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Patent Searching and Data


Title:
COMPOUND AND METHOD FOR PRODUCING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/016984
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a compound as a material for a radiation-sensitive composition having excellent coatability which is capable of forming a resist film which enables to stably form a fine pattern with high precision. Specifically disclosed is a compound which is obtained by subjecting a compound represented by the general formula (1) below and a compound represented by the general formula (2) below to a condensation reaction, and then to hydrogenation.

Inventors:
MARUYAMA KEN (JP)
SHIMIZU DAISUKE (JP)
NISHIMURA YUKIO (JP)
KAI TOSHIYUKI (JP)
SHIMOKAWA TSUTOMU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/063069
Publication Date:
February 05, 2009
Filing Date:
July 18, 2008
Export Citation:
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Assignee:
JSR CORP (JP)
MARUYAMA KEN (JP)
SHIMIZU DAISUKE (JP)
NISHIMURA YUKIO (JP)
KAI TOSHIYUKI (JP)
SHIMOKAWA TSUTOMU (JP)
International Classes:
C07C35/22; C07C29/20; C07C37/20; C07C39/12; C08G61/00; G03F7/039
Domestic Patent References:
WO2005075398A12005-08-18
Foreign References:
JP2007008875A2007-01-18
Attorney, Agent or Firm:
WATANABE, Kazuhira (No.8 Kikuboshi Tower Building 20-18, Asakusabashi 3-chome, Taito-k, Tokyo 53, JP)
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Claims:
 下記一般式(1)で表される化合物、及び下記一般式(2)で表される化合物を縮合反応させ、前記一般式(1)で表される化合物に由来するベンゼン環の不飽和結合を水素添加して得られる化合物。
(前記一般式(1)において、X 1 は、炭素数1~10の置換若しくは非置換のアルキル基、炭素数2~10の置換若しくは非置換のアルケニル基、炭素数2~10の置換若しくは非置換のアルキニル基、炭素数7~10の置換若しくは非置換のアラルキル基、炭素数1~10の置換若しくは非置換のアルコキシ基、または置換若しくは非置換のフェノキシ基を表し、pは0または1を表す。)
(前記一般式(2)において、X 2 は、炭素数1~8の置換または非置換のアルキレン基を表す。)
 前記一般式(1)で表される化合物、及び前記一般式(2)で表される化合物を縮合反応させて得られる縮合反応生成物が、下記一般式(3)で表される化合物、下記一般式(4)で表される化合物、または下記一般式(5)で表される化合物である請求項1に記載の化合物。
(前記一般式(3)において、X 1 は相互に独立に炭素数1~10の置換若しくは非置換のアルキル基、炭素数2~10の置換若しくは非置換のアルケニル基、炭素数2~10の置換若しくは非置換のアルキニル基、炭素数7~10の置換若しくは非置換のアラルキル基、炭素数1~10の置換若しくは非置換のアルコキシ基、または置換若しくは非置換のフェノキシ基を表し、X 2 は相互に独立に炭素数1~8の置換または非置換のアルキレン基を表す。pは相互に独立に0または1を表す。)
(前記一般式(4)において、X 1 は相互に独立に炭素数1~10の置換若しくは非置換のアルキル基、炭素数2~10の置換若しくは非置換のアルケニル基、炭素数2~10の置換若しくは非置換のアルキニル基、炭素数7~10の置換若しくは非置換のアラルキル基、炭素数1~10の置換若しくは非置換のアルコキシ基、または置換若しくは非置換のフェノキシ基を表し、X 2 は相互に独立に炭素数1~8の置換または非置換のアルキレン基を表す。pは相互に独立に0または1を表す。)
(前記一般式(5)において、X 1 は相互に独立に炭素数1~10の置換若しくは非置換のアルキル基、炭素数2~10の置換若しくは非置換のアルケニル基、炭素数2~10の置換若しくは非置換のアルキニル基、炭素数7~10の置換若しくは非置換のアラルキル基、炭素数1~10の置換若しくは非置換のアルコキシ基、または置換若しくは非置換のフェノキシ基を表す。pは相互に独立に0または1を表す。nは0以上の整数を表す。)
 前記一般式(3)で表される化合物、前記一般式(4)で表される化合物、または前記一般式(5)で表される化合物が、それぞれ、下記式(6)で表される化合物、式(7)で表される化合物、または式(8)で表される化合物である請求項2記載の化合物。
(前記一般式(8)において、nは0以上の整数を表す。)
 水素添加される前記不飽和結合の割合が、前記縮合反応生成物中に含まれる全ベンゼン環の全不飽和結合に対して、30~100%である請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
 下記一般式(1)で表される化合物、及び下記一般式(2)で表される化合物を縮合反応させ、前記一般式(1)で表される化合物に由来するベンゼン環の不飽和結合を水素添加して得られる化合物の製造方法。
(前記一般式(1)において、X 1 は、炭素数1~10の置換若しくは非置換のアルキル基、炭素数2~10の置換若しくは非置換のアルケニル基、炭素数2~10の置換若しくは非置換のアルキニル基、炭素数7~10の置換若しくは非置換のアラルキル基、炭素数1~10の置換若しくは非置換のアルコキシ基、または置換若しくは非置換のフェノキシ基を表し、p1は0または1を表す。)
(前記一般式(2)において、X 2 は、炭素数1~8の置換または非置換のアルキレン基を表す。)
 下記一般式(1)で表される化合物、及び下記一般式(2)で表される化合物を縮合反応させ、前記一般式(1)で表される化合物に由来するベンゼン環の不飽和結合を水素添加して、下記一般式(9)で表される化合物、下記一般式(10)で表される化合物、または下記一般式(11)で表される化合物を得る請求項5に記載の化合物の製造方法。
(前記一般式(11)において、nは0以上の整数を表す。)
Description:
化合物及びその製造方法

 本発明は、新規な化合物及びその製造方 に関し、更に詳しくは、KrFエキシマレーザ またはArFエキシマレーザー等の遠紫外線な の放射線を使用する微細加工に有用な化学 幅型レジストを形成可能な感放射線性樹脂 成物に含有される新規な化合物及びその製 方法に関する。

 集積回路素子などの半導体の製造において 、より高い集積度を得ることが日々求めら ている。最近では、100nm以下の微細加工が 能なリソグラフィ技術が必要とされており 例えば、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、F 2 エキシマレーザー(波長157nm)、シンクロトロ 放射線等のX線、電子線などの放射線を用い リソグラフィ技術が開発されている。

 そして、上記エキシマレーザーなどの放 線の照射に適した感放射線性樹脂組成物が 多く提案されており、この感放射線性樹脂 成物としては、例えば、酸解離性官能基を する成分と、放射線の照射により酸を発生 る成分である酸発生剤と、による化学増幅 果を利用した化学増幅型感放射線性樹脂組 物などが知られている。

 具体的には、カリックスアレーンやフラ レン等の薄膜形成能を有する有機低分子を 有するレジスト組成物(例えば、特許文献1~8 参照)、多価フェノール化合物を含有するレ スト組成物(例えば、特許文献9~11参照)など 提案されている。また、カリックスアレー 、フラーレン以外の薄膜形成能を有する有 低分子(1,3,5-トリス[4-(2-t-ブトキシカルボニ オキシ)フェニル]ベンゼン)を含有するレジ ト組成物も提案されている(例えば、非特許 献1参照)。

特開平11-322656号公報

特開平11-72916号公報

特開平9-236919号公報

特開平7-134413号公報

特開平9-211862号公報

特開平10-282649号公報

特開平11-143074号公報

特開平11-258796号公報

特開2006-267996号公報

特開2006-235340号公報

特開2007-55991号公報 J.Photo Sci. and Tech. VOL12 No2 375-376(1999)

 しかしながら、特許文献2、3に記載され レジスト組成物は、構造的に分子間の相互 用が非常に強く、現像液に対する溶解性が いため満足なパターンを得ることができな という問題がある。また、特許文献4~8及び 特許文献1に記載されたレジスト組成物は、 の製造法において多段階合成が必要である め、量産性が十分ではなく、生産効率が悪 、品質的にも安定して供給できないという 題がある。更に、特許文献9~11に記載された レジスト組成物は、感度が不十分であり、未 だ実用レベルに至っていないという問題があ る。

 そして、特許文献2~11及び非特許文献1に 載のレジスト組成物は、上述した、それぞ の問題点に加え、波長193nmにおける吸収が大 きいため、レジスト膜を形成した後、露光に 際し、ArFエキシマレーザーを用いると、この ArFエキシマレーザーがレジスト膜の内部に十 分に照射されない場合があった。そのため、 レジスト膜に形成されるレジストパターンの ラインエッジラフネス(Line Edge Roughness(LER))( ジストの線(ライン)パターンを上面から見 場合におけるレジストの線の側面の凹凸)が きくなるという問題がある。また、基板に する塗布性(塗工性)が十分ではないという 題がある。

 また、特許文献1に記載されたレジスト組 成物は、エッチング耐性に優れるレジスト膜 を形成することができるが、波長193nmにおけ 吸収が大きいため、レジスト膜を形成した 、露光に際し、ArFエキシマレーザーを用い と、このArFエキシマレーザーがレジスト膜 内部に十分に照射されない場合があった。 のため、レジスト膜に形成されるレジスト ターンのラインエッジラフネスが大きくな ことがある。

 本発明は、上述の問題に鑑みてなされた のであり、露光光としてArFエキシマレーザ を用いたリソグラフィ技術において、ArFエ シマレーザーの透過性に優れるため、レジ トパターンのラインエッジラフネスが低減 れ、高精度にかつ安定して微細パターンを 成することが可能なレジスト膜を形成可能 あることに加え、塗布性に優れた感放射線 樹脂組成物の材料である化合物及びその製 方法を提供する。

 本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意 討した結果、下記一般式(1)で表される化合 及び下記一般式(2)で表される化合物を縮合 応させ、前記一般式(1)で表される化合物に 来するベンゼン環の不飽和結合を水素添加 ることにより得られる化合物によって、上 課題を達成することが可能であることを見 し、本発明を完成するに至った。

 即ち、本発明によれば、以下に示す化合 及びその製造方法が提供される。

[1] 下記一般式(1)で表される化合物、及び 記一般式(2)で表される化合物を縮合反応さ 、前記一般式(1)で表される化合物に由来す ベンゼン環の不飽和結合を水素添加して得 れる化合物。

(前記一般式(1)において、X 1 は、炭素数1~10の置換若しくは非置換のアル ル基、炭素数2~10の置換若しくは非置換のア ケニル基、炭素数2~10の置換若しくは非置換 のアルキニル基、炭素数7~10の置換若しくは 置換のアラルキル基、炭素数1~10の置換若し は非置換のアルコキシ基、または置換若し は非置換のフェノキシ基を表し、pは0また 1を表す。)

(前記一般式(2)において、X 2 は、炭素数1~8の置換または非置換のアルキレ ン基を表す。)

[2] 前記一般式(1)で表される化合物、及び 記一般式(2)で表される化合物を縮合反応さ て得られる縮合反応生成物が、下記一般式( 3)で表される化合物、下記一般式(4)で表され 化合物、または下記一般式(5)で表される化 物である前記[1]に記載の化合物。

(前記一般式(3)において、X 1 は相互に独立に炭素数1~10の置換若しくは非 換のアルキル基、炭素数2~10の置換若しくは 置換のアルケニル基、炭素数2~10の置換若し くは非置換のアルキニル基、炭素数7~10の置 若しくは非置換のアラルキル基、炭素数1~10 置換若しくは非置換のアルコキシ基、また 置換若しくは非置換のフェノキシ基を表し X 2 は相互に独立に炭素数1~8の置換または非置換 のアルキレン基を表す。pは相互に独立に0ま は1を表す。)

(前記一般式(4)において、X 1 は相互に独立に炭素数1~10の置換若しくは非 換のアルキル基、炭素数2~10の置換若しくは 置換のアルケニル基、炭素数2~10の置換若し くは非置換のアルキニル基、炭素数7~10の置 若しくは非置換のアラルキル基、炭素数1~10 置換若しくは非置換のアルコキシ基、また 置換若しくは非置換のフェノキシ基を表し X 2 は相互に独立に炭素数1~8の置換または非置換 のアルキレン基を表す。pは相互に独立に0ま は1を表す。)

(前記一般式(5)において、X 1 は相互に独立に炭素数1~10の置換若しくは非 換のアルキル基、炭素数2~10の置換若しくは 置換のアルケニル基、炭素数2~10の置換若し くは非置換のアルキニル基、炭素数7~10の置 若しくは非置換のアラルキル基、炭素数1~10 置換若しくは非置換のアルコキシ基、また 置換若しくは非置換のフェノキシ基を表す pは相互に独立に0または1を表す。nは0以上 整数を表す。)

[3] 前記一般式(3)で表される化合物、前記 般式(4)で表される化合物、または前記一般 (5)で表される化合物が、それぞれ、下記式( 6)で表される化合物、式(7)で表される化合物 または式(8)で表される化合物である前記[2] 載の化合物。

(前記一般式(8)において、nは0以上の整数を表 す。)

[4] 水素添加される前記不飽和結合の割合 、前記縮合反応生成物中に含まれる全ベン ン環の全不飽和結合に対して、30~100%である 前記[1]~[3]のいずれか一項に記載の化合物。

[5] 下記一般式(1)で表される化合物、及び 記一般式(2)で表される化合物を縮合反応さ 、前記一般式(1)で表される化合物に由来す ベンゼン環の不飽和結合を水素添加して得 れる化合物の製造方法。

(前記一般式(1)において、X 1 は、炭素数1~10の置換若しくは非置換のアル ル基、炭素数2~10の置換若しくは非置換のア ケニル基、炭素数2~10の置換若しくは非置換 のアルキニル基、炭素数7~10の置換若しくは 置換のアラルキル基、炭素数1~10の置換若し は非置換のアルコキシ基、または置換若し は非置換のフェノキシ基を表し、p1は0また 1を表す。)

(前記一般式(2)において、X 2 は、炭素数1~8の置換または非置換のアルキレ ン基を表す。)

[6] 下記一般式(1)で表される化合物、及び 記一般式(2)で表される化合物を縮合反応さ 、前記一般式(1)で表される化合物に由来す ベンゼン環の不飽和結合を水素添加して、 記一般式(9)で表される化合物、下記一般式( 10)で表される化合物、または下記一般式(11) 表される化合物を得る前記[5]に記載の化合 の製造方法。

(前記一般式(11)において、nは0以上の整数を す。)

 本発明の化合物は、露光光としてArFエキ マレーザーを用いたリソグラフィ技術にお て、ArFエキシマレーザーの透過性に優れる め、レジストパターンのラインエッジラフ スが低減され、高精度にかつ安定して微細 ターンを形成することが可能なレジスト膜 形成可能であることに加え、塗布性に優れ 感放射線性樹脂組成物の材料であるという 果を奏するものである。

 本発明の化合物の製造方法は、本発明の 合物を良好に製造することができるという 果を奏するものである。

 以下、本発明の実施の最良の形態につい 説明するが、本発明は以下の実施の形態に 定されるものではなく、本発明の趣旨を逸 しない範囲で、当業者の通常の知識に基づ て、以下の実施の形態に対し適宜変更、改 等が加えられたものも本発明の範囲に入る とが理解されるべきである。

[1]化合物:
 本発明の化合物の一の実施形態は、下記一 式(1)で表される化合物、及び下記一般式(2) 表される化合物を縮合反応させ、前記一般 (1)で表される化合物に由来するベンゼン環 不飽和結合を水素添加して得られるもので る。この化合物を感放射線性樹脂組成物に 有させることによって、この感放射線性樹 組成物は、露光光としてArFエキシマレーザ を用いたリソグラフィ技術において、ArFエ シマレーザーの透過性に優れるため、レジ トパターンのラインエッジラフネスが低減 れ、高精度にかつ安定して微細パターンを 成することが可能なレジスト膜を形成可能 あることに加え、塗布性に優れるというも である。

(前記一般式(1)において、X 1 は、炭素数1~10の置換若しくは非置換のアル ル基、炭素数2~10の置換若しくは非置換のア ケニル基、炭素数2~10の置換若しくは非置換 のアルキニル基、炭素数7~10の置換若しくは 置換のアラルキル基、炭素数1~10の置換若し は非置換のアルコキシ基、または置換若し は非置換のフェノキシ基を表し、pは0また 1を表す。)

(前記一般式(2)において、X 2 は、炭素数1~8の置換または非置換のアルキレ ン基を表す。)

[1-1]縮合反応:
 本実施形態の化合物は、まず、上記一般式( 1)で表される化合物、及び上記一般式(2)で表 れる化合物を縮合反応させることによって られるものである。目的とする本実施形態 化合物は、上記一般式(1)で表される化合物 及び上記一般式(2)で表される化合物を縮合 応させることによって容易に合成すること できるという利点がある。なお、一般式(1) 表される化合物、及び一般式(2)で表される 合物は、それぞれ、単独でまたは複数を組 合わせて使用することができる。

 一般式(1)で表される化合物中のX 1 における炭素数1~10の置換のアルキル基の置 基としては、例えば、メチル基、エチル基 プロピレン基、ブチレン基などを挙げるこ ができる。これらの中でも、本実施形態の 合物を、高い収率で得ることができるとい 観点から、プロピレン基、ブチレン基が好 しい。

 また、炭素数2~10の置換のアルケニル基、 炭素数2~10の置換のアルキニル基、炭素数7~10 置換のアラルキル基、炭素数1~10の置換のア ルコキシ基、及び置換のフェノキシ基におけ る置換基としては、上述した炭素数1~10の置 のアルキル基の置換基と同様のものを挙げ ことができる。

 一般式(1)で表される化合物中のpは、0で ることが好ましい。即ち、一般式(1)で表さ る化合物の中でも、本実施形態の化合物を 高い収率で得ることができるという観点か 、下記式(1-1)で表される化合物であることが 好ましい。

 一般式(2)で表される化合物中のX 2 における炭素数1~8の置換のアルキレン基の置 換基としては、上述した炭素数1~10の置換の ルキル基の置換基と同様のものを挙げるこ ができる。一般式(2)で表される化合物中のX 2 が炭素数1~8のアルキレン基のいずれであって も(得られる化合物の構造がそれぞれ異なる のであっても)、得られる化合物による本発 の効果は、特に差異は無い。そのため、本 施形態の化合物を、高い収率で得ることが きるという観点から、X 2 としては、炭素数2~6の非置換のアルキレン基 が好ましく、炭素数3の非置換のアルキレン が特に好ましい。即ち、一般式(2)で表され 化合物としては、下記式(2-1)で表される化合 物(グルタルアルデヒド)であることが好まし 。

 なお、縮合反応によって主として得られる 合物の構造は、一般式(2)で表される化合物 のX 2 のアルキレン基の炭素数によって決定される 。具体的には、一般式(2)で表される化合物中 のX 2 がプロピレン基である場合、主として後述す る一般式(3)で表される化合物が得られ、一般 式(3)で表される化合物の中でも、主に、X 2 がプロピレン基である化合物が得られる。

 また、一般式(2)で表される化合物中のX 2 がブチレン基である場合、主として後述する 一般式(4)で表される化合物が得られ、一般式 (4)で表される化合物の中でも、主に、X 2 がブチレン基である化合物が得られる。更に 、一般式(2)で表される化合物中のX 2 がエチレン基である場合、主として後述する 一般式(5)で表される化合物が得られる。

 縮合反応の条件(方法)は、特に制限はな 、従来公知の方法を採用することができる 、例えば、酸触媒等の触媒の存在下、60~90℃ で12~48時間脱水縮合させる方法を挙げること できる。

 なお、上記一般式(1)で表される化合物と 上記一般式(2)で表される化合物との混合比( モル比)は特に制限はないが、収率を向上さ る観点から、一般式(2)で表される化合物「1 に対して、一般式(1)で表される化合物が、1 .0~8.0であることが好ましく、2.0~6.0であるこ が更に好ましく、3.0~5.0であることが特に好 しい。1.0~8.0の範囲外であると、目的の化合 物の収率が低下するおそれがある。

 また、縮合反応溶液中の基質濃度(一般式 (1)で表される化合物と一般式(2)で表される化 合物との合計の濃度)は、特に制限はないが 収率を向上させる観点から、2mol/L以上であ ことが好ましく、4mol/L以上であることが更 好ましく、4~10mol/Lであることが特に好まし 。基質濃度が、2mol/L未満であると、目的の 合物の収率が低下するおそれがある。

 一般式(1)で表される化合物と一般式(2)で される化合物とは、反応溶媒中に添加する とが好ましく、反応溶媒としては、有機溶 が好ましく、アルコール系溶媒が特に好ま い。アルコール系溶媒としては、例えば、 チルアルコール、エチルアルコール、n-ブ ノール、イソプロピルアルコールなどを挙 ることができる。これらの中でも、本実施 態の化合物の収率を向上させるという観点 ら、メチルアルコール、エチルアルコール 好ましい。

 縮合反応後、得られた沈殿物を有機溶剤 洗浄することが好ましく、有機溶剤として 、例えば、アセトン、メチルエチルケトン メチルi-ブチルケトン、シクロペンタノン シクロヘキサノン、3-メチルシクロペンタノ ン、2,6-ジメチルシクロヘキサノン等のケト 類;メチルアルコール、エチルアルコール、n -プロピルアルコール、i-プロピルアルコール 、n-ブチルアルコール、t-ブチルアルコール シクロペンタノール、シクロヘキサノール 1,4-ヘキサンジオール、1,4-ヘキサンジメチロ ール等のアルコール類;ジエチルエーテル、 トラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテ 類;酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸i-アミル 等のエステル類;トルエン、キシレン等の芳 族炭化水素類や、フェノール、アセトニル セトン、ジメチルホルムアミド等を挙げる とができる。これらの中でも、メチルアル ール、エチルアルコール、ジエチルエーテ 、テトラヒドロフランが好ましい。なお、 れらの有機溶剤は、単独でまたは複数を組 合わせて使用することができる。

 本実施形態の化合物は、一般式(1)で表さ る化合物、及び前記一般式(2)で表される化 物を縮合反応させて得られる縮合反応生成 が、下記一般式(3)で表される化合物、下記 般式(4)で表される化合物、または下記一般 (5)で表される化合物であることが好ましい

(前記一般式(3)において、X 1 は相互に独立に炭素数1~10の置換若しくは非 換のアルキル基、炭素数2~10の置換若しくは 置換のアルケニル基、炭素数2~10の置換若し くは非置換のアルキニル基、炭素数7~10の置 若しくは非置換のアラルキル基、炭素数1~10 置換若しくは非置換のアルコキシ基、また 置換若しくは非置換のフェノキシ基を表し X 2 は相互に独立に炭素数1~8の置換または非置換 のアルキレン基を表す。pは相互に独立に0ま は1を表す。)

 なお、上記一般式(3)は、下記一般式(3-1) ように示すこともできる。

(前記一般式(3-1)において、X 1 は相互に独立に炭素数1~10の置換若しくは非 換のアルキル基、炭素数2~10の置換若しくは 置換のアルケニル基、炭素数2~10の置換若し くは非置換のアルキニル基、炭素数7~10の置 若しくは非置換のアラルキル基、炭素数1~10 置換若しくは非置換のアルコキシ基、また 置換若しくは非置換のフェノキシ基を表し X 2 は相互に独立に炭素数1~8の置換または非置換 のアルキレン基を表す。pは相互に独立に0ま は1を表す。)

 一般式(3)で表される化合物の中でも、X 2 がプロピレン基である化合物が好ましい。一 般式(3)で表される化合物中のX 2 がプロピレン基である化合物は、収率が高く 、安価に製造することができるためである。

 更に、X 2 がプロピレン基である一般式(3)で表される化 合物の中でも、下記式(6)で表される化合物で あることが好ましい。即ち、一般式(3)におい て、X 2 がプロピレン基であり、pが0であることが好 しい。このような下記式(6)で表される化合 (即ち、一般式(3)中の、X 2 がプロピレン基であり、pが0である化合物)は 、更に収率が高く、安価に製造することがで きるためである。

 一般式(6)で表される化合物は、一般式(1-1 )で表される化合物と上記式(2-1)で表される化 合物(グルタルアルデヒド)とを、例えば、酸 媒等の触媒の存在下、60~90℃で12~48時間脱水 縮合させることにより得ることができる。

(前記一般式(4)において、X 1 は相互に独立に炭素数1~10の置換若しくは非 換のアルキル基、炭素数2~10の置換若しくは 置換のアルケニル基、炭素数2~10の置換若し くは非置換のアルキニル基、炭素数7~10の置 若しくは非置換のアラルキル基、炭素数1~10 置換若しくは非置換のアルコキシ基、また 置換若しくは非置換のフェノキシ基を表し X 2 は相互に独立に炭素数1~8の置換または非置換 のアルキレン基を表す。pは相互に独立に0ま は1を表す。)

 なお、上記一般式(4)は、下記一般式(4-1) ように示すこともできる。

(前記一般式(4-1)において、X 1 は相互に独立に炭素数1~10の置換若しくは非 換のアルキル基、炭素数2~10の置換若しくは 置換のアルケニル基、炭素数2~10の置換若し くは非置換のアルキニル基、炭素数7~10の置 若しくは非置換のアラルキル基、炭素数1~10 置換若しくは非置換のアルコキシ基、また 置換若しくは非置換のフェノキシ基を表し X 2 は相互に独立に炭素数1~8の置換または非置換 のアルキレン基を表す。pは相互に独立に0ま は1を表す。)

 一般式(4)で表される化合物の中でも、X 2 がブチレン基である化合物が好ましい。一般 式(3)で表される化合物中のX 2 がブチレン基である化合物は、収率が高く、 安価に製造することができるためである。

 更に、X 2 がブチレン基である一般式(4)で表される化合 物の中でも、下記式(7)で表される化合物であ ることが好ましい。即ち、一般式(4)において 、X 2 がブチレン基であり、pが0であることが好ま い。このような下記式(7)で表される化合物( 即ち、一般式(4)中の、X 2 がブチレン基であり、pが0である化合物)は、 更に収率が高く、安価に製造することができ るためである。

 一般式(7)で表される化合物は、一般式(1-1 )で表される化合物と下記式(2-2)で表される化 合物とを、例えば、酸触媒等の触媒の存在下 、60~90℃で12~48時間脱水縮合させることによ 得ることができる。

(前記一般式(5)において、X 1 は相互に独立に炭素数1~10の置換若しくは非 換のアルキル基、炭素数2~10の置換若しくは 置換のアルケニル基、炭素数2~10の置換若し くは非置換のアルキニル基、炭素数7~10の置 若しくは非置換のアラルキル基、炭素数1~10 置換若しくは非置換のアルコキシ基、また 置換若しくは非置換のフェノキシ基を表す pは相互に独立に0または1を表す。nは0以上 整数を表す。)

 一般式(5)で表される化合物の中でも、下 式(8)で表される化合物であることが好まし 。即ち、一般式(5)において、pが0であるこ が好ましい。このような下記式(8)で表され 化合物(即ち、pが0である化合物)は、収率が く、安価に製造することができるためであ 。下記式(8)で表される化合物中のnが1以上 整数であると、塗布性が更に良好になると う利点がある。

(前記一般式(8)において、nは0以上の整数を表 す。)

 一般式(8)で表される化合物は、一般式(1-1 )で表される化合物と下記式(2-3)で表される化 合物とを、例えば、酸触媒等の触媒の存在下 、60~90℃で12~48時間脱水縮合させることによ 得ることができる。

 なお、上記式(2-3)で表される化合物は、 えば、下記式(2-4)で表される化合物を、酸触 媒下、水と反応させることにより生成するこ とができる。そのため、一般式(5)で表される 化合物は、一般式(1)で表される化合物と下記 式(2-4)で表される化合物とを、水及び酸触媒 存在下、60~90℃で12~48時間脱水縮合させるこ とにより得ることもできる。

[1-2]水素添加:
 次に、本実施形態の化合物は、一般式(1)で される化合物に由来するベンゼン環の不飽 結合を水素添加(以下、単に「水添」と記す 場合がある)して得られるものである。この うにベンゼン環の不飽和結合を水素添加す 前の縮合反応生成物は、波長193nm付近におけ る吸収が大きいものであるが、水素添加によ って、波長193nm付近における吸収が小さい化 物(本実施形態の化合物)になるため、本実 形態の化合物を材料として含む感放射性樹 組成物によりレジスト膜を形成した際に、 成したレジスト膜の、ArFエキシマレーザー 対する透過性が向上する。また、水添によ て、有機溶剤への溶解性が向上するため、 実施形態の化合物を材料として含む感放射 樹脂組成物を塗布する際の塗布性が向上す 。

 本実施形態の化合物は、一般式(3)で表さ る化合物、一般式(4)で表される化合物、ま は一般式(5)で表される化合物を水添して得 れるものであることが好ましく、一般式(6) 表される化合物、一般式(7)で表される化合 、または一般式(8)で表される化合物を水添 て得られるものであることが更に好ましく 下記式(9)で表される化合物、下記式(10)で表 される化合物、または下記式(11)で表される 合物であることが特に好ましい。なお、下 式(11)で表される化合物中のnは、1以上の整 であることが好ましい。下記式(11)で表され 化合物中のnが1以上の整数であると、塗布 が更に向上するという利点がある。

(前記一般式(11)において、nは0以上の整数を す。)

 本実施形態の化合物は、ArFエキシマレー ーに対する透過性を向上させるという観点 ら、水素添加される不飽和結合の割合が、 合反応生成物中に含まれる全ベンゼン環の 不飽和結合に対して、30~100%であることが好 ましく、ArFエキシマレーザーに対する透過性 を更に向上させるという観点から、60~100%で ることが更に好ましく、100%(縮合反応生成物 中の全ての不飽和結合が水添された状態)で ることが特に好ましい。

 縮合反応生成物を水添する(水添反応)方 としては、不飽和結合を水添するための従 公知の方法を採用することができる。即ち 例えば、均一系または不均一系の水添触媒 存在下で、有機溶剤中の縮合反応生成物に 素を導入する方法を挙げることができる。 機溶剤中の縮合反応生成物の濃度は、1~70質 %であることが好ましく、1~40質量%であるこ が更に好ましい。なお、有機溶剤に限らず 水添触媒に悪影響を与えない溶剤であれば に制限なく使用することができる。また、 機溶剤としては、アルコール系溶媒が好ま く、アルコール系溶媒としては、例えば、 チルアルコール、エチルアルコール、n-ブ ノール、イソプロピルアルコールなどを挙 ることができる。これらの中でも、メチル ルコール、エチルアルコールが好ましい。

 水添触媒は、水添反応の活性を有する金 または非金属の触媒であれば特に限定なく 用することができる。具体的には、Fe、Co、 Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Os、Pt、Cr、Te、Mn、Ti、V、Z r、Mo、W系の水添触媒を挙げることができる これらの触媒は、単独でまたは複数を組み わせて使用することができる。

 水添反応の反応温度は、0~300℃であるこ が好ましく、20~150℃であることが更に好ま い。反応温度が300℃超であると、副反応が こり易くなるおそれがある。水添反応時の 素圧は、0~39MPaであることが好ましく、0.5~20M Paであることが更に好ましい。

 水添反応後には、再沈精製法、沈殿法、 心分離法、ろ過法などにより、水添触媒を 去することが好ましい。

 以下、本発明を実施例に基づいて具体的 説明するが、本発明はこれらの実施例に限 されるものではない。なお、実施例、比較 中の「部」及び「%」は、特に断らない限り 質量基準である。

(実施例1)
 レゾルシノール2.20g(20mmol)をエタノール4.5mL 溶解させ塩酸1.5mL加えた。この溶液を撹拌 ながら5℃まで氷冷し、グルタルアルデヒド 50%水溶液1.00g(5mmol)をゆっくりと滴下した。 の後、80℃で48時間加熱した。反応終了後、 固体が析出した反応液を室温まで冷却した後 、撹拌しながら、メタノールを注ぎ、固体を 洗浄した。沈殿物をろ過により取得後、メタ ノール洗浄~ろ過の工程を3回繰り返した。得 れた固体を室温で24時間減圧乾燥した。そ 結果、粉末状の淡黄色固体が得られた(収量: 1.18g(収率:83%)、表1中「A-1」と示す)。得られ 淡黄色固体の構造確認は、MALDI-TOF-MS(型番SHIM AZU/KRATOSマトリックス支援レーザーイオン化 行時間型質量分析装置「KOMPACT MALDI IV tDE」 、島津製作所社製)、IR(型番「FT-IR 420型」、 本分光社製)及び 1 H-NMR(型番「JNM-ECA-500型」、日本電子社製)で行 った。これらの結果を以下に示す。

 MALDI-TOF-MS:分子量1704.63の化合物が得られ ことが示された。

 IR(film法):(cm -1 )
 3406(ν OH );2931(ν C-H );1621、1505、1436(ν C=C(aromatic) )

  1 H-NMR(500MHz、溶媒DMSO-d 6 、内部標準TMS):δ(ppm)=0.86~2.35(b,12.0H)、3.98~4.22(m ,4.0H)、6.09~7.42(m,8.0H)、8.65~9.56(m,8.0H)

 得られた淡黄色固体は、下記式(6)で表さ る化合物であった。

 得られた式(6)で表される化合物1.0gと、エタ ノール45gと、をオートクレーブに仕込み、よ く混合した。その後、水添触媒として、ラネ ーNi(Aldrich社製)を0.6g添加して系内を窒素置換 した。窒素置換後、系内を20℃に保ちつつ、 素圧50kg/cm 2 にて30分間保持した。その後、このオートク ーブを50℃の温浴槽に浸し、3時間保持して 式(6)で表される化合物を水添反応させた。 応後、反応溶液をろ過し、反応溶液中のラ ーNiをろ別した。ろ液を水に投入して析出 を生成させた。その後、24時間減圧乾燥を行 って、下記式(9)で表される化合物(析出物)を た。なお、表1中、この化合物を「A-2」と示 す。

 得られた式(9)で表される化合物の評価を うため、以下のようにして組成物溶液を調 した。まず、得られた式(9)で表される化合 100部、溶剤としてシクロヘキサノン(表1中 「D-1」と示す)600部、及びプロピレングリコ ルモノメチルエーテルアセテート(表1中、 D-2」と示す)1500部を混合した。次に、この混 合液を孔径200nmのメンブランフィルターでろ して均一な組成物溶液(感放射線性樹脂組成 物)を調製した。調製した組成物溶液につい 以下の評価を行った。

[塗布性]
 東京エレクトロン社製の「クリーントラッ ACT-8」を用いて、シリコンウエハー上に組 物溶液をスピンコートした後、70℃で90秒間 熱処理(表1中「PB」と示す)を行い、100nmのレ ジスト膜を得た。このレジスト膜の表面を目 視により観察して塗布性の評価を行った。評 価基準は、ストリエーションが観察されない 場合を「良好」とし、ストリエーションが観 察された場合を「不良」とした。

[透過率]
 東京エレクトロン社製の「クリーントラッ ACT-8」を用いて、MgF 2 基板上に組成物溶液をスピンコートした後、 70℃で90秒間加熱処理(表1中「PB」と示す)を行 い、100nmのレジスト膜を得た。このレジスト について193nmにおける透過率を、分光計器 製の「VU-201型真空紫外分光光度計」で測定 た。

 本実施例で調製した組成物溶液(感放射線 性樹脂組成物)の評価結果は、塗布性が良好 あり、透過率が90%であった。この評価結果 ら、本実施例の化合物は、ArFエキシマレー ーにおける透過率が高いため、感放射線性 脂組成物に含有された際に、この感放射線 樹脂組成物によってレジスト膜を形成する 、このレジスト膜は、その内部にまで十分 光(ArFエキシマレーザー)が照射されるもので あることが確認できた。従って、本実施例の 化合物を用いると、レジストパターンのライ ンエッジラフネスが低減されたレジスト膜を 得ることができると考えられる。

(実施例2)
 実施例1で得られた式(9)で表される化合物100 部、溶剤としてプロピレングリコールモノメ チルエーテルアセテート2100部を混合した。 の混合液を孔径200nmのメンブランフィルター でろ過して均一な組成物溶液(感放射線性樹 組成物)を調製し、評価を行った。その評価 果を表1に示す。

(比較例1)
 実施例1で得られた淡黄色固体(式(6)で表さ る化合物)100部、溶剤としてシクロヘキサノ 600部、及びプロピレングリコールモノメチ エーテルアセテート1500部を混合した。しか し、溶解性が悪く、均一な溶液を得ることは できなかった。そのため、塗布性、及び透過 率の評価を行うことはできなかった。

(比較例2)
 実施例1で得られた淡黄色固体(式(6)で表さ る化合物)100部、溶剤としてプロピレングリ ールモノメチルエーテルアセテート2100部を 混合した。しかし、溶解性が悪く、均一な溶 液を得ることはできなかった。そのため、塗 布性、及び透過率の評価を行うことはできな かった。

(比較例3)
 4-t-ブトキシスチレン100g、アゾビスイソブ ロニトリル4.7g、t-ドデシルメルカプタン1.5g 及び、プロピレングリコールモノメチルエ テル100gをセパラブルフラスコに投入し、室 温で攪拌して均一溶液とした。窒素雰囲気下 、80℃まで昇温させ、攪拌しつつ10時間重合 応させた。重合終了後、反応液に大量のメ ノールを加えて再沈させ、精製した。この うにして得られた重合体90gをプロピレング コールモノメチルエーテル500gに溶解させ、 れを減圧濃縮した。

 次いで、減圧濃縮した重合体溶液約250g、 10%硫酸水40gをセパラブルフラスコに仕込み、 攪拌、還流下、加水分解反応させた。その後 、多量のイオン交換水を加え、再沈させて精 製し、50℃にて真空乾燥することにより4-ヒ ロキシスチレン重合体60gを得た。なお、表1 、この重合体を「A-3」と示す。

 4-ヒドロキシスチレン重合体について、Mw 及びMnを測定し、Mw/Mnを算出した。Mw及びMnの 定は、東ソー社製の高速GPC装置(型式「HLC-81 20」)に、東ソー社製のGPCカラム(商品名「G2000 HXL」;2本、「G3000HXL」;1本、「G4000HXL」;1本)を い、流量1.0ミリリットル/分、溶出溶剤とし てテトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分 条件で、単分散ポリスチレンを標準とする ルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC )により行った。本合成例で得られた4-ヒドロ キシスチレン重合体のMwは10800であり、Mw/Mnは 1.58であった。

 得られた4-ヒドロキシスチレン重合体100 、溶剤としてシクロヘキサノン600部、及び ロピレングリコールモノメチルエーテルア テート1500部を混合した。この混合液を孔径2 00nmのメンブランフィルターでろ過して均一 組成物溶液を調製し、評価を行った。その 価結果を表1に示す。

(比較例4)
 実施例1で得られた淡黄色固体(式(6)で表さ る化合物)3.5gを1-メチル-2-ピロリドン40gに加 た後、更にテトラブチルアンモニウムブロ イド0.8gを加え、70℃で4時間攪拌し溶解させ た。溶解後、炭酸カリウム3.3gを加え、70℃で 1時間撹拌した。その後、予め1-メチル-2-ピロ リドン20gに溶解させたブロモ酢酸2-メチル-2- ダマンチル6.9gを徐々に加え、70℃で6時間攪 拌した。攪拌後、室温まで冷却し、水/塩化 チレンで抽出を行った。続いて、3%のシュウ 酸水100mlで3回洗浄した後、水100mlで2回洗浄し た。水層を廃棄した後、有機層を硫酸マグネ シウムで乾燥させた。その後、ヘキサン:酢 エチル=1:4を留出液としてシリカゲルカラム 精製して、下記一般式(A-4)で表される化合 を3.2g得た(表1中、「A-4」と示す)。なお、 1 H-NMR分析を行ったところ下記一般式(A-4)で表 れる化合物における保護率(下記一般式(A-4) 表される化合物中のフェノール性水酸基の 素原子が2-メチル-2-アダマンチルオキシカル ボニルメチル基(下記式(R-1)で表される基)で 換された割合)は40%であった。

(前記一般式(A-4)において、Rは、相互に独立 水素原子または下記式(R-1)で表される基を表 す。)

 得られた一般式(A-4)で表される化合物100 、溶剤としてシクロヘキサノン600部、及び ロピレングリコールモノメチルエーテルア テート1500部を混合した。この混合液を孔径2 00nmのメンブランフィルターでろ過して均一 組成物溶液を調製し、評価を行った。その 価結果を表1に示す。

 表1から明らかなように、実施例1,2の化合 物(式(9)で表される化合物)を含有する感放射 性樹脂組成物は、比較例3,4の感放射線性樹 組成物に比べて、ArFエキシマレーザーの透 性、及び塗布性に優れることが確認できた そのため、露光光としてArFエキシマレーザ を用いたリソグラフィ技術において、レジ トパターンのラインエッジラフネスが低減 れた、高精度にかつ安定して微細パターン 形成することが可能なレジスト膜を形成可 である。

 本発明の化合物は、レジストパターンの インエッジラフネスが低減された、高精度 かつ安定して微細パターンを形成すること 可能なレジスト膜を形成することができる 放射線性樹脂組成物の材料として好適に用 ることができるものであり、今後更に微細 が進行すると予想される半導体デバイス製 用のレジスト膜を形成可能な材料として極 て有用である。