金子 洋 (〒22 東京都千代田区丸の内2丁目2番3号 古河電気工業株式会社内 Tokyo, 〒1008322, JP)
HIROSE, Kiyoshige (2-3, Marunouchi 2-chome, Chiyoda-k, Tokyo 22, 〒1008322, JP)
古河電気工業株式会社 (〒22 東京都千代田区丸の内2丁目2番3号 Tokyo, 〒1008322, JP)
KANEKO, Hiroshi (2-3, Marunouchi 2-chome, Chiyoda-k, Tokyo 22, 〒1008322, JP)
金子 洋 (〒22 東京都千代田区丸の内2丁目2番3号 古河電気工業株式会社内 Tokyo, 〒1008322, JP)
| NiとCoのいずれか1種または2種を合計で0.5~5.0mass%、Siを0.3~1.5mass%含有し、残部が銅及び不可避不純物からなる組成を有し、EBSD測定における結晶方位解析において、cube方位{0 0 1}<1 0 0>の面積率が5~50%であることを特徴とする銅合金板材。 |
| NiとCoのいずれか1種または2種を合計で0.5~5.0mass%、Siを0.3~1.5mass%含有し、残部が銅及び不可避不純物からなる組成を有し、EBSD測定における結晶方位解析において、cube方位{0 0 1}<1 0 0>の面積率が5~50%であり、S方位{3 2 1}<3 4 6>の面積率が5~40%であることを特徴とする銅合金板材。 |
| 前記銅合金が、Sn、Zn、Ag、Mn、B、P、Mg、Cr、Fe、Ti、ZrおよびHfからなる群から選ばれる少なくとも1種を合計で0.005~1.0mass%含有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の銅合金板材。 |
| cube方位{0 0 1}<1 0 0>の結晶粒の平均結晶粒径が20μm以下であることを特徴とする、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の銅合金板材。 |
| 請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の銅合金板材を製造する方法であって、前記銅合金板材の原料となる銅合金素材に、鋳造[工程1]、均質化熱処理[工程2]、熱間加工[工程3]、水冷[工程4]、面削[工程5]、冷間圧延[工程6]、熱処理[工程7]、冷間圧延[工程8]、中間溶体化熱処理[工程9]、冷間圧延[工程10]、時効析出熱処理[工程11]、仕上げ冷間圧延[工程12]および調質焼鈍[工程13]の処理をこの順に施し、前記熱処理[工程7]は温度400~800℃で5秒~20時間の範囲で行い、前記冷間圧延[工程8]は50%以下の加工率で行い、前記冷間圧延[工程10]での加工率R1(%)と前記仕上げ冷間圧延[工程12]での加工率R2(%)の和を5~65%とすることを特徴とする銅合金板材の製造方法。 |
| 前記時効析出熱処理[工程11]を最終工程とし、前記熱処理[工程7]は温度400~800℃で5秒~20時間の範囲で行い、前記冷間圧延[工程8]は50%以下の加工率で行い、前記冷間圧延[工程10]での加工率R1(%)を5~65%とすることを特徴とする、請求項5記載の銅合金板材の製造方法。 |
| 前記中間溶体化熱処理[工程9]の次工程として前記時効析出熱処理[工程11]を施し、前記熱処理[工程7]は温度400~800℃で5秒~20時間の範囲で行い、前記冷間圧延[工程8]は50%以下の加工率で行い、前記仕上げ冷間圧延[工程12]での加工率R2(%)を5~65%とすることを特徴とする、請求項5記載の銅合金板材の製造方法。 |
| 前記熱間加工[工程3]の次工程として前記面削[工程5]を施し、前記熱処理[工程7]は温度400~800℃で5秒~20時間の範囲で行い、前記冷間圧延[工程8]は50%以下の加工率で行い、前記冷間圧延[工程10]での加工率R1(%)と前記仕上げ冷間圧延[工程12]での加工率R2(%)の和を5~65%とする、請求項5記載の銅合金板材の製造方法。 |
| 前記鋳造[工程1]の次工程として前記熱間加工[工程3]を施し、前記熱処理[工程7]は温度400~800℃で5秒~20時間の範囲で行い、前記冷間圧延[工程8]は50%以下の加工率で行い、前記冷間圧延[工程10]での加工率R1(%)と前記仕上げ冷間圧延[工程12]での加工率R2(%)の和を5~65%とすることを特徴とする、請求項5記載の銅合金板材の製造方法。 |
本発明は電気・電子機器用のリードフレ ム、コネクタ、端子材、リレー、スイッチ ソケットなどに適用される銅合金板材およ その製造方法に関する。
リードフレーム、コネクタ、端子材、リ ー、スイッチ、ソケットなどの電気・電子 器用途に使用される銅合金材料に要求され 特性項目は、導電率、耐力(降伏応力)、引 強度、曲げ加工性、耐応力緩和特性がある 近年、電気・電子機器の小型化、軽量化、 機能化、高密度実装化や、使用環境の高温 に伴って、この要求特性が高まっている。
従来、一般的に電気・電子機器用材料と ては、鉄系材料の他、リン青銅、丹銅、黄 等の銅系材料も広く用いられている。これ の合金はSnやZnの固溶強化と、圧延や線引き などの冷間加工による加工硬化の組み合わせ により強度を向上させている。この方法では 、導電率が不十分であり、また、高い冷間加 工率を加えることによって高強度を得ている ために、曲げ加工性や耐応力緩和特性が不十 分である。
これに替わる強化法として材料中に微細 第二相を析出させる析出強化がある。この 化方法は強度が高くなることに加えて、導 率を同時に向上させるメリットがあるため 多くの合金系で行われている。その中で、C u中にNiとSiの化合物を微細に析出させて強化 せたCu-Ni-Si系合金(例えば、CDA[Copper Developmen t Association]登録合金であるC70250)は、その強 する能力が高いメリットがあり、広く使用 れている。また、更にNiの一部または全てを Coで置換したCu-Ni-Co-Si系やCu-Co-Si系合金は、Cu- Ni-Si系よりも導電率が高いメリットがあり、 部の用途で使用されている。しかし、昨今 電子機器や自動車に使用される部品の小型 に伴って、使用される銅合金は、より高強 な材料をより小さい半径で曲げ加工が施さ る様になっており、曲げ加工性に優れた銅 金板材が強く要求されている。従来のCu-Ni-C o-Si系において、高い強度を得るには、圧延 工率を高めて大きな加工硬化を得ていたが この方法は先述した様に曲げ加工性を劣化 せてしまい、高強度と良好な曲げ加工性を 立することができなかった。
この曲げ加工性向上の要求に対して、結 方位の制御によって解決する提案がいくつ なされている。特許文献1では、Cu-Ni-Si系銅 金において、結晶粒径と、{311}、{220}、{200} からのX線回折強度がある条件を満たす様な 結晶方位の場合に、曲げ加工性が優れること が見出されている。また、特許文献2では、Cu -Ni-Si系銅合金において、{200}面および{220}面 らのX線回折強度がある条件を満足する結晶 位の場合に、曲げ加工性が優れることが見 されている。また、特許文献3では、Cu-Ni-Si 銅合金において、cube方位{100}<001>の割 の制御によって曲げ加工性が優れることが 出されている。
ところで、特許文献1または特許文献2に記
された発明においては、{200}、{220}、{311}な
の限られた特定の結晶面の集積の解析は、
がりを持った結晶面の分布の中のごく一部
情報に過ぎない。しかも、板面方向の結晶
のみを測定しているに過ぎず、圧延方向や
幅方向にどの結晶面が向いているかについ
は開示されていない。よって、特許文献1ま
は特許文献2に記載された発明の記載に基づ
いて、曲げ加工性に優れる集合組織を制御す
るには、不完全な場合があり、不十分である
。また、特許文献3に記載された発明におい
は、結晶方位の制御は溶体化熱処理後の圧
加工率の低減によって実現している。
一方では、近年のますますの電気・電子機
の小型化、高機能化、高密度実装化等に伴
、電気・電子機器用の銅合金材料について
前述の各特許文献に記載された発明におい
想定されていた曲げ加工性よりも高い曲げ
工性が要求されてきている。
上記のような点に鑑み、本発明の課題は 曲げ加工性に優れ、優れた強度を有し、電 ・電子機器用のリードフレーム、コネクタ 端子材等、自動車車載用などのコネクタや 子材、リレー、スイッチなどに適した銅合 板材を提供することにある。
本発明者らは、電気・電子部品用途に適 た銅合金について研究を行い、Cu-Ni-Si系やCu -Ni-Co-Si系やCu-Co-Si系の銅合金において、曲げ 工性、強度、導電性、応力緩和特性を大き 向上させるために、cube方位集積割合、及び 、更にS方位の割合と曲げ加工性について相 があることを発見し、鋭意検討の末に本発 に至った。また、それに加えて、本合金系 おいて導電率や曲げ加工性を損なうことな 、強度や応力緩和特性を向上させる働きの る添加元素について発明を行った。また、 記の様な結晶方位を実現するための製造方 を発明した。
本発明によれば、以下の手段が提供される:
(1)NiとCoのいずれか1種または2種を合計で0.5~5.
0mass%、Siを0.3~1.5mass%含有し、残部が銅及び不
避不純物からなる組成を有し、EBSD測定にお
ける結晶方位解析において、cube方位{0 0 1}&l
t;1 0 0>の面積率が5~50%であることを特徴と
する銅合金板材、
(2)NiとCoのいずれか1種または2種を合計で0.5~5.
0mass%、Siを0.3~1.5mass%含有し、残部が銅及び不
避不純物からなる組成を有し、EBSD測定にお
ける結晶方位解析において、cube方位{0 0 1}&l
t;1 0 0>の面積率が5~50%であり、S方位{3 2 1
}<3 4 6>の面積率が5~40%であることを特徴
とする銅合金板材、
(3)前記銅合金が、Sn、Zn、Ag、Mn、B、P、Mg、Cr
Fe、Ti、ZrおよびHfからなる群から選ばれる
なくとも1種を合計で0.005~1.0mass%含有するこ
を特徴とする(1)または(2)項に記載の銅合金
材、
(4)cube方位{0 0 1}<1 0 0>の結晶粒の平均
晶粒径が20μm以下であることを特徴とする、
(1)~(3)のいずれか1項に記載の銅合金板材、
(5)前記(1)~(4)のいずれか1項に記載の銅合金板
を製造する方法であって、前記銅合金板材
原料となる銅合金素材に、鋳造[工程1]、均
化熱処理[工程2]、熱間加工[工程3]、水冷[工
程4]、面削[工程5]、冷間圧延[工程6]、熱処理[
工程7]、冷間圧延[工程8]、中間溶体化熱処理[
工程9]、冷間圧延[工程10]、時効析出熱処理[
程11]、仕上げ冷間圧延[工程12]および調質焼
[工程13]の処理をこの順に施し、前記熱処理
[工程7]は温度400~800℃で5秒~20時間の範囲で行
、前記冷間圧延[工程8]は50%以下の加工率で
い、前記冷間圧延[工程10]での加工率R1(%)と
記仕上げ冷間圧延[工程12]での加工率R2(%)の
を5~65%とすることを特徴とする銅合金板材
製造方法、
(6)前記時効析出熱処理[工程11]を最終工程と
、前記熱処理[工程7]は温度400~800℃で5秒~20時
間の範囲で行い、前記冷間圧延[工程8]は50%以
下の加工率で行い、前記冷間圧延[工程10]で
加工率R1(%)を5~65%とすることを特徴とする、
記(5)に記載の銅合金板材の製造方法、
(7)前記中間溶体化熱処理[工程9]の次工程とし
て前記時効析出熱処理[工程11]を施し、前記
処理[工程7]は温度400~800℃で5秒~20時間の範囲
で行い、前記冷間圧延[工程8]は50%以下の加工
率で行い、前記仕上げ冷間圧延[工程12]での
工率R2(%)を5~65%とすることを特徴とする、前
(5)に記載の銅合金板材の製造方法、
(8)前記熱間加工[工程3]の次工程として前記面
削[工程5]を施し、前記熱処理[工程7]は温度400
~800℃で5秒~20時間の範囲で行い、前記冷間圧
[工程8]は50%以下の加工率で行い、前記冷間
延[工程10]での加工率R1(%)と前記仕上げ冷間
延[工程12]での加工率R2(%)の和を5~65%とする
前記(5)に記載の銅合金板材の製造方法、お
び
(9)前記鋳造[工程1]の次工程として前記熱間加
工[工程3]を施し、前記熱処理[工程7]は温度400
~800℃で5秒~20時間の範囲で行い、前記冷間圧
[工程8]は50%以下の加工率で行い、前記冷間
延[工程10]での加工率R1(%)と前記仕上げ冷間
延[工程12]での加工率R2(%)の和を5~65%とする
とを特徴とする、前記(5)に記載の銅合金板
の製造方法、
を提供するものである。
本発明により、強度、曲げ加工性、導電 、耐応力緩和特性の各特性に優れ、電気・ 子機器の用途に好適な銅合金板材を提供す ことができる。
本発明の上記及び他の特徴及び利点は、 宜添付の図面を参照して、下記の記載から り明らかになるであろう。
1 初期応力を付与した時の試験片
2 負荷を除いた後の試験片
3 応力を負荷しなかった場合の試験片
4 試験台
11 試験片(除荷時)
12 試験ジグ
13 基準面
14 たわみ負荷用ボルト
15 試験片(たわみ負荷時)
本発明の銅合金板材の好ましい実施の態様
ついて、詳細に説明する。なお、本発明に
ける「板材」には、「条材」も含むものと
る。
本発明において、銅(Cu)に添加するニッケル
(Ni)とコバルト(Co)とケイ素(Si)について、それ
ぞれの添加量を制御することにより、Ni-Si、C
o-Si、Ni-Co-Siの化合物を析出させて銅合金の強
度を向上させることができる。本発明おける
銅合金はNiとCoを合計で0.5~5.0mass%、好ましく
1.0~4.0mass%、さらに好ましくは1.5~3.5mass%を含
する。NiとCoはいずれか一方のみを含有させ
も良いし、NiとCoの両方を含有させるもので
あってもよい。Niの含有量は好ましくは0.5~4.0
mass%、さらに好ましくは1.0~4.0mass%であり、Co
含有量は好ましくは0.5~2.0mass%、さらに好ま
くは0.6~1.7mass%である。また、本発明におけ
銅合金は、Siを0.3~1.5mass%、好ましくは0.4~1.2ma
ss%、さらに好ましくは0.5~1.0mass%を含有する。
Ni、Co、Siの添加量が多すぎると導電率を低下
させ、また、少なすぎると強度が不足する。
銅合金板材の曲げ加工性を改善するため 、本発明者らは曲げ加工部に発生するクラ クの発生原因について調査した。その結果 塑性変形が局所的に発達して剪断変形帯を 成し、局所的な加工硬化によってマイクロ イドの生成と連結が起こり、成形限界に達 ることが原因であることを確認した。その 策として、曲げ変形において加工硬化が起 にくい結晶方位の割合を高めることが有効 あることを知見した。即ち、cube方位{0 0 1} <1 0 0>の面積率が5%~50%の場合に、良好な 曲げ加工性を示すことを発明した。cube方位 面積率が5%よりも少ない場合は、その効果が 不十分である。また、50%よりも高めようとす ると、再結晶処理の後の冷間圧延加工を低加 工率で行わなければならず、強度が著しく低 下してしまうため、好ましくない。また、50% よりも高い場合は応力緩和特性も低下させる ため、好ましくない。好ましい範囲は7~47%、 に好ましくは、10~45%である。
なお、本明細書における結晶方位の表示 法は、材料の圧延方向(RD)をX軸、板幅方向(T D)をY軸、圧延法線方向(ND)をZ軸の直角座標系 取り、材料中の各領域がZ軸に垂直な(圧延 に平行な)結晶面の指数(h k l)と、X軸に平行 な結晶方向の指数[u v w]とを用いて、(h k l) [u v w]の形で示す。また、(1 3 2)[6 -4 3]と(2 3 1)[3 -4 6]などのように、銅合金の立方晶 対称性のもとで等価な方位については、フ ミリーを表すカッコ記号を使用し、{h k l}& lt;u v w>と示す。cube方位は{0 0 1}<1 0 0& gt;、S方位は{3 2 1}<3 4 6>の指数でそれ れ示される。
また、上記範囲のcube方位に加えて、S方 {3 2 1}<3 4 6>が5~40%の範囲で存在するこ とが、曲げ加工性の改善に有効であることか ら好ましい。S方位{3 2 1}<3 4 6>の面積 は、さらに好ましくは7%~37%、より好ましく 10%~35%である。cube方位とS方位の他に、Copper 位{1 2 1}<1 -1 1>、D方位{4 11 4}<11 -8 11>、Brass方位{1 1 0}<1 -1 2>、Goss方位{ 1 1 0}<0 0 1>、R1方位{2 3 6}<3 8 5> どが発生するが、cube方位が5~50%、S方位が5~40 %の面積率で存在していれば、これらの方位 分を含んでいることは許容される。
本発明における上記結晶方位の解析には、E
BSD法を用いた。EBSD法とは、Electron Back-Scatter
Diffraction(電子後方散乱解析)の略で、走査電
顕微鏡(SEM)内で試料に電子線を照射したと
に生じる反射電子菊池線回折を利用した結
方位解析技術のことである。結晶粒を200個
上含む、0.1ミクロン四方の試料面積に対し
0.5ミクロンなどのステップでスキャンし、
位を解析した。測定面積およびスキャンス
ップは試料の結晶粒の大きさによって調整
た。各方位の面積率は、cube方位{0 0 1}<1
0 0>やS方位{3 2 1}<3 4 6>の理想方位か
ら±10°以内の面積の全測定面積に対する割合
である。EBSDによる方位解析において得られ
情報は、電子線が試料に侵入する数10nmの深
までの方位情報を含んでいるが、測定して
る広さに対して充分に小さいため、本明細
中では面積率として記載した。また、測定
板の表層部分から行った。
結晶方位の解析に、EBSD測定を用いることに
より、従来のX線回折法による板面方向に対
る特定原子面の集積の測定とは大きく異な
、三次元方向の完全な結晶方位情報が高い
解能で得られるため、曲げ加工性を支配す
結晶方位について全く新しい情報が得られ
。
次に本合金への副添加元素の効果につい 示す。好ましい副添加元素としては、Sn、Zn 、Ag、Mn、B、P、Mg、Cr、Fe、Ti、ZrおよびHfが挙 げられる。これらの元素は総量で1mass%を超え ると導電率を低下させる弊害を生じるために 好ましくない。副添加元素を添加する場合に は、添加効果を充分に活用し、かつ導電率を 低下させないためには、副添加元素は総量で 、0.005~1.0mass%であることが必要で、好ましく 0.01mass%~0.9mass%、さらに好ましくは、0.03mass%~ 0.8mass%である。以下に、各元素の添加効果を す。
Mg、Sn、Znは、Cu-Ni-Si系、Cu-Ni-Co-Si系、Cu-Co- Si系銅合金に添加することで耐応力緩和特性 向上する。それぞれを添加した場合よりも せて添加した場合に相乗効果によって更に 応力緩和特性が向上する。また、半田脆化 著しく改善する効果がある。
Mn、Ag、B、Pは添加すると熱間加工性を向 させるとともに、強度を向上する。
Cr、Fe、Ti、Zr、Hfは、主な添加元素である NiやCoやSiとの化合物や単体で微細に析出し、 析出硬化に寄与する。また、化合物として50~ 500nmの大きさで析出し、粒成長を抑制するこ によって結晶粒径を微細にする効果があり 曲げ加工性を良好にする。
また、cube方位の結晶粒の平均結晶粒径は 好ましくは20μm以下に、さらに好ましくは、1 7μm以下、より好ましくは15~3μmである。cube方 位の結晶粒の平均結晶粒径を上記の範囲に制 御することによって、曲げ部表面に発生する シワを低減する効果があり、更に優れた曲げ 加工性を実現する。本発明におけるcube方位 結晶粒の平均結晶粒径は、上記のEBSD法によ 方位解析においてcube方位を示す領域のみを 抽出して結晶粒径を測定し、平均として算出 した値である。なお、この場合、cube方位に 接するcube方位の双晶方位である{2 2 1}<2 1 2>方位はcube方位に含めて解析を行った値 である。
次に、本発明の銅合金板材の好ましい製 条件について説明する。従来の析出型銅合 の製造方法の一例は、銅合金素材を鋳造[工 程1]して鋳塊を得て、これを均質化熱処理[工 程2]し、熱間圧延等の熱間加工[工程3]、水冷[ 工程4]、面削[工程5]、冷間圧延[工程6]をこの に行い薄板化し、温度700~1020℃の温度範囲 中間溶体化熱処理[工程9]を行って溶質原子 再固溶させた後に、時効析出熱処理[工程11] 仕上げ冷間圧延[工程12]によって必要な強度 を満足させるものである。この一連の工程の 中で、材料の集合組織は、中間溶体化熱処理 中に起きる再結晶によっておおよそが決定し 、仕上げ圧延中に起きる方位の回転により、 最終的に決定される。
本発明の銅合金板材の製造方法の好ましい
施態様においては、この中間溶体化熱処理[
工程9]の前に、温度400℃~800℃で5秒~20時間の
囲で行う熱処理[工程7]と、更に、50%以下の
工率の冷間圧延[工程8]を加えることによっ
、中間溶体化熱処理[工程9]での再結晶集合
織においてcube方位の面積率が増加する。こ
で、熱処理[工程7]は中間溶体化熱処理[工程
9]と比較して低温で行うものである。ここで
熱処理[工程7]および中間溶体化熱処理[工程
9]においては、低温の場合は長時間、高温の
合は短時間の熱処理を行うことが好ましい
熱処理[工程7]時の処理温度が400℃より低い
合は再結晶しなくなる傾向が強まるため好
しくなく、処理温度が800℃より高い場合は
晶粒径が粗大化する傾向が強まるため好ま
くない。このため、熱処理[工程7]の処理温
は450~750℃が好ましく、500~700℃がさらに好
しい。また、熱処理[工程7]の処理時間は1分
~10時間が好ましく、30分間~4時間がさらに好
ましい。熱処理[工程7]の温度と時間との関係
では、450~750℃の場合の処理時間は1分間~10時
(低温の場合は長時間、高温の場合は短時間
)が好ましく、処理温度が500~700℃の場合の処
時間は30分間~4時間(低温の場合は長時間、
温の場合は短時間)が好ましい。冷間圧延[工
程8]の加工率は45%以下が好ましく、5~40%がさ
に好ましい。また、中間溶体化熱処理[工程9
]の処理温度は750~1020℃、処理時間は5秒~1時間
が好ましい。
また、中間溶体化熱処理[工程9]後には、冷
圧延[工程10]、時効析出熱処理[工程11]、仕
げ冷間圧延[工程12]及び、調質焼鈍[工程13]を
施す。ここで、冷間圧延[工程10]と仕上げ冷
圧延[工程12]のそれぞれの加工率R1とR2の合計
を5~65%で行うことが好ましい。5%以下の加工
では加工硬化量が少なく、強度が不十分で
り、65%以上の加工率では、中間溶体化熱処
で生成したcube方位領域が、圧延によって、C
opper方位、D方位、S方位、Brass方位などの他の
方位へ回転してしまい、cube方位の面積率が
下してしまうため、好ましくない。更に好
しくは、加工率R1とR2の合計は、10~50%である
なお、加工率R1とR2の算出は下記の通り行っ
た。
R1(%)=(t[9]-t[10])/t[9]*100
R2(%)=(t[10]-t[12])/t[10]*100
ここで、t[9]、t[10]、t[12]はそれぞれ、中間
体化熱処理[工程9]後、冷間圧延[工程10]後、
上げ冷間圧延[工程12]後の板厚である。
また、上記で言及した以外の部分について
、従来の製造方法における工程と同様に行
ことができる。
本発明の銅合金板材は上記の実施態様の製
方法により製造することが好ましいが、EBSD
測定における結晶方位解析において、cube方
{0 0 1}<1 0 0>の面積率が5~50%である銅合
金板材が得られるならば、上記[工程1]~[工程1
3]をこの順にすべて行うことに必ずしも拘束
れるものではなく、上記の方法に含まれる
のではあるが、上記[工程1]~[工程13]のうち
例えば、以下のような組み合わせの方法に
り製造されるものであってもよい。
a.銅合金板材の原料となる銅合金素材に、鋳
[工程1]、均質化熱処理[工程2]、熱間加工[工
程3]、水冷[工程4]、面削[工程5]、冷間圧延[工
程6]、熱処理[工程7]、冷間圧延[工程8]、中間
体化熱処理[工程9]、冷間圧延[工程10]および
時効析出熱処理[工程11]の処理をこの順に施
、前記熱処理[工程7]は温度400~800℃で5秒~20時
間の範囲で行い、前記冷間圧延[工程8]は50%以
下の加工率で行い、前記冷間圧延[工程10]で
加工率R1(%)を5~65%とする方法。この方法は、
度に対する要求が極度に厳しくない場合に
用されうる。
b.銅合金板材の原料となる銅合金素材に、鋳
[工程1]、均質化熱処理[工程2]、熱間加工[工
程3]、水冷[工程4]、面削[工程5]、冷間圧延[工
程6]、熱処理[工程7]、冷間圧延[工程8]、中間
体化熱処理[工程9]、時効析出熱処理[工程11]
、仕上げ冷間圧延[工程12]および調質焼鈍[工
13]の処理をこの順に施し、前記熱処理[工程
7]は温度400~800℃で5秒~20時間の範囲で行い、
記冷間圧延[工程8]は50%以下の加工率で行い
前記仕上げ冷間圧延[工程12]での加工率R2(%)
5~65%とする方法。この方法は、上記a.の方法
同様、強度に対する要求が極度に厳しくな
場合に適用されうる。
c.銅合金板材の原料となる銅合金素材に、鋳
[工程1]、均質化熱処理[工程2]、熱間加工[工
程3]、面削[工程5]、冷間圧延[工程6]、熱処理[
工程7]、冷間圧延[工程8]、中間溶体化熱処理[
工程9]、冷間圧延[工程10]、時効析出熱処理[
程11]、仕上げ冷間圧延[工程12]および調質焼
[工程13]の処理をこの順に施し、前記熱処理
[工程7]は温度400~800℃で5秒~20時間の範囲で行
、前記冷間圧延[工程8]は50%以下の加工率で
い、前記冷間圧延[工程10]での加工率R1(%)と
記仕上げ冷間圧延[工程12]での加工率R2(%)の
を5~65%とする方法。この方法は、熱間加工[
程3]の終了時の温度が、水冷[工程4]を要し
い温度(例えば550℃以下)である場合に適用さ
れうる。
d.銅合金板材の原料となる銅合金素材に、鋳
[工程1]、熱間加工[工程3]、水冷[工程4]、面
[工程5]、冷間圧延[工程6]、熱処理[工程7]、
間圧延[工程8]、中間溶体化熱処理[工程9]、
間圧延[工程10]、時効析出熱処理[工程11]、
上げ冷間圧延[工程12]および調質焼鈍[工程13]
の処理をこの順に施し、前記熱処理[工程7]は
温度400~800℃で5秒~20時間の範囲で行い、前記
間圧延[工程8]は50%以下の加工率で行い、前
冷間圧延[工程10]での加工率R1(%)と前記仕上
冷間圧延[工程12]での加工率R2(%)の和を5~65%
する方法。この方法は、鋳造[工程1]におけ
偏析状況が軽微な場合、または偏析状況が
合金材料およびこれを加工した電気電子部
に影響を及ぼさない場合に適用されうる。
本発明の銅合金板材は、上記内容を満た ことで、たとえばコネクタ用銅合金板材に 求される特性を満足することができる。特 0.2%耐力が600MPa以上、曲げ加工性が90°W曲げ 験においてクラックなく曲げ加工が可能な 小曲げ半径を板厚で割った値が1以下、導電 率が35%IACS以上、耐応力緩和特性が30%以下の 好な特性を、本発明により実現することが きる。
以下に、本発明を実施例に基づきさらに 細に説明するが、本発明はそれらに限定さ るものではない。
(実施例1)
表1および2の合金成分の欄の組成に示すよ
に、少なくともNiとCoの中から1種または2種
合計で0.5~5.0mass%、Siを0.3~1.5mass%含有し、他の
添加元素については適宜含有するように元素
を配合し、残部がCuと不可避不純物から成る
金を高周波溶解炉により溶解し、これを0.1~
100℃/秒の冷却速度で鋳造[工程1]して鋳塊を
た。これを温度900~1020℃で3分から10時間の均
質化熱処理[工程2]後、熱間加工[工程3](本実
例においては開始温度が900℃)を行った後に
焼き入れ(水冷[工程4]に相当)を行い、酸化
ケール除去のために面削[工程5]を行った。
の後に、加工率80%から99.8%の冷間圧延[工程6]
、温度400℃~800℃で5秒から20時間の範囲の熱
理[工程7]、加工率が2%~50%の冷間圧延[工程8]
温度750℃~1020℃で5秒~1時間の中間溶体化熱処
理[工程9]、加工率が3%~35%の冷間圧延[工程10]
温度400℃~700℃で5分~10時間の時効析出熱処理
[工程11]、加工率が3%~25%の仕上げ冷間圧延[工
12]、温度200℃~600℃で5秒~10時間の調質焼鈍[
程13]を行って、実施例1-1~1-19および比較例1-
1~1-8の供試材を作成した。各熱処理や圧延の
に、材料表面の酸化や粗度の状態に応じて
洗浄や表面研磨を、形状に応じてテンショ
レベラーによる矯正を行った。
均質化熱処理[工程2]の適正な温度と時間は
合金の濃度及び鋳造時の冷却速度によって
なる。このため、鋳塊のミクロ組織におい
、溶質元素の偏析によって見られる枝状の
織が、均質化熱処理後にほぼ消失する温度
時間を採用した。
熱間加工[工程3]は、均質化熱処理後の材料
ついて、通常の塑性加工(圧延、押し出し、
引き抜きなど)によって行った。熱間加工開
時の温度は、材料の割れが発生しないよう
、600~1000℃の範囲とする。
また、均質化熱処理[工程2]、熱処理[工程7]
中間溶体化熱処理[工程9]、時効析出熱処理[
工程11]、調質焼鈍[工程13]の各工程において
、低温の場合は長時間、高温の場合は短時
の熱処理を行うことが好ましい。低温で短
間の熱処理ではその効果が現れにくい傾向
あり、高温で長時間の熱処理では著しい強
低下の弊害が発生する傾向がある。
なお、下表中の比較例1-5、1-6は上記工程内
熱処理[工程7]と冷間圧延[工程8]を行わずに
造した。比較例1-7、1-8は、上記工程内の冷
圧延[工程10]を行わず、仕上げ圧延[工程12]
加工率を3%で行った。
この供試材について下記の特性調査を行っ
。ここで、供試材の厚さは0.15mmとした。結
を本発明例については表1に、比較例につい
ては表2にそれぞれ示す。
a.cube方位とS方位の面積率:
EBSD法により、測定面積が0.04~4mm 2
、スキャンステップが0.5~1μmの条件で測定を
った。測定面積は結晶粒を200個以上含むこ
を基準として調整した。スキャンステップ
結晶粒径に応じて調整し、平均結晶粒径が1
5μm以下の場合は0.5μmステップで、30μm以下の
場合は1μmステップで行った。電子線は走査
子顕微鏡のWフィラメントからの熱電子を発
源とした。
b.曲げ加工性:
圧延方向に垂直に幅10mm、長さ35mmに切出し
これに曲げの軸が圧延方向に直角になるよ
にW曲げしたものをGW(Good Way)、圧延方向に平
行になるようにW曲げしたものをBW(Bad Way)と
、曲げ部を50倍の光学顕微鏡で観察し、クラ
ックの有無を調査した。クラックのないもの
を○、クラックのあるものを×と判定した。
曲げ部の曲げ角度は90°、各曲げ部の内側半
径は0.15mmとした。
c.0.2%耐力 [YS]:
圧延平行方向から切り出したJIS Z2201-13B号
試験片をJIS Z2241に準じて3本測定しその平均
値を示した。
d:導電率 [EC]:
20℃(±0.5℃)に保たれた恒温漕中で四端子法
より比抵抗を計測して導電率を算出した。
お、端子間距離は100mmとした。
e.応力緩和率 [SR]
旧日本電子材料工業会標準規格(EMAS-3003)に
じ、以下に示すように、150℃×1000時間の条
で測定した。片持ち梁法により耐力の80%の
期応力を負荷した。
図1は応力緩和特性の試験方法の説明図であ
り、図1(a)は熱処理前、図1(b)は熱処理後の状
である。図1(a)に示すように、試験台4に片
ちで保持した試験片1に、耐力の80%の初期応
を付与した時の試験片1の位置は、基準から
δ 0
の距離である。これを150℃の恒温槽に1000時
保持し、負荷を除いた後の試験片2の位置は
図1(b)に示すように基準からH t
の距離である。3は応力を負荷しなかった場
の試験片であり、その位置は基準からH 1
の距離である。この関係から、応力緩和率(%)
は(H t
-H 1
)/δ 0
×100と算出した。
なお、同様の試験方法として以下の方法も
用可能である;日本伸銅協会(JCBA:Japan Copper
and Brass Association)の技術標準案である「JCBA
T309:2001(仮);銅及び銅合金薄板条の曲げによる
応力緩和試験方法」;米国材料試験協会(ASTM;Am
erican Society for Testing and Materials)の試験方
である「ASTM E328;Standard Test Methods for Stress
Relaxation Tests for Materials and Structures」;な
。
図2は、上述のJCBA T309:2001(仮)に基づく、下
たわみ式片持ちねじ式のたわみ変位負荷用
験ジグを用いた応力緩和試験方法の説明図
ある。この試験方法の原理は、図1の試験台
を用いた試験方法と同様のため、応力緩和率
の値もほぼ同様の値となる。
この試験方法では、まず、試験片11を試験
グ(試験装置)12に取り付け、所定の変位を室
で与え、30秒間保持後除荷し、試験ジグ12の
底面を基準面13とし、この面13と試験片11たわ
み負荷点との距離をH i
として測定する。所定の時間が経過したら恒
温槽又は加熱炉から試験ジグ12を常温に取り
し、たわみ負荷用ボルト14をゆるめ除荷す
。試験片11を常温まで冷却後、基準面13と試
片11のたわみ負荷点との距離H t
を測定する。測定後、再びたわみ変位を与え
る。なお、図中、11は除荷時の試験片を表し
15はたわみ負荷時の試験片を表す。永久た
み変位δ t
を次の式によって求める。
δ t
=H i
-H t
この関係から、応力緩和率(%)はδ t
/δ 0
×100と算出した。
なお、δ 0
は所定の応力を得るのに必要な試験片の初期
たわみ変位で、次の式で算出する。
δ 0
=σl s 2
/1.5Eh
ここで、σ:試験片の表面最大応力(N/mm 2
);h:板厚(mm)、E:たわみ係数(N/mm 2
)、l S
:スパン長さ(mm)である。
f.cube方位の結晶粒の平均結晶粒径 [cube粒のGS
]:
EBSDによる方位解析においてcube方位から±10
以内の方位領域を抽出し、20個以上の結晶粒
径を測定して、平均を算出した。なお、この
場合、cube方位の結晶粒の内部および、隣接
る{2 2 1}<2 1 2>方位はcube方位の双晶方
であり、cube方位に含めて解析した。
表1に示すように、本発明例1-1~本発明例1- 19は、曲げ加工性、耐力、導電率、耐応力緩 特性に優れた。しかし、表2に示すように、 本発明の規定を満たさない場合は、特性が劣 る結果となった。すなわち、比較例1-1は、Ni Coの総量が少ないために、析出硬化に寄与 る析出物の密度が低下し強度が優れなかっ 。また、NiまたはCoと化合物を形成しないSi 金属組織中に過剰に固溶し導電率が優れな った。比較例1-2は、NiとCoの総量が多いため 、導電率が劣った。比較例1-3は、Siが少な ために強度が劣った。比較例1-4は、Siが多い ために導電率が劣った。比較例1-5と1-6は、cub e方位の割合が少ないために曲げ加工性が劣 た。比較例1-7と1-8は、cube方位の割合を高め ために再結晶後の圧延加工率が低く、その 果強度が劣った。
(実施例2)
表3の合金成分の欄に示す組成で、残部がCu
不可避不純物からなる銅合金について、実
例1と同様にして、本発明例2-1~2-17および比
例2-1~2-3の銅合金板材の供試材を製造し、実
施例1と同様に特性を調査した。結果を表3に
す。
表3に示すように、本発明例2-1~本発明例2- 17は、曲げ加工性、耐力、導電率、耐応力緩 特性に優れた。しかし、本発明の規定を満 さない場合は、特性が優れなかった。すな ち、比較例2-1、2-2、2-3は、その他の元素の 加量が多いために、導電率が劣った。
(実施例3)
表3の本発明例2-11と同じ組成の銅合金につ
て、熱処理[工程7]の温度と時間、冷間圧延[
程8]の加工率、冷間圧延[工程10]と仕上げ冷
圧延[工程12]のそれぞれの加工率R1とR2を、
4に示す条件で行った以外は、実施例1と同様
にして、本発明例3-1~3-12および比較例3-1~3-10
銅合金板材の供試材を製造し、実施例1と同
に特性を調査した。結果を表4に示す。なお
、表4において、「[工程8]」等は単に「[8]」
、「仕上げ冷間圧延[工程12]」は「冷間圧延[
12]」と表記している。
表4に示す様に、本発明例3-1から本発明例 3-12は曲げ加工性、耐力、導電率、耐応力緩 特性に優れた。しかし、本発明の規定を満 さない場合は、特性が優れなかった。すな ち、比較例3-1は熱処理[工程7]の温度が低す たために、比較例3-2は熱処理[工程7]の温度 高温すぎたために、比較例3-3は熱処理[工程7 ]を行わなかったために、比較例3-4は熱処理[ 程7]の時間が長すぎたために、それぞれcube 位の面積率が低下し、曲げ加工性が劣った 比較例3-5は冷間圧延[工程8]を行わなかった めに、比較例3-6は冷間圧延[工程8]の加工率 高すぎたために、それぞれcube方位の面積率 が低下し、曲げ加工性が劣った。比較例3-7と 3-8は加工率R1とR2の合計が低いために、強度 劣った。比較例3-9と3-10は加工率R1とR2の合計 が高いために、cube方位の面積率が低下し、 げ加工性が劣った。
(実施例4)
表3の本発明例2-13と同じ組成の銅合金につ
て、最終工程を時効析出熱処理[工程11]とし
ときの例を示す。熱処理[工程7]の温度と時
、冷間圧延[工程8]の加工率、冷間圧延[工程
10]の加工率R1を、表5に示す条件で行った以外
は、実施例1と同様にして、本発明例4-1~4-2の
合金板材の供試材を製造し、実施例1と同様
に特性を調査した。結果を表5に示す。なお
表5において、「[工程8]」等は単に「[8]」と
「仕上げ冷間圧延[工程12]」は「冷間圧延[12
]」と表記している。
(実施例5)
表3の本発明例2-13と同じ組成の銅合金につ
て、中間溶体化熱処理[工程9]の次工程とし
時効析出熱処理[工程11]を施したときの例を
す。熱処理[工程7]の温度と時間、冷間圧延[
工程8]の加工率、仕上げ冷間圧延[工程12]の加
工率R2を、表5に示す条件で行った以外は、実
施例1と同様にして、本発明例5-1~5-2の銅合金
材の供試材を製造し、実施例1と同様に特性
を調査した。結果を表5に示す。
(実施例6)
表3の本発明例2-11と同じ組成の銅合金につ
て、熱間加工[工程3]の次工程として面削[工
5]を施したときの例を示す。熱処理[工程7]
温度と時間、冷間圧延[工程8]の加工率、冷
圧延[工程10]と仕上げ冷間圧延[工程12]のそれ
ぞれの加工率R1とR2を、表5に示す条件で行っ
以外は、実施例1と同様にして、本発明例6-1
~6-2の銅合金板材の供試材を製造し、実施例1
同様に特性を調査した。結果を表5に示す。
なお、実施例6において、熱間加工[工程3]の
了時の温度は、ともに500℃とした。
(実施例7)
表3の本発明例2-11と同じ組成の銅合金につ
て、鋳造[工程1]の次工程として熱間加工[工
3]を施したときの例を示す。熱処理[工程7]
温度と時間、冷間圧延[工程8]の加工率、冷
圧延[工程10]と仕上げ冷間圧延[工程12]のそれ
ぞれの加工率R1とR2を、表5に示す条件で行っ
以外は、実施例1と同様にして、本発明例7-1
~7-2の銅合金板材の供試材を製造し、実施例1
同様に特性を調査した。結果を表5に示す。
なお、実施例7において、鋳造[工程1]後の鋳
の偏析状況を確認し、偏析が軽微なサンプ
を用いた。また、熱間加工[工程3]の開始時
温度は、実施例1と同様に900℃とし、鋳塊を
熱して900℃となった直後に熱間加工を開始
た。
表5に示す様に、本発明例4-1、本発明例4-2 、本発明例5-1、本発明例5-2は、本発明例2-13 比較して耐力が低くなる傾向が見られたが 電気電子部品用の銅合金板材として十分な 性を有するものとなった。また、本発明例6- 1、本発明例6-2、本発明例7-1、本発明例7-2は 本発明例2-11と比較して実質的に同等の特性 得られた。
本発明をその実施態様とともに説明した 、我々は特に指定しない限り我々の発明を 明のどの細部においても限定しようとする のではなく、添付の請求の範囲に示した発 の精神と範囲に反することなく幅広く解釈 れるべきであると考える。
本願は、2008年6月3日に日本国で特許出願 れた特願2008-145707に基づく優先権を主張す ものであり、これらはいずれもここに参照 てその内容を本明細書の記載の一部として り込む。
