山口 喜久二 (〒16 静岡県熱海市水口町2-16-27 Shizuoka, 4130016, JP)
SATO, Yoshiya (())
佐藤 良也 (())
国立大学法人 琉球大学 (〒13 沖縄県中頭郡西原町字千原1番地 Okinawa, 9030213, JP)
YAMAGUCHI, Kikuji (16-27, Minaguchi-cho 2-chome Atami-sh, Shizuoka 16, 4130016, JP)
山口 喜久二 (〒16 静岡県熱海市水口町2-16-27 Shizuoka, 4130016, JP)
SATO, Yoshiya (())
| ローヤルゼリーを有効成分として含む、自己抗体の産生に関連する疾患の予防又は治療のための組成物。 |
| 自己抗体の産生に関連する疾患が、橋本病、グレーブス病、潰瘍性大腸炎、自己免疫性萎縮性胃炎、突発性アジソン病、男性不妊症、自己免疫性無精子症性睾丸炎、抗糸球体基底膜病、抗尿細管上皮病、循環免疫複合体型糸球体腎炎、皮膚筋炎、重症筋無力症、尋常性天疱瘡、水疱性類天疱瘡、交感性眼炎、実験的アレルギー性脳炎、多発性硬化症、自己免疫性溶血性貧血、突発性血小板減少性紫斑病、突発性心筋症、リウマチ性心内膜炎、ベーチェット病、シェーグレン症候群、インスリン依存性自己免疫性糖尿病、インスリン非依存性糖尿病、全身性エリマトーデス及び関節リウマチからなる群より選択される、請求項1に記載の組成物。 |
| 自己抗体の産生に関連する疾患が、全身性エリマトーデスである、請求項2に記載の組成物。 |
本発明は、自己抗体の産生に関連する疾 の予防又は治療のための組成物に関する。
自己免疫疾患は、本来、我々の身体を守 働きをする免疫応答が、自己の細胞や組織 攻撃対象とすることによって多様に発症す 病気であり、リウマチ性関節炎、重症筋無 症、全身性エリテマトーデス(SLE)など、そ 多くが難治性である。また、自己免疫疾患 症のメカニズムについては、多くの部分が だ解明されていない。そのため、その治療 おいて、自己の抵抗力を維持しつつ免疫力 抑制しなければならないというジレンマを えており、根本的な治療方法がないのが現 である。
したがって、自己抗体の産生に関連する 患の予防又は治療のための組成物の開発が 望されていた。
一方、ローヤルゼリーは、乳黄白色のゼ ー状液体であり、ミツバチの働蜂が羽化後3 日から10日後の間に主として花粉を食べ、こ が心臓管という器官で代謝され、頭部の咽 腺と大顎腺から分泌される。ローヤルゼリ は、ミツバチ社会では女王蜂のための特別 として与えられる。ローヤルゼリーを給餌 れた女王蜂は、ほかの働蜂の2倍の大きさに 成長し、その寿命においても働蜂の平均35-40 に比べて3-5年という長い生存期間を維持す ことができるようになる。この間、女王蜂 1日に2、000-3、000個もの卵を産卵し、ミツバ チの高度な社会性が維持される。
また、ローヤルゼリーはヒトにおいても 々な生理活性機能を発揮すると指摘されて り、古くから健康維持食品として重用され きた。ローヤルゼリーが、強いストレスの とで誘導された免疫変調(免疫低下)を著し 改善させる効果を発揮することが実験的に らかにされている。しかし、ローヤルゼリ の自己免疫疾患のような自己抗体の産生に 連する疾患に対する効果は、未だ知られて ない。
また、ローヤルゼリーはヒトにおいても 々な生理活性機能を発揮すると指摘されて り、古くから健康維持食品として重用され きた。ローヤルゼリーが、強いストレスの とで誘導された免疫変調(免疫低下)を著し 改善させる効果を発揮することが実験的に らかにされている。一方、ローヤルゼリー は、抗体及びサイトカイン(IL-2、IL-4)の産生 抑制し、抗アレルギー等の免疫機能を抑制 る成分が含まれていることも報告されてい (特許文献1)。しかし、ローヤルゼリーの自 免疫疾患のような自己抗体の産生に関連す 疾患に対する効果は、未だ知られていない
ローヤルゼリーには、免疫機能を賦活さ るなど、生体機能をバランス良く整える複 的な効果のあることが種々指摘されている また、周知のように、ローヤルゼリーは既 健康維持食品、あるいは特定保健食品とし 古くから広く利用されてきており、その安 性については十分担保されているため、自 免疫疾患の発症予防、一治療薬としての実 化の可能性は高い。
本発明の課題は、自己抗体の産生に関連 る疾患の予防又は治療のための組成物を提 することである。
本発明者らは、鋭意研究したところ、驚 べきことに、ローヤルゼリーが自己抗体の 生に関連する疾患の予防又は治療のために 用であることを見出し、本発明を完成させ 。
したがって、本発明は、下記:
1.ローヤルゼリーを有効成分として含む、
己抗体の産生に関連する疾患の予防又は治
のための組成物、
2.自己抗体の産生に関連する疾患が、橋本
、グレーブス病、潰瘍性大腸炎、自己免疫
萎縮性胃炎、突発性アジソン病、男性不妊
、自己免疫性無精子症性睾丸炎、抗糸球体
底膜病、抗尿細管上皮病、循環免疫複合体
糸球体腎炎、皮膚筋炎、重症筋無力症、尋
性天疱瘡、水疱性類天疱瘡、交感性眼炎、
験的アレルギー性脳炎、多発性硬化症、自
免疫性溶血性貧血、突発性血小板減少性紫
病、突発性心筋症、リウマチ性心内膜炎、
ーチェット病、シェーグレン症候群、イン
リン依存性自己免疫性糖尿病、インスリン
依存性糖尿病、全身性エリマトーデス及び
節リウマチからなる群より選択される、上
1に記載の組成物、
3.自己抗体の産生に関連する疾患が、全身
エリマトーデスである、請求項2に記載の組
物、である。
自己免疫疾患は、自己の細胞や組織が攻 の対象となる疾患であり、その病態形成は 雑である。また、その治療においては自己 免疫機能を的確にコントロールする以外に 効な治療法がなく、難治性である。自己免 疾患では、通常、抗核抗体といわれる自己( 応答性)抗体が産生される。
自己免疫疾患はまれな疾患ではなく、臨 的に発症するに至っていないものを含めれ 、人口の約5%が何らかの自己免疫疾患素因 有していると言われる。その多くは難治性 あり、国が定める特定疾患に指定されてい ものが多い。その発症機序は、一般に免疫 のホメオスターシスの破綻が原因と考えら ているが、不明の面が多い。
自己免疫疾患は、本来、我々の身体を守 働きをする免疫応答が、自己の細胞や組織 攻撃対象とすることによって多様に発症す 疾患群のことである。一般に免疫系が何ら の病的な状態を生体にもたらす現象をアレ ギーと総称するが、アレルギーには外来の 物に対して過敏に反応することによるI型ア レルギーと、免疫系が自己の細胞や組織に攻 撃を仕掛けてしまうことによる自己免疫性ア レルギー(II型~IV型アレルギー)に大別される しかし、前者(I型アレルギー;花粉症、気管 喘息、アトピー性皮膚炎など)と後者とは、 の発症背景が根本的に異なるものであり、 じような疾患概念で考えることが困難であ 。従って、一般にはアレルギーというと前 (I型アレルギー)を指し、後者は自己免疫性 患として分けて考えるのが妥当である。
自己免疫性の病気には、下表に示すよう 多彩なものが知られており、免疫応答が自 のどのような細胞、組織に向けられている でその病態も多様である。代表的な疾患と て良く知られているものに、リウマチ性関 炎、重症筋無力症、全身性エリテマトーデ (SLE)、潰瘍性大腸炎(クローン病)、ベーチェ ット病、インスリン非依存性糖尿病などがあ る。
その一方で、自己免疫疾患はまれな疾患 はなく、臨床的に発症するに至っていない のを含めれば、人口の約5%が何らかの自己 疫疾患素因を有していると言われる。自己 疫疾患発症のメカニズムについては一般に 疫系のホメオスタシスの破綻が原因と考え れているが、多くの部分が未解明のままで る。また、その治療においても自己の抵抗 を維持しつつ免疫力を抑制しなければなら いというジレンマを抱えていることから、 本的な治療方法は未だ見出されていない。 のため、これらの多くは難治性であり、国 定める特定疾患に指定されている。
全身性エリテマトーデス(Systemic Lupus Erythem
atosus: SLE)
自己免疫疾患を代表する疾患のひとつに全
性エリテマトーデスがあげられる。これは
春期頃の女性に好発する全身性自己免疫疾
の代表である。発症した患者では顔面の頬
部分に両側性の紅斑を生じ、その形が蝶の
根のような形を取ることから蝶型紅斑とし
、本症の特徴的な症状のひとつとされてい
。しかし、本疾患の示す病態は、全身にわ
って多彩であり、最も重要な病態のひとつ
ループス腎炎である。また、その特徴とし
あげられるのが抗核(DNA)自己抗体や抗赤血
自己抗体の産生である。発症の機転として
、いわゆるIII型アレルギー(抗原・抗体複合
病)を主体とすると考えられているが、IV型
レルギーを含む複合的な自己免疫性疾患で
るという考え方が一般的である。いずれに
ても、その発症機序が複雑、病態も増悪、
解を繰り返しながら進行するやっかいな病
ということができる。
本発明で、自己抗体の産生に関連する疾 は、橋本病、グレーブス病、潰瘍性大腸炎 自己免疫性萎縮性胃炎、突発性アジソン病 男性不妊症、自己免疫性無精子症性睾丸炎 抗糸球体基底膜病、抗尿細管上皮病、循環 疫複合体型糸球体腎炎、皮膚筋炎、重症筋 力症、尋常性天疱瘡、水疱性類天疱瘡、交 性眼炎、実験的アレルギー性脳炎、多発性 化症、自己免疫性溶血性貧血、突発性血小 減少性紫斑病、突発性心筋症、リウマチ性 内膜炎、ベーチェット病、シェーグレン症 群、インスリン依存性自己免疫性糖尿病、 ンスリン非依存性糖尿病、全身性エリマト デス及び関節リウマチからなる群より選択 れる。
本発明には、従来公知の任意のローヤル リーを用いることができる。本発明のロー ルゼリーを分泌するミツバチの種類として 、セイヨウミツバチ(Apis mellifera)、トウヨ ミツバチ(Apis cerana)、オオミツバチ(Apis dorsa ta)、コミツバチ(Apis florea)などを挙げること できる。
本発明のローヤルゼリーの産地は、日本 南米、北米、豪州、中国、欧州などが挙げ れる。これらのローヤルゼリーは、未加工 ままか、あるいは適宜の精製工程で処理し 上で、ヒトをはじめとする哺乳類に適用し ときに、自己抗体の産生に関連する疾患の 療、予防に効果を発揮するものである限り 形態、純度、調製方法にかかわりなく、有 に用いることができる。
周知のように、ローヤルゼリーは既に健 維持食品、あるいは特定保健食品として古 から広く利用されてきており、その安全性 ついては十分担保されている。
本発明の組成物は、有効成分であるロー ルゼリーに加えて、ヒトを含む哺乳類への 口的又は経皮的適用ないしは皮膚外用が許 され得る成分を配合することができる。こ ような成分としては、例えば、水、アルコ ル、澱粉質、蛋白質、アミノ酸、繊維質、 質、脂質、脂肪酸、ビタミン、ミネラル、 香料、着色料、甘味料、調味料、香辛料、 腐剤、乳化剤、界面活性剤、賦形剤、増量 、増粘剤、保存剤を挙げることができる。 れらの成分を1種又は2種以上含有させるこ も有利に実施できる。
本発明の組成物は、従来公知の任意の経 、例えば、経口的又は非経口的に使用する とができる。本発明の組成物の有効な摂取 又は投与量は、対象とするヒトをはじめと る哺乳動物の種類、年齢、性別などに応じ 適宜決定することができ、例えば、有効成 の質量換算で、体重1kgあたり、通常、0.01~10 0mg/回、望ましくは、0.1mg~50mg/回、経口的に1 1回又は数回に分けて、効果に応じて、連日 は1日以上の間隔をおいて摂取するか又は投 与すればよい。
本発明の組成物を製造するには、対象と る動物類やその摂取方法又は投与方法など 考慮して、ローヤルゼリーと、飲食物、化 品、医薬品、医薬部外品、飼料、餌料、ペ トフードなどの分野において使用可能な1種 又は2種以上の成分とを、適宜の配合比率で 合し、適宜、希釈、濃縮、乾燥、濾過、遠 分離などの工程を実施して、所望の形状に 形して抗アレルギー剤を配合してなる組成 を調製すればよい。各成分を配合する順序 、当該工程を実施する時期は、本発明の効 が損なわれないぎり、その順序や時期に制 はない。
本発明の組成物は、例えば乳酸飲料や乳 菌飲料等の飲食物の形態、ローション等の 粧品の形態で用いることもできる。また、 剤等の医薬品の形態として用いることもで る。
以下に、具体的な実験例をあげて本発明 さらに詳しく説明する。
我々は、先ず、生理的に抗核自己抗体レベ が上昇している加齢マウスにローヤルゼリ を経口的に投与し、抗核抗体のレベルが著 に低下することを明らかにした。次に、SLE 類似の自己免疫疾患を自然発症することが られている自己免疫疾患モデルマウス(NZB×N ZWF1:B/W F 1 )にローヤルゼリー投与したところ、対照と たローヤルゼリー非投与群にくらべて著し 延命効果が認められた。また、尿タンパク 、抗一赤血球自己抗体、抗核自己抗体のレ ルなど、自己免疫疾患の発症を示す所見が 明に抑制されていることも認められた。
SLE研究モデル
上述したごとく、自己免疫疾患は、その多
が発症メカニズムが不明であり、しかも本
、免疫系は自己を攻撃しないという原則に
するものである。従って、自己免疫病を人
的、実験的に誘発するということは基本的
困難であり、その研究はもっぱら自己免疫
患モデルマウスといわれる実験用マウスを
いて行われている。
SLEに関していうと、ニュージーランド系 マウス(NZB)がSLE疾患モデルの突然変異マウ として作出され、現在はこれに正常なニュ ジーランド系白マウス(NZW)をかけ合わせたF1 ウスが、よりヒトでのSLEに近い病態を発症 るマウスとして一般に使用されている。通 、8~9ヶ月齢で50%が自己免疫疾患を発症し死 する。
NZBxNZW F 1 マウスの特徴を、上の表に示したが、多くの 点でヒトのSLEに類似の病態を引き起こす。し かも、これらのマウスはSLEを自然発症すると いう特徴を遺伝的に備えるものであって、そ の多くが生後8~9ヶ月でSLEを自然発症して死亡 する。このマウスモデルを用いて、以下の実 験を行った。
ローヤルゼリーのSLE発症予防効果に関する
験
SLE自然発症モデルマウス(NZBxNZW F 1
;雌マウス)を用いて、ローヤルゼリー経口投
が、その後のSLE発症にどのような効果をも
らすかを検討した。
生後8週令の雌マウスに生ローヤルゼリー (ジャパンローヤルゼリー社提供)0.03ml(タンパ ク量2.0mg相当)を週2回(火、金曜日)経口投与し 続け、その後のSLE発症の経過を観察した。対 照として、PBS投与群を設けた。
ローヤルゼリー投与群及び対照群のマウ の死亡曲線を示した(図1)。対照群では、生 31週目に最初の死亡個体が見られ、生後38週 目までに1匹を残して全ての個体(6/7)が死亡し た。これに対して、ローヤルゼリー投与群で は、生後37週目に最初の死亡個体が見られ、 の後41週目までに8匹中6匹のマウスが死亡し た。両者の間で明らかな死亡時期の差がみら れ、ローヤルゼリー投与がSLE自然発症マウス に対して明らかな延命効果を示すことが確認 された。
上記2群のマウスについて、さらに、定期 的に尿中のタンパク量をモニターした(図2)。
対照群(PBS投与群)では、早期のタンパク 排出とともにマウスが死亡するが、ローヤ ゼリー投与群では、著明なタンパク尿排出 抑制が認められ、延命効果と蛋白尿の度合 との間に明らかな関係が認められた。
また、これらのマウスから採取した血清 ついて、抗核(ssDNA)自己抗体と抗赤血球自己 抗体産生量を測定した(図3)。
ローヤルゼリー投与群では、最初の死亡 体が認められる前に、著明な自己抗体の産 抑制が認められた。これらの自己抗体のレ ルは、その後、両群のマウスが死亡し始め 時期になると、両者の間で有意の差が見ら なくなることから、自己抗体の産生抑制が ウスの死亡に直接影響していると判断する とができる。
対照群(グレー)では、抗核(ssDNA)自己抗体 および抗赤血球自己抗体が高値を示すが、 ーヤルゼリー投与群では、両自己抗体とも 対照群に比べて著明な低下が認められる。
ローヤルゼリーのSLE発症後の病態改善効果
上記の実験結果は、モデルマウスでのSLE発症
前にローヤルゼリーを投与することによる発
症予防効果をみたものであるが、さらに、SLE
発症後のローヤルゼリーの治療効果を検討し
た。
実験では、無処理の2群のマウスの尿タン パク質をモニターし、尿蛋白が2+以上(腎炎発 症)になった時点でローヤルゼリーを経口投 し、その後の尿タンパク質の排泄状況の改 を検討した(図4)。
その結果、タンパク尿出現後にローヤル リーを投与(0.03ml、連日経口投与)した場合 その後のタンパク尿の排泄に著明な改善効 が認められた。
上記のように
1)SLE自然発症モデルマウス(NZBxNZW F1)にローヤ
ルゼリーを経口投与(0.03m1、週2回)することに
より、マウスに対する顕著な延命効果が認め
られた。
2)これらのローヤルゼリー投与マウスでは、
ンパク尿の排泄が著明に抑制され、ローヤ
ゼリーが腎炎の発症を抑制していることが
明された。
3)また、これらのマウスでは抗DNA自己抗体、
赤血球自己抗体の産生が抑制されており、
ーヤルゼリーが自己免疫応答の発現をも抑
していることも証明された。
4)さらに、腎炎発症後(尿タンパク出現後)に
ーヤルゼリー投与(0.03ml、連日)することによ
り、タンパク尿が一時的に改善された。
5)以上の結果より、ローヤルゼリーには自己
疫疾患であるSLEの発症を予防し、かつ発症
の症状を改善する効果があることが明らか
なった。
全身性エリマトーデス等の自己抗体の産 に関連する疾患の予防又は治療のために有 である。
Next Patent: SIMULATION METHOD
