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Patent Searching and Data


Title:
CYLINDRICAL BODY PRODUCTION METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2020/175315
Kind Code:
A1
Abstract:
This cylindrical body production method is characterized by at least comprising: a towpreg production step for winding, on a bobbin, a towpreg obtained by impregnating a reinforcement fiber bundle consisting of continuous fibers with a matrix resin; a mounting step for mounting a stemming means to both ends of the bobbin in such a manner as to come into contact with ends of the towpreg wound on the bobbin; and a cylindrical body production step for winding off the towpreg from the bobbin and then winding same on a mandrel. The production method provided herein is capable of minimizing shape loss of a towpreg during FW molding without imposing any particular restrictions on the composition of materials included in the towpreg, and is further capable of allowing a towpreg having lost shape during transportation to be used in FW molding.

Inventors:
NAGAMATSU DAISUKE (JP)
TAKAHASHI JUMPEI (JP)
Application Number:
PCT/JP2020/006800
Publication Date:
September 03, 2020
Filing Date:
February 20, 2020
Export Citation:
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Assignee:
TORAY INDUSTRIES (JP)
International Classes:
B29C70/16; B29C70/32; B29C70/54; B29K105/08; B29L22/00
Foreign References:
JP2014069949A2014-04-21
JPH05338044A1993-12-21
JPH08290487A1996-11-05
JP2005088536A2005-04-07
JPH0985845A1997-03-31
Attorney, Agent or Firm:
BAN Toshimitsu et al. (JP)
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Claims:
\¥02020/175315 14 卩(:17 2020/006800

請求の範囲

[請求項 1] 連続繊維からなる強化繊維束にマトリックス樹脂を含浸させたトウ プレグをボビンに巻き取るトウプレグ製造工程、

前記ボビンの両端に、 前記ボビンに巻き付けた前記トウプレグ端部 と接触させるようにせき止め手段を取り付ける取付工程、

前記ボビンから前記トウプレグを巻き出しマンドレルに巻き付ける 筒状体の製造工程、

を少なくとも有することを特徴とする筒状体の製造方法。

[請求項 2] 前記ボビンに巻き付けた前記トウプレグ端部と接触する前記せき止 め手段の接触面の表面粗さ (83) が〇. 43から 253であること を特徴とする請求項 1 に記載の筒状体の製造方法。

[請求項 3] 前記トウプレグを前記ボビンに巻き取る際の張力 (丁 1 [!\1] ) と

、 クリールスタンドスタンドに取り付けられた前記ボビンから前記卜 ウプレグを巻き出す際の張力 (丁 2 [1\1] ) とが、 2X11<丁 2で あることを特徴とする請求項 1 または 2に記載の筒状体の製造方法。

[請求項 4] 前記トウプレグの樹脂含有率 (=トウプレグ中のマトリックス樹脂 重量/トウプレグ全体重量) が 24〜 35 %であることを特徴とする 請求項 1〜 3のいずれかに記載の筒状体の製造方法。

[請求項 5] 前記トウプレグの 25 °〇での樹脂粘度が 1 000〜 30000〇 であることを特徴とする請求項 1〜 4のいずれかに記載の筒状体の製 造方法。

Description:
明 細 書

発明の名称 : 筒状体の製造方法

技術分野

[0001] 本発明は、 繊維強化プラスチック (F i b e r R e i n f o r c e d

P l a s t i c, F R P) 製パイプや圧力容器などに係る、 筒状体の製造方 法に関する。

背景技術

[0002] F R Pは、 樹脂を強化繊維で補強した複合材料であり、 鉄やアルミ等の金 属材料と比較して軽量でありながらも金属材 料と同等以上の強度および剛性 を発揮できることから、 広く利用されている。

[0003] F R Pは平板、 H形状、 筒状体など種々の形に成形することが可能で ある 。 このうち、 F R P製筒状体は、 一般にフィラメントワインディング (F i l ame n t W i n d i n g、 FW) 成形によって製造される。 F W成形 法は、 ボビンに巻き取られた繊維束に張力をかけな がら連続的に巻き出し、 マンドレルに巻き取ることで、 筒状体を得る工法である。

[0004] 多くの場合、 マンドレルに巻きつける前の繊維束に液状マ トリックス樹脂 組成物を供給して、 含浸させる工程を設けている。 しかしながら、 製造工程 において液状マトリックス樹脂組成物を取り 扱うため、 作業環境が悪化する 、 また含浸工程を有しているため F W工程の工程速度をあげることができな いなどの課題がある。 そのため、 FW工程内で液状マトリックス樹脂組成物 を繊維束に供給するのではなく、 あらかじめ強化繊維束にマトリックス樹脂 組成物を含浸させたトウプレグを使用する場 合がある。 トウプレグを使用す ると工程内で樹脂含浸工程が不要になるので 、 工程内での樹脂飛散がなく良 好な作業環境が保たれる、 F W工程速度を上げることができるなどの利点 ある。

[0005] トゥプレグ (図 1 ) は強化繊維の表面に液状マトリックス樹脂組 成物を含 んでいるため、 前記トウプレグの層間が滑りやすい。 そのため、 輸送時の振 \¥02020/175315 2 卩(:171?2020/006800

動や 成形時にボビンからトウプレグを巻き出す際 の張力により、 トウプ レグが型崩れることがある (図 2、 図 3) 。 大きく型崩れたトウプレグボビ ンは 成形に使用できない。

[0006] 例えば特許文献 1 には、 輸送時の振動でトウプレグが巻き崩れないよ うに トウプレグ本体部の表層全体にトウプレグを ヘリカル巻きする技術が記載さ れている。

[0007] また、 特許文献 2には、 トウプレグをダンボール等の支持材にボビン 円筒 形状の穴を設け、 その穴にボビン端部を差込み、 支持材で支持された状態で ダンボールに収納する方法が提案されている 。

[0008] また、 特許文献 3には、 炭素繊維用サイジング剤を工夫することによ り、 ボビンからの解舒の際に巻き崩れ (型崩れ) がないトウプレグボビンが開示 されている。

先行技術文献

特許文献

[0009] 特許文献 1 :特開 2 0 1 8 _ 1 7 7 8 9 8号公報

特許文献 2 :特開 2 0 0 0 _ 1 9 1 8 0 7号公報

特許文献 3 :特開 2 0 1 6 - 1 6 0 5 4 9号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0010] しかしながら、 特許文献 1や特許文献 2に記載の方法では、 輸送時の巻き 崩れが抑制できるものの、 成形時のトウプレグの型崩れ回避方法につい てはなんら触れられていない。

[001 1 ] また、 特許文献 3に記載の型崩れが起きないトウプレグを得 ためには、 トウプレグの材料を工夫する必要があり、 トウプレグを構成する炭素繊維束 や液状マトリックス樹脂組成物の組成が制約 される懸念がある。

[0012] 本発明はかかる背景に鑑み、 トウプレグを構成する材料組成に特別な制約 が無く、 成形時のトウプレグ型崩れを抑制し、 更に輸送時に型崩れした \¥02020/175315 3 卩(:171?2020/006800

トウプレグでも 成形に使用できる製造方法を提供するもので ある。 課題を解決するための手段

[0013] 上記の課題は、 次の発明により解決される。

( 1) 連続繊維からなる強化繊維束にマトリックス 樹脂を含浸させたトゥプ レグをボビンに巻き取るトウプレグ製造工程 、

前記ボビンの両端に、 前記ボビンに巻き付けた前記トウプレグ端部 と接触さ せるようにせき止め手段を取り付ける取付工 程、

前記ボビンから前記トウプレグを巻き出しマ ンドレルに巻き付ける筒状体の 製造工程、

を少なくとも有することを特徴とする筒状体 の製造方法。

(2) 前記ボビンに巻き付けた前記トウプレグ端部 と接触する前記せき止め 手段の接触面の中心線平均粗さ (8 3) が〇. 4 3から 2 5 3であることを 特徴とする (1) に記載の筒状体の製造方法。

(3) 前記トウプレグを前記ボビンに巻き取る際の 張力 (丁 1 [ 1\1 ] ) と、 クリールスタンドスタンドに取り付けられた 前記ボビンから前記トウプレグ を巻き出す際の張力 (丁 2 [ 1\1 ] ) とが、 2X1 1<丁 2であることを特徴 とする (1) または (2) に記載の筒状体の製造方法。

(4) 前記トウプレグの樹脂含有率 (=トウプレグ中のマトリックス樹脂重 量/トウプレグ全体重量) が 2 4〜 3 5 %であることを特徴とする (1) 〜

(3) のいずれかに記載の筒状体の製造方法。

(5) 前記トウプレグの 2 5 °〇での樹脂粘度が 1 0 0 0〜 3 0 0 0 0〇 で あることを特徴とする (1) 〜 (4) のいずれかに記載の筒状体の製造方法 発明の効果

[0014] 本発明はかかる背景に鑑み、 トウプレグを構成する材料組成の制約が無く 、 成形時のトウプレグ型崩れを抑制し、 更に輸送時に型崩れしたトウプ レグでも 成形に使用できる製造方法を提供することが できる。

図面の簡単な説明 \¥02020/175315 4 卩(:17 2020/006800

[0015] [図 1]トウプレグを巻きつけたボビンの一例を す概略図である。

[図 2]輸送時の振動でトウプレグが型崩れした ビンの一例を示す概略図であ る。

[図 3] 成形時にボビンからトウプレグを巻き出す際 の張力により前記トウ プレグが型崩れを起したボビンの一例を示す 概略図である。

[図 4]トウプレグ製造工程の一例を示す概略図 ある。

[図 5-3]取り付け前のせき止め手段とトウプレグ の一例を示す概略図である。 [図 5-1)]せき止め手段を取り付けたトウプレグ の一例を示す概略図である。

[図 5-〇]せき止め手段を取り付けたトウプレグ (図 5 _匕) の八_八断面概略 図である。

[図 6]筒状体の製造工程の一例を示す概略図で る。

[図 7]トウプレグ製造工程における張力測定の 例を示す概略図である。

[図 8]筒状体の製造工程における張力測定の一 を示す概略図である。

発明を実施するための形態

[0016] 以下、 本発明の実施形態について順次説明する。 本実施形態は本発明を実 施する一例であって、 本発明は本実施例形態に限定されるものでは ない。 本 発明は、 連続繊維からなる強化繊維束にマトリックス 樹脂を含浸させたトウ プレグをボビンに巻き取るトウプレグ製造工 程と前記ボビンの両端に、 前記 ボビンに巻き付けた前記トウプレグ端部と接 触させるようにせき止め手段を 取り付ける取付工程と前記ボビンから前記ト ウプレグを巻き出しマンドレル に巻き付ける筒状体の製造工程から構成され る。

[0017] <トウプレグ製造工程 >

図 4に示す実施例を用いて、 本発明に係るトウプレグの製造方法について 説明する。

張力制御機構を備えるクリールスタンド 4 0 5に設置した強化繊維束巻き つきボビン 4 0 1から強化繊維束 4 0 2を巻き出し、 誘導ガイ ド 4 0 3、 ダ ンサーロール 4 0 4を介して、 樹脂含浸工程 4 1 4に誘導する。 その後、 樹 脂含浸済み強化繊維であるトウプレグ 4 2 1 をボビンへの巻取り工程 4 2 3 \¥02020/175315 5 卩(:171?2020/006800

に送り出し、 トウプレグ巻きつきボビン 4 2 2を得る。

[0018] クリールスタンド 4 0 5の張力制御方式はパーマトルクを使用した 気卜 ルク式、 パウダーブレーキを使用したコンビユータ制 御式、 サーボモーター を使用したサーボ制御式など、 強化繊維束 4 0 2の張力がクリールスタンド で制御できれば、 種々の張力制御方式が適用可能である。

[0019] トウプレグ製造中の強化繊維束 4 0 2のゆるみを吸収するために、 ダンサ —口ール 4 0 4を備えていることが望ましい。 更に張力制御の応答精度を向 上させるために、 ダンサーロール 4 0 4で取得したデータを制御部 4 3 0を 介してクリールスタンド 4 0 5にフイードバックすることが好ましい。 なお 、 ダンサ _ _ ル 4 0 4で取得するデータはダンサーの位置情報、 張力情報 などクリールスタンド 4 0 5の張力制御に活用することが目的である限 は 、 取得するデータの種類に制限はない。 また、 制御部 4 3 0に送るデータは 誘導ガイ ド 4 0 3やその他センサー (図示せず) で取得してもかまわない。

[0020] 図示されている誘導ガイ ドは一例に過ぎず、 誘導ガイ ドは巻き出した強化 繊維束 4 0 2およびトウプレグ 4 2 1 を樹脂含浸工程 4 1 4やボビンへの巻 取り工程 4 2 3に誘導させることが目的である限りは、 ガイ ド数、 ガイ ド材 質、 ガイ ド設置場所に制限は無い。 また、 誘導ガイ ドは固定式、 回転式、 も しくは両方の組み合わせでも良い。 トウプレグの傷みを避けるためには回転 式が好ましい。

[0021 ] 樹脂含浸工程 4 1 4は、 強化繊維束 4 0 2に樹脂 4 1 2を付着させるプロ セスである。 図示されている含浸口ーラ式による樹脂付着 工程 4 1 4は一例 に過ぎず、 他に、 樹脂中に強化繊維束を直接通過させるディッ プ方式、 含浸 ダイに強化繊維束を引き込み、 ダイ内部に別途計量された樹脂を吐出する定 量吐出方式など、 強化繊維束に所定量の樹脂を付着および含浸 させることが 目的である限りは、 種々の樹脂付着手段が適用可能である。

[0022] 図示されている含浸口ーラ式においては、 強化繊維束 4 0 2が誘導ガイ ド 4 0 3を通過した後、 含浸口ーラ 4 1 0上を通過し、 別の誘導ガイ ド 4 0 3 を通過してトウプレグ 4 2 1 をボビンへの巻取り工程 4 2 3に送り出される \¥02020/175315 6 卩(:171?2020/006800

。 含浸口ーラ 4 1 0を収容している樹脂バス 4 1 3内は樹脂 4 1 2で満たさ れており、 含浸口ーラ 4 1 〇の下部が樹脂 4 1 2中を通過する配置とするこ とで含浸口ーラ 4 1 0の表面に樹脂が付着する。 搔き取り部材 4 1 1 によっ て含浸口ーラ 4 1 0上の余剰樹脂を搔き落として口ーラ上の樹 量を適正に 制御した後に、 強化繊維束が含浸口ーラ 4 1 0上を通過することで、 強化繊 維束 4 0 2へ適正量の樹脂 4 1 2を付着させることができる。

[0023] ボビンへの巻取り工程 4 2 3は、 トウプレグ 4 2 1 をボビンに卷取り トウ プレグ巻きつきボビン 4 2 2を得るプロセスである。 トウプレグ巻きつきボ ビン 4 2 2のパッケージ形状に限定はないが、 トウプレグの巻き密度を大き くできるスクェアェンド巻きが好ましい。

[0024] <せき止め手段の取付工程>

図 5 - 3から図 5 -〇を用いて、 トウプレグ巻きつきボビン 4 2 2の両端 に、 ボビン 1 0 1 に巻き付けたトウプレグ 4 2 1端部と接触させるようにせ き止め手段を取り付ける取付工程について説 明する。

[0025] せき止め手段 5 0 1 にあらかじめ設けていた円筒形状の穴にボビ ン 1 0 1 を差込み、 前記せき止め手段 5 0 1 とトウプレグ 4 2 1の端部に接触させる 。 その後、 前記せき止め手段 5 0 1のねじ穴 5 0 2にボルト 5 0 3を揷入し 、 前記ボルト 5 0 3の押し付け力により前記せき止め手段 5 0 1 とボビン 1 0 1 を固定する (図 5— 8、 図 5 _ 1〇、 図 5 _〇) 。 せき止め手段 5 0 1の 接触面 (側面) をトウプレグ 4 2 1の端部に接触させることにより、 トウプ レグの形状が矯正されるので、 型崩れたトウプレグでも 成形に使用する ことが可能になる。 また、 せき止め手段 5 0 1 によってトウプレグ巻きつき ボビン 4 2 2のトウプレグ形状が拘束されることにより 成形中にトウ プレグ 4 2 1が型崩れを起すこともない。

[0026] せき止め手段は図 5 _ 3のように独立した部材でも良いし、 後述するクリ —ルスタンドに付属していても良い。 また、 せき止め手段はトウプレグの型 崩れを抑制するために、 使用前のトウプレグの外径よりも大きいもの が好ま しい。 具体的にはトウプレグの外径を〇 0 1 とし、 せき止め手段の \¥02020/175315 7 卩(:171?2020/006800

外径を 0 0 2 とした場合、 〇口 1<〇 0 2であることが好ましい。 図示されている円盤のせき止め手段 5 0 1は一例に過ぎず、 他に、 平板、 星 状などトウプレグの型崩れを防止することが 目的である限りは、 種々の形状 のせき止め手段が適用可能である。 更に、 図示されているボルトによるせき 止め手段 5 0 1 とボビン 1 0 1の固定は一例に過ぎず、 他に、 せき止め手段 5 0 1 とボビン 1 0 1の間にゴムを入れて摩擦で固定する方法、 パネにより せき止め手段 5 0 1 をボビン 1 0 1やトウプレグ巻きつきボビン 4 2 2に押 付ける方法など、 せき止め手段 5 0 1がトウプレグ巻きつきボビン 4 2 2の トウプレグ端部に接触された状態で固定させ ることが目的である限りは、 種 々の形状の固定手段が適用可能である。

[0027] <前記ボビンから前記トウプレグを巻き出し マンドレルに巻き付ける筒状体 の製造工程>

図 6を用いて、 本発明に係る筒状体の製造方法について説明 する。

せき止め手段取り付け済みトウプレグ巻きつ きボビン 5 0 4をクリールス タンド 6 0 1 に固定し、 ボビンから巻きだしたトウプレグ 4 2 1 を誘導ガイ ド 6 0 3 , ダンサーロール 6 0 4を介してマンドレル 6 0 6に撒き付けて筒 状体を製造する。 図示されている誘導ガイ ドは一例に過ぎず、 誘導ガイ ドは 巻き出したトウプレグ 4 2 1 をマンドレル 6 0 6に誘導させることが目的で ある限りは、 ガイ ド数、 ガイ ド材質、 ガイ ド設置場所に制限は無い。 また、 誘導ガイ ドは固定式、 回転式、 もしくは両方の組み合わせでも良い。 トウプ レグの傷みを避けるためには回転式が好まし い。

[0028] 本発明のクリールスタンド 6 0 1は張力制御機構を備えている。 張力制御 方式はパーマトルクを使用した磁気トルク式 、 パウダーブレーキを使用した コンビュータ制御式、 サーボモーターを使用したサーボ制御式など 、 トウプ レグ 4 2 1の張力がクリールスタンドで制御できれば 種々の張力制御方式 が適用可能である。 成形中のトウプレグ 4 2 1のゆるみを吸収するため に、 ダンサーロール 6 0 4を備えていることが望ましい。 更に張力制御の応 答精度を向上させるために、 ダンサーロール 6 0 4で取得したデータを制御 \¥02020/175315 8 卩(:171?2020/006800

部 6 0 5を介してクリールスタンド 6 0 1 にフイードバックすることが好ま しい。 なお、 ダンサーロール 6 0 4で取得するデータはダンサーの位置情報 、 張力情報などクリールスタンド 6 0 1の張力制御に活用することが目的で ある限りは、 取得するデータの種類に制限はない。 また、 制御部 6 0 5に送 るデータは誘導ガイ ド 6 0 3やその他センサー (図示せず) で取得してもか まわない。

[0029] せき止め手段取り付け済みトウプレグ巻きつ きボビン 5 0 4を使用して製 造する筒状体は、 マンドレル 6 0 6の軸方向に対して、 ± 1 0 ° 〜 ± 7 0 ° の角度でトウプレグ 4 2 1 を巻きつける、 いわゆるヘリカル巻きを含むこと が望ましい。 ヘリカル巻きマンドレルを回転させながら、 給糸ヘッ ドをマン ドレルの軸方向に移動させ、 かつ軸周りに相対回転させながら、 マンドレル 6 0 6にトウプレグ 4 2 1 を送り出す。 給糸へッ ドがマンドレル 6 0 6の一 端側から他端側まで移動し、 一時停止した後にさらに一端側へと戻る動作 を 繰り返すと、 クリールスタンド 6 0 1 に取り付けたトウプレグに大きな力が 加わり型崩れが起こりやすくなる。 そのため、 せき止め手段 5 0 1 による卜 ウプレグ型崩れ抑制効果が得やすい。

[0030] 本発明で使用するトウプレグ巻きつきボビン 4 2 2のトウプレグ端部と接 触するせき止め手段 5 0 1の接触面の表面粗さは、 」 丨 3巳 0 6 0 1 (1 9 9 4) に記載の中心線平均粗さ ( [¾ 3) が〇. 4 3から 2 5 3であることが 好ましい。 接触面の中心線平均粗さ (8 3) が 2 5 3より大きいと接触面の 表面の凹凸が大きいため、 巻き出したトウプレグ 4 2 1 と前記接触面が擦れ て、 トウプレグ 4 2 1 に痛みが発生する。 また、 接触面の中心線平均粗さ ( が〇. 4 3より小さいと接触面の表面凹凸が小さいた 、 接触面と卜 ウプレグ 4 2 1の接触面積が大きくなるので巻き出したト プレグ 4 2 1 と 接触面が擦れて、 トウプレグ 4 2 1 に痛みが発生する。 更に中心線平均粗さ は 1 . 6 3から 1 2 . 5 3が好ましく、 更に 3 . 2 3から 6 . 3 3 が好ましい。

[0031 ] 本発明において、 トウプレグ製造工程でトウプレグ巻きつきボ ビン 4 2 2 \¥02020/175315 9 卩(:171?2020/006800

を製造するために、 トウプレグ 4 2 1 をボビンに巻き取る際の張力 (丁 1 [ !\1 ] ) と、 クリールスタンド 6 0 1 に取り付けられたせき止め手段取り付け 済みトウプレグ巻きつきボビン 5 0 4からトウプレグ 4 2 1 を巻き出す際の 張力 (丁 2 [ 1\1 ] ) とが、 2 丁 1<丁 2であることが好ましい。

[0032] 図 7を用いて、 トウプレグ 4 2 1 をボビンに巻き取る際の張力 (丁 1 [ ] ) の測定方法について説明する。 トウプレグ巻きつきボビン 4 2 2を取り 外した後にトウプレグ 4 2 1の先端にフォースゲージ 7 0 1 を取り付けてか ら、 フォースゲージ 7 0 1 を地面に対して水平方向 7 0 2に引っ張った時の 張力を丁 1 [ !\1 ] と定義する。

[0033] 続いて、 図 8において、 クリールスタンド 6 0 1 に取り付けられたせき止 め手段取り付け済みトウプレグ巻きつきボビ ン 5 0 4からトウプレグ 4 2 1 を巻き出す際の張力 (丁 2 [ 1\1 ] ) について説明する。

マンドレル 6 0 6を取り外した後にトウプレグ 4 2 1の先端にフォースゲ —ジ 8 0 1 を取り付けてから、 フォースゲージ 8 0 1 を地面に対して水平方 向 8 0 2に引っ張った時の張力を丁 2 [ 1\1 ] と定義する。

[0034] 丁 1 [ 1\1 ] を大きくすれば、 トウプレグ層間の摩擦力が大きくなるので卜 ウプレグの型崩れを抑えることができる。 しかしながら、 丁 1が大きくなる と、 トウプレグ樹脂染み出しが起こり、 トウプレグ内の樹脂ムラが発生する 。 そのため、 丁 1の張力は 2 0 1\1以下、 さらには 1 5 1\1以下が好ましい。 2 〇 1\1を超えるとトウプレグ樹脂の樹脂染み出し が発生して、 トウプレグの品 質が悪化する。 丁 2 [ 1\1 ] を小さくすればトウプレグの型崩れが回避で きる ものの、 空隙が多い低品質の筒状体になる。 そのため、 空隙の少ない筒状体 を得るためには、 丁 2の張力は 3 0 1\1以上、 さらには 4 0 1\1以上が好ましい

[0035] 本発明であるボビンの両端に、 ボビンに巻き付けたトウプレグ端部と接触 させるようにせき止め手段を取り付けること により、 型崩れが起こりやすい 前記張力条件でも安定して筒状体の製造が可 能になる。

[0036] 本発明に使用するトウプレグの樹脂含有率 (=トウプレグ中のマトリック \¥02020/175315 10 卩(:171?2020/006800

ス樹脂重量/トウプレグ全体重量) は 24〜 35 %であることが好ましい。 トウプレグの樹脂含有率が 24 %より小さいと、 トウプレグ表面の樹脂量が 少なく、 型崩れが起こりにくい。 一方、 トウプレグの樹脂含有率が 35%よ り大きいと、 トウプレグの樹脂含有率が大きすぎて、 筒状体の特性が低下す る。 トウプレグの樹脂含有率は 26〜 33%がさらに好ましい。

[0037] 本発明に使用するトウプレグの樹脂粘度は、 」 丨 3 I 8803 (20

1 1 ) に記載の円すい一平板形回転粘度計における 粘度測定方法により実施 し、 前記樹脂粘度は 25 °〇での樹脂粘度が 1 000〜 30000〇 である ことが好ましい。 前記樹脂粘度が 1 000〇 より小さいと、 樹脂が垂れ落 ちてトゥプレグ化が難しい。 一方、 前記樹脂粘度が 30000〇 より大き いと、 トウプレグのタックが大きく トウプレグの巻き出しが困難になる。 卜 ウプレグの樹脂粘度は 5000〜 25000〇 がさらに好ましい。

[0038] ここで、 本発明で使用する繊維束と樹脂について説明 する。

本発明において用いられる繊維束を構成する 繊維としては、 ガラス繊維、 炭素繊維、 黒鉛繊維、 アラミ ド繊維、 ボロン繊維、 アルミナ繊維および炭化 ケイ素繊維等が挙げられる。 これらの強化繊維を 2種以上混合して用いるこ とも可能である。 より高強度の成形品を得るために、 繊維束に炭素繊維を用 いることが好ましい態様である。

[0039] 本発明においては、 用途に応じてあらゆる種類の炭素繊維を用い ることが 可能であるが、 高強度を有する成形品を得られることから」 丨 3 76

01 (1 986) に記載の方法によるストランド引張試験にお ける引張弾性 率が 3〜 80 3の炭素繊維が好ましく用いられる。

[0040] また本発明で用いられる樹脂としては、 液状の樹脂が好ましく用いられる

。 具体的には、 圧力容器に必要な耐熱性や耐環境性能を得る ために、 エポキ シ樹脂と、 硬化剤とを含むエポキシ樹脂組成物であるこ とが好ましい。 また 、 硬化時間を短縮させるために、 硬化触媒を適宜加えることも可能である。

[0041] 本発明で製造される圧力容器は、 水素ガス自動車や天然ガス自動車に限ら ず、 船舶と航空機等、 および、 地上に固定されて使用される据え置き型や病 \¥02020/175315 11 卩(:171?2020/006800

院や消防士が使用する空気呼吸器等に好適 に用いられる。 また、 この圧力容 器で保管される物質としては、 窒素、 酸素、 アルゴン、 液化石油ガスおよび 水素等の気体であってもよいし、 前記物質を液化したもの等が挙げられる。 実施例

[0042] (実施例 1)

3 ) トウプレグ製造装置に、 長さ 2 8 0 、 外径 8 2 . 5 、 内径 7 6 . 5 のボビンを設置し、 当該ボビンに、 強化繊維として東レ(株)製 炭素繊維 “トレカ” (登録商標) 丁 7 0 0 3(3— 2 4 の糸束 1本を引き揃 え、 それにビスフエノール八型エポキシ樹脂 し 巳[¾ 8 2 8 (三菱ケミカル (株) 製) を付着させながら給糸した。 使用したエポキシ樹脂の粘度は 2 5 °〇で 1 2 0 0 0〇 であった。 ボビンの軸方向に対して、

囲に樹脂含浸済み繊維束を巻き取り 4 1< 9のトウプレグを得た。 使用した炭 素繊維重量と得られたトウプレグ重量から、 トウプレグの樹脂付着量は 2 6 %であった。 この時のトウプレグの巻取り張力は 丁 3 - 1 0 0 ( (株) イマダ製) で測定し、 1 5 1\1であった。

[0043] 得られたトウプレグボビンの両端に、 せき止め手段として外径 3 0 0

、 厚み 2 0〇1〇1、 0 8 2 . の貫通穴があいているアルミプレートを押 付けながら、 ボルトでトウプレグボビンとアルミプレート を固定した。

[0044] 続いて、 フィラメントワインディング成形機のクリー ルスタンドにせき止 め手段を取り付けたトウプレグボビンを設置 し、 巻き出したトウプレグを胴 部外径 胴部長さ 鏡部長さ のライナに巻き つけた。 ライナの軸方向に対して、 ± 2 0 ° の巻き付け角度で幅 7 に規 定したトウプレグを 1 0 0往復巻きつけてライナ全体に繊維束を巻き け、 トウプレグの型崩れが起きずに成形が完了し た。 なお、 トウプレグの巻き出 し張力は 丁 3 - 1 0 0 ( (株) イマダ製) で測定し、 4 5 1\1であった。

[0045] (比較例 1)

せき止め手段を設置しなかった以外は、 実施例 1 と同じ方法でトウプレグ をライナに巻きつけた。 1 0 0往復のトウプレグを巻きつける予定であっ \¥02020/175315 12 卩(:171?2020/006800

が、 22往復目にトウプレグの綾落ちが発生し、 トウプレグが成形に使用で きない水準まで型崩れした。

[0046] (比較例 2)

樹脂付着量が 22%のトウプレグを使用した以外は、 比較例 1 と同じ方法 でトウプレグをライナに巻きつけた。 トウプレグの型崩れが起きずに成形が 完了したものの、 マンドレル上の成形品には樹脂の付著ムラが あり品質に問 題があった。

[0047] (比較例 3)

トウプレグの巻き出し張力を 201\1にした以外は、 比較例 1 と同じ方法で トウプレグをライナに巻きつけた。 トウプレグの型崩れが起きずに成形が完 了したものの、 マンドレル上の成形品の樹脂染み出しが少な いためトウプレ グの拡幅性が悪く、 トウプレグのバンドギャップが発生し品質に 問題があっ た。

符号の説明

[0048] 1 01 :ボビン

1 02 : トウプレグ

201 :輸送時の振動で型崩れしたトウプレグ

301 : 成形時にボビンから巻き出す際の張力で型崩 れしたトウプレグ

401 :強化繊維束巻きつきボビン

402 :強化繊維束

403 :誘導ガイ ド

404 :ダンサーロール

405 : クリールスタンド

4 1 0 :含浸口ーラ

4 1 1 :搔き取り部材

4 1 2 :樹脂

4 1 3 :樹脂バス

4 1 4 :樹脂含浸工程 \¥02020/175315 13 卩(:171?2020/006800

42 1 : トウプレグ

422 : トウプレグ巻きつきボビン

423 :ボビンへの巻取り工程

430 :制御部

501 :せき止め手段

502 :ねじ穴

503 :ボルト

504 :せき止め手段取り付け済みトウプレグ巻き きボビン

601 : クリールスタンド

603 :誘導ガイ ド

604 :ダンサーロール

605 :制御部

606 :マンドレル

701 : フォースゲージ

702 : フォースゲージの引っ張り方向

801 : フォースゲージ

802 : フォースゲージの引っ張り方向