WO2013146907A1 | 2013-10-03 | |||
WO2012163567A1 | 2012-12-06 | |||
WO2016021607A1 | 2016-02-11 |
US20130311075A1 | 2013-11-21 | |||
GB2539759A | 2016-12-28 | |||
DE102013012153A1 | 2014-01-09 | |||
EP2738075A1 | 2014-06-04 | |||
US20130238206A1 | 2013-09-12 | |||
EP2862764A2 | 2015-04-22 |
【書類名】 請求の範囲 【請求項 1】 モータサイクル ( 1 00) の挙動を制御する制御装置 (6 0) であって、 前記モータサイクル ( 1 00) の周囲環境に応じて生成される トリガ情報を取得する取 得部 (6 1 ) と、 前記モータサイクル ( 1 00) に自動緊急減速動作を実行させる制御モー ドを、 前記ト リガ情報に応じて開始する実行部 (6 2) と、 を備えており、 前記取得部 (6 1 ) は、 前記モータサイクル ( 1 00) のリーン角を取得し、 前記制御モードにおいて、 前記自動緊急減速動作によって前記モータサイクル ( 1 0 0) に生じる減速度である自動緊急減速度が、 前記リーン角に応じて制御される、 制御装置。 【請求項 2】 前記制御モードにおいて、 前記リーン角が大きい場合に、 前記リーン角が小さい場合に 実行される前記自動緊急減速動作と比較して、 前記自動緊急減速度が小さい前記自動緊急 減速動作が実行される、 請求項 1に記載の制御装置。 【請求項 3】 前記制御モードにおいて、 前記自動緊急減速動作中の前記モータサイクル ( 1 00) に 生じる前記自動緊急減速度が、 前記自動緊急減速動作中に取得される前記リーン角に応じ て制御される、 請求項 2に記載の制御装置。 【請求項 4】 前記制御モードにおいて、 前記リーン角がリーン角基準値を超える場合に、 前記自動緊 急減速動作が禁止される、 請求項 1〜 3のいずれか一項に記載の制御装置。 【請求項 5】 前記制御モードにおいて、 前記自動緊急減速動作の禁止中に取得される前記リーン角が 前記リーン角基準値を下回る場合に、 前記自動緊急減速動作が許可される、 請求項 4に記載の制御装置。 【請求項 6】 前記取得部 (6 1 ) は、 前記モータサイクル ( 1 00) の旋回走行中の姿勢に関連する 状態量の変化率を取得し、 前記制御モードにおいて、 前記変化率が変化率基準値を超える場合に、 前記自動緊急減 速動作が禁止される、 請求項 1〜 5のいずれか一項に記載の制御装置。 【請求項 7】 前記取得部 (6 1 ) は、 前記モータサイクル ( 1 00) の旋回走行中の姿勢に関連する 状態量の変化率を取得し、 前記制御モードにおいて、 前記変化率が大きい場合に、 前記変化率が小さい場合に実行 される前記自動緊急減速動作と比較して、 前記自動緊急減速度が小さい前記自動緊急減速 動作が実行される、 請求項 2又は 3に記載の制御装置。 【請求項 8】 前記状態量は、 前記モータサイクル ( 1 00) の前記リーン角を含む、 請求項 6又は 7に記載の制御装置。 【請求項 9】 前記状態量は、 前記モータサイクル ( 1 00) の前記リーン角の角速度を含む、 請求項 6〜8のいずれか一項に記載の制御装置。 【請求項 1 0】 前記制御モードにおいて、 前記モータサイクル ( 1 0 0) の車輪 (3 , 4) に付与され る制動力が制御されることによって、 前記自動緊急減速度が制御される、 請求項 1〜 9のいずれか一項に記載の制御装置。 【請求項 1 1】 前記制御モードにおいて、 前記モータサイクル ( 1 0 0) のエンジンの出力が制御され ることによって、 前記自動緊急減速度が制御される、 請求項 1〜 1 0のいずれか一項に記載の制御装置。 【請求項 1 2】 モータサイクル ( 1 0 0) の挙動を制御する制御方法であって、 前記モータサイクル ( 1 0 0) の周囲環境に応じて生成される トリガ情報を取得する第 1取得ステップ (S 1 1 1 ) と、 前記モータサイクル ( 1 0 0) に自動緊急減速動作を実行させる制御モードを、 制御装 置 (6 0) によって前記トリガ情報に応じて開始する実行ステップ (S 1 1 5 ) と、 を備えており、 前記モータサイクル ( 1 0 0) のリーン角を取得する第 2取得ステップ (S 1 2 1 ) を さらに備え、 前記制御モードにおいて、 前記自動緊急減速動作によって前記モータサイクル ( 1 0 0) に生じる減速度である自動緊急減速度が、 前記リーン角に応じて制御される、 制御方法。 【請求項 1 3】 モータサイクル ( 1 0 0) の周囲環境を検出する周囲環境センサ (4 6 ) と、 前記周囲環境に基づいて前記モータサイクル ( 1 0 0) の挙動を制御する制御装置 (6 0) と、 を備えるブレーキシステム ( 1 0) であって、 前記制御装置 (6 0 ) は、 前記周囲環境に応じて生成される トリガ情報を取得する取得部 (6 1 ) と、 前記モータサイクル ( 1 0 0) に自動緊急減速動作を実行させる制御モードを、 前記ト リガ情報に応じて開始する実行部 (6 2) と、 を備えており、 前記取得部 (6 1 ) は、 前記モータサイクル ( 1 0 0) のリーン角を取得し、 前記制御モードにおいて、 前記自動緊急減速動作によって前記モータサイクル ( 1 0 0) に生じる減速度である自動緊急減速度が、 前記リーン角に応じて制御される、 ブレーキシステム。 |
【発明の名称】 制御装置、 制御方法及びブレーキシステム
【技術分野】
【 0 0 0 1】
この開示は、 モータサイクルの転倒を抑制しつつ、 自動緊急減速動作により安全性を向 上させることができる制御装置及び制御方法 と、 そのような制御装置を備えているブレー キシステムと、 に関する。
【背景技術】
【 0 0 0 2】
従来のモータサイクルに関する技術として、 ドライバの安全性を向上させるためのもの 力 Sある。
【 0 0 0 3】
例えば、 特許文献 1では、 走行方向又は実質的に走行方向にある障害物 を検出するセン サ装置により検出された情報に基づいて、 不適切に障害物に接近していることをモータ サ ィクルのドライバへ警告する運転者支援シス テムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【 0 0 0 4】
【特許文献 1】 特開 2 0 0 9— 1 1 6 8 8 2号公報
【発明の概要】
【発明が解決しょうとする課題】
【 0 0 0 5】
ところで、 ドライバの安全性をより向上させるために、 ドライバによる操作によらずに 前方の障害物より手前で停止する動作である 自動緊急減速動作をモータサイクルに実行さ せることによって、 前方の障害物との衝突を回避する技術が利用 されることが考えられる。 ここで、 モータサイクルは、 例えば 4輪を有する車両と比較して姿勢が不安定に りやす い。 ゆえに、 自動緊急減速動作によってモータサイクルに 減速度が生じることに起因して、 モータサイクルが転倒するおそれがあるとい う問題がある。
【 0 0 0 6】
本発明は、 上述の課題を背景としてなされたものであり 、 モータサイクルの転倒を抑制 しつつ、 自動緊急減速動作により安全性を向上させる ことができる制御装置及び制御方法 を得るものである。 また、 本発明は、 そのような制御装置を備えているブレーキシ ステム を得るものである。
【課題を解決するための手段】
【 0 0 0 7】
本発明に係る制御装置は、 モータサイクルの挙動を制御する制御装置で あって、 前記モ ータサイクルの周囲環境に応じて生成される トリガ情報を取得する取得部と、 前記モータ サイクルに自動緊急減速動作を実行させる制 御モードを、 前記トリガ情報に応じて開始す る実行部と、 を備えており、 前記取得部は、 前記モータサイクルのリーン角を取得し、 前 記制御モードにおいて、 前記自動緊急減速動作によって前記モータサ イクルに生じる減速 度である自動緊急減速度が、 前記リーン角に応じて制御される。
【 0 0 0 8】
本発明に係る制御方法は、 モータサイクルの挙動を制御する制御方法で あって、 前記モ ータサイクルの周囲環境に応じて生成される トリガ情報を取得する第 1取得ステップと、 前記モータサイクルに自動緊急減速動作を実 行させる制御モードを、 制御装置によって前 記トリガ情報に応じて開始する実行ステップ と、 備えており、 前記モータサイクルのリー ン角を取得する第 2取得ステップをさらに備え、 前記制御モードにおいて、 前記自動緊急 減速動作によって前記モータサイクルに生じ る減速度である自動緊急減速度が、 前記リー ン角に応じて制御される。
【 0 0 0 9】 本発明に係るブレーキシステムは、 モータサイクルの周囲環境を検出する周囲環 境セン サと、 前記周囲環境に基づいて前記モータサイクル の挙動を制御する制御装置と、 を備え るブレーキシステムであって、 前記制御装置は、 前記周囲環境に応じて生成される トリガ 情報を取得する取得部と、 前記モータサイクルに自動緊急減速動作を実 行させる制御モー ドを、 前記トリガ情報に応じて開始する実行部と、 備えており、 前記取得部は、 前記モー タサイクルのリーン角を取得し、 前記制御モードにおいて、 前記自動緊急減速動作によつ て前記モータサイクルに生じる減速度である 自動緊急減速度が、 前記リーン角に応じて制 御される。
【発明の効果】
【 0 0 1 0】
本発明に係る制御装置、 制御方法及びブレーキシステムでは、 モータサイクルに自動緊 急減速動作を実行させる制御モードが、 モータサイクルの周囲環境に応じて生成され る ト リガ情報に応じて開始される。 また、 制御モードにおいて、 自動緊急減速動作によってモ ータサイクルに生じる減速度である自動緊急 減速度が、 モータサイクルのリーン角に応じ て制御される。 それにより、 モータサイクルの姿勢に応じて適切に自動緊 急減速度を制御 することができる。 よって、 モータサイクルの転倒を抑制しつつ、 自動緊急減速動作によ り安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【 0 0 1 1】
【図 1】 本発明の実施形態に係るブレーキシステムが 搭載されるモータサイクルの概 略構成の一例を示す模式図である。
【図 2】 本発明の実施形態に係るブレーキシステムの 概略構成の一例を示す模式図で ある。
【図 3】 本発明の実施形態に係る制御装置の機能構成 の一例を示すプロック図である。 【図 4】 リーン角について説明するための図である。
【図 5】 本発明の実施形態に係る制御装置が行う処理 の一例を示すフローチヤ一卜で ある。
【発明を実施するための形態】
【 0 0 1 2】
以下に、 本発明に係る制御装置、 制御方法及びブレーキシステムについて、 図面を用い て説明する。 なお、 以下では、 モータサイクルが自動二輪車である場合を説 明している力 モータサイクルは自動三輪車等の他のモータ サイクルであってもよい。 また、 前輪制動機 構及び後輪制動機構が、 それぞれ 1つずつである場合を説明しているが、 前輪制動機構及 び後輪制動機構の少なく とも一方が複数であってもよい。
【 0 0 1 3】
また、 以下で説明する構成及び動作等は一例であり 、 本発明に係る制御装置、 制御方法 及びブレーキシステムは、 そのような構成及び動作等である場合に限定 されない。
【 0 0 1 4】
また、 以下では、 同一の又は類似する説明を適宜簡略化又は省 略している。 また、 各図 において、 同一の又は類似する部材又は部分については 、 符号を付すことを省略している か、 又は同一の符号を付している。 また、 細かい構造については、 適宜図示を簡略化又は 省略している。
【 0 0 1 5】
くブレーキシステムの構成 >
本発明の実施形態に係るブレーキシステム 1 0の構成について説明する。 図 1は、 本発 明の実施形態に係るブレーキシステム 1 0が搭載されるモータサイクル 1 0 0の概略構成 の一例を示す模式図である。 図 2は、 本発明の実施形態に係るブレーキシステム 1 0の概 略構成の一例を示す模式図である。 図 3は、 本発明の実施形態に係る制御装置 6 0の機能 構成の一例を示すブロック図である。 図 4は、 リーン角について説明するための図である。
【 0 0 1 6】 図 1及び図 2に示されるように、 ブレーキシステム 1 0は、 モータサイクル 1 0 0に搭 載される。 モータサイクル 1 0 0は、 胴体 1 と、 胴体 1に旋回自在に保持されているハン ドル 2と、 胴体 1にハンドル 2と共に旋回自在に保持されている前輪 3と、 胴体 1に回動 自在に保持されている後輪 4とを備える。
【0 0 1 7】
ブレーキシステム 1 0は、 例えば、 第 1ブレーキ操作部 1 1 と、 少なく とも第 1ブレー キ操作部 1 1に連動して前輪 3を制動する前輪制動機構 1 2と、 第 2ブレーキ操作部 1 3 と、 少なく とも第 2ブレーキ操作部 1 3に連動して後輪 4を制動する後輪制動機構 1 4と を備える。
【0 0 1 8】
第 1ブレーキ操作部 1 1は、 ハンドル 2に設けられており、 ドライバの手によって操作 される。 第 1ブレーキ操作部 1 1は、 例えば、 ブレーキレバーである。 第 2ブレーキ操作 部 1 3は、 胴体 1の下部に設けられており、 ドライバの足によって操作される。 第 2ブレ ーキ操作部 1 3は、 例えば、 ブレーキペダルである。
【0 0 1 9】
前輪制動機構 1 2及び後輪制動機構 1 4のそれぞれは、 ピス トン (図示省略) を内蔵し ているマスタシリンダ 2 1 と、 マスタシリンダ 2 1に付設されているリザーバ 2 2と、 月同 体 1に保持され、 ブレーキパッ ド (図示省略) を有しているブレーキキヤリパ 2 3と、 ブ レーキキヤリパ 2 3に設けられているホイールシリンダ 2 4と、 マスタシリンダ 2 1のブ レーキ液をホイールシリンダ 2 4に流通させる主流路 2 5と、 ホイールシリンダ 2 4のブ レーキ液を逃がす副流路 2 6 と、 マスタシリンダ 2 1のブレーキ液を副流路 2 6に供給す る供給流路 2 7とを備える。
【 0 0 2 0】
主流路 2 5には、 込め弁 (E V ) 3 1が設けられている。 副流路 2 6は、 主流路 2 5の うちの、 込め弁 3 1に対するホイールシリンダ 2 4側とマスタシリンダ 2 1側との間をバ ィパスする。 副流路 2 6には、 上流側から順に、 弛め弁 (A V ) 3 2と、 アキュムレータ 3 3と、 ポンプ 3 4とが設けられている。 主流路 2 5のうちの、 マスタシリンダ 2 1側の 端部と、 副流路 2 6の下流側端部が接続される箇所との間には 第 1弁 (U S V ) 3 5が 設けられている。 供給流路 2 7は、 マスタシリンダ 2 1 と、 副流路 2 6のうちのポンプ 3 4の吸込側との間を連通させる。 供給流路 2 7には、 第 2弁 (H S V ) 3 6が設けられて いる。
【 0 0 2 1】
込め弁 3 1は、 例えば、 非通電状態で開き、 通電状態で閉じる電磁弁である。 弛め弁 3 2は、 例えば、 非通電状態で閉じ、 通電状態で開く電磁弁である。 第 1弁 3 5は、 例えば、 非通電状態で開き、 通電状態で閉じる電磁弁である。 第 2弁 3 6は、 例えば、 非通電状態 で閉じ、 通電状態で開く電磁弁である。
【 0 0 2 2】
込め弁 3 1、 弛め弁 3 2、 アキュムレータ 3 3、 ポンプ 3 4、 第 1弁 3 5及び第 2弁 3 6等の部材と、 それらの部材が設けられ、 主流路 2 5、 副流路 2 6及び供給流路 2 7を構 成するための流路が内部に形成されている基 体 5 1 と、 制御装置 (E C U ) 6 0とによつ て、 液圧制御ュニッ ト 5 0が構成される。 液圧制御ュニッ ト 5 0は、 ブレーキシステム 1 0において、 ホイールシリンダ 2 4のブレーキ液の液圧、 つまり、 前輪制動機構 1 2によ つて前輪 3に付与される制動力及び後輪制動機構 1 4によって後輪 4に付与される制動力 を制御する機能を担うュニッ トである。
【 0 0 2 3】
各部材が、 1つの基体 5 1に纏めて設けられていてもよく、 また、 複数の基体 5 1に分 かれて設けられていてもよい。 また、 制御装置 6 0は、 1つであってもよく、 また、 複数 に分かれていてもよい。 また、 制御装置 6 0は、 基体 5 1に取り付けられていてもよく、 また、 基体 5 1以外の他の部材に取り付けられていてもよ 。 また、 制御装置 6 0の一部 又は全ては、 例えば、 マイコン、 マイクロプロセッサユニッ ト等で構成されてもよく、 ま た、 ファームウェア等の更新可能なもので構成さ れてもよく、 また、 C P U等からの指令 によって実行されるプログラムモジュール等 であってもよい。
【 0 0 2 4】
通常状態、 つまり、 後述される自動緊急減速動作が実行されない 状態では、 制御装置 6 0によって、 込め弁 3 1が開放され、 弛め弁 3 2が閉鎖され、 第 1弁 3 5が開放され、 第 2弁 3 6が閉鎖される。 その状態で、 第 1ブレーキ操作部 1 1が操作されると、 前輪制動 機構 1 2において、 マスタシリンダ 2 1のピス トン (図示省略) が押し込まれてホイール シリンダ 2 4のブレーキ液の液圧が増加し、 ブレーキキヤリパ 2 3のブレーキパッ ド (図 示省略) が前輪 3のロータ 3 aに押し付けられて、 前輪 3に制動力が付与される。 また、 第 2ブレーキ操作部 1 3が操作されると、 後輪制動機構 1 4において、 マスタシリンダ 2 1のピス トン (図示省略) が押し込まれてホイールシリンダ 2 4のブレーキ液の液圧が增 加し、 ブレーキキヤリパ 2 3のブレーキパッ ド (図示省略) が後輪 4のロータ 4 aに押し 付けられて、 後輪 4に制動力が付与される。
【 0 0 2 5】
図 2及び図 3に示されるように、 ブレーキシステム 1 0は、 例えば、 マスタシリンダ圧 センサ 4 1 と、 ホイールシリンダ圧センサ 4 2と、 前輪回転速度センサ 4 3と、 後輪回転 速度センサ 4 4 と、 リーン角センサ 4 5 と、 周囲環境センサ 4 6 と、 操舵角センサ 4 7 と を備える。 各センサは、 制御装置 6 0と通信可能になっている。
【 0 0 2 6】
マスタシリンダ圧センサ 4 1は、 マスタシリンダ 2 1のブレーキ液の液圧を検出し、 検 出結果を出力する。 マスタシリンダ圧センサ 4 1力 マスタシリンダ 2 1のブレーキ液の 液圧に実質的に換算可能な他の物理量を検出 するものであってもよい。 マスタシリンダ圧 センサ 4 1は、 前輪制動機構 1 2及び後輪制動機構 1 4のそれぞれに設けられている。
【 0 0 2 7】
ホイールシリンダ圧センサ 4 2は、 ホイールシリンダ 2 4のブレーキ液の液圧を検出し、 検出結果を出力する。 ホイールシリンダ圧センサ 4 2力 ホイールシリンダ 2 4のブレー キ液の液圧に実質的に換算可能な他の物理量 を検出するものであってもよい。 ホイールシ リンダ圧センサ 4 2は、 前輪制動機構 1 2及び後輪制動機構 1 4のそれぞれに設けられて いる。
【 0 0 2 8】
前輪回転速度センサ 4 3は、 前輪 3の回転速度を検出し、 検出結果を出力する。 前輪回 転速度センサ 4 3が、 前輪 3の回転速度に実質的に換算可能な他の物理 を検出するもの であってもよい。 後輪回転速度センサ 4 4は、 後輪 4の回転速度を検出し、 検出結果を出 力する。 後輪回転速度センサ 4 4が、 後輪 4の回転速度に実質的に換算可能な他の物理 を検出するものであってもよい。 前輪回転速度センサ 4 3及び後輪回転速度センサ 4 4は、 前輪 3及び後輪 4にそれぞれ設けられている。
【 0 0 2 9】
リーン角センサ 4 5は、 モータサイクル 1 0 0のリーン角及びリーン角の角速度を検出 し、 検出結果を出力する。 リーン角は、 例えば、 図 4に示されるモータサイクル 1 0 0の 鉛直上方向に対するロール方向の傾きの角度 Θに相当する。 なお、 モータサイクル 1 0 0 の鉛直上方向に対するロール方向の傾きは、 旋回走行中に生じる。 リーン角センサ 4 5と して、 具体的には、 3軸のジャイロセンサ及び 3方向の加速度センサを備える慣性計測装 置 ( I M U ) が用いられる。 リーン角センサ 4 5力 モータサイクル 1 0 0のリーン角及 びリーン角の角速度に実質的に換算可能な他 の物理量を検出するものであってもよい。 リ ーン角センサ 4 5は、 胴体 1に設けられている。
【 0 0 3 0】
周囲環境センサ 4 6は、 モータサイクル 1 0 0の周囲環境を検出する。 例えば、 周囲環 境センサ 4 6は、 周囲環境としてモータサイクル 1 0 0から前方の障害物 (例えば、 先行 車両) までの距離を検出する。 周囲環境センサ 4 6が、 前方の障害物までの距離に実質的 に換算可能な他の物理量を検出するものであ ってもよい。 周囲環境センサ 4 6として、 具 体的には、 モータサイクル 1 0 0の前方を撮像するカメラ又は前方の障害物 での距離を 検出可能な測距センサが用いられる。 周囲環境センサ 4 6は、 胴体 1の前部に設けられて いる。
【 0 0 3 1】
また、 周囲環境センサ 4 6は、 後述される制御モードの開始の判定に利用さ れる トリガ 情報を周囲環境に応じて生成し、 トリガ情報を出力する。 例えば、 周囲環境センサ 4 6は、 前輪 3及び後輪 4の回転速度に基づいてモータサイクル 1 0 0の車体速度を算出し、 前方 の障害物までの距離及び車体速度に基づいて モータサイクル 1 0 0が前方の障害物に到達 するまでにかかる到達時間を予測する。 周囲環境センサ 4 6は、 到達時間が基準時間と比 較して短い場合にトリガ情報を生成する。 基準時間は、 モータサイクル 1 0 0に自動緊急 減速動作を実行させた場合にモータサイクル 1 0 0が停止するまでにかかる時間として見 積もられる時間に応じて設定される。
【 0 0 3 2】
また、 周囲環境センサ 4 6は、 トリガ情報の生成に伴い、 自動緊急減速動作によってモ ータサイクル 1 0 0に生じる減速度である自動緊急減速度の目 値の基準値である基準目 標減速度を算出し、 算出結果を出力する。 基準目標減速度は、 自動緊急減速動作によって モータサイクル 1 0 0を前方の障害物より手前で停止させること 実現し得る減速度であ り、 例えば、 モータサイクル 1 0 0から前方の障害物までの距離及び車体速度 基づいて 算出される。
【 0 0 3 3】
操舵角センサ 4 7は、 モータサイクル 1 0 0の操舵角及び操舵角の角速度を検出し、 検 出結果を出力する。 操舵角センサ 4 7が、 モータサイクル 1 0 0の操舵角及び操舵角の角 速度に実質的に換算可能な他の物理量を検出 するものであってもよい。 操舵角センサ 4 7 は、 ハンドル 2に設けられている。
【 0 0 3 4】
制御装置 6 0は、 モータサイクル 1 0 0の挙動を制御する。 制御装置 6 0は、 例えば、 取得部 6 1 と、 実行部 6 2とを備える。 取得部 6 1は、 各センサから出力される情報を取 得し、 実行部 6 2へ出力する。 実行部 6 2は、 例えば、 制御部 6 3と、 トリガ判定部 6 4 と、 変化率判定部 6 5と、 リーン角判定部 6 6とを備える。 各判定部は、 各センサから出 力される情報を用いて各判定処理を実行する 。 実行部 6 2は、 トリガ判定部 6 4による判 定結果に応じて、 モータサイクル 1 0 0に自動緊急減速動作を実行させる制御モー を開 始する。 また、 制御部 6 3は、 制御モードにおいて、 各判定部による判定結果に応じて、 込め弁 3 1、 弛め弁 3 2、 ポンプ 3 4、 第 1弁 3 5及び第 2弁 3 6等の動作を司る指令を 出力することにより、 自動緊急減速動作によってモータサイクル 1 0 0に生じる減速度で ある自動緊急減速度を制御する。
【 0 0 3 5】
制御部 6 3は、 具体的には、 制御モードにおいて、 モータサイクル 1 0 0のリーン角に 応じて自動緊急減速度を制御する。 また、 制御部 6 3は、 制御モードにおいて、 モータサ イタル 1 0 0の旋回走行中の姿勢に関連する状態量の変 率に応じて自動緊急減速度を制 御してもよい。 なお、 自動緊急減速度の制御は、 自動緊急減速動作中のモータサイクル 1 0 0に生じる自動緊急減速度の制御に加えて、 自動緊急減速動作を許可又は禁止する制御 を含む。
【 0 0 3 6】
制御装置 6 0は、 記憶素子を備えており、 制御装置 6 0が行う各処理において用いられ る各基準値等の情報は、 予め記憶素子に記憶されてもよい。
【 0 0 3 7】
くブレーキシステムの動作 >
本発明の実施形態に係るブレーキシステム 1 0の動作について説明する。 図 5は、 本発 明の実施形態に係る制御装置 6 0が行う処理の一例を示すフローチヤ一トで る。 図 5に 示される制御フローは、 ブレーキシステム 1 0の起動中 (換言すると、 モータサイクル 1 0 0の運転中) において繰り返される。 図 5におけるステップ S 1 1 0及びステップ S 1 9 0は、 制御フローの開始及び終了にそれぞれ対応す る。 なお、 ステップ S 1 1 0におい て、 制御モードが開始されていない状態で制御フ ローが開始される。
【 0 0 3 8】
ステップ S 1 1 1において、 取得部 6 1は、 トリガ情報を取得する。 なお、 上記では、 トリガ情報が周囲環境センサ 4 6によって生成される場合を説明したが、 トリガ情報は制 御装置 6 0によって生成されてもよい。 例えば、 モータサイクル 1 0 0から前方の障害物 までの距離についての検出結果が周囲環境セ ンサ 4 6から制御装置 6 0へ出力され、 制御 装置 6 0が前方の障害物までの距離及びモータサイ ル 1 0 0の車体速度に基づいてトリ ガ情報を生成してもよい。 それにより、 取得部 6 1はトリガ情報を取得し得る。
【 0 0 3 9】
次に、 ステップ S 1 1 3において、 トリガ判定部 6 4は、 トリガ情報が取得されたか否 かを判定する。 トリガ情報が取得されたと判定された場合 (ステップ S 1 1 3 / Y e s ) ステップ S 1 1 5 進む。 一方、 トリガ情報が取得されなかったと判定された 場合 (ステ ップ S 1 1 3 Z N o ) 、 ステップ S 1 1 1へ戻る。
【 0 0 4 0】
ステップ S 1 1 5において、 実行部 6 2は、 モータサイクル 1 0 0に自動緊急減速動作 を実行させる制御モードを開始する。
【 0 0 4 1】
次に、 ステップ S 1 1 7において、 取得部 6 1は、 モータサイクル 1 0 0の旋回走行中 の姿勢に関連する状態量の変化率を取得する 。 モータサイクル 1 0 0の旋回走行中の姿勢 に関連する状態量は、 例えば、 リーン角、 リーン角の角速度、 操舵角又は操舵角の角速度 を含む。
【 0 0 4 2】
次に、 ステップ S 1 1 9において、 変化率判定部 6 5は、 モータサイクル 1 0 0の旋回 走行中の姿勢に関連する状態量の変化率が変 化率基準値を超えるか否かを判定する。 変化 率が変化率基準値を超えていると判定された 場合 (ステップ S 1 1 9 Z Y e s ) 、 ステツ プ S 1 2 7 進む。 一方、 変化率が変化率基準値を超えていないと判定 された場合 (ステ ップ S 1 1 9 / N o ) 、 ステップ S 1 2 1へ進む。 変化率基準値は、 前方の障害物を回避 する意思をドライバが有するか否かを判定す ることを実現し得る値に設定される。
【 0 0 4 3】
ステップ S 1 2 1において、 取得部 6 1は、 モータサイクル 1 0 0のリーン角を取得す る。
【 0 0 4 4】
次に、 ステップ S 1 2 3において、 リーン角判定部 6 6は、 モータサイクル 1 0 0のリ ーン角がリーン角基準値を超えるか否かを判 定する。 リーン角がリーン角基準値を超えて いると判定された場合 (ステップ S 1 2 3 / Y e s ) 、 ステップ S 1 2 7へ進む。 一方、 リーン角がリーン角基準値を超えていないと 判定された場合 (ステップ S 1 2 3 Z N o ) ステップ S 1 2 5 進む。 リーン角基準値は、 モータサイクル 1 0 0に減速度を生じさせ ることに起因するモータサイクル 1 0 0の転倒の可能性が過剰に大きいか否かを判 する ことを実現し得る値であり、 例えば、 走行路面の摩擦係数又はモータサイクル 1 0 0の設 計仕様等に応じて設定される。
【 0 0 4 5】
ステップ S 1 2 5において、 制御部 6 3は、 自動緊急減速動作を許可する。 自動緊急減 速動作が許可されると、 制御部 6 3は、 ドライバによる操作によらない減速度である 自動 緊急減速度を生じさせて、 モータサイクル 1 0 0に自動緊急減速動作を実行させる。 例え ば、 制御部 6 3は、 前輪制動機構 1 2及び後輪制動機構 1 4の少なく とも一方によって車 輪に付与される制動力を生じさせることによ って、 自動緊急減速度を生じさせる。 具体的 には、 制御部 6 3は、 込め弁 3 1が開放され、 弛め弁 3 2が閉鎖され、 第 1弁 3 5が閉鎖 され、 第 2弁 3 6が開放されている状態で、 ポンプ 3 4を駆動することで、 車輪に付与さ れる制動力を生じさせる。
【 0 0 4 6】
制御部 6 3は、 ポンプ 3 4の回転数を制御することによって、 車輪に付与される制動力 を制御する。 具体的には、 制御部 6 3は、 周囲環境センサ 4 6から出力される基準目標減 速度に基づいて目標減速度を決定する。 例えば、 制御部 6 3は、 基準目標減速度に係数を 乗じて得られる値を目標減速度として決定す る。 そして、 制御部 6 3は、 目標減速度に基 づいてホイールシリンダ 2 4のブレーキ液の液圧の目標値である目標液 を決定する。 そ して、 制御部 6 3は、 ホイールシリンダ 2 4のブレーキ液の液圧が目標液圧と一致する うにポンプ 3 4の回転数を制御する。 それにより、 自動緊急減速度が目標減速度と一致す るように制御される。
【 0 0 4 7】
例えば、 制御部 6 3は、 リーン角が大きい場合に、 リーン角が小さい場合に実行される 自動緊急減速動作と比較して、 自動緊急減速度が小さい自動緊急減速動作を 実行させる。 具体的には、 制御部 6 3は、 リーン角が大きいほど小さい係数を基準目標 減速度に乗じて 得られる値を目標減速度として決定すること によって、 自動緊急減速度を制御する。
【 0 0 4 8】
また、 例えば、 制御部 6 3は、 モータサイクル 1 0 0の旋回走行中の姿勢に関連する状 態量の変化率が大きい場合に、 変化率が小さい場合に実行される自動緊急減 速動作と比較 して、 自動緊急減速度が小さい自動緊急減速動作を 実行させる。 具体的には、 制御部 6 3 は、 モータサイクル 1 0 0の旋回走行中の姿勢に関連する状態量の変 率が大きいほど小 さレ、係数を基準目標減速度に乗じて得られ る値を目標減速度として決定することによっ て、 自動緊急減速度を制御する。
【 0 0 4 9】
制御部 6 3は、 リーン角及びモータサイクル 1 0 0の旋回走行中の姿勢に関連する状態 量の変化率の双方に応じて目標減速度を決定 してもよい。 その場合、 制御部 6 3は、 例え ば、 リーン角に応じた係数及び状態量の変化率に 応じた係数の双方を基準目標減速度に乗 じて得られる値を目標減速度として決定する 。
【 0 0 5 0】
なお、 上記では、 制御部 6 3が車輪に付与される制動力を制御すること よって、 自動 緊急減速度を制御する場合を説明したが、 制御部 6 3はモータサイクル 1 0 0のエンジン の出力を制御することによって、 自動緊急減速度を制御してもよい。 具体的には、 制御部 6 3は、 エンジンの出力を低下させることにより生じ るエンジンブレーキの作用を利用し て自動緊急減速度を制御してもよい。 また、 制御部 6 3は、 車輪に付与される制動力及び エンジンの出力の双方を制御することによっ て、 自動緊急減速度を制御してもよい。
【 0 0 5 1】
ステップ S 1 2 7において、 制御部 6 3は、 自動緊急減速動作を禁止する。 自動緊急減 速動作が禁止されると、 制御部 6 3は、 モータサイクル 1 0 0をドライバによる操作に応 じて減速度が生じる通常状態にする。 具体的には、 制御部 6 3は、 モータサイクル 1 0 0 を込め弁 3 1が開放され、 弛め弁 3 2が閉鎖され、 第 1弁 3 5が開放され、 第 2弁 3 6が 閉鎖されている状態にし、 ポンプ 3 4の駆動を禁止する。
【 0 0 5 2】
ステップ S 1 2 5又はステップ S 1 2 7の次に、 ステップ S 1 2 9において、 取得部 6 1は、 トリガ情報を取得する。
【 0 0 5 3】
次に、 ステップ S 1 3 1において、 トリガ判定部 6 4は、 トリガ情報が取得されたか否 かを判定する。 トリガ情報が取得されたと判定された場合 (ステップ S 1 3 1 / Y e s ) ステップ S 1 1 7 戻る。 一方、 トリガ情報が取得されなかったと判定された 場合 (ステ ップ S 1 3 l Z N o ) 、 ステップ S 1 3 3へ進む。
【 0 0 5 4】
このよ うに、 ステップ S 1 3 1において、 トリガ情報が取得されたと判定された場合 (ステップ S 1 3 1 / Y e s ) 、 制御モードが継続され、 ステップ S 1 1 7からステップ S 1 2 9までの処理が繰り返される。 制御モードが継続される場合において、 制御部 6 3 は、 変化率判定部 6 5及びリーン角判定部 6 6による判定処理 (ステップ S 1 1 9及びス テツプ S 1 2 3 ) の判定結果に応じて、 自動緊急減速動作が許可される状態と禁止さ れる 状態とを適宜切り替える。
【 0 0 5 5】
自動緊急減速動作が許可されている状態にお いて、 ステップ S 1 1 9及びステップ S 1 2 3の判定結果がいずれも N oである場合、 制御部 6 3は、 自動緊急減速動作が許可され ている状態を継続させる。 この場合、 例えば、 制御部 6 3は、 自動緊急減速動作中のモー タサイクル 1 0 0に生じる自動緊急減速度を、 自動緊急減速動作中に取得されるリーン角 に応じて制御する。 また、 例えば、 制御部 6 3は、 自動緊急減速動作中のモータサイクル 1 0 0に生じる自動緊急減速度を、 自動緊急減速動作中に取得されるモータサイ クル 1 0 0の旋回走行中の姿勢に関連する状態量の変 率に応じて制御する。
【 0 0 5 6】
自動緊急減速動作が許可されている状態にお いて、 ステップ S 1 1 9及びステップ S 1 2 3の判定結果の少なく とも一方が Y e sである場合、 制御部 6 3は、 自動緊急減速動作 が許可されている状態を中止し、 自動緊急減速動作を禁止する。 例えば、 制御部 6 3は、 自動緊急減速動作中に取得されるモータサイ クル 1 0 0の旋回走行中の姿勢に関連する状 態量の変化率が変化率基準値を超える場合に 、 自動緊急減速動作が許可されている状態を 中止し、 自動緊急減速動作を禁止する。 また、 例えば、 制御部 6 3は、 自動緊急減速動作 中に取得されるリーン角がリーン角基準値を 超える場合に、 自動緊急減速動作が許可され ている状態を中止し、 自動緊急減速動作を禁止する。
【 0 0 5 7】
自動緊急減速動作が禁止されている状態にお いて、 ステップ S 1 1 9及びステップ S 1 2 3の判定結果の少なく とも一方が Y e sである場合、 制御部 6 3は、 自動緊急減速動作 が禁止されている状態を継続させる。
【 0 0 5 8】
自動緊急減速動作が禁止されている状態にお いて、 ステップ S 1 1 9及びステップ S 1 2 3の判定結果がいずれも N oである場合、 制御部 6 3は、 自動緊急減速動作が禁止され ている状態を中止し、 自動緊急減速動作を許可する。 例えば、 制御部 6 3は、 ステップ S 1 1 9の判定結果が N oである場合において、 自動緊急減速動作の禁止中に取得されるリ ーン角がリーン角基準値を下回る場合に、 自動緊急減速動作が禁止されている状態を中 止 し、 自動緊急減速動作を許可する。 なお、 図 5に示した制御フローからステップ S 1 1 9 の判定処理が省略されてもよい。 その場合、 制御部 6 3は、 自動緊急減速動作の禁止中に 取得されるリーン角がリーン角基準値を下回 る場合に、 自動緊急減速動作が禁止されてい る状態を中止し、 自動緊急減速動作を許可する。
【 0 0 5 9】
ステップ S 1 3 3において、 実行部 6 2は、 制御モードを終了する。
【 0 0 6 0】
くブレーキシステムの効果 >
本発明の実施形態に係るブレーキシステム 1 0の効果について説明する。
【 0 0 6 1】
ブレーキシステム 1 0では、 モータサイクル 1 0 0に自動緊急減速動作を実行させる制 御モードが、 モータサイクル 1 0 0の周囲環境に応じて生成される トリガ情報に応じて開 始される。 また、 制御モードにおいて、 モータサイクル 1 0 0のリーン角に応じて自動緊 急減速度が制御される。 それにより、 モータサイクル 1 0 0の姿勢に応じて適切に自動緊 急減速度を制御することができる。 よって、 モータサイクル 1 0 0の転倒を抑制しつつ、 自動緊急減速動作により安全性を向上させる ことができる。
【 0 0 6 2】
好ましくは、 ブレーキシステム 1 0では、 制御モードにおいて、 リーン角が大きい場合 に、 リーン角が小さい場合に実行される自動緊急 減速動作と比較して、 自動緊急減速度が 小さい自動緊急減速動作が実行される。 ここで、 モータサイクル 1 0 0のタイヤの接地面 積は、 リーン角が大きレ、ほど小さレ、。 また、 モータサイクル 1 0 0のタイヤの接地部分に おける摩擦特性は、 リーン角が大きいほど進行方向について摩擦 力を生じさせにく くなる 特性を有する場合がある。 ゆえに、 モータサイクル 1 0 0に減速度を生じさせることに起 因するモータサイクル 1 0 0の転倒の可能性は、 リーン角が大きいほど大きくなりやすい。 よって、 リーン角が大きい場合に、 リーン角が小さい場合に実行される自動緊急 減速動作 と比較して、 自動緊急減速度が小さい自動緊急減速動作が 実行されることによって、 モー タサイクル 1 0 0の転倒を効果的に抑制することができる。
【 0 0 6 3】
好ましくは、 ブレーキシステム 1 0では、 制御モードにおいて、 自動緊急減速動作中の モータサイクル 1 0 0に生じる自動緊急減速度が、 自動緊急減速動作中に取得されるリ一 ン角に応じて制御される。 それにより、 自動緊急減速動作中のモータサイクル 1 0 0に生 じる自動緊急減速度を、 自動緊急減速動作中のリーン角の時間の経過 に伴う変化に応じて 適切に制御することができる。 例えば、 自動緊急減速動作が実行されることに起因し てリ ーン角が減少することに伴って、 自動緊急減速度を増大させることができる。 よって、 モ ータサイクル 1 0 0の転倒を抑制しつつ、 制動距離の増大を抑制することができる。 した がって、 自動緊急減速動作により安全性を向上させる 効果を増大させることができる。
【 0 0 6 4】
好ましくは、 ブレーキシステム 1 0では、 制御モードにおいて、 リーン角がリーン角基 準値を超える場合に、 自動緊急減速動作が禁止される。 それにより、 モータサイクル 1 0 0に減速度を生じさせることに起因するモー サイクル 1 0 0の転倒の可能性が過剰に大 きい場合に、 自動緊急減速動作を禁止することができる。 よって、 モータサイクル 1 0 0 の転倒を効果的に抑制することができる。
【 0 0 6 5】
好ましくは、 ブレーキシステム 1 0では、 制御モードにおいて、 自動緊急減速動作の禁 止中に取得されるリーン角がリーン角基準値 を下回る場合に、 自動緊急減速動作が許可さ れる。 それにより、 自動緊急減速動作の禁止中であっても、 モータサイクル 1 0 0に減速 度を生じさせることに起因するモータサイク ル 1 0 0の転倒の可能性が比較的低くなった 場合に、 自動緊急減速動作を適切に実行させることが できる。 よって、 自動緊急減速動作 により安全性を向上させる効果を増大させる ことができる。
【 0 0 6 6】
好ましくは、 ブレーキシステム 1 0では、 制御モードにおいて、 モータサイクル 1 0 0 の旋回走行中の姿勢に関連する状態量の変化 率に応じて自動緊急減速度が制御される。 そ れにより、 モータサイクル 1 0 0の姿勢に応じてさらに適切に自動緊急減速 を制御する ことができる。 よって、 モータサイクル 1 0 0の転倒を抑制しつつ、 自動緊急減速動作に より安全性を向上させる効果をより増大させ ることができる。
【 0 0 6 7】
好ましくは、 ブレーキシステム 1 0では、 制御モードにおいて、 モータサイクル 1 0 0 の旋回走行中の姿勢に関連する状態量の変化 率が変化率基準値を超える場合に、 自動緊急 減速動作が禁止される。 それにより、 前方の障害物を回避する意思をドライバが有 すると 予想される場合に、 自動緊急減速動作を禁止することができる。 よって、 ドライバの意思 に反して自動緊急減速度が生じることを抑制 することができる。 したがって、 モータサイ クル 1 0 0の転倒を効果的に抑制することができる。
【 0 0 6 8】
なお、 制御部 6 3は、 制御モードにおいて、 ドライバによるモータサイクル 1 0 0の操 作についての操作量が操作量基準値を超える 場合に、 自動緊急減速動作を禁止してもよレ、。 ドライバによるモータサイクル 1 0 0の操作は、 例えば、 アクセル操作、 ブレーキ操作及 びクラッチ操作を含む。 操作量基準値は、 ドライバによるモータサイクル 1 0 0の操作が 行われたか否かを判定することを実現し得る 値に設定される。 ゆえに、 操作量が操作量基 準値を超える場合に、 自動緊急減速動作を禁止することによって、 ドライバによるモータ サイクル 1 0 0の操作に反して自動緊急減速度が生じるこ を抑制することができる。 よ つて、 モータサイクル 1 0 0の転倒を効果的に抑制することができる。
【 0 0 6 9】
また、 制御部 6 3は、 制御モードにおいて、 モータサイクル 1 0 0の旋回走行中の姿勢 に関連する状態量の変化率が変化率基準値を 超える場合に、 変化率が変化率基準値を超え ていない場合と比較して操作量基準値を小さ く してもよい。 それにより、 前方の障害物を 回避する意思をドライバが有すると予想され る場合に、 ドライバによるモータサイクル 1 0 0の操作を検知する感度を向上させることが きるので、 自動緊急減速動作が禁止され る確実性を向上させることができる。
【 0 0 7 0】
好ましくは、 ブレーキシステム 1 0では、 制御モードにおいて、 モータサイクル 1 0 0 の旋回走行中の姿勢に関連する状態量の変化 率が大きい場合に、 変化率が小さい場合に実 行される自動緊急減速動作と比較して、 自動緊急減速度が小さい自動緊急減速動作が 実行 される。 ここで、 状態量の変化率が大きいほど、 前方の障害物を回避する意思をドライバ が有する可能性が高いと予想される。 ゆえに、 状態量の変化率が大きい場合に、 変化率が 小さい場合に実行される自動緊急減速動作と 比較して、 自動緊急減速度が小さい自動緊急 減速動作を実行させることによって、 前方の障害物を回避する意思をドライバが有 する可 能性に応じて適切に自動緊急減速度を制御す ることができる。 よって、 ドライバの意思に 反して自動緊急減速度が生じることに起因す るモータサイクル 1 0 0の転倒を抑制するこ とができる。
【 0 0 7 1】
好ましくは、 ブレーキシステム 1 0では、 制御モードにおいて、 自動緊急減速動作中の モータサイクル 1 0 0に生じる自動緊急減速度が、 自動緊急減速動作中に取得されるモー タサイクル 1 0 0の旋回走行中の姿勢に関連する状態量の変 率に応じて制御される。 そ れにより、 自動緊急減速動作中のモータサイクル 1 0 0に生じる自動緊急減速度を、 自動 緊急減速動作中の状態量の変化率の時間の経 過に伴う変化に応じて適切に制御することが できる。 よって、 ドライバの意思に反して自動緊急減速度が生 じることに起因するモータ サイクル 1 0 0の転倒を効果的に抑制することができる。
【 0 0 7 2】
好ましくは、 自動緊急減速度の制御に用いられるモータサ イクル 1 0 0の旋回走行中の 姿勢に関連する状態量は、 モータサイクル 1 0 0のリーン角又はリーン角の角速度を含む c それにより、 リーン角センサ 4 5から出力される検出結果を利用して自動緊 減速度を制 御することができる。 ゆえに、 ブレーキシステム 1 0の構成から他のセンサ (例えば、 操 舵角セ 4 7 ) を省略することができるので、 ブレーキシステム 1 0を簡素化すること ができる。
【 0 0 7 3】
本発明は各実施の形態の説明に限定されない 例えば、 各実施の形態の全て又は一部が 組み合わされてもよく、 また、 各実施の形態の -部のみが実施されてもよい。 また、 例え ば、 各ステップの順序が入れ替えられてもよい
【符号の説明】
【 0 0 7 4】
1 胴体、 2 ハンドル 3 前輪、 3 a ロータ、 4 後輪、 4 a 口ータ、 1 0 ブ レーキシステム、、 11 11 第 1ブレーキ操作部、 1 2 前輪制動機構、 1 3 第 2ブレーキ 操作部、 1 4 後輪制動機構、 2 1 マスタシリンダ、 2 2 リザーバ、 2 3 ブレーキ キヤリ ノく、 2 4 ホイールシリンダ、 2 5 主流路、 2 6 副流路、 2 7 供給流路、 3 1 込め弁、 3 2 弛め弁、 3 3 アキュムレータ、 3 4 ポンプ、 3 5 第 1弁、 3 6 第 2弁、 4 1 マスタシリンダ圧センサ、 4 2 ホイ一レシリンダ圧センサ 4 3 前輪 回転速度センサ、 4 4 後輪回転速度センサ、 4 5 リーン角センサ、 4 6 周囲環境セ
4 7 操舵角センサ、 5 0 液圧制御ユニッ ト 5 基体、 6 0 制御装置、 6 取得部、 6 2 実行部、 6 3 制御部、 64 トリガ判定部、 6 5 変化率判定部. リーン角判定部、 1 00 モータサイクル。