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Title:
CONTROL DEVICE AND CONTROL METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2023/053023
Kind Code:
A1
Abstract:
The present invention provides a control device and a control method with which the safety of a leaning vehicle can be improved. In a control device (30) and a control method according to the present invention, an execution unit of the control device executes a motion for causing a leaning vehicle to perform cruise control on the basis of information on the positional relationship between the leaning vehicle and a proceeding vehicle to the leaning vehicle, and the execution unit changes, while the motion is enabled by a rider of the leaning vehicle and on the basis of the speed information of the leaning vehicle, the distribution between a braking force applied on the front wheel of the leaning vehicle and a braking force applied on the rear wheel.

Inventors:
IGARI YOSHIHIDE (JP)
Application Number:
PCT/IB2022/059224
Publication Date:
April 06, 2023
Filing Date:
September 28, 2022
Export Citation:
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Assignee:
BOSCH GMBH ROBERT (DE)
International Classes:
B60W30/16; B60W30/18
Domestic Patent References:
WO2020254897A12020-12-24
Foreign References:
EP3608180A12020-02-12
US20170008500A12017-01-12
US20190210592A12019-07-11
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Claims:
【書類名】 請求の範囲

【請求項 1】 リーン車両 ( 1 ) の挙動を制御する制御装置 (30) であって、 前記リーン車両 ( 1 ) と、 前記リーン車両 ( 1 ) の先行車と、 の位置関係情報に基づい て前記リーン車両 ( 1 ) にクルーズコントロールを実施させる動作を実行する実行部 (3 2 ) を備え、 前記実行部 (3 2) は、 前記リーン車両 ( 1 ) のライダーによって前記動作が有効化さ れている状態で、 前記リーン車両 ( 1 ) の前輪 (2) に生じる制動力と後輪 (3) に生じ る制動力との配分を、 前記リーン車両 ( 1 ) の速度情報に基づいて変化させる、 制御装置。

【請求項 2】 前記実行部 (3 2) は、 前記リーン車両 ( 1 ) のライダーによって前記動作である第 1 動作が有効化されている状態で、 前記ライダーによる特定の操作が行われた場合に、 前記 位置関係情報に基づかずに前記リーン車両 ( 1 ) に自動停止を実施させる動作である第 2 動作を実行し、 前記実行部 (3 2) は、 前記第 2動作の実行中に、 前記前輪 (2) に生じる制動力と前 記後輪 (3) に生じる制動力との配分を、 前記速度情報に基づいて変化させる、 請求項 1に記載の制御装置。

【請求項 3】 前記実行部 (3 2) は、 前記第 2動作の実行中に取得される前記リーン車両 ( 1 ) のア クセル操作部 (2 1 ) に対する前記ライダーの操作状態情報が、 前記アクセル操作部 (2 1 ) が操作されている状態を示す情報である場合に、 前記第 2動作に換えて前記第 1動作 を実行する 請求項 2に記載の制御装置。

【請求項 4】 前記実行部 (3 2) は、 前記第 2動作に換えて前記第 1動作を実行する際に、 前記第 2 動作の実行前に実行した前記第 1動作での前記ライダーによる設定情報を用いる、 請求項 3に記載の制御装置。

【請求項 5 ] 前記実行部 (3 2) は、 前記速度情報が、 前記リーン車両 ( 1 ) が基準速度より低い速 度で走行する状態を示す情報である場合に、 前記速度情報が、 前記リーン車両 ( 1 ) が前 記基準速度より高い速度で走行する状態を示す場合と比べて、 前記後輪 (3) の制動力の 配分比率を高くする、 請求項 1〜 4のいずれか一項に記載の制御装置。

【請求項 6】 前記実行部 (3 2) は、 前記前輪 (2) に生じる制動力と前記後輪 (3) に生じる制動 力との前記配分を、 前記速度情報に加えて、 路面情報に基づいて変化させる、 請求項 1〜 5のいずれか一項に記載の制御装置。

【請求項 7】 前記路面情報は、 路面の勾配情報を含む、 請求項 6に記載の制御装置。

【請求項 8】 前記実行部 (3 2) は、 前記前輪 (2) に生じる制動力と前記後輪 (3) に生じる制動 力との前記配分を、 前記速度情報に加えて、 前記リーン車両 ( 1 ) の走行姿勢情報に基づ いて変化させる、 請求項 1〜 7のいずれか一項に記載の制御装置。

【請求項 9】 前記実行部 (3 2) は、 前記速度情報が、 前記リーン車両 ( 1 ) が徐行状態であること を示す情報である場合に、 前記後輪 (3) の制動力の配分比率を前記前輪 (2) の制動力 の配分比率よりも高くする、 請求項 1〜 8のいずれか一項に記載の制御装置。

【請求項 1 〇】 リーン車両 ( 1 ) の挙動の制御方法であって、 制御装置 (30) の実行部 (3 2) が、 前記リーン車両 ( 1 ) と、 前記リーン車両 ( 1

) の先行車と、 の位置関係情報に基づいて前記リーン車両 ( 1 ) にクルーズコントロール を実施させる動作を実行し、 前記実行部 (3 2) は、 前記リーン車両 ( 1 ) のライダーによって前記動作が有効化さ れている状態で、 前記リーン車両 ( 1 ) の前輪 (2) に生じる制動力と後輪 (3) に生じ る制動力との配分を、 前記リーン車両 ( 1 ) の速度情報に基づいて変化させる、 制御方法。

Description:
【書類名】 明細書

【発明の名称】 制御装置及び制御方法

【技術分野】

【。 0 0 1】 この開示は、 リーン車両の安全性を向上させることができ る制御装置及び制御方法に関 する。

【背景技術】

【。 0 0 2】 モータサイクル等のリーン車両に関する従来 の技術として、 ライダーの運転を支援する 技術がある。 例えば、 特許文献 1では、 走行方向又は実質的に走行方向にある障害物 を検 出するセンサ装置により検出された情報に基 づいて、 不適切に障害物に接近していること をモータサイクルのライダーへ警告する運転 者支援システムが開示されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【〇 0 0 3】

【特許文献 1】 特開 2 0 0 9 — 1 1 6 8 8 2号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【〇 0 0 4】 ところで、 運転を支援するための技術として、 車両の速度を自動で制御するクルーズコ ントロールがある。 特に、 クルーズコントロールとして、 自車両と先行車との車間距離が 安全な距離に確保されるように、 自車両と先行車との位置関係情報に基づいて 実施される ものがある。 ここで、 このようなクルーズコントロールを、 リーン車両に適用することが 考えられる。 しかしながら、 リーン車両の姿勢は、 四輪を有する自動車の姿勢と比較して 、 不安定になりやすい。 例えば、 リーン車両の減速過程において、 リーン車両の速度が低 くなった場合、 ピッチ方向に姿勢が変化しやすくなってしま う。 ゆえに、 上記のクルーズ コントロールをリーン車両に適用する場合に おいて、 リーン車両の減速過程におけるピッ チ方向の姿勢の変化によって、 安全性が損なわれてしまうおそれがある。

【〇 0 0 5】 本発明は、 上述の課題を背景としてなされたものであり 、 リーン車両の安全性を向上さ せることができる制御装置及び制御方法を得 るものである。

【課題を解決するための手段】

【〇 0 0 6】 本発明に係る制御装置は、 リーン車両の挙動を制御する制御装置であっ て、 前記リーン 車両と、 前記リーン車両の先行車と、 の位置関係情報に基づいて前記リーン車両に クルー ズコントロールを実施させる動作を実行する 実行部を備え、 前記実行部は、 前記リーン車 両のライダーによって前記動作が有効化され ている状態で、 前記リーン車両の前輪に生じ る制動力と後輪に生じる制動力との配分を、 前記リーン車両の速度情報に基づいて変化さ せる。

【〇 0 0 7】 本発明に係る制御方法は、 リーン車両の挙動の制御方法であって、 制御装置の実行部が 、 前記リーン車両と、 前記リーン車両の先行車と、 の位置関係情報に基づいて前記リーン 車両にクルーズコントロールを実施させる動 作を実行し、 前記実行部は、 前記リーン車両 のライダーによって前記動作が有効化されて いる状態で、 前記リーン車両の前輪に生じる 制動力と後輪に生じる制動力との配分を、 前記リーン車両の速度情報に基づいて変化さ せ る。

【発明の効果】

【〇 0 0 8】 本発明に係る制御装置及び制御方法では、 制御装置の実行部が、 リーン車両と、 リーン 車両の先行車と、 の位置関係情報に基づいてリーン車両にクル ーズコントロールを実施さ せる動作を実行し、 実行部は、 リーン車両のライダーによって動作が有効化 されている状 態で、 リーン車両の前輪に生じる制動力と後輪に生 じる制動力との配分を、 リーン車両の 速度情報に基づいて変化させる。 それにより、 リーン車両の減速過程におけるピッチ方向 の姿勢の変化を抑制できる。 ゆえに、 リーン車両の安全性を向上させることができ る。

【図面の簡単な説明】

[ 000 9 ]

【図 1】 本発明の実施形態に係るリーン車両の概略構 成を示す模式図である。

【図 2】 本発明の実施形態に係る制御装置の機能構成 の一例を示すブロック図である

【図 3 j 本発明の実施形態に係るリーン車両のブレー キシステムの概略構成を示す模 式図である。

【図 4】 本発明の実施形態に係る制御装置が行う処理 の流れの一例を示すフローチャ ートである。

【発明を実施するための形態】

[ 00 1 0 ] 以下に、 本発明に係る制御装置について、 図面を用いて説明する。

[ 00 1 1 ] なお、 以下では、 二輪のモータサイクルに用いられる制御装置 について説明しているが (図 1中のリーン車両 1を参照) 、 本発明に係る制御装置の制御対象となる車両 は、 リー ン車両であればよく、 二輪のモータサイクル以外の他のリーン車両 であってもよい。 リー ン車両は、 右方向への旋回走行に際して車体が右側に倒 れ、 左方向への旋回走行に際して 車体が左側に倒れる車両を意味する。 リーン車両には、 例えば、 モータサイクル (自動ニ 輪車、 自動三輪車) 、 自転車等が含まれる。 モータサイクルには、 エンジンを動力源とす る車両、 電気モータを動力源とする車両等が含まれる 。 モータサイクルには、 例えば、 オ ートバイ、 スクーター、 電動スクーター等が含まれる。 自転車は、 ペダルに付与されるラ イダーの踏力によって路上を推進することが 可能な車両を意味する。 自転車には、 電動ア シス ト自転車、 電動自転車等が含まれる。

[ 00 1 2 ] また、 以下では、 車輪を駆動するための動力を出力可能な駆動 源としてエンジン (具体 的には、 後述される図 1中のエンジン 1 1 ) が搭載されている場合を説明しているが、 駆 動源としてエンジン以外の他の駆動源 (例えば、 電気モータ) が搭載されていてもよく、 複数の駆動源が搭載されていてもよい。

[ 00 1 3 ] また、 以下で説明する構成及び動作等は一例であり 、 本発明に係る制御装置及び制御方 法は、 そのような構成及び動作等である場合に限定 されない。

[ 00 1 4 ] また、 以下では、 同一の又は類似する説明を適宜簡略化又は省 略している。 また、 各図 において、 同一の又は類似する部材又は部分については 、 符号を付すことを省略している か、 又は同一の符号を付している。 また、 細かい構造については、 適宜図示を簡略化又は 省略している。

[ 00 1 5 ]

<リーン車両の構成> 図 1〜図 3を参照して、 本発明の実施形態に係るリーン車両 1の構成について説明する

[ 00 1 6 ] 図 1は、 リーン車両 1の概略構成を示す模式図である。 図 2は、 制御装置 30の機能構 成の一例を示すブロック図である。

[ 00 1 7 ] リーン車両 1は、 本発明に係るリーン車両の一例に相当する二 輪のモータサイクルであ る。 リーン車両 1は、 図 1及び図 2に示されるように、 前輪 2と、 後輪 3と、 エンジン 1 車体 (具体的には、 胴体) のロール方向の傾きを表す角度に相当する。 慣性計測装置 1 5 が、 3軸のジャイロセンサ及び 3方向の加速度センサの一部のみを備えてい もよい。

[ 0 0 2 5 ] 着座センサ 1 6は、 リーン車両 1のリアシートに設けられ、 リアシート上の搭乗者又は 積載物の有無を検出する。 リアシート上の搭乗者の有無は、 リーン車両 1の搭乗者情報の 一例に相当する。 ただし、 搭乗者情報は、 リーン車両 1の搭乗者に関する情報であればよ く、 例えば、 リーン車両 1の搭乗者の人数、 又は、 各搭乗者の重量等の情報を含み得る。 リアシート上の積載物の有無は、 リーン車両 1の積載物情報の一例に相当する。 ただし、 積載物情報は、 リーン車両 1の積載物に関する情報であればよく、 例えば、 リーン車両 1 の積載物の数、 又は、 各積載物の重量等の情報を含み得る。 つまり、 着座センサ 1 6は、 リーン車両 1の搭乗者情報及び積載物情報を検出するセ サの一例に相当する。 ただし、 リーン車両 1の搭乗者情報又は積載物情報は、 着座センサ 1 6以外のセンサ (例えば、 カ メラ等) によって検出されてもよい。

[ 0 0 2 6 ] 前輪車輪速センサ 1 7は、 前輪 2の車輪速 (例えば、 前輪 2の単位時間当たりの回転数 [ r p m] 又は単位時間当たりの移動距離 [ k m/ h ] 等) を検出する車輪速センサであ り、 検出結果を出力する。 前輪車輪速センサ 1 7が、 前輪 2の車輪速に実質的に換算可能 な他の物理量を検出するものであってもよい 。 前輪車輪速センサ 1 7は、 前輪 2に設けら れている。

[ 0 0 2 7 ] 後輪車輪速センサ 1 8は、 後輪 3の車輪速 (例えば、 後輪 3の単位時間当たりの回転数 [ r p m] 又は単位時間当たりの移動距離 [ k m/ h ] 等) を検出する車輪速センサであ り、 検出結果を出力する。 後輪車輪速センサ 1 8が、 後輪 3の車輪速に実質的に換算可能 な他の物理量を検出するものであってもよい 。 後輪車輪速センサ 1 8は、 後輪 3に設けら れている。

[ 0 0 2 8 ] ギアポジションセンサ 1 9は、 変速機 1 2のギア段がいずれのギア段になっているか 検出し、 検出結果を出力する。 ギアポジションセンサ 1 9は、 例えば、 変速機 1 2に設け られている。

[ 0 0 2 9 ] アクセル操作部 2 1は、 ライダーによるアクセル操作で用いられる操 作部である。 アク セル操作は、 リーン車両 1の駆動力を調整するための操作である。 例えば、 アクセル操作 部 2 1は、 リーン車両 1のハンドルに設けられるアクセルグリ ップであり、 アクセル操作 は、 アクセルグリ ップを回す操作である。

[ 0 0 3 0 ] ブレーキ操作部 2 2は、 ライダーによるブレーキ操作で用いられる操 作部である。 ブレ ーキ操作は、 リーン車両 1の制動力を調整するための操作である。 例えば、 ブレーキ操作 部 2 2は、 リーン車両 1のハンドルに設けられるブレーキレバー、 又は、 胴体に設けられ るブレーキペダルであり、 ブレーキ操作は、 ブレーキレバーを握る操作、 又は、 ブレーキ ペダルを踏む操作である。

[ 0 0 3 1 ] クラッチ操作部 2 3は、 ライダーによるクラッチ操作で用いられる操 作部である。 クラ ッチ操作は、 エンジン 1 1のクランクシャフトと変速機 1 2の入力軸との間に介在するク ラッチを締結又は開放させるための操作であ る。 例えば、 クラッチ操作部 2 3は、 リーン 車両 1のハンドルに設けられるクラッチレバーで り、 クラッチ操作は、 クラッチレバー を握る操作である。

[ 0 0 3 2 ] 変速操作部 2 4は、 ライダーによる変速操作で用いられる操作部 である。 変速操作は、 変速機 1 2のギア段を切り替えるための操作である。 例えば、 変速操作部 2 4は、 リーン 車両 1のハンドルに設けられるシフトレバーであ 、 変速操作は、 シフトレバーを用いた 操作である。

[ 0 0 3 3 ] 制御装置 3 0は、 リーン車両 1の挙動を制御する。 例えば、 制御装置 3 0の一部又は全 ては、 マイコン、 マイクロプロセッサユニッ ト等で構成されている。 また、 例えば、 制御 装置 3 0の一部又は全ては、 ファームウェア等の更新可能なもので構成さ れてもよく、 C P U等からの指令によって実行されるプログラ モジュール等であってもよい。 制御装置 3 0は、 例えば、 1つであってもよく、 また、 複数に分かれていてもよい。

[ 0 0 3 4 ] 制御装置 3 0は、 図 2に示されるように、 例えば、 取得部 3 1 と、 実行部 3 2とを備え る。 また、 制御装置 3 0は、 リーン車両 1の各装置と通信する。

[ 0 0 3 5 ] 取得部 3 1は、 リーン車両 1の各装置から情報を取得し、 実行部 3 2へ出力する。 例え ば、 取得部 3 1は、 周囲環境センサ 1 4、 慣性計測装置 1 5、 着座センサ 1 6、 前輪車輪 速センサ 1 7、 後輪車輪速センサ 1 8、 ギアポジションセンサ 1 9、 アクセル操作部 2 1 、 ブレーキ操作部 2 2、 クラッチ操作部 2 3及び変速操作部 2 4から情報を取得する。 な お、 本明細書において、 情報の取得には、 情報の抽出又は生成等が含まれ得る。

[ 0 0 3 6 ] 実行部 3 2は、 リーン車両 1の各装置の動作を制御することによって、 各種制御を実行 する。 実行部 3 2は、 例えば、 エンジン 1 1、 変速機 1 2及び液圧制御ユニッ ト 1 3の動 作を制御する。

[ 0 0 3 7 ] ここで、 リーン車両 1では、 走行モードとして、 クルーズコントロールをリーン車両 1 に実施させるクルーズコントロールモードを 選択できるようになっている。 例えば、 リー ン車両 1の入力装置を用いたライダーによる入力操 に応じて、 実行部 3 2は、 走行モー ドをクルーズコントロールモードに設定する 。 クルーズコントロールモードでは、 実行部 3 2は、 ライダーによる加減速操作 (つまり、 アクセル操作及びブレーキ操作) によらず にリーン車両 1の速度を自動で制御する。 例えば、 実行部 3 2は、 前輪 2の車輪速及び後 輪 3の車輪速に基づいて取得されるリーン車両 1の速度の値を監視することによって、 リ ーン車両 1の速度を目標速度に制御することができる

[ 0 0 3 8 ] また、 クルーズコントロールモードでは、 実行部 3 2は、 リーン車両 1 と、 リーン車両 !の先行車との位置関係情報に基づいてリー ン車両 1にクルーズコントロールを実施させ る動作を通常動作として実行する。 通常動作では、 実行部 3 2は、 例えば、 上記の位置関 係情報に基づいて、 目標速度を決定し、 リーン車両 1の速度を目標速度に制御する。 上記 の位置関係情報に基づいて決定される目標速 度は、 リーン車両 1 と先行車との車間距離が 基準距離以上に確保されるような速度である 。 基準距離は、 先行車との衝突に対する安全 性が十分に確保されるような距離である。 このような通常動作によって、 リーン車両 1 と 先行車との車間距離が適正化される。

[ 0 0 3 9 ] なお、 上記の位置関係情報は、 例えば、 先行車に対するリーン車両 1の相対位置、 相対 距離、 相対速度、 相対加速度、 相対加加速度又は通過時間差等の情報を含み 得る。 上記の 位置関係情報は、 これらの情報に実質的に換算可能な他の物理 量の情報であってもよい。 上記の位置関係情報は、 例えば、 周囲環境センサ 1 4の検出結果に基づいて取得され得る

[ 0 0 4 0 ] ここで、 図 3を参照して、 リーン車両 1のブレーキシステム 1 0の概略構成、 及び、 リ ーン車両 1に生じる制動力の制御について説明する。 図 3は、 リーン車両 1のブレーキシ ステム 1 0の概略構成を示す模式図である。 ブレーキシステム 1 0は、 図 3に示されるよ うに、 ブレーキ操作部 2 2として、 第 1ブレーキ操作部 2 2 a と、 第 2ブレーキ操作部 2 2 bとを備える。 第 1ブレーキ操作部 2 2 aは、 例えば、 ブレーキレバーであり、 第 2ブ リーン車両 1を減速させて停止させる。 ここで、 実行部 3 2は、 自動停止動作においてリ ーン車両 1に生じる減速度を上記の位置関係情報に基 かずに制御する。

[ 0 0 5 7 ] 上記のように、 実行部 3 2は、 ライダーによる特定の操作が行われた場合に 、 自動停止 動作を実行する。 上記の特定の操作は、 種々の操作を含み得る。

[ 0 0 5 8 ] なお、 後述するように、 クルーズコントロールモードでは、 自動停止動作が実行されて いる状態から通常動作が実行される状態への 切り替えが可能となっている。 つまり、 クル ーズコントロールモードでは、 ライダーによって通常動作が有効化された状 態となってい る。 よって、 実行部 3 2は、 具体的には、 ライダーによって通常動作が有効化されてい る 状態で、 ライダーによる特定の操作が行われた場合に 、 自動停止動作を実行する。

[ 0 0 5 9 ] 例えば、 上記の特定の操作は、 ライダーによるブレーキ操作で用いられるブ レーキ操作 部 2 2を用いた操作を含み得る。 ブレーキ操作部 2 2を用いた特定の操作としては、 例え ば、 実質的にリーン車両 1に制動力がほぼ生じない程度の操作量での レーキ操作部 2 2 の操作等が挙げられる。

[ 0 0 6 0 ] また、 例えば、 上記の特定の操作は、 ライダーによるアクセル操作で用いられるア クセ ル操作部 2 1を用いた操作を含み得る。 アクセル操作部 2 1を用いた特定の操作としては 、 例えば、 アクセルグリ ップを無負荷状態から手前方向 (つまり、 リーン車両 1に生じる 駆動力が増加する方向) と逆方向である奥方向に回動させる操作等が 挙げられる。

[ 0 0 6 1 ] また、 例えば、 上記の特定の操作は、 ライダーによるクラッチ操作で用いられるク ラッ チ操作部 2 3を用いた操作を含み得る。 クラッチ操作部 2 3を用いた特定の操作としては 、 例えば、 エンジン 1 1のクランクシャフ トと変速機 1 2の入力軸との間に介在するクラ ッチを開放させるための操作等が挙げられる 。

[ 0 0 6 2 ] また、 例えば、 上記の特定の操作は、 ライダーによる変速操作で用いられる変速操 作部 2 4を用いた操作を含み得る。 変速操作部 2 4を用いた特定の操作としては、 例えば、 変 速機 1 2のギア段を 1段下げるシフトダウン操作等が挙げられる

[ 0 0 6 3 ] なお、 上記の特定の操作は、 上記の例に限定されない。 例えば、 上記の特定の操作は、 上記の操作部を用いるものの、 上記で説明した例と異なる操作であってもよ い。 また、 例 えば、 上記の特定の操作は、 上記の操作部と異なる操作部を用いた操作で あってもよい。 また、 例えば、 上記の特定の操作は、 自動停止動作を実行させるための専用の操作 部を用 いた操作であってもよい。 また、 例えば、 上記の特定の操作は、 複数の操作部を用いた操 作であってもよい。

[ 0 0 6 4 ] 実行部 3 2は、 自動停止動作において、 例えば、 リーン車両 1に生じる減速度を予め設 定された減速度に制御する。 この場合、 ライダーは、 自動停止動作におけるリーン車両 1 の挙動を予測しやすくなるので、 リーン車両 1の挙動がライダーの意図に沿ったものにな りやすい。

[ 0 0 6 5 ] ここで、 実行部 3 2は、 自動停止動作において、 リーン車両 1に生じる減速度を種々の パラメータに基づいて変化させてもよい。

[ 0 0 6 6 ] 例えば、 実行部 3 2は、 自動停止動作において、 リーン車両 1に生じる減速度を、 先行 車の走行状態情報に基づいて変化させてもよ い。 先行車の走行状態情報は、 先行車の走行 状態に関する情報であり、 例えば、 先行車の速度、 加速度又は加加速度等の情報を含み得 る。 先行車の走行状態情報は、 例えば、 周囲環境センサ 1 4の検出結果に基づいて取得さ れ得る。

[ 0 0 6 7 ] リーン車両 1 と先行車との車間距離は、 先行車の走行状態に応じて短くなりやすくな る 。 ゆえに、 自動停止動作において、 リーン車両 1に生じる減速度を、 先行車の走行状態情 報に基づいて変化させることによって、 リーン車両 1 と先行車との車間距離が過度に短く なることを抑制できる。 例えば、 先行車の速度が過度に小さい場合に、 リーン車両 1に生 じる減速度を大きくすることによって、 リーン車両 1 と先行車との車間距離が過度に短く なることを抑制できる。

[ 0 0 6 8 ] また、 例えば、 実行部 3 2は、 自動停止動作において、 リーン車両 1に生じる減速度を 、 リーン車両 1の走行姿勢情報に基づいて変化させてもよ 。 走行姿勢情報は、 リーン車 両 1の走行姿勢に関する情報であり、 例えば、 リーン車両 1のリーン角に関する情報であ るリーン角情報、 リーン車両 1のヨーレートに関する情報であるヨーレー 情報、 又は、 リーン車両 1の横加速度に関する情報である横加速度情 等を含む。 走行姿勢情報は、 例 えば、 慣性計測装置 1 5から取得され得る。

[ 0 0 6 9 ] リーン車両 1の姿勢の安定度合いは、 リーン車両 1の走行姿勢に応じて異なる。 ゆえに 、 自動停止動作において、 リーン車両 1に生じる減速度を、 リーン車両 1の走行姿勢情報 に基づいて変化させることによって、 リーン車両 1の姿勢が不安定になることを抑制でき る。 特に、 自動停止動作において、 リーン車両 1に生じる減速度を、 リーン車両 1のリー ン角情報に基づいて変化させることによって 、 リーン車両 1がロール方向に倒れることを 適切に抑制できる。

[ 0 0 7 0 ] また、 例えば、 実行部 3 2は、 自動停止動作において、 リーン車両 1に生じる減速度を 、 路面情報に基づいて変化させてもよい。 路面情報は、 リーン車両 1が走行する路面に関 する情報であり、 例えば、 路面の勾配の程度を示す情報である路面の勾 配情報、 又は、 路 面の性状を示す情報である路面の性状情報等 を含む。 路面情報は、 例えば、 周囲環境セン サ 1 4から取得され得る。 例えば、 周囲環境センサ 1 4としてカメラが用いられる場合、 当該カメラにより撮像される画像に対して画 像処理を施すことによって、 路面情報が取得 され得る。

[ 0 0 7 1 ] リーン車両 1の姿勢の安定度合いは、 路面情報に応じて異なる。 ゆえに、 自動停止動作 において、 リーン車両 1に生じる減速度を、 路面情報に基づいて変化させることによって 、 リーン車両 1の姿勢が不安定になることを抑制できる。 特に、 自動停止動作において、 リーン車両 1に生じる減速度を、 路面の勾配情報に基づいて変化させることに よって、 リ ーン車両 1の姿勢が不安定になることを適切に抑制で る。

[ 0 0 7 2 ] なお、 実行部 3 2は、 自動停止動作において、 リーン車両 1の停止位置を、 路面情報に 基づいて変化させてもよい。 実行部 3 2は、 例えば、 エンジン 1 1及び液圧制御ユニッ ト 1 3を適宜制御することによって、 リーン車両 1の停止位置を前後方向に調整することが できる。 例えば、 実行部 3 2は、 路面情報に基づいて、 路面における前後方向の複数の位 置について、 ライダーの足が路面に着く時の危険度を評価 する。 そして、 実行部 3 2は、 リーン車両 1の停止位置での上記の危険度が基準より低 なるように、 リーン車両 1の停 止位置を調整する。 それにより、 リーン車両 1が停止する際に、 停止姿勢を安定化するこ とができるので、 リーン車両 1及びライダーの転倒を抑制することができ 。

[ 0 0 7 3 ] また、 例えば、 実行部 3 2は、 自動停止動作において、 リーン車両 1に生じる減速度を 、 リーン車両 1の速度に基づいて変化させてもよい。 リーン車両 1の姿勢の安定度合いは 、 リーン車両 1の速度に応じて異なる。 ゆえに、 自動停止動作において、 リーン車両 1に 生じる減速度を、 リーン車両 1の速度に基づいて変化させることによって リーン車両 1 い速度で走行する状態を示す情報であると判 定された場合に相当する。

[ 0 0 8 2 ] ステップ S 1 0 4において、 リーン車両 1の速度情報が、 リーン車両 1が基準速度より 低い速度で走行する状態を示す情報であると 判定された場合 (ステップ S 1 0 4 / Y E S ) 、 ステップ S ! 〇 6に進み、 ステップ S ! 〇 6において、 実行部 3 2は、 前輪 2に生じ る制動力と後輪 3に生じる制動力との配分を第 2配分に制御する。

[ 0 0 8 3 ] ここで、 第 2配分では、 第 1配分と比較して、 後輪 3の制動力の配分比率が高くなって いる。 例えば、 第 1配分では、 前輪 2の制動力の配分比率が後輪 3の制動力の配分比率よ りも高くなっている。 一方、 第 2配分では、 後輪 3の制動力の配分比率が前輪 2の制動力 の配分比率よりも高くなっている。 この場合、 実行部 3 2は、 速度情報が、 リーン車両 1 が徐行状態であることを示す情報である場合 に、 後輪 3の制動力の配分比率を前輪 2の制 動力の配分比率よりも高くすることができる 。

[ 0 0 8 4 ] 上記のように、 実行部 3 2は、 速度情報が、 リーン車両 1が基準速度より低い速度で走 行する状態を示す情報である場合に、 速度情報が、 リーン車両 1が基準速度より高い速度 で走行する状態を示す場合と比べて、 後輪 3の制動力の配分比率を高くする。 ここで、 リ ーン車両 1の減速過程において、 前輪 2に大きな制動力が生じると、 リーン車両 1の姿勢 がピッチ方向に変化するピッチングが生じや すくなる。 当該ピッチングは、 リーン車両 1 の後部が上方に浮き上がるようにリーン車両 1全体が前輪 2を中心として回動する挙動で ある。 当該ピッチングは、 リーン車両 1が徐行状態である場合に、 特に生じやすい。 上記 のように、 リーン車両 1の前輪 2に生じる制動力と後輪 3に生じる制動力との配分を、 リ ーン車両 1の速度情報に基づいて変化させることによ て、 ピッチングの発生を抑制でき 、 リーン車両 1の安全性を向上させることができる。

[ 0 0 8 5 ] ただし、 第 1配分及び第 2配分の双方において、 前輪 2の制動力の配分比率が後輪 3の 制動力の配分比率よりも高くなっていてもよ い。 また、 第 1配分及び第 2配分の双方にお いて、 後輪 3の制動力の配分比率が前輪 2の制動力の配分比率よりも高くなっていて よ い。

[ 0 0 8 6 ] ここで、 第 1配分及び第 2配分は、 予め設定された値であってもよいが、 各種パラメー タに基づいて変化する値であってもよい。 つまり、 実行部 3 2は、 前輪 2に生じる制動力 と後輪 3に生じる制動力との配分を、 速度情報に加えて、 各種パラメータに基づいて変化 させてもよい。

[ 0 0 8 7 ] 例えば、 実行部 3 2は、 前輪 2に生じる制動力と後輪 3に生じる制動力との配分を、 速 度情報に加えて、 路面情報に基づいて変化させてもよい。 リーン車両 1の減速過程におけ るピッチ方向の姿勢の変化しやすさは、 路面情報に応じて異なる。 ゆえに、 前輪 2に生じ る制動力と後輪 3に生じる制動力との配分を、 速度情報に加えて、 路面情報に基づいて変 化させることによって、 リーン車両 1の減速過程におけるピッチ方向の姿勢の変 を抑制 できる。

[ 0 0 8 8 ] 特に、 リーン車両 1の減速過程におけるピッチ方向の姿勢の変 しやすさは、 リーン車 両 1が走行する路面が登坂路であるか降坂路で るかに応じて異なる。 ゆえに、 前輪 2に 生じる制動力と後輪 3に生じる制動力との配分を、 速度情報に加えて、 路面の勾配情報に 基づいて変化させることによって、 リーン車両 1の減速過程におけるピッチ方向の姿勢の 変化を適切に抑制できる。 例えば、 路面が降坂路である場合、 路面が登坂路である場合と 比較して、 前輪 2の制動力の配分比率を高くすることによっ 、 リーン車両 1の減速過程 におけるピッチ方向の姿勢の変化を適切に抑 制できる。

[ 0 0 8 9 ] また、 例えば、 実行部 3 2は、 前輪 2に生じる制動力と後輪 3に生じる制動力との配分 を、 速度情報に加えて、 リーン車両 1の走行姿勢情報に基づいて変化させてもよ 。 リー ン車両 1の減速過程におけるピッチ方向の姿勢の変 しやすさは、 リーン車両 1の走行姿 勢に応じて異なる。 ゆえに、 前輪 2に生じる制動力と後輪 3に生じる制動力との配分を、 速度情報に加えて、 リーン車両 1の走行姿勢情報に基づいて変化させること よって、 リ ーン車両 1の減速過程におけるピッチ方向の姿勢の変 を抑制できる。

[ 0 0 9 0 ] なお、 前輪 2に生じる制動力と後輪 3に生じる制動力との配分を変化させるため 用い られるパラメータは、 上記の例に限定されない。 つまり、 実行部 3 2は、 前輪 2に生じる 制動力と後輪 3に生じる制動力との配分を、 上記で例示したパラメータ以外のパラメータ に基づいて変化させてもよい。 また、 実行部 3 2は、 前輪 2に生じる制動力と後輪 3に生 じる制動力との配分を、 速度情報に加えて、 複数種類のパラメータに基づいて変化させて もよい。

[ 0 0 9 1 ] ステップ S 1 〇 5又はステップ S ! 〇 6の次に、 ステップ S ! 〇 7において、 実行部 3 2 は、 アクセル操作部 2 1に対するライダーの操作状態情報が、 アクセル操作部 2 1が操 作されている状態を示す情報であるか否かを 判定する。 アクセル操作部 2 1に対するライ ダーの操作状態情報は、 アクセル操作部 2 1に対するライダーの操作状態に関する情報 あり、 例えば、 アクセル操作部 2 1から取得され得る。

[ 0 0 9 2 ] ステップ S ! 〇 7において、 アクセル操作部 2 1に対するライダーの操作状態情報が、 アクセル操作部 2 1が操作されている状態を示す情報であると 定された場合 (ステップ S 1 0 7 / Y E S ) 、 ステップ S 1 0 8に進み、 ステップ S ! 〇 8において、 実行部 3 2 は、 自動停止動作に換えて通常動作を実行し、 ステップ S 1 0 2に戻る。

[ 0 0 9 3 ] 上記のように、 実行部 3 2は、 自動停止動作の実行中に取得されるアクセル 操作部 2 1 に対するライダーの操作状態情報が、 アクセル操作部 2 1が操作されている状態を示す情 報である場合に、 自動停止動作に換えて通常動作を実行する。 なお、 アクセル操作部 2 1 がアクセルグリ ップである場合において、 アクセル操作部 2 iが操作されている状態は、 アクセルグリ ップを無負荷状態から手前方向 (つまり、 リーン車両 1に生じる駆動力が増 加する方向) に回動させる操作が行われている状態のみな らず、 アクセルグリ ップを無負 荷状態から手前方向と逆方向である奥方向に 回動させる操作が行われている状態を含み得 る。

[ 0 0 9 4 ] ここで、 自動停止動作から通常動作への切り換えは、 ステップ S 1 0 7で Y E Sと判定 された場合に、 直ちに行われてもよく、 ステップ S 1 0 7で Y E Sと判定された時点から ある程度時間が経過した後に行われてもよい 。 例えば、 実行部 3 2は、 アクセル操作に伴 いリーン車両 1の速度を上昇させ、 リーン車両 1の速度が基準速度、 又は、 基準速度に対 してある程度高い速度に到達した後に、 自動停止動作から通常動作への切り換えを行 って もよい。

[ 0 0 9 5 ] 実行部 3 2は、 自動停止動作に換えて通常動作を実行する際 に、 自動停止動作の実行前 に実行した通常動作でのライダーによる設定 情報を用いてもよい。 設定情報は、 クルーズ コントロールモードに用いられる各種情報を 含み得る。 例えば、 設定情報は、 クルーズコ ントロールモードにおけるリーン車両 1の速度の上限値、 又は、 リーン車両 1の目標速度 を決定するための各種パラメータ等を含み得 る。

[ 0 0 9 6 ] ステップ S ! 〇 7において、 アクセル操作部 2 1に対するライダーの操作状態情報が、 アクセル操作部 2 1が操作されている状態を示す情報でないと 定された場合 (ステップ S 1 0 7 / N O ) 、 ステップ S 1 0 9に進み、 ステップ S ! 〇 9において、 実行部 3 2は 、 リーン車両 1が停止しているか否かを判定する。

[ 0 0 9 7 ] ステップ S 1 0 9において、 リーン車両 1が停止していないと判定された場合 (ステッ プ S 1 0 9 / N O ) 、 ステップ S 1 0 4に戻る。 一方、 ステップ S 1 0 9において、 リー ン車両 1が停止していると判定された場合 (ステップ S 1 0 9 / Y E S ) 、 ステップ S 1 1 0に進み、 ステップ S 1 1 0において、 実行部 3 2は、 自動停止動作を終了し、 図 4に 示される制御フローは終了する。

[ 0 0 9 8 ] 自動停止動作によってリーン車両 1が停止した後において、 ライダーの足が路面に着い た状態でリーン車両 1が支えられる。 そして、 実行部 3 2は、 この状態でライダーにより アクセル操作が行われた場合 (つまり、 アクセル操作部 2 1に対するライダーの操作状態 情報が、 アクセル操作部 2 1が操作されている状態を示す情報である場 ) 、 アクセル操 作に伴い、 リーン車両 1を再発進させ、 再加速させる。 そして、 リーン車両 1の速度が基 準速度、 又は、 基準速度に対してある程度高い速度に到達し た後に、 実行部 3 2は、 通常 動作を実行する。 それにより、 クルーズコントロールモード中に、 クルーズコントロール モードを解除する操作を行うことなく、 リーン車両 1の停止及び再発進を行うことができ る。 なお、 自動停止動作によってリーン車両 1が停止した後において、 実行部 3 2は、 ア クセル操作部 2 1以外の操作部を用いた操作が行われた場合 、 リーン車両 1を再発進さ せてもよい。

[ 0 0 9 9 ] 以上、 図 4のフローチャートを参照して、 制御装置 3 0の処理例を説明したが、 制御装 置 3 0が行う処理は上記の例に限定されない。 例えば、 以下で説明するように、 上記で説 明した処理の一部に変更が加えられてもよく 、 上記で説明した処理に対して追加的な処理 が行われてもよい。

[ 0 1 0 0 ] 上記では、 自動停止動作の実行中に、 前輪 2に生じる制動力と後輪 3に生じる制動力と の配分を、 速度情報に基づいて変化させる例を説明した 。 ただし、 実行部 3 2は、 自動停 止動作が実行されていない状態において、 前輪 2に生じる制動力と後輪 3に生じる制動力 との配分を、 速度情報に基づいて変化させてもよい。

[ 0 1 0 1 ] 上記では、 前輪 2に生じる制動力と後輪 3に生じる制動力との配分を 2段階で変化させ る例を説明した。 ただし、 実行部 3 2は、 前輪 2に生じる制動力と後輪 3に生じる制動力 との配分を 3段階以上の段階で変化させてもよい。 また、 実行部 3 2は、 前輪 2に生じる 制動力と後輪 3に生じる制動力との配分をリーン車両 1の速度に応じて連続的に変化させ てもよい。 なお、 いずれの場合においても、 リーン車両 1の速度が低いほど、 後輪 3の制 動力の配分比率が高くなることが好ましい。

[ 0 1 0 2 ] また、 実行部 3 2は、 自動停止動作によってリーン車両 1が停止した後において、 リー ン車両 1への制動力の付与を継続する動作を実行し もよい。 当該動作において、 実行部 3 2は、 ライダーによるブレーキ操作によらずに、 リーン車両 1に制動力を生じさせる。 それにより、 リーン車両 1が停止位置に保持され、 前後に移動することが抑制される。

[ 0 1 0 3 ]

<制御装置の効果> 本発明の実施形態に係る制御装置 3〇の効果について説明する。

[ 0 1 0 4 ] 制御装置 3 0において、 実行部 3 2は、 リーン車両 1 と先行車との位置関係情報に基づ いてリーン車両 1にクルーズコントロールを実施させる動作 ある第 1動作 (例えば、 上 記の例における通常動作) がリーン車両 1のライダーによって有効化されている状態 、 リーン車両 1の前輪 2に生じる制動力と後輪 3に生じる制動力との配分を、 リーン車両 1 の速度情報に基づいて変化させる。 それにより、 リーン車両 1の減速過程におけるピッチ 方向の姿勢の変化を抑制できる。 具体的には、 前輪 2に大きな制動力が生じることに起因 するピッチングの発生を抑制できる。 ゆえに、 リーン車両 1の安全性を向上させることが できる。

[ 0 1 0 5 ] 好ましくは、 制御装置 30において、 実行部 3 2は、 リーン車両 1のライダーによって 第 1動作が有効化されている状態で、 ライダーによる特定の操作が行われた場合に 、 位置 関係情報に基づかずにリーン車両 1に自動停止を実施させる動作である第 2動作 (例えば 、 上記の例における自動停止動作) を実行する。 それにより、 クルーズコントロールの実 施中にリーン車両 1を停止させる際に、 リーン車両 1をライダーの意図に沿って減速させ ることができるので、 意図しない減速により リーン車両 1が転倒することを抑制できる。 ゆえに、 リーン車両 1の安全性をより適切に向上させることがで る。

[ 0 1 0 6 ] また、 好ましくは、 制御装置 30において、 実行部 3 2は、 第 2動作の実行中に、 前輪 2 に生じる制動力と後輪 3に生じる制動力との配分を、 速度情報に基づいて変化させる。 それにより、 前輪 2に大きな制動力が生じることに起因するピ チングが特に生じやすい リーン車両 1が徐行状態となる状況において、 リーン車両 1のピッチ方向の姿勢の変化を 適切に抑制できる。

[ 0 1 0 7 ] 好ましくは、 制御装置 30において、 実行部 3 2は、 第 2動作の実行中に取得されるリ ーン車両 1のアクセル操作部 2 1に対するライダーの操作状態情報が、 アクセル操作部 2 ! が操作されている状態を示す情報である場合 に、 第 2動作に換えて第 1動作を実行する 。 それにより、 アクセル操作が行われ、 リーン車両 1の速度が基準速度よりも高くなる場 合に、 第 2動作から第 1動作への切り替えを適切に行うことができ 。

[ 0 1 0 8 ] 好ましくは、 制御装置 30において、 実行部 3 2は、 第 2動作に換えて第 1動作を実行 する際に、 第 2動作の実行前に実行した第 1動作でのライダーによる設定情報を用いる それにより、 第 2動作の実行後に第 1動作が実行された際に、 第 2動作の実行前に実行し た第 1動作と比べて、 リーン車両 1の挙動が変化することに起因する違和感が イダーに 与えられることが抑制される。

[ 0 1 0 9 ] 好ましくは、 制御装置 30において、 実行部 3 2は、 速度情報が、 リーン車両 1が基準 速度より低い速度で走行する状態を示す情報 である場合に、 速度情報が、 リーン車両 1が 基準速度より高い速度で走行する状態を示す 場合と比べて、 後輪 3の制動力の配分比率を 高くする。 それにより、 前輪 2に大きな制動力が生じることに起因するピ チングが特に 生じやすいリーン車両 1の速度が低くなっている状況において、 前輪 2に大きな制動力が 生じることを抑制し、 ピッチングの発生を適切に抑制できる。

[ 0 1 1 0 ] 好ましくは、 制御装置 30において、 実行部 3 2は、 前輪 2に生じる制動力と後輪 3に 生じる制動力との配分を、 速度情報に加えて、 路面情報に基づいて変化させる。 それによ り、 リーン車両 1の減速過程におけるピッチ方向の姿勢の変 をより適切に抑制できる。

[ 0 1 1 1 ] 好ましくは、 制御装置 30において、 路面情報は、 路面の勾配情報を含む。 それにより 、 前輪 2に生じる制動力と後輪 3に生じる制動力との配分を、 速度情報に加えて、 路面の 勾配情報に基づいて変化させることができ、 リーン車両 1の減速過程におけるピッチ方向 の姿勢の変化をさらに適切に抑制できる。

[ 0 1 1 2 ] 好ましくは、 制御装置 30において、 実行部 3 2は、 前輪 2に生じる制動力と後輪 3に 生じる制動力との配分を、 速度情報に加えて、 リーン車両 1の走行姿勢情報に基づいて変 化させる。 それにより、 リーン車両 1の減速過程におけるピッチ方向の姿勢の変 をより 適切に抑制できる。 [ 0 1 1 3 ] 好ましくは、 制御装置 30において、 実行部 3 2は、 速度情報が、 リーン車両 1が徐行 状態であることを示す情報である場合に、 後輪 3の制動力の配分比率を前輪 2の制動力の 配分比率よりも高くする。 それにより、 前輪 2に大きな制動力が生じることに起因するピ ッチングが特に生じやすいリーン車両 1が徐行状態となる状況において、 ピッチングの発 生を適切に抑制できる。

[ 0 1 1 4 ] 本発明は実施形態の説明に限定されない。 例えば、 実施形態の一部のみが実施されても よい。

[符号の説明]

[ 0 1 1 5 ]

1 リーン車両、 2 前輪、 2 a ロータ、 3 後輪、 3 a ロータ、 1 0 ブレーキ システム、 1 1 エンジン、 1 2 変速機、 1 3 液圧制御ユニッ ト、 1 3 a 基体、 1 4 周囲環境センサ、 1 5 慣性計測装置、 1 6 着座センサ、 1 7 前輪車輪速センサ 、 1 8 後輪車輪速センサ、 1 9 ギアポジションセンサ、 2 1 アクセル操作部、 2 2 ブレーキ操作部、 2 2 a 第 1ブレーキ操作部、 2 2 b 第 2ブレーキ操作部、 2 3 ク ラッチ操作部、 24 変速操作部、 3〇 制御装置、 3 1 取得部、 3 2 実行部、 4 1 前輪制動機構、 4 2 後輪制動機構、 5 ! マスタシリンダ、 5 2 リザーバ、 5 3 ブ レーキキャリパ、 54 ホイールシリンダ、 5 5 主流路、 5 6 副流路、 5 7 供給流 路、 6 1 込め弁、 6 2 弛め弁、 6 3 アキュムレータ、 6 4 ポンプ、 6 5 第 1弁 、 6 6 第 2弁。