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Title:
CONTROL DEVICE FOR INTERNAL COMBUSTION ENGINE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/099750
Kind Code:
A1
Abstract:
Intended is to provide a control device for an internal combustion engine, which suppresses such a deterioration of emission or mileage effectively as might otherwise be caused by the influences of the exhaust valve opening timing at an accelerating time. On the basis of the exhaust valve opening timing of the internal combustion engine, the upper limit of a fuel injection rate is set. In case the fuel injection rate is raised at an accelerating time, the fuel injection rate is limited to a value less than its upper limit. The exhaust valve opening timing, at which the upper injection limit takes the maximum, is set at a relatively earlytiming in a low speed range, shifted in a later direction as the engine speed rises toward a medium speed range, and set in an early direction as the engine speed rises to a high speed range.

Inventors:
KOGO TOMOYUKI (JP)
TOMODA TERUTOSHI (JP)
ISHIYAMA SHINOBU (JP)
FURUHASHI MICHIO (JP)
ONO TOMOYUKI (JP)
NAKATANI KOICHIRO (JP)
HISATAKA YOSHIHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/052024
Publication Date:
August 21, 2008
Filing Date:
February 07, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TOYOTA MOTOR CO LTD (JP)
KOGO TOMOYUKI (JP)
TOMODA TERUTOSHI (JP)
ISHIYAMA SHINOBU (JP)
FURUHASHI MICHIO (JP)
ONO TOMOYUKI (JP)
NAKATANI KOICHIRO (JP)
HISATAKA YOSHIHIRO (JP)
International Classes:
F02D13/02; F02D41/10; F02D23/00; F02D41/38; F02D43/00
Foreign References:
JP2006242037A2006-09-14
JPH1136936A1999-02-09
JP2008008221A2008-01-17
JPH1136962A1999-02-09
JP2003003871A2003-01-08
JP2005139965A2005-06-02
JP2004278431A2004-10-07
JP2002227630A2002-08-14
Other References:
See also references of EP 2123888A4
Attorney, Agent or Firm:
TAKAHASHI, Hideki et al. (Takahashi & Partners5th Floor, Intec 88 Bldg.,20, Araki-cho, Shinjuku-ku, Tokyo 07, JP)
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Claims:
 排気弁の少なくとも開き時期を可変とする可変動弁機構と、
 排気弁開き時期に基いて、燃料噴射量の上限値を設定する噴射量上限値設定手段と、
 燃料噴射量を前記上限値以下に制限する制限手段と、
 を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
 前記噴射量上限値設定手段は、
 排気弁開き時期が所定時期のときに前記上限値が最大となり、
 排気弁開き時期が前記所定時期より早くなるほど前記上限値が小さくなり、
 排気弁開き時期が前記所定時期より遅くなるほど前記上限値が小さくなるように、前記上限値を設定することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
 前記内燃機関は、排気エネルギによって駆動される過給機を備えており、
 前記噴射量上限値設定手段は、排気弁開き時期とエンジン回転数とに基いて、前記上限値を設定することを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関の制御装置。
 前記噴射量上限値設定手段は、排気弁開き時期とエンジン回転数とに基いて前記上限値を定めたマップを有し、
 前記マップにおいて、前記上限値が最大となる排気弁開き時期は、低速域では比較的早い時期にあり、そこからエンジン回転数が中速域へ向かって上昇するにつれて遅い方向へ移行し、そこから更にエンジン回転数が高速域へ向かって上昇するにつれて早い方向へ移行することを特徴とする請求項3記載の内燃機関の制御装置。
 前記マップにおいて、低速域において前記上限値が最大となる排気弁開き時期は、高速域において前記上限値が最大となる排気弁開き時期より早いことを特徴とする請求項4記載の内燃機関の制御装置。
 前記内燃機関が加速する際に、低速域では排気弁開き時期が比較的早くなり、そこからエンジン回転数が中速域へ向かって上昇するにつれて排気弁開き時期が遅くなり、そこから更にエンジン回転数が高速域へ向かって上昇するにつれて排気弁開き時期が早くなるように、前記可変動弁機構の作動を制御する排気弁開き時期制御手段を備えることを特徴とする請求項3乃至5の何れか1項記載の内燃機関の制御装置。
 前記排気弁開き時期制御手段は、低速域における排気弁開き時期を、高速域における排気弁開き時期より早くすることを特徴とする請求項6記載の内燃機関の制御装置。
Description:
内燃機関の制御装置

 本発明は、内燃機関の制御装置に関する

 日本特開平11-36962号公報には、ディーゼ エンジンの加速時に排気スモークの発生を 実に防止するために、吸入空気量とエンジ 回転数とに基いて、燃料噴射量の最大値(上 値)を設定するようにしたディーゼルエンジ ンの燃料噴射制御装置が開示されている。

 また、日本特開2003-3871号公報には、加速 態が検出された場合に、排気弁の開き時期 進角させるようにしたターボ過給機付内燃 関の可変動弁装置が開示されている。この 置によれば、加速時に排気弁開き時期を早 るので、ターボ過給機の排気タービンに流 する排気エネルギが増大し、過給機回転数 早期に高めることができ、加速性能を向上 ることができる。

日本特開平11-36962号公報

日本特開2003-3871号公報

日本特開2005-139965号公報

日本特開2004-278431号公報

日本特開2002-227630号公報

 しかしながら、上記従来の装置のように 加速時に排気弁の開き時期を早めた場合に 、燃焼が完全に終了しないうちに排気弁が かれて燃焼が中断されるので、未燃燃料成 であるHCや燃焼途上の成分であるスモーク( )の排出量が増加し易い。このようなエミッ ションの悪化は、吸入空気量からは予測する ことができない性質のものである。つまり、 排気弁の開き時期が早くされたような場合に は、吸入空気量とエンジン回転数とから燃料 噴射量の上限値を設定していたとしても、エ ミッションの悪化を防止できない場合がある 。

 この発明は、上記の点に鑑みてなされた のであり、加速時に排気弁開き時期の影響 起因するエミッションや燃費の悪化を有効 抑制することのできる内燃機関の制御装置 提供することを目的とする。

 第1の発明は、上記の目的を達成するため、 内燃機関の制御装置であって、
 排気弁の少なくとも開き時期を可変とする 変動弁機構と、
 排気弁開き時期に基いて、燃料噴射量の上 値を設定する噴射量上限値設定手段と、
 燃料噴射量を前記上限値以下に制限する制 手段と、
 を備えることを特徴とする。

 また、第2の発明は、第1の発明において、
 前記噴射量上限値設定手段は、
 排気弁開き時期が所定時期のときに前記上 値が最大となり、
 排気弁開き時期が前記所定時期より早くな ほど前記上限値が小さくなり、
 排気弁開き時期が前記所定時期より遅くな ほど前記上限値が小さくなるように、前記 限値を設定することを特徴とする。

 また、第3の発明は、第1または第2の発明に いて、
 前記内燃機関は、排気エネルギによって駆 される過給機を備えており、
 前記噴射量上限値設定手段は、排気弁開き 期とエンジン回転数とに基いて、前記上限 を設定することを特徴とする。

 また、第4の発明は、第3の発明において、
 前記噴射量上限値設定手段は、排気弁開き 期とエンジン回転数とに基いて前記上限値 定めたマップを有し、
 前記マップにおいて、前記上限値が最大と る排気弁開き時期は、低速域では比較的早 時期にあり、そこからエンジン回転数が中 域へ向かって上昇するにつれて遅い方向へ 行し、そこから更にエンジン回転数が高速 へ向かって上昇するにつれて早い方向へ移 することを特徴とする。

 また、第5の発明は、第4の発明において、
 前記マップにおいて、低速域において前記 限値が最大となる排気弁開き時期は、高速 において前記上限値が最大となる排気弁開 時期より早いことを特徴とする。

 また、第6の発明は、第3乃至第5の発明の何 かにおいて、
 前記内燃機関が加速する際に、低速域では 気弁開き時期が比較的早くなり、そこから ンジン回転数が中速域へ向かって上昇する つれて排気弁開き時期が遅くなり、そこか 更にエンジン回転数が高速域へ向かって上 するにつれて排気弁開き時期が早くなるよ に、前記可変動弁機構の作動を制御する排 弁開き時期制御手段を備えることを特徴と る。

 また、第7の発明は、第6の発明において、
 前記排気弁開き時期制御手段は、低速域に ける排気弁開き時期を、高速域における排 弁開き時期より早くすることを特徴とする

 第1の発明によれば、排気弁の少なくとも 開き時期を可変とする可変動弁機構を備えた 内燃機関において、排気弁開き時期に基いて 燃料噴射量の上限値を設定し、燃料噴射量を その上限値以下に制限することができる。内 燃機関の加速時に燃料噴射量が増量される場 合、排気弁開き時期がエミッションに大きく 影響する。例えば、排気弁開き時期が早い場 合には、燃焼が完全に終了しないうちに排気 弁が開くことがある。このような場合には、 燃焼途中のガスが排気ポートへ流出するので 、未燃燃料成分であるHCや、燃焼途上の成分 あるスモークの排出量が増加し易い。また 排気弁開き時期が遅い場合には、筒内の既 ガスが排気ポートへ排出されにくくなるの 、残留ガスが増大し、エミッションが悪化 ることがある。これらのような排気弁開き 期の影響に起因するエミッションの悪化は 空気量からは予測のできないものである。 1の発明よれば、排気弁開き時期に基いて燃 料噴射量の上限値を設定することにより、加 速時に空気量からは予測のできないエミッシ ョンの悪化が生ずることを確実に防止するこ とができる。

 第2の発明によれば、排気弁開き時期が所 定時期のときに噴射量上限値が最大となり、 排気弁開き時期がその所定時期より早くなる ほど噴射量上限値が小さくなり、また、排気 弁開き時期がその所定時期より遅くなるほど 噴射量上限値が小さくなるように、噴射量上 限値を設定することができる。これにより、 排気弁開き時期に応じて噴射量上限値を最適 に設定することができるので、加速時のエミ ッションの悪化をより確実に防止することが できる。

 第3の発明によれば、排気エネルギによっ て駆動される過給機を備えた内燃機関におい て、排気弁開き時期とエンジン回転数とに基 いて、噴射量上限値を設定することができる 。過給機付き内燃機関においては、排気弁開 き時期が同じであっても、エンジン回転数に よって充填効率やターボ効率が異なるので、 空気量が変化する。特に、ターボ効率の変化 は大きいため、エンジン回転数の変化に伴い 、エミッションや燃費の悪化を防止するため に必要な噴射量上限値も変化する。第3の発 によれば、排気弁開き時期に加えてエンジ 回転数を基礎として噴射量上限値を算出す ので、充填効率やターボ効率の変化の影響 考慮した噴射量上限値を設定することがで る。このため、エミッションや燃費の悪化 より確実に防止することができる。

 第4の発明によれば、排気弁開き時期とエ ンジン回転数とに基いて噴射量上限値を定め たマップにおいて、噴射量上限値が最大とな る排気弁開き時期は、低速域では比較的早い 時期にあり、そこからエンジン回転数が中速 域へ向かって上昇するにつれて遅い方向へ移 行し、そこから更にエンジン回転数が高速域 へ向かって上昇するにつれて早い方向へ移行 する。低速域では、排気弁開き時期を早くす ると、ターボ効率や充填効率が高まり、空気 量をアップすることができるので、エミッシ ョンの悪化を招くことなく、噴射量上限値を 大きくすることができる。中速域では、排気 弁開き時期を遅くすると、HCや煤が筒内でよ 完全に燃焼する時間的余裕が生まれるので HCやスモークが発生しにくくなる。このた 、エミッション悪化を招くことなく、噴射 上限値を大きくすることができる。また、 り多くの膨張仕事を回収することができ、 ンジントルクを高めることができる。高速 では、排気弁開き時期を中速域に比して早 することにより、排気効率が高まって残留 ス量が少なくなるので、充填効率を高める とができる。このため、エミッション悪化 招くことなく、噴射量上限値を大きくする とができる。第4の発明によれば、以上の事 に鑑みて、最適な噴射量上限値を設定する とができるので、加速性能、エミッション 燃費のバランスの最適化が図れる。

 第5の発明によれば、上記マップにおいて 、低速域において噴射量上限値が最大となる 排気弁開き時期は、高速域において噴射量上 限値が最大となる排気弁開き時期より早くさ れている。これにより、排気弁開き時期およ びエンジン回転数と、噴射量上限値との関係 をより適切なものとすることができ、加速性 能、エミッション、燃費のバランスを更に向 上することができる。

 第6の発明によれば、内燃機関が加速する 際に、低速域では排気弁開き時期が比較的早 くなり、そこからエンジン回転数が中速域へ 向かって上昇するにつれて排気弁開き時期が 遅くなり、そこから更にエンジン回転数が高 速域へ向かって上昇するにつれて排気弁開き 時期が早くなるように、可変動弁機構の作動 を制御することができる。低速域では、排気 弁開き時期を早くすることにより、ターボ効 率や充填効率が高まり、空気量をアップする ことができる。このため、エミッションの悪 化を招くことなく、噴射量上限値を大きくす ることができる。中速域では、排気弁開き時 期を遅くすることにより、HCや煤が筒内でよ 完全に燃焼する時間的余裕が生まれるので HCやスモークが発生しにくくなる。このた 、エミッション悪化を招くことなく、噴射 上限値を大きくすることができる。また、 気弁開き時期の遅延により、更に多くの膨 仕事を回収することができるので、エンジ トルクを高めることができる。また、高速 では、排気弁開き時期を中速域に比して早 することにより、排気効率が高まって残留 ス量が少なくなるので、充填効率を高める とができる。このため、エミッション悪化 招くことなく、噴射量上限値を大きくする とができる。これらのことから、第6の発明 よれば、加速時の排気弁開き時期を上記の うに制御することにより、各回転域におい 、エミッション悪化を招くことなく、加速 能を向上することができる。

 第7の発明によれば、加速時に、低速域に おける排気弁開き時期を、高速域における排 気弁開き時期より早くすることができる。こ れにより、加速時におけるエンジン回転数と 排気弁開き時期との関係をより適切なものと することができ、加速性能、エミッション、 燃費のバランスを更に向上することができる 。

本発明の実施の形態1のシステム構成を 説明するための図である。 図1に示すシステムにおけるディーゼル 機関の一つの気筒の断面を示す図である。 本発明の実施の形態1において、排気弁 開き時期に基いて設定される燃料噴射量の上 限値のマップを示す図である。 本発明の実施の形態1において実行され るルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態2において、排気弁 開き時期に基いて燃料噴射量の上限値を設定 するために用いられるマップである。 本発明の実施の形態2において、ディー ゼル機関が低速域から高速域へと加速する場 合の排気弁開き時期の変化を示すタイミング チャートである。

符号の説明

10 ディーゼル機関
12 インジェクタ
14 コモンレール
18 排気通路
20 排気マニホールド
22 排気ポート
24 ターボ過給機
26 触媒
28 吸気通路
34 吸気マニホールド
35 吸気ポート
36 吸気絞り弁
38 エアフローメータ
40 外部EGR通路
44 EGR弁
48 アクセル開度センサ
50 ECU
52 吸気弁
54 吸気可変動弁機構
56 排気弁
58 排気可変動弁機構
62 クランク角センサ
64 ピストン

 以下、図面を参照してこの発明の実施の 態について説明する。なお、各図において 通する要素には、同一の符号を付して、重 する説明を省略する。

実施の形態1.
[システム構成の説明]
 図1は、本発明の実施の形態1のシステム構 を説明するための図である。図1に示すシス ムは、4サイクルのディーゼル機関10を備え いる。ディーゼル機関10は、車両に搭載さ 、その動力源とされているものとする。本 施形態のディーゼル機関10は、直列4気筒型 あるが、本発明におけるディーゼル機関の 筒数および気筒配置はこれに限定されるも ではない。

 以下、本実施形態では、本発明をディー ル機関(圧縮着火内燃機関)の制御に適用し 場合について説明するが、本発明は、ディ ゼル機関の制御に限定されるものではなく ガソリン機関(火花点火内燃機関)その他の各 種の内燃機関の制御に適用することが可能で ある。

 ディーゼル機関10の各気筒には、燃料を 内に直接噴射するインジェクタ12が設置され ている。各気筒のインジェクタ12は、共通の モンレール14に接続されている。コモンレ ル14内には、サプライポンプ16によって加圧 れた高圧の燃料が貯留されている。そして コモンレール14内から、各インジェクタ12へ 、燃料が供給される。

 インジェクタ12は、1サイクル中に1回また は複数回、任意のタイミングで燃料を筒内に 噴射することができる。すなわち、インジェ クタ12は、1サイクル中に、主たる燃料噴射で あるメイン噴射のほかに、メイン噴射に先立 つ1回または複数回のパイロット噴射や、メ ン噴射の後のアフター噴射、ポスト噴射な を実施することができるようになっていて よい。

 ディーゼル機関10の排気通路18は、排気マ ニホールド20により枝分かれして、各気筒の 気ポート22(図2参照)に接続されている。本 施形態のディーゼル機関10は、ターボ過給機 24を備えている。排気通路18は、ターボ過給 24の排気タービン24aに接続されている。

 排気タービン24aより下流側の排気通路18 は、排気ガスを浄化するための触媒(排気浄 装置)26が設けられている。触媒26としては 例えば、酸化触媒、吸蔵還元型または選択 元型のNOx触媒、DPF(Diesel Particulate Filter)、DPN R(Diesel Particulate-NOx-Reduction system)のうちの一 、またはこれらの組み合わせなどを用いる とができる。

 ディーゼル機関10の吸気通路28の入口付近 には、エアクリーナ30が設けられている。エ クリーナ30を通って吸入された空気は、タ ボ過給機24の吸気圧縮機24bで圧縮された後、 インタークーラ32で冷却される。インターク ラ32を通過した吸入空気は、吸気マニホー ド34により分配されて、各気筒に流入する。

 吸気通路28の、インタークーラ32と吸気マ ニホールド34との間には、吸気絞り弁36が設 されている。また、吸気通路28の、エアクリ ーナ30の下流近傍には、吸入空気量を検出す エアフローメータ38が設置されている。

 吸気通路28の吸気マニホールド34の近傍に は、外部EGR通路40の一端が接続されている。 部EGR通路40の他端は、排気通路18の排気マニ ホールド20近傍に接続されている。本システ では、この外部EGR通路40を通して、排気ガ (既燃ガス)の一部を吸気通路28に還流させる と、つまり外部EGR(Exhaust Gas Recirculation)を うことができる。

 外部EGR通路40の途中には、外部EGRガスを 却するためのEGRクーラ42が設けられている。 外部EGR通路40におけるEGRクーラ42の下流には EGR弁44が設けられている。このEGR弁44の開度 変えることにより、外部EGR通路40を通る排 ガス量、すなわち外部EGR量を調整すること できる。

 また、本システムにおいて、外部EGR量は EGR弁44の開度だけでなく、吸気絞り弁36の開 度によっても調整することができる。吸気絞 り弁36の開度を小さくして吸気を絞ると、吸 圧が小さくなるので、背圧(排気圧)との差 が大きくなる。つまり、外部EGR通路40の前後 の差圧が大きくなる。このため、外部EGR量を 多くすることができる。

 そして、本実施形態のシステムは、ディ ゼル機関10が搭載された車両のアクセルペ ルの踏み込み量(アクセル開度)を検出するア クセル開度センサ48と、ECU(Electronic Control Uni t)50と、車速を検出する車速センサ68とを更に 備えている。ECU50には、上述した各種のセン およびアクチュエータが接続されている。E CU50は、各センサの出力に基づき、所定のプ グラムに従って各アクチュエータを作動さ ることにより、ディーゼル機関10の運転状態 を制御する。

 図2は、図1に示すシステムにおけるディ ゼル機関10の一つの気筒の断面を示す図であ る。以下、ディーゼル機関10について更に説 する。図2に示すように、ディーゼル機関10 クランク軸60の近傍には、クランク軸60の回 転角度を検出するクランク角センサ62が取り けられている。このクランク角センサ62は ECU50に接続されている。クランク角センサ62 よれば、エンジン回転数(エンジン回転速度 )を検出することができる。

 また、ディーゼル機関10は、排気弁56の開弁 特性を可変とする排気可変動弁機構58を備え いる。この排気可変動弁機構58は、排気弁56 の少なくとも開き時期を連続的または段階的 に変化させることのできるものであれば、い かなる構成のものでもよく、例えば次に例示 するようなものを用いることができる。
 (1)排気弁56を駆動するカムシャフトの位相 変化させることにより、作用角が一定のま で排気弁56の開き時期および閉じ時期を変化 させる位相可変機構。
 (2)排気弁56とカムシャフトとの間に揺動カ などを介在させることにより、排気弁56の開 き時期を作用角とともに変化させる作用角可 変機構。
 (3)排気弁56を開くためのカムを電気モータ よって回転駆動することにより、排気弁56を 任意の時期に開閉可能とする機構。
 (4)排気弁56を電磁力によって駆動すること より任意の時期に開閉可能とする機構(電磁 動弁)。

 図2の構成では、ディーゼル機関10は、吸 弁52の開弁特性を可変とする吸気可変動弁 構54を更に備えている。吸気可変動弁機構54 よび排気可変動弁機構58は、それぞれ、ECU50 に接続されている。なお、本発明では、吸気 弁52の開弁特性は固定とされていてもよい。 気可変動弁機構54を備えず、通常の動弁機 により吸気弁52を駆動してもよい。

[実施の形態1の特徴]
 ディーゼル機関10においては、気筒内の空 比が濃くなりすぎると、排気ガス中のスモ クが増大するなどのエミッション悪化を生 る。このため、燃料噴射量が増量される加 時などに、エミッションが悪化し易い。そ ようなエミッション悪化を防止するため、 常、ディーゼル機関10においては、エアフロ ーメータ38の信号などから求められる気筒内 空気量に応じて、燃料噴射量の上限値を設 (算出)し、インジェクタ12からの燃料噴射量 をその上限値以下に制限することとしている 。

 また、排気可変動弁装置58を備えた本実 形態のディーゼル機関10では、排気弁56の開 時期(以下「排気弁開き時期」という)を機 運転領域に応じて最適な時期に制御したり あるいは触媒26の再生処理などを実施するた めに排気弁開き時期を制御したりする。

 排気弁開き時期は、エミッションに大き 影響する。例えば、排気弁開き時期が早く れた場合には、燃焼が完全に終了しないう に排気弁56が開くことがある。このような 合には、燃焼途中のガスが排気ポート22へ流 出するので、未燃燃料成分であるHCや、燃焼 上の成分であるスモークの排出量が増加し い。また、排気弁開き時期が遅くされた場 には、筒内の既燃ガスが排気ポート22へ排 されにくくなるので、残留ガスが増大し、 ミッションが悪化することがある。また、 気タービン24aへ供給される排気エネルギが 下するので、ターボ効率が低下して、エミ ションが悪化することもある。

 上述したような排気弁開き時期の影響に 因するエミッションの悪化は、空気量から 予測することができない性質のものである このため、排気弁開き時期を可変とするデ ーゼル機関10においては、空気量から燃料 射量の上限値を設定するだけでは、エミッ ョンの悪化を防止できない場合がある。

 そこで、本実施形態では、排気弁開き時 の影響に起因するエミッションの悪化を確 に防止するべく、排気弁開き時期に基いて 燃料噴射量の上限値を設定することとした 図3は、排気弁開き時期に基いて燃料噴射量 の上限値を設定するために用いられるマップ を示す図である。

 図3に示すマップによれば、燃料噴射量上 限値は、排気弁開き時期が所定時期(標準的 時期)の場合に最大となる。そして、同マッ によれば、燃料噴射量上限値は、排気弁開 時期が上記所定時期より早くなるにつれて さく、また、排気弁開き時期が上記所定時 より遅くなるにつれて小さくなるように設 される。このため、排気弁開き時期が標準 な時期より早い時期に制御されている場合 、あるいは標準的な時期より遅い時期に制 されている場合には、燃料噴射量が、空気 から決まる上限値よりも小さな値に制限さ る。その結果、排気弁開き時期が早くなっ いるときや遅くなっているときに加速要求 生じて燃料噴射量が増量された場合であっ も、エミッションの悪化を確実に防止する とができる。

[実施の形態1における具体的処理]
 図4は、上記の機能を実現するために本実施 形態においてECU50が実行するルーチンのフロ チャートである。なお、本ルーチンは、所 時間毎に、あるいは、クランク角に同期し サイクル毎に、繰り返し実行されるものと る。

 図4に示すルーチンによれば、まず、加速 要求の度合いが所定値より大きいか否かが判 別される(ステップ100)。加速要求の度合いは アクセル開度センサ48によって検出される クセルペダルの踏み込み量や踏み込み速度 基いて判断することができる。上記ステッ 100において、加速要求の度合いが上記所定 より小さいと判別された場合には、エミッ ョンの悪化を招くほどに燃料噴射量が増量 れることはないと判断できるので、以下の 理を実行する必要はない。そこで、この場 には、そのまま本ルーチンの処理が終了さ る。

 一方、上記ステップ100において、加速要 の度合いが上記所定値より大きいと判別さ た場合には、次に、排気弁開き時期が取得 れる(ステップ102)。排気弁開き時期は、排 可変動弁機構58に設けられたセンサによって 検出することができる。次いで、クランク角 センサ62の信号に基づいて、エンジン回転数 取得される(ステップ104)。

 続いて、上記ステップ102で取得された排気 開き時期と、上記ステップ104で取得された ンジン回転数とに基いて、噴射量上限値Q max が算出される(ステップ106)。ECU50には、エン ン回転数毎に、図3に示すようなマップが記 されている。このステップ106においては、 のマップを参照することにより、噴射量上 値Q max が算出される。

 次いで、上記ステップ106で算出された噴射 上限値Q max が、別ルーチンの処理において空気量等から 決定される噴射量上限値Q full より小さいか否かが判別される(ステップ108) このステップ108において、Q max がQ full より小さいと判別された場合には、最終的な 噴射量上限値としてQ max が設定される(ステップ110)。一方、Q max がQ full 以上であると判別された場合には、最終的な 噴射量上限値としてQ full が設定される(ステップ112)。

 このようにして最終的な噴射量上限値が 定されたら、インジェクタ12からの噴射量 増量が実施され、加速が実行される(ステッ 114)。このとき、インジェクタ12からの燃料 射量(1サイクル中に複数回の噴射が行われ 場合には、その総量)は、その最終的な噴射 上限値以下となるように制限される。

 以上説明した図4に示すルーチンの処理に よれば、排気弁開き時期に基いて、燃料噴射 量の上限値を設定することができる。このた め、ディーゼル機関10の加速時に、排気弁開 時期が進角あるいは遅角されている場合で っても、空気量からは予測のできないエミ ションの悪化が発生することを確実に防止 ることができる。

 また、上述した実施の形態1においては、 ECU50が、上記ステップ106の処理を実行するこ により前記第1乃至第3の発明における「噴 量上限値設定手段」が、上記ステップ110お び114の処理を実行することにより前記第1の 明における「制限手段」が、それぞれ実現 れている。また、ターボ過給機24が前記第3 発明における「過給機」に相当している。

実施の形態2.
 次に、図5および図6を参照して、本発明の 施の形態2について説明するが、上述した実 の形態1との相違点を中心に説明し、同様の 事項については、その説明を簡略化または省 略する。

 図5は、本実施形態において、排気弁開き 時期に基いて燃料噴射量の上限値を設定する ために用いられるマップ(以下「噴射量上限 マップ」という)を示す図である。噴射量上 値マップは、エンジン回転数毎に設けられ いる。図5中、実線は、エンジン回転数の低 い低速域を代表する噴射量上限値マップであ り、破線は、エンジン回転数が中程度の中速 域を代表する噴射量上限値マップであり、点 線は、エンジン回転数が高い高速域を代表す る噴射量上限値マップである。図5において 噴射量上限値マップは、エンジン回転数が 速域から中速域へ上昇していくと、実線で す形態から破線で示す形態へと徐々に変化 ていき、更にエンジン回転数が中速域から 速域へと上昇していくと、破線で示す形態 ら点線で示す形態へと徐々に変化していく のとする。

 本実施形態の噴射量上限値マップは、図5 に示すように、低速域では、噴射量上限値が 最大となる排気弁開き時期が比較的早い時期 とされており、中速域では、噴射量上限値が 最大となる排気弁開き時期が比較的遅い時期 とされており、高速域では、噴射量上限値が 最大となる排気弁開き時期が低速域の場合と 中速域の場合との中間の時期とされている。

 図6は、本実施形態において、ディーゼル 機関10が低速域から高速域へと加速する場合 排気弁開き時期の変化を示すタイミングチ ートである。

 本実施形態では大きな加速要求が出され 、ディーゼル機関10が加速(噴射量増量)する 際、ECU50は、各エンジン回転数での噴射量上 値マップにおいて噴射量上限値が最大とな 点を結ぶ線に沿って排気弁開き時期が変化 るように、排気可変動弁機構58を制御する

 すなわち、図6に示すように、低速域にお いてディーゼル機関10の加速が開始されると まず、排気弁開き時期は、通常時より早い 期とされる。そして、エンジン回転数が中 域へと向かって上昇するにつれて、排気弁 き時期が遅くされていく。更に高速域へと かってエンジン回転数が上昇していくと、 気弁開き時期は再び早められていく。高速 では、排気弁開き時期は、中速域よりは早 、低速域よりは遅い時期とされる。

 本実施形態では、ディーゼル機関10の加 時に、上述したようにして排気弁開き時期 制御することにより、次のような効果が得 れる。

(低速域の場合)
 低速域では、一般に、排気ガス流量が少な ので、排気タービン24bへ供給される排気エ ルギーが少なく、ターボ効率や充填効率が いために、空気量をアップすることが難し 。そこで、本実施形態では、加速開始直後 低速域においては、排気弁開き時期を通常 よりも早くすることとした。これにより、 気タービン24bへ流入する排気ガスの温度お び圧力を高めることができるので、排気タ ビン24bへ供給される排気エネルギーを増大 せることができる。その結果、ターボ過給 24の回転数を早期に上昇させてターボ効率 よび充填効率を向上させることができるの 、空気量を十分にアップすることができる

 このように、低速域では、排気弁開き時 を早くすることにより、空気量を多くする とが期待できるので、エミッション悪化を くことなく、比較的多量の燃料を噴射する とができる。そこで、低速域における噴射 上限値マップでは、図5に示すように、排気 弁開き時期が比較的早い時期のときに噴射量 上限値が最大となるようにされている。従っ て、本実施形態では、加速時の低速域におい ては、排気弁開き時期を比較的早い時期とす ることにより、噴射量上限値を大きくするこ とができる。その結果、燃料噴射量の増量幅 を大きくすることができ、エンジントルクを 高めることができる。よって、エミッション の悪化を伴うことなく、低速域における加速 性能を向上することができる。

(中速域の場合)
 中速域では、高速域と比べて、筒内の既燃 スを排気ポート22へ確実に排出する上で時 的に余裕があるので、排気弁開き時期を多 遅くしても、残留ガス量がそれほど増大す ことはなく、よって充填効率の低下は小さ 。また、中速域では、ターボ過給機24を駆動 する上で十分な排気ガス流量が得られるので 、排気弁開き時期の遅延によって排気エネル ギーが減少しても、ターボ効率や充填効率の 低下は少ない。そこで、本実施形態では、加 速時、中速域においては、排気弁開き時期を 遅らせて膨張行程の終了時(下死点)へ近づけ ことにした。これにより、膨張下死点にな べく近い位置まで筒内圧を高く維持するこ ができるので、より多くの膨張仕事をピス ン64によって回収することができ、エンジ トルクを高めることができる。

 また、中速域において排気弁開き時期を くすると、HCや煤が筒内でより完全に燃焼 る時間的余裕が生まれるので、HCやスモーク が発生しにくくなる。このため、エミッショ ン悪化を招くことなく、比較的多量の燃料を 噴射することができる。そこで、中速域にお ける噴射量上限値マップでは、図5に示すよ に、排気弁開き時期が比較的遅い時期のと に噴射量上限値が最大となるようにされて る。よって、本実施形態では、加速時の中 域においては、排気弁開き時期を比較的遅 時期とすることにより、噴射量上限値を大 くすることができる。その結果、燃料噴射 の増量幅を大きくすることができ、上述し 膨張仕事の増大と相まって、エンジントル を十分に高めることができる。よって、エ ッションの悪化を伴うことなく、中速域に ける加速性能を向上することができる。

(高速域の場合)
 高速域では、排気弁開き時期が遅すぎると 残留ガス量が増大し、充填効率が低下し易 。そこで、本実施形態では、加速時、高速 においては、排気弁開き時期を中速域に比 て早くすることにした。これにより、排気 率が高まり、残留ガス量が少なくなるので 充填効率を高めることができる。このため エミッション悪化を招くことなく、比較的 量の燃料を噴射することができる。そこで 高速域における噴射量上限値マップでは、 5に示すように、排気弁開き時期が中速域に 比して早い時期のときに噴射量上限値が最大 となるようにされている。よって、本実施形 態では、加速時の高速域においては、排気弁 開き時期を中速域より早い時期とすることに より、噴射量上限値を大きくすることができ る。その結果、燃料噴射量の増量幅を大きく することができ、エンジントルクを十分に高 めることができる。よって、エミッションの 悪化を伴うことなく、高速域における加速性 能を向上することができる。

 以上説明したように、本実施形態によれ 、ディーゼル機関10の加速時に、低速域、 速域、高速域の何れの領域においても、エ ッションの悪化を伴うことなく、エンジン ルクを十分に高めることができる。このた 、加速性能を向上することができる。よっ 、加速性能、エミッション、燃費のバラン の最適化が図れる。

 ところで、上述した実施の形態2では、図 5に示すように、排気弁開き時期とエンジン 転数とに基いて噴射量上限値を設定してい が、排気弁開き時期と、ターボ効率あるい 充填効率とに基いて噴射量上限値を設定す ようにしてもよい。

 また、上述した実施の形態2においては、 図5に示すマップが前記第4および第5の発明に おける「マップ」に相当している。また、ECU 50が、ディーゼル機関10の加速時に上述した うな排気弁開き時期が実現されるように排 可変動弁機構58を制御することにより、前記 第6および第7の発明における「排気弁開き時 制御手段」が実現されている。