佐藤 浩二 (〒22 東京都千代田区丸の内2丁目2番3号 古河電気工業株式会社内 Tokyo, 10083, JP)
HIROSE, Kiyoshige (2-3, Marunouchi 2-chome, Chiyoda-k, Tokyo 22, 10083, JP)
古河電気工業株式会社 (〒22 東京都千代田区丸の内2丁目2番3号 Tokyo, 10083, JP)
SATO, Koji (2-3, Marunouchi 2-chome, Chiyoda-k, Tokyo 22, 10083, JP)
佐藤 浩二 (〒22 東京都千代田区丸の内2丁目2番3号 古河電気工業株式会社内 Tokyo, 10083, JP)
| Niを3.3質量%以上5.0質量%以下含有し、Siの含有量がNiとSiの質量比(Ni/Si)で2.8~3.8の範囲内にあり、Mgを0.01質量%以上0.2質量%以下,Snを0.05質量%以上1.5質量%以下、Znを0.2質量%以上1.5質量%以下含有し、残部がCuおよび不可避不純物からなる電気電子機器用銅合金材料であって、厚さt=0.20mm、幅w=2.0mmの試験片に対して曲げ半径R=0.1mmの90°W曲げを行った際に、割れを生じないことを特徴とする電気電子機器用銅合金材料。 |
| Niを3.3質量%以上5.0質量%以下含有し、Siの含有量がNiとSiの質量比(Ni/Si)で2.8~3.8の範囲内にあり、Mgを0.01質量%以上0.2質量%以下、Snを0.05質量%以上1.5質量%以下、Znを0.2質量%以上1.5質量%以下含有し、さらにAg、Co、およびCrからなる群から選択される1種以上を合計で0.005質量%以上2.0質量%以下含有し、残部がCuおよび不可避不純物からなる電気電子機器用銅合金材料であって、厚さt=0.20mm、幅w=2.0mmの試験片に対して曲げ半径R=0.1mmの90°W曲げを行った際に、割れを生じないことを特徴とする電気電子機器用銅合金材料。 |
| 鋳造された鋳塊を熱間圧延、生地(冷間)圧延、および溶体化処理を行った後、圧延率5~50%の中間(冷間)圧延、400~600℃にて0.5~12時間の時効処理、圧延率30%以下の仕上げ(冷間)圧延、および低温焼鈍処理をこの順に施して製造されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気電子機器用銅合金材料。 |
| 鋳造された鋳塊を熱間圧延、生地(冷間)圧延、および溶体化処理を行った後、300~400℃にて0.5~8時間の時効処理を施し、さらに425~600℃にて0.5~12時間の時効を施し、仕上げ(冷間)圧延、および低温焼鈍処理をこの順に施して製造されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気電子機器用銅合金材料。 |
| 鋳造された鋳塊を熱間圧延、生地(冷間)圧延、および溶体化処理を行った後、圧延率5~50%の中間(冷間)圧延、300~400℃にて0.5~8時間の時効処理を施し、さらに425~600℃にて0.5~12時間の時効処理を施し、圧延率30%以下の仕上げ(冷間)圧延、および低温焼鈍処理をこの順に施して製造されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気電子機器用銅合金材料。 |
| Niを3.3質量%以上5.0質量%以下含有し、Siの含有量がNiとSiの質量比(Ni/Si)で2.8~3.8の範囲内にあり、Mgを0.01質量%以上0.2質量%以下,Snを0.05質量%以上1.5質量%以下、Znを0.2質量%以上1.5質量%以下含有し、残部がCuおよび不可避不純物からなる電気電子機器用銅合金材料を加工して得られる電気電子部品であって、前記銅合金材料は、厚さt=0.20mm、幅w=2.0mmの試験片に対して曲げ半径R=0.1mmの90°W曲げを行った際に、割れを生じないことを特徴とする電気電子部品。 |
| Niを3.3質量%以上5.0質量%以下含有し、Siの含有量がNiとSiの質量比(Ni/Si)で2.8~3.8の範囲内にあり、Mgを0.01質量%以上0.2質量%以下、Snを0.05質量%以上1.5質量%以下、Znを0.2質量%以上1.5質量%以下含有し、さらにAg、Co、およびCrからなる群から選択される1種以上を合計で0.005質量%以上2.0質量%以下含有し、残部がCuおよび不可避不純物からなる電気電子機器用銅合金材料を加工して得られる電気電子部品であって、前記銅合金材料は、厚さt=0.20mm、幅w=2.0mmの試験片に対して曲げ半径R=0.1mmの90°W曲げを行った際に、割れを生じないことを特徴とする電気電子部品。 |
本発明は、電気電子機器用銅合金材料お び電気電子部品に関する。
電気電子機器用の部品、例えばコネクタの
ね接点材料には、強度、耐応力緩和特性・
電性・曲げ加工性・耐熱性・めっき密着性
マイグレーション特性などの特性が要求さ
る。従来、リン青銅が多く用いられてきた
、リン青銅は上記の特性を完全に満足する
とができず、より高強度で耐応力緩和特性
優れるベリリウム銅が広く用いられるよう
なった。
しかしながら、ベリリウム銅は非常に高価
かつ金属ベリリウムは環境負荷物質として
り扱われている。そこで、これらの材料に
わる合金として、銅にニッケル(Ni)とシリコ
ン(Si)を添加したコルソン合金(Cu-Ni-Si系合金)
注目されている。
コルソン合金はNi 2
Si金属間化合物の微細粒子をCu内に分散析出
せて強化する析出硬化型の合金であり、こ
までにNiおよびSiの添加量やNi/Siを規定して
高強度および高導電性を図ることについて
報告がある(特許文献1、2、3参照)。従来、コ
ルソン合金において、NiとSiの含有量の質量%
比、すなわちNi(質量%)/Si(質量%)の値(以下Ni/S
iと表記)は、主に強化に寄与するNi 2
Si化合物の化学量論比である4.2を中心とした
囲にするのが良いとされており、Ni/Siは特
文献1ではNi/Si=3~7となっており、また、特許
献2ではNi/Si=3.5~5.5、特許文献3では、Ni/Si=4~5
なっている。さらに特許文献1では固溶Siが
電率を低下することを懸念し、固溶Si量を
きるだけ低減させるため、Ni 2
Si組成よりもNi量が過剰気味な方が良く、Ni/Si
=4.5が最も良いとしている。特許文献2でもNi/S
i=4.2から値が外れる際の固溶NiおよびSiの増加
による導電率低下を懸念し、Ni 2
Siの化学量論比Ni/Si=4.2に近いことが好ましい
している。
しかしながら、これらの特許文献に代表さ
るように、Ni/Siは従来合金ではNi 2
Siの化学量論比もしくはNi 2
Siの化学量論比よりもNi過剰な値を良好とし
がらも、その範囲の規定は広く曖昧なもの
あった。また、強度と導電率のバランスを
つ検討は数多く行われていたが、高強度か
良好な曲げ加工性を有する条件については
十分に検討されていなかった。
そこで、本発明は、特に高い強度と良好な
げ加工性とを有する電気電子機器用銅合金
料およびそれを用いた電気電子部品を提供
ることを課題とする。
本発明者らは、従来のNi/Si範囲の中にもNi 2
Si化学量論比よりもSiが過剰な側において結
粒が微細になり、時効強度が向上する領域
あること、その銅合金は、従来のコルソン
金よりも若干導電率は犠牲にするが、バネ
リン青銅C5210の12%IACSよりは導電率は高くま
高強度ベリリウム銅C17200の25%IACSと同等以上
導電率を有し、コネクタ用途としては十分
導電率を保有し、且つ高強度と良好な曲げ
工性を保有しうることを見出した。本発明
これらの知見に基づきなすに至ったもので
る。
本発明によれば、以下の手段が提供される:
(1)Niを3.3質量%以上5.0質量%以下含有し、Siの含
有量がNiとSiの質量比(Ni/Si)で2.8~3.8の範囲内に
あり、Mgを0.01質量%以上0.2質量%以下,Snを0.05質
量%以上1.5質量%以下、Znを0.2質量%以上1.5質量%
以下含有し、残部がCuおよび不可避不純物か
なる電気電子機器用銅合金材料であって、
さt=0.20mm、幅w=2.0mmの試験片に対して曲げ半
R=0.1mmの90°W曲げを行った際に、割れを生じ
いことを特徴とする電気電子機器用銅合金
料、
(2)Niを3.3質量%以上5.0質量%以下含有し、Siの含
有量がNiとSiの質量比(Ni/Si)で2.8~3.8の範囲内に
あり、Mgを0.01質量%以上0.2質量%以下、Snを0.05
量%以上1.5質量%以下、Znを0.2質量%以上1.5質
%以下含有し、さらにAg、Co、およびCrからな
群から選択される1種以上を合計で0.005質量%
以上2.0質量%以下含有し、残部がCuおよび不可
避不純物からなる電気電子機器用銅合金材料
であって、厚さt=0.20mm、幅w=2.0mmの試験片に対
して曲げ半径R=0.1mmの90°W曲げを行った際に、
割れを生じないことを特徴とする電気電子機
器用銅合金材料、
(3)鋳造された鋳塊を熱間圧延、生地(冷間)圧
、および溶体化処理を行った後、圧延率5~50
%の中間(冷間)圧延、400~600℃にて0.5~12時間の
効処理、圧延率30%以下の仕上げ(冷間)圧延、
および低温焼鈍処理をこの順に施して製造さ
れたことを特徴とする前記(1)または(2)項に記
載の電気電子機器用銅合金材料、
(4)鋳造された鋳塊を熱間圧延、生地(冷間)圧
、および溶体化処理を行った後、300~400℃に
て0.5~8時間の時効処理を施し、さらに425~600℃
にて0.5~12時間の時効を施し、仕上げ(冷間)圧
、および低温焼鈍処理をこの順に施して製
されたことを特徴とする前記(1)または(2)項
記載の電気電子機器用銅合金材料、
(5)鋳造された鋳塊を熱間圧延、生地(冷間)圧
、および溶体化処理を行った後、圧延率5~50
%の中間(冷間)圧延、300~400℃にて0.5~8時間の時
効処理を施し、さらに425~600℃にて0.5~12時間
時効処理を施し、圧延率30%以下の仕上げ(冷
)圧延、および低温焼鈍処理をこの順に施し
て製造されたことを特徴とする前記(1)または
(2)項に記載の電気電子機器用銅合金材料、
(6)Niを3.3質量%以上5.0質量%以下含有し、Siの含
有量がNiとSiの質量比(Ni/Si)で2.8~3.8の範囲内に
あり、Mgを0.01質量%以上0.2質量%以下,Snを0.05質
量%以上1.5質量%以下、Znを0.2質量%以上1.5質量%
以下含有し、残部がCuおよび不可避不純物か
なる電気電子機器用銅合金材料を加工して
られる電気電子部品であって、前記銅合金
料は、厚さt=0.20mm、幅w=2.0mmの試験片に対し
曲げ半径R=0.1mmの90°W曲げを行った際に、割
を生じないことを特徴とする電気電子部品
および、
(7)Niを3.3質量%以上5.0質量%以下含有し、Siの含
有量がNiとSiの質量比(Ni/Si)で2.8~3.8の範囲内に
あり、Mgを0.01質量%以上0.2質量%以下、Snを0.05
量%以上1.5質量%以下、Znを0.2質量%以上1.5質
%以下含有し、さらにAg、Co、およびCrからな
群から選択される1種以上を合計で0.005質量%
以上2.0質量%以下含有し、残部がCuおよび不可
避不純物からなる電気電子機器用銅合金材料
を加工して得られる電気電子部品であって、
前記銅合金材料は、厚さt=0.20mm、幅w=2.0mmの試
験片に対して曲げ半径R=0.1mmの90°W曲げを行っ
た際に、割れを生じないことを特徴とする電
気電子部品。
本発明の電気電子機器用銅合金材料は、従
の、バネ用リン青銅C5210の12%IACSよりは導電
は高くまた高強度ベリリウム銅C17200の25%IACS
と同等以上の導電率を有し、コネクタ用途と
しては十分な導電率を有し、さらに極めて高
い強度を有して、かつ、良好な曲げ加工性を
有するものである。また、本発明の電気電子
部品は、前記電気電子機器用銅合金材料を加
工して得られるものであるから、極めて高い
強度を有しながら、かつ、コネクタ用途の部
品として要求される良好な曲げ加工性を有す
る。
本発明の上記及び他の特徴及び利点は、下
の記載からより明らかになるであろう。
本発明においては、Niの含有量を3.3質量% 上5.0質量%以下にすることで、良好な曲げ加 工性と同時に極めて高い強度が達成できる。 Ni含有量が上限値を超えると、鋳造時および 間加工時に、強度に影響しない粗大な化合 が晶出または析出して含有量に見合う強度 得られなくなり、また熱間加工性および曲 加工性が低下する。また、Ni含有量が下限 未満の場合は、導電性が向上するが、強度 低下する傾向がある。
Ni/Si(含有量の質量比)を2.8~3.8の範囲に規定 る。この範囲にすることでNi 2 Siの析出に加えてNi 3 Si 2 の析出が期待でき、Ni 2 SiおよびNi 3 Si 2 の析出密度も向上するため時効処理による引 張強度が向上する。また、固溶Si量の増加に って、溶体化処理時の結晶粒径が小さく制 できるため、曲げ加工性においても良好に く。上限値より大きい場合には要求する時 強度向上の効果が得られない。また、下限 未満では、要求する時効強度向上の効果が られないと共に、固溶Si量が結晶粒制御の 果以上に導電率を低下させ悪影響を与える 果が大きい。より好ましい範囲はNi/Siが3.3を 中心として、3.0~3.5である。この範囲におい は、引張強度、導電率、および曲げ加工性 バランスがよい材料を得ることができる。
Mgは耐応力緩和特性を改善するが、その 有量を0.01質量%以上0.2質量%以下に規定する 由は、0.01質量%未満では耐応力緩和特性の改 善が見られず、0.2質量%を超えると曲げ加工 に悪影響を及ぼすためである。Mgの含有量は 好ましくは0.05質量%以上0.15質量%以下である
SnはMgと相互に関係しあって、耐応力緩和 特性をよりいっそう向上させる。その含有量 を0.05質量%以上1.5質量%以下に規定する理由は 、0.05質量%未満ではその効果が十分に得られ 、1.5質量%を越えると導電率が低下するため である。Snの含有量は好ましくは0.1質量%以上 0.7質量%以下である。
Znは曲げ加工性を若干改善する。好まし はZn量を0.2質量%以上1.5質量%以下に規定する とにより、Mgを最大0.2質量%まで添加しても 用上問題ないレベルの曲げ加工性が得られ 。この他、ZnはSnめっきやはんだめっきの密 着性やマイグレーション特性を改善する。Zn が1.5質量%を超えると導電性が低下する。Zn 含有量は好ましくは0.3質量%以上1.0質量%以 である。
本発明の銅合金材料においては、上記の成
に加え、さらにAg、Co、Crの1種または2種以
を合計で0.005~2.0質量%を含有させても良い。
Agは耐熱性および強度を向上させると同時
、結晶粒の粗大化を阻止して曲げ加工性を
善する。Ag量が0.005質量%未満ではその効果が
充分に得られず、0.3質量%を超えて添加して
特性上に悪影響はないもののコスト高にな
。これらの観点からAgの含有量は0.005~0.3質量
%とする。
Coは、Niと同様にSiと化合物を形成して強度
向上させる。Coの含有量は0.05質量%未満では
その効果が充分に得られず、2.0質量%を超え
と、溶体化処理後にも強度に寄与しない晶
・析出物が存在して曲げ加工性が劣化する
CrはNiやSiとの第二相として析出し、結晶粒
の制御に有効である。0.05質量%未満ではそ
効果が充分に得られず、1.0質量%を超えると
げ加工性が劣化する。
上述Ag、Co、Crを2種以上添加する場合には、
要求特性に応じて0.005~2.0質量%の範囲内で決
される。
本発明の電気電子機器用銅合金材料は、好
しくは、鋳造、熱間圧延、生地圧延、溶体
処理を行った後、中間圧延、時効処理、仕
げ圧延、低温焼鈍処理を施す工程により製
されたものである。
本発明の電気電子機器用銅合金材料の形状
、特に限定されるものでなく、板、条、線
棒、箔などが挙げられる。
以下に、本発明の銅合金材料の好ましい製
方法について詳しく説明する。以下、代表
として銅合金板や銅合金条を製造する方法
ついて詳述する。
本発明では、鋳造は一般的なDC法(Direct Chill
Casting)などで行う。熱間圧延は、鋳塊を850~1
000℃の温度で0.5~12時間の均質化処理を施した
直後、700~950℃の温度で圧延を行い、その後
冷却中の析出を防ぐために水冷することが
ましい。熱間圧延後酸化膜を面削後に冷間
て圧延を行う。以下、この冷間圧延を生地
延と呼称する。生地圧延は中間圧延、仕上
圧延において所定の加工率が得られる板厚
圧延を行う。
溶体化処理は材料実体温度が800~950℃で行 い、3~60秒程度保持後、析出を防ぐため冷却 度は15℃/秒以上(より好ましくは30℃/秒以上) の冷却速度で冷却するのが好ましい。溶体化 処理温度が800℃より低い場合には、健全な再 結晶組織が得られずに曲げ加工性に悪影響を 及ぼし、また、Ni,Siの固溶量が不十分になり 効処理時におけるNi-Si系析出物の析出量が 十分で耐力が得られないなどの問題がある 溶体化処理温度が950℃より高い場合には、 結晶粒の粗大化が起こり、強度の低下、異 性の発現、曲げ加工性の劣化をもたらす。
中間圧延は時効処理における引張強度、 力を向上させる目的で冷間圧延を行う。中 圧延において銅合金母相中には転位が導入 れるが、それらの一部は次工程の時効処理 おいてNi-Si系化合物の異質核生成サイトと て機能し、化合物が高密・微細に形成する とを助け、Ni/Siの制御による析出密度増加の 効果を更に向上する。中間圧延は時効強度も 向上するために導入することが好ましいが、 圧延率が高過ぎても時効強度向上の効果は飽 和してしまい、また、曲げ加工性の劣化を引 き起こす。そのため、中間圧延は圧延率5~50% 範囲で行うのが好ましい。
時効処理は、銅母相にNi 2
SiおよびNi 3
Si 2
化合物を均一に分散析出させ、強度、導電率
を向上させる。バッチ式の炉を用い、材料の
実体温度400~600℃で0.5~12時間保持することが
ましい。実体温度が400℃より低い場合は、
分なNi-Si系化合物の析出量を得るために非常
に長時間を要する、または、耐力および導電
率が不十分となる。実体温度が600℃より高い
場合は、Ni-Si系化合物が粗大化するため、耐
を十分に得られない。
また、時効処理は材料の実体温度300~400℃に
て0.5~8時間の時効の後、実体温度425~600℃、0.5
~12時間の2段階の時効とすることで、Ni-Si化合
物の析出密度を向上し強度と曲げ性をさらに
向上させることが可能である。この2段階の
効処理を実施する場合、上記工程の中間圧
を実施しなくても良いが、中間圧延を行う
とで更に強度を向上させることができる。
仕上げ圧延は、耐力の向上を目的として 間圧延を行う。時効後の耐力が十分な場合 は、仕上げ圧延およびその後の工程の低温 鈍を導入しなくても良い。仕上げ圧延によ 圧延率が高過ぎると、曲げ加工性が劣化し 耐応力緩和特性を劣化させるため、圧延率 30%以下で施すことが好ましい。
低温焼鈍は、強度をある程度維持したま 、伸び、曲げ加工性およびバネ限界値を回 させる目的で行う。低温焼鈍時の実体温度 高過ぎる場合には、再結晶が起こり耐力の 下をもたらすので、実体温度300~600℃で、5~6 0秒の短時間での焼鈍を行うことが好ましい 実体温度が300℃より低い場合は、伸び、曲 加工性およびバネ限界値の回復が不十分で り、実体温度が600℃より高い場合は、強度 下をもたらす。
また、本発明の電気電子部品は、前記電 電子機器用銅合金材料を適宜加工すること よって得られる。この加工方法は特に制限 れるものではなく、常法によって、例えば プレス加工などの塑性加工により所望の部 形状にすればよい。
以下に本発明を実施例に基づいてさらに 細に説明するが、本発明はこれに限定され ものではない。
実施例1
表1に示す組成の銅合金を溶解し、DC法によ
鋳造して、厚さ30mm,幅100mm,長さ150mmの鋳塊を
得た。次にこれら鋳塊を900℃に加熱し、この
温度に1時間保持後、厚さ12mmに熱間圧延し、
やかに冷却した。次いで両面を各1.5mmずつ
削して酸化被膜を除去した後、生地圧延に
り厚さ0.25~0.50mmに加工した。この後、800~950
の種々の条件で溶体化処理を行い、直ちに15
℃/秒以上の冷却速度で冷却した。次いで圧
率5~50%の中間圧延を施した。次に不活性ガス
雰囲気中で、450~550℃で2時間の時効処理を施
、その後圧延率30%以下の仕上げ圧延を行い
最終的な板厚を0.20mmに揃えた。仕上げ圧延
、500℃で30秒の低温焼鈍処理を施した材料
以下の各種特性評価を行った。なお、本明
書において、各表に示す銅合金の成分(Ni、Si
等)の単位は、質量比であるNi/Siの値(単位な
)を除き、いずれも質量%(mass%)である。
次に、上述のとおりに製造した各々の銅合
板について、(1)結晶粒径、(2)引張強さ、(3)
電率、(4)曲げ加工性を調べた。結果を表1に
あわせて示す。
(1)結晶粒径はJIS H 0501(切断法)により求めた
(2)引張強さはJIS Z 2201記載の5号試験片を用
、JIS Z 2241に準拠して求めた。引張強度は5M
Paの整数倍に丸めて示した。
(3)導電率はJIS H 0505に準拠して求めた。
(4)曲げ加工性は、曲げ試験片幅wを2mm、板厚t
0.20mmとし、曲げ半径Rを0.1mmとすることで、R
/tの値が0.5になるように90°W曲げ試験を行っ
求めた。試験・評価方法は、日本伸銅協会
術標準「銅および銅合金薄板条の曲げ加工
評価方法(JBMA T307:1999)」に準拠した。曲げ試
験の結果、割れの無いものを良好と判定して
表1に「○」印を付し、割れが生じたものを
良と判定して表1に「×」印を付した。
表1に示すように、本発明例1~10は、極めて
い引張強度および良好な曲げ加工性を両立
るという優れた特性を示している。本発明
1~10は、すべて導電率が28%IACS以上、引張強度
が850MPa以上、曲げ加工性がR/t=0.5を満足する
のとなった。
参考例11、12はNi/Siは規定の範囲内だが、Ni
が下限値未満であるため、本発明例におけ
極めて高い強度は得られなかった。比較例13
、15~20および23はNi/Siが上限値より大きいため
に、それぞれ組成が対応する本発明例と比較
して強度が低く、また、結晶粒径が大きいた
めに曲げ加工性が低下した。比較例14、21、22
および24はNi/Siが下限値未満のために、それ
れ組成が対応する本発明例と比較して強度
低く、また、導電率が低下した。比較例24で
は曲げ加工性も低下した。比較例25はNi量が
定値よりも大きいために、粒径が大きく、
げ加工性が低下した。比較例26はNi量が規定
よりも大きいために、熱間圧延中に割れが
生したため製造を中止した。
実施例2
実施例1で製造した、No.4、15および22の鋳塊
用いて、溶体化処理後の工程を変化させた
果を調査した結果を表2に示す。表2に示し
番号は、例えば4の鋳塊を用いて製造工程を
更した場合には4-2など子番号を記載して表
してある。
本発明例4-2、比較例15-2および22-2は、実施
1記載の製造工程のうち、時効処理を350℃に
2時間の時効処理の後に500℃にて2時間の2段
の時効処理を施して作製した。本発明例4-3
比較例15-3および22-3は、実施例1の製造工程
うち、時効処理直前の中間圧延を行わずに
効処理を350℃にて2時間の時効処理の後に500
℃にて2時間の2段階の時効処理を施して作製
た。参考例4-4は実施例1の製造工程のうち、
時効処理直前の中間圧延を行わずに時効処理
を500℃にて2時間の1段階の時効処理のみで行
た例であり、前記(3)項に係る発明について
比較例である。
特性の調査は各々の銅合金板について、実
例1と同様に(1)結晶粒径、(2)引張強さ、(3)導
電率、(4)曲げ加工性を調べた。結果を表2に
わせて示す。
本発明例4-2および4-3は各々実施例1の本発明
例のNo.4よりさらに高い強度および良好な曲
加工性を達成している。
それに対して、比較例15-2および15-3はNi/Siが
上限値よりも大きいために本発明例4-2および
4-3と比較して、工程変更の効果が得られず強
度が低く、また結晶粒径が大きいために曲げ
加工性が低下した。比較例22-2および22-3はNi/S
iが下限値未満であるために、導電率が低く
本発明例4-2および4-3と比較して工程変更の
果が得られず強度が低かった。また、参考
4-4は強度を向上させようと仕上げ圧延率を
めた例であるが、むしろ強度は低下し、ま
、曲げ加工性が劣化した。
本発明の電気電子機器用銅合金材料は極 て高い強度を有し、かつ、良好な曲げ加工 を有するので、電気電子機器用の部品、特 コネクタのばね接点などに好適に用いるこ ができる。また、本発明の電気電子部品は 前記電気電子機器用銅合金材料を加工して られるものであるから、極めて高い強度を しながら、良好な曲げ加工性が要求される ネクタ用途の部品として好適である。
本発明をその実施態様とともに説明した 、我々は特に指定しない限り我々の発明を 明のどの細部においても限定しようとする のではなく、添付の請求の範囲に示した発 の精神と範囲に反することなく幅広く解釈 れるべきであると考える。
本願は、2008年3月31日に日本国で特許出願 された特願2008-092315に基づく優先権を主張す ものであり、ここに参照してその内容を本 細書の記載の一部として取り込む。
