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Title:
CUTTING TOOL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2020/174756
Kind Code:
A1
Abstract:
The present invention provides a cutting tool comprising a base material and a coating covering the base material, wherein the coating includes an α-Al2O3 layer, and in the α-Al2O3 layer, the (0 0 12)-plane orientation index TC(0 0 12) is in the range of 4 to 8.5 inclusive, the (2 0 14)-plane orientation index TC(2 0 14) is in the range of 0.5 to 3 inclusive, and the total of the orientation index TC(0 0 12) and the orientation index TC(2 0 14) is no higher than 9.

Inventors:
RIKISO YUKI (JP)
OKUNO SUSUMU (JP)
PASEUTH ANONGSACK (JP)
IMAMURA SHINYA (JP)
Application Number:
PCT/JP2019/043092
Publication Date:
September 03, 2020
Filing Date:
November 01, 2019
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Assignee:
SUMITOMO ELECTRIC HARDMETAL CORP (JP)
International Classes:
B23B27/14; B23B51/00; B23C5/16; C23C16/40
Domestic Patent References:
WO2018224487A12018-12-13
WO2014054591A12014-04-10
WO2018079229A12018-05-03
Attorney, Agent or Firm:
FUKAMI PATENT OFFICE, P.C. (JP)
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Claims:
〇 2020/174756 24 卩(:171?2019/043092 請求の範囲

[請求項 1 ] 基材と、 前記基材を被覆する被膜とを備える切削工具であって、 前記被膜は、 《_八 丨 23層を含み、

前記《_八 丨 23層において、

下記式 (1) で表される (0 0 1 2) 面の配向性指数丁〇 (0 0 1 2) が 4以上 8 . 5以下であり、

下記式 (2) で表される (2 0 1 4) 面の配向性指数丁〇 (2 0 1 4) が〇. 5以上 3以下であり、

前記配向性指数丁(3 (0 0 1 2) と前記配向性指数丁(3 (2

〇 1 4) との合計が 9以下である、 切削工具。

[数 1 ]

式 (1) 及び式 (2) 中、 I (11 1< I) は、 (11 1< 丨) 面に おいて X 口測定されたときに求められる X線回折強度を示し、

I 。 ( 1< I) は、 」〇 0 3力ードの 0 1 0 - 0 1 7 3に示 されている《_八 丨 23の (11 1< I) 面における標準強度を示 し、

(11 1< I) 面は、 (0 1 2) 面、 (1 0 4) 面、 (1

1 〇) 面、 (1 1 3) 面、 (0 2 4) 面、 (1 1 6

) 面、 (3 0 0) 面、 (0 0 1 2) 面及び (2 0 1 4) 面の 9面のいずれかを示す。

[請求項 2] 前記配向性指数丁(3 (2 0 1 4) は、 1以上 2 . 5以下である

、 請求項 1 に記載の切削工具。

[請求項 3] 前記《 _八 丨 2〇 3層の厚みが 1 以上 2 0 以下である、 請 求項 1又は請求項 2に記載の切削工具。 〇 2020/174756 25 卩(:171?2019/043092

[請求項 4] 前記被膜は、 前記基材と前記 I 23層との間に設けられて いる中間層を更に含み、

前記中間層は、 構成元素としてチタンを含む炭酸化物、 炭窒酸化物 又は硼窒化物を含む、 請求項 1から請求項 3のいずれか一項に記載の 切削工具。

[請求項 5] 前記被膜の厚みが 1 以上 3 0 以下である、 請求項 1から請 求項 4のいずれか一項に記載の切削工具。

[請求項 6] 前記被膜は、

更に含む、 請求項 1から請求項 5のいずれか一項に記載の切削工具。

Description:
\¥02020/174756 1 卩(:17 2019/043092 明 細 書

発明の名称 : 切削工具

技術分野

[0001] 本開示は、 切削工具に関する。 本出願は、 201 9年 2月 26日に出願し た日本特許出願である特願 201 9—032643号に基づく優先権を主張 する。 当該日本特許出願に記載された全ての記載内 容は、 参照によって本明 細書に援用される。

背景技術

[0002] 従来より、 切削工具の長寿命化を目的として、 種々の検討がなされている 。 たとえば、 国際公開第 201 3/037997号 (特許文献 1 ) には、 基 材と、 基材の表面に形成されている被膜とを備える 切削工具が開示されてい る。

先行技術文献

特許文献

[0003] 特許文献 1 :国際公開第 201 3/037997号

発明の概要

[0004] 本開示に係る切削工具は、

基材と、 上記基材を被覆する被膜とを備える切削工具 であって、 上記被膜は、 《_八 丨 2 3 層を含み、

上記《—八 丨 2 3 層において、

下記式 (1 ) で表される (0 0 1 2) 面の配向性指数丁 ( 3 (0 0

1 2) が 4以上 8. 5以下であり、

下記式 (2) で表される (2 0 1 4) 面の配向性指数丁 ( 3 (2 0

1 4) が〇. 5以上 3以下であり、

上記配向性指数丁 ( 3 (0 0 1 2) と上記配向性指数丁 0 (2 0 1

4) との合計が 9以下である。 〇 2020/174756 卩(:17 2019/043092

[数 1 ]

式 (1) 及び式 (2) 中、 I 1< I) は、 1< I) 面において X 口測定されたときに求められる X線回折強度を示し、

1 。 ( 1< I) は、 」〇 0 3力ードの 0 1 0— 0 1 7 3に示されてい る《—八 丨 2 3 の 1< 丨) 面における標準強度を示し、

(11 1< I) 面は、 (0 1 2) 面、 (1 0 4) 面、 (1 1

0) 面、 (1 1 3) 面、 (0 2 4) 面、 (1 1 6) 面、 (3

0 0) 面、 (0 0 1 2) 面及び (2 0 1 4) 面の 9面のいずれか を示す。

図面の簡単な説明

[0005] [図 1]図 1は、 切削工具の基材の一態様を例示する斜視図で ある。

[図 2]図 2は、 本実施形態の一態様における切削工具の模式 断面図である。

[図 3]図 3は、 従来の《_八 丨 2 3 層における組織構造を示す模式断面図で あ る。

[図 4]図 4は、 本実施形態の

図である。

[図 5]図 5は、 本実施形態の他の態様における切削工具の模 式断面図である。 発明を実施するための形態

[0006] [本開示が解決しようとする課題]

特許文献 1では、 基材上に、 (〇 〇 1) 配向が優先的である《_八 I 2 〇 3 層等を設けることによって、 切削工具の性能 (例えば、 耐摩耗性、 耐欠損 性等) を向上させている。 しかしながら、 切削工具が 丨 2 3 層の耐摩 耗性向上の恩恵を十分に享受するためには、 これに並行して 八 丨 2 3 層 〇 2020/174756 3 卩(:171?2019/043092

の耐欠損性の向上 (特に、 切削加工時における 八 I 2 3 層の界面 (主面 ) に対して垂直な方向から被膜に作用する力へ の耐性の向上) も進めること が重要である。 このような状況下、 表面に被膜が設けられた切削工具の更な る改良が求められている。

[0007] 本開示は、 上記事情に鑑みてなされたものであり、 優れた耐摩耗性を有し 、 且つ優れた耐欠損性を有する切削工具を提供 することを目的とする。

[本開示の効果]

[0008] 上記によれば、 優れた耐摩耗性を有し、 且つ優れた耐欠損性を有する切削 工具を提供することが可能になる。

[0009] [本開示の実施形態の説明]

最初に本開示の一態様の内容を列記して説明 する。

[ 1] 本開示の一態様に係る切削工具は、

基材と、 上記基材を被覆する被膜とを備える切削工具 であって、 上記被膜は、 《_八 丨 2 3 層を含み、

上記《—八 丨 2 3 層において、

下記式 (1) で表される (0 0 1 2) 面の配向性指数丁(3 (0 0

1 2) が 4以上 8 . 5以下であり、

下記式 (2) で表される (2 0 1 4) 面の配向性指数丁(3 (2 0

1 4) が〇. 5以上 3以下であり、

上記配向性指数丁(3 (0 0 1 2) と上記配向性指数丁 0 (2 0 1

4) との合計が 9以下である。

[数 2]

式 (1) 及び式 (2) 中、 I !< I) は、 !< I) 面において 〇 2020/174756 4 卩(:171?2019/043092

X 口測定されたときに求められる X線回折強度を示し、

1 。 ( 1< I) は、 」〇 03力ードの 01 0— 01 73に示されてい る《—八 丨 2 3 の 1< 丨) 面における標準強度を示し、

(11 1< I) 面は、 (0 1 2) 面、 (1 0 4) 面、 (1 1

0) 面、 (1 1 3) 面、 (0 2 4) 面、 (1 1 6) 面、 (3

0 0) 面、 (0 0 1 2) 面及び (2 0 1 4) 面の 9面のいずれか を示す。

[0010] 上記切削工具は、 上述のような構成を備えることによって、 高い硬度を維 持しながら その結果、 上記切削 工具は、 優れた耐摩耗性を有し、 且つ優れた耐欠損性を有する。

[0011] [2] 上記配向性指数丁 0 (2 0 1 4) は、 1以上 2. 5以下である ことが好ましい。 このように規定することで耐欠損性が更に優 れる切削工具 となる。

[0012] [ 3 ] 上記《 _八 丨 2 3 層の厚みが 1 以上 20 以下であることが 好ましい。 このように規定することで被膜と基材との密 着力を良好に維持し つつ、 耐摩耗性が更に優れる切削工具となる。

[0013] [4] 上記被膜は、 上記基材と上記 I 2 3 層との間に設けられてい る中間層を更に含み、

上記中間層は、 構成元素としてチタンを含む炭酸化物、 炭窒酸化物又は硼 窒化物を含むことが好ましい。 このように規定することで耐摩耗性に加えて 、 上記基材と上記《_八 I 2 3 層と間の密着力が更に優れる切削工具と なる

[0014] [5] 上記被膜の厚みが 1 以上 30 以下であることが好ましい。

このように規定することで被膜と基材との密 着力を良好に維持しつつ、 耐摩 耗性が更に優れる切削工具となる。

[0015] [6] 上記被膜は、 上記《— 丨 2 3 層上に形成されている最表面層を更 に含むことが好ましい。 このように規定することで耐摩耗性に加えて 、 被膜 の識別性に優れる切削工具となる。 〇 2020/174756 5 卩(:171?2019/043092

[0016] [本開示の実施形態の詳細]

以下、 本開示の一実施形態 (以下 「本実施形態」 と記す。 ) について説明 する。 ただし、 本実施形態はこれらに限定されるものではな い。 なお以下の 実施形態の説明に用いられる図面において、 同 _ の参照符号は、 同 _ 部分ま たは相当部分を表わす。 本明細書において 「八〜巳」 という形式の表記は、 範囲の上限下限 (すなわち八以上巳以下) を意味し、 八において単位の記載 がなく、 巳においてのみ単位が記載されている場合、 の単位と巳の単位と は同じである。 さらに、 本明細書において、 たとえば 「丁 丨 1\1」 等のように 、 構成元素の比が限定されていない化学式によ って化合物が表された場合に は、 その化学式は従来公知のあらゆる組成 (元素比) を含むものとする。 こ のとき化学式は、 化学量論組成のみならず、 非化学量論組成も含むものとす る。 たとえば 「丁 丨 1\1」 の化学式には、 化学量論組成 「丁 丨 1 1X1 ! 」 のみなら ず、 たとえば 「丁 丨 8 」 のような非化学量論組成も含まれる。 このこと は、 「丁 丨 1\1」 以外の化合物の記載についても同様である。

[0017] 《表面被覆切削工具》

本実施形態に係る切削工具は、

基材と、 上記基材を被覆する被膜とを備える切削工具 であって、 上記被膜は、 《_八 丨 2 3 層を含み、

上記《—八 丨 2 3 層において、

上記式 (1) で表される (0 0 1 2) 面の配向性指数丁(3 (0 0 1 2) が 4以上 8 . 5以下であり、

上記式 (2) で表される (2 0 1 4) 面の配向性指数丁(3 (2 0 1 4) が〇. 5以上 3以下であり、

上記配向性指数丁(3 (0 0 1 2) と上記配向性指数丁 0 (2 0 1

4) との合計が 9以下である。

[0018] 本実施形態の表面被覆切削工具は、 基材と、 上記基材を被覆する被膜とを 備える (以下、 単に 「切削工具」 という場合がある。 ) 。 上記切削工具は、 例えば、 ドリル、 エンドミル、 ドリル用刃先交換型切削チップ、 エンドミル 〇 2020/174756 6 卩(:171?2019/043092

用刃先交換型切削チップ、 フライス加工用刃先交換型切削チップ、 旋削加工 用刃先交換型切削チップ、 メタルソー、 歯切工具、 リーマ、 タップ等であり 得る。

[0019] <基材>

本実施形態の基材は、 この種の基材として従来公知のものであれば いずれ のものも使用することができる。 例えば、 上記基材は、 超硬合金 (例えば、 炭化タングステン 基超硬合金、 の他に 0〇を含む超硬合金、 〇の他に〇 「、 丁 し 1\1匕等の炭窒化物を添加した超硬合金等) 、 サ —メッ ト (丁 丨 〇、 丁 丨 1\1、 丁 丨 〇1\1等を主成分とするもの) 、 高速度鋼、 セラミックス (炭化チタン、 炭化珪素、 窒化珪素、 窒化アルミニウム、 酸化 アルミニウム等) 、 立方晶型窒化硼素焼結体 (〇巳1\1焼結体) 及びダイヤモ ンド焼結体からなる群から選ばれる 1種を含むことが好ましい。

[0020] これらの各種基材の中でも、 基超硬合金、 サーメッ ト (特に丁 I

〇1\1基サーメッ ト) を選択することが好ましい。 この理由は、 これらの基材 が特に高温における硬度と強度とのバランス に優れ、 上記用途の切削工具の 基材として優れた特性を有するためである。

[0021 ] 図 1は切削工具の基材の一態様を例示する斜視 である。 このような形状 の切削工具は、 旋削加工用刃先交換型切削チップとして用い られる。

[0022] 図 1 に示される基材 1 1は、 上面、 下面及び 4つの側面を含む表面を有し ており、 全体として、 上下方向にやや薄い四角柱形状である。 また、 基材 1 1 には上下面を貫通する貫通孔が形成されてお り、 4つの側面の境界部分に おいては、 隣り合う側面同士が円弧面で繫がれている。

[0023] 上記基材 1 1では、 上面及び下面がすくい面 1 3を成し、 4つの側面 (及 びこれらを相互に繫ぐ円弧面) が逃げ面 1 匕を成し、 すくい面 1 3と逃げ面 1 匕とを繫ぐ円弧面が刃先部 1 〇を成す。 「すくい面」 とは、 被削材から削 り取った切りくずをすくい出す面を意味する 。 「逃げ面」 とは、 その一部が 被削材と接する面を意味する。 刃先部は、 切削工具の切れ刃を構成する部分 に含まれる。 〇 2020/174756 7 卩(:171?2019/043092

[0024] 上記切削工具が刃先交換型切削チップである 場合、 上記基材 1 1は、 チッ プブレーカーを有する形状も、 有さない形状も含まれる。 刃先部 1 〇の形状 は、 シャープエッジ (すくい面と逃げ面とが交差する稜) 、 ホーニング (シ ャープエッジに対してアールを付与した形状 ) 、 ネガランド (面取りをした 形状) 、 ホーニングとネガランドを組み合わせた形状 の中で、 いずれの形状 も含まれる。

[0025] 以上、 基材 1 1の形状及び各部の名称を、 図 1 を用いて説明したが、 本実 施形態に係る切削工具において、 上記基材 1 1 に対応する形状及び各部の名 称については、 上記と同様の用語を用いることとする。 すなわち、 上記切削 工具は、 すくい面と、 逃げ面と、 上記すくい面及び上記逃げ面を繫ぐ刃先部 とを有する。

[0026] <被膜 >

本実施形態に係る被膜は、 上記基材上に設けられた I 2 3 層を含む 。 「被膜」 は、 上記基材の少なくとも一部 (例えば、 上記すくい面の一部等 ) を被覆することで、 切削工具における耐欠損性、 耐摩耗性等の諸特性を向 上させる作用を有するものである。 上記被膜は、 上記基材の一部に限らず上 記基材の全面を被覆することが好ましい。 しかしながら、 上記基材の一部が 上記被膜で被覆されていなかったり被膜の構 成が部分的に異なっていたりし ていたとしても本実施形態の範囲を逸脱する ものではない。

[0027] 上記被膜は、 その厚みが 1 以上 3〇 以下であることが好ましい。

ここで、 被膜の厚みとは、 後述する 八 I 2 3 層、 中間層、 最表面層、 及 び他の層 (例えば、 下地層、 硬質層) 等の被膜を構成する層それぞれの厚み の総和を意味する。 上記被膜の厚みは、 例えば、 上記切削工具の断面を光学 顕微鏡を用いて倍率 1 0 0 0倍で測定することで測定可能である。 具体的に は、 当該断面における任意の 3点を測定し、 測定された 3点の厚みの平均値 をとることで求めることが可能である。 後述する《-八 I 2 3 層、 中間層、 最表面層及び他の層それぞれの厚みを測定す る場合も同様である。

[0028] ((¾ _ 八 丨 2 3 層) 〇 2020/174756 8 卩(:171?2019/043092

本実施形態の《_八 丨 2 3 層は、 《_八 丨 2 0 3 (結晶構造が《型である酸 化アルミニウム) の結晶粒 (以下、 単に 「結晶粒」 という場合がある。 ) を 含む。 すなわち、 上記《_八 丨 2 3 層は、 多結晶の《_八 丨 2 3 を含む層で ある。

[0029] 上記《_八 I 2 3 層は、 本実施形態に係る切削工具が奏する効果を損 なわ ない範囲において、 不可避不純物が含まれていてもよい。

[0030] 上記《_八 I 2 3 層は、 本実施形態に係る切削工具が奏する効果を損 なわ ない範囲において、 上記基材の直上に設けられていてもよいし (例えば、 図 2) 、 後述する下地層、 硬質層、 中間層等の他の層を介して上記基材の上に 設けられていてもよい (例えば、 図 5) 。 上記《-八 I 2 3 層は、 その上に 最表面層等の他の層が設けられていてもよい (例えば、 図 5) 。 また、 上記 «—八 丨 2 3 層は、 上記被膜の最外層であってもよい。

[0031 ] 本実施形態において、 a A 2 3 層は、 その厚みが 1 以上 2 0

以下であることが好ましく、 3 以上 1 0 以下であることがより好ま しい。 これにより、 耐摩耗性に更に優れるという効果を発揮する ことができ る。 当該厚みは、 例えば、 上述したような上記切削工具の断面を光学顕 微鏡 を用いて倍率 1 0 0 0倍で測定することで測定可能である。

[0032] 上記切削工具は、 上記《_八 丨 2 3 層において、

上記式 (1) で表される (0 0 1 2) 面の配向性指数丁(3 (0 0 1 2) が 4以上 8 . 5以下であり、

上記式 (2) で表される (2 0 1 4) 面の配向性指数丁(3 (2 0 1 4) が〇. 5以上 3以下であり、

上記配向性指数丁(3 (0 0 1 2) と上記配向性指数丁 0 (2 0 1

4) との合計が 9以下である。

[0033] 上記式 ( 1) 及び上記式 ( 2) 中、 I ( 、 I) 面において乂[¾ 0測定 (X線回折測定) されたときに求められる X線回折強 度を示す。 ここで上記 X線回折強度とは、 乂[¾ 0測定によって得られた回折 チヤートにおけるピークの高さを意味する。 丨 。 ( !< 丨) は、 」〇 〇 〇 2020/174756 9 卩(:171?2019/043092

3力 _ドの 01 0— 01 73に:^されている<¾—八 1 2 3 の ( 1< I) 面における標準強度を示す。 ( 1< 丨) 面は、 (0 1 2) 面、 (1 0 4) 面、 (1 1 0) 面、 (1 1 3) 面、 (0 2 4) 面、

(1 1 6) 面、 (3 0 0) 面、 (0 0 1 2) 面及び ( 2 0

1 4) 面の 9面のいずれかを示す。

[0034] 従来、 《_八 1 2 3 層は、 (0 0 1) 配向を有する結晶粒の含有割合 が多いことが好ましいと考えられていた。 すなわち、 《_八 丨 2 3 層は、 図 3に示すような (0 0 1) 配向を有する結晶粒 (柱状晶 1 2 3 ) からなることが理想的であると考えられてい た。 しかしながら、 切削工具が «_八 丨 2 3 層の耐摩耗性向上の恩恵を十分に享受す るためには、 これに並 行して《_八 丨 2 3 層の耐欠損性の向上 (特に、 切削加工時における 八

1 2 3 層の界面 (主面) に対して垂直な方向から被膜に作用する力へ の耐性 の向上) も進めることが重要である。

[0035] 本発明者らは、 上記課題を解決するために鋭意研究を行った ところ、 (0

0 1) 配向を有する結晶粒 (柱状晶 1 2 3 ) 同士の間に (2 0 1 4) 配向を有する結晶粒 1 2匕 (柱状晶 1 2匕) が所定の割合で存在す ることによって (例えば、 図 4) 、 当該《_八 丨 2 3 層の界面に対して垂直 な方向からの力に対する耐亀裂進展性が向上 していることを初めて見いだし た。 また、 本発明者らは、 (0 0 1) 配向を有する結晶粒 1 2 3 及び (

2 0 1 4) 配向を有する結晶粒 1 2匕の存在割合と配向性指数との関係 について検討したところ、 (0 0 1) 配向を有する結晶粒 1 2 3 及び ( 2 0 1 4) 配向を有する結晶粒 1 2匕の配向性指数は、 (0 0 1) 配向を有する結晶粒 1 2 3 及び (2 0 1 4) 配向を有する結晶粒 1 2匕 の存在割合 (体積比率) を反映する指標となること、 上記式 (1) で表され る (0 0 1 2) 面の配向性指数丁(3 (0 0 1 2) が 4以上 8. 5以 下であり、 上記式 (2) で表される (2 0 1 4) 面の配向性指数丁〇 ( 2 0 1 4) が〇. 5以上 3以下であることを見いだした。 当該耐亀裂進 展性が向上することによって、 上記切削工具は、 優れた耐摩耗性を有し、 且 〇 2020/174756 10 卩(:171?2019/043092

つ優れた耐欠損性を有するものとなる。

[0036] なお、 本明細書において、 結晶粒の配向性を議論する場合は、 (0 0

1 2) 面に対応する配向性は 「 (0 0 1) 配向」 と表現する。 (0 0 1 2) 面に対応する配向性と (0 0 1) 面に対応する配向性とは同じ であるためである。 一方、 配向性指数を議論する場合は、 「丁〇 (0 0

1 2) 」 等のように当該配向性指数に対応する結晶面 のミラー指数で表記す る。

[0037] 上記配向性指数丁〇 (0 0 1 2) は、 例えば以下の条件で行う乂[¾口 測定によって求めることが可能である。 具体的には、 上記《—八 丨 2 3 層に おける任意の 1点について、 X線回折測定を行い、 上記式 (1) に基づいて 求められた (0 0 1 2) 面の配向性指数を当該 八 丨 2 3 層における 配向性指数丁〇 (0 0 1 2) とする。 ただし、 上述の 「任意の 1点」 を 選択するにあたり、 一見して異常値を示す点は除外する。 本実施形態におい て、 上記<¾—八 丨 2〇 3層は均一性が高いため、 上記<¾—八 丨 2〇 3層における 複数の点について配向性指数丁 0 (0 0 1 2) を求めても、 有意差は見 られないと本発明者らは考えている。 配向性指数丁〇 (2 0 1 4) も上 記と同様の方法で求めることが可能である。 なお、 上記《—八 丨 2 3 層上に 最表面層等が形成されている場合、 上記最表面層等を研磨して上記 八 I , 〇 3 層を露出させてから、 X 口測定を行うこととする。

[0038] (X線回折測定の条件)

X線出力 451< , 200〇1八

X線源、 波長 1. 54 1 862

検出器 〇/ 1 e X I V a 250

スキャン軸 20/0

長手制限スリッ ト幅 2. 0〇!〇!

スキャンモード 〇〇1\1丁 丨 1\111〇113

スキヤンスピード 20° /〇! 1 门

[0039] 上記配向性指数丁〇 (2 0 1 4) は、 1以上 2. 5以下であることが 〇 2020/174756 1 1 卩(:171?2019/043092

好ましく、 1 . 7以上 2 . 2以下であることがより好ましい。

[0040] 上記配向性指数丁(3 (0 0 1 2) は、 4 . 5以上 7 . 5以下であるこ とが好ましく、 5以上 7 . 5以下であることがより好ましい。

[0041 ] (中間層)

上記被膜は、 上記基材と上記 I 2 3 層との間に設けられている中間 層を更に含むことが好ましい。 上記中間層は、 構成元素としてチタン (丁 I ) を含む炭酸化物、 炭窒酸化物又は硼窒化物を含むことが好まし い。 これに より、 被膜の 耐摩耗性の向上が効果的に 得られる。 本実施形態の一側面において、 上記中間層は、 構成元素として丁 I を含む炭酸化物、 炭窒酸化物及び硼窒化物からなる群より選ば れる 1種の 化合物からなることが好ましい。 すなわち、 上記中間層は、 丁 丨 〇〇、 丁 I 〇1\1〇又は丁 丨 巳 1\1で表される化合物からなることが好ましい 。 上記中間層 は、 丁 丨 〇1\1〇層 (丁 丨 〇 1\1〇で表される化合物からなる層) であることが 好ましい。

[0042] 上記中間層は、 本実施形態に係る切削工具が奏する効果を損 なわない範囲 において、 不可避不純物が含まれていてもよい。

[0043] 上記中間層は、 その厚みが 2 以下であることが好ましく、 〇. 5 以上 1 . 5 以下であることがより好ましい。 当該厚みは、 例えば、 上述 したような上記切削工具の断面を光学顕微鏡 を用いて倍率 1 0 0 0倍で測定 することで測定可能である。

[0044] (最表面層)

上記被膜は、

ことが好ましい。 このようにすることで耐摩耗性に加えて、 被膜の識別性に 優れる切削工具となる。 上記最表面層は、 丁 丨 〇、 丁 丨 1\1又は丁 丨 〇1\1で表 される化合物からなることが好ましい。 上記最表面層が丁 丨 (3、 丁 丨 1\1又は 丁 丨 〇1\1で表される化合物からなることによって 、 被膜の靱性が向上する。

[0045] 上記最表面層は、 本実施形態に係る切削工具が奏する効果を損 なわない範 囲において、 不可避不純物が含まれていてもよい。 〇 2020/174756 12 卩(:171?2019/043092

[0046] 上記最表面層は、 その厚みが〇. 1 以上 2 〇!以下であることが好ま しく、 〇. 3 〇!以上 0 . 6 〇!以下であることがより好ましい。 当該厚み は、 例えば、 上述したような上記切削工具の断面を光学顕 微鏡を用いて倍率 1 0 0 0倍で測定することで測定可能である。

[0047] (他の層)

本実施形態の効果を損なわない範囲において 、 上記被膜は他の層を更に含 んでいてもよい。 他の層としては例えば、 上記基材の直上に設けられている 下地層、 及び上記下地層と上記中間層との間に設けら れている硬質層等が挙 げられる。 上記硬質層は、 上記中間層と組成が異なっていてもよい。 上記被 膜は、 上記下地層を含むことによって上記基材に対 する密着性が向上する。 上記下地層としては、 例えば丁 丨 1\!からなる層が挙げられる。 上記被膜は、 上記硬質層を含むことによって耐摩耗性が更 に向上する。 上記硬質層として は、 例えば、 丁 丨 〇1\1からなる層が挙げられる。

[0048] 《表面被覆切削工具の製造方法》

本実施形態に係る切削工具の製造方法は、

上記切削工具の製造方法であって、

上記基材を準備する工程 (以下、 「第一工程」 という) と、

上記基材上に《_八 丨 2 3 の核を生成する工程 (以下、 「第二工程」 とい ぅ) と、

上記《_八 丨 2 3 の核から《_八 丨 2 3 の結晶を成長させる工程 (以下、 「第三工程」 という) とを含み、

上記第二工程は、 化学気相蒸着法により実行され、 〇 3 1 ~ 1 8 ガス及び ガ スを含む原料ガスを供給することを含む。 以下、 各工程について説明する。

[0049] <第一工程 >

第一工程では、 上記基材を準備する。 上記基材としては、 上述したように この種の基材として従来公知のものであれば いずれのものも使用することが できる。 上記基材を準備する方法としては、 市販品を購入してもよいし、 原 料から製造してもよい。 例えば、 上記基材が超硬合金からなる場合、 後述す 〇 2020/174756 13 卩(:171?2019/043092

る実施例に記載の配合組成 (質量%) からなる原料粉末を市販のアトライタ 一を用いて均一に混合して、 続いてこの混合粉末を所定の形状 (例えば、 住 友電エハードメタル株式会社製の型番 0 1 204081\1-11乂) に加 圧成形した後に、 所定の焼結炉において 1 300〜 1 500 ° 〇以下で、 1〜

2時間焼結することにより、 超硬合金からなる上記基材を得ることができ る 〇 なお、 上述の 204081\1_11乂」 は、 旋削用の刃先交換型 切削チップの形状である (例えば、 図 1参照) 。

[0050] <第二工程>

第二工程では、 上記基材上に 上記第二工程 は、 化学気相蒸着法により実行され、 〇 3 1 ~ 1 8 ガス及び 3ガスを含む原料ガ スを供給することを含む。

[0051] ここで、 「基材上に とは、 上記基材の上側 に《_八 丨 2 3 の核が生成されていればよい。 言い換えると、 《_八 丨 2 3 の核は、 上記基材の直上に生成されていてもよいし、 下地層、 硬質層、 中間 層等の他の層を介して上記基材の上に生成さ れてもよい。

[0052] 上記基材上 化学気相蒸着法 (〇 口法) により実行され、 〇 3 1 ~ 1 8 ガス及び ガスを含む原料ガスを供給する ことによって、 《—八 丨 2 3 の核を生成する。 すなわち、 上記第二工程は、 化学気相蒸着法により実行され、 〇 3 1 ~ 1 8 ガス及び 3ガスを含む原料ガスを 供給することを含む。 ここで、 第二工程における 「原料ガス」 とは、 〇〇 - !\

I 2 3 の核を生成するための原料ガスを意味す る。

従来、 被膜の《_八 丨 2 3 層以外の層において炭化物を生成する目 的で〇 3

、 上記基材上に《—八 丨 2 3 の核を生成するときに〇 3 1 ~ 1 8 ガスを用いること を見いだしたのは本発明者らが初めてである 。 上述の〇 3 1 ~ 1 8 ガスは、 生成相 である《_八 丨 2 3 の核の組成に変化を与えないことから、 触媒として作用 していると本発明者らは考えている。

[0053] 具体的には、 まず原料ガスとして〇〇 2 、 〇 3 1 ~ 1 8 、 ! ~ 1〇 丨、 八 丨 〇 丨 3 、 〇 2020/174756 14 卩(:171?2019/043092

3及び!· 1 2 を用いる。 配合量は、 例えば、 〇〇 2 を〇. 5〜 2体積%、 〇 3 1 ~ 1 8 を〇. 1〜 2体積%、 1 ~ 1〇 丨 を〇. 5〜 4体積%、 八 丨 〇 丨 3 を 5〜 1 3体積 %、 1〜 3体積%とし、 残部は 1 ~ 1 2 とすることが挙げられる。

[0054] 第二工程における反応中の反応容器内の温度 は、 970°〇~ 1 030°〇で あることが好ましい。

[0055] 第二工程における反応中の反応容器内の圧力 は、 80 3 〜 1 50 ^ 9

3であることが好ましい。

[0056] 第二工程における反応中の総ガス流量は、 301_/〇1 丨 n~ 1 00 !_/〇!

I 门であることが好ましい。

第二工程における反応時間は、 2分間〜 60分間であることが好ましく、

5分間〜 40分間であることがより好ましい。

[0057] <第三工程>

第三工程では、 上記<¾_八 丨 2 3 の核から(¾_八 丨 2〇 3の結晶を成長させ る。 上記《_八 丨 2 3 の核から《_八 丨 2 3 の結晶を成長させる方法は、 〇 〇法により実行される。

[0058] 具体的には、 まず原料ガスとして〇〇 2 、 1 ~ 1〇 丨、 八 丨 〇 丨 3

2を用いる。 配合量は、 例えば、 〇〇 2 を〇. 5〜 3体積%、 1 ~ 1〇 丨 を 4〜 6 体積%、 八 I 〇 I 3 を 5〜 1 3体積%、 1〜 3体積%とし、 残部 は 1 ~ 1 2 とすることが挙げられる。

[0059] 第三工程における反応中の反応容器内の温度 は、 950 ° 〇~ 1 050 ° 〇で あることが好ましい。

[0060] 第三工程における反応中の反応容器内の圧力 は、 1 0 3 〜 80 3 であることが好ましい。

[0061] 第三工程における反応中の総ガス流量は、 301_/〇1 丨 n~ 1 00 !_/〇!

I 门であることが好ましい。

第三工程における反応時間は、 成膜する

宜変更することが可能である。

[0062] <その他の工程> 〇 2020/174756 15 卩(:171?2019/043092

本実施形態に係る製造方法では、 上述した工程の他にも、 本実施形態の効 果を損なわない範囲で他の工程を適宜行って もよい。

[0063] 本実施形態では上記第二工程の前に、 上記基材上に下地層、 硬質層又は中 間層を形成する工程を含んでいてもよい。 本実施形態では、 上記第三工程の 後に、

[0064] 上述の下地層、 硬質層、 中間層又は最表面層を形成する場合、 従来の方法 によってそれそれの層を形成してもよい。

[0065] 以上の説明は、 以下に付記する特徴を含む。

(付記 1)

基材と、 前記基材を被覆する被膜とを備える表面被覆 切削工具であって、 前記被膜は、 《_八 丨 2 3 層を含み、

前記《_八 丨 2 3 層において、

下記式 (1) で表される (0 0 1 2) 面の配向性指数丁(3 (0 0

1 2) が 4以上 8 . 5以下であり、

下記式 (2) で表される (2 0 1 4) 面の配向性指数丁(3 (2 0

1 4) が〇. 5以上 3以下であり、

前記配向性指数丁(3 (0 0 1 2) と前記配向性指数丁 0 (2 0 1

4) との合計が 9以下である、 表面被覆切削工具。

[数 3]

、 、 I) 面におい て X 口測定されたときに求められる X線回折強度を示し、

〇 2020/174756 16 卩(:171?2019/043092

る《-八 1 2 3 の (11 1< I) 面における標準強度を示し、

(11 1< I) 面は、 (0 1 2) 面、 (1 0 4) 面、 (1 1

0) 面、 (1 1 3) 面、 (0 2 4) 面、 (1 1 6) 面、 (3

0 0) 面、 (0 0 1 2) 面及び (2 0 1 4) 面の 9面のいずれか を示す。 )

(付記 2)

前記配向性指数丁(3 (2 0 1 4) は、 1以上 2 . 5以下である、 付記

1 に記載の表面被覆切削工具。

(付記 3)

前記《_八 丨 2 3 層は、 その厚みが 1 以上 2 0 01以下である、 付記 1又は付記 2に記載の表面被覆切削工具。

(付記 4)

前記被膜は、 前記基材と前記 I 2 3 層との間に設けられている中間 層を更に含み、

前記中間層は、 構成元素として丁 丨 を含む炭酸化物、 炭窒酸化物又は硼窒 化物を含む、 付記 1〜付記 3のいずれかに記載の表面被覆切削工具。

(付記 5)

前記被膜は、 その厚みが 1 以上 3〇 以下である、 付記 1〜付記 4 のいずれかに記載の表面被覆切削工具。

(付記 6)

前記被膜は、

、 付記 1〜付記 5のいずれかに記載の表面被覆切削工具。

実施例

[0066] 以下、 実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、 本発明はこれらに限定 されるものではない。

[0067] 《切削工具の作製》

<基材の準備 >

まず、 第一工程として、 被膜で被覆する基材を準備した。 具体的には、 以 〇 2020/174756 17 卩(:171?2019/043092

下の配合組成 (質量%) からなる原料粉末を、 市販のアトライターを用いて 均一に混合して混合粉末を得た。

原料粉末の配合組成

〇〇 7質量%

〇 r 3 C 2 0. 5質量%

1\1匕〇 3. 5質量%

3 〇 1. 0質量%

残部

[0068] 次に、 この混合粉末を所定の形状 (住友電エハードメタル株式会社製の型 番〇 1\/1〇 1 204081\1_11乂) に加圧成形した後に、 得られた成形体を 焼結炉に入れて 1 300〜 1 500 ° 〇で 1〜 2時間焼結することにより、 超 硬合金からなる基材を得た。 204081\1-11乂」 は、 旋削用 の刃先交換型切削チップの形状である。

[0069] <被膜の形成 >

基材の表面上に、 表 4に示される下地層、 硬質層、 中間層、 《-八 I 2 3 層及び最表面層をこの順に形成することによ って、 基材の表面上に被膜を形 成した。 以下、 被膜を構成する各層の作製方法について説明 する。

[0070] (下地層、 硬質層及び中間層の形成)

表 1 に記載の成膜条件のもとで、 表 1 に記載の組成を有する反応ガスを、 基材の表面上に噴出して下地層、 硬質層及び中間層をこの順に形成した。

[0071] [表 1]

[0072] («_八 I 2 3 層の形成)

炉内圧力 1 00 3、 反応温度 1 000°〇、 ガス流量 nの 〇 2020/174756 18 卩(:171?2019/043092

成膜条件のもとで、 表 2に記載の組成を有する反応ガスを、 表 2に記載の時 間で中間層の表面上に噴出 (第二工程) 。 なお、 試料 N 0 . 1 2では、 上記第二工程に対応する処理を行わなかった 。

[0073] [表 2]

[0074] 次に、 炉内圧力 3 5 3、 反応温度 1 0 0 0 °〇、 ガス流量

门の成膜条件のもとで、 以下に示す組成を有する反応ガスを、 中間層上にあ る上記《—八 丨 2 3 の核に噴出して、 《—八 丨 2 3 の結晶を成長させた (第 三工程) 。 以上の手順によって、 《_八 丨 2 3 層を形成した。

第三工程における反応ガス組成

〇〇 2 : 2体積% 〇 2020/174756 19 卩(:171?2019/043092

1 ~ 1〇 I : 4体積%

八 I ( 3 I 3 : 1 0体積%

N 2 3 : 〇. 5体積%

1 ~ 1 2 :残り

[0075] (最表面層の形成)

表 3に記載の成膜条件のもとで、 表 3に記載の組成を有する反応ガスを、 a A 2 3 層の表面上に噴出して最表面層を形成し た。

[0076] [表 3]

[0077] 以上の手順で試料 N 0. 1〜 1 2の切削工具を作製した。 試料 1\1〇 . 1〜

6の切削工具が実施例に対応する。 試料 !\1〇 . 7〜 1 2の切削工具が比較例 に対応する。

[0078] 《切削工具の特性評価》

<配向性指数の測定>

上記のようにして作製した試料 1\1〇 . 1〜 1 2の切削工具を用いて、 X線 回折測定によって各切削工具の《— 丨 2 3 層における各配向面の配向性指 数を測定した。 測定は以下の条件で行った。 まず、 上記《_八 丨 2 3 層上形 成されている最表面層を研磨して上記 八 I 2 3 層を露出させた。 次に《 _八 I 2 3 層における任意の 1点を X線回折測定して各配向面の配向性指数 を求めた。 配向性指数丁 ( 3 (0 0 1 2) 及び配向性指数丁 ( 3 (2 0

1 4) に着目した結果を表 2に示す。 なお、 上記《—八 丨 2 3 層における複 数の点について配向性指数丁 0 (0 0 1 2) 及び配向性指数丁 ( 3 (0

1 1 4) を求めたが、 有意差は認められなかった。

[0079] (X線回折測定の条件)

X線出力 451< , 200〇1八

X線源、 波長 1. 54 1 862 〇 2020/174756 20 卩(:171?2019/043092

検出器 〇/ 1 e X 1\ \ t r a 2 5 0

スキヤン軸 2 0 / 0

長手制限スリッ ト幅 2 . 0 01 01

スキャンモード 〇〇1\]丁 丨 1\1 11〇11 3

スキャンスピード 2 0 ° /〇! 1 门

[0080] <被膜等の厚さの測定>

被膜、 並びに、 当該被膜を構成する下地層、 硬質層、 中間層、 《_八 I 2 〇 3層及び最表面層それぞれの厚みは、 光学顕微鏡を用いて基材の表面の法線方 向に平行な断面サンプルから求めた。 結果を表 4に示す。

[0081 ] [表 4]

[0082] 《切削試験》

上記のようにして作製した試料 1\1〇. 1〜 1 2の切削工具を用いて、 以下 の切削試験を行った。

[0083] <耐摩耗性試験>

試料 1\1〇 . 1〜 1 2の切削工具について、 以下の切削条件により逃げ面摩 耗量 ( V匕 ) が〇. 2 となるまでの切削時間を測定し、 工具寿命を評価 した。 その結果を表 5に示す。 切削時間が長いほど耐摩耗性に優れる切削ェ 〇 2020/174756 21 卩(:171?2019/043092

具として、 長寿命化を実現することができる可能性が高 いと評価することが できる。

[0084] (耐摩耗性試験の切削条件)

被削材 = 3450 丸棒

周速 : 280111/111 1

送り速度: 〇. 1 5〇1111/「 6

切込み量:

切削液 : なし

[0085] <耐欠損性試験>

試料 1\1〇 . 1〜 1 2の切削工具について、 以下の切削条件により切削工具 が欠損するまでの衝撃回数を測定し、 工具寿命を評価した。 切削工具が欠損 しているかどうかの確認は、 衝撃回数 1 000回ごとに行った。 その結果を 表 5に示す。 衝撃回数が多いほど耐欠損性に優れる切削工 具として、 長寿命 化を実現することができる可能性が高いと評 価することができる。

[0086] (耐欠損性試験の切削条件)

被削材 : 3〇1\/1440材 (8本の溝を有する)

周速 : 280111/111 1

送り速度: 〇. 2〇1111/「 6

切込み量: 2. 00101

切削液 : なし

[0087]

〇 2020/174756 22 卩(:171?2019/043092

[表 5]

[0088] 上述の切削試験の結果から、 《— I 2 3 層における配向性指数丁(3 (0

0 1 2) が 4以上 8 . 5以下であり、 配向性指数丁〇 (2 0 1 4) が〇. 5以上 3以下である切削工具 (試料 1\!〇. 1〜 6) は、 耐摩耗性試験 における切削時間が 5 0分以上であり、 かつ耐欠損性試験における衝撃回数 が 2 0 0 0 0回以上であることが分かった。 一方、 《—八 丨 2 3 層における 配向性指数丁〇 (2 0 1 4) が〇. 5未満である切削工具 (試料 !\!〇.

7〜 9及び 1 2) は、 耐欠損性試験における衝撃回数が 1 6 0 0 0回以下で あった。 また、 《-八 丨 2 3 層における配向性指数丁〇 (0 0 1 2) が

4未満である切削工具 (試料 1\!〇. 1 0及び 1 1) は、 耐摩耗性試験におけ る切削時間が 4 0分以下であり、 かつ耐欠損性試験における衝撃回数が 1 5 0 0 0回以下であった。

以上の結果から、 《_八 丨 2 3 層における配向性指数丁〇 (0 0 1 2

) が 4以上 8 . 5以下であり、 配向性指数丁(3 (2 0 1 4) が〇. 5以 上 3以下である切削工具は、 耐摩耗性に優れ、 かつ耐欠損性にも優れること が分かった。

[0089] 以上のように本発明の実施形態および実施例 について説明を行なったが、 上述の各実施形態および各実施例の構成を適 宜組み合わせることも当初から 〇 2020/174756 23 卩(:171?2019/043092

予定している。

[0090] 今回開示された実施の形態および実施例はす べての点で例示であって、 制 限的なものではないと考えられるべきである 。 本発明の範囲は上記した実施 の形態および実施例ではなく請求の範囲によ って示され、 請求の範囲と均等 の意味、 および範囲内でのすべての変更が含まれるこ とが意図される。 符号の説明

[0091] 1 3 すくい面、 1 匕 逃げ面、 刃先部、 1 0 切削工具、

1 1 基材、 1 2 «-八 丨 2 3 層、 (0 0 1 ) 配向を 有する結晶粒、 1 2匕 (2 0 1 4) 配向を有する結晶粒、 1 3 中間層、 1 4 最表面層




 
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