Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
CUSHION OF TYPE CONTAINING LIQUID THEREIN, ADAPTED FOR APPLICATION TO SEATBACK ETC.
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/057326
Kind Code:
A1
Abstract:
[PROBLEMS] A synthetic resin cushion of type containing liquid therein, which smoothly follows a change in the attitude of a person sitting on a chair and leaning on the seatback and allows the liquid to flow in or out between adjacent regions (between liquid receiving small chambers (I-IV)) corresponding to the shape of the upper body of the person and in which the inflow or the outflow of the liquid excellently disperses body pressure from the person in response to a change in the pressure exerted by the person's back on the cushion. Even if the cushion is located on a slope surface or a vertical surface, for example, on the seatback of the chair, the liquid in the cushion does not excessively flow downward to swell the cushion. [MEANS FOR SOLVING PROBLEMS] When the liquid flows in or out between liquid receiving chambers (3a-3d) through orifices of the respective chambers, the inflow or the outflow of the liquid is controlled. Also, the liquid in the liquid receiving chambers easily moves mainly in the horizontal direction and flows in a controlled manner between the liquid receiving chambers arranged in a vertically offset relationship.

Inventors:
MORITA NOBUYOSHI (JP)
TAKANO JUNICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/003146
Publication Date:
May 07, 2009
Filing Date:
October 31, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
HAMAMATSU FOUND SCI & TECH PRO (JP)
WALKING DAY CO LTD (JP)
MORITA NOBUYOSHI (JP)
TAKANO JUNICHI (JP)
International Classes:
A47C27/00; A47C7/46
Foreign References:
JPH07275087A1995-10-24
JPH01150067U1989-10-17
JPH0518565B21993-03-12
JP2000023793A2000-01-25
Attorney, Agent or Firm:
KOSHIKAWA, Takao (111-2 Itayamachi,Naka-ku, Hamamatsu-shi, Shizuoka 91, JP)
Download PDF:
Claims:
 重ね合わされた一対の合成樹脂シートが融着されて形成された周縁融着部で囲まれ密閉された液体収容室を1つ以上有し、前記液体収容室は、その周縁融着部内の領域に前記合成樹脂シートの融着で形成された複数の融着堰部と液体流路が狭くなっている多数のオリフィス部とにより形成された液体収容小部屋を複数有しており、液体収容室内の各液体収容小部屋は、液体がそれぞれ充満していて連通しており、液体が液体収容室の液体収容小部屋の各オリフィス部を経由して流出又は流入する際に、液体の流入又は流出が制御されると共に、前記の液体収容室内の液体が主として水平方向に容易に流動し、液体が上下方向に配置された各液体収容小部屋の間で制御されて流動し移動できるようになっている、ことを特徴とする背もたれ用等の液体内蔵型クッション。
 前記の液体収容室を有する液体内蔵型クッションは、水平面に対して角度30~90°で立上っている椅子の背もたれ等の傾斜面又は垂直面に配設されて用いられるものである、請求項1に記載の背もたれ用等の液体内蔵型クッション。
 前記の液体収容室において、周縁融着部が上部周縁融着部と、左右先端の突出弧状周縁融着部、下部周縁融着部とからなっており、その上部周縁融着部と下部周縁融着部との上下間隔は5~25cmの範囲内であり、また、左右端部への突出弧状周縁融着部の左右間隔は、前記の上下間隔の2~6倍の範囲内である請求項1に記載の背もたれ用等の液体内蔵型クッション。
 液体収容室を形成している周縁融着部の領域内には下部の第1融着堰部、中央部の第2融着堰部、上部左右に対で形成されている上部の第3融着堰部及び上部の第4融着堰部からなる融着堰部が多数設けられていて、オリフィス部を4~20箇所に有していると共に、液体が充満している液体収容小部屋4~10が形成されていて、液体収容室内の液体が主として水平方向に容易に流動しうると共に、上下に配置された液体収容小部屋間でも液体が流動し移動しうる、請求項1に記載の背もたれ用等の液体内蔵型クッション。
 液体収容室の周縁融着部の領域内における下部の第1融着堰部は、液体収容室の下部周縁融着部の全長の50~80%にわたって、液体収容室の中央部から左右方向に向かって斜め上方に延びて、下方に向かって突出する左右一対の弧状堰部として融着・形成されているものであり、前記の下部周縁融着部と第1融着堰部との間の最も狭い部分が液体収容室の上下方向の幅の1/10~1/4の範囲内であって、第1融着堰部における左右の先端部が液体収容室の上下方向の幅の中央部付近にまで到達している、請求項4に記載の背もたれ用等の液体内蔵型クッション。
 液体収容室の周縁融着部の領域内における中央部の第2融着堰部は、下部の第1融着堰部の中央部から上方に向かって液体収容室の上部周縁融着部に付近まで融着・形成されており、その第2融着堰部の上部先端と上部周縁融着部との間隔が、液体収容室の上下方向の幅の1/10~1/4の範囲内である、請求項4及び5に記載の背もたれ用等の液体内蔵型クッション。
 液体収容室の周縁融着部の領域内における上部左右の第3融着堰部及び第4融着堰部は、該液体収容室における第1融着堰部の先端部と上部周縁融着部との間の中央部付近から該液体収容室の左右先端の突出弧状周縁融着部に沿って弧状堰部として溶融・形成されているものである請求項4、5及び6に記載の背もたれ用等の液体内蔵型クッション。
 前記の液体内蔵型クッションは、液体が充填されている液体収容室が長手方向に平行に上下に複数配置されているものであるか、又は、液体が充填されている液体収容室を有するクッション部材が長手方向に平行に上下に並べられて複数連結されているものである請求項1に記載の背もたれ用等の液体内蔵型クッション。
 前記の液体内蔵型クッションにおいて、液体が充填された液体収容室が、重ね合わされた一対の合成樹脂シートをそれぞれ環状に融着して渦巻き状に隣接して配置されている複数の環状液体収容室を有し、前記の渦巻き状に隣接して配置されている各環状液体収容室は、それぞれ、周縁融着部が環状に連続的に融着されており、各環状液体収容室を形成している周縁融着部内の領域に前記合成樹脂シートの融着で形成された多数の融着堰部と液体流路が狭くなっている多数のオリフィス部とにより形成された多数の液体収容小部屋を有していることを特徴とする請求項1に記載の背もたれ用等の液体内蔵型クッション。
 前記の環状液体収容室が、それぞれ、周縁融着部が連続的に環状に融着されており、環状液体収容室において下部に位置する各環状部分の内径が、環状液体収容室の上部に位置する各環状部分の内径の0.1~0.8倍の割合となるようにそれぞれ小さくなっている請求項9の背もたれ用等の液体内蔵型クッション。
Description:
背もたれ用等の液体内蔵型クッ ョン

 本発明は、人が着座可能である椅子の背 たれ部などの傾斜面、垂直面に配設されう 背もたれ用等のクッション、特に、柔軟な 成樹脂シート製の液体内蔵型クッションに わるものである。

 従来、合成樹脂シート製の水性液体収容 ックとして、振動が伝播せず、身体に柔ら くフィットし、頭の座りのよい、水枕、ウ ータベッド等として使用されるものが知ら ている。

 例えば、特許文献1で示されているように、 重ね合わせた軟質のプラスチックシートを周 縁に沿って融着させることによって構成され た、水性液体を収容して密封された袋であっ て、内部が、向い合う該シート同志を接触面 で融着させてなる網目状に配列された融着帯 により複数の室に区分されており、該複数の 室の各々が隣接の室と液体流路を介して連通 しており、該液体流路が、限定された間隙を 生ずるように不連続部を該融着帯に設けるよ うに形成されており、室に対し外部から加圧 したとき該室から該液体の流出が該液体流路 の抵抗で遅延されるよう構成されている、水 性液体収容バックが提案されている。

特開2000-217685号公報

 しかし、特開2000-217685号公報には、上記 水性液体収容バックは、網目状に配列され 融着帯により複数の室に区分されており、 複数の室の各々が隣接の室と液体流路を介 て連通している、水性液体を収容して密封 れた軟質のプラスチックシート製の袋とし 開示されており、水枕、ウォータベッド等 して使用されることが開示されているけれ も、人が着座可能な椅子の背もたれ部など 配設して利用してすることについて開示さ ていない。網目状に配列された融着帯によ 区分され連通している複数の室を有するプ スチックシート製の袋では、人の体型に対 しておらず、しかも、人の姿勢変化に追従 て、当該人の背圧などに対応した体圧分散 効果的に行わせることが実質的にできなか たのである。

 従来公知の網目状の隣接する室を有する 性液体収容バックは、椅子に着座してその もたれ部に寄りかかる人の上半身の背中な の体型に対応し、しかも、当該人の姿勢変 に基づく背圧の変化に容易に追従して体圧 散させることが実質的にできないという問 があり、そのような場合に体圧分散機能を 果的に奏することができる背もたれ用のク ションが期待されていた。

 本発明は、このような事情に鑑みてなさ たもので、椅子に着座して背もたれ部に寄 かかる人の姿勢変化に滑らかに追従して、 の上半身の体型に対応している、隣接する 域間(液体充填小部屋間)で液体を流入又は 出させうると共に、その液体の流入又は流 により当該人の背圧の変化に従って良好に 圧分散させることができる背もたれ用クッ ョンであって、しかも、椅子の背もたれ部 どの傾斜面又は垂直面に配設しても充填さ ている液体が下方に過剰に移動して膨らん しまうことがない、合成樹脂シート製の液 内蔵型クッションを提供することを目的と るものである。

 請求項1記載の発明は、重ね合わされた一 対の合成樹脂シートが融着されて形成された 周縁融着部で囲まれ密閉された液体収容室( 下、『長尺セル』ともいう。)を1つ以上有し 、前記の長尺セルは、その周縁融着部内の領 域に前記合成樹脂シートの融着で形成された 複数の融着堰部と液体流路が狭くなっている 多数のオリフィス部とにより形成された液体 収容小部屋を複数有しており、長尺セル内の 各液体収容小部屋は、液体がそれぞれ充満し ていて連通しており、液体が長尺セルの液体 収容小部屋の各オリフィス部を経由して流出 又は流入する際に、液体の流入又は流出が制 御されると共に、前記の長尺セル内の液体が 主として水平方向(長手方向)に容易に流動し 液体が上下方向に配置された各液体収容小 屋の間で制御されて流動し移動できるよう なっている、ことを特徴とする。前記のオ フィス部の間隔が、0.5~5cm(特に好ましくは1~ 3cm)であることが、人の体位の変化に追従す ように、液体が流出又は流入するために、 ましい。

 請求項2記載の発明は、前記の長尺セルを 有する液体内蔵型クッションは、水平面に対 して角度30~90°(好ましくは40~90°)で立上って る椅子の背もたれ等の傾斜面又は垂直面に 設されて用いられるものである、請求項1に 載の背もたれ用等の液体内蔵型クッション

 請求項3記載の発明は、前記の長尺セルに おいて、周縁融着部が上部周縁融着部と、左 右先端の突出弧状周縁融着部、下部周縁融着 部とからなっており、その上部周縁融着部と 下部周縁融着部との上下間隔は5~25cm(好まし は5~15cm)の範囲内であり、また、左右端部へ 突出弧状周縁融着部の左右間隔は、前記の 下間隔の2~6倍(好ましくは2.5~5倍)の範囲内で ある請求項1に記載の背もたれ用等の液体内 型クッション。

 請求項4記載の発明は、長尺セルを形成し ている周縁融着部の領域内には下部の第1融 堰部、中央部の第2融着堰部、上部左右に対 形成されている上部の第3融着堰部及び上部 の第4融着堰部からなる融着堰部が多数設け れていて、オリフィス部を4~20箇所に有して ると共に、液体が充満している液体収容小 屋4~10が形成されていて、長尺セル内の液体 が主として水平方向(長手方向)に容易に流動 うると共に、上下に配置された液体収容小 屋間でも液体が流動し移動しうる、請求項1 に記載の背もたれ用等の液体内蔵型クッショ ン。

 請求項5記載の発明は、長尺セルの周縁融 着部の領域内における下部の第1融着堰部は 長尺セルの下部周縁融着部の全長の50~80%に たって、長尺セルの中央部から左右方向(水 方向)に向かって斜め上方に延びて、下方に 向かって突出する左右一対の弧状堰部として 融着・形成されているものであり、前記の下 部周縁融着部と第1融着堰部との間の最も狭 部分が長尺セルの上下方向の幅の1/10~1/4の範 囲内であって、第1融着堰部(一対の弧状堰部) における左右の先端部が長尺セルの上下方向 の幅の中央部付近にまで到達している、請求 項4に記載の背もたれ用等の液体内蔵型クッ ョン。

 請求項6記載の発明は、長尺セルの周縁融 着部の領域内における中央部の第2融着堰部 、下部の第1融着堰部の中央部から上方に向 って長尺セルの上部周縁融着部に付近まで 着・形成されており、その第2融着堰部の上 部先端と上部周縁融着部との間隔が、長尺セ ルの上下方向の幅の1/10~1/4の範囲内である、 求項4及び5に記載の背もたれ用等の液体内 型クッション。

 請求項7記載の発明は、長尺セルの周縁融 着部の領域内における上部左右の第3融着堰 及び第4融着堰部は、該長尺セルにおける第1 融着堰部(1対の弧状堰部)の先端部と上部周縁 融着部との間の中央部付近から該長尺セルの 左右先端の突出弧状周縁融着部に沿って弧状 堰部として溶融・形成されているものである 請求項4、5及び6に記載の背もたれ用等の液体 内蔵型クッション。

 請求項8記載の発明は、前記の液体内蔵型 クッションは、液体が充填されている長尺セ ルが長手方向に平行に上下に複数配置されて いるものであるか、又は、液体が充填されて いる長尺セルを有するクッション部材が長手 方向に平行に上下に並べられて複数連結され ているものである請求項1に記載の背もたれ 等の液体内蔵型クッション。

 請求項9記載の発明は、前記の液体内蔵型 クッションにおいて、液体が充填された長尺 セルが、重ね合わされた一対の合成樹脂シー トをそれぞれ環状に融着して渦巻き状に隣接 して配置されている複数の環状液体収容室( 下、『環状セル』という。)を有し、前記の 巻き状に隣接して配置されている各環状セ は、それぞれ、周縁融着部が環状に連続的 融着されており、各環状セルを形成してい 周縁融着部内の領域に前記合成樹脂シート 融着で形成された多数の融着堰部と液体流 が狭くなっている多数のオリフィス部とに り形成された多数の液体収容小部屋を有し いることを特徴とする背もたれ用等の液体 蔵型クッション。

 請求項10記載の発明は、前記の環状セル 、それぞれ、周縁融着部が連続的に環状に 着されており、環状セルにおいて下部に位 する各環状部分の内径が、環状液体収容室 上部に位置する各環状部分の内径の0.1~0.8倍 割合となるようにそれぞれ小さくなってい 請求項9の背もたれ用等の液体内蔵型クッシ ョン。

 前記の第1の発明(請求項1~8)に記載の背も れ用等の液体内蔵型クッションであれば、 体が前記の長尺セルの下方に重力で過剰に まって膨らんでしまうことを防止すること でき、前述の椅子の背もたれ等の傾斜面に 置して好適に使用でき、体圧分散効果を効 的に奏することができる。

 第1の発明では、請求項3に示されている うに、前記の長尺セルにおいて、周縁融着 が上部周縁融着部と、左右先端の突出弧状 縁融着部、下部周縁融着部とからなってお 、その上部周縁融着部と下部周縁融着部と 上下間隔は10~25cm(好ましくは10~20cm)の範囲内 あり、また、左右端部への突出弧状周縁融 部の左右間隔は、前記の上下間隔の1.5~3.5倍 (好ましくは2.0~3.0倍)の範囲内である、前記の 請求項1に記載の背もたれ用等の液体内蔵型 ッションであれば、長尺セル内の液体が主 して水平方向へ好適に流動させうるので、 の姿勢変化に追従する体圧分散効果をかな 好適に奏することができる。前記の長尺セ においては、長尺方向(水平方向)の左右間隔 が、20~80cm(特に25~60cm程度)であることが最適 ある。

 本願の第2の発明は、請求項9に示されて るように、液体内蔵型クッションにおいて 液体が充満されている長尺セルが、重ね合 された一対の合成樹脂シートをそれぞれ環 に融着して渦巻き状に隣接して配置されて る複数の環状液体収容室(以下、「環状セル という。)を有し、前記の渦巻き状に隣接し て配置されている各環状セルは、それぞれ、 周縁融着部が環状に連続的に融着されており 、各環状セルを形成している周縁融着部内の 領域に前記合成樹脂シートの融着で形成され た多数の融着堰部(好ましくは4~40個、特に好 しくは10~30個の融着堰部)と液体流路が狭く っている多数のオリフィス部(好ましくは5~5 0個、特に好ましくは10~40個のオリフィス部) により形成された多数の液体収容小部屋(好 しくは5~50個、特に好ましくは10~40個の液体 容小部屋)を有していることを特徴とする背 もたれ用等の液体内蔵型クッションに関する 。

 本発明において、液体内蔵型クッション 、主として、椅子の背もたれ部(傾斜面又は 垂直面)に配設して用いるものである。尚、 発明においては、椅子の背もたれ部とは、 が椅子に着座して寄りかかった場合に、人 肩部(肩甲骨付近)から腰部(仙骨付近)が接す 部分の一部又は全体を言う。従って、本発 における液体内蔵型クッションでは、椅子 背もたれ部の全体に用いることができるだ ではなく、肩あて用、腰当て用でも使用す ことができ、その場合には、該液体内蔵型 ッションは、長尺セルを1~2個有しているも であればよい。

 又、本発明における液体内蔵型クッショ は、上半身を起き上げるための「ギャッヂ ップの機能」(背上げ機能)を有する電動式 ャッチベットなどにおいて、その電動ベッ の背上げられた部分(傾斜面を形成する部分) であって人の肩部から腰部までの背中部分が 一部又は全部接する箇所に配設けて使用する こともできる。本発明の液体内蔵型クッショ ンは、前述のように、人が長時間寄り掛かっ ているような種々の福祉機器の傾斜面又は垂 直面に配設けることができる。

 本願の第1の発明の液体内蔵型クッション は、椅子などの背もたれ部などの傾斜面又は 垂直面に配設した場合にも、水平方向に伸び ている長尺の液体収容室(長尺セル)を少なく も1つ有するように形成されているので、充 満されている液体が重力によって長尺セルの 下部に著しく集まって効果的な体圧分散を困 難にすることがなく、更に、例えば、人が椅 子に着座して背もたれ部に寄りかかる場合に 、その人の姿勢変化に滑らかに追従して、各 長尺セルの液体が主として水平方向へそれぞ れ流動すると共に、各長尺セルの内部領域に 存在する上下に隣接する液体収容小部屋間で オリフィス部を介して液体を流入又は流出さ せて液体を上下にも流動させうるので、その 液体の液体収容小部屋間での流入又は流出に より当該人の姿勢変化による背圧の変化に追 従して、良好に体圧分散させることができる という効果を奏する。

 本願の第2の発明の液体内蔵型クッション によれば、椅子などの背もたれ部の傾斜面又 は垂直面に設置した場合にも、環状セルが複 数渦巻き状に隣接して配置されているもので あり、各環状セルの下部の内径が上部の内径 より小さくなっているので、充填されている 液体が重力によって各環状セルの下部に著し く集まって効果的な体圧分散を困難にするこ とがなく、例えば、人が椅子に着座して背も たれ部に寄りかかる場合に、その人の姿勢変 化に滑らかに追従して、液体内蔵型クッショ ンにおける環状セル内の液体が水平方向へ流 動しうると共に、環状セル内の液体が上下方 向にも容易に流動しうるので、当該人の姿勢 変化による背圧の変化に追従して、二次元的 にかなり良好に体圧分散させることができる という効果を有する。

 以下、本発明の実施形態について図面を参 しながら具体的に説明する。
 本発明における実施形態に係る背もたれ用 の液体内蔵型クッション3は、図1に示すよ に、例えば、人が着座可能な椅子1の背もた 部1a(好ましくは30~90°、特に好ましくは40~90 )の傾斜面又は垂直面に、適当な下部弾性材 を介して配設されるものであり、例えば、 該背もたれ部1aの傾斜部上に設けられた下 弾性材料(成形ウレタンなど)2の上に、柔軟 合成樹脂シートから成形された液体内蔵型 ッション3が配設され、その上には上部弾性 料(成形ウレタンなど)4と被覆材料(織布、不 織布、綿布内蔵袋体など)5で被覆されて、使 されうるものである。

 この液体内蔵型クッション3は、図2に示 れているように、例えば、背もたれ部1aの水 平方向(図2中の左右方向)に延設され、且つ、 長尺セルの下部に第1融着堰部7c、長尺セルの 略中央部の上下方向に第2融着堰部7a、長尺セ ルの上部に一対の第3融着堰部7b及び第4融着 部7bがそれぞれ形成されている長尺セル(3a~3d )が当該背もたれ部1aに対応して、左右方向( 平方向)と平行になるように並べて配設され ものが好ましい。

 本願の第1の発明では、前記の図2に記載 れた液体内蔵型クッションに限定されるも ではなく、液体が充満されている長尺セル1 であるか、或いは、好ましくは長尺セル2~10 個、特に好ましくは3~6個が上下に平行に並べ て形成されている液体内蔵型クッションであ ってもよい。本発明の液体内蔵型クッション が有している周縁融着部で液体を内蔵してい る長尺セルは、図2に示されているように、 記の周縁融着部における上部周縁融着部と 部周縁封着部とが平行な直線で形成されて れば十分であるが、必要であれば、例えば の上部周縁融着部と下部周縁融着部とが下 に突出している弧状となっているものであ ても、液体が上方向に流動し易くなるので 好ましいこともある。尚、図1中の符号1bは 椅子1の脚部1bを示しているとともに、符号2 4、5、6は、それぞれ椅子1の背もたれ部1aに 設されている下部弾性材料(成形ウレタンな ど)2、上部弾性材料(上部ウレタンなど)4、被 材料(被覆織布、皮革など)5を示し、更に、 号6は、椅子1の座面6を示している。

 本願の第1の発明の液体内蔵型クッション は、図2に示すように、例えば、椅子の背も れ部1aの幅方向(水平方向)に延設されうるも であり、且つ、長尺セルの略中央の上下方 に第2融着堰部7a、長尺セルの下部に第1融着 堰部7c、長尺セルの上部に対の第3融着堰部7b び第4融着堰部7bが設けられている長尺セル3 a~3dが当該背もたれ部に対応して上下方向に 数並べて配設されたものであるので、人が 子に着座して背もたれ部に寄りかかって人 左右方向に姿勢変化しても滑らか且つ確実 追従するように、隣接する領域間(液体収納 部屋間)で液体を流入又は流出させて、その 液体の流入又は流出による当該人の背圧の変 化に追従して、より良好に体圧分散させるこ とができる。

 本願の第1の発明の液体内蔵型クッション における長尺セルの多数の融着堰部により区 分けされた領域である多数の液体収容小部屋 は、図2に示すように、例えば、長尺セルの 部に位置する液体収容小部屋(I)及び(II)の方 、上部に位置する液体収容小部屋(III)及び(I V)よりも、液体収容小部屋の上下方向の寸法 小さく形成されているものが、充満してい 液体の重力によって自重で長尺セルにおけ 下部に液体が過度に溜まってしまうのを回 することができるので、適当である。

 本願の第1の発明の液体内蔵型クッション は、長尺セルの融着堰部が、各液体収容小部 屋における液体の下部方向への流動を抑制す るように、下方に突起している弧状の融着堰 部を形成していることが、椅子に着座して背 もたれ部に寄りかかる人の姿勢変化に追従し て液体が流動する際、重力による影響を抑制 して、上部方向への流動と下部方向への流動 を略均衡させることができるので好ましい。

 本願の第2の発明の液体内蔵型クッション は、図27及び図28に示されているように、背 たれ部1aに対応して、環状に延びつつ液体を 収容している環状長尺セル7a’、又は7a”を 数隣接させ渦巻き状に配設させたものから り、各環状長尺セル7a’、又は7a”において 当該背もたれ部の下部に対応し位置する環 長尺セルの下部内径の方が上部に位置する 状長尺セルの下部内径より小さく形成され いることが、重力による液体の自重で液体 蔵型クッション3’又は3”における下部に 体が過剰に溜まってしまうのをそれぞれ回 することができるので、好ましい。

 本願の第1の発明の液体内蔵型クッション 3は、図2に具体的に示すように、例えば、液 を流動可能に封入し得る長尺の液体収容室( 長尺セル)3a、3b、3c、3dと、該長尺セルを任意 大きさの領域(液体収容小部屋)に区分けする 着堰部(7a~7c)と、椅子に着座して前記背もた れ部に寄りかかる人の姿勢変化に追従して、 該堰部(7a~7c)で区分けされた領域間(液体収容 部屋間)において液体を流入又は流出させる とともに、人の姿勢変化に追従しつつ当該液 体の流入又は流出を制御することにより当該 人の背圧の変化を分散し得るオリフィス部( 数の融着堰部で区分けされた液体収容小部 間を液体が流動することを制御するための 位)とが形成されている。

 液体内蔵型クッション3は、図2に示すよ に、例えば、上下2枚の柔軟な合成樹脂シー を熱的に融着して、内部に液体を収容した 尺の液体収容室を形成した『長尺セル3a~3d を有するものである。尚、液体内蔵型クッ ョン3の材質は、弾力に富み、且つ所定の耐 性及び可撓性を有していて、液体が実質的 短時間で透過せず、液体を所定期間封止す ことができる性能を有した合成樹脂シート あればよく、例えば、エチレン-酢酸ビニル 共重合体(EVA)、ポリエチレン、ポリ塩化ビニ 等の熱可塑性樹脂シートを好適に用いるこ ができる。

 しかして、液体内蔵型クッション3が有する 各長尺セル3a~3dには、各長尺セルの周縁部が 着された連続的な周縁融着部で密封されて り、長尺の液体収容室(長尺セル)内で液体 流動可能に保持し、長期間封止され得るよ になっていることが好ましい。
前記の長尺セルを構成する合成樹脂シートは 、厚さが200~2000μm、特に、400~1000μmであるこ が好ましく、また、特に、酢酸ビニル単位 20~80%(さらに、30~60%)を含有するエチレン-酢 ビニル共重合体からなる、厚さ200~1500μm(特 厚さ400~1000μm)である合成樹脂製シートが好 しい。

 本発明における液体内蔵型クッション3の 各長尺セル(3a~3d)の内部に収容される液体は 粘度が常温で1~5000センチポイズ(cp)、特に10~2 000cpの流動性の液体であればよく、例えば、 、或いは、多価アルコールの水溶液(特に、 水とプロピレングリコール類等とを混合して 得られた混合液等)からなるものであればよ 。

 本発明では、長尺セル内に充満する液体 水とすれば、より安価に背もたれ用クッシ ンを製造することができるけれども、長尺 ルに充填される液体を水と多価アルコール の混合液とすれば、液体内蔵型クッション3 の長尺セル内で液体が凍ってしまうことを回 避することができ、また、長期間使用しても 長尺セルを形成している合成樹脂シートを透 過して外部へ発散してしまうのを抑制するこ とができるので好適である。尚、本発明では 、長尺セル内に収容される液体を水のみ(微 の添加物を含有するもの含む)或いは多価ア コールのみとしてもよい。

 長尺セルにおける融着堰部(7a~7c)は、液体 内蔵型クッション3の長尺セルを任意大きさ 領域(液体収容小部屋)に区分けするものであ り、本実施形態においては液体内蔵型クッシ ョン3を構成する2枚の合成樹脂シートを任意 位置で熱的に融着することにより形成され いる。

 前記の融着堰部の内、長尺セルの中央部 第2融着堰部7aは、液体内蔵型クッション3に おける各長尺セル(3a~3d)の略中央部で上下方 に延びたものであり、背もたれ部1aに寄りか かった人の背骨(脊髄)に沿って延設されるこ となる。而して、中央部の第2融着堰部7aの 部は、液体内蔵型クッション3の長尺セルの 周縁部や他の融着堰部から離間して形成され ることにより、その離間部にて液体が流動し 得るオリフィス部が構成されている。オリフ ィス部は、0.5~2cm程度の狭さが好ましい。

 また、第3融着堰部及び第4融着堰部7bは、 長尺セルにおいて液体の下部方向への流動を 抑制し、上部への流動を促進するよう上方に 突起している弧状に形成されたものであり、 各長尺セル7a~7dにおいて左右一対形成されて ることが好ましい。而して、それらの融着 部7bの端部が液体内蔵型クッション3の長尺 ルの周縁融着部や他の堰部から離間して形 されることにより、その離間部にて液体が 動し得るオリフィス部が構成される。

 更に、第1融着堰部7cは、長尺セルを上下 区分けするもので、かかる第1融着堰部7cに り区分けされた領域である液体収容小部屋 、背もたれ部1aの下部に位置する下部の液 収容小部屋(I)又は(II)の方が上部に位置する 部の液体収容小部屋(III)又は(IV)より上下方 の間隔が小さく形成されている。而して、 1融着堰部7cの端部が液体内蔵型クッション3 の長尺セルの周縁融着部や他の融着堰部から 離間して形成されることにより、その離間部 にて液体が流動し得るオリフィス部が構成さ れている。

 オリフィス部は、上述したように、椅子1 に着座して背もたれ部1aに寄りかかる人の姿 変化に追従して、該融着堰部7a~7cで区分け れた液体収容小部屋間において液体を流入 は流出させると共に、当該液体の流入又は 出により当該人の背圧の変化に追従して体 分散し得るものである。即ち、椅子1に着座 て背もたれ部1aに寄りかかる人の姿勢が変 すると、それに応じて生じる人の背圧の変 に従って体圧分散すべく、液体がオリフィ 部を流動(流入又は流出)するのである。

 上記の実施形態によれば、椅子1に着座し て背もたれ部1aに寄りかかる人の姿勢変化に 従して、隣接する液体収容小部屋間で液体 流入又は流出させると共に、その液体の流 又は流出により当該人の背圧の変化を良好 分散させることができる。また、液体内蔵 クッション3は、背もたれ部1aの水平方向に 設され、且つ、略中央部の上下方向に融着 部(中央部の融着堰部7a)が延設されてなる長 尺セル3a~3dが当該背もたれ部1aの上下方向に 数並べて配設されたものであるので、椅子1 着座して背もたれ部1aに寄りかかる人の左 方向の姿勢変化に確実に追従して隣接する 体収容小部屋間で液体を流入又は流出させ その液体の流入又は流出による当該人の背 の変化をより良好に分散させることができ 。

 更に、第1融着堰部(具体的には第1融着堰 7c)により区分けされた液体収納小部屋は、 もたれ部1aの下部に位置する方が上部に位 する液体収納小部屋よりも上下方向の寸法 小さく形成されているので、液体の重力に って自重で液体内蔵型クッション3の各長尺 ル3a~3dにおいて下部に液体が過度に溜まっ しまうのを回避することができる。また、 着堰部(具体的には融着堰部7b)は、長尺セル おいて液体の下部方向への流動を抑制し、 部方向への流動を促進するように下方向に 出して弧状に形成されているので、椅子1に 着座して背もたれ部1aに寄りかかる人の姿勢 化に追従して液体が流動する際、重力によ 影響を抑制して、上部方向への流動と下部 向への流動を略均衡させることができる。

 更に、本実施形態によれば、背もたれ部1 aに寄りかかった人が左右に揺すったり捩っ りして人の姿勢が変化した場合、背中にお る片側の圧力が高まり液体が反対側に移動 、その反対側の方や背中、腰などを押圧す こととなる。しかして、背もたれ部に寄り かる際の安定感を増大させることができる 共に、従来のウォータマット等では得られ い感覚を使用者に与えることができる。

 次に、本発明の技術的優位性を立証すべく 実施例の実験結果について説明する。
(実験1)
 椅子の背もたれ部に背圧を測定し得る圧力 ンサを配置すると共に、被験者1、2のそれ れが頭部まで支えがある背もたれ部を有す 椅子に着座して背もたれ部に寄りかかる際 背圧の分布及び背圧の変化を測定した。
 背圧測定時の条件として、背もたれ部に図2 に示すような背もたれ用の液体内蔵型クッシ ョン3を配設したもの(実施例1)、背もたれ部 当該背もたれ用の液体内蔵型クッションと レタンとを併設したもの(実施例2)、及び、 もたれ部に背もたれ用の液体内蔵型クッシ ン及びウレタンの何れも配設していない状 のもの(比較例)とした。そして、椅子の背も たれ部の角度を100°、110°、130°と変化させて 各背圧の最大値を比較すべく、実験結果を図 3、4、5に示す。尚、図4、5中、減少率は、以 の計算式にて算出した。

 減少率={(背もたれ用の液体内蔵型クッシ ン及びウレタンの何れも配設していない場 の背圧最大値)-(背もたれ用の液体内蔵クッ ョンのみ或いは背もたれ用の液体内蔵型ク ションの上にウレタンの場合の背圧最大値) }/(背もたれ用の液体内蔵型クッション及びウ レタンの何れも配設していない場合の背圧最 大値)

 尚、被験者1は、男性24歳、身長180(cm)、体重 58.5(kg)、BMI指数18.0、被験者2は、男性65歳、身 長166(cm)、体重72.0(kg)、BMI指数26.1である。
 この実験1において使用された液体内蔵型ク ッションは、長尺セル内に充満されている液 体がプロピレングリコールを40容量%含有して いる水-プロピレングリコールとの混合液(不 液)であり、その液体の含有量が合計600ccあ て、更に、合成樹脂シートが、それぞれ厚 500μmであり、ポリエチレンとエチレン-酢酸 ビニル共重合体とポリエチレンとの三層積層 体である。
 また、液体内蔵型クッションは、図2に示す ように、各長尺セルの上下間隔がいずれも10c mであり、また、それらの各長尺セルの左右 隔が、上の長尺セルから下方へ向かって順 、44cm、41cm、37cm、34cmである長尺セル4個が平 行に並んでいるものである。前記の長尺セル と共に使用されたウレタンは、厚さが10(mm)の ものであった。

 図3、4、5の実験結果からも明らかなよう 、背圧の最大値は、比較例に比べて実施例1 、2の方が全体的に低いことが明らかであり 椅子に着座して背もたれ部に寄りかかる人 姿勢変化に追従して、隣接する領域間(液体 容小部屋間)で液体を流入又は流出させると 共に、その液体の流入又は流出により当該人 の背圧の変化に従って良好に分散させること ができることが立証されている。

 又、背もたれ部に付与される背圧の分布に いて図6~図23に示す。
 具体的には、図6~8は、背もたれ部の角度が1 00°で被験者1が当該背もたれ部に寄りかかっ 場合(背もたれ用の液体内蔵型クッション及 びウレタンの何れも配設していない場合が図 6、背もたれ用の液体内蔵型クッションのみ 場合が図7、背もたれ用の液体内蔵型クッシ ン上にウレタンをのせた場合が図8)の背圧 分布を示している。

 図9~11は、背もたれ部の角度が110°で被験 1が当該背もたれ部に寄りかかった場合(背 たれ用の液体内蔵型クッション及びウレタ の何れも配設していない場合が図9、背もた 用の液体内蔵型クッションのみの場合が図1 0、背もたれ用の液体内蔵型クッション上に レタンをのせた場合が図11)の背圧の分布を している。

 図12~14は、背もたれ部の角度が130°で被験 者1が当該背もたれ部に寄りかかった場合(背 たれ用の液体内蔵型クッション及びウレタ の何れも配設していない場合が図12、背も れ用の液体内蔵型クッションのみの場合が 13、背もたれ用の液体内蔵型クッション上に ウレタンをのせた場合が図14)のは背圧の分布 を示している。

 同様に、図15~17は、背もたれ部の角度が10 0°で被験者2が当該背もたれ部に寄りかかっ 場合(背もたれ用の液体内蔵型クッション及 ウレタンの何れも配設していない場合が図1 5、背もたれ用の液体内蔵型クッションのみ 場合が図16、背もたれ用の液体内蔵型クッシ ョン上にウレタンをのせた場合が図17)の背圧 の分布を示している。

 図18~20は、背もたれ部の角度が110°で被験 者2が当該背もたれ部に寄りかかった場合(背 たれ用の液体内蔵型クッション及びウレタ の何れも配設していない場合が図18、背も れ用の液体内蔵型クッションのみの場合が 19、背もたれ用の液体内蔵型クッション上に ウレタンをのせた場合が図20)の背圧の分布を 示している。

 図21~23は、背もたれ部の角度が130°で被験 者2が当該背もたれ部に寄りかかった場合(背 たれ用の液体内蔵型クッション及びウレタ の何れも配設していない場合が図21、背も れ用の液体内蔵型クッションのみの場合が 22、背もたれ用の液体内蔵型クッション上に ウレタンをのせた場合が図23)の背圧の分布を 示している。

(実験2)
 図24で示すように、長尺セルの中央部の融 堰部Aaが液体内蔵型クッションにおける略中 央の上下に大きく形成された背もたれ用の液 体内蔵型クッションA(実施例)と、当該中央部 の融着堰部Baが比較的小さく形成された背も れ用の液体内蔵型クッションB(実施例)とを 意した。
 そして、融着堰部Aa、Baを有する長尺セルが 形成されている液体内蔵型クッションをそれ ぞれ挟んだ片側に繰り返し圧縮力を加えると 共に、そのときの反対側の圧力の変化を測定 した。
 尚、背もたれ用の液体内蔵型クッションBに おける液体移動に関する固有の周波数は、実 験条件にもよるが、2~3Hzであることが確かめ れていることから、付与する圧縮力の繰り し周波数を2Hzとした。

 図25、図26の実験結果から明らかなように 、背もたれ用の液体内蔵型クッションBでは 繰り返し圧縮力の周波数に対して敏感に反 していることが分かる。それに対し、実施 としての背もたれ用の液体内蔵型クッショ Aでは、圧力変動が小さいことが分かる。即 、背圧の変化に敏感に反応した場合、背中 安定性が低下すると共に、液体の微動は人 とって感覚的によくない傾向があると考え れる。一方、背圧の変化が小さければ、液 の振動は小さいのですぐに減衰し、本発明 おいて背もたれ用の液体内蔵型クッション 常に背中を包むと共に、安定性もよくなる のと考えられる。

 以上、本実施形態に係る背もたれ用の液 内蔵型クッションについて説明したが、本 明はこれに限定されるものではなく、例え 図27に示すように、背もたれ部1aに対応して 、環状に延びつつ液体を収容している環状セ ル(3’a~3’c)を渦巻き上に複数隣接させたも から成り、各環状セル(3’a~3’c)における当 背もたれ部1aの下部に位置する部分の方が 部に位置する部分よりも内径が小さく形成 れた液体内蔵型クッション3’を具備したも としてもよい。

 かかる液体内蔵型クッション3’の環状セ ル(3’a~3’c)の中心部には他の形状のセル3’d が配設されており、これらの環状セル(3’a~3 c)及び中心部のセル3’dにはそれぞれ独立し て液体が封入されている。また、各環状セル (3’a~3’d)には、先の実施形態と同様、中央 の上下方向に延設された中央部の融着堰部7a ’、液体の下部方向への流動を抑制するよう 下方に突出して弧状に形成された融着堰部7b が形成されている。

 このような背もたれ用の液体内蔵型クッ ョンによれば、液体内蔵型クッション3’は 、背もたれ部1aに対応して環状に延びつつ液 を収容した環状セル(3’a~3’c)を渦巻き状に 複数隣接させたものからなり、各環状セル(3 a~3’c)における当該背もたれ部1aの下部に位 置する部分の方が上部に位置する部分より内 径が小さく形成されたので、液体の重力によ る自重で液体内蔵型クッション本体3’の環 セルにおける下部に液体が過度に溜まって まうのを回避することができる。

 また更に、本発明の他の実施形態として 例えば図28に示すように、背もたれ部1aに対 応して環状に延びつつ液体を収容した環状セ ル(3”a~3”c)を渦巻き状に複数隣接させたも からなり、各環状セル(3”a~3”c)における当 背もたれ部1aの下部に位置する部分の方が 部に位置する部分より内径が小さく形成さ た液体内蔵型クッション3”を具備したもの してもよい。

 かかる液体内蔵型クッション3”の環状セ ル(3”a~3”c)の中心部には別の形体のセル3”d が配設されており、これら環状のセル(3”a~3 c)及び中心部のセル3”dにはそれぞれ独立し て液体が封入されている。また、各環状セル (3”a~3”d)には、先の実施形態と同様、中央 の上下方向に延設された中央部の融着堰部7a ”が、液体の下部方向への流動を抑制するよ う下方に突出した弧状に形成された融着堰部 7b”が形成されている。

 このような背もたれ用の液体内蔵型クッ ョンによれば、液体内蔵型クッション3”は 、背もたれ部1aに対応して環状に延びつつ液 を収容した環状セル(3”a~3”c)を渦巻き状に 複数隣接させたものからなり、各環状セル(3 a~3”c)における当該背もたれ部1aの下部に位 置する部分の方が上部に位置する部分より内 径が小さく形成されたので、液体の重力によ る自重で液体内蔵型クッション3”の環状セ における下部に液体が過度に溜まってしま のを回避することができる。

 背もたれ部に配設され、柔軟な合成樹脂 ート製の液体内蔵型クッションと、該クッ ョン本体内に形成され、液体を流動可能に 入し得る液体収容小部屋と、該液体収容小 屋を任意大きさの領域で区分けする融着堰 と、椅子に着座して前記背もたれ部に寄り かる人の姿勢変化に追従して、該融着堰部 区分けされた液体収容小部屋間において前 液体を流入又は流出させると共に、当該液 の流入又は流出により当該人の背圧の変化 追従して体圧分散し得るオリフィス部とを えた背もたれ用の液体内蔵型クッションで れば、外観形状が異なるもの或いは他の機 が付加されたものにも適用することができ 。

本発明の実施形態に係る背もたれ用の 体内蔵型クッションが適用された椅子を示 断面模式図 背もたれ用の液体内蔵型クッションを す全体模式図 背もたれ用の液体内蔵型クッションの 術的優位性を示す実験結果(背圧の最大値) グラフ 背もたれ用の液体内蔵型クッションの 術的優位性を示す実験結果(背圧の最大値) 表(被験者1) 背もたれ用の液体内蔵型クッションの 術的優位性を示す実験結果(背圧の最大値) 表(被験者2) 背もたれ部を100°とした場合、液体内 型クッション及びウレタンを配設していな 背もたれ部に被験者1が寄り掛かった際の背 分布 背もたれ部を100°とした場合、液体内 型クッションのみを配設した背もたれ部に 験者1が寄りかかった際の背圧分布 背もたれ部を100°とした場合、液体内 型クッション上にウレタンをのせた背もた 部に被験者1が寄りかかった際の背圧分布 背もたれ部を110°とした場合、液体内 型クッション及びウレタンを配設していな 背もたれ部に被験者1が寄り掛かった際の背 分布 背もたれ部を110°とした場合、液体内 型クッションのみの背もたれ部に被験者1が 寄りかかった際の背圧分布 背もたれ部を110°とした場合、液体内 型クッション上にウレタンをのせた背もた 部に被験者1が寄り掛かった際の背圧分布 背もたれ部を130°とした場合、液体内 型クッション及びウレタンを配設していな 背もたれ部に被験者1が寄りかかった際の背 圧分布 背もたれ部を130°とした場合、液体内 型クッションのみが配設された背もたれ部 被験者1が寄りかかった際の背圧分布 背もたれ部を130°とした場合、液体内 型クッション上にウレタンをのせた背もた 部に被験者1が寄りかかった際の背圧分布 背もたれ部を100°とした場合、液体内 型クッション及びウレタンを配設していな 背もたれ部に被験者2が寄りかかった際の背 圧分布 背もたれ部を100°とした場合、液体内 型クッションのみが配設された背もたれ部 被験者2が寄りかかった際の背圧分布 背もたれ部を100°とした場合、液体収 型クッション上にウレタンをのせた背もた 部に被験者2が寄りかかった際の背圧分布 背もたれ部を110°とした場合、液体内 型クッション及びウレタンを配設していな 背もたれ部に被験者2が寄りかかった際の背 圧分布 背もたれ部を110°とした場合、液体内 型クッションのみが配設された背もたれ部 被験者2が寄りかかった際の背圧分布 背もたれ部を110°とした場合、液体内 型クッション上にウレタンをのせた背もた 部に被験者2が寄りかかった際の背圧分布 背もたれ部を130°とした場合、液体内 型クッション及びウレタンを配設していな 背もたれ部に被験者2が寄りかかった際の背 圧分布 背もたれ部を130°とした場合、液体内 型クッションのみの背もたれ部に被験者2が 寄りかかった際の背圧分布 背もたれ部を130°とした場合、背もた 用クッション上にウレタンをのせた背もた 部に被験者2が寄りかかった際の背圧分布 背もたれ用クッションの技術的優位性 を示す実験で適用される(a)実施例(b)他の実施 例の全体模式図 実施例における圧力変化を示すグラフ 他の実施例における圧力変化を示すグ ラフ 本発明の他の実施形態に係る液体内蔵 型クッションを示す全体模式図 本発明の更に他の実施形態に係る液体 内蔵型クッションを示す全体模式図

符号の説明

 1  椅子
 1a 背もたれ部
 2  下部ウレタン(成型ウレタン)
 3、3’、3” 液体内蔵型クッション
 3a~3d 長尺セル
 3’a~3’d、3”a~3”d 環状セル
 4  上部ウレタン
 5  被覆材料
 6  座面
 7a、7a’、7a” 中央部の第2融着堰部
 7b、7b’、7b” 左右上部の第3融着堰部
 7c 下部の第1融着堰部
 (I)、(II)   下部の液体収容小部屋
 (III)、(IV) 上部の液体収容小部屋