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Patent Searching and Data


Title:
COMPOSITION FOR EXTERNAL APPLICATION TO SKIN
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/063782
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a composition for external application to skin, which contains a compound represented by the formula (I) below or a salt thereof and/or a quaternary ammonium salt represented by the formula (II) below. (I) (II) (In the formulae, R1 represents a substituted or unsubstituted, linear or branched alkyl group having 2-25 carbon atoms; X represents -CO-NH-, -O-CO-O-, -NH-CO-, -CO-O-, -O-CO- or -O-; Y represents a substituted or unsubstituted alkylene group having 1-4 carbon atoms; R2 represents a hydrogen atom or an alkyl group having 1-4 carbon atoms, R3 represents an alkyl group having 1-4 carbon atoms, and R2 and R3 may be the same as or different from each other; R4, R5 and R6 may be the same or different and each represents an alkyl group having 1-4 carbon atoms; and A- represents a counter ion.)

Inventors:
SUZUKI YASUTO (JP)
TSUKAHARA KAZUE (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/070140
Publication Date:
May 22, 2009
Filing Date:
November 05, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KAO CORP (JP)
SUZUKI YASUTO (JP)
TSUKAHARA KAZUE (JP)
International Classes:
A61K8/41; A61K8/42; A61K31/131; A61K31/16; A61K31/22; A61K31/23; A61P17/00; A61Q19/00; A61Q19/08
Domestic Patent References:
WO2001017486A22001-03-15
WO2005121291A12005-12-22
Foreign References:
JPH08333217A1996-12-17
JP2002514586A2002-05-21
JPH069334A1994-01-18
EP0327379A21989-08-09
JP2004514646A2004-05-20
DE1163850B1964-02-27
DD217513A11985-01-16
JP3549823B22004-08-04
JP2005528323A2005-09-22
JPH08333217A1996-12-17
Other References:
See also references of EP 2221040A4
DAVID MALKA ET AL., JOURNAL OF HEPATHOLOGY, vol. 27, 1997, pages 399 - 403
IZV; VYSSH; UCHEB; ZAVED, KHIM. KHIM. TEKHNOL., vol. 14, no. 9, 1971, pages 1369
BISSELT ET AL., PHOTOCHEM. PHOTOBIOL., vol. 50, 1989, pages 763 - 769
TSUKAHARA ET AL., BR. J. DERMATOL., vol. 151, 2004, pages 984 - 994
IMOKAWA GENJI; TAKEMA YOSHINORI, JOURNAL OF JAPANESE COSMETIC SCIENCE SOCIETY, vol. 16, no. 3, 1992, pages 153 - 155
GENJI IMOKAWA; YOSHINORI TAKEMA, COSMETICS & TOILETRIES, vol. 108, 1993, pages 65 - 77
TSUKAHARA K ET AL., BR. J. DERMATOL., vol. 151, 2004, pages 984 - 994
BISSELT, PHOTOCHEM. PHOTOBIOL., vol. 50, 1989, pages 763 - 769
Attorney, Agent or Firm:
IIDA, Toshizo (1-10 Shimbashi 3-chome, Minato-k, Tokyo 04, JP)
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Claims:
 次式(I):
(式中、
 R 1 は、置換又は非置換で直鎖又は分岐鎖の炭素数2~25のアルキル基であり、
 Xは、-CO-NH-、-O-CO-O-、-NH-CO-、-CO-O-、-O-CO-又は-O-であり、
 Yは、置換又は非置換の炭素数1~4のアルキレン基であり、
 R 2 は、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基であり、
 R 3 は、炭素数1~4のアルキル基であり、
 R 2 及びR 3 は互いに同じであっても異なっていてもよい)
で示される化合物もしくはその塩、及び/又は、
 次式(II):
(式中、
 R 1 、X及びYは、前記と同じ意味であり、
 R 4 、R 5 及びR 6 は、同じ又は異なる炭素数1~4のアルキル基であり、
 A - は、対イオンである)
で示される第四級アンモニウム塩、
を含有する皮膚外用組成物。
 上記R 1 が直鎖又は分岐鎖の炭素数6~20のアルキル基である、請求項1記載の皮膚外用組成物。
 上記R 1 が直鎖の炭素数10~14のアルキル基である、請求項1又は2記載の皮膚外用組成物。
 上記Xが-CO-NH-、-NH-CO-、-CO-O-又は-O-CO-である、請求項1~3のいずれか1項記載の皮膚外用組成物。
 上記Yがメチレン基又はエチレン基である、請求項1~4のいずれか1項記載の皮膚外用組成物。
 上記R 2 が水素原子又はメチル基もしくはエチル基であり、且つ上記R 3 がメチル基又はエチル基であり、上記R 2 とR 3 とは同じ又は異なる、請求項1~5のいずれか1項記載の皮膚外用組成物。
 上記A - がハロゲンイオン又はカルボキシレートイオンである、請求項1~6のいずれか1項記載の皮膚外用組成物。
 上記式(I)で示される化合物が、ドデカン酸2-ジメチルアミノ-エチルエステル、2-ジメチルアミノ-N-ドデシル-アセトアミド、ジメチルアミノ酢酸ドデシルエステル、(2-ドデシルオキシ-エチル)-ジメチルアミン及びドデカン酸(2-ジメチルアミノエチル)-アミドから成る群より選択される化合物である、請求項1~6のいずれか1項記載の皮膚外用組成物。
 上記皮膚外用組成物が、光老化予防組成物、光老化改善組成物、シワ予防組成物及びシワ改善組成物から成る群より選択される組成物である、請求項1~8のいずれか1項記載の皮膚外用組成物。
 請求項1~9のいずれか1項記載の皮膚外用組成物の使用による光老化予防及び/又は改善方法。
Description:
皮膚外用組成物

 本発明は、皮膚外用組成物に関する。

 皮膚が老化することにより生じる外観変 の例としては、シワやたるみの発生、はり 減少等が挙げられる。従来において、この うな皮膚の外観変化に対して、例えばコラ ゲンを配合した化粧料が用いられている。 かしながら、このような化粧料を用いても シワ発生等に対する防止効果は十分とはい ない。

 シワ等の発生については、特に紫外線と 関連性が強いとされている。紫外線照射に り生じた皮膚の老化は「光老化」と称され 種々研究されている。しかし、光老化を防 するために、未だ紫外線吸収剤又は紫外線 禦剤に代わる化粧料が開発されていないの 現状である。

 一方、特許第3549823号公報には、アルベリ ンを含有するシワやコジワの低減に有用な薬 剤が開示されている。具体的には、特許第354 9823号公報には、アルベリンは横紋筋におけ 脱収縮化及び/又は弛緩効果を誘発可能であ 、この効果によりシワ及びコジワを矯正し 皮膚の平滑化を促進できることが開示され いる。しかしながら、アルベリンはそのア チルコリン作動阻害作用に基づき、欧州で 、筋弛緩剤として使用されるものであり、 来が医薬品であることから、毒性が高い(例 えば、David Malkaら、Journal of Hepathology、1997 、第27巻、p.399-403参照)。

 さらに、特開2005-528323号公報及び特開平8- 333217号公報には、シワ等の皮膚の外観変化を 改善、予防するための皮膚外用剤が記載され ている。これらの文献に記載されている皮膚 外用剤は、皮膚の表皮細胞の老化によって生 じる表皮性のシワ(例えば、乾燥により生じ シワ)を改善、防止するためのものである。 かし、真皮細胞又はそれより深部の細胞組 に生じる深く治りにくいシワに対しては、 の効果は十分とはいえない。

 このように、従来において、安全に使用 き、且つ十分な効果を有する光老化予防改 組成物又はシワ予防改善組成物は知られて なかった。

 本発明は、光老化予防改善組成物又はシ 予防改善組成物として使用できる皮膚外用 成物に関する。

 上記課題を解決するため鋭意研究を行っ 結果、特定の化合物が光老化予防改善活性 はシワ予防改善活性を有することを見い出 た。本発明はこの知見に基づいて完成する 至った。

 本発明は、次式(I):
(式中、
 R 1 は、置換又は非置換で直鎖又は分岐鎖の炭素 数2~25のアルキル基であり、
 Xは、-CO-NH-、-O-CO-O-、-NH-CO-、-CO-O-、-O-CO-又 -O-であり、
 Yは、置換又は非置換の炭素数1~4のアルキレ ン基であり、
 R 2 は、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基であ り、
 R 3 は、炭素数1~4のアルキル基であり、
 R 2 及びR 3 は互いに同じであっても異なっていてもよい )
で示される化合物もしくはその塩、及び/又 、
 次式(II):
(式中、
 R 1 、X及びYは、前記と同じ意味であり、
 R 4 、R 5 及びR 6 は、同じ又は異なる炭素数1~4のアルキル基で あり、
 A - は、対イオンである)
で示される第四級アンモニウム塩、
を含有する皮膚外用組成物に関する。
 また、本発明は、前記皮膚外用組成物の使 による光老化予防及び/又は改善方法に関す る。

 本発明の上記及び他の特徴及び利点は、 宜添付の図面を参照して、下記の記載から り明らかになるであろう。

図1は、実施例1におけるシワ予防評価( ワ目視評価)結果を示す。 図2は、実施例1における各群のレプリ の写真を示す。 図3は、実施例1におけるレプリカ画像 析結果を示す。 図4は、実施例1における皮膚弾力性測 結果を示す。 図5は、実施例2におけるシワ改善評価( ワ目視評価)結果を示す。

 以下、本発明について、その好ましい実施 様に基づき詳細に説明する。
 本発明に係る皮膚外用組成物は、上記式(I) 示される化合物もしくはその塩及び/又は上 記式(II)で示される第四級アンモニウム塩を 有するものである。本発明に係る皮膚外用 成物は、真皮組織及びそれより深部の組織 ダメージにより生じるシワの予防、改善効 を有し、皮膚の老化により生じる形態的変 (例えばシワやたるみ)の発生やはりの減少に 対して予防又は改善作用を有する。特に、本 発明に係る皮膚外用組成物は光老化に対して 予防又は改善作用を有し、光老化に起因する シワに対する予防又は改善作用が優れている 。ここで、「光老化」とは、紫外線照射によ り生じた皮膚の老化(例えば、たるみの発生 はりの減少)を意味する。

 上記式(I)又は式(II)のR 1 で示される置換又は非置換で直鎖又は分岐鎖 の炭素数2~25のアルキル基としては、例えば エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n- チル基、i-ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル 基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、2-エチルヘ キシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノ ナニル基、n-デシル基、トリメチルデシル基 n-ウンデシル基、n-ドデシル基、n-トリデシ 基、n-テトラデシル基、n-ペンタデシル基、 n-ヘキサデシル基、n-ヘプタデシル基、n-オク タデシル基、メチルヘプタデシル基(メチル 岐イソステアリル基)、n-ノナデシル基、n-イ コシル基、n-ヘニコサシル基、n-ドコサニル 、n-トリコサニル基、n-テトラコサニル基、n -ペンタコサニル基等が挙げられる。特に、n- ヘキシル基、2-エチルヘキシル基、n-ヘプチ 基、n-オクチル基、n-ノナニル基、n-デシル 、トリメチルデシル基、n-ウンデシル基、n- デシル基、n-トリデシル基、n-テトラデシル 基、n-ペンタデシル基、n-ヘキサデシル基、n- ヘプタデシル基、n-オクタデシル基、メチル プタデシル基(メチル分岐イソステアリル基 )、n-ノナデシル基、n-イコシル基等の置換又 非置換で直鎖又は分岐鎖の炭素数6~20のアル キル基が好ましく、置換又は非置換で直鎖又 は分岐鎖の炭素数8~18のアルキル基がより好 しく、非置換で直鎖の炭素数10~14のアルキル 基がさらに好ましく、非置換で直鎖の炭素数 11~12のアルキル基が特に好ましい。

 上記式(I)又は式(II)のXは、-CO-NH-、-O-CO-O- -NH-CO-、-CO-O-、-O-CO-又は-O-であり、特に-CO-NH- 、-NH-CO-、-CO-O-又は-O-CO-であることが好まし 。

 上記式(I)又は式(II)のYで示される置換又 非置換の炭素数1~4のアルキレン基としては メチレン基、エチレン基、プロピレン基及 ブチレン基が挙げられ、特にメチレン基又 エチレン基が好ましい。

 上記式(I)のR 2 及びR 3 並びに上記式(II)のR 4 、R 5 及びR 6 で示される炭素数1~4のアルキル基としては、 メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル 基が挙げられる。特に、式(I)のR 2 及びR 3 で示される炭素数1~4のアルキル基は、メチル 基又はエチル基であることが好ましい。式(II )のR 4 、R 5 及びR 6 で示される炭素数1~4のアルキル基は、メチル 基又はエチル基であることが好ましい。

 上記式(I)又は式(II)のR 1 で示される炭素数2~25のアルキル基及びYで示 れる炭素数1~4のアルキレン基は、1以上の置 換基で置換されていてもよい。置換基として は特に制限はなく、例えば、ハロゲン原子、 ヒドロキシル基、アルコキシル基、アシル基 、保護されていてもよいアミノ基、保護され ていてもよいカルボキシル基、複素環式基等 が挙げられる。ここでハロゲン原子としては 、例えば塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等 が挙げられる。アルコキシル基としては、炭 素数1~12のアルコキシル基が好ましく、例え メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ 等が挙げられる。アシル基としては、炭素 1~12のアルカノイル基が好ましく、例えば、 ルミル基、アセチル基、プロピオニル基、 チリル基等が挙げられる。保護されていて よいアミノ基としては、例えばアミノ基、 シルアミノ基、アルキルアミノ基、ジアル ルアミノ基等が挙げられる。保護されてい もよいカルボキシル基としては、例えばカ ボキシル基、アルコキシカルボニル基等が げられる。複素環式基としては、例えば、 テロ原子として窒素原子、酸素原子及び/又 は硫黄原子を1~3個有する5~14員の単環又は縮 環の基が好ましく、例えばピリジル基、ピ ダジニル基、フリル基、チエニル基、イン リル基、チアゾリル基、イミダゾリル基、 ンゾフリル基、ベンゾチエニル基等が挙げ れる。

 上記式(II)のA - で示される対イオンとしては特に制限はなく 、例えば、ハロゲンイオン、カルボキシレー トイオン、スルホネートイオン、硫酸イオン 、硝酸イオン等が挙げられるが、特にハロゲ ンイオン及びカルボキシレートイオンが好ま しい。ハロゲンイオンとしては、例えば、フ ッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ 素イオン等が挙げられる。また、カルボキシ レートイオンとしては、例えば、ホルミレー トイオン、アセチレートイオン、プロピレー トイオン、フマレートイオン、マレートイオ ン等が挙げられる。

 上記式(I)で示される化合物の塩としては 例えば、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸 ヨウ化水素酸、硝酸、ピロ硫酸、メタリン 等の無機酸、クエン酸、安息香酸、酢酸、 ロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、スル ン酸(例えば、メタンスルホン酸、p-トルエ スルホン酸、ナフタレンスルホン酸)等の有 機酸、又はグルタミン酸、アスパラギン酸等 のアミノ酸との塩が挙げられる。

 特に、上記式(I)で示される化合物として 、ドデカン酸2-ジメチルアミノ-エチルエス ル、2-ジメチルアミノ-N-ドデシル-アセトア ド、ジメチルアミノ酢酸ドデシルエステル (2-ドデシルオキシ-エチル)-ジメチルアミン びドデカン酸(2-ジメチルアミノエチル)-ア ドが好ましい。

 上記式(I)で示される化合物またはその塩 及び式(II)で示される第四級アンモニウム塩 は、例えば、Izv.Vyssh.Ucheb.Zaved.、Khim.Khim.Tekhnol .、14(9)、1369(1971)等に記載の方法により、例 ば、塩化コリンを脂肪酸塩化物と、窒素気 下で反応させることによって製造すること できる。

 以下に、式(I)で示される化合物またはそ 塩、及び式(II)で示される第四級アンモニウ ム塩の好ましい具体例を挙げるが、本発明は これらに限定されない。なお、下記具体例に おいて「Me」はメチル基を表し、「Et」はエ ル基を表す。

 本発明に係る皮膚外用組成物には、上記式( I)で示される化合物及び/又は式(II)で示され 第四級アンモニウム塩の他に、例えば、通 の化粧品、医薬部外品、医薬品等に用いら る各種任意成分、例えば保湿剤、粉体、ゲ 化剤、増粘剤、界面活性剤、乳化剤、抗炎 剤、抗酸化剤、pH調整剤、キレート剤、防腐 剤、増粘剤、色素、香料等、また紫外線吸収 剤、紫外線防御剤、コラーゲン等の既存の皮 膚老化防止・改善剤等を適宜配合し、使用す る溶媒や使用形態等に応じて常法に従って製 造することができる。
 本発明に係る皮膚外用組成物に用いること できる溶媒としては特に制限はなく、エタ ール、イソプロピルアルコール等の炭素数1 ~4の低級アルコール、プロピレングリコール グリセリン等の多価アルコールが挙げられ 。

 本発明に係る皮膚外用組成物は、その使用 態において、薬用皮膚外用剤及び化粧料を 含する。
 薬用皮膚外用剤としては、例えば薬効成分 含有する各種軟膏剤を挙げることができる 軟膏剤としては、油性基剤をベースとする の、水中油型又は油中水型の乳化系基剤を ースとするもののいずれでもよい。油性基 としては、例えば植物油、動物油、合成油 脂肪酸及び天然又は合成のグリセライド等 挙げられる。薬効成分としては、例えば鎮 消炎剤、鎮痒剤、収斂剤、ホルモン剤等が げられる。
 また、化粧料としては、ローション状、乳 状、クリーム状、軟膏状、スティック状、 機溶媒や精製水等による溶液状、パック状 ゲル状、エアゾール状等の形態を挙げるこ ができる。すなわち、化粧料としては、ロ ション、オイルエッセンス、O/W(オイルイン ウォーター)型又はW/O(ウォーターインオイル) 型のクリーム、パック、ファンデーション、 化粧水、皮膚洗浄剤、トニック、浴用剤、エ アゾール、ジェル等として使用することがで きる。

 上記式(I)で示される化合物もしくはその 及び/又は式(II)で示される第四級アンモニ ム塩の本発明に係る皮膚外用組成物への配 量は、例えば0.0001~40重量%、特に0.01~20重量% 好ましい。

 また、本発明に係る皮膚外用組成物の塗 量は、被験者の年令、体重、疾患の程度等 より異なるが、式(I)で示される化合物もし はその塩及び/又は式(II)で示される第四級 ンモニウム塩の重量として例えば0.0002mg~100mg 、好ましく0.02mg~50mgを、1日1回又は数回に分 ての塗布が適当である。

 本発明に係る皮膚外用組成物は、光老化予 組成物、光老化改善組成物、シワ予防組成 及びシワ改善組成物から成る群より選ばれ 少なくとも1種の組成物であることが好まし い。
 本発明に係る皮膚外用組成物の光老化予防 用又はシワ予防作用及び光老化改善作用又 シワ改善作用の評価としては特に制限はな 、例えば、へアレスマウス等のシワモデル 物を用いた方法が挙げられる。

 次に、光老化又はシワの予防又は改善作用 評価方法について説明するが、本発明はこ に制限するものではない。
 光老化予防作用又はシワ予防作用の評価で 、先ずモデル動物をUV-B等の紫外線照射に供 した直後に、本発明に係る皮膚外用組成物を 塗布する。次いで、本発明に係る皮膚外用組 成物を塗布したモデル動物について、例えば 、シワ目視評価によるシワスコア評価、レプ リカの画像解析による画像解析面積比評価及 び皮膚弾力性測定を行う(評価方法の詳細に いては、例えば、Bisselt et al.、Photochem.Photob iol.、1989、50、p.763-769及びTsukahara et al.、Br.J. Dermatol.、2004、151、p.984-994参照)。このような 価において、陰性対照のモデル動物(例えば 、本発明に係る皮膚外用組成物の塗布なし又 は溶媒の塗布)と比較して、本発明に係る皮 外用組成物を塗布したモデル動物において 有意なシワ形成抑制が認められた場合には 本発明に係る皮膚外用組成物は光老化予防 用又はシワ予防作用について良好であると 断することができる。

 一方、光老化改善作用又はシワ改善作用 評価では、先ずモデル動物をUV-B等の紫外線 照射に供し、シワを形成させる。次いで、シ ワ形成モデル動物に本発明に係る皮膚外用組 成物を塗布する。次いで、本発明に係る皮膚 外用組成物を塗布したシワ形成モデル動物に ついて、上述したシワスコア評価、画像解析 面積比評価及び皮膚弾力性測定を行う。この ような評価において、陰性対照のシワ形成モ デル動物(例えば、本発明に係る皮膚外用組 物の塗布なし又は溶媒の塗布)と比較して、 発明に係る皮膚外用組成物を塗布したシワ 成モデル動物において、シワの有意な低下 認められた場合には、本発明に係る皮膚外 組成物は光老化改善作用又はシワ改善作用 ついて良好であると判断することができる

 以上に説明したように、本発明に係る皮 外用組成物は、十分な光老化予防改善作用 び/又はシワ予防改善作用を有するものであ る。特に、本発明に係る皮膚外用組成物は、 真皮細胞又はそれより深部の細胞の組織のダ メージにより表情筋や皮下組織に発生する深 く治りにくいシワ(シワの分類については、 えば、「化粧品の有用性-評価技術の進歩と 来展望-」,株式会社 薬事日報社,2001年,第1 第7節,p.162-177;芋川玄爾及び武馬吉則,「香粧 誌」,1992年,Vol.16,No.3,p.153-155;並びに、Genji Im okawa and Yoshinori Takema,「Cosmetics & Toiletrie s」,1993,Vol.108,p.65-77参照)に対して予防作用又 改善作用を有する。

 特許第3549823号公報に記載のアルベリンはそ のアセチルコリン作動阻害作用に基づき、欧 州では、筋弛緩剤として使用されるものであ り、元来が医薬品であることから、毒性が高 い(例えば、David Malkaら、Journal of Hepathology 1997年、第27巻、p.399-403参照)。
 一方、本発明に係る皮膚外用組成物に含有 れる上記式(I)で示される化合物またはその 及び式(II)で示される第四級アンモニウム塩 も同様にアセチルコリン作動阻害作用を有す るものであると考えられる。しかしながら、 上記式(I)で示される化合物またはその塩及び 式(II)で示される第四級アンモニウム塩は、 ルベリンに比べ、ヒトにおける代謝が早く( なわち、無害化されやすく)、安全性が高い 。

 本発明によれば、十分な光老化予防改善 用又はシワ予防改善作用を有する皮膚外用 成物が提供される。

 本発明を実施例に基づきさらに詳細に説 するが、本発明はそれらに限定されるもの はない。

(合成例1)ドデカン酸2-ジメチルアミノ-エチル エステル(例示化合物(1))の合成
 ドデカン酸2-ジメチルアミノ-エチルエステ (例示化合物(1))を以下のように合成した。
 50mlの3ツ口フラスコにジメチルアミノエタ ール(10g、11.2mmol)とクロロホルム(20ml)とを加 、攪拌し、氷浴で5℃に冷却した。次いで、 塩化ラウロイル(2.5g、11.2mmol)を20分間で滴下 た。得られた混合物を氷浴下で0.5時間、さ に室温で2時間攪拌し、反応を終了した。
 得られた反応混合物に炭酸水素ナトリウム( 1.0g、11.8mmol)とイオン交換水10mlとを加え、室 で1時間攪拌した後、水層を除去した。有機 層を飽和食塩水10mlで洗浄した後、減圧濃縮 、油状の反応混合物(1.4g)を得た。
 得られた反応混合物をシリカゲルカラムク マトグラフィー(シリカゲル60、30g)に供し、 クロロホルム/メタノール混合溶媒(クロロホ ム:メタノール=100:1~1:1)での溶出及び濃縮を い、無色透明油状物としてドデカン酸2-ジ チルアミノ-エチルエステル(1.2g、収率78.8%) 得た。
 得られたドデカン酸2-ジメチルアミノ-エチ エステルを核磁気共鳴(NMR)スペクトル分析 び赤外線吸収(IR)スペクトル分析に供し、以 の結果が得られた。
  1 H-NMR(MeOH-d 4 ):0.90(t,3H,J=7Hz),1.18-1.40(m,16H),1.55-1.70(m,2H),2.28(s,6 H),2.32(t,2H,J=7Hz),2.60(t,2H,J=6Hz),4.18(t,2H,J=6Hz)ppm
  13 C-NMR(MeOH-d 4 ):14.5,23.7,25.9,30.2,30.4,30.5,30.6,30.7,33.1,34.9,45.8,58. 6,62.6,174.9ppm
 IR(NaCl):3316,2932,2810,2780,2730,1742,1154cm -1

(合成例2)2-ジメチルアミノ-N-ドデシル-アセト アミド(例示化合物(2))の合成
 2-ジメチルアミノ-N-ドデシル-アセトアミド( 例示化合物(2))を以下のように合成した。
 n-ドデシルアミン(1.00g、5.4mmol)にN,N-ジメチ グリシンメチルエステル(1.50g、12.8mmol)を加 、150~160℃で、5.5時間攪拌し、反応を終了し 。
 放冷後、酢酸エチル(70ml)とn-ヘキサン(30ml) を加え、不溶物をろ過に供した後、濃縮し 油状物(1.4g)を得た。
 得られた油状物をカラムクロマトグラフィ に供し、クロロホルム/メタノール混合溶媒 で溶出したところ、微黄色油状物として2-ジ チルアミノ-N-ドデシル-アセトアミド(1.27g、 収率87.0%)を得た。
 得られた2-ジメチルアミノ-N-ドデシル-アセ アミドをNMRスペクトル分析及びIRスペクト 分析に供し、以下の結果が得られた。
  1 H-NMR(DMSO-d 6 ) δ:0.84(t,3H,J=6Hz),1.12~1.40(m,20H),2.17(s,6H),2.80(s,2H ),3.04(q,2H,J=7Hz),7.67(t,1H,J=6Hz)ppm
 IR(ATR):2923,2853,2777,1660,1520cm -1

(合成例3)ジメチルアミノ酢酸ドデシルエステ ル(例示化合物(3))の合成
 ジメチルアミノ酢酸ドデシルエステル(例示 化合物(3))を以下のように合成した。
 n-ドデカノール(3.16g、17.0mmol)にN,N-ジメチル リシンメチルエステル(1.00g、5.6mmol)と28%ナ リウムメトキシド(0.11g、0.6mmol)とを加え、140 ~150℃で、2.5時間攪拌し、反応を終了した。
 放冷後、得られた混合物を酢酸エチル(70ml) 抽出し、水洗し、減圧濃縮することで、油 物(3.6g)を得た。
 得られた油状物をカラムクロマトグラフィ に供し、酢酸エチル/n-ヘキサン混合溶媒で 出したところ、微黄色油状物としてジメチ アミノ酢酸ドデシルエステル(1.18g、収率77.6 %)を得た。
 得られたジメチルアミノ酢酸ドデシルエス ルをNMRスペクトル分析及びIRスペクトル分 に供し、以下の結果が得られた。
  1 H-NMR(DMSO-d 6 ) δ:0.84(t,3H,J=7Hz),1.13~1.32(m,18H),1.54(qn,2H,J=7Hz),2. 22(s,6H),3.12(s,2H),4.01(t,2H,J=7Hz)ppm
 IR(ATR):2924,2853,2771,1736,1465cm -1

(合成例4)(2-ドデシルオキシ-エチル)-ジメチル アミン(例示化合物(4))の合成
 (2-ドデシルオキシ-エチル)-ジメチルアミン( 例示化合物(4))を以下のように合成した。
 60%水素化ナトリウム(0.47g、11.2mmol)を4ツ口フ ラスコに入れ、室温及び窒素気流下で乾燥テ トラヒドロフラン50mlを加えて攪拌した。そ に、乾燥テトラヒドロフラン(10ml)に溶解し ジメチルアミノエタノール(1.00g、11.2mmol)を20 分間で滴下した。
 滴下20分後に、乾燥テトラヒドロフラン(5ml) に溶解した1-ブロモドデカン(2.80g、11.2mmol)を5 分間で滴下した。滴下終了後、50℃まで加温 、4時間攪拌した後、反応を終了した。
 放冷後、反応混合物にイオン交換水20mlを加 えてよく攪拌した後、酢酸エチル100mlを加え 抽出した。水洗後、減圧濃縮し、油状物(2.6 8g)を得た。
 得られた油状物をカラムクロマトグラフィ に供し、クロロホルム/メタノール混合溶媒 で溶出したところ、透明油状物として(2-ドデ シルオキシ-エチル)-ジメチルアミン(1.38g、収 率47.9%)を得た。
 得られた(2-ドデシルオキシ-エチル)-ジメチ アミンをNMRスペクトル分析及びIRスペクト 分析に供し、以下の結果が得られた。
  1 H-NMR(CDCl 3 ) δ:0.88(t,3H,J=7Hz),1.16~1.54(m,18H),1.58(qn,2H,J=6Hz),2. 27(s,6H),2.50(t,2H,J=6Hz),3.42(t,2H,J=7Hz),3.51(t,2H,J=6Hz) ppm
 IR(ATR):2956,2915,2850,1470,1120cm -1

(合成例5)ドデカン酸(2-ジメチルアミノエチル )-アミド(例示化合物(5))の合成
 ドデカン酸(2-ジメチルアミノエチル)-アミ (例示化合物(5))を以下のように合成した。
 N,N-ジメチルエチレンジアミン(1.00g、11.3mmol) をクロロホルム(50ml)に溶解し、5℃まで冷却 た。次いで、ドデシルクロリド(2.45g、11.2mmol )を10分間で滴下した。
 滴下終了後、室温に戻し、得られた混合物 2時間攪拌し、反応を終了した。反応終了後 、反応混合物を減圧濃縮に供した後、その残 留物を酢酸エチル(150ml)で抽出した。抽出後 飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml)を加え 洗浄した後、飽和食塩水(50ml)で洗浄し、減 濃縮したところ、白色固体(2.99g)を得た。
 得られた白色固体にイオン交換水(13ml)を加 て、60℃で30分間攪拌し、不溶物をろ過に供 した後、ろ液を5℃に冷却した。冷却後、生 した結晶をろ過に供し、40℃で12時間乾燥し 白色結晶としてドデカン酸(2-ジメチルアミ エチル)-アミド(2.45g、収率79.5%)を得た。
 得られたドデカン酸(2-ジメチルアミノエチ )-アミドの融点は、47.7~48.3℃であった。さ に、得られたドデカン酸(2-ジメチルアミノ チル)-アミドをNMRスペクトル分析及びIRスペ トル分析に供し、以下の結果が得られた。
  1 H-NMR(DMSO-d 6 ) δ:0.84(t,3H,J=7Hz),1.12~1.32(m,16H),1.44(qn,2H,J=7Hz),2. 02(t,2H,J=7Hz),2.12(s,6H),2.23(t,2H,J=6Hz),3.10(q,2H,J=6Hz), 7.68(t,1H,J=7Hz)
 IR(ATR):2916,2847,2820,1637,1550cm -1

(合成例6)2-ジメチルアミノ-N-エチル-アセトア ミド(例示化合物(6))の合成
 2-ジメチルアミノ-N-エチル-アセトアミド(例 示化合物(6))を以下のように合成した。
 N,N-ジメチルグリシン(0.8g、6.8mmol)を、70%エ ルアミン水溶液(5.7g、68mmol)に溶解し、密閉 器に封入し、5℃で3日間保存した。減圧濃縮 し、得られた油状物をカラムクロマトグラフ ィーに供し、クロロホルム-メタノール混合 媒で溶出したところ、透明油状物として例 化合物(6)(0.84g、94.4%)を得た。
 得られた例示化合物(6)をNMRスペクトル分析 びIRスペクトル分析に供し、以下の結果が られた。
  1 H-NMR(DMSO-d 6 ) δ:0.99(t,3H,J=7Hz),2.20(s,6H),2.80(s,2H),3.10(q,2H,J=7Hz ),7.73(br.s,1H)
 IR(ATR):2973,2824,2778,1651,1522cm -1

(合成例7)ドデシルカルバモイルメチルトリメ チルアンモニウムクロリド(例示化合物(7))の 成
 ドデシルカルバモイルメチルトリメチルア モニウムクロリド(例示化合物(7))を以下の うに合成した。
 n-ドデシルアミン60.0g(0.32mol)をクロロホルム 900mlに溶解し、トリエチルアミン43.2g(0.43mol) 加え、-50℃に冷却した。そのままの温度で 塩化クロロアセチル40.2g(35.6mol)を30分かけて 下し、そのままの温度でさらに1時間攪拌し 反応を終了した。反応混合物にエタノール100 mlを加え、さらにイオン交換水300mlを加えて 温まで加温し、20分攪拌した後、静置分層し 、下層を濃縮し、残留物をシリカゲルカラム クロマトグラフィーに付し、クロロホルム- タノール混合溶媒で溶出した。溶媒を留去 、残留物85.3gを得た。
 残留物60.27gをステンレス製簡易オートクレ ブに仕込み、トリメチルアミン33%エタノー 溶液とエタノール180mlを加え密閉した。こ を油浴で100~110℃に加熱し、5時間攪拌して反 応を終了した。室温に冷却した後、開圧し、 反応溶液を濃縮した後、残留物をシリカゲル カラムクロマトグラフィーに付し、クロロホ ルム-メタノール混合溶媒で溶出した。溶媒 留去し、残留物をエタノール-n-ヘキサンで 結晶したところ、白色針状結晶として例示 合物(7)(55.8g、収率54.3%)を得た。
 得られた例示化合物(7)をNMRスペクトル分析 びIRスペクトル分析に供し、以下の結果が られた。
  1 H-NMR(CDCl 3 ) δ:0.88(t,3H,J=7Hz),1.25-1.31(m,18H),1.57(qn,2H,J=7Hz),3. 25(q,2H,J=6Hz),3.49(s,9H),4.70(s,2H),9.22(t,1H,J=5Hz)

〔実施例1〕本発明に係る組成物による光老 及びシワ予防評価
(1)シワモデル動物(へアレスマウス)の作製
 HR/HRマウスとHaM/ICRマウスとの交配により作 した6週齢のICR/HR系雌性マウスをシワモデル 動物(シワ形成へアレスマウス)として用いた 餌及び水は自由摂取させ、温度23℃、湿度55 %及び紫外線の影響のない環境下にて当該マ スの飼育を行った。

(2)光老化及びシワ予防作用の評価
(i)紫外線照射条件
 飼育したヘアレスマウスを8匹ずつ7群に分 、それぞれUV-B照射を行った。UV-B照射は、Tsu kahara et al.(Br.J.Dermatol.,2004,151,p.984-994)等記載 公知の通常の方法に準拠した。具体的には 飼育したヘアレスマウスをケージに入れ、 芝SEランプを用い、UV-B照射を行った。照射 は、通常の6週齢のへアレスマウスにおける 0.8~1MED(最小紅斑量)である40~50mJ/cm 2 にて、1週あたり5回で12週間の照射であった

(ii)試料の調製と塗布
 ヘアレスマウスに塗布する各試料を、それ れ1%例示化合物(1)/90%エタノール(EtOH)溶液、3 %例示化合物(1)/90%EtOH溶液、1%例示化合物(2)/90% EtOH溶液、1%例示化合物(3)/90%EtOH溶液、0.1%例示 化合物(4)/90%EtOH溶液及び1%例示化合物(5)/90%EtOH 溶液として調製した。
 90%EtOH(コントロール)並びに調製した各試料 、1週あたり5回で12週間且つ1回に100μL/日で 紫外線照射直後に各群のヘアレスマウスに 布を行った。各試料を塗布した各ヘアレス ウス群は、90%EtOHを塗布した群を「90%EtOHコ トロール群」、1%例示化合物(1)/90%EtOH溶液を 布した群を「1%-化合物1群」、3%例示化合物( 1)/90%EtOH溶液を塗布した群を「3%-化合物1群」 1%例示化合物(2)/90%EtOH溶液を塗布した群を「 1%-化合物2群」、1%例示化合物(3)/90%EtOH溶液を 布した群を「1%-化合物3群」、0.1%例示化合 (4)/90%EtOH溶液を塗布した群を「0.1%-化合物4群 」、1%例示化合物(5)/90%EtOH溶液を塗布した群 「1%-化合物5群」とした。

(iii)シワ予防評価(シワ目視評価)
 Bisselt et al.(Photochem.Photobiol.,1989,50,p.763-769) 載の方法を参考にし、Tsukahara et al.(Br.J.Derma tol.,2004,151,p.984-994)等記載の公知の方法にて、 シワを0~4まで分類した5段階評価を行った。
 当該5段階評価に基づき、90%EtOHコントロー 群を100としたときの各群のシワスコアを評 した。

(iv)レプリカ採取及び画像解析
 レプリカの採取及び画像解析は、Tsukahara K et al.(Br.J.Dermatol.,2004,151,p.984-994)等記載の公 の方法にて、ラバー系シリコン印象剤(GC社) 用い、ヘアレスマウスの背部皮膚からレプ カを採取した。
 採取したレプリカは直径1.8cmにくりぬき、 印象剤にて裏打ちして補正した後、画像解 に供した。画像解析にはPIAS LA-555(PIAS社)を い、斜め30度方向から光をあて、10mm×10mmの 囲についてできる影(画像解析面積比(%))を定 量した。
 定量により得られた画像解析面積比(%)に基 き、90%EtOHコントロール群を100としたときの 各群の画像解析面積比(%)を評価した。

(v)皮膚弾力性測定
 皮膚弾力性測定は、Tsukahara K et al.(Br.J.Derm atol.,2004,151,p.984-994)等記載の公知の方法にて キュートメータSEM575(C+K社)を用い、100mbで1秒 間吸引した後に解除し、その後1秒間の計2秒 の変位を測定した。測定は、1匹に対して5 ずつ行い、瞬間弾性変位を表すパラメータ であるUeについて求め、90%EtOHコントロール を100としたときの各群のUe値を求めた。

(vi)結果
(a)シワ予防評価(シワ目視評価)結果
 シワ予防評価(シワ目視評価)結果を図1に示 。
 図1に示すように、本発明の皮膚外用組成物 を塗布することにより、シワスコア上昇を抑 制することができた。また、1%-化合物5群に いて最もシワ形成抑制が認められ、次いで1% -化合物3群、1%-化合物1群、3%-化合物1群、1%- 合物2群、0.1%-化合物4群の順にシワ形成抑制 果が認められた。

(b)レプリカ画像解析結果
 各群のレプリカの写真を図2に示す。また、 レプリカ画像解析結果を図3に示す。
 図2及び3に示すように、本発明の皮膚外用 成物を塗布することにより、シワの増加を 制することができた。また、1%-化合物5群に いて最もシワ形成抑制が認められ、次いで1 %-化合物1群、0.1%-化合物4群、1%-化合物3群、3% -化合物1群、1%-化合物2群の順にシワ形成抑制 効果が認められた。

(c)皮膚弾力性測定結果
 皮膚弾力性測定結果を図4に示す。
 図4に示すように、本発明の皮膚外用組成物 を塗布することにより、皮膚の弾力性低下を 抑制することができた。また、1%-化合物5群 おいて最も皮膚弾力性の低下抑制が認めら 、次いで1%-化合物3群、3%-化合物1群、0.1%-化 物4群、1%-化合物1群、1%-化合物2群の順に皮 弾力性の低下抑制効果が認められた。

(vii)総合評価
 本発明の皮膚外用組成物に光老化予防及び ワ予防効果が認められた。また、1%及び3%化 合物1、1%化合物2、1%化合物3、0.1%化合物4並び に1%化合物5について高い光老化予防及びシワ 予防作用が認められた。

〔実施例2〕本発明に係る組成物によるシワ 善評価
(1)シワ形成へアレスマウスの作製
 シワ形成へアレスマウスの作製は、実施例1 の1)及び2)(ii)の節の記載に準じて、HR/HRとHaM/I CRとの交配により作製した6週齢のICR/HR系雌性 マウスをUVB照射に1週あたり5回で10週間供す ことによって行った。
 上記UVB照射にてシワを作製したヘアレスマ スについて、Bisselt et al.(Photochem.Photobiol.,19 89,50,p.763-769)記載の方法を参考にし、Tsukahara  et al.(Br.J.Dermatol.,2004,151,p.984-994)等記載の公知 の方法にて、目視によりシワスコア(実施例2 2)(iii)の節の記載に準じて評価)の平均値が 群ほぼ均一になるように各群8匹づつ2群に分 けた。

(2)シワ改善作用の評価
(i)試料の調製と塗布
 シワ形成ヘアレスマウスに塗布する試料を1 %化合物1/90%EtOH溶液として調製した。
 90%EtOH(コントロール)及び調製した試料を、1 週あたり5回で6週間且つ1回に100μL/日で、シ 形成ヘアレスマウスに塗布を行った。90%EtOH 塗布した群を「90%EtOHコントロール群」、1% 示化合物(1)/90%EtOH溶液を塗布した群を「1%- 合物1群」とした。

(ii)シワ改善評価(シワ目視評価)
 実施例1の(2)(iii)の節の記載に準じて、シワ 0~4まで分類した5段階評価を行った。

(iii)結果
 シワ改善評価(シワ目視評価)結果を図5に示 。
 図5に示すように、90%EtOHコントロール群と 較して1%-化合物1群においてシワスコアの低 が認められた。

(iv)総合評価
 本発明の皮膚外用組成物にシワ改善作用が められた。

(処方例)
 前記式(I)で示される化合物もしくはその塩 及び/又は、次式(II)で示される第四級アン ニウム塩を有効成分として、下記に示す組 のローション、クリーム、エアゾール、パ ク剤、ファンデーション、化粧水及びジェ を常法により各々調製した。

1.ローションの調製
 下記示す成分を混合し、液体A1を調製した これとは別に、下記に示す成分を混合し、 体B1を調製した。前記A1に前記B1を添加して 一に撹拌混合し、ローションを得た。

2.クリームの調製
 下記示す成分を混合し、液体A2を調製した これとは別に、下記に示す成分を混合し、 体B2を調製した。前記A2に前記B2を添加して 一に撹拌混合し、乳化後、冷却して、クリ ムを得た。

3.エアゾールの調製
 下記に示す例示化合物(5)、セタノール、プ ピレングリコール、エタノール及び精製水 均一に混合して容器に入れ、常法により液 石油ガス(噴射剤)を容器に充填してエアゾ ルを製造した。

4.パック剤の調製
 常法により、下記に示す組成のパック剤を 製した。

5.ファンデーションの調製
 常法により、下記に示す組成のファンデー ョンを調製した。

6.化粧水の調製
 常法により、下記に示す組成の化粧水を調 した。

7.ジェルの調製
 常法により、下記に示す組成のジェルを調 した。

 上記式(I)で示される化合物もしくはその 及び/又は上記式(II)で示される第四級アン ニウム塩を含有する組成物は、皮膚の老化 より生じる形態的変化(例えばシワやたるみ) の発生やはりの減少に対して予防又は改善作 用を有する。したがって、本発明に係る皮膚 外用組成物は、光老化予防組成物、光老化改 善組成物、シワ予防組成物及び/またはシワ 善組成物として有用である。

 本発明をその実施態様とともに説明した 、我々は特に指定しない限り我々の発明を 明のどの細部においても限定しようとする のではなく、添付の請求の範囲に示した発 の精神と範囲に反することなく幅広く解釈 れるべきであると考える。

 本願は、2007年11月13日に日本国で特許出 された特願2007-294763に基づく優先権を主張す るものであり、これはここに参照してその内 容を本明細書の記載の一部として取り込む。