-21, Ono  et al., Bioorg Med Chem, 2007, 15, 6388-96)。また ベンゾフラン誘導体は下記の方法に従い合 を行った。

2-ヒドロキシ-5-メトキシベンジルアルコール( 化合物9) の合成
 2-ヒドロキシ-5-メトキシベンズアルデヒド  (1.0 g, 6.57 mmol) をエタノール (10 mL) に溶 し、氷冷下、水素化ホウ素ナトリウム (125 mg, 3.17 mmol) を少しずつ加えた。3時間撹拌 、1 N 塩酸を加えて酢酸ナトリウムで抽出 、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を 圧留去後、化合物 9 (490 mg, 48.4% yield) を 得た。 1 H NMR (300 MHz, CDCl 3 ) δ3.74 (s, 3H), 4.81 (s, 2H), 6.61 (s, 1H), 6.75  (m, 2H).
2-ヒドロキシ-4-メトキシベンジルトリホスホ ウムブロミド(化合物10) の合成
 化合物9 (490 mg, 3.18 mmol) をアセトニトリ  (20 mL) に溶解し、トリフェニルホスフィ ヒドロブロミド(1.1 g, 3.18 mmol)を加え、1時 間加熱還流した。反応終了後、析出した白色 結晶を吸引ろ過し、アセトニトリルで洗浄後 、化合物10 (1.29 g, 84.3% yield) を得た。

5-メトキシ-2-(4-ニトロフェニル)ベンゾフラン  (化合物11) の合成
 化合物10 (1.43 g, 2.98 mmol) をトルエン (20 mL) に懸濁し、p-ニトロベンゾイルクロリド (554 mg, 2.98 mmol)、トリエチルアミン (0.5 mL ) を加え、90分間加熱還流した。反応終了後 吸引ろ過し、ろ液を減圧留去した。残渣を 酸エチル/ヘキサン(1/4)を溶出溶媒とするシ カゲルカラムクロマトグラフィに付し、化 物11 (430 mg, 53.5% yield) を得た。 1 H NMR (300 MHz, CDCl 3 ) δ3.87 (s, 3H), 6.95-7.01 (m, 1H), 7.08 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.45 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.45 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.98 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 8.31  (d, J = 9.3 Hz, 2H).

5-メトキシ-2-(4-アミノフェニル)ベンゾフラン  (化合物12) の合成
 化合物11 (460 mg, 1.71 mmol) をエタノール ( 20 mL) に溶解し、塩化スズ(II) (1.62 g, 8.55 m mol) を撹拌しながらゆっくり加え、3時間加 還流した。1 N 水酸化ナトリウム水溶液を えて酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリ ムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣を 酸エチル/ヘキサン(1/3)を溶出溶媒とするシ カゲルカラムクロマトグラフィに付し、化 物12 (400 mg, 97.9% yield) を得た。 1 H NMR (300 MHz, CDCl 3 ) δ3.85 (s, 3H), 4.04 (s, 2H), 6.74 (d, J = 9.0 Hz, 3H), 6.79-6.85 (m, 1H), 6.99 (s, 1H), 7.36 (d,  J = 8.7 Hz, 1H), 7.65 (d, J = 8.7 Hz, 2H).

5-メトキシ-2-(4-ジメチルアミノフェニル)ベン ゾフラン (化合物13) の合成
 化合物12 (400 mg, 1.67 mmol) を酢酸 (20 mL)  に溶解し、パラホルムアルデヒド (501 mg, 16 .7 mmol)、水素化シアノホウ素ナトリウム (630  mg, 10.0 mmol) を加え、室温で撹拌した。4時 間反応後、1 N 水酸化ナトリウム水溶液を加 えてクロロホルムで抽出し、無水硫酸ナトリ ウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣を 酢酸エチル/ヘキサン(1/9)を溶出溶媒とするシ リカゲルカラムクロマトグラフィに付し、化 合物13 (175 mg, 39.1% yield) を得た。 1 H NMR (300 MHz, CDCl 3 ) δ3.01 (s, 6H), 3.85 (s, 3H), 6.76 (d, J = 11.1  Hz, 3H), 6.99 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 7.35 (d, J  = 8.7 Hz, 1H), 7.71 (d, J = 9.3 Hz, 2H).

5-ヒドロキシ-2-(4-ジメチルアミノフェニル)ベ ンゾフラン (化合物14) の合成
 化合物13 (175 mg, 0.65 mmol) をジクロロメタ ン溶液 (20 mL) に溶解し、氷冷下、撹拌しな がら三臭化ホウ素ジクロロメタン溶液 (3.27  mL) をゆっくり加えた。6時間の反応後、反応 溶液に精製水を加えて反応を止め、クロロホ ルムで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後 、溶媒を減圧留去した。残渣を酢酸エチル/ キサン(1/4)を溶出溶媒とするシリカゲルカラ ムクロマトグラフィに付し、化合物14 (40 mg,  24.1% yield) を得た。 1 H NMR (300 MHz, CDCl 3 ) δ3.02 (s, 6H), 4.59 (s, 1H), 6.69-6.82 (m, 4H), 6.91 (d, J = 15.0 Hz, 1H), 7.32 (d, J = 9.0 Hz,  1H), 7.69-7.72 (m, 2H).

5-ヒドロキシエトキシ-2-(4-ジメチルアミノフ ニル)ベンゾフラン(化合物15) の合成
 化合物14 (40 mg, 0.16 mmol) をDMF溶液 (3 mL) に溶解し、エチレンクロロヒドリン(21 ・L) 炭酸カリウム (65 mg, 0.47 mmol) を加え、11 間加熱還流した。精製水を加えてクロロホ ムで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後 溶媒を減圧留去した。残渣を酢酸エチル/ヘ キサン(1/1)を溶出溶媒とするシリカゲルカラ クロマトグラフィに付し、化合物15 (30 mg, 63.9% yield) を得た。 1 H NMR (300 MHz, CDCl 3 ) δ3.02 (s, 6H), 3.97-4.00 (m, 2H), 4.11-4.14 (m,  2H), 6.74 (d, J = 3.9 Hz, 2H), 6.78 (s, 1H), 6.81 -6.85 (m, 1H), 7.02 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 7.36 (d,  J = 8.4 Hz, 1H), 7.71 (d, J = 8.7 Hz, 2H).

5-フルオロエトキシ-2-(4-ジメチルアミノフェ ル)ベンゾフラン (化合物16) の合成
 化合物15 (30 mg, 0.10 mmol) をエチレングリ ールジメチルエーテル溶液 (3 mL) に溶解 、氷冷下、DAST (26 ・L) を加えた。10分後に 室温に戻し、2時間半撹拌した。炭酸カリウ 溶液を加えてクロロホルムで抽出し、無水 酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し 。残渣を酢酸エチル/ヘキサン(1/3)を溶出溶 とするシリカゲルカラムクロマトグラフィ 付し、化合物16 (12 mg, 39.7% yield) を得た。 1 H NMR (300 MHz, CDCl 3 ) δ3.02 (s, 6H), 4.19-4.30 (m, 2H), 4.68-4.87 (m,  2H), 6.74 (d, J = 3.3 Hz, 2H), 6.78 (s, 1H), 6.83 -6.86 (m, 1H), 7.02 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.37 (d,  J = 8.4 Hz, 1H), 7.71 (d, J = 9.3 Hz, 2H). MS m/z 299 (M + ).

BSEプリオン感染モデルマウスの作 製
 BSEプリオン感染モデルマウスは、マウス順 BSE株(BSE-UK)感染発症脳の1%脳乳剤を4週零のdd Yマウス(雄)の右側頭部に20 μL脳内接種し、 症まで約20週間飼育観察した。また脳内接種 後継時的(4週ごと)に脳(n=3)を採取した。ホル リン固定後パラフィン切片(3 μm)を作製し 免疫染色法を用いてPrP Sc 蓄積を確認した。

BSE感染モデルマウス脳切片を用い た蛍光染色
 BSEプリオン感染モデルマウス脳切片を用い 化合物の蛍光染色実験は、次の手順にて行 た。各化合物を 100% EtOH溶液に溶解させ、1  mMとしたのち、100 mMとなるように50% EtOH溶 で希釈した。それぞれのパラフィン切片を パラフィン処理後、各化合物を滴下し、30 間静置後、50% EtOH溶液で洗浄し、蛍光顕微 で観察を行った。さらに50% EtOH溶液で各化 物を除去し、同一切片を用いて免疫染色を った。オートクレーブ法により抗原賦活後 一次抗体(6H4あるいはSAF32)及び二次抗体(抗マ ウスIgG)とインキュベートさせた。DAB発色試 と反応させた後、脱水し、封入後、検鏡し 。

正常マウスにおける体内放射能分 布実験
[ 11 C]16を正常マウス(ddY雄性マウス、5週齢、各群 5匹)に投与2、10、30、60分後に屠殺後、脳と血 液を採取し、重量と放射能を測定した。脳と 血液1グラムあたりに存在する放射能の投与 に対する割合(%ID/g)を算出した。

〔結果と考察〕
BSE感染モデルマウス脳切片を用い た蛍光染色実験
 BSE感染モデルマウス脳切片を用いた蛍光染 実験において、脳切片上のプリオン斑への 合性は化合物によって相違が観察された。 ラボン(化合物1、2)、カルコン(化合物3)、フ ェニルクマリン(化合物5)、オーロン(化合物6) 誘導体は、感染マウスおよび非感染マウス脳 切片上ともに蛍光像が確認されなかったこと から、これら誘導体はプリオン斑への結合性 を示さないことが明らかとなった。また感染 マウス脳切片には、プリオン斑が存在するこ とを抗プリオン抗体による免疫染色により確 認した。一方、スチリルクロモン(化合物4)、 複素環カルコン(カルコンのベンゼン環を複 環に置き換えた化合物)(化合物7、8)、ベンゾ フラン(化合物16)誘導体では、感染マウス脳 片上に、非感染マウス脳切片には観察され い蛍光像が観察され、この蛍光像は、抗プ オン抗体による免疫染色の陽性部位を一致 たことから、これら4化合物は、プリオン斑 の結合性を有することが示唆された。化合 4、7、8、16は、生体内で脳への移行性を示 ことから(Ono et al, Bioorg Med Chem, 2007, 15,  444-50, Ono et al., Bioorg Med Chem, 2007, 15, 6388 -96, Ono et al., J Med Chem, 2006, 49,2725-30)、こ れら化合物は、放射標識することにより、プ リオン病のインビボ画像診断に応用可能であ ると考えられる。また、本実施例に用いた化 合物は、フェニルクマリン誘導体を除き、い ずれもアルツハイマー病の病原蛋白質である アミロイドβ蛋白への高い結合性を有するこ から(Ono et al., J Med Chem, 2005, 48, 7253-60, Ono et al., Bioorg Med Chem, 15, 6802-9, Ono et a l, Bioorg Med Chem, 2007, 15, 444-50, PCT/JP2005/0216 42, Ono et al., Biochem Biophys Res Commun, 2007, 3 61, 16-21, Ono et al., Bioorg Med Chem, 2007, 15,  6388-96)、プリオン斑への結合性を示さない、 合物1、2、3、5、6は、アルツハイマー病特 性の高いイメージングプローブになりうる とが示唆された。

正常マウスにおける体内放射能分 布実験
 表1に[ 11 C]16を正常マウスに投与後の体内放射能分布 示す。マウスに投与後、[ 11 C]16は血液からの経時的な放射能消失を示し が、脳への放射能集積は遅く、投与後30分後 にピークに達した。投与30分後の脳内放射能 度は3.3%ID/gであり、脳内プリオン斑の画像 に十分な放射能が脳へ移行したことから、 化合物のプリオン斑インビボ分子イメージ グプローブとしての有用性が示唆された。

 本明細書は、本願の優先権の基礎である日 国特許出願(特願2007-316987号)の明細書および /または図面に記載されている内容を包含す 。また、本明細書で引用した全ての刊行物 特許および特許出願をそのまま参考として 明細書にとり入れるものとする。