OHBA TAKESHI (JP)
TOYOSAWA SHINICHI (JP)
YAMAMOTO YUKIKO (JP)
OHBA TAKESHI (JP)
TOYOSAWA SHINICHI (JP)
JPH08277485A | 1996-10-22 | |||
JPS63203790A | 1988-08-23 | |||
JPS59215492A | 1984-12-05 | |||
JPH09217193A | 1997-08-19 | |||
JPH0598496A | 1993-04-20 | |||
JPH0320478A | 1991-01-29 |
銅塩と、亜鉛塩と、ピロりん酸アルカリ金属塩と、アミノ酸またはその塩から選ばれた少なくとも一種とを含有し、pHが8.5~14であることを特徴とする銅-亜鉛合金電気めっき浴。 |
前記pHが10.5~11.8である請求項1記載の銅-亜鉛合金電気めっき浴。 |
前記アミノ酸またはその塩の濃度が0.08mol/L~0.22mol/Lである請求項1記載の銅-亜鉛合金電気めっき浴。 |
前記アミノ酸またはその塩の濃度が0.1mol/L~0.13mol/Lである請求項1記載の銅-亜鉛合金電気めっき浴。 |
前記銅-亜鉛合金電気めっき浴に含まれる銅および亜鉛の和が0.03~0.3mol/Lの範囲である請求項1記載の銅-亜鉛合金電気めっき浴。 |
アルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物から選ばれた少なくとも一種を含有する請求項1記載の銅-亜鉛合金電気めっき浴。 |
前記アミノ酸またはその塩が、ヒスチジンまたはその塩である請求項1記載の銅-亜鉛合金電気めっき浴。 |
請求項1記載の銅-亜鉛合金電気めっき浴を用いた銅-亜鉛合金電気めっき方法において、該めっき浴中の陰極電流密度を5A/dm 2 を超えて10A/dm 2 以下とすることを特徴とする銅-亜鉛合金電気めっき方法。 |
本発明は、銅-亜鉛合金電気めっき浴およ びこれを用いためっき方法に関し、詳しくは 、シアン化合物を含むことなく、高電流密度 であっても光沢のある均一な合金層を形成す ることができる銅-亜鉛合金電気めっき浴お びこれを用いためっき方法に関する。
現在、銅-亜鉛合金めっきは、金属製品、 プラスチック製品、セラミック製品等に真鍮 色の金属光沢および色調を与えるため、装飾 めっきとして工業的に広く用いられている。 しかし、従来のめっき浴はシアン化合物を多 量に含んでいるため、その毒性が大きな問題 となっており、また、含シアン化合物廃液の 処理負担も大きなものであった。
かかる解決手段として、今日、シアン化 物を用いない銅-亜鉛合金めっき方法が多数 報告されている。例えば、逐次めっきは、黄 銅めっきを被めっき製品に施すための実際的 な方法であり、かかる方法においては、電着 によって銅めっき層と亜鉛めっき層が被めっ き製品表面に順次めっきされ、ついで、熱拡 散工程が施される。逐次黄銅めっきの場合、 ピロりん酸銅めっき溶液と酸性の硫酸亜鉛め っき溶液が通常使用されている(例えば、特 文献1)。
一方、銅-亜鉛を同時にめっきする方法とし
て、シアン化合物を含まない銅-亜鉛めっき
も報告されており、グルコヘプトン酸浴や
化剤としてヒスチジン添加のピロりん酸カ
ウム浴を用いためっき浴が提案されている(
えば、特許文献2)。
しかしながら、特許文献1に記載されている ような逐次めっきでは、銅めっき層形成工程 、亜鉛めっき層形成工程及び熱拡散工程、と 処理工程が多く、複雑であるため作業効率が 悪いという欠点がある。また、特許文献2記 の銅-亜鉛合金電気めっき浴においては、シ ン化合物を使用した浴を用いた場合のよう 毒性の問題はないが、光沢のある均一な合 層を形成することが可能な電流密度が5A/dm 2 以下であり、合金層を生産性よく形成するの に必要とされる電流密度と比べて小さいとい う問題を有している。いずれにしても、現状 においてはシアン化合物を使用しない銅-亜 合金めっき浴は実用に供するのが困難な状 にある。
そこで本発明の目的は、シアン化合物を 用することなく、目的組成を有する均一で 沢のある合金層を、従来よりも高い電流密 であっても形成することができ、生産性に れた銅-亜鉛合金電気めっき浴およびこれを 用いためっき方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため 鋭意検討をした結果、ピロりん酸アルカリ 属塩およびアミノ酸またはその塩から選ば た少なくとも一種を含有する銅-亜鉛合金電 気めっき浴において、該銅-亜鉛合金電気め き浴のpHを調整することで光沢のある均一な 合金層が低電流密度から高電流密度の範囲に わたり得られることを見出して、本発明を完 成するに至った。
即ち、本発明の銅-亜鉛合金電気めっき浴 は、銅塩と、亜鉛塩と、ピロりん酸アルカリ 金属塩と、アミノ酸またはその塩から選ばれ た少なくとも一種とを含有し、pHが8.5~14であ ことを特徴とするものである。
本発明の銅-亜鉛合金電気めっき浴におい ては、pHは10.5~11.8であることが好ましく、ま 、前記アミノ酸またはその塩の濃度が0.08mol /L~0.22mol/Lであることが好ましく、より好まし くは、前記アミノ酸またはその塩の濃度が0.1 mol/L~0.13mol/Lである。また、前記銅-亜鉛合金 気めっき浴に含まれる銅および亜鉛の和が0. 03~0.3mol/Lであることが好ましく、さらに、ア カリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属 酸化物から選ばれた少なくとも一種を含有 ることが好ましく、さらに、前記アミノ酸 たはその塩としては、ヒスチジンまたはそ 塩であることが好ましい。
また、本発明の銅-亜鉛合金電気めっき方法 は、前記銅-亜鉛合金電気めっき浴を用いた -亜鉛合金電気めっき方法において、該めっ 浴中の陰極電流密度を5A/dm 2 を超え10A/dm 2 以下とすることを特徴とするものである。
本発明によれば、上記構成としたことに り、シアン化合物を使用することなく、目 組成を有す均一で光沢のある合金層を、低 度電流から高密度電流の幅の広い電流密度 囲において形成することができ、従来より 高い電流密度を利用することができる銅-亜 鉛合金電気めっき浴を実現することが可能と なり、生産性を高めることができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について
細に説明する。
本発明の銅-亜鉛合金電気めっき浴は、銅塩
と、亜鉛塩と、ピロりん酸アルカリ金属塩と
、アミノ酸またはその塩から選ばれた少なく
とも一種とを含有し、pHを8.5~14の範囲に調整
たものである。
銅塩としては、めっき浴の銅イオン源と て公知のものであればいずれも使用可能で り、例えば、ピロりん酸銅、硫酸銅、塩化 2銅、スルファミン酸銅、酢酸第2銅、塩基 炭酸銅、臭化第2銅、ギ酸銅、水酸化銅、酸 第2銅、りん酸銅、ケイフッ化銅、ステアリ ン酸銅、クエン酸第2銅等を挙げることがで 、これらのうち1種のみを用いてもよいし、2 種以上を用いてもよい。
亜鉛塩としては、めっき浴の亜鉛イオン として公知のものであればいずれも使用可 であり、例えば、ピロりん酸亜鉛、硫酸亜 、塩化亜鉛、スルファミン酸亜鉛、酸化亜 、酢酸亜鉛、臭化亜鉛、塩基性炭酸亜鉛、 ュウ酸亜鉛、りん酸亜鉛、ケイフッ化亜鉛 ステアリン酸亜鉛、乳酸亜鉛等を挙げるこ ができ、これらのうち1種のみを用いてもよ いし、2種以上を用いてもよい。
なお、めっき浴に溶解している銅および 鉛の和が、0.03~0.30mol/Lの範囲であることが ましい。0.03mol/L未満であると銅の析出が優 されてしまい、良好な合金層を得ることが しくなる。一方、0.30mol/Lを超えるとめっき 膜の表面に光沢が得られなくなってしまう
ピロりん酸アルカリ金属塩としては、公 のものであればいずれでも使用可能であり 例えば、そのナトリウム塩、カリウム塩等 挙げることができる。
本発明の銅-亜鉛合金電気めっき浴は、pH 8.5~14とすることが重要であり、好ましくは1 0.5~11.8の範囲である。pHが8.5未満であると、 沢のある均一な合金層が得られず、一方、pH が14を超えると電流効率が低下してしまう。 た、本発明の銅-亜鉛合金電気めっき浴のpH 整には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ のようなアルカリ金属水酸化物および水酸 カルシウムのようなアルカリ土類金属水酸 物を好適に用いることができ、好ましくは 酸化カリウムである。
本発明の銅-亜鉛合金電気めっき浴のアミ ノ酸またはその塩の濃度は0.08mol/L~0.22mol/Lで り、好ましくは0.1mol/L~0.13mol/Lの範囲である アミノ酸またはその塩の濃度が0.08mol/L未満 あると、高電流密度とした場合、均一な合 層が得られず、一方、アミノ酸またはその の濃度が0.22mol/Lを超えると合金層の銅の組 が高くなってしまい、やはり目的とする組 の均一な合金層が得られなくなる。
アミノ酸としては、公知のものであれば ずれでも使用可能であり、例えば、グリシ 、アラニン、グルタミン酸、アスパラギン 、トレオニン、セリン、プロリン、トリプ ファン、ヒスチジン等のα-アミノ酸若しく その塩酸塩、ナトリウム塩等を挙げること でき、好ましくはヒスチジンである。なお これらのうち1種のみを用いてもよいし、2 以上を用いてもよい。
本発明における上記各成分の配合量は特 制限されず、適宜選択することができるが 工業的な取扱いを考慮すると、銅塩を銅換 で2~40g/L、亜鉛塩を亜鉛換算で0.5~30g/L、ピロ りん酸アルカリ金属塩150~400g/L、アミノ酸又 その塩を0.2~50g/L程度とすることが好ましい
本発明の銅-亜鉛合金電気めっき浴を用いた めっき方法は、本発明の銅-亜鉛合金電気め き浴を使用し、5A/dm 2 を超え10A/dm 2 以下という高電流密度にてめっき処理を行う ものである。本発明の銅-亜鉛合金電気めっ 浴を使用して、銅-亜鉛合金電気めっきを施 に際しては、通常の電気めっき方法を採用 ることができる。例えば、浴温30~40℃程度 、無攪拌下あるいは機械攪拌下又は空気攪 下で電気めっきをすればよい。この際、陽 としては、通常の銅-亜鉛合金の電気めっき 用いられるものであれば、いずれも使用で る。本発明の銅-亜鉛合金電気めっき浴を用 いることにより、5A/dm 2 を超え10A/dm 2 以下という高電流密度にてめっき処理を行う ことが可能となり、従来よりも生産性よく光 沢のある均一な銅-亜鉛合金層を形成するこ が可能となる。
上記電気めっきを行う前に、被めっき体 は、常法に従ってバフ研磨、脱脂、希酸浸 等の通常の前処理を施すことができ、ある は光沢ニッケルめっき等の下地めっきを施 ことも可能である。また、めっき後には、 洗、湯洗、乾燥等の通常行われている操作 行ってもよく、さらに必要に応じて、重ク ム酸希薄溶液への浸漬、クリヤー塗装等を ってもよい。
本発明では、被めっき体としては特に制 されず、通常、銅-亜鉛合金電気めっき被膜 を施されるものいずれでも使用でき、例えば 、ゴム物品補強用スチールコードに使用する スチールフィラメントをはじめとした金属製 品、プラスチック製品、セラミックス製品等 を挙げることができる。
以下、本発明を実施例を用いてより詳細に
明する。
下記の表1~3にそれぞれ示す銅-亜鉛合金電気
めっき浴の組成に従い、各実施例の銅-亜鉛
金電気めっき浴を調製し、下記の表1~3中の
っき条件に従って、銅-亜鉛合金電気めっき
理を行った。めっき浴作製後、直ちにめっ
処理を施し、めっきの付着量および合金組
を分析した。また、めっき表面の粗さをレ
ザー顕微鏡を用いて観察し、粗さパラメー
Ra、Rv、Rzを得た。あわせて、光沢のある均
な合金層を得ることができる電流密度範囲
求めた。得られた結果を下記の表1~3に併記
る。
<Ra>
Raはめっき対象物の表面の中心線平均粗さ(R
a)
<Rv>
最大谷深さ(Rv)の算出については、粗さ曲線
からその中心線の方向に測定長Lの部分を抜
取り、粗さ曲線の谷深さZvの最大値をマイク
ロメートル単位(μm)で表したものである。
<Rz>
最大高さ粗さ(Rz)の算出については、粗さ曲
線からその中心線の方向に測定長Lの部分を
き取り、粗さ曲線の山高さZpの最大値と谷深
さZvとの最大値との和で表した値をマイクロ
ートル単位(μm)で表したものである。
上記表の実施例1~11の結果を比較すると、 めっき浴のpHを8.5~14の範囲に調整することに り、光沢のある均一な合金層を形成するこ ができる電流密度の範囲が高電流密度側に びていることが確かめられた。