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Title:
CORROSION-RESISTANT TRIVALENT-CHROMIUM CHEMICAL CONVERSION COATING AND SOLUTION FOR TRIVALENT-CHROMIUM CHEMICAL TREATMENT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/020097
Kind Code:
A1
Abstract:
A trivalent-chromium chemical conversion coating from which substantially no hexavalent chromium is released. The trivalent-chromium chemical conversion coating is one formed on the surface of a zinc or zinc-alloy deposit. In a brine spray test, the chemical conversion coating has unsusceptibility to corrosion (time required for white-rust formation) of 96 hours or longer. The chemical conversion coating has a hexavalent-chromium concentration less than 0.01 µg/cm2 in terms of metal atom amount.The amount of hexavalent chromium released after 30-day standing in a thermo-hygrostatic chamber at a temperature of 80°C and a humidity of 95% (amount of hexavalent chromium released when the coating is immersed in 100°C water for 10 minutes) is smaller than 0.05 µg/cm2.

Inventors:
INOUE MANABU (JP)
WATANABE KIMITAKA (JP)
NAGATA GO (JP)
NAKATANI MOTOI (JP)
ISHIZU KEITA (JP)
INOMATA TOSHIKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/063963
Publication Date:
February 12, 2009
Filing Date:
August 04, 2008
Export Citation:
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Assignee:
DIPSOL CHEM (JP)
INOUE MANABU (JP)
WATANABE KIMITAKA (JP)
NAGATA GO (JP)
NAKATANI MOTOI (JP)
ISHIZU KEITA (JP)
INOMATA TOSHIKI (JP)
International Classes:
C23C22/53; C23C22/60
Domestic Patent References:
WO2005085497A12005-09-15
Foreign References:
JP2006028547A2006-02-02
JP2000199074A2000-07-18
JP2002226981A2002-08-14
JP2005240084A2005-09-08
JP2005206872A2005-08-04
Other References:
See also references of EP 2189551A4
Attorney, Agent or Firm:
KUMAKURA, Yoshio et al. (Shin-Tokyo Bldg. 3-1, Marunouchi 3-chome, Chiyoda-k, Tokyo 55, JP)
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Claims:
 亜鉛又は亜鉛合金めっきの表面に形成された3価クロム化成皮膜であって、塩水噴霧試験での耐食性(白錆発生時間)が96時間以上であり、化成皮膜中の金属原子換算値での6価クロム濃度が0.01μg/cm 2 未満であり、恒温恒湿槽中に温度80℃湿度95%で30日放置後の6価クロムの溶出量(皮膜を温度100℃の熱水に10分間浸漬したときの溶出量)が0.05μg/cm 2 未満である3価クロム化成皮膜。
 化成皮膜中の金属原子換算値での3価クロム濃度が2~20μg/cm 2 である請求項1記載の3価クロム化成皮膜。
 化成皮膜中のコバルト濃度が0.2~3.5μg/cm 2 である、請求項1又は2記載の3価クロム化成皮膜。
 化成皮膜中のコバルト濃度が0.2μg/cm 2 未満である、請求項1又は2記載の3価クロム化成皮膜。
 亜鉛又は亜鉛合金めっき上に3価クロム化成皮膜を形成するための化成処理液であって、処理液中の3価クロムイオン含有量が0.002~0.5モル/l、6価クロムイオン濃度が1ppm以下、コバルトイオン含有量が0.1モル/l以下であり、3価クロム化成皮膜中に生成する6価クロムの生成を抑制し得る6価クロム生成抑制剤を含有し、pHが0.5~5であることを特徴とする化成処理液。
 6価クロム生成抑制剤が0.1~5g/lの範囲で含有されてなる請求項5記載の化成処理液。
 6価クロム生成抑制剤が還元性化合物である請求項5又は6記載の化成処理液。
 6価クロム生成抑制剤がタンニン酸類又はその塩、没食子酸又はその塩、酒石酸又はその塩、クエン酸又はその塩、アスコルビン酸又はその塩、バナジウム化合物、チタン化合物、燐酸又はその塩、又は燐酸クロムである請求項5~7のいずれか1項記載の化成処理液。
 さらに、キレート剤を0.2~2モル/Cr 3+ モルの範囲で含有する請求項5~8のいずれか1項記載の化成処理液。
 窒素原子換算での窒素含有量が500ppm以下である、請求項5~9のいずれか1項記載の化成処理液。
 さらに、キノリン系化合物又はその誘導体を含有する請求項5~10のいずれか1項記載の化成処理液。
 亜鉛又は亜鉛合金めっき上に形成した3価クロム化成皮膜の水洗水又は仕上げ液であって、3価クロム化成皮膜中に生成する6価クロムの生成を抑制し得る6価クロム生成抑制剤を0.1~10g/l含有し、pHが2~10であることを特徴とする水洗水又は仕上げ液。
 亜鉛又は亜鉛合金めっき上に3価クロム化成皮膜を形成するための化成処理液であって、処理液中の3価クロムイオン含有量が0.002~0.5モル/l、6価クロムイオン濃度が1ppm以下、コバルトイオン含有量が250ppm以下であり、硫黄化合物が硫黄原子換算で100~1500ppmの範囲で含有することを特徴とする化成処理液。
 窒素原子換算での窒素含有量が500ppm以下である、請求項13記載の化成処理液。
 さらに、珪素化合物を含有する、請求項13又は14記載の化成処理液。
 さらに、キノリン系化合物又はその誘導体を含有する請求項13~15のいずれか1項記載の化成処理液。
 請求項5~11のいずれか1項記載の化成処理液で処理して形成された請求項1~3のいずれか1項記載の3価クロム化成皮膜。
 請求項13~16のいずれか1項記載の化成処理液で処理して形成された請求項1、2又は4のいずれか1項記載の3価クロム化成皮膜。
 亜鉛又は亜鉛合金めっき上に形成された3価クロム化成皮膜であって、その形成後に、請求項12記載の水洗水又は仕上げ液で処理された請求項1記載の3価クロム化成皮膜。
Description:
3価クロム耐食性化成皮膜及び3 クロム化成処理溶液

 本発明は、亜鉛めっきまたは亜鉛合金め き上に形成された6価クロムが実質上溶出し ない3価クロム耐食性化成処理皮膜に関し、 びにそのような化成処理皮膜を形成するた に用いる3価クロム化成処理溶液ないし化成 理の後処理溶液に関する。

 金属表面の防食方法として亜鉛めっきを行 方法が比較的多く使用されているが、めっ 単独では耐食性が十分ではなく、めっき後 6価クロムを用いたクロメート処理が産業界 で広範囲に採用されていた。しかしながら、 近年、6価クロムが人体や環境に悪い影響を える事が指摘され、6価クロムの使用が規制 れるようになった。
 そこで、その代替技術の1つとして3価クロ 使用した3価クロム化成皮膜が開発され、使 され始めている。例えば、特開2000-509434号 報では、3価クロム5~100g/Lと硝酸根、有機酸 コバルト等の金属塩を使用して処理する方 が開示されている。この方法は、高クロム 度で高温処理を行い厚い3価クロム化成皮膜 形成させることで、良好な耐食性を得るも であるが、処理浴中のクロム濃度と有機酸 度が高く排水処理性が悪い。

特開2000-509434号公報

 さらに、このような従来の6価クロムフリー 3価クロム化成処理皮膜は、長い間自然環境 に放置されると皮膜中の3価クロムが酸化さ て、皮膜中に有害な6価クロムが検出される という問題が発生することがわかった。
 本発明は、亜鉛および亜鉛系合金めっき上 形成された3価クロム耐食性化成処理皮膜で あって、低いクロム濃度で、従来と同等もし くは、それ以上の耐食性を有し、かつ人体や 環境に与える影響を考慮し、放置によっても 皮膜中に6価クロムが実質上検出されない3価 ロム化成処理皮膜を提供することを目的と る。また、本発明はこのような化成処理皮 を形成することのできる3価クロム化成処理 溶液ないし化成処理の後処理溶液を提供する ことを目的とする。

 本発明者らは、鋭意検討した結果、低い3価 クロム濃度の3価クロム化成皮膜において、 膜自体に皮膜中の3価クロムからの6価クロム への酸化を抑制する機能を持たせることによ り、高い耐食性があり、しかも放置によって も6価クロムが実質的に溶出しない化成皮膜 得られること見出した。また、このような 成皮膜は、特定組成の化成処理液を用いる とにより達成可能であることも見出した。
 したがって、本発明は、亜鉛又は亜鉛合金 っきの表面に形成された3価クロム化成皮膜 であって、塩水噴霧試験での耐食性(白錆発 時間)が96時間以上であり、化成皮膜中の金 原子換算値での6価クロム濃度が0.01μg/cm 2 未満であり、恒温恒湿槽中に温度80℃湿度95% 30日放置後の6価クロムの溶出量(皮膜を温度 100℃の熱水に10分間浸漬したときの溶出量)が 0.05μg/cm 2 未満である3価クロム化成皮膜であることを 徴とする。
 また、化成皮膜中の金属原子換算値での3価 クロム濃度が2~20μg/cm 2 である前記3価クロム化成皮膜は、本発明の ましい態様である。
 また、化成皮膜中のコバルト濃度が3.5~0.2μg /cm 2 である、前記3価クロム化成皮膜は本発明の 態様である。この態様において、好ましい バルト濃度は3~0.3μg/cm 2 である。
 更に、化成皮膜中のコバルト濃度が0.2μg/cm 2 未満である、前記3価クロム化成皮膜は本発 の一態様である。この態様において、好ま いコバルト濃度は0~0.17μg/cm 2 である。
 皮膜自体に皮膜中の3価クロムからの6価ク ムへの酸化を抑制する機能を持たせること より、高い耐食性がありしかも放置によっ も6価クロムが実質的に溶出しない化成皮膜 得られる理由については明らかではないが 本発明者らは、本発明における検討を通し 、以下に述べるような理由によるものと推 している。すなわち、一般的に使用されて る3価クロム化成皮膜からの放置中の6価ク ム検出は、化成皮膜中のCo 3+ が酸化剤として働き、3価クロムを酸化する めに起こると推定される。
 3価クロム化成皮膜の形成と推定されるCo 3+ によるCr 6+ の生成機構を以下に示す。
(i) 酸性処理液中で亜鉛が溶解し、電子が放 される。
     Zn→Zn 2+ +2e -
(ii) 亜鉛と処理液界面で水素イオンが消費さ れ、処理液のpHが上昇する。
     2H + +2e - →H 2
(iii) 処理液のpHの上昇によって、水酸化クロ ムが生成される。
     2Cr 3+ +6(OH - )→2Cr(OH) 3
(iv) 耐食性増強のために使用されている処理 液中のCo 2+ も、pH上昇に伴い亜鉛界面近傍において、水 化第一コバルトを生成する。しかし、Co 2+ はアルカリ側で不安定なため、時間経過と供 に安定なCo 3+ に変化する。
     Co(OH) 2 →Co(OH) 3
(v) 水酸化クロム、水酸化コバルト(Co 2+ 、Co 3+ )のゲル化と沈着に伴い、その他の不溶性物 (SiO 2 )や少量の処理液も吸着含侵され皮膜に取り まれる。
(vi) 乾燥工程により、沈着、吸着物の脱水、 固化によって皮膜硬化するが、乾燥が不十分 な場合は皮膜硬化せず皮膜中で化学反応が進 行すると予想される。
(vii) 処理液を含んだ化成皮膜は弱酸性雰囲 であることから、皮膜中の水酸化第二コバ トが少しずつ遊離溶解し、Co 3+ が酸性で安定なCo 2+ に変化する。また、水酸化クロムも遊離溶解 して以下の反応が起こると考えられる。
     3Co 3+ +3e - →3Co 2+
     Cr 3+ →Cr 6+ +3e -
 この両式を合わせると下記のようになる。
     Cr 3+ +3Co 3+ →Cr 6+ +3Co 2+
 つまり皮膜中の3価コバルトが3価クロムを 化し、6価クロムを生成すると考えられる。
 なお、Co 3+ を含有しない場合であっても、また塩素酸- 酸などの組み合わせにより強い酸化作用を つ化成処理液から生成した皮膜においても6 クロムを生じると考えられることから、処 液中の硝酸イオン濃度を減らすことも6価ク ロム生成抑制を補助すると推察する。二酸化 マンガンなどのマンガン酸化物を含有した化 成皮膜、Co以外でも価数が変化する元素イオ を多量に皮膜中に含有した化成皮膜の場合 は、同様に、3価クロムが酸化されて6価ク ムを生じると考えられる。

 また、本発明は、3価クロム化成処理液、3 クロム化成皮膜の水洗水又は仕上げ液のい れか1つに6価クロムの生成を抑制する効果を 有する6価クロム生成抑制剤を添加すること より、3価クロム化成皮膜中に生成する6価ク ロムを抑制することができ、放置によっても 3価クロム化成皮膜からの6価クロムの溶出量( 皮膜を温度100℃の熱水に10分間浸漬したとき 溶出量)が0.05μg/cm 2 未満とすることができるとの知見に基づいて なされたものである。
 したがって、本発明は、亜鉛又は亜鉛合金 っき上に、放置によっても6価クロムが実質 上溶出しない3価クロム化成皮膜を形成する めの化成処理液を提供し、前記化成処理液 、処理液中の3価クロムイオン含有量が0.002~0 .5モル/lであり、6価クロムイオン濃度が1ppm以 下であり、コバルトイオン含有量が0.1モル/l 下であり、3価クロム化成皮膜中に生成する 6価クロムの生成を抑制し得る6価クロム生成 制剤を含有し、pHが0.5~5であることを特徴と する。
 また、本発明は、3価クロム化成皮膜中に生 成する6価クロムを抑制するための、亜鉛又 亜鉛合金めっき上に形成した3価クロム化成 膜の水洗水又は仕上げ液を提供し、前記水 水又は仕上げ液は、3価クロム化成皮膜中に 生成する6価クロムの生成を抑制し得る6価ク ム生成抑制剤を0.1~10g/l含有し、pHが2~10であ ことを特徴とする。

 また、本発明は、3価クロム化成処理液中の コバルトイオン含有量を250ppm以下とし、硫黄 化合物の含有量が硫黄原子換算で100~1000ppmの 囲である3価クロム化成処理液を用いて3価 ロメート皮膜を形成させることにより、3価 ロム化成皮膜中に生成する6価クロムを抑制 することができ、放置によっても3価クロム 成皮膜からの6価クロムの溶出量(皮膜を温度 100℃の熱水に10分間浸漬したときの溶出量)が 0.05μg/cm 2 未満することができるとの知見に基づいてな されたものである。
 したがって、本発明は、亜鉛又は亜鉛合金 っき上に、放置によっても6価クロムが実質 上溶出しない3価クロメート皮膜を形成する めの化成処理液を提供し、前記化成処理液 、処理液中の3価クロムイオン含有量が0.002~0 .5モル/lであり、6価クロムイオン濃度が1ppm以 下であり、コバルトイオン含有量が250ppm以下 であり、硫黄化合物が硫黄原子換算で100~1500p pmの範囲で含有することを特徴とする。

 本発明の3価クロム化成皮膜は、亜鉛めっ き自体の耐食性に加え、更に3価クロム化成 膜のもつ優れた耐食性を合わせもつ。さら 、亜鉛めっき上に直接3価クロム化成皮膜を 成することにより得られる皮膜は、放置に る6価クロムの溶出も実質的になく、耐食性 、耐塩水性が従来の6価クロメートと同等も くはそれ以上であり、また、多彩な色調に 用できる。また、このような化成皮膜を形 しうる本発明の化成処理液は、処理液中の3 クロム濃度が低く、更に有機酸濃度或いは 素濃度も低くすることができるため、排水 理に有利であり、経済的にも優れる。

 本発明で用いる基体としては、鉄、ニッケ 、銅などの各種金属、及びこれらの合金、 るいは亜鉛置換処理を施したアルミニウム どの金属や合金の板状物、直方体、円柱、 筒、球状物など種々の形状のものが挙げら る。
 上記基体は、常法により亜鉛及び亜鉛合金 っきが施される。基体上に亜鉛めっきを析 させるには、硫酸浴、ホウフッ化浴、塩化 リウム浴、塩化ナトリウム浴、塩化アンモ ウム折衷浴等の酸性・中性浴、シアン浴、 ンケート浴、ピロリン酸浴等のアルカリ性 のいずれでも良く、特に挙げるとすれば、 アン浴が好ましい。また、亜鉛合金めっき 、塩化アンモニウム浴、有機キレート浴等 アルカリ浴のいずれでもよい。
 また、亜鉛合金めっきとしては、亜鉛-鉄合 金めっき、亜鉛-ニッケル合金めっき、亜鉛- バルト合金めっき、錫-亜鉛合金めっき等が 挙げられる。好ましくは、亜鉛-鉄合金めっ である。基体上に析出する亜鉛又は亜鉛合 めっきの厚みは任意とすることができるが 1μm以上、好ましくは5~25μm厚とするのがよい 。
 本発明では、このようにして基体上に亜鉛 は亜鉛合金めっきを析出させた後、必要に じて適宜、前処理、例えば水洗、または水 後、硝酸活性処理してから、本発明の3価ク ロム化成皮膜を形成するための化成処理液を 用いて、例えば浸漬処理等の方法で化成処理 を行う。

 本発明の第1の態様の化成処理液は、3価ク ムイオン、コバルトイオン及び3価クロム化 皮膜中に生成する6価クロムの生成を抑制し 得る6価クロム生成抑制剤を含む。
 前記化成処理液において、3価クロムイオン の供給源としては、3価クロムイオンを含む ずれのクロム化合物も使用することができ 。例えば、塩化クロム、硫酸クロム、硝酸 ロム、燐酸クロム、酢酸クロム等の3価クロ 塩を使用し、又はクロム酸や重クロム酸塩 の6価クロムイオンを、還元剤にて3価クロ イオンに還元することもできるが、これら 限定されない。上記3価クロムの供給源は、1 種あるいは2種以上を使用することができる 化成処理液中の3価クロムイオンの含有量は 好ましくは0.002~0.5モル/lであり、より好ま くは0.02~0.1モル/lである。なお、化成処理液 の6価クロムイオンの濃度は、好ましくは1pp m以下であり、より好ましくは0.5ppm以下であ 。
 前記化成処理液において、コバルトイオン 供給源としては、コバルトを含むいずれの 属化合物も使用することができる。例えば 硝酸コバルト、硫酸コバルト、塩化コバル 、炭酸コバルト、水酸化コバルトなどが挙 られるが、これらに限定されない。これら 金属化合物は1種又は2種以上を使用しても い。化成処理液中のコバルトイオンの含有 は、好ましくは0.1モル/l以下であり、より好 ましくは0.001~0.06モル/lであり、さらに好まし くは0.005~0.04モル/lである。

 前記化成処理液において、6価クロム生成抑 制剤は、3価クロム化成皮膜中で生成する6価 ロムの生成を抑制し得る添加剤である限り いずれの添加剤も使用することができる。6 価クロムの生成を抑制し得る添加剤を見つけ 出すため、3価クロメート皮膜を形成するた の化成処理液に各種の添加剤を添加し、そ 効果を実験したところ、例えばアスコルビ 酸イオン、クエン酸イオン、タンニン酸イ ン、没食子酸イオン、酒石酸イオン、ヒド キシ(イソ)キノリン類、フェノール類、チオ 尿素などの有機還元性化合物やリン酸イオン 、リン酸クロムイオン、バナジウムイオン、 チタンイオンなどの無機又は金属還元性化合 物にその効果が認められた。したがって、6 クロム生成抑制剤としては、好ましくはア コルビン酸及びその塩、クエン酸及びその 、タンニン酸及びその塩、没食子酸及びそ 塩、酒石酸及びその塩、チオ尿素、リン酸 びその塩、バナジウム化合物、チタン化合 などが挙げられる。化成処理液中の6価クロ 生成抑制剤の含有量は、好ましくは0.1~5g/l あり、より好ましくは0.2~3g/lであり、さらに 好ましくは0.3~2g/lである。
 前記化成処理液のpHは、好ましくは0.5~5であ り、より好ましくは2~3である。pHをこの範囲 調整するために、以下で記載する無機酸イ ンを用いてもよく、又水酸化アルカリ、ア モニア水などのアルカリ剤を用いてもよい

 前記化成処理液には、無機酸及びそのアル リ塩などから選ばれた1種以上を含有させて もよい。無機酸としては、例えば硫酸、硝酸 、塩酸などが挙げられるが、これらに限定さ れない。無機酸及びそのアルカリ塩などから 選ばれた1種以上を含有させる場合、化成処 液中のその濃度は、好ましくは1~50g/Lであり より好ましくは4~20g/Lである。
 また、前記化成処理液には、3価クロムイオ ンのキレート剤としてヒドロキシカルボン酸 、モノカルボン酸、ポリカルボン酸、アミノ カルボン酸及びそれらのアルカリ塩などを1 以上含有させてもよい。ヒドロキシカルボ 酸としては、リンゴ酸などが挙げられるが これらに限定されない。モノカルボン酸と ては、ギ酸、酢酸などが挙げられるが、こ らに限定されない。ポリカルボン酸として 、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピ 酸、ジグリコール酸などのジカルボン酸、 ロパントリカルボン酸などのトリカルボン などが挙げられるが、これらに限定されな 。アミノカルボン酸としては、グリシン、 スパラギン酸などが挙げられるが、これら 限定されない。これらのうち、好ましくは リカルボン酸であり、より好ましくはシュ 酸、マロン酸、コハク酸である。上記3価ク ムイオンのキレート剤を含有させる場合、 成処理液中のその濃度は、3価クロムイオン 1モルに対し、好ましくは0.2~2モルの範囲、よ り好ましくは0.3~2モルの範囲、さらに好まし は0.5~2モルの範囲、またさらに好ましくは0. 7~1.8モルの範囲である。
 また、前記化成処理液には、珪素化合物を1 種以上含有させてもよい。珪素化合物として は、コロイダルシリカ、珪酸ソーダ、珪酸カ リ、珪酸リチウムなどが挙げられるが、これ らに限定されない。珪素化合物を含有させる 場合、化成処理液中のその濃度は、Siとして 好ましくは1~20g/lであり、より好ましくは2~1 0g/lである。特に好ましくは、コロイダルシ カであり、その濃度は、好ましくは20%SiO 2 水溶液として1~100ml/lである。コロイダルシリ カを含有させることにより、SiとOの層とCrとO の層の2層構造皮膜を形成することができ、 らに耐食性を向上させることができる。

 また、前記化成処理液には、皮膜総合摩擦 数低減剤を1種以上含有させてもよい。この ような皮膜総合摩擦係数低減剤としては、例 えば特開2005-248233号公報記載のキノリンスル ン酸、キナルジン酸、キノフタロンなどの ノリン系化合物又はその誘導体が挙げられ 。皮膜総合摩擦係数低減剤を含有させる場 、化成処理液中のその濃度は、好ましくは0 .1~25g/lであり、より好ましくは0.2~15g/lである このような皮膜総合摩擦係数低減剤を含有 せた前記化成処理液で処理して形成された 発明に係る3価クロム化成皮膜は、皮膜総合 摩擦係数が低減された皮膜となる。
 前記化成処理液における上記必須成分の残 は水である。

 通常、3価クロム化成処理液においては、3 クロム化成皮膜の耐食性を高めるために窒 含有化合物、主として硝酸イオンが多量に 用される。このため処理液中の窒素原子濃 が、例えば3~9g/lと高くなり排水処理の点で 題を抱えている。本発明の前記化成処理液 おいては、従来と同様の量で、硝酸イオン 用いてもよい。しかしながら、硝酸イオン 大幅に減らし、主として硝酸イオンに由来 る化成処理液中の窒素原子濃度を500ppm/l以下 と大幅に低減しても、本発明の前記化成処理 液により、耐食性に優れ、しかも放置による 6価クロムの溶出が抑制された3価クロム化成 膜を得ることができる。このような前記処 液としては、具体的には、例えば窒素原子 しての含有量が500ppm以下、好ましくは30~400p pmの範囲、より好ましくは50~300ppmの範囲であ 。6価クロム生成抑制剤としては、金属還元 性化合物が好ましく、特にバナジウム化合物 、チタン化合物、マグネシウム化合物又はこ れらの併用が好ましい。
 また、コバルトイオンは含有しても、また 有しなくてもよい。しかしながら、好まし は0.001~0.06モル/lの範囲、より好ましくは0.00 5~0.04モル/lの範囲で含有すると化成皮膜の加 耐食性が更に向上するので好ましい。

 前記化成処理液を用いて、亜鉛又は亜鉛 金めっき上に3価クロム化成皮膜を形成する 方法としては、前記化成処理液に亜鉛又は亜 鉛合金めっきした基体を浸漬するのが一般的 である。浸漬する際の化成処理液の温度は、 例えば10~70℃である。好ましくは30~50℃であ 。浸漬時間は、好ましくは5~600秒であり、よ り好ましくは15~120秒である。なお、亜鉛又は 亜鉛合金めっき表面を活性化するために、3 クロム化成処理前に希硝酸溶液又は希硫酸 液、希塩酸溶液、希フッ酸溶液などに浸漬 せてもよい。上記以外の条件や処理操作は 従来の6価クロメート処理方法に準じて行う とができる。

 また、本発明の第2の態様である、3価クロ 化成皮膜中に生成する6価クロムを抑制する めの、亜鉛又は亜鉛合金めっき上に形成し 3価クロム化成皮膜の水洗水又は仕上げ液は 、3価クロム化成皮膜中に生成する6価クロム 生成を抑制し得る6価クロム生成抑制剤を含 有する。前記水洗水又は仕上げ液を適用する 3価クロム化成皮膜の形成方法は、特に制限 れず、公知のいずれの方法であってもよい 前記水洗水又は仕上げ液は、3価クロム化成 膜がCo 2+ 、Co 3+ を含有する場合、3価クロム化成皮膜が塩素 -硝酸などの組み合わせにより強い酸化作用 持つ化成処理液から形成された皮膜である 合、3価クロム化成皮膜が二酸化マンガンな どのマンガン酸化物を含有する場合、3価ク ム化成皮膜がCo以外の価数が変化する元素イ オンを多量に皮膜中に含有する場合に、特に 効果的である。なお、6価クロム生成抑制剤 ついては、上記で説明したとおりである。
前記水洗水又は仕上げ液中の6価クロム生成 制剤の含有量は、好ましくは0.1~10g/lであり より好ましくは0.2~5g/lであり、さらに好まし くは0.3~3g/lである。好ましい6価クロム生成抑 制剤としては、アスコルビン酸及びその塩、 クエン酸及びその塩、タンニン酸及びその塩 、没食子酸及びその塩、酒石酸及びその塩、 チオ尿素、リン酸及びその塩などが挙げられ る。
 前記水洗水又は仕上げ液のpHは、好ましく 2~10であり、より好ましくは3~6である。pHを の範囲に調整するために、以下で記載する 機酸イオンを用いてもよく、又水酸化アル リ、アンモニア水などのアルカリ剤を用い もよい。
 前記水洗水又は仕上げ液を用いて、3価クロ ム化成皮膜を処理する方法としては、特に制 限はなく、浸漬、塗布、噴霧等従来公知の方 法を用いることができる。しかしながら、3 クロム化成皮膜を前記水洗水又は仕上げ液 浸漬するのが一般的である。浸漬する際の 記水洗水又は仕上げ液の温度は、例えば10~70 ℃である。好ましくは20~50℃である。浸漬時 は、好ましくは5~120秒であり、より好まし は5~15秒である。

 また、本発明の第3の態様の化成処理液は、 3価クロムイオン、コバルトイオン、硫黄化 物を含む。
 前記化成処理液において、3価クロムイオン の供給源としては、3価クロムイオンを含む ずれのクロム化合物も使用することができ 。例えば、塩化クロム、硫酸クロム、硝酸 ロム、燐酸クロム、酢酸クロム等の3価クロ 塩を使用し、又はクロム酸や重クロム酸塩 の6価クロムイオンを、還元剤にて3価クロ イオンに還元することもできるが、これら 限定されない。上記3価クロムの供給源は、1 種あるいは2種以上を使用することができる 化成処理液中の3価クロムイオンの含有量は 好ましくは0.002~0.5モル/lであり、より好ま くは0.02~0.1モル/lである。なお、化成処理液 の6価クロムイオンの濃度は、好ましくは1pp m以下であり、より好ましくは0.5ppm以下であ 。
 前記化成処理液中のコバルトイオンの含有 は、250ppm以下である。前記化成処理液の場 、必ずしもコバルトイオンを含んでいる必 はない。硫黄化合物を含有させているため 、コバルトイオンを含んでいなくても、形 される3価クロム化成皮膜は十分な耐食性を 有している。より高い耐食性を必要とする場 合には、前記化成処理液中のコバルトイオン の含有量は、好ましくは100~250ppmであり、よ 好ましくは150~200ppmである。前記化成処理液 おいて、コバルトイオンを含有させる場合 コバルトイオンの供給源としては、コバル を含むいずれの金属化合物も使用すること できる。例えば、硝酸コバルト、硫酸コバ ト、塩化コバルト、炭酸コバルト、水酸化 バルトなどが挙げられるが、これらに限定 れない。これらの金属化合物は1種又は2種 上を使用してもよい。

 前記化成処理液において、硫黄化合物とし は、有機硫黄化合物が好ましく、具体的に 、例えばチオ尿素、チオグリセリン、チオ 酸、チオ酢酸カリウム、チオ二酢酸、3,3-チ オジプロピオン酸、チオセミカルバジド、チ オグリコール酸、チオジグリコール酸、チオ マレイン酸、チオアセトアミド、ジチオグリ コール酸、ジチオジグリコール酸又はこれら のアルカリ塩などが挙げられる。また、この ような硫黄化合物は単独であっても、また2 上の混合物であってもよい。化成処理液中 硫黄化合物の含有量は、硫黄原子換算で、 ましくは100~1500ppmであり、より好ましくは300 ~1000ppm、さらに好ましくは400~800ppmである。硫 黄化合物を含有させることにより、形成され る3価クロム化成皮膜は、皮膜中のコバルト オン濃度が0.2μg/cm 2 未満、好ましくは0.17μg/cm 2 未満であっても、十分な耐食性を有する。ま た、前記化成処理液により形成された3価ク ム化成皮膜は、皮膜中のコバルトイオン濃 が低いために、3価クロム化成皮膜中に生成 る6価クロムを抑制することができる。
 前記化成処理液においては、処理液中の窒 含有量を大幅に低減しても高い耐食性を維 することができる。好ましい窒素原子換算 の窒素含有量は500ppm以下、好ましくは200ppm 下である。より好ましくは、40~200ppmであり さらに好ましくは60~130ppmである。
 また、前記化成処理液には、珪素化合物を1 種以上含有させてもよい。珪素化合物として は、コロイダルシリカ、珪酸ソーダ、珪酸カ リ、珪酸リチウムなどが挙げられるが、これ らに限定されない。珪素化合物を含有させる 場合、化成処理液中のその濃度は、Siとして 好ましくは1~20g/lであり、より好ましくは2~1 0g/lである。特に好ましくは、コロイダルシ カであり、その濃度は、好ましくは20%SiO 2 水溶液として1~100ml/lである。コロイダルシリ カを含有させることにより、SiとOの層とCrとO の層の2層構造皮膜を形成することができ、 らに耐食性を向上させることができる。

 また、前記化成処理液には、皮膜総合摩 係数低減剤を1種以上含有させてもよい。こ のような皮膜総合摩擦係数低減剤としては、 例えば特開2005-248233号公報記載のキノリンス ホン酸、キナルジン酸、キノフタロンなど キノリン系化合物又はその誘導体が挙げら る。皮膜総合摩擦係数低減剤を含有させる 合、化成処理液中のその濃度は、好ましく 0.1~25g/lであり、より好ましくは0.2~15g/lであ 。このような皮膜総合摩擦係数低減剤を含 させた前記化成処理液で処理して形成され 本発明に係る3価クロム化成皮膜は、皮膜総 合摩擦係数が低減された皮膜となる。

 また、前記化成処理液には、無機酸及びそ アルカリ塩などから選ばれた1種以上を含有 させてもよい。無機酸としては、例えば硫酸 、硝酸、塩酸などが挙げられるが、これらに 限定されない。無機酸及びそのアルカリ塩な どから選ばれた1種以上を含有させる場合、 成処理液中のその濃度は、好ましくは0.01~50g /Lであり、より好ましくは0.05~20g/Lである。
 また、前記化成処理液には、次亜リン酸、 ン酸などのリンの酸素酸及びそれらのアル リ塩などから選ばれた1種以上を含有させて もよい。次亜リン酸、リン酸などのリンの酸 素酸及びそれらのアルカリ塩などから選ばれ た1種以上を含有させる場合、化成処理液中 その濃度は、好ましくは0.1~50g/Lであり、よ 好ましくは4~25g/Lである。
 さらに、前記化成処理液には、3価クロムイ オンのキレート剤としてヒドロキシカルボン 酸、モノカルボン酸、ポリカルボン酸、アミ ノカルボン酸及びそれらのアルカリ塩などを 1種以上含有させてもよい。ヒドロキシカル ン酸としては、リンゴ酸などが挙げられる 、これらに限定されない。モノカルボン酸 しては、ギ酸、酢酸などが挙げられるが、 れらに限定されない。ポリカルボン酸とし は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジ ン酸、ジグリコール酸などのジカルボン酸 プロパントリカルボン酸などのトリカルボ 酸などが挙げられるが、これらに限定され い。アミノカルボン酸としては、グリシン アスパラギン酸などが挙げられるが、これ に限定されない。これらのうち、好ましく ポリカルボン酸であり、より好ましくはシ ウ酸、マロン酸、コハク酸である。上記カ ボン酸及びそれらのアルカリ塩を含有させ 場合、化成処理液中のその濃度は、3価クロ イオン1モルに対し、好ましくは0.2~2モルの 囲、より好ましくは0.3~2モルの範囲、さら 好ましくは0.5~2モルの範囲、またさらに好ま しくは0.7~1.8モルの範囲である。

 また、前記化成処理液には、Mg、Al、Mn、Ti W、V、Mo、Ni、Fe、Zn、Zr、Ca、Nb、Ta、Sn及びCe ら選ばれた1種以上の金属イオンを含有させ てもよい。前記金属イオンを含有させる場合 、化成処理液中のその濃度は、好ましくは1~1 0g/lであり、より好ましくは2~8g/lである。
 前記化成処理液のpHは、好ましくは0.5~5であ り、より好ましくは2~3である。pHをこの範囲 調整するために、上記無機酸イオンを用い もよく、又水酸化アルカリ、アンモニア水 どのアルカリ剤を用いてもよい。
 前記化成処理液における上記必須成分の残 は水である。

 前記化成処理液を用いて、亜鉛又は亜鉛 金めっき上に3価クロム化成皮膜を形成する 方法としては、前記化成処理液に亜鉛又は亜 鉛合金めっきした基体を浸漬するのが一般的 である。浸漬する際の化成処理液の温度は、 例えば10~70℃である。好ましくは25~35℃であ 。浸漬時間は、好ましくは5~600秒であり、よ り好ましくは15~120秒である。なお、亜鉛又は 亜鉛合金めっき表面を活性化するために、3 クロム化成処理前に希硝酸溶液又は希硫酸 液、希塩酸溶液、希フッ酸溶液などに浸漬 せてもよい。上記以外の条件や処理操作は 従来の6価クロメート処理方法に準じて行う とができる。

 本発明の化成処理液を用いて形成した3価ク ロム化成皮膜にオーバーコート処理を施すこ とにより、さらに耐食性を向上させることが 出来、より耐食性を持たせるには、大変有効 な手段である。例えば、まず、亜鉛又は亜鉛 合金めっき上に本発明の化成処理液を用いて 3価クロム化成皮膜を形成し、水洗後オーバ コート処理液で浸漬処理又は電解処理した 、乾燥する。また、3価クロム化成皮膜を形 した後乾燥し、新たにオーバーコート処理 で浸漬処理又は電解処理した後、乾燥する とも出来る。ここで、オーバーコートとは 珪酸塩、燐酸塩等の無機皮膜は勿論の事、 リエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレ 、ポリプロピレン、メタクリル樹脂、ポリ ーボネート、ポリアミド、ポリアセタール フッ素樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、 飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ア キド樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等 有機皮膜も有効である。
このようなオーバーコートを施すためのオー バーコート処理液としては、例えばディップ ソール(株)製のディップコートW、CC445などを いることができる。オーバーコート皮膜の みは任意とすることができるが、0.1~30μmと るのがよい。
 次に、実施例および比較例を示して本発明 説明する。

(実施例1~8)
 M6ボルト(材質:鉄)に実施例1~2、6~8はジンケ ト亜鉛めっき(ディップソール(株)製NZ-200)を 実施例3~5は酸性亜鉛メッキ(ディップソール (株)製EZ-960)を、厚さ8μm施したものを表1に示 化成処理液に表1に示す条件で浸漬処理した 。さらに、実施例6~8においては、表1に示す 上げ液に表1に示す条件で浸漬処理した。浸 処理後、皮膜を80℃10分の条件で乾燥した。
Cr 3+ 源として40%硝酸クロム水溶液を使用し、Co 2+ 源として硝酸コバルトを使用した。残部は水 である。

(比較例1)
 M6ボルト(材質:鉄)にジンケート亜鉛めっき( ィップソール(株)製NZ-200)を厚さ8μm施したも のに6価クロメート処理を行った。6価クロメ ト処理液には、ディップソール(株)製Z-493(10 ml/l)を使用し、25℃20秒の浸漬処理を行った。 浸漬処理後、60℃10分の条件で乾燥した。

(比較例2)
 M6ボルト(材質:鉄)にジンケート亜鉛めっき( ィップソール(株)製NZ-200)を厚さ8μm施したも のに3価クロム化成皮膜を形成した。化成処 液には、下記組成の化成処理液を使用し、30 ℃40秒の浸漬処理を行った。浸漬処理後、80 10分の条件で乾燥した。
 Cr 3+      4g/l(40%硝酸クロム使用、Crとして0.077 ル/l) シュウ酸    12g/l
 Co(NO 3 ) 2  10g/l(Coとして0.034モル/l)
 pH      2.3

 実施例1~8並びに比較例1及び2で得られた化 皮膜中のCr 3+ 濃度、Cr 6+ 濃度、Co 2+ 濃度、外観、塩水噴霧試験(JIS-Z-2371)結果及び 放置試験後の6価クロムの溶出量を表2に示す 表3に示されるように、実施例1~8の皮膜の場 合でも比較例1の従来の6価クロメート化成皮 と比較して同等以上の耐食性が得られた。 た、放置試験後のCr 6+ の溶出量も測定限界値未満であった。

(実施例9~11)
 M6ボルト(材質:鉄)にジンケートZnめっき(デ ップソール(株)製NZ-200)を厚さ8μm施したもの 表3に示す化成処理液に表3に示す条件で浸 処理した。
浸漬処理後、皮膜を80℃10分の条件で乾燥し 。
Cr 3+ 源として35%塩化クロム水溶液(実施例9)及び35% 硫酸クロム水溶液(実施例10及び11)を使用した 。Co 2+ 源として塩化コバルト(実施例9)及び硫酸コバ ルト(実施例10及び11)を使用した。Siは、酸性 ロイダルシリカ(日産化学製スノーテックス O)である。残部は水である。

(実施例12~14)
 実施例9の3価クロム化成皮膜にオーバーコ ト処理を行った。オーバーコート処理条件 表4に示す。

 実施例9~14並びに比較例1及び2で得られた化 皮膜中のCr 3+ 濃度、Cr 6+ 濃度、Co 2+ 濃度、外観、塩水噴霧試験(JIS-Z-2371)結果及び 6価クロムの溶出量を表5に示す。表5に示され るように、実施例9~14の皮膜の場合でも比較 1の従来の6価クロメート化成皮膜と比較して 同等以上の耐食性が得られた。また、オーバ ーコート処理した皮膜(実施例12~14)は、従来 6価クロメート化成皮膜よりも良い耐食性が られた。また、放置試験後のCr 6+ の溶出量も測定限界値未満であった。

(皮膜中のCr 6+ 濃度の測定)
 皮膜試料(50cm 2 )を温度100℃の熱水約50mlに10分間浸漬し、皮 試料より溶出した6価クロムの量を、ジフェ ルカルバジットを用いた吸光光度法(EN-15205 準拠)で求めた。

(皮膜中のCr 3+ 濃度、及びCo 2+ 濃度の測定)
 Cr 6+ 濃度を測定した後の同一試料を塩酸に溶解し 、その溶液についてICP発光分光分析によりCr 3+ 、Co 2+ 濃度を測定した。

(塩水噴霧試験)
 塩水噴霧試験はJIS-Z-2371に準拠し評価した。

(放置試験方法及び放置試験後の6価クロム溶 量の測定)
 放置試験は、溶出試験用試料を、温度80℃ 度95%に維持した恒温恒湿槽中に30日放置する 方法で促進試験を行った。次いで、放置試験 後試料を前記の皮膜中のCr 6+ 濃度の測定法と同様の方法で、温度100℃の熱 水に10分間浸漬し、皮膜試料より溶出した6価 クロムの量を、ジフェニルカルバジットを用 いた吸光光度法(EN-15205に準拠)で求めた。

(実施例15~20)
 M6ボルト(材質:鉄)にジンケートZnめっき(デ ップソール(株)製NZ-200)を厚さ8μm施したもの 表6に示す化成処理液に表6に示す条件で浸 処理した。
浸漬処理後、皮膜を80℃10分の条件で乾燥し 。

Cr 3+ 源として35%塩化クロム水溶液を使用した。Co 2+ 源として塩化コバルトを使用した。Siは、酸 コロイダルシリカ(日産化学製スノーテック スO)である。残部は水である。なお、窒素含 量はNO 3 - に由来する。