Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
DAMPING DEVICE, LIQUID-PRESSURE CONTROL UNIT, AND BRAKE SYSTEM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2023/073492
Kind Code:
A1
Abstract:
The present invention dampens pressure pulsation in a liquid-pressure control unit. This damping device 100 is provided in a liquid-pressure control unit, has an inlet port P1 that is connected to a discharge side of a pump and an outlet port P2 that is connected to the inlet port P1, and dampens pressure pulsation. The damping device 100 comprises: a first fluid chamber S1 which is connected to the inlet port P1; a first piston 104 which is disposed within the first fluid chamber S1 so as to be slidable in a first sliding direction and which has formed therein a first through-hole 104b penetrating in the first sliding direction; a first valve body 106 which is capable of opening and closing the inlet port P1 side of the first through-hole 104b; a first biasing member 108 which biases the first valve body 106 toward the outlet port P2 side; a protruding member 109 having a protrusion 109b which is disposed on the outlet port P2 side with respect to the first valve body 106, extends in the first sliding direction, is insertable into the first through-hole 104b, and is able to come into abutment against the first valve body 106; and a second biasing member 110 which biases the first piston 104 toward the inlet port P1 side.

Inventors:
SAKAMOTO TAKANORI (JP)
Application Number:
PCT/IB2022/059917
Publication Date:
May 04, 2023
Filing Date:
October 17, 2022
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
BOSCH GMBH ROBERT (DE)
International Classes:
B60T11/228
Domestic Patent References:
WO2019207385A12019-10-31
WO2020022331A12020-01-30
Foreign References:
US20140292066A12014-10-02
US20120043805A12012-02-23
US20040166004A12004-08-26
Download PDF:
Claims:
【書類名】 請求の範囲

【請求項 1】 車輪 ( 1 7 ) に生じる制動力を制御する液圧制御ユニッ ト ( 1 5) に設けられ、 ポンプ

( 3 6 ) の吐出側と接続される入口ポート ( P 1 ) と、 前記入口ポート ( P 1 ) と連通す る出口ポート (P 2 ) とを有し、 圧力脈動を減衰する減衰装置 ( 1 0 0) であって、 前記入口ポート (P 1 ) と連通する第 1液室 (S 1 ) と、 前記第 1液室 (s i ) において第 1摺動方向に摺動可能に設けられ、 前記第 1摺動方向 に貫通する第 1貫通孔 ( 1 0 4 b ) が形成される第 1 ピス トン ( 1 0 4) と、 前記第 1貫通孔 ( 1 0 4 b ) の前記入口ポート (P 1 ) 側を開閉可能な第 1弁体 ( 1 〇

6 ) と、 前記第 1弁体 ( 1 0 6 ) を前記出口ポート ( P 2 ) 側に付勢する第 1付勢部材 ( 1 0 8 ) と、 前記第 1弁体 ( 1 0 6 ) に対して前記出口ポート (P 2) 側に配置され、 前記第 1摺動 方向に延在し、 前記第 1貫通孔 ( 1 0 4 b ) に挿通可能であり、 前記第 1弁体 ( 1 0 6 ) に当接可能な突起部 ( 1 0 9 b ) を有する突起部材 ( 1 0 9) と、 前記第 1 ピス トン ( 1 0 4 ) を前記入口ポート (P 1 ) 側に付勢する第 2付勢部材 ( 1

1 〇) と、 を備える、 減衰装置。

【請求項 2】 前記第 1 ピス トン ( 1 0 4 ) には、 前記入口ポート (P 1 ) 側から前記出口ポート (P 2) 側まで貫通し、 前記第 1貫通孔 ( 1 0 4 b ) の内径よりも小さい内径を有する第 2貫 通孔 ( 1 0 4 f ) が形成される、 請求項 1に記載の減衰装置。

【請求項 3 ] 前記第 1 ピス トン ( 1 0 4 ) には、 複数の前記第 2貫通孔 ( 1 0 4 f ) が形成され、 前記複数の第 2貫通孔 ( 1 0 4 f ) は、 前記第 1 ピス トン ( 1 0 4) の周方向に等間隔 に配置されている、 請求項 2に記載の減衰装置。

【請求項 4 ] 前記突起部材 ( 1 0 9 ) は、 前記突起部 ( 1 0 9 b ) と接続される基部 ( 1 0 9 a ) を 有し、 前記基部 ( 1 0 9 a ) には、 前記入口ポート (P 1 ) 側から前記出口ポート (P 2) 側 まで貫通し、 前記第 1貫通孔 ( 1 0 4 b ) の内径よりも小さい内径を有する第 3貫通孔 ( 1 0 9 d ) が形成される、 請求項 1〜 3のいずれか一項に記載の減衰装置。

【請求項 5 ] 前記基部 ( 1 0 9 a ) には、 複数の前記第 3貫通孔 ( 1 0 9 d) が形成され、 前記複数の第 3貫通孔 ( 1 0 9 d) は、 前記基部 ( 1 0 9 a ) の周方向に等間隔に配置 されている、 請求項 4に記載の減衰装置。

【請求項 6 ] 前記第 1液室 (S 1 ) と連通し、 前記突起部材 ( 1 0 9) に対して前記出口ポート (P

2 ) 側に配置される第 2液室 (S 2) と、 前記第 2液室 (S 2 ) において第 2摺動方向に摺動可能に設けられる第 2ピス トン ( 1

1 1 ) と、 前記第 2ピス トン ( 1 1 1 ) を前記入口ポート (P 1 ) 側に付勢する第 3付勢部材 ( 1

1 3、 1 1 4 ) と、 を備える、 請求項 1〜 5のいずれか一項に記載の減衰装置。 【請求項 7】 前記第 2ピス トン ( 1 1 1 ) には、 前記入口ポート ( P 1 ) 側から前記出口ポート (P 2) 側まで貫通し、 前記第 1貫通孔 ( 1 0 4 b ) の内径よりも小さい内径を有する第 4貫 通孔 ( 1 1 1 c ) が形成される、 請求項 6に記載の減衰装置。

【請求項 8 ] 前記第 2ピス トン ( 1 1 1 ) には、 複数の前記第 4貫通孔 ( 1 1 1 c ) が形成され、 前記複数の第 4貫通孔 ( 1 1 1 c ) は、 前記第 2ピス トン ( 1 1 1 ) の周方向に等間隔 に配置されている、 請求項 7に記載の減衰装置。

【請求項 9 ] 前記第 1液室 (S 1 ) と連通し、 前記突起部材 ( 1 0 9) に対して前記出口ポート (P

2 ) 側に配置される第 2液室 (S 2) と、 前記第 2液室 (S 2 ) と第 5貫通孔 ( 1 0 1 d) を介して連通し、 前記第 2液室 (S 2 ) に対して前記出口ポート (P 2 ) 側に配置され、 前記出口ポート (P 2) と連通する第 3 液室 (S 3 ) と、 前記第 5貫通孔 ( 1 0 1 d) の前記出口ポート (P 2 ) 側を開閉可能な第 2弁体 ( 1 1 5) と、 前記第 2弁体 ( 1 1 5) を前記入口ポート (P 1 ) 側に付勢する第 4付勢部材 ( 1 1 6

) と、 を備える、 請求項 1〜 8のいずれか一項に記載の減衰装置。

【請求項 1 〇】 請求項 1〜 9のいずれか一項に記載の減衰装置 ( 1 0 0) を備える液圧制御ユニッ ト。

【請求項 1 1】 請求項 1 〇に記載の液圧制御ユニッ ト ( 1 5 ) を備えるブレーキシステム。

Description:
【書類名】 明細書

【発明の名称】 減衰装置、 液圧制御ユニッ トおよびブレーキシステム

【技術分野】

【。 0 0 1】 本発明は、 減衰装置、 液圧制御ユニッ トおよびブレーキシステムに関する。

【背景技術】

【。 0 0 2】 従来の車両では、 車輪に生じさせる制動力を制御するために、 液圧制御ユニッ トが設け られている。 例えば、 特許文献 1に開示されているように、 液圧制御ユニッ ト内の流路に は、 複数の弁とポンプとが設けられている。 このような液圧制御ユニッ トでは、 例えば、 アンチロックブレーキ制御または横滑り防止 制御等において、 各弁の開閉状態を特定の状 態にして、 ポンプを駆動させる制御が行われる。

【先行技術文献】

【特許文献】

【〇 0 0 3】

【特許文献 1】 特開 2 0 1 0 — 0 5 2 5 1 9号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【〇 0 0 4】 ところで、 液圧制御ユニッ トでは、 主として往復動するプランジャポンプがポン プとし て用いられる。 ゆえに、 ポンプによるブレーキ液の圧送は、 間欠的に行われる。 よって、 ポンプが駆動されると、 液圧制御ユニッ ト内の流路においてブレーキ液の液圧が脈動 する 現象である圧力脈動が生じる。 このような圧力脈動により生じる音は、 車両の乗員に騒音 として感じ取られる場合があり、 快適性を損ねる要因となり得る。 ゆえに、 快適性を向上 させる観点で、 液圧制御ユニッ トの圧力脈動を適切に減衰させることが望ま れている。

【〇 0 0 5】 そこで、 本発明は、 このような課題に鑑み、 液圧制御ユニッ トの圧力脈動を減衰させる ことが可能な減衰装置、 液圧制御ユニッ トおよびブレーキシステムを提供することを 目的 としている。

【課題を解決するための手段】

【〇 0 0 6】 上記課題を解決するために、 減衰装置は、 車輪に生じる制動力を制御する液圧制御ユニ ッ トに設けられ、 ポンプの吐出側と接続される入口ポートと、 入口ポートと連通する出口 ポートとを有し、 圧力脈動を減衰する減衰装置であって、 入口ポートと連通する第 1液室 と、 第 1液室において第 1摺動方向に摺動可能に設けられ、 第 1摺動方向に貫通する第 1 貫通孔が形成される第 1 ピス トンと、 第 1貫通孔の入口ポート側を開閉可能な第 1弁体と 、 第 1弁体を出口ポート側に付勢する第 1付勢部材と、 第 1弁体に対して出口ポート側に 配置され、 第 1摺動方向に延在し、 第 1貫通孔に挿通可能であり、 第 1弁体に当接可能な 突起部を有する突起部材と、 第 1 ピス トンを入口ポート側に付勢する第 2付勢部材と、 を 備える。

【〇 0 0 7】 上記課題を解決するために、 液圧制御ユニッ トは、 上記の減衰装置を備える。

【〇 0 0 8】 上記課題を解決するために、 ブレーキシステムは、 上記の液圧制御ユニッ トを備える。

【発明の効果】

【〇 0 0 9】 本発明によれば、 液圧制御ユニッ トの圧力脈動を減衰させることが可能となる 。

【図面の簡単な説明】

【0 0 1 0】

【図 1】 本発明の実施形態に係るブレーキシステムの 概略構成を示す模式図である。 【図 2】 本発明の実施形態に係る減衰装置の概略構成 を示す断面図である。

【図 3】 本発明の実施形態に係る減衰装置において、 第 1 ピス トンが図 2の状態と比 べて右側に移動した状態を示す図である。

【図 4】 本発明の実施形態に係る減衰装置において、 第 1 ピス トンが図 3の状態と比 べて右側に移動した状態を示す図である。

【図 5】 本発明の実施形態に係る減衰装置において、 第 1 ピス トンが図 4の状態と比 べて右側に移動した状態を示す図である。

【発明を実施するための形態】

[ 0 0 1 1 ] 以下に添付図面を参照しながら、 本発明の好適な実施形態について詳細に説明 する。 か かる実施形態に示す寸法、 材料、 その他具体的な数値等は、 発明の理解を容易にするため の例示に過ぎず、 特に断る場合を除き、 本発明を限定するものではない。 なお、 本明細書 および図面において、 実質的に同一の機能、 構成を有する要素については、 同一の符号を 付することにより重複説明を省略し、 また本発明に直接関係のない要素は図示を省 略する

[ 0 0 1 2 ] 本実施形態では、 車両として、 4つの車輪 1 7を有する車両を例に説明するが、 本発明 が適用される車両は、 4つの車輪 1 7を有する車両に限られず、 例えば、 1つ、 2つ、 3 つのいずれかの車輪 1 7を有する車両、 または、 5つ以上の車輪 1 7を有する車両であっ てもよい。

[ 0 0 1 3 ]

<ブレーキシステムの構成 > 図 1および図 2を参照して、 本発明の実施形態に係るブレーキシステム! の構成につい て説明する。

[ 0 0 1 4 ] 図 1は、 ブレーキシステム 1の概略構成を示す模式図である。 ブレーキシステム 1は、 車両に搭載され、 当該車両に生じる制動力を制御するためのシ ステムである。 図 1に示さ れるように、 ブレーキシステム 1は、 ブレーキペダル 1 1 と、 倍カ装置 1 2と、 マスター シリンダ 1 3と、 リザーバ 1 4と、 液圧制御ユニッ ト 1 5と、 ブレーキ装置 1 6と、 車輪 1 ?とを備える。

[ 0 0 1 5 ] ブレーキシステム 1は、 4つの車輪 1 7を有する車両に搭載されており、 各車輪 1 7に 設けられるブレーキ装置 1 6によって、 各車輪 1 7が制動される。 そして、 各車輪 1 7に 生じる制動力が液圧制御ユニッ ト 1 5によって制御される。 図 1では、 理解を容易にする ために、 ブレーキシステム 1のうち、 前輪および後輪のうちの一方に関連する部分 のみが 示されており、 前輪および後輪のうちの他方に関連する部分 の図示は省略されている。

[ 0 0 1 6 ] なお、 本発明に係る液圧制御ユニッ トにより制動力が制御される車輪 1 7の数は、 4つ 以外であってもよい。 例えば、 液圧制御ユニッ ト 1 5により制動力が制御される車輪 1 7 の数は 2つであってもよい。 その場合、 2つの車輪 1 7を有する車両にブレーキシステム !が搭載され得る。

[ 0 0 1 7 ] ブレーキペダル 1 1は、 ドライバによるブレーキ操作において用いら れる。 ブレーキ操 作では、 ブレーキペダル 1 1がドライバにより踏み込まれる。 倍力装置 1 2は、 ブレーキ ペダル 1 1 と接続されており、 ブレーキペダル 1 1の踏力を増幅する。 マスターシリンダ 1 3は、 倍カ装置 1 2と接続されており、 ブレーキペダル 1 1 と連動して往復動するピス トンを内蔵し、 ブレーキ操作の操作量に応じた液圧を生じさ せる。 リザーバ 1 4は、 マス ターシリンダ 1 3に付設されており、 ブレーキ液を貯留する。

[ 0 0 1 8 ] 液圧制御ユニッ ト 1 5は、 ブレーキ液の流路が形成される基体 1 5 aを備える。 液圧制 御ユニッ ト 1 5の基体 1 5 aに、 マスターシリンダ 1 3および各ブレーキ装置 1 6がそれ ぞれ接続されている。 液圧制御ユニッ ト 1 5の基体 1 5 aのブレーキ液の流路は、 ブレー キ装置 1 6のホイールシリンダと接続されている。 ブレーキ装置 1 6のホイールシリンダ におけるブレーキ液の液圧に応じた制動力が 車輪 1 ?に生じる。

[ 0 0 1 9 ] 液圧制御ユニッ ト 1 5の基体 1 5 aには、 ブレーキ液の流路として、 主流路 2 1 と、 副 流路 2 2と、 供給流路 2 3とが形成されている。 主流路 2 1は、 マスターシリンダ 1 3の ブレーキ液をブレーキ装置 1 6のホイールシリンダに流通させる。 副流路 2 2は、 ブレー キ装置 1 6のホイールシリンダのブレーキ液を逃がす 供給流路 2 3は、 マスターシリン ダ 1 3のブレーキ液を副流路 2 2に供給する。

[ 0 0 2 0 ] また、 液圧制御ユニッ ト 1 5の基体 1 5 aには、 各車輪 1 7に生じる制動力を制御する ためのコンポーネントとして、 込め弁 ( E V ) 3 1、 弛め弁 ( A V ) 3 2、 第 1弁 ( U S V ) 3 3、 第 2弁 ( H S V ) 3 4、 アキュムレータ 3 5、 ポンプ 3 6およびモータ 3 7が 設けられている。

[ 0 0 2 1 ] なお、 本発明に係る液圧制御ユニッ トの構成は、 ポンプ 3 6を有していれば、 図 1に示 される液圧制御ユニッ ト 1 5の構成と異なっていてもよい。 例えば、 図 1に示される液圧 制御ユニッ ト 1 5に対して供給流路 2 3、 第 1弁 3 3および第 2弁 3 4を省略したものも 、 本発明に係る液圧制御ユニッ トに含まれる。

[ 0 0 2 2 ] 主流路 2 1は、 マスターシリンダ 1 3と、 ブレーキ装置 1 6のホイールシリンダとを連 通する。 主流路 2 1は、 第 1主流路 2 1 a と、 2つの第 2主流路 2 1 b とを含む。 第 1主 流路 2 1 aは、 マスターシリンダ 1 3と接続される。 2つの第 2主流路 2 1 は、 第 1主 流路 2 1 aから分岐して各ブレーキ装置 1 6と接続される。 第 1主流路 2 1 aには、 第 1 弁 3 3が設けられる。 第 2主流路 2 1 bには、 込め弁 3 1が設けられる。

[ 0 0 2 3 ] 副流路 2 2は、 主流路 2 1における込め弁 3 1よりブレーキ装置 1 6側と、 主流路 2 1 における込め弁 3 1 よりマスターシリンダ 1 3側、 かつ、 第 1弁 3 3よりブレーキ装置 1 6 側とを連通する。 副流路 2 2は、 2つの第 1副流路 2 2 a と、 第 2副流路 2 2 b とを含 む。 各第 1副流路 2 2 aは、 主流路 2 1における込め弁 3 1よりブレーキ装置 1 6側と接 続される。 第 2副流路 2 2 bは、 2つの第 1副流路 2 2 aの合流箇所と、 主流路 2 1にお ける込め弁 3 1よりマスターシリンダ 1 3側、 かつ、 第 1弁 3 3よりブレーキ装置 1 6側 とを接続する。 第 1副流路 2 2 aには、 弛め弁 3 2が設けられる。 第 2副流路 2 2 bには 、 第 1副流路 2 2 a側から順に、 アキュムレータ 3 5およびポンプ 3 6が設けられる。

[ 0 0 2 4 ] ポンプ 3 6は、 モータ 3 7によって駆動され、 ブレーキ液を第 1副流路 2 2 a側から吸 引し主流路 2 1側に吐出する。 ポンプ 3 6は、 往復動するプランジャポンプである。 具体 的には、 ポンプ 3 6のプランジャが、 モータ 3 7の出力軸に設けられる偏心カムにより間 欠的に押圧されることによって往復動する。 それにより、 ポンプ 3 6によるブレーキ液の 圧送が行われる。

[ 0 0 2 5 ] 供給流路 2 3は、 主流路 2 1における第 1弁 3 3よりマスターシリンダ 1 3側と副流路 2 2におけるポンプ 3 6の吸引側とを連通する。 供給流路 2 3には、 第 2弁 3 4が設けら れる。

[ 0 0 2 6 ] 込め弁 3 1は、 例えば、 非通電状態で開放され、 通電状態で閉鎖される電磁弁である。 弛め弁 3 2は、 例えば、 非通電状態で閉鎖され、 通電状態で開放される電磁弁である。 第 1 弁 3 3は、 例えば、 非通電状態で開放され、 通電状態で閉鎖される電磁弁である。 第 2 弁 3 4は、 例えば、 非通電状態で閉鎖され、 通電状態で開放される電磁弁である。 これら の弁およびモータ 3 7の動作が制御されることによって、 各車輪 1 ?に生じる制動力が制 御される。

[ 0 0 2 7 ] 例えば、 後述するアンチロックブレーキ制御または横 滑り防止制御等が実行されていな い通常時には、 込め弁 3 1が開放され、 弛め弁 3 2が閉鎖され、 第 1弁 3 3が開放され、 第 2弁 3 4が閉鎖される。 それにより、 マスターシリンダ 1 3からブレーキ装置 1 6のホ イールシリンダへ、 副流路 2 2および供給流路 2 3を介さずに、 主流路 2 1のみを介して 、 ブレーキ液が流動する状態となる。 その状態で、 ブレーキペダル 1 1が踏み込まれると 、 マスターシリンダ 1 3のピス トンが押し込まれてホイールシリンダのブレ ーキ液の液圧 が増加し、 車輪 1 7に制動力が付与される。

[ 0 0 2 8 ] アンチロックブレーキ制御は、 車輪 1 7のロックを回避するための制御である。 例えば 、 アンチロックブレーキ制御が実行されると、 まず、 込め弁 3 1が閉鎖され、 弛め弁 3 2 が開放され、 第 1弁 3 3が開放され、 第 2弁 3 4が閉鎖される。 それにより、 主流路 2 1 とブレーキ装置 1 6のホイールシリンダとの間でのブレーキ液 流動が停止し、 ホイール シリンダから副流路 2 2へブレーキ液が流動可能な状態となる。 ゆえに、 ホイールシリン ダからアキュムレータ 3 5にブレーキ液が流れ込み、 ホイールシリンダのブレーキ液の液 圧が減少し、 車輪 1 7に付与される制動力が減少する。 アキュムレータ 3 5に流れ込んだ ブレーキ液は、 ポンプ 3 6が駆動されることによって、 副流路 2 2を介して主流路 2 1に 戻される。

[ 0 0 2 9 ] そして、 上記の状態から込め弁 3 1および弛め弁 3 2の双方が閉鎖されることにより、 主流路 2 1および副流路 2 2とホイールシリンダとの間でのブレーキ液 流動が停止し、 ホイールシリンダのブレーキ液の液圧が維持 されて車輪 1 7に付与される制動力が維持さ れる。 その後、 込め弁 3 1が開放され、 弛め弁 3 2が閉鎖されることにより、 主流路 2 1 とホイールシリンダとの間でのブレーキ液の 流動が再開し、 ホイールシリンダのブレーキ 液の液圧が増大し、 車輪 1 7に付与される制動力が増大する。

[ 0 0 3 0 ] 横滑り防止制御は、 車両の挙動を安定化するための制御である。 横滑り防止制御では、 車両の駆動力および制動力が適宜制御される 。 例えば、 横滑り防止制御の実行中において 、 ブレーキ操作によらずに車両を制動させる際 に、 込め弁 3 1が開放され、 弛め弁 3 2が 閉鎖され、 第 1弁 3 3が閉鎖され、 第 2弁 3 4が開放される。 それにより、 マスターシリ ンダ 1 3からブレーキ装置 1 6のホイールシリンダへ、 供給流路 2 3および副流路 2 2を 介して、 ブレーキ液が流動する状態となる。 その状態で、 ポンプ 3 6が駆動されることに より、 ホイールシリンダのブレーキ液の液圧が増加 し、 車輪 1 7を制動する制動力が生じ る。

[ 0 0 3 1 ] 上記のように、 液圧制御ユニッ ト 1 5では、 ポンプ 3 6を駆動させる制御が行われる。 ポンプ 3 6が駆動されると、 液圧制御ユニッ ト 1 5内の流路においてブレーキ液の液圧が 脈動する現象である圧力脈動が生じる。 このような圧力脈動により生じる音は、 車両の乗 員に騒音として感じ取られる場合があり、 快適性を損ねる要因となり得る。 そこで、 液圧 制御ユニッ ト 1 5には、 圧力脈動を減衰する減衰装置 1 〇 〇が設けられている。

[ 0 0 3 2 ] 減衰装置 1 0 0は、 副流路 2 2 (具体的には、 第 2副流路 2 2 b ) のうちポンプ 3 6よ りも下流側に設けられている。 減衰装置 1 0 0は、 入口ポート P 1 と、 出口ポート P 2と を有する。 入口ポート P 1は、 ポンプ 3 6の吐出側と接続される。 入口ポート P 1 と出口 ポート P 2とは連通されている。 ゆえに、 ポンプ 3 6から吐出されたブレーキ液は、 入口 ポート P !を介して減衰装置 1 〇〇内に流入し、 減衰装置 1 〇〇内を通過した後、 出口ポ ート P 2を介して減衰装置 1 〇〇から流出する。

[ 0 0 3 3 ] 以下、 図 2を参照して、 減衰装置 1 0 0の構成の詳細について説明する。 図 2は、 減衰 装置 1 0 0の概略構成を示す断面図である。 ただし、 図 2に示される減衰装置 1 0 0は、 あくまでも本発明に係る減衰装置の一例に過 ぎず、 後述するように図 2の例に対して各種 変更を加えたものも本発明に係る減衰装置に 含まれる。

[ 0 0 3 4 ] 図 2および後述する図 3〜図 5では、 入口ポート P 1側が左側となり、 出口ポート P 2 側が右側となるように、 減衰装置 1 〇〇が示されている。 以下では、 入口ポート P 1側を 左側とも呼び、 出口ポート P 2側を右側とも呼ぶ。 また、 以下では、 ハウジング 1 0 1の 軸方向である左右方向を単に軸方向とも呼ぶ 。

[ 0 0 3 5 ] 図 2に示されるように、 減衰装置 1 0 0は、 ハウジング 1 0 1 と、 第 1カバー 1 0 2と 、 第 2カバー 1 0 3と、 第 1 ピス トン 1 0 4と、 第 1シール部材 1 0 5と、 第 1弁体 1 〇 6 と、 ケース部材 1 0 7と、 第 1付勢部材 1 0 8と、 突起部材 1 0 9と、 第 2付勢部材 1 1 0と、 第 2ピス トン 1 1 1 と、 第 2シール部材 1 1 2と、 第 3付勢部材 1 1 3、 1 1 4 と、 第 2弁体 1 1 5と、 第 4付勢部材 1 1 6とを備える。

[ 0 0 3 6 ] ハウジング 1 〇 1は、 例えば、 内部に中空空間を有する円柱形状を有する。 ハウジング 1 0 1の軸方向は、 左右方向である。 ハウジング 1 〇 1には、 左端面から右端面まで貫通 するように内部空間が形成されている。 ハウジング 1 〇 1の内部空間は、 第 1孔部 1 〇 1 a と、 第 2孔部 1 0 1 bと、 第 3孔部 1 0 1 c と、 第 4孔部 1 0 1 dと、 第 5孔部 1 〇 1 e とを含む。 第 1孔部 1 0 1 a、 第 2孔部 1 0 1 b、 第 3孔部 1 0 1 c、 第 4孔部 1 〇 1 d および第 5孔部 1 0 1 eの各孔部は、 円柱形状を有し、 ハウジング 1 〇 1の中心軸と同 軸上に配置されている。 第 1孔部 1 0 1 a、 第 2孔部 1 0 1 b、 第 3孔部 1 0 1 c、 第 4 孔部 1 〇 1 dおよび第 5孔部 1 0 1 eは、 左側からこの順に連続している。

[ 0 0 3 7 ] 第 1孔部 1 0 1 a と対応する空間が、 第 1液室 S 1である。 第 2孔部 1 0 1 bの径は、 第 1孔部 1 0 1 aの径より小さい。 第 3孔部 1 0 1 cの径は、 第 2孔部 1 0 1 bの径より 小さい。 第 3孔部 1 0 1 c と対応する空間が、 第 2液室 S 2である。 第 2液室 S 2は、 第 1 液室 S 1 と連通し、 後述するように、 突起部材 1 0 9に対して右側に配置される。 第 4 孔部 1 0 1 dの径は、 第 3孔部 1 0 1 cの径より小さい。 第 4孔部 1 0 1 dが、 本発明に 係る第 5貫通孔の一例に相当する。 第 5孔部 1 0 1 eの径は、 第 4孔部 1 0 1 dの径より 大きい。 第 5孔部 1 0 1 e と対応する空間が、 第 3液室 S 3である。 第 3液室 S 3は、 第 2 液室 S 2と第 5貫通孔である第 4孔部 1 0 1 dを介して連通し、 第 2液室 S 2に対して 出口ポート P 2側に配置され、 出口ポート P 2と連通する。

[ 0 0 3 8 ] 第 1カバー 1 0 2は、 第 1孔部 1 0 1 aの左端部に嵌合される。 第 1カバー 1 0 2は、 第 1液室 S 1を左側から覆う。 第 1カバー 1 0 2は、 右側が開口し左側に底面を有する円 筒形状に形成される。 第 1カバー 1 〇 2の底面の中心には、 入口ポート P 1が形成される 。 入口ポート P 1は、 第 1カバー 1 0 2を左側から右側まで貫通する。 ゆえに、 第 1液室 s 1が、 入口ポート P 1 と連通する。 入口ポート P 1は、 ハウジング 1 〇 1の中心軸と同 軸上に配置されている。 ただし、 入口ポート P 1は、 ハウジング 1 0 1の中心軸と同軸上 に配置されていなくてもよい。

[ 0 0 3 9 ] 第 2カバー 1 0 3は、 第 5孔部 1 0 1 eの右端部に嵌合される。 第 2カバー 1 0 3は、 第 3液室 S 3を右側から覆う。 第 2カバー 1 0 3は、 略円柱形状を有している。 図 2の例 では、 第 2カバー 1 0 3の右端部は、 周方向外側に拡径している。 第 5孔部 1 0 1 eの右 端部は、 拡径している。 第 2カバー 1 0 3のうち周方向外側に拡径している部分が、 第 5 孔部 1 0 1 eのうち拡径している部分に嵌合される。 第 2カバー 1 0 3の中心には、 出口 ポート P 2が形成される。 出口ポート P 2は、 第 2カバー 1 0 3を左側から右側まで貫通 する。 ゆえに、 第 3液室 S 3が、 出口ポート P 2と連通する。 出口ポート P 2は、 ハウジ ング 1 0 1の中心軸と同軸上に配置されている。 ただし、 出口ポート P 2は、 ハウジング 1 〇 1の中心軸と同軸上に配置されていなくても い。

[ 0 0 4 0 ] 第 1 ピス トン 1 0 4は、 第 1孔部 1 0 1 a内に収容される。 第 1 ピス トン 1 0 4は、 略 円筒形状を有する。 第 1 ピス トン 1 0 4は、 第 1孔部 1 〇 ! aの中心軸と同軸上に配置さ れている。 第 1 ピス トン 1 0 4の外周面が第 1孔部 1 0 1 aの内周面に対して摺動可能と なっている。 ゆえに、 第 1 ピス トン 1 0 4は、 第 1液室 S 1において軸方向に摺動可能に 設けられる。 このように、 図 2の例では、 第 1 ピス トン 1 0 4の摺動方向である第 1摺動 方向がハウジング 1 〇 1の軸方向となっている。 ただし、 後述するように、 第 1摺動方向 は、 ハウジング 1 〇 1の軸方向と異なっていてもよい。

[ 0 0 4 1 ] 第 1 ピス トン 1 0 4の外周面には、 環状溝 1 0 4 aが形成されている。 環状溝 1 0 4 a は、 第 1 ピス トン 1 0 4の周方向に延在している。 環状溝 1 0 4 aには、 第 1シール部材 1 〇 5が嵌合されている。 第 1シール部材 1 0 5は、 例えば、 〇リングである。 第 1シー ル部材 1 0 5は、 第 1孔部 1 0 1 aの内周面に押し付けられている。 それにより、 第 1 ピ ス トン 1 0 4の外周面と、 第 1孔部 1 0 1 aの内周面との隙間が液密にシールされる。

[ 0 0 4 2 ] 第 1 ピス トン 1 0 4には、 第 1貫通孔 1 0 4 bが形成される。 第 1貫通孔 1 0 4 bは、 第 1摺動方向である軸方向に第 1 ピス トン 1 0 4を貫通する。 ゆえに、 第 1貫通孔 1 0 4 b は、 第 1 ピス トン 1 0 4の左端面から右端面まで貫通している。 図 2の例では、 第 1 ピ ス トン 1 0 4の左端面には、 溝部 1 0 4 cが形成され、 第 1 ピス トン 1 0 4の右端面には 、 溝部 1 0 4 dが形成されている。 溝部 1 〇 4 cおよび溝部 1 0 4 dは、 第 1貫通孔 1 〇 4 bの周縁に沿って環状に形成されている。 そして、 第 1貫通孔 1 0 4 bは、 溝部 1 〇 4 c の底面から溝部 1 0 4 dの底面まで貫通している。 ただし、 第 1 ピス トン 1 0 4の左端 面および右端面の形状は、 図 2の例に限定されず、 例えば、 溝部 1 0 4 cおよび溝部 1 0 4 dは形成されなくてもよい。 また、 図 2の例では、 第 1貫通孔 1 0 4 bは、 第 1 ピス ト ン 1 〇 4の中心軸と同軸上に配置されている。 ただし、 第 1貫通孔 1 0 4 bは、 第 1 ピス トン 1 0 4の中心軸と同軸上に配置されていなくても い。

[ 0 0 4 3 ] 第 1弁体 1 0 6は、 第 1貫通孔 1 04 bの左側を開閉可能である。 第 1弁体 1 〇 6が第 ! 貫通孔 1 0 4 bを塞いでいない開状態において、 第 1貫通孔 1 0 4 bを通じてブレーキ 液が流通可能となる。 この状態が、 第 1弁体 1 〇 6の開状態、 および、 第 1貫通孔 1 〇 4 b の開状態に相当する。 第 1弁体 1 0 6が第 1貫通孔 1 0 4 bを塞いでいる閉状態におい て、 第 1貫通孔 1 0 4 bを通じてブレーキ液が流通不可能となる。 この状態が、 第 1弁体 1 〇 6の閉状態、 および、 第 1貫通孔 1 0 4 bの閉状態に相当する。

[ 0 0 4 4 ] ケース部材 1 0 7は、 第 1 ピス トン 1 0 4の左端面に取り付けられている。 図 2の例で は、 ケース部材 1 0 7は、 第 1 ピス トン 1 0 4の左端面の溝部 1 0 4 cに取り付けられて おり、 溝部 1 0 4 cを左側から覆う。 ケース部材 1 0 7は、 右側が開口し左側に底面を有 する円筒形状に形成される。 ケース部材 1 〇 7の底面の中心には、 貫通孔 1 〇 7 aが形成 される。 貫通孔 1 0 7 aは、 ケース部材 1 0 7を左側から右側まで貫通する。 ゆえに、 ケ ース部材 1 0 7よりも左側の空間と右側の空間とが、 貫通孔 1 0 7 aを介して連通する。 貫通孔 1 0 7 aは、 ハウジング 1 0 1の中心軸と同軸上に配置されている。 ただし、 貫通 孔 1 0 7 aは、 ハウジング 1 0 1の中心軸と同軸上に配置されていなくても い。

[ 0 0 4 5 ] 第 1弁体 1 0 6は、 ケース部材 1 0 7と第 1 ピス トン 1 0 4の左端面とにより区画され る空間に配置される。 第 1弁体 1 0 6は、 例えば、 球形状を有している。 ただし、 第 1弁 体 1 0 6の形状は、 球形状以外の形状であってもよい。 第 1付勢部材 1 0 8は、 例えば、 バネ等の弾性部材である。 第 1付勢部材 1 0 8は、 ケース部材 1 0 7と第 1弁体 1 0 6と の間に配置される。 第 1付勢部材 1 0 8の伸縮方向は、 左右方向となっている。 第 1付勢 部材 1 0 8は、 自然長に対して縮んだ状態となっている。 ゆえに、 第 1弁体 1 0 6は、 第 1 付勢部材 1 〇 8によって、 右側に付勢される。

[ 0 0 4 6 ] 図 2の例では、 第 1貫通孔 1 0 4 bの左側には、 テーパ部 1 0 4 eが形成されている。 テーパ部 1 0 4 eは、 左側に進むにつれて拡径する部分である。 第 1弁体 1 0 6は、 第 1 貫通孔 1 0 4 bのテーパ部 1 0 4 eに当接可能である。 第 1弁体 1 〇 6がテーパ部 1 〇 4 e に当接することによって、 第 1貫通孔 1 0 4 bが閉じられる。 この場合、 テーパ部 1 〇 4 eが形成されていない場合と比べ、 第 1弁体 1 0 6と第 1貫通孔 1 0 4 bとが安定的に 接触するので、 第 1貫通孔 1 0 4 bを適切に閉じることができる。 ただし、 第 1貫通孔 1 。 4 にテーパ部 1 0 4 eが形成されていなくてもよい。

[ 0 0 4 7 ] 第 1 ピス トン 1 0 4には、 複数の第 2貫通孔 1 〇 4 f が形成される。 第 2貫通孔 1 〇 4 f は、 左側から右側まで第 1 ピス トン 1 0 4を貫通し、 第 1貫通孔 1 0 4 bの内径よりも 小さい内径を有する。 第 2貫通孔 1 0 4 f の内径は、 例えば、 直径で〇• 4 mm〜〇• 5 mm 程度である。 図 2の例では、 第 2貫通孔 1 0 4 f は、 軸方向に延在する。 ただし、 第 2 貫通孔 1 0 4 f の経路は特に限定されず、 例えば、 第 2貫通孔 1 0 4 f は、 軸方向に対 して傾く方向に延在していてもよく、 湾曲または屈曲していてもよい。

[ 0 0 4 8 ] 複数の第 2貫通孔 1 0 4 f は、 第 1 ピス トン 1 0 4の周方向に等間隔に配置されている 。 ただし、 複数の第 2貫通孔 1 〇 4 f の配置は、 この例に限定されない。 例えば、 後述す る第 3貫通孔 1 0 9 dのように、 互いに異なる径方向位置において、 複数の第 2貫通孔 1 〇 4 f がそれぞれ周方向に離隔して配置されていて もよい。 また、 第 2貫通孔 1 〇 4 f の 数は 1つであってもよい。 ブレーキ液は、 第 2貫通孔 1 0 4 f を通って、 第 1 ピス トン 1 。 4の左側から右側へ流通可能である。 第 2貫通孔 1 〇 4 f は圧力脈動を低減するために 設けられている。 なお、 第 2貫通孔 1 0 4 f の機能については後述する。

[ 0 0 4 9 ] 突起部材 1 0 9は、 第 1弁体 1 〇 6を開閉するために設けられている。 突起部材 1 〇 9 は、 第 1 ピス トン 1 0 4よりも右側に配置される。 突起部材 1 0 9は、 基部 1 0 9 a と、 突起部 1 0 9 bとを有する。 基部 1 0 9 aは、 略円板形状を有する。 基部 1 0 9 aは、 第 2 孔部 1 0 1 bに嵌合される。 突起部 1 0 9 bは、 基部 1 0 9 a と接続されている。 突起 部 1 0 9 bは、 基部 1 0 9 aの中心から左側に突出している。 突起部 1 0 9 bは、 第 1摺 動方向である軸方向に延在する。

[ 0 0 5 0 ] 突起部 1 0 9 bは、 第 1弁体 1 〇 6に対して右側に配置される。 突起部 1 0 9 bは、 第 ! 貫通孔 1 0 4 bの中心軸と同軸上に配置されている。 第 1 ピス トン 1 〇 4が図 2の位置 から右側に移動することによって、 突起部 1 0 9 bは第 1貫通孔 1 0 4 bに挿通され、 突 起部 1 0 9 bの先端が第 1弁体 1 〇 6に当接し得る。 突起部 1 0 9 bの先端が第 1弁体 1 〇 6に当接することによって、 第 1弁体 1 〇 6の位置が維持される。 その状態で、 第 1 ピ ス トン 1 0 4がさらに右側に移動することによって、 第 1弁体 1 〇 6が開状態となる。 こ のように、 突起部 1 0 9 bは、 第 1貫通孔 1 0 4 bに挿通可能であり、 第 1弁体 1 0 6に 当接可能である。

[ 0 0 5 1 ] 図 2の例では、 突起部 1 0 9 bの先端には、 窪み部 1 0 9 cが形成されている。 窪み部 1 0 9 cは、 第 1弁体 1 〇 6の曲率と略一致する曲率の球面形状を有す 。 突起部 1 〇 9 b の窪み部 1 0 9 cが、 第 1弁体 1 0 6と当接する。 この場合、 窪み部 1 0 9 cが形成さ れていない場合と比べ、 第 1弁体 1 〇 6と突起部 1 0 9 bとの接触面積が大きくなるので 、 第 1弁体 1 〇 6を適切に開状態に維持することができる。 ただし、 突起部 1 0 9 bに窪 み部 1 0 9 cが形成されていなくてもよい。

[ 0 0 5 2 ] 基部 1 0 9 aには、 複数の第 3貫通孔 1 0 9 dが形成される。 第 3貫通孔 1 0 9 dは、 材 1 1 3および第 3付勢部材 1 1 4によって、 左側に付勢される。

[ 0 0 5 9 ] 第 2ピス トン 1 1 1には、 複数の第 4貫通孔 1 1 1 cが形成される。 第 4貫通孔 1 1 1 c は、 左側から右側まで第 2ピス トン 1 1 1を貫通し、 第 1貫通孔 1 0 4 bの内径よりも 小さい内径を有する。 第 4貫通孔 1 1 1 cの内径は、 例えば、 直径で〇• 4 m m ~〇• 5 m m程度である。 図 2の例では、 第 4貫通孔 1 1 1 cは、 軸方向に延在する。 ただし、 第 4 貫通孔 1 1 1 cの経路は特に限定されず、 例えば、 第 4貫通孔 1 1 1 cは、 軸方向に対 して傾く方向に延在していてもよく、 湾曲または屈曲していてもよい。

[ 0 0 6 0 ] 複数の第 4貫通孔 1 1 1 cは、 第 2ピス トン 1 1 1の周方向に等間隔に配置されている 。 ただし、 複数の第 4貫通孔 1 1 1 cの配置は、 この例に限定されない。 例えば、 上述し た第 3貫通孔 1 0 9 dのように、 互いに異なる径方向位置において、 複数の第 4貫通孔 1 1 1 cがそれぞれ周方向に離隔して配置されてい もよい。 また、 第 4貫通孔 1 1 1 cの 数は 1つであってもよい。 ブレーキ液は、 第 4貫通孔 1 l i eを通って、 第 2ピス トン 1 1 1の左側から右側へ流通可能である。 第 4貫通孔 1 1 1 cは圧力脈動を低減するために 設けられている。 なお、 第 4貫通孔 1 1 1 cの機能については後述する。

[ 0 0 6 1 ] 第 2弁体 1 1 5は、 第 5貫通孔である第 4孔部 1 〇 1 dの右側を開閉可能である。 第 2 弁体 1 1 5が第 4孔部 1 〇 ! dを塞いでいない開状態において、 第 4孔部 1 〇 1 dを通じ てブレーキ液が流通可能となる。 この状態が、 第 2弁体 1 1 5の開状態、 および、 第 4孔 部 1 〇 ! dの開状態に相当する。 第 2弁体 1 1 5が第 4孔部 1 〇 ! dを塞いでいる閉状態 において、 第 4孔部 1 〇 ! dを通じてブレーキ液が流通不可能となる。 この状態が、 第 2 弁体 1 1 5の閉状態、 および、 第 4孔部 1 〇 1 dの閉状態に相当する。

[ 0 0 6 2 ] 第 2弁体 1 1 5は、 第 3液室 S 3のうち第 2カバー 1 0 3よりも左側の空間に配置され る。 第 2弁体 1 1 5は、 例えば、 球形状を有している。 ただし、 第 2弁体 1 1 5の形状は 、 球形状以外の形状であってもよい。 第 4付勢部材 1 1 6は、 例えば、 バネ等の弾性部材 である。 第 4付勢部材 1 1 6は、 第 2カバー 1 〇 3と第 2弁体 1 1 5との間に配置される 。 第 4付勢部材 1 1 6の伸縮方向は、 左右方向となっている。 第 4付勢部材 1 1 6は、 自 然長に対して縮んだ状態となっている。 ゆえに、 第 2弁体 1 1 5は、 第 4付勢部材 1 1 6 によって、 左側に付勢される。

[ 0 0 6 3 ] 図 2の例では、 第 4孔部 1 0 1 dの右側には、 テーパ部 1 0 1 f が形成されている。 テ ーパ部 1 0 1 f は、 右側に進むにつれて拡径する部分である。 第 2弁体 1 1 5は、 第 4孔 部 1 0 1 dのテーパ部 1 〇 1 f に当接可能である。 第 2弁体 1 1 5がテーパ部 1 0 1 f に 当接することによって、 第 4孔部 1 〇 1 dが閉じられる。 この場合、 テーパ部 1 0 1 f が 形成されていない場合と比べ、 第 2弁体 1 1 5と第 4孔部 1 0 1 dとが安定的に接触する ので、 第 4孔部 1 〇 ! dを適切に閉じることができる。 ただし、 第 4孔部 1 〇 1 dにテー パ部 1 〇 1 f が形成されていなくてもよい。

[ 0 0 6 4 ]

<減衰装置の動作> 図 2〜図 5を参照して、 本発明の実施形態に係る減衰装置 1 0 0の動作について説明す る。

[ 0 0 6 5 ] 上述した図 2では、 液圧制御ユニッ ト 1 5において、 ポンプ 3 6が駆動されていない通 常時における減衰装置 1 〇〇が示されている。 この場合、 第 1 ピス トン 1 0 4は、 第 2付 勢部材 1 1 〇によって左側に付勢され、 可動域のうち最も左側に位置する。 ゆえに、 第 1 弁体 1 〇 6は、 突起部材 1 〇 9の突起部 1 0 9 b と当接せず、 閉状態となる。 第 2ピス ト ン 1 1 1は、 第 3付勢部材 1 1 3および第 3付勢部材 1 1 4によって左側に付勢され、 可 動域のうち最も左側に位置する。 第 2弁体 1 1 5は、 第 4付勢部材 1 1 6によって左側に 付勢され、 閉状態となる。

[ 0 0 6 6 ] ここで、 液圧制御ユニッ ト 1 5では、 上述したように、 アンチロックブレーキ制御また は横滑り防止制御等が実行された場合、 ポンプ 3 6が駆動される。 図 2の状態において、 ポンプ 3 6が駆動されると、 入口ポート P 1を介して減衰装置 1 〇〇内にブレーキ液が流 入し、 第 1液室 S 1のうち第 1 ピス トン 1 0 4よりも左側の空間の圧力が高まる。 それに より、 第 1 ピス トン 1 0 4が右側に移動する。

[ 0 0 6 7 ] 図 3は、 減衰装置 1 〇 〇において、 第 1 ピス トン 1 0 4が図 2の状態と比べて右側に移 動した状態を示す図である。 図 3の状態では、 第 1貫通孔 1 0 4 bが閉状態となっている ので、 第 1液室 S 1のうち第 1 ピス トン 1 0 4よりも左側の空間に圧力が蓄えられる。 そ して、 第 1液室 S 1のうち第 1 ピス トン 1 0 4よりも左側の空間の圧力によって、 第 1 ピ ス トン 1 0 4が右側に押圧され、 図 2の状態と比べて、 第 1 ピス トン 1 0 4が右側に移動 している。 第 1 ピス トン 1 0 4が右側に移動する際に、 第 2付勢部材 1 1 0が伸縮しなが ら結果的に縮む。 それにより、 第 1 ピス トン 1 0 4に作用する力が第 2付勢部材 1 1 0に よって吸収される。 このように、 第 1 ピス トン 1 0 4の移動に伴い第 2付勢部材 1 1 0が 伸縮することにより、 圧力脈動が減衰する。

[ 0 0 6 8 ] ここで、 図 3の状態において、 第 1液室 S 1のうち第 1 ピス トン 1 0 4よりも左側の空 間のブレーキ液が、 第 2貫通孔 1 0 4 f を通って、 第 1液室 S 1のうち第 1 ピス トン 1 0 4 よりも右側の空間に送られる。 ここで、 第 2貫通孔 1 0 4 f の内径は、 第 1貫通孔 1 〇 4 bの内径よりも小さく、 第 2貫通孔 1 0 4 f を流通するブレーキ液には、 大きな抵抗が かかる。 ゆえに、 ブレーキ液が第 2貫通孔 1 0 4 f を流通することによっても、 圧力脈動 が減衰する。

[ 0 0 6 9 ] また、 第 1 ピス トン 1 0 4と突起部材 1 0 9との間の空間のブレーキ液が、 第 3貫通孔 1 0 9 dを通って、 第 2液室 S 2に送られる。 第 3貫通孔 1 0 9 dを流通するブレーキ液 にも、 第 2貫通孔 1 0 4 f と同様に、 大きな抵抗がかかる。 ゆえに、 ブレーキ液が第 3貫 通孔 1 0 9 dを流通することによっても、 圧力脈動が減衰する。

[ 0 0 7 0 ] また、 第 2液室 S 2のうち第 2ピス トン 1 1 1よりも左側の空間のブレーキ液が、 第 4 貫通孔 1 1 1 cを通って、 第 2液室 S 2のうち第 2ピス トン 1 1 1よりも右側の空間に送 られる。 第 4貫通孔 1 1 1 cを流通するブレーキ液にも、 第 2貫通孔 1 〇 4 f および第 3 貫通孔 1 0 9 dと同様に、 大きな抵抗がかかる。 ゆえに、 ブレーキ液が第 4貫通孔 1 1 1 c を流通することによっても、 圧力脈動が減衰する。

[ 0 0 7 1 ] 図 3の状態では、 第 2弁体 1 1 5は、 基本的に、 第 4付勢部材 1 1 6によって左側に付 勢され、 閉状態となっている。 しかしながら、 第 4貫通孔 1 1 1 cを介して第 2ピス トン 1 1 1よりも右側にブレーキ液が送られ、 第 4孔部 1 0 1 dの圧力が高まることによって 、 第 2弁体 1 1 5が右側に移動して一時的に開状態になる場 もある。 その場合、 ブレー キ液は、 第 4孔部 1 0 1 dを通り、 第 3液室 S 3から出口ポート P 2を介して流出する。

[ 0 0 7 2 ] 図 4は、 減衰装置 1 〇 〇において、 第 1 ピス トン 1 0 4が図 3の状態と比べて右側に移 動した状態を示す図である。 図 4の状態では、 図 3の状態と比べて、 第 1 ピス トン 1 0 4 が右側に移動している。 さらに、 図 4の状態では、 第 2液室 S 2のうち第 2ピス トン 1 1 1 よりも左側の空間の圧力によって、 第 2ピス トン 1 1 1が右側に押圧され、 図 3の状態 と比べて、 第 2ピス トン 1 1 1が右側に移動している。 第 2ピス トン 1 1 1が右側に移動 する際に、 第 3付勢部材 1 1 3および第 3付勢部材 1 1 4が伸縮しながら結果的に縮む。 それにより、 第 2ピス トン 1 1 1に作用する力が第 3付勢部材 1 1 3および第 3付勢部材 1 1 4によって吸収される。 このように、 第 2ピス トン 1 1 1の移動に伴い第 3付勢部材 1 1 3および第 3付勢部材 1 1 4が伸縮することにより、 圧力脈動が減衰する。

[ 0 0 7 3 ] なお、 図 4の状態において、 図 3の状態と同様に、 第 2弁体 1 1 5は、 基本的に、 閉状 態となっているものの、 一時的に開状態になる場合もある。

[ 0 0 7 4 ] 図 5は、 減衰装置 1 〇 〇において、 第 1 ピス トン 1 0 4が図 4の状態と比べて右側に移 動した状態を示す図である。 図 5の状態では、 図 4の状態と比べて、 第 1 ピス トン 1 0 4 および第 2ピス トン 1 1 1が右側に移動している。 ここで、 図 5の状態では、 突起部 1 〇 9 bの先端の窪み部 1 0 9 cが第 1弁体 1 〇 6に当接している。 それにより、 第 1弁体 1 〇 6の右側への移動が、 突起部 1 0 9 bにより制限される。 このため、 第 1 ピス トン 1 0 4 が右側に移動したとしても、 突起部 1 0 9 と当接した状態の第 1弁体 1 〇 6は右側に 移動しない。 よって、 第 1弁体 1 0 6の位置が突起部 1 0 9 bと当接する位置に維持され 、 第 1弁体 1 0 6が、 図 4の状態と比べて、 第 1 ピス トン 1 〇 4に対して相対的に左に移 動している。 その結果、 第 1弁体 1 0 6が、 第 1貫通孔 1 0 4 bのテーパ部 1 0 4 eから 離隔する。 ゆえに、 第 1貫通孔 1 0 4 bが開状態となり、 第 1貫通孔 1 0 4 bをブレーキ 液が流通可能となる。

[ 0 0 7 5 ] よって、 図 5の状態では、 第 1液室 S 1のうち第 1 ピス トン 1 0 4よりも左側の空間の ブレーキ液が、 第 1貫通孔 1 0 4 bを通って、 第 1液室 S 1のうち第 1 ピス トン 1 0 4よ りも右側の空間に送られる。 それにより、 減衰装置 1 0 0のうち第 1 ピス トン 1 0 4より も右側における圧力が、 減衰装置 1 0 0のうち第 1 ピス トン 1 0 4よりも左側における圧 カと同程度まで高まる。 ゆえに、 第 4孔部 1 〇 1 dの圧力が高まることによって、 第 2弁 体 1 1 5が右側に押圧されて移動する。 それにより、 第 2弁体 1 1 5が、 第 4孔部 1 〇 1 d のテーパ部 1 〇 1 f から離隔する。 ゆえに、 第 4孔部 1 〇 1 dが開状態となり、 第 4孔 部 1 0 1 dをブレーキ液が流通可能となる。 よって、 ブレーキ液が、 第 4孔部 1 0 1 dを 通り、 第 3液室 S 3から出口ポート P 2を介して流出する。

[ 0 0 7 6 ]

<減衰装置の効果> 本発明の実施形態に係る減衰装置 1 〇〇の効果について説明する。

[ 0 0 7 7 ] 減衰装置 1 〇〇では、 入口ポート P 1 と連通する第 1液室 S 1 と、 第 1液室 S !におい て第 1摺動方向 (上記の例では、 ハウジング 1 0 1の軸方向) に摺動可能に設けられ、 第 1 摺動方向に貫通する第 1貫通孔 1 〇 4 bが形成される第 1 ピス トン 1 〇 4と、 第 1貫通 孔 1 0 4 bの入口ポート P 1側を開閉可能な第 1弁体 1 0 6 と、 第 1弁体 1 〇 6を出口ポ ート P 2側に付勢する第 1付勢部材 1 0 8 と、 第 1弁体 1 〇 6に対して出口ポート P 2側 に配置され、 第 1摺動方向に延在し、 第 1貫通孔 1 0 4 bに挿通可能であり、 第 1弁体 1 〇 6に当接可能な突起部 1 0 9 bを有する突起部材 1 0 9と、 第 1 ピス トン 1 0 4を入口 ポート P 1側に付勢する第 2付勢部材 1 1 0と、 を備える。

[ 0 0 7 8 ] それにより、 ポンプ 3 6が駆動して入力ポート P 1側の圧力が上昇した場合に、 突起部 材 1 〇 9の突起部 1 〇 9 bが第 1弁体 1 0 6と当接し、 第 1弁体 1 〇 6が開状態となるま での間、 第 1液室 S 1のうち第 1 ピス トン 1 0 4よりも入口ポート P 1側の空間に圧力が 蓄えられる。 そして、 この間、 第 1 ピス トン 1 0 4の出力ポート P 2側への移動に伴い第 2 付勢部材 1 1 〇が徐々に収縮することにより、 圧力上昇のエネルギーが吸収されて第 1 ピス トン 1 0 4よりも入力ポート P 1側の圧力の上昇速度に対して第 1 ピス トン 1 0 4よ りも出力ポート P 2側の圧力の上昇速度が遅くなる。 なお、 入力ポート P 1側の圧力が低 下して第 1 ピス トン 1 0 4が入力ポート P !側へ移動する際には、 第 2付勢部材 1 1 0が 徐々に伸長することにより、 第 1 ピス トン 1 0 4よりも入力ポート P 1側の圧力の低下速 度に対して第 1 ピス トン 1 0 4よりも出力ポート P 2側の圧力の低下速度が遅くなる。 こ れにより、 入力ポート P !側の圧力脈動に対して出力ポート P 2側の圧力脈動を減衰させ るこができる。 このように、 減衰装置 1 〇〇によれば、 液圧制御ユニッ ト 1 5の圧力脈動 を減衰させることができる。

[ 0 0 7 9 ] 好ましくは、 減衰装置 1 〇〇では、 第 1 ピス トン 1 0 4には、 入口ポート P 1側から出 口ポート P 2側まで貫通し、 第 1貫通孔 1 0 4 の内径よりも小さい内径を有する第 2貫 通孔 1 〇 4 f が形成される。 それにより、 ブレーキ液が第 2貫通孔 1 〇 4 f を流通するこ とによっても、 圧力脈動を減衰させることができる。 ここで、 第 1 ピス トン 1 0 4が固着 し、 移動できなくなる状況が考えられる。 このような状況において、 第 1 ピス トン 1 0 4 の入口ポート P 1側から出口ポート P 2側へ、 第 2貫通孔 1 0 4 f を通って、 ブレーキ液 が流通できる。 ゆえに、 第 1液室 S !のうち第 1 ピス トン 1 0 4よりも入口ポート P !側 の空間の圧力が過度に高まることが抑制され る。

[ 0 0 8 0 ] 好ましくは、 減衰装置 1 〇〇では、 第 1 ピス トン 1 0 4には、 複数の第 2貫通孔 1 〇 4 f が形成され、 複数の第 2貫通孔 1 0 4 f は、 第 1 ピス トン 1 〇 4の周方向に等間隔に配 置されている それにより、 ブレーキ液が第 2貫通孔 1 0 4 f を流通することに起因して 生じる力が第 1 ピス トン 1 0 4に対して周方向に均等に作用する。 ゆえに、 ブレーキ液が 第 2貫通孔 1 0 4 f を流通することに起因して第 1 ピス トン 1 〇 4に作用する力によって 、 第 1 ピス トン 1 0 4が第 1摺動方向に対して傾くことが抑制される。

[ 0 0 8 1 ] 好ましくは、 減衰装置 1 〇〇では、 突起部材 1 0 9は、 突起部 1 0 9 bと接続される基 部 1 0 9 aを有し、 基部 1 0 9 aには、 入口ポート P 1側から出口ポート P 2側まで貫通 し、 第 1貫通孔 1 0 4 bの内径よりも小さい内径を有する第 3貫通孔 1 〇 9 dが形成され る。 それにより、 ブレーキ液が第 3貫通孔 1 0 9 dを流通することによっても、 圧力脈動 を減衰させることができる。

[ 0 0 8 2 ] 好ましくは、 減衰装置 1 〇 〇では、 基部 1 〇 9 aには、 複数の第 3貫通孔 1 0 9 dが形 成され、 複数の第 3貫通孔 1 0 9 dは、 基部 1 〇 9 aの周方向に等間隔に配置されている 。 それにより、 突起部材 1 〇 9の周囲において、 ブレーキ液の流れ場が周方向に均一化さ れる。 ゆえに、 減衰装置 1 〇 〇内においてブレーキ液を円滑に流動させる ことができる。

[ 0 0 8 3 ] 好ましくは、 減衰装置 1 〇 〇では、 第 1液室 S ! と連通し、 突起部材 1 〇 9に対して出 口ポー b P 2側に配置される第 2液室 S 2と、 第 2液室 S 2において第 2摺動方向 (上記 の例では、 ハウジング 1 0 1の軸方向) に摺動可能に設けられる第 2ピス トン 1 1 1 と、 第 2ピス トン 1 1 1を入口ポート P 1側に付勢する第 3付勢部材 1 1 3、 1 1 4と、 を備 える。 それにより、 第 2ピス トン 1 1 1の移動に伴い第 3付勢部材 1 1 3および第 3付勢 部材 1 1 4が伸縮することによっても、 第 1 ピス トン 1 0 4の移動に伴い第 2付勢部材 1 1 〇が伸縮する場合と同様に、 圧力脈動を減衰させることができる。 なお、 第 3付勢部材 1 1 3および第 3付勢部材 1 1 4のうち一方が省略されてもよく、 その場合においても、 上記と同様の効果が奏され得る。

[ 0 0 8 4 ] 好ましくは、 減衰装置 1 〇〇では、 第 2ピス トン 1 1 1には、 入口ポート P 1側から出 口ポート P 2側まで貫通し、 第 1貫通孔 1 0 4 bの内径よりも小さい内径を有する第 4貫 通孔 1 1 1 cが形成される。 それにより、 ブレーキ液が第 4貫通孔 1 1 1 cを流通するこ とによっても、 圧力脈動を減衰させることができる。

[ 0 0 8 5 ] 好ましくは、 減衰装置 1 〇〇では、 第 2ピス トン 1 1 1には、 複数の第 4貫通孔 1 1 1 c が形成され、 複数の第 4貫通孔 1 l i eは、 第 2ピス トン 1 1 1の周方向に等間隔に配 置されている それにより、 ブレーキ液が第 4貫通孔 1 l i eを流通することに起因して 生じる力が第 2ピス トン 1 1 1に対して周方向に均等に作用する。 ゆえに、 ブレーキ液が 第 4貫通孔 1 1 1 cを流通することに起因して第 2ピス トン 1 1 1に作用する力によって 、 第 2ピス トン 1 1 1が第 2摺動方向に対して傾くことが抑制される。

[ 0 0 8 6 ] 好ましくは、 減衰装置 1 〇〇では、 第 1液室 S ! と連通し、 突起部材 1 〇 9に対して出 口ポート P 2側に配置される第 2液室 S 2と、 第 2液室 S 2と第 5貫通孔 (上記の例では 第 4孔部 1 0 1 d ) を介して連通し、 第 2液室 S 2に対して出口ポート P 2側に配置され 、 出口ポート P 2と連通する第 3液室 S 3と、 第 5貫通孔の出口ポート P 2側を開閉可能 な第 2弁体 1 1 5と、 第 2弁体 1 1 5を入口ポート P 1側に付勢する第 4付勢部材 1 1 6 と、 を備える。 それにより、 第 1貫通孔 1 0 4 bが開状態となり、 第 1貫通孔 1 0 4 bを ブレーキ液が流通可能となった際に、 第 5貫通孔が開状態になり、 第 3液室 S 3から出口 ポート P 2を介してブレーキ液を適切に流出させるこ ができる。

[ 0 0 8 7 ] 以上、 添付図面を参照しつつ本発明の好適な実施形 態について説明したが、 本発明は上 述した実施形態に限定されないことは勿論で あり、 特許請求の範囲に記載された範疇にお ける各種の変更例または修正例についても、 本発明の技術的範囲に属することは言うまで もない。

[ 0 0 8 8 ] 上記では、 図 2を参照して、 減衰装置 1 0 0の構成について説明した。 ただし、 図 2の 例に対して各種変更を加えたものも本発明に 係る減衰装置に含まれ得る。

[ 0 0 8 9 ] 例えば、 第 1 ピス トン 1 0 4の摺動方向である第 1摺動方向は、 ハウジング 1 0 1の軸 方向と異なっていてもよい。 第 1液室 S 1の中心軸がハウジング 1 0 1 と同軸上に配置さ れない場合、 第 1摺動方向は、 ハウジング 1 〇 1の軸方向と異なる第 1液室 S 1の軸方向 となる。

[ 0 0 9 0 ] また、 例えば、 第 1液室 S 1および第 1 ピス トン 1 0 4の第 1摺動方向と直交する断面 形状は、 円形状でなくてもよい。 当該断面形状は、 例えば、 楕円形状または多角形状等で あってもよい。 なお、 その場合においても、 第 1 ピス トン 1 0 4の周方向は、 第 1 ピス ト ン 1 0 4の外周縁に沿った方向であり、 第 1 ピス トン 1 0 4の中心軸まわりの方向となる

[ 0 0 9 1 ] また、 例えば、 突起部材 1 0 9の基部 1 0 9 aの軸方向と直交する断面形状は、 円形状 でなくてもよい。 当該断面形状は、 例えば、 楕円形状または多角形状等であってもよい。 なお、 その場合においても、 基部 1 〇 9 aの周方向は、 基部 1 0 9 aの外周縁に沿った方 向であり、 基部 1 0 9 aの中心軸まわりの方向となる。

[ 0 0 9 2 ] また、 例えば、 第 2ピス トン 1 1 1の摺動方向である第 2摺動方向は、 ハウジング 1 〇 ! の軸方向と異なっていてもよい。 第 2液室 S 2の中心軸がハウジング 1 〇 ! と同軸上に 配置されない場合、 第 2摺動方向は、 ハウジング 1 〇 1の軸方向と異なる第 2液室 S 2の 軸方向となる。 また、 第 2摺動方向は、 第 1摺動方向と一致していなくてもよい。 第 2液 室 S 2の中心軸が第 1液室 S 1 と同軸上に配置されない場合、 第 2摺動方向は、 第 1摺動 方向と異なる第 2液室 S 2の軸方向となる。

[ 0 0 9 3 ] また、 例えば、 第 2液室 S 2および第 2ピス トン 1 1 1の第 2摺動方向と直交する断面 形状は、 円形状でなくてもよい。 当該断面形状は、 例えば、 楕円形状または多角形状等で あってもよい。 なお、 その場合においても、 第 2ピス トン 1 1 1の周方向は、 第 2ピス ト ン 1 1 1の外周縁に沿った方向であり、 第 2ピス トン 1 1 1の中心軸まわりの方向となる 〇

[ 0 0 9 4 ] また、 例えば、 図 2の例に対して、 第 2ピス トン 1 1 1、 第 2シール部材 1 1 2および 第 3付勢部材 1 1 3、 ! 1 4を省略したものも本発明に係る減衰装置に まれ得る。 この 場合、 第 2液室 S 2も省略され得る。

[ 0 0 9 5 ] また、 例えば、 図 2の例に対して、 第 2貫通孔 1 0 4 f 、 第 3貫通孔 1 〇 9 dおよび第 4 貫通孔 1 1 1 cの少なく とも 1つを省略したものも本発明に係る減衰装置 含まれ得る 〇 ただし、 第 3貫通孔 1 0 9 dが省略される場合、 突起部材 1 0 9よりも入口ポート P 1 側から出口ポート P 2側までブレーキ液が流通できるようにする 要がある。 また、 第 4 貫通孔 1 1 1 cが省略される場合、 第 2ピス トン 1 1 1よりも入口ポート P 1側から出口 ポート P 2側までブレーキ液が流通できるようにする 要がある。

【符号の説明】

[ 0 0 9 6 ]

1 ブレーキシステム

1 1 ブレーキペダル

1 2 倍カ装置

1 3 マスターシリンダ

1 4 リザーバ

1 5 液圧制御ユニッ ト

1 6 ブレーキ装置

1 7 車輪

2 1 主流路

2 2 副流路

2 3 供給流路

3 1 込め弁

3 2 弛め弁

3 3 第 1弁

3 4 第 2弁

3 5 アキュムレータ

3 6 ポンプ

3 7 モータ

! 〇〇 減衰装置

1 0 1 ハウジング

1 0 1 a 第 1孔部

1 0 1 b 第 2孔部

1 0 1 c 第 3孔部

1 0 1 d 第 4孔部 (第 5貫通孔)

1 0 1 e 第 5孔部

1 0 2 第 1カバー

1 0 3 第 2カバー

1 0 4 第 1 ピス トン

1 0 4 第 1貫通孔

1 0 4 f 第 2貫通孔

1 0 5 第 1シール部材

1 〇 6 第 1弁体

1 0 7 ケース部材

1 〇 8 第 1付勢部材

1 〇 9 突起部材

1 0 9 a 基部

1 0 9 b 突起部

1 0 9 d 第 3貫通孔

1 1 〇 第 2付勢部材

1 1 1 第 2ピス トン 1 1 1 c 第 4貫通孔

1 1 2 第 2シール部材

1 1 3 第 3付勢部材

1 1 4 第 3付勢部材

1 1 5 第 2弁体

1 1 6 第 4付勢部材

P 1 入口ポート

P 2 出口ポート

S 1 第 1液室

S 2 第 2液室

S 3 第 3液室