| JP60070710 | FERRITE MAGNETIC CORE |
| JP2005340670 | COMMON MODE CHOKE COIL |
| JP04206907 | MAGNETIC SWITCH UNIT |
佐藤淳 (〒16 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号住友電気工業株式会社伊丹製作所内 Hyogo, 6640016, JP)
住友電気工業株式会社 (〒41 大阪府大阪市中央区北浜四丁目5番33号 Osaka, 5410041, JP)
SATO, Atsushi (1-1, Koyakita 1-chome, Itami-sh, Hyogo 16, 6640016, JP)
| 絶縁被膜で覆った金属磁性粒子を加圧成形してなるリアクトル用コアであって、 前記金属磁性粒子は、 平均粒径が1μm以上70μm以下で、 粒径の標準偏差(σ)と平均粒径(μ)との比である変動係数Cv(σ/μ)が0.40以下で、 円形度が0.8以上1.0以下であり、 前記絶縁被膜の外側を取り囲む外側被膜を備え、その外側被膜が耐熱性付与保護被膜と可撓性保護被膜とを有することを特徴とするリアクトル用コア。 ただし、円形度は、無作為に抽出した1000個以上の金属磁性粒子について断面を顕微鏡で観察し、各金属磁性粒子の面積および外周長さを算出し、以下の式により求めた値の平均値である。 円形度=4π×金属磁性粒子の面積/金属磁性粒子の外周長さの2乗 |
| 絶縁被膜で覆った金属磁性粒子を加圧成形してなるリアクトル用コアであって、 前記金属磁性粒子は、 平均粒径が1μm以上70μm以下で、 粒径の標準偏差(σ)と平均粒径(μ)との比である変動係数Cv(σ/μ)が0.40以下で、 円形度が0.8以上1.0以下であり、 前記絶縁被膜の外側を取り囲む外周被膜を備え、その外周被膜が耐熱性付与保護被膜を有することを特徴とするリアクトル用コア。 ただし、円形度は、無作為に抽出した1000個以上の金属磁性粒子について断面を顕微鏡で観察し、各金属磁性粒子の面積および外周長さを算出し、以下の式により求めた値の平均値である。 円形度=4π×金属磁性粒子の面積/金属磁性粒子の外周長さの2乗 |
| 絶縁被膜で覆った金属磁性粒子を加圧成形してなるリアクトル用コアであって、 前記金属磁性粒子は、 平均粒径が1μm以上70μm以下で、 粒径の標準偏差(σ)と平均粒径(μ)との比である変動係数Cv(σ/μ)が0.40以下で、 円形度が0.8以上1.0以下であり、 前記絶縁被膜の外側を取り囲む外周被膜を備え、その外周被膜は可撓性保護被膜を有することを特徴とするリアクトル用コア。 ただし、円形度は、無作為に抽出した1000個以上の金属磁性粒子について断面を顕微鏡で観察し、各金属磁性粒子の面積および外周長さを算出し、以下の式により求めた値の平均値である。 円形度=4π×金属磁性粒子の面積/金属磁性粒子の外周長さの2乗 |
| 前記外周被膜は、耐熱性付与保護被膜と可撓性保護被膜の組成が混合された混合組成部を有し、 前記外周被膜の表面側には耐熱性付与保護被膜よりも可撓性保護被膜の成分の方が多く含まれており、絶縁被膜との境界側には可撓性保護被膜よりも耐熱性付与保護被膜の成分の方が多く含まれていることを特徴とする請求の範囲第1項に記載のリアクトル用コア。 |
| 前記金属磁性粒子の平均粒径が50μm以上70μm以下であることを特徴とする請求の範囲第1項から第4項のいずれか1項に記載のリアクトル用コア。 |
| 前記金属磁性粒子が実質的に鉄からなることを特徴とする請求の範囲第1項から第4項のいずれか1項に記載のリアクトル用コア。 |
| 前記絶縁被膜は、リン化合物、ケイ素化合物、ジルコニウム化合物およびアルミニウム化合物からなる群より選択された少なくとも一種を含むことを特徴とする請求の範囲第1項から第4項のいずれか1項に記載のリアクトル用コア。 |
| 前記絶縁被膜の平均厚みは10nm以上1μm以下であることを特徴とする請求の範囲第1項から第4項のいずれか1項に記載のリアクトル用コア。 |
| 前記耐熱性付与保護被膜は有機シリコン化合物を含み、かつ前記有機シリコン化合物のシロキサン架橋密度は0超1.5以下であることを特徴とする請求の範囲第1項、第2項または第4項に記載のリアクトル用コア。 |
| 前記可撓性保護被膜は、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、およびアミド樹脂からなる群より選ばれた少なくとも一種を含むことを特徴とする請求の範囲第1項または第3項に記載のリアクトル用コア。 |
| 前記可撓性保護被膜はシリコーン樹脂を含み、前記絶縁被膜との境界側の前記外周被膜におけるSiの含有量は、前記外周被膜の表面側におけるSiの含有量よりも多いことを特徴とする請求の範囲第1項または第3項に記載のリアクトル用コア。 |
| 前記外周被膜の平均厚みは10nm以上1μm以下であることを特徴とする請求の範囲第1項から第4項のいずれか1項に記載のリアクトル用コア。 |
| 平均粒径が1μm以上70μm以下で、粒径の標準偏差(σ)と平均粒径(μ)との比である変動係数Cv(σ/μ)が0.40以下で、円形度が0.8以上1.0以下の金属磁性粒子に絶縁被膜並びに耐熱性付与保護被膜と可撓性保護被膜の少なくとも一方からなる外側被膜を形成した複合磁性粒子を準備する工程と、 この複合磁性粒子を加圧成形してリアクトル用コアの所定形状に成形する工程と、 得られた成形体に熱処理を施して、前記加圧成形時に複合磁性粒子に導入された欠陥を軽減する工程とを備えることを特徴とするリアクトル用コアの製造方法。 ただし、円形度は、無作為に抽出した1000個以上の金属磁性粒子について断面を顕微鏡で観察し、各金属磁性粒子の面積および外周長さを算出し、以下の式により求めた値の平均値である。 円形度=4π×金属磁性粒子の面積/金属磁性粒子の外周長さの2乗 |
| 請求の範囲第1項から第4項のいずれか1項に記載のリアクトル用コアと、このコアに巻線を巻回して形成したコイルとを備えることを特徴とするリアクトル。 |
本発明はリアクトル用コアとその製造方 およびリアクトルに関するものである。特 、渦電流損の低減に効果的なリアクトルに するものである。
近年、地球環境保護の観点からハイブリ ド自動車や電気自動車が実用化されている ハイブリッド自動車は、エンジン及びモー を駆動源として備え、その一方又は双方を いて走行する自動車である。このようなハ ブリッド自動車等は、モータへの電力供給 統に昇圧回路を備えている。そして、昇圧 路の部品の一つとして、電気エネルギーを 気エネルギーとして蓄えることができるリ クトルが利用される。
リアクトルは、コイルとコアを有し、コ ルの励磁により閉磁路をコアに形成する。 のコアとして、圧粉成形体で構成されたも がある。圧粉成形体は、金属磁性粒子を絶 被膜で覆った複合磁性粒子を加圧成形して 成される。このようなコアを交流(AC)磁場で 使用した場合、鉄損と呼ばれるエネルギー損 が生じる。この鉄損は、概ね、ヒステリシス 損と渦電流損との和で表わされる。このうち 、渦電流損を低減する技術として、特許文献 1に記載の技術がある。特許文献1は、複合磁 粉末の円相当径に対する最大径の比を特定 ることを開示している。
一方、コイルに印加される電流波形は、 流成分に交流成分が加わった波形となって る。そのうち直流成分が増加すると、コイ のインダクタンスは低下し、その結果、イ ピーダンスが低下して、出力が低下したり 力変換効率が低下してしまう等の問題が発 する。そのため、リアクトルでは、直流成 の増加に伴うインダクタンスの低下量が少 いこと、すなわち直流重畳特性が良いこと 求められる。この直流重畳特性を改善する 術として、特許文献2に記載の技術が知られ ている。特許文献2は、粒径が5~70μmの異形状 軟質磁性粉末を用いることを開示している
さらに、圧粉成形体は、その製造工程に いて加圧成形が実施されるが、その際の複 磁性粉末の変形によって歪みや転移などの 陥が導入される。このため、圧粉成形体の 磁力が増大し、結果としてヒステリシス損 大きくなるという問題が発生する。その対 として、圧粉成形体の熱処理により、加圧 形過程で複合磁性粉末に導入された歪みや 位を除去して、磁壁の移動を容易にし、磁 の保磁力を小さくすることが効果的である この熱処理温度は、高いほど欠陥を十分に 去できるが、あまりに高く設定しすぎると 絶縁被膜が分解したり劣化したりし、渦電 損が増大する原因となる。この絶縁被膜の 化を抑制しつつ加圧成形時の絶縁被膜の損 を低減する技術として、特許文献3に記載の 技術がある。特許文献3は、複合磁性粉末に 熱性付与保護被膜と可撓性保護被膜を設け ことを開示している。
しかし、従来のリアクトル用コアでは、 損の低減や直流重畳特性のさらなる改善が められていた。
通常、圧粉成形体は、数百MPaという高圧 成形されている。そのため、複合磁性粒子 士が圧接されて絶縁被膜が損傷されること ある。絶縁被膜が損傷すれば、金属磁性粒 同士の電気的接続により、成形体の渦電流 が増大することになる。特許文献1の技術で は、軟磁性粉末の円相当径に対する最大径の 比を特定することで、上記絶縁被膜の損傷を 抑制しているが、この比率限定だけでは、な お十分とはいえない。
また、特許文献2に記載の技術では、軟質 磁性粉末の粒径を限定しているのみなので、 この限定範囲内で粉末の粒径にばらつきが生 じる。そのため、このような粉末を成形する と、成形体の内部の均一性が低下するため、 直流重畳特性に改善の余地が残る。
さらに、特許文献3に記載の技術では、圧 粉成形体の熱処理に伴う絶縁被膜の劣化や加 圧成形に伴う絶縁被膜の損傷を抑制できるが 、絶縁被膜の材質以外の構成については渦電 流損の抑制の観点からさらなる改善の余地が ある。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたも で、その目的の一つは、渦電流損の低減と 流重畳特性の改善を実現でき、さらに絶縁 膜の損傷を抑制できるリアクトル用コアと の製造方法およびリアクトルを提供するこ にある。
本発明のリアクトル用コアは、絶縁被膜で
った金属磁性粒子を加圧成形してなるリア
トル用コアで、前記金属磁性粒子が次の構
を備え、さらに絶縁被膜の外側を取り囲む
側被膜を備え、その外側被膜が耐熱性付与
護被膜および可撓性保護被膜の少なくとも
方を有することを特徴とする。
(1)平均粒径が1μm以上70μm以下であること
(2)粒径の標準偏差(σ)と平均粒径(μ)との比
である変動係数Cv(σ/μ)が0.40以下であること
(3)円形度が0.8以上1.0以下であること。
また、本発明のリアクトル用コアの製造方
は、次の工程を備えることを特徴とする。
(1)以下の(A)~(C)の要件を満たす金属磁性粒
に絶縁被膜と外周被膜を有し、その外周被
が耐熱性付与保護被膜および可撓性保護被
の少なくとも一方を有する複合磁性粒子を
備する工程。
(A)平均粒径が1μm以上70μm以下
(B)粒径の標準偏差(σ)と平均粒径(μ)と
比である変動係数Cv(σ/μ)が0.40以下
(C)円形度が0.8以上1.0以下
(2)この複合磁性粒子を加圧成形してリア
トル用コアの所定形状に成形する工程。
(3)得られた成形体に熱処理を施して、前
加圧成形時に複合磁性粒子に導入された欠
を軽減する工程。
上記の本発明のリアクトル用コアおよびそ
製造方法において、円形度は、無作為に抽
した1000個以上の金属磁性粒子について断面
を顕微鏡で観察し、各金属磁性粒子の面積お
よび外周長さを算出し、以下の式により求め
た値の平均値である。
円形度=4π×金属磁性粒子の面積/金属磁性粒
子の外周長さの2乗
これらの構成によれば、圧粉体を構成す 複合磁性粒子として、平均粒径が微細な金 粒子を用いることで、絶縁被膜で絶縁され 金属磁性粒子の厚みを細分化して、渦電流 を低減することができる。また、変動係数 上記のように限定することで、金属磁性粒 の粒径の分布を均一にできる。そのため、 合磁性粒子を加圧成形した成形体内部の均 性を向上でき、磁化過程において磁壁の移 を容易にすることができる。その結果とし 、直流重畳特性を向上できる。さらに、金 磁性粒子の円形度を0.80以上とすることによ って、複合磁性粒子を加圧成形する時に金属 磁性粒子の表面に生じる歪みを低減できるの で、直流重畳特性を向上できる。そして、円 形度を0.80以上とすれば、より真球に近い形 の金属磁性粒子で成形体が構成されるため 複合磁性粒子の加圧成形時に、これら粉末 士が圧接されて絶縁被膜が損傷することを 制でき、その結果、渦電流損の低減を実現 ることができる。なお、円形度1.0とは真球 ことである。
一方、外周被膜が所定の屈曲性を有する 撓性保護被膜を備えている場合、成形性が 好になる。可撓性保護被膜は撓む性質を有 ているので、圧力を受けてもき裂が入りに い。そのため、加圧成形時の圧力によって 縁被膜(耐熱性付与保護被膜がある場合は、 この保護被膜)が破壊されるのを、可撓性保 被膜によって防止することができる。それ 伴って、絶縁被膜を良好に機能させて渦電 損を低減することができる。また、外周被 が耐熱性付与保護被膜を備えている場合、 の耐熱性付与保護被膜によって絶縁被膜が 護されるので、絶縁被膜の耐熱性が向上し 高温で熱処理しても絶縁被膜が破壊しにく なる。その結果、高温の熱処理によってヒ テリシス損を低減することができる。もち ん、可撓性保護被膜と耐熱性付与保護被膜 双方を備えている場合、両者の作用効果を ることができる。
本発明のリアクトル用コアにおいて、前 外周被膜は、耐熱性付与保護被膜と可撓性 護被膜の組成が混合された混合組成部を有 、前記外周被膜の表面側には耐熱性付与保 被膜よりも可撓性保護被膜の成分の方が多 含まれており、絶縁被膜との境界側には可 性保護被膜よりも耐熱性付与保護被膜の成 の方が多く含まれていることが好ましい。
この構成によれば、所定の屈曲性を有す 可撓性保護被膜の成分が複合磁性粒子の表 側に多く存在するので、成形性が良好にな 。また、可撓性保護被膜の成分が複合磁性 子の表面側に多く存在するので、耐熱性付 保護被膜と絶縁被膜とが加圧成形の圧力に って破壊されるのを、可撓性保護被膜の成 によって防止することができる。したがっ 、絶縁被膜を良好に機能させて金属磁性粒 間を流れる渦電流を十分に抑制することが きる。
また、耐熱性付与保護被膜の成分が絶縁 膜との界面側に多く存在するので、耐熱性 与保護被膜によって絶縁被膜が保護される これにより、絶縁被膜の耐熱性が向上し、 温で成形体を熱処理しても絶縁被膜が破壊 にくくなる。したがって、高温の熱処理に ってヒステリシス損を低減することができ 。
本発明のリアクトル用コアにおいて、前 金属磁性粒子の平均粒径は50μm以上70μm以下 とすることが好ましい。
このような平均粒径の金属磁性粒子であ ば、渦電流損の低減効果が得られると共に 複合磁性粒子の取り扱いが容易になり、よ 高い密度の成形体とすることができる。
本発明のリアクトル用コアにおいて、前 金属磁性粒子が実質的に鉄からなることが ましい。
鉄は、透磁率及び磁束密度の点から好ま い材料であり、また鉄合金と比較して安価 あり、経済性にも優れる。特に99質量%以上 Feである純鉄が好ましい。
本発明のリアクトル用コアにおいて、前 絶縁被膜は、リン化合物、ケイ素化合物、 ルコニウム化合物およびアルミニウム化合 からなる群より選択された少なくとも一種 含むことが挙げられる。
これらの物質は絶縁性に優れているため コアに生じる渦電流をより効果的に抑制す ことができる。
本発明のリアクトル用コアにおいて、前 絶縁被膜の平均厚みを10nm以上1μm以下とす ことが挙げられる。
このような絶縁被膜の膜厚限定により、 圧成形時に絶縁被膜がせん断破壊すること 防止して、渦電流損を効果的に抑制できる
本発明のリアクトル用コアにおいて、前 耐熱性付与保護被膜は有機シリコン化合物 含み、かつ前記有機シリコン化合物のシロ サン架橋密度は0超1.5以下であることが挙げ られる。
シロキサン架橋密度が0超1.5以下である有 機シリコン化合物は、化合物自身が耐熱性に 優れているのに加えて、熱分解後にもSi含有 が多くSi-O化合物に変化したときの収縮が小 さく急激な電気抵抗低下がないため、耐熱性 付与保護被膜として適している。より好まし いシロキサン架橋密度(R/Si)は1.3以下である。
本発明のリアクトル用コアにおいて、前 可撓性保護被膜はシリコーン樹脂を含み、 記絶縁被膜との境界側の前記外周被膜にお るSiの含有量は、前記外周被膜の表面側に けるSiの含有量よりも多いことが挙げられる 。
この構成によれば、外周被膜中において 可撓性保護被膜が表面に偏在する構成とな 。これにより、加圧成形の圧力によって耐 性付与保護被膜や絶縁被膜が破壊されるの 、可撓性保護被膜によって防止することが きる。したがって、絶縁被膜を良好に機能 せて金属磁性粒子間を流れる渦電流を十分 抑制することができる。
本発明のリアクトル用コアにおいて、前 可撓性保護被膜は、シリコーン樹脂、エポ シ樹脂、フェノール樹脂、およびアミド樹 からなる群より選ばれた少なくとも一種を むことが挙げられる。
これらの材料は可撓性に優れているため 可撓性保護被膜に好適であり、絶縁被膜が 壊されるのを効果的に抑止することができ 。
本発明のリアクトル用コアにおいて、前 外周被膜の平均厚みは10nm以上1μm以下であ ことが挙げられる。
外周被膜の平均厚みが10nm以上であること で、絶縁被膜の破壊を効果的に抑止すること ができる。また、外周被膜の平均厚みが1μm 下であることで、金属磁性粒子間の距離が きくなりすぎて反磁界が発生する(金属磁性 子に磁極が生じてエネルギーの損失が発生 る)ことを防止できる。これにより、反磁界 の発生に起因したヒステリシス損の増大を抑 制できる。また、複合磁性粒子に占める外周 被膜の体積比率が小さくなりすぎて、複合磁 性粒子の成形体の飽和磁束密度が低下するこ とを防止できる。
一方、本発明のリアクトルは、上記のリ クトル用コアと、このコアに巻線を巻回し 形成したコイルとを備えることを特徴とす 。
この構成のリアクトルにより、上記リア トル用コアと同様に、渦電流損の低減と直 重畳特性の改善を図ることができる。
本発明のリアクトル用コアおよびその製 方法によれば、渦電流損を低減し、直流重 特性を改善することができる。特に、可撓 保護被膜を有することで、複合磁性粉末の 圧成形時に圧力で絶縁被膜が損傷すること 抑制し、渦電流損を低減できる。さらに、 熱性付与保護被膜を有することで、成形体 熱処理温度を高めても絶縁被膜の分解など 抑制できるため、複合磁性粒子を加圧成形 る際に導入された歪などの欠陥を十分に除 し、ヒステリシス損を低減することができ 。
R リアクトル M コア C コイル
mu U字状コア片 mi I字状コア片 s スペ
サ
以下、本発明の実施の形態を説明する。
<リアクトル>
ハイブリッド自動車等の昇圧回路に用いら
る代表的なリアクトルRのコアは、図1に示
ようなリング状のコアMである。このコアMは
、以下のような複数のコア片を組み合わせて
構成されている。コアMは、矩形状の端面を
するU字状コア片mu一対と、I字状コア片mi4つ
から成り、各U字状コア片muを互いの端面同
が対向するように配し、各端面間にI字状コ
ア片miを2つずつ並べて、それぞれを接合して
構成している。上記コアMは、絶縁被膜を有
る金属磁性粒子、つまり複合磁性粒子を加
成形して得ることができる。
また、上記コアMは、通常、磁気飽和を回 避するため、コア片の各接合部にスペーサs 配することにより、閉磁路中にギャップが けられている。リアクトルのインダクタン は、主として閉磁路に形成するギャップの 計長(ここではスペーサsの合計厚み)により 定される。各スペーサsにはアルミナといっ 非磁性材料の板材を高精度に加工して利用 ている。
そして、このようなコアMの一部に巻線を 巻回してコイルCを形成し、このコイルCに電 を流すことでコアMに閉磁路を形成する。巻 線は、銅線などにエナメルなどの絶縁被膜を 施したものが利用できる。巻線の断面形状に は、丸や多角形が挙げられる。
その他、図示しないが、コアの形態をい ゆるポットコアとしてもよい。ポットコア 、例えば、コイルの内側に配される柱状の 側コアと、コイルの外側に配される円筒状 外側コアと、コイルの両端側の各々に配さ る円盤状の端部コアとを有する。ポットコ とすれば、コイルがコア内に収納された状 のリアクトルとなるため、コイルの励磁に なう振動による騒音を効果的に抑制したり コイルを機械的に保護したりすることがで る。さらに、コアを介してのコイルの放熱 効果的に行うことができる。
〔コア〕
上述したようなコアを構成する複合磁性粒
は、金属磁性粒子の表面に絶縁被膜と外周
膜とが形成された粉末である。
(金属磁性粒子)
金属磁性粒子としては、鉄を50質量%以上含
するものが好ましく、例えば、純鉄(Fe)が挙
げられる。その他、鉄合金、例えば、鉄(Fe)-
リコン(Si)系合金、鉄(Fe)-アルミニウム(Al)系
合金、鉄(Fe)-窒素(N)系合金、鉄(Fe)-ニッケル(N
i)系合金、鉄(Fe)-炭素(C)系合金、鉄(Fe)-ホウ素
(B)系合金、鉄(Fe)-コバルト(Co)系合金、鉄(Fe)-
ン(P)系合金、鉄(Fe)-ニッケル(Ni)-コバルト(Co
)系合金、及び鉄(Fe)-アルミニウム(Al)-シリコ
(Si)から選択される1種からなるものが利用
きる。特に、透磁率及び磁束密度の点から
99質量%以上がFeである純鉄が好ましい。また
、純鉄は、鉄合金と比較して安価であり、経
済性にも優れる。
金属磁性粒子の平均粒径は、1μm以上70μm 下とする。金属磁性粒子の平均粒径を1μm以 上とすることによって、複合磁性粒子の流動 性を落とすことがなく、複合磁性粒子を用い て製作された圧粉磁心の保磁力およびヒステ リシス損の増加を抑制できる。逆に、金属磁 性粒子の平均粒径を70μm以下とすることによ て、1kHz以上の高周波域において発生する渦 電流損を効果的に低減できる。より好ましい 金属磁性粒子の平均粒径は、50μm以上70μm以 である。この平均粒径の下限が50μm以上であ れば、渦電流損の低減効果が得られると共に 、複合磁性粒子の取り扱いが容易になり、よ り高い密度の成形体とすることができる。な お、この平均粒径とは、粒径のヒストグラム 中、粒径の小さい粒子からの質量の和が総質 量の50%に達する粒子の粒径、つまり50%粒径を いう。
また、金属磁性粒子は、その粒径の標準 差(σ)と平均粒径(μ)との比である変動係数Cv (σ/μ)が0.40以下であることとする。変動係数C vを0.40以下とすることによって、金属磁性粒 の粒径の分布を均一にできるので、複合磁 粒子を用いて作製された成形体内部の均一 を向上できる。その結果、コアの磁化過程 おいて磁壁の移動を容易にできるので、直 重畳特性を向上できる。より好ましい変動 数Cvは、0.38以下であり、さらに好ましくは0 .36以下である。この変動係数Cvは小さいほど ましいが、製造の容易性の観点から、下限 0.001以上程度である。
金属磁性粒子の形状は、円形度が0.80以上 1以下となるような形状とする。円形度を0.80 上とすることで、複合磁性粒子の加圧成形 に金属磁性粒子の表面に生じる歪みを低減 きるので、直流重畳特性を向上できる。ま 、円形度が0.80以上であれば、先鋭な突起が 少なく球形に近い形状であるため、複合磁性 粒子の加圧成形時に、この粉末同士が圧接さ れて絶縁被膜が損傷することを抑制できる。 その結果、金属磁性粒子間の絶縁をより確実 に保持して、渦電流損の低減を図ることがで きる。特に、円形度は0.91以上が好ましい。 お、金属磁性粒子の外形が真球状である場 には、金属磁性粒子の円形度は1.0となる。
(絶縁被膜)
絶縁被膜は、金属磁性粒子間の絶縁層とし
機能する。この金属磁性粒子を絶縁被膜で
うことによって、金属磁性粒子同士の接触
抑制し、成形体の比透磁率を抑えることが
きる。また、絶縁被膜の存在により、金属
性粒子間に渦電流が流れるのを抑制して、
形体の渦電流損を低減させることができる
絶縁被膜は、リン化合物、ケイ素化合物、
ルコニウム化合物およびアルミニウム化合
からなる群より選択された少なくとも一種
含む材質が好適に利用できる。これらの物
は絶縁性に優れているため、金属磁性粒子
流れる渦電流を効果的に抑制できる。具体
としては、リン酸鉄、リン酸マンガン、リ
酸亜鉛、リン酸カルシウム、酸化シリコン
酸化ジルコニウムなどが挙げられる。また
絶縁被膜には、金属酸化物、金属窒化物、
たは金属炭化物や、リン酸金属塩化合物、
ウ酸金属塩化合物、または珪酸金属塩化合
などの絶縁性物質が利用できる。ここでの
属には、Fe、Al、Ca、Mn、Zn、Mg、V、Cr、Y、Ba
Sr、希土類元素などから選択された少なく
も一種が利用できる。このような材質から
る絶縁被膜は、単層でもよいし複数層でも
い。
絶縁被膜の厚みは、10nm以上1μm以下であ ことが好ましい。絶縁被膜の厚みを10nm以上 することによって、金属磁性粒子同士の接 の抑制や渦電流によるエネルギー損失を効 的に抑制することができる。また、絶縁被 の厚みを1μm以下とすることによって、複合 磁性粒子に占める絶縁被膜の割合が大きくな りすぎない。このため、この複合磁性粒子の 磁束密度が著しく低下することを防止できる 。なお、複合磁性粒子の粒径が小さければ、 絶縁被膜の厚みも小さくなる傾向にある。
上記絶縁被膜の厚さは、組成分析(TEM-EDX:t ransmission electron microscope energy dispersive X-ray spectroscopy)によって得られる膜組成と、誘導 結合プラズマ質量分析(ICP-MS:inductively coupled plasma-mass spectrometry)によって得られる元素量 を鑑みて相当厚さを導出し、更に、TEM写真 より直接、被膜を観察し、先に導出された 当厚さのオーダーが適正な値であることを 認して決定される平均的な厚さとする。
(外周被膜)
外周被膜の具体的構成や成膜方法は特開2006
-202956号公報に記載の構成や方法が利用でき
。
<耐熱性付与保護被膜>
耐熱性付与保護被膜は、成形体の熱処理時
下層の絶縁被膜が加熱されて熱分解するの
防ぐ役割を果たしている。そのため、耐熱
付与保護被膜は、絶縁被膜の直上に形成す
ことが好ましい。耐熱性付与保護被膜の材
としては、有機シリコン化合物を含み、か
シロキサン架橋密度(R/Si)が0より大きく1.5以
下である材料が挙げられる。ここで、シロキ
サン架橋密度(R/Si)とは、Si原子1個に結合して
いる有機基の平均数を表わす数値であり、こ
の値が小さいほど架橋度が大きく、Si元素の
有量が大きくなる。
<可撓性保護被膜>
可撓性保護被膜は、複合磁性粒子の加圧成
時に下層の耐熱性付与保護被膜や絶縁被膜
破壊されるのを防ぐ役割を果たしている。
のため、可撓性保護被膜は耐熱性付与保護
膜や絶縁被膜の直上に形成することが好ま
い。もっとも、絶縁被膜の上に順次可撓性
護被膜、耐熱性付与保護被膜が形成されて
よい。この可撓性保護被膜は、たとえば、
ロキサン架橋密度(R/Si)が1.5より大きいシリ
ーン樹脂よりなっている。その他、可撓性
護被膜は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂
またはアミド樹脂などよりなっていてもよ
。
このような可撓性保護被膜は、所定の屈 性を有する材料よりなっている。具体的に 、直径6mmの丸棒を用いて室温にてJISに規定 る屈曲性試験を行なった場合に、塗膜にひ が入らず、かつ金属板から剥がれない材料 りなっている。この屈曲性試験は、以下の 法により行なわれる。試験片を、自然乾燥 ニスについては24時間室内に置いてから、 熱乾燥ワニスについては規定の温度と時間 で追加加熱する。その後、室温で放冷して ら、金属板の試験片については25±5℃の水中 に約2分保ちそのままの状態で塗膜を外側に て所定の直径をもつ丸棒に沿って約3秒間で1 80度折り曲げる。そして、塗膜にひびが入っ いないか、また、金属板から剥がれていな かどうかを目視で調べる。
<混合組成部>
耐熱性付与保護被膜と可撓性保護被膜は、
み方向に組成が連続的に変化する混合組成
を有することが好ましい。絶縁被膜の表面
混合組成部を有する外周被膜を形成する方
としては、たとえば耐熱性付与保護被膜の
分を溶解した有機溶媒中に、絶縁被膜を形
した金属磁性粒子を浸漬して攪拌し、徐々
可撓性保護被膜の成分を有機溶媒中に溶解
ていきながら有機溶媒を蒸発させる方法が
げられる。この方法では、耐熱性付与保護
膜の成分が始めに絶縁被膜の表面を被覆し
耐熱性付与保護被膜の成分の割合が有機溶
中で減少していく。一方、可撓性保護被膜
成分は有機溶媒中において増加していき、
々に可撓性保護被膜の成分が増加した外周
膜が得られる。
〔コアの製造方法〕
(準備工程)
まず、準備工程では、上述した平均粒径、
動係数、円形度の金属磁性粒子を用意する
金属磁性粒子の変動係数を変えるには、金
磁性粒子をふるいにかけて分級するなどし
、その粒径のばらつきを小さくする。また
円形度が0.8以上の金属磁性粒子を得るには
アトマイズ法にて金属磁性粒子を作製する
合、噴霧した金属が凝固する際の冷却速度
遅くしたりすることが挙げられる。アトマ
ズ法には、ガスアトマイズ法で生成された
末や、水アトマイズ法で生成された粉末が
る。このうち、前者がほぼ球状の粒子であ
、後者は表面に凹凸が形成された非球状の
子である。ただし、この水アトマイズ法で
成された金属磁性粒子であっても、ボール
ルなどで粉砕して球状に形成することで0.8
上の円形度を得ることができる。
上述した所定の金属磁性粒子には、絶縁 膜の形成前に、700℃以上1400℃未満の温度で 予備熱処理することが好ましい。金属磁性粒 子には、アトマイズ処理時の熱応力などに起 因する歪みや結晶粒界などの多数の欠陥が存 在している。そのため、上記の予備熱処理を 実施することによって、これらの欠陥を低減 させることができる。この予備熱処理は省略 されてもよい。
得られた金属磁性粒子には、絶縁被膜を す。絶縁被膜の形成手法の代表例としては リン酸塩化成処理が挙げられる。その他に 剤吹きつけや前駆体を用いたゾルゲル処理 利用することもできる。また、有機溶剤を いた湿式被覆処理や、ミキサーによる直接 覆処理などを利用して、シリコン系有機化 物の絶縁被膜を形成してもよい。その他、 可塑性樹脂、非熱可塑性樹脂、または高級 肪酸塩なども絶縁被膜として利用できる。
市販の複合磁性粒子で金属磁性粒子が上 の平均粒径、変動係数、円形度を満たすも があれば、その市販品が利用できることは うまでもない。
そして、絶縁被膜の表面に外周被膜を形 する。外周被膜が耐熱性付与保護被膜の場 、絶縁被膜の表面に耐熱性付与保護被膜を 成する方法としては、たとえば耐熱性付与 護被膜の成分を溶解した有機溶媒中に、絶 被膜を形成した金属磁性粒子を浸漬して攪 し、有機溶媒を蒸発させ、その後、耐熱性 与保護被膜を硬化させる方法(湿式被膜処理 法)が挙げられる。
さらに、耐熱性付与保護被膜の表面に可 性保護被膜を形成する方法としても、上述 た湿式被膜処理法を同様に用いることがで る。
(成形工程)
コアを製造するには、上記複合磁性粒子を
望の形状に成形する。成形は、所望の金型
複合磁性粒子を充填し、パンチで押圧する
とで行う。押圧時の圧力は、390MPa以上1500MPa
以下が好ましい。390MPa未満では、圧縮度合い
が少ないため、コアの密度が小さくなり易く
、1500MPa超では、粉末同士の接触により、絶
被膜が損傷することがある。より好ましく
、700MPa以上1300MPa以下である。成形時の雰囲
は、複合磁性粒子が大気中の酸素により酸
されることを防止するために、Arなどの不
性ガス雰囲気や減圧雰囲気が好ましい。
この成形時、適宜潤滑剤を適用すること 好ましい。潤滑剤は、複合磁性粒子の流動 をよくして高密度の成形体を得ることや、 合磁性粒子同士の強い擦れ合いを回避して 絶縁被膜の損傷を抑制すること、ひいては 電流損を抑制することに寄与する。潤滑剤 具体例としては、金属石鹸および六方晶系 結晶構造を有する無機潤滑剤の少なくとも 方が挙げられる。
潤滑剤の添加量は、複合磁性粒子に対し 、0.001質量%以上0.2質量%以下が好適である。 この添加量を0.001質量%以上とすることによっ て、金属石鹸および六方晶系の結晶構造を有 する無機潤滑剤の高い潤滑性から、複合磁性 粒子の流動性を向上できるので、金型に充填 したときの複合磁性粒子の充填性を向上でき る。その結果、得られる成形体の密度を向上 できるので、直流重畳特性を向上できる。ま た、上記添加量を0.2質量%以下とすることに って、成形体の密度の低下を抑制できるの 、直流重畳特性の劣化を防止できる。
潤滑剤の平均粒径は2.0μm以下であること 好ましい。2.0μm以下とすることによって、 合磁性粒子を加圧成形する時の絶縁被膜の 傷をより低減できるので、鉄損をより低減 ることができる。この平均粒径は、粒径の ストグラム中、粒径の小さい方からの質量 和が総質量の50%に達する粒子の粒径、つま 50%粒径をいう。
そして、上記の潤滑剤と共に、複合磁性 子を混合して混合材料とする。この混合法 は特に制限がなく、振動ボールミル、遊星 ールミルなどが好適に利用できる。もちろ 、必要に応じて、樹脂や他の添加剤を混合 てもよい。
(熱処理工程)
得られた成形体に熱処理を施し、成形によ
複合磁性粒子に導入された歪みなどの欠陥
除去して、ヒステリシス損の向上を図る。
処理の温度は、高いほどヒステリシス損の
減が行えるため好ましいが、絶縁被膜材料
熱分解温度に応じて、その熱分解温度未満
適切な値を選択する。通常、絶縁被膜がリ
酸鉄やリン酸亜鉛などの非晶質リン酸塩被
の場合、熱処理温度はせいぜい500℃程度ま
である。一方、金属酸化物などからなる耐
性の高い絶縁被膜の場合、熱処理温度は550
以上、特に600℃以上、更に650℃以上が好ま
い。保持時間は、30分以上60分以下が挙げら
れる。加熱温度や保持時間は、絶縁被膜の種
類によって変更してもよい。
〔インシュレータ〕
その他、本発明リアクトル用コアとコイル
の間には、インシュレータを介在させても
い。このインシュレータを用いることで、
にコイルを形成する巻線の絶縁被膜が損傷
ても、コイルとコアとの絶縁を確保するこ
ができる。このインシュレータは、予め樹
を射出成形するなどして構成することがで
る。
(コアの作製)
金属磁性粒子の準備→絶縁被膜および外周
膜の形成→複合磁性粒子と添加剤の混合→
合材料の成形→成形品の熱処理からなる工
によりリアクトル用コアの試料を作製した
<試料No.1>
まず、金属磁性粒子として、鉄粉を水アト
イズ法により鉄が99.8質量%以上含有され、
部が、0.2質量%以下のO、0.1質量%以下のC、N、
P、またはMnなどの不可避的不純物からなる金
属磁性粒子を準備した。この金属磁性粒子は
、ふるいによる分級により、粒径のばらつき
を調整した。得られた金属磁性粒子の平均粒
径は65μm、変動係数Cvは0.36、円形度Sfは0.92で
った。
金属磁性粒子の平均粒径および変動係数Cv
、レーザ散乱回折粒度分布測定法を用いて
象粉末の粒度分布を測定することにより算
した。円形度Sfは、次のようにして求めた。
まず、多数の金属磁性粒子を樹脂で固め、そ
の固化物を研磨して断面を形成する。次に、
この断面を光学顕微鏡で観察して、無作為に
抽出した1000個以上の金属磁性粒子を含む観
画像を取得する。そして、この観察画像を
像処理して金属磁性粒子の断面形状を特定
、各金属磁性粒子の面積および外周長さを
出して、以下の式により求めた値の平均値
した。
円形度=4π×金属磁性粒子の面積/金属磁性粒
子の外周長さの2乗
次に、金属磁性粒子にリン酸塩化成処理 実施して、リン酸鉄からなる絶縁被膜を形 して複合磁性粒子とした。この絶縁被膜の 均厚みは50nmであった。
次に、絶縁皮膜の上に50nmの膜厚でシロキ サン架橋密度(R/Si)が1.3以下の低分子型シリコ ーン樹脂(XC96-B0446 GE東芝シリコーン社製)の 膜を耐熱性付与保護被膜として形成し、さ に50nmの膜厚でシロキサン架橋密度(R/Si)が1.5 上の高分子型シリコーン樹脂(TSR116 GE東芝 リコーン社製)の被膜を可撓性保護被膜とし 形成した。その後、大気中で150℃の温度で1 時間保持し、耐熱性付与保護被膜および可撓 性保護被膜を熱硬化させて複合磁性粒子を得 た。
続いて、この複合金属粒子に金属石鹸と て、平均粒径が1μmのステアリン酸亜鉛を0.0 05質量%添加して混合した。そして、この混合 材料を金型に充填し、1000MPaの圧力を印加し 、成形体を作製した。続いて、得られた成 体を窒素気流雰囲気において、500℃で1時間 処理して発明品1となるリアクトル用コアを 作製した。この発明品1については、成形後 金属磁性粒子の円形度も成形体の断面を光 顕微鏡で観察して調べたところ0.85であった
<試料No.2>
外周被膜が耐熱性付与保護被膜のみである
を除いて、発明品1と同様の構成である発明
品2を作製した。この耐熱性付与保護被膜の
厚は100nmである。
<試料No.3>
外周被膜が可撓性保護被膜のみである点を
いて、発明品1と同様の構成である発明品3
作製した。この可撓性保護被膜の膜厚は100nm
である。
<試料No.4>
潤滑剤(金属石鹸)を用いていない点を除い
、発明品1と同様の構成である発明品4を作製
した。
<試料No.5~No.7>
金属磁性粒子の平均粒径、変動係数Cv、円
度Sfの少なくとも一つが異なる点を除いて、
発明品1と同様の構成である発明品5~発明品7
作製した。
<試料No.11>
外周被膜のない点を除いて、発明品1と同様
の構成である比較品1を作製した。
<試料No.12~No.15>
金属磁性粒子の平均粒径、変動係数Cv、円
度Sfの少なくとも一つが異なる点を除いて、
発明品1と同様の構成である比較品12~比較品15
を作製した。
(評価方法)
得られた各試料のコアについて、直流重畳
性、鉄損、ヒステリシス損、および渦電流
をそれぞれ測定した。
具体的には、直流重畳特性については、 2に示すように各試料からなるコアMとスペ サsを組み、コアMの周囲にコイルCを形成し 、直流重畳試験機を用いて測定した。ここ は、印加電流が0Aの時のインダクタンスL0Aに 対する20AのインダクタンスL20Aの比(L20A/L0A)(単 位:なし)により直流重畳特性を評価した。こ 比が大きいほどインダクタンスの低下量が なく、直流重畳特性に優れることを示す。
また、外径34mm、内径20mm、厚み5mmのリング
の各試料(熱処理済)に、一次300巻、二次20巻
巻き線を施し、磁気特性測定用試料とした
これらの試料について、AC‐BHカーブトレー
サを用いて50Hz~10000Hzの範囲で周波数を変化さ
せて、励起磁束密度1kG(=0.1T(テスラ))における
鉄損を測定した。そして、鉄損からヒステリ
シス損および渦電流損を算出した。その結果
も表1に示す。ヒステリシス損および渦電流
の算出は、鉄損の周波数曲線を次の3つの式
最小2乗法によりフィッティングすることで
行なった。
(鉄損)=(ヒステリシス損係数)×(周波数)+(渦電
損係数)×(周波数)2
(ヒステリシス損)=(ヒステリシス損係数)×(周
数)
(渦電流損)=(渦電流損係数)×(周波数)2
その他、試料No.1とNo.4については、得ら た成形体の密度と抵抗も調べた。さらに、 料No.1~No.3については、成形体の熱処理温度 500~800℃の範囲で変えたコアも作製して、そ らの鉄損を測定した。その結果を表2に示す 。
(評価結果)
表1に示すように、試料No.1、No.5~7、No.12、13
対比から、金属磁性粒子の平均粒径が50~70μ
mの試料は、渦電流損が小さくなっているこ
がわかる。また、試料No.1,No.7とNo.14の対比か
ら、変動係数Cvの小さい試料ではインダクタ
スの低下量が小さく、直流重畳特性に優れ
いることが分かる。さらに、試料No.1,No.7とN
o.15の対比から、円形度Sfが大きいほどヒステ
リシス損失と渦電流損失を抑制できることが
わかる。そして、試料No.1は成形体の密度と
抗がそれぞれ7.38g/cm3、1950μωmであったのに
し、No.4の成形体の密度と抵抗はそれぞれ7.33
g/cm3、1800μωmであり、潤滑剤を適用した方が
り高密度で鉄損の小さい成形体が得られる
とがわかった。
また、表2に示すように、熱処理温度が700 ℃である場合には、発明品1の鉄損W1/10kは17.0W /kgであるのに対し、発明品2の鉄損は17.6W/kgで あり、発明品3の鉄損は23.8W/kgであった。また 、他の熱処理温度においても、発明品1の鉄 は、発明品2、3の鉄損よりも小さい値になっ た。
また、発明品1~3のいずれにおいても、鉄 の値には極小値があり、熱処理温度が所定 温度を超えると鉄損が増大している。これ 、熱処理によって絶縁被膜の熱分解が開始 、渦電流損が増大するためと思われる。鉄 の値が極小値となる温度は、発明品1の場合 には700~750℃であるのに対して、発明品2では7 00℃であり、発明品3では600℃である。以上の 結果から、耐熱性付与保護被膜を有する発明 品1、2の絶縁被膜は高い耐熱性を有しており 発明品1、2は鉄損(渦電流およびヒステリシ 損)を十分に抑制できることが分かった。
以上説明したように、金属磁性粒子の平 粒径が50~70μm、変動係数Cvが0.40以下、円形 Sfが0.8以上であり、かつ外周被膜として耐熱 性付与保護被膜と可撓性保護被膜の少なくと も一方を有すれば、鉄損を低減できると共に 、直流重畳特性を向上できることが確認でき た。
なお、本発明はその要旨を逸脱すること く適宜変更することが可能であり、上記の 施例に限定されるものではない。
本発明リアクトル用コア、リアクトルは ハイブリッド自動車等の昇圧回路用や発電 変電設備用のリアクトルの構成材料として 適に利用することができる。
Next Patent: OPTICAL REPRODUCTION METHOD AND OPTICAL REPRODUCTION SYSTEM
