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Patent Searching and Data


Title:
CONTROLLER OF CLUTCH
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/122599
Kind Code:
A1
Abstract:
A hydraulic pressure command value used for slip control of the lockup clutch in a torque converter (4) is calculated from a feed forward hydraulic pressure value calculated by an FF value calculation means (21), and a feedback hydraulic pressure value calculated by a feedback value calculation means (22). When the feedback hydraulic pressure value is calculated, a deviation of difference judging means (14) judges whether the difference of an actual differential rotation and a target differential rotation deviates from a predetermined range or not, and if it deviates from a predetermined range, a feedback value correction means (23) calculates a correction value and corrects that feedback hydraulic pressure value. Since stability is assured without causing overshoot by converging the actual differential rotation to the target differential rotation with good response if the difference deviates from a predetermined range, and performing normal feedback control when the difference falls within the predetermined range, slip control of good response can be attained while assuring stability even if an engine is in high r.p.m., and high torque state.

Inventors:
NAGAMI KIYOSHI (JP)
UMEMURA YOSHIO (JP)
HASHIZUME MAKOTO (JP)
KATO TAKASHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/065322
Publication Date:
October 08, 2009
Filing Date:
August 27, 2008
Export Citation:
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Assignee:
AISIN AW CO (JP)
NAGAMI KIYOSHI (JP)
UMEMURA YOSHIO (JP)
HASHIZUME MAKOTO (JP)
KATO TAKASHI (JP)
International Classes:
F16H61/14; F16H59/24; F16H59/46
Foreign References:
JPH0953719A1997-02-25
JPH0828685A1996-02-02
JPH0960719A1997-03-04
JPH10246322A1998-09-14
Attorney, Agent or Firm:
CHIKASHIMA, Kazuo (JP)
近島 One husband (JP)
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Claims:
 エンジンの出力軸と自動変速機構の入力軸との間に配置されたクラッチの係合状態を油圧指令値に基づき油圧制御してスリップ制御するクラッチの制御装置において、
 前記エンジンの出力軸の回転数と前記自動変速機構の入力軸の回転数との実差回転を検出する実差回転検出手段と、
 前記エンジンの出力軸の回転数と前記自動変速機構の入力軸の回転数との目標差回転を設定する目標差回転設定手段と、
 前記実差回転と前記目標差回転との偏差からフィードバック油圧値を算出するフィードバック値算出手段と、
 前記実差回転と前記目標差回転との偏差が所定範囲外であるか否かを判定する偏差範囲外判定手段と、
 前記偏差範囲外判定手段により前記偏差が前記所定範囲外であることが判定された際、補正値を設定して前記フィードバック油圧値を該補正値により補正するフィードバック値補正手段と、
 前記補正値により補正されたフィードバック油圧値に基づき前記油圧指令値を生成する油圧指令手段と、を備えた、
 ことを特徴とするクラッチの制御装置。
 前記フィードバック値補正手段は、前記偏差が前記所定範囲外であることが判定されて前記補正値を設定する際、前記フィードバック値算出手段により前記フィードバック油圧値を算出する毎に、前回の補正値に今回の補正値を加算させて該補正値を設定してなる、
 ことを特徴とする請求項1記載のクラッチの制御装置。
 前記フィードバック値補正手段は、前記自動変速機構の入力軸の回転数が高くなるほど前記今回の補正値が大きくなるように設定する、
 ことを特徴とする請求項2記載のクラッチの制御装置。
 前記自動変速機構の入力軸の回転数と前記目標差回転と前記エンジンの出力トルクとに基づきフィードフォワード油圧値を算出するフィードフォワード値算出手段を備え、
 前記油圧指令手段は、前記フィードフォワード油圧値と前記補正値により補正されたフィードバック油圧値とを加算して前記油圧指令値とする、
 ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか記載のクラッチの制御装置。
 前記偏差範囲外判定手段により前記偏差が前記所定範囲外から前記所定範囲内に収まったことが判定された際に設定されていた前記補正値を、前記フィードフォワード値算出手段により算出される次回のフィードフォワード油圧値に反映させるフィードフォワード値学習手段を備えた、
 ことを特徴とする請求項4記載のクラッチの制御装置。
Description:
クラッチの制御装置

 本発明は、例えば車輌に搭載されるトル コンバータのロックアップクラッチや流体 動装置を用いない発進装置等におけるクラ チの制御装置に係り、特にクラッチをスリ プ状態に維持するスリップ制御を行うもの 制御装置に関する。

 一般に、車輌等に搭載される自動変速機 は、車輌の停止時ないし発進時にエンジン トップを防止するため、エンジンの出力回 と自動変速機構の入力回転との差回転を吸 しつつ動力伝達を行うトルクコンバータ等 流体伝動装置が備えられている。このよう 流体伝動装置には、車輌が発進した後にあ ては回転伝達ロスが生じるため、燃費向上 の観点から、エンジンの出力軸と自動変速 構の入力軸と(即ちポンプインペラとタービ ンランナ)をロックアップし得るロックアッ クラッチが設けられているものが主流にな つつある。

 また、上記ロックアップクラッチの係合 御にあっては、単にロックアップを行うだ でなく、ロックアップのオン/オフの過渡期 等に、燃費向上と乗り心地(係合ショック低 )との両立を図るためにスリップ状態を維持 る、いわゆるスリップ制御が行われている このスリップ制御にあっては、エンジン振 の伝達低減や伝達トルクの変動防止の観点 ら、エンジンの出力軸と自動変速機構の入 軸との差回転が所望の目標差回転となるよ に、そのスリップ量を供給油圧の制御によ コントロールすることが好ましいが、特に 転者によるアクセル操作が常に一定である は限らず、このようにエンジントルクが変 する場合には、簡単なフィードバック制御 けで目標通りのスリップ量に制御すること 難しいという問題がある。

 そこで、目標差回転と実際の差回転とに づくフィードバック値を演算するだけでな 、エンジントルクに応じたフィードフォワ ド値も算出し、それらフィードフォワード とフィードバック値とを加算した値を用い スリップ制御を行うものが提案されている( 日本国特許第2985102号公報参照)。また、過渡 転状態等を外乱とした特性変化を高次の関 で近似し、応答性と安定性とに関する2つの 重み付け関数の定数の設計を最適化したH∞ ントローラを用いてスリップ制御を行うも も提案されている(日本国特許第3098667号公報 参照)。

 ところで、近年、上記ロックアップクラ チのスリップ制御は、上述のようなロック ップのオン/オフの過渡期だけでなく、自動 変速機構の変速時における変速ショック低減 等のため、よりエンジンの高回転数・高トル クの領域でのスリップ制御が要求されるよう になっている。

 しかしながら、このようなエンジンの高 転数・高トルクの領域にあっては、回転数 動やトルク変動に基づく油圧値に対しての 差回転の感度が低回転数・低トルクの領域 り比較的小さいため、上述の特許文献1や特 許文献2のものを用いてスリップ制御を行っ としても、エンジンの出力変動の状況によ ては、目標のスリップ量に収束するまでに 秒程度の時間を必要としてしまい、実用性 欠けるという問題があった。そのため、エ ジン回転数が所定の回転数以上或いは所定 出力トルク以上である場合には、スリップ 御を禁止して、例えば高速段に移行してエ ジンが低出力状態となった後に、スリップ 御やロックアップを行うように構成するこ が実情であった。

 そこで本発明は、エンジンが高回転数・ トルクの状態であっても、応答性が良く、 つ安定性を確保したスリップ制御を可能に るクラッチの制御装置を提供することを目 とするものである。

 本発明は(例えば図1乃至図10参照)、エンジ (2)の出力軸(3a)と自動変速機構(5)の入力軸(5a) との間に配置されたクラッチ(7)の係合状態を 油圧指令値(P SLU )に基づき油圧制御してスリップ制御するク ッチの制御装置(1)において、
 前記エンジン(2)の出力軸(3a)の回転数(Ne)と 記自動変速機構(5)の入力軸(5a)の回転数(Nt)と の実差回転(Ns)を検出する実差回転検出手段(1 2)と、
 前記エンジン(2)の出力軸(3a)の回転数(Ne)と 記自動変速機構(5)の入力軸(5a)の回転数(Nt)と の目標差回転(TgNs)を設定する目標差回転設定 手段(13)と、
 前記実差回転(Ns)と前記目標差回転(TgNs)との 偏差(e)からフィードバック油圧値(P FB )を算出するフィードバック値算出手段(22)と
 前記実差回転(Ns)と前記目標差回転(TgNs)との 偏差(e)が所定範囲(A≧e≧B)外であるか否かを 定する偏差範囲外判定手段(14)と、
 前記偏差範囲外判定手段(14)により前記偏差 (e)が前記所定範囲(A≧e≧B)外であることが判 された際、補正値(P FBir )を設定して前記フィードバック油圧値(P FB )を該補正値(P FBir )により補正するフィードバック値補正手段(2 3)と、
 前記補正値(P FBir )により補正されたフィードバック油圧値(P FB )に基づき前記油圧指令値(P SLU )を生成する油圧指令手段(11)と、を備えた、
 ことを特徴とする。

 これにより、フィードバック値補正手段 、実差回転と目標差回転との偏差が所定範 外であることが判定された際、補正値を設 してフィードバック油圧値を該補正値によ 補正するので、実差回転が目標差回転に対 て所定範囲外である際は、所定範囲内に収 るまでフィードバック油圧値が補正され、 速に実差回転を目標差回転に近づけること でき、実差回転が目標差回転に対して所定 囲内に収まると、フィードバック値算出手 による通常のフィードバック制御に移行さ 、つまりオーバーシュートすることなく、 定性を確保することができる。これにより 例えばエンジンの高回転数・高トルクの領 にあっても、迅速性及び安定性を両立する とができ、実用に耐え得るスリップ制御を 能とすることができる。

 また、本発明は(例えば図1、図2、及び図5参 照)、前記フィードバック値補正手段(23)は、 記偏差(e)が前記所定範囲(A≧e≧B)外である とが判定されて前記補正値(P FBir )を設定する際、前記フィードバック値算出 段(22)により前記フィードバック油圧値(P FB )を算出する毎に、前回の補正値に今回の補 値を加算させて該補正値(P FBir )を設定してなる、
 ことを特徴とする。

 これにより、フィードバック値補正手段 、偏差が所定範囲外であることが判定され 補正値を設定する際、フィードバック値算 手段によりフィードバック油圧値を算出す 毎に、前回の補正値に今回の補正値を加算 せて該補正値を設定するので、補正値が累 され、つまり油圧指令値に対して上昇又は 降の勾配を与えることができる。

 具体的には、本発明は(例えば図1、及び図6 照)、前記フィードバック値補正手段(23)は 前記自動変速機構(5)の入力軸(5a)の回転数(Nt) が高くなるほど前記今回の補正値(P FBir )が大きくなるように設定する、
 ことを特徴とする。

 これにより、フィードバック値補正手段 、自動変速機構の入力軸の回転数が高くな ほど今回の補正値が大きくなるように設定 るので、スリップ制御における応答性(迅速 性)を良好にすることができる。

 また、本発明は(例えば図1、図2、図3、及び 図4参照)、前記自動変速機構(5)の入力軸(5a)の 回転数(Nt)と前記目標差回転(TgNs)と前記エン ン(2)の出力トルク(Te)とに基づきフィードフ ワード油圧値(P FF )を算出するフィードフォワード値算出手段(2 1)を備え、
 前記油圧指令手段(11)は、前記フィードフォ ワード油圧値(P FF )と前記補正値(P FBir )により補正されたフィードバック油圧値(P FB )とを加算して前記油圧指令値(P SLU )とする、
 ことを特徴とする。

 これにより、油圧指令手段は、フィード ォワード油圧値とフィードバック油圧値と 加算して油圧指令値とするので、より迅速 実差回転を目標差回転に追従させることが きる。

 さらに、本発明は(例えば図1、図2、図3、図 8参照)、前記偏差範囲外判定手段(14)により前 記偏差(e)が前記所定範囲外から前記所定範囲 (A≧e≧B)内に収まったことが判定された際に 定されていた前記補正値(P FBir )を、前記フィードフォワード値算出手段(21) より算出される次回のフィードフォワード 圧値(P FF )に反映させるフィードフォワード値学習手 (24)を備えた、
 ことを特徴とする。

 これにより、フィードフォワード値学習 段が、偏差範囲外判定手段により偏差が所 範囲外から所定範囲内に収まったことが判 された際に設定されていた補正値を、フィ ドフォワード値算出手段により算出される 回のフィードフォワード油圧値に反映させ ので、油圧指令値が学習されたフィードフ ワード油圧値に沿ってスリップ制御当初か 偏差が所定範囲内に収まる値となるため、 標差回転に対する実差回転の追従性を大幅 向上することができる。

本発明に係るクラッチの制御装置を示 ブロック図。 本発明に係るコントローラ示す制御ブ ック図。 本スリップ制御のメインフローチャー 。 フィードフォワード油圧値計算のサブ ーチンを示すフローチャート。 積分補正油圧値計算のサブルーチンを すフローチャート。 補正値マップを示す図。 フィードバックコントローラの周波数 答を示す図で、(a)はエンジントルクを変化 せた場合の図、(b)はタービン回転数を変化 せた際の図。 学習値計算のサブルーチンを示すフロ チャート。 本発明に係るスリップ制御の一例を示 タイムチャート。 本発明を適用し得るロックアップクラ ッチ及びその油圧回路の一部を示す説明図。

 以下、本発明に係る実施の形態を図1乃至 図10に沿って説明する。

 まず、本発明を適用し得るロックアップ ラッチ付のトルクコンバータ及びその油圧 御回路の概略構成について図1を参照しつつ 図10に沿って説明する。図1に示すように、エ ンジン2に接続される自動変速機3は、大まか 、トルクコンバータ4、自動変速機構5、油 制御装置6から構成されており、エンジン2の 出力軸と自動変速機構5の入力軸との間に該 ルクコンバータ4が介在されて構成されてい 。

 上記トルクコンバータ4は、図10に示すよ に、自動変速機3としての入力軸3a(即ちエン ジン2の出力軸)に接続されたポンプインペラ4 aと、作動流体を介して該ポンプインペラ4aの 回転が伝達されるタービンランナ4bと、それ の間に配設され、不図示のケースに支持さ たワンウェイクラッチにより一方向に回転 規制されるステータ4cと、を有しており、 タービンランナ4bは、上記入力軸3aと同軸上 配設された上記自動変速機構5としての入力 軸5aに接続されている。また、該トルクコン ータ4には、本発明の要部となるロックアッ プクラッチ7が備えられており、自動変速機3 しての入力軸3aと自動変速機構5としての入 軸5aとの間に配置された該ロックアップク ッチ7が詳しくは後述するように油路4d,4eに 給される油圧に基づき係合されると、それ 入力軸3aと入力軸5aとが係合される。

 なお、入力軸5aに伝達された回転は、自 変速機構5によって走行状態に応じて変速又 逆回転されて、ディファレンシャル装置を して駆動輪(不図示)に伝達される。本発明 係る自動変速機構5としては、多段式の自動 速機やベルト式の無段変速装置(CVT)等、ど ようなものであっても使用することができ 。

 自動変速機3の油圧制御装置6には、例えば ンプインペラ4aに連結されたオイルポンプ( 図示)が備えられており、該オイルポンプで 生された油圧は、同じく図示を省略したプ イマリレギュレータバルブ及びセカンダリ ギュレータバルブにより、スロットル開度 基づきライン圧P L 及びセカンダリ圧Psecに調圧される。また、 ロックアップクラッチ7を制御するためのリ アソレノイドバルブSLUには、不図示のモジ レータバルブ等によってライン圧P L が一定圧に調圧されたモジュレータ圧P MOD が元圧として供給される。

 例えば発進時など、制御部10がロックアッ のOFFを判定している状態では、油圧指令手 11の電気的指令に基づきリニアソレノイドバ ルブSLUがOFFされ、その出力ポートSLUaから油 a1,a2に制御圧P SLU が出力されず、ロックアップリレーバルブ42 、OFFの位置(図10中左半位置)となる。すると 、ポート42fに入力されているセカンダリ圧Pse cは、ポート42dから出力され、油路c1を介して ロックアップOFF用油路4dからトルクコンバー 4内に供給される。こうして供給されたセカ ンダリ圧Psecによって、空間4Aの油圧が空間4B 油圧を上回り、ロックアップクラッチ7は図 中右方側に押圧されて解放状態となる。また 、トルクコンバータ4内に供給されたセカン リ圧Psecは、ポンプインペラ4aとタービンラ ナ4bとの流体伝動を行いつつ該トルクコンバ ータ4内を循環し、ロックアップON用油路4eか 排出され、ポート42cに戻されてドレーンポ トEXより排出される。

 一方、例えば車輌の定常走行時など、制御 10がロックアップのONを判定すると、詳しく は後述するように、油圧指令手段11の電気的 令に基づきリニアソレノイドバルブSLUがON れ、その出力ポートSLUaから油路a1,a2に制御 P SLU が調圧されつつ出力される。すると、ロック アップリレーバルブ42は、ONの位置(図10中右 位置)となると共に、油室43bに入力される該 御圧P SLU に基づきロックアップコントロールバルブ43 コントロールされる。この状態では、ロッ アップリレーバルブ42のポート42aに入力さ ているライン圧P L がポート42cから油路c2を介してロックアップO N用油路4eに供給される。こうして供給された ライン圧P L によって、空間4Bの油圧が空間4Aの油圧を上 り、ロックアップクラッチ7は図中左方側に 圧されて徐々に係合状態となる。

 詳細には、トルクコンバータ4内に供給され たライン圧P L は、ロックアップクラッチ7の係合に伴い、 々に流れが止められていき、さらにロック ップOFF用油路4d、油路c1、ポート42d、ポート4 2eを介してポート43aに連通する空間4Aは、ロ クアップコントロールバルブ43の制御圧P SLU に基づくコントロールによってポート43cから 排出される油圧が調圧される。つまりリニア ソレノイドバルブSLUからの制御圧P SLU によって、ロックアップクラッチ7が隔てる2 の空間4A,4Bの差圧がコントロールされて、 ロックアップクラッチ7の係合状態がスリッ 状態ないし完全係合状態に制御される。

 つづいて、本発明の要部となるロックア プクラッチの制御装置(クラッチの制御装置 )1について、図1乃至図9に沿って説明する。

 図1に示すように、本ロックアップクラッ チの制御装置1は、自動変速機3に接続された 御部10を有しており、該制御部10は、油圧指 令手段11、実差回転検出手段12、目標差回転 定手段13、偏差範囲外判定手段14、及びコン ローラ20を備えて構成されている。また、 ントローラ20には、フィードフォワード(以 、「FF」ともいう)値マップ21aを有するFF値算 出手段(FFコントローラ)21、フィードバック( 下、「FB」ともいう)値算出手段(FBコントロ ラ)22、補正値マップ23aを有するFB値補正手段 23、FF値学習手段24を備えて構成されている。

 また、制御部10には、上記タービンラン 4bの回転数Nt、つまり自動変速機構5の入力軸 5aの回転数を検出するタービン回転数(入力軸 )センサ31が接続されていると共に、エンジン 2からエンジントルク(エンジンの出力トルク) Teとエンジン回転数(エンジンの出力軸の回転 数)Neとがそれぞれ信号として入力される。な お、タービン回転数Ntは、自動変速機構5の出 力軸(不図示)の回転数を検出してギヤ比等か 算出してもよく、また、エンジン回転数Ne 、自動変速機3に入力軸回転数センサを設け 等して検出してもよい。

 上記実差回転検出手段12は、上記エンジ 回転数Neからタービン回転数Ntを減算して、 際の差回転数(実差回転数)Nsを検出する。ま た、目標差回転設定手段13は、走行状態(即ち エンジントルクTe、タービン回転数Ntなど)か 、目標とする差回転数(目標差回転数)TgNs、 まりロックアップクラッチ7の目標となるス リップ回転数差(例えば50~100rpm)を設定する。 して、上記偏差範囲外判定手段14は、上記 差回転数と上記目標差回転数との偏差eを演 し、その偏差eが後述する所定値A(例えば+50r pm)以下でかつ所定値B(-50rpm)以上の所定範囲(A e≧B)外であるか否かを判定する。

 ついで、スリップ制御油圧の油圧指令値の 算に沿って上記コントローラ20について詳 説明する。例えば制御部10において、走行状 態に基づきロックアップクラッチ7のスリッ 制御が判断されると、図3に示すメインフロ チャートが開始され(S10)、図4に示すFF油圧 計算ルーチンS20に進み、FF値算出手段21によ FF油圧値P FF の算出を開始する(図4のS21)。

 すると、該FF値算出手段21は、まずエンジン 2からのエンジントルクTeの信号、タービン回 転数センサ31からのタービン回転数Ntの信号 目標差回転設定手段13からの目標差回転数TgN sの信号を取得する(S22)。続いて、詳しくは後 述するFF値学習手段24から出力される学習値( 8参照)をFF値マップ21aに反映する(S23)。また 該FF値マップ21aには、例えばエンジントル Teの大きさ別に複数のマップが備えられてお り、該FF値算出手段21は、上記取得した各信 に応じて該FF値マップ21aから適したマップを 選択し(S24)、そのマップより上記タービン回 数Ntに対応して、ロックアップクラッチ7が 標差回転数TgNsとなるはずの油圧に制御する ための上記リニアソレノイドバルブSLUへの油 圧指令値のうちの、FF油圧値P FF を算出し(図2のS1参照)、終了する(S26)。

 このようにFF油圧値P FF が算出されると、図3に示すように、上記目 差回転数TgNsに対する実差回転数Nsの偏差を 出し(S30)、その後、制御部10は、FB油圧値P FB の算出を行うか否かを判定する(S40)。例えば リップ制御の開始時(ロックアップクラッチ 7の摩擦板が接触するまでのガタ詰め動作中) 運転者のアクセル操作に基づくエンジント クTe及びエンジン回転数Neの変化に応じて目 標差回転数TgNsが変化する過渡期にあっては フィードバック制御による追従性が低く、FB 油圧値P FB の演算を行っても効果が薄いので、FB油圧値P FB の算出は行わず(S40のNo)、FB油圧値P FB を0として(S90)、上記リニアソレノイドバルブ SLUに指令するスリップ制御油圧値P SLU を上述のように算出したFF油圧値P FF だけとして算出して生成する(S100)。

 一方、制御部10が、例えば目標差回転数TgNs 過渡期ではなくなり安定したことを判定す と、上記ステップS40において、FB油圧値P FB の算出を行うことを判定し(S40のYes)、ステッ S50に進む。すると、H∞(インフィニティ)制 を行うFBコントローラとしてのFB値算出手段 22は、H∞ノルムに基づき応答性と安定性を両 立するように定数が設定された制御式に基づ きFB油圧値(H∞制御油圧値)P FB を算出する(図2のS2参照)(例えば上記特許文献 2参照)。なお、本実施の形態では、FBコント ーラとしてH∞制御を行うものを一例として るが、これに限らず、例えばPID制御を行うF Bコントローラであってもよい。

 上述のようにFB油圧値P FB の算出が終了すると、図5に示す積分補正油 値計算ルーチンS60に進み、FB値補正手段23に る積分補正油圧値(補正値)P FBir の算出を開始する(図5のS61)。すると、まず偏 差範囲外判定手段14は、上述の目標差回転数T gNsと実差回転数Nsとの偏差eが所定値A(例えば+ 50rpm)以下でであるか否かを判定し(S62)、更に 偏差eが所定値A以下である場合は該偏差eが 定値B(例えば-50rpm)以上であるか否かを判定 (S63)、つまり偏差eが所定範囲内か所定範囲 かを判定する。

 上記偏差eが所定範囲(A≧e≧B)内にある場合 (S62No、S63のNo)、つまり実差回転Nsが目標差 転数TgNsにある程度収束している状態である で、FB値算出手段22によるFB制御だけで目標 回転数TgNsに収束して安定するはずであり、 逆に後述する積分補正油圧値P FBir を与えることによってFB制御の安定性が失わ てオーバーシュートしてしまう虞があるの 、積分補正油圧値P FBir を0にして(S66)、終了する(S68)。

 そして、図3に示すように、ステップS70では 、ステップS50において算出されたFB油圧値(H 制御油圧値)P FB に、何ら補正を加えず、その後、ステップS10 0において、上述のように算出したFF油圧値P FF とFB油圧値P FB とを加算したものを制御油圧値P SLU として生成し、油圧指令手段11によりリニア レノイドバルブSLUに指令し、リターンして( S110)次のルーチンに入る。

 一方、上記ステップS63,S64において、偏差 eが所定範囲(A≧e≧B)外にある場合にあっては 、FB値補正手段23が補正値マップ23aを参照し 、該偏差eが所定値A以上である場合は積分補 正油圧値Aを設定し(S64)、該偏差eが所定値B以 である場合は積分補正油圧値Bを設定する(S6 5)。

 即ち、偏差eが正方向の上限値である所定値 A以上である場合は(S62のYes)、実差回転数Nsが 標差回転数TgNs(例えば100rpm)に所定値A(例え +50rpm)を加算した値よりも更に大きな値(例え ば150rpm以上)であって、スリップ量が多すぎ ので、図6に示すように、制御油圧値P SLU を加算するため(プラス)の値の中から、ター ン回転数センサ31により検出されるタービ 回転数Ntの値に応じて対応する値を選択する 形で今回の積分補正油圧値Aを設定する。

 反対に、偏差eが負方向の下限値である所定 値B以下である場合は(S63のYes)、実差回転数Ns 目標差回転数TgNs(例えば100rpm)に所定値B(例 ば-50rpm)を減算した値よりも更に小さな値(例 えば50rpm以下)であって、スリップ量が少なす ぎるので、図6に示すように、制御油圧値P SLU を減算するため(マイナス)の値の中から、タ ビン回転数センサ31により検出されるター ン回転数Ntの値に応じて対応する値を選択す る形で今回の積分補正油圧値Bを設定する。

 なお、上記所定範囲を決める上限値とし の所定値Aと下限値としての所定値Bとの値 、絶対値として同じ値(例えば±50rpm)であっ もよく、また、それぞれ異なる値(例えば+80r pm~-30rpm等)であってもよく、さらに目標差回 TgNsの大きさに応じてその値を変更するよう してもよい。

 ところで、図7(a)に示すように、例えばター ビン回転数を一定(例えば1000rpm)にした状態で 、エンジントルクTeが異なる5段階のTe1,Te2,Te3, Te4,Te5における周波数応答を試験的に調べる 、特に周波数応答が安定する周波数領域に けるゲイン(制御油圧値P SLU /実差回転Ns)の変動幅が小さく、反対に図7(b) 示すように、例えばエンジントルクを一定( 例えば100Nm)にした状態で、タービン回転数Nt 異なる5段階のNt1,Nt2,Nt3,Nt4,Nt5における周波 応答を試験的に調べると、同様に周波数応 が安定する周波数領域におけるゲインの変 幅が大きいことから、タービン回転数Ntの変 化に対する依存性が大きいことが分かる。

 そこで、本実施の形態では、図6に示す補正 値マップ23aを、タービン回転数Ntの大きさが きくなるほど(Nta<Ntb<Ntc<Ntd<Nte<Ntf& lt;Ntg<Nth)積分補正油圧値A,Bが大きくなるよ に設定する。つまり、エンジントルクTeに じて積分補正油圧値P FBir を変更しても実差回転Nsへの応答性が鈍いが タービン回転数Ntが大きいほど積分補正油 値A,Bが大きくなるように変更することで、 差回転Nsへの反映が良好になり、スリップ制 御における応答性を良好にすることが可能に なる。

 このようにFB値補正手段23は、ステップS64,S6 5において今回の積分補正油圧値P FBir を設定すると、一回目は今回の積分補正油圧 値P FBir をそのまま積分補正油圧値P FBir とし、2回目以降、つまり図3に示すルーチン 繰り返してステップS50によりFB油圧値P FB を算出する毎に、前回の積分補正油圧値P FBir に今回の積分補正油圧値P FBir を加算したものを積分補正油圧値P FBir として算出し(S67)、終了する(図2のS3参照)。 お、このように前回の値に今回の値を加算 ることで補正値が積分的となり、つまり補 値が一定の値になるのではなく、所定の勾 が与えられた補正値となる。

 そして、FB値補正手段23は、図3に示すステ プS50において算出されたFB油圧値(H∞制御油 値)P FB に、図5に示す積分補正油圧値計算ルーチンS6 0により算出された積分補正油圧値P FBir を加算し、つまりFB油圧値P FB を積分補正油圧値P FBir で補正する(S70)。その後、ステップS100におい て、上述のように算出したFF油圧値P FF と、積分補正油圧値P FBir により補正されたFB油圧値P FB とを加算したものを制御油圧値P SLU として生成し、油圧指令手段11によりリニア レノイドバルブSLUに指令し、リターンして( S110)次のルーチンに入る。

 このように目標差回転数TgNsと実差回転数Ns の偏差eが所定範囲外である場合は、FB油圧 P FB が積分補正油圧値P FBir により補正されるので、該偏差eが所定範囲 向けて加速的に収束するようにロックアッ クラッチ7の制御油圧値P SLU が制御される。また、その後に偏差eが所定 囲内に収束すると、積分補正油圧値P FBir が0とされ、つまりFBコントローラとしてのFB 算出手段22による通常のフィードバック制 に移行されるので、オーバーシュートする となく、安定的に実差回転数Nsが目標差回転 数TgNsに収束される。

 ところで、本実施の形態においては、上述 ようにFB油圧値P FB 及び積分補正油圧値P FBir を算出し、FB油圧値P FB の補正を行った後、次回のルーチンにおける 図4のステップS23でFF油圧値P FF の学習を行うため、図8に示す学習値計算ル チンS80を行う。この学習値計算ルーチンを 始すると(S81)、まず、上記偏差範囲外判定手 段14により偏差eが所定範囲(A≧e≧B)内である 否かを判定し(S82)、所定範囲(A≧e≧B)外であ る場合は(S82No)、まだ実差回転数Nsが目標差回 転数TgNsに対して所定範囲内まで近づいてな 、上述の積分補正油圧値P FBir が変動するため、今回の学習値を0として(S86) 、前回に学習した学習値のままに維持し(S87) 終了する。即ち、次回のルーチンにおける 4のステップS23では学習値に変化がなく、特 にFF油圧値P FF の学習は行われない。

 その後、上述した積分補正油圧値P FBir によるFB油圧値P FB の補正も相俟って、上記偏差eが所定範囲(A≧ e≧B)内に収束すると、偏差範囲外判定手段14 より偏差eが所定範囲(A≧e≧B)内であること 判定され(S82のYes)、ステップS83に進む。つ いて、FF値学習手段24は、この偏差eが所定範 囲内に収束した際のFB油圧値P FB が所定FB値以上であるか否かを判定し、該所 FB値以上でないことが判定された場合は(S83 No)、誤差範囲のうちであって、その誤差分 FF油圧値P FF の学習に積み重ねると本来の値からズレを生 じる虞があるので、今回の学習値を0として(S 85)、前回に学習した学習値のままに維持し(S8 7)、次のステップS23においてFF油圧値P FF の学習を行わない。

 そして、上記ステップS83において、偏差eが 所定範囲内に収束した際のFB油圧値P FB が所定のFB値以上であることを判定した場合 (S83のYes)、そのFB油圧値P FB を今回の学習値として(S84)、前回に学習した 習値に今回の学習値を加算する(図2のS4参照 )。このため、次回のルーチンにおける図4の テップS23において、新たに今回の学習値がF F値マップ21aに反映され、つまりFF油圧値P FF の学習が行われる。これにより、例えば今回 学習した際の走行状態と同様な走行状態で次 のスリップ制御を行う際は、FF値マップ21aに づくFF油圧値P FF が、上記偏差eが所定範囲(A≧e≧B)内に収まる 値となり、つまりフィードフォワード制御だ けで実差回転数Nsが目標差回転数TgNsに近づい た状態になるはずであるので、さらにスリッ プ制御の応答性が向上される。

 ついで、以上説明した本ロックアップク ッチの制御装置1によるスリップ制御を、エ ンジン2の高回転数・高トルク出力の状態に ける一例として図9のタイムチャートに沿っ 説明する。例えば制御部10が時点t1において ロックアップクラッチ7の解放状態からスリ プ制御の開始を判断すると、上記目標差回 設定手段13による目標差回転数TgNsの設定が 始される。この時点t1においては、エンジン 回転数Neとタービン回転数Ntとが離れている め、目標差回転数TgNsは一旦大きな値に設定 れ、収束させたい目標差回転数に向けて時 t2まで所定の勾配で値が設定される。

 この時点t1から時点t2までの間は、目標差回 転数TgNsの過渡状態にあるので、制御油圧値P SLU の算出においてFF値算出手段21によるFF油圧値 P FF の算出だけ行われ(S20、S30、S40のNo、S90、S100) つまりFF制御だけによりロックアップクラ チ7が制御されて、それに基づき実差回転数N sが目標差回転数TgNsに近づけられる。

 時点t2になると、目標差回転数TgNsの安定状 となるので、上記FF制御に加えてFB値算出手 段22によるFB制御が開始され、例えばH∞制御 よりFB油圧値P FB が算出される(S40のYes、S50)。この際、目標差 転数TgNsと実差回転数Nsとの偏差eが所定値A 上であるので、偏差範囲外判定手段14により 該偏差eが所定範囲外であると判定され(S62のY es)、FB値補正手段23により積分補正油圧値P FBir が補正値マップ23a(図6参照)に基づき算出され (S64、S67)、FB油圧値P FB が正方向に積分補正油圧値P FBir により補正され、つまりロックアップクラッ チ7の係合が早められる。

 その後、時点t3になると、上記偏差eが所定 A未満となり、偏差範囲外判定手段14により 偏差eが所定範囲内であると判定され(S62のNo 、S63のNo)、積分補正油圧値P FBir が0とされ(S66、S67)、通常のFF制御とFB制御と 組み合わせによるスリップ制御に移行され と共に、FF値学習手段24が、該偏差eが所定範 囲内となる直前の積分補正油圧値P FBir により補正されたFB油圧値P FB を学習値として(S82のYes、S83のYes、S84、S87)、F F値マップ21aに反映させる(S23)。

 通常のFF制御とFB制御とによるスリップ制御 によってロックアップクラッチ7の係合が進 し、時点t4において、目標差回転数TgNsと実 回転数Nsとの偏差eが所定値B以下となると、 差範囲外判定手段14により該偏差eが所定範 外であると判定され(S63のYes)、FB値補正手段 23により積分補正油圧値P FBir が補正値マップ23a(図6参照)に基づき算出され (S65、S67)、FB油圧値P FB が負方向に積分補正油圧値P FBir により補正され、つまりロックアップクラッ チ7の係合が緩められる。

 このようにFB油圧値P FB がFB値補正手段23により補正されることで実 回転数Nsが迅速に目標差回転数TgNsに近づけ れ、時点t5において、上記偏差eが所定値B以 となると、偏差範囲外判定手段14により該 差eが所定範囲内であると判定され(S62のNo、S 63のNo)、積分補正油圧値P FBir が0とされ(S66、S67)、通常のFF制御とFB制御と 組み合わせによるスリップ制御に移行され 。また同様に、FF値学習手段24が、該偏差eが 所定範囲内となる直前の積分補正油圧値P FBir により補正されたFB油圧値P FB を学習値として(S82のYes、S83のYes、S84、S87)、F F値マップ21aに反映させる(S23)。

 以上説明したように本ロックアップクラッ の制御装置1によると、図9の時点t2~t3、時点 t4~t5に示すように、目標差回転数TgNsと実差回 転数Nsとの偏差eが所定範囲外である際は、FB 圧値P FB が積分補正油圧値P FBir により補正され、ロックアップクラッチ7の 合状態を制御するためのリニアソレノイド ルブSLUの制御油圧値P SLU が、従来の制御油圧値P SLU ’に比して応答性良く制御される。これによ り、目標差回転数TgNsに対する所定範囲内ま 収束する時間として、従来の実差回転数Ns’ 及びタービン回転数Nt’に示すように時間TB 費やしていたものが、実差回転数Ns及びター ビン回転数Ntに示すように時間TAとなり、圧 的に時間が短縮されて、つまり迅速に実差 転数Nsを目標差回転数TgNsに近づけることが きる。また、時点t3~t4、時点t5~t6の間のよう 、実差回転数Nsが目標差回転数TgNsに対して 定範囲内に収まると、通常のFF制御及びFB制 御に移行され、つまり補正の影響によってオ ーバーシュートすることなく、安定性が確保 される。従って、例えばエンジンの高回転数 ・高トルクの領域にあっても、迅速性及び安 定性を両立することができ、実用に耐え得る スリップ制御を可能とすることができる。

 また、FB値補正手段23が、偏差eが所定範囲 であることが判定されて積分補正油圧値P FBir を設定する際、FB値算出手段22によりFB油圧値 P FB を算出する毎に、前回の積分補正油圧値に今 回の積分補正油圧値を加算させて該積分補正 油圧値P FBir を設定するので、積分補正油圧値P FBir が累積され、つまり油圧指令値P SLU に対して上昇又は下降の勾配を与えることが できる。

 更に、FB値補正手段23が、図6に示すように タービン回転数Ntが高くなるほど今回の積分 補正油圧値P FBir が大きくなるように設定するので、スリップ 制御における応答性(迅速性)を良好にするこ ができる。

 また、FF値学習手段24が、偏差eが所定範囲 から所定範囲内に収まったことが判定され 際に設定されていた積分補正油圧値P FBir を、FF値算出手段21により算出される次回のFF 油圧値P FF に反映させるので、制御油圧値P SLU が学習されたFF油圧値P FF に沿ってスリップ制御当初から偏差eが所定 囲内に収まる値となるため、目標差回転数Tg Nsに対する実差回転数Nsの追従性を大幅に向 することができる。

 なお、以上説明した本実施の形態におい は、本クラッチの制御装置1をロックアップ クラッチ7のスリップ制御に適用したものを 明したが、これに限らず、例えばトルクコ バータを備えない発進装置の発進クラッチ おけるスリップ制御に適用しても良いこと 勿論である。

 本発明に係るクラッチの制御装置は、乗用 、トラック、バス、農機等に搭載される自 変速機のクラッチに用いることが可能であ 、特にエンジンの高回転数・高トルクの領 でのスリップ制御が要求されるロックアッ クラッチに用いて好適である。