Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
COPOLYMER AND METHOD FOR PRODUCING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/113589
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a copolymer which is capable of providing an article surface with sufficient dynamic water repellency, water repellency after air-drying and friction durability, while having little burden on the environment. Also disclosed are a method for producing the copolymer, a water repellent composition, and an article having excellent dynamic water repellency, water repellency after air-drying and friction durability. The copolymer has a structural unit derived from the monomer (a) described below and a structural unit derived from the monomer (b) described below, with the ratio of the structural unit derived from the monomer (a) being 5-95% by mass and the ratio of the structural unit derived from the monomer (b) being 5-60% by mass relative to the total structural units (100% by mass). In the copolymer, the total ratio of the structural unit derived from the monomer (a) and the structural unit derived from the monomer (b) is not less than 65% by mass. Monomer (a): a (meth)acrylate not containing a polyfluoroalkyl group but having an alkyl group with 20-30 carbon atoms Monomer (b): a halogenated olefin

Inventors:
SUGIYAMA KAZUNORI (JP)
SHIMADA TOYOMICHI (JP)
OTOZAWA NOBUYUKI (JP)
OHMORI YUICHI (JP)
SHIMADA MINAKO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/054692
Publication Date:
September 17, 2009
Filing Date:
March 11, 2009
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
ASAHI GLASS CO LTD (JP)
SUGIYAMA KAZUNORI (JP)
SHIMADA TOYOMICHI (JP)
OTOZAWA NOBUYUKI (JP)
OHMORI YUICHI (JP)
SHIMADA MINAKO (JP)
International Classes:
C08F220/68; C08F214/00; C09K3/18
Domestic Patent References:
WO2008136435A12008-11-13
WO2008136436A12008-11-13
WO2008153075A12008-12-18
WO2002083809A12002-10-24
WO2002083809A12002-10-24
Foreign References:
JPS6354411A1988-03-08
JPH10114847A1998-05-06
JPH09183806A1997-07-15
JPH0388804A1991-04-15
JP2007333564A2007-12-27
JP2002511507A2002-04-16
Other References:
See also references of EP 2264079A4
Attorney, Agent or Firm:
SENMYO, Kenji et al. (JP)
Spring name Kenji (JP)
Download PDF:
Claims:
 下記単量体(a)に基づく構成単位と下記単量体(b)に基づく構成単位とを有し、
 前記単量体(a)に基づく構成単位の割合が、全構成単位(100質量%)のうち、5~95質量%であり、
 前記単量体(b)に基づく構成単位の割合が、全構成単位(100質量%)のうち、5~60質量%であり、
 前記単量体(a)に基づく構成単位と前記単量体(b)に基づく構成単位の含有割合の合計が、全構成単位(100質量%)の65質量%以上である、ことを特徴とする共重合体。
 単量体(a):ポリフルオロアルキル基を有さず、炭素数が20~30のアルキル基を有する(メタ)アクリレート。
 単量体(b):ハロゲン化オレフィン。
 下記単量体(c)に基づく構成単位をさらに有する、請求項1に記載の共重合体。
 単量体(c):ポリフルオロアルキル基を有する単量体。
前記単量体(c)が、下式(1)で表される化合物である、請求項2に記載の共重合体。
 (Z-Y) n X ・・・(1)。
 ただし、Zは、炭素数が1~6のポリフルオロアルキル基、または下式(2)で表される基であり、Yは、2価有機基または単結合であり、nは、1または2であり、Xは、nが1の場合は、下式(3-1)~(3-5)で表される基のいずれかであり、nが2の場合は、下式(4-1)~(4-4)で表される基のいずれかである。
 C i F 2i+1 O(CFX 1 CF 2 O) j CFX 2 - ・・・(2)。
 ただし、iは、1~6の整数であり、jは、0~10の整数であり、X 1 およびX 2 は、それぞれフッ素原子またはトリフルオロメチル基である。
 -CR=CH 2  ・・・(3-1)、
 -COOCR=CH 2  ・・・(3-2)、
 -OCOCR=CH 2  ・・・(3-3)、
 -OCH 2 -φ-CR=CH 2  ・・・(3-4)、
 -OCH=CH 2  ・・・(3-5)。
 ただし、Rは、水素原子、メチル基またはハロゲン原子であり、φはフェニレン基である。
 -CH[-(CH 2 ) m CR=CH 2 ]- ・・・(4-1)、
 -CH[-(CH 2 ) m COOCR=CH 2 ]- ・・・(4-2)、
 -CH[-(CH 2 ) m OCOCR=CH 2 ]- ・・・(4-3)、
 -OCOCH=CHCOO- ・・・(4-4)。
 ただし、Rは、水素原子、メチル基またはハロゲン原子であり、mは0~4の整数である。
 前記単量体(c)に基づく構成単位の割合が、全構成単位(100質量%)のうち、1~35質量%である、請求項2または3に記載の共重合体。
 前記単量体(b)が、塩化ビニルまたは塩化ビニリデンである、請求項1~4のいずれかに記載の共重合体。
 下記単量体(d)に基づく構成単位をさらに有する、請求項1~5のいずれかに記載の共重合体。
 単量体(d):ポリフルオロアルキル基を有さず、架橋しうる官能基を有する単量体。
前記単量体(d)に基づく構成単位の割合が、全構成単位(100質量%)のうち、0.1~8質量%である、請求項6に記載の共重合体。
 界面活性剤および重合開始剤の存在下、媒体中にて下記単量体(a)と下記単量体(b)とを含む単量体混合物を重合する共重合体の製造方法であって、
 前記単量体(a)の割合が、全単量体(100質量%)のうち、5~95質量%であり、
 前記単量体(b)の割合が、全単量体(100質量%)のうち、5~60質量%であり

 前記単量体混合物(100質量%)における前記単量体(a)と前記単量体(b)の含有割合の合計が65質量%以上である、共重合体の製造方法。
 単量体(a):ポリフルオロアルキル基を有さず、炭素数が20~30のアルキル基を有する(メタ)アクリレート。
 単量体(b):ハロゲン化オレフィン。
 前記単量体混合物が、さらに下記単量体(c)を含有し、
 前記単量体(c)の割合が、全単量体(100質量%)のうち、1~35質量%である、請求項8に記載の共重合体の製造方法。
 単量体(c):ポリフルオロアルキル基を有する単量体。
 前記単量体(b)が、塩化ビニルまたは塩化ビニリデンである請求項8または9に記載の共重合体の製造方法。
 請求項1~7のいずれかに記載の共重合体と媒体とを含む、撥水剤組成物。
 ノニオン性界面活性剤およびカチオン性界面活性剤をさらに有する、請求項11に記載の撥水剤組成物。
 請求項11または12に記載の撥水剤組成物を用いて処理された物品。
Description:
共重合体およびその製造方法

 本発明は、共重合体、その製造方法、該 重合体を含む撥水剤組成物および該撥水剤 成物を用いて処理された物品に関する。

 物品(繊維製品等。)の表面に撥水性を付与 る方法としては、炭素数が8以上のポリフル ロアルキル基(以下、ポリフルオロアルキル 基をR f 基と記す。)を有する単量体に基づく構成単 を有する共重合体を媒体に分散させたエマ ションからなる撥水撥油剤組成物を用いて 品を処理する方法が知られている。
 しかし、最近、EPA(米国環境保護庁)によっ 、炭素数が8以上のパーフルオロアルキル基( 以下、パーフルオロアルキル基をR F 基と記す。)を有する化合物は、環境および 体中で分解し、分解生成物が蓄積する点、 なわち環境負荷が高い点が指摘されている そのため、炭素数が6以下のR f 基を有する単量体に基づく構成単位を有し、 炭素数が8以上のR f 基を有する単量体に基づく構成単位をできる だけ減らした撥水撥油剤組成物用の共重合体 が要求されている。

 該共重合体を含む撥水撥油剤組成物として 、たとえば、下記の撥水撥油剤組成物が提 されている。
 下記単量体(A)に基づく構成単位および下記 量体(B)に基づく構成単位から実質的になる 重合体を必須とする撥水撥油剤組成物(特許 文献1)。
 単量体(A):炭素数が6以下のR F 基を有する単量体等。
 単量体(B):炭素数が15以上のアルキル基を有 る(メタ)アクリレート等。

 しかし、該撥水撥油剤組成物で処理された 品は、高所から落下してきた水(降雨)に対 る撥水性(以下、動的撥水性と記す。)、洗濯 後に強制的に加熱せずに乾燥した後の撥水性 (以下、風乾後撥水性と記す。)および摩擦後 撥水性(以下、摩擦耐久性と記す。)が不充 である。

国際公開第02/083809号パンフレット

 本発明は、物品の表面に充分な動的撥水 、風乾後撥水性および摩擦耐久性を付与で 、かつ環境負荷が低い共重合体、その製造 法、撥水剤組成物、および動的撥水性、風 後撥水性および摩擦耐久性に優れた物品を 供する。

 本発明の共重合体は、下記単量体(a)に基づ 構成単位と下記単量体(b)に基づく構成単位 を有し、前記単量体(a)に基づく構成単位の 合が、全構成単位(100質量%)のうち、5~95質量 %であり、前記単量体(b)に基づく構成単位の 合が、全構成単位(100質量%)のうち、5~60質量% であり、前記単量体(a)に基づく構成単位と前 記単量体(b)に基づく構成単位の含有割合の合 計が、全構成単位(100質量%)の65質量%以上であ ることを特徴とする。
 単量体(a):R f 基を有さず、炭素数が20~30のアルキル基を有 る(メタ)アクリレート。
 単量体(b):ハロゲン化オレフィン。

 本発明の共重合体は、下記単量体(c)に基づ 構成単位をさらに有することが好ましい。
 単量体(c):R f 基を有する単量体。

 前記単量体(c)は、下式(1)で表される化合物 あることが好ましい。
 (Z-Y) n X ・・・(1)。
 ただし、Zは、炭素数が1~6のR f 基、または下式(2)で表される基であり、Yは 2価有機基または単結合であり、nは、1また 2であり、Xは、nが1の場合は、下式(3-1)~(3-5) 表される基のいずれかであり、nが2の場合は 、下式(4-1)~(4-4)で表される基のいずれかであ 。
 C i F 2i+1 O(CFX 1 CF 2 O) j CFX 2 - ・・・(2)。
 ただし、iは、1~6の整数であり、jは、0~10の 数であり、X 1 およびX 2 は、それぞれフッ素原子またはトリフルオロ メチル基である。
 -CR=CH 2  ・・・(3-1)、
 -COOCR=CH 2  ・・・(3-2)、
 -OCOCR=CH 2  ・・・(3-3)、
 -OCH 2 -φ-CR=CH 2  ・・・(3-4)、
 -OCH=CH 2  ・・・(3-5)。
 ただし、Rは、水素原子、メチル基またはハ ロゲン原子であり、φはフェニレン基である
 -CH[-(CH 2 ) m CR=CH 2 ]- ・・・(4-1)、
 -CH[-(CH 2 ) m COOCR=CH 2 ]- ・・・(4-2)、
 -CH[-(CH 2 ) m OCOCR=CH 2 ]- ・・・(4-3)、
 -OCOCH=CHCOO- ・・・(4-4)。
 ただし、Rは、水素原子、メチル基またはハ ロゲン原子であり、mは0~4の整数である。

 前記単量体(c)に基づく構成単位の割合は、 構成単位(100質量%)のうち、1~35質量%である とが好ましい。
 前記単量体(b)は、塩化ビニルまたは塩化ビ リデンであることが好ましい。

 本発明の共重合体は、下記単量体(d)に基づ 構成単位をさらに有することが好ましい。
 単量体(d):ポリフルオロアルキル基を有さず 、架橋しうる官能基を有する単量体

 本発明の共重合体の製造方法は、界面活 剤および重合開始剤の存在下、媒体中にて 記単量体(a)と前記単量体(b)とを含む単量体 合物を重合する共重合体の製造方法であっ 、前記単量体(a)の割合が、全単量体(100質量 %)のうち、5~95質量であり、前記単量体(b)の割 合が、全単量体(100質量%)のうち、5~60質量%で り、前記単量体混合物(100質量%)における前 単量体(a)と前記単量体(b)の含有割合の合計 65質量%以上であることを特徴とする。

 前記単量体混合物は、さらに前記単量体(c) 含有し、前記単量体(c)の割合は、全単量体( 100質量%)のうち、1~35質量%であること好まし 。
 前記単量体(b)は、塩化ビニルまたは塩化ビ リデンであることが好ましい。

 本発明の撥水剤組成物は、本発明の共重合 を含むものである。
 本発明の物品は、本発明の撥水剤組成物を いて処理されたものである。

 本発明の共重合体は、物品の表面に充分な 的撥水性、風乾後撥水性および摩擦耐久性 付与でき、かつ環境負荷が低い。
 本発明の共重合体の製造方法によれば、物 の表面に充分な動的撥水性、風乾後撥水性 よび摩擦耐久性を付与でき、かつ環境負荷 低い共重合体を製造できる。
 本発明の撥水剤組成物は、物品の表面に充 な動的撥水性、風乾後撥水性および摩擦耐 性を付与でき、かつ環境負荷が低い。
 本発明の物品は、動的撥水性、風乾後撥水 および摩擦耐久性に優れる。

 本明細書においては、式(1)で表される化合 を化合物(1)と記す。他の式で表される化合 も同様に記す。また、本明細書においては 式(2)で表される基を基(2)と記す。他の式で される基も同様に記す。また、本明細書に ける(メタ)アクリレートは、アクリレート たはメタクリレートを意味する。また、本 細書における単量体は、重合性不飽和基を する化合物を意味する。また、本明細書に けるR f 基は、アルキル基の水素原子の一部またはす べてがフッ素原子に置換された基であり、R F 基は、アルキル基の水素原子のすべてがフッ 素原子に置換された基である。

<共重合体>
 本発明の共重合体は、単量体(a)に基づく構 単位と、単量体(b)に基づく構成単位とを必 構成単位として有し、必要に応じて、単量 (c)に基づく構成単位、単量体(d)に基づく構 単位、単量体(e)に基づく構成単位を有する

(単量体(a))
 単量体(a)は、R f 基を有さず、炭素数が20~30のアルキル基を有 る(メタ)アクリレートである。アルキル基 炭素数が20以上であれば、動的撥水性、風乾 後撥水性が良好となる。アルキル基の炭素数 が30以下であれば、相対的に融点が低く、ハ ドリングしやすい。
 単量体(a)としては、ベヘニル(メタ)アクリ ートが好ましく、ベヘニルアクリレートが に好ましい。

(単量体(b))
 単量体(b)は、ハロゲン化オレフィンである 単量体(b)に基づく構成単位を有することに り、本発明の共重合体からなる皮膜の強度 向上し、また、本発明の共重合体からなる 膜と基材との接着性が向上する。
 ハロゲン化オレフィンとしては、塩素化オ フィンまたはフッ素化オレフィンが好まし 、具体的には、塩化ビニル、塩化ビニリデ 、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリ ンが挙げられる。基材との相互作用を考慮 た場合、塩化ビニルまたは塩化ビニリデン 特に好ましい。

(単量体(c))
 単量体(c)は、R f 基を有する単量体である。
 本発明の共重合体は、単量体(c)に基づく重 単位を有さない場合であっても、優れた動 撥水性および風乾後撥水性を発現するが、 量体(c)に基づく重合単位を有する場合、共 合体の疎水性が向上し、より優れた耐久撥 性を発現すると考えられる。

 単量体(c)としては、炭素数が1~20のR f 基、または直鎖または分岐のポリフルオロア ルキレン基が酸素原子を介して結合した部分 構造をもつ化合物が好ましい。
 ただし、本発明の共重合体は、環境への影 が指摘されているパーフルオロオクタン酸( PFOA)等が含まれる可能性をなくすという観点 らは、炭素数が8以上のR F 基を有する単量体に基づく構成単位を有さな いことが好ましい。

 単量体(c)としては、化合物(1)が特に好まし 。
 (Z-Y) n X ・・・(1)。

 Zは、炭素数が1~6のR f 基(ただし、該R f 基はエーテル性の酸素原子を含んでいてもよ い。)、または基(2)である。
 C i F 2i+1 O(CFX 1 CF 2 O) j CFX 2 - ・・・(2)。
 ただし、iは、1~6の整数であり、jは、0~10の 数であり、X 1 およびX 2 は、それぞれ独立にフッ素原子またはトリフ ルオロメチル基である。
 R f 基としては、R F 基が好ましい。R f 基は、直鎖状であってもよく、分岐状であっ てもよく、直鎖状が好ましい。
 Zとしては、下記の基が挙げられる。
 F(CF 2 ) 4 -、
 F(CF 2 ) 5 -、
 F(CF 2 ) 6 -、
 (CF 3 ) 2 CF(CF 2 ) 2 -、
 C k F 2k+1 O[CF(CF 3 )CF 2 O] h -CF(CF 3 )-等。
 ただし、kは、1~6の整数であり、hは0~10の整 である。

 Yは、2価有機基または単結合である。
 2価有機基としては、アルキレン基が好まし い。アルキレン基は、直鎖状であってもよく 、分岐状であってもよい。アルキレン基は、 -O-、-NH-、-CO-、-S-、-SO 2 -、-CD 1 =CD 2 -(ただし、D 1 、D 2 は、それぞれ独立に水素原子またはメチル基 である。)等を有していてもよい。

 Yとしては、下記の基が挙げられる。
 -CH 2 -、
 -CH 2 CH 2 -
 -(CH 2 ) 3 -、
 -CH 2 CH 2 CH(CH 3 )-、
 -CH=CH-CH 2 -、
 -S-CH 2 CH 2 -、
 -CH 2 CH 2 -S-CH 2 CH 2 -、
 -CH 2 CH 2 -SO 2 -CH 2 CH 2 -等。

 nは、1または2である。
 Xは、nが1の場合は、基(3-1)~基(3-5)のいずれ であり、nが2の場合は、基(4-1)~基(4-4)のいず かである。

 -CR=CH 2  ・・・(3-1)、
 -COOCR=CH 2  ・・・(3-2)、
 -OCOCR=CH 2  ・・・(3-3)、
 -OCH 2 -φ-CR=CH 2  ・・・(3-4)、
 -OCH=CH 2  ・・・(3-5)。
 ただし、Rは、水素原子、メチル基またはハ ロゲン原子であり、φはフェニレン基である

 -CH[-(CH 2 ) m CR=CH 2 ]- ・・・(4-1)、
 -CH[-(CH 2 ) m COOCR=CH 2 ]- ・・・(4-2)、
 -CH[-(CH 2 ) m OCOCR=CH 2 ]- ・・・(4-3)、
 -OCOCH=CHCOO- ・・・(4-4)。
 ただし、Rは、水素原子、メチル基またはハ ロゲン原子であり、mは0~4の整数である。

 化合物(1)としては、他の単量体との重合性 共重合体の皮膜の柔軟性、物品に対する共 合体の接着性、媒体に対する溶解性、乳化 合の容易性等の点から、炭素数が4~6のR F 基を有する(メタ)アクリレートが好ましい。
 化合物(1)としては、Zが炭素数4~6のR F 基であり、Yが炭素数1~4のアルキレン基であ 、nが1であり、Xが基(3-3)である化合物が好ま しい。

(単量体(d))
 単量体(d)は、R f 基を有さず、架橋しうる官能基を有する単量 体である。
 重合体(A)が単量体(d)に基づく構成単位を有 ることにより、摩擦耐久性がさらに向上す 。

 架橋しうる官能基としては、共有結合、イ ン結合または水素結合のうち少なくとも1つ 以上の結合を有する官能基、または、該結合 の相互作用により架橋構造を形成できる官能 基が好ましい。
 該官能基としては、イソシアネート基、ブ ックドイソシアネート基、アルコキシシリ 基、アミノ基、アルコキシメチルアミド基 シラノール基、アンモニウム基、アミド基 エポキシ基、水酸基、オキサゾリン基、カ ボキシル基、アルケニル基、スルホン酸基 が好ましく、水酸基、ブロックドイソシア ート基、アミノ基、またはエポキシ基が特 好ましい。

 単量体(d)としては、(メタ)アクリレート類 アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ま はビニルエステル類が好ましい。
 単量体(d)としては、下記の化合物が挙げら る。

 2-イソシアナトエチル(メタ)アクリレート 、3-イソシアナトプロピル(メタ)アクリレー 、4-イソシアナトブチル(メタ)アクリレート 2-イソシアナトエチル(メタ)アクリレートの 2-ブタノンオキシム付加体、2-イソシアナト チル(メタ)アクリレートのピラゾール付加体 、2-イソシアナトエチル(メタ)アクリレート 3,5-ジメチルピラゾール付加体、2-イソシア トエチル(メタ)アクリレートの3-メチルピラ ール付加体、2-イソシアナトエチル(メタ)ア クリレートのε-カプロラクタム付加体、3-イ シアナトプロピル(メタ)アクリレートの2-ブ タノンオキシム付加体、3-イソシアナトプロ ル(メタ)アクリレートのピラゾール付加体

 3-イソシアナトプロピル(メタ)アクリレー トの3,5-ジメチルピラゾール付加体、3-イソシ アナトプロピル(メタ)アクリレートの3-メチ ピラゾール付加体、3-イソシアナトプロピル (メタ)アクリレートのε-カプロラクタム付加 、4-イソシアナトブチル(メタ)アクリレート の2-ブタノンオキシム付加体、4-イソシアナ ブチル(メタ)アクリレートのピラゾール付加 体、4-イソシアナトブチル(メタ)アクリレー の3,5-ジメチルピラゾール付加体、4-イソシ ナトブチル(メタ)アクリレートの3-メチルピ ゾール付加体、4-イソシアナトブチル(メタ) アクリレートのε-カプロラクタム付加体。

 メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、 トキシメチル(メタ)アクリルアミド、ブトキ シメチル(メタ)アクリルアミド、ダイアセト アクリルアミド、γ-メタクリロイルオキシ ロピルトリメトキシシラン、トリメトキシ ニルシラン、ビニルトリメトキシシラン、 メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、 エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジ メチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、( メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリ ロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム クロライド、(メタ)アクリロイルオキシプロ ルトリメチルアンモニウムクロライド、(メ タ)アクリルアミドエチルトリメチルアンモ ウムクロライド、(メタ)アクリルアミドプロ ピルトリメチルアンモニウムクロライド。

 t-ブチル(メタ)アクリルアミドスルホン酸 、(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アク リルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルア ド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド ジアセトン(メタ)アクリルアミド、グリシ ル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル( メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル( タ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ) アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピ メタクリレート、ポリオキシアルキレング コールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アク リル酸、2-(メタ)アクリロイルオキシエチル ハク酸、2-(メタ)アクリロイルオキシヘキサ ドロフタル酸、2-(メタ)アクリロイルオキシ エチルアシッドフォスフェート、アリル(メ )アクリレート、2-ビニル-2-オキサゾリン、2- ビニル-4-メチル-(2-ビニルオキサゾリン)ヒド キシエチル(メタ)アクリレートのポリカプ ラクトンエステル。

 トリ(メタ)アリルイソシアヌレート(T(M)AIC 、日本化成社製)、トリアリルシアヌレート(T AC、日本化成社製)、フェニルグリシジルエチ ルアクリレートトリレンジイソシアナート(AT -600、共栄社化学社製)、3-(メチルエチルケト キシム)イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチ シクロヘキシル(2-ヒドロキシエチルメタク レート)シアナート(テックコートHE-6P、京絹 成社製)。ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ トのポリカプロラクトンエステル(プラクセ ルFA、FMシリーズ ダイセル化学工業社製)。

 単量体(d)としては、N-メチロール(メタ)ア クリルアミド、2-ヒドロキシエチル(メタ)ア リレート、グリシジル(メタ)アクリレート、 3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルメタクリレー またはヒドロキシエチル(メタ)アクリレー のポリカプロラクトンエステル(プラクセルF A、FMシリーズ ダイセル化学工業社製)が好ま しい。

(単量体(e))
 単量体(e)は、単量体(a)、単量体(b)、単量体( c)および単量体(d)を除く単量体である。

 単量体(e)としては、下記の化合物が挙げら る。
 メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)ア クリレート、プロピル(メタ)アクリレート、 チル(メタ)メタクリレート、シクロヘキシ (メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ )アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレー 、ベンジル(メタ)アクリレート、オクチル( タ)アクリレート、デシルメタクリレート、 シクロドデシルアクリレート、3-エトキシプ ピルアクリレート、メトキシ-ブチルアクリ レート、2-エチルブチルアクリレート、1、3- メチルブチルアクリレート、2-メチルペン ルアクリレート、ステアリル(メタ)アクリレ ート。

 酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ブテ 、イソプレン、ブタジエン、エチレン、プ ピレン、ビニルエチレン、ペンテン、エチ -2-プロピレン、ブチルエチレン、シクロヘ シルプロピルエチレン、デシルエチレン、 デシルエチレン、ヘキセン、イソヘキシル チレン、ネオペンチルエチレン、(1,2-ジエ キシカルボニル)エチレン、(1,2-ジプロポキ カルボニル)エチレン、メトキシエチレン、 トキシエチレン、ブトキシエチレン、2-メ キシプロピレン、ペンチルオキシエチレン シクロペンタノイルオキシエチレン、シク ペンチルアセトキシエチレン、スチレン、α -メチルスチレン、p-メチルスチレン、ヘキシ ルスチレン、オクチルスチレン、ノニルスチ レン。

 N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、ビニ アルキルエーテル、ハロゲン化アルキルビ ルエーテル、ビニルアルキルケトン、アジ ジニルエチル(メタ)アクリレート、2-エチル ヘキシルポリオキシアルキレン(メタ)アクリ ート、ポリオキシアルキレンジ(メタ)アク レート。

 クロトン酸アルキルエステル、マレイン アルキルエステル、フマル酸アルキルエス ル、シトラコン酸アルキルエステル、メサ ン酸アルキルエステル、トリアリルシアヌ ート、酢酸アリル、N-ビニルカルバゾール マレイミド、N-メチルマレイミド、側鎖にシ リコーンを有する(メタ)アクリレート、ウレ ン結合を有する(メタ)アクリレート、末端 炭素数1~4のアルキル基であるポリオキシア キレン鎖を有する(メタ)アクリレート、アル キレンジ(メタ)アクリレート等。

 単量体(a)に基づく構成単位の割合は、動的 水性、風乾後撥水性および摩擦耐久性の点 ら、全単量体(100質量%)のうち、5~95質量%で り、15~95質量%が好ましく、25~95質量%が特に ましい。
 単量体(b)に基づく構成単位の割合は、動的 水性、風乾後撥水性および摩擦耐久性の点 ら、全単量体(100質量%)のうち、5~60質量%で り、5~55質量%が好ましく、5~50質量%が特に好 しい。
 また、単量体(a)に基づく構成単位と単量体( b)に基づく構成単位の含有割合の合計は、全 成単位(100質量%)の65質量%以上であり、70質 %以上が好ましく、75質量%以上が特に好まし 。該合計を65質量%以上とすることにより、 的撥水性と風乾後撥水性の両方を兼ね備え ことができる。

 単量体(c)に基づく構成単位の割合は、全単 体(100質量%)のうち、0質量%であってもよい 、共重合体の疎水性を向上し、より優れた 久撥水性を発現するという観点から、0質量% 超が好ましく、1~35質量%がより好ましく、1~30 質量%がさらに好ましく、1~25質量%が特に好ま しい。
 単量体(d)に基づく構成単位の割合は、全単 体(100質量%)のうち、0~10質量%が好ましく、 擦耐久性の点から、0.1~8質量%がより好まし 、0.1~5質量%が特に好ましい。
 単量体(e)に基づく構成単位の割合は、全単 体(100質量%)のうち、0~20質量%が好ましく、0~ 15質量%がより好ましい。
 本発明における単量体に基づく構成単位の 合は、NMR分析および元素分析から求める。 お、NMR分析および元素分析から求められな 場合は、共重合体の製造時の単量体の仕込 量に基づいて算出してもよい。

(共重合体の製造方法)
 本発明の共重合体は、下記の方法で製造さ る。
 界面活性剤および重合開始剤の存在下、媒 中にて単量体(a)および単量体(b)を含み、必 に応じて単量体(c)~(e)を含む単量体混合物を 重合して、共重合体の溶液、分散液またはエ マルションを得る方法。
 重合法としては、分散重合法、乳化重合法 懸濁重合法等が挙げられ、乳化重合が好ま い。また、一括重合であってもよく、多段 合であってもよい。

 本発明の共重合体の製造方法としては、界 活性剤および重合開始剤の存在下、単量体( a)および単量体(b)を含み、必要に応じて単量 (c)~(e)を含む単量体混合物を乳化重合して共 重合体のエマルションを得る方法が好ましい 。
 共重合体の収率が向上する点から、乳化重 の前に、単量体、界面活性剤および水系媒 からなる混合物を前乳化することが好まし 。たとえば、単量体、界面活性剤および水 媒体からなる混合物を、ホモミキサーまた 高圧乳化機で混合分散する。

 媒体としては、後述の媒体が挙げられる。
 界面活性剤としては、後述の界面活性剤が げられる。
 界面活性剤の添加量は、単量体混合物の100 量部に対して、1~10質量部が好ましい。

 重合開始剤としては、熱重合開始剤、光重 開始剤、放射線重合開始剤、ラジカル重合 始剤、イオン性重合開始剤等が挙げられ、 溶性または油溶性のラジカル重合開始剤が ましい。
 ラジカル重合開始剤としては、アゾ系重合 始剤、過酸化物系重合開始剤、レドックス 開始剤等の汎用の開始剤が、重合温度に応 て用いられる。ラジカル重合開始剤として 、アゾ系化合物が特に好ましく、水系媒体 で重合を行う場合、アゾ系化合物の塩がよ 好ましい。重合温度は20~150℃が好ましい。
 重合開始剤の添加量は、単量体混合物の100 量部に対して、0.1~5質量部が好ましく、0.1~3 質量部がより好ましい。

 単量体混合物の重合の際には、分子量調整 を用いてもよい。分子量調節剤としては、 香族系化合物、メルカプトアルコール類ま はメルカプタン類が好ましく、アルキルメ カプタン類が特に好ましい。分子量調整剤 しては、メルカプトエタノール、n-オクチ メルカプタン、n-ドデシルメルカプタン、t- デシルメルカプタン、ステアリルメルカプ ン、α-メチルスチレンダイマ(CH 2 =C(Ph)CH 2 C(CH 3 ) 2 Ph、Phはフェニル基である。)等が挙げられる
 分子量調節剤の添加量は、単量体混合物の1 00質量部に対して、0.01~5質量部が好ましく、0 .1~3質量部がより好ましい。

 また、ジエチレングリコールビス(3-メル プトブチレート)、ペンタエリスリトールテ トラキス(3-メルカプトブチレート)、2,4,6-ト メルカプトトリアジン、1,3,5-トリス(3-メル プトブチルオキシエチル)-1,3,5-トリアジン-2, 4,6(1H,3H,5H)-トリオン等の多官能メルカプト化 物の存在下で、単量体混合物を重合しても い。

 単量体(a)の割合は、動的撥水性、風乾後撥 性および摩擦耐久性の点から、単量体混合 (100質量%)のうち、5~95質量%であり、15~95質量 %が好ましく、25~95質量%が特に好ましい。
 単量体(b)の割合は、動的撥水性、風乾後撥 性および摩擦耐久性の点から、単量体混合 (100質量%)のうち、5~60質量%であり、5~55質量% が好ましく、5~50質量%が特に好ましい。
 また、単量体(a)と単量体(b)の含有割合の合 は、単量体混合物(100質量%)の65質量%以上で り、70質量%以上が好ましく、75質量%以上が に好ましい。該合計を65質量%以上とするこ により、動的撥水性と風乾後撥水性の両方 兼ね備えることができる。

 単量体(c)の割合は、単量体混合物(100質量%) うち、0質量%であってもよいが、共重合体 疎水性を向上し、より優れた耐久撥水性を 現するという観点から、0質量%超が好ましく 、1~35質量%がより好ましく、1~30質量%さらに ましく、1~25質量%が特に好ましい。
 単量体(d)の割合は、単量体混合物(100質量%) うち、0~10質量%が好ましく、摩擦耐久性の から、0.1~8質量%がより好ましく、0.1~5質量% 特に好ましい。
 単量体(e)の割合は、単量体混合物(100質量%) うち、0~20質量%が好ましく、0~15質量%がより 好ましい。

 本発明の共重合体の質量平均分子量(Mw)は、 1000~100万が好ましく、3000~100万が特に好まし 。
 共重合体の質量平均分子量(Mw)は、ゲルパー ミエイションクロマトグラフィ(GPC)で測定さ る、ポリスチレン換算の分子量である。

 以上説明した本発明の共重合体にあっては 単量体(b)に基づく構成単位の存在によって 単量体(a)に基づく構成単位における長鎖ア キル基の配向性が高くなり、動的撥水性、 乾後撥水性が向上する。また、単量体(b)に づく構成単位の存在によって、本発明の共 合体の物品への接着性および本発明の共重 体からなる皮膜の強度が高くなり、摩擦耐 性が向上する。
 また、本発明の共重合体にあっては、単量 (c)に基づく構成単位を有さない、または、 量体(c)に基づく構成単位を有していても割 が1~35質量%であるため、従来のものに比べ 環境負荷が低い。

<撥水剤組成物>
 本発明の撥水剤組成物は、本発明の共重合 と媒体とを必須成分として含み、必要に応 て、界面活性剤、添加剤を含む。

(媒体)
 媒体としては、水、アルコール、グリコー 、グリコールエーテル、ハロゲン化合物、 化水素、ケトン、エステル、エーテル、窒 化合物、硫黄化合物、無機溶剤、有機酸等 挙げられる。なかでも、溶解性、取扱いの 易さの点から、水、アルコール、グリコー 、グリコールエーテルおよびグリコールエ テルからなる群から選ばれた1種以上の媒体 が好ましい。

 アルコールとしては、メタノール、エタ ール、1-プロパノール、2-プロパノール、1- タノール、2-ブタノール、2-メチルプロパノ ール、1,1-ジメチルエタノール、1-ペンタノー ル、2-ペンタノール、3-ペンタノール、2-メチ ル-1-ブタノール、3-メチル-1-ブタノール、1,1- ジメチルプロパノール、3-メチル-2-ブタノー 、1,2-ジメチルプロパノール、1-ヘキサノー 、2-メチル-1-ペンタノール、4-メチル-2-ペン タノール、2-エチル-1-ブタノール、1-へプタ ール、2-へプタノール、3-へプタノール等が げられる。

 グリコール、またはグリコールエーテル しては、エチレングリコール、エチレング コールモノメチルエーテル、エチレングリ ールモノエチルエーテル、エチレングリコ ルモノブチルエーテル、エチレングリコー モノメチルエーテルアセタート、エチレン リコールモノエチルエーテルアセタート、 チレングリコールモノブチルエーテルアセ ート、プロピレングリコール、プロピレン リコールモノメチルエーテル、プロピレン リコールモノエチルエーテル、プロピレン リコールジメチルエーテル、ジプロピレン リコール、ジプロピレングリコールモノメ ルエーテル、ジプロピレングリコールジメ ルエーテル、ジプロピレングリコールモノ チルエーテル、トリプロピレングリコール トリプロピレングリコールモノメチルエー ル、ポリプロピレングリコール、ヘキシレ グリコール等が挙げられる。

 ハロゲン化合物としては、ハロゲン化炭化 素、ハロゲン化エーテル等が挙げられる。
 ハロゲン化炭化水素としては、ハイドロク ロフルオロカーボン、ハイドロフルオロカ ボン、ハイドロブロモカーボン等が挙げら る。

 ハロゲン化エーテルとしては、ハイドロフ オロエーテル等が挙げられる。
 ハイドロフルオロエーテルとしては、分離 ハイドロフルオロエーテル、非分離型ハイ ロフルオロエーテル等が挙げられる。分離 ハイドロフルオロエーテルとは、エーテル 酸素原子を介してR F 基またはパーフルオロアルキレン基、および 、アルキル基またはアルキレン基が結合して いる化合物である。非分離型ハイドロフルオ ロエーテルとは、部分的にフッ素化されたア ルキル基またはアルキレン基を含むハイドロ フルオロエーテルである。

 炭化水素としては、脂肪族炭化水素、脂環 炭化水素、芳香族炭化水素等が挙げられる
 脂肪族炭化水素としては、ペンタン、2-メ ルブタン、3-メチルペンタン、ヘキサン、2,2 -ジメチルブタン、2,3-ジメチルブタン、ヘプ ン、オクタン、2,2,4-トリメチルペンタン、2 ,2,3-トリメチルヘキサン、デカン、ウンデカ 、ドデカン、2,2,4,6,6-ペンタメチルヘプタン 、トリデカン、テトラデカン、ヘキサデカン 等が挙げられる。
 脂環式炭化水素としては、シクロペンタン メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、 チルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサ 等が挙げられる。
 芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トル ン、キシレン等が挙げられる。

 ケトンとしては、アセトン、メチルエチル トン、2-ペンタノン、3-ペンタノン、2-ヘキ ノン、メチルイソブチルケトン等が挙げら る。
 エステルとしては、酢酸メチル、酢酸エチ 、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、乳酸 チル、乳酸エチル、乳酸ペンチル等が挙げ れる。
 エーテルとしては、ジイソプロピルエーテ 、ジオキサン、テトラヒドロフラン等が挙 られる。

 窒素化合物としては、ピリジン、N,N-ジメチ ルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド N-メチルピロリドン等が挙げられる。
 硫黄化合物としては、ジメチルスルホキシ 、スルホラン等が挙げられる。
 無機溶剤としては、液体二酸化炭素が挙げ れる。
 有機酸としては、酢酸、プロピオン酸、り ご酸、乳酸等が挙げられる。

 媒体は、1種を単独で用いてもよく、2種 上を混合して用いてもよい。媒体を2種以上 合して用いる場合、水と混合して用いるこ が好ましい。混合した媒体を用いることに り、共重合体の溶解性、分散性の制御がし すく、加工時における物品に対する浸透性 濡れ性、溶媒乾燥速度等の制御がしやすい

(界面活性剤)
 界面活性剤としては、炭化水素系界面活性 またはフッ素系界面活性剤が挙げられ、そ ぞれ、アニオン性界面活性剤、ノニオン性 面活性剤、カチオン性界面活性剤、または 性界面活性剤が挙げられる。
 界面活性剤としては、分散安定性の点から ノニオン性界面活性剤とカチオン性界面活 剤または両性界面活性剤との併用、または アニオン性界面活性剤の単独が好ましく、 ニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性 との併用が好ましい。
 ノニオン性界面活性剤とカチオン性界面活 剤との比(ノニオン性界面活性剤/カチオン 界面活性剤)は、97/3~40/60(質量比)が好ましい
 ノニオン性界面活性剤とカチオン性界面活 剤との特定の組み合わせにおいては、共重 体(100質量%)に対する合計量を、5質量%以下 できるため、物品の撥水性への悪影響を低 できる。

 ノニオン性界面活性剤としては、界面活性 s 1 ~s 6 からなる群から選ばれる1種以上が好ましい

界面活性剤s 1 :
 界面活性剤s 1 は、ポリオキシアルキレンモノアルキルエー テル、ポリオキシアルキレンモノアルケニル エーテル、ポリオキシアルキレンモノアルカ ポリエニルエーテル、またはポリオキシアル キレンモノポリフルオロアルキルエーテルで ある。
 界面活性剤s 1 としては、ポリオキシアルキレンモノアルキ ルエーテル、ポリオキシアルキレンモノアル ケニルエーテル、またはポリオキシアルキレ ンモノポリフルオロアルキルエーテルが好ま しい。界面活性剤s 1 は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併 してもよい。

 アルキル基、アルケニル基、アルカポリエ ル基またはポリフルオロアルキル基(以下、 アルキル基、アルケニル基、アルカポリエニ ル基およびポリフルオロアルキル基をまとめ てR s 基と記す。)としては、炭素数が4~26の基が好 しい。R s 基は、直鎖状であってもよく、分岐状であっ てもよい。分岐状のR s 基としては、2級アルキル基、2級アルケニル または2級アルカポリエニル基が好ましい。 R s 基は、水素原子の一部または全てがフッ素原 子で置換されていてもよい。

 R s 基の具体例としては、オクチル基、ドデシル 基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、ステ アリル基(オクタデシル基)、ベヘニル基(ドコ シル基)、オレイル基(9-オクタデセニル基)、 プタデシルフルオロオクチル基、トリデシ フルオロヘキシル基、1H,1H,2H,2H-トリデシル ルオロオクチル基、1H,1H,2H,2H-ノナフルオロ キシル基等が挙げられる。

 ポリオキシアルキレン(以下、POAと記す。 )鎖としては、ポリオキシエチレン(以下、POE 記す。)鎖および/またはポリオキシプロピ ン(以下、POPと記す。)鎖が2個以上連なった が好ましい。POA鎖は、1種のPOA鎖からなる鎖 あってもよく、2種以上のPOA鎖からなる鎖で あってもよい。2種以上のPOA鎖からなる場合 各POA鎖はブロック状に連結されることが好 しい。

 界面活性剤s 1 としては、化合物(s 11 )がより好ましい。
 R 10 O[CH 2 CH(CH 3 )O] s -(CH 2 CH 2 O) r H ・・・(s 11 )。
 ただし、R 10 は、炭素数が8以上のアルキル基または炭素 が8以上のアルケニル基であり、rは、5~50の 数であり、sは、0~20の整数である。R 10 は、水素原子の一部がフッ素原子に置換され ていてもよい。

 rが5以上であれば、水に可溶となり、水系 体中に均一に溶解するため、撥水剤組成物 物品への浸透性が良好となる。rが50以下で れば、親水性が抑えられ、撥水性が良好と る。
 sが20以下であれば、水に可溶となり、水系 体中に均一に溶解するため、撥水剤組成物 物品への浸透性が良好となる。

 rおよびsが2以上である場合、POE鎖とPOP鎖と ブロック状に連結される。
 R 10 としては、直鎖状または分岐状のものが好ま しい。
 rは、10~30の整数が好ましい。
 sは、0~10の整数が好ましい。

 化合物(s 11 )としては、下記の化合物が挙げられる。た し、POE鎖とPOP鎖とはブロック状に連結され 。
 C 18 H 37 O[CH 2 CH(CH 3 )O] 2 -(CH 2 CH 2 O) 30 H、
 C 18 H 35 O-(CH 2 CH 2 O) 30 H、
 C 16 H 33 O[CH 2 CH(CH 3 )O] 5 -(CH 2 CH 2 O) 20 H、
 C 12 H 25 O[CH 2 CH(CH 3 )O] 2 -(CH 2 CH 2 O) 15 H、
 (C 8 H 17 )(C 6 H 13 )CHO-(CH 2 CH 2 O) 15 H、
 C 10 H 21 O[CH 2 CH(CH 3 )O] 2 -(CH 2 CH 2 O) 15 H、
 C 6 F 13 CH 2 CH 2 O-(CH 2 CH 2 O) 15 H、
 C 6 F 13 CH 2 CH 2 O[CH 2 CH(CH 3 )O] 2 -(CH 2 CH 2 O) 15 H、
 C 4 F 9 CH 2 CH 2 O[CH 2 CH(CH 3 )O] 2 -(CH 2 CH 2 O) 15 H。

界面活性剤s 2 :
 界面活性剤s 2 は、分子中に1個以上の炭素-炭素三重結合お び1個以上の水酸基を有する化合物からなる ノニオン性界面活性剤である。
 界面活性剤s 2 としては、分子中に1個の炭素-炭素三重結合 および1個または2個の水酸基を有する化合 からなるノニオン性界面活性剤が好ましい
 界面活性剤s 2 は、分子中にPOA鎖を有してもよい。POA鎖とし ては、POE鎖、POP鎖、POE鎖とPOP鎖とがランダム 状に連結された鎖、またはPOE鎖とPOP鎖とがブ ロック状に連結された鎖が挙げられる。

 界面活性剤s 2 としては、化合物(s 21 )~(s 24 )が好ましい。
 HO-C(R 11 )(R 12 )-C≡C-C(R 13 )(R 14 )-OH ・・・(s 21 )、
 HO-(A 1 O) u -C(R 11 )(R 12 )-C≡C-C(R 13 )(R 14 )-(OA 2 ) v -OH ・・・(s 22 )、
 HO-C(R 15 )(R 16 )-C≡C-H ・・・(s 23 )、
 HO-(A 3 O) w -C(R 15 )(R 16 )-C≡C-H ・・・(s 24 )。

 A 1 ~A 3 は、それぞれアルキレン基である。
 uおよびvは、それぞれ0以上の整数であり、( u+v)は、1以上の整数である。
 wは、1以上の整数である。
 u、v、wが、それぞれ2以上である場合、A 1 ~A 3 は、それぞれ同一であってもよく、異なって いてもよい。
 POA鎖としては、POE鎖、POP鎖、またはPOE鎖とP OP鎖とを含む鎖が好ましい。POA鎖の繰り返し 位の数は、1~50が好ましい。

 R 11 ~R 16 は、それぞれ水素原子またはアルキル基であ る。
 アルキル基としては、炭素数が1~12のアルキ ル基が好ましく、炭素数が1~4のアルキル基が より好ましい。アルキル基としては、メチル 基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソ ブチル基等が挙げられる。

 化合物(s 22 )としては、化合物(s 25 )が好ましい。

 ただし、xおよびyは、それぞれ0~100の整数で ある。
 化合物(s 25 )は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併 用してもよい。
 化合物(s 25 )としては、xおよびyが0である化合物、xとyと の和が平均1~4である化合物、またはxとyとの が平均10~30である化合物が好ましい。

界面活性剤s 3 :
 界面活性剤s 3 は、POE鎖と、炭素数が3以上のオキシアルキ ンが2個以上連続して連なったPOA鎖とが連結 、かつ両末端が水酸基である化合物からな ノニオン性界面活性剤である。
 該POA鎖としては、ポリオキシテトラメチレ (以下、POTと記す。)および/またはPOP鎖が好 しい。

 界面活性剤s 3 としては、化合物(s 31 )または化合物(s 32 )が好ましい。
 HO(CH 2 CH 2 O) g1 (C 3 H 6 O) t (CH 2 CH 2 O) g2 H ・・・(s 31 )、
 HO(CH 2 CH 2 O) g1 (CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 O) t (CH 2 CH 2 O) g2 H ・・・(s 32 )。

 g1は、0~200の整数である。
 tは、2~100の整数である。
 g2は、0~200の整数である。
 g1が0の場合、g2は、2以上の整数である。g2 0の場合、g1は、2以上の整数である。
 -C 3 H 6 -は、-CH(CH 3 )CH 2 -であってもよく、-CH 2 CH(CH 3 )-であってもよく、-CH(CH 3 )CH 2 -と-CH 2 CH(CH 3 )-とが混在したものであってもよい。
 POA鎖は、ブロック状である。

 界面活性剤s 3 としては、下記の化合物が挙げられる。
 HO-(CH 2 CH 2 O) 15 -(C 3 H 6 O) 35 -(CH 2 CH 2 O) 15 H、
 HO-(CH 2 CH 2 O) 8 -(C 3 H 6 O) 35 -(CH 2 CH 2 O) 8 H、
 HO-(CH 2 CH 2 O) 45 -(C 3 H 6 O) 17 -(CH 2 CH 2 O) 45 H、
 HO-(CH 2 CH 2 O) 34 -(CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 O) 28 -(CH 2 CH 2 O) 34 H。

界面活性剤s 4 :
 界面活性剤s 4 は、分子中にアミンオキシド部分を有するノ ニオン性界面活性剤である。
 界面活性剤s 4 としては、化合物(s 41 )が好ましい。
 (R 17 )(R 18 )(R 19 )N(→O) ・・・(s 41 )。

 R 17 ~R 19 は、それぞれ1価炭化水素基である。
 本発明においては、アミンオキシド(N→O)を 有する界面活性剤をノニオン性界面活性剤と して扱う。
 化合物(s 41 )は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併 用してもよい。

 化合物(s 41 )としては、共重合体の分散安定性の点から 化合物(s 42 )が好ましい。
 (R 20 )(CH 3 ) 2 N(→O) ・・・(s 42 )。

 R 20 は、炭素数が6~22のアルキル基、炭素数が6~22 アルケニル基、炭素数が6~22のアルキル基が 結合したフェニル基、炭素数が6~22のアルケ ル基が結合したフェニル基、または炭素数 6~13のフルオロアルキル基である。R 20 としては、炭素数が8~22のアルキル基、炭素 が8~22のアルケニル基、または炭素数が4~9の リフルオロアルキル基が好ましい。

 化合物(s 42 )としては、下記の化合物が挙げられる。
 [H(CH 2 ) 12 ](CH 3 ) 2 N(→O)、
 [H(CH 2 ) 14 ](CH 3 ) 2 N(→O)、
 [H(CH 2 ) 16 ](CH 3 ) 2 N(→O)、
 [H(CH 2 ) 18 ](CH 3 ) 2 N(→O)、
 [F(CF 2 ) 6 (CH 2 ) 2 ](CH 3 ) 2 N(→O)、
 [F(CF 2 ) 4 (CH 2 ) 2 ](CH 3 ) 2 N(→O)。

界面活性剤s 5 :
 界面活性剤s 5 は、ポリオキシエチレンモノ(置換フェニル) ーテルの縮合物またはポリオキシエチレン ノ(置換フェニル)エーテルからなるノニオ 性界面活性剤である。
 置換フェニル基としては、1価炭化水素基で 置換されたフェニル基が好ましく、アルキル 基、アルケニル基またはスチリル基で置換さ れたフェニル基がより好ましい。

 界面活性剤s 5 としては、ポリオキシエチレンモノ(アルキ フェニル)エーテルの縮合物、ポリオキシエ レンモノ(アルケニルフェニル)エーテルの 合物、ポリオキシエチレンモノ(アルキルフ ニル)エーテル、ポリオキシエチレンモノ( ルケニルフェニル)エーテル、またはポリオ シエチレンモノ[(アルキル)(スチリル)フェ ル]エーテルが好ましい。

 ポリオキシエチレンモノ(置換フェニル) ーテルの縮合物またはポリオキシエチレン ノ(置換フェニル)エーテルとしては、ポリオ キシエチレンモノ(ノニルフェニル)エーテル ホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシエチ ンモノ(ノニルフェニル)エーテル、ポリオ シエチレンモノ(オクチルフェニル)エーテル 、ポリオキシエチレンモノ(オレイルフェニ )エーテル、ポリオキシエチレンモノ[(ノニ )(スチリル)フェニル]エーテル、ポリオキシ チレンモノ[(オレイル)(スチリル)フェニル] ーテル等が挙げられる。

界面活性剤s 6 :
 界面活性剤s 6 は、ポリオールの脂肪酸エステルからなるノ ニオン性界面活性剤である。
 ポリオールとは、グリセリン、ソルビタン ソルビット、ポリグリセリン、ポリエチレ グリコール、ポリオキシエチレングリセリ エーテル、ポリオキシエチレンソルビタン ーテルまたはポリオキシエチレンソルビッ エーテルを表わす。

 界面活性剤s 6 としては、ステアリン酸とポリエチレングリ コールとの1:1(モル比)エステル、ソルビット ポリエチレングリコールとのエーテルとオ イン酸とのl:4(モル比)エステル、ポリオキ エチレングリコールとソルビタンとのエー ルとステアリン酸との1:1(モル比)エステル、 ポリエチレングリコールとソルビタンとのエ ーテルとオレイン酸との1:1(モル比)エステル ドデカン酸とソルビタンとの1:1(モル比)エ テル、オレイン酸とデカグリセリンとの1:1 たは2:1(モル比)エステル、ステアリン酸とデ カグリセリンとの1:1または2:1(モル比)エステ が挙げられる。

界面活性剤s 7 :
 界面活性剤がカチオン性界面活性剤を含む 合、該カチオン性界面活性剤としては、界 活性剤s 7 が好ましい。
 界面活性剤s 7 は、置換アンモニウム塩形のカチオン性界面 活性剤である。

 界面活性剤s 7 としては、窒素原子に結合する水素原子の1 以上が、アルキル基、アルケニル基または 端が水酸基であるPOA鎖で置換されたアンモ ウム塩が好ましく、化合物(s 71 )がより好ましい。
 [(R 21 ) 4 N + ]・X -  ・・・(s 71 )。

 R 21 は、水素原子、炭素数が1~22のアルキル基、 素数が2~22のアルケニル基、炭素数が1~9のフ オロアルキル基、または末端が水酸基であ POA鎖である。4つのR 21 は、同一であってもよく、異なっていてもよ いが、4つのR 21 は同時に水素原子ではない。
 R 21 としては、炭素数が6~22の長鎖アルキル基、 素数が6~22の長鎖アルケニル基、または炭素 が1~9のフルオロアルキル基が好ましい。
 R 21 が長鎖アルキル基以外のアルキル基の場合、 R 21 としては、メチル基またはエチル基が好まし い。
 R 21 が、末端が水酸基であるPOA鎖の場合、POA鎖と しては、POE鎖が好ましい。

 X - は、対イオンである。
 X - としては、塩素イオン、エチル硫酸イオン、 または酢酸イオンが好ましい。

 化合物(s 71 )としては、モノステアリルトリメチルアン ニウムクロリド、モノステアリルジメチル ノエチルアンモニウムエチル硫酸塩、モノ( テアリル)モノメチルジ(ポリエチレングリ ール)アンモニウムクロリド、モノフルオロ キシルトリメチルアンモニウムクロリド、 (牛脂アルキル)ジメチルアンモニウムクロ ド、ジメチルモノココナッツアミン酢酸塩 が挙げられる。

界面活性剤s 8 :
 界面活性剤が両性界面活性剤を含む場合、 両性界面活性剤としては、界面活性剤s 8 が好ましい。
 界面活性剤s 8 は、アラニン類、イミダゾリニウムベタイン 類、アミドベタイン類または酢酸ベタインで ある。

 疎水基としては、炭素数が6~22の長鎖アルキ ル基、炭素数が6~22の長鎖アルケニル基、ま は炭素数が1~9のフルオロアルキル基が好ま い。
 界面活性剤s 8 としては、ドデシルベタイン、ステアリルベ タイン、ドデシルカルボキシメチルヒドロキ シエチルイミダゾリニウムベタイン、ドデシ ルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミ ドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が 挙げられる。

界面活性剤s 9 :
 界面活性剤として、界面活性剤s 9 を用いてもよい。
 界面活性剤s 9 は、親水性単量体と炭化水素系疎水性単量体 および/またはフッ素系疎水性単量体との、 ロック共重合体、ランダム共重合体、また 親水性共重合体の疎水性変性物からなる高 子界面活性剤である。

 界面活性剤s 9 としては、ポリエチレングリコール(メタ)ア リレートと長鎖アルキルアクリレートとの ロックまたはランダム共重合体、ポリエチ ングリコール(メタ)アクリレートとフルオ (メタ)アクリレートとのブロックまたはラン ダム共重合体、酢酸ビニルと長鎖アルキルビ ニルエーテルとのブロックまたはランダム共 重合体、酢酸ビニルと長鎖アルキルビニルエ ステルとのブロックまたはランダム共重合体 、スチレンと無水マレイン酸との重合物、ポ リビニルアルコールとステアリン酸との縮合 物、ポリビニルアルコールとステアリルメル カプタンとの縮合物、ポリアリルアミンとス テアリン酸との縮合物、ポリエチレンイミン とステアリルアルコールとの縮合物、メチル セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセル ロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース 等が挙げられる。

 界面活性剤s 9 の市販品としては、クラレ社のMPポリマー(商 品番号:MP-103、MP-203)、エルフアトケム社のSMA ジン、信越化学社のメトローズ、日本触媒 のエポミンRP、セイミケミカル社のサーフ ン(商品番号:S-381、S-393)等が挙げられる。

 界面活性剤s 9 としては、媒体が有機溶剤の場合または有機 溶剤の混合比率が多い場合、界面活性剤s 91 が好ましい。
 界面活性剤s 91 :親油性単量体とフッ素系単量体とのブロッ 共重合体またはランダム共重合体(そのポリ ルオロアルキル変性体)からなる高分子界面 活性剤。

 界面活性剤s 91 としては、アルキルアクリレートとフルオロ (メタ)アクリレートとの共重合体、アルキル ニルエーテルとフルオロアルキルビニルエ テルとの共重合体等が挙げられる。
 界面活性剤s 91 の市販品としては、セイミケミカル社のサー フロン(商品番号:S-383、SC-100シリーズ)が挙げ れる。

 界面活性剤の組み合わせとしては、撥水剤 成物の撥水性、耐久性に優れる点、得られ 乳化液の安定性の点から、界面活性剤s 1 と界面活性剤s 2 と界面活性剤s 7 との組み合わせ、または界面活性剤s 1 と界面活性剤s 3 と界面活性剤s 7 との組み合わせ、または界面活性剤s 1 と界面活性剤s 2 と界面活性剤s 3 と界面活性剤s 7 との組み合わせが好ましく、界面活性剤s 7 が化合物(s 71 )である上記の組み合わせがより好ましい。
 界面活性剤の合計量は、共重合体(100質量部 )に対して1~10質量部が好ましく、1~7質量部よ 好ましい。

(添加剤)
 本発明の撥水剤組成物は、必要に応じて各 の添加剤を含有していてもよい。
 添加剤としては、浸透剤、消泡剤、吸水剤 帯電防止剤、制電性重合体、防皺剤、風合 調整剤、造膜助剤、水溶性高分子(ポリアク リルアミド、ポリビニルアルコール等。)、 硬化剤(メラミン樹脂、ウレタン樹脂、トリ ジン環含有化合物、イソシアネート系化合 等。)、エポキシ硬化剤(イソフタル酸ジヒ ラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバチ 酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジ 、1,6-ヘキサメチレンビス(N,N-ジメチルセミ ルバジド)、1,1,1’,1,’-テトラメチル-4,4’-( チレン-ジ-パラ-フェニレン)ジセミカルバジ ド、スピログリコール等。)、熱硬化触媒、 橋触媒、合成樹脂、繊維安定剤、無機微粒 等が挙げられる。

 また、本発明の撥水剤組成物は、必要に じて、本発明の共重合体以外の、撥水性お び/または撥油性を発現できる共重合体(た えば、単量体(c)に基づく構成単位を多く含 共重合体、市販の撥水剤、市販の撥油剤、 販の撥水撥油剤等。)、フッ素原子を有さな 撥水性化合物等を含んでいてもよい。フッ 原子を有さない撥水性化合物としては、パ フィン系化合物、脂肪族アマイド系化合物 アルキルエチレン尿素化合物、シリコン系 合物等が挙げられる。

(撥水剤組成物の製造方法)
 本発明の撥水剤組成物は、下記(i)または(ii) の方法で製造される。
 (i)界面活性剤、重合開始剤の存在下、媒体 にて単量体(a)および単量体(b)を含み、必要 応じて単量体(c)~(e)を含む単量体混合物を重 合して共重合体の溶液、分散液またはエマル ションを得た後、必要に応じて、他の媒体、 他の界面活性剤、添加剤を加える方法。
 (ii)界面活性剤、重合開始剤の存在下、媒体 中にて単量体(a)および単量体(b)を含み、必要 に応じて単量体(c)~(e)を含む単量体混合物を 合して共重合体の溶液、分散液またはエマ ションを得た後、共重合体を分離し、共重 体に媒体、界面活性剤、必要に応じて添加 を加える方法。
 単量体混合物の重合は、上述の共重合体の 造方法における重合と同様に行えばよい。

 本発明の撥水剤組成物は、共重合体が媒 中に粒子として分散していることが好まし 。共重合体の平均粒子径は、10~1000nmが好ま く、10~300nmがより好ましく、10~250nmが特に好 ましい。平均粒子径が該範囲であれば、界面 活性剤、分散剤等を多量に用いる必要がなく 、撥水性が良好であり、染色された布帛類を 処理した場合に色落ちが発生せず、媒体中で 分散粒子が安定に存在できて沈降することが ない。共重合体の平均粒子径は、動的光散乱 装置、電子顕微鏡等により測定できる。

 エマルションの固形分濃度は、共重合体 製造直後は、エマルション(100質量%)中、20~4 0質量%が好ましい。なお、該固形分濃度は、 重合体の他、乳化剤も含む濃度である。エ ルションにおける共重合体の含有割合は、 重合体の製造直後は、18~40質量%が好ましい

 本発明の撥水剤組成物の固形分濃度は、物 の処理時は、撥水剤組成物(100質量%)中、0.2~ 5質量%が好ましい。
 エマルションまたは撥水剤組成物の固形分 度は、加熱前のエマルションまたは撥水剤 成物の質量と、120℃の対流式乾燥機にて4時 間乾燥した後の質量とから計算される。

 以上説明した本発明の撥水剤組成物にあ ては、単量体(b)に基づく構成単位の存在に って、単量体(a)に基づく構成単位における 鎖アルキル基の配向性が高くなり、動的撥 性および風乾後撥水性が向上する。また、 量体(b)に基づく構成単位の存在によって、 発明の撥水剤組成物の物品への接着性およ 本発明の撥水剤組成物からなる皮膜の強度 高くなり、摩擦耐久性が向上する。

 また、本発明の撥水剤組成物にあっては、 量体(c)に基づく構成単位を有さない場合、 たは、単量体(c)として化合物(1)を用いた場 、または、炭素数が8以上のR F 基を有する場合であっても共重合体の精製度 合いと重合のコンバージョンが極めて高い場 合は、環境への影響が指摘されている、パー フルオロオクタン酸(PFOA)やパーフルオロオク タンスルホン酸(PFOS)およびその前駆体、類縁 体の含有量(固形分濃度20%とした場合の含有 )を特願2007-333564に記載の方法によるLC-MS/MSの 分析値として検出限界以下にすることができ る。

<物品>
 本発明の物品は、本発明の撥水剤組成物を いて処理された物品である。
 本発明の撥水剤組成物で処理される物品と ては、繊維(天然繊維、合成繊維、混紡繊維 等。)、各種繊維製品、不織布、樹脂、紙、 革、金属、石、コンクリート、石膏、ガラ 等が挙げられる。
 処理方法としては、たとえば、公知の塗工 法によって物品に撥水剤組成物を塗布また 含浸した後、乾燥する方法が挙げられる。

 本発明の撥水剤組成物を用いて物品を処 すると、高品位な撥水性を物品に付与でき 。また、表面の接着性に優れ、低温でのキ アリングでも撥水性を付与できる。また、 擦や洗濯による性能の低下が少なく、加工 期の性能を安定して維持できる。また、紙 処理した場合は、低温の乾燥条件でも、優 たサイズ性および撥水性を紙に付与できる 樹脂、ガラスまたは金属表面などに処理し 場合には、物品への密着性が良好で造膜性 優れた撥水性皮膜を形成できる。

 以上説明した本発明の物品にあっては、 品の表面に充分な動的撥水性、風乾後撥水 および摩擦耐久性を付与でき、かつ環境負 が低い撥水剤組成物を用いているため、動 撥水性、風乾後撥水性および摩擦耐久性に れる。

 以下、実施例によって本発明を詳細に説明 るが、本発明はこれらに限定されない。
 例1、2、4~6、8~16は実施例であり、例3、7、17 ~22は比較例であり、例23は参考例である。

<共重合体の物性>
 下記の回収方法にて回収された共重合体に いて、分子量の測定および共重合体組成の 析を行った。

(共重合体回収方法A)
 エマルションの6gを、固形分が40質量%程度 なるように濃縮し、濃縮液を得た。濃縮液 、テトラヒドロフラン(以下、THFと記す。)の 約10gを滴下し、濃縮液中の固体を溶解させ、 THF溶液を得た。溶解しにくい場合には、超音 波をかけた。60gのメタノールに、THF溶液を滴 下し、撹拌して固体を析出させた。得られた 固体を減圧濾過にて回収した。35℃で一晩真 乾燥して共重合体を得た。

(共重合体回収方法B)
 エマルションの6gを、2-プロパノール(以下 IPAと記す。)の60gに滴下しし、撹拌して固体 析出させた。3000rpmで5分間遠心分離した後 得られた固体をデカントした。再度、IPAの12 gを加えてよく撹拌した。3000rpmで5分間遠心分 離した後、得られた固体を上澄み液から分離 し、35℃で一晩真空乾燥して共重合体を得た

(分子量)
 回収した共重合体を、0.5質量%のTHF溶液とし 、0.45μmのフィルタに通し、分析サンプルと た。該サンプルについて、数平均分子量(Mn) よび質量平均分子量(Mw)を測定した。測定条 件は下記のとおりである。

 装置:東ソー社製、HLC-8220GPC、
 カラム:TSKgel superHZ4000、superHZ3000、superHZ2500 superHZ2000の4種類を直列でつなげたもの、
 測定温度:40℃、
 注入量:40μL、
 流出速度:0.35mL/分、
 溶離液:THF、
 標準試料:Polymer laboratories社製、EasiCal PS-2

 なお、例20については、下記のようにして 子量を測定した。
 回収した共重合体を、フッ素系溶媒(旭硝子 社製、AK-225)/THF=6/4(体積比)の混合溶媒に溶解 せ、1質量%の溶液とし、0.2μmのフィルタに し、分析サンプルとした。測定条件は下記 とおりである。
 装置:東ソー社製、HLC-8220GPC、
 カラム:Polymer laboratories社製、MIXED-Cおよび10 0Aを直列でつなげたもの、
 測定温度:37℃、
 注入量:50μL、
 流出速度:1mL/分、
 標準試料:Polymer laboratories社製、EasiCal PM-2
 溶離液:フッ素系溶媒(旭硝子社製、AK-225)/THF =6/4(体積比)の混合溶媒。

(共重合体組成)
 共重合体組成の分析には、 19 F-NMR、 13 C-NMR、熱分解GC/MS、および自動試料燃焼装置- オンクロマトを用いた。
  19 F-NMR分析から単量体(c)に基づく構成単位にお る鎖長の長さに関する情報が得られる。ま 、 13 C-NMRから炭化水素系単量体に基づく構成単位 関する情報が得られる。なお、単量体(a)に づく構成単位のピークは、10-35ppm付近に観 される。塩化ビニルに基づく構成単位のピ クは、45ppmおよび56ppm付近に観測される。単 体(c)に基づく構成単位のピークは、105-120ppm 付近に観測される。
 GC/MS分析から、共重合体に含まれる単量体 基づく構成単位の詳細構造を知ることがで る。
 自動燃焼装置―イオンクロマト分析では共 合体中のF量およびCl量を定量した。F量から 単量体(c)に基づく構成単位の割合を算出でき る。また、Cl量から単量体(b)に基づく構成単 の割合を算出できる。
 各分析の条件は、下記のとおりである。

(NMR)
 装置:日本電子社製、ECP400、
 試料:5質量%の共重合体のCDCl 3 溶液、
  19 F-NMRの外部標準:1,1,2-トリクロロ-1,2,2-トリフ オロエタン、
 測定温度:室温。

(熱分解GC/MS)
 (熱分解条件)
 装置:フロンティアラボ社製、ダブルショッ トパイロライザー PY-2020iD、
 熱分解温度:600℃。
 (GC/MS条件)
 装置:HP社製、HP-5890/日本電子社製、SX-102A、
 カラム:J&W社製、DB-5(30m、0.25mmφ、0.25μm)
 カラムトップ圧:8psi、
 温度条件:40℃(3分)→320℃(15分)、20℃/分、
 注入端温度:300℃、
 イオン源温度:約180℃、
 スプリット比:(100:1)、
 イオン化法:EI+、
 試料量:100μg。
 (GC条件)
 装置:Agilent社製、6890N、
 カラム:J&W社製、DB-5(30m、0.25mmφ、0.25μm)
 カラム流量:1.0mL/分、
 温度条件:40℃(3分)→320℃(15分)、20℃/分、
 検出器:FID、
 注入端温度:300℃、
 検出器温度:320℃、
 スプリット比:(50:1)、
 試料量:100μg。

(自動燃焼装置―イオンクロマト(AQF-IC法))
 (自動試料燃焼装置)
 装置:ダイアインスツルメンツ社製、自動試 料燃焼装置AQF-100、
 燃焼条件:固体試料用モード、
 試料量:2~20mg。
 (イオンクロマトグラフ)
 装置:Dionex社製、
 カラム:IonpacAG12A+IonpacAS12A、
 溶離液:2.7mM-Na 2 CO 3 /0.3mM-NaHCO 3
 流速:1.3mL/分、
 サプレッサ:ASRS、
 検出器:電導度検出器、
 注入量:5μL。

<試験布の評価>
(撥水性)
 試験布について、JIS L1092-1992のスプレー試 にしたがって撥水性を評価した。撥水性は 1~5の5段階の等級で表した。点数が大きいほ ど撥水性が良好であることを示す。3等級以 であるものを撥水性が発現しているものと なす。等級に+(-)を記したものは、当該等級 標準的なものと比べてそれぞれの性質がわ かに良い(悪い)ことを示す。

(洗濯耐久性)
 試験布について、JIS L0217別表103の水洗い法 にしたがって、洗濯を20回または50回繰り返 た。洗濯後、室温25℃、湿度60%の部屋で一晩 風乾させた後、前記撥水性を評価した。

(撥油性)
 試験布について、AATCC-TM118-1966の試験方法に したがって撥油性を評価した。撥油性は、表 1に示す等級で表した。等級に+(-)を記したも は、それぞれの性質がわずかに良い(悪い) とを示す。

(洗濯耐久性)
 試験布について、JIS L0217別表103の水洗い法 にしたがって、洗濯を20回繰り返した。洗濯 、室温25℃、湿度60%の部屋で一晩風乾させ 後、前記撥油性を評価した。

(動的撥水性)
 試験布について、JIS L1092(C)法に記載の方法 (ブンデスマン試験)にしたがって、降雨量を1 00cc/分、降雨水温を20℃、降雨時間10分とする 条件で降雨させ、撥水性を評価した。撥水性 は、1~5の5段階の等級で表した。点数が大き ほど撥水性が良好であることを示す。3等級 上であるものを撥水性が発現しているもの みなす。等級に+(-)を記したものは、それぞ れの性質がわずかに良い(悪い)ことを示す。

(洗濯耐久性)
 試験布について、JIS L0217別表103の水洗い法 にしたがって、洗濯を20回または50回繰り返 た。洗濯後、室温25℃、湿度50%の部屋で一晩 風乾させた後、前記動的撥水性を評価した。

(乾燥摩擦耐久性)
 試験布について、マーチンデール摩擦試験 (JAMES H.HEAL&Co.LTD)を用いて、摩擦試験を った。摩擦回数は、1000回とした。
 摩擦試験後、前記動的撥水性を評価した。

(湿摩擦耐久性)
 試験布の表面に0.5mLの蒸留水を滴下した後 前記摩擦試験と同様にして、湿摩擦試験を った。摩擦回数は、500回とし、摩擦中は、 験布の表面に125回、250回、375回摩擦後に各 0.5mLの蒸留水を追加し、常に湿潤な状態を保 った。
 湿摩擦試験後、前記動的撥水性を評価した

(略号)
単量体(a):
 BeA:ベヘニルアクリレート、
 BeMA:ベヘニルメタクリレート。

単量体(b):
 VCM:塩化ビニル、
 VdCl:塩化ビニリデン。

単量体(c):
 CmFA:F(CF 2 ) m CH 2 CH 2 OC(O)CH=CH 2 (mが6~16の混合物であり、mが8以上のものが99 量%以上であり、mの平均値は9である、
 C6FMA:C 6 F 13 C 2 H 4 OC(O)C(CH 3 )=CH 2
 C6FA:C 6 F 13 C 2 H 4 OC(O)CH=CH 2
 αClC6:C 6 F 13 C 2 H 4 OC(O)CCl=CH 2
 C8FA:炭素数が8のR F 基を有するアクリレート。

単量体(d):
 D-BI:2-イソシアネートエチルメタクリレート の3,5-ジメチルピラゾール付加体(下式(5))、
 NMAM:N-メチロールアクリルアミド、
 HEMA:2-ヒドロキシエチルメタクリレート、
 FM-4:ポリカプロラクトンオリゴマーのメタ リル酸エステル(ダイセル化学工業社性、プ クセルFM-4、平均分子量586)。

単量体(e):
 STA:ステアリルアクリレート、
 DOM:ジオクチルマレエート。

分子量調整剤:
 NR1:1,3,5-トリス(3-メルカブトブチルオキシエ チル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン( 和電工社製、カレンズNR1)、
 nDOSH:n-ドデシルメルカプタン。

界面活性剤s 1 :
 PEO-20:ポリオキシエチレンオレイルエーテル (花王社製、エマルゲンE430、エチレンオキシ 約26モル付加物。)の10質量%水溶液、
 SFY465:2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオ ルエチレンオキシド付加物(日信化学工業株 会社 サーフィノール465、エチレンオキシ 付加モル数10)の10質量%水溶液。

界面活性剤s 7 :
 TMAC:モノステアリルトリメチルアンモニウ クロリド(ライオン社製、アーカード18-63)の1 0質量%水溶液。

界面活性剤s 3 :
 P-204:エチレンオキシドプロピレンオキシド 合物(日本油脂社製、プロノン204、エチレン オキシドの割合は40質量%。)の10質量%水溶液

重合開始剤:
 VA-061A:2,2'-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル )プロパン](和光純薬社製、VA-061)の酢酸塩の10 質量%水溶液。

媒体:
 DPG:ジプロピレングリコール、
 水:イオン交換水。

〔例1〕
 ガラス製ビーカーに、BeAの162.8g、HEMAの2.8g nDOSHの2.8g、PEO-20の69.0g、TMACの13.8g、P-204の13.8 g、DPGの82.8g、水の328.3gを入れ、60℃で30分間 温した後、ホモミキサー(日本精機製作所社 、バイオミキサー)を用いて混合して混合液 を得た。

 得られた混合液を、60℃に保ちながら高 乳化機(APVラニエ社製、ミニラボ)を用いて、 40MPaで処理して乳化液を得た。得られた乳化 の800gをステンレス製反応容器に入れ、40℃ 下となるまで冷却した。VA-061Aの13.8gを加え 、気相を窒素置換した後、VCMの110.3gを導入 、撹拌しながら60℃で15時間重合反応を行い 、共重合体のエマルションを得た。共重合体 の回収方法、回収率、共重合体の分子量、単 量体混合物中の各単量体の割合を表5に示す

〔例2~21、23〕
 各原料の仕込み量を表2および表3に示す量 変更した以外は、例1と同様にして共重合体 エマルションを得た。共重合体の回収方法 回収率、共重合体の分子量、単量体混合物 の各単量体の割合を表4および表5に示す。

 また、一部の例については、共重合体組 の分析を行った。共重合体中の各構成単位 割合を表4および表5に示す。表中のAAは、100 -[単量体(b)に基づく構成単位の割合(算出値)+ 量体(c)に基づく構成単位の割合(算出値)]で す値である。これらの算出値は、仕込み比 とおおむね一致しており、共重合体中に,単 量体の仕込み量に相当する構成単位が含まれ ていることを示唆している。

〔例22〕
 ガラス製ビーカーに、C6FMAの137.9g、STAの110.3 g、HEMAの2.8g、nDOSHの2.8g、PEO-20の69.0g、TMACの13. 8g、P-204の13.8g、DPGの82.8g、水の328.3gを入れ、5 5℃で30分間加温した後、ホモミキサー(日本 機製作所社製、バイオミキサー)を用いて混 して混合液を得た。

 得られた混合液を、50℃に保ちながら高 乳化機(APVラニエ社製、ミニラボ)を用いて、 40MPaで処理して乳化液を得た。得られた乳化 の800gをガラス製反応器に入れ、30℃以下に 却した。VdClの24.8g、VA061-Aの13.8gを加えて、 相を窒素置換した後、撹拌しながら65℃で15 時間重合反応を行い、共重合体のエマルショ ンを得た。共重合体の回収方法、回収率、共 重合体の分子量、単量体混合物中の各単量体 の割合を表5に示す。

<試験布の評価>
 例1~23の共重合体のエマルションを蒸留水で 希釈し、固形分濃度を1.0質量%に調整した後 熱硬化剤であるトリメチロールメラミン樹 (大日本インキ化学工業社製、ベッカミンM-3) および熱硬化触媒である有機アミン塩触媒( 日本インキ化学工業社製、キャタリストACX) 、それぞれの濃度が0.3質量%となるように添 加し、さらに、表5に示す併用助剤を、濃度 0.8質量%となるように添加し、撥水剤組成物 得た。
 なお、TP-10は、ブロックドイソシアネート( 成化学工業社製、メーカネートTP-10)であり S-7は、特表2002-511507号公報の実施例4に基づ て合成したHDIヌレートタイプの架橋剤であ 。

 撥水剤組成物に、染色済みナイロン布を 漬し、ウェットピックアップが60質量%とな ように絞った。これを110℃で90秒間乾燥し 後、170℃で60秒間乾燥したものを試験布とし た。該試験布について、撥水性(風乾後撥水 )、撥油性、動的撥水性、摩擦耐久性を評価 た。結果を表6および表7に示す。

 本発明の共重合体および撥水剤組成物は、 維製品(衣料物品(スポーツウェア、コート ブルゾン、作業用衣料、ユニフォーム等。) かばん、産業資材等。)、不織布、皮革製品 、石材、コンクリート系建築材料、等の撥水 剤として有用である。また、濾過材料用コー ティング剤、表面保護剤として有用である。 さらに、ポリプロピレン、ナイロン等と混合 して成形、繊維化することにより撥水性を付 与する用途にも有用である。

 なお、2008年3月12日に出願された日本特許出 願2008-062541号の明細書、特許請求の範囲、及 要約書の全内容をここに引用し、本発明の 細書の開示として、取り入れるものである