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Title:
CONTROL SYSTEM AND CONTROL METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2023/233229
Kind Code:
A1
Abstract:
The present invention provides a control system and a control method with which it is possible to improve safety without impairing a natural feeling for a motorcycle rider when operating a throttle. In a control system and control method according to the present invention, the control system comprises a first control device that controls a torque TA of a drive source of a motorcycle, and a second control device that communicates with the first control device. Prior to main control in which torque-minimizing control is executed when idling of a drive wheel or a wheelie is detected, pre-control is executed in which the second control device determines a reference torque TS of the drive source and transmits the reference torque TS to the first control device, and in which the first control device executes torque-minimizing control for minimizing torque on the basis of the reference torque TS received from the second control device. In the torque-minimizing control of pre-control, the torque TA does not tend to decrease.

Inventors:
KANEKO SHOICHIRO (JP)
OIKAWA YUYA (JP)
Application Number:
PCT/IB2023/055060
Publication Date:
December 07, 2023
Filing Date:
May 17, 2023
Export Citation:
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Assignee:
BOSCH GMBH ROBERT (DE)
International Classes:
B60W30/18; B60W10/188; B60W30/04; F02D41/10; B60W10/06; B60W50/00
Foreign References:
US20150073679A12015-03-12
DE10238216A12003-11-20
DE102009027603A12011-01-13
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Claims:
【書類名】 請求の範囲

【請求項 1】 モータサイクル ( 1 ) に生じている駆動輪 (3) の空転又はウィ リーを鎮静化する トラ クションコントロールを実行する制御システム ( i o) であって、 前記モータサイクル ( 1 ) の駆動源 (4) のトルク (TA) を制御する第 1制御装置 ( 1 1 ) と、 前記第 1制御装置 ( 1 1 ) と通信する第 2制御装置 ( 1 2) と、 を備え、 前記駆動輪 (3) の空転又はウィ リーが検出された際に、 前記第 2制御装置 ( 1 2) が 、 前記駆動源 (4) の基準トルク (T S) を決定して前記第 1制御装置 ( 1 1 ) に送信し 、 前記第 1制御装置 ( 1 1 ) が、 前記第 2制御装置 ( 1 2) から受信した前記基準トルク (T S) に基づいて前記トルク (TA) を抑制する トルク抑制制御を実行するメインコン トロールが実行され、 前記メインコントロールに先立って、 前記第 2制御装置 ( 1 2) が、 前記駆動源 (4) の前記基準トルク (T S) を決定して前記第 1制御装置 ( 1 1 ) に送信し、 前記第 1制御 装置 ( 1 1 ) が、 前記第 2制御装置 (1 2) から受信した前記基準トルク (T S) に基づ いて前記トルク (TA) を抑制する前記トルク抑制制御を実行するプリコントロールが実 行され、 前記プリコントロールの前記トルク抑制制御において、 前記トルク (TA) は減少傾向 にならない、 制御システム。

【請求項 2】 前記プリコントロールにおいて、 前記モータサイクル ( 1 ) のライダーの要求トルク ( TR) が前記基準トルク (T S) を上回る場合に、 前記トルク抑制制御が実行される、 請求項 1に記載の制御システム。

【請求項 3 ] 前記トルク (TA) の変化度合いに基づかずに、 前記プリコントロールが開始する、 請求項 1又は 2に記載の制御システム。

【請求項 4 ] 前記モータサイクル ( 1 ) のライダーの要求トルク (TR) が閩値 (TH) を上回った 場合に、 前記プリコントロールが開始する、 請求項 1又は 2に記載の制御システム。

【請求項 5 ] 前記プリコントロールの実行中において、 前記モータサイクル ( 1 ) のライダーによる アクセル操作が解除された場合に、 前記プリコントロールが終了する、 請求項 1又は 2に記載の制御システム。

【請求項 6 ] 前記プリコントロールの実行中において、 前記モータサイクル ( 1 ) のライダーの要求 トルク (TR) が前記基準トルク (TS) を下回った場合に、 前記プリコントロールが終 了する、 請求項 1又は 2に記載の制御システム。

【請求項 7】 前記第 1制御装置 ( 1 1 ) による前記駆動源 (4) に対する制御指令が前記トルク (T A) に反映されるまでの遅延に基づいて、 前記プリコントロールの前記基準トルク (T S ) が決定される、 請求項 1又は 2に記載の制御システム。

【請求項 8 ] 前記第 1制御装置 ( 1 1 ) と前記第 2制御装置 ( 1 2) との間の通信における遅延に基 づいて、 前記プリコントロールの前記基準トルク (T S) が決定される、 請求項 1又は 2に記載の制御システム。 【請求項 9 ] 前記第 2制御装置 ( 1 2) は、 液圧制御ユニッ ト (5) の制御装置である、 請求項 1又は 2に記載の制御システム。

【請求項 1 〇】 モータサイクル ( 1 ) に生じている駆動輪 (3) の空転又はウィ リーを鎮静化する トラ クションコントロールを実行する制御システム ( i o) の制御方法であって、 前記制御システム ( 1 0) は、 前記モータサイクル ( 1 ) の駆動源 (4) のトルクを制御する第 1制御装置 ( 1 1 ) と 前記第 1制御装置 ( 1 1 ) と通信する第 2制御装置 ( 1 2) と、 を備え、 前記駆動輪 (3) の空転又はウィ リーが検出された際に、 前記第 2制御装置 ( 1 2) が 、 前記駆動源 (4) の基準トルク (T S) を決定して前記第 1制御装置 ( 1 1 ) に送信し 、 前記第 1制御装置 ( 1 1 ) が、 前記第 2制御装置 ( 1 2) から受信した前記基準トルク (T S) に基づいて前記トルク (TA) を抑制する トルク抑制制御を実行するメインコン トロールが実行され、 前記メインコントロールに先立って、 前記第 2制御装置 ( 1 2) が、 前記駆動源 (4) の前記基準トルク (T S) を決定して前記第 1制御装置 ( 1 1 ) に送信し、 前記第 1制御 装置 ( 1 1 ) が、 前記第 2制御装置 (1 2) から受信した前記基準トルク (T S) に基づ いて前記トルク (TA) を抑制する前記トルク抑制制御を実行するプリコントロールが実 行され、 前記プリコントロールの前記トルク抑制制御において、 前記トルク (TA) は減少傾向 にならない、 制御方法。

Description:
【書類名】 明細書

【発明の名称】 制御システム及び制御方法

【技術分野】

【。 0 0 1】 この開示は、 モータサイクルのライダーのスロッ トル操作に対する自然なフィーリング を損ねずに安全性を向上させることができる 制御システム及び制御方法に関する。

【背景技術】

【。 0 0 2】 従来、 モータサイクルのエンジンのトルクが過大に なったことで発生する駆動輪の空転 又はウィ リーを鎮静化するため、 エンジンのトルクを制御する際の目標トルク を決定する 手法が提案されている。 例えば、 特許文献 1では、 駆動輪である後輪の空転又はウィ リー の発生が判定された場合だけでなく、 運転者の要求トルクの単位時間当たりの増加 量が閩 値以上となった場合にも、 制御が無い場合と比較してエンジンのトルク が引き下げられる ような制御介入を行う、 という技術が開示されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【〇 0 0 3】

【特許文献 1】 特開 2 0 1 9 — 0 1 9 7 8 4号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【〇 0 0 4】 以下では、 駆動輪の空転又はウィ リーが検出された場合に介入する トラクションコント ロールをメインコントロールと称する。 また、 駆動輪の空転又はウィ リーが検出される前 から、 駆動源のトルクに関連する信号の振る舞いか ら駆動輪の空転又はウィ リーの発生の 兆候を捉え、 介入する トラクションコントロールをプリコントロー ルと称する。 ところで 、 プリコントロールの開始時に駆動源のトルク が過度に抑制されて急激に減少する場合が ある。 特に、 駆動源のトルクを制御する制御装置と、 プリコントロールにおける駆動源に 対する制御指令を決定するための処理を行う 制御装置とが、 別々の制御装置である場合、 制御装置間の通信における遅延に起因して、 このような現象が生じやすくなる。 このよう な現象は、 ライダーのスロッ トル操作に対する自然なフィーリングを損ね る要因となるた め、 プリコントロールを積極的に介入させて車両 の安定性を高めたいという要求との両立 が課題となっている。

【〇 0 0 5】 本発明は、 上述の課題を背景としてなされたものであり 、 モータサイクルのライダーの スロッ トル操作に対する自然なフィーリングを損ね ずに安全性を向上させることができる 制御システム及び制御方法を得るものである 。

【課題を解決するための手段】

【〇 0 0 6】 本発明に係る制御システムは、 モータサイクルに生じている駆動輪の空転又 はウィ リー を鎮静化する トラクションコントロールを実行する制御シ ステムであって、 前記モータサ イクルの駆動源のトルクを制御する第 1制御装置と、 前記第 1制御装置と通信する第 2制 御装置と、 を備え、 前記駆動輪の空転又はウィ リーが検出された際に、 前記第 2制御装置 が、 前記駆動源の基準トルクを決定して前記第 1制御装置に送信し、 前記第 1制御装置が 、 前記第 2制御装置から受信した前記基準トルクに基 いて前記トルクを抑制する トルク 抑制制御を実行するメインコントロールが実 行され、 前記メインコントロールに先立って 、 前記第 2制御装置が、 前記駆動源の前記基準トルクを決定して前記 第 1制御装置に送信 し、 前記第 1制御装置が、 前記第 2制御装置から受信した前記基準トルクに基 いて前記 トルクを抑制する前記トルク抑制制御を実行 するプリコントロールが実行され、 前記プリ コントロールの前記トルク抑制制御において 、 前記トルクは減少傾向にならない。

【〇 0 0 7】

御方法は、 そのような構成及び動作等である場合に限定 されない。

[ 0 0 1 3 ] また、 以下では、 同一の又は類似する説明を適宜簡略化又は省 略している。 また、 各図 において、 同一の又は類似する部材又は部分については 、 符号を付すことを省略している か、 又は同一の符号を付している。 また、 細かい構造については、 適宜図示を簡略化又は 省略している。

[ 0 0 1 4 ] くモータサイクルの構成> 図 1及び図 2を参照して、 本発明の実施形態に係るモータサイクル 1の構成について説 明する。

[ 0 0 1 5 ] 図 1は、 モータサイクル 1の概略構成を示す模式図である。 図 1に示されるように、 モ ータサイクル 1は、 前輪 2と、 後輪 3と、 エンジン 4と、 液圧制御ユニッ ト 5とを備える 。 エンジン 4は、 モータサイクル 1の駆動源の一例に相当する。 なお、 モータサイクル 1 の駆動源は、 電気モータであってもよい。

[ 0 0 1 6 ] エンジン 4は、 駆動輪である後輪 3を駆動するための動力を出力可能である。 例えば、 エンジン 4には、 内部に燃焼室が形成される 1又は複数の気筒と、 燃焼室に向けて燃料を 噴射する燃料噴射弁と、 点火プラグとが設けられている。 燃料噴射弁から燃料が噴射され ることにより燃焼室内に空気及び燃料を含む 混合気が形成され、 当該混合気が点火プラグ により点火されて燃焼する。 それにより、 気筒内に設けられたピス トンが往復運動し、 ク ランクシャフトが回転するようになっている 。 また、 エンジン 4の吸気管には、 スロッ ト ル弁が設けられており、 スロッ トル弁の開度であるスロッ トル開度に応じて燃焼室への吸 気量が変化するようになっている。

[ 0 0 1 7 ] 液圧制御ユニッ ト 5は、 車輪に生じる制動力を制御する機能を担うユ ニッ トである。 例 えば、 液圧制御ユニッ ト 5は、 マスタシリンダとホイールシリンダとを接続 する油路上に 設けられ、 ホイールシリンダのブレーキ液圧を制御する ためのコンポーネント (例えば、 制御弁及びポンプ) を含む。 液圧制御ユニッ ト 5のコンポーネントの動作が制御されるこ とによって、 車輪に生じる制動力が制御される。 なお、 液圧制御ユニッ ト 5は、 前輪 2及 び後輪 3の双方に生じる制動力をそれぞれ制御する のであってもよく、 前輪 2及び後輪 3 の一方に生じる制動力のみを制御するもので あってもよい。

[ 0 0 1 8 ] 図 1に示されるように、 モータサイクル 1は、 制御システム 1 〇をさらに備える。 制御 システム 1 0は、 モータサイクル 1の挙動を制御するためのシステムである。 制御システ ム 1 0は、 第 1制御装置 1 1 と、 第 2制御装置 1 2と、 アクセル操作部 1 3と、 前輪車輪 速センサ 1 4と、 後輪車輪速センサ 1 5とを備える。

[ 0 0 1 9 ] 第 1制御装置 1 1は、 エンジン 4の動作を制御することによって、 エンジン 4のトルク を制御する。 第 2制御装置 1 2は、 液圧制御ユニッ ト 5の動作を制御することによって、 車輪に生じる制動力を制御する。 例えば、 第 1制御装置 1 1及び第 2制御装置 1 2の各制 御装置の一部又は全ては、 マイコン、 マイクロプロセッサユニッ ト等で構成されている。 また、 例えば、 第 1制御装置 1 1及び第 2制御装置 1 2の各制御装置の一部又は全ては、 ファームウェア等の更新可能なもので構成さ れてもよく、 c PU等からの指令によって実 行されるプログラムモジュール等であっても よい。

[ 0 0 2 0 ] なお、 第 2制御装置 1 2は、 エンジン 4のトルクを制御する第 1制御装置 1 1 と異なる 制御装置の一例に相当する。 つまり、 第 2制御装置 1 2は、 液圧制御ユニッ ト 5の制御装 置以外の制御装置であってもよい。 ただし、 本明細書では、 第 2制御装置 1 2が液圧制御 ユニッ ト 5の制御装置である例を主に説明する。 [ 0 0 2 1 ] アクセル操作部 1 3は、 モータサイクル 1のライダーによるアクセル操作を受け付け 〇 具体的には、 アクセル操作部 1 3は、 モータサイクル 1のハンドルに設けられ、 ライダ ーによって回動されるアクセルグリ ップである。

[ 0 0 2 2 ] 前輪車輪速センサ 1 4は、 前輪 2の車輪速 (例えば、 前輪 2の単位時間当たりの回転数 [ r p m ] 又は単位時間当たりの移動距離 [ k m / h : 等) を検出する車輪速センサであ り、 検出結果を出力する。 前輪車輪速センサ 1 4が、 前輪 2の車輪速に実質的に換算可能 な他の物理量を検出するものであってもよい 。 前輪車輪速センサ 1 4は、 前輪 2に設けら れている。

[ 0 0 2 3 ] 後輪車輪速センサ 1 5は、 後輪 3の車輪速 (例えば、 後輪 3の単位時間当たりの回転数 [ r p m ] 又は単位時間当たりの移動距離 [ k m/ h ] 等) を検出する車輪速センサであ り、 検出結果を出力する。 後輪車輪速センサ 1 5が、 後輪 3の車輪速に実質的に換算可能 な他の物理量を検出するものであってもよい 。 後輪車輪速センサ 1 5は、 後輪 3に設けら れている。

[ 0 0 2 4 ] 図 2は、 制御システム 1 〇における第 1制御装置 1 1及び第 2制御装置 1 2の機能構成 の一例を示すブロック図である。

[ 0 0 2 5 ] 図 2に示されるように、 第 1制御装置 1 1は、 例えば、 通信部 1 1 a と、 制御部 1 1 b とを備える。 通信部 1 1 aは、 モータサイクル 1の各装置と通信する。 例えば、 通信部 1 l aは、 アクセル操作部 1 3からライダーによるアクセル操作の情報を 得する。 また、 例えば、 通信部 1 1 aは、 第 2制御装置 1 2と通信する。 制御部 1 1 bは、 エンジン 4に 対して制御指令を出力することによって、 エンジン 4の動作を制御する。 制御部 1 l bは 、 基本的には、 ライダーの要求トルクと一致するように、 エンジン 4のトルクを制御する 。 ライダーの要求トルクは、 アクセル操作の情報やエンジン回転数等の第 1制御装置 1 1 の内部で観測又は推定されている各種物理量 に基づいて生成され得る。

[ 0 0 2 6 ] 図 2に示されるように、 第 2制御装置 1 2は、 例えば、 通信部 1 2 a と、 制御部 1 2 b とを備える。 通信部 1 2 aは、 モータサイクル 1の各装置と通信する。 例えば、 通信部 1 2 aは、 前輪車輪速センサ 1 4及び後輪車輪速センサ 1 5から各車輪の車輪速の情報を取 得する。 また、 例えば、 通信部 1 2 aは、 第 1制御装置 1 1 と通信する。 制御部 1 2 bは 、 液圧制御ユニッ ト 5に対して制御指令を出力することによって 液圧制御ユニッ ト 5の 動作を制御する。

[ 0 0 2 7 ] 制御システム 1 〇では、 第 1制御装置 1 1及び第 2制御装置 1 2が互いに連動した処理 を行うことによって、 トラクションコントロールが実行される。 トラクションコントロー ルは、 モータサイクル 1に生じている駆動輪 (具体的には、 後輪 3 ) の空転又はウィ リー を鎮静化するための制御である。 トラクションコントロールのメインコントロ ールでは、 駆動輪である後輪 3の空転又はウィ リーが実際に発生した場合に、 後輪 3の空転又はウィ リーが鎮静化されるようにエンジン 4のトルクが制御される。 具体的には、 メインコント ロールでは、 後輪 3の空転又はウィ リーが検出された際に、 第 2制御装置 1 2が、 エンジ ン 4の基準トルクを決定して第 1制御装置 1 1に送信し、 第 1制御装置 1 1が、 第 2制御 装置 1 2から受信した基準トルクに基づいてエンジ 4のトルクを抑制する トルク抑制制 御が実行される。

[ 0 0 2 8 ] さらに、 制御システム 1 〇では、 第 1制御装置 1 1及び第 2制御装置 1 2が互いに連動 した処理を行うことによって、 メインコントロールに先立ってプリコントロ ールがトラク ションコントロールとして実行される。 プリコントロールは、 後輪 3の空転又はウィ リー が発生していない状況において実行される。 プリコントロールは、 エンジン 4のトルクの 急激な増加を抑制することによって、 後輪 3の空転又はウィ リーを未然に回避するための 制御である。 プリコントロールでは、 エンジン 4のトルクを抑制する トルク抑制制御が実 行される。

[ 0 0 2 9 ] 本実施形態では、 プリコントロールについて工夫を施すことに よって、 プリコントロー ルにおいてエンジン 4のトルクが過度に抑制されて急激に減少す 事象が抑制される。 そ れにより、 モータサイクル 1のライダーのスロッ トル操作に対する自然なフィーリングを 損ねずに安全性を向上させることが実現され る。 以下では、 本実施形態に係るプリコント ロールの詳細について説明する。

[ 0 0 3 0 ] く制御システムの動作> 図 3〜図 6を参照して、 本発明の実施形態に係る制御システム 1 〇の動作について説明 する。

[ 0 0 3 1 ] 図 3は、 制御システム 1 〇が行うプリコントロールの開始及び終了に 関する処理の流れ の一例を示すフローチャートである。 図 3におけるステップ S 1 0 1は、 図 3に示される 制御フローの開始に対応する。 プリコントロールの詳細については、 図 4を参照して後述 する。

[ 0 0 3 2 ] なお、 図 3に示される制御フローの各ステップの処理 、 例えば、 第 2制御装置 1 2に よって行われる。

[ 0 0 3 3 ] 図 3に示される制御フローが開始すると、 ステップ S 1 0 2において、 制御システム 1 〇は、 プリコントロールの開始条件が満たされてい るか否かを判定する。 プリコントロー ルの開始条件が満たされていると判定された 場合 (ステップ S ! 〇 2 / Y E S ) 、 ステッ プ S 1 0 3に進み、 ステップ S 1 〇 3において、 プリコントロールが開始する。 一方、 プ リコントロールの開始条件が満たされていな いと判定された場合 (ステップ S ! 〇 2 / N 〇) 、 ステップ S ! 〇 2が繰り返される。

[ 0 0 3 4 ] プリコントロールの開始条件は、 例えば、 モータサイクル 1のライダーの要求トルクが 閩値を上回った、 との条件である。 この場合、 具体的には、 モータサイクル 1のライダー の要求トルクが閩値を上回った場合に、 エンジン 4のトルクの変化度合いに基づかずにプ リコントロールが開始する。 このように、 プリコントロールの開始条件は、 エンジン 4の トルクの変化度合いに基づかない条件である 。

[ 0 0 3 5 ] ステップ S ! 〇 3の次に、 ステップ S 1 0 4において、 制御システム 1 〇は、 プリコン トロールの終了条件が満たされているか否か を判定する。 プリコントロールの終了条件が 満たされていると判定された場合 (ステップ S ! 〇 4 / Y E S ) 、 ステップ S 1 0 5に進 み、 ステップ S 1 0 5において、 プリコントロールが終了し、 ステップ S 1 0 2に戻る。 一方、 プリコントロールの終了条件が満たされてい ないと判定された場合 (ステップ S 1 〇 4 / N O ) 、 ステップ S 1 0 4が繰り返される。

[ 0 0 3 6 ] プリコントロールの終了条件としては、 種々の条件が挙げられ得る。 例えば、 プリコン トロールの終了条件として、 モータサイクル 1のライダーによるアクセル操作が解除され た、 との条件が用いられる。 また、 例えば、 プリコントロールの終了条件として、 モータ サイクル 1のライダーの要求トルクが基準トルクを下 った、 との条件が用いられる。 プ リコントロールにおける トルク抑制制御では、 エンジン 4のトルクが基準トルク以下に制 限される。 要求トルクが基準トルクより小さい場合には 、 要求トルクに相当する トルクが エンジン 4から出力されるようにする必要があるので このような終了条件が用いられる 〇 また、 例えば、 プリコントロールの終了条件として、 メインコントロールが開始された 、 との条件が用いられる。

[ 0 0 3 7 ] 図 4は、 制御システム ! 〇が行うプリコントロールの実行中における 処理の流れの一例 を示すフローチャートである。 図 4におけるステップ S 2 0 1は、 図 4に示される制御フ ローの開始に対応する。 図 4におけるステップ S 2 0 6は、 図 4に示される制御フローの 終了に対応する。 図 4に示される制御フローは、 プリコントロールの実行中において、 繰 り返される。

[ 0 0 3 8 ] 図 4に示される制御フローが開始すると、 ステップ S 2 0 2において、 第 2制御装置 1 2 は、 エンジン 4の基準トルクを決定する。 上述したように、 プリコントロールにおける トルク抑制制御では、 エンジン 4のトルクが基準トルク以下に制限される。 ゆえに、 基準 トルクは、 エンジン 4のトルクの上限値に相当する。

[ 0 0 3 9 ] 基準トルクの決定に関する処理の詳細につい ては、 図 6を参照して後述する。 基本的に は、 基準トルクは、 エンジン 4のトルク (具体的には、 1計算サイクル前のエンジン 4の トルク) に基づいて決定され、 エンジン 4のトルクの推移に追従する。 なお、 基準トルク は、 1計算サイクル前のエンジン 4のトルクよりも大きな値になる。

[ 0 0 4 0 ] ステップ S 2 0 2の次に、 ステップ S 2 0 3において、 第 2制御装置 1 2は、 決定した 基準トルクを第 1制御装置 1 1に送信する。 そして、 第 1制御装置 1 1は、 第 2制御装置 1 2から送信された基準トルクを受信する。

[ 0 0 4 1 ] ここで、 第 2制御装置 1 2が情報を送信開始する時点と、 第 1制御装置 1 1が第 2制御 装置 1 2から当該情報を受信完了する時点との間に 時間差が生じる。 ゆえに、 第 2制御 装置 1 2の内部情報としての基準トルクが、 第 1制御装置 1 1の内部情報として反映され るまでの遅延が生じる。 この遅延を、 第 1制御装置 1 1 と第 2制御装置 1 2との間の通信 における遅延と呼ぶ。

[ 0 0 4 2 ] ステップ S 2 0 3の次に、 ステップ S 2 0 4において、 第 1制御装置 1 1は、 モータサ イクル 1のライダーの要求トルクが基準トルクを上 るか否かを判定する。

[ 0 0 4 3 ] ライダーの要求トルクが基準トルクを上回る と判定された場合 (ステップ S 2 0 4 / Y E S ) 、 ステップ S 2 0 5に進み、 ステップ S 2 0 5において、 第 1制御装置 1 1は、 卜 ルク抑制制御を実行し、 図 4に示される制御フローは終了する。 トルク抑制制御では、 エ ンジン 4のトルクが基準トルク以下になるように制 される。 ライダーの要求トルクが基 準トルクを上回らないと判定された場合 (ステップ S 2 0 4 / N O ) 、 図 4に示される制 御フローは終了する。

[ 0 0 4 4 ] 図 5は、 比較例に係るプリコントロールが実行された 場合における各種状態量の推移の 一例を示すグラフである。 図 5では、 横軸に時間 tを取り、 各種状態量の推移が示されて いる。 図 5で示されている状態量は、 ライダーの要求トルク T R、 エンジン 4のトルク T A 及び基準トルク T S (具体的には、 第 2制御装置 1 2の内部情報としての基準トルク T S 2、 及び、 第 1制御装置 1 1の内部情報としての基準トルク T S 1 ) である。 トルク T A は、 エンジン 4から実際に出力されている トルク (つまり、 実トルク) である。

[ 0 0 4 5 ] 比較例では、 本実施形態と比較して、 プリコントロールの開始条件が異なる。 比較例で は、 プリコントロールの開始条件は、 基本的には、 エンジン 4のトルク T Aの変化度合い が基準変化度合いを上回ったこと、 との条件である。 なお、 実際には、 プリコントロール の開始条件として、 トルク T Aが基準値より大きい、 との条件等の他の条件がさらに追加 され得る。

[ 0 0 4 6 ] 図 5の例では、 時点 t 1 1までに亘って、 要求トルク T Rの増大に伴い、 エンジン 4の トルク T Aが増大する。 そして、 時点 t i lにおいて、 トルク T Aの変化度合いが基準変 化度合いを上回り、 プリコントロールの開始条件が満たされる。 それにより、 プリコント ロールが開始する。 ゆえに、 時点 t i lにおいて、 第 2制御装置 1 2による基準トルク T S 2の決定処理が開始される。 比較例では、 第 2制御装置 1 2は、 基準トルク T S 2がプ リコントロールの開始時点 t 1 1のトルク T Aから大きすぎない変化勾配で推移するよう に、 基準トルク T S 2を決定する。

[ 0 0 4 7 ] そして、 第 1制御装置 1 1 と第 2制御装置 1 2との間の通信における遅延が時点 t i l から経過した時点 t 1 2において、 第 1制御装置 1 1は、 第 2制御装置 1 2からの基準卜 ルク T Sの受信を開始する。 それにより、 時点 t 1 2において、 第 1制御装置 1 1の内部 情報としての基準トルク T S !が、 基準トルク T S 2の推移と同様に推移し始める。 比較 例では、 プリコントロールの開始に伴って、 エンジン 4のトルク T Aを基準トルク T S以 下に制限する トルク抑制制御が実行される。 ゆえに、 第 1制御装置 1 1は、 時点 t 1 2に おいて、 トルク抑制制御を開始する。

[ 0 0 4 8 ] ここで、 第 1制御装置 1 1がエンジン 4に対して制御指令を出力した時点と、 当該制御 指令がトルク T Aに反映される時点との間には時間差が生じ 。 このように、 第 1制御装 置 1 1によるエンジン 4に対する制御指令がトルク T Aに反映されるまでの遅延が生じる 。 ゆえに、 時点 t 1 2から当該遅延が経過した時点 t 1 3において、 トルク T Aの抑制が 実際に開始する。

[ 0 0 4 9 ] 図 5の例では、 プリコントロールの開始時点 t 1 1から トルク T Aの抑制が実際に開始 する時点 t 1 3までの間に、 第 1制御装置 1 1 と第 2制御装置 1 2との間の通信における 遅延、 及び、 第 1制御装置 1 1によるエンジン 4に対する制御指令がトルク T Aに反映さ れるまでの遅延を合計した遅延が生じる。 それにより、 図 5に示されるように、 時点 t 1 1 から時点 t 1 3までの間に上昇していたトルク T Aが、 時点 t 1 3において急激に低下 する。 このような現象は、 ライダーのスロッ トル操作に対する自然なフィーリングを損ね る要因となる。

[ 0 0 5 0 ] 図 6は、 本実施形態に係るプリコントロールが実行さ れた場合における各種状態量の推 移の一例を示すグラフである。 図 6では、 図 5と同様に、 横軸に時間 tを取り、 各種状態 量 (具体的には、 要求トルク T R、 エンジン 4のトルク T A及び基準トルク T S ) の推移 が示されている。 なお、 図 6の例における要求トルク T Rの推移は、 図 5の例における要 求トルク T Rの推移と同様である。

[ 0 0 5 1 ] 図 6の例では、 時点 t 2 1において、 要求トルク T Rが閩値 T Hを上回り、 プリコント ロールの開始条件が満たされる。 それにより、 プリコントロールが開始する。 閩値 T Hは 、 例えば、 ライダーがアクセル操作を行っているか否か を判断できる程度に小さな値に設 定される。 そして、 時点 t 2 1において、 第 2制御装置 1 2による基準トルク T S 2の決 定処理が開始される。 このように、 本実施形態では、 エンジン 4のトルク T Aの変化度合 いに基づかずにプリコントロールが開始する 。 ゆえに、 トルク T Aが急激に上昇する時点 より前の時点からプリコントロールが開始す る。

[ 0 0 5 2 ] 本実施形態では、 第 2制御装置 1 2は、 基準トルク T S 2がトルク T Aの推移に追従す るように、 トルク T A (具体的には、 1計算サイクル前のトルク T A ) に基づいて基準卜 ルク T S 2を決定する。 後述するように、 本実施形態における基準トルク T S 2の決定処 理では、 上述した 2種類の遅延が加味される。 [ 0 0 5 3 ] そして、 第 1制御装置 1 1 と第 2制御装置 1 2との間の通信における遅延が時点 t 2 1 から経過した時点 t 2 2において、 第 1制御装置 1 1は、 第 2制御装置 1 2からの基準卜 ルク T Sの受信を開始する。 それにより、 時点 t 2 2において、 第 1制御装置 1 1の内部 情報としての基準トルク T S !が、 基準トルク T S 2の推移と同様に推移し始める。 その 後、 要求トルク T Rが、 急激に上昇し、 時点 t 2 3において、 基準トルク T S !を上回る 。 それにより、 時点 t 2 3において、 第 1制御装置 1 1は、 要求トルク T Rが基準トルク T S !を上回ると判定し、 トルク抑制制御を開始する。

[ 0 0 5 4 ] そして、 第 1制御装置 1 1によるエンジン 4に対する制御指令がトルク T Aに反映され るまでの遅延が時点 t 2 3から経過した時点 t 2 4において、 トルク T Aの抑制が実際に 開始する。 本実施形態では、 第 2制御装置 1 2は、 第 1制御装置 1 1 と第 2制御装置 1 2 との間の通信における遅延、 及び、 第 1制御装置 1 1によるエンジン 4に対する制御指令 がトルク T Aに反映されるまでの遅延を合計した遅延を 味して、 ある程度大きな値を基 準トルク T S 2として決定する。 その結果として、 トルク抑制制御の開始時点 t 2 3から トルク T Aの抑制が実際に開始する時点 t 2 4までの間にトルク T Aが基準トルク T S 1 を上回る現象の発生が抑制される。

[ 0 0 5 5 ] それにより、 トルク T Aの抑制が実際に開始する時点 t 2 4において、 トルク T Aは減 少せずに、 上昇し続ける。 このように、 本実施形態では、 トルク抑制制御において、 トル ク T Aは減少傾向にならない。 それにより、 トルク抑制制御の開始時に、 トルク T Aが急 激に低下する現象の発生が抑制される。 ゆえに、 モータサイクル 1のライダーのスロッ ト ル操作に対する自然なフィーリングを担保す ることができる。 なお、 トルク T Aが減少傾 向であることは、 トルク T Aが短周期での上下動を伴いながら減少する とを含み得る。

[ 0 0 5 6 ] 上記では、 図 3〜図 6を参照して、 制御システム 1 0の処理例について説明した。 ただ し、 制御システム i oが行う処理は、 上記の例に限定されない。 例えば、 上記では、 第 1 制御装置 1 1 と第 2制御装置 1 2との間の通信における遅延、 及び、 第 1制御装置 1 1に よるエンジン 4に対する制御指令がトルク T Aに反映されるまでの遅延である 2種類の遅 延を合計した遅延に基づいて、 基準トルク T Sが決定される例を説明した。 基準トルク T S は、 例えば、 2種類の遅延のうちの一方の種類の遅延に基 かずに決定されてもよい。

[ 0 0 5 7 ]

<制御シスアムの効果> 本発明の実施形態に係る制御システム 1 〇の効果について説明する。

[ 0 0 5 8 ] 制御システム 1 0では、 メインコントロールに先立って、 第 2制御装置 1 2が、 駆動源 (上記の例では、 エンジン 4 ) の基準トルク T Sを決定して第 1制御装置 1 1に送信し、 第 1制御装置 1 1が、 第 2制御装置 1 2から受信した基準トルク T Sに基づいてトルク T A を抑制する トルク抑制制御を実行するプリコントロール が実行され、 プリコントロール のトルク抑制制御において、 トルク T Aは減少傾向にならない。 それにより、 トルク抑制 制御の開始時に、 トルク T Aが急激に低下する現象の発生が抑制される ゆえに、 モータ サイクル 1のライダーのスロッ トル操作に対する自然なフィーリングを損ね ずに安全性を 向上させることができる。

[ 0 0 5 9 ] 好ましくは、 制御システム i oでは、 プリコントロールにおいて、 モータサイクル 1の ライダーの要求トルク T Rが基準トルク T Sを上回る場合に、 トルク抑制制御が実行され る。 それにより、 ライダーの要求トルク T Rが基準トルク T Sより大きい場合に、 トルク T Aを基準トルク T S以下に制限することが適切に実現される。

[ 0 0 6 0 ] 好ましくは、 制御システム 1 0では、 トルク T Aの変化度合いに基づかずに、 プリコン トロールが開始する。 それにより、 トルク T Aが急激に上昇する時点より前の時点からプ リコントロールを開始することができる。 ゆえに、 トルク抑制制御の開始時に、 制御装置 間の通信における遅延等に起因してトルク T Aが急激に低下する現象の発生を適切に抑制 できる。

[ 0 0 6 1 ] 好ましくは、 制御システム 1 0では、 モータサイクル 1のライダーの要求トルク T Rが 閩値 T Hを上回った場合に、 プリコントロールが開始する。 それにより、 トルク T Aが急 激に上昇する時点より前の時点からプリコン トロールを開始することが適切に実現される 。 ゆえに、 トルク抑制制御の開始時に、 制御装置間の通信における遅延等に起因して トル ク T Aが急激に低下する現象の発生を適切に抑制 きる。

[ 0 0 6 2 ] 好ましくは、 制御システム i oでは、 プリコントロールの実行中において、 モータサイ クル 1のライダーによるアクセル操作が解除され 場合に、 プリコントロールが終了する 。 それにより、 ライダーによるアクセル操作が解除され、 トルク T Aを抑制する必要がな い状況でプリコントロールが行われることを 抑制できる。

[ 0 0 6 3 ] 好ましくは、 制御システム i oでは、 プリコントロールの実行中において、 モータサイ クル 1のライダーの要求トルク T Rが基準トルク T Sを下回った場合に、 プリコントロー ルが終了する。 それにより、 ライダーの要求トルク T Rが基準トルク T Sを下回り トルク T Aを抑制する必要がない状況でプリコントロ ルが行われることを抑制できる。

[ 0 0 6 4 ] 好ましくは、 制御システム 1 0では、 第 1制御装置 1 1による駆動源 4に対する制御指 令がトルク T Aに反映されるまでの遅延に基づいて、 プリコントロールの基準トルク T S が決定される。 それにより、 トルク抑制制御の開始時点から トルク T Aの抑制が実際に開 始する時点までの間に上昇する トルク T Aが基準トルク T Sを上回ることを適切に抑制で きる。 ゆえに、 トルク抑制制御の開始時に、 トルク T Aが急激に低下する現象の発生が適 切に抑制される。 よって、 モータサイクル 1のライダーのスロッ トル操作に対する自然な フィーリングを損ねずに安全性を向上させる ことが適切に実現される。

[ 0 0 6 5 ] 好ましくは、 制御システム 1 0では、 第 1制御装置 1 1 と第 2制御装置 1 2との間の通 信における遅延に基づいて、 プリコントロールの基準トルク T Sが決定される。 それによ り、 トルク抑制制御の開始時点から トルク T Aの抑制が実際に開始する時点までの間に上 昇する トルク T Aが基準トルク T Sを上回ることを適切に抑制できる。 ゆえに、 トルク抑 制制御の開始時に、 トルク T Aが急激に低下する現象の発生が適切に抑制 れる。 よって 、 モータサイクル 1のライダーのスロッ トル操作に対する自然なフィーリングを損ね ずに 安全性を向上させることが適切に実現される 。

[ 0 0 6 6 ] 好ましくは、 制御システム 1 〇では、 第 2制御装置 1 2は、 液圧制御ユニッ ト 5の制御 装置である。 それにより、 駆動源 (上記の例では、 エンジン 4 ) の制御装置である第 1制 御装置 1 1 と、 液圧制御ユニッ ト 5の制御装置である第 2制御装置 1 2とによってプリコ ントロール及びトラクションコントロールが 実行されるモータサイクル 1において、 ライ ダーのスロッ トル操作に対する自然なフィーリングを損ね ずに安全性を向上させることが できる。

[ 0 0 6 7 ] 本発明は実施形態の説明に限定されない。 例えば、 実施形態の一部のみが実施されても よい。

[ 0 0 6 8 ] 例えば、 プリコントロールにおける トルク抑制制御の実行条件は、 要求トルク T Rが基 準トルク T Sを上回るとの条件以外の条件であってもよ 。 また、 プリコントロールの開 始条件は、 モータサイクル 1のライダーの要求トルク T Rが閩値 T Hを上回ったとの条件 、 エンジン 4のトルク T Aの変化度合いに基づかない条件、 及び、 これら以外の条件のう ちの 1種類の条件であってもよく、 任意の複数種類の条件を含む条件であっても よい。 ま た、 プリコントロールの終了条件は、 モータサイクル 1のライダーによるアクセル操作が 解除されたとの条件、 モータサイクル 1のライダーの要求トルク T Rが基準トルク T Sを 下回ったとの条件、 メインコントロールが開始されたとの条件、 及び、 これら以外の条件 のうちの 1種類の条件であってもよく、 任意の複数種類の条件を含む条件であっても よい 〇 また、 プリコントロールにおける トルク抑制制御の実行条件、 プリコントロールの開始 条件、 及び、 プリコントロールの終了条件の組み合わせは 、 各条件の例として上記で挙げ た例を任意に組み合わせたものであってもよ い。

【符号の説明】

[ 0 0 6 9 ]

1 モータサイクル、 2 前輪、 3 後輪 (駆動輪) 、 4 エンジン (駆動源) 、 5 液圧制御ユニッ ト、 1 〇 制御システム、 ! 1 第 1制御装置、 1 1 a 通信部、 1 1 b 制御部、 1 2 第 2制御装置、 1 2 a 通信部、 1 2 b 制御部、 1 3 アクセル操作部 、 1 4 前輪車輪速センサ、 1 5 後輪車輪速センサ、 T A トルク、 T H 閩値、 T R 要求トルク、 T S 基準トルク、 T S ! 基準トルク、 T S 2 基準トルク。