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Title:
CONTROLLER OF INTERNAL COMBUSTION ENGINE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/026567
Kind Code:
A1
Abstract:
A controller of an internal combustion engine in which damage to an exhaust gas purification catalyst, and the like, is avoided surely when switching is made to fuel of different properties during an operation. In an internal combustion engine which can run on a fuel of alcohol and gasoline mixed at an arbitrary ratio, a throttle opening is limited when there is an oil supply record and fuel learning has not yet completed (step 104). The internal combustion engine can be prevented from entering such an operation region that fuel increment correction is performed by limiting a throttle opening. Consequently, air/fuel ratio feedback control can be prevented from stopping when the fuel is switched, and therefore the air/fuel ratio can be prevented surely from taking such an improper value as having a risk of damaging a catalyst.

Inventors:
KAWAI TAKASHI (JP)
SONODA YUKIHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/066614
Publication Date:
March 06, 2008
Filing Date:
August 28, 2007
Export Citation:
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Assignee:
TOYOTA MOTOR CO LTD (JP)
KAWAI TAKASHI (JP)
SONODA YUKIHIRO (JP)
International Classes:
F02D41/04; F02D19/08; F02D41/14; F02D43/00; F02D45/00; F02M37/00
Foreign References:
JP2004308540A2004-11-04
JP2000104600A2000-04-11
JPS63111254A1988-05-16
JP2004316523A2004-11-11
JPH11107834A1999-04-20
JP2000205393A2000-07-25
JP2004278449A2004-10-07
JPH055446A1993-01-14
JP2005098265A2005-04-14
JP2005090427A2005-04-07
JPH09324693A1997-12-16
Other References:
See also references of EP 2058494A4
Attorney, Agent or Firm:
TAKAHASHI, Hideki et al. (Takahashi & Partners5th Floor, Intec 88 Bldg.,20, Araki-ch, Shinjuku-ku Tokyo 07, JP)
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Claims:
 理論空燃比点の異なる多種の燃料によって運転可能な内燃機関を制御する装置であって、
 前記内燃機関の排気通路に設置され、排気ガスの空燃比に応じた出力を発する排気ガスセンサと、
 前記排気ガスセンサの出力に基づいて、空燃比フィードバック制御を行う空燃比フィードバック制御手段と、
 前記空燃比フィードバック制御において算出されるフィードバック補正値に基づいて、燃料の種類に起因する誤差を補正するための燃料学習を行う燃料学習手段と、
 燃料タンクへの給油を検知する給油検知手段と、
 前記給油検知手段によって給油が検知された場合に、その後の運転中において、前記燃料学習が完了するまで、前記内燃機関の吸入空気量を制限する空気量制限手段と、
 を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
 理論空燃比点の異なる多種の燃料によって運転可能な内燃機関を制御する装置であって、
 燃料タンクへの給油を検知する給油検知手段と、
 前記給油検知手段によって給油が検知された場合に、その後の運転中における、経過時間、走行距離、または積算燃料消費量を算出する算出手段と、
 前記算出された経過時間、走行距離、または積算燃料消費量が所定の判定値に達するまでの間、前記内燃機関の吸入空気量を制限する空気量制限手段と、
 を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
 理論空燃比点の異なる多種の燃料によって運転可能な内燃機関を制御する装置であって、
 燃料タンクまたは燃料経路に設置され、燃料性状を検出する燃料性状センサと、
 前記燃料性状センサによって検出される燃料性状が変化した場合に、前記内燃機関の吸入空気量を制限する空気量制限手段と、
 を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
 前記燃料性状センサによって検出される燃料性状が変化した場合に、その変化後の積算燃料消費量を算出する消費量算出手段を更に備え、
 前記空気量制限手段は、前記積算燃料消費量が所定の判定値に達するまで、吸入空気量を制限することを特徴とする請求項3記載の内燃機関の制御装置。
 前記判定値は、前記燃料性状センサの設置箇所からインジェクタ先端までの燃料通路内の燃料がすべて置換されるまで、吸入空気量の制限が継続されるような値に設定されていることを特徴とする請求項4記載の内燃機関の制御装置。
 前記積算燃料消費量が前記判定値に達した時点で、前記燃料性状センサによって検出された燃料性状に基づいて、燃料噴射量を補正する燃料噴射量補正手段を更に備えることを特徴とする請求項4または5に記載の内燃機関の制御装置。
Description:
内燃機関の制御装置

 本発明は、内燃機関の制御装置に関する

 サトウキビ、トウモロコシ、木材などか 抽出されるバイオ燃料であるアルコールを ソリンに混合した燃料(以下「アルコール含 有燃料」という)を自動車の燃料として利用 ることが促進されている。これに伴い、ア コール濃度(アルコール割合)の異なる多種の 燃料を使用可能なフレキシブル・フューエル ・ビークル(FFV)の研究開発が進められている

 ガソリンとアルコールとでは、理論空燃 点が異なる。すなわち、ガソリンの理論空 比が14.6程度であるのに対し、例えばエタノ ールの理論空燃比は9程度である。このため アルコール含有燃料の理論空燃比は、その ルコール濃度によって異なった値を示す。 って、使用される燃料がアルコール濃度の なるものに切り替えられた場合には、その 料の切り替わりに伴って、空燃比を変更す 必要が生ずる。

 一般に、内燃機関においては、排気ガス 空燃比に応じた出力を発する排気ガスセン の信号に基づいて、空燃比をフィードバッ 制御することが行われている。この空燃比 ィードバック制御の実行中であれば、燃料 アルコール濃度の異なるもの、つまり理論 燃比点の異なるものに切り替わった場合で っても、排気空燃比が理論空燃比となるよ に燃料噴射量が自動的に補正されるので、 題はない。

 しかしながら、排気浄化触媒の過熱を防 するための触媒保護増量や出力を高めるた の出力増量などの、燃料増量補正の実行中 は、空燃比フィードバック制御は停止され 。この空燃比フィードバック制御の停止中 、燃料の切り替わりが生ずると、燃料の切 替わりに伴う空燃比のずれがフィードバッ されないので、燃料噴射量の補正を行うこ ができない。このため、エミッションやド イバビリティが悪化するおそれがある。更 は、次のような問題もある。

 触媒保護増量は、触媒が過熱しそうな場 に、燃料の気化熱によって排気温度を下げ ために、空燃比が理論空燃比よりも小さく るように燃料噴射量を増量する補正である 今、ガソリン100%の燃料で運転中に触媒保護 増量が実施され、空燃比が12となるように計 された量の燃料が噴射されているものと想 する。そして、この触媒保護増量中に、燃 がアルコール濃度の高いもの(例えばアルコ ール濃度85%のもの)に切り替わったとする。 ルコール濃度の高い燃料にとって、空燃比12 は、理論空燃比よりリーンな空燃比である。 よって、この場合には、燃料の気化熱による 排気温度低下効果が弱まり、排気温度が上昇 する事態となる。その結果、触媒にダメージ を与えたり、最悪の場合には触媒が溶損する おそれがある。

 一方、特開平5-5446号公報には、空燃比を 正するための学習値をアルコール濃度別に め記憶しておくとともに、燃料タンクに設 したアルコール濃度センサによって燃料の ルコール濃度を検出することにより、給油 れた燃料のアルコール濃度に応じた学習値 選択して使用するようにした空燃比制御装 が開示されている。

日本特開平5-5446号公報

日本特開2005-98265号公報

日本特開2005-90427号公報

日本特開平9-324693号公報

 しかしながら、現在使用中の燃料とはア コール濃度が異なる燃料が燃料タンクに給 された場合であっても、インジェクタから 射される燃料がすぐに新しい燃料に切り替 る訳ではない。すなわち、上記従来の空燃 制御装置では、インジェクタから噴射され 燃料が実際に切り替わる時点を正確に知る とはできない。このため、上記の装置を用 たとしても、空燃比フィードバック制御の 止中に燃料の切り替わりが生じた場合には 上述した問題を回避することはできない。

 この発明は、上述のような課題を解決す ためになされたもので、運転中に燃料が性 の異なるものに切り替わった場合に、排気 化触媒等にダメージを与えることを確実に 避することのできる内燃機関の制御装置を 供することを目的とする。

 第1の発明は、上記の目的を達成するため、 理論空燃比点の異なる多種の燃料によって運 転可能な内燃機関を制御する装置であって、
 前記内燃機関の排気通路に設置され、排気 スの空燃比に応じた出力を発する排気ガス ンサと、
 前記排気ガスセンサの出力に基づいて、空 比フィードバック制御を行う空燃比フィー バック制御手段と、
 前記空燃比フィードバック制御において算 されるフィードバック補正値に基づいて、 料の種類に起因する誤差を補正するための 料学習を行う燃料学習手段と、
 燃料タンクへの給油を検知する給油検知手 と、
 前記給油検知手段によって給油が検知され 場合に、その後の運転中において、前記燃 学習が完了するまで、前記内燃機関の吸入 気量を制限する空気量制限手段と、
 を備えることを特徴とする。

 また、第2の発明は、理論空燃比点の異なる 多種の燃料によって運転可能な内燃機関を制 御する装置であって、
 燃料タンクへの給油を検知する給油検知手 と、
 前記給油検知手段によって給油が検知され 場合に、その後の運転中における、経過時 、走行距離、または積算燃料消費量を算出 る算出手段と、
 前記算出された経過時間、走行距離、また 積算燃料消費量が所定の判定値に達するま の間、前記内燃機関の吸入空気量を制限す 空気量制限手段と、
 を備えることを特徴とする。

 また、第3の発明は、理論空燃比点の異なる 多種の燃料によって運転可能な内燃機関を制 御する装置であって、
 燃料タンクまたは燃料経路に設置され、燃 性状を検出する燃料性状センサと、
 前記燃料性状センサによって検出される燃 性状が変化した場合に、前記内燃機関の吸 空気量を制限する空気量制限手段と、
 を備えることを特徴とする。

 また、第4の発明は、第3の発明において、
 前記燃料性状センサによって検出される燃 性状が変化した場合に、その変化後の積算 料消費量を算出する消費量算出手段を更に え、
 前記空気量制限手段は、前記積算燃料消費 が所定の判定値に達するまで、吸入空気量 制限することを特徴とする。

 また、第5の発明は、第4の発明において、
 前記判定値は、前記燃料性状センサの設置 所からインジェクタ先端までの燃料通路内 燃料がすべて置換されるまで、吸入空気量 制限が継続されるような値に設定されてい ことを特徴とする。

 また、第6の発明は、第4または第5の発明に いて、
 前記積算燃料消費量が前記判定値に達した 点で、前記燃料性状センサによって検出さ た燃料性状に基づいて、燃料噴射量を補正 る燃料噴射量補正手段を更に備えることを 徴とする。

 第1の発明によれば、理論空燃比点の異な る多種の燃料によって運転可能な内燃機関に おいて、燃料タンクへの給油が検知された場 合には、その後の運転中、空燃比フィードバ ック制御に伴う燃料学習が完了するまでは、 吸入空気量を制限することができる。燃料タ ンクへの給油が検知された場合には、その後 の運転中に、インジェクタからの噴射燃料が 理論空燃比点の異なる異種の燃料に切り替わ る可能性がある。燃料の切り替わりが生じた 場合に、空燃比フィードバック制御が実行さ れていれば、新しい燃料に応じて空燃比を適 正に補正することができるととともに、燃料 の違いに起因して必要となった補正量を燃料 学習値として学習することができる。しかし ながら、燃料学習が完了する前に、燃料増量 補正が実施され、これに伴って空燃比フィー ドバック制御が停止された場合には、燃料の 切り替わりが生じても、空燃比を新しい燃料 に適した値に補正することができない。この ため、燃料増量補正中の空燃比が不適正な値 になり、その結果、エミッションやドライバ ビリティが悪化したり、更には排気浄化触媒 を損傷したりするおそれがある。これに対し 、第1の発明によれば、燃料学習が完了する では、吸入空気量を制限することで、燃料 量補正が実施されるような運転領域に入る とを未然に防止することができる。よって エミッションやドライバビリティが悪化し り、排気浄化触媒が損傷したりすることを 実に防止することができる。

 第2の発明によれば、理論空燃比点の異な る多種の燃料によって運転可能な内燃機関に おいて、燃料タンクへの給油が検知された場 合に、その後の運転中、経過時間、走行距離 、または積算燃料消費量が所定の判定値に達 するまでの間、吸入空気量を制限することが できる。この判定値を適当な値に設定してお けば、経過時間、走行距離、あるいは積算燃 料消費量を監視することで、燃料学習の完了 を精度良く判定することができる。よって、 第2の発明によれば、第1の発明と同様の効果 得られる。

 第3の発明によれば、理論空燃比点の異な る多種の燃料によって運転可能な内燃機関に おいて、燃料タンクまたは燃料経路に設置さ れた燃料性状センサによって検出される燃料 性状が変化した場合に、内燃機関の吸入空気 量を制限することができる。これにより、燃 料が異種のものに切り替わる可能性のある場 合に、燃料増量補正が実施されるような運転 領域に入ることを未然に防止することができ る。よって、第1の発明と同様に、エミッシ ンやドライバビリティが悪化したり、排気 化触媒が損傷したりすることを確実に防止 ることができる。

 第4の発明によれば、燃料性状センサによ って検出される燃料性状が変化した後の積算 燃料消費量が所定の判定値に達するまで、吸 入空気量を制限することができる。この判定 値を適当な値に設定しておけば、インジェク タからの噴射燃料が新しい燃料に確実に切り 替わったと判断できる時点で、吸入空気量の 制限を解除することができる。つまり、第4 発明によれば、吸入空気量の制限を適切な イミングで解除することができる。

 第5の発明によれば、前記判定値を、燃料 性状センサの設置箇所からインジェクタ先端 までの燃料通路内の燃料がすべて置換される まで吸入空気量の制限が継続されるような値 に設定することができる。このため、吸入空 気量の制限を必要最小限の期間だけ、継続さ せることができる。

 第6の発明によれば、積算燃料消費量が前 記判定値に達した時点、すなわちインジェク タからの噴射燃料が新しい燃料に確実に切り 替わったと判断できる時点で、燃料性状セン サによって検出された燃料性状に基づいて、 燃料噴射量を補正することができる。このた め、燃料の切り替わりに伴って必要となる燃 料噴射量(空燃比)の補正を、適切なタイミン で実施することができる。

本発明の実施の形態1のシステム構成を 説明するための図である。 本発明の実施の形態1において内燃機関 に燃料を供給する燃料系統を模式的に示す図 である。 フィードバック補正値FAFの算出手法を 明するためのタイミングチャートである。 本発明の実施の形態1において実行され るルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態2において実行され るルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態3において内燃機関 に燃料を供給する燃料系統を模式的に示す図 である。 本発明の実施の形態3において実行され るルーチンのフローチャートである。

符号の説明

10 内燃機関
12 吸気通路
14 排気通路
18 スロットル弁
26 インジェクタ
30 点火プラグ
38 触媒
40 O 2 センサ
42 燃料タンク
44 燃料ポンプ
46 プレッシャレギュレータ
48 燃料パイプ
50 ECU
52 デリバリパイプ
54 アルコール濃度センサ

 以下、図面を参照してこの発明の実施の 態について説明する。なお、各図において 通する要素には、同一の符号を付して重複 る説明を省略する。

実施の形態1.
[システム構成の説明]
 図1は、本発明の実施の形態1のシステム構 を説明するための図である。図1に示すよう 、本実施形態のシステムは、車両に動力源 して搭載される内燃機関10を備えている。 燃機関10は、ガソリン、アルコール(エタノ ル、メタノールなど)、およびガソリンとア コールとの混合燃料(アルコール含有燃料) の何れでも運転可能であるものとする。

 本実施形態では、内燃機関10は直列4気筒 であるものとするが、本発明では、気筒数 よび気筒配置はこれに限定されるものでは い。図1には、内燃機関10の一つの気筒の断 が示されている。

 内燃機関10の各気筒には、吸気通路12およ び排気通路14が連通している。吸気通路12に 、吸入空気量GAを検出するエアフロメータ16 配置されている。エアフロメータ16の下流 は、吸入空気量を制御するスロットル弁18が 配置されている。スロットル弁18は、アクセ 開度等に基づいてスロットルモータ20によ 駆動される電子制御式のバルブである。ス ットル弁18の近傍には、スロットル弁18の開 (以下「スロットル開度」という)を検出す ためのスロットルポジションセンサ22が配置 されている。アクセル開度は、アクセルペダ ルの近傍に設けられたアクセルポジションセ ンサ24によって検出される。

 内燃機関10の各気筒には、吸気ポート11内 に燃料を噴射するためのインジェクタ26が配 されている。なお、内燃機関10は、図示の うなポート噴射式のものに限らず、燃料を 内に直接噴射する方式のものでもよい。

 内燃機関10の各気筒には、更に、吸気弁28 と、点火プラグ30と、排気弁32とが設けられ いる。

 内燃機関10のクランク軸34の近傍には、ク ランク軸34の回転角を検出するためのクラン 角センサ36が取り付けられている。クラン 角センサ36の出力によれば、クランク軸34の 転位置や機関回転数NEなどを検知すること できる。

 内燃機関10の排気通路14には、排気ガスを浄 化するための触媒38が設置されている。触媒3 8の上流側には、排気ガスの空燃比が理論空 比に対してリッチであるかリーンであるか 応じて急変する出力を発するO 2 センサ40が設置されている。

 更に、本実施形態のシステムは、ECU(Electr onic Control Unit)50を備えている。ECU50には、上 述した各種のセンサおよびアクチュエータが 接続されている。ECU50は、それらのセンサ出 に基づいて、内燃機関10の運転状態を制御 ることができる。

 図2は、内燃機関10に燃料を供給する燃料 統を模式的に示す図である。図2に示すよう に、本実施形態のシステムは、給油された燃 料を貯留する燃料タンク42を備えている。燃 タンク42内には、燃料ポンプ44と、プレッシ ャレギュレータ46とが設置されている。燃料 ンク42内の燃料は、燃料ポンプ44により加圧 され、プレッシャレギュレータ46により調圧 れた上で、燃料パイプ48を通り、内燃機関10 へと送られる。そして、デリバリパイプ52に り、各気筒のインジェクタ26に分配される

(本実施形態の基本制御)
 以下、本実施形態のシステムで実行される 本の空燃比制御について説明する。インジ クタ26からは、燃料噴射時間TAUに応じた量 燃料が噴射される。このため、ECU50は、イン ジェクタ26の燃料噴射時間TAUを制御すること より、燃料噴射量を制御する。燃料噴射時 TAUは、次式により算出される。
  TAU=α・TP・KT+β   ・・・(1)

 上記(1)式中、TPは基本噴射時間である。基 噴射時間TPは、エアフロメータ16で検出され 吸入空気量GA、機関回転数NE等に基づいて算 出される基本の燃料噴射量に対応する噴射時 間である。αは、触媒保護増量や出力増量な を行う場合の補正係数である。βは、イン ェクタ26の作動遅れを補正するための無効噴 射時間である。KTは、O 2 センサ40の出力をフィードバックするための ィードバック補正値FAFと、学習値KGとから る補正係数である。すなわち、補正係数KTは 、次式で表される。
  KT=FAF+KG   ・・・(2)

(空燃比フィードバック制御)
 図3は、フィードバック補正値FAFの算出手法 を説明するためのタイミングチャートである 。より具体的には、図3(a)は、O 2 センサ40の出力、図3(b)はフィードバック補正 値FAFの変化をそれぞれ示している。図3に示 ように、フィードバック補正値FAFは、空燃 フィードバック制御の実行中、1.0を中心と て周期的に変動するように算出される。以 、より詳しく説明する。

 図3中の時刻t1~t2において、O 2 センサ40の出力はリーン出力になっている。 れは、内燃機関10から排出される排気ガス 空燃比(以下「排気空燃比」という)が理論空 燃比よりリーンであることを示している。O 2 センサ40がリーン出力を示す間、フィードバ ク補正値FAFは、所定の傾きで徐々に増加方 に更新されていく。FAFが大きな値に更新さ ていくと、燃料噴射時間TAUが増加していく で、やがては排気空燃比がリーンからリッ へと変化する。これに応じて、O 2 センサ40の出力もリーン出力からリッチ出力 と変化する(時刻t2)。

 ECU50は、O 2 センサ40の出力がリーン出力からリッチ出力 と変化したことを検知すると、フィードバ ク補正値FAFを、まず、減少方向に大きくス ップさせる(時刻t2)。以後、FAFは、O 2 センサ40がリッチ出力を維持する限り、所定 傾きで徐々に減少方向に更新されていく。F AFが小さな値に更新されると、燃料噴射時間T AUが減少していくので、やがては排気空燃比 リッチからリーンへと変化する。これに応 て、O 2 センサ40の出力もリッチ出力からリーン出力 と変化する(時刻t3)。

 ECU50は、O 2 センサ40の出力がリッチ出力からリーン出力 と変化したことを検知すると、フィードバ ク補正値FAFを、まず、増加方向に大きくス ップさせる(時刻t3)。以後、FAFは、上述した ように、O 2 センサ40がリーン出力を維持する限り、所定 傾きで徐々に増加方向に更新されていく。

 空燃比フィードバック制御の実行中は、 上のような処理が繰り返されることにより フィードバック補正値FAFが、排気空燃比の 態に応じて増加と減少を繰り返す。また、F AFが増加と減少を繰り返すことにより、内燃 関10の空燃比は、理論空燃比の近傍に維持 れることになる。

 ECU50は、フィードバック補正値FAFの算出 合わせて、フィードバック補正値FAFを時間 に平均した平滑値FAFAVを算出する。空燃比フ ィードバック制御が理想的に機能している場 合は、フィードバック補正値FAFが1.0を中心と して変動するため、平滑値FAFAVは1.0となる。 ころが、エアフロメータ16やインジェクタ26 の個体差などの何らかの原因によって、空燃 比が理論空燃比よりリッチ側に偏る傾向があ る場合は、その傾向を相殺するために、FAFは 1.0より小さい値を中心として変動する。この 場合、FAFAVは1.0より小さな値となる。また、 燃比が理論空燃比よりリーン側に偏る傾向 ある場合は、FAFが1.0より大きな値を中心と て変動するため、FAFAVは1.0より大きな値と る。

 つまり、フィードバック補正値FAFの平滑 FAFAVと、基準値1.0との偏差(FAFAV-1.0)は、空燃 比を制御する上で定常的に存在している誤差 として把握することができる。そこで、ECU50 、そのような定常的な誤差を学習するべく (FAFAV-1.0)の値を定期的に学習値KGに繰り入れ る処理を実施する。

 上記の手法によれば、例えば内燃機関10 経時変化等により、理論空燃比よりもリッ 側あるいはリーン側に空燃比が偏る傾向が じた場合には、その傾向は学習値KGによって 相殺することができる。その結果、フィード バック補正値FAFを常に基準値1.0を中心として 変動させることができる。

(燃料学習)
 前述したように、燃料のアルコール濃度が なると、理論空燃比点が異なる。すなわち アルコール濃度が高いほど(100%アルコール 近いほど)、理論空燃比は小さくなり、アル ール濃度が低いほど(100%ガソリンに近いほ )、理論空燃比は大きくなる。よって、燃料 射量(空燃比)が同じであると、アルコール 度が高いほど、理論空燃比よりもリーン側 偏ることとなる。逆に、アルコール濃度が いほど、理論空燃比よりもリッチ側に偏る ととなる。

 このため、現在使用中の燃料と比べてア コール濃度の異なる燃料が給油されること より、内燃機関10で燃焼する燃料のアルコ ル濃度が変化した場合には、理論空燃比よ もリッチ側あるいはリーン側に空燃比が偏 傾向が生ずる。この場合であっても、その 向は、上記学習値KGによって相殺することが できる。このため、上述した空燃比フィード バック制御によれば、燃料のアルコール濃度 が変化した場合であっても、内燃機関10の空 比をその燃料の理論空燃比に追従させるこ ができる。

 本実施形態では、学習値KGのうち、内燃機 10の経時変化等に起因する空燃比の偏りを補 正するための通常学習値KGNと、燃料の種類( ルコール濃度)の違いに起因する空燃比の偏 を補正するための燃料学習値KGFとを区別し 算出することとしている。学習値KGには、 の学習値が含まれていてもよいが、本実施 態では上記の二つで構成されているものと る。すなわち、本実施形態での学習値KGは、 次式で表される。
  KG=KGN+KGF   ・・・(3)

 アルコール濃度の異なる燃料が燃料タン 給油されると、その後の運転中に、インジ クタ26から噴射される燃料のアルコール濃 が変化することとなる。よって、給油後の 転中に空燃比の偏りが生じた場合、すなわ 、フィードバック補正値FAFの平滑値FAFAVと、 基準値1.0との偏差(FAFAV-1.0)が生じた場合には その偏差は燃料のアルコール濃度変化に起 するものである可能性が高いと言える。そ で、給油後、しばらくの間に生じた偏差(FAF AV-1.0)については、これを燃料の変化に起因 るものであるとして、燃料学習値KGFに繰り むこととされる。

 上記のような燃料学習において、燃料学 値KGFがほぼ一定に近い値に収束した場合に 、燃料学習は完了できたと判断することが きる。よって、この後に空燃比の偏りが生 た場合には、その偏りは、内燃機関10の経 変化等の通常の原因によって生じたもので ると考えられる。そこで、燃料学習の完了 は、偏差(FAFAV-1.0)を通常学習値KGNに繰り込む こととされる。

(触媒保護増量)
 本システムは、触媒38の劣化や損傷を防止 るため、触媒38の温度が高くなり過ぎるおそ れのある場合には、触媒保護増量を実施する ようにしている。この触媒保護増量について 以下に説明する。

 本システムでは、定常運転時の触媒38の 束温度と、機関負荷および機関回転数NEとの 関係が予め調査されており、ECU50にマップと て記憶されている。ECU50は、そのマップ(以 「触媒収束温度マップ」という)と、現在の 機関負荷および機関回転数NEとに基づいて、 媒38の推定温度を常に算出している。そし 、触媒38の推定温度が所定の増量実施温度( 容温度)を超えた場合には、燃料の気化熱に って排気温度を下げて触媒38を保護するた 、触媒保護増量を実施する。

 触媒保護増量の実施時には、空燃比が理 空燃比よりもリッチになるように、燃料噴 量が増量される。一方、上述したフィード ック補正値FAFによる空燃比フィードバック 御は、空燃比を理論空燃比に追従させよう する制御である。よって、触媒保護増量の 施時には、干渉を避けるため、空燃比フィ ドバック制御は停止され、燃料噴射量(空燃 比)はオープンループ制御される。

 前述したように、燃料のアルコール濃度 よって、理論空燃比点は異なる。このため 触媒保護増量時の理想的な空燃比の値も、 料のアルコール濃度によって異なる。燃料 習が完了している場合であれば、触媒保護 量時の空燃比も、燃料学習値KGFによって、 正に補正することが可能である。

 しかしながら、インジェクタ26から噴射 れる燃料(以下「噴射燃料」という)がアルコ ール濃度の異なる燃料に切り替わった後、燃 料学習が完了していないうちに触媒保護増量 が実施された場合を想定すると、次のような 問題がある。

 今、インジェクタ26から実際に噴射され いる燃料が、ガソリン100%のものから、アル ール濃度の高いもの(例えばアルコール濃度 85%のもの)に切り替わった直後に、触媒保護 量が実施されたものとする。この場合には 燃料学習が未だ完了していないので、燃料 習値KGFは100%ガソリンに対応した値になって る。よって、この場合の触媒保護増量では 100%ガソリンの理論空燃比よりリッチな空燃 比(例えば12とする)となるように計算された の燃料がインジェクタ26から噴射される。し かしながら、インジェクタ26から実際に噴射 れている燃料は、アルコール濃度の高い燃 、すなわち理論空燃比点の低い燃料である このため、空燃比12で燃料が噴射されると 理論空燃比よりもリーンな空燃比で燃焼が されることとなる。その結果、燃料の気化 による排気温度低下効果が弱まるので、排 温度が上昇する事態となる。つまり、触媒38 の温度を低下させなければならない状況であ るにもかかわらず、触媒38の温度が上昇し続 てしまうため、触媒38にダメージを与えた 、最悪の場合には触媒が溶損するおそれが る。

 上記の事情は、噴射燃料が、100%ガソリン ではなく、アルコール濃度の低いものから、 アルコール濃度の高いものに切り替わった場 合にも同様である。

 また、上記と逆に、噴射燃料がアルコー 濃度の高いものからアルコール濃度の低い のに切り替わった直後に触媒保護増量が行 れた場合には、空燃比がリッチになり過ぎ こととなり、燃焼状態やエミッションが悪 することとなる。

 また、スロットル全開時に実施される出 増量など、触媒保護増量以外の燃料増量補 が実施された場合にも、同様の事態が生じ る。ただし、以下の説明では、触媒保護増 の場合を中心に記述する。

[実施の形態1の特徴]
 上述したような問題を回避するため、本実 形態では、燃料タンク42への給油があった 合には、その後の運転中において、燃料学 が完了するまでは、吸入空気量(スロットル 度)を制限する制御を実行することとした。 この制御によれば、触媒38の温度が過度に上 することを未然に防止することが可能であ 。よって、触媒保護増量の実施を回避する とができるので、上述したような問題が生 ることを確実に防止することができる。

[実施の形態1における具体的処理]
 図4は、上記の機能を実現するために本実施 形態においてECU50が実行するルーチンのフロ チャートである。本ルーチンは、所定時間 に繰り返し実行されるものとする。図4に示 すルーチンによれば、まず、給油があったこ とを示す給油履歴の有無が判別される(ステ プ100)。本実施形態では、燃料タンク42に設 られたセンダーゲージ(レベルゲージ)、内燃 機関10を搭載した車両のフューエルリッド、O RVR(Onboard Refueling Vapor Recovery)システム(何れ 図示せず)などの状態に基づいて、給油がな されたことを検知するものとする。そして、 給油が検知された場合には、給油履歴が有り とされる。

 上記ステップ100で、給油履歴が無いと判 された場合には、インジェクタ26からの噴 燃料がアルコール濃度の異なるものに切り わる可能性はないと判断できる。よって、 の場合には、今回の処理サイクルがそのま 終了される。

 一方、上記ステップ100で、給油履歴が有 と判別された場合には、インジェクタ26か の噴射燃料がアルコール濃度の異なるもの 近いうちに切り替わるか、あるいは既に切 替わっている可能性があると判断できる。 こで、この場合には、次に、燃料学習が完 しているか否かが判別される(ステップ102)。 燃料学習の完了を判定する方法としては、例 えば、フィードバック補正値FAFの平滑値FAFAV 所定の判定値γにより定められる判定範囲 (1.0-γ≦FAFAV≦1.0+γ)に存在する時間が所定の 定時間τ以上継続した場合に、燃料学習が 了したものと判定することができる。

 上記ステップ102で、燃料学習が完了して ないと判別された場合には、スロットル開 を制限する制御が実行される(ステップ104) この制御においては、触媒38の温度が増量実 施温度に達することのないような範囲内に、 スロットル開度が制限される。具体的には、 前記触媒収束温度マップ上の触媒収束温度が 増量実施温度に一致するような機関負荷およ び機関回転数NEの曲線を求めておき、その曲 上の各点でのスロットル開度が上限スロッ ル開度とされる。そして、実際のスロット 開度が、その上限スロットル開度未満とな ように制限される。あるいは、触媒38の推 温度が増量実施温度より十分に低い範囲に る間はスロットル開度に特に制限を加えず 触媒38の推定温度が増量実施温度に近くなっ た場合に、スロットル開度を前記上限スロッ トル開度未満となるように制限するようにし てもよい。

 上記ステップ102の処理によれば、触媒38 温度(推定温度)が増量実施温度にまで上昇す ることを未然に回避することができる。よっ て、燃料学習の完了前に触媒保護増量が実施 されることを確実に回避することができる。 つまり、空燃比フィードバック制御が停止さ れることを確実に回避することができる。こ のため、前述したような問題が生ずることを 確実に防止することができる。

 噴射燃料が新しい燃料に切り替わった後 燃料学習制御が進行して、燃料学習が完了 ると、燃料学習値KGFが新しい燃料に適切に 応した値となる。よって、これ以降は、触 保護増量が実施されても、つまり空燃比フ ードバック制御が停止されても、新しい燃 に応じた適正な空燃比となるように燃料噴 量を算出することができる。このため、吸 空気量を制限する必要はなくなる。そこで 上記ステップ102で燃料学習が完了したと判 された場合には、まず、給油履歴が解除(給 油履歴無し)とされ(ステップ106)、次いで、上 記ステップ104によって行われていたスロット ル開度の制限が解除される(ステップ108)。

 なお、上記ステップ102の処理は、スロッ ル開度(吸入空気量)を制限するものであり 触媒保護増量自体の実行を禁止するもので ない。触媒保護増量自体の実行を禁止した すると、何らかの原因によって触媒38の温度 が万一過度に上昇した場合には、触媒38の温 を低下させることができなくなり、触媒38 損傷するおそれがある。これに対し、本実 形態では、そのような事態が生ずることは いので、触媒38をより確実に保護することが できる。

 また、図4に示すルーチンの処理によれば 、燃料学習完了前に、触媒保護増量以外の燃 料増量補正(出力増量など)が実施される領域 入ることを防止することもできる。よって 触媒38を確実に保護することができる。

 また、上記ステップ104では、スロットル 度を制限することで吸入空気量を制限して るが、吸入空気量を制限する手法はこれに 定されるものではない。例えば、吸気弁28 作用角やリフト量を連続的に可変とする可 動弁機構を備えた内燃機関の場合には、吸 弁28の作用角やリフト量を制限することで吸 入空気量を制限するようにしてもよい。

 ところで、本実施形態のシステムにおけ 燃料系統は、図2に示すように、内燃機関10 ら燃料タンク42への戻り通路を持たないリ ーンレスタイプのものである。このような ターンレスタイプの場合には、異種の燃料 給油された後も、燃料タンク42からインジェ クタ26までの燃料経路内に残存していた元の 料が消費されるまでの間は、噴射燃料が新 い種類のものに切り替わらない。つまり、 油後の運転再開直後の期間は、噴射燃料が しい種類のものに切り替わる可能性はない よって、上記ステップ104では、吸入空気量 制限をすぐに開始する必要はない。そこで インジェクタ26の燃料噴射量に基づいて給 後の積算燃料消費量を算出し、その積算燃 消費量が、噴射燃料が新しい種類のものに り替わる可能性のある値に達する時点まで 吸入空気量の制限の開始を延期するように てもよい。そのようにすれば、吸入空気量 制限される期間、すなわち内燃機関10の出力 が制限される期間を可能な限り短くすること ができる。

 一方、内燃機関10から燃料タンク42への戻 り通路を有するタイプ(以下「リターン有り イプ」という)の燃料系統である場合には、 料パイプ48やデリバリパイプ52内の燃料が運 転中は常に循環している。このため、給油後 に運転が再開されると、燃料パイプ48やデリ リパイプ52内の燃料がすぐに新しい種類の のに置換される。よって、給油後に運転が 開されると、まもなく、噴射燃料が新しい 類のものに切り替わることとなる。したが て、燃料系統がリターン有りタイプである 合には、給油後の運転再開後、吸入空気量 制限をすぐに開始することが好ましい。

 また、上述した実施の形態1においては、O 2 センサ40が前記第1の発明における「排気ガス センサ」に相当している。また、ECU50が、フ ードバック補正値FAFを算出する処理を実行 ることにより前記第1の発明における「空燃 比フィードバック制御手段」が、燃料学習値 KGFを算出する処理を実行することにより前記 第1の発明における「燃料学習手段」が、上 ステップ100の処理を実行することにより前 第1の発明における「給油検知手段」が、上 ステップ102~108の処理を実行することにより 前記第1の発明における「空気量制限手段」 、それぞれ実現されている。

 なお、本発明における空燃比フィードバッ 制御や燃料学習制御の方法は、上述した方 に限定されるものではなく、いかなる方法 あっても良い。また、O 2 センサ40に代えて、排気空燃比に応じたリニ な出力を発するA/Fセンサを排気ガスセンサ して用いるシステムや、排気ガスセンサを 数備えるシステムにも本発明を適用可能で る。

実施の形態2.
 次に、図5を参照して、本発明の実施の形態 2について説明するが、上述した実施の形態1 の相違点を中心に説明し、同様の事項につ ては、その説明を省略する。本実施形態は 実施の形態1と同様のシステム構成を用いて 、ECU50に、後述する図5に示すルーチンの処理 を実行させることにより、実現することがで きる。

 実施の形態1では、給油のあったことが検 知された場合、燃料学習が完了するまで、吸 入空気量を制限することとしていた。燃料学 習が完了するまでに要する時間は、内燃機関 10の運転状態によっても異なるが、極端に長 時間がかかることはほとんどない。このた 、給油後に運転が再開されてから、ある適 な時間が経過すれば、燃料学習が完了した のと推定することができる。そこで、本実 形態では、給油後に運転が再開されてから 経過時間が所定の判定時間に達した時点で 吸入空気量の制限を解除することとした。

[実施の形態2における具体的処理]
 図5は、上記の機能を実現するために本実施 形態においてECU50が実行するルーチンのフロ チャートである。本ルーチンは、所定時間 に繰り返し実行されるものとする。なお、 5において、図4に示すステップと同一のス ップには、同一の符号を付してその説明を 略または簡略化する。図5に示すルーチンは ステップ102がステップ112に置き換えられ、 テップ100とステップ112の間にステップ110が 入されていること以外は、図4に示すルーチ ンと同様である。

 図5に示すルーチンによれば、ステップ100 で給油履歴が有ると判別された場合には、次 に、給油後に内燃機関10の運転が再開されて らの経過時間が算出される(ステップ110)。 して、その経過時間が所定の判定時間に達 たか否かが否かが判別される(ステップ112)。 この判定時間は、燃料学習が完了している確 率が十分に高いと判断できるような時間とし て、予め設定されている。

 よって、ステップ112において、経過時間 判定時間に達していないと判別された場合 は、燃料学習が未だ完了していない可能性 あると判断できる。そこで、この場合には スロットル開度を制限する制御が実行され (ステップ104)。一方、ステップ112において 経過時間が判定時間に達したと判別された 合には、燃料学習が完了したと推定できる そこで、この場合には、まず、給油履歴が 除され(ステップ106)、次いで、上記ステップ 104によって行われているスロットル開度の制 限が解除される(ステップ108)。

 以上説明した図5に示すルーチンの処理に よれば、実施の形態1と同様の効果が得られ 。なお、図5に示すルーチンでは、給油後の 転再開後の経過時間によって燃料学習が完 したか否かを推定するようにしているが、 行距離や積算燃料消費量によっても、同様 して、燃料学習が完了したか否かの推定が 能である。すなわち、上記ステップ112では 給油後の運転再開後の走行距離あるいは積 燃料消費量がある適当な判定値に達したか かを判別し、その判定値に達した時点でス ットル開度の制限を解除するようにしても い。

 なお、上述した実施の形態2においては、 ECU50が、上記ステップ100の処理を実行するこ により前記第2の発明における「給油検知手 段」が、上記ステップ110の処理を実行するこ とにより前記第2の発明における「算出手段 が、112,104,106および108の処理を実行すること により前記第2の発明における「空気量制限 段」が、それぞれ実現されている。

実施の形態3.
 次に、図6および図7を参照して、本発明の 施の形態3について説明するが、上述した実 の形態との相違点を中心に説明し、同様の 項については、その説明を簡略化または省 する。

 図6は、本実施形態のシステムにおける燃 料系統を模式的に示す図である。図6に示す うに、本実施形態の燃料系統は、図2に示す 料系統と同様のリターンレスタイプである そして、燃料パイプ48の途中に、アルコー 濃度センサ54が設置されていること以外は、 図2に示す燃料系統と同じである。

 アルコール濃度センサ54は、燃料の導電 、誘電率、あるいは光透過率、屈折率など 計測することにより、燃料中のアルコール 度を検出可能な公知のセンサである。異種 燃料が給油され、燃料パイプ48を通過する燃 料のアルコール濃度が変化すると、アルコー ル濃度センサ54の出力が変化する。よって、 実施形態において、ECU50は、アルコール濃 センサ54の出力を常時監視することにより、 燃料の切り替わりを検知することができる。 なお、アルコール濃度センサ54は、デリバリ イプ52あるいは燃料タンク42などに設置され ていてもよい。

 燃料の理論空燃比点は、燃料のアルコー 濃度に応じて定まる。このため、燃料のア コール濃度から、その燃料を内燃機関10で 焼させる場合の理想的な空燃比の値を求め ことができる。よって、本実施形態では、EC U50は、燃料が切り替わる場合には、アルコー ル濃度センサ54により検出されたアルコール 度に基づいて、切り替わり後の燃料に適し 空燃比となるように、燃料噴射量を適正に 正することができる。

 しかしながら、アルコール濃度センサ54 よって燃料の切り替わりが検出された時点 は、アルコール濃度センサ54より先の燃料パ イプ48や、デリバリパイプ52、更にはインジ クタ26の内部には、元の燃料が残存している 。このため、その残存している燃料(以下「 存燃料」という)が消費された後で、インジ クタ26からの噴射燃料が切り替わることと る。

 そこで、本実施形態では、アルコール濃 センサ54によって燃料の切り替わりが検知 れた場合には、その時点からの燃料消費量 積算し、その積算燃料消費量が、上記残存 料が確実に消費されたと判定できるような 定の判定値に達してから、新しい燃料のア コール濃度に基づく燃料噴射量の補正を実 することとした。

 上記積算燃料消費量が上記判定値に達す までの間は、インジェクタ26から実際に噴 されている燃料が元の燃料であるか新しい 料であるかは不確定である。このため、こ 間に空燃比フィードバック制御の停止を伴 燃料増量補正が実施されると、実際の噴射 料に対して適切でない空燃比となる可能性 あるため、前述したように触媒38を損傷する などの問題が生ずる可能性がある。そこで、 本実施形態では、上記積算燃料消費量が上記 判定値に達するまでの間は、実施の形態1と 様にスロットル開度(吸入空気量)を制限し、 燃料増量領域に入ることを未然に防止するこ ととした。

 ところで、アルコール濃度センサ54の設 箇所からインジェクタ26先端までの燃料経路 の容積と比較して、上記積算燃料消費量が十 分に小さい間は、実際の噴射燃料はまだ確実 に元の燃料であると判断することができる。 よって、この間は上記スロットル開度制限を 行う必要はないと言える。そこで、本実施形 態では、アルコール濃度センサ54によって燃 の切り替わりが検知された後も、実際の噴 燃料がまだ確実に元の燃料であると判断で る間は、上記スロットル開度制限の実施を 期することとした。

[実施の形態3における具体的処理]
 図7は、上記の機能を実現するために本実施 形態においてECU50が実行するルーチンのフロ チャートである。本ルーチンは、所定時間 に繰り返し実行されるものとする。

 図7に示すルーチンによれば、まず、燃料 性状変化履歴の有無が判別される(ステップ11 4)。燃料性状変化履歴は、アルコール濃度セ サ54によって検出されるアルコール濃度に 化があった場合に、履歴有りとされる。燃 性状変化履歴が無い場合には、燃料の切り わりが生ずる可能性はないと判断できるの 、今回の処理サイクルがそのまま終了され 。

 一方、上記ステップ114で、燃料性状変化 歴が有ると判別された場合には、近いうち インジェクタ26からの噴射燃料が新しい種 のものに切り替わると判断できる。そこで この場合には、次に、アルコール濃度セン 54によって検出されるアルコール濃度が変化 した時点からの積算燃料消費量が算出される (ステップ116)。そして、その積算燃料消費量 第1判定値に達したか否かが判別される(ス ップ118)。この第1の判定値および後述する第 2の判定値は、アルコール濃度センサ54の設置 箇所からインジェクタ26先端までの燃料経路 容積を考慮して、予め設定されている。

 積算燃料消費量が第1判定値に未だ達して いない場合には、アルコール濃度センサ54よ 先の残存燃料は未だ消費されておらず、現 点での噴射燃料は元の燃料のままであると 断できる。この場合には、まだスロットル 度に制限を加える必要はないので、今回の 理サイクルがそのまま終了される。

 内燃機関10で燃料消費が進んでいくと、 のうちに、上記ステップ118において、積算 料消費量が第1判定値に達したと判別される この場合には、次に、積算燃料消費量が第2 判定値に達したか否かが判別される(ステッ 120)。第2判定値は、第1判定値よりも大きい であり、アルコール濃度センサ54より先の残 存燃料が全部消費され、燃料が新しいものに 切り替わったと判断することができるような 値に設定されている。

 上記ステップ120で、積算燃料消費量が第2 判定値に達していないと判別された場合には 、インジェクタ26からの噴射燃料が新しいも に切り替わったかどうかを確定することが きない期間であると判断できる。そこで、 の場合には、実施の形態1のステップ104と同 様にして、スロットル開度を制限する制御が 実行される(ステップ122)。これにより、空燃 フィードバック制御の停止を伴う燃料増量 域に入ることを未然に防止することができ ので、触媒38を確実に保護することができ 。すなわち、実施の形態1と同様の効果が得 れる。

 内燃機関10で燃料消費が更に進んでいく 、そのうちに、上記ステップ120において、 算燃料消費量が第2判定値に達したと判別さ る。この場合には、インジェクタ26からの 射燃料が新しい燃料に確実に切り替わった 判断できる。そこで、この場合には、アル ール濃度センサ54によって検出されたアルコ ール濃度に基づき、新しい燃料に適した空燃 比となるように、燃料噴射量を補正する処理 が実施される(ステップ124)。

 上記ステップ124の燃料噴射量補正が実施 れた後は、燃料増量補正が実施された場合 も、新しい燃料に応じた適切な空燃比を実 することができる。よって、スロットル開 の制限は不要となる。そこで、この場合に 、まず、燃料性状変化履歴が解除(履歴無し )とされ(ステップ126)、次いで、上記ステップ 122のスロットル開度の制限が解除される(ス ップ128)。

 なお、上述した図7に示すルーチンのステ ップ118は、無くても良い。すなわち、アルコ ール濃度センサ54によってアルコール濃度(燃 料性状)の変化が検出されたら、すぐに上記 テップ122のスロットル開度の制限を開始す ようにしてもよい。

 また、上述した実施の形態3では、燃料系 統がリターンレスタイプの場合を例に説明し たが、前述したように、燃料系統がリターン 有りタイプの場合には、燃料パイプ48やデリ リパイプ52内の燃料は常に循環している。 のため、アルコール濃度センサ54によってア ルコール濃度の変化が検知された場合には、 元の燃料はインジェクタ26内に残存している みとなる。つまり、燃料系統がリターン有 タイプの場合には、アルコール濃度の変化 検知された後、リターンレスタイプの場合 りも短時間のうちに噴射燃料が新しいもの 切り替わることとなる。よって、燃料系統 リターン有りタイプの場合には、上記ステ プ120における第2判定値の値は、リターンレ スタイプの場合と比較して、小さく設定され る。

 なお、上述した実施の形態3においては、 アルコール濃度センサ54が前記第3の発明にお ける「燃料性状センサ」に、第2判定値が前 第4の発明における「所定の判定値」に、そ ぞれ相当している。また、ECU50が、上記ス ップ114および122の処理を実行することによ 前記第3の発明における「空気量制限手段」 、上記ステップ116の処理を実行することに り前記第4の発明における「消費量算出手段 」が、上記ステップ124の処理を実行すること により前記第6の発明における「燃料噴射量 正手段」が、それぞれ実現されている。