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Title:
DAMPENING WATER SUPPLY APPARATUS AND METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/107726
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is dampening water supply apparatus and method wherein ink can be brought into required emulsification conditions surely on the surface of a printing block while suppressing generation of water eyes by dampening water surely. A dampening water supply apparatus comprises a dampening water supply roller (24) equipped to separate from or contact with a rocking ink roller (13) provided in an ink supply device and rocking in the axial direction, a first switching mechanism (70) for switching the dampening water supply roller (24) and the rocking ink roller (13) between a contact state and a separate state, a rocking actuator (40) for rocking the dampening water supply roller (24) in the axial direction, and a second switching mechanism (50) for releasing the dampening water supply roller (24) from the rocking actuator (40) when both rollers (13, 24) are in contact state and making the rocking ink roller (13) to perform drag rocking, and for rocking the dampening water supply roller (24) by the rocking actuator (40) when both rollers (13, 24) are in separate state.

Inventors:
IWAMOTO TORAO (JP)
KOHARA TSUNEO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/053567
Publication Date:
September 03, 2009
Filing Date:
February 26, 2009
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBISHI HEAVY IND LTD (JP)
IWAMOTO TORAO (JP)
KOHARA TSUNEO (JP)
International Classes:
B41F7/26; B41F33/10
Foreign References:
JPH06255074A1994-09-13
JPH03275356A1991-12-06
JPH0315551A1991-01-23
JPH08207256A1996-08-13
Attorney, Agent or Firm:
SANADA, TAMOTSU (JP)
Sanada 有 (JP)
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Claims:
 版胴(2)に装備された刷版表面(2a)にインキを供給するインキ供給装置(10)の下流部に隣接して備えられ、前記刷版表面(2a)に湿し水を供給する湿し水供給装置であって、
 前記インキ供給装置(10)の下流部に備えられた軸方向に揺動する揺動インキローラ(13)に対して、離接可能に装備された湿し水供給ローラ(24)と、
 前記湿し水供給ローラ(24)と前記揺動インキローラ(13)とが接触する状態と離隔する状態とに切り替える第1切替機構(70)と、
 前記湿し水供給ローラ(24)に軸方向への揺動力を加えて揺動させる揺動アクチュエータ(40)と、
 前記第1切替機構(70)によって前記湿し水供給ローラ(24)と前記揺動インキローラ(40)とが接触する状態とされると、前記揺動アクチュエータ(40)による前記湿し水供給ローラ(24)の揺動力伝達を解除し前記湿し水供給ローラ(24)を前記揺動インキローラ(13)に連れ揺動させ、前記第1切替機構(70)によって前記湿し水供給ローラ(24)と前記揺動インキローラ(13)とが離隔する状態とされると、前記揺動アクチュエータ(40)による前記湿し水供給ローラ(24)の揺動力伝達を実行するように切り替える第2切替機構(50)とをそなえている
ことを特徴とする、湿し水供給装置。
 前記揺動インキローラ(13)は、前記刷版表面に接触するインキ着けローラ(12)に接触するインキローラであって、
 前記揺動インキローラ(13)と離接可能な前記湿し水供給ローラ(24)は、前記刷版表面(2a)に接触する水着けローラである
ことを特徴とする、請求項1記載の湿し水供給装置。
 湿し水の供給経路の上流側から、湿し水を貯留する水舟(21)と、前記水舟(21)に浸った水元ローラ(22)と、前記水元ローラ(22)に接触する水練りローラ(23)と、前記水練りローラ(23)に接触する前記水着けローラ(24)と、をそなえている
ことを特徴とする、請求項2記載の湿し水供給装置。
 前記揺動アクチュエータ(40)は、圧力流体室(42a,42b)を備えた流体圧アクチュエータ(42)により構成され、
 前記第2切替機構(50)は、前記圧力流体室(42a,42b)に圧力流体を供給することで前記湿し水供給ローラ(24)に軸方向への揺動力を加え、前記圧力流体室(42a,42b)を開放することで前記湿し水供給ローラ(24)を前記流体圧アクチュエータ(42)の拘束から解放するように構成されている
ことを特徴とする、請求項1~3の何れか1項に記載の湿し水供給装置。
 前記揺動アクチュエータ(40)と前記湿し水供給ローラと(24)の間に、前記揺動アクチュエータ(40)により発生した前記軸方向への揺動力を前記湿し水供給ローラ(24)に伝達するリンク機構(46,47)をそなえている
ことを特徴とする、請求項1~4の何れか1項に記載の湿し水供給装置。
 前記湿し水供給ローラ(24)は、
 ローラ外周面を備えたスリーブ状のローラ本体(29)と、
 前記ローラ本体29)の両端部においてそれぞれベアリング(28)を介して前記ローラ本体(29)を回転自在で且つ軸方向には一体動するように支持する中空軸部材(27)と、
 前記両中空軸部材(27,27)を貫通するように備えられ、ストロークベアリング(26)を介して前記両中空軸部材(27,27)を軸方向に移動可能に支持する中心軸部材(25)と、をそなえ、
 前記リンク機構(46,47)は、前記中空軸部材(27)に接続されている
ことを特徴とする、請求項5記載の湿し水供給装置。
 前記リンク機構(46,47)は、中間部が、固定されたリンク支持部材(100)に対して回転自在に支持され、一端が前記中空軸部材(27)の係合部材(31a)に係合し、他端部が前記揺動アクチュエータ(40)の伸縮に応じて移動するアクチュエータ側部材(48)と係合するリンク部材(47)を備え、
 前記揺動アクチュエータ(40)は、前記中空軸部材(27)よりも外周側に配置されている
ことを特徴とする、請求項6記載の湿し水供給装置。
 前記中空軸部材(27)の前記係合部材(31a)は、前記中空軸部材(27)の軸方向一端側に向いた第1係合面と、前記中空軸部材の軸方向他端側に向いた第2係合面とをそなえ、
 前記リンク部材(47)の前記一端部には、前記第1係合面を押圧する第1押圧面と、前記第2係合面を押圧する第2押圧面とが設けられ、前記揺動アクチュエータ(40)及び前記リンク部材(47)は、前記両中空軸部材(27,27)のうちの一方のみに備えられている
ことを特徴とする、請求項7記載の湿し水供給装置。
 前記揺動アクチュエータ(40)及び前記リンク部材(47)は、前記両中空軸部材(27,27)の両方にそれぞれ設けられて、
 一方の前記中空軸部材(27)において、前記係合部材(31a)は、前記中空軸部材(27)の軸方向一端側に向いた第1係合面を有すると共に、前記リンク部材(47)の前記一端部には、前記第1係合面を押圧する第1押圧面が設けられ、
 他方の前記中空軸部材(27)において、前記係合部材(31a)は、前記中空軸部材(27)の軸方向他端側に向いた第2係合面を有すると共に、前記リンク部材(47)の前記一端部には、前記第2係合面を押圧する第2押圧面が設けられている
ことを特徴とする、請求項7記載の湿し水供給装置。
 前記リンク部材(47)には、前記一端部の前記中空軸部材(27)の係合部材(31a)に対する係合と、前記他端部の前記アクチュエータ側部材(48)に対する係合とを解除可能にする着脱構造が付設されている
ことを特徴とする、請求項8又は9記載の湿し水供給装置。
 印刷機の版胴(2)の刷版表面(2a)にインキを供給するインキローラであって軸方向に揺動する揺動インキローラ(13)と、前記刷版表面(2a)に湿し水を供給する湿し水供給ローラであって、前記揺動インキローラ(13)に接触して連れ揺動する第1状態と前記揺動インキローラ(13)から離隔すると共に揺動アクチュエータ(40)によって揺動する第2状態との何れかに切替可能な湿し水供給ローラ(24)とをそなえた、印刷機において、前記刷版表面(2a)に湿し水を供給する湿し水供給方法であって、
 印刷する絵柄の画線率データに基づいて、前記絵柄の画線率が予め設定された基準画線率よりも高いか否かを判定する判定ステップと、
 前記判定ステップにより前記絵柄の画線率が前記基準画線率よりも高いと判定されたら、前記湿し水供給ローラ(24)を前記第1状態として湿し水が前記湿し水供給ローラ(24)から前記揺動インキローラ(13)を経て前記刷版表面(2a)に供給される第1供給ルートを形成し、前記判定ステップにより前記絵柄の画線率が前記基準画線率以下と判定されたら、前記湿し水供給ローラ(24)を前記第2状態として湿し水が前記湿し水供給ローラ(24)から前記揺動インキローラ(13)を経ることなく前記刷版表面(2a)に供給される第2供給ルートを形成する、供給ルート形成ステップと、をそなえている
ことを特徴とする、湿し水供給方法。
 前記揺動インキローラ(13)は、前記刷版表面(2a)に接触するインキ着けローラ(12)に接触するインキローラであると共に、前記揺動インキローラ(13)と離接可能な前記湿し水供給ローラ(24)は、前記刷版表面(2a)に接触する水着けローラであって、
 前記第1供給ルートは、前記水着けローラ(24)から前記揺動インキローラ(13)及び前記インキ着けローラ(12)を介して前記刷版表面(2a)に湿し水を供給するルートを含み、前記第2供給ルートは、前記水着けローラ(12)から前記刷版表面(2a)に直接湿し水を供給するルートのみである
ことを特徴とする、湿し水供給方法。
Description:
湿し水供給装置及び方法

 本発明は、印刷機において版胴に装備さ た刷版表面に湿し水を供給する湿し水供給 置及び方法に関するものである。

 オフセット印刷機等の刷版にインキを供 して印刷を行なう平版印刷機では、通常、 ンキ壷等のインキ供給源から供給されるイ キを、多数のインキローラを介して練りな ら版胴に装着に装着された刷版に供給する うに、インキ供給装置が構成される。また 湿し水供給装置が備えられ、刷版にインキ 同時に湿し水を供給することで、刷版の非 線部に供給した湿し水により油性のインキ 反発させ、刷版の画線部のみにインキを供 するようにしている。

 平版印刷に用いるインキ(平版インキとも いう)の場合、インキは印刷中に湿し水を取 込んで乳化していくが、このインキの乳化 安定することが印刷品質安定の基本となる このインキの乳化状態を安定させるには、 ンキ及び湿し水の各供給量をバランスさせ ことが必要である。つまり、インキの乳化 不十分、即ち、湿し水不足の場合、非画線 の水分が不足しインキが付着するインキ汚 が発生する。一方、インキの乳化が過剰(過 化)、即ち、湿し水過多の場合、過乳化した インキの中の水分は、蒸発するのに長時間が 必要であり、インキの乾燥が大幅に遅れ、イ ンキの他の用紙への密着やインキ皮膜強度の 低下を招いたり、下流側に印刷胴がある場合 に、下流側での印刷時に、印刷面に水分が残 ってインキを受け付けなくなりインキの転移 不良を招いたりする。

 また、湿し水を供給する際に、特に、湿 水が多い場合などに、水着けローラ上の軸 向の水膜ムラが生じ易く、これにより、「 目」と称される縦筋目が発生する。この「 目」は、湿し水量を少なくすると抑制する とができるが、上述のように、インキの乳 状態を安定させるためには、インキの供給 が多いと必然的に湿し水量を多く供給する とが必要になり、「水目」の発生を抑える とができない。

 そこで、「水目」の発生を抑えるために、 版表面に接触して湿し水を供給するために えられたローラのいずれかを、軸方向に揺 させる技術が開示されている(特許文献1,2参 照)。つまり、インキを練るために一部のイ キローラを軸方向に揺動させるのと同様に いずれかの湿し水供給ローラを軸方向に揺 させることにより、湿し水供給ローラの周 の湿し水が軸方向に均一な分布となって「 目」の発生を解消することができる。

実用新案登録第2588562号公報

特開2006-240299号公報

 ところで、上記のようにインキの乳化を安 させるには、単に、湿し水供給量をインキ 給量に合わせるように調整するだけでなく 刷版表面において、適度に乳化するように 湿し水の供給ルートを設定することが必要 ある。
 例えば、湿し水とインキとが刷版表面に供 されるまで互いに別ルートを通る構成の場 、刷版表面ではじめて湿し水とインキとが 会うため、刷版表面においてインキの所要 乳化状態を直ぐには達成できない(即ち、乳 化に時間がかかる)。

 例えば、図7は、ウェブ(連続紙)に両面印刷 行なう輪転機のウェブの一面側にそなえら 、湿し水とインキとが互いに別ルートを通 て刷版表面に供給される方式のインキ供給 置の一部及び湿し水供給装置の要部の構成 模式的に示す側面図である。
 インキ供給装置10は、図8に示すように、イ キ壷等のインキ供給源(図示略)からのイン が、インキローラ群11を介して版胴2の刷版 面2aに供給され、さらにブランケット胴3の ランケット3aを介してウェブ1に供給される うに構成されている。インキローラ群11の下 流端には、版胴2の刷版表面2aに接触するイン キ着けローラ12が装備される。ここでは、こ インキ着けローラ12に接触する上流側のイ キローラ13は、軸方向に揺動する揺動ローラ (Vibローラ)として構成され、軸方向に揺動し がらインキを均質に練りながら供給するよ になっている。

 一方、湿し水供給装置20は、図8に示すよ に、水舟21内の湿し水が、下部が水舟21内に 浸っている水元ローラ22と、この水元ローラ2 2に接触する水練りローラ23と、この水練りロ ーラ23に接触する水着けローラ24とを介して 版胴2の刷版表面2aに供給され、さらにブラ ケット胴3のブランケット3aを介してウェブ1 供給されるように構成されている。

 したがって、湿し水とインキとは、刷版表 2aではじめて出会うことになり、湿し水に るインキの乳化は、刷版表面2aのみで行なわ れることになる。
 なお、ここでは、水元ローラ22,水練りロー 23,水着けローラ24の各湿し水供給ローラは 方向に揺動するようにはなっていないもの する。
 このような湿し水の供給方式をAD方式(AD:Arch  Dampener)と称する。

 湿し水とインキとが刷版表面に到達する前 互いに混ざり合うように湿し水の供給ルー を設ければ、刷版表面に達する前にインキ 乳化が開始されるので、湿し水とインキと 刷版表面に到達した時点ではインキはある 度乳化しており、刷版表面においてインキ 所要の乳化状態を直ぐに達成できる(即ち、 乳化に時間がかからない)。
 例えば、図9は、ウェブ(連続紙)に両面印刷 行なう輪転機のウェブの一面側にそなえら 、湿し水とインキとが刷版表面に到達する に互いに混ざり合うように湿し水の供給で る方式のインキ供給装置の一部及び湿し水 給装置の要部の構成を模式的に示す側面図 ある。

 本構成の場合も、インキ供給装置10は、 9に示すように、インキ壷等のインキ供給源( 図示略)からのインキは、インキローラ群11を 介して版胴2の刷版表面2aに供給され、さらに ブランケット胴3のブランケット3aを介してウ ェブ1に供給されるように構成されている。 ンキローラ群11の下流端には、版胴2の刷版 面2aに接触するインキ着けローラ12が装備さ る。ここでは、このインキ着けローラ12に 触する上流側のインキローラ13は、軸方向に 揺動する揺動ローラ(Vibローラ)として構成さ 、軸方向に揺動しながらインキを均質に練 ながら供給するようになっている。

 また、湿し水供給装置20も、図9に示すよ に、水舟21内の湿し水は、下部が水舟21内に 浸っている水元ローラ22と、この水元ローラ2 2に接触する水練りローラ23と、この水練りロ ーラ23に接触する水着けローラ24とを介して 版胴2の刷版表面2aに供給され、さらにブラ ケット胴3のブランケット3aを介してウェブ1 供給されるように構成されている。

 ただし、本方式では、水着けローラ24がイ キローラの揺動ローラ13に接触しており、水 着けローラ24は版胴2(刷版表面2a)と揺動ロー 13との双方に接触し、特に、揺動ローラ13の 動に対して連れ揺動するように構成されて る。
 したがって、水舟21内の湿し水は、水元ロ ラ22,水練りローラ23,水着けローラ24から、版 胴2に直接供給されるルートのほか、揺動ロ ラ13,インキ着けローラ12を経て供給されるル ートが形成される。

 このような湿し水の供給方式をITD方式(ITD:In k Transfer Dampener)と称する。
 このようなITD方式は、上述のように、湿し とインキとが刷版表面1aに到達した時点で インキはある程度乳化しているので、刷版 面1aにおいてインキの所要の乳化状態を直ぐ に達成でき、また、水着けローラ24が、揺動 ーラ13の揺動に対して軸方向に連れ揺動す ので、水目の発生を抑えることができ、水 の発生に起因した印刷品質の低下を抑える とができる。

 一方、前述のAD方式では、上述のように 湿し水とインキとが刷版表面1aで始めて合わ さるので、刷版表面1aにおいてインキの所要 乳化状態を達成するのに時間がかかるうえ 水着けローラ24が軸方向に揺動しないので 水目が発生しやすく、水目の発生に起因し 印刷品質の低下を招きやすい。しかし、イ キを過剰に乳化させたくない場合には有効 方式である。

 すなわち、画線率が低い絵柄を印刷する 合、刷版表面1aへのインキ供給量や湿し水 給量は少なくするため、インキは湿し水と 会うと比較的速やかに乳化し、ITD方式では 乳化し易いが、AD方式では適度な乳化状態に なる。ただし、このAD方式では、インキ供給 や湿し水供給量が少ないとはいえ、上述の うに、水目の発生により印刷品質の低下を きやすい。

 本発明はこのような課題に鑑み案出され もので、種々の印刷状況に対して、インキ 刷版表面において確実に所要の乳化状態に ることができるようにすると共に、湿し水 よる水目の発生を抑制してこれに起因した 刷品質の低下を抑制することができるよう した、湿し水供給装置及び方法を提供する とを目的とする。

 上記目標を達成するため、本発明の湿し 供給装置は、版胴に装備された刷版表面に ンキを供給するインキ供給装置の下流部に 接して備えられ、前記刷版表面に湿し水を 給する湿し水供給装置であって、前記イン 供給装置の下流部に備えられた軸方向に揺 する揺動インキローラに対して、離接可能 装備された湿し水供給ローラと、前記湿し 供給ローラと前記揺動インキローラとが接 する状態と離隔する状態とに切り替える第1 切替機構と、前記湿し水供給ローラに軸方向 への揺動力を加えて揺動させる揺動アクチュ エータと、前記第1切替機構によって前記湿 水供給ローラと前記揺動インキローラとが 触する状態とされると、前記揺動アクチュ ータによる前記湿し水供給ローラの揺動力 達を解除し前記湿し水供給ローラを前記揺 インキローラに連れ揺動させ、前記第1切替 構によって前記湿し水供給ローラと前記揺 インキローラとが離隔する状態とされると 前記揺動アクチュエータによる前記湿し水 給ローラの揺動力伝達を実行するように切 替える第2切替機構とをそなえていることを 特徴としている(請求項1)。

 前記揺動インキローラは、前記刷版表面に 触するインキ着けローラに接触するインキ ーラであって、前記揺動インキローラと離 可能な前記湿し水供給ローラは、前記刷版 面に接触する水着けローラであることが好 しい(請求項2)。
 この場合、湿し水の供給経路の上流側から 湿し水を貯留する水舟と、前記水舟に浸っ 水元ローラと、前記水元ローラに接触する 練りローラと、前記水練りローラに接触す 前記水着けローラと、をそなえていること 好ましい(請求項3)。

 また、前記揺動アクチュエータは、圧力 体室を備えた流体圧アクチュエータにより 成され、前記第2切替機構は、前記圧力流体 室に圧力流体を供給することで前記湿し水供 給ローラに軸方向への揺動力を加え、前記圧 力流体室を開放することで前記湿し水供給ロ ーラを前記流体圧アクチュエータの拘束から 解放するように構成されていることが好まし い(請求項4)。

 前記揺動アクチュエータと前記湿し水供給 ーラとの間に、前記揺動アクチュエータに り発生した前記軸方向への揺動力を前記湿 水供給ローラに伝達するリンク機構をそな ていることが好ましい(請求項5)。
 この場合、前記湿し水供給ローラは、ロー 外周面を備えたスリーブ状のローラ本体と 前記ローラ本体の両端部においてそれぞれ アリングを介して前記ローラ本体を回転自 で且つ軸方向には一体動するように支持す 中空軸部材と、前記両中空軸部材を貫通す ように備えられ、ストロークベアリングを して前記両中空軸部材を軸方向に移動可能 支持する中心軸部材と、をそなえ、前記リ ク機構は、前記中空軸部材に接続されてい ことが好ましい(請求項6)。

 また、前記リンク機構は、中間部が、固 された支持部材に対して回転自在に支持さ 、一端部が前記中空軸部材の係合部材に係 し、他端部が前記揺動アクチュエータの伸 に応じて移動するアクチュエータ側部材と 合するリンク部材を備え、前記揺動アクチ エータは、前記中空軸部材よりも外周側に 置されていることが好ましい(請求項7)。

 さらに、前記中空軸部材の前記係合部材 、前記中空軸部材の軸方向一端側に向いた 1係合面と、前記中空軸部材の軸方向他端側 に向いた第2係合面とをそなえ、前記リンク 材の前記一端部には、前記第1係合面を押圧 る第1押圧面と、前記第2係合面を押圧する 2押圧面とが設けられ、前記揺動アクチュエ タ及び前記リンク部材は、前記両中空軸部 のうちの一方のみに備えられていてもよい( 請求項8)。

 あるいは、前記揺動アクチュエータ及び 記リンク部材は、前記両中空軸部材の両方 それぞれ設けられて、一方の前記中空軸部 において、前記係合部材は、前記中空軸部 の軸方向一端側に向いた第1係合面を有する と共に、前記リンク部材の前記一端部には、 前記第1係合面を押圧する第1押圧面が設けら 、他方の前記中空軸部材において、前記係 部材は、前記中空軸部材の軸方向他端側に いた第2係合面を有すると共に、前記リンク 部材の前記一端部には、前記第2係合面を押 する第2押圧面が設けられていてもよい(請求 項9)。

 これらの場合、前記リンク部材には、前記 端部の前記中空軸部材の係合部材に対する 合と、前記他端部の前記アクチュエータ側 材に対する係合とを解除可能にする着脱構 が付設されていることが好ましい(請求項10) 。
 また、本発明の湿し水供給方法は、印刷機 版胴の刷版表面にインキを供給するインキ ーラであって軸方向に揺動する揺動インキ ーラと、前記刷版表面に湿し水を供給する し水供給ローラであって、前記揺動インキ ーラに接触して連れ揺動する第1状態と前記 揺動インキローラから離隔すると共に他の揺 動アクチュエータによって揺動する第2状態 の何れかに切替可能な湿し水供給ローラと そなえた、印刷機において、前記刷版表面 湿し水を供給する湿し水供給方法であって 印刷する絵柄の画線率データに基づいて、 記絵柄の画線率が予め設定された基準画線 よりも高いか否かを判定する判定ステップ 、前記判定ステップにより前記絵柄の画線 が前記基準画線率よりも高いと判定された 、前記湿し水供給ローラを前記第1状態とし 湿し水が前記湿し水供給ローラから前記揺 インキローラを経て前記刷版表面に供給さ る第1供給ルートを形成し、前記判定ステッ プにより前記絵柄の画線率が前記基準画線率 以下と判定されたら、前記湿し水供給ローラ を前記第2状態として湿し水が前記湿し水供 ローラから前記揺動インキローラを経るこ なく前記刷版表面に供給される第2供給ルー を形成する、供給ルート形成ステップと、 そなえていることを特徴としている(請求項 11)。

 前記揺動インキローラは、前記刷版表面 接触するインキ着けローラに接触するイン ローラであると共に、前記揺動インキロー と離接可能な前記湿し水供給ローラは、前 刷版表面に接触する水着けローラであって 前記第1供給ルートは、前記水着けローラか ら前記揺動インキローラ及び前記インキ着け ローラを介して前記刷版表面に湿し水を供給 するルートを含み、前記第2供給ルートは、 記水着けローラから前記刷版表面に直接湿 水を供給するルートのみであることが好ま い(請求項12)。

 本発明の湿し水供給装置によれば、湿し水 給ローラと揺動インキローラとが接触した 態で、且つ、湿し水供給ローラが揺動イン ローラに連れ揺動する状態と、湿し水供給 ーラと揺動インキローラとが離隔した状態 、且つ、揺動アクチュエータにより湿し水 給ローラが軸方向に揺動する状態と、を切 替えることができる。
 これにより、湿し水供給ローラが揺動イン ローラに接触した状態では、湿し水が湿し 供給ローラから揺動インキローラを経て刷 表面に供給される供給ルートを形成するこ ができ、湿し水供給ローラと揺動インキロ ラとが離隔した状態では、湿し水が湿し水 給ローラから揺動インキローラを経ること く刷版表面に供給される供給ルートを形成 ることができる。したがって、湿し水の供 ルートを選択的に用いることが可能になり 印刷条件に応じて適切な湿し水の供給ルー を選択することにより、湿し水によるイン の乳化状態を適切なものにして、印刷品質 向上させることが可能になる。

 また、第1切替機構が湿し水供給ローラと 揺動インキローラとを接触状態とした場合に は、第2切替機構が揺動アクチュエータによ 湿し水供給ローラの揺動力伝達を解除し湿 水供給ローラを揺動インキローラに連れ揺 させるので、湿し水供給ローラは揺動アク ュエータの作用を受けず揺動インキローラ よって円滑に連れ揺動される。一方、第1切 機構が湿し水供給ローラと揺動インキロー とを離隔状態とした場合には、揺動アクチ エータによる湿し水供給ローラの揺動力伝 を実行するので、湿し水供給ローラは確実 揺動する。したがって、いずれの場合でも 湿し水供給ローラは軸方向に揺動すること なり、湿し水による水目の発生が抑制され これに起因した印刷品質の低下が抑制され (以上、請求項1)。

 揺動インキローラを、刷版表面に接触す インキ着けローラに接触するインキローラ し、この揺動インキローラと離接可能な湿 水供給ローラを刷版表面に接触する水着け ーラとすれば、湿し水供給ローラと揺動イ キローラとの離接切替によって、湿し水に るインキの乳化状態を適切なものにし易く 印刷品質を向上させる上で有効になる(請求 項2)。

 揺動アクチュエータを、圧力流体室を備 た流体圧アクチュエータにより構成し、第2 切替機構を、圧力流体室に圧力流体を供給す ることで湿し水供給ローラに軸方向への揺動 力を加え、圧力流体室を開放することで湿し 水供給ローラを流体圧アクチュエータの拘束 から解放するように構成すれば、複雑なメカ ニカル構成に頼ることなく、シンプルに第2 替機構を構成することができる(請求項4)。

 揺動アクチュエータと湿し水供給ローラと 間に、揺動アクチュエータにより発生した 方向への揺動力を湿し水供給ローラに伝達 るリンク機構をそなえれば、揺動アクチュ ータの配置自由度が高まり、装置の大型化 抑制することが可能になる(請求項5)。
 例えば、湿し水供給ローラを、スリーブ状 ローラ本体と、ローラ本体を回転自在で且 軸方向に一体動する中空軸部材と、両中空 部材を軸方向に移動可能に支持する中心軸 材とから構成し、リンク機構を中空軸部材 接続する場合(請求項6)、揺動アクチュエー を中空軸部材よりも外周側に配置すること (請求項7)、装置の軸方向への大型化を抑制 ることが可能になる。

 本発明の湿し水供給方法によれば、印刷 る絵柄の画線率が予め設定された基準画線 よりも高い場合には、湿し水供給ローラを 動インキローラに接触して連れ揺動する第1 状態にして、湿し水が湿し水供給ローラから 揺動インキローラを経て刷版表面に供給され る第1供給ルートを形成するので、湿し水が 版表面に供給される前に揺動インキローラ おいてインキの乳化が開始される。画線率 高い場合には、インキ供給量や湿し水供給 が多いので乳化時間を大きく要するが、早 にインキの乳化が始まるので、乳化不足を くことなく、適切な乳化を行なうことが可 になる。

 一方、印刷する絵柄の画線率が予め設定 れた基準画線率以下の場合には、湿し水供 ローラが揺動インキローラから離隔すると に他の揺動アクチュエータによって揺動す 第2状態にして、湿し水が湿し水供給ローラ から揺動インキローラを経ることなく刷版表 面に供給される第2供給ルートを形成するの 、湿し水が刷版表面に供給されから乳化が 始される。画線率が低い場合には、インキ 給量や湿し水供給量が少なく乳化時間をあ り要さないために過乳化を招きやすいが、 ンキの乳化の開始が遅くなるので、過乳化 防ぎ、適切な乳化を行なうことが可能にな 。

 しかも、いずれの場合にも、湿し水供給ロ ラは、揺動インキローラにより、或いは、 動アクチュエータにより、軸方向に揺動す ので、湿し水による水目の発生が抑制され これに起因した印刷品質の低下が抑制され (以上、請求項11)。
 この場合も、揺動インキローラを、刷版表 に接触するインキ着けローラに接触するイ キローラとし、この揺動インキローラと離 可能な湿し水供給ローラを刷版表面に接触 る水着けローラとすれば、第1供給ルートは 、水着けローラから揺動インキローラ及びイ ンキ着けローラを介して刷版表面に湿し水を 供給するルートを含むことになり、刷版表面 に到達するまでにインキの乳化を確実に促進 させることができ、第2供給ルートは、水着 ローラから刷版表面に直接湿し水を供給す ルートのみとなり、インキの乳化の開始を 実に遅くすることができる。したがって、 1状態と第2状態とので切替によって、湿し水 によるインキの乳化状態を適切なものにし易 く、印刷品質を向上させる上で有効になる( 求項12)。

図1は本発明の第1,2実施形態にかかる湿 し水供給装置の構成を示す模式的な側面図で ある。 図2(a),図2(b)は何れも本発明の第1,2実施 態にかかる湿し水供給装置の水着けローラ 支持軸を移動させる軸位置移動機構(第1切 機構)を示す図であり、図2(a)はその水着けロ ーラの端部から見た機構の側面図、図2(b)は の水着けローラの斜め上方から見た機構の 部断面図[図2(a)C-C矢視断面図]である。 図3(a),図3(b)は何れも本発明の第1実施形 態にかかる湿し水供給装置の水着けローラを 示す図であり、図3(a)はその縦断面図、図3(b) 図3(a)のA矢視図である。 図4(a)~図4(c)は何れも本発明の第1実施形 態にかかる湿し水供給装置の揺動アクチュエ ータ及び第2切替機構を説明する水着けロー 端部の図であって、図4(a)はその縦断面図、 4(b)はその端面図[図4(a)のB矢視方向からの図 ]、図4(c)はそのリンクの展開図である。 図5は本発明の第1実施形態にかかる湿 水供給装置の揺動アクチュエータ及び第2切 機構を説明する水着けローラ端部の拡大縦 面図[図4(a)に対応する図]である。 図6は本発明の第1実施形態にかかる湿 水供給方法を説明するフローチャートであ 。 図7は本発明の第2実施形態にかかる湿 水供給装置の揺動アクチュエータ及び第2切 機構を説明する水着けローラ端部の縦断面 である。 図8は本発明の課題にかかる従来の湿し 水供給装置の第1構成例を示す模式的な側面 である。 図9は本発明の課題にかかる従来の湿し 水供給装置の第2構成例を示す模式的な側面 である。

符号の説明

 1 ウェブ(連続紙)
 2 版胴
 2a 刷版表面
 3 ブランケット胴
 3a ブランケット
 4 フレーム
 10 インキ供給装置
 11 インキローラ群
 12 インキ着けローラ
 13 インキローラ(揺動インキローラ,揺動ロ ラ)
 20 湿し水供給装置 
 21 水舟
 22 水元ローラ
 23 水練りローラ
 24 水着けローラ(湿し水供給ローラ)
 25 中心軸部材
 25a ピン
 26 ストロークベアリング
 27 中空軸部材
 27a 切り欠き溝
 28 ベアリング
 28a,28b 軸方向ストッパ
 29 ローラ本体
 29a ゴム層
 29b 基材
 30 支持部材
 31 揺動力伝達部材
 31a 揺動力受け部(係合部材)
 32 抜け止め用ボルト
 40 揺動アクチュエータ
 41 シリンダ支持部材
 42 エアシリンダ部(流体圧アクチュエータ)
 42a,42b エア室(圧力流体室)
 43a,43b エア供給管
 44 ピストンロッド
 45 連結部材
 46 進退ロッド部材
 49 枢支ピン
 47a フック部
 47b ロール側係合部
 47 リンク部材
 48 ピン
 50 圧縮エア給排装置(第2切替機構)
 60 コントローラ
 70 軸位置移動機構(第1切替機構)
 71 流体圧シリンダ
 71a 流体圧シリンダ71の基端部
 72 シリンダロッド
 73 揺動インキローラジャーナル部
 74 揺動インキローラ軸受
 75 切替用偏心ブッシュ
 76 水着けローラ支持アーム
 100 リンク支持部材
 101 ピン
 C1 揺動ローラ13の中心
 C2,C2´ 切替用偏心ブッシュ75の外周面の中

 以下、図面により、本発明の実施の形態に いて説明する。
[第1実施形態]
 まず、本発明の第1実施形態について図1~図6 に基づいて説明する。
 本実施形態にかかる印刷機は、図1に示すよ うに、ウェブ(連続紙)1に両面印刷を行なう輪 転機であって、ウェブ1の両面にそれぞれイ キ供給装置及び湿し水供給装置を装備する 、ここでは、ウェブ1の上面に装備されたイ キ供給装置及び湿し水供給装置を説明する

 インキ供給装置10は、図1に示すように、 ンキ壷等のインキ供給源(図示略)からのイ キが、インキローラ群11を介して版胴2の刷 表面2aに供給され、さらにブランケット胴3 ブランケット3aを介してウェブ1に供給され ように構成されている。インキローラ群11の 下流端には、版胴2の刷版表面2aに接触するイ ンキ着けローラ12が装備される。ここでは、 のインキ着けローラ12に接触する上流側の ンキローラ13は、軸方向に揺動する揺動イン キローラ(Vibローラ,揺動ローラ)として構成さ れ、軸方向に揺動しながらインキを均質に練 りながら供給するようになっている。

 湿し水供給装置20は、図1に示すように、 舟21内の湿し水が、下部が水舟21内に浸って いる水元ローラ22と、この水元ローラ22に接 する水練りローラ23と、この水練りローラ23 接触する水着けローラ(湿し水供給ローラ)24 とを介して、版胴2の刷版表面2aに供給され、 さらにブランケット胴3のブランケット3aを介 してウェブ1に供給されるように構成されて る。なお、湿し水供給装置20において、湿し 水供給にかかるローラを総称して湿し水供給 ローラという。

 そして、水着けローラ24は、図1に実線で すようなインキローラの揺動ローラ13に接 し揺動ローラ13の表面へも湿し水を供給し得 る状態と、図1に二点鎖線で示すようなイン ローラの揺動ローラ13から離隔し揺動ローラ 13の表面へは湿し水を供給し得ない状態とに 切替可能に構成されている。本実施形態で 、この切替は、水着けローラ24の支持軸を 動させる軸位置移動機構(第1切替機構)によ 行なわれるようになっている。

 図2(a),図2(b)に示すように、軸位置移動機 (第1切替機構)70は、印刷機の両側部に備え れたフレーム4に基端部71aを揺動可能に支持 れた流体圧シリンダ(エアシリンダ又は油圧 シリンダ等)71と、シリンダ71の先端部から突 されたシリンダロッド72と、揺動ローラ13の 一端の揺動インキローラジャーナル部73と、 動インキローラジャーナル部73の外周に装 された揺動インキローラ軸受74と、揺動イン キローラ軸受74を介して揺動インキローラジ ーナル部73の外周に装備されて突出部75aを リンダロッド72の突出端に枢着された切替用 偏心ブッシュ75と、この切替用偏心ブッシュ7 5に支持された水着けローラ支持アーム76と、 をそなえている。なお、フレーム4の壁面と 替用偏心ブッシュ75の端面との間にはスペー サ77がそなえられる。なお、この切替用偏心 ッシュ75は揺動インキローラ軸受74の端部に 螺合装着されたナット74aによって、軸方向に ズレないように固定されている。

 切替用偏心ブッシュ75は、揺動ローラ13の 中心(揺動インキローラジャーナル部73及び揺 動インキローラ軸受74の中心でもある)C1に対 て同心の内周面と、揺動ローラ13の中心C1に 対して偏心した中心C2の外周面とを有し、切 用偏心ブッシュ75の内周面は、揺動インキ ーラ軸受74に枢支され、切替用偏心ブッシュ 75の外周面には、水着けローラ支持アーム76 基端部の環状部分が枢支される。

 また、水着けローラ支持アーム76の先端部 、水着けローラ24の中心軸部である中心軸部 材25を支持する支持部材30に結合され、支持 材30を支持している。
 したがって、流体圧シリンダ71が作動し、 リンダロッド72が伸縮すると、切替用偏心ブ ッシュ75が揺動ローラ13の中心C1の回りで回転 し、中心C1に対して偏心した切替用偏心ブッ ュ75の外周面の中心C2は、中心C1の回りに回 する。これによって、基端部を切替用偏心 ッシュ75の外周面に支持された水着けロー 支持アーム76が移動し、支持部材30を移動さ ることで、水着けローラ24の支持軸(中心軸 材)25を移動させる。

 例えば、図2(a)において、シリンダロッド 72が伸長すると、替用偏心ブッシュ75が中心C1 回りで時計回りに回転し、切替用偏心ブッシ ュ75の外周面の中心C2もこれに応じて回転し C2´の位置に来る。すると、切替用偏心ブッ ュ75と切替用偏心ブッシュ75の外周面に支持 された水着けローラ支持アーム76とが、この 心C2のC2´への移動に応じて図中下方に移動 る(符号75´,76´参照)。これにより、水着け ーラ24の支持軸(中心軸部材)25を揺動ローラ13 から離隔した脱状態に移動させることができ る(符号24´参照)。

 また、揺動ローラ13から離隔した水着けロ ラ24を、揺動ローラ13に接触させる着状態に るには、これと逆に、シリンダロッド72を 縮させればよい。
 さらに、水着けローラ24には、この水着け ーラ24に軸方向への揺動力を加えて揺動させ る揺動アクチュエータ40が接続されている。 だし、揺動アクチュエータ40は、後述する 、揺動力伝達断接機構(第2切替機構)として 機能する圧縮エア給排装置50によって、水着 けローラ24に軸方向への揺動力を加える状態 、水着けローラ24に軸方向への揺動力を加 ない(軸方向へ拘束しない)状態とに切り替え られるようになっている。

 つまり、水着けローラ24は、図3(a)に示す うに、中心軸部材25と、この中心軸部材25の 両端部の外周に、それぞれストロークベアリ ング26を介して支持された中空軸部材27と、 端をこれらの中空軸部材27の外周にベアリン グ28を介して支持されたスリーブ状のローラ 体29とから構成される。中心軸部材25は、そ の両端をそれぞれ支持部材30に支持されてい 。

 また、図3(a),図3(b)に示すように、中心軸 材25には、中空軸部材27と重合する個所にお いて、その径方向外方にピン25aが突設されて おり、中空軸部材27の対向個所には、このピ 25aが嵌入係合する切り欠き溝27aが形成され いる。ピン25aが切り欠き溝27aに嵌入し係合 ることにより、中空軸部材27は中心軸部材25 と一体に回転するが、ストロークベアリング 26によって、中空軸部材27は中心軸部材25に対 する軸方向に動きを許容され、両者間の着脱 も可能になっている。

 また、図3(a)に示すように、ローラ本体29 、金属製スリーブ状の基材29bの外周にゴム 29aを一体にそなえており、ゴム層29aに表面 湿し水を受け取って刷版表面2aや揺動ロー 13の表面に供給するようになっている。基材 29bは、ベアリング28によって中空軸部材27に して回転自在であるが、軸方向ストッパ28a,2 8b等を通じて、軸方向には、中空軸部材27と 体に移動するようになっている。

 そして、図4(a)に示すように、中空軸部材 27の軸端側には、揺動力伝達部材31が螺合(ネ による結合)着脱自在にそなえられており、 揺動力伝達部材31の外周には、フランジ状の 動力受け部(係合部材)31aが設けられている 揺動力伝達部材31に隣接する支持部材30には ピストンロッド44を進退駆動するエアシリ ダ部(流体圧アクチュエータ)42を取り付ける リンダ支持部材41が固定され、さらに、リ ク部材47の中間部を揺動自在に枢支するリン ク支持部材100が固定されている。

 なお、エアシリンダ部42は上部及び下部 それぞれそなえられ、各エアシリンダ部42内 には、上記ピストンロッド44が一端を突出さ て装備され、ピストンロッド44を突出方向 前進駆動するためのエア室(圧力流体室)42aと ピストンロッド44をこれと逆方向に後退駆動 るためのエア室(圧力流体室)42bとが設けら ている。各エア室42a,42bは、エア供給管43a,43b を介して圧縮エア給排装置50に接続され、圧 エア給排装置50によって、各エア室42a,42bの 力状態が調整され、両ピストンロッド44が 退駆動される。

 両ピストンロッド44の一端(先端)は、図4(a )~図4(c)に示すように、連結部材45が固定され ン101を介して、進退ロッド部材46に接続さ 、進退ロッド部材46は、ピン48を介してリン 部材47の一端に枢着されている。また、リ ク部材47の他端は、揺動力伝達部材31の揺動 受け部(係合部材)31aの両面(第1,第2係合面)に 係合している。

 また、リンク部材47は、中間部を支持部材10 0の枢支ピン49に回転自在に支持され、一端[ 4(a)中、上端]に、進退ロッド部材46の先端の ン48に係合するフック部47aが設けられ、他 [図4(a)中、下端]に、動力伝達部材31の揺動力 受 
け部(係合部材)31aと係合するロール側係合部4 7bが設けられている。
 つまり、揺動力受け部(係合部材)31aには、 ーラ軸の一端側[図4(a)中、左側]向きの面(第1 係合面)、及び、ローラ軸の他端側[図4(a)中、 右側]向きの面(第2係合面)をそなえ、リンク 材47のロール側係合部47bには、揺動力受け部 31aを挟むように、第1係合面を押圧する第1押 面と、第2係合面を押圧する第2押圧面とが けられている。

 したがって、ピストンロッド44が進退する 、連結部材45と進退ロッド部材46とを介して ンク部材47が揺動し、揺動力受け部31aを通 て動力伝達部材31及び水着けローラ24のロー 本体29が軸方向に揺動(進退動)するようにな っている。なお、進退ロッド部材46及びリン 部材47からリンク機構が構成される。
 なお、本実施形態では、リンク部材47のフ ク部47aが進退ロッド部材46のピン48から外れ いように係止する抜け止め用ボルト32がフ ク部47aに螺合装着され、このボルト32をフッ ク部47aから外し、中心軸部材25の固定手段を ねる支持部材100の固定ボルトを外すことに って、図5に二点鎖線で示すように、フック 部47aをピン48から外すことができるようにな ており、中心軸部材25から中空軸部材27やロ ーラ本体29を取り外す場合などに用いる。

 両ピストンロッド44を進退駆動する圧縮 ア給排装置50には、図示しないが、各エア室 42a,42bを、エアポンプ又はアキュムレータ等 圧縮エア供給源に接続して圧縮エアを供給 る状態と、エア室42a,42bを大気開放して圧縮 アを排出する状態とに、個々に切り替える 替バルブをそなえており、コントローラ51 通じた電気信号によって切替バルブの状態 制御されるようになっている。

 切替バルブを、エア室42aに圧縮エアを供 しエア室42bから圧縮エアを排出する状態に れば、ピストンロッド44が突出方向に前進 動され、エア室42aから圧縮エアを排出しエ 室42bに圧縮エアを供給する状態にすれば、 ストンロッド44が逆方向に後退駆動される。 また、各エア室42a,42bをいずれも大気開放し 圧縮エアを排出する状態にすれば、ピスト ロッド44は何ら拘束されなくなる。

 このように、圧縮エア給排装置50を通じ ピストンロッド44が前進駆動と後退駆動とを 交互に実施されると、ピストンロッド44が進 動し、連結部材45と進退ロッド部材46とを介 してはリンク部材47を揺動させ、揺動力受け 31aを通じて動力伝達部材31及び水着けロー 24のローラ本体29を軸方向に揺動(進退動)さ る。一方、各エア室42a,42bをいずれも大気開 して圧縮エアを排出する状態にすれば、ピ トンロッド44は何ら拘束されなくなり、水 けローラ24のローラ本体29はエアシリンダ部( 流体圧アクチュエータ)42には全く影響されな い状態になる。したがって、水着けローラ24( ローラ本体29)が、図1に実線で示すように、 ンキローラの揺動ローラ13に接触し揺動ロー ラ13の表面へも湿し水を供給し得る状態では 水着けローラ24(ローラ本体29)は、揺動ロー 13揺動に応じて何ら支障なく連れ揺動する とができる。

 つまり、圧縮エア給排装置50は、揺動アク ュエータ40による水着けローラ24の揺動力伝 を解除し水着けローラ24を揺動ローラ13に連 れ揺動させる状態と、揺動アクチュエータ40 よる水着けローラ24の揺動力伝達を実行す 状態とに切り替える揺動力伝達断接機構(第2 切替機構)としても機能する。
 このような圧縮エア給排装置(第2切替機構)5 0及び前述の第1切替機構は、コントローラ60 よって制御されるようになっている。

 コントローラ60では、印刷する絵柄の画線 データを入力されると、この絵柄の画線率 予め設定された基準画線率よりも高いか否 を判定して、この判定結果に基づいて圧縮 ア給排装置(第2切替機構)50及び第1切替機構 制御する。
 つまり、判定結果から、絵柄の画線率が基 画線率よりも高い場合には、水着けローラ2 4を揺動ローラ13に接触して連れ揺動する第1 態(ピストンロッド44は揺動アクチュエータ40 に拘束されない)とするように第1切替機構及 圧縮エア給排装置(第2切替機構)50を制御す 。この場合には、湿し水が水着けローラ24か ら揺動ローラ13をも経て刷版表面2aに供給さ る第1供給ルートが形成される。もちろん、 の場合にも、湿し水は水着けローラ24から 動ローラ13を経ることなく刷版表面2aに直接 給される第2供給ルートも保持される。

 一方、判定結果から、絵柄の画線率が基 画線率以下の場合には、水着けローラ24を 動ローラ13から離隔させると共に水着けロー ラ24を揺動アクチュエータ40によって揺動さ る第2状態とするように第1切替機構及び圧縮 エア給排装置(第2切替機構)50を制御する。こ 場合には、湿し水は水着けローラ24から揺 ローラ13を経ることなく刷版表面2aに直接供 される第2供給ルートだけが確保される。

 本発明の第1実施形態にかかる湿し水供給装 置は上述のように構成されているので、印刷 時に、以下のようにして、コントローラ60を じて、湿し水供給を実施することができる
 つまり、図6に示すように、印刷する対象の 絵柄の画線率データを取得する(ステップS10) そして、この取得した絵柄の画線率が予め 定された基準画線率よりも高いか否かを判 する(ステップS20)。

 判定結果から、絵柄の画線率が基準画線率 りも高い場合には、水着けローラ24を揺動 ーラ13に接触して連れ揺動する第1状態とす ように第1切替機構及び圧縮エア給排装置(第 2切替機構)50を制御する(ステップS30)。
 この場合には、ピストンロッド44は揺動ア チュエータ40に拘束されないので、水着けロ ーラ24は揺動アクチュエータ40から何らの抵 を受けることなく揺動ローラ13に接触して連 れ揺動する。また、湿し水は水着けローラ24 ら揺動ローラ13を経ることなく刷版表面2aに 直接供給される第2供給ルートに加えて、湿 水が水着けローラ24から揺動ローラ13をも経 刷版表面2aに供給される第1供給ルートが形 される。つまり、前述のITD方式が構成され 。

 印刷絵柄の画線率が高い場合には、インキ 給量や湿し水供給量が多いので乳化時間を きく要するが、第1供給ルートによって早期 にインキの乳化が始まるので、乳化不足を招 くことなく、適切な乳化を行なうことが可能 になる。
 また、水着けローラ24は揺動アクチュエー 40から何らの抵抗を受けることなく揺動ロー ラ13に接触して軸方向に円滑に連れ揺動する で、湿し水による水目の発生が抑制され、 れに起因した印刷品質の低下が抑制される

 一方、判定結果から、絵柄の画線率が基準 線率以下の場合には、水着けローラ24を揺 ローラ13から離隔させると共に水着けローラ 24を揺動アクチュエータ40によって揺動させ 第2状態とするように第1切替機構及び圧縮エ ア給排装置(第2切替機構)50を制御する(ステッ プS40)。
 この場合には、湿し水は水着けローラ24か 揺動ローラ13を経ることなく刷版表面2aに直 供給される第2供給ルートだけが確保される 。つまり、前述のAD方式が構成される。

 印刷絵柄の画線率が低い場合には、インキ 給量や湿し水供給量が少なく乳化時間をあ り要さないために過乳化を招きやすいが、 し水の供給ルートは、湿し水は水着けロー 24から刷版表面2aに直接供給される第2供給 ートだけとなるので、インキの乳化の開始 遅くなって、過乳化を防ぎ、適切な乳化を なうことが可能になる。
 この場合にも、水着けローラ24は、揺動ア チュエータ40により、軸方向に揺動するので 、湿し水による水目の発生が抑制され、これ に起因した印刷品質の低下が抑制される。

 しかも、揺動アクチュエータ40は、水着け ーラ24の外部に設けられているので、揺動高 価な水着けローラ24に内蔵する自己揺動機構 比べて装置コストを安価なものにでき、ま 、このような外付け方式では、水着けロー の交換も容易に行なえるようになる。
 なお、本実施形態では、水着けローラ24の 端側において、揺動力受け部(係合部材)31aに 第1係合面及び第2係合面が設けられ、リンク 材47のロール側係合部47bに、第1係合面を押 する第1押圧面と第2係合面を押圧する第2押 面とが設けられているので、水着けローラ2 4を軸方向に駆動する揺動アクチュエータ40や これに付設された進退ロッド部材46及びリン 部材47といったリンク機構を、水着けロー 24の他端側にそなえることなく水着けローラ 24の一端側にのみそなえれば、水着けローラ2 4の軸方向への揺動を行なうことができるの 、全体の装置構成を簡素なものにすること できる。

[第2実施形態]
 次に、本発明の第2実施形態について図7に づいて説明する。
 本実施形態にかかる印刷機は、第1実施形態 に対して、揺動アクチュエータ40で駆動され リンク部材47のロール側係合部47b、及び、 動力受け部(係合部材)31aの構造が異なってい る。したがって、第1実施形態を示す図1~図6 、図4(a)~図4(c)の要部を除いて、何れも本実 形態に適用できる。
 つまり、図7に示すように、本実施形態では 、揺動力受け部(係合部材)31aに第1係合面と第 2係合面との一方のみが設けられ、リンク部 47のロール側係合部47bに、第1係合面を押圧 る第1押圧面と第2係合面を押圧する第2押圧 との一方のみが設けられている。したがっ 、リンク部材47は、揺動力受け部(係合部材)3 1aを、ロール軸の一端側にのみ、或いは、ロ ル軸の他端側にのみ、駆動することができ ようになっている。そして、このように、 着けローラ24の一端側に設けられた揺動ア チュエータ40やこれに付設された進退ロッド 部材46及びリンク部材47といったリンク機構 、水着けローラ24の他端側にも一端側のもの とは面対象に設けられており、両端部の機構 が協働して、水着けローラ24の軸方向への揺 を行なうようになっている。

 図7には、ロール軸の一端側(図3(a),図7中 左側)についての揺動力受け部31a及びリンク 材47を示すが、揺動力受け部31aには軸端側( ール軸の一端側)を向いた係合面のみが設け られ、リンク部材47のロール側係合部47bには この係合面に対向するように、軸中央側(ロ ール軸の他端側)を向いた押圧面のみが設け れている。ロール軸の他端側(図3(a)中右側) ついても、これと面対称に同様な構成が設 られている。

 本発明の第2実施形態にかかる湿し水供給装 置は上述のように構成されているので、印刷 開始前に、第1実施形態と同様に、コントロ ラ60を通じて、湿し水供給を実施することが でき、同様の効果を奏することができる。
 本実施形態の場合、ロール軸の両端側にそ ぞれ揺動アクチュエータ40やこれに付設さ るリンク機構を設けなくてはならないが、 動機構が両端にある為、揺動機構は揺動1往 のうち片方向の動作のみ(つまり、揺動ロー ラを押す動作のみ)に対して揺動駆動力を発 させればよく、耐久性を向上させることが きる。

[その他]
 以上、本発明の各実施形態について説明し が、本発明はかかる実施形態に限定される となく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で 宜変更して実施しうるものである。
 例えば、上記の各実施形態では、コントロ ラ60を通じて、設定を切り換えて湿し水の 給を実施しているが、本願発明の湿し水供 方法としては、コントローラに限らずオペ ータによって実施しても良い。

 また、上記の実施形態では、揺動インキ ーラを刷版表面に接触するインキ着けロー に接触するインキローラとし、揺動インキ ーラと離接可能な湿し水供給ローラを版表 に接触する水着けローラとしており、これ よって、湿し水供給ローラと揺動インキロ ラとの離接切替によって、湿し水によるイ キの乳化状態を適切なものにし易く、印刷 質を向上させる上でより有効になるが、揺 インキローラも、湿し水供給ローラもこれ 限定されるものではない。

 オフセット印刷機等の刷版にインキを供 して印刷を行なう平版印刷機であって、刷 にインキと同時に湿し水を供給する印刷機 あれば、輪転機であっても枚葉機であって 広く適用することができる。