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Title:
CONDUCTIVE FINE PARTICLE AND ANISOTROPIC CONDUCTIVE MATERIAL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/105355
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a conductive fine particle having low resistance and excellent connection reliability. Also disclosed is an anisotropic conductive material. Specifically disclosed is a conductive fine particle composed of a base fine particle, a nickel layer formed on the surface of the base fine particle, and a gold layer formed on the surface of the nickel layer. This conductive fine particle is characterized in that the nickel content in a part of the gold layer within 5 nm from the outermost surface is not more than 4% by weight.

Inventors:
ISHIDA HIROYA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/053148
Publication Date:
September 04, 2008
Filing Date:
February 25, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SEKISUI CHEMICAL CO LTD (JP)
ISHIDA HIROYA (JP)
International Classes:
H01B5/00; B22F1/17; C23C18/44; H01B1/22; H01R11/01; C22C5/02
Foreign References:
JP2006128046A2006-05-18
JP2006228475A2006-08-31
JP2002025345A2002-01-25
JP2006351508A2006-12-28
JP2006302716A2006-11-02
Attorney, Agent or Firm:
YASUTOMI, Yasuo et al. (5-36 Miyahara 3-chome,Yodogawa-ku, Osaka-shi, Osaka 03, JP)
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Claims:
基材微粒子、前記基材微粒子の表面に形成されたニッケル層、及び、前記ニッケル層の表面に形成された金層からなる導電性微粒子であって、
前記金層のうち、最表面から深さ5nm以内の金層中のニッケル含有率が4重量%以下である
ことを特徴とする導電性微粒子。
ニッケル含有率が2.5重量%以下であることを特徴とする請求項1記載の導電性微粒子。
金層のX線回折装置を用いて分析したAu(111)ピークの半値幅が0.4以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の導電性微粒子。
半値幅が0.35以下であることを特徴とする請求項3記載の導電性微粒子。
ニッケル層中のリンの含有率が6~12重量%であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の導電性微粒子。
請求項1、2、3、4又は5記載の導電性微粒子が樹脂バインダーに分散されてなることを特徴とする異方性導電材料。
Description:
導電性微粒子及び異方性導電材

本発明は、抵抗値が低く、接続信頼性に優 れた導電性微粒子及び異方性導電材料に関す る。

導電性微粒子は、樹脂バインダーや粘接着 剤等と混合、混練することにより、例えば、 異方性導電ペースト、異方性導電インク、異 方性導電粘接着剤、異方性導電フィルム、異 方性導電シート等の異方性導電材料として広 く用いられている。

これらの異方性導電材料は、例えば、液晶 ディスプレイ、パーソナルコンピュータ、携 帯電話等の電子機器において、回路基板同士 を電気的に接続したり、半導体素子等の小型 部品を回路基板に電気的に接続したりするた めに、相対向する回路基板や電極端子の間に 挟み込んで使用されている。

このような異方性導電材料に用いられる導 電性微粒子として、従来、金、銀、ニッケル 等の金属粒子が用いられてきた。しかし、金 属粒子は比重が大きく、形状が一定でないた め、樹脂バインダー等に均一に分散しないこ とがあった。金属粒子の比重が大きく、樹脂 バインダー等に均一に分散しないことは、異 方性導電材料の抵抗値が部分的に変化してし まう原因にもなっていた。

このような問題に対し、樹脂微粒子やガラス ビーズ等の非導電性の基材微粒子を用い、そ の表面に無電解メッキによりニッケル等の金 属被膜を施した導電性微粒子が提案された。 例えば、特許文献1には、実質的に球状な樹 微粒子に無電解メッキ法により金属被覆を 成した導電性微粒子が開示されている。
このような導電性微粒子は、樹脂バインダー 等にも均一に分散するため、異方性導電材料 の抵抗値が部分的に変化してしまうことがな い。しかしながら、ニッケルの導電性が高く ないため、導電性微粒子の抵抗値が高いとい う問題があった。

また、特許文献2には、抵抗値を低減させる 法として、非導電性の基材微粒子の表面に ッケル層が形成され、更に最表層として導 性に優れる金層が置換型無電解金メッキに り形成された導電性微粒子が開示されてい 。

特開平8-311655号公報

特開2004-238730号公報

本発明は、上記現状に鑑み、抵抗値が低く 、接続信頼性に優れた導電性微粒子及び異方 性導電材料を提供することを目的とする。

本発明は、基材微粒子、上記基材微粒子の表 面に形成されたニッケル層、及び、上記ニッ ケル層の表面に形成された金層からなる導電 性微粒子であって、上記金層のうち、最表面 から深さ5nm以内の金層中のニッケル含有率が 4重量%以下である導電性微粒子である。
以下に本発明を詳述する。

特許文献2に開示されているように、樹脂微 子等の基材微粒子にニッケル層を形成し、 に金層を形成する場合には、従来、置換型 電解金メッキが一般的に行われていた。
しかしながら、本発明者らは、置換型無電解 金メッキにより導電性微粒子の金層を形成さ せた場合、金層の最表面部分におけるニッケ ル含有率が高くなるという事実を見出した。 本発明者らは、ニッケル層が形成された基材 微粒子に置換型無電解金メッキを行った場合 、ニッケル層から多くのニッケルが溶出する という事実も明らかにした。
金層の最表面部分の純度の低下は、導電性微 粒子の抵抗値を低下させる原因となる。
そこで、本発明者らは、ニッケル層と該ニッ ケル層の表面に形成された金層とを有する導 電性微粒子において、該金層のうち、最表面 から深さ5nm以内の金層中のニッケル含有率を 一定以下にすれば、導電性微粒子の抵抗値を 充分に低くすることができ、さらに接続信頼 性に優れることを明らかにし、本発明を完成 させた。

本発明の導電性微粒子は、基材微粒子、上 記基材微粒子の表面に形成されたニッケル層 、及び、上記ニッケル層の表面に形成された 金層からなる。

上記基材微粒子は特に限定されず、適度な弾 性率、弾性変形性及び復元性を有する微粒子 であれば、有機微粒子であっても無機微粒子 であってもよい。なお、上記基材微粒子は、 有機材料と無機材料の両方を用いた有機無機 ハイブリッド微粒子であってもよい。上記基 材微粒子は樹脂微粒子であることがより好ま しい。
これらの基材微粒子は、単独で用いられても よく、2種以上が併用されてもよい。

上記有機微粒子の材質は特に限定されず、 例えば、フェノール樹脂、アミノ樹脂、ポリ エステル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エ ポキシ樹脂、ジビニルベンゼン重合体;ジビ ルベンゼン-スチレン共重合体、ジビニルベ ゼン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体等 ジビニルベンゼン系重合体;(メタ)アクリル エステル重合体等が挙げられる。上記(メタ )アクリル酸エステル重合体は、架橋重合体 あっても非架橋重合体であってもよく、部 的に架橋された重合体であってもよい。な でも、上記有機微粒子の材質は、ジビニル ンゼン系重合体、(メタ)アクリル酸エステル 重合体であることがより好ましい。ここで、 (メタ)アクリル酸エステルとは、メタクリル エステル又はアクリル酸エステルを意味す 。

上記無機微粒子の材質は特に限定されず、 例えば、金属、ガラス、セラミックス、金属 酸化物、金属ケイ酸塩、金属炭化物、金属窒 化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属リン酸 塩、金属硫化物、金属酸塩、金属ハロゲン化 物、炭素等が挙げられる。

上記基材微粒子の平均粒子径は特に限定され ないが、好ましい下限は1μm、好ましい上限 100μmである。上記基材微粒子の平均粒子径 1μm未満であると、無電解メッキ時に基材微 子が凝集しやすく、複数の基材微粒子が凝 した塊がメッキされる恐れがある。上記基 微粒子の平均粒子径が100μmを超えると、回 基板等に用いる異方性導電材料に含まれる 電性微粒子として最適な大きさを超えてし う恐れがある。上記基材微粒子の平均粒子 のより好ましい上限は15μmである。
なお、上記基材微粒子の平均粒子径は、無作 為に選んだ50個の基材微粒子について粒子径 測定し、そしてこれらを算術平均した平均 子径とする。

本発明の導電性微粒子は、上記基材微粒子の 表面に形成されたニッケル層を有する。
上記ニッケル層は、上記基材微粒子と金層と の密着性を高めることができる。導電性微粒 子が製造される時や、異方性導電材料と基板 とが熱圧着される時に、ニッケル層は金層が 剥がれることを抑制できる。

上記ニッケル層の厚さは特に限定されないが 、好ましい下限は10nm、好ましい上限は500nmで ある。上記ニッケル層の厚さが10nm未満であ と、ニッケル層と金層との密着性が充分に られない恐れがある。上記ニッケル層の厚 が500nmを超えると、上記ニッケル層が基材微 粒子から剥離しやすくなる恐れがある。
なお、上記ニッケル層の厚さは、無作為に選 んだ10個の導電性微粒子について測定し、そ てこれらを算術平均した厚さである。

本発明の導電性微粒子は、上記ニッケル層の 表面に形成された金層を有する。
上記金層は、ニッケル層の酸化を防ぐことが できる。また、導電性微粒子の接続抵抗を下 げることができる。また、金層は酸化するこ とがないため、導電性微粒子の表面も安定で ある。

上記金層の厚さは特に限定されないが、好ま しい下限は200nm、好ましい上限は500nmである 上記金層の厚さが200nm未満であると、ニッケ ル層の酸化を抑制しにくくなったり、接続抵 抗を下げにくくなったりすることがある。上 記金層の厚さが500nmを超えた場合は、厚みの 加に見合うだけの効果が期待しにくくなる
なお、上記金層の厚さは、無作為に選んだ10 の導電性微粒子について測定し、そしてこ らを算術平均した厚さである。

本発明の導電性微粒子は、上記金層のうち、 最表面から深さ5nm以内の金層中のニッケル含 有率の上限が4重量%である。上記ニッケル含 率が4重量%を超えると、導電性微粒子の抵 値が高くなる。上記ニッケル含有率の上限 、2.5重量%であることが好ましく、1.5重量%で あることがより好ましい。上記ニッケル含有 率の下限は、0.01重量%であることが好ましい
なお、最表面から深さ5nm以内の金層中のニッ ケル含有率は、例えば、ESCA分析(X線光電子分 光分析)による測定により定量できる。具体 には、ESCA-3200(島津製作所社製)を用い、試料 表面のワイドスペクトル及びAu,Ni,Cのナロー ペクトルを測定することによりニッケル含 率を定量することができる。

本発明の導電性微粒子は、金層をX線回折装 (XRD)を用いて分析したAu(111)ピークの半値幅 好ましい上限が0.4である。上記半値幅が0.4 超えると、抵抗値が高くなる恐れがある。 記半値幅の上限は、0.35であることがより好 しく、0.34であることがさらに好ましい。
なお、金層中にニッケルが取り込まれる形態 は、ニッケルが金との合金を形成している場 合、ニッケルが合金を形成せず存在する場合 があるが、特にニッケルが金との合金を形成 している場合には、半値幅が大きくなる。

本発明の導電性微粒子は、ニッケル層中の リンの含有率の好ましい下限が6重量%、好ま い上限が12重量%である。上記リンの含有率 6重量%未満であると、基材微粒子とニッケ 層との密着性が低下することがある。上記 ンの含有率が12重量%を超えると、導電性微 子の抵抗値が高くなることがある。

本発明の導電性微粒子は、例えば、基材微粒 子の表面に無電解ニッケルメッキによりニッ ケル層を形成する工程と、上記ニッケル層の 表面に下地触媒型の還元型無電解金メッキに より金層を形成する工程とからなるメッキ方 法により得ることができる。
以下に、各工程の詳細を説明する。

上記基材微粒子の表面に無電解ニッケルメッ キによりニッケル層を形成させる方法は特に 限定されない。例えば、触媒が付着した基材 微粒子を、還元剤の存在下でニッケルイオン を含有する溶液中に浸漬する。そして触媒が 起点となり、基材微粒子の表面にニッケルが 析出し、ニッケル層が形成される。
ここで、基材微粒子に触媒を付着させる方法 は特に限定されない。例えば、アルカリ溶液 でエッチングされた基材微粒子に酸を加えて 中和する。基材微粒子を二塩化スズ(SnCl 2 )溶液に分散させてセンシタイジングを行う 次いで基材微粒子を二塩化パラジウム(PdCl 2 )溶液に分散させてアクチベイジングを行い 材微粒子に触媒を付着させる。
なお、センシタイジングとは、基材微粒子の 表面にSn 2+ イオンを吸着させる工程である。アクチベイ ジングとは、基材微粒子の表面で、
Sn 2+ +Pd 2+ →Sn 4+ +Pd 0
で示される反応を進行させて、無電解メッキ の触媒となるパラジウムを析出させる工程で ある。

本発明の導電性微粒子は、下地触媒型の還元 型無電解金メッキにより金層が形成されてい ることが好ましい。
従来の導電性微粒子のように、置換型無電解 金メッキにより金層が形成された場合は、ニ ッケル層からニッケルが溶出するため、金層 の最表面にニッケルと金との合金が形成され る。また、メッキ条件次第では、ニッケルが 金と合金を形成することなく最表面の金層に 金属不純物として取り込まれる恐れもある。 さらに、ニッケル層から溶出した他の元素、 錯化剤、還元剤等由来の元素が最表面の金層 に取り込まれる恐れもある。

下地触媒型の還元型無電解金メッキは、下地 であるニッケル(以下、「下地ニッケル」と いう)を触媒として利用して金メッキ被膜を 出させるめっき方法である。下地ニッケル 表面では酸化反応を起こすが析出した金表 では酸化反応を起こさない還元剤を、下地 ッケルの表面に存在させる。金メッキに用 た金塩は下地ニッケル表面で還元されて金 析出し、ニッケル層の上に金層が形成され 。
このような下地触媒型の還元型無電解金メッ キによれば、ニッケルがニッケル層から溶出 されにくく、ニッケルが金層中に取り込まれ る可能性を低減できる。

下地触媒型の還元型無電解金メッキ液は、 例えば、金塩、錯化剤、還元剤、pH調整剤、 び、緩衝剤等を含有するメッキ液が挙げら る。

上記金塩は特に限定されず、例えば、NaAuCl 4 ・2H 2 O等の塩化金ナトリウム、塩化金カリウム等 塩化金塩、亜硫酸金、KAu(CN) 2 等のシアン化金等が挙げられる。なかでも上 記金塩は塩化金ナトリウム、塩化金カリウム 等の塩化金塩であることが好ましく、塩化金 ナトリウムであることがより好ましい。
なお、本発明によれば、シアン化金等のシア ン金塩を使用しなくとも、抵抗値が低く、接 続信頼性に優れた導電性微粒子を得ることが できる。

上記金塩として塩化金塩を用いる場合、上 記メッキ液中における塩化金塩の濃度は特に 限定されないが、好ましい下限は0.01mol/L、好 ましい上限は0.1mol/Lである。上記メッキ液中 おける塩化金塩の濃度のより好ましい上限 0.03mol/Lである。

上記錯化剤は特に限定されず、例えば、メ ルカプトコハク酸、2-アミノピリジン、トリ タノールアミン等の錯化剤を少なくとも2種 を併用することが必要である。上記錯化剤を 少なくとも2種を併用することにより、最表 から深さ5nm以内の金層中のニッケル含有率 4重量%以下にすることができる。

下地触媒型の還元型無電解金メッキにおい て、下地ニッケルの溶出を抑えることができ ることから、錯化剤としてメルカプトコハク 酸と2-アミノピリジンとを併用するか、又は ルカプトコハク酸とトリエタノールアミン を併用することが好ましい。さらに、下地 媒型の還元型無電解金メッキにおいて、下 ニッケルの溶出を特に抑えることができる とから、錯化剤としてメルカプトコハク酸 、2-アミノピリジンと、トリエタノールア ンとを併用することがより好ましい。

上記錯化剤を用いる場合、上記メッキ液中 における錯化剤の濃度は特に限定されないが 、好ましい下限は0.08mol/L、好ましい上限は0.8 mol/Lであり、より好ましい上限は0.24mol/Lであ 。

上記還元剤は、例えば、亜硫酸ナトリウム 、亜硫酸アンモニウム等の亜硫酸塩、ヒドラ ジン、L-システイン、チオ尿素、アスコルビ 酸等が挙げられる。

上記還元剤を用いる場合、上記メッキ液中 における還元剤の濃度は特に限定されないが 、好ましい下限は0.3mol/L、好ましい上限は2.4m ol/Lであり、より好ましい上限は1mol/Lである

上記pH調整剤は特に限定されず、例えば、 酸化ナトリウム、アンモニア等が挙げられ 。

上記緩衝剤は特に限定されず、例えば、リ ン酸水素アンモニウム等が挙げられる。

上記メッキ液のpHは特に限定されないが、 地であるニッケル層の溶出を抑制するため pH7以上であることが好ましい。上記メッキ のpHは、pH8~10であることが特に好ましい。

更に上記メッキ液は、金の析出を安定させ るためにヒドロキシルアミンを含有すること が好ましい。この場合、上記メッキ液中にお けるヒドロキシルアミンの濃度は特に限定さ れない。上記ヒドロキシルアミンの濃度の好 ましい下限は0.1mol/L、好ましい上限は0.3mol/L ある。上記ヒドロキシルアミンの濃度のよ 好ましい上限は0.15mol/Lである。

上記メッキ液を用いて本発明の導電性微粒 子を製造する際のメッキ液の温度は、メッキ 反応の駆動力を高めることができ、かつ、浴 分解が起こらない程度の温度であれば特に限 定されない。上記メッキ液の温度の好ましい 下限は50℃、好ましい上限は70℃である。

上記メッキ液は、水溶液中に基材微粒子が 均一に分散していないと反応による凝集が生 じ易くなる。したがって、基材微粒子を凝集 させずに均一に分散させるために超音波及び /又は攪拌機を用いて基材微粒子を分散させ ことが好ましい。更に分散性を高めるため 上記メッキ液はポリエチレングリコール等 界面活性剤を含有することが好ましい。

本発明の導電性微粒子を樹脂バインダーに 分散させた異方性導電材料もまた、本発明の 1つである。

本発明の異方性導電材料は、例えば、異方 性導電ペースト、異方性導電インク、異方性 導電粘着剤、異方性導電フィルム、異方性導 電シート等が挙げられる。

上記樹脂バインダーは絶縁性樹脂であれば特 に限定されない。例えば、上記絶縁性樹脂は 、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリ ル樹脂、スチレン樹脂等のビニル系樹脂;ポ オレフィン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重 体、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂;エポ キシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、 不飽和ポリエステル樹脂及びこれらの硬化剤 とからなる硬化性樹脂;スチレン-ブタジエン- スチレンブロック共重合体、スチレン-イソ レン-スチレンブロック共重合体、これらを 素添加した重合体等の熱可塑性ブロック共 合体;スチレン-ブタジエン共重合ゴム、ク ロプレンゴム、アクリロニトリル-スチレン ロック共重合ゴム等のエラストマー類(ゴム 類)等が挙げられる。これらの絶縁性樹脂は 単独で用いられてもよいし、2種以上が併用 れてもよい。
また、上記硬化性樹脂は、常温硬化型樹脂、 熱硬化型樹脂、光硬化型樹脂、湿気硬化型樹 脂のいずれの硬化型樹脂であってもよい。

本発明の異方性導電材料には、本発明の導 電性微粒子、及び、上記樹脂バインダーの他 に、必要に応じて増量剤、軟化剤(可塑剤)、 接着性向上剤、酸化防止剤、熱安定剤、光 定剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤、有 溶媒等が添加されていてもよい。

本発明の異方性導電材料の製造方法は特に限 定されない。例えば、樹脂バインダー中に導 電性微粒子を添加し、導電性微粒子が均一に 分散するまで混合する。なお、同様の方法で 異方性導電ペースト、異方性導電インク、異 方性導電粘着剤等も製造することができる。 異方性導電材料の種類に対応して、公知の製 造方法を採用することができる。
また、絶縁性の樹脂バインダーと、本発明の 導電性微粒子とを混合することなく、別々に 用いた異方性導電材料であってもよい。

本発明によれば、抵抗値が低く、接続信頼 性に優れた導電性微粒子及び異方性導電材料 を提供することができる。

以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく 説明するが、本発明はこれら実施例のみに限 定されない。

(実施例1)
(1)導電性微粒子の作製
ジビニルベンゼン樹脂微粒子(平均粒子径4μm) を、イオン吸着剤を含有する水溶液に浸漬し た。その後、硫酸パラジウム0.01重量%含有す 水溶液に、ジビニルベンゼン樹脂微粒子を 漬した。更にジメチルアミンボランを加え ラジウムを析出させ、ろ過、洗浄を行い、 ラジウムを担持した樹脂微粒子を得た。
次に、コハク酸ナトリウム1重量%を含むイオ 交換水500mLに、パラジウムを担持した樹脂 粒子10gを加えてスラリーを調製した。スラ ーに更に硫酸を添加してスラリーをpH5に調 した。一方、ニッケルメッキ液として、硫 ニッケル20重量%、次亜リン酸ナトリウム30重 量%、水酸化ナトリウム5重量%を含むニッケル メッキ液を調製した。80℃に加熱したスラリ にニッケルメッキ液を連続的に滴下し、1時 間攪拌することによりニッケルメッキが施さ れた樹脂微粒子を得た。

次に、塩化金ナトリウム10gを含むイオン交換 水1000mLにニッケルメッキが施された樹脂微粒 子10gを加えて水性懸濁液を調製した。
得られた水性懸濁液に、錯化剤としてメルカ プトコハク酸20g、2-アミノピリジン0.5g、還元 剤としてチオ尿素を3g、緩衝剤としてリン酸 素アンモニウム40gを添加し、下地触媒型の 元型無電解金メッキ液を調製した。
メッキ液に更にヒドロキシルアミン10gを添加 した後、アンモニアを用いてpH10に調整した 次いでメッキ液の温度を60℃に上げ20分攪拌 ることにより表面に金被膜が形成された導 性微粒子を得た。

(2)異方性導電フィルムの作製
樹脂バインダーであるエポキシ樹脂(油化シ ルエポキシ社製、「エピコート828」)100重量 、トリスジメチルアミノエチルフェノール2 重量部、及び、トルエン100重量部に導電性微 粒子を添加し、遊星式攪拌機を用いて充分に 混合した。次いで得られた混合物を離型フィ ルム上に乾燥後の厚さが7μmとなるように塗 した。塗膜からトルエンを蒸発させ導電性 粒子を含有する接着フィルムを得た。なお 混合物中の導電性微粒子の配合量は、得ら た接着フィルム中の導電性微粒子の含有量 約5万個/cm 2 となるよう調整した。
樹脂バインダーであるエポキシ樹脂(油化シ ルエポキシ社製、「エピコート828」)100重量 、トリスジメチルアミノエチルフェノール2 重量部、及び、トルエン100重量部を、遊星式 攪拌機を用いて充分に混合した。次いで得ら れた混合物を離型フィルム上に乾燥後の厚さ が10μmとなるように塗布した。塗膜からトル ンを蒸発させ導電性微粒子を含有しない接 フィルムを得た。
導電性微粒子を含有する接着フィルムを、導 電性微粒子を含有しない接着フィルムと常温 で貼り合わせ、2層構造で厚さ17μmの異方性導 電フィルムを得た。

(実施例2)
錯化剤としてメルカプトコハク酸20g、2-アミ ピリジン0.5gを、メルカプトコハク酸20g、ト リエタノールアミン0.5gに変更したこと以外 、実施例1と同様に導電性微粒子と、異方性 電フィルムとを得た。

(実施例3)
錯化剤としてメルカプトコハク酸20g、2-アミ ピリジン0.5gを、メルカプトコハク酸20g、2- ミノピリジン0.3g、トリエタノールアミン0.3 gに変更したこと以外は、実施例1と同様に導 性微粒子と、異方性導電フィルムとを得た

(比較例1)
実施例1と同様にして得たニッケルメッキが された樹脂微粒子10gを、シアン化金カリウ 7gを含むイオン交換水1000mLに加えて水性懸濁 液を調製した。
得られた水性懸濁液に、EDTA・4Na30g、及び、 エン酸一水和物20gを添加し、置換型無電解 メッキ液を調製した。
更に水性懸濁液にアンモニアを加えてpH5.5に 整した。メッキ液の温度を70℃に上げ30分攪 拌することにより金被膜が形成された導電性 微粒子を得た。
得られた導電性微粒子を用い、実施例1と同 にして異方性導電フィルムを作製した。

(比較例2)
錯化剤としてメルカプトコハク酸20g、2-アミ ピリジン0.5gを、メルカプトコハク酸20gに変 更したこと以外は、実施例1と同様に導電性 粒子と、異方性導電フィルムとを得た。

(比較例3)
錯化剤としてメルカプトコハク酸20g、2-アミ ピリジン0.5gを、2-アミノピリジン20gに変更 たこと以外は、実施例1と同様に導電性微粒 子と、異方性導電フィルムとを得た。

(比較例4)
錯化剤としてメルカプトコハク酸20g、2-アミ ピリジン0.5gを、チオ硫酸アンモニウム20g、 2-アミノピリジン0.5gに変更したこと以外は、 実施例1と同様に導電性微粒子と、異方性導 フィルムとを得た。

<評価>
実施例1~3及び比較例1~4で得られた導電性微粒 子及び異方性導電フィルムを以下の測定方法 で評価した。得られた評価結果は表1に示し 。

(1)金層中におけるニッケル含有率の測定
ESCA-3200(島津製作所社製)を用い、試料表面の イドスペクトル及びAu,Ni,Cのナロースペクト ルを測定し、最表面から深さ5nm以内の金層中 のニッケル含有率を定量した。

(2)Au(111)ピークにおける半値幅の測定
粉末X線回折装置(理学電機社製)を用い、スキ ャンスピード4.000°/min、スキャンステップ0.02 0°で測定を行って粉末X線回折像を得た。得 れたデータから導電性微粒子のAu(111)ピーク 半値幅を求めた。

(3)リン含有率の測定
得られた導電性微粒子をエポキシ樹脂中に固 定し、収束イオンビーム(FIB)を用いて切片を 製した。切片にカーボンを蒸着後、透過型 子顕微鏡(TEM)(日本電子データム社製「JEM-201 0FEF」)を用い、加速電圧200kVの条件下でニッ ル層を観察した。なお、観察されているニ ケル層の組成をエネルギー分散型X線分光器( EDX)(日本電子データム社製)を用い、ニッケル 層中を成分分析することにより、ニッケル及 びリンの測定値を得た。得られた測定値から ニッケル層中のリンの含有率を算出した。

(4)異方性導電フィルムの導電性評価
得られた異方性導電フィルムを5×5mmの大きさ に切断した。また、一方に抵抗測定用の引き 回し線を持つ、幅200μm、長さ1mm、高さ0.2μm、 L/S20μmのアルミニウム電極が形成されたガラ 基板を2枚用意した。異方性導電フィルムを 一方のガラス基板のほぼ中央に貼り付けた後 、他方のガラス基板を異方性導電フィルムが 貼り付けられたガラス基板の電極パターンと 重なるように位置あわせをして貼り合わせた 。
2枚のガラス基板を、圧力10N、温度180℃の条 で熱圧着した後、電極間の抵抗値を四端子 にて測定した。
また、作製した試験片に対してPCT試験(80℃、 95%RHの高温高湿環境下で1000時間保持)を行っ 後、電極間の抵抗値を測定した。

本発明によれば、抵抗値が低く、接続信頼 性に優れた導電性微粒子及び異方性導電材料 を提供することができる。