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Title:
CONTROL DEVICE FOR BRAKE SYSTEM FOR MOTORCYCLE, BRAKE SYSTEM FOR MOTORCYCLE, AND CONTROL METHOD FOR BRAKE SYSTEM FOR MOTORCYCLE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2017/130042
Kind Code:
A1
Abstract:
There are obtained a control device and a control method for a brake system for a motorcycle, with which it is possible to improve the action stability of a motorcycle when the road surface is a steep uphill gradient. In the present invention, a brake system for a motorcycle provided with such a control device is also obtained. In the control device and control method for a brake system for a motorcycle and the brake system for a motorcycle according to the present invention, when, while the road surface is an uphill gradient, it is determined that a user is operating a first brake operation part 11 and it is determined that a motorcycle 100 is in a state of slipping down in which the motorcycle 100 moves backwards while a front wheel 3 is being braked, an emergency brake action for causing a rear wheel braking mechanism 14 to generate a braking force for braking a rear wheel 4 is performed.

Inventors:
IWATSUKI JUNYA (JP)
Application Number:
PCT/IB2016/057540
Publication Date:
August 03, 2017
Filing Date:
December 12, 2016
Export Citation:
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Assignee:
BOSCH GMBH ROBERT (DE)
International Classes:
B60T7/12; B60T8/17
Domestic Patent References:
WO2007144337A12007-12-21
Foreign References:
EP2090482A22009-08-19
DE102008026531A12009-02-12
DE102012223101A12014-06-18
Other References:
None
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Claims:
【書類名】 請求の範囲

【請求項 1 】

モータサイクル用ブレーキシステムの制御装置であって、

前記モータサイクル用ブレーキシステムは、

モータサイクルのハンドルに設けられている第 1ブレーキ操作部と、

少なく とも前記第 1ブレーキ操作部に連動して前記モータサイクルの前輪を制動する前 輪制動機構と、

前記モータサイクルの胴体に設けられている第 2ブレーキ操作部と、

少なく とも前記第 2ブレーキ操作部に連動して前記モータサイクルの後輪を制動する後 輪制動機構と、 を備え、

前記制御装置は、 少なく とも前記後輪制動機構の動作を司るブレーキ動作制御部を備え 前記制御装置は、 更に、

使用者による前記第 1ブレーキ操作部の操作の有無を判別するブレ一キ操作判別部と、 前記モータサイクルが、 前記前輪が制動されつつ後退するスリ ップダウン状態にあるか 否かを判別するスリ ップダウン判別部と、 を備え、

前記ブレーキ動作制御部は、 路面が上り勾配である際に、 前記ブレーキ操作判別部で使 用者による前記第 1ブレーキ操作部の操作が有ると判別され、 つ、 前記ス リ ップダウン 判別部で前記モータサイクルが前記スリ ップダウン状態にあると判別された場合に、 前記 後輪制動機構に前記後輪を制動する制動力を生じさせる非常制動動作を実行する、 モータサイクル用ブレーキシステムの制御装置。

【請求項 2】

前記前輪制動機構は、 マスタシリンダを含み、

前記ブレーキ操作判別部は、 前記マスタシリンダのブレーキ液の液圧に基づいて、 使用 者による前記第 1ブレーキ操作部の操作の有無を判別する、

請求項 1に記載のモータサイクル用ブレーキシステムの制御装置。

【請求項 3】

前記ス ップダウン判別部は、 前記モータサイクルの前記前輪及び前記後輪の回転速度 と、 前記路面の上り勾配の度合いと、 前記モータサイクルの原動力と、 に基づいて、 前記 スリ ップダウン状態にあるか否かを判別する、

請求項 1又は 2に記載のモータサイクル用ブレーキシステムの制御装置。

【請求項 4】

前記ス リ ップダウン判別部は、 前記モータサイクルの前記前輪及び前記後輪の回転速度 と、 前記モータサイクルの前記後輪の回転方向と、 に基づいて、 前記ス リ ップダウン状態 にあるか否かを判別する、

請求項 1又は 2に記載のモータサイクル用ブレーキシステムの制御装置。

【請求項 5】

前記制御装置は、 更に、 前記前輪制動機構によって生じる前記前輪の制動力を判別する 前輪制動力判別部を備え、

前記ブレーキ動作制御部は、 前記前輪制動機構に前記第 1ブレーキ操作部のみに連動し ない制動力を生じさせる、 前記モータサイクルの走行制御動作を実行し、

前記路面が上り勾配である際に実行される前記非常制動動作は、 前記前輪制動力判別部 で前記前輪制動機構によって生じる前記前輪の制動力が前記第 1ブレーキ操作部のみに連 動すると判別された場合にのみ、 実行される、

請求項 1〜4の何れか一項に記載のモータサイクル用ブレーキシステムの制御装置。 【請求項 6】

前記前輪制動機構は、 ホイールシリンダを含み、

前記前輪制動力判別部は、 前記ホイールシリンダのブレーキ液の液圧に基づいて、 前記 前輪制動機構によって生じる前記前輪の制動力を判別する、

請求項 5に記載のモータサイクル用ブレーキシステムの制御装置。 【請求項 7】

前記制御装置は、 更に、 前記モータサイクルの車体速度を判別する車体速度判別部を備 え、

前記ブレーキ動作制御部は、 前記車体速度判別部で前記車体速度が基準速度を超えると 判別された場合にのみ、 前記モータサイクルの走行制御動作を実行し、

前記路面が上り勾配である際に実行される前記非常制動動作は、 前記車体速度判別部で 前記車体速度が前記基準速度を超えないと判別された場合にのみ、 実行される、

請求項 1〜 6の何れか一項に記載のモータサイクル用ブレーキシステムの制御装置。 【請求項 8】

前記車体速度判別部は、 前記後輪の回転速度に基づいて、 前記車体速度を判別する、 請求項 7に記載のモータサイクル用ブレーキシステムの制御装置。

【請求項 9】

前記制御装置は、 更に、 前記モータサイクルが基準時間を超えて停止するか否かを判別 する停止状態判別部を備え、

前記ブレーキ動作制御部は、 前記停止状態判別部で前記基準時間を超えて停止すると判 別された場合にのみ、 前記モータサイクルのヒルホールド動作の実行を許可し、

前記路面が上り勾配である際に実行される前記非常制動動作は、 前記モータサイクルが 停止した後の前記基準時間が経過する前の時点において、 実行される、

請求項 1〜 8の何れか一項に記載のモータサイクル用ブレーキシステムの制御装置。 【請求項 1 0】

前記停止状態判別部は、 前記後輪の回転速度に基づいて、 前記基準時間を超えて停止す るか否かを判別する、

請求項 9に記載のモータサイクル用ブレーキシステムの制御装置。

【請求項 1 1】

前記ブレーキ動作制御部は、 前記非常制動動作において、 前記路面の上り勾配の度合い に応じた前記制動力を前記後輪制動機構に生じさせる、

請求項 1〜 1 0の何れか一項に記載のモータサイクル用ブレーキシステムの制御装置。 【請求項 1 2】

前記第 1ブレーキ操作部は、 ブレーキレバーであり、

前記第 2ブレーキ操作部は、 ブレーキペダルである、

請求項 1〜 1 1の何れか一項に記載のモータサイクル用ブレーキシステムの制御装置。 【請求項 1 3】

請求項 1〜 1 2の何れか一項に記載のモータサイクル用ブレーキシステムの制御装置を 備えている、

モータサイクル用ブレーキシステム。

【請求項 1 4】

モータサイクル用ブレーキシステムの制御方法であって、

前記モータサイクル用ブレーキシステムは、

モータサイクルのハンドルに設けられている第 1ブレーキ操作部と、

少なく とも前記第 1ブレーキ操作部に連動して前記モータサイクルの前輪を制動する前 輪制動機構と、

前記モータサイクルの胴体に設けられている第 2ブレーキ操作部と、

少なく とも前記第 2ブレーキ操作部に連動して前記モータサイクルの後輪を制動する後 輪制動機構と、 を備え、

前記制御方法は、 少なく とも前記後輪制動機構の動作を司るブレーキ動作制御ステップ を備え、

前記制御方法は、 更に、

使用者による前記第 1ブレーキ操作部の操作の有無を判別するブレーキ操作判別ステツ プと、

前記モータサイクルが、 前記前輪が制動されつつ後退するスリ ップダウン状態にあるか 否かを判別するスリ ップダウン判別ステップと、 を備え、

前記ブレーキ動作制御ステップでは、 路面が上り勾配である際に、 前記ブレーキ操作判 別ステップで使用者による前記第 1ブレーキ操作部の操作が有ると判別され、 つ、 前記 スリ ップダウン判別ステップで前記モータサイクルが前記スリ ップダウン状態にあると判 別された場合に、 前記後輪制動機構に前記後輪を制動する制動力を生じさせる非常制動動 作が実行される、

モータサイクル用ブレーキシステムの制御方法。

Description:
【書類名】 明細書

【発明の名称】 モータサイクル用ブレーキシステムの制御装 置、 モータサイクル用ブレー キシステム、 及び、 モータサイクル用ブレーキシステムの制御方 法

【技術分野】

【 0 0 0 1 】

本発明は、 路面が急な上り勾配である際のモータサイク ルの挙動安定性を向上すること ができる、 モータサイクル用ブレーキシステムの制御装 置及び制御方法と、 そのような制 御装置を備えているモータサイクル用ブレー キシステムと、 に関する。

【背景技術】

【 0 0 0 2】

従来のモータサイクル用ブレーキシステムと して、 モータサイクルのハンドルに設けら れている第 1ブレーキ操作部と、 少なく とも第 1ブレーキ操作部に連動してモータサイク ルの前輪を制動する前輪制動機構と、 モータサイクルの胴体に設けられている第 2ブレー キ操作部と、 少なく とも第 2ブレーキ操作部に連動してモータサイクル 後輪を制動する 後輪制動機構と、 前輪制動機構及び後輪制動機構の少なく とも一方の動作を司るブレーキ 動作制御部を含む制御装置と、 を備えているものがある。

【 0 0 0 3】

例えば、 ブレーキ動作制御部は、 前輪制動機構及び後輪制動機構の少なく とも一方に生 じさせる制動力をモータサイクルの走行状態 に応じて変化させる走行制御動作を、 モータ サイクルが走行している際に実行する。 例えば、 ブレーキ動作制御部は、 前輪制動機構及 び後輪制動機構の少なく とも一方にモータサイクルの動き出しを抑止 するための制動力を 維持させるヒルホールド動作の実行を、 モータサイクルが勾配のある路面に停止して いる 際に許可する (例えば、 特許文献 1を参照。 ) 。

【先行技術文献】

【特許文献】

【 0 0 0 4】

【特許文献 1】 特開 2 0 1 1— 2 3 0 6 6 7号公報

【発明の概要】

【発明が解決しよう とする課題】

【 0 0 0 5】

従来のモータサイクル用ブレーキシステムで は、 急な上り勾配の路面でモータサイクル の車体速度がゼロになった際に、 使用者による第 1ブレーキ操作部の操作のみでモータサ イタルの後退を抑止することが困難になる場 合がある。 特に、 モータサイクルでは、 第 2 ブレーキ操作部がモータサイクルの胴体に設 けられていることに起因して、 使用者が足を 降ろしてモータサイクルの転倒を抑止しなが ら第 2ブレーキ操作部を操作することが困難 であるため、 モータサイクルの後退を抑止することがより 困難になってしまう。

【 0 0 0 6】

また、 例えば、 もし仮に、 ブレーキ動作制御部が走行制御動作を実行す るものであり、 つ、 制動力の制御の安定性の向上のために、 その走行制御動作が、 モータサイクルの車 体速度が基準速度を超える場合にのみ実行さ れるように制限されている場合には、 モータ サイクルの後退が生じるタイミングで走行制 御動作を実行できないこととなって、 モータ サイクルの後退を抑止することが困難となる 。

【 0 0 0 7】

また、 例えば、 もし仮に、 ブレーキ動作制御部がヒルホールド動作の実 行を許可するも のであり、 つ、 使用者の安全性の向上のために、 そのヒルホールド動作の実行が、 モー タサイクルが基準時間を超えて停止している 場合にのみ許可されるように制限されている 場合には、 モータサイクルの後退が生じるタイミングで ヒルホールド動作の実行が許可さ れないこととなって、 ヒルホールド動作によってモータサイクルの 後退を抑止することが 困難となる。

【 0 0 0 8】 つまり、 従来のモータサイクル用ブレーキシステムで は、 路面が急な上り勾配である際 のモータサイクルの挙動安定性が低くなる場 合があるという問題点があった。

【 0 0 0 9】

本発明は、 上述の課題を背景としてなされたものであり 、 路面が急な上り勾配である際 のモータサイクルの挙動安定性を向上するこ とができる、 モータサイクル用ブレーキシス テムの制御装置及び制御方法を得るものであ る。 また、 本発明は、 そのような制御装置を 備えているモータサイクル用ブレーキシステ ムを得るものである。

【課題を解決するための手段】

【 0 0 1 0】

本発明に係るモータサイクル用ブレーキシス テムの制御装置では、 前記モータサイクル 用ブレーキシステムが、 モータサイクルのハンドルに設けられている 第 1ブレーキ操作部 と、 少なく とも前記第 1ブレーキ操作部に連動して前記モータサイ ルの前輪を制動する 前輪制動機構と、 前記モータサイクルの胴体に設けられている 第 2ブレーキ操作部と、 少 なく とも前記第 2ブレーキ操作部に連動して前記モータサイ ルの後輪を制動する後輪制 動機構と、 を備え、 前記制御装置が、 少なく とも前記後輪制動機構の動作を司るブレーキ 動作制御部を備え、 前記制御装置が、 更に、 使用者による前記第 1ブレーキ操作部の操作 の有無を判別するブレーキ操作判別部と、 前記モータサイクルが、 前記前輪が制動されつ つ後退するス リ ップダウン状態にあるか否かを判別するスリ ップダウン判別部と、 を備え 、 前記ブレーキ動作制御部が、 路面が上り勾配である際に、 前記ブレーキ操作判別部で使 用者による前記第 1ブレーキ操作部の操作が有ると判別され、 つ、 前記スリ ップダウン 判別部で前記モータサイクルが前記スリ ップダウン状態にあると判別された場合に、 前記 後輪制動機構に前記後輪を制動する制動力を 生じさせる非常制動動作を実行する。

【 0 0 1 1 】

本発明に係るモータサイクル用ブレーキシス テムは、 上述の制御装置を備えている。

【 0 0 1 2】

本発明に係るモータサイクル用ブレーキシス テムの制御方法では、 前記モータサイクル 用ブレーキシステムが、 モータサイクルのハンドルに設けられている 第 1ブレーキ操作部 と、 少なく とも前記第 1ブレーキ操作部に連動して前記モータサイ ルの前輪を制動する 前輪制動機構と、 前記モータサイクルの胴体に設けられている 第 2ブレーキ操作部と、 少 なく とも前記第 2ブレーキ操作部に連動して前記モータサイ ルの後輪を制動する後輪制 動機構と、 を備え、 前記制御方法が、 少なく とも前記後輪制動機構の動作を司るブレーキ 動作制御ステップを備え、 前記制御方法が、 更に、 使用者による前記第 1ブレーキ操作部 の操作の有無を判別するブレーキ操作判別ス テップと、 前記モータサイクルが、 前記前輪 が制動されつつ後退するスリ ップダウン状態にあるか否かを判別するスリ ップダウン判別 ステップと、 を備え、 前記ブレーキ動作制御ステップでは、 路面が上り勾配である際に、 前記ブレーキ操作判別ステップで使用者によ る前記第 1ブレーキ操作部の操作が有ると判 別され、 つ、 前記スリ ップダウン判別ステップで前記モータサイク ルが前記スリ ップダ ゥン状態にあると判別された場合に、 前記後輪制動機構に前記後輪を制動する制動 力を生 じさせる非常制動動作が実行される。

【発明の効果】

【 0 0 1 3】

本発明に係るモータサイクル用ブレーキシス テムの制御装置及び制御方法、 及び、 モー タサイクル用ブレーキシステムでは、 路面が上り勾配である際に、 使用者による第 1ブレ ーキ操作部の操作が有ると判別され、 つ、 モータサイクルが、 前輪が制動されつつ後退 するスリ ップダウン状態にあると判別された場合に、 後輪制動機構に後輪を制動する制動 力を生じさせる非常制動動作が実行される。 そのため、 路面が急な上り勾配である際に、 使用者による第 1ブレーキ操作部の操作によって前輪が制動 れているにも拘らずモータ サイクルが後退する場合であっても、 使用者による第 2ブレーキ操作部の操作によらずに 、 車体の挙動を安定化することが可能であるた め、 路面が急な上り勾配である際のモータ サイクルの挙動安定性が向上される。 【 0 0 1 4】

また、 例えば、 もし仮に、 ブレーキ動作制御部が、 モータサイクルの車体速度が基準速 度を超える場合にのみ走行制御動作を実行す るものであつたとしても、 モータサイクルの 車体速度が基準速度を超えない状態で、 後輪制動機構に後輪を制動する制動力を生じ させ て、 車体の挙動の安定性を確保することが可能で ある。 そのため、 モータサイクルの車体 速度が基準速度を超える場合にのみ実行され る走行制御動作を採用して、 制動力の制御の 安定性を向上することの実現性が向上される 。

【 0 0 1 5】

また、 例えば、 もし仮に、 ブレーキ動作制御部が、 モータサイクルが基準時間を超えて 停止する場合にのみヒルホールド動作の実行 を許可するものであったとしても、 モータサ ィクルが基準時間を超えて停止しない状態で 、 後輪制動機構に後輪を制動する制動力を生 じさせて、 車体の挙動の安定性を確保することが可能で ある。 そのため、 モータサイクル が基準時間を超えて停止する場合にのみ実行 が許可されるヒルホールド動作を採用して、 使用者の安全性を向上することの実現性が向 上される。

【図面の簡単な説明】

【 0 0 1 6】

【図 1】 本発明の実施の形態 1に係るモータサイクル用ブレーキシステム 搭載される モータサイクルの、 構成を示す図である。

【図 2】 本発明の実施の形態 1に係るモータサイクル用ブレーキシステム 、 構成を示 す図である。

【図 3】 本発明の実施の形態 1に係るモータサイクル用ブレーキシステム 、 主要部の システム構成を示す図である。

【図 4】 本発明の実施の形態 1に係るモータサイクル用ブレーキシステム 、 非常制動 動作の可否判別処理のフローチヤ一トである 。

【図 5】 本発明の実施の形態 2に係るモータサイクル用ブレーキシステム 、 主要部の システム構成を示す図である。

【図 6】 本発明の実施の形態 2に係るモータサイクル用ブレーキシステム 、 非常制動 動作の可否判別処理のフローチヤ一トである 。

【発明を実施するための形態】

【 0 0 1 7】

以下に、 本発明に係るモータサイクル用ブレーキシス テムの制御装置及び制御方法、 及 び、 モータサイクル用ブレーキシステムについて 、 図面を用いて説明する。

なお、 以下では、 モータサイクルが自動二輪車である場合を説 明しているが、 自動三輪 車等の他のモータサイクルであってもよい。 また、 前輪制動機構及び後輪制動機構が、 そ れぞれ 1つずつである場合を説明しているが、 前輪制動機構及び後輪制動機構の少なく と も一方が、 複数であってもよい。

また、 以下で説明する構成、 動作等は、 一例であり、 本発明に係るモータサイクル用ブ レーキシステムの制御装置及び制御方法、 及び、 モータサイクル用ブレーキシステムは、 そのような構成、 動作等である場合に限定されない。

また、 各図において、 同一の又は類似する部材又は部分については 、 同一の符号を付し ている。 また、 細かい構造については、 適宜図示を簡略化又は省略している。

【 0 0 1 8】

実施の形態 1 .

以下に、 実施の形態 1に係るモータサイクル用ブレーキシステム 説明する。

【 0 0 1 9】

くモータサイクノレ用ブレーキシステムの 構成 >

実施の形態 1に係るモータサイクル用ブレーキシステム 構成について説明する。 図 1は、 本発明の実施の形態 1に係るモータサイクル用ブレーキシステム 搭載される モータサイクルの、 構成を示す図である。 図 2は、 本発明の実施の形態 1に係るモータサ イタル用ブレーキシステムの、 構成を示す図である。 図 3は、 本発明の実施の形態 1に係 るモータサイクル用ブレーキシステムの、 主要部のシステム構成を示す図である。

【 0 0 2 0】

図 1及び図 2に示されるように、 モータサイクル用ブレーキシステム 1 0は、 モータサ イタル 1 0 0に搭載される。 モータサイクル 1 0 0は、 胴体 1 と、 胴体 1に旋回自在に保 持されているハン ドル 2 と、 胴体 1にハン ドル 2 と共に旋回自在に保持されている前輪 3 と、 胴体 1に回動自在に保持されている後輪 4 と、 を含む。

【 0 0 2 1】

モータサイクル用ブレーキシステム 1 0は、 第 1ブレーキ操作部 1 1 と、 少なく とも第 1ブレーキ操作部 1 1に連動して前輪 3を制動する前輪制動機構 1 2 と、 第 2ブレーキ操 作部 1 3 と、 少なく とも第 2ブレーキ操作部 1 3に連動して後輪 4を制動する後輪制動機 構 1 4 と、 を含む。

【 0 0 2 2】

第 1ブレーキ操作部 1 1は、 ハン ドル 2に設けられており、 使用者の手によって操作さ れる。 第 1ブレーキ操作部 1 1は、 例えば、 ブレーキレバーである。 第 2ブレーキ操作部 1 3は、 胴体 1の下部に設けられており、 使用者の足によって操作される。 第 2ブレーキ 操作部 1 3は、 例えば、 ブレーキペダルである。

【 0 0 2 3】

前輪制動機構 1 2及び後輪制動機構 1 4のそれぞれは、 ピス トン (図示省略) を内蔵し ているマスタシリンダ 2 1 と、 マスタシリンダ 2 1に付設されているリザーバ 2 2 と、 胴 体 1に保持され、 ブレーキパッ ド (図示省略) を有しているブレーキキヤリパ 2 3と、 ブ レーキキヤ リパ 2 3に設けられているホイールシリ ンダ 2 4 と、 マスタシリ ンダ 2 1 のブ レーキ液をホイールシリンダ 2 4に流通させる主流路 2 5と、 ホイールシリンダ 2 4のブ レーキ液を逃がす副流路 2 6 と、 マスタシリンダ 2 1のブレーキ液を副流路 2 6に供給す る供給流路 2 7 と、 を含む。

【 0 0 2 4】

主流路 2 5には、 込め弁 (E V ) 3 1が設けられている。 副流路 2 6は、 主流路 2 5の うちの、 込め弁 3 1に対するホイールシリンダ 2 4側とマスタシリンダ 2 1側との間を、 バイパスする。 副流路 2 6には、 上流側から順に、 弛め弁 (A V ) 3 2 と、 アキュムレー タ 3 3 と、 ポンプ 3 4 と、 1f、 設けられている。 主流路 2 5のうちの、 マスタシリンダ 2 1側の端部と、 副流路 2 6の下流側端部が接続される箇所と、 の間には、 第 1弁 (U S V ) 3 5が設けられている。 供給流路 2 7は、 マスタシリンダ 2 1 と、 副流路 2 6のうちの ポンプ 3 4の吸込側と、 の間を連通させる。 供給流路 2 7には、 第 2弁 (H S V ) 3 6が 設けられている。

【 0 0 2 5】

込め弁 3 1は、 例えば、 非通電状態で開き、 通電状態で閉じる電磁弁である。 弛め弁 3 2は、 例えば、 非通電状態で閉じ、 通電状態で開く電磁弁である。 第 1弁 3 5は、 例えば 、 非通電状態で開き、 通電状態で閉じる電磁弁である。 第 2弁 3 6は、 例えば、 非通電状 態で閉じ、 通電状態で開く電磁弁である。

【 0 0 2 6】

込め弁 3 1、 弛め弁 3 2、 アキュムレータ 3 3、 ポンプ 3 4、 第 1弁 3 5、 第 2弁 3 6 等の部材と、 それらの部材が設けられ、 主流路 2 5、 副流路 2 6、 及び、 供給流路 2 7を 構成するための流路が内部に形成されている 基体 5 1 と、 制御装置 (E C U ) 6 0と、 に よって、 液圧制御ユニッ ト 5 0が構成される。 液圧制御ユニッ ト 5 0は、 モータサイクル 用ブレーキシステム 1 0において、 ホイールシリンダ 2 4のブレーキ液の液圧、 つまり、 前輪制動機構 1 2に生じさせる前輪 3の制動力、 及び、 後輪制動機構 1 4に生じさせる後 輪 4の制動力を制御する機能を担うユニッ トである。

【 0 0 2 7】

各部材が、 1つの基体 5 1に纏めて設けられていてもよく、 また、 複数の基体 5 1に分 かれて設けられていてもよい。 また、 制御装置 6 0は、 1つであってもよく、 また、 複数 に分かれていてもよい。 また、 制御装置 6 0は、 基体 5 1に取り付けられていてもよく、 また、 基体 5 1以外の他の部材に取り付けられていてもよ 。 また、 制御装置 6 0の一部 又は全ては、 例えば、 マイコン、 マイクロプロセッサユニッ ト等で構成されてもよく、 ま た、 ファームウェア等の更新可能なもので構成さ れてもよく、 また、 C P U等からの指令 によって実行されるプログラムモジュール等 であってもよい。

【 0 0 2 8】

通常状態、 つまり、 後述される走行制御動作、 ヒルホールド動作、 非常制動動作等が実 行されない状態では、 制御装置 6 0によって、 込め弁 3 1が開放され、 弛め弁 3 2が閉鎖 され、 第 1弁 3 5が開放され、 第 2弁 3 6が閉鎖される。 その状態で、 第 1ブレーキ操作 部 1 1が操作されると、 前輪制動機構 1 2において、 マスタシリンダ 2 1 のピス トン (図 示省略) が押し込まれてホイールシリンダ 2 4のブレーキ液の液圧が増加し、 ブレーキキ ャリパ 2 3のブレーキパッ ド (図示省略) が前輪 3のロータ 3 aに押し付けられて、 前輪 3が制動される。 また、 第 2ブレーキ操作部 1 3が操作されると、 後輪制動機構 1 4にお いて、 マスタシリンダ 2 1のピス トン (図示省略) が押し込まれてホイールシリンダ 2 4 のブレーキ液の液圧が増加し、 ブレーキキヤリパ 2 3のブレーキパッ ド (図示省略) が後 輪 4のロータ 4 aに押し付けられて、 後輪 4が制動される。

【 0 0 2 9】

図 2及び図 3に示されるように、 モータサイクル用ブレーキシステム 1 0は、 マスタシ リ ンダ圧センサ 4 1 と、 ホイールシリ ンダ圧センサ 4 2 と、 前輪回転速度センサ 4 3 と、 後輪回転速度センサ 4 4 Aと、 加速度センサ 4 5 と、 原動力センサ 4 6 と、 を含む。

【 0 0 3 0】

マスタシリ ンダ圧センサ 4 1 は、 マスタシリ ンダ 2 1 のブレーキ液の液圧を検出する。 マスタシリ ンダ圧センサ 4 1力 マスタシリ ンダ 2 1 のブレーキ液の液圧に実質的に換算 可能な他の物理量を検出するものであっても よい。 マスタシリンダ圧センサ 4 1は、 前輪 制動機構 1 2及び後輪制動機構 1 4のそれぞれに設けられている。

【 0 0 3 1】

ホイールシリ ンダ圧センサ 4 2は、 ホイールシリ ンダ 2 4のブレーキ液の液圧を検出す る。 ホイールシリ ンダ圧センサ 4 2力 ホイールシリ ンダ 2 4のブレーキ液の液圧に実質 的に換算可能な他の物理量を検出するもので あってもよい。 ホイールシリンダ圧センサ 4 2は、 前輪制動機構 1 2及び後輪制動機構 1 4のそれぞれに設けられている。

【 0 0 3 2】

前輪回転速度センサ 4 3は、 前輪 3の回転速度を検出する。 前輪回転速度センサ 4 3が 、 前輪 3の回転速度に実質的に換算可能な他の物理 を検出するものであってもよい。 後 輪回転速度センサ 4 4 Aは、 後輪 4の回転速度を検出する。 後輪回転速度センサ 4 4 Aが 、 後輪 4の回転速度に実質的に換算可能な他の物理 を検出するものであってもよい。 前 輪回転速度センサ 4 3及び後輪回転速度センサ 4 4 Aは、 車輪 (前輪 3、 後輪 4 ) の回転 方向を検出できないセンサである。

【 0 0 3 3】

加速度センサ 4 5は、 モータサイクル 1 0 0に作用する加速度を検出する。 モータサイ クル 1 0 0に作用する加速度には、 重力加速度が含まれる。 加速度センサ 4 5が、 モータ サイクル 1 0 0に作用する加速度に実質的に換算可能な他 物理量を検出するものであつ てもよい。

【 0 0 3 4】

原動力センサ 4 6は、 モータサイクル 1 0 0に生じる原動力 (例えば、 エンジントルク 、 スロッ トル開度等) を検出する。 原動力センサ 4 6は、 モータサイクル 1 0 0に生じる 原動力に実質的に換算可能な他の物理量を検 出するものであってもよい。

【 0 0 3 5】

制御装置 6 0は、 ブレーキ動作制御部 6 1 と、 車体速度判別部 6 2 と、 停止状態判別部 6 3と、 ブレーキ操作判別部 6 4 と、 スリ ツプダゥン判別部 6 5 Aと、 前輪制動力判別部 6 6 と、 を含む。 ブレーキ動作制御部 6 1は、 各センサの検出結果を用いた各判別部の判 別結果に応じて、 込め弁 3 1、 弛め弁 3 2、 ポンプ 3 4、 第 1弁 3 5、 第 2弁 3 6等の動 作を司る指令を出力して、 後述される走行制御動作、 ヒルホール ド動作、 非常制動動作等 を実行する。

【 0 0 3 6】

くモータサイクル用ブレーキシステムの動 作 >

実施の形態 1に係るモータサイクル用ブレーキシステム 動作について説明する。 制御装置 6 0は、 通常状態、 つまり、 込め弁 3 1が開放され、 弛め弁 3 2が閉鎖され、 第 1弁 3 5が開放され、 第 2弁 3 6が閉鎖されている状態で、 所定の条件が満たされると 、 走行制御動作、 ヒルホール ド動作、 非常制動動作等を実行する。

【 0 0 3 7】

(走行制御動作)

ブレーキ動作制御部 6 1は、 車体速度判別部 6 2でモータサイクル 1 0 0 の車体速度 が基準速度を超えると判別された場合にのみ 、 走行制御動作を実行する。 モータサイ クル 1 0 0 の車体速度が基準速度を超えるか否かは、 例えば、 後輪回転速度センサ 4 4 Aで検 出される後輪 4 の回転速度に基づいて判別される。

【 0 0 3 8】

例えば、 走行制御動作は、 前輪 3に口ック又は口ックの可能性が生じた場合 実行され る、 前輪制動機構 1 2のホイールシリンダ 2 4のブレーキ液の液圧を減少させる動作、 つ まり、 前輪制動機構 1 2に第 1ブレーキ操作部 1 1のみに連動しない制動力を生じさせる 動作である。 ブレーキ動作制御部 6 1は、 込め弁 3 1が閉鎖され、 弛め弁 3 2が開放され 、 第 1弁 3 5が開放され、 第 2弁 3 6が閉鎖されている状態で、 ポンプ 3 4を駆動するこ とで、 ホイールシリンダ 2 4のブレーキ液の液圧を減少させる。

【 0 0 3 9】

また、 例えば、 走行制御動作は、 前輪制動機構 1 2及び後輪制動機構 1 4のそれぞれに 生じさせる制動力の配分が制御される動作、 つまり、 前輪制動機構 1 2に第 1ブレーキ操 作部 1 1のみに連動しない制動力を生じさせる動作 ある。 ブレーキ動作制御部 6 1は、 込め弁 3 1が開放され、 弛め弁 3 2が閉鎖され、 第 1弁 3 5が閉鎖され、 第 2弁 3 6が開 放されている状態で、 ポンプ 3 4を駆動することで、 制動力の配分を制御する。

【 0 0 4 0】

(ヒルホール ド動作)

ブレーキ動作制御部 6 1は、 停止状態判別部 6 3でモータサイクル 1 0 0が基準時間を 超えて停止すると判別された場合にのみ、 ヒルホール ド動作の実行を許可する。 モータサ イ タル 1 0 0が基準時間を超えて停止するか否かは、 例えば、 後輪回転速度センサ 4 4 A で検出される後輪 4の回転速度に基づいて判別される。 ヒルホール ド動作は、 スィ ッチ等 への使用者の手動入力によって開始されても よく、 また、 ブレーキ動作制御部 6 1によつ て自動的に開始されてもよレ、。

【 0 0 4 1】

例えば、 ヒルホール ド動作は、 使用者が第 1ブレーキ操作部 1 1又は第 2ブレーキ操作 部 1 3 の操作を解除した後も制動力を維持する動作 である。 ヒルホール ド動作が開始され ると、 ブレーキ動作制御部 6 1は、 込め弁 3 1が開放され、 弛め弁 3 2が閉鎖され、 第 1 弁 3 5が閉鎖され、 第 2弁 3 6が開放されている状態で、 ポンプ 3 4を駆動することで、 制動力を維持する。

【 0 0 4 2】

(非常制動動作)

図 4は、 本発明の実施の形態 1に係るモータサイクル用ブレーキシステム 、 非常制動 動作の可否判別処理のフローチヤ一トである 。

【 0 0 4 3】

ブレーキ動作制御部 6 1は、 走行制御動作及びヒルホール ド動作が実行されていない状 態で、 モータサイクル 1 0 0が上り勾配の路面を走行している際に、 所定の時間間隔で、 図 4に示される非常制動動作の可否判別処理を り返す。 つまり、 非常制動動作は、 前輪 制動機構 1 2に第 1ブレーキ操作部 1 1のみに連動しない制動力を生じさせている 態で は、 実行されないものである。 また、 非常制動動作は、 車体速度判別部 6 2で、 モータサ イタル 1 0 0の車体速度が、 走行制御動作の実行を制限するための基準速 度を超えると判 別される状態では、 実行されないものである。 また、 非常制動動作は、 モータサイクル 1 0 0が停止した後に、 ヒルホールド動作の実行の許可を制限するた めの基準時間が経過す る前の時点において、 実行されるものである。

【 0 0 4 4】

ステップ 1 0 1において、 ブレーキ動作制御部 6 1は、 非常制動動作の可否判別処理を 開始する。

【 0 0 4 5】

ステップ 1 0 2において、 ブレーキ操作判別部 6 4は、 使用者による第 1ブレーキ操作 部 1 1の操作の有無を判別する。 使用者による第 1ブレーキ操作部 1 1の操作の有無は、 例えば、 前輪制動機構 1 2のマスタシリンダ 2 1のブレーキ液の液圧を検出するマスタシ リンダ圧センサ 4 1の検出結果に基づいて、 判別される。 Y e sの場合 (操作有の場合) には、 ステップ 1 0 3に進み、 N oの場合 (操作無の場合) には、 ステップ 1 0 7に進む

【 0 0 4 6】

ステップ 1 0 3において、 スリ ップダウン判別部 6 5 Aは、 モータサイクル 1 0 0力 前輪 3が制動されつつ後退するスリ ップダウン状態にあるか否かを判別する。 スリ ップダ ゥン状態として、 例えば、 前輪制動機構 1 2によって前輪 3が制動されてその回転速度が ゼロになっているにも拘らず、 制動されていない後輪 4が転動し、 つ、 路面の上り勾配 の度合いが基準値以上である (急である) にも拘らず、 モータサイクル 1 0 0に生じる原 動力がゼロである状態が判別されるとよい。 スリ ップダウン状態の判別に、 モータサイク ル 1 0 0の自重、 使用者の搭乗状態、 使用者の体重等が加味されてもよい。

【 0 0 4 7】

前輪 3が制動されつつ後退するス リ ップダウン状態にあるか否かは、 例えば、 前輪 3の 回転速度を検出する前輪回転速度センサ 4 3の検出結果と、 後輪 4の回転速度を検出する 後輪回転速度センサ 4 4 Aの検出結果と、 モータサイクル 1 0 0に作用する加速度を検出 する加速度センサ 4 5の検出結果と、 モータサイクル 1 0 0に生じる原動力 (例えば、 ェ ンジントルク、 スロッ トル開度等) を検出する原動力センサ 4 6の検出結果と、 に基づい て判別される。 加速度センサ 4 5の検出結果によって、 路面の上り勾配の度合いが推定さ れる。 Y e s の場合 (スリ ップダウン状態にある場合) には、 ステップ 1 0 4に進み、 N oの場合 (スリ ップダウン状態にない場合) には、 ステップ 1 0 7に進む。

【 0 0 4 8】

ステップ 1 0 4において、 前輪制動力判別部 6 6は、 前輪制動機構 1 2によって生じる 前輪 3の制動力が第 1ブレーキ操作部 1 1のみに連動するか否かを判別する。 前輪制動機 構 1 2によって生じる前輪 3の制動力が第 1ブレーキ操作部 1 1のみに連動するか否かは 、 例えば、 前輪制動機構 1 2のマスタシリンダ 2 1のブレーキ液の液圧を検出するマスタ シリ ンダ圧センサ 4 1 の検出結果と、 前輪制動機構 1 2のホイールシリ ンダ 2 4のブレー キ液の液圧を検出するホイールシリンダ圧セ ンサ 4 2の検出結果と、 の比較に基づいて判 別される。 Y e s の場合 (第 1ブレーキ操作部 1 1のみに連動する場合) には、 ステップ 1 0 5に進み、 N oの場合 (第 1ブレーキ操作部 1 1のみに連動しない場合) には、 ステ ップ 1 0 7に進む。

【 0 0 4 9】

ステップ 1 0 5において、 車体速度判別部 6 2は、 モータサイクル 1 0 0の車体速度が 、 走行制御動作の実行を制限するための基準速 度を超えないか否かを判別する。 モータサ イタル 1 0 0の車体速度が、 走行制御動作の実行を制限するための基準速 度を超えないか 否かは、 例えば、 後輪 4の回転速度を検出する後輪回転速度センサ 4 4 Aの検出結果に基 づいて判別される。 Y e sの場合 (基準速度を超えない場合) には、 ステップ 1 0 6に進 み、 N oの場合 (基準速度を超える場合) には、 ステップ 1 0 7に進む。

【 0 0 5 0】

ステップ 1 0 6において、 ブレーキ動作制御部 6 1は、 非常制動動作の実行を許可する 旨のフラグを立てる。 また、 ステップ 1 0 7において、 ブレーキ動作制御部 6 1は、 非常 制動動作の実行を許可しない旨のフラグを立 てる。

【 0 0 5 1】

ステップ 1 0 8において、 非常制動動作の可否判別処理を終了する。

【 0 0 5 2】

ステップ 1 0 7で非常制動動作が許可されると、 ブレーキ動作制御部 6 1は、 後輪制動 機構 1 4のホイールシリンダ 2 4のブレーキ液の液圧の目標値を演算し、 その目標値を参 照しつつ後輪制動機構 1 4に後輪 4を制動する制動力を生じさせる。 例えば、 ブレーキ動 作制御部 6 1は、 前輪制動機構 1 2において、 込め弁 3 1が開放され、 弛め弁 3 2が閉鎖 され、 第 1弁 3 5が開放され、 第 2弁 3 6が閉鎖され、 つ、 後輪制動機構 1 4において 、 込め弁 3 1が開放され、 弛め弁 3 2が閉鎖され、 第 1弁 3 5が閉鎖され、 第 2弁 3 6が 開放されている状態で、 前輪制動機構 1 2及び後輪制動機構 1 4のポンプ 3 4を駆動する ことで、 後輪制動機構 1 4に後輪 4を制動する制動力を生じさせる。 ホイールシリンダ 2 4のブレーキ液の液圧の目標値は、 ポンプ 3 4の回転数等に反映される。

【 0 0 5 3】

ホイールシリンダ 2 4のブレーキ液の液圧の目標値の演算では、 路面の勾配の度合いと 、 モータサイクル 1 0 0の車両諸元 (既知情報) と、 が加味される。 つまり、 ブレーキ動 作制御部 6 1は、 非常制動動作において、 路面の上り勾配の度合いに応じた制動力を後 輪 制動機構 1 4に生じさせる。 路面の上り勾配の度合いは、 モータサイクル 1 0 0に作用す る加速度を検出する加速度センサ 4 5の検出結果を用いて推定することができる 加速度 センサ 4 5の検出結果から路面の勾配の度合いが演算 れ、 その演算結果を用いて、 ホイ ールシリンダ 2 4のブレーキ液の液圧の目標値が演算されて よく、 また、 ホイールシリ ンダ 2 4のブレーキ液の液圧の目標値が、 加速度センサ 4 5の検出結果から直接演算され てもよい。

【 0 0 5 4】

くモータサイクル用ブレーキシステムの効 果 >

実施の形態 1に係るモータサイクル用ブレーキシステム 効果について説明する。 モータサイクル用ブレーキシステム 1 0では、 路面が上り勾配である際に、 使用者によ る第 1ブレーキ操作部 1 1の操作が有ると判別され、 つ、 モータサイクル 1 0 0が、 前 輪 3が制動されつつ後退するスリ ップダウン状態にあると判別された場合に、 後輪制動機 構 1 4に後輪 4を制動する制動力を生じさせる非常制動動 が実行される。 そのため、 路 面が急な上り勾配である際に、 使用者による第 1ブレーキ操作部 1 1 の操作によって前輪 3が制動されているにも拘らずモータサイク 1 0 0が後退する場合であっても、 使用者 による第 2ブレーキ操作部 1 3の操作によらずに、 車体の挙動を安定化することが可能で あるため、 路面が急な上り勾配である際のモータサイク ル 1 0 0の挙動安定性が向上され

【 0 0 5 5】

また、 例えば、 もし仮に、 ブレーキ動作制御部 6 1力 モータサイクル 1 0 0の車体速 度が基準速度を超える場合にのみ走行制御動 作を実行するものであったとしても、 モータ サイクル 1 0 0の車体速度が基準速度を超えない状態で、 後輪制動機構 1 4に後輪 4を制 動する制動力を生じさせて、 車体の挙動の安定性を確保することが可能で ある。 そのため 、 モータサイクル i o oの車体速度が基準速度を超える場合にのみ 行される走行制御動 作を採用して、 制動力の制御の安定性を向上することの実現 性が向上される。

【 0 0 5 6】

また、 例えば、 もし仮に、 ブレーキ動作制御部 6 1力 モータサイクル 1 0 0が基準時 間を超えて停止する場合にのみヒルホールド 動作の実行を許可するものであったとしても 、 モータサイクル 1 0 0が基準時間を超えて停止しない状態で、 後輪制動機構 1 4に後輪 4を制動する制動力を生じさせて、 車体の挙動の安定性を確保することが可能で ある。 そ のため、 モータサイクル 1 0 0が基準時間を超えて停止する場合にのみ実 が許可される ヒルホールド動作を採用して、 使用者の安全性を向上することの実現性が向 上される。

【 0 0 5 7】

好ましくは、 モータサイクル用ブレーキシステム 1 0では、 非常制動動作が、 前輪制動 機構 1 2によって生じる前輪 3の制動力が第 1ブレーキ操作部 1 1のみに連動すると判別 された場合にのみ、 実行される。 そのため、 ブレーキ動作制御部 6 1力 走行制御動作を 実行するものである場合において、 非常制動動作が走行制御動作の実行中に実行 されてし まうことの抑制が確実化されて、 制動力の制御の安定性が向上される。

【 0 0 5 8】

好ましくは、 モータサイクル用ブレーキシステム 1 0では、 非常制動動作が、 モータサ イタル 1 0 0の車体速度が、 走行制御動作の実行を制限するための基準速 度を超えないと 判別された場合にのみ、 実行される。 そのため、 ブレーキ動作制御部 6 1が、 モータサイ クル 1 0 0の車体速度が基準速度を超える場合にのみ 行制御動作を実行するものである 場合において、 非常制動動作が走行制御動作の実行中に実行 されてしまうことの抑制が確 実化されて、 制動力の制御の安定性が向上される。

【 0 0 5 9】

好ましくは、 モータサイクル用ブレーキシステム 1 0では、 ブレーキ動作制御部 6 1が 、 非常制動動作において、 路面の上り勾配の度合いに応じた制動力を後 輪制動機構 1 4に 生じさせる。 そのため、 非常制動動作によって停止した状態のモータ サイクル 1 0 0に、 必要以上に大きい制動力が生じることとなっ て、 発進に移行する際のス口ッ トル開度をそ の分だけ大きくする必要が生じてしまうこと が抑制される。

【 0 0 6 0】

また、 例えば、 ブレーキ動作制御部 6 1力 路面の勾配の度合いに応じた制動力を生じ させるヒルホールド動作を行うものであった としても、 ブレーキ動作制御部 6 1力 非常 制動動作において、 路面の上り勾配の度合いに応じた制動力を後 輪制動機構 1 4に生じさ せることで、 ヒルホールド動作から発進に移行する場合と 、 非常制動動作から発進に移行 する場合と、 で、 発進に必要なスロッ トル開度に差が生ずることを抑制することが 可能で あるため、 使用者の操作感が向上される。

【 0 0 6 1】

好ましくは、 モータサイクル用ブレーキシステム 1 0では、 前輪 3が制動されつつ後退 するス リ ップダウン状態にあるか否かが、 前輪 3の回転速度と、 後輪 4の回転速度と、 モ ータサイクル 1 0 0に作用する加速度と、 モータサイクル 1 0 0に生じる原動力 (例えば 、 エンジントルク、 スロッ トル開度等) と、 に基づいて判別される。 そのため、 モータサ イタル 1 0 0が、 前輪 3が制動されつつ後退するスリ ップダウン状態にあるか否かを、 回 転方向を検出できないセンサ (前輪回転速度センサ 4 3及び後輪回転速度センサ 4 4 A ) を用いて判別することが可能となって、 モータサイクル用ブレーキシステム 1 0の汎用性 が向上される。

【 0 0 6 2】

実施の形態 2 .

以下に、 実施の形態 2に係るモータサイクル用ブレーキシステム ついて説明する。 なお、 実施の形態 1に係るモータサイクル用ブレーキシステム 重複又は類似する説明 は、 適宜簡略化又は省略している。

【 0 0 6 3】 くモータサイクゾレ用ブレーキシステムの構 成 >

実施の形態 2に係るモータサイクル用ブレーキシステム 構成について説明する。 図 5は、 本発明の実施の形態 2に係るモータサイクル用ブレーキシステム 、 主要部の システム構成を示す図である。

【 0 0 6 4】

図 5に示されるように、 モータサイクル用ブレーキシステム 1 0は、 マスタシリンダ圧 センサ 4 1 と、 ホイールシリ ンダ圧センサ 4 2 と、 前輪回転速度センサ 4 3 と、 後輪回転 速度センサ 4 4 Bと、 を含む。

【 0 0 6 5】

前輪回転速度センサ 4 3は、 前輪 3の回転速度を検出する。 前輪回転速度センサ 4 3が 、 前輪 3の回転速度及び回転方向を検出するもので ってもよい。 後輪回転速度センサ 4 4 Bは、 後輪 4の回転速度及び回転方向を検出する。 後輪回転速度センサ 4 4 Bが、 後輪 4の回転方向に実質的に換算可能な他の物理 を検出するものであってもよい。

【 0 0 6 6】

制御装置 6 0は、 ブレーキ動作制御部 6 1 と、 車体速度判別部 6 2 と、 停止状態判別部 6 3と、 ブレーキ操作判別部 6 4 と、 スリ ツプダゥン判別部 6 5 Bと、 前輪制動力判別部 6 6 と、 を含む。

【 0 0 6 7】

くモータサイクル用ブレーキシステムの動 作 >

実施の形態 2に係るモータサイクル用ブレーキシステム 動作について説明する。 【 0 0 6 8】

(非常制動動作)

図 6は、 本発明の実施の形態 2に係るモータサイクル用ブレーキシステム 、 非常制動 動作の可否判別処理のフローチャートである 。 図 6のステップ 2 0 1、 ステップ 2 0 2、 及び、 ステップ 2 0 4〜 2 0 8は、 図 4のステップ 1 0 1、 ステップ 1 0 2、 及び、 ステ ップ 1 0 4〜 1 0 8 と同様である。

【 0 0 6 9】

ステップ 2 0 3において、 スリ ップダウン判別部 6 5 Bは、 モータサイクル 1 0 0力 前輪 3が制動されつつ後退するスリ ップダウン状態にあるか否かを判別する。 前輪 3が制 動されつつ後退するス リ ップダウン状態にあるか否かは、 例えば、 前輪 3の回転速度を検 出する前輪回転速度センサ 4 3の検出結果と、 後輪 4の回転速度及び回転方向を検出する 後輪回転速度センサ 4 4 Bの検出結果と、 に基づいて判別される。 Y e sの場合 (ス リ ツ プダウン状態にある場合) には、 ステップ 2 0 4に進み、 N oの場合 (スリ ップダウン状 態にない場合) には、 ステップ 2 0 7に進む。

【 0 0 7 0】

くモータサイクル用ブレーキシステムの効 果 >

実施の形態 2に係るモータサイクル用ブレーキシステム 効果について説明する。 【 0 0 7 1】

好ましくは、 モータサイクル用ブレーキシステム 1 0では、 前輪 3が制動されつつ後退 するスリ ップダウン状態にあるか否かが、 前輪 3の回転速度と、 後輪 4の回転速度及び回 転方向と、 に基づいて判別される。 そのため、 モータサイクル 1 0 0が、 前輪 3が制動さ れつつ後退するスリ ップダウン状態にあるか否かを、 モータサイクル 1 0 0に作用する加 速度を検出する加速度センサ 4 5 と、 モータサイクル 1 0 0に生じる原動力 (例えば、 ェ ンジン トルク、 スロ ッ トル開度等) を検出する原動力センサ 4 6 と、 を用いずに判別する ことが可能となって、 モータサイクル用ブレーキシステム 1 0の汎用性が向上される。

【 0 0 7 2】

以上、 実施の形態 1及び実施の形態 2について説明したが、 本発明は各実施の形態の説 明に限定されない。 例えば、 各実施の形態の全て又は一部が組み合わされ てもよく、 また 、 各実施の形態の一部のみが実施されてもよい 。 また、 例えば、 各ステップの順序が入れ 替えられてもよレ、。

【符号の説明】

【 0 0 7 3】

1 胴体、 2 ハン ドル、 3 前輪、 3 a ロータ、 4 後輪、 4 a ロータ、 1 0 モータサイクル用ブレーキシステム、 1 1 第 1ブレーキ操作部、 1 2 前輪制動機構、 1 3 第 2ブレーキ操作部、 1 4 後輪制動機構、 2 1 マスタシリンダ、 2 2 リザー バ、 2 3 ブレーキキヤ リパ、 2 4 ホイールシリ ンダ、 2 5 主流路、 2 6 副流路、 2 7 供給流路、 3 1 込め弁、 3 2 弛め弁、 3 3 アキュムレータ、 3 4 ポンプ、 3 5 第 1弁、 3 6 第 2弁、 4 1 マスタシリ ンダ圧センサ、 4 2 ホイールシリ ンダ 圧センサ、 4 3 前輪回転速度センサ、 4 4 A、 4 4 B 後輪回転速度センサ、 4 5 加 速度センサ、 4 6 原動力センサ、 5 0 液圧制御ユニッ ト、 5 1 基体、 6 0 制御装 置、 6 1 ブレーキ動作制御部、 6 2 車体速度判別部、 6 3 停止状態判別部、 6 4 ブレーキ操作判別部、 6 5 A、 6 5 B スリ ップダウン判別部、 6 6 前輪制動力判別部 、 1 0 0 モータサイクノレ。