| JP2003025114 | ALUMINIUM OXIDE COATED CUTTING TOOL |
| WO/2011/077928 | SURFACE-COATED CUTTING TOOL |
| JP2011148057 | EDGE REPLACEABLE SLOTTING TOOL AND METHOD FOR SLOTTING IN END SURFACE |
谷渕 栄仁 (〒11 鹿児島県薩摩川内市高城町1810番地 京セラ株式会社鹿児島川内工場内 Kagoshima, 8950211, JP)
京セラ株式会社 (〒01 京都府京都市伏見区竹田鳥羽殿町6番地 Kyoto, 6128501, JP)
TANIBUCHI, Takahito (Kagoshima Sendai Plant 1810, Taki-cho, Satsumasendai-sh, Kagoshima 11, 8950211, JP)
| 複数の硬質相および該複数の硬質相を結合する結合相を有する母材と、前記母材の表面に形成された層と、を備える切削工具であって、 前記母材の表面は、硬質相からなる平滑面部と、少なくとも結合相を含む表面を有する凹部と、から構成されていることを特徴とする切削工具。 |
| 前記結合相の硬度は、前記硬質相の硬度よりも低い請求項1記載の切削工具。 |
| 硬質相と該硬質相の硬度よりも低い硬度をなす結合相とを有する母材と、該母材の表面に形成された層と、を備える切削工具であって、 前記母材の表面において、前記硬質相からなる平滑面部と、前記結合相の少なくとも一部が除去されて形成された凹部と、が存在することを特徴とする切削工具。 |
| 前記凹部の表面の少なくとも一部には、前記結合相が存在している請求項3に記載の切削工具。 |
| 前記硬質相は、周期表4、5、6族金属の炭化物、窒化物、炭窒化物からなる群より選ばれる1種以上を含むとともに、炭窒化チタンまたは炭化タングステンのいずれか一方を含む成分からなる請求項1乃至4のいずれかに記載の切削工具。 |
| 前記結合相は、鉄族金属を主成分とする請求項1乃至5のいずれかに記載の切削工具。 |
| 前記母材の表面側から見たとき、前記凹部は、その幅方向における両端が前記硬質相と接している少なくとも1本の溝状に形成されている請求項1乃至6のいずれかに記載の切削工具。 |
| 前記凹部の深さは、平均0.1μm~2μmである請求項1乃至7のいずれかに記載の切削工具。 |
| 前記母材と前記層との界面と、積層方向に切断した断面との交線に沿う直線20μmの長さ範囲の中に、前記凹部が3個~40個存在している請求項1乃至8のいずれかに記載の切削工具。 |
| 前記層は、積層方向に直交する平面に対して85度~90度の角度で結晶成長した垂直成長部と、前記平面に対して85度未満の角度で結晶成長した多方向成長部と、を備えている請求項1乃至9のいずれかに記載の切削工具。 |
| 前記母材と前記層との界面と、積層方向に切断した断面との交線に沿う直線20μmの長さ範囲のうち前記多方向成長部が占める割合が5%~40%である請求項10に記載の切削工具。 |
| 積層方向に切断した断面において、前記多方向成長部の幅は、前記層の外表面から前記母材側に向けて増大している請求項10に記載の切削工具。 |
| 前記母材と前記層との界面と積層方向に切断した断面との交線に沿う直線20μmの長さ範囲の中に、互いに独立した前記多方向成長部が3個~40個存在している請求項10に記載の切削工具。 |
| 前記垂直成長部は前記平滑面部上に形成されており、前記多方向成長部は前記凹部上に形成されている請求項10乃至13のいずれかに記載の切削工具。 |
| 前記層の厚みが0.5μm~20μmである請求項1乃至14のいずれかに記載の切削工具。 |
| 母材の表面に層が形成されてなる切削工具の製造方法であって、 前記層の形成に先立ち、前記母材の表面を平滑にする第1加工と、 該第一加工に続いて前記母材の表面に物理的手法により凹部を設ける第2加工と、を施すことを特徴とする切削工具の製造方法。 |
| 前記第1加工としてブラシ研磨加工を施し、前記第2加工としてショットブラスト加工を施す請求項16に記載の切削工具の製造方法。 |
| 前記ブラシ研磨加工は、番手#400以上の砥粒を使用して行なう請求項17記載の切削工具の製造方法。 |
| 前記母材を、周期表の4、5、6族金属の炭化物、窒化物、炭窒化物からなる群より選ばれる1種以上を含むとともに、炭窒化チタンまたは炭化タングステンのいずれか一方を含む第1材料(A)と、鉄族金属を主成分とする第2材料(B)と、から形成する請求項16乃至18のいずれかに記載の切削工具の製造方法。 |
| 前記ショットブラスト加工は、前記第1材料(A)よりも硬度が低く、前記第2材料(B)よりも硬度が高い砥粒を使用して行う請求項19に記載の切削工具の製造方法。 |
| 前記第1加工により前記母材表面の表面粗さRzを0.05μm~0.7μmとする請求項16乃至20のいずれかに記載の切削工具の製造方法。 |
| 前記層を物理蒸着法により形成する請求項16乃至21のいずれかに記載の切削工具の製造方法。 |
| 前記層を化学蒸着法により形成する請求項16乃至21のいずれかに記載の切削工具の製造方法。 |
| 前記層のうち、少なくとも1層を中温化学蒸着法により形成する請求項23に記載の切削工具の製造方法。 |
| 請求項1乃至15のいずれかに記載の切削工具または被削材の少なくとも一方を回転させ、前記被削材に前記切削工具の切刃を近接する工程と、 前記切刃を前記被削材の表面に接触させ、前記被削材を切削する工程と、 前記被削材から前記切刃を離間させる工程と、 を備える被削材の切削方法。 |
本発明は、例えば、旋削加工、フライス 工、ドリル加工用のスローアウェイチップ として有用な切削工具およびその製造方法 関する。
従来から、切削工具に適した材料として 種々の硬質合金が知られている。そして、 削工具の硬度を補強する目的で、上記硬質 金からなる母材の表面に、該硬質合金より 高硬度の層を形成した切削工具が汎用され いる。
硬質合金からなる母材の表面に層を形成 る方法として、母材の表面に予め何らかの 工を施して、母材に対する層の付着性を向 させる方法が提案されている。例えば、母 の少なくとも刃先を含む表面の平均表面粗 Raをブラシ研磨によって特定範囲に納まる うに調整することにより、層の母材に対す 付着性を向上させた被覆超硬合金(特許文献1 )がある。また、特定の電解液中で電解研磨 ることにより、母材表面の硬質相に機械加 によるクラックが存在しないようにした表 被覆焼結合金(特許文献2)などもある。
しかしながら、特許文献1や特許文献2に 載の被覆硬質合金によれば、層の母材に対 る密着性は改善されるものの、靭性は不充 であり、耐欠損性に関しては満足しうるレ ルにはなかった。
母材に対する層の付着性を高めることが き、優れた耐欠損性を備えた切削工具が求 られている。
本発明の切削工具は、第1に、複数の硬質 相および該複数の硬質相を結合する結合相を 有する母材と、前記母材の表面に形成された 層と、を備える。そして、前記母材の表面は 、硬質相からなる平滑面部と、結合相または 硬質相および結合相からなる表面を有する凹 部と、から構成されている。
本発明の切削工具は、第2に、硬質相と該 硬質相の硬度よりも低い硬度をなす結合相と を有する母材と、該母材の表面に形成された 層と、を備える。そして、前記母材の表面に おいて、平滑になるよう加工された前記硬質 相からなる平滑面部と、前記結合相の少なく とも一部が除去されて形成された凹部と、が 存在する。
本発明の切削工具の製造方法は、母材の 面に層を形成するのに先立ち、前記母材の 面を平滑にする第1加工と、該第1加工に続 て前記母材の表面に物理的手法により凹部 設ける第2加工と、を施す。
本発明によれば、層が剥離しにくく、高 度であると同時に高靭性であり、優れた耐 耗性と耐欠損性とを兼ね備えた切削工具を 供することができる、という効果がある。
(切削工具)
本発明の一実施形態に係る切削工具は、母
の表面が層で被覆されたものである。ここ
、前記母材は、複数の硬質相および該複数
硬質相を結合する結合相を有するものであ
。前記結合相の硬度は、通常、前記硬質相
硬度よりも低い。
硬質相および結合相の硬度は、ナノインデ
テーション法等によって測定することがで
る。微粒超硬など、相を構成する粒子の粒
が非常に小さく上記方法で測定が困難な場
は、WDS等の元素分析によって相の組成を同
することで、相の硬度を見積もることがで
る。
前記硬質相を構成する成分は、一般に硬 合金やサーメット等における硬質相に用い れる原料であれば、特に制限されることは い。例えば、好ましい態様としては、前記 質相は、周期表の4、5、6族金属(例えば、Ti Zr、Hf、V、Nb、Mo、Crなど)の炭化物、窒化物 炭窒化物からなる群より選ばれる1種以上を 含むとともに、炭窒化チタンおよび炭化タン グステンのうちいずれか一方を含む材料(以 、これを「第1材料(A)」と称する)で構成され るのがよい。これらの炭化物、窒化物、炭窒 化物等のさらなる具体例については、特に制 限されない。
他方、前記結合相を構成する成分も、一 に硬質合金における結合相に用いられる原 であり、前記硬質相を結合しうるもの、好 しくは前記硬質相よりも低硬度を有するも であれば、特に制限されることはない。例 ば、好ましい態様としては、前記結合相は 鉄族金属(例えば、Co、Niなど)を主成分とす 材料(以下、これを「第2材料(B)」と称する) 構成されるのがよい。この鉄族金属等のさ なる具体例については、特に制限されない なお、鉄族金属を主成分とする材料とは、 の成分の70%以上が鉄族金属である材料であ 。
前記母材において、硬質相は全体積中85~9 2体積%、結合相は8~15体積%の割合で存在する がよい。
前記母材の表面は、前述した硬質相から る平滑面部を備えている。換言すれば、前 母材の表面においては、前記硬質相の部分 平滑になるよう加工(表面処理)されている 本発明の一実施形態においては、母材表面 硬質相(例えばWC)の部分を平滑にすることに り、層を形成する際に、硬質相上には柱状 晶が真直ぐに揃って成長することとなる。 のため、この領域においてはマイクロボイ の発生が抑制され、高硬度化が可能になる
前記母材の表面は、さらに、結合相また 結合相および硬質相からなる表面を有する 部をも備えている。換言すれば、前記母材 表面においては、さらに、前記結合相の少 くとも一部が除去されて形成された凹部が 在する。これにより、層を形成する際に、 の凹部内においても層が形成されるのであ が、その部分の柱状結晶は集束するように 長する。そのため、前記凹部内に形成され 層中に、成長した結晶同士がぶつかって互 に淘汰されて結晶成長が止まる部分が多く り、マイクロボイド(ここでは、数十nmのレ ルのボイド)が形成される。このようなマイ クロボイドが形成された領域では、クラック が進行してきた場合、マイクロクラック先端 の応力場において、ボイドがマイクロクラッ クとして作用し、応力集中が緩和される。こ れによって、クラックの進展を抑制できるの である。そのため、この領域においては、残 留応力が緩和され、高靭性化が図られ、耐欠 損性が向上する。
本発明の一実施形態における母材の表面に
いて、図面を用いて説明する。図1は、本発
明の一実施形態に係る切削工具を厚み方向に
切断したときの母材を模式的に表した断面図
である。
図1で示される母材は、硬質相1と結合相3と
ら構成されている。そして、母材表面(上部
側)のうち硬質相1が占める部分は、平滑にな
ように加工された平滑面部2になっている。
一方、母材表面(上部側)のうち結合相3が占め
る部分では、該結合相3が少なくとも一部除
されて凹部4が形成されている。このように
母材表面の平滑面部2は、全て硬質相1で構
されていることが好ましく、この平滑面部2
外の部分は、凹部4になっていることが好ま
しい。
なお、平滑面部2は、実質的に硬質相1から
るものであり、製造上不可避的な成分、例
ば、金属間化合物等を含むものであっても
わない。また、平滑面部2を構成する硬質相1
は、上述した成分のうち複数の成分を含むも
のであっても構わない。
凹部4の表面は、結合相3からなることが好
しい。すなわち、凹部4は、硬質相1が露出し
ないように母材表面の結合相部分のうち表面
側だけを除去して形成されてなるのが好まし
い。このようにして形成された凹部4の表面
は、硬質相1と結合相3との境界が存在しない
。そのため、硬質相1と結合相3との界面欠陥
どによって加工変質層が形成されることを
制することができ、層との密着性を向上さ
ることができる。
凹部4の表面は、図1では結合相3のみで構成
れているが、これに限定されるものではな
。例えば、図1においてもそうであるように
、凹部4内の側面部の表面よりの部分では、
質相1との間に存在する結合相3が非常に薄く
なっている。そのため、母材の表面処理(例
ば、後述する本発明の一実施形態に係る製
方法における第2加工)の程度によっては、こ
の部分も削り取られ、凹部4の表面の一部に
質相1が露出することもある。したがって、
述したように、母材表面に存在する凹部4は
、その表面が結合相3または結合相3および硬
相1からなるのである。換言すれば、前記凹
部4の表面の少なくとも一部に結合相3が存在
ているということでもある。
なお、凹部4の表面が結合相3または結合相3
よび硬質相1からなるとは、凹部4の表面が
質的に結合相3または結合相3および硬質相1
らなるということである。つまり、凹部4の
面にも、製造上不可避的な成分を含むもの
あっても良い。前記製造状不可避的な成分
しては、例えば、η相や加工によって生じ
酸化物等などがある。
前記凹部4の窪み部分の形状は、特に限定さ
れない。例えば、母材の表面からみたとき、
前記凹部4は、その幅方向における両端が前
硬質相1と接している少なくとも1本の溝状で
形成されていてもよい。換言すれば、前記凹
部4は、前記硬質相1で挟まれてなる少なくと
1本の溝状に形成されていてもよい。さらに
、前記凹部4は、複数の溝状凹部が網目状に
成されていてもよい。
前記凹部4の深さは平均0.1~2μmであることが
ましい。前記凹部4の平均深さが前記範囲で
あると、層を形成被覆したときに適度なマイ
クロボイドが形成され、高靭性化を図ること
ができる。また同時に、凹部4上に形成され
層の強度も充分に保持させることができ、
部4を起点として発生しうる剥離やチッピン
を回避することができる。なお、凹部4の深
さの平均とは、便宜上、前記母材と前記層の
厚み方向に直交する平面における長さ20μmの
に存在する凹部の深さの平均を以って、前
平均深さとしてもよい。
前記凹部4は、前記母材と前記層との界面(
なわち、厚み方向に直交する平面)と積層方
に切断した断面との交線に沿う直線20μmの
さ範囲の中に3~40個、好ましくは10~30個が存
することが好ましい。この凹部4の個数が前
範囲であると、層を被覆したときに適度な
イクロボイドが形成され、高靭性化を図る
とができると同時に、凹部4上に形成された
層の強度も充分に保持させることができる。
そのため、凹部4を起点として発生しうる剥
やチッピングを抑制することができる。
なお、上記凹部4の深さおよび数の測定は、
例えば、切削工具の表面と略垂直な断面、す
なわち母材と層の厚み方向に対し略平行な断
面を観察して行うことができる。具体的には
、前記断面を走査電子顕微鏡(SEM)また透過電
顕微鏡(TEM)を用いて5000倍~20000倍の倍率で観
し、母材と層との界面と積層方向に切断し
断面との交線に沿う直線20μmの長さ範囲の
にある凹部の数と深さを測定する。
前記硬質相部分を平滑になるよう表面処 する手段としては、例えば、後述する本発 の一実施形態に係る製造方法における第1加 工を採用すればよい。また、前記結合相を除 去して凹部を形成する手段としては、例えば 、後述する本発明の一実施形態に係る製造方 法において前記第1加工の後に行われる第2加 を採用すればよい。
次に、本発明の一実施形態に係る切削工具
おける層について、図面を用いて説明する
図2は、本発明の一実施形態に係る切削工具
を厚み方向に切断したときの断面を模式的に
表した説明図である。
図2に示すように、層20は、硬質相11と結合
12とから構成された母材10の表面に形成され
いる。
図2における母材10については、図1を用いて
説明した通りであり、硬質相1を硬質相11と、
結合相3を結合相12と、平滑面部2を平滑面部13
と、凹部4を凹部14と、各々読み変えればよい
。
前記層20は、前記平滑面部13と前記凹部14 上に形成されている。そして、層20は、層 厚み方向に直交する平面に対して85~90度の角 度(図2に角度βで図示)で結晶成長した垂直成 部21と、前記平面に対して85度未満の角度( 2に角度αで図示)で結晶成長した多方向成長 22とを備えている。詳しくは、母材10に層20 形成する際には、前記平滑面部13上では、 状結晶が真直ぐに揃って成長することとな 、垂直成長部21が形成される。一方、前記凹 部14内において層20が形成される際には、そ 部分の柱状結晶は集束するように成長し、 方向成長部22が形成される。つまり、図2に すように、前記垂直成長部21は前記平滑面部 13上に形成されており、前記多方向成長部22 前記凹部14上に形成されることになる。
前記垂直成長部21では、厚み方向に直交 る平面に対してほぼ垂直に結晶が成長する め、マイクロボイドが生じにくい。よって この垂直成長部21は高い硬度を有する領域と なる。他方、前記多方向成長部22は、切削工 の厚み方向に直交する平面に対して比較的 さい傾き(角度α)をもって結晶が成長するた め、成長した結晶同士がぶつかって互いに淘 汰されて結晶成長が止まる部分が多くなり、 マイクロボイド(ここでは、数十nmのレベルの ボイド)が形成されることになる。このよう マイクロボイドが形成されている多方向成 部22では、クラック先端の応力場においてク ラックが進行してきた場合にも、マイクロボ イドがマイクロクラックとして作用し、応力 集中が緩和されてクラックの進展を抑制でき るため、高い靭性を発現する。
前記多方向成長部22は、下記(i)、(ii)または(
iii)のうち少なくとも1つを満足する態様で存
している。これにより、垂直成長部21と多
向成長部22とは最適なバランスで存在するこ
ととなる。その結果、高硬度化と高靭性化と
の両方をバランスよく達成することができる
。
(i)厚み方向に切断した断面において、母材1
0と層20との界面と積層方向に切断した断面と
の交線に沿う直線20μmの長さ範囲のうち5~40%
多方向成長部22が占めていること。すなわち
、母材10と層20との界面における直線とは、
2中x-x間を結ぶ直線のことであり、図2中yで
す範囲が長さ20μmであるとすると、この範囲
における前記直線を見たときに多方向成長部
22が存在している長さ範囲z1が、20μmの5~40%に
当するのである。なお、長さ範囲yの中に多
方向成長部22が複数存在する場合には、各多
向成長部22が占める長さz1、z2、z3・・・の
計(但し、z2以降は図示せず)の長さが20μmの5~
40%相当するものであればよい。
(ii)厚み方向に切断した断面において、多方
向成長部22の幅は、層20の外表面から母材10側
に向けて増大していること。すなわち、図2
示す多方向成長部22のように、母材10と層20
の界面(x-x間を結ぶ直線部分)でみると、多方
向成長部22の幅はz1であるが、この界面を平
移動させた直線でみると、層表面側に移動
るにつれてその幅は狭くなっていくのであ
。
(iii)厚み方向に切断した断面において、母
10と層20との界面と積層方向に切断した断面
の交線に沿う直線20μmの長さ範囲の中に、
いに独立した多方向成長部22が3個~40個存在
ていること。すなわち、前記(i)と同様に、
2中yで示す範囲が長さ20μmであるとすると、
の範囲の中に、互いに独立した(換言すると
、垂直成長部21に囲まれた)多方向成長部22が3
~40個存在しているのである(図2においては1個
しか図示していない)。
前記層20は、成長始点における成長方向 角度(図2中のθg)が25度未満である柱状結晶(I) と、成長始点における成長方向の角度(図2中 θg)が25度以上である柱状結晶(II)とが存在す る。そして、厚み方向に切断した断面におい て、母材10と層20との界面から層20側に0.3μm離 れて位置する仮想直線(図2中、x’で示される 直線)上で、前記柱状結晶(I)が占める領域の をWaIとし、前記柱状結晶(II)が占める領域の をWaIIとしたとき、WaII/WaIの値が0.1~1である とが好ましい。これにより、衝撃が多方向 長部に集中した場合にも、層が破壊された 、層の剥離やチッピングが発生したりする を回避することができる。ここで言う柱状 晶(I)は、前記垂直成長部21を構成し、柱状結 晶(II)は前記多方向成長部22を構成する。なお 、母材10と層20との界面よりも0.3μm層20側に位 置する仮想直線x’とは、母材10と層20との界 における直線、すなわち図2中x-x間を結ぶ直 線を層20側に0.3μm平行移動させてなる直線を 味する。
なお、層20を厚み方向に切断した断面(す わち、切削工具の面と略垂直な断面)におい て、一定範囲(すなわち界面と積層方向に切 した断面との交線に沿う直線20μmの長さ範囲 )に占める多方向成長部22の割合(前記(i)の要 )、多方向成長部22の幅の変化(前記(ii)の要件 )、一定範囲(すなわち界面と積層方向に切断 た断面との交線に沿う直線20μmの長さ範囲) おける互いに独立した多方向成長部22の個 (前記(iii)の要件)、あるいは上述したWaIおよ WaIIの値を測定するに際しては、例えば、該 断面を走査電子顕微鏡(SEM)また透過電子顕微 (TEM)を用いて5000倍~20000倍の倍率で観察すれ よい。
前記層20の組成は、特に制限されるもので
なく、例えば、TiC、TiCN、TiN、TiAlN、Al 2
O 3
などの周期表の4、5、6族金属およびAlの炭化
、窒化物、炭窒化物、酸化物から選ばれる1
種以上を単層または複数層形成したものから
構成される。
前記層20の厚みは、0.5μm~20μmであることが
ましい。より好ましくは、層20の厚みの下限
は、1μm以上、さらには2μm以上、さらには3μm
以上であるのがよく、その上限は、5μm以下
あるのがよい。
層20の厚みを0.5μm以上とすることで、十分
耐摩耗性を確保するとともに層20を構成する
結晶の成長方向を部分的に変化させて層20の
度を向上させる効果を高めることができる
また、層20の厚みを20μm以下とすることで、
層20の靭性の低下、層の剥離、および、層の
晶の成長方向を変化させた部分が大きくな
過ぎて層の強度が低下することを抑制する
とができる。
なお、前記層は、例えば、後述する本発明
一実施形態に係る製造方法における層形成
法により形成することができる。
このように、本実施形態の切削工具にお ては、母材の表面の硬質相部分が平滑に表 処理されることにより、層に垂直成長部が 在することとなり、これが高硬度化した領 となる。一方、母材の表面の結合相が存在 る部分では、該結合相が除去されて凹部が 成されることにより、層にマイクロボイド 有する多方向成長部が存在することとなり これが高靭性化された領域となる。つまり 本実施形態の切削工具は、その層において 硬度化した領域と高靭性化した領域とが混 しているので、相反する両方の優れた特性 保持するものとなる。その結果、優れた耐 耗性と耐欠損性を両立して発現させること 可能となる。しかも、本実施形態において 在する前述のマイクロボイドは、非常に小 いボイドであるので、耐摩耗性に影響を及 すおそれが少ない。また、本実施形態にお ては、母材の表面に存在する凹部によって 凹凸によるアンカー効果も得られるので、 と母材との密着性も高い。
本実施形態の切削工具は、例えば、外形 内径、溝入れ、ねじ切り、突っ切り等の各 旋削、フライス、ドリル、エンドミル等の 削工具として有用である。中でも、本実施 態に係る切削工具は、旋削、フライス、ド ル加工に用いる切削工具に適しており、特 、断続加工や不安定加工に用いる旋削工具 して最適である。
本発明の一実施形態に係る切削工具の製造
法は、母材の表面に層を形成する方法であ
。
本実施形態の製造方法における母材は、通
、前述した硬質相と結合相とからなる硬質
金母材であり、前記第1材料(A)と前記第2材
(B)とから形成するのが好ましい。例えば、
記母材は、通常、前記第1材料(A)と前記第2材
料(B)の粉末を所定の割合で混合し、成形した
ものを1350~1550℃程度の真空雰囲気中で焼成す
ることにより得られる。なお、母材における
硬質相および結合相の割合は、前述した通り
とするのがよい。
本実施形態の製造方法においては、前記層
形成に先立ち、前記母材の表面に、前記母
表面を平滑にする第1加工と、該第1加工に
いて、前記母材表面に物理的手法により凹
を設ける第2加工とを施す。
エッチング加工においては、エッチング液
表面の結合相(例えばコバルト)を腐食し、
質相(例えば炭化タングステン)の粒子と粒子
の間に生じた僅かな隙間の一部に層が充填さ
れず、母材と層との界面に比較的大きなボイ
ドが生じやすい。前記第1および第2加工を施
ことによれば、このようなボイドの発生を
制できる。そのため、該ボイドに被削材が
入して生じる異常摩耗を抑制することがで
る。
また、従来のブラスト加工では、柱状結晶
様々な方向に成長し結晶成長が止まる部分
多くなることで大量のマイクロボイドが生
やすい。前記第1および第2加工を施すこと
よれば、このようなマイクロボイドの発生
抑制できる。そのため、得られる切削工具
高硬度化が図れる。
さらに、従来のブラスト加工、特にショッ
ブラストでは、大きな衝撃力によって母材
面の硬質相粒子が脱粒して面が大きく荒れ
すい。前記第1および第2加工を施すことに
れば、このような面の荒れを抑制できる。
のため、母材表面に層が形成されない未形
部による層の母材に対する密着性が低下す
ことを抑制できる。
前記第1加工としては、ブラシ研磨加工を施
すことが好ましい。
前記ブラシ研磨加工において用いるブラシ
しては、毛足が長いものが好ましい。具体
には、カップブラシ、ホイールブラシ、ロ
ルブラシ等のブラシが好ましく用いられる
ブラシ研磨加工を行う際には、ダイヤモン
の砥粒を使用することが一般的だが、炭化
素(SiC)からなる砥粒を用いると、研磨加工
よって生じる研磨傷が低減され、より平滑
加工面状態となるので好ましい。また、平
な加工面を得るためには、ブラシ研磨加工
、番手#400以上の砥粒を用いて行うのが好ま
く、特に、加工効率を上げるためには、#500
~#2000の砥粒を使用するのがよい。
前記第1加工によって平滑にされた母材表面
は、表面粗さRzが0.05~0.7μmとなっていること
好ましい。母材の表面粗さを前記範囲にし
おくことにより、得られる切削工具に充分
高い硬度を保持させることが可能になる。
前記第2加工としては、ショットブラスト 加工を施すことが好ましい。つまり、前記ブ ラシ研磨加工により母材表面全体を平滑にし たのち、ショットブラスト加工を施すことが 好ましい。これにより、母材の硬質相の部分 ではブラシ研磨で形成された平滑性をそのま ま維持させながら、結合相(例えばCo)の少な とも一部を除去して凹部形状を形成するこ ができる。なお、前記第2加工は、物理的手 であることが重要である。
前記ショットブラスト加工においては、 記第1材料(A)(例えば、WC)よりも硬度が低く 前記第2材料(B)よりも硬度が高い砥粒を使用 ることが好ましい。これにより、ブラシ研 で形成された平滑性をより確実に保持させ ことができるとともに、形成される凹部の 状も良好なものとなる。つまり、このよう して形成された凹部の形状は、例えばエッ ング加工で形成される凹部に比べ、底部が みを帯びており、且つ、非常に浅く形成さ ている。換言すれば、このように形成され 凹部の形状は、エッチング加工のように内 まで深く削られた形状とはならない。それ よって、前述した結晶と結晶との成長間の 汰が起こりやすく、ひいては靭性を向上さ やすくなるのである。
前記ショットブラスト加工は、砥粒をエア 等とともに噴射して加工する乾式で行って よいし、砥粒を液体(溶媒)と同時に噴射し 加工する湿式で行ってもよい。用いる砥粒 しては、一般的に加工で使用されている砥 、具体的には、例えば、Al 2 O 3 、SiC、ダイヤモンドといった砥粒が使用可能 である。結合相のみをショットブラストにて 除去させるために、Cr 2 O 3 、ZrO 2 など、比較的硬度が低く比重が大きい砥粒が 好ましい。また、ショットブラストを湿式で 行う際には、溶媒として、一般的な湿式ブラ ストで使用されている溶媒、例えば水などを 用いることができる。ショットブラスト加工 を行う際の条件としては、一般的な加工より も弱めの条件、詳しくは、噴射圧を0.1~0.7MPa 噴射角度を30°~60°、被加工物と噴射ノズル の距離を2~5cm、砥粒の番手を#360~#1000とする がよい。
本実施形態の製造方法において、前記層 、従来公知の方法によって形成することが きる。例えば、化学蒸着法(CVD法)により形 してもよいし、スパッタリング法、イオン レーティング法、蒸着法などの物理蒸着法(P VD法)により形成してもよい。特に、前記層の 形成を化学蒸着法により行う場合、形成する 層のうち、少なくとも1層を中温化学蒸着法 より形成することが好ましい。
前記層を形成するにあたり、化学蒸着法に 柱状結晶をなす層を形成するには、特に中 化学蒸着法(MT-CVD)を採用することが好まし 。例えば、中温化学蒸着法にて炭窒化チタ (TiCN)等の層を形成することにより、応力緩 による靭性向上の効果がより顕著に現れる 中温化学蒸着法により炭窒化チタン(TiCN)層 形成するには、具体的には、例えば、反応 ス組成として、四塩化チタン(TiCl 4 )ガスが0.1~10vol%、窒素(N 2 )ガスが0~40vol%、アセトニトリル(CH 3 CN)ガスが1~10vol%、残りが水素(H 2 )ガスである混合ガスを調製する。そして前 混合ガスを反応チャンバ内に導入し、反応 ャンバ内の温度を750~900℃、圧力を5~85kPaとな るよう調整して、TiCN層を形成することがで る。
前記層を形成するにあたり、物理蒸着法(PVD )にて柱状結晶をなす膜を形成するには、例 ばアークイオンプレーティング法にて、チ ンアルミ(Ti、Al)合金をターゲットとし、炉 温度を250~700℃とし、アーク放電により金属 を蒸発させてイオン化すると同時に、窒素 の窒素(N 2 )ガスと反応させることにより、(Ti、Al)N硬質 を成膜することができる。このとき、皮膜 緻密度や母材との密着力を高めるために、3 0~300Vのバイアス電圧を印加しながら成膜する ことが望ましい。また、(Ti、Al)合金に代えて 、Ti、Al等の金属や、周期表の4、5、6族元素 Si、Alから選ばれる2種以上の元素で構成され る金属間化合物を使用することにより、異な る膜質の硬質膜を得ることができる。また、 N 2 ガスのほかに、メタン(CH 4 )ガスやCO 2 ガス等の反応ガスを用いることによっても膜 質を変えることが可能である。
なお、本実施形態の製造方法において形 する層の組成および層の厚みは、前述した りである。
本発明の一実施形態に係る被削材の切削方
は、前述した本発明の一実施形態に係る切
工具または被削材の少なくとも一方を回転
せ、前記被削材に前記切削工具の切刃を近
する工程(近接工程)と、前記切刃を前記被
材の表面に接触させ、前記被削材を切削す
工程(切削工程)と、前記被削材から前記切刃
を離間させる工程(離間工程)と、を備える。
前記近接工程においては、本発明の一実施
態に係る切削工具と被削材は、いずれか一
を回転させればよく、両方を回転させても
い。また、本発明の一実施形態に係る切削
具と被削材とは相対的に近づけばよく、例
ば被削材を切削用具の切刃に近づけてもよ
。
前記切削工程においては、例えば、切削工
と被削材の少なくとも一方を回転させた状
を保持しながら、被削材の異なる箇所に切
工具の切刃を接触させることにより、切削
工を継続して行うことが好ましい。
前記離間工程においては、前記近接工程と
様、本発明の一実施形態に係る切削工具と
削材とは相対的に遠ざかればよく、例えば
削材を切削工具の切刃から遠ざけるように
てもよい。
以下、本発明の一実施形態に係る切削工 についてさらに詳細に説明するが、本発明 以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
原料粉末として、市販の平均粒径が1.5μmの
化タングステン(WC)粉末、コバルト(Co)粉末
炭化チタン(TiC)粉末、および炭化タンタル(Ta
C)粉末を準備する。これらの粉末を、WC粉末
対して、Co粉末を6質量%、TiC粉末を0.5質量%、
TaC粉末を1質量%の割合で添加、混合して、プ
ス成形により切削工具形状(CNMG120408)に成形
た。その後、脱バインダ処理を施し、0.01Pa
真空中、1500℃で1時間保持して焼結し、硬
合金母材を作製した。
平均粒径1.5μmの炭化タングステン(WC)粉末に
対して、平均粒径1.5μmの金属コバルト(Co)粉
を6質量%、平均粒径1.5μmの炭化チタン(TiC)粉
を0.5質量%、炭化タンタル(TaC)粉末を1質量%
割合で添加、混合して、プレス成形により
削工具形状(CNMA120408)に成形した。その後、
バインダ処理を施し、0.01Paの真空中、1500℃
1時間保持し焼成して硬質合金母材を作製し
た。
次に、この母材の表面に、表1に示す第1加
と第2加工とを順次施した。各加工の条件等
、表2に示す通りである。その後、各加工を
施した母材の表面に、化学蒸着法にて、母材
側から順に、窒化チタン(TiN)層、柱状晶炭窒
チタン(TiCN)層、粒状晶炭窒化チタン(TiCN)層
炭酸窒化チタン(TiCNO)層、酸化アルミニウム
(Al 2
O 3
)層、窒化チタン(TiN)層からなる硬質膜(総膜
12.0μm)を形成して、切削工具を作製した。
窒化チタン(TiN)層の形成条件は、温度が880
、圧力が200mbar、反応ガスが、四塩化チタン(
TiCl 4
)が1.5vol%、窒素(N 2
)が20vol%、残りが水素(H 2
)からなる混合ガスである。
中温化学蒸着法による柱状晶炭窒化チタン(
TiCN)層の形成条件は、温度が860℃、圧力が90mb
ar、反応ガスが、四塩化チタン(TiCl 4
)が1.5vol%、アセトニトリル(CH 3
CN)が0.6vol%、窒素(N 2
)が30vol%、残りが水素(H 2
)からなる混合ガスである。
粒状晶炭窒化チタン(TiCN)層の形成条件は、
度が1010℃、圧力が150mbar、反応ガスが、四
化チタン(TiCl 4
)が1.7vol%、メタン(CH 4
)が6vol%、窒素(N 2
)が35vol%、残りが水素(H 2
)からなる混合ガスである。
炭酸窒化チタン(TiCNO)層の形成条件は、温度
が1010℃、圧力が100mbar、反応ガスが、四塩化
タン(TiCl 4
)が0.7vol%、メタン(CH 4
)が4vol%、窒素(N 2
)が5vol%、二酸化炭素(CO 2
)が1.0vol%、残りが水素(H 2
)からなる混合ガスである。
さらに、酸化アルミニウム(Al 2
O 3
)層の形成条件は、温度が1010℃、圧力が90mbar
混合ガスが、三塩化アルミニウム(AlCl 3
)が1.6vol%、二酸化炭素(CO 2
)が3.5vol%、硫化水素(H 2
S)が0.1vol%、残りが水素(H 2
)からなる混合ガスである。
各層の厚みについては、母材側から窒化チ
ン(TiN)層(0.3μm厚み)-柱状結晶からなる炭窒
チタン(TiCN)層(8.0μm厚み)-粒状結晶からなる
窒化チタン(TiCN)層(0.1μm厚み)-炭酸窒化チタ
(TiCNO)層(0.1μm厚み)-酸化アルミニウム(Al 2
O 3
)層(3.0μm厚み)-窒化チタン(TiN)層(0.5μm厚み)の
に形成した。
得られた各切削工具について、層の厚み方
に切断し、その断面を透過電子顕微鏡(TEM)
用いて10000倍の倍率で観察した。その結果、
以下の項目は、表1に示す通りであった。
1) 硬質相からなる平滑面部の有無
2) 凹部の有無
3) 凹部の表面における結合相の有無
4) 切断面(硬質合金母材と層の厚み方向)に直
交する平面における長さ20μmの中にある凹部
状態(個数および平均深さ)
5) 界面における直線20μmの長さ範囲に占める
多方向成長部の割合
6) 多方向成長部の幅の変化(すなわち、母材
>層表面側となっていれば「○」、なって
いなければ「×」)
7) 界面における直線20μmの長さ範囲における
互いに独立した多方向成長部の個数
8) 上述したWaIIとWaIの比
なお、表1中のNo.1(本発明の範囲内)と、No. 8(本発明の範囲外)においては、第1加工およ 第2加工を施した後、層を形成する前に、走 電子顕微鏡(SEM)写真を3000倍の倍率で撮影し 。No.1(本発明の範囲内)の電子顕微鏡写真を 3に、No.8(本発明の範囲外)の電子顕微鏡写真 を図4に、それぞれ示す。
上記切削工具を用い、下記の条件により、
続切削試験および強断続切削試験を行った
そして、連続切削試験にて耐摩耗性を、強
続切削試験にて耐欠損性をそれぞれ評価し
。この切削試験の結果を表3に示す。
(連続切削試験条件)
被削材 :SCM435
工具形状:CNMG120408
切削速度:300m/分
送り速度:0.3mm/rev
切り込み:2mm
切削時間:20分
切削液 :エマルジョン15%+水85%混合液
評価項目:顕微鏡にて切刃を観察し、フラン
摩耗量・先端摩耗量を測定
(強断続切削試験条件)
被削材 :SCM440 4本溝入材
工具形状:CNMG120408
切削速度:300m/分
送り速度:0.40mm/rev
切り込み:2mm
切削液 :エマルジョン15%+水85%混合液
評価項目:欠損に至る衝撃回数
上記表1乃至表3から分かるように、第1加 として所定のブラシ加工で母材表面を平滑 した後、この平滑にした母材表面に第2加工 として所定のショットブラスト加工で凹部を 設けて得られた試料No.1~7については、いずれ も、前述した項目1)-8)が、本発明の範囲内と ることがわかる。そして、このような本発 の試料No.1~7は、前述した項目1)-8)が本発明 範囲外である試料No.8~10に比べて、フランク 耗、先端摩耗、欠損に至る衝撃回数すべて おいて優れた結果を得ることができた。こ は、平滑にした母材表面に敢えて凹部を設 ておくことにより、母材の表面に形成され 層には高硬度化した領域と高靭性を有する 域(すなわち、高靭性である多方向成長部) が共存することになり、強断続加工での強 衝撃の際に、コーティング層にクラックが 生した場合であっても、クラックの進展を 制し、欠損を防止することができたものと えられる。
(実施例2)
実施例1と同様にして作製した硬質合金母材
の表面に、表4に示す第1加工(荒加工)と第2加
(仕上加工)とを順次施した。各加工の条件
は、表2に示す通りである。その後、各加工
施した母材の表面に、アークイオンプレー
ィング法にて、(Ti、Al)合金をターゲットと
、窒素(H 2
)ガスを反応ガスとして、炉内温度500℃、バ
アス電圧―50Vの条件で、(Ti、Al)N層(厚み2.5μm
)を形成して、切削工具を作製した。
得られた各切削工具について、実施例1と 同様の方法で、前述した項目1)~6)および8)と 母材表面の最大高さRzについて、測定した。 結果を表4に示す。
上記切削工具を用い、実施例1と同様の切 削試験を行い、切削性能を評価した。結果を 表5に示す。
上記表4乃至表5から分かるように、実施 1と同様、本発明の範囲内となるように作製 れた試料No.21~27の切削工具は、本発明の範 外である試料No.28~30の切削工具よりも、各切 削性能に優れる結果となった。
以上、本発明にかかる切削工具およびそ 製造方法について詳しく説明したが、本発 の範囲はこれらの説明に拘束されることは く、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜 更または改善しうるものである。
Next Patent: POLISHING COMPOSITION
