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Title:
CORE-SHEATH COMPOSITE POLYESTER MONOFILAMENT FOR SUPERFINE HIGH-MESH FILTER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2020/175370
Kind Code:
A1
Abstract:
A core-sheath composite polyester monofilament for a superfine high-mesh filter, characterized in that: the frequency of fiber diameter change of 1.0 μm or more relative to the fiber diameter present in 1 million m in the lengthwise direction of the monofilament fiber is 1.0 or less; the monofilament has a fineness of 3.0-6.0 dtex and a residual elongation of 30-45%; and, in the cross sectional area of the monofilament, the core-sheath ratio expressed by (core component):(sheath component) ranges from 60:40 to 95:5. The monofilament according to the present invention, which is a core-sheath composite monofilament having a high fineness and a uniform fiber diameter, provides a high-mesh gauze fabric with a uniform opening to be used for a superfine high-mesh filter.

Inventors:
SASAGAWA HISASHI (JP)
KOSAKA SHUNSUKE (JP)
ICHIKAWA TOMOYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2020/007052
Publication Date:
September 03, 2020
Filing Date:
February 21, 2020
Export Citation:
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Assignee:
TORAY INDUSTRIES (JP)
International Classes:
D01F8/14; B01D39/08
Domestic Patent References:
WO2010035640A12010-04-01
Foreign References:
JP2009005911A2009-01-15
JP2017066560A2017-04-06
JP2010180484A2010-08-19
JP2017066560A2017-04-06
JP2011001657A2011-01-06
Other References:
See also references of EP 3896199A4
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Claims:
\¥02020/175370 16 卩(:17 2020 /007052

請求の範囲

[請求項 1] 下記八〜〇を満足することを特徴とする高精細ハイメッシュフィル 夕一用芯鞘複合ポリエステルモノフィラメント。

八. モノフィラメントの繊維長手方向 1 00万 01に存在する、 繊維直 径に対して 1. 〇 以上の繊維直径変動の発生数が 1. 0個以下で ある

巳. モノフィラメントの繊度が 3. 0〜6. 0 ¢1 I 6 X

〇. モノフィラメントの残留伸度が 30〜 45%

〇. モノフィラメント横断面積の芯鞘比率は芯成分:鞘成分 = 60 : 40~95 : 5の範囲である

[請求項 2] 下記巳〜〇を満足することを特徴とする請求項 1 に記載の高精細ハ イメッシュフィルター用芯鞘複合ポリエステルモノフィラメント。 º. モノフィラメントの強度が 5. 〇〜 6. 0〇 1\1/〇1 1 6父

. モノフィラメントの 5%伸長時の強度が 2. 7〜 3. 8〇 1\1/ ㊀ X

〇. モノフィラメントの沸水収縮率が 7. 〇〜 1 0. 0%

[請求項 3] 芯成分を構成する高粘度ポリエステルの固有粘度が〇. 70〜〇.

85であり、 鞘成分を構成する低粘度ポリエステルの固有粘度が〇.

40〜〇. 55であり、 さらに芯成分ポリエステルと鞘成分ポリエス テルの固有粘度差を〇. 20〜〇. 45にすることを特徴とする請求 項 1 または 2に記載の高精細ハイメッシュフィルター用芯鞘複合ポリ エステルモノフイラメント。

[請求項 4] 濾層、 フィルター、 多孔板、 および口金を順次配置してなる溶融紡 糸用パックにおいて、 多孔板排出部のポリマー溜めの直径と多孔板排 出口の配置径の差を 2 未満とすることを特徴とする請求項 1〜 3 のいずれかに記載の高精細ハイメッシュフィルター用芯鞘複合ポリエ ステルモノフィラメントの製造方法。

Description:
\¥0 2020/175370 1 卩(:17 2020 /007052 明 細 書

発明の名称 :

高精細ハイメッシュフィルター用芯鞘複合 ポリエステルモノフィラメント 技術分野

[0001 ] 本発明は高精細ハイメッシュフィルター用の 芯鞘複合高強度ポリエステル モノフィラメントに関する。 さらに詳しくは、 音響フィルター、 燃料フィル 夕一など濾過性能と透過性能の高度な両立が 要求されるハイメッシュを得る のに好適なモノフィラメントに関する。

背景技術

[0002] モノフィラメントを製織した紗織物は、 近年、 急成長を続けるエレクトロ ニクス分野においてプリント回路基板のスク リーン印刷用メッシュクロスを はじめ、 自動車、 家電などに利用される成形フィルター用途な どに使用され ている。 モノフィラメントを製織した紗織物の具体的 な用途としては、 例え ば、 スクリーン印刷の用途では、 丁シャツやのぼり旗、 看板、 自動販売機プ レート、 車のパネル、 屋外 ·屋内サイン、 ボールペン、 各種力ード類、 ネー ムプレート、 スクラッチ、 点字、 0 0 - 〇 〇、 プリント基板、 プラズマデ ィスプレイ、 液晶ディスプレイなどが挙げられる。 また、 フィルター用途で は、 洗濯水中のゴミ再付着を防止するリントフィ ルター、 エアコンの中に装 着されている室内のホコリ 塵を除去するフィルター、 掃除機の中に装着さ れているホコリ 塵 · ゴミを除去する成形フィルター、 医療分野では気泡な どを除去する輸血キッ トや人工透析回路用フィルター、 自動車分野では燃料 ポンプ、 燃料噴射装置といった燃料の流路や、 巳 3、 ブレーキ、 トランス ミッション、 パワーステアリングなどが挙げられ、 さらには横滑り防止装置 や燃費向上 ·出カアップのための最新機構である▽ 丁といった油圧回路に おいても、 電磁弁へのゴミや異物の混入を防止し、 濾過して清浄化するとい う大切な役割を果たしている。

[0003] なかでも、 近年急成長を続けるエレクトロニクス分野や 自動車分野では、 〇 2020/175370 2 卩(:170? 2020 /007052

フィルターの高精細化が進んでいる。 例えば、 音響フィルターは、 携帯端末 の小型化に伴い、 フィルターが小型化し、 防塵性能と音響透過性の高度な両 立が要求されており、 フィルターの目開き均一性を維持したまま、 メッシュ の細線径化、 ハイメッシュ化が進んでいる。 そのため、 モノフィラメントと して、 高強力、 高モジュラス、 長手方向の繊維直径の均一性を維持したまま 、 細繊度化を行う必要がある。 また、 自動車分野においては、 環境負荷低減 に向けた性能向上が求められており、 燃料フィルターとして粒子の捕集性能 と圧損損失の両立が要求されている。

[0004] 高精細な音響フィルターや燃料フィルターを 得るためには、 スクリーン印 刷用紗に比べて高い残留伸度を有する、 細繊度かつ繊維直径が均一なモノフ ィラメントを得る必要がある。 フィルター用モノフィラメントは、 フィルタ —としての耐久性や加工性を得るために、 残留伸度はスクリーン紗用と比べ て高めに設定する必要がある。 また、 フィルターの音響透過性能、 濾過性能 、 防塵性能などを向上させるためには、 細い繊維直径のモノフィラメントを 用いる必要があり、 細繊度モノフィラメントにより、 織物の開口率を大きく できるとともに織り方のバリエーシヨンを広 げることができる。 細繊度モノ フィラメントを得る方法として特許文献 1では、 スクリーン紗用モノフィラ メントであるが、 芯鞘複合化し 1工程法の設備条件を適正化することで 3 1 6 Xまでの細繊度ポリエステルモノフィラメン を得ている。 また、 特許 文献 2では、 溶融紡糸用パックをポリマーが通過する際の 熱履歴差によって 生じる粘度斑の均質化を図り、 細繊度糸の糸切れの抑制を図っている。 産業 資材フィルター用モノフィラメントの例とし て特許文献 3では、 ポリエチレ ンナフタレートポリマーを用いて耐熱性、 耐薬品性の向上を図っている。 先行技術文献

特許文献

[0005] 特許文献 1 :特開 2 0 1 〇- 1 8 0 4 8 4号公報

特許文献 2 :特開 2 0 1 7 - 6 6 5 6 0号公報

特許文献 3 :特開 2 0 1 1 - 1 6 5 7号公報 \¥0 2020/175370 3 卩(:17 2020 /007052 発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006] 本発明の目的は、 高精細ハイメッシュフィルター用に目開きが 均一なハイ メッシュ紗織物を得ることであり、 細繊度かつ繊維直径が均一なモノフィラ メントを提供することである。 スクリーン紗用に比べて高い残留伸度を有す る、 高精細フィルター用細繊度モノフィラメント を得るためには、 スクリー ン紗用モノフィラメントの製造方法に比べて 延伸倍率を下げる必要がある。 また、 細繊度であるため、 耐摩耗性に優れた芯鞘複合モノフィラメント にす る必要があり、 各成分の吐出量は単成分に比べて低下する。 このようにポリ マー吐出量を従来ないレベルまで下げると、 紡糸パック内でポリマー滞留部 が生じやすく、 部分的な粘度低下による吐出曲がり (ピクツキ) が顕在化す る。 ピクツキは局所的な繊維直径変動をつくるた め、 このモノフィラメント を織物にすると、 ピクツキが発生した部分で目開きが変動し、 織物全体とし て斑が生じてしまう。 この斑は、 最終製品として見た目の品位を低下させる とともに、 フィルター性能の低下を引き起こすことから 、 ピクツキを抑制す ることが必要である。

課題を解決するための手段

[0007] 本発明は、 下記八〜〇を満足することを特徴とする高精 細ハイメッシュフ ィルター用芯鞘複合ポリエステルモノフィラ メントである。

八. モノフィラメントの繊維長手方向 1 0 0万 に存在する、 繊維直径に対 して 1 . 〇 以上の繊維直径変動の発生数が 1 . 0個以下である 巳. モノフィラメントの繊度が 3 . 0〜6 . 0 ¢1 I 6 X

〇. モノフィラメントの残留伸度が 3 0〜 4 5 %

〇. モノフィラメント横断面積の芯鞘比率は芯成 分:鞘成分 = 6 0 : 4 0〜 9 5 : 5の範囲である

発明の効果

[0008] 本発明のモノフィラメントは細繊度かつ繊維 直径が均一であり、 目開きが 〇 2020/175370 4 卩(:170? 2020 /007052

均一な高精細ハイメッシュフィルター用織 物とすることができる。

図面の簡単な説明

[0009] [図 1 ]本発明における、 繊維直径変動の形態を説明するためのもので ある。

発明を実施するための形態

[0010] 本発明のモノフィラメントについて説明する 。

[001 1 ] 本発明のモノフィラメントは、 高精細ハイメッシュフィルター用途である 。 例えば、 スマートフォンの小型スピーカー向けフィル ターは、 スピーカー の防塵のために設置するが、 スピーカーが小型であるため、 太い糸を使った メッシュでは開口率が小さくなり、 音がこもってしまう。 一方、 音のこもり を解消するため、 メッシュ格子間隔を広く してメッシュ開口率を大きくする と粉塵がスピーカー内に侵入し、 故障の原因となる。 このように高精細ハイ メッシュフィルター用途では、 音響や圧力の透過性と防塵性を両立すること が求められており、 メッシュ開口率を大きく したまま、 1 9 6本/ のハイメッシュ織物とする要望がある。 このようなハイメッシュ織物とする 場合、 メッシュ格子間隔が非常に狭いため、 小さな繊維直径変動であっても メッシュの目が潰れてしまう。 さらには、 メッシュを張り付ける箇所が小さ いため、 張り付ける箇所に対するメッシュの目 1つの占有率が大きく、 1つ でもメッシュの目が潰れてしまうと、 フィルター性能が大きく低下する。 そ のため、 本発明の高精細ハイメッシュフィルター用モ ノフィラメントは細繊 度かつ繊維直径が均一であることが重要であ り、 繊維長手方向 1 〇〇万 に 存在する、 繊維直径に対して 1 . 〇 以上の繊維直径変動の発生数が 1 .

0個以下である。 メッシュ格子間隔のバラツキを抑制するため には、 発生数 は〇. 8個/ 1 0 0万〇1以下が好ましく、 より好ましくは〇. 5個/ 1 0 0 万111以下である。

[0012] ここで繊維直径変動の具体的な形態は、 下式で示すことができる。

繊維直径の変動幅 ( ) /変動幅発生部の糸長 ( ) = 0 . 0 0 4〜〇.

2 5 0

図 1のような短ピッチの繊維直径変動は、 吐出曲がり (ピクツキ) によっ 〇 2020/175370 5 卩(:170? 2020 /007052

て生じる。 ピクツキを抑制する方法として、 パック内の滞留部を減らす方法 がある。 本発明のモノフィラメントはポリマー吐出量 を従来ないレベルまで 下げるため、 従来の滞留抑制方法に加えて、 ポリマー濾層出の滞留を抑制す ることでピクツキの発生を抑制することがで きる。 例えば、 パック部に供給 されたポリマーは、 不純物を濾過するため微細なサンドおよびフ ィルターで 構成された濾層部を経て、 多孔板を通過し、 ポリマー溜めへ一旦集められた 後、 口金へ導かれる。 ここで、 ポリマー溜めの直径と多孔板排出口の配置径 の差を 2 未満とすることで、 ピクツキを抑制することができる。 この原 理は、 ポリマー溜めの端部に滞留する微量のポリマ ーを発生させないことで 、 滞留によって溶融粘度が低下した微量ポリマ ーの混入による吐出線速度の 瞬間的増加に起因する吐出時の曲がり (ピクツキ) の発生を抑制していると 推定している。

[0013] 本発明のモノフィラメントは、 メッシュ開口率を大きく したまま、 1 9 6 本/〇 以上のハイメッシュ織物とするため、 モノフィラメントの繊度は 3 . 0 ~ 6 . 0〇1 6父である。 糸が細いほど、 音や圧力の損失を抑制できる ため、 好ましくは繊度 3 . 〇〜 5 . より好ましくは 3 . 〇〜 4 . 0〇1 6父である。 フィルターとしての耐久性や加工性を得るた めに、 本 発明のモノフィラメントの残留伸度は、 3 0〜 4 5 %である。 製糸安定性の 点から、 好ましくは残留伸度 3 0〜 4 2 %、 さらに好ましくは 3 0〜 4 0 % である。

[0014] 本発明のモノフィラメントは、 芯成分が鞘成分に覆われ、 芯成分が表面に 露出しないように配置した芯鞘型複合ポリエ ステルモノフィラメントである 。 ハイメッシュ製織時のスカム抑制効果と芯成 分による高強度化を両立する ため、 芯成分:鞘成分の芯鞘比率は 6 0 : 4 0〜 9 5 : 5の範囲とする。 よ り好ましくは、 芯成分:鞘成分 = 7 0 : 3 0〜 9 0 : 1 0の範囲である。 こ こで本発明で定義する芯鞘比率とは、 ポリエステルモノフィラメントの横断 面写真においてポリエステルモノフィラメン トを構成する 2種のポリエステ ルの横断面積から求めた。 〇 2020/175370 6 卩(:170? 2020 /007052

[0015] 本発明に用いるポリエステルについて説明す る。

[0016] ここで、 本発明のポリエステルモノフィラメントは、 良好な耐スカム性を 得るという観点から鞘成分に用いるポリエス テルの固有粘度を芯成分ポリエ ステルの固有粘度より低くすることが好まし く、 固有粘度の差を〇. 2 0〜 〇. 4 5にすることが好ましい。 固有粘度の差を〇. 2 0以上とすることで 鞘成分のポリエステル、 すなわちポリエステルモノフィラメント表面 の配向 度および結晶化度を抑えることができ、 良好な耐スカム性を得ることができ る。 また、 溶融紡糸の口金吐出孔内壁面における剪断応 力を鞘成分が担うた め、 芯成分が受ける剪断力は小さくなる。 これにより芯成分は分子鎖配向度 が低く、 かつ均一な状態で紡出されるため、 最終的に得られるポリエステル モノフィラメントの強度が向上する。 一方、 ポリエステルモノフィラメント が高強度を有するためには鞘成分の配向も適 度に必要となるため、 固有粘度 の差が〇. 4 5より大きいと満足する原糸強度が得られな 。 さらに好まし いポリエステルの固有粘度の差は〇. 2 0〜〇. 4 0である。

[0017] 本発明におけるポリエステルの固有粘度は、 芯成分のポリエステルにおい ては〇. 7 0〜〇. 8 5の範囲であることが好ましい。 固有粘度を 0 . 7 0 以上とすることにより、 十分な強度と残留伸度を兼ね備えたポリエス テルモ ノフィラメントを製造することが可能となる 。 芯成分の固有粘度は、 より好 ましくは〇. 7 5以上である。 また、 固有粘度の上限は溶融押出し等の成形 の容易さの点から〇. 8 5以下が好ましい。 さらに製造コストや工程途中の 熱や剪断力によって起きる分子鎖切断による 分子量低下の影響を考慮すると 芯成分の固有粘度は 0 . 8 0以下がより好ましい。

[0018] 鞘成分の固有粘度を〇. 4 0以上にすることにより安定した製糸性が得 れる。 より好ましい鞘成分の固有粘度は〇. 4 5以上である。 また、 良好な 耐摩耗性、 すなわち耐スカム性を得るためには、 鞘成分の固有粘度は〇. 5 5以下であることが好ましい。

[0019] ここで、 本発明のポリエステルモノフィラメントのポ リエステルとしては 、 ポリエチレンレンテレフタレート (以下、 巳丁と称する) を主成分とす 〇 2020/175370 7 卩(:170? 2020 /007052

るポリエステルが用いられる。 本発明で用いる 巳丁としては、 テレフタル 酸を主たる酸成分としエチレングリコールを 主たるグリコール成分とする、

9 0モル%以上がエチレンテレフタレートの繰 返し単位からなるポリエス テルを用いることができる。 ただし、 1 0モル%未満の割合で他のエステル 結合を形成可能な共重合成分を含むものであ っても良い。 このような共重合 成分としては、 例えば、 酸性分として、 イソフタル酸、 フタル酸、 ジブロモ テレフタル酸、 ナフタリンジカルボン酸、 オクトエトキシ安息香酸のような 二官能性芳香族カルボン酸、 セバシン酸、 シュウ酸、 アジピン酸、 ダイマ酸 のような二官能性脂肪族カルボン酸、 シクロへキサンジカルボン酸などのジ カルボンサン類が挙げられ、 また、 グリコール成分としては、 例えば、 エチ レングリコール、 ジエチレングリコール、 プロパンジオール、 ブタンジール 、 ネオペンチルグリコール、 ビスフエノール八や、 シクロへキサンジメタノ —ル、 ポリエチレングリコールやポリプロピレング リコールなどのポリオキ シアルキレングリコールなどを挙げることが できるが、 これらに限られるも のではない。

[0020] また、 艶消剤として二酸化チタン、 滑剤としてシリカやアルミナの微粒子 、 抗酸化剤としてヒンダードフエノール誘導体 、 さらには難燃剤、 帯電防止 剤、 紫外線吸収剤および着色顔料等を必要に応じ て?日丁に添加することが できる。

[0021 ] また、 芯成分の 巳丁はポリエステルモノフィラメントの強度 を主に担う ため、 通常ポリエステル繊維に添加される酸化チタ ンに代表される無機粒子 の添加物は〇. 6 %未満であることが好ましい。 一方、 鞘成分の 巳丁 はポリエステルモノフィラメントの耐摩耗性 を主として担うため酸化チタン に代表される無機粒子を〇. 6 1 %程度添加させることが 好ましい。

[0022] 本発明のポリエステルモノフィラメントの物 性について説明する。

[0023] 製織性の低下やフィルターとして使用したと きの寸法安定性の低下などの 発生を抑えるため、 強度は 5 . 0 ~ 6 . 0〇 1\1 / I 6 Xであることが好ま 〇 2020/175370 8 卩(:170? 2020 /007052

しい。 強度が 5. 0 I 6 X以上ではフィルターの強度が保持でき、 目ズレ を抑制できるため、 優れた濾過性能やフィルター破れを防止でき る。 6. 0

I 6 X以下ではハイメッシュ製織時の箴による削 を防止できる。 強度は、 より好ましくは 5. 2〜 5. である。

[0024] 寸法安定性を得るため、 5%伸長時の強度は 2. 7〜 3. 8〇 1\1/ 6

Xであることが好ましい。 2. 7〇 ㊀ X以上では、 フィルターの寸 法安定性が保持でき、 目ズレを抑制できるため、 優れた濾過性能を有し、 部 分的な目詰まりを防止できる。 3. 8〇 1\1/ I 6 X以下では、 製織時の箴 による削れを防止できる。 5%伸長時の強度は、 好ましくは 2. 8〜 3. 5 〇 1\1 /〇1 ㊀ Xである。

[0025] 製織後の熱セッ トによる寸法安定化やメッシュ格子間隔の調 整を行うため 、 沸騰水による繊維収縮率 (沸水収縮率) は、 7. 〇〜 1 0. 0%が好まし い。 7. 0%以上では適度な収縮を発現し、 目的のメッシュ格子間隔を得る ことができる。 一方、 1 0. 0%以下では製織時の寸法安定性が良好である 。 沸水収縮率は、 より好ましくは 7. 5〜 9. 5%である。

[0026] 次に、 本発明のポリエステルモノフィラメントの好 ましい製造方法につい て説明する。

[0027] 本発明においては、 溶融ポリマーがパック濾層部に到達するまで に受けた 熱履歴差に起因する粘度斑を抑制するため、 多孔板のポリマー排出口面にお いて、 異なる熱履歴のポリマーを隣接した排出口か ら排出させることで、 排 出されたポリマーをポリマー溜めから口金導 入口に至る間にポリマーを均一 に混合させる溶融紡糸用/ ックを用いることができる。 用いる溶融紡糸用パ ックは、 濾層、 フィルター、 多孔板、 および口金を順次配置して構成される 。 多孔板は、 ポリマーを通過させる複数の貫通孔を有し、 該貫通孔が、 ポリ マー導入口側では、 導入口面の中心から 個 (11 ³ 2) の同心円八 1、 八2 、 八 3、 へ 八 nの円周上にそれぞれ複数配設され、 かつポリマー排出 口側では、 排出口面の中心から 個 の同心円巳 1、 巳 2、 巳 3、 へ 巳 の円周上にそれぞれ複数配設され、 ポリマー排出口面の一つの 〇 2020/175370 9 卩(:170? 2020 /007052

円周上に配設された隣接する貫通孔は、 ポリマー導入口面の異なる円周上に 通じ、 該貫通孔を通過したポリマーは多孔板直下の ポリマー溜めに排出され た後、 口金に移送される。 ポリマーを、 導入口面の相異なる円周上の列から 、 排出口面の 1つの円周上に隣り合うように配設された排 口に流した後、 ポリマー溜めで合流させ、 口金に導くことにより溶融ポリマーを強制的 に混 合し、 熱履歴差によって生じた粘度斑をこの混合に よって軽減することがで きる。 より混合度を高めるためには、 多孔板の導入口面の同心円数 (门) と 排出口面の同心円数 (〇〇 が、 n > mが好ましく、 多孔板の排出口面の同心 円数 ( ) が 1であることがより好ましい。

[0028] 本発明のモノフィラメントは、 上記ポリエステル、 上記溶融紡糸パック、 公知の紡糸口金を用いて溶融紡糸して得たモ ノフィラメントを、 引き続いて 延伸を施すことにより上記物性を有すること ができる。 紡糸工程と直結して 延伸を行う工程としては、 紡糸速度が 7 0 0〜 1 2 0 分であり、 延伸 倍率としては、 3 . 4 ~ 4 . 6倍であることが好ましい。 このように低速で 紡糸し、 高倍率に延伸することによって目的の強度の 繊維を得ることができ る。 延伸時の予熱温度としては、 未延伸糸のガラス転移点以上、 {結晶化開 始温度一 2 0 ° 〇} 以下の温度で行うことが好ましく、 本発明においては、 8 〇〜 1 1 0 ° 〇の範囲であることが好ましい。 延伸時の熱セッ ト温度はモノフ ィラメントの融点以下であることが好ましく 、 本発明では 1 2 0〜 1 8 0 ° 〇 の範囲であることが好ましい。 紡糸工程で一旦未延伸糸として巻き取り、 改 めて延伸工程に供することもできるが、 紡糸工程と直結して延伸を行うこと が好ましい。

実施例

[0029] 以下実施例により本発明をさらに具体的に説 明する。 なお、 実施例中のモ ノフィラメントの繊維直径変動の発生数、 繊度、 残留伸度、 強度、 5 %伸長 時の強度、 沸水収縮率、 ポリエステルの固有粘度、 メッシュの緯糸本数は以 下に述べる方法で測定した。

[0030] 八. モノフィラメントの繊維直径変動の発生数 〇 2020/175370 10 卩(:170? 2020 /007052

(1 ) クリールにパッケージを 24個仕掛けた。

(2) 750〇!/分の速度で糸を解舒し、 光学式検査機器 (3 6 n 3 〇 I

1 〇社製 に通した。

(3) 糸長 2. 66〇!間隔で繊維直径を測定する。 測定は 20分間行った。

(4) 測定終了後、 クリールに仕掛けたパッケージ 24個を別のパッケージ

24個と入れ替える。

(5) (2) 〜 (4) を 32回繰り返す。 測定する合計の糸長は 768万 となる。

(6) 測定結果から、 繊維直径に対して 1. 0 以上の繊維直径変動の個 数を数えた。

(7) 1 00万 当たりの繊維直径変動の発生数を算出した。

[0031] 巳. 繊度 (¢1 6 X)

モノフィラメントを 500〇!かせ取り、 かせの質量 (9) に 20を乗じた 値を繊度とした。

[0032] 0. 残留伸度 (%) 、 強度 (〇 1\1/ I 6 X) , 5%伸長時の強度 (モジ ュラス) (〇 1\1/〇1 1 6父)

」 1 3 1- 1 01 3 (1 999) に従い、 オリエンテック製テンシロン II 〇丁一 1 00を用いて測定した。

[0033] 0. 沸水収縮率 (%)

(1 ) 1周 1 のかせ取り機を使って、 1 0回巻きのかせをつくった。

(2) かせの一端をフックに掛け、 もう一端に荷重 4. 449/〇1 6父の おもりを掛けて吊るし、 処理前のかせ長を測定した。

(3) かせを沸騰水に 1 5分浸潰した後、 冷水に 1分浸潰した。

(4) 風乾後、 (2) を行い、 処理後のかせ長を測定した。

(5) 下式により、 繊維収縮率 (%) を求めた。

繊維収縮率 (%) = (1 _処理後のかせ長/処理前のかせ長) X I 00

[0034] º. ポリエステルの固有粘度 〇 2020/175370 11 卩(:170? 2020 /007052

定義式の 7? は、 25 ° 〇の温度の純度 98 %以上の〇—クロロフエノール

(以下、 〇〇 と略記する。 ) 1 0 1_中に試料を〇. 8 9 溶かし、 25°〇 の温度にてオストワルド粘度計を用いて相対 粘度 7] 「を下式により求め、 固 有粘度 ( I V) を算出した。

V 「 = 7] /7]〇= ( I X ¢1) / 〇 〇! 。)

固有粘度 ( I V) =0. 02427 ? 「+〇. 2634

ここで、 9? :ポリマー溶液の粘度、 〇 : 〇〇 の粘度、 I :溶液の落下時 間 (秒) 、 :溶液の密度 (9/〇〇^) 、 〇 : 〇〇 の落下時間 (秒) 、

¢1〇 : 〇〇 の密度 ( /〇〇1 3 ) 。

[0035] メッシュの緯糸本数

本発明のモノフィラメントの目開き均一性を 評価するため、 経糸に本発明 の 6〇1 ㊀父のモノフィラメント、 緯糸に本発明の各実施例および各比較例 のモノフィラメントを使用したメッシュを以 下の方法で作製し、 評価した。

により、 幅 2. 〇 、 長さ 50〇1 、 メッシュを製織した。

(2) 得られたメッシュに、 経糸および緯糸が異なる 3か所にタテ 5〇

で印をつける。

(3) 印をつけた範囲を光学式顕微鏡で 1 00倍以上に拡大し、 緯糸本数を 数え、 1 〇 当たりの緯糸本数を算出する。

(4) 測定した 3か所の 1 〇〇!当たりの緯糸本数から差 (最大値一最小値) を求める。 繊維直径変動数が少なく、 変動幅が小さいほど、 差 (最大値一最 小値) は小さくなる。 差 (最大値一最小値) は 2. 7以下が好ましい。

[0036] (実施例 1)

芯成分として固有粘度〇. 78の 巳丁と鞘成分として固有粘度 0. 5 1 の 巳丁とを、 エクストルーダーを用いてそれぞれ 295°〇の温度で溶融後 、 ポリマー温度 283 ° 〇で、 芯鞘比率が芯成分:鞘成分 = 80 : 20となる ようにポンプ計量を行い、 溶融紡糸用パックに流入させた。 用いた溶融紡糸 パックは、 濾過部の直径が 45. 〇 、 不織布フィルター、 多孔板、 口金 〇 2020/175370 12 卩(:170? 2020 /007052

で構成される。 多孔板は、 多孔板の導入口が配設されている円周の数が 3で あり、 その最も中心に近い第 上に導入口を 8個、 第 2 列の円周直径 上に導入口を 8個、 上に導 入口を 1 6個配し、 排出口が配設されている円周の数が 1であり、 円周直径 2 7 上に、 導入口の第 1列に通じる排出口、 第 3列に通じる排出口、 第 2列に通じる排出口、 第 3列に通じる排出口の順に合計 3 2個の排出口を配 した。 つまり排出口は、 円周列の異なる導入口からのポリマーが隣同 士にな るように貫通孔配置となっている。 また貫通孔の直径は 1 . 多孔板 の材質は 3 II 3 4 2 0」 2とした。 口金のポリマー溜めの直径は 2 厚さ 1 . とし、 芯鞘型となるよう公知の複合口金に流入させ 、 直径 0

. 4 9 の吐出孔から吐出した。 口金から吐出されたモノフィラメントは

、 紡糸口金直下の雰囲気温度が 3 0 0 ° 〇となるよう、 積極的に加熱保温し、 その後、 糸条冷却送風装置により冷却し、 紡糸油剤を付与しつつ、 7 3 5〇1 /分の速度で非加熱の第 1 ゴデッ トロールに引き取った。 この未延伸糸のガ ラス転移温度は 8 0 °〇であった。 一旦巻き取ることなく 7 4 2〇1 /分の速度 で 9 0 °〇の温度に加熱された第 1ホッ トロール、 2 3 8 5〇1 /分の速度で 9 〇°〇の温度に加熱された第 2ホッ トロール、 3 3 7 3〇! /分の速度で 1 3 0 °〇の温度に加熱された第 3ホッ トロールに引き回し、 延伸、 熱セッ トを行っ た。 このときの延伸倍率は、 4 . 5 9倍であった。 さらに、 3 3 7 5 の速度で 2個の表面粗度〇. 8 3、 非加熱のゴデッ トロールに引き回した後 、 巻取張力が〇. 4 2 5 9 / I 6 Xとなるようにスピンドル回転数を制御 してパッケージに卷き取り、 3 . 0 ¢1 6 Xのポリエステルモノフィラメン 卜を得た。 このポリエステルモノフィラメントの特性は 表 1のとおりであり 、 高精細ハイメッシュフィルター用途として優 れた繊維直径均一性、 糸物性 、 メッシュの緯糸本数の均一性を示した。

[0037] (実施例 2〜 4)

実施例 1から、 吐出量および延伸倍率を変更し、 繊度 4 . 〇〜 6 . 0〇1 I 6 Xのポリエステルモノフィラメントを得た。 これらポリエステルモノフィ 〇 2020/175370 13 卩(:17 < 1? 2020 /007052

ラメントの特性は表 1のとおりであり、 いずれも優れた繊維直径均一性、 糸 物性、 メッシユの緯糸本数の均一性を示した。

[0038] [表 1 ]

【表 1】

[0039] (実施例 5〜 8、 比較例 1〜 2)

ポリエステルモノフイラメントの芯鞘比率を 変更した以外は、 実施例 2と 同様にモノフイラメントを得た。 このポリエステルモノフイラメントの特性 を表 2に示す。

[0040] 1

【表 2】

1 〔— 00421 \¥0 2020/175370 15 卩(:17 2020 /007052

[表 3]

【表 3】