Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
COSMETIC APPLICATOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/011115
Kind Code:
A1
Abstract:
[PROBLEMS] A cosmetic applicator in which bristles are prevented from becoming loose and spreading. [MEANS FOR SOLVING PROBLEMS] The cosmetic applicator has a shaft section (2) and bristles (3a). The shaft section (2) has one or more grooves (2d) formed in the outer peripheral surface of a head of a circular column-shaped shaft body (2a) so as to extend in the longitudinal direction of the shaft section. The bristles (3a) are arranged at least in one row in the longitudinal direction and protruding from the inside of the grooves (2d) beyond the outer peripheral surface of the head of the shaft body (2a).

Inventors:
TORII AKIHITO (JP)
TAKATA MOTOKI (JP)
SATOH TATSUO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/001870
Publication Date:
January 22, 2009
Filing Date:
July 11, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
SHISEIDO CO LTD (JP)
TORII AKIHITO (JP)
TAKATA MOTOKI (JP)
SATOH TATSUO (JP)
International Classes:
A45D34/04
Foreign References:
JP2006095091A2006-04-13
JPS6347442B21988-09-22
JP2006305191A2006-11-09
JP2006095091A2006-04-13
Other References:
See also references of EP 2168450A4
Attorney, Agent or Firm:
YANAGIDA, Masashi et al. (7F Shin-Yokohama KS Bldg.3-18-3, Shin-Yokohama, Kohoku-ku, Yokohama-sh, Kanagawa 33, JP)
Download PDF:
Claims:
 円柱状の軸本体の先端部の外周面に、長手方向に沿って形成された1つ以上の凹部を有する軸部と、
 前記長手方向に沿って少なくとも一列に配列された、前記凹部の内部から前記外周面を越えて突出する複数のブリッスルとを備えてなることを特徴とする化粧料用塗布具。
 前記ブリッスルの基端から前記外周面までの距離が0.5mm以上であることを特徴とする請求項1に記載の化粧料用塗布具。
 前記ブリッスルの基端から前記外周面までの距離が0.5~2.0mmであることを特徴とする請求項1に記載の化粧料用塗布具。
 前記凹部が長手方向に沿って延びる溝であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の化粧料用塗布具。
 前記軸部が前記軸本体の先端部の前記凹部以外の外周面に、化粧料を塗布する塗布部を備えていることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の化粧料塗布具。
 前記複数のブリッスルが、該複数のブリッスルの基部を保持する基台部材に配設されていることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の化粧料用塗布具。
 前記複数のブリッスルは、前記長手方向における各ブリッスルの間隙が0.1~2.0mmであることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の化粧料用塗布具。
 前記複数のブリッスルは、前記長手方向における各ブリッスルの間隙が0.2±0.02mmであることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の化粧料用塗布具。
 前記複数のブリッスルが、前記外周面から2~5mm突出していることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の化粧料用塗布具。
 前記複数のブリッスルは、各ブリッスルの全長が3~6mmであることを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の化粧料用塗布具。
 前記複数のブリッスルは、熱可塑性エラストマーを主成分として形成されていることを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の化粧料用塗布具。
 前記熱可塑性エラストマーは、ポリエステル系エラストマーであることを特徴とする請求項11に記載の化粧料用塗布具。
Description:
化粧料用塗布具

本発明は化粧料用塗布具に関し、特にブリ ッスルコームの構造に関するものである。

従来、マスカラ液を睫毛に塗布する際に使 用する塗布具として、円柱状の軸の先端外周 面に、睫毛にマスカラ液を塗布するための例 えばブラシ状や溝状等で構成された塗布部を 備え、さらにこの塗布部と軸を介して反対側 の先端外周面に、塗布部によってマスカラ液 が塗布された睫毛に対して、マスカラ液の固 まりである、いわゆる「だま」を取ったり、 互いにくっついてしまった睫毛を一本一本捌 いたりするための複数のブリッスルを有する コーム部を備えたものがある(例えば特許文 1)。

このような塗布具は、通常、容器本体に収容 されたマスカラ液に軸の先端部が浸漬された 状態で密閉されており、睫毛にマスカラ液を 塗布する際には、容器本体からマスカラ液が 付着した軸の先端部を引き抜くときに、容器 本体に形成された扱き部材によってマスカラ 液の付着量を調整してから使用している。

特開2006-95091号公報

しかしながら塗布具のコーム部は、睫毛を 梳かすために比較的固めの硬度を有して形成 され、各ブリッスルの間隙も荒めに形成され ているので、容器本体から引き抜いたときに コーム部の周りにマスカラ液が付着したり、 各ブリッスルの間隙にマスカラ液が入り込ん でしまったりして、睫毛を上手に梳かすこと が困難であった。

そこで本願出願人は、コーム部に付着した マスカラ液を扱き落とすために、例えば図12A に示す如く、扱き部材6の扱き口6aを小さくし て、扱きの力を増加させることを提案したが 、これでは、図12Bに示す如く、容器本体から Y方向に引き抜く際に、ブリッスル3a’の根元 が扱き口6aに当接して、図12Cに示す如く、ブ ッスル3a’が互い違いに根元から曲がって まうことにより、ブリッスル3a’が散けて広 がってしまう場合がある。

本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも のであり、ブリッスルが散けて広がるのを防 止することができる化粧料用塗布具を提供す ることを目的とするものである。

本発明の化粧料用塗布具は、円柱状の軸本体 の先端部の外周面に、長手方向に沿って形成 された1つ以上の凹部を有する軸部と、
前記長手方向に沿って少なくとも一列に配列 された、前記凹部の内部から前記外周面を越 えて突出する複数のブリッスルとを備えてな ることを特徴とするものである。

なお本発明の化粧料用塗布具は、前記ブリ ッスルの基端から前記外周面までの距離が0.5 mm以上であることが好ましく、0.5~2.0mmである とがさらに好ましい。

また本発明の化粧料用塗布具は、前記凹部 が長手方向に沿って延びる溝であることが好 ましい。

本発明の化粧料用塗布具は、前記軸部が前 記軸本体の先端部の前記凹部以外の外周面に 、化粧料を塗布する塗布部を備えていること が好ましい。

本発明の化粧料用塗布具は、前記複数のブ リッスルが、該複数のブリッスルの基部を保 持する基台部材に配設されていることが好ま しい。

また本発明の化粧料用塗布具は、前記複数 のブリッスルが、前記長手方向における各ブ リッスルの間隙が0.1~2.0mmであることが好まし く、0.2±0.02mmであることがさらに好ましい。

また本発明の化粧料用塗布具は、前記複数 のブリッスルが、前記外周面から2~5mm突出し いることが好ましい。

本発明の化粧料用塗布具は、前記複数のブ リッスルが、各ブリッスルの全長が3~6mmであ ことが好ましい。

なお本発明の化粧料用塗布具は、前記複数 のブリッスルが、熱可塑性エラストマーを主 成分として形成されていることが好ましく、 前記熱可塑性エラストマーが、ポリエステル 系エラストマーであることがさらに好ましい 。なお本発明において複数のブリッスルは、 不可避不純物を含んでもよい。

本発明の化粧料用塗布具によれば、円柱状 の軸本体の先端部の外周面に、長手方向に沿 って形成された1つ以上の凹部を有する軸部 、長手方向に沿って少なくとも一列に配列 れた、凹部の内部から軸本体の外周面を越 て突出する複数のブリッスルとを備えてい ので、各ブリッスルの基端が軸本体の外周 よりも低い所に位置することができて、容 本体から化粧料が付着した軸部の先端部を き抜くときに容器本体に形成された扱き部 に各ブリッスルの基端が当接しないので、 リッスルの基端にかかる負荷を低減するこ ができる。

これにより容器本体から軸部を引き抜く際 に、扱き部材によってブリッスルが互い違い に根元から曲がるのを防ぐことができるので 、ブリッスルが散けて広がるのを防止するこ とができる。

以下、本発明にかかる一実施形態の化粧料 用塗布具について図面を参照して詳細に説明 する。なお本実施形態では化粧料用塗布具と してマスカラ塗布具を例にして説明するが、 本発明はこれに限られるものではなく、例え ば眉毛に塗布するアイブロー塗布具等にも適 用することができる。ここで図1に本実施形 のマスカラ塗布具1の側面図、図2に図1の分 図、図3に図1のA-A線断面斜視図、図4に図1の ーム部3の主要部拡大斜視図、図5Aにブリッ ルの別の実施形態を表わす図、図5Bにブリ スルのさらに別の実施形態を表わす図、図6 マスカラ塗布具1の先端部を容器本体から引 き抜く図を示す。なお図1~図4において、便宜 上ブリッスル3aの先端が位置する側つまり紙 上側を上側として以下説明する。

本実施形態のマスカラ塗布具1は、図1に示 如く、軸部2と、コーム部3と、塗布部4とキ ップ5とを備えている。

軸部2は、図2に示す如く、略円柱状の軸本 2aを備えてなり、該軸本体2aの先端側には長 手方向に沿って開口し後述の塗布部4が装着 れる開口部2bと、開口部2bと連通し、図3に示 す如く、後述のコーム部3の基台部材3bが装着 される装着部2cと有し、さらに装着部2cと連 し、軸本体2aの先端部の外周面に長手方向に 沿って延びる溝2dを有している。

溝2dの深さdは、[発明が解決しようとする 題]で説明した扱き部材6(図12A、図12B、図12C 照)が形成された容器本体(図示せず)にマス ラ塗布具1の先端側を100回出し入れしたとき 後述するブリッスル3aにおいて、dが0.2mmの きは若干散けが生じ、dが0.5mmのときは散け 生じなかったので、0.5mm以上であることが好 ましく、軸本体2aの径が大きくなりすぎない うに2mm以下であることが好ましい。従って 2dの深さdは0.5~2mmの範囲、本実施形態では0.5 mmで形成されている。

また軸本体2aの後端にはマスカラ液を収容 た容器本体(図示せず)の開口部に開閉自在 装着されるキャップ5が連結されており、こ キャップ5はユーザが把持する取っ手として 使用可能に構成されている。なおこの容器本 体に、上記扱き部材6(図12A、図12B、図12C参照) が形成されている。

そして軸部2は、PBT(ポリブチレンテレフタ ート)、PA(ポリアミド)、PP(ポリプロピレン) いずれか1つを主成分として例えば射出成形 等により形成されており、材質は化粧料の成 分に応じて適宜選定される。

コーム部3は、マスカラ液が塗布された睫 に対して、マスカラ液の固まりである、い ゆる「だま」を取ったり、互いにくっつい しまった睫毛を一本一本捌いたりするため ものであり、ポリエステル系の熱可塑性エ ストマー(TPE:Thermoplastic Elastomer)を主成分と て例えば射出成形等により形成されており 射出・押出・ブローなどの成形加工の容易 や耐疲労性、耐薬品性、ゴムとエンプラ両 の特性を有すること等から、具体的には東 紡績株式会社製ペルプレン(登録商標)P-280B及 び/又はE-450Bを材料として使用している。な コーム部3に使用する材料については後で詳 に説明する。

そしてコーム部3は、図1~図3に示す如く、 手方向に一列に配列された複数のブリッス 3aと、この複数のブリッスル3aが垂直に配列 れ、かつ複数のブリッスル3aの基部を保持 る、直方体で構成された基台部材3bとで構成 されている。

複数のブリッスル3aは、図4に示す如く、各 ブリッスル3aの断面が例えば直径A1=0.2mmの円 に形成され、全長Lが、長すぎると成形品の 部に樹脂が回らずに成形品の一部が欠ける 象いわゆるショートモールドとなるため、 スカラ塗布具1の径の制約から成形が困難で あり、短すぎると睫毛に届かなくなり使用性 が低下するため、3~6mmで形成されている。

そして、図4に示す如く、長手方向におけ 各ブリッスル3aの間隙Dは、0.1~2.0mmで形成さ 、好ましくは0.2±0.02mmで形成されている。こ うすることにより、個人差はあるものの一般 的に人の睫毛の太さが0.15mm程度であるため、 コーム部3によって睫毛を捌くときに、ブリ スル3aの間隙Dに睫毛が1本のみしか入らない で、睫毛を一本一本捌くことができる。

なお本実施形態のブリッスル3aは、上述の うに断面が円状に形成されたものとしたが 本発明はこれに限られるものではなく、複 のブリッスル3aの配列方向と略直角方向す わち塗布方向に幅を持たせてもよいし、図5A に示す如く、例えば前記幅A2が0.2mm、この幅 略直角方向の幅A3が0.3mm又は0.4mmの角丸形状 断面を有するブリッスルであっても、図5Bに 示す如く、例えば上記と同様の寸法の楕円形 状の断面を有するブリッスルであってもよく 、ひし形や三角形の断面を有するブリッスル であってもよい。

また本実施形態のブリッスル3aは上端から 端まで断面形状が変わらないストレート形 としたが、本発明はこれに限られるもので なく、先鋭形状に形成されたテーパーを有 るブリッスルであってもよい。

塗布部4は、睫毛にマスカラ液を塗布する めのものであり、PBT(ポリブチレンテレフタ ート)、PA(ポリアミド)、PP(ポリプロピレン) いずれか1つを主成分として例えば射出成形 等により形成されており、材質は化粧料の成 分に応じて適宜選定される。

そして塗布部4は、図3に示す如く、断面が 半円状であって、図1及び図2に示す如く、 本体2の開口部2bに装着可能な長さで長手方 に延びて形成されている。そして塗布部4の 端には、図3に示す如く、長手方向と略直角 方向に周面に沿って形成された塗布溝4aが、 手方向に沿って複数配列されている。また 布部4の上端には、上面から突出した凸部4b 、長手方向に沿って1つ以上形成されている 。

次に上述の軸部2、コーム部3、塗布部4の組 付方法について説明する。先ず、図3に示す く、複数のブリッスル3aが軸本体2aの溝2dの 部から軸本体2aの外周面を越えて突出するよ うに、軸本体2aの下側からコーム部3の基台部 材3bを装着部2cに挿入し、各ブリッスル3aの基 端が軸本体2aの外周面よりも低い所に位置す ようにする。このとき図3に示す如く、溝2d 深さdが0.5mmであり、基台部材3bの上面が装 部2cの上面に当接するので、各ブリッスル3a 基端から軸本体2aの外周面までの距離は0.5mm となる。

このように各ブリッスル3aの基端が軸本体2 aの外周面よりも低い所に位置することによ 、図6に示す如く、容器本体からマスカラ液 付着した軸部2の先端部を引き抜くときに扱 き部材6の扱き口6aに各ブリッスル3aの基端が 接しないので、ブリッスル3aの基端にかか 負荷を低減することができる。

これにより容器本体から軸部2を引き抜く に、扱き部材6によってブリッスル3aが互い いに根元から曲がるのを防ぐことができる で、ブリッスル3aが散けて広がるのを防止す ることができる。

次に塗布部4を、凸部4bを上側にして軸部2 下側から開口部2bに装着する。ことのき塗布 部4と軸本体2aとは、例えば凹凸状にそれぞれ 形成されて互いに係合する係合部(図示せず) より着脱可能に固定されている。なお塗布 4と軸本体2aとは、さらに超音波溶着や高周 溶着等によって溶着してもよい。そしてコ ム部3は、図3に示す如く、基台部材3bの上面 が装着部2cの上面に当接し、下面が凸部4bの 端に当接されて、軸本体2a及び塗布部4によ て上下両側から把持される。本実施形態の スカラ塗布具1は上述のようにして組み付け れる。

上述のように構成された本実施形態のマス カラ塗布具1によれば、各ブリッスル3aの基端 が軸本体2aの外周面よりも低い所に位置する とができて、容器本体からマスカラ液が付 した軸部2の先端部を引き抜くときに容器本 体に形成された扱き部材6の扱き口6aに各ブリ ッスル3aの基端が当接しないので、ブリッス 3aの基端にかかる負荷を低減することがで る。

これにより容器本体から軸部2を引き抜く に、扱き部材6によってブリッスル3aが互い いに根元から曲がるのを防ぐことができる で、ブリッスル3aが散けて広がるのを防止す ることができる。

次にコーム部3に使用する材料を変えて上 のマスカラ塗布具1と従来のマスカラ塗布具1 ’とを比較した結果について説明する。

図7に材料としてPBT(ポリブチレンテレフタ ート)、ナイロン等のPA(ポリアミド系樹脂) ポリエステル系熱可塑性エラストマーをそ ぞれ使用して形成されたコーム部3を有する スカラ塗布具1と、前記コーム部3を有し、 12A、図12B、図12Cに示す如く、ブリッスル3a’ の基端が軸本体2a’の外周面から起立してな 従来のマスカラ塗布具1’とを、それぞれ扱 き部材6が形成された容器本体に100回出し入 したときのブリッスル3a、3a’の散けの結果 示す。

なお具体的な材料として、PBTは三菱エンジ ニアリングプラスチツクス株式会社製ノバデ ュラン(登録商標)5010TRX5、PAは旭化成化学株式 会社製レオナ(登録商標)ナイロン66繊維1300S、 東洋紡績株式会社製ペルプレン(登録商標)P-28 0Bを使用し、ブリッスル3a、3a’はそれぞれテ ーパーを有して形成されたものを使用した。 また図7中のブリッスルは45°斜めから50倍率 撮影した。なお図7中、散けが多い順にバツ 、三角印、丸三角印、丸印で示した。

図7の表に示す如く、軸部2に溝2dすなわち 部を有さない従来のマスカラ塗布具1’のコ ム部3では、PBT、PA、ポリエステル系熱可塑 エラストマーのいずれの材料を使用した場 でもブリッスル3a’に散けが生じてしまっ 。

それに対して本発明の溝2dすなわち凹部を するマスカラ塗布具1のコーム部3では、PBT はPAの材料を使用した場合にはブリッスル3a 散けが生じてしまったが、ポリエステル系 可塑性エラストマーすなわち東洋紡績株式 社製ペルプレン(登録商標)P-280Bを使用した 合には散けは生じなかった。

上記によりコーム部3に使用する材料とし は、ポリエステル系熱可塑性エラストマー 使用することが好ましい。

またマスカラ塗布具1では、軸部2は比較的 い材料で形成されることが好ましいが、コ ム部3は、ブリッスル3aに付着したマスカラ を扱き落とすために、しなり易い材料で形 されることが好ましい。そこでペルプレン( 登録商標)のグレードを変えた材料でコーム 3を形成し、上記と同様に容器本体に100回出 入れを行って、材料毎に比較を行った。図8 にこの比較結果を示す。なおグレードとして は硬度の低い順に、P-150B、P-280B、E-450Bを使用 した。

図8の表に示す如く、従来のマスカラ塗布 1’のコーム部3では、いずれのグレードのペ ルプレン(登録商標)を使用した場合でも、ブ ッスル3a’に散けが生じてしまった。また 発明のマスカラ塗布具1のコーム部3では、上 記グレード中の低硬度であり、ASTM D2240試験 法によって測定された表面硬度が57D、ASTM D 790試験方法によって測定された曲げ弾性率が 289MPaであるP-150Bの材料を使用した場合のみブ リッスル3aに散けが生じてしまったが、中硬 であり、前記表面硬度が68D、前記曲げ弾性 が494MPaであるP-280Bの材料及び高硬度であり 前記表面硬度が78D、前記曲げ弾性率が1267MPa であるE-450Bの材料を使用した場合には散けが 生じなかった。

また図8の表に示す如く、P-150Bは、ブリッ ル3a、3a’の腰が若干乏しいすなわちしなり さが乏しく、さらに成形時に型を開くのが 難であったため、成形性やしなり易さの観 からP-280B及び/又はP-450Bの方が材料として好 ましいと考える。

上記によりコーム部3に使用する材料とし は、前記表面硬度が60D以上であることが好 しく、前記曲げ弾性率は400MPa以上であるこ が好ましい。

なお本実施形態のマスカラ塗布具1のコー 部3は、ポリエステル系の熱可塑性エラスト ーを使用して形成したが、本発明はこれに られるものではなく、例えばポリアミド系 熱可塑性エラストマーを使用してもよい。 体的にはダイセル・テグサ株式会社製ダイ ミドPAE(登録商標)又はアルケマ-東京材料株 会社製ベバックス(登録商標)等を使用する とができる。

次に本発明にかかる第二の実施形態のマス カラ塗布具1-2について、以下図面を参照して 詳細に説明する。上記実施形態のマスカラ塗 布具1は、コーム部3と塗布部4とが別部品で形 成されたものであったが、本実施形態のマス カラ塗布具1-2は、塗布部4は軸本体2aと一体的 に形成されたものである。ここで図9Aに本実 形態のマスカラ塗布具1-2の主要部断面斜視 、図9Bにマスカラ塗布具1-2の主要部側面断 図の一例、図9Cにマスカラ塗布具1-2の主要部 側面断面図の別の例、図10Aに別の実施形態の コーム部の主要部斜視図、図10Bに図10Aの正面 図を示す。なお図9A~図9C、図10A,図10Bにおいて 上記実施形態と同様の箇所は、同符号で示し て説明を省略する。

本実施形態のマスカラ塗布具1-2は、図9Aに す如く、軸本体2aの溝2d以外の外周面である 下端の外周面に塗布部としての塗布溝2eが形 されている。

このように軸本体2aに塗布溝2eを形成した スカラ塗布具1-2は、例えば、軸本体2aの先端 に装着部2cと連通する開口を設け、該開口か コーム部3の基台部材3bを挿入し長手方向に ライドさせることにより、軸本体2aにコー 部3を組み付けても良い。この場合、図9Bに す如く、基台部材3bの挿入方向後端及び軸本 体2aの先端に互いに係合する鈎部3c、2fをそれ ぞれ設けて固定してもよい。

またコーム部3の両側面に、図10A、図10Bに す如く、下端が先鋭形状で外方に突出した 起部3dを長手方向にそって複数設け、軸本体 2aの装着部2cに、上端から基台部材3bを挿入さ せて、突起部3dによって軸本体2aと基台部材3b とを固定してもよい。

さらに本実施形態では、軸本体2aと基台部 3bとを、超音波溶着や高周波溶着等によっ 溶着してもよい。

なお軸部2とコーム部3とで構成される上記 ようなマスカラ塗布具1-2は、軸部2とコーム 部3とをインサート成形することによって形 してもよい。

次に本発明にかかる第三の実施形態のマス カラ塗布具1-3について、以下図面を参照して 説明する。ここで図11に本実施形態のマスカ 塗布具1-3の主要部断面側面図を示す。

本実施形態のマスカラ塗布具1-3は、上記実 施形態のマスカラ塗布具1-2とは異なり、図11 示す如く、コーム部3に塗布部としての塗布 溝3eを形成している。このように形成された ーム部3は、軸部2と二色成形により一体的 形成され、例えば真空射出成形等によって 成することができる。なお軸部2とコーム部3 とは、ポリエステル系又はポリアミド系の熱 可塑性エラストマーを主成分として、例えば 射出成形等によって一体的に形成してもよい 。

上述したような第二、第三の実施形態のマ スカラ塗布具1-2、1-3においては、第一の実施 形態のマスカラ塗布具1と同様に、溝2dの深さ dは0.5~2mmの範囲で形成される。

なお上述の実施形態では軸本体2aに溝2dを 成したが、本発明はこれに限られるもので なく、ブリッスル3aの基端が軸本体2aの外周 よりも低い所に位置することができる凹部 あればいずれの形状であってもよい。

また上述の実施形態では軸本体2aに溝2dを1 形成し、該溝2dに一列のブリッスル3aを配列 したが、本発明はこれに限られるものではな く、ブリッスル3aの基端が軸本体2aの外周面 りも低い所に位置することができればよく 例えば溝2dの周方向の幅を広くして、溝2dに ってブリッスル3aを複数(例えば二列)配列し てもよいし、溝2dを長手方向に沿って2つ以上 形成し、それぞれの溝2dにブリッスル3aを一 配列してもよい。

本発明の化粧料用塗布具は、上述した実施 形態のマスカラ塗布具に限られるものではな く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において 適宜変更可能である。

マスカラ塗布具の主要部拡大図 図1のマスカラ塗布具の分解図 図1のマスカラ塗布具のA-A線断面斜視図 コーム部の主要部拡大斜視図 ブリッスルの別の実施形態を表わす図 ブリッスルのさらに別の実施形態を表 わす図 マスカラ塗布具の先端部を容器本体か 引き抜く図 本発明のマスカラ塗布具と従来のマス ラ塗布具における各材料毎のブリッスルの けの結果を示す図 本発明のマスカラ塗布具と従来のマス ラ塗布具におけるペルプレン(登録商標)の グレード毎のブリッスルの散けの結果表 第二の実施形態のマスカラ塗布具の主 要部断面斜視図 図9Aのマスカラ塗布具の主要部側面断 図の一例 図9Aのマスカラ塗布具の主要部側面断 図の別の例 コーム部の斜視図の一例 図10Aのコーム部の正面図 第三の実施形態のマスカラ塗布具の断 面側面図 従来のマスカラ塗布具における課題 説明する図(その1) 従来のマスカラ塗布具における課題 説明する図(その2) 従来のマスカラ塗布具における課題 説明する図(その3)

符号の説明

1   マスカラ塗布具(化粧料塗布具)
2   軸部
2a  軸本体
2b  開口部
2c  装着部
2d  溝(凹部)
3   コーム部
3a  ブリッスル
3b  基台部材
4   塗布部
4a  塗布溝