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Patent Searching and Data


Title:
CONTRA-ROTATING PROPELLER MARINE PROPULSION DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/087832
Kind Code:
A1
Abstract:
Lubricant oil (45) serving as second lubricant oil is supplied into an outer shaft intermediate shaft (11c) by a lubricant oil supply unit (50) and accumulated therein, and thereby the lubricant oil (45) is supplied to a contra-rotating front seal unit (37). Thus, by bringing the front side of the contra-rotating front seal unit (37) (seal ring (37b)) into a wet state by the lubricant oil (45), heat generation can be reduced and the life of the contra-rotating front seal unit (37) can be extended.

Inventors:
SHUTO HIDEKI (JP)
NISHIYAMA SAIKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/071643
Publication Date:
July 16, 2009
Filing Date:
November 28, 2008
Export Citation:
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Assignee:
IHI MARINE UNITED INC (JP)
SHUTO HIDEKI (JP)
NISHIYAMA SAIKI (JP)
International Classes:
B63H5/10; B63H21/38; B63H23/16; B63H23/34; F16J15/16
Foreign References:
JPH0187996U1989-06-09
JPS6194611U1986-06-18
JPS62181998A1987-08-10
JPS6366400U1988-05-02
JPH0710085A1995-01-13
Other References:
See also references of EP 2230172A4
Attorney, Agent or Firm:
HOTTA, Minoru (4FKenchiku-Kaikan, 26-20,Shiba 5-chome, Minato-k, Tokyo 14, JP)
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Claims:
 後端部に前プロペラが取り付けられ船体に回転可能に支持された中空状の外軸と、後端部に後プロペラが取り付けられ前記外軸の内部に回転可能に支持された内軸と、前記外軸と前記内軸との間に軸方向に間隔を置いて設けられ前記内軸を前記外軸に対して回転可能に支持するための二重反転前部軸受及び二重反転後部軸受と、二重反転前部軸受の前方及び二重反転後部軸受の後方にそれぞれ設けられ前記二重反転前部軸受及び前記二重反転後部軸受に供給される第1潤滑油の漏れを防止するための二重反転前部シール装置及び二重反転後部シール装置とを備え、回転駆動源により前記前プロペラと前記後プロペラとを互いに逆方向に回転させる二重反転プロペラ式舶用推進装置において、
 前記外軸は、二重反転前部シール装置を囲み前記回転駆動源側に連結された中空状の外軸中間軸を有しており、
 さらに、前記外軸中間軸の内部に第2潤滑油を供給する潤滑油供給手段を備え、
 前記外軸中間軸の内部に第2潤滑油が溜まることで前記二重反転前部シール装置に第2潤滑油が供給される、ことを特徴とする二重反転プロペラ式舶用推進装置。
 前記外軸中間軸は半径方向に複数に分割可能な構成を備える請求項1記載の二重反転プロペラ式舶用推進装置。
 前記外軸中間軸の前側に、円形開口を有し堰として機能することで当該外軸中間軸に溜まる第2潤滑油の量を調整する油量調整部が設けられ、前記第2潤滑油は前方側から前記円形開口を通って前記外軸中間軸の内部に供給され、
 前記外軸中間軸の内部の前記第2潤滑油は、前記外軸中間軸とともに回転する際の遠心力によって前記外軸中間軸の内周面に張り付いて中空円筒形を成し、
 前記円形開口の開口径は、前記二重反転前部シール装置まで第2潤滑油を供給可能な量の第2潤滑油が前記外軸中間軸の内部に溜まるように設定されており、
 前記外軸中間軸の貯留容量を超える分の第2潤滑油は前記円形開口から排出される、請求項1記載の二重反転プロペラ式舶用推進装置。
 前記二重反転プロペラ式舶用推進装置は、回転駆動源である駆動装置と、該駆動装置の回転駆動力を同芯状に回転可能に設けられた外軸用出力軸と内軸用出力軸から出力する動力伝達装置とを備え、
 前記外軸用出力軸と前記外軸中間軸はギヤカップリングを介して連結されており、
 前記第2潤滑油は前記ギヤカップリングの噛合い部を通って前記外軸中間軸の内部に供給され、前記外軸中間軸の貯留容量を超える分の第2潤滑油は前記円形開口を通って前記ギヤカップリングの下部の噛合い部から排出される、請求項3記載の二重反転プロペラ式舶用推進装置。
 前記動力伝達装置は、歯車伝動機構であり、前記外軸用出力軸及び前記内軸用出力軸を収容するハウジングを有し、
該ハウジングの後側には前記ギヤカップリングを覆い前記ハウジングの内部と連通するフードが設けられ、
 前記第2潤滑油は前記ハウジング側から前記ギヤカップリングに供給される、請求項4記載の二重反転プロペラ式舶用推進装置。
Description:
二重反転プロペラ式舶用推進装 発明の背景

 発明の技術分野
 本発明は、二重反転プロペラ式舶用推進装 に関する。

関連技術の説明
 二重反転プロペラは、前プロペラから流出 る回転エネルギーを、前プロペラとは逆方 に回転する後プロペラで回収し推進力に変 ることで、高いプロペラ効率が得られるよ にしたプロペラシステムである。以下、二 反転プロペラを搭載した舶用推進装置を「 重反転プロペラ式舶用推進装置」と呼ぶ。 重反転プロペラ式舶用推進装置は、例えば 下記特許文献1に開示されている。

 二重反転プロペラ式舶用推進装置の従来 のひとつとして、特許文献1において開示さ れた「二重反転プロペラ装置」を図1に示す 図1の二重反転プロペラ装置100において、後 プロペラ101は主機関(図示せず)に接続され 内軸102の後端部に取り付けられている。前 プロペラ103は反転ギヤ(図示せず)に接続され た外軸104の後端部に取り付けられていて、前 方プロペラ101と後方プロペラ103は互いに反転 駆動されるようになっている。

 内軸102の重量は外軸104の内面に装着され 前部内軸受105と後方プロペラ101のボス内部 装着された後部内軸受106とにより支持され おり、外軸104にかかる重量は船体113に装着 れた前部外軸受107及び後部外軸受108により 持されるようになっている。各軸受105~108に 供給される潤滑油が船外や船内に流出するの を防止するために、前部および後部内軸シー ル装置109,110および前部および後部外軸シー 装置111,112が設けられている。

特開平7-10085号公報

 二重反転プロペラにおいて、前部内軸シ ル装置(以下、二重反転前部シール装置とい う)のシール部は回転摺動によって発熱する 二重反転前部シール装置の後側(船尾側)は二 重反転用の潤滑油によってウエット状態であ るが、前側(船首側)はドライ状態のため、非 に高温になる。このため、二重反転前部シ ル装置の損耗が激しく、二重反転前部シー 装置の寿命を短くする要因となっている。

発明の要約

 本発明は上記の問題に鑑みてなされたも であり、二重反転前部シール装置の前側の 熱を軽減することで二重反転前部シール装 の寿命を延ばすことができる、船舶の推進 置における二重反転シールの潤滑システム 提供することを課題とする。

 上記の課題を解決するため、本発明の二重 転プロペラ式舶用推進装置は、以下の技術 手段を採用する。
(1)本発明は、後端部に前プロペラが取り付け られ船体に回転可能に支持された中空状の外 軸と、後端部に後プロペラが取り付けられ前 記外軸の内部に回転可能に支持された内軸と 、前記外軸と前記内軸との間に軸方向に間隔 を置いて設けられ前記内軸を前記外軸に対し て回転可能に支持するための二重反転前部軸 受及び二重反転後部軸受と、二重反転前部軸 受の前方及び二重反転後部軸受の後方にそれ ぞれ設けられ前記二重反転前部軸受及び前記 二重反転後部軸受に供給される第1潤滑油の れを防止するための二重反転前部シール装 及び二重反転後部シール装置とを備え、回 駆動源により前記前プロペラと前記後プロ ラとを互いに逆方向に回転させる二重反転 ロペラ式舶用推進装置において、前記外軸 、二重反転前部シール装置を囲み前記回転 動源側に連結された中空状の外軸中間軸を しており、さらに、前記外軸中間軸の内部 第2潤滑油を供給する潤滑油供給手段を備え 該外軸中間軸の内部に第2潤滑油が溜まるこ とで前記二重反転前部シール装置に第2潤滑 が供給される、ことを特徴とする。
 ここで、上記の「第2潤滑油」は、外軸中間 軸の内部に供給される潤滑油であれば、外軸 中間軸の内部にのみ供給される専用の潤滑油 でもよく、他の部位の潤滑を目的として使用 される潤滑油であってもよい。本実施形態で は、「潤滑油45」が第2潤滑油に該当する。

 本発明の構成によれば、潤滑油供給手段 よって外軸中間軸の内部に第2潤滑油が供給 されて溜まることで、二重反転前部シール装 置に第2潤滑油が供給される。これにより、 2潤滑油によって二重反転前部シール装置の 側をウエット状態とすることで、発熱を軽 し、二重反転前部シール装置の寿命を延ば ことができる

(2)上記(1)の二重反転プロペラ式舶用推進装 置において、好ましくは、前記外軸中間軸は 半径方向に複数に分割可能な構成を備える。

 上記の構成によれば、外軸中間軸を分解 るだけで、内軸の付帯部品(二重反転前部シ ール装置など)のメンテナンスを簡単に実施 ることができる。

(3)上記(1)の二重反転プロペラ式舶用推進装 置において、好ましくは、前記外軸中間軸の 前側に、円形開口を有し堰として機能するこ とで外軸中間軸に溜まる第2潤滑油の量を調 する油量調整部が設けられ、前記第2潤滑油 前方側から前記円形開口を通って前記外軸 間軸の内部に供給され、前記外軸中間軸の 部の前記第2潤滑油は、前記外軸中間軸とと もに回転する際の遠心力によって前記外軸中 間軸の内周面に張り付いて中空円筒形を成し 、前記円形開口の開口径は、前記二重反転前 部シール装置まで第2潤滑油を供給可能な量 第2潤滑油が前記外軸中間軸の内部に溜まる うに設定されており、前記外軸中間軸の貯 容量を超える分の第2潤滑油は前記円形開口 から排出される。

 上記の構成によれば、外軸中間軸の前側 設けられた油量調整部によって、外軸中間 の内部に溜まる第2潤滑油の量が、二重反転 前部シール装置に第2潤滑油を供給できる一 量に自動的に調整される。これにより、外 中間軸に第2潤滑油を供給するだけで、二重 転前部シール装置に第2潤滑油を供給するの に必要なレベルまで第2潤滑油を溜め、オー ーフロー分は自動的に排出されるので、複 な液面制御機構を用いることなく、貯留量 御を自動的に行うことが可能な潤滑構造を 成することができる。

(4)上記(3)の二重反転プロペラ式舶用推進装 置において、好ましくは、前記二重反転プロ ペラ式舶用推進装置は、回転駆動源である駆 動装置と、該駆動装置の回転駆動力を同芯状 に回転可能に設けられた外軸用出力軸と内軸 用出力軸から出力する動力伝達装置とを備え 、前記外軸用出力軸と前記外軸中間軸はギヤ カップリングを介して連結されており、前記 第2潤滑油は前記ギヤカップリングの噛合い を通って前記外軸中間軸の内部に供給され 前記外軸中間軸の貯留容量を超える分の第2 滑油は前記円形開口を通って前記ギヤカッ リングの下部の噛合い部から排出される。

 上記の構成によれば、ギヤカップリング 噛合い部を通って外軸中間軸の内部に第2潤 滑油が供給される。このため、ギヤカップリ ングを潤滑するための潤滑油をそのまま二重 反転前部シール装置に供給する第2潤滑油と て利用することができる。また、ギヤカッ リングの噛合い部が第2潤滑油の供給口及び 出口として機能するので、第2潤滑油を供給 及び排出するための専用の供給口及び排出口 を設ける必要が無い。

(5)上記(4)の二重反転プロペラ式舶用推進装 置において、好ましくは、前記動力伝達装置 は、歯車伝動機構であり、前記外軸用出力軸 及び前記内軸用出力軸を収容するハウジング を有し、該ハウジングの後側には前記ギヤカ ップリングを覆い前記ハウジングの内部と連 通するフードが設けられ、前記第2潤滑油は 記ハウジング側から前記ギヤカップリング 供給される。

 上記の構成によれば、第2潤滑油は動力伝 達装置のハウジング側からギヤカップリング に供給される。このため、外軸中間軸に潤滑 油を供給するための潤滑油供給系統を動力伝 達装置と共通化することができる。

 本発明の二重反転プロペラ式舶用推進装置 よれば、二重反転前部シール装置の前側の 熱を軽減することで二重反転前部シール装 の寿命を延ばすことができるという優れた 果が得られる。
 

従来技術を示す図である。 本発明の第1実施形態にかかる二重反転 プロペラ式船舶用推進装置の模式平面図であ る。 図2における二重反転前部シール装置及 びギヤカップリング周辺の拡大平面図である 。 図2における二重反転前部シール装置及 びギヤカップリング周辺の拡大側面図である 。 本発明の第2実施形態にかかる二重反転 プロペラ式船舶用推進装置の模式平面図であ る。

好ましい実施例の説明

 以下、本発明の好ましい実施形態を添付 面に基づいて詳細に説明する。なお、各図 おいて共通する部分には同一の符号を付し 重複した説明を省略する。また、以下の説 において、「船首側」と「前側」は同じ意 であり、「船尾側」と「後側」は同じ意味 ある。

 図2は、本発明の第1実施形態にかかる二 反転プロペラ式船舶用推進装置10Aの模式平 図である。図2において、二重反転プロペラ 舶用推進装置10A(以下、単に「推進装置」と 呼ぶことがある)は、前プロペラ13が取り付け られた外軸11と、後プロペラ15が取り付けら た内軸12と、外軸11と内軸12の回転駆動源で る駆動装置30と、駆動装置30の回転駆動力を 軸11と内軸12に伝達する動力伝達装置20Aとを 備える。

 外軸11は、中空状の部品であり、船体2に けられた船尾管3を貫通して設置された外軸 本体11aと、外軸本体11aの先端部に連結固定さ れた外軸用スリーブ軸継手11bと、外軸用スリ ーブ軸継手11bの先端部に連結固定された中空 状の外軸中間軸11cとからなる。

 船尾管3と外軸本体11aとの間には、前側ブ ッシュ5と後側ブッシュ6が設けられており、 れにより、外軸11が船体2に回転可能に支持 れている。前側ブッシュ5と後側ブッシュ6 潤滑するために、船尾管3内には船尾管用潤 油が図示しない船尾管用潤滑油供給装置か 供給される。

 船尾管用潤滑油の機関室側への漏れを防 ために、船尾管3の船首側の端面には、船首 側船尾管シール装置7が設けられている。船 管3内の船尾管用潤滑油の海水側への漏れ及 船尾管3内への海水の侵入を防ぐために、船 尾管3の船尾側の端面には、船尾側船尾管シ ル装置8が設けられている。

 外軸11の後端部に前プロペラ13が取り付け られている。前プロペラ13は中心部にボス13a 有し、このボス13aの船首側端面と外軸11の 尾側端面とが、ボルトなどの連結手段によ て連結固定されている。

 内軸12は、中空状の部品であり、後端部 後プロペラ15が取り付けられ外軸11の内部に 転可能に支持されている。後プロペラ15は 中心部にボス15aを有しており、ボス15aにお て内軸12の後端部に嵌合し、プロペラナット 39によって内軸12に固定されている。

 推進装置10Aにおいて、内軸12を外軸11で回 転可能に支持するため、前側ラジアル軸受35 、後側ラジアル軸受36とが設置されている 図2の構成例において、前側ラジアル軸受35 、外軸用スリーブ軸継手11bと内軸12との間に 配置されており、後側ラジアル軸受36は、前 ロペラ13のボス13aと内軸12との間に配置され ている。なお、前側ラジアル軸受35と後側ラ アル軸受36の配置位置は、上述した位置に られず、例えば、外軸11の先端部及び後端部 と内軸12との間であってもよい。

 推進装置10Aにおいて、外軸11のスラスト 重を受けて内軸12に伝達する二重反転スラス ト軸受40が配置されている。図2の構成例にお いて、二重反転スラスト軸受40は、前プロペ 13のボス13aの内部に設けられている。より 体的には、前プロペラ13のボスと外軸11の間 環状凹部14が形成されており、この環状凹 14に二重反転スラスト軸受40が設けられてい 。二重反転スラスト軸受40は、例えばティ ティングパッド式スラスト軸受であるのが い。

 前側ラジアル軸受35、後側ラジアル軸受36 及び二重反転スラスト軸受40を潤滑するため 外軸11及び前プロペラ13のボス13aと、内軸12 間には、第1潤滑剤である二重反転用潤滑油 が図示しない二重反転用潤滑油供給装置から 供給される。二重反転用潤滑油が漏れ出るの を防止するため、外軸用スリーブ軸継手11bの 船首側端面に二重反転前部シール装置37が配 され、前プロペラ13のボス13aの船尾側端面 二重反転後部シール装置38が配置されている 。

 図2の構成例において採用している駆動装 置30は、外軸11の回転駆動源である第1駆動装 31と、内軸12の回転駆動源である第2駆動装 32とからなる。第1駆動装置31と第2駆動装置32 は、ガスタービンエンジンやディーゼルエン ジンなどの主機関であっても、電動機であっ てもよい。電動モータの場合、例えば、機関 室に一つ又は複数のガスタービン発電機やデ ィーゼル発電機などを搭載し、これを電源と することができる。

 このように外軸11と内軸12とが、それぞれ 独立の駆動源(第1駆動装置31、第2駆動装置32) よって駆動されるので、万が一どちらかの 動源(例えば第1駆動装置31)が故障しても、 方の駆動源(例えば第2駆動装置32)によって前 プロペラ13又は後プロペラ15を駆動すること 、船舶の航行を継続することができる。

 図2の構成例において採用している動力伝 達装置20Aは、第1駆動装置31と第2駆動装置32の 回転駆動力をそれぞれ独立に外軸11と内軸12 伝達するように構成された二重反転歯車伝 装置である。より具体的には、動力伝達装 20Aは、ハウジング21を有しており、ハウジン グ21の内部に外軸用伝達機構18Aと内軸用伝達 構18Bとを備える。図2の構成において、外軸 用伝達機構18Aと内軸用伝達機構18Bはともに歯 車伝達機構で構成されている。

 外軸用伝達機構18Aは、第1駆動装置31の出 軸31aと同軸上に配置され第1駆動装置31から 駆動力が入力される外軸用入力歯車22と、 軸11と同軸上に配置され外軸11に回転駆動力 伝達する中空状の外軸用出力主歯車24と、 軸用入力歯車22と外軸用出力主歯車24との間 配置された外軸用中間小歯車23とを有する

 第1駆動装置31の出力軸31aと外軸用入力歯 22は、据付時の誤差及び船体2変位による軸 変化を吸収できるように、ギヤカップリン 33aを介して連結されている。図2において外 軸用中間小歯車23は一つであるが、複数あっ もよい。

 内軸用伝達機構18Bは、第2駆動装置32の出 軸32aと同軸上に配置され第2駆動装置32から 駆動力が入力される内軸用入力歯車27と、 軸用出力主歯車24の中空部を貫通して挿入さ れており内軸12と同軸上に配置され内軸12に 転駆動力を伝達する内軸用出力主歯車29と、 内軸用入力歯車27と内軸用出力主歯車29との に配置された内軸用中間小歯車28とを有する 。

 第2駆動装置32の出力軸と内軸用入力歯車2 7は、据付時の誤差及び船体2変位による軸心 化を吸収できるように、ギヤカップリング3 3bを介して連結されている。図2において内軸 用中間小歯車28は一つであるが、複数あって よい。内軸用出力主歯車29と内軸12は、内軸 用スリーブ軸継手26によって連結固定されて る。

 推進装置10Aにおいて、内軸12からのスラ ト荷重(内軸12のみのスラスト荷重と外軸11の みのスラスト荷重を合成した荷重)を受けて 体2に伝達する内軸用スラスト軸受41が配置 れている。図2の構成例において、内軸用ス スト軸受41は、動力伝達装置20のハウジング 21の船首側部分に設けられている。このため 内軸12からのスラスト荷重はハウジング21を 介して船体2で支持されている。

 なお、内軸用スラスト軸受41の配置位置 、内軸12からのスラスト荷重を船体2に伝達 きれば上述した位置に限定されない。した って、外軸用出力主歯車24よりも船首側であ れば、ハウジング21内でもよいし、ハウジン 21の外部であってもよい。

 図2の構成例において、外軸用伝達機構18A と内軸用伝達機構18Bはともに歯車伝達機構で あるが、一方又は両方がその他の伝達機構( ルト伝達機構、チェーン伝達機構など)であ てもよい。

 また、図2の構成例において、外軸用伝達 機構18Aと内軸用伝達機構18Bは、単一のハウジ ング21内に収容されているが、別々のハウジ グ21に収容されてもよい。

 外軸用出力主歯車24と外軸11は、中空状の たわみ軸継手19を介して連結されている。図2 の構成例において、たわみ軸継手19はギヤカ プリング19Aであり、外軸用出力軸24がギヤ ップリング19Aの船首側と連結固定されてお 、外軸中間軸11cがギヤカップリング19Aの船 側と連結固定されている。したがって、外 用出力主歯車24の回転駆動力は、ギヤカップ リング19A、外軸中間軸11c及び外軸用スリーブ 軸継手11bを経由して外軸本体11aに伝達される 。

 上述した構成を備えた推進装置10Aにおい は、二重反転スラスト軸受40によって外軸11 のスラスト荷重を内軸12で受け、内軸用スラ ト軸受41によって外軸11と内軸12を合わせた ラスト荷重を船体2で受け、外軸用出力主歯 車24の回転力は、たわみ軸継手19であるギヤ ップリング19Aを介して外軸11に伝達される。 これにより、外軸11のスラスト荷重が船体2に 対して直接的に伝達されず内軸12を介しての 船体2に伝達され、たわみ軸継手19によって 心の狂いが許容されることで、船体変位に る外軸11の軸心への影響を無くすことがで る。

 たわみ軸継手19としては、フランジ形た み軸継手やローラチェーン軸継手などであ てもよいが、許容伝達トルクが高く角度変 のみならず軸方向変位をも許容できるギヤ ップリング19Aが好適である。

 なお、本発明は、外軸用出力主歯車24と 軸11がたわみ軸継手19を介して連結される上 の構成に限定されず、外軸用出力主歯車24 外軸11が固定軸継手で連結される構成であっ てもよい。

 図3及び図4を参照して、本実施形態にかか 二重反転プロペラ式舶用推進装置10Aの構成 より詳細に説明する。
 図3及び図4は、図2における二重反転前部シ ル装置37及びギヤカップリング19Aの周辺の 大図であり、図3は模式平面図、図4は模式側 面図である。

 図3及び図4の構成例において、二重反転 部シール装置37は、内軸12に装着された中空 のライナー37aと、外軸11側に固定されライ ー37aに対して回転摺動可能に嵌合するシー リング37bとからなる。なお、二重反転後部 ール装置38も同様の構成を有している。

 図3及び図4の構成例において採用してい ギヤカップリング19Aは、船首側に設けられ 第1内筒19aと、船尾側に設けられた第2内筒19b と、第1内筒19aと第1内筒19bを囲む外筒19cとを えており、外軸用出力主歯車24の回転駆動 を、軸心の軸方向変位、角度変位及び平行 位を吸収して、外軸11側に伝達する。

 図3の構成例では、2つの内筒19a,19bと一つ 外筒19cで構成されるギヤカップリング19Aを 用しているが、一つの内筒と一つの外筒で 成されるギヤカップリングを採用してもよ 。この形態のギヤカップリングによっても 軸心の軸方向変位及び角度変位を吸収する とができる。

 上述した構成により、第1駆動装置31を回 駆動すると、その駆動力が外軸用伝達機構1 8A、ギヤカップリング19A等を経由して外軸11 伝達され、外軸11に取り付けられた前プロペ ラ13が回転する。また、第2駆動装置32を回転 動すると、その駆動力が内軸用伝達機構18B び内軸用スリーブ軸継手26を経由して内軸12 に伝達され、内軸12に取り付けられた後プロ ラ15が回転する。

 このとき、外軸11と内軸12を互いに逆方向 に回転させることで、前プロペラ13と後プロ ラ15を互いに逆方向に回転させる。前プロ ラ13と後プロペラ15を互いに逆方向に回転さ るための第1駆動装置31と第2駆動装置32の駆 軸の回転方向は、動力伝達装置20の構成に るが、図2の構成例の場合、第1駆動装置31と 2駆動装置32の出力軸の回転方向を互いに逆 向とすれば、前プロペラ13と後プロペラ15が 互いに逆方向に回転する。

 図4に示すように、外軸用伝達機構18A、内 軸用伝達機構18B及びギヤカップリング19Aを潤 滑するため、ハウジング21内には潤滑油45が 給される。潤滑油45は、潤滑油供給装置50に りハウジング21内に供給される。潤滑油供 装置50は、潤滑油45を溜める潤滑油タンク51 、潤滑油タンク51の潤滑油45をハウジング21 で導く給油管52と、給油管52上に設けられた 滑油ポンプ53と、ハウジング21内の潤滑油45 潤滑油タンク51まで戻す第1回収管54と、後 するフード21a内の潤滑油45を潤滑油タンク51 で戻す第2回収管55を備える。なお、第2回収 管55の下流端を第1回収管54の途中部位に接続 ることも可能である。

 図3及び図4において、ハウジング21の船尾 側には、ギヤカップリング19Aを覆うフード21a が設けられている。ハウジング21とフード21a は連通しており、潤滑油45はハウジング21側 からフード21a内のギヤカップリング19Aに供給 される。フード21aは、ハウジング21と一体成 されたものであっても、ハウジング21とは 部品として構成されたものであってもよい また、潤滑油45の機関室側への漏れを阻止す るため、ギヤカップリング19Aの第1内筒19bの 周に近接して、円形中央開口を有する油切 板42がフード21aに設けられている。

 このように、ギヤカップリング19Aを囲む ード21aを設け、ギヤカップリング19Aに潤滑 45を供給するので、ギヤカップリング19Aが 果的に潤滑される。また、油切り板42と環状 凸部43によりラビリンス構造が形成されるの 、ギヤカップリング19A側から機関室側への 滑油45の漏れが効果的に防止される。

 第2内筒19bの外周には、径方向外側に突出 し周方向に全周に渡って延びる環状凸部43が 軸方向に離れて二つ設けられている。油切 板42は、円形中央開口の内周端が2つの環状 部43の間に挿入されるように配置されてい 。この構成により、ギヤカップリング19A側 ら機関室側に潤滑油45が漏れ出るのを防止す るようになっている。なお、環状凸部43を軸 向に離して3つ以上設けるとともに、2枚以 の油切り板42を軸方向に離して設け、各油切 り板42の円形中央開口の内周縁が環状凸部43 間にそれぞれ挿入されるように構成するこ で、油漏れ防止機能をさらに高めてもよい

 図4に示すように、外軸中間軸11cは二重反 転前部シール装置37を囲むように設けられて り、外軸中間軸11cの内部に潤滑油45が溜ま ことで二重反転前部シール装置37に潤滑油45 供給されるようになっている。また本実施 態において外軸中間軸11cは、内軸12の付帯 品(二重反転前部シール装置37など)のメンテ ンスができるように、半径方向に複数に分 可能な構成を備える。分割数は、2つ又はそ れ以上であってもよい。なお、潤滑油45が外 に漏れないように、外軸中間軸11cの各分割 の間はシール部材によって液密にシールさ ている。

 外軸中間軸11cの前側に、円形開口48aを有 堰として機能することで外軸中間軸11cに溜 る潤滑油45の量を調整する油量調整部48が設 けられている。潤滑油45は前方側から円形開 48aを通って外軸中間軸11cの内部に供給され 。この油量調整部48は外軸中間軸11cと一体 形されたものでも、外軸中間軸11cとは別部 であってもよく、あるいはギヤカップリン 19Aの一部であってもよい。

 図4において、ギヤカップリング19Aを潤滑 する際、潤滑油45はギヤカップリング19Aの噛 い部(本実施形態では、図4中の符号Aで示す 外筒19cと第1内筒19aの間)から浸入し、ギヤ ップリング19Aと内軸12との間を通って外軸中 間軸11cの内部に入って溜まる。外軸中間軸11c の内部に溜まった潤滑油45は、外軸中間軸11c ともに回転し、その際の遠心力によって外 中間軸11cの内面に張り付いて中空円筒形を す。

 油量調整部48の円形開口48aの開口径は、 重反転前部シール装置37(具体的には、シー リング37bの前側)まで潤滑油45を供給可能な の潤滑油45が外軸中間軸11cの内部に溜まるよ うに設定されている。すなわち、中空円筒形 の内周面(液面)が符号Hで示すレベルまで潤滑 油45が溜まるようになっている。これにより 潤滑油45により二重反転前部シール装置37( ールリング37b)の前側がウエット状態となる 外軸中間軸11cの貯留容量を超える分の潤滑 45は円形開口48aから排出される。

 円形開口48aから排出された潤滑油45はギ カップリング19A側へ戻り、ギヤカップリン 19Aの下部の噛合い部(本実施形態では、外筒1 9cと第1内筒19a及び第2内筒19bの間)を通って排 口46から排出され、第2回収管55を通って潤 油タンク51へ戻される。

 本実施形態において、潤滑油供給装置50 よってハウジング21に供給された潤滑油45は ギヤカップリング19Aを経由して外軸中間軸1 1cの内部に供給される。したがって、潤滑油 給装置50は、外軸中間軸11cの内部に第2潤滑 としての潤滑油45を供給する潤滑油供給手 としての機能を有する。

 なお、本発明の二重反転プロペラ式舶用 進装置において、たわみ軸継手19としてギ カップリング19A以外のものを用いる場合、 はたわみ軸継手19の代わりに固定軸継手を用 いる場合は、ハウジング21内に潤滑油45を供 するだけでは外軸中間軸11cに潤滑油45を供給 できない。したがって、この場合は、適宜の 部位(例えば、外軸中間軸11cの外周)にロータ ージョイントを設け、このロータリージョ ントに給油管52を接続することにより、ハ ジング21内に潤滑油45を供給するように構成 、これを上述した外軸中間軸11c用の潤滑油 給手段としてもよい。また、この場合、外 中間軸11c用の潤滑油供給手段の潤滑油系統 、図4に示した潤滑油供給装置50とは別系統 してもよい。

 上述した本発明の第1実施形態によれば、以 下の効果が得られる。
(1)本実施形態によれば、潤滑油供給手段によ って外軸中間軸11cの内部に第2潤滑油として 潤滑油45が供給されて溜まることで、二重反 転前部シール装置37(シールリング37b)の前側 潤滑油45が供給される。これにより、潤滑油 45によって二重反転前部シール装置37の前側 ウエット状態とすることで、発熱を軽減し 二重反転前部シール装置37の寿命を延ばすこ とができる

(2)本実施形態によれば、外軸中間軸11cが半 径方向に複数に分割可能な構成を備えるので 、外軸中間軸11cを分解するだけで、内軸12の 帯部品(二重反転前部シール装置37など)のメ ンテナンスを簡単に実施することができる。

(3)本実施形態によれば、外軸中間軸11cの前 側に設けられた油量調整部48によって、外軸 間軸11cの内部に溜まる潤滑油45の量が、二 反転前部シール装置37に潤滑油45を供給でき 一定量に自動的に調整される。これにより 外軸中間軸11cに潤滑油45を供給するだけで 二重反転前部シール装置37に潤滑油45を供給 るのに必要なレベルまで潤滑油45を溜め、 ーバーフロー分は自動的に排出されるので 複雑な液面制御機構を用いることなく、貯 量制御を自動的に行うことが可能な潤滑構 を構成することができる。

(4)本実施形態によれば、ギヤカップリング 19Aの噛合い部を通って外軸中間軸11cの内部に 潤滑油45が供給される。このため、ギヤカッ リング19Aを潤滑するための潤滑油45をその ま二重反転前部シール装置37に供給する潤滑 油45として利用することができる。また、ギ カップリング19Aの噛合い部が潤滑油45の供 口及び排出口として機能するので、潤滑油45 を供給及び排出するための専用の供給口及び 排出口を設ける必要が無い。

(5)本実施形態によれば、潤滑油45は動力伝 装置20Aのハウジング21側からギヤカップリ グ19Aに供給される。このため、外軸中間軸11 cに潤滑油45を供給するための潤滑油供給系統 を動力伝達装置20Aと共通化することができる 。

 図5は、本発明の第2実施形態にかかる二 反転プロペラ式船舶用推進装置10Bの模式平 図である。本実施形態は、駆動装置30及び動 力伝達装置20Bに関して、第1実施形態と異な 。本実施形態を示す図5は、第1実施形態を示 す図2に対して簡略化しているが、駆動装置30 及び動力伝達装置20B以外の部分については、 第1実施形態と同じである。

 図5に示すように、本実施形態にかかる推 進装置10Bにおいて、駆動装置30は一基のみ設 され、動力伝達装置20Bは、一軸の回転入力 対して互いに反対方向に回転する二軸の回 を出力する二重反転伝達装置である。すな ち、動力伝達装置20Bは、駆動装置の回転駆 力を、互いに反対方向の回転方向の駆動力 変換して外軸11と内軸12にそれぞれ伝達する 。動力伝達装置20Bの外軸用出力軸は、第1実 形態と同様にギヤカップリング19Aを介して 軸11に伝達される。

 上述した本発明の第2実施形態によっても 、第1実施形態における上記(1)~(5)と同様の効 が得られる。

 なお、上記において、本発明の実施形態 ついて説明を行ったが、上記に開示された 発明の実施の形態は、あくまで例示であっ 、本発明の範囲はこれら発明の実施の形態 限定されない。本発明の範囲は、特許請求 範囲の記載によって示され、さらに特許請 の範囲の記載と均等の意味および範囲内で すべての変更を含むものである。