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Title:
CONTROLLER OF MOTORCYCLE BRAKE SYSTEM, MOTORCYCLE BRAKE SYSTEM, AND CONTROL METHOD OF MOTORCYCLE BRAKE SYSTEM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2018/065838
Kind Code:
A1
Abstract:
The present invention obtains a controller and a control method of a motorcycle brake system that are capable of meeting demands for size reductions, cost reductions, simplification, and the like, and a motorcycle brake system that is equipped with such a controller. In this motorcycle brake system and this controller and control method of the motorcycle brake system, a positive gradient G corresponding to a lean angle A acquired during turning of the motorcycle is set, and when an initiation criterion is satisfied, a braking force control operation, in which the braking forces generated by wheel braking mechanisms are increased along the positive gradient G, is initiated.

Inventors:
IWATSUKI JUNYA (JP)
Application Number:
PCT/IB2017/054859
Publication Date:
April 12, 2018
Filing Date:
August 09, 2017
Export Citation:
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Assignee:
BOSCH GMBH ROBERT (DE)
International Classes:
B60T8/17
Foreign References:
EP2657094A12013-10-30
US4989922A1991-02-05
EP2886431A12015-06-24
JP2010012903A2010-01-21
EP2138365A22009-12-30
Other References:
None
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Claims:
前記開始基準設定部 (6 4 ) は、 前記モータサイクル ( 1 0 0 ) の旋回走行時の車体速 度 (V r e f ) が基準値より も低い場合に、 該車体速度 (V r e f ) が該基準値よりも高 い場合と比較して、 前記開始基準スリ ップ率 (S s t h) を小さい値に設定する、 請求項 5に記載のモータサイクル用ブレーキシステム ( 1 0 ) の制御装置 (6 0 ) 。 【請求項 Ί】

前記制御装置 ( 6 0 ) は、 更に、

前記モータサイクル ( 1 0 0 ) の旋回走行時の前記車輪 ( 3、 4 ) のスリ ップ率 (S ) を取得するス リ ップ率取得部 ( 6 3 ) を備え、

前記ブレーキ動作実行部 (6 1 ) は、 前記制動力抑制動作中に前記スリ ップ率取得部 ( 6 3 ) で取得される前記スリ ップ率 (S) に基づいて前記増加勾配 (G) を補正し、 該補 正された増加勾配 (G) で前記制動力抑制動作を継続する、

請求項 1〜 3の何れか一項に記載のモータサイクル用ブレーキシステム ( 1 0 ) の制御 装置 ( 6 0 ) 。

【請求項 8】

前記ブレーキ動作実行部 (6 1 ) は、 前記制動力抑制動作中に前記スリ ップ率取得部 ( 6 3 ) で取得される前記スリ ップ率 (S) 力 基準スリ ップ率 (S t h ) を超える場合に 、 前記増加勾配 (G) を小さい値に補正する、

請求項 7に記載のモータサイクル用ブレーキシステム ( 1 0 ) の制御装置 (6 0 ) 。 【請求項 9】

前記ブレーキ動作実行部 (6 は、 前記リ ーン角取得部 ( 6 2 ) で取得される前記リ ーン角 (A) が限界値 (A 1 ) える場合には、 前記開始基準が満たされる前に、 前記 制動力抑制動作を開始する、

請求項 1〜 8の何れか一項に のモータサイクル用ブレーキシステム ( 1 0 ) の制御 装置 ( 6 0 ) 。

【請求項 1 0】

請求項 1〜 9の何れか一項に のモータサイクル用ブレーキシステム ( 1 0 ) の制御 装置 ( 6 0 ) を備えている、

モータサイクゾレ用ブレ ' ( 1 0 )

【請求項 1 1】

モータサイクゾレ用ブレ ( 1 0 ) の制御方法であって、

前記モータサイクル用ブレ ( 1 0 ) は、

モータサイクノレ ( 1 0 0 ) :設け 、るブレーキ操作部 ( 1 1、 1 3 ) と、 前記モータサイクル ( 1 0 0 ) の車輪 ( 3、 4 ) を制動する車輪制動機構 ( 1 2 ) と、 を含み、

前記制御方法は、

前記モータサイクル ( 1 0 0 ) が旋回走行し、 つ、 前記ブレーキ操作部 ( 1 1、 1 3

) への入力が増加する状態において、 前記車輪制動機構 ( 1 2、 1 4 ) に生じる前記車輪

( 3、 4 ) の制動力が前記ブレーキ操作部 ( 1 1、 1 3 ) への入力のみに依存する場合で の増加勾配より も低い増加勾配 (G ) で、 前記車輪制動機構 ( 1 2、 1 4 ) に生じさせる 制動力を増加させる制動力抑制動作を開始するブレーキ動作実行ステップ ( S 1 0 7 ) と 前記制動力抑制動作における前記増加勾配 (G) を設定する増加勾配設定ステップ (S 1 0 6 ) と、 を備え、

前記ブレーキ動作実行ステップ (S 1 0 7 ) では、 開始基準が満たされると、 前記増加 勾配設定ステップ (S 1 0 6 ) で設定される前記増加勾配 (G) で前記制動力抑制動作が 開始され、

前記制御方法は、 更に、

前記モータサイクル ( 1 0 0 ) の旋回走行時のリ ーン角 (A) を取得するリ ーン角取得 ステップ (S 1 0 1 ) を備え、

前記増加勾配設定ステップ (S 1 0 6 ) では、 前記リーン角取得ステップ ( S 1 0 1 ) で取得される前記リーン角 (A) に対応する増加勾配 (G) 1f 前記制動力抑制動作にお ける前記増加勾配 (G) として設定される、

モータサイクル用ブレーキシステム ( 1 0 ) の制御方法。

Description:
【書類名】 明細書

【発明の名称】 モータサイクル用ブレーキシステムの制御装 置、 モータサイクル用ブレー キシステム、 及び、 モータサイクル用ブレーキシステムの制御方 法

【技術分野】

【 0 0 0 1 】

本発明は、 小型化、 低コス ト化、 簡素化等の要求に対応することができる、 モータサイ クル用ブレーキシステムの制御装置及び制御 方法と、 そのような制御装置を備えているモ ータサイクル用ブレーキシステムと、 に関する。

【背景技術】

【 0 0 0 2】

従来のモータサイクル用ブレーキシステムと して、 モータサイクルに設けられているブ レーキ操作部と、 モータサイクルの車輪を制動する車輪制動機 構と、 を含むものがある。 車輪制動機構は、 通常状態において、 ブレーキ操作部 の入力のみに依存する制動力で車 輪を制動する。 つまり、 例えば、 モータサイクル用ブレーキシステムが、 ブレーキ液にブ レーキ操作部への入力に対応した液圧を生じ させるマスタシリンダと、 ブレーキ液に生じ る液圧によつて車輪を制動するホイールシリ ンダと、 それらの間に介在する液圧制御ュニ ッ トと、 を含むものである場合には、 通常状態において、 ホイールシリンダのブレーキ液 の液圧は、 マスタシリンダのブレーキ液の液圧と等しく なる。

【 0 0 0 3】

更に、 制御装置は、 モータサイクルが旋回走行している状態で、 ブレーキ操作部への入 力が増加すると、 制動力抑制動作を開始する。 制動力抑制動作が開始されると、 制御装置 は、 車輪制動機構に生じさせる制動力を、 通常状態での増加勾配よりも低い増加勾配で 増 加させる。 つまり、 例えば、 モータサイクルが旋回走行している状態で、 マスタシリンダ のブレーキ液の液圧が増加すると、 制御装置は、 液圧制御ユニッ トの動作を制御して、 ホ ィールシリンダのブレーキ液の液圧を、 マスタシリンダのブレーキ液の液圧の増加勾 配よ り も低い増加勾配で増加させる。 このような制御によって、 旋回走行しているモータサイ クルの挙動が、 ブレーキ操作部への入力によって急に不安定 になることが抑制される。 モ ータサイクル用ブレーキシステムは、 ブレーキ操作部への入力を検出可能なセンサ (液圧 センサ等) を含み、 制動力抑制動作の増加勾配は、 そのセンサの信号に基づいて設定され る (例えば、 特許文献 1を参照) 。

【先行技術文献】

【特許文献】

【 0 0 0 4】

【特許文献 1】 国際公開第 2 0 1 2 Z 0 8 6 2 8 9号

【発明の概要】

【発明が解決しよう とする課題】

【 0 0 0 5】

従来のモータサイクル用ブレーキシステムで は、 ブレーキ操作部への入力を検出可能な センサが必須である。 特に、 モータサイクル用ブレーキシステムでは、 他の車両と比較し て、 小型化、 低コス ト化、 簡素化等の要求がシビアであることに起因し て、 そのセンサを 省略することへの要求が高い。 つまり、 従来のモータサイクル用ブレーキシステムで は、 制動力抑制動作を実現するために、 ブレーキ操作部への入力を検出可能なセンサ を省略で きず、 小型化、 低コス ト化、 簡素化等の要求に対応することが困難である という問題点が める。

【 0 0 0 6】

本発明は、 上述の課題を背景としてなされたものであり 、 簡素化、 小型化、 低コス ト化 等の要求に対応することができる、 モータサイクル用ブレーキシステムの制御装 置及び制 御方法を得るものである。 また、 本発明は、 そのような制御装置を備えているモータサイ クル用ブレーキシステムを得るものである。

【課題を解決するための手段】 【 0 0 0 7】

本発明に係るモータサイクル用ブレーキシス テムの制御装置では、 前記モータサイクル 用ブレーキシステムが、 モータサイクルに設けられているブレーキ操 作部と、 前記モータ サイクルの車輪を制動する車輪制動機構と、 を含み、 前記制御装置が、 前記モータサイク ルが旋回走行し、 つ、 前記ブレーキ操作部への入力が増加する状態 において、 前記車輪 制動機構に生じる前記車輪の制動力が前記ブ レーキ操作部 の入力のみに依存する場合で の増加勾配より も低い増加勾配で、 前記車輪制動機構に生じさせる制動力を増加 させる制 動力抑制動作を開始するブレーキ動作実行部 と、 前記制動力抑制動作における前記増加勾 配を設定する増加勾配設定部と、 を備え、 前記ブレーキ動作実行部が、 開始基準が満たさ れると、 前記増加勾配設定部で設定される前記増加勾 配で前記制動力抑制動作を開始し、 前記制御装置が、 更に、 前記モータサイクルの旋回走行時のリーン角 を取得するリーン角 取得部を備え、 前記増加勾配設定部が、 前記リーン角取得部で取得される前記リーン 角に 対応する増加勾配を、 前記制動力抑制動作における前記増加勾配と して設定する。

【 0 0 0 8】

本発明に係るモータサイクル用ブレーキシス テムは、 上述の制御装置を備えている。 【 0 0 0 9】

本発明に係るモータサイクル用ブレーキシス テムの制御方法では、 前記モータサイクル 用ブレーキシステムが、 モータサイクルに設けられているブレーキ操 作部と、 前記モータ サイクルの車輪を制動する車輪制動機構と、 を含み、 前記制御方法が、 前記モータサイク ルが旋回走行し、 つ、 前記ブレーキ操作部への入力が増加する状態 において、 前記車輪 制動機構に生じる前記車輪の制動力が前記ブ レーキ操作部 の入力のみに依存する場合で の増加勾配より も低い増加勾配で、 前記車輪制動機構に生じさせる制動力を増加 させる制 動力抑制動作を開始するブレーキ動作実行ス テップと、 前記制動力抑制動作における前記 増加勾配を設定する増加勾配設定ステップと 、 を備え、 前記ブレーキ動作実行ステップで は、 開始基準が満たされると、 前記増加勾配設定ステップで設定される前記 増加勾配で前 記制動力抑制動作が開始され、 前記制御方法が、 更に、 前記モータサイクルの旋回走行時 のリーン角を取得するリーン角取得ステップ を備え、 前記増加勾配設定ステップでは、 前 記リーン角取得ステップで取得される前記リ ーン角に対応する増加勾配が、 前記制動力抑 制動作における前記増加勾配として設定され る。

【発明の効果】

【 0 0 1 0】

本発明に係るモータサイクル用ブレーキシス テムの制御装置及び制御方法、 及び、 モー タサイクル用ブレーキシステムでは、 モータサイクルの旋回走行中に取得されるリ ーン角 に対応する増加勾配が設定され、 開始基準が満たされると、 その増加勾配で車輪制動機構 に生じさせる制動力を増加させる制動力抑制 動作が開始される。 そのため、 ブレーキ操作 部への入力を検出可能なセンサを省略するこ とが可能となって、 モータサイクル用ブレー キシステムへの簡素化、 小型化、 低コス ト化等の要求に対応することが可能である。

【図面の簡単な説明】

【 0 0 1 1 】

【図 1】 本発明の実施の形態に係るモータサイクル用 ブレーキシステムが搭載されるモ ータサイクルの、 構成の一例を示す図である。

【図 2】 本発明の実施の形態に係るモータサイクル用 ブレーキシステムの、 構成の一例 を示す図である。

【図 3】 本発明の実施の形態に係るモータサイクル用 ブレーキシステムの、 主要部のシ ステム構成の一例を示す図である。

【図 4】 本発明の実施の形態に係るモータサイクル用 ブレーキシステムの、 制御装置で 実行される制御のフローチヤ一トの一例を示 す図である。

【図 5】 本発明の実施の形態に係るモータサイクル用 ブレーキシステムの、 リーン角と 開始基準スリ ップ率の対応関係の一例を示す図である。

【図 6】 本発明の実施の形態に係るモータサイクル用 ブレーキシステムの、 リーン角と 増加勾配の対応関係の一例を示す図である。

【図 7】 本発明の実施の形態に係るモータサイクル用 ブレーキシステムの、 制動力抑制 動作が実行された場合の作用を示す図である 。

【図 8】 本発明の実施の形態に係るモータサイクル用 ブレーキシステムの、 制動力抑制 動作が実行された場合の作用を示す図である 。

【発明を実施するための形態】

【 0 0 1 2 】

以下に、 本発明に係るモータサイクル用ブレーキシス テムの制御装置及び制御方法、 及 び、 モータサイクル用ブレーキシステムについて 、 図面を用いて説明する。

なお、 以下では、 モータサイクルが自動二輪車である場合を説 明しているが、 本発明は 、 他のモータサイクルに適用されてもよい。 また、 以下では、 前輪を制動する車輪制動機 構及び後輪を制動する車輪制動機構の両方が 、 制動力抑制動作の対象である場合を説明し ているが、 それらの一方のみが、 制動力抑制動作の対象であってもよい。 また、 前輪を制 動する車輪制動機構及び後輪を制動する車輪 制動機構が、 それぞれ 1つずつ設けられてい る場合を説明しているが、 それらの一方のみが設けられていてもよく、 また、 それらの少 なく とも一方が、 複数設けられていてもよい。

また、 以下で説明する構成、 動作等は、 一例であり、 本発明に係るモータサイクル用ブ レーキシステムの制御装置及び制御方法、 及び、 モータサイクル用ブレーキシステムは、 そのような構成、 動作等である場合に限定されない。

また、 各図において、 同一の又は類似する部材又は部分については 、 同一の符号を付し ている。 また、 細かい構造については、 適宜図示を簡略化又は省略している。

【 0 0 1 3 】

実施の形態.

以下に、 実施の形態に係るモータサイクル用ブレーキ システムを説明する。

【 0 0 1 4 】

くモータサイクノレ用ブレーキシステムの 構成 >

実施の形態に係るモータサイクル用ブレーキ システムの構成について説明する。

図 1は、 本発明の実施の形態に係るモータサイクル用 ブレーキシステムが搭載されるモ ータサイ クルの、 構成の一例を示す図である。 図 2は、 本発明の実施の形態に係るモータ サイクル用ブレーキシステムの、 構成の一例を示す図である。 図 3は、 本発明の実施の形 態に係るモータサイクル用ブレーキシステム の、 主要部のシステム構成の一例を示す図で める。

【 0 0 1 5 】

図 1及び図 2に示されるように、 モータサイクル用ブレーキシステム 1 0は、 モータサ イ タル 1 0 0に搭載される。 モータサイクル 1 0 0は、 胴体 1 と、 胴体 1に旋回自在に保 持されているハン ドル 2 と、 胴体 1にハン ドル 2 と共に旋回自在に保持されている前輪 3 と、 胴体 1に回動自在に保持されている後輪 4 と、 を含む。

【 0 0 1 6 】

モータサイクル用ブレーキシステム 1 0は、 ブレーキ操作部 1 1 と、 少なく ともブレー キ操作部 1 1に連動して前輪 3を制動する車輪制動機構 1 2と、 ブレーキ操作部 1 3 と、 少なく ともブレーキ操作部 1 3に連動して後輪 4を制動する車輪制動機構 1 4 と、 を含む o

【 0 0 1 7 】

ブレーキ操作部 1 1は、 ハンドル 2に設けられており、 使用者の手によって操作される 。 ブレーキ操作部 1 1は、 例えば、 ブレーキレバーである。 ブレーキ操作部 1 3は、 胴体 1の下部に設けられており、 使用者の足によって操作される。 ブレーキ操作部 1 3は、 例 えば、 ブレーキペダルである。

【 0 0 1 8 】

車輪制動機構 1 2、 1 4は、 それぞれ、 ピス トン (図示省略) を内蔵しているマスタシ リンダ 2 1 と、 マスタシリンダ 2 1に付設されているリザーバ 2 2と、 胴体 1に保持され 、 ブレーキパッ ド (図示省略) を有しているブレーキキヤリパ 2 3と、 ブレーキキヤリパ 2 3に設けられているホイールシリンダ 2 4 と、 マスタシリンダ 2 1のブレーキ液をホイ 一ルシリンダ 2 4に流通させる主流路 2 5と、 ホイールシリンダ 2 4のブレーキ液を逃が す副流路 2 6 と、 を含む。

【 0 0 1 9】

主流路 2 5には、 込め弁 (E V ) 3 1が設けられている。 副流路 2 6は、 主流路 2 5の うちの、 込め弁 3 1に対するホイールシリンダ 2 4側とマスタシリンダ 2 1側との間を、 バイパスする。 副流路 2 6には、 上流側から順に、 弛め弁 (A V ) 3 2 と、 アキュムレー タ 3 3 と、 ポンプ 3 4 と、 力 設けられている。 込め弁 3 1は、 例えば、 非通電状態で開 き、 通電状態で閉じる電磁弁である。 弛め弁 3 2は、 例えば、 非通電状態で閉じ、 通電状 態で開く電磁弁である。 なお、 車輪制動機構 1 2、 1 4が、 マスタシリンダ 2 1 のブレー キ液をポンプ 3 4の吸い込み側に供給可能な構成であっても い。 つまり、 車輪制動機構 1 2、 1 4は、 ホイールシリンダ 2 4のブレーキ液の液圧を、 ポンプ 3 4の駆動によって 増加できるものであってもよレ、。

【 0 0 2 0】

込め弁 3 1、 弛め弁 3 2、 アキュムレータ 3 3、 ポンプ 3 4等の部材と、 それらの部材 が設けられ、 主流路 2 5及び副流路 2 6を構成するための流路が内部に形成されて る基 体 5 1 と、 制御装置 (E C U ) 6 0 と、 によって、 液圧制御ユニッ ト 5 0が構成される。 液圧制御ユニッ ト 5 0は、 モータサイクル用ブレーキシステム 1 0において、 ホイールシ リンダ 2 4のブレーキ液の液圧、 つまり、 車輪制動機構 1 2、 1 4に生じさせる制動力を 制御する機能を担うュニッ トである。

【 0 0 2 1】

各部材が、 1つの基体 5 1に纏めて設けられていてもよく、 また、 複数の基体 5 1に分 かれて設けられていてもよい。 また、 制御装置 6 0は、 1つであってもよく、 また、 複数 に分かれていてもよい。 また、 制御装置 6 0は、 基体 5 1に取り付けられていてもよく、 また、 基体 5 1以外の他の部材に取り付けられていてもよ 。 また、 制御装置 6 0の一部 又は全ては、 例えば、 マイコン、 マイクロプロセッサユニッ ト等で構成されてもよく、 ま た、 ファームウェア等の更新可能なもので構成さ れてもよく、 また、 C P U等からの指令 によって実行されるプログラムモジュール等 であってもよい。

【 0 0 2 2】

通常状態では、 制御装置 6 0によって、 込め弁 3 1が開放され、 弛め弁 3 2が閉鎖され る。 つまり、 通常状態では、 車輪制動機構 1 2、 1 4が、 ブレーキ操作部 1 1、 1 3への 入力のみに依存する制動力で車輪 (前輪 3、 後輪 4 ) を制動する。 その状態で、 ブレーキ 操作部 1 1が操作されると、 車輪制動機構 1 2において、 マスタシリンダ 2 1 のビス トン (図示省略) が押し込まれてホイールシリンダ 2 4のブレーキ液の液圧が増加し、 ブレー キキヤリパ 2 3のブレーキパッ ド (図示省略) が前輪 3のロータ 3 aに押し付けられて、 前輪 3が制動される。 また、 ブレーキ操作部 1 3が操作されると、 車輪制動機構 1 4にお いて、 マスタシリンダ 2 1のピス トン (図示省略) が押し込まれてホイールシリンダ 2 4 のブレーキ液の液圧が増加し、 ブレーキキヤリパ 2 3のブレーキパッ ド (図示省略) が後 輪 4のロータ 4 aに押し付けられて、 後輪 4が制動される。

【 0 0 2 3】

図 2及び図 3に示されるように、 後述される制動力抑制動作の対象となる車輪 制動機構 1 2、 1 4には、 マスタシリンダ 2 1のブレーキ液の液圧を検出するセンサと、 ホイール シリンダ 2 4のブレーキ液の液圧を検出するセンサと、 が設けられていない。 モータサイ クル用ブレーキシステム 1 0は、 リーン角センサ 4 1 と、 前輪回転速度センサ 4 2と、 後 輪回転速度センサ 4 3 と、 を含む。

【 0 0 2 4】

リーン角センサ 4 1は、 モータサイクル 1 0 0の旋回走行時のリーン角 Aを検出する。 リーン角センサ 4 1力 リーン角 Aに実質的に換算可能な他の物理量を検出す ものであ つてもよい。 また、 リーン角センサ 4 1は、 リーン角 Aの検出に特化するものでなくても よく、 リーン角センサ 4 1の検出信号が、 他の物理量を検出するためのセンサの検出信 号 によって賄われてもよい。 前輪回転速度センサ 4 2は、 前輪回転速度 V w f を検出する。 前輪回転速度センサ 4 2が、 前輪回転速度 V w f に実質的に換算可能な他の物理量を検出 するものであってもよい。 後輪回転速度センサ 4 3は、 後輪回転速度 V w rを検出する。 後輪回転速度センサ 4 3が、 後輪回転速度 V w rに実質的に換算可能な他の物理量を検出 するものであってもよレ、。

【 0 0 2 5】

制御装置 6 0は、 ブレーキ動作実行部 6 1 と、 リーン角取得部 6 2 と、 ス リ ップ率取得 部 6 3 と、 開始基準設定部 6 4 と、 増加勾配設定部 6 5と、 を含む。 ブレーキ動作実行部 6 1は、 込め弁 3 1、 弛め弁 3 2、 ポンプ 3 4等の動作を司る指令を出力して、 後述され る制動力抑制動作を実行する。 制動力抑制動作は、 少なく ともその開始時において、 通常 状態での増加勾配より も低い増加勾配、 つまり、 車輪制動機構 1 2、 1 4に生じる車輪 ( 前輪 3、 後輪 4 ) の制動力がブレーキ操作部 1 1、 1 3への入力のみに依存する場合での 増加勾配より も低い増加勾配で、 車輪制動機構 1 2、 1 4に生じさせる制動力を増加させ るものである。 また、 前輪 3に対する制動力抑制動作は、 モータサイクル 1 0 0が旋回走 行し、 つ、 ブレーキ操作部 1 1への入力が増加する状態で開始され、 後輪 4に対する制 動力抑制動作は、 モータサイクル 1 0 0が旋回走行し、 つ、 ブレーキ操作部 1 3への入 力が増加する状態で開始される。 好適には、 車輪制動機構 1 2、 1 4は、 制動力抑制動作 を開始する直前において、 通常状態で車輪 (前輪 3、 後輪 4 ) を制動する。

【 0 0 2 6】

くモータサイクル用ブレーキシステムの動 作 >

実施の形態に係るモータサイクル用ブレーキ システムの動作について説明する。

なお、 以下では、 後輪 4に対する制動力抑制動作が実行される場合 説明するが、 前輪 3に対する制動力抑制動作が実行される場合 ついても、 同様である。

図 4は、 本発明の実施の形態に係るモータサイクル用 ブレーキシステムの、 制御装置で 実行される制御のフローチヤ一トの一例を示 す図である。

【 0 0 2 7】

(リーン角取得ステップ)

図 4に示されるように、 ステップ S 1 0 1において、 リーン角取得部 6 2が、 リーン角 センサ 4 1の検出信号を用いて、 モータサイクル 1 0 0の旋回走行時のリーン角 Aを取得 し、 ステップ S 1 0 2に移行する。 リーン角取得部 6 2が、 そのリーン角 Aに実質的に換 算可能な他の物理量を取得するものであって もよい。 例えば、 リーン角取得部 6 2が、 後 輪 4の路面に鉛直な方向での残制動力を取得す ものであってもよい。 その場合の他の物 理量も、 本発明の 「リーン角」 に相当する。

【 0 0 2 8】

(ブレーキ動作実行ステップ一 1 )

図 4に示されるように、 ステップ S 1 0 2において、 ブレーキ動作実行部 6 1は、 ステ ップ S 1 0 1で取得されたリーン角 Aが、 予め設定されている限界値 A 1 より も小さいか 否かを判定する。 好適には、 限界値 A 1 には、 後輪 4にスリ ップが生じることが許容でき なくなるリーン角 Aが設定される。 Y e sである場合には、 ステップ S 1 0 3に移行し、 N oである場合には、 ステップ S 1 0 6に移行する。

【 0 0 2 9】

(開始基準設定ステップ)

図 4に示されるように、 ステップ S 1 0 3において、 開始基準設定部 6 4は、 予め記憶 されているリーン角 Aと開始基準スリ ップ率 S s t hの対応関係を用いて、 ステップ S 1 0 1で取得されたリーン角 Aに対応する開始基準スリ ップ率 S s t hを特定する。 そして 、 その開始基準スリ ップ率 S s t hが、 制動力抑制動作の開始基準として設定される と、 ステップ S 1 0 4に移行する。 【 0 0 3 0】

図 5は、 本発明の実施の形態に係るモータサイクル用 ブレーキシステムの、 リーン角と 開始基準スリ ップ率の対応関係の一例を示す図である。 なお、 図 5では、 モータサイクル 1 0 0の旋回走行時の車体速度 V r e f が基準値より も高い場合の対応関係を実線で示し 、 モータサイクル 1 0 0の旋回走行時の車体速度 V r e f がその基準値より も低い場合の 対応関係を一点鎖線で示している。

【 0 0 3 1】

図 5に示されるように、 開始基準スリ ップ率 S s t hは、 ステップ S 1 0 1で取得され たリーン角 Aから一義的に特定される。 開始基準ス リ ップ率 S s t hは、 リーン角 Aが大 きい程、 小さい値に設定される。 開始基準ス リ ップ率 S s t hが、 リーン角 Aの増加に伴 つて、 二次関数的に減少する対応関係であるとよい 。 また、 開始基準設定部 6 4は、 モー タサイクル 1 0 0の旋回走行時の車体速度 V r e f が予め設定されている基準値より も低 い場合に、 そうではない場合と比較して、 開始基準スリ ップ率 S s t hを小さい値に設定 するとよい。 モータサイクル 1 0 0の車体速度 V r e f は、 例えば、 前輪回転速度センサ 4 2で検出される前輪回転速度 V w f と後輪回転速度センサ 4 3で検出される後輪回転速 度 V w r とを用いて推定することができる。

【 0 0 3 2】

(スリ ップ率取得ステップ)

図 4に示されるように、 ステップ S 1 0 4において、 スリ ップ率取得部 6 3が、 前輪回 転速度センサ 4 2及び後輪回転速度センサ 4 3の検出信号を用いて、 モータサイクル 1 0 0の旋回走行時の後輪 4のスリ ップ率 Sを取得し、 ステップ S 1 0 5に移行する。 後輪 4 のスリ ップ率 Sは、 モータサイクル 1 0 0の車体速度 V r e f と、 後輪回転速度センサ 4 3で検出される後輪回転速度 V w r と、 の差を、 その車体速度 V r e f で除することで導 出できる。 スリ ップ率取得部 6 3が、 そのスリ ップ率 Sに実質的に換算可能な他の物理量 を取得するものであってもよい。 その場合の他の物理量も、 本発明の 「スリ ップ率」 に相 当する。

【 0 0 3 3】

(ブレーキ動作実行ステップ一 2 )

図 4に示されるように、 ステップ S 1 0 5において、 ブレーキ動作実行部 6 1は、 ステ ップ S 1 0 4で取得されたスリ ップ率 Sが増加して、 ステップ S 1 0 3で設定された開始 基準スリ ップ率 S s t hに達したか否かを判定する。 Y e sである場合には、 ステップ S 1 0 6に移行し、 N oである場合には、 ステップ S 1 0 1に戻る。

【 0 0 3 4】

(増加勾配設定ステップ)

図 4に示されるように、 ステップ S 1 0 6において、 増加勾配設定部 6 5は、 予め記憶 されているリーン角 Aと増加勾配 Gの対応関係を用いて、 ステップ S 1 0 1で取得された リーン角 Aに対応する増加勾配 Gを特定する。 そして、 その増加勾配 Gが、 制動力抑制動 作が開始される際の車輪制動機構 1 4に生じさせる制動力の増加勾配として設定 れると 、 ステップ S 1 0 7に移行する。

【 0 0 3 5】

図 6は、 本発明の実施の形態に係るモータサイクル用 ブレーキシステムの、 リーン角と 増加勾配の対応関係の一例を示す図である。 なお、 図 6では、 モータサイクル 1 0 0の旋 回走行時の車体速度 V r e f が基準値より も高い場合の対応関係を実線で示し、 モータサ イタル 1 0 0の旋回走行時の車体速度 V r e f がその基準値より も低い場合の対応関係を 一点鎖線で示している。

【 0 0 3 6】

図 6に示されるように、 増加勾配 Gは、 ステップ S 1 0 1で取得されたリーン角 Aから 一義的に特定される。 増加勾配 Gは、 リーン角 Aが大きい程、 小さい値に設定される。 増 加勾配 Gは、 少なく ともリーン角 Aが大きい領域 (限界値 A 1 に近い領域) において、 通 常状態で想定される増加勾配より も低い増加勾配、 つまり、 車輪制動機構 1 4に生じる後 輪 4の制動力がブレーキ操作部 1 3への入力のみに依存する場合に想定される 加勾配よ りも低い増加勾配となる。 増加勾配 Gが、 リーン角 Aの増加に伴って、 一次関数的に減少 する対応関係であるとよい。 また、 増加勾配設定部 6 5は、 モータサイクル 1 0 0の旋回 走行時の車体速度 V r e f が予め設定されている基準値より も低い場合に、 そうではない 場合と比較して、 増加勾配 Gを小さい値に設定するとよい。

【 0 0 3 7】

(ブレーキ動作実行ステップ一 3 )

図 4に示されるように、 ステップ S 1 0 7において、 ブレーキ動作実行部 6 1力 ステ ップ S 1 0 6で設定された増加勾配 Gで、 車輪制動機構 1 4に生じさせる制動力を増加さ せることで、 制動力抑制動作が開始される。 具体的には、 ブレーキ動作実行部 6 1は、 車 輪制動機構 1 4の込め弁 3 1を、 デューティー制御、 パルス制御、 それらの組み合わせ等 によって制御しつつ開閉させることで、 車輪制動機構 1 4に所望の制動力を生じさせる。

【 0 0 3 8】

(ブレーキ動作実行ステップ一 4 )

図 4に示されるように、 ステップ S 1 0 8において、 ブレーキ動作実行部 6 1は、 制動 力抑制動作を終了するか否かを判定する。 Y e sである場合には、 ステップ S 1 0 1に戻 り、 N oである場合には、 ステップ S 1 0 9に移行する。 例えば、 ブレーキ動作実行部 6 1 は、 ステップ S 1 0 2で Y e s と判定されてステップ S 1 0 8に至った場合には、 ス リ ップ率取得部 6 3において取得されるその時点でのスリ ップ率 Sが開始基準スリ ップ率 S s t hよりも小さい場合に、 制動力抑制動作を終了する。 また、 例えば、 ブレーキ動作実 行部 6 1は、 ステップ S 1 0 2で N o と判定されてステップ S 1 0 8に至った場合には、 リーン角取得部 6 2で取得されるその時点でのリーン角 Aが限界値 A 1 より も小さい場合 に、 制動力抑制動作を終了する。

【 0 0 3 9】

(ブレーキ動作実行ステップ一 5 )

図 4に示されるように、 ステップ S 1 0 9において、 ブレーキ動作実行部 6 1は、 スリ ップ率取得部 6 3において取得されるその時点でのスリ ップ率 Sが、 予め設定されている 基準スリ ップ率 S t hを超えたか否かを判定する。 Y e sである場合には、 ステップ S 1 1 0に移行し、 N oである場合には、 ステップ S 1 0 7に戻る。 ステップ S 1 0 2で Y e s と判定されてステップ S 1 0 8に至る場合における基準スリ ップ率 S t hは、 開始基準 スリ ツプ率 S s t hより も大きく設定される。

【 0 0 4 0】

(ブレーキ動作実行ステップ一 6 )

図 4に示されるように、 ステップ S 1 1 0において、 ブレーキ動作実行部 6 1 、 増加 勾配設定部 6 5に設定されている増加勾配 Gをその値よりも小さい値に補正し、 ステップ S 1 0 7に戻る。

【 0 0 4 1】

(制動力抑制動作の作用)

図 7及び図 8は、 本発明の実施の形態に係るモータサイクル用 ブレーキシステムの、 制 動力抑制動作が実行された場合の作用を示す 図である。 なお、 図 7は、 ステップ S 1 0 2 で Y e s と判定された後に制動力抑制動作が開始され 、 ステップ S 1 0 9において Y e s と判定されることなく制動力抑制動作が終了 する場合を示している。 また、 図 8は、 ステ ップ S 1 0 2で Y e s と判定された後に制動力抑制動作が開始され 、 ステップ S 1 0 9に おいて Y e s と判定された後に制動力抑制動作が終了する 場合を示している。 【 0 0 4 2】

図 7に示されるように、 モータサイクル 1 0 0が旋回走行している際に、 時刻 T Oにお いて、 ブレーキ操作部 1 3への入力、 つまり、 マスタシリンダ液圧 M Pが増加しだすと、 モータサイクル 1 0 0の車体速度 V r e f と後輪回転速度 V w r の差が増加して、 スリ ツ プ率取得部 6 3で取得されるスリ ップ率 Sが増加しだす。 その後、 時刻 T 1において、 ス リ ップ率 Sが開始基準設定部 6 4に設定されている開始基準スリ ップ率 S s t hを超える と、 制動力抑制動作が開始される。 そして、 終了基準が満たされる時刻 T 2までの間、 制 動力抑制動作が継続されて、 増加勾配設定部 6 5で設定された増加勾配 Gで、 車輪制動機 構 1 4に生じさせる制動力、 つまり、 ホイールシリンダ液圧 W Pが増加する。

【 0 0 4 3】

また、 図 8に示されるように、 制動力抑制動作が開始された後に、 時刻 T 3において、 スリ ップ率取得部 6 3で取得されるスリ ップ率 Sが基準スリ ップ率 S t hを超えると、 増 加勾配 Gが小さい値に補正される。 そして、 終了基準が満たされる時刻 T 2までの間、 制 動力抑制動作が継続されて、 その補正された増加勾配 Gで、 車輪制動機構 1 4に生じさせ る制動力、 つまり、 ホイールシリンダ液圧 W Pが増加する。

【 0 0 4 4】

くモータサイクル用ブレーキシステムの効 果 >

実施の形態に係るモータサイクル用ブレーキ システムの効果について説明する。

モータサイクル用ブレーキシステム 1 0では、 制御装置 6 0が、 制動力抑制動作におけ る増加勾配 Gを設定する増加勾配設定部 6 5 と、 モータサイクル 1 0 0の旋回走行時のリ ーン角 Aを取得するリーン角取得部 6 2 と、 を備え、 ブレーキ動作実行部 6 1力 増加勾 配設定部 6 5で設定される増加勾配 Gで制動力抑制動作を開始し、 増加勾配設定部 6 5が 、 リーン角取得部 6 2で取得されるリーン角 Aに対応する増加勾配 Gを、 制動力抑制動作 における増加勾配 Gとして設定する。 そのため、 ブレーキ操作部 1 1、 1 3への入力を検 出可能なセンサを省略することが可能となっ て、 モータサイクル用ブレーキシステム 1 0 への簡素化、 小型化、 低コス ト化等の要求に対応することが可能である。

【 0 0 4 5】

好ましくは、 モータサイクル用ブレーキシステム 1 0では、 増加勾配設定部 6 5が、 リ ーン角取得部 6 2で取得されるリーン角 Aが大きい程、 増加勾配 Gを小さい値に設定する 。 そのよ うに制御されることで、 制動力抑制動作が、 ブレーキ操作部 1 1、 1 3への入力 を検出可能なセンサが省略されたモータサイ クル用ブレーキシステム 1 0で実行される場 合であっても、 その制動力抑制動作をより適正化して、 モータサイクル 1 0 0の挙動を安 定化することができる。

【 0 0 4 6】

特に、 増加勾配設定部 6 5が、 モータサイクル 1 0 0の旋回走行時の車体速度 V r e f が基準値より も低い場合に、 車体速度 V r e f がその基準値より も高い場合と比較して、 増加勾配 Gを小さい値に設定するとよい。 そのように制御されることで、 制動力抑制動作 が、 ブレーキ操作部 1 1、 1 3への入力を検出可能なセンサが省略された ータサイクル 用ブレーキシステム 1 0で実行される場合であっても、 その制動力抑制動作によって、 高 速で旋回走行する状態、 つまり、 倒れにくい状態のモータサイクル 1 0 0の挙動の安定化 と、 低速で旋回走行する状態、 つまり、 倒れやすい状態のモータサイクル 1 0 0の挙動の 安定化と、 を両立することが可能である。

【 0 0 4 7】

好ましくは、 モータサイクル用ブレーキシステム 1 0では、 制御装置 6 0が、 更に、 制 動力抑制動作の開始基準を設定する開始基準 設定部 6 4と、 モータサイクル 1 0 0の旋回 走行時の車輪 (前輪 3、 後輪 4 ) のスリ ップ率 Sを取得するスリ ップ率取得部 6 3と、 を 備え、 開始基準設定部 6 4が、 リーン角取得部 6 2で取得されるリーン角 Aに対応する開 始基準ス リ ップ率 S s t hを、 開始基準として設定し、 ブレーキ動作実行部 6 1力 ス リ ップ率取得部 6 3で取得されるスリ ップ率 Sが増加して開始基準スリ ップ率 S s t hに達 すると、 制動力抑制動作を開始する。 そのため、 制動力抑制動作が、 リーン角 Aに応じて 制動力抑制動作を開始するタイミングを変化 させるものであっても、 ブレーキ操作部 1 1 、 1 3への入力を検出可能なセンサを省略するこ が可能である。

【 0 0 4 8】

特に、 開始基準設定部 6 4が、 リーン角取得部 6 2で取得されるリーン角 Aが大きい程 、 開始基準ス リ ップ率 S s t hを小さい値に設定するとよい。 そのため、 制動力抑制動作 が、 ブレーキ操作部 1 1、 1 3への入力を検出可能なセンサが省略された ータサイクル 用ブレーキシステム 1 0で実行される場合であっても、 その制動力抑制動作を適切なタイ ミングで開始して、 モータサイクル 1 0 0の挙動を安定化することができる。

【 0 0 4 9】

更に、 開始基準設定部 6 4が、 モータサイクル 1 0 0の旋回走行時の車体速度 V r e f が基準値より も低い場合に、 車体速度 V r e f がその基準値より も高い場合と比較して、 開始基準スリ ップ率 S s t hを小さい値に設定するとよい。 そのように制御されることで 、 制動力抑制動作が、 ブレーキ操作部 1 1、 1 3への入力を検出可能なセンサが省略され たモータサイクル用ブレーキシステム 1 0で実行される場合であっても、 その制動力抑制 動作によって、 高速で旋回走行する状態、 つまり、 倒れにくい状態のモータサイクル 1 0 0の挙動の安定化と、 低速で旋回走行する状態、 つまり、 倒れやすい状態のモータサイク ル 1 0 0の挙動の安定化と、 を両立することが可能となる。

【 0 0 5 0】

好ましく は、 モータサイクル用ブレーキシステム 1 0では、 ブレーキ動作実行部 6 1が 、 制動力抑制動作中にス リ ップ率取得部 6 3で取得されるス リ ップ率 Sに基づいて増加勾 配 Gを補正し、 その補正された増加勾配 Gで制動力抑制動作を継続する。 つまり、 制動力 抑制動作が、 ブレーキ操作部 1 1、 1 3への入力を検出可能なセンサが省略された ータ サイクル用ブレーキシステム 1 0で実行される場合であっても、 その省略に起因して、 的 外れな制動力抑制動作が実行されてしまうこ とが抑制されるため、 制動力抑制動作の適用 性が向上する。

【 0 0 5 1】

特に、 ブレーキ動作実行部 6 1力 制動力抑制動作中にスリ ップ率取得部 6 3で取得さ れるス リ ップ率 Sが、 基準ス リ ップ率 S t hを超える場合に、 増加勾配 Gを小さい値に補 正するとよい。 そのように制御されることで、 的外れな制動力抑制動作が実行されてしま うことの抑制が確実化されて、 制動力抑制動作の適用性を確実に向上するこ とが可能とな

【 0 0 5 2】

好ましくは、 モータサイクル用ブレーキシステム 1 0では、 ブレーキ動作実行部 6 1が 、 リーン角取得部 6 2で取得されるリーン角 Aが限界値 A 1 を超える場合には、 制動力抑 制動作の開始基準が満たされる前に、 制動力抑制動作を開始する。 そのため、 制動力抑制 動作が、 ブレーキ操作部 1 1、 1 3への入力を検出可能なセンサが省略された ータサイ クル用ブレーキシステム 1 0で実行される場合であっても、 大きいリーン角 Aで旋回走行 する状態のモータサイクル 1 0 0の挙動を、 高い確実性で安定化することが可能である。

【 0 0 5 3】

以上、 実施の形態について説明したが、 本発明は実施の形態の説明に限定されない。 例 えば、 実施の形態の一部のみが実施されてもよい。 また、 例えば、 各ステップの順序が入 れ替えられてもよレ、。

【 0 0 5 4】

具体的には、 例えば、 実施の形態では、 開始基準設定部 6 4において、 開始基準スリ ツ プ率 S s t hが開始基準として設定されているが、 開始基準スリ ップ率 S s t hと全く異 なる情報 (例えば、 リーン角 Aが大きい状態で、 ブレーキランプのオン信号が生じたか否 か等) が開始基準として設定されてもよい。 開始基準スリ ップ率 S s t hが開始基準とし て設定される場合には、 上述の効果に加えて、 リーン角 Aに応じて車輪制動機構 1 2、 1 4に生じさせる制動力の増加勾配 Gを変化させることと、 リーン角 Aに応じて制動力抑制

基モめ 2

動弁体作ブブ 1を開始するタイミングを変化させることと の両方を、 リーン角 A及びスリ ップ率 S を取得するという簡素な構成で実現すること ができるという効果が奏される。 そのため、 開始基準スリ ップ率 S s t hが開始基準として設定されることは、 特に好適である。 【符号の説明】

【 0 0 5 5】

月同体、 2 ハン ドル、 3 前輪、 3 a ロータ、 4 後輪、 4 a ロータ、 1 0 タサイクル用ブレーキシステム、 1 1 ブレーキ操作部、 1 2 車輪制動機構、 1 3 レーキ操作部、 1 4 車輪制動機構、 2 1 マスタシリンダ、 2 2 リザーバ、 2 3 レーキキヤリパ、 2 4 ホイールシリンダ、 2 5 主流路、 2 6 副流路、 3 1 込 、 3 2 弛め弁、 3 3 アキュムレータ、 3 4 ポンプ、 4 1 リーン角センサ、 4 前輪回転速度センサ、 4 3 後輪回転速度センサ、 5 0 液圧制御ユニッ ト、 5 1 、 6 0 制御装置、 6 1 ブレーキ動作実行部、 6 2 リーン角取得部、 6 3 ス リ ップ率取得部、 6 4 開始基準設定部、 6 5 増加勾配設定部、 1 0 0 モータサイクル 、 A リーン角、 A 1 限界値、 Vw f 前輪回転速度、 Vw r 後輪回転速度、 V r e f 車体速度、 S スリ ップ率、 S s t h 開始基準ス リ ップ率、 S t h 基準スリ ップ 率、 G 増加勾配、 MP マスタシリンダ液圧、 WP ホイールシリンダ液圧。

【書類名】 請求の範囲

【請求項 1 】

モータサイクゾレ用ブレ ム ( 1 0 ) の制御装置 ( 6 0 ) であって、

前記モータサイクル用ブレーキシステム ( 1 0 ) は、

モータサイクノレ ( 1 Q 0 ) に設けられているブレーキ操作部 ( 1 1、 1 3 ) と、 前記モータサイクル ( 1 0 0 ) の車輪 ( 3、 4 ) を制動する車輪制動機構 ( 1 2、 1 4 ) と、 を含み、

前記制御装置 (6 0 ) は、

前記モータサイクル ( 1 0 0 ) が旋回走行し、 つ、 前記ブレーキ操作部 ( 1 1、 1 3 ) への入力が増加する状態において、 前記車輪制動機構 ( 1 2、 1 4 ) に生じる前記車輪 ( 3、 4 ) の制動力が前記ブレーキ操作部 ( 1 1、 1 3 ) への入力のみに依存する場合で の増加勾配より も低い増加勾配 (G) で、 前記車輪制動機構 ( 1 2、 1 4 ) に生じさせる 制動力を増加させる制動力抑制動作を開始す るブレーキ動作実行部 ( 6 1 ) と、

前記制動力抑制動作における前記増加勾配 (G) を設定する増加勾配設定部 ( 6 5 ) と 、 を備え、

前記ブレーキ動作実行部 ( 6 ) は、 開始基準が満たされると、 前記増加勾配設定部 ( 6 5 ) で設定される前記増加勾配 (G) で前記制動力抑制動作を開始し、

前記制御装置 ( 6 0 ) は、 更に、

前記モータサイクル ( 1 0 0 ) の旋回走行時のリーン角 (A) を取得するリーン角取得 部 ( 6 2 ) を備え、

前記増加勾配設定部 ( 6 5 ) は、 前記リーン角取得部 ( 6 2 ) で取得される前記リーン 角 (A) に対応する増加勾配 (G) を、 前記制動力抑制動作における前記増加勾配 (G) として設定する、

モータサイクゾレ用ブレ ム ( 1 0 ) の制御装置 ( 6 0) 。

【請求項 2】

前記増加勾配設定部 ( 6 5 ) は 、 前記リーン角取得部 ( 6 2 ) で取得される前記リ 角 (A) が大きい程、 前記増加勾配 (G) を小さい値に設定する、

請求項 1に記載のモータサイクル用ブレーキシステ ( 1 0 ) の制御装置 ( 6 0 ) 【請求項 3】

前記増加勾配設定部 ( 6 5 ) は 、 前記モータサイクル ( 1 0 0 ) の旋回走行時の車体速 度 (V r e f ) が基準値より も低い場合に、 該車体速度 (V r e f ) が該基準値より も高 い場合と比較して、 前記増加勾配 (G) を小さい値に設定する、

請求項 2に記載のモータサイクル用ブレーキシステ ( 1 0 ) の制御装置 ( 6 0 ) 。 【請求項 4】

前記制御装置 ( 6 0 ) は、 更に

前記開始基準を設定する開始基準設定部 ( 6 4 ) と、

前記モータサイクル ( 1 0 0 ) の旋回走行時の前記車輪 ( 3、 4 ) のス リ ップ率 (S ) を取得するスリ ップ率取得部 ( 6 3 ) と、 を備え、

前記開始基準設定部 ( 6 4 ) は 、 前記リーン角取得部 ( 6 2 ) で取得される前記リーン 角 (A) に対応する開始基準ス リ ップ率 (S s t h) を、 前記開始基準として設定し、 前記ブレーキ動作実行部 (6 1 ) は、 前記ス リ ップ率取得部 ( 6 3 ) で取得される前記 スリ ップ率 ( S ) が増加して前記開始基準ス リ ップ率 (S s t h) に達すると、 前記制動 力抑制動作を開始する、

請求項 1〜 3の何れか一項に記載のモータサイクル用ブ ーキシステム ( 1 0 ) の制御 装置 ( 6 0 ) 。

【請求項 5】

前記開始基準設定部 ( 6 4 ) は、 前記リーン角取得部 ( 6 2 ) で取得される前記リーン 角 (A) が大きい程、 前記開始基準ス リ ップ率 (S s t h) を小さい値に設定する、 請求項 4に記載のモータサイクル用ブレーキシステ ( 1 0 ) の制御装置 (6 0 ) 。 【請求項 6】