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Title:
CONTROL DEVICE, CONTROL METHOD, AND BRAKE SYSTEM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2018/154399
Kind Code:
A1
Abstract:
The present invention provides a control device and a control method whereby it is possible to improve the safety of a motorcycle by performing an automatic emergency deceleration operation while preventing rollover of the motorcycle. The present invention also provides a brake system provided with such a control device. In the control device, the control method, and the brake system according to the present invention, a control mode for causing a motorcycle to perform an automatic emergency deceleration operation is initiated in response to trigger information generated in accordance with the environment around the motorcycle. Further, in this control mode, an automatic emergency deceleration rate, which is the rate of deceleration of the motorcycle caused by the automatic emergency deceleration operation, is controlled in accordance with the lean angle of the motorcycle.

Inventors:
OSHIDA YUKI (JP)
Application Number:
PCT/IB2018/050550
Publication Date:
August 30, 2018
Filing Date:
January 30, 2018
Export Citation:
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Assignee:
BOSCH GMBH ROBERT (DE)
International Classes:
G08G1/16; B60T8/17; B60T8/1755; B60T8/1763; B60W10/06; B60W30/045; B60W30/18; B60W30/04
Domestic Patent References:
WO2013146907A12013-10-03
WO2012163567A12012-12-06
WO2016021607A12016-02-11
Foreign References:
US20130311075A12013-11-21
GB2539759A2016-12-28
DE102013012153A12014-01-09
EP2738075A12014-06-04
US20130238206A12013-09-12
EP2862764A22015-04-22
Other References:
None
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Claims:
【書類名】 請求の範囲

【請求項 1】

モータサイクル ( 1 00) の挙動を制御する制御装置 (6 0) であって、

前記モータサイクル ( 1 00) の周囲環境に応じて生成される トリガ情報を取得する取 得部 (6 1 ) と、

前記モータサイクル ( 1 00) に自動緊急減速動作を実行させる制御モー ドを、 前記ト リガ情報に応じて開始する実行部 (6 2) と、

を備えており、

前記取得部 (6 1 ) は、 前記モータサイクル ( 1 00) のリーン角を取得し、 前記制御モードにおいて、 前記自動緊急減速動作によって前記モータサイクル ( 1 0 0) に生じる減速度である自動緊急減速度が、 前記リーン角に応じて制御される、

制御装置。

【請求項 2】

前記制御モードにおいて、 前記リーン角が大きい場合に、 前記リーン角が小さい場合に 実行される前記自動緊急減速動作と比較して、 前記自動緊急減速度が小さい前記自動緊急 減速動作が実行される、

請求項 1に記載の制御装置。

【請求項 3】

前記制御モードにおいて、 前記自動緊急減速動作中の前記モータサイクル ( 1 00) に 生じる前記自動緊急減速度が、 前記自動緊急減速動作中に取得される前記リーン角に応じ て制御される、

請求項 2に記載の制御装置。

【請求項 4】

前記制御モードにおいて、 前記リーン角がリーン角基準値を超える場合に、 前記自動緊 急減速動作が禁止される、

請求項 1〜 3のいずれか一項に記載の制御装置。

【請求項 5】

前記制御モードにおいて、 前記自動緊急減速動作の禁止中に取得される前記リーン角が 前記リーン角基準値を下回る場合に、 前記自動緊急減速動作が許可される、

請求項 4に記載の制御装置。

【請求項 6】

前記取得部 (6 1 ) は、 前記モータサイクル ( 1 00) の旋回走行中の姿勢に関連する 状態量の変化率を取得し、

前記制御モードにおいて、 前記変化率が変化率基準値を超える場合に、 前記自動緊急減 速動作が禁止される、

請求項 1〜 5のいずれか一項に記載の制御装置。

【請求項 7】

前記取得部 (6 1 ) は、 前記モータサイクル ( 1 00) の旋回走行中の姿勢に関連する 状態量の変化率を取得し、

前記制御モードにおいて、 前記変化率が大きい場合に、 前記変化率が小さい場合に実行 される前記自動緊急減速動作と比較して、 前記自動緊急減速度が小さい前記自動緊急減速 動作が実行される、

請求項 2又は 3に記載の制御装置。

【請求項 8】

前記状態量は、 前記モータサイクル ( 1 00) の前記リーン角を含む、

請求項 6又は 7に記載の制御装置。

【請求項 9】

前記状態量は、 前記モータサイクル ( 1 00) の前記リーン角の角速度を含む、 請求項 6〜8のいずれか一項に記載の制御装置。

【請求項 1 0】 前記制御モードにおいて、 前記モータサイクル ( 1 0 0) の車輪 (3 , 4) に付与され る制動力が制御されることによって、 前記自動緊急減速度が制御される、

請求項 1〜 9のいずれか一項に記載の制御装置。

【請求項 1 1】

前記制御モードにおいて、 前記モータサイクル ( 1 0 0) のエンジンの出力が制御され ることによって、 前記自動緊急減速度が制御される、

請求項 1〜 1 0のいずれか一項に記載の制御装置。

【請求項 1 2】

モータサイクル ( 1 0 0) の挙動を制御する制御方法であって、

前記モータサイクル ( 1 0 0) の周囲環境に応じて生成される トリガ情報を取得する第 1取得ステップ (S 1 1 1 ) と、

前記モータサイクル ( 1 0 0) に自動緊急減速動作を実行させる制御モードを、 制御装 置 (6 0) によって前記トリガ情報に応じて開始する実行ステップ (S 1 1 5 ) と、 を備えており、

前記モータサイクル ( 1 0 0) のリーン角を取得する第 2取得ステップ (S 1 2 1 ) を さらに備え、

前記制御モードにおいて、 前記自動緊急減速動作によって前記モータサイクル ( 1 0 0) に生じる減速度である自動緊急減速度が、 前記リーン角に応じて制御される、

制御方法。

【請求項 1 3】

モータサイクル ( 1 0 0) の周囲環境を検出する周囲環境センサ (4 6 ) と、 前記周囲環境に基づいて前記モータサイクル ( 1 0 0) の挙動を制御する制御装置 (6 0) と、

を備えるブレーキシステム ( 1 0) であって、

前記制御装置 (6 0 ) は、

前記周囲環境に応じて生成される トリガ情報を取得する取得部 (6 1 ) と、

前記モータサイクル ( 1 0 0) に自動緊急減速動作を実行させる制御モードを、 前記ト リガ情報に応じて開始する実行部 (6 2) と、

を備えており、

前記取得部 (6 1 ) は、 前記モータサイクル ( 1 0 0) のリーン角を取得し、 前記制御モードにおいて、 前記自動緊急減速動作によって前記モータサイクル ( 1 0 0) に生じる減速度である自動緊急減速度が、 前記リーン角に応じて制御される、

ブレーキシステム。

Description:
【書類名】 明細書

【発明の名称】 制御装置、 制御方法及びブレーキシステム

【技術分野】

【 0 0 0 1】

この開示は、 モータサイクルの転倒を抑制しつつ、 自動緊急減速動作により安全性を向 上させることができる制御装置及び制御方法 と、 そのような制御装置を備えているブレー キシステムと、 に関する。

【背景技術】

【 0 0 0 2】

従来のモータサイクルに関する技術として、 ドライバの安全性を向上させるためのもの 力 Sある。

【 0 0 0 3】

例えば、 特許文献 1では、 走行方向又は実質的に走行方向にある障害物 を検出するセン サ装置により検出された情報に基づいて、 不適切に障害物に接近していることをモータ サ ィクルのドライバへ警告する運転者支援シス テムが開示されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【 0 0 0 4】

【特許文献 1】 特開 2 0 0 9— 1 1 6 8 8 2号公報

【発明の概要】

【発明が解決しょうとする課題】

【 0 0 0 5】

ところで、 ドライバの安全性をより向上させるために、 ドライバによる操作によらずに 前方の障害物より手前で停止する動作である 自動緊急減速動作をモータサイクルに実行さ せることによって、 前方の障害物との衝突を回避する技術が利用 されることが考えられる。 ここで、 モータサイクルは、 例えば 4輪を有する車両と比較して姿勢が不安定に りやす い。 ゆえに、 自動緊急減速動作によってモータサイクルに 減速度が生じることに起因して、 モータサイクルが転倒するおそれがあるとい う問題がある。

【 0 0 0 6】

本発明は、 上述の課題を背景としてなされたものであり 、 モータサイクルの転倒を抑制 しつつ、 自動緊急減速動作により安全性を向上させる ことができる制御装置及び制御方法 を得るものである。 また、 本発明は、 そのような制御装置を備えているブレーキシ ステム を得るものである。

【課題を解決するための手段】

【 0 0 0 7】

本発明に係る制御装置は、 モータサイクルの挙動を制御する制御装置で あって、 前記モ ータサイクルの周囲環境に応じて生成される トリガ情報を取得する取得部と、 前記モータ サイクルに自動緊急減速動作を実行させる制 御モードを、 前記トリガ情報に応じて開始す る実行部と、 を備えており、 前記取得部は、 前記モータサイクルのリーン角を取得し、 前 記制御モードにおいて、 前記自動緊急減速動作によって前記モータサ イクルに生じる減速 度である自動緊急減速度が、 前記リーン角に応じて制御される。

【 0 0 0 8】

本発明に係る制御方法は、 モータサイクルの挙動を制御する制御方法で あって、 前記モ ータサイクルの周囲環境に応じて生成される トリガ情報を取得する第 1取得ステップと、 前記モータサイクルに自動緊急減速動作を実 行させる制御モードを、 制御装置によって前 記トリガ情報に応じて開始する実行ステップ と、 備えており、 前記モータサイクルのリー ン角を取得する第 2取得ステップをさらに備え、 前記制御モードにおいて、 前記自動緊急 減速動作によって前記モータサイクルに生じ る減速度である自動緊急減速度が、 前記リー ン角に応じて制御される。

【 0 0 0 9】 本発明に係るブレーキシステムは、 モータサイクルの周囲環境を検出する周囲環 境セン サと、 前記周囲環境に基づいて前記モータサイクル の挙動を制御する制御装置と、 を備え るブレーキシステムであって、 前記制御装置は、 前記周囲環境に応じて生成される トリガ 情報を取得する取得部と、 前記モータサイクルに自動緊急減速動作を実 行させる制御モー ドを、 前記トリガ情報に応じて開始する実行部と、 備えており、 前記取得部は、 前記モー タサイクルのリーン角を取得し、 前記制御モードにおいて、 前記自動緊急減速動作によつ て前記モータサイクルに生じる減速度である 自動緊急減速度が、 前記リーン角に応じて制 御される。

【発明の効果】

【 0 0 1 0】

本発明に係る制御装置、 制御方法及びブレーキシステムでは、 モータサイクルに自動緊 急減速動作を実行させる制御モードが、 モータサイクルの周囲環境に応じて生成され る ト リガ情報に応じて開始される。 また、 制御モードにおいて、 自動緊急減速動作によってモ ータサイクルに生じる減速度である自動緊急 減速度が、 モータサイクルのリーン角に応じ て制御される。 それにより、 モータサイクルの姿勢に応じて適切に自動緊 急減速度を制御 することができる。 よって、 モータサイクルの転倒を抑制しつつ、 自動緊急減速動作によ り安全性を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【 0 0 1 1】

【図 1】 本発明の実施形態に係るブレーキシステムが 搭載されるモータサイクルの概 略構成の一例を示す模式図である。

【図 2】 本発明の実施形態に係るブレーキシステムの 概略構成の一例を示す模式図で ある。

【図 3】 本発明の実施形態に係る制御装置の機能構成 の一例を示すプロック図である。 【図 4】 リーン角について説明するための図である。

【図 5】 本発明の実施形態に係る制御装置が行う処理 の一例を示すフローチヤ一卜で ある。

【発明を実施するための形態】

【 0 0 1 2】

以下に、 本発明に係る制御装置、 制御方法及びブレーキシステムについて、 図面を用い て説明する。 なお、 以下では、 モータサイクルが自動二輪車である場合を説 明している力 モータサイクルは自動三輪車等の他のモータ サイクルであってもよい。 また、 前輪制動機 構及び後輪制動機構が、 それぞれ 1つずつである場合を説明しているが、 前輪制動機構及 び後輪制動機構の少なく とも一方が複数であってもよい。

【 0 0 1 3】

また、 以下で説明する構成及び動作等は一例であり 、 本発明に係る制御装置、 制御方法 及びブレーキシステムは、 そのような構成及び動作等である場合に限定 されない。

【 0 0 1 4】

また、 以下では、 同一の又は類似する説明を適宜簡略化又は省 略している。 また、 各図 において、 同一の又は類似する部材又は部分については 、 符号を付すことを省略している か、 又は同一の符号を付している。 また、 細かい構造については、 適宜図示を簡略化又は 省略している。

【 0 0 1 5】

くブレーキシステムの構成 >

本発明の実施形態に係るブレーキシステム 1 0の構成について説明する。 図 1は、 本発 明の実施形態に係るブレーキシステム 1 0が搭載されるモータサイクル 1 0 0の概略構成 の一例を示す模式図である。 図 2は、 本発明の実施形態に係るブレーキシステム 1 0の概 略構成の一例を示す模式図である。 図 3は、 本発明の実施形態に係る制御装置 6 0の機能 構成の一例を示すブロック図である。 図 4は、 リーン角について説明するための図である。

【 0 0 1 6】 図 1及び図 2に示されるように、 ブレーキシステム 1 0は、 モータサイクル 1 0 0に搭 載される。 モータサイクル 1 0 0は、 胴体 1 と、 胴体 1に旋回自在に保持されているハン ドル 2と、 胴体 1にハンドル 2と共に旋回自在に保持されている前輪 3と、 胴体 1に回動 自在に保持されている後輪 4とを備える。

【0 0 1 7】

ブレーキシステム 1 0は、 例えば、 第 1ブレーキ操作部 1 1 と、 少なく とも第 1ブレー キ操作部 1 1に連動して前輪 3を制動する前輪制動機構 1 2と、 第 2ブレーキ操作部 1 3 と、 少なく とも第 2ブレーキ操作部 1 3に連動して後輪 4を制動する後輪制動機構 1 4と を備える。

【0 0 1 8】

第 1ブレーキ操作部 1 1は、 ハンドル 2に設けられており、 ドライバの手によって操作 される。 第 1ブレーキ操作部 1 1は、 例えば、 ブレーキレバーである。 第 2ブレーキ操作 部 1 3は、 胴体 1の下部に設けられており、 ドライバの足によって操作される。 第 2ブレ ーキ操作部 1 3は、 例えば、 ブレーキペダルである。

【0 0 1 9】

前輪制動機構 1 2及び後輪制動機構 1 4のそれぞれは、 ピス トン (図示省略) を内蔵し ているマスタシリンダ 2 1 と、 マスタシリンダ 2 1に付設されているリザーバ 2 2と、 月同 体 1に保持され、 ブレーキパッ ド (図示省略) を有しているブレーキキヤリパ 2 3と、 ブ レーキキヤリパ 2 3に設けられているホイールシリンダ 2 4と、 マスタシリンダ 2 1のブ レーキ液をホイールシリンダ 2 4に流通させる主流路 2 5と、 ホイールシリンダ 2 4のブ レーキ液を逃がす副流路 2 6 と、 マスタシリンダ 2 1のブレーキ液を副流路 2 6に供給す る供給流路 2 7とを備える。

【 0 0 2 0】

主流路 2 5には、 込め弁 (E V ) 3 1が設けられている。 副流路 2 6は、 主流路 2 5の うちの、 込め弁 3 1に対するホイールシリンダ 2 4側とマスタシリンダ 2 1側との間をバ ィパスする。 副流路 2 6には、 上流側から順に、 弛め弁 (A V ) 3 2と、 アキュムレータ 3 3と、 ポンプ 3 4とが設けられている。 主流路 2 5のうちの、 マスタシリンダ 2 1側の 端部と、 副流路 2 6の下流側端部が接続される箇所との間には 第 1弁 (U S V ) 3 5が 設けられている。 供給流路 2 7は、 マスタシリンダ 2 1 と、 副流路 2 6のうちのポンプ 3 4の吸込側との間を連通させる。 供給流路 2 7には、 第 2弁 (H S V ) 3 6が設けられて いる。

【 0 0 2 1】

込め弁 3 1は、 例えば、 非通電状態で開き、 通電状態で閉じる電磁弁である。 弛め弁 3 2は、 例えば、 非通電状態で閉じ、 通電状態で開く電磁弁である。 第 1弁 3 5は、 例えば、 非通電状態で開き、 通電状態で閉じる電磁弁である。 第 2弁 3 6は、 例えば、 非通電状態 で閉じ、 通電状態で開く電磁弁である。

【 0 0 2 2】

込め弁 3 1、 弛め弁 3 2、 アキュムレータ 3 3、 ポンプ 3 4、 第 1弁 3 5及び第 2弁 3 6等の部材と、 それらの部材が設けられ、 主流路 2 5、 副流路 2 6及び供給流路 2 7を構 成するための流路が内部に形成されている基 体 5 1 と、 制御装置 (E C U ) 6 0とによつ て、 液圧制御ュニッ ト 5 0が構成される。 液圧制御ュニッ ト 5 0は、 ブレーキシステム 1 0において、 ホイールシリンダ 2 4のブレーキ液の液圧、 つまり、 前輪制動機構 1 2によ つて前輪 3に付与される制動力及び後輪制動機構 1 4によって後輪 4に付与される制動力 を制御する機能を担うュニッ トである。

【 0 0 2 3】

各部材が、 1つの基体 5 1に纏めて設けられていてもよく、 また、 複数の基体 5 1に分 かれて設けられていてもよい。 また、 制御装置 6 0は、 1つであってもよく、 また、 複数 に分かれていてもよい。 また、 制御装置 6 0は、 基体 5 1に取り付けられていてもよく、 また、 基体 5 1以外の他の部材に取り付けられていてもよ 。 また、 制御装置 6 0の一部 又は全ては、 例えば、 マイコン、 マイクロプロセッサユニッ ト等で構成されてもよく、 ま た、 ファームウェア等の更新可能なもので構成さ れてもよく、 また、 C P U等からの指令 によって実行されるプログラムモジュール等 であってもよい。

【 0 0 2 4】

通常状態、 つまり、 後述される自動緊急減速動作が実行されない 状態では、 制御装置 6 0によって、 込め弁 3 1が開放され、 弛め弁 3 2が閉鎖され、 第 1弁 3 5が開放され、 第 2弁 3 6が閉鎖される。 その状態で、 第 1ブレーキ操作部 1 1が操作されると、 前輪制動 機構 1 2において、 マスタシリンダ 2 1のピス トン (図示省略) が押し込まれてホイール シリンダ 2 4のブレーキ液の液圧が増加し、 ブレーキキヤリパ 2 3のブレーキパッ ド (図 示省略) が前輪 3のロータ 3 aに押し付けられて、 前輪 3に制動力が付与される。 また、 第 2ブレーキ操作部 1 3が操作されると、 後輪制動機構 1 4において、 マスタシリンダ 2 1のピス トン (図示省略) が押し込まれてホイールシリンダ 2 4のブレーキ液の液圧が增 加し、 ブレーキキヤリパ 2 3のブレーキパッ ド (図示省略) が後輪 4のロータ 4 aに押し 付けられて、 後輪 4に制動力が付与される。

【 0 0 2 5】

図 2及び図 3に示されるように、 ブレーキシステム 1 0は、 例えば、 マスタシリンダ圧 センサ 4 1 と、 ホイールシリンダ圧センサ 4 2と、 前輪回転速度センサ 4 3と、 後輪回転 速度センサ 4 4 と、 リーン角センサ 4 5 と、 周囲環境センサ 4 6 と、 操舵角センサ 4 7 と を備える。 各センサは、 制御装置 6 0と通信可能になっている。

【 0 0 2 6】

マスタシリンダ圧センサ 4 1は、 マスタシリンダ 2 1のブレーキ液の液圧を検出し、 検 出結果を出力する。 マスタシリンダ圧センサ 4 1力 マスタシリンダ 2 1のブレーキ液の 液圧に実質的に換算可能な他の物理量を検出 するものであってもよい。 マスタシリンダ圧 センサ 4 1は、 前輪制動機構 1 2及び後輪制動機構 1 4のそれぞれに設けられている。

【 0 0 2 7】

ホイールシリンダ圧センサ 4 2は、 ホイールシリンダ 2 4のブレーキ液の液圧を検出し、 検出結果を出力する。 ホイールシリンダ圧センサ 4 2力 ホイールシリンダ 2 4のブレー キ液の液圧に実質的に換算可能な他の物理量 を検出するものであってもよい。 ホイールシ リンダ圧センサ 4 2は、 前輪制動機構 1 2及び後輪制動機構 1 4のそれぞれに設けられて いる。

【 0 0 2 8】

前輪回転速度センサ 4 3は、 前輪 3の回転速度を検出し、 検出結果を出力する。 前輪回 転速度センサ 4 3が、 前輪 3の回転速度に実質的に換算可能な他の物理 を検出するもの であってもよい。 後輪回転速度センサ 4 4は、 後輪 4の回転速度を検出し、 検出結果を出 力する。 後輪回転速度センサ 4 4が、 後輪 4の回転速度に実質的に換算可能な他の物理 を検出するものであってもよい。 前輪回転速度センサ 4 3及び後輪回転速度センサ 4 4は、 前輪 3及び後輪 4にそれぞれ設けられている。

【 0 0 2 9】

リーン角センサ 4 5は、 モータサイクル 1 0 0のリーン角及びリーン角の角速度を検出 し、 検出結果を出力する。 リーン角は、 例えば、 図 4に示されるモータサイクル 1 0 0の 鉛直上方向に対するロール方向の傾きの角度 Θに相当する。 なお、 モータサイクル 1 0 0 の鉛直上方向に対するロール方向の傾きは、 旋回走行中に生じる。 リーン角センサ 4 5と して、 具体的には、 3軸のジャイロセンサ及び 3方向の加速度センサを備える慣性計測装 置 ( I M U ) が用いられる。 リーン角センサ 4 5力 モータサイクル 1 0 0のリーン角及 びリーン角の角速度に実質的に換算可能な他 の物理量を検出するものであってもよい。 リ ーン角センサ 4 5は、 胴体 1に設けられている。

【 0 0 3 0】

周囲環境センサ 4 6は、 モータサイクル 1 0 0の周囲環境を検出する。 例えば、 周囲環 境センサ 4 6は、 周囲環境としてモータサイクル 1 0 0から前方の障害物 (例えば、 先行 車両) までの距離を検出する。 周囲環境センサ 4 6が、 前方の障害物までの距離に実質的 に換算可能な他の物理量を検出するものであ ってもよい。 周囲環境センサ 4 6として、 具 体的には、 モータサイクル 1 0 0の前方を撮像するカメラ又は前方の障害物 での距離を 検出可能な測距センサが用いられる。 周囲環境センサ 4 6は、 胴体 1の前部に設けられて いる。

【 0 0 3 1】

また、 周囲環境センサ 4 6は、 後述される制御モードの開始の判定に利用さ れる トリガ 情報を周囲環境に応じて生成し、 トリガ情報を出力する。 例えば、 周囲環境センサ 4 6は、 前輪 3及び後輪 4の回転速度に基づいてモータサイクル 1 0 0の車体速度を算出し、 前方 の障害物までの距離及び車体速度に基づいて モータサイクル 1 0 0が前方の障害物に到達 するまでにかかる到達時間を予測する。 周囲環境センサ 4 6は、 到達時間が基準時間と比 較して短い場合にトリガ情報を生成する。 基準時間は、 モータサイクル 1 0 0に自動緊急 減速動作を実行させた場合にモータサイクル 1 0 0が停止するまでにかかる時間として見 積もられる時間に応じて設定される。

【 0 0 3 2】

また、 周囲環境センサ 4 6は、 トリガ情報の生成に伴い、 自動緊急減速動作によってモ ータサイクル 1 0 0に生じる減速度である自動緊急減速度の目 値の基準値である基準目 標減速度を算出し、 算出結果を出力する。 基準目標減速度は、 自動緊急減速動作によって モータサイクル 1 0 0を前方の障害物より手前で停止させること 実現し得る減速度であ り、 例えば、 モータサイクル 1 0 0から前方の障害物までの距離及び車体速度 基づいて 算出される。

【 0 0 3 3】

操舵角センサ 4 7は、 モータサイクル 1 0 0の操舵角及び操舵角の角速度を検出し、 検 出結果を出力する。 操舵角センサ 4 7が、 モータサイクル 1 0 0の操舵角及び操舵角の角 速度に実質的に換算可能な他の物理量を検出 するものであってもよい。 操舵角センサ 4 7 は、 ハンドル 2に設けられている。

【 0 0 3 4】

制御装置 6 0は、 モータサイクル 1 0 0の挙動を制御する。 制御装置 6 0は、 例えば、 取得部 6 1 と、 実行部 6 2とを備える。 取得部 6 1は、 各センサから出力される情報を取 得し、 実行部 6 2へ出力する。 実行部 6 2は、 例えば、 制御部 6 3と、 トリガ判定部 6 4 と、 変化率判定部 6 5と、 リーン角判定部 6 6とを備える。 各判定部は、 各センサから出 力される情報を用いて各判定処理を実行する 。 実行部 6 2は、 トリガ判定部 6 4による判 定結果に応じて、 モータサイクル 1 0 0に自動緊急減速動作を実行させる制御モー を開 始する。 また、 制御部 6 3は、 制御モードにおいて、 各判定部による判定結果に応じて、 込め弁 3 1、 弛め弁 3 2、 ポンプ 3 4、 第 1弁 3 5及び第 2弁 3 6等の動作を司る指令を 出力することにより、 自動緊急減速動作によってモータサイクル 1 0 0に生じる減速度で ある自動緊急減速度を制御する。

【 0 0 3 5】

制御部 6 3は、 具体的には、 制御モードにおいて、 モータサイクル 1 0 0のリーン角に 応じて自動緊急減速度を制御する。 また、 制御部 6 3は、 制御モードにおいて、 モータサ イタル 1 0 0の旋回走行中の姿勢に関連する状態量の変 率に応じて自動緊急減速度を制 御してもよい。 なお、 自動緊急減速度の制御は、 自動緊急減速動作中のモータサイクル 1 0 0に生じる自動緊急減速度の制御に加えて、 自動緊急減速動作を許可又は禁止する制御 を含む。

【 0 0 3 6】

制御装置 6 0は、 記憶素子を備えており、 制御装置 6 0が行う各処理において用いられ る各基準値等の情報は、 予め記憶素子に記憶されてもよい。

【 0 0 3 7】

くブレーキシステムの動作 >

本発明の実施形態に係るブレーキシステム 1 0の動作について説明する。 図 5は、 本発 明の実施形態に係る制御装置 6 0が行う処理の一例を示すフローチヤ一トで る。 図 5に 示される制御フローは、 ブレーキシステム 1 0の起動中 (換言すると、 モータサイクル 1 0 0の運転中) において繰り返される。 図 5におけるステップ S 1 1 0及びステップ S 1 9 0は、 制御フローの開始及び終了にそれぞれ対応す る。 なお、 ステップ S 1 1 0におい て、 制御モードが開始されていない状態で制御フ ローが開始される。

【 0 0 3 8】

ステップ S 1 1 1において、 取得部 6 1は、 トリガ情報を取得する。 なお、 上記では、 トリガ情報が周囲環境センサ 4 6によって生成される場合を説明したが、 トリガ情報は制 御装置 6 0によって生成されてもよい。 例えば、 モータサイクル 1 0 0から前方の障害物 までの距離についての検出結果が周囲環境セ ンサ 4 6から制御装置 6 0へ出力され、 制御 装置 6 0が前方の障害物までの距離及びモータサイ ル 1 0 0の車体速度に基づいてトリ ガ情報を生成してもよい。 それにより、 取得部 6 1はトリガ情報を取得し得る。

【 0 0 3 9】

次に、 ステップ S 1 1 3において、 トリガ判定部 6 4は、 トリガ情報が取得されたか否 かを判定する。 トリガ情報が取得されたと判定された場合 (ステップ S 1 1 3 / Y e s ) ステップ S 1 1 5 進む。 一方、 トリガ情報が取得されなかったと判定された 場合 (ステ ップ S 1 1 3 Z N o ) 、 ステップ S 1 1 1へ戻る。

【 0 0 4 0】

ステップ S 1 1 5において、 実行部 6 2は、 モータサイクル 1 0 0に自動緊急減速動作 を実行させる制御モードを開始する。

【 0 0 4 1】

次に、 ステップ S 1 1 7において、 取得部 6 1は、 モータサイクル 1 0 0の旋回走行中 の姿勢に関連する状態量の変化率を取得する 。 モータサイクル 1 0 0の旋回走行中の姿勢 に関連する状態量は、 例えば、 リーン角、 リーン角の角速度、 操舵角又は操舵角の角速度 を含む。

【 0 0 4 2】

次に、 ステップ S 1 1 9において、 変化率判定部 6 5は、 モータサイクル 1 0 0の旋回 走行中の姿勢に関連する状態量の変化率が変 化率基準値を超えるか否かを判定する。 変化 率が変化率基準値を超えていると判定された 場合 (ステップ S 1 1 9 Z Y e s ) 、 ステツ プ S 1 2 7 進む。 一方、 変化率が変化率基準値を超えていないと判定 された場合 (ステ ップ S 1 1 9 / N o ) 、 ステップ S 1 2 1へ進む。 変化率基準値は、 前方の障害物を回避 する意思をドライバが有するか否かを判定す ることを実現し得る値に設定される。

【 0 0 4 3】

ステップ S 1 2 1において、 取得部 6 1は、 モータサイクル 1 0 0のリーン角を取得す る。

【 0 0 4 4】

次に、 ステップ S 1 2 3において、 リーン角判定部 6 6は、 モータサイクル 1 0 0のリ ーン角がリーン角基準値を超えるか否かを判 定する。 リーン角がリーン角基準値を超えて いると判定された場合 (ステップ S 1 2 3 / Y e s ) 、 ステップ S 1 2 7へ進む。 一方、 リーン角がリーン角基準値を超えていないと 判定された場合 (ステップ S 1 2 3 Z N o ) ステップ S 1 2 5 進む。 リーン角基準値は、 モータサイクル 1 0 0に減速度を生じさせ ることに起因するモータサイクル 1 0 0の転倒の可能性が過剰に大きいか否かを判 する ことを実現し得る値であり、 例えば、 走行路面の摩擦係数又はモータサイクル 1 0 0の設 計仕様等に応じて設定される。

【 0 0 4 5】

ステップ S 1 2 5において、 制御部 6 3は、 自動緊急減速動作を許可する。 自動緊急減 速動作が許可されると、 制御部 6 3は、 ドライバによる操作によらない減速度である 自動 緊急減速度を生じさせて、 モータサイクル 1 0 0に自動緊急減速動作を実行させる。 例え ば、 制御部 6 3は、 前輪制動機構 1 2及び後輪制動機構 1 4の少なく とも一方によって車 輪に付与される制動力を生じさせることによ って、 自動緊急減速度を生じさせる。 具体的 には、 制御部 6 3は、 込め弁 3 1が開放され、 弛め弁 3 2が閉鎖され、 第 1弁 3 5が閉鎖 され、 第 2弁 3 6が開放されている状態で、 ポンプ 3 4を駆動することで、 車輪に付与さ れる制動力を生じさせる。

【 0 0 4 6】

制御部 6 3は、 ポンプ 3 4の回転数を制御することによって、 車輪に付与される制動力 を制御する。 具体的には、 制御部 6 3は、 周囲環境センサ 4 6から出力される基準目標減 速度に基づいて目標減速度を決定する。 例えば、 制御部 6 3は、 基準目標減速度に係数を 乗じて得られる値を目標減速度として決定す る。 そして、 制御部 6 3は、 目標減速度に基 づいてホイールシリンダ 2 4のブレーキ液の液圧の目標値である目標液 を決定する。 そ して、 制御部 6 3は、 ホイールシリンダ 2 4のブレーキ液の液圧が目標液圧と一致する うにポンプ 3 4の回転数を制御する。 それにより、 自動緊急減速度が目標減速度と一致す るように制御される。

【 0 0 4 7】

例えば、 制御部 6 3は、 リーン角が大きい場合に、 リーン角が小さい場合に実行される 自動緊急減速動作と比較して、 自動緊急減速度が小さい自動緊急減速動作を 実行させる。 具体的には、 制御部 6 3は、 リーン角が大きいほど小さい係数を基準目標 減速度に乗じて 得られる値を目標減速度として決定すること によって、 自動緊急減速度を制御する。

【 0 0 4 8】

また、 例えば、 制御部 6 3は、 モータサイクル 1 0 0の旋回走行中の姿勢に関連する状 態量の変化率が大きい場合に、 変化率が小さい場合に実行される自動緊急減 速動作と比較 して、 自動緊急減速度が小さい自動緊急減速動作を 実行させる。 具体的には、 制御部 6 3 は、 モータサイクル 1 0 0の旋回走行中の姿勢に関連する状態量の変 率が大きいほど小 さレ、係数を基準目標減速度に乗じて得られ る値を目標減速度として決定することによっ て、 自動緊急減速度を制御する。

【 0 0 4 9】

制御部 6 3は、 リーン角及びモータサイクル 1 0 0の旋回走行中の姿勢に関連する状態 量の変化率の双方に応じて目標減速度を決定 してもよい。 その場合、 制御部 6 3は、 例え ば、 リーン角に応じた係数及び状態量の変化率に 応じた係数の双方を基準目標減速度に乗 じて得られる値を目標減速度として決定する 。

【 0 0 5 0】

なお、 上記では、 制御部 6 3が車輪に付与される制動力を制御すること よって、 自動 緊急減速度を制御する場合を説明したが、 制御部 6 3はモータサイクル 1 0 0のエンジン の出力を制御することによって、 自動緊急減速度を制御してもよい。 具体的には、 制御部 6 3は、 エンジンの出力を低下させることにより生じ るエンジンブレーキの作用を利用し て自動緊急減速度を制御してもよい。 また、 制御部 6 3は、 車輪に付与される制動力及び エンジンの出力の双方を制御することによっ て、 自動緊急減速度を制御してもよい。

【 0 0 5 1】

ステップ S 1 2 7において、 制御部 6 3は、 自動緊急減速動作を禁止する。 自動緊急減 速動作が禁止されると、 制御部 6 3は、 モータサイクル 1 0 0をドライバによる操作に応 じて減速度が生じる通常状態にする。 具体的には、 制御部 6 3は、 モータサイクル 1 0 0 を込め弁 3 1が開放され、 弛め弁 3 2が閉鎖され、 第 1弁 3 5が開放され、 第 2弁 3 6が 閉鎖されている状態にし、 ポンプ 3 4の駆動を禁止する。

【 0 0 5 2】

ステップ S 1 2 5又はステップ S 1 2 7の次に、 ステップ S 1 2 9において、 取得部 6 1は、 トリガ情報を取得する。

【 0 0 5 3】

次に、 ステップ S 1 3 1において、 トリガ判定部 6 4は、 トリガ情報が取得されたか否 かを判定する。 トリガ情報が取得されたと判定された場合 (ステップ S 1 3 1 / Y e s ) ステップ S 1 1 7 戻る。 一方、 トリガ情報が取得されなかったと判定された 場合 (ステ ップ S 1 3 l Z N o ) 、 ステップ S 1 3 3へ進む。

【 0 0 5 4】

このよ うに、 ステップ S 1 3 1において、 トリガ情報が取得されたと判定された場合 (ステップ S 1 3 1 / Y e s ) 、 制御モードが継続され、 ステップ S 1 1 7からステップ S 1 2 9までの処理が繰り返される。 制御モードが継続される場合において、 制御部 6 3 は、 変化率判定部 6 5及びリーン角判定部 6 6による判定処理 (ステップ S 1 1 9及びス テツプ S 1 2 3 ) の判定結果に応じて、 自動緊急減速動作が許可される状態と禁止さ れる 状態とを適宜切り替える。

【 0 0 5 5】

自動緊急減速動作が許可されている状態にお いて、 ステップ S 1 1 9及びステップ S 1 2 3の判定結果がいずれも N oである場合、 制御部 6 3は、 自動緊急減速動作が許可され ている状態を継続させる。 この場合、 例えば、 制御部 6 3は、 自動緊急減速動作中のモー タサイクル 1 0 0に生じる自動緊急減速度を、 自動緊急減速動作中に取得されるリーン角 に応じて制御する。 また、 例えば、 制御部 6 3は、 自動緊急減速動作中のモータサイクル 1 0 0に生じる自動緊急減速度を、 自動緊急減速動作中に取得されるモータサイ クル 1 0 0の旋回走行中の姿勢に関連する状態量の変 率に応じて制御する。

【 0 0 5 6】

自動緊急減速動作が許可されている状態にお いて、 ステップ S 1 1 9及びステップ S 1 2 3の判定結果の少なく とも一方が Y e sである場合、 制御部 6 3は、 自動緊急減速動作 が許可されている状態を中止し、 自動緊急減速動作を禁止する。 例えば、 制御部 6 3は、 自動緊急減速動作中に取得されるモータサイ クル 1 0 0の旋回走行中の姿勢に関連する状 態量の変化率が変化率基準値を超える場合に 、 自動緊急減速動作が許可されている状態を 中止し、 自動緊急減速動作を禁止する。 また、 例えば、 制御部 6 3は、 自動緊急減速動作 中に取得されるリーン角がリーン角基準値を 超える場合に、 自動緊急減速動作が許可され ている状態を中止し、 自動緊急減速動作を禁止する。

【 0 0 5 7】

自動緊急減速動作が禁止されている状態にお いて、 ステップ S 1 1 9及びステップ S 1 2 3の判定結果の少なく とも一方が Y e sである場合、 制御部 6 3は、 自動緊急減速動作 が禁止されている状態を継続させる。

【 0 0 5 8】

自動緊急減速動作が禁止されている状態にお いて、 ステップ S 1 1 9及びステップ S 1 2 3の判定結果がいずれも N oである場合、 制御部 6 3は、 自動緊急減速動作が禁止され ている状態を中止し、 自動緊急減速動作を許可する。 例えば、 制御部 6 3は、 ステップ S 1 1 9の判定結果が N oである場合において、 自動緊急減速動作の禁止中に取得されるリ ーン角がリーン角基準値を下回る場合に、 自動緊急減速動作が禁止されている状態を中 止 し、 自動緊急減速動作を許可する。 なお、 図 5に示した制御フローからステップ S 1 1 9 の判定処理が省略されてもよい。 その場合、 制御部 6 3は、 自動緊急減速動作の禁止中に 取得されるリーン角がリーン角基準値を下回 る場合に、 自動緊急減速動作が禁止されてい る状態を中止し、 自動緊急減速動作を許可する。

【 0 0 5 9】

ステップ S 1 3 3において、 実行部 6 2は、 制御モードを終了する。

【 0 0 6 0】

くブレーキシステムの効果 >

本発明の実施形態に係るブレーキシステム 1 0の効果について説明する。

【 0 0 6 1】

ブレーキシステム 1 0では、 モータサイクル 1 0 0に自動緊急減速動作を実行させる制 御モードが、 モータサイクル 1 0 0の周囲環境に応じて生成される トリガ情報に応じて開 始される。 また、 制御モードにおいて、 モータサイクル 1 0 0のリーン角に応じて自動緊 急減速度が制御される。 それにより、 モータサイクル 1 0 0の姿勢に応じて適切に自動緊 急減速度を制御することができる。 よって、 モータサイクル 1 0 0の転倒を抑制しつつ、 自動緊急減速動作により安全性を向上させる ことができる。

【 0 0 6 2】

好ましくは、 ブレーキシステム 1 0では、 制御モードにおいて、 リーン角が大きい場合 に、 リーン角が小さい場合に実行される自動緊急 減速動作と比較して、 自動緊急減速度が 小さい自動緊急減速動作が実行される。 ここで、 モータサイクル 1 0 0のタイヤの接地面 積は、 リーン角が大きレ、ほど小さレ、。 また、 モータサイクル 1 0 0のタイヤの接地部分に おける摩擦特性は、 リーン角が大きいほど進行方向について摩擦 力を生じさせにく くなる 特性を有する場合がある。 ゆえに、 モータサイクル 1 0 0に減速度を生じさせることに起 因するモータサイクル 1 0 0の転倒の可能性は、 リーン角が大きいほど大きくなりやすい。 よって、 リーン角が大きい場合に、 リーン角が小さい場合に実行される自動緊急 減速動作 と比較して、 自動緊急減速度が小さい自動緊急減速動作が 実行されることによって、 モー タサイクル 1 0 0の転倒を効果的に抑制することができる。

【 0 0 6 3】

好ましくは、 ブレーキシステム 1 0では、 制御モードにおいて、 自動緊急減速動作中の モータサイクル 1 0 0に生じる自動緊急減速度が、 自動緊急減速動作中に取得されるリ一 ン角に応じて制御される。 それにより、 自動緊急減速動作中のモータサイクル 1 0 0に生 じる自動緊急減速度を、 自動緊急減速動作中のリーン角の時間の経過 に伴う変化に応じて 適切に制御することができる。 例えば、 自動緊急減速動作が実行されることに起因し てリ ーン角が減少することに伴って、 自動緊急減速度を増大させることができる。 よって、 モ ータサイクル 1 0 0の転倒を抑制しつつ、 制動距離の増大を抑制することができる。 した がって、 自動緊急減速動作により安全性を向上させる 効果を増大させることができる。

【 0 0 6 4】

好ましくは、 ブレーキシステム 1 0では、 制御モードにおいて、 リーン角がリーン角基 準値を超える場合に、 自動緊急減速動作が禁止される。 それにより、 モータサイクル 1 0 0に減速度を生じさせることに起因するモー サイクル 1 0 0の転倒の可能性が過剰に大 きい場合に、 自動緊急減速動作を禁止することができる。 よって、 モータサイクル 1 0 0 の転倒を効果的に抑制することができる。

【 0 0 6 5】

好ましくは、 ブレーキシステム 1 0では、 制御モードにおいて、 自動緊急減速動作の禁 止中に取得されるリーン角がリーン角基準値 を下回る場合に、 自動緊急減速動作が許可さ れる。 それにより、 自動緊急減速動作の禁止中であっても、 モータサイクル 1 0 0に減速 度を生じさせることに起因するモータサイク ル 1 0 0の転倒の可能性が比較的低くなった 場合に、 自動緊急減速動作を適切に実行させることが できる。 よって、 自動緊急減速動作 により安全性を向上させる効果を増大させる ことができる。

【 0 0 6 6】

好ましくは、 ブレーキシステム 1 0では、 制御モードにおいて、 モータサイクル 1 0 0 の旋回走行中の姿勢に関連する状態量の変化 率に応じて自動緊急減速度が制御される。 そ れにより、 モータサイクル 1 0 0の姿勢に応じてさらに適切に自動緊急減速 を制御する ことができる。 よって、 モータサイクル 1 0 0の転倒を抑制しつつ、 自動緊急減速動作に より安全性を向上させる効果をより増大させ ることができる。

【 0 0 6 7】

好ましくは、 ブレーキシステム 1 0では、 制御モードにおいて、 モータサイクル 1 0 0 の旋回走行中の姿勢に関連する状態量の変化 率が変化率基準値を超える場合に、 自動緊急 減速動作が禁止される。 それにより、 前方の障害物を回避する意思をドライバが有 すると 予想される場合に、 自動緊急減速動作を禁止することができる。 よって、 ドライバの意思 に反して自動緊急減速度が生じることを抑制 することができる。 したがって、 モータサイ クル 1 0 0の転倒を効果的に抑制することができる。

【 0 0 6 8】

なお、 制御部 6 3は、 制御モードにおいて、 ドライバによるモータサイクル 1 0 0の操 作についての操作量が操作量基準値を超える 場合に、 自動緊急減速動作を禁止してもよレ、。 ドライバによるモータサイクル 1 0 0の操作は、 例えば、 アクセル操作、 ブレーキ操作及 びクラッチ操作を含む。 操作量基準値は、 ドライバによるモータサイクル 1 0 0の操作が 行われたか否かを判定することを実現し得る 値に設定される。 ゆえに、 操作量が操作量基 準値を超える場合に、 自動緊急減速動作を禁止することによって、 ドライバによるモータ サイクル 1 0 0の操作に反して自動緊急減速度が生じるこ を抑制することができる。 よ つて、 モータサイクル 1 0 0の転倒を効果的に抑制することができる。

【 0 0 6 9】

また、 制御部 6 3は、 制御モードにおいて、 モータサイクル 1 0 0の旋回走行中の姿勢 に関連する状態量の変化率が変化率基準値を 超える場合に、 変化率が変化率基準値を超え ていない場合と比較して操作量基準値を小さ く してもよい。 それにより、 前方の障害物を 回避する意思をドライバが有すると予想され る場合に、 ドライバによるモータサイクル 1 0 0の操作を検知する感度を向上させることが きるので、 自動緊急減速動作が禁止され る確実性を向上させることができる。

【 0 0 7 0】

好ましくは、 ブレーキシステム 1 0では、 制御モードにおいて、 モータサイクル 1 0 0 の旋回走行中の姿勢に関連する状態量の変化 率が大きい場合に、 変化率が小さい場合に実 行される自動緊急減速動作と比較して、 自動緊急減速度が小さい自動緊急減速動作が 実行 される。 ここで、 状態量の変化率が大きいほど、 前方の障害物を回避する意思をドライバ が有する可能性が高いと予想される。 ゆえに、 状態量の変化率が大きい場合に、 変化率が 小さい場合に実行される自動緊急減速動作と 比較して、 自動緊急減速度が小さい自動緊急 減速動作を実行させることによって、 前方の障害物を回避する意思をドライバが有 する可 能性に応じて適切に自動緊急減速度を制御す ることができる。 よって、 ドライバの意思に 反して自動緊急減速度が生じることに起因す るモータサイクル 1 0 0の転倒を抑制するこ とができる。

【 0 0 7 1】

好ましくは、 ブレーキシステム 1 0では、 制御モードにおいて、 自動緊急減速動作中の モータサイクル 1 0 0に生じる自動緊急減速度が、 自動緊急減速動作中に取得されるモー タサイクル 1 0 0の旋回走行中の姿勢に関連する状態量の変 率に応じて制御される。 そ れにより、 自動緊急減速動作中のモータサイクル 1 0 0に生じる自動緊急減速度を、 自動 緊急減速動作中の状態量の変化率の時間の経 過に伴う変化に応じて適切に制御することが できる。 よって、 ドライバの意思に反して自動緊急減速度が生 じることに起因するモータ サイクル 1 0 0の転倒を効果的に抑制することができる。

【 0 0 7 2】

好ましくは、 自動緊急減速度の制御に用いられるモータサ イクル 1 0 0の旋回走行中の 姿勢に関連する状態量は、 モータサイクル 1 0 0のリーン角又はリーン角の角速度を含む c それにより、 リーン角センサ 4 5から出力される検出結果を利用して自動緊 減速度を制 御することができる。 ゆえに、 ブレーキシステム 1 0の構成から他のセンサ (例えば、 操 舵角セ 4 7 ) を省略することができるので、 ブレーキシステム 1 0を簡素化すること ができる。

【 0 0 7 3】

本発明は各実施の形態の説明に限定されない 例えば、 各実施の形態の全て又は一部が 組み合わされてもよく、 また、 各実施の形態の -部のみが実施されてもよい。 また、 例え ば、 各ステップの順序が入れ替えられてもよい

【符号の説明】

【 0 0 7 4】

1 胴体、 2 ハンドル 3 前輪、 3 a ロータ、 4 後輪、 4 a 口ータ、 1 0 ブ レーキシステム、、 11 11 第 1ブレーキ操作部、 1 2 前輪制動機構、 1 3 第 2ブレーキ 操作部、 1 4 後輪制動機構、 2 1 マスタシリンダ、 2 2 リザーバ、 2 3 ブレーキ キヤリ ノく、 2 4 ホイールシリンダ、 2 5 主流路、 2 6 副流路、 2 7 供給流路、 3 1 込め弁、 3 2 弛め弁、 3 3 アキュムレータ、 3 4 ポンプ、 3 5 第 1弁、 3 6 第 2弁、 4 1 マスタシリンダ圧センサ、 4 2 ホイ一レシリンダ圧センサ 4 3 前輪 回転速度センサ、 4 4 後輪回転速度センサ、 4 5 リーン角センサ、 4 6 周囲環境セ

4 7 操舵角センサ、 5 0 液圧制御ユニッ ト 5 基体、 6 0 制御装置、 6 取得部、 6 2 実行部、 6 3 制御部、 64 トリガ判定部、 6 5 変化率判定部. リーン角判定部、 1 00 モータサイクル。