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Title:
CONTROL SYSTEM OF DYNAMO ELECTRIC MACHINE AND DRIVE SYSTEM OF VEHICLE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/119246
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a control system of a dynamo electric machine wherein a torque generated from a dynamo electric machine serving as a motor is limited when a failure of a voltage conversion section is detected for the purpose of protecting a smoothing capacitor, and a required torque can be generated at the time of starting, for example. A control system of a dynamo electric machine comprising a DC power supply, a dynamo electric machine, a frequency conversion section, a voltage conversion section, and a torque limit section is further provided with an abnormality detection section for detecting such an abnormality as requiring stoppage of the voltage conversion section and when the abnormality detection section detects an abnormality, the torque limit section limits generation of a positive torque in a region where the rotational speed of the dynamo electric machine is less than a lower limit threshold of rotational speed which is less than 0, and sets a region for generating a positive torque above the lower limit threshold of rotational speed.

Inventors:
TANAKA KAZUHIRO (JP)
IZAWA JIN (JP)
OONO YOSHINORI (JP)
AOKI KAZUO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/053708
Publication Date:
October 01, 2009
Filing Date:
February 27, 2009
Export Citation:
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Assignee:
AISIN AW CO (JP)
TANAKA KAZUHIRO (JP)
IZAWA JIN (JP)
OONO YOSHINORI (JP)
AOKI KAZUO (JP)
International Classes:
B60K6/445; B60L9/18; B60L50/16; B60W10/08; B60W20/00; H02P5/74; H02P29/00
Foreign References:
JP2003065107A2003-03-05
JP2004222362A2004-08-05
JP2007203975A2007-08-16
JP2009045946A2009-03-05
Attorney, Agent or Firm:
KITAMURA, SHUICHIRO (JP)
Shuichiro Kitamura (JP)
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Claims:
 車両を駆動するための回転電機と、
 直流電源と前記回転電機との間に介在され、前記回転電機が力行する際に前記直流電源の出力を交流に変換し、前記回転電機が回生する際に前記回転電機からの出力を直流に変換する周波数変換部と、
 前記直流電源と前記周波数変換部との間に介在され、前記回転電機に要求される要求トルクに応じて設定される昇圧指令値に基づいて前記直流電源の出力を昇圧する電圧変換部と、
 前記回転電機のトルクを制限するトルク制限部と、を備えた回転電機制御システムであって、
 前記電圧変換部の停止を必要とする異常を検出する異常検出部を備え、
 当該異常検出部が異常を検出した場合に、
 前記トルク制限部が前記回転電機の回転速度が0未満の回転速度下限閾値未満の領域で正トルクの発生を制限し、前記正トルクを発生する領域が前記回転速度下限閾値以上の領域に設定され、
 前記トルク制限部が前記回転電機の回転速度が0より大きい回転速度上限閾値より大きい領域で負トルクの発生を制限し、前記負トルクを発生する領域が前記回転速度上限閾値以下の領域に設定されている回転電機制御システム。
 前記電圧変換部と前記周波数変換部との間に備えられる平滑コンデンサに関し、
 前記電圧変換部が停止した状態で、前記回転電機から前記直流電源側に戻るべき電力が前記平滑コンデンサに蓄電された場合に、前記平滑コンデンサの電圧を耐圧電圧以下に維持できる閾値として、前記回転速度下限閾値及び前記回転速度上限閾値が設定されている請求項1記載の回転電機制御システム。
 前記回転電機の回転によって発生する回転電機損失と前記周波数変換部における周波数変換によって発生する周波数変換損失との合算損失に見合う電力を、回生により、前記回転電機が発生すべく、前記回転速度下限閾値及び前記回転速度上限閾値が設定されている請求項1又は2記載の回転電機制御システム。
 前記回転速度下限閾値及び前記回転速度上限閾値が固定値である請求項1~3のいずれか一項記載の回転電機制御システム。
 前記回転電機の回転によって発生する回転電機損失と前記周波数変換部における周波数変換によって発生する周波数変換損失との合算損失と、前記要求トルクとの関係に基づいて、前記回転速度下限閾値及び前記回転速度上限閾値が可変設定される請求項1又は2記載の回転電機制御システム。
 前記回転電機が正トルクを発生し、前記回転電機の回転速度が前記回転速度下限閾値以上の状態で、前記回転電機に0から正側最大トルクまでの出力が許容され、
 前記回転電機が負トルクを発生し、前記回転電機の回転速度が前記回転速度上限閾値以下の状態で、前記回転電機に0から負側最大トルクまでの出力が許容される請求項1~5のいずれか一項記載の回転電機制御システム。
 請求項1~6の何れか一項に記載の回転電機制御システムを備えるとともに、
 前記回転電機として、第1回転電機と第2回転電機とを備え、
 前記第1回転電機および前記第2回転電機以外の駆動源から発生される駆動力を分配する動力分配機構を備え、前記動力分配機構により分配された一方の駆動力が車輪に、他方の駆動力が前記第1回転電機に伝達されるとともに、前記第2回転電機により発生される駆動力が前記車輪に伝達される車両駆動システム。
 前記動力分配機構が、回転速度の順に、第1回転要素、第2回転要素および第3回転要素を有する差動歯車装置を含んで構成され、
 前記第1回転電機が前記第1回転要素に接続され、前記回転電機以外の駆動源が前記第2回転要素に接続され、前記第2回転電機及び前記第3回転要素が車輪に接続されている請求項7に記載の車両駆動システム。
 前記第2回転電機の出力トルクでのみ走行する電動走行モードにおいて、前記異常検出部による異常の検出に伴って、前記トルク制限部によるトルク制限が実行される請求項7又は8記載の車両駆動システム。
Description:
回転電機制御システム及び車両 動システム

 本発明は、車両を駆動するための回転電 と、直流電源と回転電機との間に介在され 回転電機が力行する際に直流電源の出力を 流に変換し、回転電機が回生する際に回転 機からの出力を直流に変換する周波数変換 と、直流電源と前記周波数変換部との間に 在され、前記回転電機に要求される要求ト クに応じて設定される昇圧指令値に基づい 前記直流電源の出力を昇圧する電圧変換部 、回転電機のトルクを制限するトルク制限 と、を備えた回転電機制御システムに関す 。

 このような回転電機制御システムは、電 自動車に備えられるモータ(回転電機の一例 )の運転状態の制御に採用されるとともに、 転電機以外にエンジン等の他の駆動源を備 、回転電機と他の駆動源とから適宜、駆動 を得て走行する、いわゆる、ハイブリッド 両にも採用される。

 特許文献1には、このような電気自動車あ るいはハイブリッド車両に採用される電圧変 換装置が提案されている。この文献では、図 1に電気自動車の例が、図5等にハイブリッド 両の例が示されている。

 この文献に開示の技術では、制御装置30は 電圧センサ10からの直流電圧Vbと、電圧セン 13からの出力電圧Vmと、NPNトランジスタQ1,Q2 スイッチング制御するときのデューティー とに基づいて昇圧コンバータ12が故障して るか否かを検出する。そして、制御装置30は 、昇圧コンバータ12の故障を検出すると、交 モータM1の回生発電を禁止するようにイン ータ14および交流モータM1を制御する(〔0076 〔0088〕)。結果、インバータの入力側に挿入 される平滑コンデンサの耐電圧性能を向上さ せることなく、昇圧コンバータの故障処理が 可能な電圧変換装置を得ることができる。こ こで、回生の判断に関しては、〔0129〕の記 を参考にすると、アクセル開度およびモー 回転数(回転速度)に基づいて交流モータM1に けるエネルギーを演算し、演算したエネル ーに基づいて、交流モータM1が力行モード あるか回生モードにあるかを判定するもの 理解できる。

特開2004-222362号公報

 しかし、上記文献に開示の技術では、力 と回生との判断をアクセル開度とモータ回 数に基づいてエネルギーを演算し、このエ ルギーに基づいて力行と回生を判定してい ため、エネルギーの正負に基づいて力行と 生を判定することとなり、エネルギーが負 なる場合に回生を制限することとなる。回 電機における回転速度を横軸にトルクを縦 に取った相関図(図7に示す図がこの相関図 一例である)を考えた場合、回生を制限する 域は、回転電機が正トルクを発生する状態 は、回転電機の回転速度が0以下の第二象限 の領域に、回転電機が負トルクを発生する状 態では、回転電機の回転速度が0以上の第四 限の領域となる。しかしながら、このよう 手法を採用すると、上り坂での発進時、下 坂での発進時等に以下のような問題が発生 ることが判明した。

 上り坂での発進の問題
 上り坂での発進に際しては、いわゆる、ず 下がり(後進)が発生する場合がある。この 態では、モータとして働く回転電機(上記の 許文献1に記載の場合は交流モータM1)が負回 転する状態で正トルク(前進トルク)を発生す 必要があるが、上記の判定手法に従うと、 ータ回転が負であることから、回生モード 判定され、前進方向にトルクを発生するこ ができなくなり発進できない。

 下り坂での発進の問題
 下り坂での発進に際しては、いわゆる、ず 下がり(前進)が発生する場合がある。この 態では、モータとして働く回転電機が正回 する状態で負トルクである制動トルクを発 する必要があるが、上記の判定手法に従う 、制動方向にトルクを発生することができ くなり、発進初期に制動をかけながら発進 るというスムーズな発進ができない。更に 、下り坂で後進状態で発進する必要がある 合も同様に発進ができない。

 本発明は、上記の課題に鑑みてなされた のであり、その目的は、例えば、電圧変換 の故障を検出した場合に、平滑コンデンサ 保護を目的としてモータとして働く回転電 が発生するトルクを制限する回転電機制御 ステムにおいて、例えば発進時に所要のト クを発生することが可能な回転電機制御シ テムを得ることにある。

 上記目的を達成するための本発明に係る、
 車両を駆動するための回転電機と、
 直流電源と前記回転電機との間に介在され 前記回転電機が力行する際に前記直流電源 出力を交流に変換し、前記回転電機が回生 る際に前記回転電機からの出力を直流に変 する周波数変換部と、
 前記直流電源と前記周波数変換部との間に 在され、前記回転電機に要求される要求ト クに応じて設定される昇圧指令値に基づい 前記直流電源の出力を昇圧する電圧変換部 、
 前記回転電機のトルクを制限するトルク制 部と、を備えた回転電機制御システムの特 構成は、
 前記電圧変換部の停止を必要とする異常を 出する異常検出部を備え、当該異常検出部 異常を検出した場合に、
 前記トルク制限部が前記回転電機の回転速 が0未満の回転速度下限閾値未満の領域で正 トルクの発生を制限し、正トルクを発生する 領域が前記回転速度下限閾値以上の領域に設 定され、
 前記トルク制限部が前記回転電機の回転速 が0より大きい回転速度上限閾値より大きい 領域で負トルクの発生を制限し、負トルクを 発生する領域が前記回転速度上限閾値以下の 領域に設定されていることにある。

 この回転電機制御システムでは、トルク 限が施されることなく、回転電機が正トル を発生できる領域は0未満の回転速度下限閾 値以上の領域とされ、負トルクを発生できる 領域は0より大きい回転速度上限閾値以下の 域とされる。従って、回転速度が負となっ いる走行状態でも、回転速度下限閾値以上 領域で正トルクの発生が許容され、回転速 が正となっている走行状態でも、回転速度 限閾値以下の領域で負トルクの発生が許容 れる。即ち、回転速度が0である領域を含む ある程度の領域で、回転電機の回生が許容 れる。結果、例えば、電圧変換部の故障を 出した場合にあっても、所要のトルクを発 することが可能となり、坂道発進の問題を 決できながら、平滑コンデンサとして特別 仕様のものを採用する必要のない回転電機 御システムを得ることができた。

 回転速度下限閾値及び回転速度上限閾値の 定手法としては、電圧変換部が停止した状 で、回転電機から直流電源側に戻るべき電 が平滑コンデンサに蓄電された場合に、平 コンデンサの電圧を耐圧電圧以下に維持で る閾値として、これらを設定できる。
 この構成にあっては、回転電機が回生して 発生された電力の全部が平滑コンデンサに 電されたとしても、平滑コンデンサの電圧 耐圧電圧以下となるため、良好にこのコン ンサを守ることができる。

 さらに、回転速度下限閾値及び回転速度上 閾値の設定手法としては、回転電機の回転 よって発生する回転電機損失と周波数変換 における周波数変換によって発生する周波 変換損失との合算損失に見合う電力を、回 により、回転電機が発生する閾値として、 れらを設定することが好ましい。
 このように構成しておくと、回転電機の回 で発生された電力が全て損失として消費さ るため、平滑コンデンサに蓄電されること なく、良好にこのコンデンサを守ることが きる。

 これまで説明してきた、回転速度下限閾値 び回転速度上限閾値を固定値とすることが きる。
 閾値を固定値とすることで、これら閾値を め求めて定めておくと、トルク制限を行う 域と、車両側からの要求に基づいて決定さ る回転電機の動作点で、回転電機をその動 点のまま動作させる非制限領域との判別を 易に実行することができる。

 また、回転速度下限閾値及び回転速度上限 値を設定するに、回転電機の回転によって 生する回転電機損失と周波数変換部におけ 周波数変換によって発生する周波数変換損 との合算損失と、走行に要求される要求ト クとの関係に基づいて、これら閾値を可変 定することが好ましい。
 先にも説明したように、本願に係る回生を 容する領域範囲は、回生により発生する電 の全てが損失として消費されれば問題は発 しない。一方、回転電機に要求される要求 ルクは、坂道の傾斜度、アクセルの踏み込 量等によって変化する。そこで、これら閾 を要求トルクの値に依存して可変設定する とで、平滑コンデンサを守りながら、適切 トルクを発生することが可能となる。

 また、許容する側のトルクの範囲としては
 回転電機が正トルクを発生し、回転電機の 転速度が回転速度下限閾値以上の状態で、 転電機に0から正側最大トルクまでの出力が 許容され、
 回転電機が負トルクを発生し、回転電機の 転速度が回転速度上限閾値以下の状態で、 転電機に0から負側最大トルクまでの出力が 許容される構成とすることが好ましい。この ようにすることで、トルク制限を施さない領 域では、電圧変換部が停止されていない状態 での走行状態を、そのまま実現できる。

 さて、これまで説明してきた回転電機制御 ステムは、車両駆動システムに採用できる 即ち、回転電機として、第1回転電機と第2 転電機とを備え、
 これら第1回転電機および第2回転電機以外 駆動源から発生される駆動力を分配する動 分配機構を備え、動力分配機構により分配 れた一方の駆動力が車輪に、他方の駆動力 前記第1回転電機に伝達されるとともに、第2 回転電機により発生される駆動力が前記車輪 に伝達される車両駆動システムに採用できる 。
 所謂、スプリット形態のハイブリッド車両 本願の回転電機制御システムを採用するこ で、このハイブリッド車両で良好に坂道発 等を行うことができる。

 また、動力分配機構が、回転速度の順に、 1回転要素、第2回転要素および第3回転要素 有する差動歯車装置を含んで構成され、
 第1回転電機が第1回転要素に接続され、回 電機以外の駆動源が第2回転要素に接続され 第2回転電機及び第3回転要素が車輪に接続 れている構造を採用することが好ましい。
 この構成の車両駆動システムとすることで 最も、シンプルな差動歯車装置を使用して ハイブリッド車両を実現できる。

 さらに、このようなハイブリッド車両に っては、発進を電動走行モード(EVモード)で 行うこととなるが、第2回転電機の出力トル でのみ走行するEVモードにおいて、異常検出 部による異常の検出に伴って、トルク制限部 によるトルク制限が実行される構成を採用す ることで、平滑コンデンサの保護を図りなが ら良好に発進を行える。

本発明の実施形態に係るハイブリッド 動装置の機械的構成を示すスケルトン図で る。 このハイブリッド車用駆動装置のシス ム構成を示すブロック図である。 このハイブリッド車用駆動装置の電気 の構成を示すブロック図である。 このハイブリッド車用駆動装置のハイ リッド走行モードでの速度線図である。 このハイブリッド車用駆動装置のEV走 モードでの速度線図である。 エンジン動作点マップの一例を示す図 ある。 回転電機の回転速度とトルクとの相関 示すマップ((a):正常時のマップ、(b):異常時 マップ)である。 このハイブリッド車用駆動装置の制御 法のフローチャートである。 第二実施形態のハイブリッド車用駆動 置のシステム構成を示すブロック図である 第二実施形態の回転電機の回転速度と トルクとの相関を示すマップである。 このハイブリッド車用駆動装置の制御 方法のフローチャートである。

 以下、本願に係る回転電機制御システムに して、スプリット形式のハイブリッド駆動 置Hに採用する場合について、図面に基づい て説明する。
1.ハイブリッド駆動装置
 図1は、ハイブリッド駆動装置Hの機械的構 を示すスケルトン図である。図2は、ハイブ ッド車用駆動装置Hのシステム構成を示すブ ロック図である。なお、図2において、破線 電力の伝達経路を示し、実線矢印は各種情 の伝達経路を示している。図3は、当該ハイ リッド駆動装置Hの回転電機制御電気系の構 成を示す説明図である。

 図1に示すように、このハイブリッド駆動 装置Hは、駆動力源としてエンジンE及び2個の モータ・ジェネレータMG1、MG2を備えるととも に、エンジンEの出力を、第一モータ・ジェ レータMG1側と、車輪及び第二モータ・ジェ レータMG2側とに分配する動力分配用の遊星 車装置PGを備えた、いわゆる2モータスプリ ト方式のハイブリッド駆動装置Hとして構成 れている。

 すなわち、このハイブリッド駆動装置Hは 、機械的な構成として、エンジンEに接続さ た入力軸Iと、第一モータ・ジェネレータMG1 、第二モータ・ジェネレータMG2と、動力分 用の遊星歯車装置PGと、カウンタギヤ機構C 、複数の車輪Wに駆動力を分配するディファ レンシャル装置Dと、を備えている。ここで 遊星歯車装置PGは、エンジンEの出力(駆動力) を第一モータ・ジェネレータMG1とカウンタド ライブギヤOとに分配する。カウンタドライ ギヤOは、カウンタギヤ機構C及びディファレ ンシャル装置Dを介して車輪Wに接続されてい 。第二モータ・ジェネレータMG2は、カウン ドライブギヤOからディファレンシャル装置 Dまでの動力伝達系に出力トルクを伝達可能 接続されている。具体的には、第二モータ ジェネレータMG2は、カウンタギヤ機構Cに接 されており、このカウンタギヤ機構Cを介し てカウンタドライブギヤO及びディファレン ャル装置Dに接続されている。本実施形態に いては、第一モータ・ジェネレータMG1が本 明における「第1回転電機」に相当し、第二 モータ・ジェネレータMG2が本発明における「 第2回転電機」に相当する。

 また、このハイブリッド駆動装置Hは、電 気的なシステム構成として、第一モータ・ジ ェネレータMG1を駆動制御するための第一イン バータI1と、第二モータ・ジェネレータMG2を 動制御するための第二インバータI2と、第 インバータI1又は第二インバータI2を介して 一モータ・ジェネレータMG1及び第二モータ ジェネレータMG2に電力を供給するバッテリB と、ハイブリッド駆動装置Hの各部の制御を う制御ユニット10と、を備えている。バッテ リBが本発明における「直流電源」に相当す 。

 以下、このハイブリッド駆動装置Hの各部 の構成について順に説明する。

1-1.機械的構成
 まず、ハイブリッド駆動装置Hの機械的構成 について説明する。図1に示すように、この イブリッド駆動装置Hでは、エンジンEに接続 された入力軸I、第一モータ・ジェネレータMG 1、及び動力分配用の遊星歯車装置PGが同軸上 に配置されている。そして、第二モータ・ジ ェネレータMG2、カウンタギヤ機構C、及びデ ファレンシャル装置Dが、それぞれ入力軸Iと 平行な軸上に配置されている。ここで、エン ジンEとしては、ガソリンエンジンやディー ルエンジン等の公知の各種の内燃機関を用 ることができる。カウンタギヤ機構Cの軸(カ ウンタ軸)には、第一モータ・ジェネレータMG 1及び第二モータ・ジェネレータMG2側から順 、第一カウンタドリブンギヤc1、第二カウン タドリブンギヤc2、及びデフピニオンギヤc3 固定されている。ここで、デフピニオンギ c3は、ディファレンシャル装置Dのデフリン ギヤdrに噛み合っており、カウンタギヤ機構 Cの回転がディファレンシャル装置Dを介して 輪Wに伝達される構成となっている。ディフ ァレンシャル装置Dは、一般的に用いられる のであり、例えば互いに噛み合う複数の傘 車を用いた差動歯車機構を有して構成され いる。

 第一モータ・ジェネレータMG1は、図示し いケースに固定されたステータSt1と、この テータSt1の径方向内側に回転自在に支持さ たロータRo1と、を有している。この第一モ タ・ジェネレータMG1のロータRo1は、遊星歯 装置PGのサンギヤsと一体回転するように連 されている。また、第二モータ・ジェネレ タMG2は図示しないケースに固定されたステ タSt2と、このステータSt2の径方向内側に回 自在に支持されたロータRo2と、を有してい 。この第二モータ・ジェネレータMG2のロー Ro2は、第二モータ・ジェネレータ出力ギヤd 2(以下「MG2出力ギヤ」という)と一体回転する ように連結されている。このMG2出力ギヤd2は カウンタギヤ機構Cに固定された第一カウン タドリブンギヤc1と噛み合っており、第二モ タ・ジェネレータMG2の回転がカウンタギヤ 構Cに伝達される構成となっている。これに より、第二モータ・ジェネレータMG2のロータ Ro2は、カウンタギヤ機構C及びカウンタドラ ブギヤOの回転速度に比例する回転速度で回 する。このハイブリッド駆動装置Hでは、第 一モータ・ジェネレータMG1及び第二モータ・ ジェネレータMG2は、交流モータであり、それ ぞれ第一インバータI1又は第二インバータI2 より駆動制御される。

 本例では、第一モータ・ジェネレータMG1は 主にサンギヤsを介して入力された駆動力に より発電を行い、バッテリBを充電し、或い 第二モータ・ジェネレータMG2を駆動するた の電力を供給するジェネレータとして機能 る。ただし、車両の高速走行時やエンジンE 始動時等には第一モータ・ジェネレータMG1 力行して駆動力を出力するモータとして機 する場合もある。一方、第二モータ・ジェ レータMG2は、主に車両の走行用の駆動力を 助するモータとして機能する。ただし、車 の減速時等には第二モータ・ジェネレータM G2はジェネレータとして機能し、車両の慣性 を電気エネルギーとして回生するジェネレ タとして機能する場合もある。これら第一 ータ・ジェネレータMG1及び第二モータ・ジ ネレータMG2の動作は、制御ユニット10から 制御指令に従って動作する第一インバータI1 又は第二インバータI2により制御される。
 本願が問題とする発進時には、この第二モ タ・ジェネレータMG2がモータとして働く。 って、この第二モータ・ジェネレータMG2の ルク制御、引いては、回生許可が問題とな 。

 図1に示すように、遊星歯車装置PGは、入 軸Iと同軸状に配置されたシングルピニオン 型の遊星歯車機構により構成されている。す なわち、遊星歯車装置PGは、複数のピニオン ヤを支持するキャリアcaと、前記ピニオン ヤにそれぞれ噛み合うサンギヤs及びリング ヤrとを回転要素として有している。サンギ ヤsは、第一モータ・ジェネレータMG1のロー Ro1と一体回転するように接続されている。 ャリアcaは、入力軸Iと一体回転するように 続されている。リングギヤrは、カウンタド イブギヤOと一体回転するように接続されて いる。このカウンタドライブギヤOは、カウ タギヤ機構Cに固定された第二カウンタドリ ンギヤc2と噛み合っており、遊星歯車装置PG のリングギヤrの回転が、このカウンタギヤ 構Cに伝達される構成となっている。本実施 態においては、この遊星歯車装置PGが本発 における「差動歯車装置」に相当し、サン ヤs、キャリアca、及びリングギヤrが、それ れ本発明における差動歯車装置の「第1回転 要素」、「第2回転要素」、及び「第3回転要 」に相当する。

1-2.ハイブリッド駆動装置の基本的動作
 次に、本実施形態に係るハイブリッド駆動 置Hの基本的な動作について説明する。図4 図5は、動力分配用の遊星歯車装置PGの動作 態を表す速度線図である。これらの速度線 において、並列配置された複数本の縦線の れぞれが、遊星歯車装置PGの各回転要素に対 応しており、各縦線の上側に記載されている 「s」、「ca」、「r」はそれぞれサンギヤs、 ャリアca、リングギヤrに対応している。そ て、これらの縦軸上の位置は、各回転要素 回転速度に対応している。ここでは、横軸 は回転速度がゼロであり、上側が正、下側 負である。また、各回転要素に対応する縦 の間隔は、遊星歯車装置PGのギヤ比λ(サン ヤとリングギヤとの歯数比=〔サンギヤの歯 〕/〔リングギヤの歯数〕)に対応している ここで、遊星歯車装置PGでは、キャリアcaが ンジンE及び入力軸Iと一体回転するように 続され、サンギヤsが第一モータ・ジェネレ タMG1のロータRo1と一体回転するように接続 れ、リングギヤrが出力部材としてのカウン タドライブギヤOと一体回転するように接続 れている。したがって、キャリアcaの回転速 度はエンジンE及び入力軸Iの回転速度である ンジン回転速度NEと一致し、サンギヤsの回 速度は第一モータ・ジェネレータMG1の回転 度であるMG1回転速度N1と一致し、リングギ rの回転速度はカウンタドライブギヤOの回転 速度である出力回転速度Noと一致する。よっ 、この遊星歯車装置PGのギヤ比λを用いると 、エンジン回転速度NEと、MG1回転速度N1と、 力回転速度Noとの間には、次の回転速度関係 式(式1)が成立する。
  NE=(No+λ・N1)/(λ+1)・・・(式1)

 図4、図5の速度線図上において、「△」は ンジン回転速度NE、「○」はMG1回転速度N1、 ☆」は出力回転速度Noをそれぞれ示してい 。また、各回転要素に隣接して示す矢印は キャリアcaに作用するエンジンEのトルクで るエンジントルクTE、サンギヤsに作用する 一モータ・ジェネレータMG1のトルクであるMG 1トルクT1、リングギヤrに作用する第二モー ・ジェネレータMG2のトルクであるMG2トルクT2 、及びリングギヤrに作用する車輪Wからのト ク(車両の走行に要するトルク)である走行 ルクToをそれぞれ示している。なお、上向き の矢印は正方向のトルクを示し、下向きの矢 印は負方向のトルクを示している。図示され るように、「☆」で示されるカウンタドライ ブギヤO(リングギヤr)には、車輪Wからディフ レンシャル装置D及びカウンタギヤ機構Cを して作用する走行トルクToだけではなく、カ ウンタギヤ機構Cを介して第二モータ・ジェ レータMG2の出力トルクも作用する。ここで 遊星歯車装置PGのギヤ比λを用いると、エン ントルクTEと、MG1トルクT1と、MG2トルクT2と 走行トルクToとの間には、次のトルク関係 (式2)が成立する。
  TE:T1:(T2+To)=(1+λ):(-λ):(-1)・・・(式2)

 図4は、エンジンEと2つのモータ・ジェネ ータMG1、MG2の双方の出力トルクにより走行 るハイブリッド走行モードでの速度線図を している。このモードでは、エンジンEは、 効率が高く排ガスの少ない状態に(一般に最 燃費特性に沿うよう)に維持されるよう制御 れつつ車両側からの要求駆動力(後述する車 両要求トルクTC及び車両要求出力PC)に応じた 方向のエンジントルクTEを出力し、このエ ジントルクTEが入力軸Iを介してキャリアcaに 伝達される。第一モータ・ジェネレータMG1は 、負方向のMG1トルクT1を出力し、このMG1トル T1がサンギヤsに伝達され、エンジントルクT Eの反力を支持する反力受けとして機能する これにより、遊星歯車装置PGは、エンジント ルクTEを第一モータ・ジェネレータMG1と車輪W 側となるカウンタドライブギヤOとに分配す 。第二モータ・ジェネレータMG2は、要求駆 力や車両の走行状態等に応じて、カウンタ ライブギヤOに分配された駆動力を補助すべ 適宜正方向又は負方向のMG2トルクT2を出力 る。

 図5は、第二モータ・ジェネレータMG2の出 力トルクのみにより走行するEV(電動)走行モ ドでの速度線図を示している。このモード は、第二モータ・ジェネレータMG2は、車両 からの要求駆動力に応じたMG2トルクT2を出力 する。すなわち、第二モータ・ジェネレータ MG2は、車両を加速又は巡航させる方向の駆動 力が要求されている場合には、図5に実線矢 で示すように、カウンタドライブギヤOに負 向に作用する走行抵抗に相当する走行トル Toに抗して車両を加速させるべく、正方向 回転しながら力行して正方向のMG2トルクT2を 出力する。一方、第二モータ・ジェネレータ MG2は、車両を減速させる方向の駆動力が要求 されている場合には、図5に破線矢印で示す うに、カウンタドライブギヤOに正方向に作 する車両の慣性力に相当する走行トルクTo 抗して車両を減速させるべく、正方向に回 しながら回生(発電)して負方向のMG2トルクT2 出力する。発進時には、基本的に、この状 でハイブリッド駆動装置Hの動作が進行する 。

 このEV走行モードでは、第一モータ・ジ ネレータMG1は、MG1トルクT1がゼロとなるよう に制御され、MG2トルクT2によるサンギヤsの回 転を妨げず、自由に回転可能な状態とされて いる。これにより、第一モータ・ジェネレー タMG1は、MG1回転速度N1が負となる(負方向に回 転する)。また、エンジンEは、燃料供給が停 された停止状態とされ、更にエンジンEの内 部の摩擦力によりエンジン回転速度NEもゼロ なっている。すなわち、EV走行モードでは 遊星歯車装置PGは、キャリアcaを支点として ウンタドライブギヤO及び第二モータ・ジェ ネレータMG2が接続されたリングギヤrが正方 に回転(回転速度が正)し、第一モータ・ジェ ネレータMG1が接続されたサンギヤsが負方向 回転(回転速度が負)する。

1-3.システム構成
 次に、ハイブリッド駆動装置Hのシステム構 成について説明する。図2、図3に示すように このハイブリッド駆動装置Hでは、第一モー タ・ジェネレータMG1を駆動制御するための第 一インバータI1(さらに詳細には、電圧変換部 4と周波数変換部51(5))が、第一モータ・ジェ レータMG1のステータSt1のコイルに電気的に 続されている。また、第二モータ・ジェネ ータMG2を駆動制御するための第二インバー I2(さらに詳細には、電圧変換部4と周波数変 部52(5))が、第二モータ・ジェネレータMG2の テータSt2のコイルに電気的に接続されてい 。第一インバータI1と第二インバータI2とは 、互いに電気的に接続されるとともに、バッ テリBに電気的に接続されている。そして、 一インバータI1は、バッテリBから供給され 直流電力、又は第二モータ・ジェネレータMG 2で発電されて第二インバータI2で直流に変換 されて供給される直流電力を、交流電力に変 換して第一モータ・ジェネレータMG1に供給す る。また、第一インバータI1は、第一モータ ジェネレータMG1で発電された電力を交流か 直流に変換してバッテリB又は第二インバー タI2に供給する。同様に、第二インバータI2 、バッテリBから供給される直流電力、又は 一モータ・ジェネレータMG1で発電されて第 インバータI1で直流に変換されて供給され 直流電力を、交流電力に変換して第二モー ・ジェネレータMG2に供給する。また、第二 ンバータI2は、第二モータ・ジェネレータMG2 で発電された電力を交流から直流に変換して バッテリB又は第一インバータI1に供給する。 ここで、図2に示すように、第一インバータI1 及び第二インバータI2には、電圧変換部4(コ バータ)が設けられており、各モータ・ジェ レータMG1、MG2に求められる回転数、トルク の関係で、電圧変換部4での昇圧が必要な場 合は、バッテリBからの電圧を昇圧して周波 変換部5(インバータ)側に供給するように構 されている。モータ・ジェネレータMG1、MG2 回生を行って、バッテリBに蓄電する場合は 逆に降圧することとなる。

 第一インバータI1及び第二インバータI2は、 制御ユニット10からの制御信号に従い、第一 ータ・ジェネレータMG1及び第二モータ・ジ ネレータMG2のそれぞれに供給する電流値、 流波形の周波数や位相等を制御する。これ より、第一インバータI1及び第二インバー I2は、制御ユニット10からの制御信号に応じ 出力トルク及び回転数となるように、第一 ータ・ジェネレータMG1及び第二モータ・ジ ネレータMG2を駆動制御する。
 電圧変換部4もまた、制御ユニット10からの 御信号に従って、バッテリBから周波数変換 部5へ与える電圧値を制御する。この電圧値 、第一モータ・ジェネレータMG1及び第二モ タ・ジェネレータMG2のそれぞれの動作点に して、これら動作点での各モータ・ジェネ ータMG1、MG2の動作を確保できる高い側の電 値に、周波数変換部5へ与える電圧値を設定 制御する。

 バッテリBは、第一インバータI1及び第二 ンバータI2に電気的に接続されている。バ テリBは、例えば、ニッケル水素二次電池や チウムイオン二次電池等で構成される。そ て、バッテリBは、直流電力を第一インバー タI1及び第二インバータI2に供給するととも 、第一モータ・ジェネレータMG1又は第二モ タ・ジェネレータMG2により発電され、第一 ンバータI1又は第二インバータI2を介して供 される直流電力により充電される。ハイブ ッド駆動装置Hは、バッテリBの状態を検出 るバッテリ状態検出手段としてのバッテリ 態検出部30を備えている。ここでは、バッテ リ状態検出部30は、バッテリBの正負極間電圧 を検出する電圧センサSe7の他、電流センサや 温度センサ等の各種センサを備え、バッテリ 電圧及びバッテリ充電量(SOC:state of charge)を 出する。バッテリ状態検出部30による検出 果の情報は、制御ユニット10へ出力される。

 また、ハイブリッド駆動装置Hは、第一モ ータ・ジェネレータ回転速度センサSe1(以下 MG1回転速度センサ」という)、第二モータ・ ェネレータ回転速度センサSe2(以下「MG2回転 速度センサ」という)、エンジン回転速度セ サSe3、及び車速センサSe4を備えている。さ に、第一インバータI1,第二インバータI2にそ れぞれ電流センサSe5、Se6を、バッテリ状態検 出部30に電圧センサSe7を、さらに、電圧変換 4に電圧センサSe8を備えている。

 MG1回転速度センサSe1は、第一モータ・ジ ネレータMG1のロータRo1の回転速度であるMG1 転速度N1を検出するセンサである。MG2回転 度センサSe2は、第二モータ・ジェネレータMG 2のロータRo2の回転速度であるMG2回転速度N2を 検出するセンサである。エンジン回転速度セ ンサSe3は、エンジンEのクランクシャフト又 入力軸Iの回転速度であるエンジン回転速度N Eを検出するセンサである。車速センサSe4は 車輪Wの回転速度すなわち車速を検出するセ サである。電流センサSe5、Se6は、それぞれ 一モータ・ジェネレータMG1、第二モータ・ ェネレータMG2に流れる電流を検出するセン である。電圧センサSe7は、バッテリB両端子 間の電圧Vbを検出するセンサである。電圧セ サSe8は、平滑コンデンサ4fにかかる電圧Vcを 検出するセンサである。これらの回転速度セ ンサSe1~Se4は、例えば、レゾルバやホールIC等 で構成される。各センサSe1~Se8による検出結 は、制御ユニット10へ出力される。

 図3は、回転電機制御電気系の構成を模式的 に示すブロック図である。
 この回転電機制御電気系は、図2でも説明し たように、バッテリB側から、電圧変換部4、 波数変換部5を備えている。本実施形態では 周波数変換部5として、一対のモータ・ジェ レータMG1,MG2に対して、それぞれ周波数変換 51と52が個別に設けられている。周波数変換 部5と各モータ・ジェネレータMG1,MG2との間に 、モータ・ジェネレータを流れる電流を計 するための電流センサSe5,Se6が備えられてい る。尚、バッテリBは、モータ・ジェネレー MG1,MG2へ電力の供給が可能なものであるとと に、モータ・ジェネレータMG1,MG2から電力の 供給を受けて蓄電可能なものである。

 電圧変換部4は、リアクトル4a、フィルタ ンデンサ4b、上下一対のスイッチング素子4c ,4d、放電用抵抗器4e、平滑コンデンサ4fを有 て構成されている。この平滑コンデンサ4fに は、その端子間にかかる電圧を検出する電圧 センサSe8が設けられている。スイッチング素 子4c、4dとしては、IGBT(insulated gate bipolar tran sistor)や、MOSFET(metal oxide semiconductor field effe ct transistor)を適用すると好適である。本実施 形態では、IGBTを用いて構成される場合を例 して説明する。

 電圧変換部4の上段のスイッチング素子4c ソースは下段のスイッチング素子4dのドレ ンに接続されるとともに、リアクトル4aを介 してバッテリBのプラス側に接続されている 上段のスイッチング素子4cのドレインは、周 波数変換部5の入力プラス側に接続される。 段のスイッチング素子4dのソースはバッテリ Bのマイナス側(グラウンド)に接続される。周 波数変換部5の入力マイナス側もグラウンド あるので、下段のスイッチング素子4dのソー スは周波数変換部5の入力マイナス側と接続 れる。

 上段のスイッチング素子4c及び下段のス ッチチング素子4dのゲートは、ドライバ回路 7(7C)を介して制御ユニット10に接続される。 イッチング素子4c、4dは、制御ユニット10に り制御され、バッテリBからの電圧を昇圧し 周波数変換部5に供給する。制御ユニット10 、モータ・ジェネレータに要求される要求 ルクに応じて設定される昇圧指令値に基づ て、スイッチング素子4c、4dを制御する。具 体的には、制御ユニット10は、上段のスイッ ング素子4cをオフ状態にし、下段のスイッ ング素子4dを例えばPWM制御することによって オン/オフを切り替えて、バッテリBの電圧を 圧して出力する。一方、モータ・ジェネレ タが回生運転する場合には、電圧変換部4は 、モータ・ジェネレータにより発電された電 力をバッテリBへ回生する。例えば、制御ユ ット10は、下段のスイッチング素子4dをオフ 態にし、上段のスイッチング素子4cをオン 態に制御することによって、電圧変換部4を して電力を回生させる。尚、モータ・ジェ レータにより発電された電力を降圧してバ テリBに回生させる場合には、上段のスイッ チング素子4cがPWM制御されてもよい。

 周波数変換部5は、ブリッジ回路により構成 されている。周波数変換部5の入力プラス側 入力マイナス側との間に2つのスイッチング 子が直列に接続され、この直列回路が3回線 並列接続される。つまり、モータ・ジェネレ ータMG1、MG2のステータコイルU相、V相、W相の それぞれに一組の直列回路が対応したブリッ ジ回路が構成される。図3において、
 符号8aは、U相の上段側スイッチング素子で り、
 符号8bは、V相の上段側スイッチング素子で り、
 符号8cは、W相の上段側スイッチング素子で り、
 符号8dは、U相の下段側スイッチング素子で り、
 符号8eは、V相の下段側スイッチング素子で り、
 符号8fは、W相の下段側スイッチング素子で る。尚、周波数変換部5のスイッチング素子 8a~8fについても、IGBTやMOSFETを適用すると好適 である。本実施形態では、IGBTを用いる場合 例示している。

 図3に示すように、各相の上段側スイッチ ング素子8a、8b、8cのドレインは電圧変換部4 出力プラス側(周波数変換部5の入力プラス側 )に接続され、ソースは各相の下段側スイッ ング素子8d、8e、8fのドレインに接続されて る。また、各相の下段側スイッチング素子8d 、8e、8fのソースは、電圧変換部4の出力マイ ス側(周波数変換部5の入力マイナス側)、即 、バッテリBのマイナス側(グラウンド)に接 されている。各スイッチング素子8a~8fのゲ トは、ドライバ回路7(7A、7B)を介して制御ユ ット10に接続されており、それぞれ個別に イッチング制御される。

 対となる各相のスイッチング素子(8a,8d),(8 b,8e),(8c,8f)による直列回路の中間点(スイッチ グ素子の接続点)9u、9v、9wは、モータ・ジェ ネレータMG1及びMG2のU相、V相、W相のステータ 巻線にそれぞれ接続されている。各巻線へ供 給される駆動電流は、電流センサSe5,Se6によ て検出される。電流センサSe5,Se6による検出 は、制御ユニット10が受け取り、フィード ック制御に用いられる。

 また、モータ・ジェネレータMG1、MG2には 回転検出部の一部として機能するレゾルバ どの回転速度センサSe1,Se2が備えられており 、ロータRo1,Ro2の回転角(機械角)を検出する。 回転速度センサSe1,Se2は、ロータRo1,Ro2の極数( 極対数)に応じて設定されており、ロータRo1,R o2の回転角を電気角θに変換し、電気角θに応 じた信号を出力することも可能である。制御 ユニット10は、この回転角に基づいてモータ ジェネレータMG1及びMG2の回転数(角速度ω)や 、周波数変換部5の各スイッチング素子8a~8fの 制御タイミングを演算する。

 制御ユニット10は、これらスイッチング 子8a~8fを、モータ・ジェネレータMG1及びMG2に 対する制御動作点(制御の目標となる制御回 数および制御トルク)に基づいてPWM制御する とで、各モータ・ジェネレータMG1、MG2に三 の交流駆動電流を供給する。これにより、 モータ・ジェネレータMG1,MG2は、目標となる 回転数、トルクに応じて力行する。モータ・ ジェネレータMG1及びMG2が発電機として働き、 モータ・ジェネレータ側から電力を受ける場 合は、制御ユニット10は、所定周波数の交流 直流に変換するように周波数変換部5を制御 する。

1-4.制御ユニットの構成
 図2に戻って、制御ユニット10は、ハイブリ ド駆動装置Hの各部の動作制御を行う。本実 施形態においては、制御ユニット10は、エン ン動作点決定部11、第一モータ・ジェネレ タ動作点決定部12(以下「MG1動作点決定部」 いう)、第二モータ・ジェネレータ動作点決 部13(以下「MG2動作点決定部」という)、記憶 部14、異常検出部15、トルク制限部16を備えて いる。

 この制御ユニット10は、1又は2以上の演算 処理装置、及びソフトウェア(プログラム)や ータ等を格納するためのRAMやROM等の記憶媒 等を備えて構成されている。そして、制御 ニット10の上記各機能部11~16は、前記演算処 理装置を中核部材として、入力されたデータ に対して種々の処理を行うための機能部がハ ードウェア又はソフトウェア或いはその両方 により実装されて構成されている。

 また、この制御ユニット10は、エンジンE 動作制御を行うエンジン制御ユニット20と 信可能に接続されている。更に、上記のと り、制御ユニット10には、バッテリ状態検出 部30による検出結果の情報、及びその他の各 ンサSe1~Se8による検出結果の情報が入力され る構成となっている。

 本実施形態においては、制御ユニット10に 、車両側から車両要求トルクTC、車両要求出 力PC、及び車両情報ICが入力される構成とな ている。
 ここで、車両要求トルクTCは、運転者の操 に応じて適切に車両を走行させるために車 Wに伝達することが要求されるトルクである したがって、この車両要求トルクTCは、車 のアクセルペダル及びブレーキペダルの操 量と車速センサSe4により検出される車速に じて、予め定められたマップ等に従って決 される。
 また、車両要求出力PCは、バッテリBの充電 態をも考慮してエンジンEが発生することを 要求される出力(仕事率)である。したがって この車両要求出力PCは、車両要求トルクTCと 、車速センサSe4により検出される車速と、バ ッテリ状態検出部30により検出されるバッテ Bの充電量とに応じて、予め定められたマッ プ等に従って決定される。本実施形態におい ては、これらの車両要求トルクTC及び車両要 出力PCは、ハイブリッド駆動装置Hの出力部 としてのカウンタドライブギヤOに伝達され るべきトルク又は出力として決定される。
 車両情報ICは、車両の状態を示す各種情報 あり、例えば、自動変速機のセレクトレバ により選択されているレンジ(「P」、「D」 「R」等の各レンジ)、駐車ブレーキの作動状 態、常用ブレーキの作動状態等を示す情報が 含まれる。

 エンジン動作点決定部11は、エンジンEの 作点であるエンジン動作点を決定する処理 行う。ここで、エンジン動作点は、エンジ Eの制御動作点を表す制御指令値であって回 転速度及びトルクにより定まる。また、エン ジン動作点決定部11は、エンジンEを動作させ るか停止させるかというエンジン動作・停止 の決定も行う。このエンジン動作・停止の決 定は、車両要求トルクTC及び車速センサSe4に り検出される車速に応じて、予め定められ マップ等に従って行われる。そして、エン ンEを動作させることを決定した場合には、 エンジン動作点決定部11はエンジン動作点を 定する。エンジン動作点決定部11は、決定 たエンジン動作点の情報を、エンジン制御 ニット20へ出力する。エンジン制御ユニット 20は、エンジン動作点に示されるトルク及び 転速度でエンジンEを動作させるように制御 する。一方、エンジン動作点決定部11は、エ ジンEを停止させることを決定した場合には 、その指令をエンジン制御ユニット20へ出力 る。なお、このエンジンEの停止指令は、エ ンジン回転速度指令値とエンジントルク指令 値がともにゼロであるエンジン動作点の指令 としてもよい。

 エンジン動作点は、車両要求出力PCと最 燃費とを考慮して決定されるエンジンEの制 動作点を表す指令値であって、エンジン回 速度指令値とエンジントルク指令値により まる。このエンジン動作点の決定は、エン ン動作点マップに基づいて行う。図6は、こ のエンジン動作点マップの一例を示す図であ る。このマップは、縦軸をエンジントルクTE 横軸をエンジン回転速度NEとしている。ま 、このマップにおいて、細実線は等燃費率 を表しており、外側へ向かうほど燃料消費 が高くなる(燃費が悪い)ことを表している。 また、破線は等出力線PCi(i=1、2、3・・・)を している。また、太実線は最適燃費線Leを表 しており、等出力線PCi上において燃料消費率 が最も低くなる(燃費が良い)点を結んだ線と っている。したがって、エンジン動作点決 部11は、車両要求出力PCと同じ出力を表す等 出力線PCiと最適燃費線Leとの交点のエンジン 転速度NE及びエンジントルクTEを、エンジン 動作点のエンジン回転速度指令値及びエンジ ントルク指令値として決定する。なお、図6 おいては、簡略化のために等出力線PCiを7本 か表していないが、実際のエンジン動作点 ップには、より細かい間隔で多数の等出力 PCiが記録されると好適である。

 MG1動作点決定部12は、第一モータ・ジェネ ータMG1の動作点であるMG1動作点を決定する 理を行う。ここで、MG1動作点は、第一モー ・ジェネレータMG1の制御動作点を表す制御 令値であって回転速度及びトルクにより定 る。制御ユニット10は、MG1動作点決定部12に り決定したMG1動作点に示されるトルク及び 転速度で第一モータ・ジェネレータMG1を動 させるように第一インバータI1を制御する MG1動作点は、上記のように決定されたエン ン動作点と動力分配用の遊星歯車装置PGより 車輪W側に接続された回転部材の回転速度と 基づいて決定される第一モータ・ジェネレ タMG1の制御動作点を表す指令値であって、MG 1回転速度指令値とMG1トルク指令値とにより まる。
 本例では、MG1動作点決定部12は、車速セン Se4により検出される車速と、カウンタドラ ブギヤOから車輪Wまでの間の回転部材のギヤ 比とに基づいて、当該車速でのカウンタドラ イブギヤOの回転速度である出力回転速度Noを 算出する。そして、MG1動作点決定部12は、エ ジン動作点のエンジン回転速度指令値をエ ジン回転速度NEとし、それと出力回転速度No とを代入して、上記の回転速度関係式(式1)に より算出されるMG1回転速度N1を、MG1回転速度 令値として決定する。また、MG1動作点決定 12は、決定されたMG1回転速度指令値と、MG1 転速度センサSe1により検出される第一モー ・ジェネレータMG1のMG1回転速度N1との回転速 度の差に基づいて、比例積分制御(PI制御)等 フィードバック制御により、MG1トルク指令 とを決定する。このように決定されたMG1回 速度指令値及びMG1トルク指令値が、MG1動作 となる。図8、図11に示すフローでは、この うにMG1動作点決定部12で決まるMG1動作点を「 決定動作点」と記載している。

 MG2動作点決定部13は、第二モータ・ジェネ ータMG2の動作点であるMG2動作点を決定する 理を行う。ここで、MG2動作点は、第二モー ・ジェネレータMG2の制御動作点を表す制御 令値であって回転速度及びトルクにより定 る。制御ユニット10は、MG2動作点決定部13に り決定したMG2動作点に示されるトルク及び 転速度で第二モータ・ジェネレータMG2を動 させるように第二インバータI2を制御する MG2動作点は、車両要求トルクTCとエンジン動 作点とMG1動作点とに基づいて決定される第二 モータ・ジェネレータMG2の制御動作点を表す 制御指令値であって、MG2回転速度指令値とMG2 トルク指令値とにより定まる。ところで、上 記のトルク関係式(式2)を変形すると、以下の トルク関係式(式3)が導出される。
  T2=-To-TE/(1+λ)・・・(式3)
 そこで、MG2動作点決定部13は、この(式3)に 車両要求トルクTCを走行トルクToと反対方向 トルク「-To」とし、エンジン動作点のエン ントルク指令値をエンジントルクTEとして 入することにより算出されるMG2トルクT2を、 MG2トルク指令値として決定する。これにより 、エンジンEからカウンタドライブギヤOに伝 されるトルクの車両要求トルクTCに対する 不足を補うトルクを、第二モータ・ジェネ ータMG2に発生させることができる。また、 二モータ・ジェネレータMG2の回転速度であ MG2回転速度N2は車速に常に比例するので、MG2 回転速度指令値は、車速センサSe4により検出 される車速に応じて自動的に決定される。こ のように決定されたMG2回転速度指令値及びMG2 トルク指令値により、MG2動作点が定まる。な お、上記のとおり、MG2回転速度指令値は車速 に応じて自動的に決定されるため、第二モー タ・ジェネレータMG2は、基本的にMG2動作点の MG2トルク指令値に従ってトルク制御される。 図8、図11に示すフローでは、このようにMG2動 作点決定部13で決まるMG2動作点を「決定動作 」と記載している。

 ところで、このハイブリッド駆動装置Hに おいては、第一モータ・ジェネレータMG1は、 主にジェネレータとして機能する。すなわち 、図4に示すように、エンジンEの動作中とな ハイブリッド走行モードでは、第一モータ ジェネレータMG1は、エンジントルクTEの反 を受けてリングギヤr及びカウンタドライブ ヤOにエンジントルクTEを伝達するために、 方向のトルクを出力する。この際、MG1回転 度N1が正(正方向に回転)である場合には、第 一モータ・ジェネレータMG1は回生(発電)して ェネレータとして機能し、MG1回転速度N1が (負方向に回転)である場合には、第一モータ ・ジェネレータMG1は力行してモータとして機 能するが、いずれにしても、第一モータ・ジ ェネレータMG1は負方向のトルクを出力する。 また、図5に示すように、エンジンEが停止状 とされるEV走行モードでは、第一モータ・ ェネレータMG1は、MG1トルクT1がゼロとなるよ うに制御され、自由に回転可能な状態とされ ている。

 記憶部14には、図7に示すような回転電機制 マップMap1,Map2が記憶されている。これら回 電機制御マップMap1,Map2は、モータ・ジェネ ータの回転速度とトルクとの相関を示す相 マップであり、モータ・ジェネレータMG1,MG2 の回転速度とその回転速度で出力することが できるトルクとの相関を示したものであり、 図7に示す実線の範囲内でモータ・ジェネレ タMG1,MG2は動作可能である。これまで説明し きたモータ・ジェネレータMG1,MG2の動作点も 、この範囲内に収まるようにハイブリッド駆 動装置Hは構成されている。
 ここで、図7(a)に示す回転電機制御マップMap 1は、ハイブリッド駆動装置Hが正常に働いて る状態で、モータ・ジェネレータMG1,MG2が動 作可能な領域を示す制御マップである。図7(b )に示す回転電機制御マップMap2は、電圧変換 4に関して、何らかの異常が発生しており、 この異常状態において、モータ・ジェネレー タMG1,MG2が動作可能な領域を示す制御マップ ある。後者のマップMap2に関しては、後に詳 する。

 回転電機制御マップMap1に戻って、正常状態 に関してさらに説明する。
 本願に係るハイブリッド駆動装置Hには、電 圧変換部4が備えられており、モータ・ジェ レータMG1,MG2に駆動電力を供給するバッテリB の電圧を昇圧して、弱め界磁制御に移行する 回転数をより高い回転数へと移行させること ができる。本実施形態では、バッテリBの電 を低い方からV2、V1に昇圧する。図7(a)中、V2 ラインは、電圧変換部4により昇圧後の電圧 をV2にする必要が生じる境界を示している。 ち、昇圧指令値として、V2が設定される境 を示している。同様に、V1のラインは、電圧 変換部4により昇圧後の電圧をそれぞれV1にす る必要が生じる境界を示している。従って、 電圧変換部4及び周波数変換部5が正常に働く 態では、実線の領域内に、各モータ・ジェ レータMG1,MG2の制御動作点(回転速度及びト ク)が設定されて動作される。この時、昇圧 御において必要となる電圧値は、このマッ に基づいて定められる。

 図7(a)からも判明するように、モータ・ジ ェネレータMG1,MG2に許容される回転速度の下 値RSLから上限値RSHに至るまで、トルクは、 側最大トルクNTmaxから正側最大トルクPTmaxで 変である。力行、回生との関係で説明する 、第一象限、第三象限で力行し、第二象限 第四象限で回生する。

 図2に戻り、異常検出部15は、先に説明し 電圧変換部4の停止を必要とする異常を検出 する。このような異常の代表例は、先に先行 技術に関して述べたと同様に、電圧センサSe8  からの昇圧電圧Vcが、第一モータ・ジェネ ータMG1,第二モータ・ジェネレータMG2の動作 との関係で求まる昇圧値(電圧センサSe7から 得られるバッテリ電圧Vbに昇圧のためのPWM制 のデューティー比を乗算した値)に一致する か否かにより検出する。即ち、一致する場合 は電圧変換部4は正常に働いており、一致し い場合は異常(故障)と検出する。このように 異常検出部15により、電圧変換部4の異常が検 出された場合は、電圧変換部4の動作は停止 れる。

 以上の説明は、モータ・ジェネレータと ては、第一モータ・ジェネレータMG1,第二モ ータ・ジェネレータMG2両方に係る内容である 。これに対して、本願が問題とするような発 進時の問題は、例えばEVモードにおいてモー 発進しようとした場合に、第二モータ・ジ ネレータMG2に関して発生する。そこで、以 の説明において、モータ・ジェネレータと て、問題となる第二モータ・ジェネレータM G2を中心に説明する。

 トルク制限部16は、異常検出部15が、電圧 変換部4の停止を必要とする異常を検出した 合に、モータ・ジェネレータMG2の出力トル を制限する。具体的には、モータ・ジェネ ータMG2の回転速度が0未満の回転速度下限閾 RSL1未満の領域で正トルクの発生を制限し、 正トルクを発生する領域をこの回転速度下限 閾値RSL1以上の領域に限る。一方、モータ・ ェネレータMG2の回転速度が0より大きい回転 度上限閾値RSH2より大きい領域で負トルクの 発生を制限し、負トルクを発生する領域を前 記回転速度上限閾値RSH2以下の領域に限る。 言すると、モータ・ジェネレータMG2の回転 度が、回転速度下限閾値RSL1未満の負値を取 領域では、正トルクの発生は禁止され、回 が禁止される。モータ・ジェネレータMG2の 転速度が、回転速度上限閾値RSH2より大きい 正値を取る領域では、負トルクの発生は禁止 され、同様に回生が禁止される。

 図7(b)に示す、先に説明した回転電機制御マ ップMap2には、この回転速度下限閾値RSL1及び 転速度上限閾値RSH2が太破線で示されている 。
 この実施形態では、回転速度下限閾値RSL1及 び回転速度上限閾値RSH2は共に固定値とされ いる。従って、モータ・ジェネレータMG2が トルクを発生する状態で、回転速度は、回 速度下限閾値RSL1から回転速度の最大値RSHま 変化可能であり、この状態で、トルクは、0 から正側最大トルクPTmaxまで許容される。一 、モータ・ジェネレータMG2が負トルクを発 する状態で、回転速度では、回転速度の最 値RSLから回転速度上限閾値RSH2まで変化可能 であり、この状態で、トルクは0から負側最 トルクNTmaxまで許容される。

 以下、上記の回転速度下限閾値RSL1及び回 転速度上限閾値RSH2の意味に関して、モータ ジェネレータMG2が回生動作を実行する場合 例にとって説明する。この状態は、下り坂 の制動発進に対応する。本願構成にあって 、電圧変換部4と周波数変換部5との間に平滑 コンデンサ4fが備えられている。そして、電 変換部4の動作が停止された状態で、制動動 作によりモータ・ジェネレータMG2からバッテ リB側に戻るべき電力が平滑コンデンサ4fに蓄 電された場合、平滑コンデンサ4fに蓄電され 電力量が大きすぎると、平滑コンデンサ4f 電圧が耐圧電圧を越えてしまう可能性があ 。そこで、この電圧を耐圧電圧以下に維持 きる閾値として、先に説明した回転速度下 閾値RSL1及び回転速度上限閾値RSH2が設定され ているのである。

 具体的には、モータ・ジェネレータMG2が 定の回生動作を行って発電されている状態 も、モータ・ジェネレータMG2の回転によっ 発生する回転電機損失と周波数変換部5にお ける周波数変換によって発生する周波数変換 損失との合算損失は、その損失として消費さ れ、平滑コンデンサ4fに回生電力が実質的に 電されることはない。従って、モータ・ジ ネレータMG2の回転によって発生する回転電 損失と周波数変換部5における周波数変換に よって発生する周波数変換損失との合算損失 に見合う電力を、回生により、モータ・ジェ ネレータMG2が発生するように、回転速度下限 閾値RSL1及び回転速度上限閾値RSH2を設定して くことができる。

 図7(b)にトルク制限がされる領域をALで、 ルク制限がされない領域をAFで示している 後述する図10でも同様である。

 例えば、合算損失を1KW程度とし、発進時 必要となるクリーピングトルクを60N・mとす ると、上記の回転速度下限閾値RSL1を-150rpmに 回転速度上限閾値RSH2を+150rpmとすることが きる。

 制御ユニット10は、以上のように、異常 出部15が異常を検出している、電圧変換部4 実質的に停止されている状態では、トルク 限部16が、MG2動作点決定部13が決定したMG2動 点のMG2トルク指令値を制限する。したがっ 、上り坂道の前進発進時で車両がずり下が (後進)を起こしても、実質的に回生を許容 て、所定の正トルクの発生が可能であるた 、良好に発進することができる。同様に、 り坂道で後進発進時にも良好に対処できる

1-5.ハイブリッド駆動装置の制御方法
 以下、本実施形態に係るハイブリッド駆動 置Hの制御方法について、図8のフローチャ トに基づいて説明する。

 このハイブリッド駆動装置Hの制御処理は 、制御ユニット10の各機能部11~16を構成する ードウェア又はソフトウェア(プログラム)或 いはその両方により実行される。上記の各機 能部がプログラムにより構成される場合には 、制御ユニット10が有する演算処理装置が、 記の各機能部を構成するプログラムを実行 るコンピュータとして動作する。

 制御ユニット10は、まず、車両側から入力 れる車両要求トルクTC及び車両要求出力PCの 報を取得する(ステップ#01)。また、制御ユ ット10は、車速センサSe4により検出される車 速情報を取得する(ステップ#02)。その後、制 ユニット10は、エンジン動作点決定部11によ りエンジン動作点を決定する(ステップ#03)。
 また、制御ユニット10は、MG1動作点決定部12 によりMG1動作点を決定し(ステップ#04)、MG2動 点決定部13によりMG2動作点を決定する(ステ プ#05)。ここで、先にも説明したEVモードで 発進を行う場合、MG2動作点が有意な値とな 。

 次に、異常検出部15における検出状態が ェックされる(ステップ#06)。そして、異常検 出部15において異常が検出されない正常状態 あっては(ステップ#06:No)、先に決定されて る動作点である決定動作点がそのまま制御 作点とされる(ステップ#8-3)。即ち、モータ ジェネレータMG2に対して正常状態で許容さ る全ての動作点が許容され、当然に回生も 容される。

 一方、異常検出部15において異常が検出 れている状態にあっては(ステップ#06:Yes)、 定動作点が、回転電機制御マップにおいて ルク制限領域AL内の動作点か否かが判断され る(ステップ#07)。そして、決定動作点がトル 制限範囲AL内にある場合は(ステップ#07:Yes) 決定動作点に対してトルク制限がなされた( ルクが0とされた)制限動作点が制御動作点 される(ステップ#8-2)。結果、モータとして くモータ・ジェネレータMG2の回生が禁止さ ることとなる。

 決定動作点がトルク制限範囲AL内にない 合は(ステップ#07:No)、先に決定されている決 定動作点がそのまま制御動作点とされる(ス ップ#8-1)。結果、モータとして働くモータ・ ジェネレータMG2の回生が許容される。

 これらの処理を終了した後、制御ユニッ 10は、上記のエンジン及びモータ・ジェネ ータMG1,MG2に対して、求められた制御動作点 、制御が実行される。

 以上のようにして、電圧変換部4に関係す る部位に異常が発生し、実質的に電圧変換部 4が停止されている状態にあっては、回転速 が極めて低い領域でのみ、第二モータ・ジ ネレータMG2の回生を許容することで、坂道 進を良好に行える。

2.第二の実施形態
 次に、本発明の第二の実施形態について説 する。本実施形態に係るハイブリッド駆動 置Hにあっても、一定の条件下で、モータ・ ジェネレータMG2の回生動作を許容する。図9 、この第二実施形態のハイブリッド車用駆 装置Hのシステム構成を示した。さらに、図1 0に、この第二実施形態のモータ・ジェネレ タの回転速度とトルクとの相関を示すマッ を、図11に、このハイブリッド車用駆動装置 Hの制御方法のフローチャートを、それぞれ した、これらの図面は、第一実施形態の図2 図7(b)、図8にそれぞれ相当する。

 以下の説明では、第一実施形態に対する相 点を主に説明する。
 第一実施形態にあっては、先に図7(b)等に基 づいて説明したように、回転速度下限閾値RSL 1と、回転速度上限閾値RSH2は、ともに、同一 固定値とされていた。即ち、モータ・ジェ レータMG2に要求されるトルクの大きさにか わらず、所定の回転速度閾値として、正ト クを発生できる領域と、負トルクを発生す 領域が決定されていた。

 しかしながら、本願は、平滑コンデンサ4f かかる電圧が耐圧を越えるのを防止するた 、先に説明したように、モータ・ジェネレ タが回生動作を行うことにより発電される 電量が、モータ・ジェネレータMG2の回転に って発生する回転電機損失と周波数変換部5 おける周波数変換によって発生する周波数 換損失との合算損失に見合っていれば、平 コンデンサ4fの保護を図ることができる。 方、回生側を考えると、モータ・ジェネレ タMG2では、回転速度とトルクとの積が電力 となる。従って、特定の動作状態で許容で る回生許可回転速度Nは、その時点で要求さ ている要求トルクT、さらに、合算損失をP して、N=P/Tとして求めることができる。この 場合、要求トルクが大きいほど回生許容回転 速度は小さくなる。ここで、アクセルの踏み 込み量、ブレーキの踏み込み量等によっては 当然に要求トルクは異なるはずである。
 そこで、当該、第二の実施形態では、回生 容回転速度を、予め判明している合算損失 要求トルクから求めるものとしている。

 図9に示すように、本実施形態に係るハイ ブリッド駆動装置Hでは、制御ユニット10内に 、第一実施形態の記憶部14に代えて、回生許 回転速度計算部14´が備えられている。この 回生許可回転速度計算部14´は、モータ・ジ ネレータMG2の回転によって発生する回転電 損失と周波数変換部5における周波数変換に って発生する周波数変換損失との合算損失P と、要求トルクTに基づいて、回生許可回転 度Nを求める。ここで、合算損失Pは予め求め られている値である。さらに、要求トルクT しては、モータ・ジェネレータMG2に対する 御動作点として求まる指令値を使用して、 生許可回転速度Nを求めることができる。

 制御ユニット10内に設けられる他の機能 11、12、13、15、16は先に説明したものと同様 ある。

 上記のようにして求まる回生許可回転速 Nを、回転速度下限閾値RSL1、回転速度上限 値RSH2として採用する場合のマップを模式的 同様に破線で図10に示した。結果、これら 転速度下限閾値RSL1、回転速度上限閾値RSH2は 、トルクの絶対値が大きくなるに従って、0 近い値となる。

 図11に、この構成を採用する場合のフロ チャートを示した。このフローは、図8で説 したフローに対して、ステップ#7-1、#7-2が なっている。ステップ#7-1では、回生許可回 速度計算部14´が要求トルクT、合算損失Pを 用して回生許容回転速度Nを求める。図11に す例では、要求トルクTを「モータトルク指 令」と記載し、合算損失を「モータインバー タ損失」と記載している。このようにして求 まる回生許可回転速度Nに対して、当該要求 ルクに対応する低回転速度側の領域(要求ト クが正の場合)、高回転速度側の領域(要求 ルクが負の場合)がトルク制限領域として決 ることとなる。

 そこで、ステップ#7-2では、このトルク制 限領域内に動作点があるか、否かの判断を行 って、良好な走行状態を実現できる。

3.その他の実施形態
(1)これまで説明してきた第一実施形態及び第 二実施形態では、本願に係る回転電機制御シ ステムの適用対象が、回転電機と他の駆動源 (例えばエンジン)を備えたハイブリッド駆動 置である例を示した。
 しかしながら、本願の構造は、直流電源と 車両を駆動するための回転電機と、直流電 と回転電機との間に介在され、回転電機が 行する際に直流電源の出力を交流に変換し 回転電機が回生する際に回転電機からの出 を直流に変換する周波数変換部と、直流電 と周波数変換部との間に介在され、回転電 に要求される要求トルクに応じて設定され 昇圧指令値に基づいて直流電源の出力を昇 する電圧変換部とを備えた装置に適用でき 。代表的には電気自動車を挙げることがで る。また、1モータパラレル方式や、シリー ズ方式のハイブリッド車両にも採用すること ができる。

(2)上記の実施の形態にあっては、異常検出 部が、昇圧指令に基づいて直流電源の電圧を 昇圧して得られる昇圧電圧が、所望の電圧と なっていない場合に、電圧変換部の停止が必 要とされる異常として検出する場合を示した が、電圧変換部の停止は、周波数変換部の故 障、昇圧制御用の制御ユニット内の処理部の 故障、昇圧後の電圧を検出する電圧センサSe8 を含む回路の異常、リアクトルの過熱、昇圧 回路上アームの温度の異常等によって実行さ れるものとしてもよい。

(3)上記の実施形態にあっては、回生を許可す る領域或いはトルクを制限する領域を予め保 持されたマップに従って判断するものとした が、回転速度上限閾値と回転速度下限閾値は 、車両の状態に従った値となるため、予め求 められた数値あるいは演算される数値として 、これを得て、回生の許可、トルクの制限の 用を果たす構成を採用してもよい。
一方、回転速度上限閾値と回転速度下限閾値 とを、その絶対値が同一の値としたが、先に 示したように、固定値と要求トルクに従って 可変設定される値とすることも可能なことか ら、両閾値を異なる設定手法で設定するもの としてもよい。

(4)上記の実施形態では、差動歯車装置が、 サンギヤs、キャリアca、及びリングギヤrの3 の回転要素を有するシングルピニオン型の 星歯車機構である場合を例として説明した しかし、本発明に係る差動歯車装置の構成 これに限定されるものではない。したがっ 、例えば、差動歯車装置が、ダブルピニオ 型の遊星歯車機構や互いに噛み合う複数の 歯車を用いた差動歯車機構等のように、他 差動歯車機構を有して構成されていても好 である。また、差動歯車装置は、3つの回転 要素を有するものに限定されるものではなく 、4つ以上の回転要素を有する構成としても 適である。この場合においても、4つ以上の 転要素の中から選択される3つの回転要素に ついて、回転速度の順に第1回転要素、第2回 要素、及び第3回転要素とし、第1回転要素 第1回転電機が接続され、第2回転要素に入力 部材が接続され、第3回転要素に出力部材及 第2回転電機が接続された構成とする。なお 4つ以上の回転要素を有する差動歯車装置と しては、例えば、2組以上の遊星歯車機構の 部の回転要素間を互いに連結した構成等を いることができる。

(5)上記の実施形態では、図1に示すように 差動歯車装置の第3回転要素(遊星歯車装置PG リングギヤr)と一体回転する出力部材とし のカウンタドライブギヤOが、カウンタギヤ 構C及びディファレンシャル装置Dを介して 輪Wに接続され、第二モータ・ジェネレータM G2がカウンタギヤ機構Cを介してカウンタドラ イブギヤO及びディファレンシャル装置Dに接 された構成のハイブリッド駆動装置Hを例と して説明した。このような構成のハイブリッ ド駆動装置Hは、エンジンEに接続された入力 Iの方向に短く構成することができるので、 FF車両、MR車両、RR車両等に好適に用いられる 。しかし、上記の実施形態に係るハイブリッ ド駆動装置Hの機械的構成は単なる一例であ 、当然ながら、他の機械的構成を有するハ ブリッド駆動装置Hにも、本発明は適用する とができる。したがって、例えば、エンジ Eに接続された入力軸I、第一モータ・ジェ レータMG1、差動歯車装置としての遊星歯車 置PG、及び第二モータ・ジェネレータMG2が、 同軸上に配置された、FR車両に好適に用いら る配置構成のハイブリッド駆動装置にも、 発明は適用することができる。

 本発明は、電気自動車、エンジンと回転 機とを駆動力源として備えるハイブリッド 両用の駆動装置に好適に利用することが可 である。




 
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