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Title:
CONTROLLER FOR BRAKING FORCE GENERATED BY BRAKE SYSTEM OF MOTORCYCLE, AND CONTROL METHOD OF SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2018/029550
Kind Code:
A1
Abstract:
A controller and a control method capable of optimizing a braking force generated by a brake system are obtained. During deceleration of a motorcycle, the controller and the control method according to the invention obtain an estimated vehicle body speed Vbe of the motorcycle that is estimated on the basis of speed information of a wheel, obtain a corrected vehicle body speed Vbc that is obtained by correcting an actually-measured vehicle body speed of the motorcycle to a low-speed side, cause the brake system to generate the braking force that corresponds to the estimated vehicle body speed Vbe in a state where the estimated vehicle body speed Vbe is higher than the corrected vehicle body speed Vbc, and cause the brake system to generate the braking force that corresponds to the corrected vehicle body speed Vbc in a state where the estimated vehicle body speed Vbe is lower than the corrected vehicle body speed Vbc.

Inventors:
ONO SHUNSAKU (JP)
SUZUKI KOJI (JP)
Application Number:
PCT/IB2017/054039
Publication Date:
February 15, 2018
Filing Date:
July 05, 2017
Export Citation:
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Assignee:
BOSCH GMBH ROBERT (DE)
International Classes:
B60T8/17; B60T8/32
Foreign References:
JPH09301150A1997-11-25
EP0476582A11992-03-25
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Claims:
【書類名】 請求の範囲

【請求項 1 】

モータサイクルのブレーキシステムに生じさせるブレーキ力の制御装置であって、 車輪の速度情報に基づいて推定される前記モータサイクルの推定車体速度を取得する推 定車体速度取得部と、

前記推定車体速度取得部で取得される前記推定車体速度に応じた前記ブレーキ力を、 前 記ブレーキシステムに生じさせるブレーキ力制御実行部と、

を備えており、

更に、 前記モータサイクルの実測車体速度が低速側に補正されたものである補正車体速 度を取得する補正車体速度取得部を備えており、

前記ブレーキ力制御実行部は、

前記モータサイクルが減速する際に、

前記推定車体速度が前記補正車体速度と比較して大きい状態である場合に、 前記推定車 体速度に応じた前記ブレーキ力を前記ブレーキシステムに生じさせ、

前記推定車体速度が前記補正車体速度と比較して小さい状態である場合に、 前記補正車 体速度に応じた前記ブレーキ力を前記ブレーキシステムに生じさせる、

制御装置。

【請求項 2】

前記補正車体速度は、 各時点で取得される前記実測車体速度に縮小係数が乗算されるこ とによって、 低速側に補正されたものである、

請求項 1に記載の制御装置。

【請求項 3】

前記補正車体速度は、 各時点で取得される前記実測車体速度が、 前記モータサイクルが 減速を開始してから該時点までに取得される最も低い前記実測車体速度に置き換えられる ことによって、 低速側に補正されたものである、

請求項 1又は 2に記載の制御装置。

【請求項 4】

前記ブレーキ力制御実行部は、

前記モータサイクルが減速する際に、

前記実測車体速度が増加傾向の状態で、 つ、 前記推定車体速度が前記補正車体速度と 比較して小さい状態である場合に、 前記推定車体速度に応じた前記ブレーキ力を前記ブレ ーキシステムに生じさせる、

請求項 1〜 3の何れか一項に記載の制御装置。

【請求項 5】

前記ブレーキ力制御実行部は、 各時点で取得される前記実測車体速度が、 前記モータサ イタルが減速を開始してから該時点までに取得される最も低レ、前記実測車体速度にならな い状態が、 基準時間以上続く場合に、 前記実測車体速度が前記増加傾向の状態に移行した と判定する、

請求項 4に記載の制御装置。

【請求項 6】

前記ブレーキ力制御実行部は、 前記実測車体速度が前記増加傾向の状態に移行してから 、 前記推定車体速度が前記補正車体速度以上である状態に移行するまでの間、 前記推定車 体速度に応じた前記ブレーキ力を前記ブレーキシステムに生じさせる、

請求項 4又は 5に記載の制御装置。

【請求項 7】

前記実測車体速度は、 前記モータサイクルの車輪以外の部分の速度情報に基づいて取得 される、

請求項 1〜 6の何れか一項に記載の制御装置。

【請求項 8】

前記実測車体速度は、 前記モータサイクルの前記車輪とは別の車輪の速度情報に基づい て取得される、

請求項 1〜 6の何れか一項に記載の制御装置。

【請求項 9】

前記モータサイクルが減速する際に、 アンチ口ックブレーキ制御が実行される、 請求項 1〜8の何れか一項に記載の制御装置。

【請求項 1 0】

モータサイクルのブレーキシステムに生じさせるブレーキ力の制御方法であって、 車輪の速度情報に基づいて推定される前記モータサイクルの推定車体速度を取得する推 定車体速度取得ステップと、

前記推定車体速度取得ステップで取得される前記推定車体速度に応じた前記ブレーキ力 を、 前記ブレーキシステムに生じさせるブレーキ力制御実行ステップと、

を備えており、

更に、 前記モータサイクルの実測車体速度が低速側に補正されたものである補正車体速 度を取得する補正車体速度取得ステップを備えており、

前記ブレーキ力制御実行ステップは、

前記モータサイクルが減速する際に、

前記推定車体速度が前記補正車体速度と比較して大きい状態である場合に、 前記推定車 体速度に応じた前記ブレーキ力を前記ブレーキシステムに生じさせ、

前記推定車体速度が前記補正車体速度と比較して小さい状態である場合に、 前記補正車 体速度に応じた前記ブレーキ力を前記ブレーキシステムに生じさせる、

制御方法。

Description:
【書類名】 明細書

【発明の名称】 モータサイクルのブレーキシステムに生じさ せるブレーキ力の制御装置及 び制御方法

【技術分野】

【 0 0 0 1 】

本発明は、 モータサイクルのブレーキシステムに生じさ せるブレーキ力の制御装置と、 モータサイクルのブレーキシステムに生じさ せるブレーキ力の制御方法と、 に関する。 【背景技術】

【 0 0 0 2】

従来のモータサイクルのブレーキシステムと して、 モータサイクルが減速する際に、 制 御装置が、 車輪の速度情報を取得し、 その速度情報に基づいて推定されるモータサ イクル の推定車体速度に応じたブレーキ力をブレー キシステムに生じさせるものがある。 そのブ レーキ力は、 例えば、 制御装置によってブレーキシステムの弁、 ポンプ等の動作が制御さ れることによって制御される (例えば、 特許文献 1を参照。 ) 。

【先行技術文献】

【特許文献】

【 0 0 0 3】

【特許文献 1】 特開 2 0 0 5— 2 3 8 9 0 2号公報

【発明の概要】

【発明が解決しよう とする課題】

【 0 0 0 4】

従来のモータサイクルのブレーキシステムで は、 モータサイクルの推定車体速度が、 車 輪の速度情報に基づいて推定される。 そのため、 その車輪に生じるス リ ップの変化に応じ て、 モータサイクルの実際の車体速度に対する推 定車体速度の差が変化することとなって 、 適切なブレーキ力を生じさせることが困難に なる場合がある。 例えば、 モータサイクル が減速する際に車輪の口ック又は口ックの可 能性が生じると、 モータサイクルの推定車体 速度が低く推定されて、 その車輪のスリ ップ率が実際のスリ ップ率より も小さく見積もら れることとなって、 その車輪のブレーキ力を減少させる動作の開 始が遅れる場合がある。

【 0 0 0 5】

本発明は、 上述の課題を背景としてなされたものであり 、 ブレーキシステムに生じさせ るブレーキ力を適切化することが可能な制御 装置を得るものである。 また、 ブレーキシス テムに生じさせるブレーキ力を適切化するこ とが可能な制御方法を得るものである。 【課題を解決するための手段】

【 0 0 0 6】

本発明に係る制御装置は、 モータサイクルのブレーキシステムに生じさ せるブレーキ力 の制御装置であって、 車輪の速度情報に基づいて推定される前記モ ータサイクルの推定車 体速度を取得する推定車体速度取得部と、 前記推定車体速度取得部で取得される前記推 定 車体速度に応じた前記ブレーキ力を、 前記ブレーキシステムに生じさせるブレーキ 力制御 実行部と、 を備えており、 更に、 前記モータサイクルの実測車体速度が低速側 に補正され たものである補正車体速度を取得する補正車 体速度取得部を備えており、 前記ブレーキ力 制御実行部は、 前記モータサイクルが減速する際に、 前記推定車体速度が前記補正車体速 度と比較して大きい状態である場合に、 前記推定車体速度に応じた前記ブレーキ力を 前記 ブレーキシステムに生じさせ、 前記推定車体速度が前記補正車体速度と比較 して小さい状 態である場合に、 前記補正車体速度に応じた前記ブレーキ力を 前記ブレーキシステムに生 じさせるものである。

【 0 0 0 7】

本発明に係る制御方法は、 モータサイクルのブレーキシステムに生じさ せるブレーキ力 の制御方法であって、 車輪の速度情報に基づいて推定される前記モ ータサイクルの推定車 体速度を取得する推定車体速度取得ステップ と、 前記推定車体速度取得ステップで取得さ れる前記推定車体速度に応じた前記ブレーキ 力を、 前記ブレーキシステムに生じさせるブ レーキ力制御実行ステップと、 を備えており、 更に、 前記モータサイクルの実測車体速度 が低速側に補正されたものである補正車体速 度を取得する補正車体速度取得ステップを備 えており、 前記ブレーキ力制御実行ステップは、 前記モータサイクルが減速する際に、 前 記推定車体速度が前記補正車体速度と比較し て大きい状態である場合に、 前記推定車体速 度に応じた前記ブレーキ力を前記ブレーキシ ステムに生じさせ、 前記推定車体速度が前記 補正車体速度と比較して小さい状態である場 合に、 前記補正車体速度に応じた前記ブレー キカを前記ブレーキシステムに生じさせるも のである。

【発明の効果】

【 】

本発明に係る制御装置及び制御方法では、 実測車体速度が低速側に補正されたものであ る補正車体速度が取得され、 推定車体速度が補正車体速度と比較して大き い状態である場 合に、 推定車体速度に応じたブレーキ力がブレーキ システムに生じ、 推定車体速度が補正 車体速度と比較して小さい状態である場合に 、 補正車体速度に応じたブレーキ力がブレー キシステムに生じる。 そのため、 モータサイクルの実際の車体速度に対する推 定車体速度 の差が大きい状態である場合に、 モータサイクルの実際の車体速度に対する差 が推定車体 速度より も小さい補正車体速度に応じてブレーキ力が 制御されることとなつて、 ブレーキ システムに生じるブレーキ力が適切化される 。

【図面の簡単な説明

【 】

【図 】 本発明の実施の形態 に係るブレーキシステムの、 構成の一例を示す図である

【図 】 本発明の実施の形態 に係るブレーキシステムの、 システム構成の一例を示す 図である。

【図 】 本発明の実施の形態 に係るブレーキシステムの、 制御フローの一例を示す図 である。

【図 】 本発明の実施の形態 に係るブレーキシステムの、 図 に示される制御フロー での作用を示す図である。

【図 】 本発明の実施の形態 に係るブレーキシステムの、 図 に示される制御フロー での作用を示す図である。

【図 】 本発明の実施の形態 に係るブレーキシステムの、 図 に示される制御フロー での作用を示す図である。

【図 】 本発明の実施の形態 に係るブレーキシステムの、 図 に示される制御フロー での作用を示す図である。

【発明を実施するための形態】

【 】

以下に、 本発明に係る制御装置及び制御方法について 、 図面を用いて説明する。

なお、 以下で説明する構成、 動作等は、 一例であり、 本発明に係る制御装置及び制御方 法は、 そのような構成、 動作等である場合に限定されない。 また、 各図においては、 適宜 図示を簡略化又は省略している。

【 】

実施の形態

以下に、 実施の形態 に係るブレーキシステムを説明する。

【 】

くブレーキシステムの構成 >

実施の形態 に係るブレーキシステムの構成について説明 する。

図 は、 本発明の実施の形態 に係るブレーキシステムの、 構成の一例を示す図である

【 】

図 に示されるように、 ブレーキシステム は、 モータサイクル に搭載される。 モータサイクノレ は、 自動二輪車、 自動三輪車等である。 ブレーキシステム は、 マ スタシリ ンダ 1 1 と、 ホイ一/レシリ ンダ 1 2 と、 マスタシリ ンダ 1 1 とホイ一/レシリ ンダ 1 2との間を連通させる主流路 1 3と、 ホイールシリンダ 1 2のブレーキ液を逃がす副流 路 1 4 と、 を含む。

【 0 0 1 4】

主流路 1 3には、 込め弁 1 5が設けられている。 副流路 1 4には、 弛め弁 1 6 と、 アキ ュムレータ 1 7 と、 ポンプ 1 8 と、 が設けられている。 込め弁 1 5、 弛め弁 1 6、 アキュ ムレータ 1 7、 ポンプ 1 8等の部材と、 それらの部材が設けられ、 主流路 1 3及び副流路 1 4を構成するための流路が内部に形成されて る基体 2 1 と、 制御装置 (E CU) 2 2 と、 によって、 液圧制御ユニッ ト 2 0が構成される。 つまり、 液圧制御ユニッ ト 2 0は、 ブレーキシステム 1において、 ホイールシリンダ 1 2のブレーキ液の液圧を制御する機能 を担うユニッ トである。 また、 制御装置 2 2は、 込め弁 1 5、 弛め弁 1 6、 ポンプ 1 8等 の動作を司る。 つまり、 制御装置 2 2は、 ブレーキシステム 1に生じさせるブレーキ力の 制御を司るものである。

【 0 0 1 5】

なお、 各部材が、 1つの基体 2 1に纏めて設けられていてもよく、 また、 複数の基体 2 1に分かれて設けられていてもよい。 また、 制御装置 2 2は、 1つであってもよく、 また 、 複数に分かれていてもよい。 また、 制御装置 2 2は、 基体 2 1に取り付けられていても よく、 また、 基体 2 1以外に取り付けられていてもよい。 また、 制御装置 2 2の一部又は 全ては、 例えば、 マイコン、 マイクロプロセッサユニッ ト等で構成されてもよく、 また、 ファームウェア等の更新可能なもので構成さ れてもよく、 また、 C P U等からの指令によ つて実行されるプログラムモジュール等であ ってもよい。

【 0 0 1 6】

通常状態では、 制御装置 2 2によって、 込め弁 1 5が開放され、 弛め弁 1 6が閉鎖され る。 その状態で、 モータサイクル 1 0 0のブレーキ操作部が操作されると、 マスタシリン ダ 1 1のピス トンが押し込まれてホイールシリンダ 1 2のブレーキ液の液圧が増加し、 ブ レーキパッ ドがロータに押し付けられることとなって、 モータサイクル 1 0 0の車輪 1 0 1が制動される。

【 0 0 1 7 】

制御装置 2 2は、 例えば、 車輪 1 0 1にロック又はロックの可能性が生じた場合 、 込め弁 1 5を閉鎖し、 弛め弁 1 6を開放し、 ポンプ 1 8を駆動させることで、 ホイールシ リンダ 1 2のブレーキ液の液圧を減少させる。

【 0 0 1 8】

なお、 図 1では、 液圧制御ユニッ ト 2 0によってブレーキ力が制御される車輪 1 0 1が 、 モータサイクル丄 0 0 の前輪である場合を示しているが、 液圧制御ュニッ ト 2 0によつ てブレーキ力が制御される車輪 1 0 1力 モータサイクル 1 0 0の後輪であってもよく、 また、 モータサイクル 1 0 0の前輪及び後輪の両方であってもよい。

【 0 0 1 9】

くブレーキシステムのシステム構成 >

実施の形態 1に係るブレーキシステムのシステム構成に いて説明する。

図 2は、 本発明の実施の形態 1に係るブレーキシステムの、 システム構成の一例を示す 図である。

【 0 0 2 0】

図 2に示されるように、 制御装置 2 2は、 推定車体速度取得部 4 1 と、 実測車体速度取 得部 4 2と、 補正車体速度取得部 4 3と、 ブレーキ力制御実行部 4 4 と、 を含む。

【 0 0 2 1】

推定車体速度取得部 4 1は、 モータサイクル 1 0 0の推定車体速度 V b eを取得する。 推定車体速度 V b eは、 モータサイクル 1 0 0の車輪 1 0 1 の速度情報 I V wを検出する 車輪速度センサ 3 1の検出結果に基づいて推定される。 車輪速度センサ 3 1は、 車輪 1 0 1の回転数を検出するものであってもよく、 また、 車輪 1 0 1の回転数に換算可能な他の 物理量を検出するものであってもよい。 例えば、 推定車体速度取得部 4 1は、 車輪速度セ ンサ 3 1で検出される車輪 1 0 1 の回転数を、 周速度 V wに換算し、 その周速度 V wを推 定車体速度 V b e として取得してもよく、 また、 その周速度 V wに所定の演算を施したも のを推定車体速度 V b e として取得してもよい。 つまり、 推定車体速度 V b eは、 種々の 公知な手法によって推定されればよい。

【 0 0 2 2】

実測車体速度取得部 4 2は、 モータサイクル 1 0 0の実測車体速度 V b mを取得する。 実測車体速度 V b mは、 モータサイクル 1 0 0の車輪 (つまり、 車輪 1 0 1及び車輪 1 0 1以外の車輪) 以外の部分 (例えば、 エンジン系統を構成する部材等) の速度情報 I V s を検出する補助速度センサ 3 2の検出結果に基づいて取得される。 補助速度センサ 3 2は 、 例えば、 モータサイクル 1 0 0の速度メータにおける速度表示のために既 されている ものである。 補助速度センサ 3 2は、 実測車体速度 V b mを検出するものであってもよく 、 また、 実測車体速度 V b mに換算可能な他の物理量を検出するもので ってもよい。 補 助速度センサ 3 2の検出結果の信頼性は、 車輪速度センサ 3 1の検出結果の信頼性と比較 して低い。 制御装置 2 2は、 補助速度センサ 3 2に接続されていなくてもよく、 例えば、 補助速度センサ 3 2の検出結果が入力される他の制御装置に接 されていて、 その制御装 置から実測車体速度 V b mが取得されてもよい。

【 0 0 2 3】

補正車体速度取得部 4 3は、 実測車体速度 V b mが低速側に補正されたものである補正 車体速度 V b cを取得する。 具体的には、 補正車体速度取得部 4 3は、 実測車体速度取得 部 4 2で取得される各時点での実測車体速度 V b mに予め設定されている縮小係数 α ( 0 < α < 1 ) を乗算することによって、 補正車体速度 V b cを取得する。 また、 補正車体速 度取得部 4 3は、 実測車体速度取得部 4 2で取得される各時点での実測車体速度 V b mを 、 モータサイクル 1 0 0が減速を開始してからその時点までに取得 れる最も低い実測車 体速度 V b mに置き換えることによって、 補正車体速度 V b cを取得する。

【 0 0 2 4】

ブレーキ力制御実行部 4 4は、 推定車体速度取得部 4 1で取得される推定車体速度 V b e と、 補正車体速度取得部 4 3で取得される補正車体速度 V b c と、 を選択的に用いて、 ブレーキシステム 1にブレーキ力を生じさせる。 例えば、 ブレーキ力制御実行部 4 4は、 選択された推定車体速度 V b e又は補正車体速度 V b c に基づいて車輪 1 0 1 のスリ ップ 率を演算し、 そのスリ ップ率に応じて、 その車輪 1 0 1に生じさせるブレーキ力を増減さ せて、 車輪 1 0 1 のロック又は口ックの可能性に対処する。

【 0 0 2 5】

ブレーキ力制御実行部 4 4は、 推定車体速度 V b eが補正車体速度 V b c と比較して大 きい状態である場合に、 推定車体速度 V b eに応じたブレーキ力をブレーキシステム 1に 生じさせる。 また、 ブレーキ力制御実行部 4 4は、 推定車体速度 V b eが補正車体速度 V b c と比較して小さい状態である場合に、 補正車体速度 V b cに応じたブレーキ力をブレ ーキシステム 1に生じさせる。 推定車体速度 V b e と補正車体速度 V b cの大小関係は、 推定車体速度 V b e と補正車体速度 V b c との比較によって判定されてもよく、 また、 そ の比較と等価な他の物理量での比較によって 判定されてもよい。

【 0 0 2 6】

ブレーキ力制御実行部 4 4は、 実測車体速度 V b mが増加傾向の状態で、 つ、 推定車 体速度 V b eが補正車体速度 V b c と比較して小さい状態である場合に、 推定車体速度 V b eに応じたブレーキ力をブレーキシステム 1に生じさせる。 具体的には、 ブレーキ力制 御実行部 4 4は、 各時点で取得される実測車体速度 V b mが、 モータサイクル 1 0 0が減 速を開始してからその時点までに取得される 最も低い実測車体速度 V b mにならない状態 が、 基準時間 T以上続く場合に、 実測車体速度 V b mが増加傾向の状態に移行したと判定 する。 また、 ブレーキ力制御実行部 4 4は、 実測車体速度 V b mが増加傾向の状態に移行 してから、 推定車体速度 V b eが補正車体速度 V b c以上である状態に移行するまでの間 、 推定車体速度 V b eに応じたブレーキ力をブレーキシステム 1に生じさせる。 推定車体 速度 V b e と補正車体速度 V b cの大小関係は、 推定車体速度 V b e と補正車体速度 V b c との比較によって判定されてもよく、 また、 その比較と等価な他の物理量での比較によ つて判定されてもよい。

【 0 0 2 7】

くブレーキシステムの制;脚フロー >

実施の形態 1に係るブレーキシステムの制御フローにつ て説明する。

図 3は、 本発明の実施の形態 1に係るブレーキシステムの、 制御フローの一例を示す図 である。

【 0 0 2 8】

制御装置 2 2は、 モータサイクル 1 0 0が減速する際に、 図 3に示されるような一連の 制御フローを繰り返し実行する。

【 0 0 2 9】

(推定車体速度取得ステップ)

ステップ S 1 0 1において、 推定車体速度取得部 4 1は、 推定車体速度 V b eを取得す る。 推定車体速度 V b eは、 車輪速度センサ 3 1 の検出結果に基づいて推定される。

【 0 0 3 0】

(実測車体速度取得ステップ)

ステップ S 1 0 2において、 実測車体速度取得部 4 2は、 モータサイクル 1 0 0の実測 車体速度 V b mを取得する。 実測車体速度 V b mは、 補助速度センサ 3 2の検出結果に基 づいて取得される。

【 0 0 3 1】

(補正車体速度取得ステップ)

ステップ S 1 0 3において、 補正車体速度取得部 4 3は、 実測車体速度 V b mが低速側 に補正されたものである補正車体速度 V b cを取得する。 つまり、 補正車体速度取得部 4 3は、 実測車体速度取得部 4 2で取得される各時点での実測車体速度 V b mに予め設定さ れている縮小係数 α ( 0 < α < 1 ) を乗算して縮小実測車体速度 V b m sを取得し、 その 縮小実測車体速度 V b m sを、 モータサイクル 1 0 0が減速を開始してからその時点まで に取得される最も低い縮小実測車体速度 V b m sに置き換えることによって、 補正車体速 度 V b cを取得する。 乗算及び置き換えの順序が入れ換えられても よい。

【 0 0 3 2】

(ブレーキ力制御実行ステップ)

ステップ S 1 0 4において、 ブレーキ力制御実行部 4 4は、 補正車体速度 V b e力 直 前に取得された補正車体速度 V b c と等しいか否かを判定する。 Y e sである場合には、 ステップ S 1 0 5に進み、 N oである場合には、 ステップ S 1 0 6に進む。

【 0 0 3 3】

ステップ S 1 0 5において、 ブレーキ力制御実行部 4 4は、 タイマーをカウントアップ する。 ステップ S 1 0 6において、 ブレーキ力制御実行部 4 4は、 タイマーをリセッ トす る。 タイマーは、 実測車体速度 V b mが増加傾向の状態に移行したか否かを判別 るため のものである。

【 0 0 3 4】

ステップ S 1 0 7において、 ブレーキ力制御実行部 4 4は、 タイマーの時間が、 基準時 間 T以上であるか否かを判定する。 Y e sである場合には、 ステップ S 1 0 8に進み、 N oである場合には、 ステップ S 1 0 9に進む。

【 0 0 3 5】

ステップ S 1 0 8において、 ブレーキ力制御実行部 4 4は、 実測車体速度 V b mが増加 傾向の状態に移行したことを識別するための 増加傾向フラグ Fをセッ トする。 つまり、 ブ レーキ力制御実行部 4 4は、 各時点で取得される実測車体速度 V b mが、 モータサイクル 1 0 0が減速を開始してからその時点までに取得 れる最も低い実測車体速度 V b mにな らない状態が、 基準時間 T以上続く場合に、 実測車体速度 V b mが増加傾向の状態に移行 したと判定する。

【 0 0 3 6】

ステップ S 1 0 9において、 ブレーキ力制御実行部 44は、 推定車体速度 Vb eが補正 車体速度 V b c以上であるか否かを判定する。 Y e sである場合には、 ステップ S 1 1 0 に進む。 N oである場合には、 ステップ S 1 1 1に進む。

【 0 0 3 7】

ステップ S 1 1 0において、 ブレーキ力制御実行部 44は、 増加傾向フラグ Fをリセッ トする。 つまり、 ブレーキ力制御実行部 44は、 実測車体速度 V b mが増加傾向の状態に 移行してから、 推定車体速度 V b eが補正車体速度 V b c以上である状態に移行するまで の間、 増加傾向フラグ Fを維持する。

【 0 0 3 8】

ステップ S I 1 1において、 ブレーキ力制御実行部 44は、 増加傾向フラグ Fがセッ ト されていないか否かを判定する。 Y e sである場合には、 ステップ S 1 1 2に進み、 N o である場合には、 ステップ S 1 1 4に進む。

【 0 0 3 9】

ステップ S 1 1 2において、 ブレーキ力制御実行部 44は、 推定車体速度 Vb eが補正 車体速度 V b c より も小さいか否かを判定する。 Y e sである場合には、 ステップ S 1 1 3に進み、 N oである場合には、 ステップ S 1 1 4に進む。

【 0 0 4 0】

ステップ S I 1 3において、 ブレーキ力制御実行部 44は、 補正車体速度 Vb cに応じ たブレーキ力をブレーキシステム 1に生じさせる。 ステップ S 1 1 4において、 ブレーキ 力制御実行部 4 4は、 推定車体速度 V b eに応じたブレーキ力をブレーキシステム 1に生 じさせる。 つまり、 ブレーキ力制御実行部 44は、 推定車体速度 V b eが補正車体速度 V b c と比較して大きい状態である場合に、 推定車体速度 V b eに応じたブレーキ力をブレ ーキシステム 1に生じさせる。 また、 ブレーキ力制御実行部 4 4は、 推定車体速度 Vb e が補正車体速度 V b c と比較して小さい状態である場合に、 補正車体速度 Vb cに応じた ブレーキ力をブレーキシステム 1に生じさせる。 また、 ブレーキ力制御実行部 4 4は、 補 正車体速度 V b cが増加傾向の状態で、 つ、 推定車体速度 Vb eが補正車体速度 Vb c と比較して小さい状態である場合に、 推定車体速度 V b eに応じたブレーキ力をブレーキ システム 1に生じさせる。

【 0 0 4 1】

図 4〜図 7は、 本発明の実施の形態 1に係るブレーキシステムの、 図 3に示される制御 フローでの作用を示す図である。 図 4及び図 5は、 モータサイクル 1 0 0の減速に際して 図 3に示される制御フロ一が繰り返される際に ステップ S 1 0 8において増加傾向フラ グ Fがセッ トされることが一度も生じない場合を示して いる。 また、 図 6及び図 7は、 モ ータサイクル 1 0 0の減速に際して図 3に示される制御フローが繰り返される際に ステ ップ S 1 0 8において増加傾向フラグ Fがセッ トされることが生じる場合を示している。

【 0 0 4 2】

図 4及び図 5に示されるように、 モータサイクル 1 0 0が減速を開始してモータサイク ル 1 0 0の実際の車体速度 V b aが低下していく際に、 推定車体速度 V b eは、 実際の車 体速度 V b aの下側の領域で増減しつつ低下していく。 一方、 実測車体速度 V b mは、 推 定車体速度 V b e と比較して大きい誤差を生じつつ実際の車体 速度 V b aに倣って低下し ていく。 また、 補正車体速度 Vb eは、 実際の車体速度 V b aの下側の領域で漸次低下し ていく。 なお、 縮小係数 α ( 0 < α < 1 ) は、 補正車体速度 V b cが推定車体速度 V b e を常時下回らないような値である。 図 5において太い実線で示されるように、 ブレーキシ ステム 1のブレーキ力の制御のために、 推定車体速度 V b eが補正車体速度 V b c と比較 して大きい状態である期間では、 推定車体速度 V b eが採用され、 推定車体速度 Vb eが 補正車体速度 V b c と比較して小さい状態である期間では、 補正車体速度 V b cが採用さ れることとなる。 【 0 0 4 3】

図 6に示されるように、 モータサイクル 1 0 0が減速を開始してモータサイクル 1 0 0 の実際の車体速度 V b aが低下していく際に、 実測車体速度 V b mが、 実際の車体速度 V b aの上側に大きくずれる場合がある。 図 7に示されるように、 その際には、 補正車体速 度 V b cが一定値となる期間、 つまり、 時間 t 1から時間 t 3までの期間が、 基準時間 T 以上となる。 なお、 基準時間 Tは、 補正車体速度 V b cが実際の車体速度 V b aを上回ら ないような時間である。 図 7において太い実線で示されるように、 時間 t lに対して基準 時間 Tだけ後の時間 t 2から、 推定車体速度 V b eが補正車体速度 V b c以上である状態 になるまでの期間では、 推定車体速度 V b eが採用されることとなる。

【 0 0 4 4】

くブレーキシステムの効果 >

実施の形態 1に係るブレーキシステムの効果について説 する。

ブレーキシステム 1では、 制御装置 2 2が、 車輪 1 0 1 の速度情報 I V wに基づいて推 定されるモータサイクル 1 0 0の推定車体速度 V b eを取得する推定車体速度取得部 4 1 と、 モータサイクル 1 0 0の実測車体速度 V b mが低速側に補正されたものである補正車 体速度 V b cを取得する補正車体速度取得部 4 3 と、 モータサイクル 1 0 0が減速する際 に、 推定車体速度 V b eが補正車体速度 V b c と比較して大きい状態である場合に、 推定 車体速度 V b eに応じたブレーキ力をブレーキシステム 1に生じさせ、 推定車体速度 V b eが補正車体速度 V b c と比較して小さい状態である場合に、 補正車体速度 V b cに応じ たブレーキ力をブレーキシステム 1に生じさせるブレーキ力制御実行部 4 4 と、 を備えて いる。 そのため、 モータサイクル 1 0 0の実際の車体速度 V b aに対する推定車体速度 V b eの差が大きい状態である場合に、 モータサイクル 1 0 0の実際の車体速度 V b aに対 する差が推定車体速度 V b e より も小さい補正車体速度 V b cに応じてブレーキ力が制御 されることとなって、 ブレーキシステム 1に生じるブレーキ力が適切化される。

【 0 0 4 5】

好ましくは、 補正車体速度 V b cは、 各時点で取得される実測車体速度 V b mに縮小係 数 α ( 0 < α < 1 ) が乗算されることによって、 低速側に補正されたものである。 また、 好ましくは、 補正車体速度 V b cは、 各時点で取得される実測車体速度 V b mが、 モータ サイクル 1 0 0が減速を開始してからその時点までに取得 れる最も低い実測車体速度 V b mに置き換えられることによって、 低速側に補正されたものである。 そのため、 実際の 車体速度 V b a より も高い補正車体速度 V b cに応じてブレーキ力が制御されて、 ブレー キ力の不足が生じてしまうことの抑制が確実 化される。

【 0 0 4 6】

好ましくは、 ブレーキ力制御実行部 4 4は、 モータサイクル 1 0 0が減速する際に、 実 測車体速度 V b mが増加傾向の状態で、 つ、 推定車体速度 V b eが補正車体速度 V b c と比較して小さい状態である場合に、 推定車体速度 V b eに応じたブレーキ力をブレーキ システム 1に生じさせる。 そのため、 実測車体速度 V b mの信頼性が低い場合であっても 、 実際の車体速度 V b a より も高い補正車体速度 V b cに応じてブレーキ力が制御されて 、 ブレーキ力の不足が生じてしまうことが抑制 されることとなって、 ブレーキシステム 1 に生じるブレーキ力の適切化の確実性が向上 される。

【 0 0 4 7】

特に、 ブレーキ力制御実行部 4 4は、 各時点で取得される実測車体速度 V b mが、 モー タサイクル 1 0 0が減速を開始してからその時点までに取得 れる最も低い実測車体速度 V b mにならない状態が、 基準時間 T以上続く場合に、 実測車体速度 V b mが増加傾向の 状態に移行したと判定する。 また、 ブレーキ力制御実行部 4 4は、 実測車体速度 V b mが 増加傾向の状態に移行してから、 推定車体速度 V b eが補正車体速度 V b c以上である状 態に移行するまでの間、 推定車体速度 V b eに応じたブレーキ力をブレーキシステム 1に 生じさせる。 そのため、 低い推定車体速度 V b eが不必要に採用されてしまうことが抑制 されて、 ブレーキシステム 1に生じるブレーキ力の適切化の確実性が更 向上される。

【 0 0 4 8】 好ましくは、 実測車体速度 V b mは、 モータサイクル 1 0 0の車輪 (つまり、 車輪 1 0 1及び車輪 1 0 1以外の車輪) 以外の部分の速度情報 I V sに基づいて取得される。 その ため、 ブレーキシステム 1 に生じるブレーキ力の適切化のために、 ブレーキシステム 1 に 速度センサを追加することの必要性を低減す ることが可能となって、 ブレーキシステム 1 のコス ト个生等が向上する。

【 0 0 4 9】

好ましくは、 モータサイクル 1 0 0が減速する際に、 アンチロックブレーキ制御が実行 される。 アンチロックブレーキ制御では、 車輪 1 0 1に生じるス リ ップの変化に応じて、 モータサイクル 1 0 0の実際の車体速度 V b aに対する推定車体速度 V b eの差が変化す ることの影響がより深刻である。 つま り、 上述のブレーキ力の制御は、 アンチロ ックブレ ーキ制御が実行される場合において、 特に有用である。

【 0 0 5 0】

<変形例>

実測車体速度 V b mは、 モータサイクル 1 0 0の車輪 1 0 1以外の車輪の速度情報 I V sを検出する補助速度センサ 3 2の検出結果に基づいて取得されてもよい。 補助速度セン サ 3 2は、 車輪 1 0 1以外の車輪の回転数を検出するものであっ もよく、 また、 車輪 1 0 1以外の車輪の回転数に換算可能な他の物理 を検出するものであってもよい。 例えば 、 実測車体速度取得部 4 2は、 補助速度センサ 3 2で検出される車輪 1 0 1以外の車輪の 回転数を、 周速度 V w sに換算し、 その周速度 V w sを実測車体速度 V b mとして取得し てもよく、 また、 その周速度 V w sに所定の演算を施したものを実測車体速度 V b mとし て取得してもよい。 つまり、 実測車体速度 V b mは、 種々の公知な手法によって取得され れば'よい。

【 0 0 5 1 】

実測車体速度 V b mが、 モータサイクル 1 0 0の車輪 1 0 1以外の車輪の速度情報 I V s に基づいて取得される場合には、 例えば、 車輪 1 0 1及び車輪 1 0 1以外の車輪の両方 のスリ ップ率を監視するために補助速度センサ 3 2が既設されている場合等において、 ブ レーキシステム 1 に生じるブレーキ力の適切化のために、 ブレーキシステム 1 に速度セン サを追加することの必要性を低減することが 可能となって、 ブレーキシステム 1 のコス ト 性等が向上する。

【符号の説明】

【 0 0 5 2】

1 ブレーキシステム、 1 1 マスタシリ ンダ、 1 2 ホイールシリ ンダ、 1 3 主流 路、 1 4 副流路、 1 5 込め弁、 1 6 弛め弁、 1 7 アキュムレータ、 1 8 ポンプ 、 2 0 液圧制御ユニッ ト、 2 1 基体、 2 2 制御装置、 3 1 車輪速度センサ、 3 2 補助速度センサ、 4 1 推定車体速度取得部、 4 2 実測車体速度取得部、 4 3 補正 車体速度取得部、 4 4 ブレーキ力制御実行部、 1 0 0 モータサイクル、 1 0 1 車輪 、 T 基準時間、 V b a 実際の車体速度、 V b e 推定車体速度、 V b m 実測車体速 度、 V b c 補正車体速度。