三原 邦照 (〒22 東京都千代田区丸の内2丁目2番3号 古河電気工業株式会社内 Tokyo, 1008322, JP)
MATSUO, Ryosuke (2-3, Marunouchi 2-chome, Chiyoda-k, Tokyo 22, 1008322, JP)
古河電気工業株式会社 (〒22 東京都千代田区丸の内2丁目2番3号 Tokyo, 1008322, JP)
MIHARA, Kuniteru (2-3, Marunouchi 2-chome, Chiyoda-k, Tokyo 22, 1008322, JP)
三原 邦照 (〒22 東京都千代田区丸の内2丁目2番3号 古河電気工業株式会社内 Tokyo, 1008322, JP)
| Coを0.2~2mass%、Siを0.05~0.5mass%を含み、残部がCuおよび不可避不純物からなり、その結晶粒径が3~35μmで、CoとSiの両方を含む析出物のサイズが5~50nmであることを特徴とする電気電子部品用銅合金材。 |
| 更にFe、Ni、CrおよびPからなる群から選ばれる1種または2種以上を0.01~0.5mass%含むことを特徴とする請求項1記載の電気電子部品用銅合金材。 |
| 更にSn、Zn、MgおよびMnからなる群から選ばれる1種または2種以上を0.01~0.5mass%含むことを特徴とする請求項1記載の電気電子部品用銅合金材。 |
| 更にSn、Zn、MgおよびMnからなる群から選ばれる1種または2種以上を0.01~0.5mass%含むことを特徴とする請求項2記載の電気電子部品用銅合金材。 |
| 導電率が50%IACS以上、かつ、引張強度が500MPa以上で、曲げ加工性(R/t)が2以下であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項記載の電気電子部品用銅合金材。 |
| Coを0.2~2mass%、Siを0.05~0.5mass%を含み、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅合金を700℃以上950℃未満で溶体化再結晶熱処理を行う工程aと、前記工程a後に、前記溶体化再結晶熱処理時の温度から300℃までの平均冷却速度を50℃/sec以上とする冷却処理を行う工程bとを有する、結晶粒径が3~35μmで、CoとSiの両方を含む析出物のサイズが5~50nmである銅合金材を得ることを特徴とする電気電子部品用銅合金材の製造方法。 |
本発明は電気・電子機器用のコネクタ、 子材等、特に、高導電性が所望される高周 リレーやスイッチ、あるいは、自動車車載 などのコネクタや端子材およびリードフレ ムなどの電気電子部品に適用される銅合金 およびその製造方法に関する。
これまで、電子・電気機器用のコネクタ、
子、リレー、スイッチなどには黄銅(C2600)や
リン青銅(C5191,C5212,C5210)ならびにベリリウム
(C17200,C17530)やコルソン合金(C7025)などが使用
れてきた。
近年、これらが使用される電子・電気機器
使用される電流の周波数が高くなり、表皮
果により実質的な導電率が低下するため、
料にも高導電性が要求されるようになって
る。そこで、元々、黄銅やリン青銅は導電
が低く、コルソン銅合金はコネクタ材とし
、中導電性(EC≒40~50%IACS)を示すが、さらに
導電性が求められている。また、ベリリウ
銅は中導電性を有するが高価であり、さら
はベリリウムが環境負荷物質であるために
の銅合金等への置き換えが検討されている
とも周知である。一方、高導電性である純
(C1100)やSn入銅(C14410)などは強度が低い欠点が
ある。そこで、従来のコルソン銅を越える導
電性と、同等の引張強度、曲げ加工性を備え
た銅合金が所望されている。
上記CXXXXとは、JISで規定された銅合金の種
であり、%IACSとはinternational annealed copper sta
ndardの略で、材料の導電性を示す単位である
一般的に導電性と強度は相反する特性で り、強度を高める方法として固溶強化、加 強化、析出強化などの様々な強化方法があ が、この中で銅合金では析出強化が導電性 劣化させずに、強度を高める方法として有 であることが知られている。この析出強化 は析出を起こす元素を添加した合金を高温 処理して、銅母相へそれらの元素を固溶さ た後、その温度より低温で熱処理して、固 させた元素を析出させる手法である。例え 、ベリリウム銅、コルソン合金などはその 化方法を採用している。
ところで、上記ベリリウム銅、コルソン合
などのほか、銅中にコバルト(Co)とシリコン
(Si)の金属間化合物を含む合金も知られてい
。CoとSiの金属間化合物を利用した銅合金の
術には幾つかの公知例がある。
その公知例を挙げると、CoとSiと、Zn、Mg、S
必須成分として含む銅合金(例えば、特許文
献1参照)があり、CoとSiと、Mg、Sn,Znを含む合
(例えば、特許文献2参照)があり、CoとSiと、S
n、Znを必須に含む銅合金(例えば、特許文献3
照)である。特許文献2~3にはCoとSiの析出物
ついてCo 2
Si化合物との記載がある。また、リードフレ
ム用途の銅合金としてのCu-Co-Si系合金が記
されている文献もある(例えば、特許文献4参
照)。
ところで、この特許文献1における改善目的
は熱間加工性であり、CoとSiの析出物につい
は記載がなく、その大きさ等をどのように
御したかは当然記載がない。また、実施例
見ても、その強度や導電性を評価した結果
記載されていない。更に、Sが必須のため合
の種類が異なる。
特許文献2にはCoとSiの析出物についてCo 2
Si化合物との記載があるが、そのサイズやそ
制御方法に関しては記載が無く不明であり
500℃または450℃で1時間の焼鈍のみを行い、
再結晶処理を行っていない。つまり、強圧延
材のため結晶粒径は不明確である。
特許文献3には、特許文献2と同様、CoとSiの
出物についてCo 2
Si化合物との記載があるが、特許文献2と同様
サイズやその制御方法は不明で、400~500℃で1
間の焼鈍を行っている。また、その前に950
で溶体化処理と冷間圧延を行っている。こ
文献の記載はSn添加量が1mass%以上と高いた
、実施例を見ると導電率は30%IACS以下と比較
低い導電性が示されている。
特許文献4は、リードフレーム用途の銅合金
であり、析出強化型合金と記載されているが
具体的な化合物やそのサイズを示していない
。更に、500℃で1時間の熱処理、その後に冷
圧延と300℃で1時間のひずみ取り焼鈍を行っ
いるだけで再結晶処理を行っていない。よ
て、結晶粒径は不明確であると推定される
曲げ加工処理が伴うコネクタやリレー、ス
ッチなどに適用する材料は、その製造工程
再結晶処理が行われた後に高い加工を施さ
ると、その加工歪の影響で曲げ加工性が劣
するのが一般的である。再結晶熱処理は高
で行う必要があるが、特許文献1、2、4の実
例を見ると、これらは熱間圧延後、一度も
結晶を起こす高温熱処理工程が付加されて
ないため、強圧延材は曲げ加工性が悪いと
断される。
一方、合金組織において、結晶粒径が粗大
あると曲げ加工性が悪いことが知られてい
が、特許文献3の溶体化温度は950℃と非常に
高温であり、高温ほど結晶粒径が粗大化する
ためこの材料の曲げ加工性は悪いと判断され
る。また、950℃は銅合金の融点近傍であり、
材料形状が安定せず、また、高温ほど熱処理
炉の耐火材に特殊な材料を使用する必要があ
るため工業的には不利な条件である。
このように、高い導電性を有し、強度が高
、曲げ加工性の良好な銅合金を開発するた
には、上記各特許文献で開示されたような
知の技術だけでは所望の材料を得ることが
きないことがわかった。また、さらに良好
曲げ加工性を有する材料を得るためには結
粒径を適切に制御することが重要であるこ
を見出した。
そこで上記のような問題点に鑑み、本発明
課題は、高導電性で強度が高く、曲げ加工
の三者が共に優れたコネクタ、端子材、リ
ーなどの電気電子部品に適した銅合金材お
びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、電気・電子部品用途に適し
銅合金について研究を行い、導電性は50%IACS
以上、引張強度は500MPa以上、曲げ加工性はR/t
≦2の特性を同時に満足することが重要であ
ことが分かった。
ここで、R/tにおけるRは曲げ半径、tは板厚
あり、この値が低いほど良好な曲げ加工性
示す指針となる。
そこで、本発明は高導電性であると共に強
、曲げ加工性の両立を図るため、特定の成
組成を有し、結晶粒径の限定と析出物のサ
ズとの最適な関係を見出し、さらに検討を
ね発明を完成させるに至った。
本発明によれば、以下の手段が提供される:
(1)Coを0.2~2mass%、Siを0.05~0.5mass%を含み、残部が
Cuおよび不可避不純物からなり、その結晶粒
が3~35μmで、CoとSiの両方を含む析出物のサ
ズが5~50nmであることを特徴とする電気電子
品用銅合金材、
(2)更にFe、Ni、CrおよびPからなる群から選ば
る1種または2種以上を0.01~0.5mass%含むことを
徴とする(1)記載の電気電子部品用銅合金材
(3)更にSn、Zn、MgおよびMnからなる群から選ば
る1種または2種以上を0.01~0.5mass%含むことを
徴とする(1)記載の電気電子部品用銅合金材
(4)更にSn、Zn、MgおよびMnからなる群から選ば
る1種または2種以上を0.01~0.5mass%含むことを
徴とする(2)記載の電気電子部品用銅合金材
(5)導電率が50%IACS以上、かつ、引張強度が500MP
a以上で、曲げ加工性(R/t)が2以下であること
特徴とする(1)~(4)のいずれか1項記載の電気電
子部品用銅合金材、および
(6)Coを0.2~2mass%、Siを0.05~0.5mass%を含み、残部が
Cuおよび不可避不純物からなる銅合金を700℃
上950℃未満で溶体化再結晶熱処理を行う工
aと、前記工程a後に、前記溶体化再結晶熱
理時の温度から300℃までの平均冷却速度を50
℃/sec以上とする冷却処理を行う工程bとを有
る、結晶粒径が3~35μmで、CoとSiの両方を含
析出物のサイズが5~50nmである銅合金材を得
ことを特徴とする電気電子部品用銅合金材
製造方法。
なお、ここで「高導電性」は、導電率が50%I
ACS以上であることを意味する。
本発明は、Cu-Co-Siの特定の組成をもつ合金
、結晶粒径の限定と析出物の微細なサイズ
制御することで、高導電性を示し、強度が
く、優れた曲げ加工性と三つの特性の揃っ
銅合金材であり、電気電子機器用途の部品
好適な銅合金材を得ることができる。また
合金成分としてFe、Ni、Cr、PならびにSn、Zn、
Mg、Mnの添加を行うことにより、より優れた
性を持つ銅合金材を得ることができる。
さらに、特定の温度で溶体化再結晶熱処理
行い、その冷却速度を限定することで、結
粒径と析出物のサイズが制御でき、優れた
性を持つ銅合金材を得ることができる。
本発明の上記及び他の特徴及び利点は、適
添付の図面を参照して、下記の記載からよ
明らかになるであろう。
本発明の銅合金材の合金組成について好ま
い実施の態様を、以下に詳細に説明する。
お、本発明の銅合金材は、特定の形状を有
る銅合金材、例えば板材、条材、線材、棒
、箔などであり、どのような電気電子部品
も用いることができ、その部品は特に限定
れるものではないが、例えば、コネクタ、
子材等、特に、高導電性が所望される高周
リレーやスイッチ、あるいは、自動車車載
などのコネクタや端子材およびリードフレ
ム等に好適に用いられる。
本発明の銅合金組成では、CoとSiが必須成分
である。銅合金中のCoとSiは、主としてCo 2
Si金属間化合物の析出物を形成して強度およ
導電率を向上する。
Coを0.2~2mass%、好ましくは0.5~1.5mass%、さらに
ましくは0.8~1.4mass%、Siを0.05~0.5mass%、好まし
は0.1~0.45mass%、さらに好ましくは0.18~0.35mass%
ある。このように規定する理由は、前記し
ようにこれらは主としてCo 2
Siの金属間化合物の析出物を形成し、析出強
に寄与する。Co量が少なすぎると析出強化
が小さく、多すぎるとその効果が飽和して
まう。また、この化合物の化学量論比から
適な添加比は、Co/Si≒4.2であるが、この値を
中心にCo/Siを3.0~6.0、より好ましくは3.8~4.6の
囲内になるように調整することが好ましい
また、Coの添加量と溶体化再結晶処理を行
温度との関係では、好ましい範囲がある。
えば、Coの添加量が0.2~0.8mass%の場合には溶体
化再結晶処理を行う温度は700~800℃の範囲が
ましく、Coの添加量が0.5~1.2mass%の場合には溶
体化再結晶処理を行う温度は800~900℃の範囲
好ましく、Coの添加量が1.0~2.0mass%の場合には
溶体化再結晶処理を行う温度は900~950℃未満
範囲が好ましい。もちろん、溶体化再結晶
理を行う温度は上記温度範囲に限定される
のではないが、上記温度範囲は、後に記載
る結晶粒径に基づく望ましい範囲である。
さらに、本発明の銅合金にはFe、Ni、Crおよ Pのいずれか1種または2種以上を添加するの 好ましく、その量は0.01~0.5mass%、好ましくは 0.2~0.4mass%である。これらは、主析出相のCoの 部と置換して、(Co、χ) 2 Si化合物(χ=Fe、Ni、Cr、P)を形成して強度を向 させる働きがある(本発明における「CoとSi 両方を含む析出物」には、「CoとSiからなる 出物」のほか、「CoとSiを含み、さらにFe、N i、CrおよびPのいずれか1種または2種以上の元 素を含む析出物」も含む)。その添加量は少 すぎると添加の効果が少なく、多すぎると に、銅母相に固溶したり、他の強化作用を たない化合物(非整合析出物)を形成したりし て電気伝導性を阻害するためである。
また、本発明の銅合金には、Sn、Zn、Mgおよ
Mnのいずれか1種または2種以上を添加するの
が好ましく、その量は0.01~0.5mass%、好ましく
0.08~0.3mass%である。これらは、銅母相に固溶
て銅合金を強化する作用がある。そのため
その量が少なすぎるとその効果がなく、多
ぎると導電性を阻害するためこの量に留め
のが好ましい。なお、Znには半田密着性を
上させる効果が、Mg、Mnは熱間加工性を改善
る効果もある。
もちろん、Fe、Ni、Cr、PとSn、Zn、Mg、Mnを制
された範囲で複合添加しても、上記規定し
範囲内であれば、個々の特性を阻害するこ
はない。
本発明では、前記組成の銅合金材の特性を
適に実現するために結晶粒径およびCoとSiの
両方を含む析出物のサイズを厳密に規定する
。本発明において、結晶粒径は3~35μm、好ま
くは5~20μmである。その理由は、結晶粒径が
さすぎると再結晶が十分なところと、不十
な再結晶部分がみられる未再結晶を含む混
となり易く、曲げ加工性が悪いからである
一方、結晶粒径が大きすぎると粗大な粒径
ため粒界密度が低く、曲げ応力を十分に吸
することができないため加工性が劣化する
推察される。なお、「結晶粒径」は、後述
るJIS-H0501(切断法)に基づいて測定した値と
る。
また、更に本発明の銅合金材では主にCoとSi
の両方を含む化合物の析出物のサイズを5~50nm
としている。この化合物は銅母相と整合に析
出をして強化するため、このサイズが小さす
ぎると十分な析出強化量を得ることができず
、大きすぎるとその整合性を失って逆に、強
度の低下を招くためこの範囲に限定した。望
ましい、析出物のサイズは10~30nmである。
ここでいう「析出物のサイズ」は、後述す
方法で求めた析出物の平均サイズである。
本発明の電気電子部品用銅合金材では、 電率が50%IACS以上、引張強度が500MPa以上、ま た、曲げ加工性(R/t)が2以下の特性を有するも のが好ましい。その理由は、電気電子機器が 小型化・高性能化を希求するに伴い市場の要 求する電気電子部品に必要な最低の導電性と 引張強度ならびに曲げ加工性を満たすことに 基づくものである。導電率は、より好ましく は55%IACS以上、さらに好ましくは60%IACS以上で り、高い程好ましいが、その上限は通常70%I ACS程度である。引張強度は、より好ましくは 550MPa以上、さらに好ましくは600MPa以上であり 、高い程好ましいが、その上限は通常850MPa程 度である。また、曲げ加工性(R/t)は、より好 しくは1.5以下、さらに好ましくは1以下であ り、小さいほど好ましい。実際的には下限は 0である。
次に、本発明に係る銅合金材の好ましい製
方法は、例えば次のような態様である。本
明に係る銅合金材の主な製造工程の概略は
溶解→鋳造→熱間圧延→面削→冷間圧延→
体化再結晶熱処理→急速冷却→時効熱処理
最終冷間圧延→低温焼鈍である。時効熱処
と最終冷間圧延は逆の順序でも良い。また
最終の低温焼鈍は省略してもよい。
本発明においては、最終冷間圧延前の溶体
再結晶熱処理を700℃以上950℃未満とするの
好ましい。このように規定した理由は、上
のCoなどの元素を十分に溶体化処理する目
と再結晶処理するためには700℃以上が必要
あり、また、950℃以上になると銅の融点近
となり材料の部分溶融や形状変形問題が発
するため工業的に好ましい温度ではない。
ましくは、800℃以上950℃未満であれば十分
溶体化処理と再結晶処理ができ、かつ、工
的に安定的に製造できうる温度である。こ
温度の溶体化再結晶熱処理によって銅合金
中の結晶粒径が決定する。
また本発明では、この溶体化再結晶熱処理
度からの冷却速度が50℃/sec以上の急速冷却
好ましい。この急速冷却が得られなければ
記の高温で溶体化された元素が析出を起こ
ことがある。この冷却中に析出を起こした
子(化合物)は強度に寄与しない非整合析出
(Noncoherent Precipitate)であり、また、次の時効
熱処理工程で整合析出物(Coherent Precipitate)が
成される時に核生成サイトとして寄与し、
の部分の析出を促進させて、特性に悪影響
与えることとなる。
冷却速度は、80℃/sec以上が好ましく、さら
好ましくは100℃/sec以上であり、できる限り
早い焼入れ速度が望ましいが、その実際的な
上限は通常200℃/sec程度である。
なお、この冷却速度は高温の溶体化再結晶
処理温度から300℃までの平均速度を意味す
。300℃以下の温度では大きな組織変化は起
ないため、この温度までの冷却速度を適切
制御すればよい。
本発明では、溶体化再結晶熱処理後に、ま
はその後の最終冷間圧延後に、時効熱処理
行うことが好ましい。時効熱処理は450℃~600
℃で行うことが好ましく、より好ましくは500
℃~575℃である。また、時効熱処理は、1~4時
行うことが好ましく、より好ましくは2~3時
である。
最終冷間圧延前に時効熱処理を行う場合に
、525~575℃で時効熱処理を行うことがより好
ましい。
最終冷間圧延後に時効熱処理を行う場合に
、450~550℃で時効熱処理を行うことがより好
ましく、さらに好ましくは475℃~525℃である
冷間圧延処理により析出温度帯が低温側に
フトするためである。
最終冷間圧延での加工率(即ち、(H-H 1
)íH×100、ここでHは最終冷間圧延前の板厚を
し、H 1
は最終冷間圧延後の板厚を表す)は、5~25%が好
ましく、より好ましくは5~10%である。
低温焼鈍(ひずみ取り焼鈍)を行う場合には
法により行うことができるが、好ましくは30
0℃~450℃、より好ましくは350℃~400℃で、好ま
しくは5秒~120秒、より好ましくは10秒~30秒で
る。
次に、本発明を実施例に基づきさらに詳 に説明するが、本発明はそれらに限定され ものではない。
(実施例1)
本発明の実施例および比較例に用いた銅合
は、表1、表2に示した成分を含有し、残部
Cuと不可避不純物から成る合金(本発明例No.1~
30、比較例No.1~20)である。これらの各合金を
周波溶解炉により溶解し、これらを10~30℃/
の冷却速度で鋳造して厚さ30mm、幅100mm、長
150mmの鋳塊を得た。
得られた鋳塊を930~970℃の温度で0.5~1.0時間
持後、熱間圧延を行い板厚t=12mmの熱延板を
製し、その両面を各1mm面削してt=10mmとし、
いで冷間圧延によりt=0.3mmに仕上げ、700~950℃
の温度で溶体化再結晶熱処理を行った。この
溶体化再結晶熱処理をした材料を次の2工程
いずれかの処理を施して最終銅合金材を作
した。
工程A:溶体化再結晶熱処理→急速冷却→時
熱処理(500~600℃の温度で0.5~6時間)→最終冷間
圧延(加工率5~25%)→最終銅合金材
なお、必要に応じて、最終冷間圧延後300~400
℃の温度で1~2時間のひずみ取り焼鈍を実施し
、最終冷間圧延による歪を取り除いた。
工程B:溶体化再結晶熱処理→急速冷却→最
冷間圧延(加工率5~25%)→時効熱処理(450~550℃
温度で0.5~5時間)→最終銅合金材
本発明例および比較例で採用した溶体化再
晶熱処理温度、急速冷却処理時の冷却速度
時効熱処理温度、時効熱処理時間、最終冷
圧延加工率を表1および表2に示す。
この最終銅合金材の供試材について下記の
性調査を行い、その結果を表1(本発明例)及
表2(比較例)に示した。
a.結晶粒径:
供試材からの試験片の圧延方向に垂直な断
を湿式研磨、バフ研磨により鏡面に仕上げ
後、クロム酸:水=1:1の液で数秒研磨面を腐
した後、光学顕微鏡で200~400倍の倍率か、走
型電子顕微鏡(SEM)の二次電子像を用いて500~2
000倍の倍率で写真をとり、断面粒径をJIS H050
1の切断法に準じて結晶粒径を測定した。
なお、表中の「混粒」とは、再結晶と未再
晶(圧延加工残留)の両方が混在した組織で
混粒の場合には粒径は測定しなかった。未
結晶が存在すると曲げ加工性が劣化すると
われている。そのため、混粒は望ましくな
組織である。
b.析出物のサイズ
析出物のサイズは透過電子顕微鏡を用いて
価を行った。最終銅合金材では加工歪みの
響で観察しにくくなるため(特にA工程の場
)時効熱処理後の材料の組織観察を実施した
ひずみ取り焼鈍や冷間圧延では析出物のサ
ズや密度は変わらず、時効熱処理後の析出
のサイズと最終銅合金材の析出物のサイズ
一致するためである。時効熱処理材の任意
場所からTEM用試験片を切り出し、硝酸(20%)
メタノール溶液で温度-20~-25℃で電解研磨(ツ
インジェット:ストルアス社製)を行って観察
の試験片を完成させた。
その後、加速電圧:300kVで観察を行って、電
線の入射方位を(001)近傍に合わせて、10万倍
の倍率の写真を任意に3枚撮影した。その写
を用いて析出物(約100個)の平均サイズを求め
た。
c.引張強度:
各供試材の圧延平行方向から切り出したJIS
Z2201-13B号の試験片を引張り速度10mm/分、ゲー
ジ長50mmの条件で、JIS Z2241に準じて3本測定し
その平均値を求めた。
d.導電率測定:
四端子法を用いて、20℃(±1℃)に管理された
恒温槽中で、各供試材の各試験片の2本につ
て導電率を測定し、その平均値(%IACS)を求め
。このとき端子間距離は100mmとした。
e.曲げ加工性:
各供試材(厚さ0.15~0.25mm)を圧延方向に垂直に
幅10mm、長さ35mmに切出し、これを曲げの軸が
延方向に平行となるように90°W曲げ(Bad-way曲
げ)し、曲げ部における割れの有無を50倍の光
学顕微鏡で目視観察および走査型電子顕微鏡
(SEM)によりその曲げ加工部位を観察し割れの
無を調査した。曲げ半径Rは、R=0~0.5(mm)の8水
準(0、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.4、0.5)とした
なお、評価結果はR/t(Rは曲げ半径、tは板厚)
で表記し、割れが発生する限界のRを採用し
R/tを算出した。仮に、R=0.15(mm)で割れが発生
ず、R=0.1で割れが発生した場合は、板厚(t)=0
.15mmならR/t=0.15/0.15=1と表記した。
この実施例において、冷却速度の調整は焼
れをする漕の冷却液の種類とその冷却液の
を変えることで行った。用意した冷却液は
(水温:20~30℃)、シリコンオイル(液温:20~30℃)
、塩浴(液温:300℃、硝酸塩使用)の3種類であ
。なお、塩浴の場合はさらに、300℃以下の
却用(二次冷却)として、水浴を用いて常温ま
で冷却した。図1に各漕の冷却液の冷却速度
一例を示す。このデータは、試験片(50×150×0
.2mm)に熱伝対を装着して測定を行った結果で
る。
この例は全て冷却液が約5L(リットル)の場合
であり、水>シリコンオイル>塩浴の順に
却速度が速くなる。なお、今回の試験とは
却液の条件を変化させた場合についても試
を行ったところ、冷却液の量を減らすと冷
速度のカーブがなだらかとなるが、冷却液
を増やしても顕著に冷却速度の向上は見ら
なかった。
本発明例に示すNo.1~30は、いずれの銅合金材
も高強度、高導電性、良好な曲げ加工性を示
している。
これに対し、比較例に示すNo.1~13は前記(1)項
に記載の態様の範囲外のものがあり、強度、
導電性、曲げ加工性の条件の少なくとも1つ
満足していない。また、No.11~15は前記(2)項に
記載の態様に関する比較例であり、前記(2)項
で規定する組成の範囲外であり、No.16~18は前
(3)項に記載の態様に関する比較例であり、
記(3)項で規定する組成の範囲外であり、強
、導電性、曲げ加工性の条件の少なくとも1
つを満足していない。
そしてNo.19,20は前記(5)項に記載の態様に関
る比較例であり、前記(5)項で規定する態様
範囲外であるので、前記(5)項に記載の態様
範囲内である本発明例1~4(特に本発明例2~3)と
比較して、引張強度、曲げ加工性が劣る傾向
がみられる。
本発明をその実施態様とともに説明した 、我々は特に指定しない限り我々の発明を 明のどの細部においても限定しようとする のではなく、添付の請求の範囲に示した発 の精神と範囲に反することなく幅広く解釈 れるべきであると考える。
本願は、2008年1月31日に日本国で特許出願 された特願2008-022088に基づく優先権を主張す ものであり、これはここに参照してその内 を本明細書の記載の一部として取り込む。
