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Title:
CONTROLLER FOR AUTOMATIC TRANSMISSION
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/041084
Kind Code:
A1
Abstract:
On an automatic transmission (3) equipped with a first clutch engaged at startup time, a brake engaged together with the first clutch at two-speed stage, and a second clutch engaged together with the first clutch at three-speed stage, especially when it is determined that a path is flat in performing neutral control, a three-speed stage state is placed by the second clutch without carrying out Hill hold by the brake. During neutral control, braking never causes rotating parts in a transmission mechanism to be fixed to a transmission case, thereby preventing idle vibration of an engine from being transferred from the transmission mechanism.Further, higher change gear ratio of an automatic transmission mechanism (5) reduces amplification of idle vibration, resulting in vibration transferred to drive wheels being alleviated.

Inventors:
OKUMOTO GEN (JP)
TOMIDA HIDEKI (JP)
OKADO RYUJI (JP)
TSUTSUI HIROSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/054310
Publication Date:
April 02, 2009
Filing Date:
March 10, 2008
Export Citation:
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Assignee:
AISIN AW CO (JP)
OKUMOTO GEN (JP)
TOMIDA HIDEKI (JP)
OKADO RYUJI (JP)
TSUTSUI HIROSHI (JP)
International Classes:
F16H61/20; F16H59/54; F16H59/66; F16H59/72; F16H61/686
Foreign References:
JPH09264419A1997-10-07
JPS61101141U1986-06-27
JPS5919764A1984-02-01
JP2007205452A2007-08-16
JP2002372142A2002-12-26
JPH0587236A1993-04-06
JPH08303571A1996-11-19
JP2001165307A2001-06-22
Other References:
See also references of EP 2136112A4
Attorney, Agent or Firm:
CHIKASHIMA, Kazuo (9-7Shibaura 1-chome, Minato-ku, Tokyo 23, JP)
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Claims:
 発進時に係合される第1クラッチ、低速段にあって該第1クラッチと共に係合されるブレーキ、該低速段よりも変速比が高い中速段にあって該第1クラッチと共に係合される第2クラッチ、を少なくとも有する複数の摩擦係合要素と、
 前記複数の摩擦係合要素の係合状態に基づき入力部材と出力部材との間の伝達経路を形成することで、複数の変速段を達成する変速機構と、
 前記複数の摩擦係合要素のそれぞれの油圧サーボに供給する油圧を調圧制御する油圧制御装置と、を備えた自動変速機であって、
 走行レンジにおける車輌の停止時に、前記油圧制御装置によって前記第1クラッチの油圧を低下させ、該第1クラッチをスリップ状態にして前記入力部材と前記出力部材との間の伝達トルクを低下させるニュートラル制御を行うニュートラル制御手段を備えた自動変速機の制御装置において、
 前記ニュートラル制御手段は、前記ニュートラル制御時に、前記第2クラッチの油圧を上昇させて係合し、前記中速段の状態を形成する中速段ニュートラル制御手段を有する、
 ことを特徴とする自動変速機の制御装置。
 路面勾配を判定する路面勾配判定手段を備え、
 前記中速段ニュートラル制御手段は、前記路面勾配が所定勾配未満である際に、前記中速段の状態を形成してなる、
 ことを特徴とする請求項1記載の自動変速機の制御装置。
 前記ニュートラル制御手段は、前記ニュートラル制御時に、前記ブレーキの油圧を上昇させて係合し、前記低速段の状態を形成すると共に、ヒルホールドの状態を形成する低速段ニュートラル制御手段を有し、
 前記低速段ニュートラル制御手段は、前記路面勾配が所定勾配以上である際に、前記低速段かつ前記ヒルホールドの状態を形成してなる、
 ことを特徴とする請求項2記載の自動変速機の制御装置。
 前記自動変速機内の油温を検出する油温検出手段を備え、
 前記路面勾配判定手段は、前記油温検出手段により検出される油温が低油温であると判断した場合、前記路面勾配の判定を中止し、
 前記低速段ニュートラル制御手段は、前記路面勾配の判定が中止された際に、前記低速段かつ前記ヒルホールドの状態を形成してなる、
 ことを特徴とする請求項3記載の自動変速機の制御装置。
 前記路面勾配判定手段は、エンジン出力と前記出力部材の回転状態とから走行抵抗を算出し、該走行抵抗に基づき前記路面勾配を判定してなる、
 ことを特徴とする請求項2ないし4のいずれか記載の自動変速機の制御装置。
 フットブレーキの踏力を検出するブレーキ踏力検出手段と、
 前記走行レンジであって、前記フットブレーキの踏力が所定値以上であることを判断し、かつ前記車輌の停止状態を判断した際に、前記ニュートラル制御手段による前記ニュートラル制御の実行開始を判断するニュートラル制御開始判断手段と、
 前記走行レンジであって、前記フットブレーキの踏力が所定値以下となったことを判断した際に、前記ニュートラル制御手段による前記ニュートラル制御の実行終了を判断するニュートラル制御終了判断手段と、を備える、
 ことを特徴とする請求項2ないし5のいずれか記載の自動変速機の制御装置。
 前記所定値は、前記路面勾配判定手段により判定された路面勾配に基づき変更される、
 ことを特徴とする請求項6記載の自動変速機の制御装置。
 前記中速段ニュートラル制御手段は、前記第2クラッチの油圧を上昇させて係合する際、直ちに係合圧以上に上昇してなる、
 ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか記載の自動変速機の制御装置。
 
Description:
自動変速機の制御装置

 本発明は、車輌等に搭載される自動変速 の制御装置に係り、詳しくは、走行レンジ おける車輌の停止時に、発進時に係合され 第1クラッチの油圧を低下させ、伝達トルク を低下させるニュートラル制御を行う自動変 速機の制御装置に関する。

 近年、車輌の燃費向上やアイドル振動の 減を行うため、例えば走行レンジにあって ットブレーキにより強制的に停車された状 にあって、発進時に係合させる入力クラッ (例えばクラッチC-1)の油圧を低下させてス ップさせ、伝達トルクを低下させて略々ニ ートラルの状態に制御する、いわゆるニュ トラル制御を行うものが提案されている(例 ば日本国特開2001-165307号公報参照)。

 また、このように停車状態においてニュ トラル制御を行うと、例えば停車した場所 登坂路である場合、クリープ力が駆動車輪 伝達されないため、シフトポジションがド イブ(D)レンジであるにも拘らず、車輌が後 してしまう虞がある。そのため、特許文献1 のもののように、ニュートラル制御中には2 段用のブレーキ(2-4速ブレーキバンド)を係合 させ、1速段用のワンウェイクラッチと協働 て駆動車輪の逆転回転を防止する、いわゆ ヒルホールドを行って、ニュートラル制御 の意図しない車輌の後退を防止している。

 しかしながら、上記特許文献1のようにヒ ルホールドを行うために2速段用のブレーキ 係合することは、変速機構の回転部品を変 機ケースに対して固定することになり、エ ジンのアイドル振動が変速機構及びブレー を介して変速機ケースに伝達され、停車中 車輌振動低減の妨げになるという問題があ 。

 また、ニュートラル制御中(インニュート ラル制御中)は、入力クラッチをスリップさ てニュートラルに近い状態にするものの、 入力クラッチを完全に解放してしまうと、 ュートラル制御の終了時にドライバのアク ル操作に対して係合が遅れて係合ショック 生じる虞があるため、僅かに係合する状態 維持する必要がある。そのため、上述のよ に2速段用のブレーキを係合すると、変速機 が比較的低速段である2速段の状態となり、 エンジンのアイドル振動がそのギヤ比により 大幅にトルク増幅された形で駆動車輪に伝達 されるため、同じく停車中の車輌振動低減の 妨げになるという問題がある。

 そこで本発明は、ニュートラル制御中に って、エンジンのアイドル振動に起因する 輌振動の低減を図ることが可能な自動変速 の制御装置を提供することを目的とするも である。

 本発明は(例えば図1乃至図8参照)、発進時に 係合される第1クラッチ(C-1)、低速段(例えば2 段)にあって該第1クラッチ(C-1)と共に係合さ れるブレーキ(B-1)、該低速段よりも変速比が い中速段(例えば3速段)にあって該第1クラッ チ(C-1)と共に係合される第2クラッチ(C-3)、を なくとも有する複数の摩擦係合要素(例えば C-1,C-2,C-3,B-1,B-2,F-1)と、
 前記複数の摩擦係合要素の係合状態に基づ 入力部材(10)と出力部材(11)との間の伝達経 を形成することで、複数の変速段(例えば前 6速段及び後進1速段)を達成する変速機構(5) 、
 前記複数の摩擦係合要素のそれぞれの油圧 ーボに供給する油圧を調圧制御する油圧制 装置(6)と、を備えた自動変速機(3)であって
 走行レンジ(例えばDレンジ)における車輌の 止時に、前記油圧制御装置(6)によって前記 1クラッチ(C-1)の油圧(PC1)を低下させ、該第1 ラッチ(C-1)をスリップ状態にして前記入力 材(10)と前記出力部材(11)との間の伝達トルク を低下させるニュートラル制御を行うニュー トラル制御手段(25)を備えた自動変速機の制 装置(1)において、
 前記ニュートラル制御手段(25)は、前記ニュ ートラル制御時に、前記第2クラッチ(C-3)の油 圧(PC3)を上昇させて係合し、前記中速段(例え ば3速段)の状態を形成する中速段ニュートラ 制御手段(27)を有する、ことを特徴とする。

 これにより、走行レンジにおける車輌の 止時に、油圧制御装置によって車輌の発進 に係合される第1クラッチの油圧を低下させ 、該第1クラッチをスリップ状態にして入力 材と出力部材との間の伝達トルクを低下さ るニュートラル制御にあって、中速段ニュ トラル制御手段が、第2クラッチの油圧を上 させて係合し、中速段の状態を形成するの 、ニュートラル制御中に変速機構の回転部 が変速機ケースに対して固定されることが く、エンジンのアイドル振動が変速機構を して変速機ケースに伝達されることを防止 ることができ、ニュートラル制御中の車輌 動の低減を図ることができる。また、変速 構が低速段よりも変速比が高い中速段の状 にされるので、アイドル振動がギヤ比に応 て増幅されて駆動車輪に伝達されることを 和することができ、ニュートラル制御中の 輌振動の低減を図ることができる。

 具体的には、本発明は(例えば図1及び図5)、 路面勾配を判定する路面勾配判定手段(21)を え、
 前記中速段ニュートラル制御手段(27)は、前 記路面勾配が所定勾配未満である際に、前記 中速段(例えば3速段)の状態を形成してなる、 ことを特徴とする。

 これにより、中速段ニュートラル制御手 が、路面勾配が所定勾配未満である際に中 段の状態を形成するので、ヒルホールドの 態とならない中速段のニュートラル制御は 面勾配が所定勾配未満である際にだけ行わ 、これにより、ニュートラル制御における ライバの意図しない車輌の後退を防止する とができる。

 さらに詳細には、本発明は(例えば図1、図5 及び図8)、前記ニュートラル制御手段(25)は 前記ニュートラル制御時に、前記ブレーキ( B-1)の油圧(PB1)を上昇させて係合し、前記低速 段(例えば2速段)の状態を形成すると共に、ヒ ルホールドの状態を形成する低速段ニュート ラル制御手段(28)を有し、
 前記低速段ニュートラル制御手段(28)は、前 記路面勾配が所定勾配以上である際に、前記 低速段(例えば2速段)かつ前記ヒルホールドの 状態を形成してなる、ことを特徴とする。

 これにより、低速段ニュートラル制御手 が、路面勾配が所定勾配以上である際に、 速段かつヒルホールドの状態を形成するの 、路面勾配が所定勾配以上である際にはヒ ホールドの状態が形成され、ニュートラル 御におけるドライバの意図しない車輌の後 を防止することができる。

 また、本発明は(例えば図1及び図5参照)、前 記自動変速機(3)内の油温を検出する油温検出 手段(44)を備え、
 前記路面勾配判定手段(21)は、前記油温検出 手段(44)により検出される油温が低油温であ と判断した場合、前記路面勾配の判定を中 し、
 前記低速段ニュートラル制御手段(28)は、前 記路面勾配の判定が中止された際に、前記低 速段(例えば2速段)かつ前記ヒルホールドの状 態を形成してなる、ことを特徴とする。

 これにより、路面勾配判定手段は、油温 出手段により検出される油温が低油温であ と判断した場合、路面勾配の判定を中止し 低速段ニュートラル制御手段は、路面勾配 判定が中止された際に、低速段かつヒルホ ルドの状態を形成するので、低油温時にあ て油の粘性が高く、変速機構の回転抵抗が きいことに起因する路面勾配の誤判定を招 ことなく、その誤判定によってニュートラ 制御におけるドライバの意図しない車輌の 退が生じてしまうことを防止することがで る。

 具体的には、本発明は(例えば図1参照)、 記路面勾配判定手段(21)は、エンジン出力と 前記出力部材(11)の回転状態とから走行抵抗 算出し、該走行抵抗に基づき前記路面勾配 判定してなる、ことを特徴とする。

 これにより、路面勾配判定手段は、エン ン出力と出力部材の回転状態とから走行抵 を算出することができ、その走行抵抗に基 き路面勾配を判定することができる。

 さらに、本発明は(例えば図1及び図8参照)、 フットブレーキの踏力を検出するブレーキ踏 力検出手段(22,42)と、
 前記走行レンジであって、前記フットブレ キの踏力が所定値(Bp)以上であることを判断 し、かつ前記車輌の停止状態を判断した際に 、前記ニュートラル制御手段(25)による前記 ュートラル制御の実行開始を判断するニュ トラル制御開始判断手段(23)と、
 前記走行レンジであって、前記フットブレ キの踏力が所定値(Bp)以下となったことを判 断した際に、前記ニュートラル制御手段(25) よる前記ニュートラル制御の実行終了を判 するニュートラル制御終了判断手段(24)と、 備える、ことを特徴とする。

 これにより、ニュートラル制御開始判断 段が、走行レンジであって、フットブレー の踏力が所定値以上であることを判断し、 つ車輌の停止状態を判断した際に、ニュー ラル制御手段によるニュートラル制御の実 開始を判断し、ニュートラル制御終了判断 段が、フットブレーキの踏力が所定値以下 なったことを判断した際に、ニュートラル 御手段によるニュートラル制御の実行終了 判断するので、例えばドライバがクリープ による走行にあって減速コントロールを行 ているのではなく、車輌停止の意図がある とを確実に判定してニュートラル制御を実 することができる。

 詳細には、本発明は(例えば図1参照)、前 所定値(Bp)は、前記路面勾配判定手段(21)に り判定された路面勾配に基づき変更される ことを特徴とする。

 これにより、上記フットブレーキの踏力 関する所定値が、路面勾配判定手段により 定された路面勾配に基づき変更されるので 路面勾配に応じてニュートラル制御の開始 終了のタイミングを変更することができ、 に路面勾配が大きくなるほどニュートラル 御の終了を早くすることによって、駆動車 へのトルク伝達開始が早くなって、ドライ の意図しない車輌の後退が生じてしまうこ を防止することができる。

 また、本発明は(例えば図8参照)、前記中 段ニュートラル制御手段(27)は、前記第2ク ッチ(C-3)の油圧(PC3)を上昇させて係合する際 直ちに係合圧以上に上昇してなる、ことを 徴とする。

 これにより、例えば最低速段の状態から 1クラッチの解放(インニュートラル制御)が 行している状態の途中で第2クラッチが係合 すると、第1クラッチの解放中に最低速段か 中速段への変速が行われることによって、 1クラッチのトルク分担が変化し、該第1クラ ッチの係合状態が変化することによるトルク 変動のショックが生じてしまうが、中速段ニ ュートラル制御手段が、第2クラッチの油圧 上昇させて係合する際に直ちに係合圧以上 上昇するので、中速段に変速された状態か 第1クラッチの解放制御を行うことができ、 記ショックが生じることを防止することが きる。

 なお、上記カッコ内の符号は、図面と対 するためのものであるが、これは、発明の 解を容易にするための便宜的なものであり 特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼす のではない。

本発明に係る自動変速機の制御装置を すブロック図。 本発明を適用し得る自動変速機構を示 スケルトン図。 本自動変速機構の係合表。 本自動変速機構の速度線図。 本発明に係るニュートラル制御を示す ローチャート。 3速段ニュートラル制御におけるクラッ チC-1の制御を示すフローチャート。 3速段ニュートラル制御におけるクラッ チC-3の制御を示すフローチャート。 本発明に係るニュートラル制御を示す イムチャート。

 以下、本発明に係る実施の形態を図1乃至 図8に沿って説明する。

 まず、本発明を適用し得る自動変速機3の 概略構成について図2に沿って説明する。図2 示すように、例えばFFタイプ(フロントエン ン、フロントドライブ)の車両に用いて好適 な自動変速機3は、エンジン2(図1参照)に接続 得る自動変速機の入力軸8を有しており、該 入力軸8の軸方向を中心としてトルクコンバ タ4と、自動変速機構(変速機構)5とを備えて る。

 上記トルクコンバータ4は、自動変速機3 入力軸8に接続されたポンプインペラ4aと、 動流体を介して該ポンプインペラ4aの回転が 伝達されるタービンランナ4bとを有しており 該タービンランナ4bは、上記入力軸8と同軸 に配設された上記自動変速機構5の入力軸( 力部材)10に接続されている。また、該トル コンバータ4には、ロックアップクラッチ7が 備えられており、該ロックアップクラッチ7 油圧制御装置6(図1参照)の油圧制御によって 合されると、上記自動変速機3の入力軸8の 転が自動変速機構5の入力軸10に直接伝達さ る。

 上記自動変速機構5には、入力軸10上にお て、プラネタリギヤSPと、プラネタリギヤ ニットPUとが備えられている。上記プラネタ リギヤSPは、サンギヤS1、キャリヤCR1、及び ングギヤR1を備えており、該キャリヤCR1に、 サンギヤS1及びリングギヤR1に噛合するピニ ンP1を有している、いわゆるシングルピニオ ンプラネタリギヤである。

 また、該プラネタリギヤユニットPUは、4 の回転要素としてサンギヤS2、サンギヤS3、 キャリヤCR2、及びリングギヤR2を有し、該キ リヤCR2に、サンギヤS2及びリングギヤR2に噛 合するロングピニオンPLと、サンギヤS3に噛 するショートピニオンPSとを互いに噛合する 形で有している、いわゆるラビニヨ型プラネ タリギヤである。

 上記プラネタリギヤSPのサンギヤS1は、不 図示のミッションケースに一体的に固定され ている不図示のボス部に接続されて回転が固 定されている。また、上記リングギヤR1は、 記入力軸10の回転と同回転(以下「入力回転 という。)になっている。更に上記キャリヤ CR1は、該固定されたサンギヤS1と該入力回転 るリングギヤR1とにより、入力回転が減速 れた減速回転になると共に、(第1)クラッチC- 1及び(第2)クラッチC-3に接続されている。

 上記プラネタリギヤユニットPUのサンギ S2は、バンドブレーキからなるブレーキB-1に 接続されてミッションケースに対して固定自 在となっていると共に、上記クラッチC-3に接 続され、該クラッチC-3を介して上記キャリヤ CR1の減速回転が入力自在となっている。また 、上記サンギヤS3は、クラッチC-1に接続され おり、上記キャリヤCR1の減速回転が入力自 となっている。

 更に、上記キャリヤCR2は、入力軸10の回 が入力されるクラッチC-2に接続され、該ク ッチC-2を介して入力回転が入力自在となっ おり、また、ワンウェイクラッチF-1及びブ ーキB-2に接続されて、該ワンウェイクラッ F-1を介してミッションケースに対して一方 の回転が規制されると共に、該ブレーキB-2 介して回転が固定自在となっている。そし 、上記リングギヤR2は、カウンタギヤ(出力 材)11に接続されており、該カウンタギヤ11は 、不図示のカウンタシャフト、ディファレン シャル装置を介して駆動車輪に接続されてい る。

 つづいて、上記構成に基づき、自動変速 構5の作用について図2、図3及び図4に沿って 説明する。なお、図4に示す速度線図におい 、縦軸方向はそれぞれの回転要素(各ギヤ)の 回転数を示しており、横軸方向はそれら回転 要素のギヤ比に対応して示している。また、 該速度線図のプラネタリギヤSPの部分におい 、縦軸は、図4中左方側から順に、サンギヤ S1、キャリヤCR1、リングギヤR1に対応してい 。更に、該速度線図のプラネタリギヤユニ トPUの部分において、縦軸は、図4中右方側 ら順に、サンギヤS3、リングギヤR2、キャリ CR2、サンギヤS2に対応している。

 例えばD(ドライブ)レンジであって、前進1 速段(1ST)では、図3に示すように、クラッチC-1 及びワンウェイクラッチF-1が係合される。す ると、図2及び図4に示すように、固定された ンギヤS1と入力回転であるリングギヤR1によ って減速回転するキャリヤCR1の回転が、クラ ッチC-1を介してサンギヤS3に入力される。ま 、キャリヤCR2の回転が一方向(正転回転方向 )に規制されて、つまりキャリヤCR2の逆転回 が防止されて固定された状態になる。する 、サンギヤS3に入力された減速回転が、固定 されたキャリヤCR2を介してリングギヤR2に出 され、前進1速段としての正転回転がカウン タギヤ11から出力される。

 なお、エンジンブレーキ時(コースト時) は、ブレーキB-2を係止してキャリヤCR2を固 し、該キャリヤCR2の正転回転を防止する形 、上記前進1速段の状態を維持する。また、 前進1速段では、ワンウェイクラッチF-1によ りキャリヤCR2の逆転回転を防止し、かつ正転 回転を可能にするので、例えば非走行レンジ から走行レンジに切換えた際の前進1速段の 成を、ワンウェイクラッチF-1の自動係合に り滑らかに行うことができる。

 前進2速段(2ND)では、図3に示すように、ク ラッチC-1が係合され、ブレーキB-1が係止され る。すると、図2及び図4に示すように、固定 れたサンギヤS1と入力回転であるリングギ R1によって減速回転するキャリヤCR1の回転が 、クラッチC-1を介してサンギヤS3に入力され 。また、ブレーキB-1の係止によりサンギヤS 2の回転が固定される。すると、キャリヤCR2 サンギヤS3よりも低回転の減速回転となり、 該サンギヤS3に入力された減速回転が該キャ ヤCR2を介してリングギヤR2に出力され、前 2速段としての正転回転がカウンタギヤ11か 出力される。

 なお、この前進2速段の状態から詳しくは 後述するニュートラル制御によってクラッチ C-1が解放(スリップ状態に)された場合は、キ リヤCR2の逆転回転を阻止するワンウェイク ッチF-1によって、リングギヤR2の正転回転 許容されると共に逆転回転が阻止され、車 の後退(駆動車輪の逆転回転)が防止される、 いわゆるヒルホールドの状態となる。

 前進3速段(3TH)では、図3に示すように、ク ラッチC-1及びクラッチC-3が係合される。する と、図2及び図4に示すように、固定されたサ ギヤS1と入力回転であるリングギヤR1によっ て減速回転するキャリヤCR1の回転が、クラッ チC-1を介してサンギヤS3に入力される。また クラッチC-3の係合によりキャリヤCR1の減速 転がサンギヤS2に入力される。つまり、サ ギヤS2及びサンギヤS3にキャリヤCR1の減速回 が入力されるため、プラネタリギヤユニッ PUが減速回転の直結状態となり、そのまま 速回転がリングギヤR2に出力され、前進3速 としての正転回転がカウンタギヤ11から出力 される。

 前進4速段(4TH)では、図3に示すように、ク ラッチC-1及びクラッチC-2が係合される。する と、図2及び図4に示すように、固定されたサ ギヤS1と入力回転であるリングギヤR1によっ て減速回転するキャリヤCR1の回転が、クラッ チC-1を介してサンギヤS3に入力される。また クラッチC-2に係合によりキャリヤCR2に入力 転が入力される。すると、該サンギヤS3に 力された減速回転とキャリヤCR2に入力され 入力回転とにより、上記前進3速段より高い 速回転となってリングギヤR2に出力され、 進4速段としての正転回転がカウンタギヤ11 ら出力される。

 前進5速段(5TH)では、図3に示すように、ク ラッチC-2及びクラッチC-3が係合される。する と、図2及び図4に示すように、固定されたサ ギヤS1と入力回転であるリングギヤR1によっ て減速回転するキャリヤCR1の回転が、クラッ チC-3を介してサンギヤS2に入力される。また クラッチC-2の係合によりキャリヤCR2に入力 転が入力される。すると、該サンギヤS2に 力された減速回転とキャリヤCR2に入力され 入力回転とにより、入力回転より僅かに高 増速回転となってリングギヤR2に出力され、 前進5速段としての正転回転がカウンタギヤ11 から出力される。

 前進6速段(6TH)では、図3に示すように、ク ラッチC-2が係合され、ブレーキB-1が係止され る。すると、図2及び図4に示すように、クラ チC-2の係合によりキャリヤCR2に入力回転が 力される。また、ブレーキB-1の係止により ンギヤS2の回転が固定される。すると、固 されたサンギヤS2によりキャリヤCR2の入力回 転が上記前進5速段より高い増速回転となっ リングギヤR2に出力され、前進6速段として 正転回転がカウンタギヤ11から出力される。

 後進1速段(REV)では、図3に示すように、ク ラッチC-3が係合され、ブレーキB-2が係止され る。すると、図2及び図4に示すように、固定 れたサンギヤS1と入力回転であるリングギ R1によって減速回転するキャリヤCR1の回転が 、クラッチC-3を介してサンギヤS2に入力され 。また、ブレーキB-2の係止によりキャリヤC R2の回転が固定される。すると、サンギヤS2 入力された減速回転が、固定されたキャリ CR2を介してリングギヤR2に出力され、後進1 段としての逆転回転がカウンタギヤ11から出 力される。

 なお、例えばP(パーキング)レンジ及びN( ュートラル)レンジでは、クラッチC-1、クラ チC-2、及びクラッチC-3、が解放される。す と、キャリヤCR1とサンギヤS2及びサンギヤS3 との間、即ちプラネタリギヤSPとプラネタリ ヤユニットPUとの間が切断状態となり、か 、入力軸10(中間軸71)とキャリヤCR2との間が 断状態となる。これにより、入力軸10とプラ ネタリギヤユニットPUとの間の動力伝達が切 状態となり、つまり入力軸10とカウンタギ 11との動力伝達が切断状態となる。

 つづいて、本発明に係る自動変速機の制 装置1について、図1、図5乃至図8に沿って説 明する。

 図1に示すように、本自動変速機の制御装 置1は、制御部(ECU)20を有しており、該制御部2 0には、路面勾配判定手段21と、ブレーキ踏力 検出手段22と、ニュートラル制御開始判断手 23(以下、「ニュートラル制御」を「N制御」 ともいう)と、N制御終了判断手段24と、N制御 択手段26、3速段N制御手段(中速段ニュート ル制御手段)27、及び2速段N制御手段(低速段 ュートラル制御手段)28を有するN制御手段25 、変速制御手段30と、変速マップmapとが備え られて構成されている。

 また、該制御部20には、不図示のアクセ ペダルの角度を検出するアクセル開度セン 41と、不図示のブレーキペダル(フットブレ キ)の角度を検出するブレーキセンサ(ブレー キ踏力検出手段)42と、駆動車輪に連動するカ ウンタギヤ11の回転数を検出することで車輌 車速を検出する出力回転数センサ43と、上 自動変速機3内の油温を検出する油温センサ( 油温検出手段)44と、不図示のシフトレバーの 選択位置を検出するシフトポジションセンサ 45とが接続されて各種の信号が入力されてお 、更に、エンジン2に接続されて、エンジン 2がアイドル状態となったことを示すアイド 信号と、エンジン2の出力トルクの値である ンジントルク信号とが入力されている。な 、出力回転数センサ43は、カウンタギヤ11の 回転数を検出する代わりに、カウンタシャフ ト(不図示)の回転数を検出するものや車軸の 転数を検出するものであってもよく、特に ウンタギヤ11やカウンタシャフトの回転数 検出するものの場合は、ディファレンシャ ギヤ装置のギヤ比やカウンタシャフトのギ 比等に基づき車輌の車速を演算することが きる。

 上記変速制御手段30は、アクセル開度セ サ41により検出されるアクセル開度と、出力 回転数センサ43により検出する車速とに基づ 変速マップmapを参照し、上述の前進1速段~ 進6速段を選択判断すると共に、油圧制御装 6のソレノイドバルブ等を電子制御して、そ の選択された変速段となるように上記クラッ チC-1,C-2,C-3,B-1,B-2の係合・解放状態を制御す 。

 一方、上記路面勾配判定手段21は、特に 輌の走行中にあって、上記エンジントルク 号と上記出力回転数センサ43の検出によるカ ウンタギヤの回転状態(回転加速度)とに基づ 、車輌の走行抵抗を演算し、例えば予め計 した平坦路における当該車輌の走行抵抗と 較して、路面の勾配を随時算出する。また 該路面勾配判定手段21は、油温センサ44によ り検出される自動変速機3内の油温が低油温( えば15度未満)である場合は、油の粘性が高 、自動変速機3における内部抵抗が大きくて 上記走行抵抗の算出結果の信頼性が低いため 、路面勾配の判定を中止し、勾配の誤判定を 防止する。

 また、上記ブレーキ踏力検出手段22は、 記ブレーキセンサ42により検出されるブレー キペダルの角度(踏み込み量)から、ブレーキ 力の値を検出する。なお、本実施の形態に いては、ブレーキペダルが踏み込まれると 輪のブレーキによって走行抵抗が変化する め、走行中に随時行っている上記路面勾配 定手段21による路面勾配の判定を中断して ブレーキ踏み込み前の最終の値を現在の路 勾配の値として保持するが、ブレーキが踏 込まれた状態にあっても、走行抵抗をブレ キ踏力に応じて補正しつつ路面勾配を判定 るようにしてもよい。

 ついで、本発明に係るニュートラル制御 図1及び図5乃至図8に沿って説明する。例え イグニッション(エンジン)がONされると、本 自動変速機の制御装置1による制御が開始さ (S1)、上記N制御開始判断手段23によりN制御の 開始条件が成立したか否かを判断する(S2)。

 例えば信号待ちによる停車のように、シフ ポジションを走行レンジのままフットブレ キを踏み込んで停車すると、該N制御開始判 断手段23は、
(1)シフトポジションセンサ45からの信号に基 き走行レンジ(Dレンジ又はRレンジ)であるこ と
(2)アイドル信号がONであること
(3)出力回転数センサ43の検出に基づき車速が0 である(停車中である)こと
(4)ブレーキ踏力検出手段22により検出される レーキ踏力が所定値Bp以上であること
の条件を全て満たしたとして(S2のYES)、N制御 開始を判断し(図8中の時点t1)、N制御手段25 対して指令する。

 これを受けて、N制御手段25のN制御選択手 段26は、坂路条件及び油温条件が成立したか かを判定し(S3)、成立している場合には詳し くは後述する3速段N制御手段27による3速段N制 御を選択し(S3のYES、S4)、成立していない場合 には2速段N制御手段28による2速段N制御を選択 する(S3のNO、S5)。

 即ち、路面勾配判定手段21により判定さ た路面勾配が所定勾配以上(例えば15%勾配以 )である場合や、油温が低油温であって(15度 未満であり)路面勾配判定手段21による勾配判 定が中止されている場合には、つまり坂路に 停車している場合、或いは路面勾配が正確に 判定できないために坂路に停車している可能 性がある場合であって、ニュートラル制御中 にドライバが意図しない車輌の後退が生じる 虞があるので、上記坂路条件及び油温条件が 成立していないとして(S3のNO)、ステップS5に み、2速段N制御を行う。

 この2速段N制御にあっては、2速段N制御手 段28により、クラッチC-1の油圧制御とブレー B-1の油圧制御を行って、クラッチC-1をスリ プさせて略々ニュートラル状態にすると共 、ブレーキB-1を係合(係止)して上述した2速 の状態におけるニュートラル制御を行う。

 詳細には、まず、図8に示すように、時点 t1からクラッチC-1の油圧PC1を低下させるリリ ス制御を開始すると共に、ブレーキB-1の油 PB1を上昇するスタンバイ圧出力制御を開始 、該ブレーキB-1のブレーキバンドの緩みを 合直前まで締めるガタ詰め動作を行う。次 、時点t2において、ブレーキB-1の油圧PB1の プライ制御を行って該油圧PB1を上昇してい 、該ブレーキB-1を係合させる。また、この 、クラッチC-1のリリース制御が進行して該 ラッチC-1がスリップを開始し、入力軸10の回 転数はトルクコンバータ4を介してエンジン2 アイドル回転に引き摺られる形で上昇して く。

 ついで、時点t3において、クラッチC-1の 圧PC1が、該クラッチC-1が解放直前(ないし係 直前)の状態となる圧まで低下すると、クラ ッチC-1のインニュートラル制御が開始され、 例えばクラッチC-1の油圧PC1を細かく段階的に 上昇し、入力軸10に微小回転変化が生じたら 油圧PC1を下降させることを繰り返すことに って、解放直前(ないし係合直前)のニュー ラル状態を維持する。なお、インニュート ル制御中にあっては、クラッチC-1がスリッ して略々ニュートラルの状態となるので、 力軸10の回転は時点t4までにエンジン2のアイ ドル回転数近くまで上昇する。

 この2速段N制御が開始された後(時点t1後)は 図5に示すように、N制御終了判断手段24によ り随時2速段N制御の終了条件を判断しており 即ち、
(a)ブレーキ踏力検出手段22により検出される レーキ踏力が所定値Bp未満になったこと
(b)出力回転数センサ43の検出に基づき車速が0 でなくなった(発進した)こと
(c)アイドル信号がOFFになったこと
(d)変速制御手段30により変速判断が行われた と
のいずれかの条件が成立するか否かを判断し (S6)、いずれも成立していない場合は(S6のNO) 引き続きこの2速段N制御を継続する(S7)。ま 、これらの条件のうち1つでも成立した場合( S6のYES)、N制御終了判断手段24は、2速段N制御 段28に指令し、2速段N制御の終了制御を開始 させて、N制御を終了する(S8)。

 また、上記ブレーキ踏力の所定値Bpは、 面勾配判定手段21により判定された路面勾配 に基づき、勾配が大きいほど大きな値となる ように変更され、つまり該所定値Bpは、路面 配により車輌が受ける力(重力により前後方 向に移動される力)をフットブレーキにより け止めることができる値、言い換えると、 れ以上ブレーキ踏力が小さくなると車輌が 動を開始してしまう虞がある値に設定され 。

 例えば図8に示す時点t5において、ドライ がフットブレーキの踏み込みを緩め、ブレ キ踏力が上述の所定値Bp未満となると、上 N制御終了判断手段24により2速段N制御の終了 条件が判断され、それを受けて2速段N制御手 28は、クラッチC-1の油圧PC1を上昇させるア ライ制御を開始して、該クラッチC-1の再係 を開始すると共に、ブレーキB-1の油圧PB1を 下させる。そして、入力軸10の回転変化に応 じてブレーキB-1の油圧PB1をスイープダウンさ せる回転変化待機制御を開始し、つまりクラ ッチC-1が係合されていくに連れてブレーキB-1 が解放されていくように制御することで、車 輌の後退の防止力として、ブレーキB-1による ヒルホールド力からクラッチC-1によるクリー プ力に移行していく。

 その後、時点t6に進むと、クラッチC-1の 合が所定の進行度合い以上進行していると て、ブレーキB-1の油圧PB1を0にするためのス ープ制御に移り、時点t7において、ブレー B-1の解放を終了させると共にクラッチC-1の 係合を完了し、これによって車輌が発進さ る。

 以上のような2速段ニュートラル制御の状 態にあっては、上述したようにワンウェイク ラッチF-1と協働してブレーキB-1によるヒルホ ールド状態となるため、例えば車輌が登坂路 (勾配15%以上)に停車中にあってドライバがフ トブレーキを解放したとしても、クラッチC -1が再係合するまでブレーキB-1の係合が維持 れて車輌が後退することはなく、ドライバ 意図しない後退を防止することができる。

 次に、本発明の要部となる3速段N制御に いて説明する。上記ステップS3において、上 述した油温センサ44により検出される油温が 油温でなく(15度以上であり)、上述したよう に路面勾配判定手段21による勾配判定が中止 れてなく、かつ路面勾配判定手段21により 定された路面勾配が所定勾配未満(例えば15% 配未満)である場合には、つまり略々平坦路 に停車している場合であって、ニュートラル 制御中に車輌が路面勾配によって前後進する 虞がなく、特にドライバが意図しない車輌の 後退が生じる虞がないので、上記坂路条件及 び油温条件が成立したとして(S3のYES)、ステ プS4に進み、3速段N制御を行う。

 この3速段N制御にあっては、3速段N制御手 段27により、クラッチC-1の油圧制御とクラッ C-3の油圧制御を行って、クラッチC-1をスリ プさせて略々ニュートラル状態にすると共 、クラッチC-3を係合して上述した3速段の状 態におけるニュートラル制御を行う。

 詳細には、まず、図7及び図8に示すよう 、N制御の開始が判断された時点t1からクラ チC-3の油圧PC3を係合圧まで上昇させるアプ イ制御を開始し(S22)、該クラッチC-3を直ちに 係合状態にする。また、一方で、図6及び図8 示すように、クラッチC-1の油圧PC1を低下さ るリリース制御を開始し(S12)、入力軸11の回 転数変化が所定の進行状態になる等のインニ ュートラル制御移行条件が成立するまで(S13 NO)、リリース制御を継続する。なお、この 、N制御終了判断手段24は、上記(a)~(d)の条件 いずれかが成立したか否かを判断しており( 図6のS14、図7のS22)、成立した場合は後述する 3速段N制御の終了制御(図6のS17、図7のS24)に移 行する。

 このように、N制御の開始判断後、直ちに クラッチC-3を係合しても、車輌が停車中であ って、駆動車輪(カウンタギヤ)が回転してい いので、係合ショックが生じることはない また、直ちにクラッチC-3を係合することで 自動変速機構5が1速段の状態から3速段の状 にされるため、トルク伝達経路が変更され 。これにより、クラッチC-1のリリース制御 終了間際ないしインニュートラル制御中に ルク伝達経路が変更されて、クラッチC-1の ルク分担が変更されてしまうことが防止さ る。具体的には、クラッチC-1のトルク分担 大きいままリリース制御が行われ、途中で ルク分担が小さくなって該クラッチC-1が一 完全に解放された後、インニュートラル制 のため(スリップ状態を維持するため)に油 PC1の上昇が必要となって、該クラッチC-1を リップ状態に再係合することによる係合シ ックが生じることを防止することができる

 その後、例えば時点t3において上記イン ュートラル制御移行条件が成立すると(S13のY ES)、図6及び図8に示すように、クラッチC-1の ンニュートラル制御が開始される(S15)。こ 3速段の状態による3速段N制御にあっては、 レーキB-1やブレーキB2を用いることなく、ク ラッチのみ係合した状態であるので、変速機 ケース9に対して各回転部品(プラネタリギヤS P及びプラネタリギヤユニットPUや、それらの 間の回転伝達部材)が固定されることはなく エンジン2からトルクコンバータ4、入力軸10 を介して伝達されるアイドル振動が、ブレ キを介して変速機ケース9に伝達されること はないので、該変速機ケース9から車体等に 達されるアイドル振動を低減することがで る。

 また、自動変速機構5が3速段の状態にさ ているため、上述した2速段の状態よりも駆 車輪に対する減速比が小さく、つまりトル 増幅比が小さくなる。そのため、スリップ 態にあるとはいえ、僅かに係合しているク ッチC-1を介して駆動車輪まで伝達されるエ ジン2からのアイドル振動(トルク振動)の増 比が小さくなり、つまり駆動車輪に伝達さ るアイドル振動を緩和することができる。

 一方、上記インニュートラル制御の間も N制御終了判断手段24は、上記(a)~(d)の条件の いずれかが成立したか否かを判断しており( 6のS16、図7のS22)、例えば図8に示す時点t5に いて、ドライバがフットブレーキの踏み込 を緩め、ブレーキ踏力が上述の所定値Bp未満 となると、上記N制御終了判断手段24により3 段N制御の終了条件が判断され、それを受け 3速段N制御手段27は、図6に示すように、ク ッチC-1の油圧PC1を上昇させるアプライ制御 開始して(S17)、該クラッチC-1の再係合を開始 すると共に、図7に示すように、クラッチC-3 油圧PC3を降下させて、入力軸10の回転変化に 応じてクラッチC-3の油圧PC3をスイープダウン させる回転変化待機制御を開始し(S24)、つま クラッチC-1が係合されていくに連れてクラ チC-3が解放されていくように制御する。

 なお、上述したようにブレーキ踏力の所 値Bpは、路面勾配判定手段21により判定され た路面勾配に基づき、勾配が大きいほど大き な値となるように変更されるので、2速段N制 時のようなヒルホールド機能は得られない 、フットブレーキが緩むことによって車輌 移動(後退)してしまう前にクラッチC-1の再 合によるクリープ力が得られるので、例え 勾配15%未満の緩い坂路にあったとしても、 ライバが意図しない車輌の後退が生じるこ はない。

 その後、図8に示す時点t6に進むと、クラ チC-1の係合が所定の進行度合い以上進行し いるとして、図7に示すように、クラッチC-3 の油圧PC3を0にするためのスイープ制御に移 (S25)、時点t7において、クラッチC-3の解放を 了させると共にクラッチC-1の再係合を完了 て(図6のS18、図7のS26、図5のS8)、これにより 車輌が発進される。

 以上説明したように本発明に係る自動変 機の制御装置1によると、走行レンジにおけ る車輌の停止時に、油圧制御装置6によって 輌の発進時に係合されるクラッチC-1の油圧PC 1を低下させ、該クラッチC-1をスリップ状態 して入力軸10とカウンタギヤ11との間の伝達 ルクを低下させるニュートラル制御にあっ 、3速段N制御手段27が、クラッチC-3の油圧PC3 を上昇させて係合し、3速段の状態を形成す ので、ブレーキB-1,B2等によってニュートラ 制御中に自動変速機構5の回転部品が変速機 ース9に対して固定されることがなく、エン ジンのアイドル振動が自動変速機構5を介し 変速機ケース9に伝達されることを防止する とができ、ニュートラル制御中の車輌振動 低減を図ることができる。また、自動変速 構5が2速段よりも変速比が高い3速段の状態 されるので、アイドル振動がギヤ比に応じ 増幅されて駆動車輪に伝達されることを緩 することができ、ニュートラル制御中の車 振動の低減を図ることができる。

 また、3速段N制御手段27が、路面勾配が所 定勾配未満である際に3速段の状態を形成す ので、ヒルホールドの状態とならない3速段N 制御は路面勾配が所定勾配未満である際にだ け行われ、これにより、ニュートラル制御に おけるドライバの意図しない車輌の後退を防 止することができる。

 更に、2速段N制御手段28が、路面勾配が所 定勾配以上である際に、2速段であってヒル ールドの状態を形成するので、路面勾配が 定勾配以上である際にはヒルホールドの状 が形成され、ニュートラル制御におけるド イバの意図しない車輌の後退を防止するこ ができる。

 また、路面勾配判定手段21は、油温セン 44により検出される油温が低油温であると判 断した場合、路面勾配の判定を中止し、2速 N制御手段28は、路面勾配の判定が中止され 際に、2速段であってヒルホールドの状態を 成するので、低油温時にあって油の粘性が く、自動変速機構5の回転抵抗が大きいこと に起因する路面勾配の誤判定を招くことなく 、その誤判定によってニュートラル制御にお けるドライバの意図しない車輌の後退が生じ てしまうことを防止することができる。

 また、N制御開始判断手段23が、走行レン であって、フットブレーキの踏力が所定値B p以上であることを判断し、かつ車輌の停止 態(車速0)を判断した際に、N制御手段25によ ニュートラル制御の実行開始を判断し、N制 終了判断手段24が、フットブレーキの踏力 所定値Bp以下となったことを判断した際に、 N制御手段25によるニュートラル制御の実行終 了を判断するので、例えばドライバがクリー プ力による走行にあって減速コントロールを 行っているのではなく、車輌停止の意図があ ることを確実に判定してニュートラル制御を 実行することができる。

 更に、上記フットブレーキの踏力に関す 所定値Bpが、路面勾配判定手段21により判定 された路面勾配に基づき変更されるので、路 面勾配に応じてニュートラル制御の開始・終 了のタイミングを変更することができ、特に 路面勾配が大きくなるほどニュートラル制御 の終了を早くすることによって、駆動車輪へ のトルク伝達開始が早くなって、ドライバの 意図しない車輌の後退が生じてしまうことを 防止することができる。

 また、例えば1速段の状態からクラッチC-1 の解放(インニュートラル制御)が進行してい 状態の途中でクラッチC-3が係合すると、ク ッチC-1の解放中に1速段から3速段への変速 行われることによって、クラッチC-1のトル 分担が変化し、該クラッチC-1の係合状態が 化する(一旦解放されて再係合する)ことによ るトルク変動のショックが生じてしまう虞が あるが、3速段N制御手段27が、クラッチC-3の 圧PC3を上昇させて係合する際に直ちに係合 以上に上昇するので、3速段に変速された状 からクラッチC-1の解放制御を行うことがで 、上記ショックが生じることを防止するこ ができる。

 なお、以上説明した本実施の形態におい は、クラッチC-1をスリップ制御すると共に ラッチC-3を係合して3速段の状態にするもの を説明したが、クラッチC-3の代わりにクラッ チC-2を係合して4速段の状態にするものであ ても、同様に本発明を適用することができ 。また、本実施の形態においては、前進6速 を達成し得る自動変速機について説明した 、これに限らず、多段変速を達成する自動 速機であって、発進時に係合するクラッチC -1と同時に係合して中速段以上の変速段を達 するクラッチを有するものであれば、本発 を適用し得る。

 また、本実施の形態にあっては、路面勾 が所定勾配以上である際、或いは路面勾配 判定が困難である際に、ヒルホールド機能 達成する変速段(2速段)の状態でニュートラ 制御を行うものを説明したが、これに限ら 、ドライバの意図しない後退が生じる虞が る際には、ニュートラル制御自体を行わな ように構成することもできる。この際は、 御部に、第2クラッチを係合制御する中速段 ニュートラル制御手段だけを備えていれば足 りることは言うまでもない。

 また、本実施の形態においては、路面勾 を走行抵抗より判定するものについて説明 たが、これに限らず、例えば傾斜計等を用 てもよく、つまり路面勾配を判定すること できれば、どのようなものであってもよい

 更に、本実施の形態においては、路面勾 が所定勾配未満の際に、ヒルホールドを行 ないクラッチだけの係合によるニュートラ 制御を行っているが、例えばフットブレー やサイドブレーキ等を制御してヒルホール を行うことが可能な車輌にあっては、路面 配とは無関係に、全てのニュートラル制御 おいてクラッチだけの係合によるニュート ル制御を用いることができる。

 また、本実施の形態においては、車輌の 車中を判定するために、出力回転数センサ4 3を用いるものを説明したが、特に3速段N制御 のように変速機構の回転部品が変速ケースに 対して自由回転状態となる場合は、回転数セ ンサに誤判定が生じる虞があるので、例えば ABS等の車輪回転数センサを用いるようにして もよい。

 また、本実施の形態においては、3速段N 御にあって、開始直後にクラッチC-3の油圧PC 3を係合圧まで上昇することでクラッチC-1の ルク分担変化が生じないようにしているが このトルク分担変化の発生を確実に防止す ため、クラッチC-3の係合タイミングからク ッチC-1の解放タイミングを学習して、確実 クラッチC-3の係合後にクラッチC-1を解放す ようにしてもよい。

 本発明に係る自動変速機の制御装置は、乗 車、トラック、バス、農機等に搭載される 動変速機に用いることが可能であり、特に ュートラル制御を行うことが可能な自動変 機にあって車輌振動の低減が要求されるも に用いて好適である。