Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
COMPOSITION, AND METHOD FOR TEMPORARILY FIXING MEMBER USING THE COMPOSITION
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/078469
Kind Code:
A1
Abstract:
This invention provides an adhesive agent composition for temporal fixation, which can realize easy identification of a coated part in temporal fixation of an optical member and can easily distinguish the state of curing in a curing process by light irradiation, and a method for temporarily fixing a member. The composition is characterized by comprising (A) a polyfunctional (meth)acrylate, (B) a (meth)acryloyl group-containing monofunctional monomer, (C) a coloring matter which undergoes a change in color upon exposure to light, and (D) a photopolymerization initiator. Preferably, in the composition, the coloring matter (C), which undergoes a change in color upon exposure to light, is at least one coloring matter selected from the group consisting of photocolor forming coloring matters and light fading coloring matters. Preferably, in the composition, both the polyfunctional (meth)acrylate (A) and the (meth)acryloyl group-containing monofunctional monomer (B) are hydrophobic. The method for temporarily fixing a member is characterized by comprising bonding a member with the aid of the above composition to temporarily fix the member, fabricating the temporarily fixed member, and immersing the fabricated member in warm water of 90°C or below to remove a cured product of the composition.

Inventors:
NAKAJIMA GOSUKE (JP)
KURIMURA HIROYUKI (JP)
OSHIMA KAZUHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/072131
Publication Date:
July 03, 2008
Filing Date:
November 14, 2007
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
DENKI KAGAKU KOGYO KK (JP)
NAKAJIMA GOSUKE (JP)
KURIMURA HIROYUKI (JP)
OSHIMA KAZUHIRO (JP)
International Classes:
C08F290/06; C08F2/44; C09J4/02; C09J5/00; C09J11/06; C09J201/02
Foreign References:
JP2006328094A2006-12-07
JP2003313510A2003-11-06
JPH10130309A1998-05-19
JPH1171553A1999-03-16
JPH0786212A1995-03-31
JP2007169560A2007-07-05
JP2007056066A2007-03-08
JP2007009131A2007-01-18
Attorney, Agent or Firm:
SENMYO, Kenji et al. (SIA Kanda Square17, Kanda-konyach, Chiyoda-ku Tokyo 35, JP)
Download PDF:
Claims:
 (A):多官能(メタ)アクリレート、(B):(メタ)アクリロイル基を有する単官能モノマー、(C):光照射を受けて変色する色素、(D):光重合開始剤を含有することを特徴とする組成物。
 (C):光を受けて変色する色素が、光発色性色素及び光退色性色素からなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
 (A):多官能(メタ)アクリレート及び(B):(メタ)アクリロイル基を有する単官能モノマーが、いずれも疎水性であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の組成物。
 (A):多官能(メタ)アクリレートを1~50質量部、(B):(メタ)アクリロイル基を有する単官能モノマーを5~95質量部、(A)と(B)との合計量100質量部に対して、(C):光を受けて変色する色素を0.0001~10質量部及び(D):光重合開始剤を0.1~20質量部含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の組成物。
 さらに、極性有機溶媒を含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の組成物。
 さらに、(A)~(D)に溶解しない粒状物質を含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の組成物。
 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の組成物からなることを特徴とする接着剤。
 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の組成物を用いて、部材を接着仮固定し、該仮固定された部材を加工後、前記組成物の硬化体を90℃以下の温水に浸漬して加工された部材を取り外すことを特徴とする部材の仮固定方法。
 部材を接着仮固定する際に、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の組成物の塗布部が識別し易いように着色されており、しかも、当該組成物に光照射して硬化した際に前記の色とは異なる色に着色、又は退色させることで硬化状況を識別容易とすることを特徴とする部材の仮固定方法。
Description:
組成物及びそれを用いた部材の 固定方法

 本発明は、種々な部材を加工するに際し の仮固定に好適な組成物に関する。より詳 には、光学用部材を加工するに際して当該 材を仮固定するのに好適な組成物からなる 硬化性接着剤、及びこれを用いた仮固定方 に関する。

 光学レンズ、プリズム、アレイ、シリコ ウエハ、半導体実装部品等の仮固定用接着 としては、両面テープやホットメルト系接 剤が使用されている。この場合、これらの 着剤にて基材や他の部材に接合または積層 た部材を、所定の形状に切削加工後、接着 を除去し、基材や他の部材から加工された 材を取り出すことで、加工部材の製造が行 れている。

 実装部品等については、これらの部品を 面テープにて基材に固定した後、所望の部 に切削加工を行い、更に両面テープに紫外 を照射することで部品からの剥離を行う。 た、ホットメルト系接着剤の場合には、部 を接合後、加熱により部材と基材との間隙 接着剤を浸透させた後、所望の部品に切削 工を行い、有機溶剤中で接着剤の剥離を行 。

 しかし、両面テープを用いる場合には、 み精度を出すのが困難であったり、接着強 が弱いために部品加工時にチッピング性が ったり、100℃以上の熱をかけないと剥離で なかったりする問題があった。また、紫外 照射により剥離させる場合には、被着体の 過性が乏しいと剥離できない問題があった

 ホットメルト系接着剤の場合には、接着 に100℃以上の熱をかけなければ接着するこ ができず、使用できる部材や基材に制約が った。また、剥離時に有機溶剤を使用する 要があり、アルカリ溶剤やハロゲン系有機 剤の洗浄処理工程が煩雑である他、作業環 的にも問題となっていた。

 これらの欠点を解決するために、水溶性 ニルモノマー等の水溶性化合物を含有する 固定用の光硬化型又は加熱型接着剤が提案 れている。しかし、これらの接着性組成物 は、水中での剥離性は解決されるのに対し 部品固定時の接着強度が低く、切削加工後 部材の寸法精度に乏しいという問題がある

 また、特定の親水性の高い(メタ)アクリ ートの使用により接着性を向上させるとと に、膨潤や一部溶解によって剥離性をも向 させた仮固定用接着剤も提案されている(特 文献1、2、3参照)。しかし、切削加工時には 、部品とブレードやダイヤモンドカッター等 の切削治具との摩擦熱を冷却するために大量 の水を使用するため、前記の親水性の高い組 成物では、切削時に硬化物が膨潤し柔軟にな り、より高い寸法精度を獲得できない、また 、剥離した部材に一部溶解した硬化物が糊残 りするといった問題がある。

 これらの問題を解決するため、本発明者は ろいろ検討し、特定の疎水性(メタ)アクリ モノマーを用い、これを組み合わせること より、高接着強度でかつ温水中での剥離性 良好な接着剤組成物を提案した(特許文献4参 照)。

特開平06-116534号公報

特開2000-265468号公報

特開2001-226641号公報

特開2006-290957号公報

 しかしながら、前記仮固定用接着剤は、 来公知の接着剤と同様に、その色がほぼ透 であるため、塗布した部分が識別しにくく さらには硬化前後の外観上の変化もほとん ないので、光が確実に照射されて硬化した どうかの判別も困難で、作業性に欠けると う実作業上の問題が残っていることが判っ 。

 即ち、本発明は、上記特許文献4に記載の 発明の改良に関するもので、高接着強度でか つ温水中での剥離性の良好であり、さらに接 着剤の塗布位置、硬化状況が容易に判別でき 、それにより部材の加工作業の効率的な実施 を促すことができる部材の仮固定用接着剤を 提供することを目的になされたものである。

 本発明者は、前記目的を達成するべく鋭 検討した結果、多官能(メタ)アクリレート (メタ)アクリロイル基を有する単官能モノマ ー、及び光重合開始剤を含有する仮固定用接 着剤組成物に、光発色性色素又は光退色性色 素を配合し着色することで、塗布した部分を 容易に識別でき、さらに光照射にて硬化した 際に前記とは異なる色に着色あるいは退色さ せることで硬化状況を容易に判別できる仮固 定用接着剤を発明するに至った。

 すなわち、本発明は、以下の要旨を有する のである。
(1)(A):多官能(メタ)アクリレート、(B):(メタ)ア クリロイル基を有する単官能モノマー、(C): 照射を受けて変色する色素、(D):光重合開始 を含有することを特徴とする組成物。
(2)(C):光を受けて変色する色素が、光発色性 素及び光退色性色素からなる群から選ばれ 1種以上であることを特徴とする上記(1)に記 の組成物。
(3)(A):多官能(メタ)アクリレート及び(B):(メタ) アクリロイル基を有する単官能モノマーが、 いずれも疎水性であることを特徴とする上記 (1)又は(2)に記載の組成物。
(4)(A):多官能(メタ)アクリレートを1~50質量部 (B):(メタ)アクリロイル基を有する単官能モ マーを5~95質量部、(A)と(B)との合計量100質量 に対して、(C):光を受けて変色する色素を0.0 001~10質量部及び(D):光重合開始剤を0.1~20質量 含有することを特徴とする上記(1)乃至(3)の ずれか一項に記載の組成物。
(5)さらに、極性有機溶媒を含有することを特 徴とする上記(1)乃至(4)のいずれか一項に記載 の組成物。
(6)さらに、(A)~(D)に溶解しない粒状物質を含 することを特徴とする上記(1)乃至(5)のいず か一項に記載の組成物。
(7)上記(1)乃至(6)のいずれか一項に記載の組成 物からなることを特徴とする接着剤。
(8)上記(1)乃至(6)のいずれか一項に記載の組成 物を用いて、部材を接着仮固定し、該仮固定 された部材を加工後、前記組成物の硬化体を 90℃以下の温水に浸漬して加工された部材を り外すことを特徴とする部材の仮固定方法
(9)部材を接着仮固定する際に、上記(1)乃至(6) のいずれか一項に記載の組成物の塗布部が識 別し易いように着色されており、しかも、当 該組成物に光照射して硬化した際に前記の色 とは異なる色に着色、又は退色させることで 硬化状況を識別容易とすることを特徴とする 部材の仮固定方法。

 本発明の組成物は、その組成故に光硬化 を有し、可視光または紫外線によって硬化 を生成する。このために、従来のホットメ ト接着剤に比べ、部品を固定する際に、省 化、省エネルギー化、作業短縮の面で著し 効果が得られる。また、その硬化体は、加 時に用いる切削水などに影響されずに高い 着強度を発現できるので、部材の加工時に れを生じ難く、寸法精度面で優れた部材を 易に得ることができる。さらに、本発明の 成物は光照射を受けて変色又は退色する色 を含んでいるため、光照射によって硬化さ る前には塗布した部分を色の違いによって 易に識別することができる。また、光照射 よって硬化した際、前記の色とは異なる色 着色又は退色するため、硬化状況を容易に 別することができる。

 更に、本発明の組成物の硬化体は、特に9 0℃以下の温水に接触することで接着強度を 下させ部材間の或いは部材と治具との接合 を低下するので、容易に部材の回収ができ 。更に、従来の接着剤の場合に比べ、高価 、発火性の強い、或いは人体に有害なガス 発生する有機溶媒を用いる必要がないとい 格段の効果が得られる。

 更に、特定の好ましい組成範囲の組成物 おいては、硬化体が90℃以下の温水と接触 て膨潤し、フィルム状に部材から回収でき ので、作業性にも優れる。

 更に、本発明の組成物は硬化状況を視覚 に判断できるため、接着不良による部材の 落や部材加工時のずれを未然に防ぐことが き、部材加工時の生産性の向上が図れると う効果が得られる。

 (A):多官能(メタ)アクリレートとしては、 端又は側鎖に2個以上の(メタ)アクリロイル された多官能(メタ)アクリレートオリゴマ /ポリマーや、2個以上の(メタ)アクリロイル を有するモノマーを使用することができる

 例えば、多官能(メタ)アクリレートオリ マー/ポリマーとしては、1,2-ポリブタジエン 末端のウレタン(メタ)アクリレート(例えば、 日本曹達社製「TE-2000」、「TEA-1000」)、1,2-ポ ブタジエン末端のウレタン(メタ)アクリレ トの水素添加物(例えば、日本曹達社製「TEAI -1000」)、1,4-ポリブタジエン末端のウレタン( タ)アクリレート(例えば、大阪有機化学社 「BAC-45」)、ポリイソプレン末端の(メタ)ア リレート、ポリエステル系ウレタン(メタ)ア クリート、ポリエーテル系ウレタン(メタ)ア リレート、ポリエステル(メタ)アクリレー 、ビスA型エポキシ(メタ)アクリレート(例え 、大阪有機化学社製「ビスコート#540」、昭 和高分子社製「ビスコートVR-77」)などが挙げ られる。

 2官能(メタ)アクリレートモノマーとして 1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレー 、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート 1,6-ヘキサジオールジ(メタ)アクリレート、1 ,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネ ペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、 2-エチル-2-ブチル-プロパンジオール(メタ)ア リレート、ネオペンチルグリコール変性ト メチロールプロパンジ(メタ)アクリレート ステアリン酸変性ペンタエリストールジア リレート、ポリプロピレングリコールジ(メ )アクリレート、2,2-ビス(4-(メタ)アクリロキ シジエトキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-( メタ)アクリロキシプロポキシフェニル)プロ ン、2,2-ビス(4-(メタ)アクリロキシテトラエ キシフェニル)プロパン等が挙げられる。

 3官能(メタ)アクリレートモノマーとしては トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリ ート、トリス[(メタ)アクリロイキシエチル] ソシアヌレート等が挙げられる。
 4官能以上の(メタ)アクリレートモノマーと ては、ジメチロールプロパンテトラ(メタ) クリレート、ペンタエリスリトールテトラ( タ)アクリレート、ペンタエリスリトールエ トキシテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタ リスリトールペンタ(メタ)アクリレート、 ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレ ート等が挙げられる

 (A):多官能(メタ)アクリレートは、疎水性 ものがより好ましいが、水溶性の場合には 切削加工時に組成物の硬化体が膨潤するこ により位置ずれを起こし加工精度が劣る恐 があるため好ましくない。しかし、親水性 あっても、その組成物の硬化体が水によっ 大きく膨潤もしくは一部溶解することがな れば、使用しても差し支えない。

 (A):多官能(メタ)アクリレートの添加量は (A)及び(B)の合計量100質量部中、1~50質量部が 好ましく、5~30質量部がより好ましい。1質量 以上であれば、組成物の硬化体を温水に浸 した時に被着物より当該硬化体が剥離する 質(以下、単に「剥離性」という)が充分に 長されるし、組成物の硬化体がフィルム状 剥離することが確保できる。また、50質量部 以下であれば、初期の接着性が低下する恐れ もない。

 (B):(メタ)アクリロイル基を有する単官能 ノマーとしては、メチル(メタ)アクリレー 、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メ )アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート 2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソ クチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メ )アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレー 、ステアリル(メタ)アクリレート、フェニ (メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ) クリレート、ジシクロペンタニル(メタ)ア リレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリ レート、ジシクロペンテニロキシエチル(メ )アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリ ート、メトキシ化シクロデカトリエン(メタ) アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)ア リレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アク レート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ レート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ ト、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレ ート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メ タ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレ ート、カプロラクトン変性テトラヒドロフル フリル(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒド キシプロピル(メタ)アクリレート、N,N-ジメ ルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジ チルアミノエチル(メタ)アクリレート、t-ブ ルアミノエチル(メタ)アクリレート、エト シカルボニルメチル(メタ)アクリレート、フ ェノールエチレンオキサイド変性アクリレー ト、フェノール(エチレンオキサイド2モル変 )アクリレート、フェノール(エチレンオキ イド4モル変性)アクリレート、パラクミルフ ェノールエチレンオキサイド変性アクリレー ト、ノニルフェノールエチレンオキサイド変 性アクリレート、ノニルフェノール(エチレ オキサイド4モル変性)アクリレート、ノニル フェノール(エチレンオキサイド8モル変性)ア クリレート、ノニルフェノール(プロピレン キサイド2.5モル変性)アクリレート、2-エチ ヘキシルカルビトールアクリレート、エチ ンオキサイド変性フタル酸(メタ)アクリレ- 、エチレンオキサイド変性コハク酸(メタ)ア クリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリ ート、アクリル酸、メタクリル酸、マレイ 酸、フマル酸、ω-カルボキシ-ポリカプロラ クトンモノ(メタ)アクリレート、フタル酸モ ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メ )アクリル酸ダイマー、β-(メタ)アクリロイ オキシエチルハイドロジェンサクシネート n-(メタ)アクリロイルオキシアルキルヘキサ ヒドロフタルイミド等が挙げられる。

 (B):(メタ)アクリロイル基を有する単官能 ノマーは、(A):多官能(メタ)アクリレートと 様に疎水性のものがより好ましく、水溶性 場合には、切削加工時に組成物の硬化体が 潤することにより位置ずれを起こし加工精 が劣る恐れがあるため好ましくない。しか 、親水性であっても、その組成物の硬化体 水によって膨潤もしくは一部溶解すること なければ、使用しても差し支えない。

 (B):(メタ)アクリロイル基を有する単官能 ノマーの含有量は、(A)及び(B)の合計量100質 部中、5~95質量部が好ましく、10~80質量部が り好ましい。5質量部以上であれば初期の接 着性が低下する恐れもなく、95質量部以下で れば、剥離性が確保でき、組成物の硬化体 フィルム状に剥離する。

 また、前記(A)及び(B)を含有する組成物に (メタ)アクリロイルオキシエチルアシッド ォスフェート、ジブチル2-(メタ)アクリロイ オキシエチルアシッドフォスフェート、ジ クチル2-(メタ)アクリロイルオキシエチルフ ォスフェート、ジフェニル2-(メタ)アクリロ ルオキシエチルフォスフェート、(メタ)アク リロイルオキシエチルポリエチレングリコー ルアシッドフォスフェート等のビニル基又は (メタ)アクリル基を有するリン酸エステルを 有することで、金属面への密着性をさらに 上させることができる。

 本発明においては、(C):光照射を受けて変 色する色素を含有することを特徴としている 。これにより、光照射によって硬化させる前 には塗布した部分を色の違いによって容易に 識別することができる。また、光照射によっ て硬化した際に、前記の色とは異なる色に着 色又は退色するため、硬化状況を容易に判別 することができることが容易に達成される。

 (C):光照射を受けて変色する色素としては 、より具体的には、光発色性色素及び光退色 性色素からなる群から選ばれる1種以上が好 しく選択される。

 光発色性色素は、当該仮固定用組成物を 化させるために照射される光によって元の とは異なる色を呈する色素であればよく、 知の化合物を使用することができる。

 光発色性色素を具体的に例示すると、3-[N -(p-トリルアミノ)]-7-アニリノフルオラン、3-[ N-(p-トリル)-N-メチルアミノ]-7-アニリノフル ラン、3-[N-(p-トリル)-N-エチルアミノ]-7-アニ ノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7 -アニリノフルオラン、クリスタルバイオレ トラクトン、4,4’,4”-トリスジメチルアミ トリフェニルメタノ-ル、4,4’,4”-トリスジ チルアミノ]トリフェニルメタンなどのロイ コ染料;1,3,3-トリメチルインドリオベンゾピ ロスピラン、1,3,3-トリメチルインドリノ-6’ -ブロモベンゾピリロスピラン、1,3,3-トリメ ルインドリノ-8’-メトキシベンゾピリロス ラン、1,3,3-トリメチルインドリノ-β-ナフソ リロスピラン、1,3,3-トリメチルインドリノ フソスピロオキサジン、1,3,3-トリメチルイ ドリノ-6’-ニトロベンゾピリロスピラン、1 -(2-ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチルインドリ -6’-ニトロベンゾピリロスピラン、1,3,3-ト メチル-6’-(2,3-ジヒドロ-1-インドリノ)-スピ インドリンナフトオキサジン、1,3,3-トリメ ル-6’-(1-ピペリジニル)-スピロインドリン フトオキサジン、1,3,3-トリメチル-6-トリフ オロメチル-6’-(1-ピペリジニル)-スピロイン ドリンナフトオキサジンなどのスピロピラン 類やスピロオキサジン類;3,4-ビス(1,2-ジメチ -3-インドリル)フラン-2,5-ジオン、3,4-ジ(2-メ ル-3-ベンゾチオフェン)フラン-2,5-ジオン、1 ,2-ビス(2-メチル-1-ベンゾチオフェン-3-イル) キサフルオロシクロペンテン、1,2-ビス(2-メ キシ-1-ベンゾ[b]チオフェン-3-イル)―3,3,4,4,5 ,5-ヘキサフルオロシクロペンテン、1,2-ビス(6 -ジフェニルアミノ-2-メチル-1-ベンゾ[b]チオ ェン-3-イル)-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロ ペンテン、1,2-ビス(2,4-ジメチル-5-フェニル-3- チエニル)-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペ テン)、1,2-ビス(5-メチル-2-フェニル-4-チア イル)-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテ ン、1,2-ビス(2-メチル-6-ニトロ-3-ベンゾチエ ル)-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテン 、1-(2-フェニル-5-メチル-4-チアゾイル)-2-(3-メ チル-2-チエニル)-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシ ロペンテン、1,2-ジ(2,4,5-トリメチル-3-チエ ル)ペルフルオロシクロペンテンなどのジア ールエテン類;ジメチルアミノインドリルフ ルギド、フリルフルギド、チエニルフルギド などのフルキド類等が挙げられる。

 また、光退色性色素は、仮固定用接着剤 成物に配合することで、配合しない場合と 異なる色を呈するものであり、当該仮固定 接着剤組成物を硬化させるために照射され 光によって無色、又は無色に近い状態に退 あるいは変色する化合物であればよく、公 の化合物を使用することができる。

 光退色性色素を具体的に例示すると、メ レンブルー、クルクミン、クロセチン、フ コシアニン、アマランス、エリスロシン、 ューコクシン、フロキシン、ローズベンガ 、アシッドレッド、タートラジン、サンセ トイエローFCF、ファストグリーンFCF、ブリ アントブルーFCF、インジゴカルミン、フェ ールフタレイン、スルホフタレイン、エイ バイオレット、メチルオレンジ、フルオレ セイン、メチルビオロゲン、インドフェノ ル、ジムロスベタイン、エオシンY、ローダ ミンB、チオニン、ニュートラルレッド、ト イジンブルーO、インドシアリングリーン、 ルホブロモフタレイン、ウラニン、リソー ルビンB、レーキレッドC、リソールレッド テトラクロルテトラブロムフルオレイセン ブリリアントレーキレッドR、ディープマル ン、トルイジンレッド、テトラブロムフル レセイン、ヘリンドンピンクCN、ファスト シッドマゼンタ、パーマネントレッド、ジ ロムクルオレセイン、パーマネントオレン 、ジヨードフルオレセイン、ウラニン、キ リンイエローWS、アリザリンシアニングリー ンF、キニザリングリーンSS、ピラニンコンク 、ライトグリーンSF黄、パテントブルーNA、 ルバスレンブルー、アルファズリンFG、レゾ ルシンブラウン、アリズリンパープルSS、ビ ラミンR、ブリリアントファストスカーレッ ト、パーマネントレッドF5R、ポンソーSX、フ ストレッドS、オイルオレンジSS、ポーライ ロー5G、ファストライトイエロー3G、ナフト ールグリーンB、ギネアグリーンB、スダンブ ーB、アリズロールパープル、ナフトールブ ルーブラック、クロシン、クロシンブルー、 オレオレジンパプリカ、クロロフィル、カル タミン、サフラワーイエロー、ビートレッド 、ラッカイン酸、ルビアカラー、リナブルー 、ダイレクトファーストイエローGC、ダイレ トファーストオレンジ、ダイレクトファー トスカーレット4BS、クロランチンファース レッド6BLL、ダイレクトスカイブルー5B、シ アススープラブルーBRR、ダイレクトファー トターコイスブルーGL、ダイレクトコッパ ブルー2B、コプランチングリーンG、ダイレ トファーストブラックD、ミーリングイエロ O、アシッドブリリアントスカーレット3R、 シッドバイオレット5B、アザリンダイレク ブルーA2G、アシッドサイアニン6B、アシッド サイアニン5R、アシッドサイアニングリーンG 、ミーリングブラウン3G、アシッドファース ブラックVLG、アシッドブラックWA、カチオ イエロー3G、カチオンゴールデンイエローGL カチオンフラビン10G、カチオンイエロー5GL カチオンオレンジR、カチオンブラウン3GL、 カチオンピンクFG、カチオンブリリアントレ ド4G、カチオンレッドGTL、カチオンレッドBL H、カチオンレッド6B、カチオンレッド5B、カ オンブルー5G、カチオンブルーGRL、カチオ ブルー、GLH、カチオンネイビーブルーRLH、 リザリン、クロムファーストブルーMB、クロ ムファーストブラウンKE、クロムブラックP2B クロムブラックT、ファストスカーレットG ース、バリアミンブルーBベース、ナフトー AS、ナフトールAS-G、バットイエローGCN、バ トオレンジRRTS、インジゴ、バットブルーRSN ,バットブルーBC、バットブリリアントグリー ンFFB、バトオリーブグリーンB、バットオリ ブT、バッチブラウンR、バットグレーM、デ スパースファーストイエローG、ディスパー ピンクRF、ディスパースブルーFFR、ディス ースブルーグリーンB、ディスパースイエロ 5G、ディスパースゴールデンイエローGG、デ ィスパースイエローRL、ディスパースイエロ 3G、ディスパースオレンジB、ディスパース エローブラウン2R、ディスパースファース ルビン3B、ディスパースレッドFB、ディスパ スレッドFL、ディスパースレッドGFL、ディ パースブリリアントピンクREL、ディスパー バイオレットHFRL、ディスパースブルーFB、 ィスパースターコイスブルーGL、ディスパー スネイビーブルー2GL、ディスパースデイベロ ッパー、フルオレッセントブライトナーWG、 ルオレッセントブライトナーERN、フルオレ セントブライトナーAT、フルオレッセント ライトナーSA、ソルベントオレンジG、ソル ントファーストイエロー3RE、ソルベントフ ーストレッドB、ソルベントファーストブル HFL、リアクテイブイエロー3G、リアクテイ オレンジ2R、リアクテイブレッド3B、リアク イブスカーレット2G、リアクテイブブルー3G 、リアクテイブブルーR、リアクテイブブル BR、リアクテイブターコイスGF、リアクテイ ブリリアントブルーR、リアクテイブブラッ クB、ファストイエローG、ファストイエロー1 0G、ジスアゾイエローAAA、ジスアゾイエローA AMX、フラバンスイエロー、クロモフタルイエ ローGR、メチンイエロー、サンセットイエロ レーキ、アンスラピリミジンイエロー、イ インドリノンイエローR、キノフタロンイエ ロー、ジニトロアニリンオレンジ、ピラゾロ ンオレンジ、ジアニシジンオレンジ、ペルシ アンオレンジレーキ、ベンズイミダゾロンオ レンジHL、ペリノンオレンジ、ピランスロン レンジ、パラレッド、ナフトールレッドFRR トルイジンレッド、ナフトールカーミンFB ナフトールレッドM、ナフトールレッドBS、 フトールレッドRN、ピラゾロンレッド、パー マネントレッド2B、リソールレッド、ボンレ キレッドC、レーキレッドC、ブリリアント ーミン6B、ブリリアントカーミン3B、ボルド 10B、ボンマルーンM、ブリリアントスカーレ ットG、ローダミン6Gレーキ、マダーレーキ、 チオインジゴボルドー、ナフトールレッドFGR 、ブリリアントカーミンBS、キナクリドンマ ンタ、ペリレンバーミリオン、ナフトール ーミンFBB、ペリレンレッドBL、クロモフタ ルスカーレット、アンスアンスロンレッド ナフトールレッドF5RK、エリスロシンレーキ ジアントラキノニルレッド、ペリレンレッ 、ペリレンマルーン、ベンズイミダゾロン ーミンHF4C、ペリレンスカーレット、アマラ ンスレーキ、キナクリドンレッドE、ピラン ロンレッド、ローダミンBレーキ、メチルバ オレットレーキ、アリザリンマルーンレー 、キナクリドンレッド、ジオキサジンバイ レット、チオインジゴマゼンタ、ビクトリ ブルーレーキ、ビクトリアブルー6Gレーキ フタロシアニンブルー、アルカリブルーG、 ンダンスロンブルー、ブリリアントグリー レーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタ シアニングリーン、ピグメントグリーンB、 フタロシアニングリーン6Y、ベンズイミダゾ ンブラウンHFR、アニリンブラック、ダイア リドイエローH10G、ダイアリリドイエローHR カルバゾールバイオレット、メタクレゾー パープル、ブロモフェノールブルー、クリ タルバイオレット、ゲンチアナバイオレッ 、ブロモクレゾールグリーン、ブロモチモ ルブルー等が挙げられる。

 光発色性色素又は光退色性色素は、それ れ単独で使用することもできるが、本発明 目的を損なわない限り両者を一緒に使用す こともできる。それぞれ単独で使用する場 は、その量は、(A)及び(B)の合計量100質量部 対して、0.0001~10質量部が好ましく、0.001~1質 量部がより好ましい。また、両者を一緒に使 用する場合は、両者の合計量は(A)及び(B)の合 計量100質量部に対して、0.0001~10質量部が好ま しい。0.0001質量部以上であれば硬化物を明瞭 に着色することができるし、10質量部以下で れば初期の接着性が劣ることもなく、フィ ム状に確実に剥離する。着色性と初期の接 性および剥離性の観点から、0.0005~5質量部 さらに好ましく、0.001~1質量部がより一層好 しい。

 (D):光重合開始剤としては、可視光線や紫 外線等の活性光線により増感させて組成物の 光硬化を促進するために配合するものであり 、公知の各種光重合開始剤が使用可能である 。

 光重合開始剤としては、具体的には、ベ ゾフェノン若しくはその誘導体;ベンジル若 しくはその誘導体;アントラキノン若しくは の誘導体;ベンゾイン、ベンゾインメチルエ テル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾ ンプロピルエーテル、ベンゾインイソブチ エーテル、ベンジルジメチルケタール等の ンゾイン誘導体;ジエトキシアセトフェノン 、4-t-ブチルトリクロロアセトフェノン等の セトフェノン誘導体;2-ジメチルアミノエチ ベンゾエート;p-ジメチルアミノエチルベン エート;ジフェニルジスルフィド;チオキサン トン若しくはその誘導体;カンファーキノン 7,7-ジメチル-2,3-ジオキソビシクロ[2.2.1]ヘプ ン-1-カルボン酸、7,7-ジメチル-2,3-ジオキソ シクロ[2.2.1]ヘプタン-1-カルボキシ-2-ブロモ エチルエステル、7,7-ジメチル-2,3-ジオキソビ シクロ[2.2.1]ヘプタン-1-カルボキシ-2-メチル ステル、7,7-ジメチル-2,3-ジオキソビシクロ[2 .2.1]ヘプタン-1-カルボン酸クロライド等のカ ファーキノン誘導体;2-メチル-1-[4-(メチルチ オ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン 2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォ ノフェニル)-ブタノン-1等のα-アミノアルキ フェノン誘導体;ベンゾイルジフェニルホス フィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイ ルジフェニルホスフィンオキサイド、ベンゾ イルジエトキシポスフィンオキサイド、2,4,6- トリメチルベンゾイルジメトキシフェニルホ スフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾ イルジエトキシフェニルホスフィンオキサイ ド等のアシルホスフィンオキサイド誘導体等 が挙げられる。光重合開始剤は1種又は2種以 を組み合わせて用いることができる。

 光重合開始剤の添加量は、(A)及び(B)の合 100質量部に対して、0.1~20質量部が好ましい より好ましくは3~20質量部が好ましい。0.1質 量部以上であれば、硬化促進の効果が確実に 得られるし、20質量部以下で充分な硬化速度 得ることができる。より好ましい形態とし 、(D)の光重合開始剤を3質量部以上添加する ことで、光照射量に依存なく硬化可能となり 、さらに組成物の硬化体の架橋度が高くなり 、切削加工時に位置ずれ等を起こさなくなる 点や剥離性が向上する点でより好ましい。

 本発明の組成物は、その貯蔵安定性向上 ため少量の重合禁止剤を使用することがで る。例えば重合禁止剤としては、メチルハ ドロキノン、ハイドロキノン、2,2-メチレン -ビス(4-メチル-6-ターシャリーブチルフェノ ル)、カテコール、ハイドロキノンモノメチ エーテル、モノターシャリーブチルハイド キノン、2,5-ジターシャリーブチルハイドロ キノン、p-ベンゾキノン、2,5-ジフェニル-p-ベ ンゾキノン、2,5-ジターシャリーブチル-p-ベ ゾキノン、ピクリン酸、クエン酸、フェノ アジン、ターシャリーブチルカテコール、2- ブチル-4-ヒドロキシアニソール、または2,6- ターシャリーブチル-p-クレゾール等が挙げ れる。

 これらの重合禁止剤の使用量は、(A)及び( B)の合計100質量部に対し、0.001~3質量部が好ま しく、0.01~2質量部がより好ましい。0.001質量 以上で貯蔵安定性が確保されるし、3質量部 以下で良好な接着性が得られ、未硬化になる こともない。

 本発明の組成物においては、極性有機溶 を含有することが好ましい。極性有機溶媒 含有することにより、硬化後の組成物が温 と接触して容易に膨潤したりして接着強度 低下する現象を確実に発現することができ 。

 極性有機溶媒に関しては、その沸点が50 以上200℃以下であることが好ましく、60~120 がより好ましい。沸点が前記範囲内の極性 機溶媒を選択する時には、硬化後の組成物 温水と接触して接着強度が低下する現象を り一層確実に発現することができるので好 しい。また、このような極性有機溶媒とし は、例えば、アルコール、ケトン、エステ 等が挙げられるが、本発明者の検討結果に れば、このうちアルコールが好ましく選択 れる。

 アルコールとしては、メタノール、エタ ール、n-プロパノール、イソプロパノール n-ブタノール、イソブタノール、第二ブタノ ール、第三ブタノール、n-アミルアルコール イソアミルアルコール、2-エチルブチルア コール等が挙げられる。さらに、前記アル ールの中でも、好ましくは沸点が120℃以下 あるメタノール、エタノール、n-プロパノー ル、イソプロパノール、n-ブタノール、イソ タノール、第二ブタノール、第三ブタノー が好ましく、その中でもメタノ-ル、エタノ ール、イソプロパノール、n-ブタノールが一 好ましい。

 極性有機溶媒の添加量は、(A)及び(B)の合 量100質量部に対して、0.5~10質量部が好まし 、1~8質量部がより好ましい。0.5質量部以上 あれば剥離性が確保でき、10質量部以下で れば、初期の接着性が低下する恐れもなく 組成物の硬化体がフィルム状に剥離する。

 本発明の組成物においては、(A)~(D)に溶解 しない粒状物質を含有することが好ましい。 これにより、硬化後の組成物が一定の厚みを 保持できるため、加工精度が向上するととも に、温水と接触して容易に膨潤したりして接 着強度が低下する現象を確実に発現すること ができる。

 (A)~(D)に溶解しない粒状物質としては、一 般的に使用される有機粒子、無機粒子いずれ でもかまわない。具体的には、有機粒子とし ては、ポリエチレン粒子、ポリプロピレン粒 子、架橋ポリメタクリル酸メチル粒子、架橋 ポリスチレン粒子など挙げられ、無機粒子と してはガラス、シリカ、アルミナ、チタンな どセラミック粒子が挙げられる。

 (A)~(D)に溶解しない粒状物質は、加工精度 の向上、つまり接着剤の膜厚制御の観点から 球状であることが好ましい。具体的に、有機 粒子としては、メタクリル酸メチルモノマー 、スチレンモノマーと架橋性モノマーとの公 知の乳化重合法により単分散粒子として得ら れる架橋ポリメタクリル酸メチル粒子、ある いは架橋ポリスチレン粒子が、無機粒子とし ては、球状シリカが、粒子の変形が少なく、 粒径のバラツキによる硬化後の組成物の膜厚 が均一になるため好ましい。中でも、さらに 粒子の沈降等の貯蔵安定性や組成物の反応性 の観点から、架橋ポリメタクリル酸メチル粒 子、架橋ポリスチレン粒子がより一層好まし い。

 (A)~(D)に溶解しない粒状物質の含有量は、 (A)及び(B)の合計量100質量部に対して、0.1~20質 量部が好ましく、特に0.1~10質量部が好ましい 。0.1質量部以上であれば硬化後の組成物の膜 厚がほぼ一定であり、20質量部以下であれば 初期の接着性が低下する恐れもない。

 本発明の組成物は、本発明の目的を損な ない範囲で、一般に使用されているアクリ ゴム、ウレタンゴム、アクリロニトリル-ブ タジエン-スチレンゴムなどの各種エラスト ー、無機フィラー、溶剤、増量材、補強材 可塑剤、増粘剤、染料、顔料、難燃剤、シ ンカップリング剤、界面活性剤等の添加剤 使用してもよい。

 更に、本発明は、90℃以下の温水と接触 て接着強度を低下させる組成物を用いて部 を接着し、組成物を硬化して、仮固定し、 仮固定された部材を加工後、該加工された 材を温水に浸漬して硬化した接着剤を取り す部材の仮固定方法である。これにより、 機溶剤を用いることなく、光学用部材など いろいろな部材を加工精度高く加工するこ ができる。

 また、本発明の好ましい実施態様によれ 、組成物の硬化体を取り外すときに、硬化 が90℃以下の温水と接触して膨潤し、フィ ム状に部材から回収できるようにすること 、作業性に優れるという効果が得られる。

 さらに、本発明の組成物は塗布部が識別 易く着色されており、しかも、前記組成物 光照射して硬化した際に前記と異なる色に 色、又は退色することで硬化状況を容易に 別できるという効果が得られ、硬化不十分 よって上記性能を発揮できないといった問 を防ぐことができる。

 本発明の仮固定方法においては、本発明 組成物からなる接着剤を用いることにより 前記発明の効果が確実に得られる。

 本発明において、適度に加熱した温水、 体的には90℃以下の温水を用いる時、水中 の剥離性が短時間に達成でき、生産性の面 ら好ましい。前記温水の温度に関しては、30 ℃~90℃、好ましくは40~90℃、の温水を用いる 短時間で接着剤の硬化物が膨潤するととも 、組成物が硬化した際に生じる残留歪み応 が解放されるために接着強度が低下し部材 組成物の硬化体との剥離力として働き、被 体のフィルム状に接着剤硬化体を取り外す とができるので好ましい。尚、硬化体と温 との接触の方法については、温水中に接合 ごと浸漬する方法が簡便であることから推 される。

 本発明において、仮固定する際に用いら る部材並びに基材の材質に特に制限はなく 紫外線硬化型接着剤として用いる場合には 紫外線を透過できる材料からなる部材、基 が好ましい。このような材質として、例え 、水晶部材、ガラス部材、プラスチック部 が挙げられる。本発明の仮固定方法は、水 振動子、ガラスレンズ、プラスチックレン 及び光ディスクの加工における仮固定に適 可能である。

 仮固定方法において、接着剤として光硬 性接着剤を用いる場合、接着剤の使用方法 以下のとおりである。例えば、固定する一 の部材又は支持基板の接着面に接着剤を適 塗布し、続いてもう一方の部材を重ね合わ るという方法、予め仮固定する部材を多数 層しておき、接着剤を隙間に浸透させて塗 させる方法等で接着剤を塗布した後に、該 材を可視光または紫外線を照射して、光硬 性接着剤を硬化させ部材同士を仮固定する 法等が例示される。

 その後、仮固定された部材を所望の形状 切断、研削、研磨、孔開け等の加工を施し 後、該部材を水好ましくは温水に浸漬する とにより、接着剤の硬化物を部材から剥離 ることができる。

 以下、本発明の実施例によりさらに詳細に 明するが、これらに限定して解釈されるも ではない
 (実施例1)
 (A)多官能(メタ)アクリレートとして、日本 達社製「TE-2000」(1,2-ポリブタジエン末端ウ タンメタクリレート、以下「TE-2000」と略す )20質量部、ジシクロテンタニルジアクリレ ト(日本化薬社製「KAYARAD R-684」、以下「R-68 4」と略す。)15質量部、(B)(メタ)アクリロイル 基を有する単官能モノマーとして、フェノー ルエチレンオキサイド2モル変成アクリレー (東亜合成社製「アロニックス M-101A」、以 「M-101A」と略す。)25質量部、2-(1,2-シクロヘ サカルボキシイミド)エチルアクリレート( 亜合成社製「アロニックスM-140」、以下「M-1 40」と略す。)40質量部、(C)光照射により着色 る化合物として、4,4’,4”-トリスジメチル ミノ]トリフェニルメタン(保土ヶ谷化学工 社製「A-DMA」、以下「A-DMA」と略す。)0.01質 部、(D)光重合開始剤として、2-メチル-1-[4-( チルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン -1-オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ 製「IRGACURE907」、以下「I-907」と略す。)6質 部、重合禁止剤として、2,2-メチレン-ビス(4- メチル-6-ターシャリーブチルフェノール)(以 「MDP」と略す。)0.1質量部、極性有機溶媒と してイソプロピルアルコール(以下「IPA」と す。)2質量部、(A)~(D)に溶解しない粒状物質 して、平均粒子径50μmの架橋ポリメタクリル 酸メチル粒子(根上工業社製「アートパールGR -200」、以下「GR-200」と略す。)0.6質量部を配 して組成物を作製した。得られた組成物を 用して、以下に示す評価方法にて引張せん 接着強さの測定、剥離試験および硬化前後 色の観察を行った。それらの結果を表1に示 す。

 (評価方法)
 引張せん断接着強さ:
 JIS K 6850に従い測定した。具体的には被着 として耐熱パイレックス(登録商標)ガラス(2 5mm×25mm×2.0mm)を用いて、接着部位を直径8mmと て、作製した組成物にて、2枚の耐熱パイレ ックス(登録商標)ガラスを貼り合わせた。そ 後、無電極放電ランプを使用したフュージ ン社製硬化装置により、365nmの波長の積算 量2000mJ/cm 2 の条件にて硬化させ、引張せん断接着強さ試 験片を 作製した。作製した試験片は、万能 験機を使用して、温度23℃、湿度50%の環境 、引張速度10mm/minで引張せん断接着強さを測 定した。

 剥離試験:
 上記耐熱パイレックス(登録商標)ガラスに 成物を塗布し、支持体として青板ガラス(150m m×150mm×厚さ1.7mm)に貼り合わせたこと以外は 上記と同様な条件で作製した組成物を硬化 せ、剥離試験体を作製した。得られた試験 を、温水(80℃)に浸漬し、耐熱パイレックス( 登録商標)ガラスが剥離する時間を測定し、 た剥離状態も観察した。

 (実施例2~11、比較例1~5)
 表1、表2に示す種類の原材料を表1、表2に示 す組成で使用したこと以外は実施例1と同様 していろいろな組成物を作製した。得られ 組成物について、実施例1と同様に引張せん 接着強さの測定、剥離試験および硬化前後 色の観察を行った。それらの結果を表1、表 2に示す。

 (使用材料)
 QM:ジシクロペンテニルオキシエチルメタク レート(ローム&ハース社製「QM-657」)
 BZ:ベンジルメタクリレート(共栄社化学社製 「ライトエステルBZ」)
 IBX:イソボルニルメタクリレート(共栄社化 社製「ライトエステルIB-X」)
 DAE:1,2-ビス(2,4-ジメチル-5-フェニル-3-チエニ ル)-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテン
 MCB:マクロレックスブルー(バイエルジャパ 社製「プラスチック用着色剤」)
 MTEGMA:メトキシテトラエチレングリコールモ ノメタクリレート(新中村化学社製「NKエステ ルM-90G」)
 2-HEMA:2-ヒドロキシエチルメタクリレート

 その結果、比較例1は光発色性色素および 光退色性色素を配合しなかったため、塗布部 が識別し難く、また、硬化後も色の変化がな いため、硬化状況の識別が困難であった。一 方、比較例2は着色剤によって着色している め、塗布部の識別は容易であったが、光照 による色の変化が起きないため、硬化状況 識別が困難であった。また、比較例3~5では ラスが剥離しない、あるいは剥離しても糊 りが見られた。

 (実施例12)
 実施例1の組成物を用いて150mm×150mm×2mmの耐 パイレックス(登録商標)ガラスと実施例1で いた青板ガラスをダミーガラスとして実施 1と同様に接着硬化させた。この接着試験体 の耐熱パイレックス(登録商標)ガラス部分の をダイシング装置を使用して10mm角に切断し た。切断中に耐熱パイレックス(登録商標)ガ スの脱落は発生せず、良好な加工性を示し 。耐熱パイレックス(登録商標)ガラス部分 みを切断した接着試験体を80℃の温水に浸漬 したところ、60分ですべて剥離した。

 本発明の組成物は、その組成故に光硬化 を有し、可視光や紫外線等の活性光線によ て硬化し、その硬化体は切削水などに影響 れずに、高い接着強度を発現できるので、 材の加工時にずれを生じ難く、寸法精度面 優れた部材が容易に得られるという効果が られる。更に、本発明の組成物は、光照射 より変色するので、光照射によって硬化さ る前には塗布した部分を色の違いによって 易に識別することができる。また、光照射 よって硬化した際は、前記の色とは異なる に着色又は退色するため、硬化状況を容易 判別することができる。したがって、部材 工時の接着不良による部材の脱落や部材加 時のずれを未然に防ぐことができ、その生 性向上に寄与できるので、産業上非常に有 である。加えて、温水に接触することで接 強度を低下させ、部材間の或いは部材と治 との接合力を低下するので、容易に部材の 収ができる特徴があるので、光学レンズ、 リズム、アレイ、シリコンウエハ、半導体 装部品等の仮固定用接着剤として、産業上 用である。

 また、本発明の部材の仮固定方法は、前記 ような特徴ある組成物を用いているので、 布部の識別が容易であり、さらには光照射 よって硬化の程度を容易に識別できること ら、接着不良による部材の脱落や部材加工 のずれを未然に防ぐことができ、部材加工 の生産性の向上が図れることから、産業上 常に有用である。
 
 なお、2006年12月25日に出願された日本特許 願2006-348129号の明細書、特許請求の範囲、及 び要約書の全内容をここに引用し、本発明の 明細書の開示として、取り入れるものである 。