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Patent Searching and Data


Title:
CURABLE RESIN COMPOSITION AND CURED PRODUCT THEREOF, PRINTED CIRCUIT BOARD, AND EPOXY RESIN AND METHOD FOR PRODUCING SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2010/047169
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed are: a curable resin composition which can exhibit excellent heat resistance, low thermal expansion and good solubility in solvents; a cured product of the composition; a printed circuit board comprising the composition; a novel epoxy resin which can impart the above-mentioned properties; and a method for producing the epoxy resin.  The curable resin composition is characterized by comprising an epoxy resin (A) and a curing agent (B) as the essential components, wherein the epoxy resin (A) has, in its molecular structure, a glycidyloxy group and a skeleton formed by a naphthalene structure and a cyclohexadienone structure linked to each other via a methylene group.

Inventors:
SATOU YUTAKA (JP)
ARITA KAZUO (JP)
OGURA ICHIROU (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/064024
Publication Date:
April 29, 2010
Filing Date:
August 07, 2009
Export Citation:
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Assignee:
DAINIPPON INK & CHEMICALS (JP)
SATOU YUTAKA (JP)
ARITA KAZUO (JP)
OGURA ICHIROU (JP)
International Classes:
C08G59/20; C08G59/06; H05K1/03
Foreign References:
JP2000103941A2000-04-11
JP2000336248A2000-12-05
JPH05186547A1993-07-27
JPH0525248A1993-02-02
JPH0532760A1993-02-09
JPH0593036A1993-04-16
JPH0593038A1993-04-16
JPH0593040A1993-04-16
JPS6169826A1986-04-10
JPH02189326A1990-07-25
JP3137202B22001-02-19
Other References:
See also references of EP 2343327A4
Attorney, Agent or Firm:
KONO MICHIHIRO (JP)
Michihiro Kono (JP)
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Claims:
分子構造中にナフタレン構造とシクロヘキサジエノン構造とがメチレン基を介して結節した骨格と、グリシジルオキシ基とを有するエポキシ樹脂(A)、及び硬化剤(B)を必須成分とすることを特徴とする硬化性樹脂組成物。
エポキシ樹脂(A)の分子構造中に存在するシクロヘキサジエノン構造が、2-ナフタレノン構造である請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
前記エポキシ樹脂(A)が、下記構造式(i)

(式中、R 1 は、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1~4の炭化水素基、又は炭素原子数1~2のアルコキシ基を示す。)
で表される骨格を有する化合物(a)を含有するものである請求項2記載の硬化性樹脂組成物。
前記エポキシ樹脂(A)が、エポキシ当量150~300g/eqのものである請求項3記載の硬化性樹脂組成物。
前記エポキシ樹脂(A)が、2,7-ジヒドロキシナフタレン類とホルムアルデヒドとを、2,7-ジヒドロキシナフタレンに対して、モル基準で0.2~2.0倍量のアルカリ触媒の存在下に反応させ、次いで、得られた反応物にエピハロヒドリンを反応させて得られる分子構造を有するものである請求項2記載の硬化性樹脂組成物。
請求項1~5の何れか1つに記載の硬化性樹脂組成物を硬化反応させてなることを特徴とする硬化物。
請求項1~5の何れか1つに記載の組成物に、更に有機溶剤(C)を配合してワニス化した樹脂組成物を、補強基材に含浸し銅箔を重ねて加熱圧着させることにより得られたプリント配線基板。
分子構造中にナフタレン構造とシクロヘキサジエノン構造とがメチレン基を介して結節した骨格と、グリシジルオキシ基とを有することを特徴とするエポキシ樹脂。
下記構造式(i)
(式中、R 1 はそれぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1~4の炭化水素基又は炭素原子数1~2のアルコキシ基を示す。)を有する請求項8記載のエポキシ樹脂。
2,7-ジヒドロキシナフタレン類とホルムアルデヒドとを、2,7-ジヒドロキシナフタレン類に対して、モル基準で0.2~2.0倍量のアルカリ触媒の存在下に反応させ、次いで、得られた反応物にエピハロヒドリンを反応させて得られる分子構造を有することを特徴とするエポキシ樹脂。
2,7-ジヒドロキシナフタレン類とホルムアルデヒドとを、2,7-ジヒドロキシナフタレン1モルに対して、モル基準で0.2~2.0倍量のアルカリ触媒の存在下に反応させ、次いで、得られた反応物にエピハロヒドリンを反応させることを特徴とするエポキシ樹脂の製造方法。
2,7-ジヒドロキシナフタレン類に対して、モル基準で0.6倍量以上のホルムアルデヒドを用いて得られた請求項11のエポキシ樹脂の製造方法。
Description:
硬化性樹脂組成物、その硬化物 プリント配線基板、エポキシ樹脂、及びそ 製造方法

 本発明は得られる硬化物の耐熱性、低熱 張性に優れ、プリント配線基板、半導体封 材、塗料、注型用途等に好適に用いる事が 来る硬化性樹脂組成物、その硬化物、新規 ポキシ樹脂、その製造方法、及び耐熱性、 熱膨張性に優れるプリント配線基板に関す 。

 エポキシ樹脂は、接着剤、成形材料、塗 、フォトレジスト材料、顕色材料等に用い れている他、得られる硬化物の優れた耐熱 や耐湿性などに優れる点から半導体封止材 プリント配線板用絶縁材料等の電気・電子 野で幅広く用いられている。

 これらの各種用途のうち、プリント配線 の分野では、電子機器の小型化・高性能化 流れに伴い、半導体装置の配線ピッチの狭 化による高密度化の傾向が著しく、これに 応した半導体実装方法として、はんだボー により半導体装置と基板とを接合させるフ ップチップ接続方式が広く用いられている このフリップチップ接続方式では、配線板 半導体との間にはんだボールを配置、全体 加熱して溶融接合させる所謂リフロー方式 よる半導体実装方式であるため、はんだリ ロー時に配線版自体が高熱環境に晒され、 線板の熱収縮により、配線板と半導体を接 するはんだボールに大きな応力が発生し、 線の接続不良を起こす場合があった。その 、プリント配線板に用いられる絶縁材料に 、低熱膨張率の材料が求められている。

 加えて、近年、環境問題に対する法規制 により、鉛を使用しない高融点はんだが主 となっており、この鉛フリーはんだは従来 共晶はんだよりも使用温度が約20~40℃高く ることから、硬化性樹脂組成物にはこれま 以上に高い耐熱性が要求されている。

 このようにプリント配線板用の絶縁材料 は、高度な耐熱性、低熱膨張性が求められ おり、かかる要求に対応できるエポキシ樹 材料として、例えば、下記構造式


で表される4官能型ナフタレン系エポキシ樹 が知られている(下記、特許文献1参照)。

 然し乍ら、上記4官能型ナフタレン系エポ キシ樹脂は、一般的なフェノールノボラック 型エポキシ樹脂と比較して架橋密度が高く、 エポキシ樹脂硬化物において優れた低熱線膨 張性や耐熱性を発現するものの、近年、より 高い性能が求められており、一層の改善が必 要となっている。更に、上記4官能型ナフタ ン系エポキシ樹脂は、プリント配線板製造 一般的に使用される溶剤への溶解性が低い とから、硬化物の特性が十分に発現されな ものであった。

特許3137202号公報

 従って、本発明が解決しようとする課題 、優れた耐熱性、低熱膨張性を発現し、さ に良好な溶剤溶解性を実現する硬化性樹脂 成物、その硬化物、耐熱性及び低熱膨張性 優れるプリント配線基板、これらの性能を えるエポキシ樹脂、及びその製造方法を提 することにある。

 本発明者らは、上記課題を解決するため 鋭意検討した結果、特定の条件で2,7-ジヒド ロキシナフタレン類とホルムアルデヒドを反 応させ、次いで得られた反応物にエピクロロ ヒドリンとを反応させて得られた、カルボニ ル基を有するエポキシ樹脂が、優れた耐熱性 、低熱膨張性を発現し、さらに良好な溶剤溶 解性を示すことを見出し、本発明を完成する に至った。

 即ち、本発明は、分子構造中にナフタレ 構造とシクロヘキサジエノン構造とがメチ ン基を介して結節した骨格と、グリシジル キシ基とを有するエポキシ樹脂(A)、及び硬 剤(B)を必須成分とすることを特徴とする硬 性樹脂組成物に関する。

 本発明は、更に、前記硬化性樹脂組成物 硬化反応させてなることを特徴とする硬化 に関する。

 本発明は、更に、分子構造中にナフタレ 構造とシクロヘキサジエノン構造とがメチ ン基を介して結節した骨格と、グリシジル キシ基とを有するエポキシ樹脂(A)、硬化剤( B)、及び有機溶剤(C)を必須成分とする樹脂組 物を、ガラス織布に含浸し銅箔を重ねて加 圧着させることにより得られたプリント配 基板に関する。

 本発明は、更に、分子構造中にナフタレ 構造とシクロヘキサジエノン構造とがメチ ン基を介して結節した骨格と、グリシジル キシ基とを有することを特徴とするエポキ 樹脂に関する。

 本発明は、更に、2,7-ジヒドロキシナフタ レン類とホルムアルデヒドとを、2,7-ジヒド キシナフタレン類に対して、モル基準で0.2~2 .0倍量のアルカリ触媒の存在下に反応させ、 いで、得られた反応物にエピハロヒドリン 反応させて得られる分子構造を有すること 特徴とするエポキシ樹脂に関する。

 本発明は、更に、2,7-ジヒドロキシナフタ レン類とホルムアルデヒドとを、2,7-ジヒド キシナフタレン類に対して、モル基準で0.2~2 .0倍量のアルカリ触媒の存在下に反応させ、 いで、得られた反応物にエピハロヒドリン 反応させることを特徴とするエポキシ樹脂 製造方法に関する。

 本発明によれば、優れた耐熱性、低熱膨 性を発現し、さらに良好な溶剤溶解性を実 する硬化性樹脂組成物、その硬化物、耐熱 及び低熱膨張性に優れるプリント配線基板 これらの性能を与えるエポキシ樹脂、及び の製造方法を提供できる。

図1は実施例1で得られたフェノール化 物のGPCチャートである。 図2は実施例1で得られたフェノール化合物の 13 C-NMRスペクトルである。 図3は実施例1で得られたフェノール化 物のマススペクトルである。 図4は実施例1で得られたエポキシ樹脂 GPCチャートである。 図5は実施例1で得られたエポキシ樹脂の 13 C-NMRスペクトルである。 図6は実施例1で得られたエポキシ樹脂 マススペクトルである。 図7は実施例2で得られたエポキシ樹脂 GPCチャートである。 図8は実施例2で得られたエポキシ樹脂の 13 C-NMRスペクトルである。 図9は実施例2で得られたエポキシ樹脂 マススペクトルである。

 以下、本発明を詳細に説明する。
 本発明で用いるエポキシ樹脂(A)は、分子構 中にナフタレン構造とシクロヘキサジエノ 構造とがメチレン基を介して結節した骨格 、グリシジルオキシ基とを有することを特 としている。即ち、分子構造中にナフタレ 構造とシクロヘキサジエノン構造とがメチ ン基を介して結節した骨格を有することか 、エポキシ樹脂(A)の化学構造的な非対称性 ら良好な溶剤溶解性を示すことができる。 た、エポキシ基と硬化剤との硬化反応にお て、シクロヘキサジエノン構造が硬化反応 関与することにより強固な硬化物が得られ 硬化物における耐熱性と低熱膨張性が向上 るものである。

ここで、シクロヘキサジエノン構造とは、 具体的には、下記構造式k1及びk2


で表される2,4-シクロヘキサジエノン構造、 び下記構造式k3


で表される2,5-シクロヘキサジエノン構造が げられる。

 これらのなかでも、前記構造式k1及びk2で 表される2,4-シクロヘキサジエノン構造が耐 性、低熱膨張性に顕著に優れる点から好ま く、特に前記構造式k1で表される2-ナフタレ ン構造であることが好ましい。

 前記エポキシ樹脂(A)は、2,7-ジヒドロキシ ナフタレン類とホルムアルデヒドとをアルカ リ触媒の存在下反応させ、次いで得られた反 応物にエピハロヒドリンを反応させる方法( 法1)、或いは、2,7-ジヒドロキシナフタレン とホルムアルデヒドとフェノール類とをア カリ触媒の存在下反応させ、次いで得られ 反応物にエピハロヒドリンを反応させる方 (方法2)によって製造することができ、種々 分子構造を有するエポキシ樹脂を含み得る 、具体的には、ナフタレン構造と、前記構 式k1又はk2で表されるシクロヘキサジエノン 造とがメチレン基を介して結節した構造を 本骨格とし、その芳香核上の置換基として リシジルオキシ基を有する化合物(a)を含有 ていることが好ましい。

 かかる化合物(a)としては、具体的には、 記構造式(i)~(iii)で表されるものが挙げられ 。

 上記構造式(i)~(iii)中、R 1 はそれぞれ独立して水素原子又は炭素原子数 1~4の炭化水素基又は炭素原子数1~4のアルコキ シ基であり、具体的には、上記構造式(i)で表 される化合物としては以下のi-1~i-8で表され ものが挙げられる。


 また、上記構造式(ii)で表される化合物と しては以下のii-1~ii-8で表されるものが挙げら れる。











 また、上記構造式(iii)で表される化合物 しては以下のiii-1~iii-8で表されるものが挙げ られる。


 これらの中でも特に下記構造式(i)


(式中、R 1 は、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数 1~4の炭化水素基、又は炭素原子数1~4のアルコ キシ基を示す。)
で表される化合物が、特に耐熱性、低熱膨張 性に顕著に優れる点から好ましい。上記構造 式(i)で表される化合物は、前記した通り、そ の分子構造中にシクロヘキサジエノン構造を 有することから、化学構造的に非対称となっ て優れた溶剤溶解性を示すことができ、また 、シクロヘキサジエノン構造自体が硬化剤(B) との硬化反応に寄与することになるので、上 記構造式(i)で表される化合物は、3官能のエ キシ樹脂であるにも拘わらず、優れた耐熱 と低熱膨張性を発現することができる。

 本発明では、これらの中でも特に耐熱性が い点から構造式(1)におけるR 1 が全て水素原子である下記構造式(i-α)


で表される構造を有することが好ましい。

 以上詳述したエポキシ樹脂(A)を前記した 法1又は方法2によって、製造する場合、通 、前記化合物(a)の他、下記構造式(iv)


で表される化合物(b)や、或いは、前記構造式 (i)、前記構造式(ii)又は前記構造式(iii)におけ る芳香核に更に、下記部分構造式(v)


で表される構造部位が結合したエポキシ樹脂 オリゴマー(c)、更に、前記方法1又は方法2に いて、エピハロヒドリンを反応させる際に 成するオリゴマー(d)も生成するため、本発 のエポキシ樹脂(A)は、これらの混合物とし 使用してもよい。

 この際、エポキシ樹脂(A)中、前記化合物( a)を5.0~20.0質量%となる割合で含有することが ましく、具体的には、前記化合物(a)を5.0~20. 0質量%、前記化合物(b)を15.0~50.0質量%、その他 前記オリゴマー(c)又はオリゴマー(d)に代表さ れるオリゴマー成分を30~80質量%となる割合で 含有することが溶剤溶解性に優れる点から好 ましい。

 また、エポキシ樹脂(A)は、該エポキシ樹 (A)中のエポキシ当量は150~300g/eqの範囲であ ことが耐熱性、低熱膨張率が良好となる点 ら好ましく、特に155~250g/eq.の範囲であるこ が好ましい。

 前記した通り、前記エポキシ樹脂(A)は、 記方法1又は方法2によって製造することが きるが、本発明では従来に比べてアルカリ 媒量が多いことに特徴があり、具体的には 2,7-ジヒドロキシナフタレン類のモル数に対 て、又は、2,7-ジヒドロキシナフタレン類と フェノール類との合計モル数に対して、アル カリ触媒をモル基準で0.2~2.0倍量となる割合 用いることにより、分子構造中にナフタレ 構造とシクロヘキサジエノン構造とがメチ ン基を介して結節した骨格を生成させるこ ができる。これに対して、公知の化合物で る下記構造式(2)

で表される化合物は、2,7-ジヒドロキシナフ レンとホルムアルデヒドとを該2,7-ジヒドロ シナフタレンに対して、モル基準で0.01~0.1 量となる割合でアルカリ触媒を使用するこ によって製造することができるが、このよ な触媒量では、製造工程中、該構造式(2)で される化合物が選択的に生成、析出して反 が停止する為、本発明の如くシクロヘキサ エノン構造が生成することはない。

 ここで、方法1又は方法2で用いる2,7-ジヒ ロキシナフタレン類は、2,7-ジヒドロキシナ フタレン、メチル-2,7-ジヒドロキシナフタレ 、エチル-2,7-ジヒドロキシナフタレン、t-ブ チル-2,7-ジヒドロキシナフタレン、メトキシ- 2,7-ジヒドロキシナフタレン、エトキシ-2,7-ジ ヒドロキシナフタレン等が挙げられる。

 方法1又は方法2で用いるホルムアルデヒド 、ホルムアルデヒドは、水溶液の状態であ ホルマリン溶液でも、固形状態であるパラ ルムアルデヒドでもよい。
 また、方法2で用いるフェノール類は、フェ ノール、o-クレゾール、p-クレゾール、2,4-キ レノール等が挙げられる。

 また、方法1又は方法2で用いるアルカリ 媒は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化 リウム等のアルカリ金属水酸化物、金属ナ リウム、金属リチウム、水素化ナトリウム 炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機ア カリ類などが挙げられる。

 前記したとおり、本発明では前記化合物( a)のうち上記構造式(i)で表される化合物が好 しく、よって、前記各方法のうち方法1の製 造方法が好ましい。以下、方法1について詳 する。

 前記方法1は、具体的には、2,7-ジヒドロ シナフタレン類(a)とホルムアルデヒドとを 質的に同時に仕込み、適当な触媒の存在下 加熱撹拌して反応を行う方法、また、2,7-ジ ドロキシナフタレン類(a)と適当な触媒の混 液に、ホルムアルデヒドを連続的乃至断続 に系内に加えることによって、反応を行う 法などが挙げられる。尚、ここで実質的に 時とは、加熱によって反応が加速されるま の間に全ての原料を仕込むことを意味する

 ここで用いるアルカリ触媒としては、例 ば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等 アルカリ金属水酸化物、金属ナトリウム、 属リチウム、水素化ナトリウム、炭酸ナト ウム、炭酸カリウム等の無機アルカリ類な が挙げられる。その使用量は、前記した通 2,7-ジヒドロキシナフタレン類(a)のモル数に 対して、モル基準で0.2~2.0倍量となる範囲で ることが好ましい。

 2,7-ジヒドロキシナフタレン類(a)とホルム アルデヒドとの反応仕込み比率としては、特 に限定されないが、2,7-ジヒドロキシナフタ ン類に対してホルムアルデヒドが、モル基 で0.6~2.0倍量となる割合であること、特に、 熱性とエポキシ樹脂の粘度のバランスに優 る点から、0.6~1.5倍量となる割合であること が好ましい。

 この反応を行う際、必要に応じて有機溶 を使用することができる。使用できる有機 剤は、具体的には、メチルセロソルブ、イ プロピルアルコール、エチルセロソルブ、 ルエン、キシレン、メチルイソブチルケト などが挙げられるがこれらに限定されるも ではない。有機溶剤の使用量としては仕込 原料の総質量に対して通常0.1倍量~5倍量の 囲であり、特に0.3倍量~2.5倍量の範囲である とが効率的に構造式(i)の構造が得られる点 ら好ましい。また反応温度としては20~150℃ 範囲であることが好ましく、特に60~100℃の 囲であることがより好ましい。また反応時 は、特に制限されないが、通常、1~10時間の 範囲である。

 反応終了後、反応混合物のpH値が4~7にな まで中和あるいは水洗処理を行う。中和処 や水洗処理は常法にしたがって行えばよい 例えばアルカリ触媒を用いた場合は酢酸、 酸、燐酸ナトリウム等の酸性物質を中和剤 して用いることができる。中和あるいは水 処理を行った後、減圧加熱下で有機溶剤を 去し生成物の濃縮を行い、カルボニル基含 フェノール化合物を得ることが出来る。ま 、反応終了後の処理操作のなかに、精密濾 工程を導入することが無機塩や異物類を精 除去することができる点から、より好まし 。

 次いで、得られたフェノール化合物と、 ピハロヒドリンとを反応させることによっ 目的とするエポキシ樹脂(A)が得られる。具 的には、例えばフェノール化合物中のフェ ール性水酸基のモル数に対し、エピハロヒ リンを2~10倍量(モル基準)となる割合で添加 、更に、フェノール性水酸基のモル数に対 0.9~2.0倍量(モル基準)の塩基性触媒を一括添 または徐々に添加しながら20~120℃の温度で0 .5~10時間反応させる方法が挙げられる。この 基性触媒は固形でもその水溶液を使用して よく、水溶液を使用する場合は、連続的に 加すると共に、反応混合物中から減圧下、 たは常圧下、連続的に水及びエピハロヒド ン類を留出せしめ、更に分液して水は除去 エピハロヒドリンは反応混合物中に連続的 戻す方法でもよい。

 なお、工業生産を行う際、エポキシ樹脂 産の初バッチでは仕込みに用いるエピハロ ドリン類の全てが新しいものであるが、次 ッチ以降は、粗反応生成物から回収された ピハロヒドリン類と、反応で消費される分 消失する分に相当する新しいエピハロヒド ン類とを併用することが好ましい。この時 使用するエピハロヒドリンは特に限定され いが、例えばエピクロルヒドリン、エピブ モヒドリン、β-メチルエピクロルヒドリン が挙げられる。なかでも工業的入手が容易 ことからエピクロルヒドリンが好ましい。

 また、前記塩基性触媒は、具体的には、 ルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭 塩及びアルカリ金属水酸化物等が挙げられ 。特にエポキシ樹脂合成反応の触媒活性に れる点からアルカリ金属水酸化物が好まし 、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウ 等が挙げられる。使用に際しては、これら 塩基性触媒を10~55質量%程度の水溶液の形態 使用してもよいし、固形の形態で使用して 構わない。また、有機溶媒を併用すること より、エポキシ樹脂の合成における反応速 を高めることができる。このような有機溶 としては特に限定されないが、例えば、ア トン、メチルエチルケトン等のケトン類、 タノール、エタノール、1-プロピルアルコ ル、イソプロピルアルコール、1-ブタノール 、セカンダリーブタノール、ターシャリーブ タノール等のアルコール類、メチルセロソル ブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類、テ トラヒドロフラン、1、4-ジオキサン、1、3-ジ オキサン、ジエトキシエタン等のエーテル類 、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、 ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性 溶媒等が挙げられる。これらの有機溶媒は、 それぞれ単独で使用してもよいし、また、極 性を調整するために適宜2種以上を併用して よい。

 前述のエポキシ化反応の反応物を水洗後 加熱減圧下、蒸留によって未反応のエピハ ヒドリンや併用する有機溶媒を留去する。 た更に加水分解性ハロゲンの少ないエポキ 樹脂とするために、得られたエポキシ樹脂 再びトルエン、メチルイソブチルケトン、 チルエチルケトンなどの有機溶媒に溶解し 水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの ルカリ金属水酸化物の水溶液を加えてさら 反応を行うこともできる。この際、反応速 の向上を目的として、4級アンモニウム塩や クラウンエーテル等の相関移動触媒を存在さ せてもよい。相関移動触媒を使用する場合の その使用量としては、用いるエポキシ樹脂100 質量部に対して0.1~3.0質量部となる割合であ ことが好ましい。反応終了後、生成した塩 濾過、水洗などにより除去し、更に、加熱 圧下トルエン、メチルイソブチルケトンな の溶剤を留去することにより目的とする化 物(a)を含有するエポキシ樹脂(A)を得ること できる。

 本発明の硬化性樹脂組成物において、前 エポキシ樹脂(A)を単独で用いてもよいが、 たは本発明の効果を損なわない範囲で他の ポキシ樹脂を使用してもよい。具体的には エポキシ樹脂成分の全質量に対して前記エ キシ樹脂(A)が30質量%以上、好ましくは40質 %以上となる範囲で他のエポキシ樹脂を併用 ることができる。

 前記エポキシ樹脂(A)と併用され得る他の ポキシ樹脂としては、種々のエポキシ樹脂 用いることができるが、例えば、ビスフェ ールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型 ポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、 トラメチルビフェニル型エポキシ樹脂、フ ノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾ ルノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノ ルAノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニ メタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエ ン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン- フェノール付加反応型エポキシ樹脂、フェノ ールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールアラ ルキル型エポキシ樹脂、ナフトール-フェノ ル共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフト ル-クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹 、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変 フェノール樹脂型エポキシ樹脂、ビフェニ ノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる これらのなかでもフェノールアラルキル型 ポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポ シ樹脂や、ナフタレン骨格を含有するナフ ールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトー アラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール-フ ェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナ フトール-クレゾール共縮ノボラック型エポ シ樹脂や、結晶性のビフェニル型エポキシ 脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹 、キサンテン型エポキシ樹脂や、アルコキ 基含有芳香環変性ノボラック型エポキシ樹 (ホルムアルデヒドでグリシジル基含有芳香 及びアルコキシ基含有芳香環が連結された 合物)等が耐熱性に優れる硬化物が得られる 点から特に好ましい。

 本発明の硬化性樹脂組成物に用いる硬化剤( B)は、アミン系化合物、アミド系化合物、酸 水物系化合物、フェノ-ル系化合物などが挙 げられる。具体的には、アミン系化合物とし てはジアミノジフェニルメタン、ジエチレン トリアミン、トリエチレンテトラミン、ジア ミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミ ン、イミダゾ-ル、BF 3 -アミン錯体、グアニジン誘導体等が挙げら 、アミド系化合物としては、ジシアンジア ド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミン より合成されるポリアミド樹脂等が挙げら 、酸無水物系化合物としては、無水フタル 、無水トリメリット酸、無水ピロメリット 、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタ 酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無 メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタ 酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等が げられ、フェノール系化合物としては、フ ノールノボラック樹脂、クレゾールノボラ ク樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド 脂変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジ ンフェノール付加型樹脂、フェノールアラ キル樹脂(ザイロック樹脂)、ナフトールア ルキル樹脂、トリメチロールメタン樹脂、 トラフェニロールエタン樹脂、ナフトール ボラック樹脂、ナフトール-フェノール共縮 ボラック樹脂、ナフトール-クレゾール共縮 ノボラック樹脂、ビフェニル変性フェノール 樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結 れた多価フェノール化合物)、ビフェニル変 ナフトール樹脂(ビスメチレン基でフェノー ル核が連結された多価ナフトール化合物)、 ミノトリアジン変性フェノール樹脂(メラミ 、ベンゾグアナミンなどでフェノール核が 結された多価フェノール化合物)やアルコキ シ基含有芳香環変性ノボラック樹脂(ホルム ルデヒドでフェノール核及びアルコキシ基 有芳香環が連結された多価フェノール化合 )等の多価フェノール化合物が挙げられる。

 これらの中でも、特に芳香族骨格を分子 造内に多く含むものが低熱膨張性の点から ましく、具体的には、フェノールノボラッ 樹脂、クレゾールノボラック樹脂、芳香族 化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノー 樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフト ルアラルキル樹脂、ナフトールノボラック 脂、ナフトール-フェノール共縮ノボラック 樹脂、ナフトール-クレゾール共縮ノボラッ 樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂、ビ ェニル変性ナフトール樹脂、アミノトリア ン変性フェノール樹脂、アルコキシ基含有 香環変性ノボラック樹脂(ホルムアルデヒド フェノール核及びアルコキシ基含有芳香環 連結された多価フェノール化合物)が低熱膨 張性に優れることから好ましい。

 本発明の硬化性樹脂組成物におけるエポ シ樹脂(A)と硬化剤(B)の配合量としては、特 制限されるものではないが、得られる硬化 特性が良好である点から、エポキシ樹脂(A) エポキシ基の合計1当量に対して、硬化剤(B) 中の活性基が0.7~1.5当量になる量が好ましい

 また必要に応じて本発明の硬化性樹脂組 物に硬化促進剤を適宜併用することもでき 。前記硬化促進剤としては種々のものが使 できるが、例えば、リン系化合物、第3級ア ミン、イミダゾール、有機酸金属塩、ルイス 酸、アミン錯塩等が挙げられる。特に半導体 封止材料用途として使用する場合には、硬化 性、耐熱性、電気特性、耐湿信頼性等に優れ る点から、リン系化合物ではトリフェニルフ ォスフィン、第3級アミンでは1,8-ジアザビシ ロ-[5.4.0]-ウンデセン(DBU)が好ましい。

 以上詳述した本発明の硬化性樹脂組成物 、前記した通り、優れた溶剤溶解性を発現 ることを特徴としている。従って、該硬化 樹脂組成物は、上記各成分の他に有機溶剤( C)を配合することが好ましい。ここで使用し る前記有機溶剤(C)としては、メチルエチル トン、アセトン、ジメチルホルムアミド、 チルイソブチルケトン、メトキシプロパノ ル、シクロヘキサノン、メチルセロソルブ エチルジグリコールアセテート、プロピレ グリコールモノメチルエーテルアセテート が挙げられ、その選択や適正な使用量は用 によって適宜選択し得るが、例えば、プリ ト配線板用途では、メチルエチルケトン、 セトン、ジメチルホルムアミド等の沸点が1 60℃以下の極性溶剤であることが好ましく、 た、不揮発分40~80質量%となる割合で使用す ことが好ましい。一方、ビルドアップ用接 フィルム用途では、有機溶剤(C)として、例 ば、アセトン、メチルエチルケトン、シク ヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢 ブチル、セロソルブアセテート、プロピレ グリコールモノメチルエーテルアセテート カルビトールアセテート等の酢酸エステル 、セロソルブ、ブチルカルビトール等のカ ビトール類、トルエン、キシレン等の芳香 炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメ ルアセトアミド、N-メチルピロリドン等を いることが好ましく、また、不揮発分30~60質 量%となる割合で使用することが好ましい。

 また、上記熱硬化性樹脂組成物は、難燃 を発揮させるために、例えばプリント配線 の分野においては、信頼性を低下させない 囲で、実質的にハロゲン原子を含有しない ハロゲン系難燃剤を配合してもよい。

 前記非ハロゲン系難燃剤としては、例え 、リン系難燃剤、窒素系難燃剤、シリコー 系難燃剤、無機系難燃剤、有機金属塩系難 剤等が挙げられ、それらの使用に際しても 等制限されるものではなく、単独で使用し も、同一系の難燃剤を複数用いても良く、 た、異なる系の難燃剤を組み合わせて用い ことも可能である。

 前記リン系難燃剤としては、無機系、有 系のいずれも使用することができる。無機 化合物としては、例えば、赤リン、リン酸 アンモニウム、リン酸二アンモニウム、リ 酸三アンモニウム、ポリリン酸アンモニウ 等のリン酸アンモニウム類、リン酸アミド の無機系含窒素リン化合物が挙げられる。

 また、前記赤リンは、加水分解等の防止 目的として表面処理が施されていることが ましく、表面処理方法としては、例えば、( i)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム 水酸化亜鉛、水酸化チタン、酸化ビスマス 水酸化ビスマス、硝酸ビスマス又はこれら 混合物等の無機化合物で被覆処理する方法 (ii)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウ ム、水酸化亜鉛、水酸化チタン等の無機化合 物、及びフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂の 混合物で被覆処理する方法、(iii)水酸化マグ シウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛 水酸化チタン等の無機化合物の被膜の上に ェノール樹脂等の熱硬化性樹脂で二重に被 処理する方法等が挙げられる。

 前記有機リン系化合物としては、例えば リン酸エステル化合物、ホスホン酸化合物 ホスフィン酸化合物、ホスフィンオキシド 合物、ホスホラン化合物、有機系含窒素リ 化合物等の汎用有機リン系化合物の他、9,10 -ジヒドロ-9-オキサー10-ホスファフェナント ン=10-オキシド、10-(2,5―ジヒドロオキシフェ ニル)―10H-9-オキサ-10-ホスファフェナントレ =10-オキシド、10―(2,7-ジヒドロオキシナフ ル)-10H-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン=1 0-オキシド等の環状有機リン化合物、及びそ をエポキシ樹脂やフェノール樹脂等の化合 と反応させた誘導体等が挙げられる。

 それらの配合量としては、リン系難燃剤 種類、硬化性樹脂組成物の他の成分、所望 難燃性の程度によって適宜選択されるもの あるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、 ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添 剤等全てを配合した硬化性樹脂組成物100質 部中、赤リンを非ハロゲン系難燃剤として 用する場合は0.1~2.0質量部の範囲で配合する ことが好ましく、有機リン化合物を使用する 場合は同様に0.1~10.0質量部の範囲で配合する とが好ましく、特に0.5~6.0質量部の範囲で配 合することが好ましい。

 また前記リン系難燃剤を使用する場合、 リン系難燃剤にハイドロタルサイト、水酸 マグネシウム、ホウ化合物、酸化ジルコニ ム、黒色染料、炭酸カルシウム、ゼオライ 、モリブデン酸亜鉛、活性炭等を併用して よい。

 前記窒素系難燃剤としては、例えば、ト アジン化合物、シアヌル酸化合物、イソシ ヌル酸化合物、フェノチアジン等が挙げら 、トリアジン化合物、シアヌル酸化合物、 ソシアヌル酸化合物が好ましい。

 前記トリアジン化合物としては、例えば メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグア ミン、メロン、メラム、サクシノグアナミ 、エチレンジメラミン、ポリリン酸メラミ 、トリグアナミン等の他、例えば、(i)硫酸 アニルメラミン、硫酸メレム、硫酸メラム どの硫酸アミノトリアジン化合物、(ii)フェ ノール、クレゾール、キシレノール、ブチル フェノール、ノニルフェノール等のフェノー ル類と、メラミン、ベンゾグアナミン、アセ トグアナミン、ホルムグアナミン等のメラミ ン類およびホルムアルデヒドとの共縮合物、 (iii)前記(ii)の共縮合物とフェノールホルムア ルデヒド縮合物等のフェノール樹脂類との混 合物、(iv)前記(ii)、(iii)を更に桐油、異性化 マニ油等で変性したもの等が挙げられる。

 前記シアヌル酸化合物の具体例としては 例えば、シアヌル酸、シアヌル酸メラミン を挙げることができる。

 前記窒素系難燃剤の配合量としては、窒 系難燃剤の種類、硬化性樹脂組成物の他の 分、所望の難燃性の程度によって適宜選択 れるものであるが、例えば、エポキシ樹脂 硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の 填材や添加剤等全てを配合した硬化性樹脂 成物100質量部中、0.05~10質量部の範囲で配合 することが好ましく、特に0.1~5質量部の範囲 配合することが好ましい。

 また前記窒素系難燃剤を使用する際、金 水酸化物、モリブデン化合物等を併用して よい。

 前記シリコーン系難燃剤としては、ケイ 原子を含有する有機化合物であれば特に制 がなく使用でき、例えば、シリコーンオイ 、シリコーンゴム、シリコーン樹脂等が挙 られる。

 前記シリコーン系難燃剤の配合量として 、シリコーン系難燃剤の種類、硬化性樹脂 成物の他の成分、所望の難燃性の程度によ て適宜選択されるものであるが、例えば、 ポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤 びその他の充填材や添加剤等全てを配合し 硬化性樹脂組成物100質量部中、0.05~20質量部 の範囲で配合することが好ましい。また前記 シリコーン系難燃剤を使用する際、モリブデ ン化合物、アルミナ等を併用してもよい。

 前記無機系難燃剤としては、例えば、金 水酸化物、金属酸化物、金属炭酸塩化合物 金属粉、ホウ素化合物、低融点ガラス等が げられる。

 前記金属水酸化物の具体例としては、例 ば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシ ム、ドロマイト、ハイドロタルサイト、水 化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ジ コニウム等を挙げることができる。

 前記金属酸化物の具体例としては、例え 、モリブデン酸亜鉛、三酸化モリブデン、 ズ酸亜鉛、酸化スズ、酸化アルミニウム、 化鉄、酸化チタン、酸化マンガン、酸化ジ コニウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸 コバルト、酸化ビスマス、酸化クロム、酸 ニッケル、酸化銅、酸化タングステン等を げることができる。

 前記金属炭酸塩化合物の具体例としては 例えば、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭 カルシウム、炭酸バリウム、塩基性炭酸マ ネシウム、炭酸アルミニウム、炭酸鉄、炭 コバルト、炭酸チタン等を挙げることがで る。

 前記金属粉の具体例としては、例えば、 ルミニウム、鉄、チタン、マンガン、亜鉛 モリブデン、コバルト、ビスマス、クロム ニッケル、銅、タングステン、スズ等を挙 ることができる。

 前記ホウ素化合物の具体例としては、例 ば、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホ 酸バリウム、ホウ酸、ホウ砂等を挙げるこ ができる。

 前記低融点ガラスの具体例としては、例え 、シープリー(ボクスイ・ブラウン社)、水 ガラスSiO 2 -MgO-H 2 O、PbO-B 2 O 3 系、ZnO-P 2 O 5 -MgO系、P 2 O 5 -B 2 O 3 -PbO-MgO系、P-Sn-O-F系、PbO-V 2 O 5 -TeO 2 系、Al 2 O 3 -H 2 O系、ホウ珪酸鉛系等のガラス状化合物を挙 ることができる。

 前記無機系難燃剤の配合量としては、無 系難燃剤の種類、硬化性樹脂組成物の他の 分、所望の難燃性の程度によって適宜選択 れるものであるが、例えば、エポキシ樹脂 硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の 填材や添加剤等全てを配合した硬化性樹脂 成物100質量部中、0.05~20質量部の範囲で配合 することが好ましく、特に0.5~15質量部の範囲 で配合することが好ましい。

 前記有機金属塩系難燃剤としては、例え 、フェロセン、アセチルアセトナート金属 体、有機金属カルボニル化合物、有機コバ ト塩化合物、有機スルホン酸金属塩、金属 子と芳香族化合物又は複素環化合物がイオ 結合又は配位結合した化合物等が挙げられ 。

 前記有機金属塩系難燃剤の配合量として 、有機金属塩系難燃剤の種類、硬化性樹脂 成物の他の成分、所望の難燃性の程度によ て適宜選択されるものであるが、例えば、 ポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤 びその他の充填材や添加剤等全てを配合し 硬化性樹脂組成物100質量部中、0.005~10質量 の範囲で配合することが好ましい。

 本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に じて無機質充填材を配合することができる 前記無機質充填材としては、例えば、溶融 リカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素、 酸化アルミ等が挙げられる。前記無機充填 の配合量を特に大きくする場合は溶融シリ を用いることが好ましい。前記溶融シリカ 破砕状、球状のいずれでも使用可能である 、溶融シリカの配合量を高め且つ成形材料 溶融粘度の上昇を抑制するためには、球状 ものを主に用いる方が好ましい。更に球状 リカの配合量を高めるためには、球状シリ の粒度分布を適当に調整することが好まし 。その充填率は難燃性を考慮して、高い方 好ましく、硬化性樹脂組成物の全体量に対 て20質量%以上が特に好ましい。また導電ペ ストなどの用途に使用する場合は、銀粉や 粉等の導電性充填剤を用いることができる

 本発明の硬化性樹脂組成物は、必要に応 て、シランカップリング剤、離型剤、顔料 乳化剤等の種々の配合剤を添加することが きる。

 本発明の硬化性樹脂組成物は、上記した 成分を均一に混合することにより得られる 以上詳述した硬化性樹脂組成物から本発明 硬化物を得る方法は、一般的な硬化性樹脂 成物の硬化方法に準拠すればよく、組み合 せる硬化剤の種類や用途等によって、適宜 熱温度条件を選択すればよいが、例えば、 発明の硬化性樹脂組成物を、20~250℃程度の 度範囲で加熱する方法が挙げられる。該硬 物の形態としては積層物、注型物、接着層 塗膜、フィルム等が挙げられる。

 本発明の硬化性樹脂組成物が用いられる 途としては、プリント配線基板材料、レジ トインキ、導電ペースト、ビルドアップ基 用層間絶縁材料、ビルドアップ用接着フィ ム、樹脂注型材料、接着剤等が挙げられる

 これら各種用途のうち、プリント配線基 、ビルドアップ用接着フィルム用途では、 ンデンサ等の受動部品やICチップ等の能動 品を基板内に埋め込んだ所謂電子部品内蔵 基板用の絶縁材料として用いることができ 。これらの中でも、高耐熱性、低熱膨張性 及び溶剤溶解性といった特性からプリント 線基板材料、レジストインキ、導電ペース ビルドアップ基板用層間絶縁材料、ビルド ップ用接着フィルムに用いることが好まし 。特に、本発明ではエポキシ樹脂自体の溶 溶解性が飛躍的に向上し、さらにその硬化 において耐熱性と低熱膨張率が発現される とからプリント配線板材料に用いることが も好ましい。

 ここで、本発明のプリント配線基板は、 記した有機溶剤(C)を含むワニス状の硬化性 脂組成物を、補強基材に含浸し銅箔を重ね 加熱圧着させることにより得られるもので る。ここで使用し得る補強基材は、紙、ガ ス布、ガラス不織布、アラミド紙、アラミ 布、ガラスマット、ガラスロービング布な が挙げられる。かかる方法を更に詳述すれ 、先ず、前記したワニス状の硬化性樹脂組 物を、用いた溶剤種に応じた加熱温度、好 しくは50~170℃で加熱することによって、硬 物であるプリプレグを得る。この時用いる 脂組成物と補強基材の質量割合としては、 に限定されないが、通常、プリプレグ中の 脂分が20~60質量%となるように調製すること 好ましい。次いで、上記のようにして得ら たプリプレグを、常法により積層し、適宜 箔を重ねて、1~10MPaの加圧下に170~250℃で10分 ~3時間、加熱圧着させることにより、目的と るプリント配線基板を得ることができる。

 次に、前記した各種用途の中で例えばレ ストインキを製造する方法は、例えば前記 化性樹脂組成物における硬化剤(B)としてカ オン重合触媒を用い、更に、顔料、タルク 及びフィラーを加えて目的とするレジスト ンキとする方法が挙げられる。この使用方 としては、上記のようにして得られたレジ トインキをスクリーン印刷方式にてプリン 基板上に塗布した後、レジストインキ硬化 とする方法が挙げられる。

 本発明の硬化性樹脂組成物から導電ペー トを製造する方法は、例えば、微細導電性 子を該硬化性樹脂組成物中に分散させ異方 導電膜用組成物とする方法、室温で液状で る回路接続用ペースト樹脂組成物や異方性 電接着剤とする方法が挙げられる。

 また、前記ビルドアップ基板用層間絶縁 料は、前記硬化性樹脂組成物にゴム、フィ ーなどを適宜配合して得ることができる。 れを用いてビルドアップ基板を製造するに 、先ず、該硬化性樹脂組成物を回路を形成 た配線基板にスプレーコーティング法、カ テンコーティング法等を用いて塗布した後 硬化させる。その後、必要に応じて所定の ルーホール部等の穴あけを行った後、粗化 により処理し、その表面を湯洗することに って、凹凸を形成させ、銅などの金属をめ き処理する。前記めっき方法としては、無 解めっき、電解めっき処理が好ましく、ま 前記粗化剤としては酸化剤、アルカリ、有 溶剤等が挙げられる。このような操作を所 に応じて順次繰り返し、樹脂絶縁層及び所 の回路パターンの導体層を交互にビルドア プして形成することにより、ビルドアップ 盤を得ることができる。但し、スルーホー 部の穴あけは、最外層の樹脂絶縁層の形成 に行う。また、銅箔上で当該樹脂組成物を 硬化させた樹脂付き銅箔を、回路を形成し 配線基板上に、170~250℃で加熱圧着すること で、粗化面を形成、メッキ処理の工程を省き 、ビルドアップ基板を作製することも可能で ある。

 本発明の硬化性樹脂組成物からビルドア プ用接着フィルムを製造する方法は、例え 、本発明の硬化性樹脂組成物を、支持フィ ム上に塗布し樹脂組成物層を形成させて多 プリント配線板用の接着フィルムとする方 が挙げられる。

 本発明の硬化性樹脂組成物をビルドアッ 用接着フィルムに用いる場合、該接着フィ ムは、真空ラミネート法におけるラミネー の温度条件(通常70℃~140℃)で軟化し、回路 板のラミネートと同時に、回路基板に存在 るビアホール或いはスルーホール内の樹脂 填が可能な流動性(樹脂流れ)を示すことが肝 要であり、このような特性を発現するよう上 記各成分を配合することが好ましい。

 ここで、多層プリント配線板のスルホー の直径は通常0.1~0.5mm、深さは通常0.1~1.2mmで り、通常この範囲で樹脂充填を可能とする が好ましい。なお回路基板の両面をラミネ トする場合はスルーホールの1/2程度充填さ ることが望ましい。

 上記した接着フィルムを製造する方法は 具体的には、ワニス状の本発明の硬化性樹 組成物を調製した後、支持フィルム(Y)の表 に、このワニス状の組成物を塗布し、更に 熱、あるいは熱風吹きつけ等により有機溶 を乾燥させて硬化性樹脂組成物の層(X)を形 させることにより製造することができる。

 形成される層(X)の厚さは、通常、導体層 厚さ以上とする。回路基板が有する導体層 厚さは通常5~70μmの範囲であるので、樹脂組 成物層の厚さは10~100μmの厚みを有するのが好 ましい。

 なお、本発明における層(X)は、後述する 護フィルムで保護されていてもよい。保護 ィルムで保護することにより、樹脂組成物 表面へのゴミ等の付着やキズを防止するこ ができる。

 前記した支持フィルム及び保護フィルム 、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩 ビニル等のポリオレフィン、ポリエチレン レフタレート(以下「PET」と略称することが ある。)、ポリエチレンナフタレート等のポ エステル、ポリカーボネート、ポリイミド 更には離型紙や銅箔、アルミニウム箔等の 属箔などを挙げることができる。なお、支 フィルム及び保護フィルムはマッド処理、 ロナ処理の他、離型処理を施してあっても い。

 支持フィルムの厚さは特に限定されない 、通常10~150μmであり、好ましくは25~50μmの 囲で用いられる。また保護フィルムの厚さ 1~40μmとするのが好ましい。

 上記した支持フィルム(Y)は、回路基板に ミネートした後に、或いは加熱硬化するこ により絶縁層を形成した後に、剥離される 接着フィルムを加熱硬化した後に支持フィ ム(Y)を剥離すれば、硬化工程でのゴミ等の 着を防ぐことができる。硬化後に剥離する 合、通常、支持フィルムには予め離型処理 施される。

 次に、上記のようして得られた接着フィ ムを用いて多層プリント配線板を製造する 法は、例えば、層(X)が保護フィルムで保護 れている場合はこれらを剥離した後、層(X) 回路基板に直接接するように、回路基板の 面又は両面に、例えば真空ラミネート法に りラミネートする。ラミネートの方法はバ チ式であってもロールでの連続式であって よい。またラミネートを行う前に接着フィ ム及び回路基板を必要により加熱(プレヒー ト)しておいてもよい。

 ラミネートの条件は、圧着温度(ラミネート 温度)を好ましくは70~140℃、圧着圧力を好ま くは1~11kgf/cm 2 (9.8×104~107.9×10 4 N/m 2 )とし、空気圧20mmHg(26.7hPa)以下の減圧下でラ ネートすることが好ましい。

 次に本発明を実施例、比較例により具体 に説明するが、以下において「部」及び「% 」は特に断わりのない限り質量基準である。 尚、150℃における溶融粘度及びGPC、NMR、MSス クトルは以下の条件にて測定した。

1)150℃における溶融粘度:ASTM D4287に準拠
2)軟化点測定法:JIS K7234

3)GPC:測定条件は以下の通り。
 測定装置 :東ソー株式会社製「HLC-8220 GPC」 、
 カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「H XL -L」
    +東ソー株式会社製「TSK-GEL G2000HXL」
    +東ソー株式会社製「TSK-GEL G2000HXL」
    +東ソー株式会社製「TSK-GEL G3000HXL」
    +東ソー株式会社製「TSK-GEL G4000HXL」
 検出器: RI(示差屈折径)
 データ処理:東ソー株式会社製「GPC-8020モデ IIバージョン4.10」
 測定条件: カラム温度  40℃
       展開溶媒   テトラヒドロフラン
       流速     1.0ml/分
 標準  : 前記「GPC-8020モデルIIバージョン4. 10」の測定マニュアルに準拠して、分子量が 知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
  (使用ポリスチレン)
   東ソー株式会社製「A-500」
   東ソー株式会社製「A-1000」
   東ソー株式会社製「A-2500」
   東ソー株式会社製「A-5000」
   東ソー株式会社製「F-1」
   東ソー株式会社製「F-2」
   東ソー株式会社製「F-4」
   東ソー株式会社製「F-10」
   東ソー株式会社製「F-20」
   東ソー株式会社製「F-40」
   東ソー株式会社製「F-80」
   東ソー株式会社製「F-128」
 試料  : 樹脂固形分換算で1.0質量%のテト ヒドロフラン溶液をマイクロフィルターで 過したもの(50μl)。
4)NMR:日本電子株式会社製 NMR GSX270
5)MS :日本電子株式会社製 二重収束型質量分 析装置 AX505H(FD505H)

実施例1
 温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹 器を取り付けたフラスコに、2,7-ジヒドロキ シナフタレンを240部(1.50モル)、37質量%ホルム アルデヒド水溶液85部(1.05モル)、イソプロピ アルコール376部、48%水酸化カリウム水溶液8 8部(0.75モル)を仕込み、室温下、窒素を吹き みながら撹拌した。その後、75℃に昇温し2 間攪拌した。反応終了後、第1リン酸ソーダ1 08部を添加して中和した後、イソプロピルア コールを減圧下除去し、メチルイソブチル トン480部を加えた。得られた有機層を水200 で3回水洗を繰り返した後に、メチルイソブ チルケトンを加熱減圧下に除去してフェノー ル化合物(A-1)245部得た。得られた化合物(A-1) 水酸基当量は84グラム/当量であった。得ら たフェノール化合物のGPCチャートを図1に、C 13 NMRチャートを図2に、MSスペクトルを図3に示 。C 13 NMRチャートから203ppm付近にカルボニル基が生 成していることを示すピークが検出され、ま たMSスペクトルから下記構造式


で表される原料フェノールを示す344のピーク が検出された。

 次いで、温度計、冷却管、撹拌器を取り付 たフラスコに窒素ガスパージを施しながら 記反応で得られたフェノール化合物(A-1)84部 (水酸基1.0当量)、エピクロルヒドリン463部(5.0 モル)、n-ブタノール53部を仕込み溶解させた 50℃に昇温した後に、20%水酸化ナトリウム 溶液220部(1.10モル)を3時間要して添加し、そ 後更に50℃で1時間反応させた。反応終了後 150℃減圧下で未反応エピクロルヒドリンを 去した。それで得られた粗エポキシ樹脂に チルイソブチルケトン300部とn-ブタノール50 部とを加え溶解した。更にこの溶液に10質量% 水酸化ナトリウム水溶液15部を添加して80℃ 2時間反応させた後に洗浄液のpHが中性とな まで水100部で水洗を3回繰り返した。次いで 沸によって系内を脱水し、精密濾過を経た に、溶媒を減圧下で留去して目的のエポキ 樹脂(A-2)126部を得た。得られたエポキシ樹 (A-2)の軟化点は95℃(B&R法)、溶融粘度(測定 法:ICI粘度計法、測定温度:150℃)は9.0dPa・s、 ポキシ当量は170グラム/当量であった。得ら たエポキシ樹脂のGPCチャートを図4に、C 13 NMRチャートを図5に、MSスペクトルを図6に示 。C 13 NMRチャートから203ppm付近にカルボニル基が生 成していることを示すピークが検出され、ま たMSスペクトルから下記構造式(i-α)を示す512 ピークが検出された。

 また、上記エポキシ樹脂(A-2)は、前記構 式(i-α)で表される化合物を  10.5質量%、下 構造式(i-β)


で表される化合物を39.6質量%、その他オリゴ ー成分を49.9質量%含有するものであった。

 実施例2
 37%ホルムアルデヒド水溶液を122部(1.50モル) した以外は実施例1と同様にして、目的のエ ポキシ樹脂(A-3)128部を得た。得られたエポキ 樹脂(A-3)の軟化点は98℃(B&R法)、溶融粘度 (測定法:ICI粘度計法、測定温度:150℃)は18.0dPa s、エポキシ当量は178グラム/当量であった 得られたエポキシ樹脂のGPCチャートを図7に C 13 NMRチャートを図8に、MSスペクトルを図9に示 。C 13 NMRチャートから203ppm付近にカルボニル基が生 成していることを示すピークが検出され、ま たMSスペクトルから前記構造式(i-α)を示す512 ピークが検出された。

 また、上記エポキシ樹脂(A-3)は、前記構 式(i-α)で表される化合物を15.5質量%、前記構 造式(i-β)で表される化合物を20.7質量%、その オリゴマー成分を63.8質量%含有するもので った。

 実施例3、4、及び比較例1
 エポキシ樹脂として、前記エポキシ樹脂(A-2 )、前記エポキシ樹脂(A-3)、及び比較用として エポキシ樹脂(A-4)[下記構造式


で表される4官能型ナフタレン系エポキシ樹 (DIC(株)製「エピクロンHP-4700」エポキシ当量1 65グラム/当量)]、硬化剤としてフェノールノ ラック型フェノール樹脂(DIC(株)製「TD-2131」 、水酸基当量:104g/eq)、硬化促進剤としてトリ フェニルホスフィン(TPP)を用いて表1に示した 組成で配合し、11cm×9cm×2.4mmの型枠に流し込 、プレスで150℃の温度で10分間成型した後、 型枠から成型物を取り出し、次いで、175℃の 温度で5時間後硬化して作成した。
耐熱性、線膨張率を評価した。また、前記エ ポキシ樹脂(A-2)、前記エポキシ樹脂(A-3)、及 エポキシ樹脂(A-4)についての溶剤溶解性を下 記の方法で測定した。結果を表1に示す。

<耐熱性(ガラス転移温度)>
粘弾性測定装置(DMA:レオメトリック社製固体 弾性測定装置RSAII、レクタンギュラーテン ョン法;周波数1Hz、昇温速度3℃/min)を用いて 弾性率変化が最大となる(tanδ変化率が最も きい)温度をガラス転移温度として評価した 。

<線膨張係数>
 熱機械分析装置(TMA:セイコーインスツルメ ト社製SS-6100)を用いて、圧縮モードで熱機械 分析を行った。
 測定条件
 測定架重:88.8mN
 昇温速度:3℃/分で2回
 測定温度範囲:-50℃から300℃
 上記条件での測定を同一サンプルにつき2回 実施し、2回目の測定における、25℃から280℃ の温度範囲における平均膨張係数を線膨張係 数として評価した。

<溶剤溶解性>
 エポキシ樹脂10部とメチルエチルケトン4.3 をサンプル瓶中、密閉状態60℃で溶解させた 。その後、25℃まで冷却し、結晶が析出する 評価した。結晶が析出しない場合は○、結 が析出した場合は×として判定した。

 実施例5及び比較例2
 下記表2記載の配合に従い、エポキシ樹脂と 硬化剤としてフェノールノボラック型フェノ ール樹脂(DIC(株)製「TD-2090」、水酸基当量:105g /eq)及び硬化促進剤として2-エチル-4-メチルイ ミダゾール(2E4MZ)を配合し、最終的に各組成 の不揮発分(N.V.)が58質量%となるようにメチ エチルケトンを配合して調整した。

 次いで、下記の如き条件で硬化させて積 板を試作し、下記の方法で耐熱性及び熱膨 係数を評価した。結果を表2に示す。

<積層板作製条件>
 基材:日東紡績株式会社製  ガラスクロス #2116」(210×280mm)
 プライ数:6 プリプレグ化条件:160℃
 硬化条件:200℃、40kg/cm 2 で1.5時間、成型後板厚:0.8mm

<耐熱性(ガラス転移温度)>
 積層板を5mm×54mm×0.8mmのサイズに切り出し、 これを試験片として粘弾性測定装置(DMA:レオ トリック社製固体粘弾性測定装置「RSAII」 レクタンギュラーテンション法:周波数1Hz、 温速度3℃/分)を用いて、弾性率変化が最大 なる(tanδ変化率が最も大きい)温度をガラス 転移温度として評価した。

<線膨張係数>
 積層板を5mm×5mm×0.8mmのサイズに切り出し、 れを試験片として熱機械分析装置(TMA:セイ ーインスツルメント社製SS-6100)を用いて、圧 縮モードで熱機械分析を行った。
 測定条件
  測定架重:88.8mN
  昇温速度:3℃/分で2回
  測定温度範囲:-50℃から300℃
 上記条件での測定を同一サンプルにつき2回 実施し、2回目の測定における、240℃から280 の温度範囲における平均膨張係数を線膨張 数として評価した。