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Title:
CONTINUOUS FIBER REINFORCED THERMOPLASTIC RESIN PELLET AND PROCESS FOR PRODUCING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/111498
Kind Code:
A1
Abstract:
A continuous fiber reinforced thermoplastic resin pellet that realizes favorable dispersion of reinforcing fiber bundles in injection molded item, favorable appearance of injection molded item, satisfactory exertion of reinforcing effects and satisfying of mechanical strength requirement for injection molded item; and a process for producing the same. The continuous fiber reinforced thermoplastic resin pellet is one produced by, while impregnating a lengthy reinforcing fiber bundle with a molten thermoplastic resin, drawing out the resin impregnated reinforcing fiber bundle under twisting applied thereto and cutting the rodlike composition consisting of the twisted resin impregnated reinforcing fiber bundle into pellet form, wherein the volume filling ratio, Vf, being the ratio of cross-sectional area of continuous fiber bundle based on the area of pellet cross section perpendicular to the longitudinal direction of the pellet is in the range of 70 to 20%, and wherein the twist pitch, P, expressed by P=L/d (L: length of advance of twist in the longitudinal direction of the rodlike composition per revolution of the rodlike composition, and d: area-equivalent circle diameter of the cross section of the rodlike composition) is in the range of 2.5 to 36 m/revm.

Inventors:
TASHIRO NAOYUKI (JP)
YAMAMOTO ATSUSHI (JP)
FUJIURA TAKAYASU (JP)
KIKUCHI NAOKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/054120
Publication Date:
September 18, 2008
Filing Date:
March 07, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KOBE STEEL LTD (JP)
TASHIRO NAOYUKI (JP)
YAMAMOTO ATSUSHI (JP)
FUJIURA TAKAYASU (JP)
KIKUCHI NAOKI (JP)
International Classes:
B29B9/14; B29B9/06; B29B11/16; B29B15/14; B29C48/06; B29C48/12; B29C48/154; B29C48/13; B29K105/12
Foreign References:
JP2003175512A2003-06-24
JP2000037723A2000-02-08
JP2001300935A2001-10-30
JPH05169445A1993-07-09
EP0311431A11989-04-12
EP0393536A21990-10-24
Other References:
See also references of EP 2130658A4
Attorney, Agent or Firm:
KOTANI, Etsuji et al. (2-2 Nakanoshima 2-chome,Kita-ku, Osaka-sh, Osaka 05, JP)
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Claims:
 棒状組成物から切断された長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットであって、
 前記棒状組成物は、長尺の強化用繊維束とこの強化用繊維束に含浸された溶融熱可塑性樹脂とを有する樹脂含浸強化用繊維束に撚りがかけられて形成されたものであり、前記強化用繊維束が、直径4~30μmのモノフィラメント繊維の束であり、ペレット長手方向に垂直な方向のペレット断面の断面積中に占める強化用繊維束の断面積の比率である体積充填率V f が70%~20%の範囲であり、P=L/d(L:棒状組成物一回転あたりに棒状組成物長手方向に撚りが進む長さ、d:棒状組成物の断面の面積相当円直径)で表される撚りピッチPが2.5~36(m/rev・m)の範囲で与えられていることを特徴とする長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット。
 前記体積充填率V f が70%≧V f >50%においては、前記撚りピッチPが2.5(m/rev・m)≦P<6.0(m/rev・m)の範囲で与えられおり、
前記体積充填率V f が50%≧V f ≧20%においては、前記撚りピッチPが6.0(m/rev・m)≦P≦36(m/rev・m)の範囲で与えられていることを特徴とする請求項1記載の長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット。
 前記ペレット断面の面積に対し当該断面おける強化用繊維束の最外周部分を囲う仮想線の内側の面積の占める比率A f が、前記体積充填率V f が70%≧V f >50%においては、(1.8V f -0.01V f 2 )%≦A f ≦95%の範囲であり、前記体積充填率V f が50%≧V f ≧20%においては、(2.3V f -0.02V f 2 )%≦A f ≦95%の範囲であることを特徴とする請求項1又は2記載の長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット。
 棒状組成物から切断された長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットであって、
前記棒状組成物は、長尺の強化用繊維束とこの強化用繊維束に含浸された溶融熱可塑性樹脂とを有する樹脂含浸強化用繊維束に撚りがかけられて形成されたものであり、前記強化用繊維束が、直径4~30μmのモノフィラメント繊維の束であり、ペレット長手方向に垂直な方向のペレット断面の断面積中に占める強化用繊維束の断面積の比率である体積充填率V f が70%~20%の範囲であり、前記ペレット断面における該断面の面積に対し当該断面おける強化用繊維束の最外周部分を囲う仮想線の内側の面積の占める比率A f が、前記体積充填率V f が70%≧V f >50%においては、(1.8V f -0.01V f 2 )%≦A f ≦95%の範囲であり、前記体積充填率V f が50%≧V f ≧20%においては、(2.3V f -0.02V f 2 )%≦A f ≦95%の範囲であることを特徴とする長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット。
 長尺の強化用繊維束に溶融熱可塑性樹脂を含浸させつつ、該樹脂含浸強化用繊維束をこれに撚りをかけながら引き取り、撚りが付与された樹脂含浸強化用繊維束からなる棒状組成物を所定長さに切断して形成される長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの製造方法であって、前記強化用繊維束として、直径4~30μmのモノフィラメント繊維の束を用い、該モノフィラメント繊維の本数を設定し、棒状組成物長手方向に垂直な方向の棒状組成物断面の断面積中に占める強化用繊維束の断面積の比率である体積充填率V f が70%~20%の範囲を満たすように強化用繊維束に溶融熱可塑性樹脂を含浸させるとともに、該樹脂含浸強化用繊維束を、P=L/d(L:棒状組成物一回転あたりに棒状組成物長手方向に撚りが進む長さ、d:棒状組成物の断面の面積相当円直径)で表される撚りピッチPが2.5~36(m/rev・m)の範囲を満たすように撚り角度を設定して、撚りをかけながら引き取ることを特徴とする長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの製造方法。
 前記体積充填率V f が70%≧V f >50%においては、前記撚りピッチPが2.5(m/rev・m)≦P<6.0(m/rev・m)の範囲を満たし、
前記体積充填率V f が50%≧V f ≧20%においては、前記撚りピッチPが6.0(m/rev・m)≦P≦36(m/rev・m)の範囲を満たすように、前記撚り角度を設定することを特徴とする請求項5記載の長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの製造方法。
 前記棒状組成物断面における該断面の面積に対し当該断面おける強化用繊維束の最外周部分を囲う仮想線の内側の面積の占める比率A f が、前記体積充填率V f が70%≧V f >50%においては、(1.8V f -0.01V f 2 )%≦A f ≦95%の範囲を満たし、前記体積充填率V f が50%≧V f ≧20%においては、(2.3V f -0.02V f 2 )%≦A f ≦95%の範囲を満たすように、前記撚り角度を設定することを特徴とする請求項5又は6記載の長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの製造方法。
 長尺の強化用繊維束に溶融熱可塑性樹脂を含浸させつつ、該樹脂含浸強化用繊維束をこれに撚りをかけながら引き取り、撚りが付与された樹脂含浸強化用繊維束からなる棒状組成物を所定長さに切断して形成される長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの製造方法であって、前記強化用繊維束として、直径4~30μmのモノフィラメント繊維の束を用い、該モノフィラメント繊維の本数を設定し、棒状組成物長手方向に垂直な方向の棒状組成物断面の断面積中に占める強化用繊維束の断面積の比率である体積充填率V f が70%~20%の範囲を満たすように強化用繊維束に溶融熱可塑性樹脂を含浸させるとともに、該樹脂含浸強化用繊維束を、前記棒状組成物断面における該断面の面積に対し当該断面おける強化用繊維束の最外周部分を囲う仮想線の内側の面積の占める比率A f が、前記体積充填率V f が70%≧V f >50%においては、(1.8V f -0.01V f 2 )%≦A f ≦95%の範囲を満たし、前記体積充填率V f が50%≧V f ≧20%においては、(2.3V f -0.02V f 2 )%≦A f ≦95%の範囲を満たすように撚り角度を設定して、撚りをかけながら引き取ることを特徴とする長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの製造方法。
Description:
長繊維強化熱可塑性樹脂ペレッ 及びその製造方法

 本発明は、長繊維強化熱可塑性樹脂ペレ ト及びその製造方法に関するものである。 しくは、長尺の強化用繊維束に溶融熱可塑 樹脂を含浸させつつ、この樹脂含浸強化用 維束を撚り合わせながら引き取って、撚り わされた樹脂含浸強化用繊維束からなる棒 組成物を切断してペレット化することによ 製造された長繊維強化熱可塑性樹脂ペレッ 、及びその製造方法に関するものである。

 従来技術である特許第3114311号公報(特許 献1)には、長尺の強化用繊維束に溶融熱可塑 性樹脂を含浸させつつ、該樹脂含浸強化用繊 維束に対し撚りローラによって撚りをかけな がら該撚りローラによって樹脂含浸強化繊維 束を引き取ることにより、撚りが付与された 樹脂含浸強化用繊維束からなる長繊維強化樹 脂ストランド(棒状組成物)を得るとともに、 の長繊維強化樹脂ストランドを所定長さに 断してペレット化し、長繊維強化熱可塑性 脂ペレットを得るようにした技術が開示さ ている。

 より詳しくは、長尺の強化用繊維束を熱 塑性樹脂の溶融樹脂浴中に浸漬させて繊維 内に溶融樹脂を含浸させ、さらに賦形用の イを経て前記溶融樹脂浴外に引き出した後 該引き出し方向に対して傾斜方向に回転す 撚りローラによって樹脂含浸強化用繊維束 ねじれ方向に回転させ、該樹脂含浸強化用 維束をこれに撚りをかけながら引き取り、 の撚りが付与された樹脂含浸強化用繊維束 らなる長繊維強化樹脂ストランド(棒状組成 物(ロッド))を所定長さ(例えば3~10mm程度)に切 してペレット化するようにしている。そし 、このようにして得られた長繊維強化熱可 性樹脂ペレットを用いた射出成形品は、例 ば、自動車内装部材(コンソールボックス、 インストルメントパネル等)、自動車外装部 (バンパ、フェンダー等)、電子機器部材(ノ トパソコン、携帯電話等)のハウジングなど 使用されるものである。

 前述した従来技術では、長繊維強化樹脂 トランド(棒状組成物)を引き取りつつ、該 トランドに回転力を与えて撚りをかけるよ にしたものであるから、長繊維強化樹脂ス ランド表面に樹脂層が形成される。その結 、強化用繊維束を構成する強化繊維の破断 毛羽立ちが少なくなるとともに、当該樹脂 がダイとの間に潤滑作用を発揮し、低い引 抜き力(引き取り力)での安定運転が可能であ ると考えられる。

 しかしながら、前記従来技術においては、 レット長手方向に垂直な方向のペレット断 の断面積中に占める強化用繊維束の断面積 比率である体積充填率V f の値によっては、撚りをかけることで強化用 繊維束がペレット断面の中心部へ絞られた状 態となることが生じ、その結果、ペレットの 外周表面樹脂層が厚くなる。このため、この ような長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットを用 いて射出成形を行うと、射出成形機内で該ペ レットを加熱溶融させる際に、外周表面樹脂 層が厚いため該ペレットの中心部に存在する 強化用繊維束への熱伝達が悪くなる。その結 果、射出成形品における強化用繊維束の分散 が悪く、射出成形品の外観や、その強度など の機械的特性を低下させるという問題があっ た。

特許第3114311号明細書(第1頁、図1)

 本発明の目的は、撚りが付与された樹脂 浸強化用繊維束からなる棒状組成物が所定 さに切断されてペレット化された長繊維強 熱可塑性樹脂ペレットであって、外周表面 脂層が適正な厚みとされていることにより 出成形品における強化用繊維束の分散性が く、射出成形品の外観や、補強効果を十分 発現して射出成形品の機械的強度を満たす とができる長繊維強化熱可塑性樹脂ペレッ 、及びその製造方法を提供することにある

 前記の課題を解決するため、本願発明で 、次の技術的手段を講じている。

 本発明は、棒状組成物から切断された長繊 強化熱可塑性樹脂ペレットであって、前記 状組成物は、長尺の強化用繊維束とこの強 用繊維束に含浸された溶融熱可塑性樹脂と 有する樹脂含浸強化用繊維束に撚りがかけ れて形成されたものであり、前記強化用繊 束が、直径4~30μmのモノフィラメント繊維の 束であり、ペレット長手方向に垂直な方向の ペレット断面の断面積中に占める強化用繊維 束の断面積の比率である体積充填率V f が70%~20%の範囲であり、P=L/d(L:棒状組成物一回 転あたりに棒状組成物長手方向に撚りが進む 長さ、d:棒状組成物の断面の面積相当円直径) で表される撚りピッチPが2.5~36(m/rev・m)の範囲 で与えられていることを特徴とする長繊維強 化熱可塑性樹脂ペレットである。

 なお、「面積相当円直径」は、棒状組成 の断面積が円形の場合にはその断面直径寸 を、棒状組成物の断面形状が円形でない場 にはその断面積を有するものとして想定さ る円の直径寸法を示すものとして使用する のである。

 本発明は、棒状組成物から切断された長繊 強化熱可塑性樹脂ペレットであって、前記 状組成物は、長尺の強化用繊維束とこの強 用繊維束に含浸された溶融熱可塑性樹脂と 有する樹脂含浸強化用繊維束に撚りがかけ れて形成されたものであり、前記強化用繊 束が、直径4~30μmのモノフィラメント繊維の 束であり、ペレット長手方向に垂直な方向の ペレット断面の断面積中に占める強化用繊維 束の断面積の比率である体積充填率V f が70%~20%の範囲であり、前記ペレット断面に ける該断面の面積に対し当該断面おける強 用繊維束の最外周部分を囲う仮想線の内側 面積の占める比率A f が、前記体積充填率V f が70%≧V f >50%においては、(1.8V f -0.01V f 2 )%≦A f ≦95%の範囲であり、前記体積充填率V f が50%≧V f ≧20%においては、(2.3V f -0.02V f 2 )%≦A f ≦95%の範囲であることを特徴とする長繊維強 化熱可塑性樹脂ペレットである。

 本発明は、長尺の強化用繊維束に溶融熱可 性樹脂を含浸させつつ、該樹脂含浸強化用 維束をこれに撚りをかけながら引き取り、 りが付与された樹脂含浸強化用繊維束から る棒状組成物を所定長さに切断して形成さ る長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの製造 法であって、前記強化用繊維束として、直 4~30μmのモノフィラメント繊維の束を用い、 該モノフィラメント繊維の本数を設定し、棒 状組成物長手方向に垂直な方向の棒状組成物 断面の断面積中に占める強化用繊維束の断面 積の比率である体積充填率V f が70%~20%の範囲を満たすように強化用繊維束 溶融熱可塑性樹脂を含浸させるとともに、 樹脂含浸強化用繊維束を、P=L/d(L:棒状組成物 一回転あたりに棒状組成物長手方向に撚りが 進む長さ、d:棒状組成物の断面の面積相当円 径)で表される撚りピッチPが2.5~36(m/rev・m)の 範囲を満たすように撚り角度を設定して、撚 りをかけながら引き取ることを特徴とする長 繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの製造方法で ある。

 本発明は、長尺の強化用繊維束に溶融熱可 性樹脂を含浸させつつ、該樹脂含浸強化用 維束をこれに撚りをかけながら引き取り、 りが付与された樹脂含浸強化用繊維束から る棒状組成物を所定長さに切断して形成さ る長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの製造 法であって、前記強化用繊維束として、直 4~30μmのモノフィラメント繊維の束を用い、 該モノフィラメント繊維の本数を設定し、棒 状組成物長手方向に垂直な方向の棒状組成物 断面の断面積中に占める強化用繊維束の断面 積の比率である体積充填率V f が70%~20%の範囲を満たすように強化用繊維束 溶融熱可塑性樹脂を含浸させるとともに、 樹脂含浸強化用繊維束を、前記棒状組成物 面における該断面の面積に対し当該断面お る強化用繊維束の最外周部分を囲う仮想線 内側の面積の占める比率A f が、前記体積充填率V f が70%≧V f >50%においては、(1.8V f -0.01V f 2 )%≦A f ≦95%の範囲を満たし、前記体積充填率V f が50%≧V f ≧20%においては、(2.3V f -0.02V f 2 )%≦A f ≦95%の範囲を満たすように撚り角度を設定し て、撚りをかけながら引き取ることを特徴と する長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの製造 方法である。

図1は、本発明の長繊維強化熱可塑性樹 脂ペレットを製造するための製造装置の一例 を示す構成説明図である。 図2は、図1における撚り機の説明図で る。 図3は、図2に示す撚りローラによる撚 角度を説明するための図である。 図4は、長繊維強化熱可塑性樹脂ペレッ トの模式図である。 図5は、強化用繊維束の体積充填率Vfを 明するための図である。 図6は、強化用繊維束の分散状態を表す比率A f を説明するための図である。 図7は、比率A f を説明するための図である。 図8は、比率A f の下限値を導いた手順を説明するための図で ある。

 以下、本発明について説明する。

 図1は本発明の長繊維強化熱可塑性樹脂ペ レットを製造するための製造装置の一例を示 す構成説明図である。

 図1に示すように、各ボビン5から繰り出 れたモノフィラメント繊維(ロービング)1か なる強化用繊維束2(ロービング束)は、予熱 理を行うために、上下に配された一対の加 用ローラ8A,8Bを備えた予熱用加熱装置7に導 れる。強化用繊維束2は、複数本のガイドバ 6によってバックテンションがかけられなが ら、この一対の加熱用ローラ8A,8Bに交互に複 回巻き掛けられることにより、加熱されて る加熱用ローラ8A,8Bに密着して接触するこ による接触加熱によって昇温される。

 この予熱用加熱装置7の直ぐ下流側には、 スクリュ10を内蔵する押出機9と、この押出機 9から溶融樹脂(溶融した熱可塑性樹脂)3が連 供給され、かつ、前記予熱用加熱装置7から 昇温された強化用繊維束2が導かれる含浸ヘ ッド(溶融樹脂浴容器)11とが設けられている この含浸ヘッド11の内には、連続的に導入さ れる強化用繊維束2に溶融樹脂3を含浸させる めの複数個の含浸ローラ12が配設されてい 。これら含浸ローラ12と後述する撚り機15と 間で、溶融樹脂3が含浸された強化繊維束2 対して撚りが付与され、樹脂含浸強化用繊 束からなる長繊維強化樹脂ストランド(棒状 成物)4が形成される。含浸ヘッド11の出口に は、含浸ヘッド11から引き取られる高温の長 維強化樹脂ストランド(棒状組成物)4の賦形( 賦型)を行うダイ13が取り付けられている。

 このダイ13が取り付けられた含浸ヘッド11 の下流側には、含浸ヘッド11からの高温の長 維強化樹脂ストランド4を冷却水中で冷却す る冷却装置14が設けられている。また、この 却装置14の直ぐ下流側には、樹脂含浸強化 繊維束に撚りを付与する機能を有し、かつ 上流側からの長繊維強化樹脂ストランド4を き取る機能を有する撚り機15が設けられて る。さらに、撚り機15の下流側には、長繊維 強化樹脂ストランド4を所定長さに切断して レット化するペレタイザー17が設けられてい る。

 図2は図1における撚り機の説明図、図3は 2に示す撚りローラによる撚り角度を説明す るための図である。

 撚り機15は、それぞれの回転軸線を平行 平面(水平面)上に保持し、かつ、該回転軸線 を交差させた状態で上流側からの長繊維強化 樹脂ストランド4を挟むように対向配置され 一対の撚りローラ16A,16Bにより構成されてい 。つまり、図2における上側の撚りローラ16A の回転軸線と下側の撚りローラ16Bの回転軸線 とは、長繊維強化樹脂ストランド4の引き取 方向(走行方向)と直交する向きでなく、平面 視において引き取り方向に対して互いに相反 する方向に、かつ同角度をなして所定角度ず れた向きに設定されている。

 そして、図3に示すように、平面視におい て、撚りローラ16A(16B)の回転軸線aと直交する 線と、長繊維強化樹脂ストランド4の引き取 方向(走行方向)とのなす角度を撚り角度θと て定めている。なお、金属製の撚りローラ1 6A,16Bは、ローラ表面(ローラ外周面)全体にわ ってローレット加工による微小凹凸が形成 れている。

 このように構成される製造装置において まず、強化用繊維束2は、一対の加熱用ロー ラ8A,8Bに導かれ、該加熱用ローラ8A,8Bに交互 複数回巻き掛けられることで接触加熱によ て昇温された状態で、含浸ヘッド11内に導か れる。強化用繊維束2は、押出機9から供給さ た高温の溶融樹脂3が充満されている含浸ヘ ッド11内の各含浸ローラ12を通過している過 で樹脂含浸を受け、樹脂含浸強化用繊維束 なされる。また、この樹脂含浸強化用繊維 は、撚りローラ16A,16Bによる撚り動作により 含浸ヘッド11内の下流側の含浸ローラ12を出 発点として撚りが生成・成長する。このよう に、強化用繊維束2に押出機9から供給された 融樹脂3を含浸させつつ、該樹脂含浸強化用 繊維束に撚りを付与し、含浸ヘッド11から撚 が付与された樹脂含浸強化用繊維束からな 長繊維強化樹脂ストランド4が連続的に引き 取られる。

 そして、含浸ヘッド11からダイ13を経て連 続的に引き取られる高温の長繊維強化樹脂ス トランド4は、冷却装置14によって冷却硬化さ れて、撚りローラ16A,16Bへと導かれる。冷却 置14からの冷却が施された長繊維強化樹脂ス トランド4に対して、所定の撚り角度θが設定 された撚りローラ16A,16Bにより、撚り動作と き取りとが行われる。そして、撚り機15の下 流側に導かれた断面円形状の長繊維強化樹脂 ストランド(棒状組成物)4は、ペレタイザー17 所定長さに切断されて、長繊維強化熱可塑 樹脂ペレット(以下、単に長繊維ペレットと 言うこともある)となされる(図4参照)。

 以下、より詳しく本発明について説明する 前述したように、撚りローラ(16A,16B)は、樹 含浸強化用繊維束に撚りをかけ、この撚り 付与された樹脂含浸強化用繊維束である長 維強化樹脂ストランド(以下、単に長繊維ス トランドと言うこともある)の引き取りを行 ものである。この撚りローラの回転数をN(rpm )、該ローラ直径をD(m)、撚り角度θ(°)とする 、図2及び図3から分かるように、長繊維ス ランドの引き取り速度V(m/min)は、式(1)で表さ れる。一方、長繊維ストランドの回転方向速 度v(m/min)は、式(2)で表される。そして、長繊 ストランドの断面の面積相当円直径として められる長繊維ストランド径をd(m)とすると 、長繊維ストランドの回転数n(rpm)は、式(3)で 与えられる。

 以上の結果から,1mあたりの長繊維ストラン の撚り数Xは,長繊維ストランドの回転数nを 繊維ストランドの引き取り速度Vで割ったと ころの式(4)で求められる。この式(4)から、前 記撚り数X(rev/m)は、長繊維ストランド径dと撚 り角度θとで決まることがわかる。

 また、この場合の撚り単位長さ(1回転の撚 がかけられる長繊維ストランド長さ)L(m/rev) 、式(5)で示される。そして、長繊維ストラ ド径dに依存しない撚りピッチP(m/rev・m)は、 (6)で与えられる。また、式(4),(6)より、撚り 数Xと撚りピッチPとの関係は、式(7)で表され 。

 一方、強化用繊維束の体積充填率V f (%)は、図5に示すように、長繊維ストランド d(長繊維ストランドの断面の面積相当円直径 )と、導入されるモノフィラメント繊維(ロー ング)の本数とで決まる。すなわち、強化用 繊維束の体積充填率V f は、長繊維ストランド長手方向(ペレット長 方向)に垂直な方向のストランド断面(ペレッ ト断面)の断面積中に占める強化用繊維束の 面積の比率である。強化用繊維束の占める 算上の断面積S fcalc (m 2 )は、図5に示すように,モノフィラメント繊維 (ロービング)の直径をd f 、本数をmとすると、式(8)で求められる。さ に、長繊維ストランド(長繊維ペレット)の断 面積Ss(m 2 )は、式(9)で求められる。そして、強化用繊 束の体積充填率V f は、式(10)に示すように、前記断面積S s に対する前記断面積S fcalc
の比率で求められることになる。

 強化用繊維束の重量含有率W f (%)は、長繊維ストランド(長繊維ペレット)を 成している熱可塑性樹脂及び当該強化用繊 束の比重をそれぞれの占める体積含有率に けて重量比率を求め,長繊維ストランドに対 する強化用繊維束の重量の比率として求めれ ばよい。このような関係から、特定された熱 可塑性樹脂及び強化用繊維束の組合せにおい ては、モノフィラメント繊維(ロービング)の 数を定め、強化用繊維束の体積充填率V f を設定すれば、自ずと長繊維ストランド径(= 繊維ペレット径)dが決まることとなる。そ て、長繊維ストランド径dに合わせて撚り角 θを設定すれば、式(4)により撚り数Xが決ま 、撚りピッチPが決まることになる。

 したがって、強化用繊維束内の繊維の本数 設定し、強化用繊維束の体積充填率V f が所定の範囲を満たすように調整して強化用 繊維束に溶融熱可塑性樹脂を含浸させるとと もに、該樹脂含浸強化用繊維束を、撚りピッ チPが所定の範囲を満たすように撚り角度θを 設定(調整)して、撚りをかけながら引き取り 得られた長繊維ストランドを所定長さに切 することにより、適正な厚みの外周表面樹 層が形成された長繊維ペレットを得ること できる。

 この場合、強化用繊維束の体積充填率Vfは 70%~20%の範囲がよい。体積充填率V f が20%未満では、補強効果が不十分で射出成形 品の機械的強度を満足することができず、一 方、体積充填率V f が70%を超えて過度に強化用繊維束が多くなる と、強化用繊維束への溶融熱可塑性樹脂の含 浸が困難となって長繊維ストランドの引き取 り運転ができなくなる。なお、用いるモノフ ィラメント繊維(ロービング)としては、強度 取り扱い易さなどの点から、直径4~30μmのモ ノフィラメント繊維がよい。

 強化用繊維束の体積充填率V f が所定範囲に設定された場合、長繊維ストラ ンド(長繊維ペレット)の外周表面樹脂層を適 な厚みとするには、体積充填率V f が高くなるに従って撚りピッチPを小さくし 撚り数Xを多くすることで、外周表面樹脂層 厚みが薄くならないようにし、逆に体積充 率V f が低くなるに従って撚りピッチPを大きくし 撚り数Xを少なくすることで、外周表面樹脂 の厚みが過大にならないようにすることが きる。この場合、撚りピッチPは、式(6)に示 すように、撚り角度θによって調整すること できる。撚り角度θを小さくするに従って りピッチPが大きくなって撚り数Xが減少し、 逆に撚り角度θを大きくするに従って撚りピ チPが小さくなって撚り数Xが増加する。

 そして、撚りピッチPは、体積充填率V f が70%~20%の範囲において、2.5~36(m/rev・m)の範囲 がよく、より好ましくは、体積充填率V f が70%≧V f >50%では、2.5(m/rev・m)≦P<6.0(m/rev・m)の範 がよく、体積充填率V f が50%≧V f ≧20%では、6.0(m/rev・m)≦P≦36(m/rev・m)の範囲 よい。

 体積充填率V f が70%≧V f >50%において撚りピッチPが2.5(m/rev・m)未満 は、また、体積充填率V f が50%≧V f ≧20%において撚りピッチPが6.0(m/rev・m)未満で は、撚りをかけすぎの状態(ペレット断面中 部へ強化用繊維束が集まりすぎた状態)で長 維ペレットの外周表面樹脂層の厚みが過大 射出成形品における強化用繊維束の分散性 悪く、射出成形品の外観や、補強効果を十 に発現して射出成形品の機械的強度を満足 ることができない。

 一方、体積充填率V f が70%≧V f >50%において撚りピッチPが6.0(m/rev・m)以上 は、また、体積充填率V f が50%≧V f ≧20%において撚りピッチPが36(m/rev・m)超では 撚りが不十分の状態(ペレット断面周辺部へ 強化用繊維束が分散しすぎた状態)で長繊維 レットの外周表面樹脂層の厚みが薄すぎる のとなり、長繊維ストランドの製造時にモ フィラメント繊維の折損や毛羽の発生に起 する長繊維ストランドの破断を起こし易く る。

 このように、強化用繊維束として直径4~30μm のモノフィラメント繊維(ロービング)の束を い、該モノフィラメント繊維の本数を設定 、強化用繊維束の体積充填率V f が70%~20%の範囲を満たすように強化用繊維束 溶融熱可塑性樹脂を含浸させるとともに、 樹脂含浸強化用繊維束を、撚りピッチPが2.5~ 36(m/rev・m)の範囲、より好ましくは、70%≧V f >50%では、2.5(m/rev・m)≦P<6.0(m/rev・m)の範 を満たすように、50%≧V f ≧20%では、6.0(m/rev・m)≦P≦36(m/rev・m)の範囲 満たすように、撚り角度θを設定して、撚り をかけながら引き取り、得られた長繊維スト ランドを所定長さに切断することにより、適 正な厚みの外周表面樹脂層が形成された長繊 維ペレットを得ることができる。

 表1は、撚り角度θ、撚りピッチP、長繊維 ストランド径d、及び撚り数Xの具体的数値の を示すものである。

 そしてさらに、発明者らは、長繊維ペレッ 断面(長繊維ストランド断面)における強化 繊維束の分散状態を表す指標である比率A f を見出し、強化用繊維束の体積充填率V f に対応させて強化用繊維束の分散状態を表す 比率A f が所定範囲を満たすようにした。これにより 、強化用繊維束の特性の相違や、製造装置の 特性のばらつき等があっても、より確実に、 適正な厚みの外周表面樹脂層が形成された長 繊維ペレットを得ることができる。

 すなわち、強化用繊維束の分散状態を表す 率A f (%)は、図6、図7に示すように、長繊維ペレッ 断面(長繊維ストランド断面)の面積S S (m 2 )に対し当該断面おける強化用繊維束の最外 部分を囲う仮想線bの内側の面積S freal (m 2 )の占める比率(%)である。
 A f =(S freal /S S )×100…(11)

 比率A f は、ある長繊維ペレット断面(長繊維ストラ ド断面)の値に対して、使用されているモノ ィラメント繊維の数、すなわち体積充填率V f に依存するとともに、撚りピッチPによって 化する。すなわち、体積充填率V f が高くなるほど比率A f は大きくなる傾向となり、撚りピッチPが大 くなる(撚り数が少なくなる)ほど、強化用繊 維束を集束させるねじり力が小さくなるため 、比率A f は大きくなる。

 そして、この比率A f は、体積充填率V f が70%≧Vf>50%においては、(1.8V f -0.01V f 2 )%≦A f ≦95%の範囲がよく、体積充填率V f が50%≧V f ≧20%においては、(2.3V f -0.02V f 2 )%≦A f ≦95%の範囲であることがよい。

 すなわち、体積充填率V f が70%≧V f >50%において比率A f が下限値:(1.8V f -0.01V f 2 )%を下回ると、また、体積充填率V f が50%≧V f ≧20%において比率A f が下限値:(2.3V f -0.02V f 2 )%を下回ると、ペレット断面中央部へ強化用 維束が集まりすぎた状態となり長繊維ペレ トの外周表面樹脂層の厚みが過大なため、 出成形品における強化用繊維束の分散性が く、射出成形品の外観や、補強効果を十分 発現して射出成形品の機械的強度を満足す ことができない。

 一方、体積充填率V f が70%≧V f >50%において比率A f がその上限値95を上回ると、また、体積充填 V f が50%≧V f ≧20%において比率A f がその上限値95を上回ると、ペレット断面周 部へ強化用繊維束が分散しすぎた状態とな 長繊維ペレットの外周表面樹脂層の厚みが すぎて不足するため、長繊維ストランドの 造時にモノフィラメント繊維の折損や毛羽 発生に起因する長繊維ストランドの破断を こし易くなる。

 ここで、比率A f に関して、70%≧V f >50%における下限値:(1.8V f -0.01V f 2 )%、及び、50%≧V f ≧20%における下限値:(2.3V f -0.02V f 2 )%は、以下の手順にて導いたものである。

 すなわち、(i)体積充填率V f が70%~20%の範囲において撚りピッチPを種々変 て得られた個々の長繊維ペレットについて そのペレット断面のSEM観察に基づいて、長 維ペレットの断面積S s 、及び該ペレット断面における前記仮想線b 内側の前記面積S freal を、画像処理装置によって実測し、前記の式 (11)から、比率A f を求める。(ii)前記個々の長繊維ペレットに いて、(A f /V f )の値を算出する。(A f /V f )の値は、設定された当該体積充填率V f に対する強化用繊維束の分散状態を表してい る。(iii)50%≧V f ≧20%において、良好な射出成形品が得られる (A f /V f )の値の下限を求め、それらの値による経験 (回帰式)を作成し(図8参照)、(A f /V f )=-0.02V f +2.3という関係から、比率A f の下限値=(2.3V f -0.02V f 2 )%としたものである。(iv)また、70%≧V f >50%において、良好な射出成形品が得られ (A f /V f )の値の下限を求め、それらの値による経験 (回帰式)を作成し(図8参照)、(A f /V f )=-0.01V f +1.8という関係から、比率A f の下限値=(1.8V f -0.01V f 2 )%としたものである。

 このように、強化用繊維束として直径4~30μm のモノフィラメント繊維(ロービング)の束を い、該モノフィラメント繊維の本数を設定 、強化用繊維束の体積充填率V f が70%~20%の範囲を満たすように強化用繊維束 溶融熱可塑性樹脂を含浸させるとともに、 樹脂含浸強化用繊維束を、強化用繊維束の 散状態を表す比率A f が、70%≧V f >50%では、(1.8V f -0.01V f 2 )%≦A f ≦95%の範囲を満たすように、50%≧V f ≧20%では、(2.3V f -0.02V f 2 )%≦A f ≦95%の範囲を満たすように、撚り角度を設定 して、撚りをかけながら引き取り、得られた 長繊維ストランドを所定長さに切断すること により、適正な厚みの外周表面樹脂層が形成 された長繊維ペレットを得ることができる。

 なお、上述した具体的実施形態には以下 構成を有する発明が主に含まれている。

 本発明は、棒状組成物から切断された長繊 強化熱可塑性樹脂ペレットであって、前記 状組成物は、長尺の強化用繊維束とこの強 用繊維束に含浸された溶融熱可塑性樹脂と 有する樹脂含浸強化用繊維束に撚りがかけ れて形成されたものであり、前記強化用繊 束が、直径4~30μmのモノフィラメント繊維の 束であり、ペレット長手方向に垂直な方向の ペレット断面の断面積中に占める強化用繊維 束の断面積の比率である体積充填率V f が70%~20%の範囲であり、P=L/d(L:棒状組成物一回 転あたりに棒状組成物長手方向に撚りが進む 長さ、d:棒状組成物の断面の面積相当円直径) で表される撚りピッチPが2.5~36(m/rev・m)の範囲 で与えられていることを特徴とする長繊維強 化熱可塑性樹脂ペレットである。

 なお、「面積相当円直径」は、棒状組成 の断面積が円形の場合にはその断面直径寸 を、棒状組成物の断面形状が円形でない場 にはその断面積を有するものとして想定さ る円の直径寸法を示すものとして使用する のである。

 前記長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットにお て、前記体積充填率V f が70%≧V f >50%においては、前記撚りピッチPが2.5(m/rev m)≦P<6.0(m/rev・m)の範囲で与えられおり、 記体積充填率V f が50%≧V f ≧20%においては、前記撚りピッチPが6.0(m/rev m)≦P≦36(m/rev・m)の範囲で与えられているこ が好ましい。

 前記長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットにお て、前記ペレット断面の面積に対し当該断 おける強化用繊維束の最外周部分を囲う仮 線の内側の面積の占める比率A f が、前記体積充填率V f が70%≧V f >50%においては、(1.8V f -0.01V f 2 )%≦A f ≦95%の範囲であり、前記体積充填率V f が50%≧V f ≧20%においては、(2.3V f -0.02V f 2 )%≦A f ≦95%の範囲であることが好ましい。

 本発明は、棒状組成物から切断された長繊 強化熱可塑性樹脂ペレットであって、前記 状組成物は、長尺の強化用繊維束とこの強 用繊維束に含浸された溶融熱可塑性樹脂と 有する樹脂含浸強化用繊維束に撚りがかけ れて形成されたものであり、前記強化用繊 束が、直径4~30μmのモノフィラメント繊維の 束であり、ペレット長手方向に垂直な方向の ペレット断面の断面積中に占める強化用繊維 束の断面積の比率である体積充填率V f が70%~20%の範囲であり、前記ペレット断面に ける該断面の面積に対し当該断面おける強 用繊維束の最外周部分を囲う仮想線の内側 面積の占める比率A f が、前記体積充填率V f が70%≧V f >50%においては、(1.8V f -0.01V f 2 )%≦A f ≦95%の範囲であり、前記体積充填率V f が50%≧V f ≧20%においては、(2.3V f -0.02V f 2 )%≦A f ≦95%の範囲であることを特徴とする長繊維強 化熱可塑性樹脂ペレットである。

 本発明は、長尺の強化用繊維束に溶融熱可 性樹脂を含浸させつつ、該樹脂含浸強化用 維束をこれに撚りをかけながら引き取り、 りが付与された樹脂含浸強化用繊維束から る棒状組成物を所定長さに切断して形成さ る長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの製造 法であって、前記強化用繊維束として、直 4~30μmのモノフィラメント繊維の束を用い、 該モノフィラメント繊維の本数を設定し、棒 状組成物長手方向に垂直な方向の棒状組成物 断面の断面積中に占める強化用繊維束の断面 積の比率である体積充填率V f が70%~20%の範囲を満たすように強化用繊維束 溶融熱可塑性樹脂を含浸させるとともに、 樹脂含浸強化用繊維束を、P=L/d(L:棒状組成物 一回転あたりに棒状組成物長手方向に撚りが 進む長さ、d:棒状組成物の断面の面積相当円 径)で表される撚りピッチPが2.5~36(m/rev・m)の 範囲を満たすように撚り角度を設定して、撚 りをかけながら引き取ることを特徴とする長 繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの製造方法で ある。

 前記長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの製 方法において、前記体積充填率V f が70%≧V f >50%においては、前記撚りピッチPが2.5(m/rev m)≦P<6.0(m/rev・m)の範囲を満たし、前記体 充填率V f が50%≧V f ≧20%においては、前記撚りピッチPが6.0(m/rev m)≦P≦36(m/rev・m)の範囲を満たすように、前 撚り角度を設定することが好ましい。

 前記長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの製 方法において、前記棒状組成物断面におけ 該断面の面積に対し当該断面おける強化用 維束の最外周部分を囲う仮想線の内側の面 の占める比率A f が、前記体積充填率V f が70%≧V f >50%においては、(1.8V f -0.01V f 2 )%≦A f ≦95%の範囲を満たし、前記体積充填率V f が50%≧V f ≧20%においては、(2.3V f -0.02V f 2 )%≦A f ≦95%の範囲を満たすように、前記撚り角度を 設定することが好ましい。

 本発明は、長尺の強化用繊維束に溶融熱可 性樹脂を含浸させつつ、該樹脂含浸強化用 維束をこれに撚りをかけながら引き取り、 りが付与された樹脂含浸強化用繊維束から る棒状組成物を所定長さに切断して形成さ る長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの製造 法であって、前記強化用繊維束として、直 4~30μmのモノフィラメント繊維の束を用い、 該モノフィラメント繊維の本数を設定し、棒 状組成物長手方向に垂直な方向の棒状組成物 断面の断面積中に占める強化用繊維束の断面 積の比率である体積充填率V f が70%~20%の範囲を満たすように強化用繊維束 溶融熱可塑性樹脂を含浸させるとともに、 樹脂含浸強化用繊維束を、前記棒状組成物 面における該断面の面積に対し当該断面お る強化用繊維束の最外周部分を囲う仮想線 内側の面積の占める比率A f が、前記体積充填率V f が70%≧V f >50%においては、(1.8V f -0.01V f 2 )%≦A f ≦95%の範囲を満たし、前記体積充填率V f が50%≧V f ≧20%においては、(2.3V f -0.02V f 2 )%≦A f ≦95%の範囲を満たすように撚り角度を設定し て、撚りをかけながら引き取ることを特徴と する長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの製造 方法である。

<実施例>
 図1に示す製造装置を用い、熱可塑性樹脂と してポリプロピレン(比重:0.9g/cm3)を使用し、 ラス繊維のモノフィラメント繊維(比重:2.5g/ cm3、繊維径df:17μm)を使用し、長繊維ストラン ドを製造し、これを切断して直径3.0mm×長さ6m mの長繊維ペレットを製造した。

 得られた長繊維ペレットの断面をSEM(走査電 子顕微鏡)観察し、ペレット断面におけるガ ス繊維束の分布状態(外周表面樹脂層の厚み 合い)を観察するとともに、強化用繊維束の 分散状態を表す前記比率A f (%)を測定した。なお、後述の表2において、 レット断面におけるガラス繊維束(強化用繊 束)の分布状態の評価は、外周表面樹脂層の 厚みが適正であるもの(比率A f が本発明で規定する範囲を満たすもの)を○ し、外周表面樹脂層の厚みが適正範囲から れているものを×とした。

 また、得られた長繊維ペレットを成形原 として使用し、型締め力が100トンの射出成 機(40mmφのフルフライト型スクリュ)を用い 短冊形状(長さ200mm×幅15mm×厚み2mm)の試験片 射出成形した。なお、射出成形品(短冊形状 験片)の繊維含有率が20%となるように、実施 例、比較例の各ペレットを適宜樹脂ペレット で希釈して使用した。

 そして、射出成形品(短冊形状試験片)の 面状態を目視観察し、成形品表面に未分散 ガラス繊維束が存在しているか否かを調べ 。なお、後述の表2において、射出成形品の 面状態の評価は、未分散のガラス繊維束が 在していない良好なものを○とし、未分散 ガラス繊維束が存在しているものを×とし 。

 実施例1では、前記体積充填率V f が70%~20%の範囲を満たすように強化用繊維束 溶融熱可塑性樹脂を含浸させるとともに、 記撚りピッチPが2.5~36(m/rev・m)の範囲を満た ように撚り角度を設定して、樹脂含浸強化 繊維束を撚りをかけながら引き取るという 造方法を採用した。実施例1では、前記製造 法によって、ペレット径が3.0mm、体積充填 V f が42.2%、撚りピッチPが5.44m/rev・mの長繊維ペ ットを製造した。得られた該長繊維ペレッ の比率A f は、64%であった。

 実施例2~5では、前記体積充填率V f が70%≧V f >50%においては、前記撚りピッチPが2.5(m/rev m)≦P<6.0(m/rev・m)の範囲を満たし、前記体 充填率V f が50%≧V f ≧20%においては、前記撚りピッチPが6.0(m/rev m)≦P≦36(m/rev・m)の範囲を満たすように、前 撚り角度を設定するという製造方法を採用 た。

 実施例2は、前記製造方法によって、ペレッ ト径が3.0mm、体積充填率V f が42.2%、撚りピッチPが8.62m/rev・mの長繊維ペ ットを製造した。得られた該長繊維ペレッ の比率A f は、75%であった。実施例3は、前記製造方法 よって、ペレット径が3.0mm、体積充填率V f が42.2%、撚りピッチPが17.82m/rev・mの長繊維ペ ットを製造した。得られた該長繊維ペレッ の比率A f は、89%であった。

 また、実施例4は、前記製造方法によって、 ペレット径が3.0mm、体積充填率V f が59.0%、撚りピッチPが3.72m/rev・mの長繊維ペ ットを製造した。得られた該長繊維ペレッ の比率A f は、74%であった。実施例5は、前記製造方法 よって、ペレット径が3.0mm、体積充填率V f が29.7%、撚りピッチPが17.82m/rev・mの長繊維ペ ットを製造した。得られた該長繊維ペレッ の比率A f は、81%であった。

 実施例1~5について、ペレット断面におけ ガラス繊維束の分布状態(外周表面樹脂層の 厚み度合い)の観察結果、及び射出成形品(短 形状試験片)の表面状態の観察結果を表2に す。

 表2から分かるように、実施例1~5のいずれ も、良好な結果が得られた。

 一方、比較例1は、実施例4に対して撚りピ チPが本発明で規定する下限値(2.5m/rev・m)か 外れたものである。このため、比較例1の長 維ペレットは、撚りをかけすぎの状態(ペレ ット断面中央部へ強化用繊維束が集まりすぎ た状態)であってその外周表面樹脂層の厚み 過大であった。そのため、射出成形に際し 可塑化し難いため、成形品表面に未分散の ラス繊維束が残っていた。なお、比較例1の 繊維ペレットの比率A f は、70%であり、本発明で規定する比率A f の下限値71.4%を下回っていた。

 また、比較例2は、実施例4に対して撚りピ チPが本発明で規定する上限値(6.0m/rev・m未満 )から外れたものである。このため、比較例2 長繊維ペレットは、撚りが不十分の状態(ペ レット断面周辺部へ強化用繊維束が分散しす ぎた状態)であってその外周表面樹脂層の厚 が薄すぎるものであった。そのため、長繊 ストランドの製造時にモノフィラメント繊 の折損や毛羽の発生に起因する長繊維スト ンドの破断が発生した。なお、比較例2の長 維ペレットの比率A f は、99%であり、本発明で規定する比率A f の上限値95%を上回っていた。

 また、比較例3は、体積充填率V f が本発明で規定する下限値(20%)からから外れ ものである。このため、比較例3の長繊維ペ レットは、強化用繊維による補強効果が不十 分なものであり、射出成形品の機械的強度を 満足することができないものであった。なお 、この比較例3では、長繊維ストランドの製 時にモノフィラメント繊維の折損や毛羽の 生に起因する長繊維ストランドの破断は発 しなかった。

 また、比較例4は、体積充填率V f が本発明で規定する上限値(70%)からから外れ ものである。このため、比較例4では、長繊 維ペレットの製造に際し、強化用繊維束が多 すぎるため、強化用繊維束への溶融熱可塑性 樹脂の含浸が困難となり、引取り抵抗が増大 して強化用繊維束の破断が生じ、長繊維スト ランドの引き取り運転ができなくなった。

 本発明の長繊維強化熱可塑性樹脂ペレッ は、撚りが付与された樹脂含浸強化用繊維 からなる棒状組成物が所定長さに切断され ペレット化された長繊維強化熱可塑性樹脂 レットであって、その熱可塑性樹脂中には 撚りがかけられているとともにペレット長 方向(ペレット長さ方向)に連続する強化用 維束が存在するものにおいて、ペレットの 周表面樹脂層が適正な厚みを有している。 のため、射出成形品における強化用繊維束 分散性が良く、射出成形品の外観や、補強 果を十分に発現して射出成形品の機械的強 を満たすことができる。また、本発明の長 維強化熱可塑性樹脂ペレットの製造方法に れば、長尺の強化用繊維束に溶融熱可塑性 脂を含浸させつつ、該樹脂含浸強化用繊維 をこれに撚りをかけながら引き取り、撚り 付与された樹脂含浸強化用繊維束からなる 状組成物を所定長さに切断して長繊維強化 可塑性樹脂ペレットを製造するに際し、撚 がかけられているとともにペレット長手方 に連続する強化用繊維束が熱可塑性樹脂中 存在するものであって、適正な厚みの表面 脂層が形成された長繊維強化熱可塑性樹脂 レットを得ることができる。