WO2019207385A1 | 2019-10-31 | |||
WO2020022331A1 | 2020-01-30 |
US20140292066A1 | 2014-10-02 | |||
US20120043805A1 | 2012-02-23 | |||
US20040166004A1 | 2004-08-26 |
【書類名】 請求の範囲 【請求項 1】 車輪 ( 1 7 ) に生じる制動力を制御する液圧制御ユニッ ト ( 1 5) に設けられ、 ポンプ ( 3 6 ) の吐出側と接続される入口ポート ( P 1 ) と、 前記入口ポート ( P 1 ) と連通す る出口ポート (P 2 ) とを有し、 圧力脈動を減衰する減衰装置 ( 1 0 0) であって、 前記入口ポート (P 1 ) と連通する第 1液室 (S 1 ) と、 前記第 1液室 (s i ) において第 1摺動方向に摺動可能に設けられ、 前記第 1摺動方向 に貫通する第 1貫通孔 ( 1 0 4 b ) が形成される第 1 ピス トン ( 1 0 4) と、 前記第 1貫通孔 ( 1 0 4 b ) の前記入口ポート (P 1 ) 側を開閉可能な第 1弁体 ( 1 〇 6 ) と、 前記第 1弁体 ( 1 0 6 ) を前記出口ポート ( P 2 ) 側に付勢する第 1付勢部材 ( 1 0 8 ) と、 前記第 1弁体 ( 1 0 6 ) に対して前記出口ポート (P 2) 側に配置され、 前記第 1摺動 方向に延在し、 前記第 1貫通孔 ( 1 0 4 b ) に挿通可能であり、 前記第 1弁体 ( 1 0 6 ) に当接可能な突起部 ( 1 0 9 b ) を有する突起部材 ( 1 0 9) と、 前記第 1 ピス トン ( 1 0 4 ) を前記入口ポート (P 1 ) 側に付勢する第 2付勢部材 ( 1 1 〇) と、 を備える、 減衰装置。 【請求項 2】 前記第 1 ピス トン ( 1 0 4 ) には、 前記入口ポート (P 1 ) 側から前記出口ポート (P 2) 側まで貫通し、 前記第 1貫通孔 ( 1 0 4 b ) の内径よりも小さい内径を有する第 2貫 通孔 ( 1 0 4 f ) が形成される、 請求項 1に記載の減衰装置。 【請求項 3 ] 前記第 1 ピス トン ( 1 0 4 ) には、 複数の前記第 2貫通孔 ( 1 0 4 f ) が形成され、 前記複数の第 2貫通孔 ( 1 0 4 f ) は、 前記第 1 ピス トン ( 1 0 4) の周方向に等間隔 に配置されている、 請求項 2に記載の減衰装置。 【請求項 4 ] 前記突起部材 ( 1 0 9 ) は、 前記突起部 ( 1 0 9 b ) と接続される基部 ( 1 0 9 a ) を 有し、 前記基部 ( 1 0 9 a ) には、 前記入口ポート (P 1 ) 側から前記出口ポート (P 2) 側 まで貫通し、 前記第 1貫通孔 ( 1 0 4 b ) の内径よりも小さい内径を有する第 3貫通孔 ( 1 0 9 d ) が形成される、 請求項 1〜 3のいずれか一項に記載の減衰装置。 【請求項 5 ] 前記基部 ( 1 0 9 a ) には、 複数の前記第 3貫通孔 ( 1 0 9 d) が形成され、 前記複数の第 3貫通孔 ( 1 0 9 d) は、 前記基部 ( 1 0 9 a ) の周方向に等間隔に配置 されている、 請求項 4に記載の減衰装置。 【請求項 6 ] 前記第 1液室 (S 1 ) と連通し、 前記突起部材 ( 1 0 9) に対して前記出口ポート (P 2 ) 側に配置される第 2液室 (S 2) と、 前記第 2液室 (S 2 ) において第 2摺動方向に摺動可能に設けられる第 2ピス トン ( 1 1 1 ) と、 前記第 2ピス トン ( 1 1 1 ) を前記入口ポート (P 1 ) 側に付勢する第 3付勢部材 ( 1 1 3、 1 1 4 ) と、 を備える、 請求項 1〜 5のいずれか一項に記載の減衰装置。 【請求項 7】 前記第 2ピス トン ( 1 1 1 ) には、 前記入口ポート ( P 1 ) 側から前記出口ポート (P 2) 側まで貫通し、 前記第 1貫通孔 ( 1 0 4 b ) の内径よりも小さい内径を有する第 4貫 通孔 ( 1 1 1 c ) が形成される、 請求項 6に記載の減衰装置。 【請求項 8 ] 前記第 2ピス トン ( 1 1 1 ) には、 複数の前記第 4貫通孔 ( 1 1 1 c ) が形成され、 前記複数の第 4貫通孔 ( 1 1 1 c ) は、 前記第 2ピス トン ( 1 1 1 ) の周方向に等間隔 に配置されている、 請求項 7に記載の減衰装置。 【請求項 9 ] 前記第 1液室 (S 1 ) と連通し、 前記突起部材 ( 1 0 9) に対して前記出口ポート (P 2 ) 側に配置される第 2液室 (S 2) と、 前記第 2液室 (S 2 ) と第 5貫通孔 ( 1 0 1 d) を介して連通し、 前記第 2液室 (S 2 ) に対して前記出口ポート (P 2 ) 側に配置され、 前記出口ポート (P 2) と連通する第 3 液室 (S 3 ) と、 前記第 5貫通孔 ( 1 0 1 d) の前記出口ポート (P 2 ) 側を開閉可能な第 2弁体 ( 1 1 5) と、 前記第 2弁体 ( 1 1 5) を前記入口ポート (P 1 ) 側に付勢する第 4付勢部材 ( 1 1 6 ) と、 を備える、 請求項 1〜 8のいずれか一項に記載の減衰装置。 【請求項 1 〇】 請求項 1〜 9のいずれか一項に記載の減衰装置 ( 1 0 0) を備える液圧制御ユニッ ト。 【請求項 1 1】 請求項 1 〇に記載の液圧制御ユニッ ト ( 1 5 ) を備えるブレーキシステム。 |
【発明の名称】 減衰装置、 液圧制御ユニッ トおよびブレーキシステム
【技術分野】
【。 0 0 1】 本発明は、 減衰装置、 液圧制御ユニッ トおよびブレーキシステムに関する。
【背景技術】
【。 0 0 2】 従来の車両では、 車輪に生じさせる制動力を制御するために、 液圧制御ユニッ トが設け られている。 例えば、 特許文献 1に開示されているように、 液圧制御ユニッ ト内の流路に は、 複数の弁とポンプとが設けられている。 このような液圧制御ユニッ トでは、 例えば、 アンチロックブレーキ制御または横滑り防止 制御等において、 各弁の開閉状態を特定の状 態にして、 ポンプを駆動させる制御が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【〇 0 0 3】
【特許文献 1】 特開 2 0 1 0 — 0 5 2 5 1 9号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【〇 0 0 4】 ところで、 液圧制御ユニッ トでは、 主として往復動するプランジャポンプがポン プとし て用いられる。 ゆえに、 ポンプによるブレーキ液の圧送は、 間欠的に行われる。 よって、 ポンプが駆動されると、 液圧制御ユニッ ト内の流路においてブレーキ液の液圧が脈動 する 現象である圧力脈動が生じる。 このような圧力脈動により生じる音は、 車両の乗員に騒音 として感じ取られる場合があり、 快適性を損ねる要因となり得る。 ゆえに、 快適性を向上 させる観点で、 液圧制御ユニッ トの圧力脈動を適切に減衰させることが望ま れている。
【〇 0 0 5】 そこで、 本発明は、 このような課題に鑑み、 液圧制御ユニッ トの圧力脈動を減衰させる ことが可能な減衰装置、 液圧制御ユニッ トおよびブレーキシステムを提供することを 目的 としている。
【課題を解決するための手段】
【〇 0 0 6】 上記課題を解決するために、 減衰装置は、 車輪に生じる制動力を制御する液圧制御ユニ ッ トに設けられ、 ポンプの吐出側と接続される入口ポートと、 入口ポートと連通する出口 ポートとを有し、 圧力脈動を減衰する減衰装置であって、 入口ポートと連通する第 1液室 と、 第 1液室において第 1摺動方向に摺動可能に設けられ、 第 1摺動方向に貫通する第 1 貫通孔が形成される第 1 ピス トンと、 第 1貫通孔の入口ポート側を開閉可能な第 1弁体と 、 第 1弁体を出口ポート側に付勢する第 1付勢部材と、 第 1弁体に対して出口ポート側に 配置され、 第 1摺動方向に延在し、 第 1貫通孔に挿通可能であり、 第 1弁体に当接可能な 突起部を有する突起部材と、 第 1 ピス トンを入口ポート側に付勢する第 2付勢部材と、 を 備える。
【〇 0 0 7】 上記課題を解決するために、 液圧制御ユニッ トは、 上記の減衰装置を備える。
【〇 0 0 8】 上記課題を解決するために、 ブレーキシステムは、 上記の液圧制御ユニッ トを備える。
【発明の効果】
【〇 0 0 9】 本発明によれば、 液圧制御ユニッ トの圧力脈動を減衰させることが可能となる 。
【図面の簡単な説明】
【0 0 1 0】
【図 1】 本発明の実施形態に係るブレーキシステムの 概略構成を示す模式図である。 【図 2】 本発明の実施形態に係る減衰装置の概略構成 を示す断面図である。
【図 3】 本発明の実施形態に係る減衰装置において、 第 1 ピス トンが図 2の状態と比 べて右側に移動した状態を示す図である。
【図 4】 本発明の実施形態に係る減衰装置において、 第 1 ピス トンが図 3の状態と比 べて右側に移動した状態を示す図である。
【図 5】 本発明の実施形態に係る減衰装置において、 第 1 ピス トンが図 4の状態と比 べて右側に移動した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
[ 0 0 1 1 ] 以下に添付図面を参照しながら、 本発明の好適な実施形態について詳細に説明 する。 か かる実施形態に示す寸法、 材料、 その他具体的な数値等は、 発明の理解を容易にするため の例示に過ぎず、 特に断る場合を除き、 本発明を限定するものではない。 なお、 本明細書 および図面において、 実質的に同一の機能、 構成を有する要素については、 同一の符号を 付することにより重複説明を省略し、 また本発明に直接関係のない要素は図示を省 略する
[ 0 0 1 2 ] 本実施形態では、 車両として、 4つの車輪 1 7を有する車両を例に説明するが、 本発明 が適用される車両は、 4つの車輪 1 7を有する車両に限られず、 例えば、 1つ、 2つ、 3 つのいずれかの車輪 1 7を有する車両、 または、 5つ以上の車輪 1 7を有する車両であっ てもよい。
[ 0 0 1 3 ]
<ブレーキシステムの構成 > 図 1および図 2を参照して、 本発明の実施形態に係るブレーキシステム! の構成につい て説明する。
[ 0 0 1 4 ] 図 1は、 ブレーキシステム 1の概略構成を示す模式図である。 ブレーキシステム 1は、 車両に搭載され、 当該車両に生じる制動力を制御するためのシ ステムである。 図 1に示さ れるように、 ブレーキシステム 1は、 ブレーキペダル 1 1 と、 倍カ装置 1 2と、 マスター シリンダ 1 3と、 リザーバ 1 4と、 液圧制御ユニッ ト 1 5と、 ブレーキ装置 1 6と、 車輪 1 ?とを備える。
[ 0 0 1 5 ] ブレーキシステム 1は、 4つの車輪 1 7を有する車両に搭載されており、 各車輪 1 7に 設けられるブレーキ装置 1 6によって、 各車輪 1 7が制動される。 そして、 各車輪 1 7に 生じる制動力が液圧制御ユニッ ト 1 5によって制御される。 図 1では、 理解を容易にする ために、 ブレーキシステム 1のうち、 前輪および後輪のうちの一方に関連する部分 のみが 示されており、 前輪および後輪のうちの他方に関連する部分 の図示は省略されている。
[ 0 0 1 6 ] なお、 本発明に係る液圧制御ユニッ トにより制動力が制御される車輪 1 7の数は、 4つ 以外であってもよい。 例えば、 液圧制御ユニッ ト 1 5により制動力が制御される車輪 1 7 の数は 2つであってもよい。 その場合、 2つの車輪 1 7を有する車両にブレーキシステム !が搭載され得る。
[ 0 0 1 7 ] ブレーキペダル 1 1は、 ドライバによるブレーキ操作において用いら れる。 ブレーキ操 作では、 ブレーキペダル 1 1がドライバにより踏み込まれる。 倍力装置 1 2は、 ブレーキ ペダル 1 1 と接続されており、 ブレーキペダル 1 1の踏力を増幅する。 マスターシリンダ 1 3は、 倍カ装置 1 2と接続されており、 ブレーキペダル 1 1 と連動して往復動するピス トンを内蔵し、 ブレーキ操作の操作量に応じた液圧を生じさ せる。 リザーバ 1 4は、 マス ターシリンダ 1 3に付設されており、 ブレーキ液を貯留する。
[ 0 0 1 8 ] 液圧制御ユニッ ト 1 5は、 ブレーキ液の流路が形成される基体 1 5 aを備える。 液圧制 御ユニッ ト 1 5の基体 1 5 aに、 マスターシリンダ 1 3および各ブレーキ装置 1 6がそれ ぞれ接続されている。 液圧制御ユニッ ト 1 5の基体 1 5 aのブレーキ液の流路は、 ブレー キ装置 1 6のホイールシリンダと接続されている。 ブレーキ装置 1 6のホイールシリンダ におけるブレーキ液の液圧に応じた制動力が 車輪 1 ?に生じる。
[ 0 0 1 9 ] 液圧制御ユニッ ト 1 5の基体 1 5 aには、 ブレーキ液の流路として、 主流路 2 1 と、 副 流路 2 2と、 供給流路 2 3とが形成されている。 主流路 2 1は、 マスターシリンダ 1 3の ブレーキ液をブレーキ装置 1 6のホイールシリンダに流通させる。 副流路 2 2は、 ブレー キ装置 1 6のホイールシリンダのブレーキ液を逃がす 供給流路 2 3は、 マスターシリン ダ 1 3のブレーキ液を副流路 2 2に供給する。
[ 0 0 2 0 ] また、 液圧制御ユニッ ト 1 5の基体 1 5 aには、 各車輪 1 7に生じる制動力を制御する ためのコンポーネントとして、 込め弁 ( E V ) 3 1、 弛め弁 ( A V ) 3 2、 第 1弁 ( U S V ) 3 3、 第 2弁 ( H S V ) 3 4、 アキュムレータ 3 5、 ポンプ 3 6およびモータ 3 7が 設けられている。
[ 0 0 2 1 ] なお、 本発明に係る液圧制御ユニッ トの構成は、 ポンプ 3 6を有していれば、 図 1に示 される液圧制御ユニッ ト 1 5の構成と異なっていてもよい。 例えば、 図 1に示される液圧 制御ユニッ ト 1 5に対して供給流路 2 3、 第 1弁 3 3および第 2弁 3 4を省略したものも 、 本発明に係る液圧制御ユニッ トに含まれる。
[ 0 0 2 2 ] 主流路 2 1は、 マスターシリンダ 1 3と、 ブレーキ装置 1 6のホイールシリンダとを連 通する。 主流路 2 1は、 第 1主流路 2 1 a と、 2つの第 2主流路 2 1 b とを含む。 第 1主 流路 2 1 aは、 マスターシリンダ 1 3と接続される。 2つの第 2主流路 2 1 は、 第 1主 流路 2 1 aから分岐して各ブレーキ装置 1 6と接続される。 第 1主流路 2 1 aには、 第 1 弁 3 3が設けられる。 第 2主流路 2 1 bには、 込め弁 3 1が設けられる。
[ 0 0 2 3 ] 副流路 2 2は、 主流路 2 1における込め弁 3 1よりブレーキ装置 1 6側と、 主流路 2 1 における込め弁 3 1 よりマスターシリンダ 1 3側、 かつ、 第 1弁 3 3よりブレーキ装置 1 6 側とを連通する。 副流路 2 2は、 2つの第 1副流路 2 2 a と、 第 2副流路 2 2 b とを含 む。 各第 1副流路 2 2 aは、 主流路 2 1における込め弁 3 1よりブレーキ装置 1 6側と接 続される。 第 2副流路 2 2 bは、 2つの第 1副流路 2 2 aの合流箇所と、 主流路 2 1にお ける込め弁 3 1よりマスターシリンダ 1 3側、 かつ、 第 1弁 3 3よりブレーキ装置 1 6側 とを接続する。 第 1副流路 2 2 aには、 弛め弁 3 2が設けられる。 第 2副流路 2 2 bには 、 第 1副流路 2 2 a側から順に、 アキュムレータ 3 5およびポンプ 3 6が設けられる。
[ 0 0 2 4 ] ポンプ 3 6は、 モータ 3 7によって駆動され、 ブレーキ液を第 1副流路 2 2 a側から吸 引し主流路 2 1側に吐出する。 ポンプ 3 6は、 往復動するプランジャポンプである。 具体 的には、 ポンプ 3 6のプランジャが、 モータ 3 7の出力軸に設けられる偏心カムにより間 欠的に押圧されることによって往復動する。 それにより、 ポンプ 3 6によるブレーキ液の 圧送が行われる。
[ 0 0 2 5 ] 供給流路 2 3は、 主流路 2 1における第 1弁 3 3よりマスターシリンダ 1 3側と副流路 2 2におけるポンプ 3 6の吸引側とを連通する。 供給流路 2 3には、 第 2弁 3 4が設けら れる。
[ 0 0 2 6 ] 込め弁 3 1は、 例えば、 非通電状態で開放され、 通電状態で閉鎖される電磁弁である。 弛め弁 3 2は、 例えば、 非通電状態で閉鎖され、 通電状態で開放される電磁弁である。 第 1 弁 3 3は、 例えば、 非通電状態で開放され、 通電状態で閉鎖される電磁弁である。 第 2 弁 3 4は、 例えば、 非通電状態で閉鎖され、 通電状態で開放される電磁弁である。 これら の弁およびモータ 3 7の動作が制御されることによって、 各車輪 1 ?に生じる制動力が制 御される。
[ 0 0 2 7 ] 例えば、 後述するアンチロックブレーキ制御または横 滑り防止制御等が実行されていな い通常時には、 込め弁 3 1が開放され、 弛め弁 3 2が閉鎖され、 第 1弁 3 3が開放され、 第 2弁 3 4が閉鎖される。 それにより、 マスターシリンダ 1 3からブレーキ装置 1 6のホ イールシリンダへ、 副流路 2 2および供給流路 2 3を介さずに、 主流路 2 1のみを介して 、 ブレーキ液が流動する状態となる。 その状態で、 ブレーキペダル 1 1が踏み込まれると 、 マスターシリンダ 1 3のピス トンが押し込まれてホイールシリンダのブレ ーキ液の液圧 が増加し、 車輪 1 7に制動力が付与される。
[ 0 0 2 8 ] アンチロックブレーキ制御は、 車輪 1 7のロックを回避するための制御である。 例えば 、 アンチロックブレーキ制御が実行されると、 まず、 込め弁 3 1が閉鎖され、 弛め弁 3 2 が開放され、 第 1弁 3 3が開放され、 第 2弁 3 4が閉鎖される。 それにより、 主流路 2 1 とブレーキ装置 1 6のホイールシリンダとの間でのブレーキ液 流動が停止し、 ホイール シリンダから副流路 2 2へブレーキ液が流動可能な状態となる。 ゆえに、 ホイールシリン ダからアキュムレータ 3 5にブレーキ液が流れ込み、 ホイールシリンダのブレーキ液の液 圧が減少し、 車輪 1 7に付与される制動力が減少する。 アキュムレータ 3 5に流れ込んだ ブレーキ液は、 ポンプ 3 6が駆動されることによって、 副流路 2 2を介して主流路 2 1に 戻される。
[ 0 0 2 9 ] そして、 上記の状態から込め弁 3 1および弛め弁 3 2の双方が閉鎖されることにより、 主流路 2 1および副流路 2 2とホイールシリンダとの間でのブレーキ液 流動が停止し、 ホイールシリンダのブレーキ液の液圧が維持 されて車輪 1 7に付与される制動力が維持さ れる。 その後、 込め弁 3 1が開放され、 弛め弁 3 2が閉鎖されることにより、 主流路 2 1 とホイールシリンダとの間でのブレーキ液の 流動が再開し、 ホイールシリンダのブレーキ 液の液圧が増大し、 車輪 1 7に付与される制動力が増大する。
[ 0 0 3 0 ] 横滑り防止制御は、 車両の挙動を安定化するための制御である。 横滑り防止制御では、 車両の駆動力および制動力が適宜制御される 。 例えば、 横滑り防止制御の実行中において 、 ブレーキ操作によらずに車両を制動させる際 に、 込め弁 3 1が開放され、 弛め弁 3 2が 閉鎖され、 第 1弁 3 3が閉鎖され、 第 2弁 3 4が開放される。 それにより、 マスターシリ ンダ 1 3からブレーキ装置 1 6のホイールシリンダへ、 供給流路 2 3および副流路 2 2を 介して、 ブレーキ液が流動する状態となる。 その状態で、 ポンプ 3 6が駆動されることに より、 ホイールシリンダのブレーキ液の液圧が増加 し、 車輪 1 7を制動する制動力が生じ る。
[ 0 0 3 1 ] 上記のように、 液圧制御ユニッ ト 1 5では、 ポンプ 3 6を駆動させる制御が行われる。 ポンプ 3 6が駆動されると、 液圧制御ユニッ ト 1 5内の流路においてブレーキ液の液圧が 脈動する現象である圧力脈動が生じる。 このような圧力脈動により生じる音は、 車両の乗 員に騒音として感じ取られる場合があり、 快適性を損ねる要因となり得る。 そこで、 液圧 制御ユニッ ト 1 5には、 圧力脈動を減衰する減衰装置 1 〇 〇が設けられている。
[ 0 0 3 2 ] 減衰装置 1 0 0は、 副流路 2 2 (具体的には、 第 2副流路 2 2 b ) のうちポンプ 3 6よ りも下流側に設けられている。 減衰装置 1 0 0は、 入口ポート P 1 と、 出口ポート P 2と を有する。 入口ポート P 1は、 ポンプ 3 6の吐出側と接続される。 入口ポート P 1 と出口 ポート P 2とは連通されている。 ゆえに、 ポンプ 3 6から吐出されたブレーキ液は、 入口 ポート P !を介して減衰装置 1 〇〇内に流入し、 減衰装置 1 〇〇内を通過した後、 出口ポ ート P 2を介して減衰装置 1 〇〇から流出する。
[ 0 0 3 3 ] 以下、 図 2を参照して、 減衰装置 1 0 0の構成の詳細について説明する。 図 2は、 減衰 装置 1 0 0の概略構成を示す断面図である。 ただし、 図 2に示される減衰装置 1 0 0は、 あくまでも本発明に係る減衰装置の一例に過 ぎず、 後述するように図 2の例に対して各種 変更を加えたものも本発明に係る減衰装置に 含まれる。
[ 0 0 3 4 ] 図 2および後述する図 3〜図 5では、 入口ポート P 1側が左側となり、 出口ポート P 2 側が右側となるように、 減衰装置 1 〇〇が示されている。 以下では、 入口ポート P 1側を 左側とも呼び、 出口ポート P 2側を右側とも呼ぶ。 また、 以下では、 ハウジング 1 0 1の 軸方向である左右方向を単に軸方向とも呼ぶ 。
[ 0 0 3 5 ] 図 2に示されるように、 減衰装置 1 0 0は、 ハウジング 1 0 1 と、 第 1カバー 1 0 2と 、 第 2カバー 1 0 3と、 第 1 ピス トン 1 0 4と、 第 1シール部材 1 0 5と、 第 1弁体 1 〇 6 と、 ケース部材 1 0 7と、 第 1付勢部材 1 0 8と、 突起部材 1 0 9と、 第 2付勢部材 1 1 0と、 第 2ピス トン 1 1 1 と、 第 2シール部材 1 1 2と、 第 3付勢部材 1 1 3、 1 1 4 と、 第 2弁体 1 1 5と、 第 4付勢部材 1 1 6とを備える。
[ 0 0 3 6 ] ハウジング 1 〇 1は、 例えば、 内部に中空空間を有する円柱形状を有する。 ハウジング 1 0 1の軸方向は、 左右方向である。 ハウジング 1 〇 1には、 左端面から右端面まで貫通 するように内部空間が形成されている。 ハウジング 1 〇 1の内部空間は、 第 1孔部 1 〇 1 a と、 第 2孔部 1 0 1 bと、 第 3孔部 1 0 1 c と、 第 4孔部 1 0 1 dと、 第 5孔部 1 〇 1 e とを含む。 第 1孔部 1 0 1 a、 第 2孔部 1 0 1 b、 第 3孔部 1 0 1 c、 第 4孔部 1 〇 1 d および第 5孔部 1 0 1 eの各孔部は、 円柱形状を有し、 ハウジング 1 〇 1の中心軸と同 軸上に配置されている。 第 1孔部 1 0 1 a、 第 2孔部 1 0 1 b、 第 3孔部 1 0 1 c、 第 4 孔部 1 〇 1 dおよび第 5孔部 1 0 1 eは、 左側からこの順に連続している。
[ 0 0 3 7 ] 第 1孔部 1 0 1 a と対応する空間が、 第 1液室 S 1である。 第 2孔部 1 0 1 bの径は、 第 1孔部 1 0 1 aの径より小さい。 第 3孔部 1 0 1 cの径は、 第 2孔部 1 0 1 bの径より 小さい。 第 3孔部 1 0 1 c と対応する空間が、 第 2液室 S 2である。 第 2液室 S 2は、 第 1 液室 S 1 と連通し、 後述するように、 突起部材 1 0 9に対して右側に配置される。 第 4 孔部 1 0 1 dの径は、 第 3孔部 1 0 1 cの径より小さい。 第 4孔部 1 0 1 dが、 本発明に 係る第 5貫通孔の一例に相当する。 第 5孔部 1 0 1 eの径は、 第 4孔部 1 0 1 dの径より 大きい。 第 5孔部 1 0 1 e と対応する空間が、 第 3液室 S 3である。 第 3液室 S 3は、 第 2 液室 S 2と第 5貫通孔である第 4孔部 1 0 1 dを介して連通し、 第 2液室 S 2に対して 出口ポート P 2側に配置され、 出口ポート P 2と連通する。
[ 0 0 3 8 ] 第 1カバー 1 0 2は、 第 1孔部 1 0 1 aの左端部に嵌合される。 第 1カバー 1 0 2は、 第 1液室 S 1を左側から覆う。 第 1カバー 1 0 2は、 右側が開口し左側に底面を有する円 筒形状に形成される。 第 1カバー 1 〇 2の底面の中心には、 入口ポート P 1が形成される 。 入口ポート P 1は、 第 1カバー 1 0 2を左側から右側まで貫通する。 ゆえに、 第 1液室 s 1が、 入口ポート P 1 と連通する。 入口ポート P 1は、 ハウジング 1 〇 1の中心軸と同 軸上に配置されている。 ただし、 入口ポート P 1は、 ハウジング 1 0 1の中心軸と同軸上 に配置されていなくてもよい。
[ 0 0 3 9 ] 第 2カバー 1 0 3は、 第 5孔部 1 0 1 eの右端部に嵌合される。 第 2カバー 1 0 3は、 第 3液室 S 3を右側から覆う。 第 2カバー 1 0 3は、 略円柱形状を有している。 図 2の例 では、 第 2カバー 1 0 3の右端部は、 周方向外側に拡径している。 第 5孔部 1 0 1 eの右 端部は、 拡径している。 第 2カバー 1 0 3のうち周方向外側に拡径している部分が、 第 5 孔部 1 0 1 eのうち拡径している部分に嵌合される。 第 2カバー 1 0 3の中心には、 出口 ポート P 2が形成される。 出口ポート P 2は、 第 2カバー 1 0 3を左側から右側まで貫通 する。 ゆえに、 第 3液室 S 3が、 出口ポート P 2と連通する。 出口ポート P 2は、 ハウジ ング 1 0 1の中心軸と同軸上に配置されている。 ただし、 出口ポート P 2は、 ハウジング 1 〇 1の中心軸と同軸上に配置されていなくても い。
[ 0 0 4 0 ] 第 1 ピス トン 1 0 4は、 第 1孔部 1 0 1 a内に収容される。 第 1 ピス トン 1 0 4は、 略 円筒形状を有する。 第 1 ピス トン 1 0 4は、 第 1孔部 1 〇 ! aの中心軸と同軸上に配置さ れている。 第 1 ピス トン 1 0 4の外周面が第 1孔部 1 0 1 aの内周面に対して摺動可能と なっている。 ゆえに、 第 1 ピス トン 1 0 4は、 第 1液室 S 1において軸方向に摺動可能に 設けられる。 このように、 図 2の例では、 第 1 ピス トン 1 0 4の摺動方向である第 1摺動 方向がハウジング 1 〇 1の軸方向となっている。 ただし、 後述するように、 第 1摺動方向 は、 ハウジング 1 〇 1の軸方向と異なっていてもよい。
[ 0 0 4 1 ] 第 1 ピス トン 1 0 4の外周面には、 環状溝 1 0 4 aが形成されている。 環状溝 1 0 4 a は、 第 1 ピス トン 1 0 4の周方向に延在している。 環状溝 1 0 4 aには、 第 1シール部材 1 〇 5が嵌合されている。 第 1シール部材 1 0 5は、 例えば、 〇リングである。 第 1シー ル部材 1 0 5は、 第 1孔部 1 0 1 aの内周面に押し付けられている。 それにより、 第 1 ピ ス トン 1 0 4の外周面と、 第 1孔部 1 0 1 aの内周面との隙間が液密にシールされる。
[ 0 0 4 2 ] 第 1 ピス トン 1 0 4には、 第 1貫通孔 1 0 4 bが形成される。 第 1貫通孔 1 0 4 bは、 第 1摺動方向である軸方向に第 1 ピス トン 1 0 4を貫通する。 ゆえに、 第 1貫通孔 1 0 4 b は、 第 1 ピス トン 1 0 4の左端面から右端面まで貫通している。 図 2の例では、 第 1 ピ ス トン 1 0 4の左端面には、 溝部 1 0 4 cが形成され、 第 1 ピス トン 1 0 4の右端面には 、 溝部 1 0 4 dが形成されている。 溝部 1 〇 4 cおよび溝部 1 0 4 dは、 第 1貫通孔 1 〇 4 bの周縁に沿って環状に形成されている。 そして、 第 1貫通孔 1 0 4 bは、 溝部 1 〇 4 c の底面から溝部 1 0 4 dの底面まで貫通している。 ただし、 第 1 ピス トン 1 0 4の左端 面および右端面の形状は、 図 2の例に限定されず、 例えば、 溝部 1 0 4 cおよび溝部 1 0 4 dは形成されなくてもよい。 また、 図 2の例では、 第 1貫通孔 1 0 4 bは、 第 1 ピス ト ン 1 〇 4の中心軸と同軸上に配置されている。 ただし、 第 1貫通孔 1 0 4 bは、 第 1 ピス トン 1 0 4の中心軸と同軸上に配置されていなくても い。
[ 0 0 4 3 ] 第 1弁体 1 0 6は、 第 1貫通孔 1 04 bの左側を開閉可能である。 第 1弁体 1 〇 6が第 ! 貫通孔 1 0 4 bを塞いでいない開状態において、 第 1貫通孔 1 0 4 bを通じてブレーキ 液が流通可能となる。 この状態が、 第 1弁体 1 〇 6の開状態、 および、 第 1貫通孔 1 〇 4 b の開状態に相当する。 第 1弁体 1 0 6が第 1貫通孔 1 0 4 bを塞いでいる閉状態におい て、 第 1貫通孔 1 0 4 bを通じてブレーキ液が流通不可能となる。 この状態が、 第 1弁体 1 〇 6の閉状態、 および、 第 1貫通孔 1 0 4 bの閉状態に相当する。
[ 0 0 4 4 ] ケース部材 1 0 7は、 第 1 ピス トン 1 0 4の左端面に取り付けられている。 図 2の例で は、 ケース部材 1 0 7は、 第 1 ピス トン 1 0 4の左端面の溝部 1 0 4 cに取り付けられて おり、 溝部 1 0 4 cを左側から覆う。 ケース部材 1 0 7は、 右側が開口し左側に底面を有 する円筒形状に形成される。 ケース部材 1 〇 7の底面の中心には、 貫通孔 1 〇 7 aが形成 される。 貫通孔 1 0 7 aは、 ケース部材 1 0 7を左側から右側まで貫通する。 ゆえに、 ケ ース部材 1 0 7よりも左側の空間と右側の空間とが、 貫通孔 1 0 7 aを介して連通する。 貫通孔 1 0 7 aは、 ハウジング 1 0 1の中心軸と同軸上に配置されている。 ただし、 貫通 孔 1 0 7 aは、 ハウジング 1 0 1の中心軸と同軸上に配置されていなくても い。
[ 0 0 4 5 ] 第 1弁体 1 0 6は、 ケース部材 1 0 7と第 1 ピス トン 1 0 4の左端面とにより区画され る空間に配置される。 第 1弁体 1 0 6は、 例えば、 球形状を有している。 ただし、 第 1弁 体 1 0 6の形状は、 球形状以外の形状であってもよい。 第 1付勢部材 1 0 8は、 例えば、 バネ等の弾性部材である。 第 1付勢部材 1 0 8は、 ケース部材 1 0 7と第 1弁体 1 0 6と の間に配置される。 第 1付勢部材 1 0 8の伸縮方向は、 左右方向となっている。 第 1付勢 部材 1 0 8は、 自然長に対して縮んだ状態となっている。 ゆえに、 第 1弁体 1 0 6は、 第 1 付勢部材 1 〇 8によって、 右側に付勢される。
[ 0 0 4 6 ] 図 2の例では、 第 1貫通孔 1 0 4 bの左側には、 テーパ部 1 0 4 eが形成されている。 テーパ部 1 0 4 eは、 左側に進むにつれて拡径する部分である。 第 1弁体 1 0 6は、 第 1 貫通孔 1 0 4 bのテーパ部 1 0 4 eに当接可能である。 第 1弁体 1 〇 6がテーパ部 1 〇 4 e に当接することによって、 第 1貫通孔 1 0 4 bが閉じられる。 この場合、 テーパ部 1 〇 4 eが形成されていない場合と比べ、 第 1弁体 1 0 6と第 1貫通孔 1 0 4 bとが安定的に 接触するので、 第 1貫通孔 1 0 4 bを適切に閉じることができる。 ただし、 第 1貫通孔 1 。 4 にテーパ部 1 0 4 eが形成されていなくてもよい。
[ 0 0 4 7 ] 第 1 ピス トン 1 0 4には、 複数の第 2貫通孔 1 〇 4 f が形成される。 第 2貫通孔 1 〇 4 f は、 左側から右側まで第 1 ピス トン 1 0 4を貫通し、 第 1貫通孔 1 0 4 bの内径よりも 小さい内径を有する。 第 2貫通孔 1 0 4 f の内径は、 例えば、 直径で〇• 4 mm〜〇• 5 mm 程度である。 図 2の例では、 第 2貫通孔 1 0 4 f は、 軸方向に延在する。 ただし、 第 2 貫通孔 1 0 4 f の経路は特に限定されず、 例えば、 第 2貫通孔 1 0 4 f は、 軸方向に対 して傾く方向に延在していてもよく、 湾曲または屈曲していてもよい。
[ 0 0 4 8 ] 複数の第 2貫通孔 1 0 4 f は、 第 1 ピス トン 1 0 4の周方向に等間隔に配置されている 。 ただし、 複数の第 2貫通孔 1 〇 4 f の配置は、 この例に限定されない。 例えば、 後述す る第 3貫通孔 1 0 9 dのように、 互いに異なる径方向位置において、 複数の第 2貫通孔 1 〇 4 f がそれぞれ周方向に離隔して配置されていて もよい。 また、 第 2貫通孔 1 〇 4 f の 数は 1つであってもよい。 ブレーキ液は、 第 2貫通孔 1 0 4 f を通って、 第 1 ピス トン 1 。 4の左側から右側へ流通可能である。 第 2貫通孔 1 〇 4 f は圧力脈動を低減するために 設けられている。 なお、 第 2貫通孔 1 0 4 f の機能については後述する。
[ 0 0 4 9 ] 突起部材 1 0 9は、 第 1弁体 1 〇 6を開閉するために設けられている。 突起部材 1 〇 9 は、 第 1 ピス トン 1 0 4よりも右側に配置される。 突起部材 1 0 9は、 基部 1 0 9 a と、 突起部 1 0 9 bとを有する。 基部 1 0 9 aは、 略円板形状を有する。 基部 1 0 9 aは、 第 2 孔部 1 0 1 bに嵌合される。 突起部 1 0 9 bは、 基部 1 0 9 a と接続されている。 突起 部 1 0 9 bは、 基部 1 0 9 aの中心から左側に突出している。 突起部 1 0 9 bは、 第 1摺 動方向である軸方向に延在する。
[ 0 0 5 0 ] 突起部 1 0 9 bは、 第 1弁体 1 〇 6に対して右側に配置される。 突起部 1 0 9 bは、 第 ! 貫通孔 1 0 4 bの中心軸と同軸上に配置されている。 第 1 ピス トン 1 〇 4が図 2の位置 から右側に移動することによって、 突起部 1 0 9 bは第 1貫通孔 1 0 4 bに挿通され、 突 起部 1 0 9 bの先端が第 1弁体 1 〇 6に当接し得る。 突起部 1 0 9 bの先端が第 1弁体 1 〇 6に当接することによって、 第 1弁体 1 〇 6の位置が維持される。 その状態で、 第 1 ピ ス トン 1 0 4がさらに右側に移動することによって、 第 1弁体 1 〇 6が開状態となる。 こ のように、 突起部 1 0 9 bは、 第 1貫通孔 1 0 4 bに挿通可能であり、 第 1弁体 1 0 6に 当接可能である。
[ 0 0 5 1 ] 図 2の例では、 突起部 1 0 9 bの先端には、 窪み部 1 0 9 cが形成されている。 窪み部 1 0 9 cは、 第 1弁体 1 〇 6の曲率と略一致する曲率の球面形状を有す 。 突起部 1 〇 9 b の窪み部 1 0 9 cが、 第 1弁体 1 0 6と当接する。 この場合、 窪み部 1 0 9 cが形成さ れていない場合と比べ、 第 1弁体 1 〇 6と突起部 1 0 9 bとの接触面積が大きくなるので 、 第 1弁体 1 〇 6を適切に開状態に維持することができる。 ただし、 突起部 1 0 9 bに窪 み部 1 0 9 cが形成されていなくてもよい。
[ 0 0 5 2 ] 基部 1 0 9 aには、 複数の第 3貫通孔 1 0 9 dが形成される。 第 3貫通孔 1 0 9 dは、 材 1 1 3および第 3付勢部材 1 1 4によって、 左側に付勢される。
[ 0 0 5 9 ] 第 2ピス トン 1 1 1には、 複数の第 4貫通孔 1 1 1 cが形成される。 第 4貫通孔 1 1 1 c は、 左側から右側まで第 2ピス トン 1 1 1を貫通し、 第 1貫通孔 1 0 4 bの内径よりも 小さい内径を有する。 第 4貫通孔 1 1 1 cの内径は、 例えば、 直径で〇• 4 m m ~〇• 5 m m程度である。 図 2の例では、 第 4貫通孔 1 1 1 cは、 軸方向に延在する。 ただし、 第 4 貫通孔 1 1 1 cの経路は特に限定されず、 例えば、 第 4貫通孔 1 1 1 cは、 軸方向に対 して傾く方向に延在していてもよく、 湾曲または屈曲していてもよい。
[ 0 0 6 0 ] 複数の第 4貫通孔 1 1 1 cは、 第 2ピス トン 1 1 1の周方向に等間隔に配置されている 。 ただし、 複数の第 4貫通孔 1 1 1 cの配置は、 この例に限定されない。 例えば、 上述し た第 3貫通孔 1 0 9 dのように、 互いに異なる径方向位置において、 複数の第 4貫通孔 1 1 1 cがそれぞれ周方向に離隔して配置されてい もよい。 また、 第 4貫通孔 1 1 1 cの 数は 1つであってもよい。 ブレーキ液は、 第 4貫通孔 1 l i eを通って、 第 2ピス トン 1 1 1の左側から右側へ流通可能である。 第 4貫通孔 1 1 1 cは圧力脈動を低減するために 設けられている。 なお、 第 4貫通孔 1 1 1 cの機能については後述する。
[ 0 0 6 1 ] 第 2弁体 1 1 5は、 第 5貫通孔である第 4孔部 1 〇 1 dの右側を開閉可能である。 第 2 弁体 1 1 5が第 4孔部 1 〇 ! dを塞いでいない開状態において、 第 4孔部 1 〇 1 dを通じ てブレーキ液が流通可能となる。 この状態が、 第 2弁体 1 1 5の開状態、 および、 第 4孔 部 1 〇 ! dの開状態に相当する。 第 2弁体 1 1 5が第 4孔部 1 〇 ! dを塞いでいる閉状態 において、 第 4孔部 1 〇 ! dを通じてブレーキ液が流通不可能となる。 この状態が、 第 2 弁体 1 1 5の閉状態、 および、 第 4孔部 1 〇 1 dの閉状態に相当する。
[ 0 0 6 2 ] 第 2弁体 1 1 5は、 第 3液室 S 3のうち第 2カバー 1 0 3よりも左側の空間に配置され る。 第 2弁体 1 1 5は、 例えば、 球形状を有している。 ただし、 第 2弁体 1 1 5の形状は 、 球形状以外の形状であってもよい。 第 4付勢部材 1 1 6は、 例えば、 バネ等の弾性部材 である。 第 4付勢部材 1 1 6は、 第 2カバー 1 〇 3と第 2弁体 1 1 5との間に配置される 。 第 4付勢部材 1 1 6の伸縮方向は、 左右方向となっている。 第 4付勢部材 1 1 6は、 自 然長に対して縮んだ状態となっている。 ゆえに、 第 2弁体 1 1 5は、 第 4付勢部材 1 1 6 によって、 左側に付勢される。
[ 0 0 6 3 ] 図 2の例では、 第 4孔部 1 0 1 dの右側には、 テーパ部 1 0 1 f が形成されている。 テ ーパ部 1 0 1 f は、 右側に進むにつれて拡径する部分である。 第 2弁体 1 1 5は、 第 4孔 部 1 0 1 dのテーパ部 1 〇 1 f に当接可能である。 第 2弁体 1 1 5がテーパ部 1 0 1 f に 当接することによって、 第 4孔部 1 〇 1 dが閉じられる。 この場合、 テーパ部 1 0 1 f が 形成されていない場合と比べ、 第 2弁体 1 1 5と第 4孔部 1 0 1 dとが安定的に接触する ので、 第 4孔部 1 〇 ! dを適切に閉じることができる。 ただし、 第 4孔部 1 〇 1 dにテー パ部 1 〇 1 f が形成されていなくてもよい。
[ 0 0 6 4 ]
<減衰装置の動作> 図 2〜図 5を参照して、 本発明の実施形態に係る減衰装置 1 0 0の動作について説明す る。
[ 0 0 6 5 ] 上述した図 2では、 液圧制御ユニッ ト 1 5において、 ポンプ 3 6が駆動されていない通 常時における減衰装置 1 〇〇が示されている。 この場合、 第 1 ピス トン 1 0 4は、 第 2付 勢部材 1 1 〇によって左側に付勢され、 可動域のうち最も左側に位置する。 ゆえに、 第 1 弁体 1 〇 6は、 突起部材 1 〇 9の突起部 1 0 9 b と当接せず、 閉状態となる。 第 2ピス ト ン 1 1 1は、 第 3付勢部材 1 1 3および第 3付勢部材 1 1 4によって左側に付勢され、 可 動域のうち最も左側に位置する。 第 2弁体 1 1 5は、 第 4付勢部材 1 1 6によって左側に 付勢され、 閉状態となる。
[ 0 0 6 6 ] ここで、 液圧制御ユニッ ト 1 5では、 上述したように、 アンチロックブレーキ制御また は横滑り防止制御等が実行された場合、 ポンプ 3 6が駆動される。 図 2の状態において、 ポンプ 3 6が駆動されると、 入口ポート P 1を介して減衰装置 1 〇〇内にブレーキ液が流 入し、 第 1液室 S 1のうち第 1 ピス トン 1 0 4よりも左側の空間の圧力が高まる。 それに より、 第 1 ピス トン 1 0 4が右側に移動する。
[ 0 0 6 7 ] 図 3は、 減衰装置 1 〇 〇において、 第 1 ピス トン 1 0 4が図 2の状態と比べて右側に移 動した状態を示す図である。 図 3の状態では、 第 1貫通孔 1 0 4 bが閉状態となっている ので、 第 1液室 S 1のうち第 1 ピス トン 1 0 4よりも左側の空間に圧力が蓄えられる。 そ して、 第 1液室 S 1のうち第 1 ピス トン 1 0 4よりも左側の空間の圧力によって、 第 1 ピ ス トン 1 0 4が右側に押圧され、 図 2の状態と比べて、 第 1 ピス トン 1 0 4が右側に移動 している。 第 1 ピス トン 1 0 4が右側に移動する際に、 第 2付勢部材 1 1 0が伸縮しなが ら結果的に縮む。 それにより、 第 1 ピス トン 1 0 4に作用する力が第 2付勢部材 1 1 0に よって吸収される。 このように、 第 1 ピス トン 1 0 4の移動に伴い第 2付勢部材 1 1 0が 伸縮することにより、 圧力脈動が減衰する。
[ 0 0 6 8 ] ここで、 図 3の状態において、 第 1液室 S 1のうち第 1 ピス トン 1 0 4よりも左側の空 間のブレーキ液が、 第 2貫通孔 1 0 4 f を通って、 第 1液室 S 1のうち第 1 ピス トン 1 0 4 よりも右側の空間に送られる。 ここで、 第 2貫通孔 1 0 4 f の内径は、 第 1貫通孔 1 〇 4 bの内径よりも小さく、 第 2貫通孔 1 0 4 f を流通するブレーキ液には、 大きな抵抗が かかる。 ゆえに、 ブレーキ液が第 2貫通孔 1 0 4 f を流通することによっても、 圧力脈動 が減衰する。
[ 0 0 6 9 ] また、 第 1 ピス トン 1 0 4と突起部材 1 0 9との間の空間のブレーキ液が、 第 3貫通孔 1 0 9 dを通って、 第 2液室 S 2に送られる。 第 3貫通孔 1 0 9 dを流通するブレーキ液 にも、 第 2貫通孔 1 0 4 f と同様に、 大きな抵抗がかかる。 ゆえに、 ブレーキ液が第 3貫 通孔 1 0 9 dを流通することによっても、 圧力脈動が減衰する。
[ 0 0 7 0 ] また、 第 2液室 S 2のうち第 2ピス トン 1 1 1よりも左側の空間のブレーキ液が、 第 4 貫通孔 1 1 1 cを通って、 第 2液室 S 2のうち第 2ピス トン 1 1 1よりも右側の空間に送 られる。 第 4貫通孔 1 1 1 cを流通するブレーキ液にも、 第 2貫通孔 1 〇 4 f および第 3 貫通孔 1 0 9 dと同様に、 大きな抵抗がかかる。 ゆえに、 ブレーキ液が第 4貫通孔 1 1 1 c を流通することによっても、 圧力脈動が減衰する。
[ 0 0 7 1 ] 図 3の状態では、 第 2弁体 1 1 5は、 基本的に、 第 4付勢部材 1 1 6によって左側に付 勢され、 閉状態となっている。 しかしながら、 第 4貫通孔 1 1 1 cを介して第 2ピス トン 1 1 1よりも右側にブレーキ液が送られ、 第 4孔部 1 0 1 dの圧力が高まることによって 、 第 2弁体 1 1 5が右側に移動して一時的に開状態になる場 もある。 その場合、 ブレー キ液は、 第 4孔部 1 0 1 dを通り、 第 3液室 S 3から出口ポート P 2を介して流出する。
[ 0 0 7 2 ] 図 4は、 減衰装置 1 〇 〇において、 第 1 ピス トン 1 0 4が図 3の状態と比べて右側に移 動した状態を示す図である。 図 4の状態では、 図 3の状態と比べて、 第 1 ピス トン 1 0 4 が右側に移動している。 さらに、 図 4の状態では、 第 2液室 S 2のうち第 2ピス トン 1 1 1 よりも左側の空間の圧力によって、 第 2ピス トン 1 1 1が右側に押圧され、 図 3の状態 と比べて、 第 2ピス トン 1 1 1が右側に移動している。 第 2ピス トン 1 1 1が右側に移動 する際に、 第 3付勢部材 1 1 3および第 3付勢部材 1 1 4が伸縮しながら結果的に縮む。 それにより、 第 2ピス トン 1 1 1に作用する力が第 3付勢部材 1 1 3および第 3付勢部材 1 1 4によって吸収される。 このように、 第 2ピス トン 1 1 1の移動に伴い第 3付勢部材 1 1 3および第 3付勢部材 1 1 4が伸縮することにより、 圧力脈動が減衰する。
[ 0 0 7 3 ] なお、 図 4の状態において、 図 3の状態と同様に、 第 2弁体 1 1 5は、 基本的に、 閉状 態となっているものの、 一時的に開状態になる場合もある。
[ 0 0 7 4 ] 図 5は、 減衰装置 1 〇 〇において、 第 1 ピス トン 1 0 4が図 4の状態と比べて右側に移 動した状態を示す図である。 図 5の状態では、 図 4の状態と比べて、 第 1 ピス トン 1 0 4 および第 2ピス トン 1 1 1が右側に移動している。 ここで、 図 5の状態では、 突起部 1 〇 9 bの先端の窪み部 1 0 9 cが第 1弁体 1 〇 6に当接している。 それにより、 第 1弁体 1 〇 6の右側への移動が、 突起部 1 0 9 bにより制限される。 このため、 第 1 ピス トン 1 0 4 が右側に移動したとしても、 突起部 1 0 9 と当接した状態の第 1弁体 1 〇 6は右側に 移動しない。 よって、 第 1弁体 1 0 6の位置が突起部 1 0 9 bと当接する位置に維持され 、 第 1弁体 1 0 6が、 図 4の状態と比べて、 第 1 ピス トン 1 〇 4に対して相対的に左に移 動している。 その結果、 第 1弁体 1 0 6が、 第 1貫通孔 1 0 4 bのテーパ部 1 0 4 eから 離隔する。 ゆえに、 第 1貫通孔 1 0 4 bが開状態となり、 第 1貫通孔 1 0 4 bをブレーキ 液が流通可能となる。
[ 0 0 7 5 ] よって、 図 5の状態では、 第 1液室 S 1のうち第 1 ピス トン 1 0 4よりも左側の空間の ブレーキ液が、 第 1貫通孔 1 0 4 bを通って、 第 1液室 S 1のうち第 1 ピス トン 1 0 4よ りも右側の空間に送られる。 それにより、 減衰装置 1 0 0のうち第 1 ピス トン 1 0 4より も右側における圧力が、 減衰装置 1 0 0のうち第 1 ピス トン 1 0 4よりも左側における圧 カと同程度まで高まる。 ゆえに、 第 4孔部 1 〇 1 dの圧力が高まることによって、 第 2弁 体 1 1 5が右側に押圧されて移動する。 それにより、 第 2弁体 1 1 5が、 第 4孔部 1 〇 1 d のテーパ部 1 〇 1 f から離隔する。 ゆえに、 第 4孔部 1 〇 1 dが開状態となり、 第 4孔 部 1 0 1 dをブレーキ液が流通可能となる。 よって、 ブレーキ液が、 第 4孔部 1 0 1 dを 通り、 第 3液室 S 3から出口ポート P 2を介して流出する。
[ 0 0 7 6 ]
<減衰装置の効果> 本発明の実施形態に係る減衰装置 1 〇〇の効果について説明する。
[ 0 0 7 7 ] 減衰装置 1 〇〇では、 入口ポート P 1 と連通する第 1液室 S 1 と、 第 1液室 S !におい て第 1摺動方向 (上記の例では、 ハウジング 1 0 1の軸方向) に摺動可能に設けられ、 第 1 摺動方向に貫通する第 1貫通孔 1 〇 4 bが形成される第 1 ピス トン 1 〇 4と、 第 1貫通 孔 1 0 4 bの入口ポート P 1側を開閉可能な第 1弁体 1 0 6 と、 第 1弁体 1 〇 6を出口ポ ート P 2側に付勢する第 1付勢部材 1 0 8 と、 第 1弁体 1 〇 6に対して出口ポート P 2側 に配置され、 第 1摺動方向に延在し、 第 1貫通孔 1 0 4 bに挿通可能であり、 第 1弁体 1 〇 6に当接可能な突起部 1 0 9 bを有する突起部材 1 0 9と、 第 1 ピス トン 1 0 4を入口 ポート P 1側に付勢する第 2付勢部材 1 1 0と、 を備える。
[ 0 0 7 8 ] それにより、 ポンプ 3 6が駆動して入力ポート P 1側の圧力が上昇した場合に、 突起部 材 1 〇 9の突起部 1 〇 9 bが第 1弁体 1 0 6と当接し、 第 1弁体 1 〇 6が開状態となるま での間、 第 1液室 S 1のうち第 1 ピス トン 1 0 4よりも入口ポート P 1側の空間に圧力が 蓄えられる。 そして、 この間、 第 1 ピス トン 1 0 4の出力ポート P 2側への移動に伴い第 2 付勢部材 1 1 〇が徐々に収縮することにより、 圧力上昇のエネルギーが吸収されて第 1 ピス トン 1 0 4よりも入力ポート P 1側の圧力の上昇速度に対して第 1 ピス トン 1 0 4よ りも出力ポート P 2側の圧力の上昇速度が遅くなる。 なお、 入力ポート P 1側の圧力が低 下して第 1 ピス トン 1 0 4が入力ポート P !側へ移動する際には、 第 2付勢部材 1 1 0が 徐々に伸長することにより、 第 1 ピス トン 1 0 4よりも入力ポート P 1側の圧力の低下速 度に対して第 1 ピス トン 1 0 4よりも出力ポート P 2側の圧力の低下速度が遅くなる。 こ れにより、 入力ポート P !側の圧力脈動に対して出力ポート P 2側の圧力脈動を減衰させ るこができる。 このように、 減衰装置 1 〇〇によれば、 液圧制御ユニッ ト 1 5の圧力脈動 を減衰させることができる。
[ 0 0 7 9 ] 好ましくは、 減衰装置 1 〇〇では、 第 1 ピス トン 1 0 4には、 入口ポート P 1側から出 口ポート P 2側まで貫通し、 第 1貫通孔 1 0 4 の内径よりも小さい内径を有する第 2貫 通孔 1 〇 4 f が形成される。 それにより、 ブレーキ液が第 2貫通孔 1 〇 4 f を流通するこ とによっても、 圧力脈動を減衰させることができる。 ここで、 第 1 ピス トン 1 0 4が固着 し、 移動できなくなる状況が考えられる。 このような状況において、 第 1 ピス トン 1 0 4 の入口ポート P 1側から出口ポート P 2側へ、 第 2貫通孔 1 0 4 f を通って、 ブレーキ液 が流通できる。 ゆえに、 第 1液室 S !のうち第 1 ピス トン 1 0 4よりも入口ポート P !側 の空間の圧力が過度に高まることが抑制され る。
[ 0 0 8 0 ] 好ましくは、 減衰装置 1 〇〇では、 第 1 ピス トン 1 0 4には、 複数の第 2貫通孔 1 〇 4 f が形成され、 複数の第 2貫通孔 1 0 4 f は、 第 1 ピス トン 1 〇 4の周方向に等間隔に配 置されている それにより、 ブレーキ液が第 2貫通孔 1 0 4 f を流通することに起因して 生じる力が第 1 ピス トン 1 0 4に対して周方向に均等に作用する。 ゆえに、 ブレーキ液が 第 2貫通孔 1 0 4 f を流通することに起因して第 1 ピス トン 1 〇 4に作用する力によって 、 第 1 ピス トン 1 0 4が第 1摺動方向に対して傾くことが抑制される。
[ 0 0 8 1 ] 好ましくは、 減衰装置 1 〇〇では、 突起部材 1 0 9は、 突起部 1 0 9 bと接続される基 部 1 0 9 aを有し、 基部 1 0 9 aには、 入口ポート P 1側から出口ポート P 2側まで貫通 し、 第 1貫通孔 1 0 4 bの内径よりも小さい内径を有する第 3貫通孔 1 〇 9 dが形成され る。 それにより、 ブレーキ液が第 3貫通孔 1 0 9 dを流通することによっても、 圧力脈動 を減衰させることができる。
[ 0 0 8 2 ] 好ましくは、 減衰装置 1 〇 〇では、 基部 1 〇 9 aには、 複数の第 3貫通孔 1 0 9 dが形 成され、 複数の第 3貫通孔 1 0 9 dは、 基部 1 〇 9 aの周方向に等間隔に配置されている 。 それにより、 突起部材 1 〇 9の周囲において、 ブレーキ液の流れ場が周方向に均一化さ れる。 ゆえに、 減衰装置 1 〇 〇内においてブレーキ液を円滑に流動させる ことができる。
[ 0 0 8 3 ] 好ましくは、 減衰装置 1 〇 〇では、 第 1液室 S ! と連通し、 突起部材 1 〇 9に対して出 口ポー b P 2側に配置される第 2液室 S 2と、 第 2液室 S 2において第 2摺動方向 (上記 の例では、 ハウジング 1 0 1の軸方向) に摺動可能に設けられる第 2ピス トン 1 1 1 と、 第 2ピス トン 1 1 1を入口ポート P 1側に付勢する第 3付勢部材 1 1 3、 1 1 4と、 を備 える。 それにより、 第 2ピス トン 1 1 1の移動に伴い第 3付勢部材 1 1 3および第 3付勢 部材 1 1 4が伸縮することによっても、 第 1 ピス トン 1 0 4の移動に伴い第 2付勢部材 1 1 〇が伸縮する場合と同様に、 圧力脈動を減衰させることができる。 なお、 第 3付勢部材 1 1 3および第 3付勢部材 1 1 4のうち一方が省略されてもよく、 その場合においても、 上記と同様の効果が奏され得る。
[ 0 0 8 4 ] 好ましくは、 減衰装置 1 〇〇では、 第 2ピス トン 1 1 1には、 入口ポート P 1側から出 口ポート P 2側まで貫通し、 第 1貫通孔 1 0 4 bの内径よりも小さい内径を有する第 4貫 通孔 1 1 1 cが形成される。 それにより、 ブレーキ液が第 4貫通孔 1 1 1 cを流通するこ とによっても、 圧力脈動を減衰させることができる。
[ 0 0 8 5 ] 好ましくは、 減衰装置 1 〇〇では、 第 2ピス トン 1 1 1には、 複数の第 4貫通孔 1 1 1 c が形成され、 複数の第 4貫通孔 1 l i eは、 第 2ピス トン 1 1 1の周方向に等間隔に配 置されている それにより、 ブレーキ液が第 4貫通孔 1 l i eを流通することに起因して 生じる力が第 2ピス トン 1 1 1に対して周方向に均等に作用する。 ゆえに、 ブレーキ液が 第 4貫通孔 1 1 1 cを流通することに起因して第 2ピス トン 1 1 1に作用する力によって 、 第 2ピス トン 1 1 1が第 2摺動方向に対して傾くことが抑制される。
[ 0 0 8 6 ] 好ましくは、 減衰装置 1 〇〇では、 第 1液室 S ! と連通し、 突起部材 1 〇 9に対して出 口ポート P 2側に配置される第 2液室 S 2と、 第 2液室 S 2と第 5貫通孔 (上記の例では 第 4孔部 1 0 1 d ) を介して連通し、 第 2液室 S 2に対して出口ポート P 2側に配置され 、 出口ポート P 2と連通する第 3液室 S 3と、 第 5貫通孔の出口ポート P 2側を開閉可能 な第 2弁体 1 1 5と、 第 2弁体 1 1 5を入口ポート P 1側に付勢する第 4付勢部材 1 1 6 と、 を備える。 それにより、 第 1貫通孔 1 0 4 bが開状態となり、 第 1貫通孔 1 0 4 bを ブレーキ液が流通可能となった際に、 第 5貫通孔が開状態になり、 第 3液室 S 3から出口 ポート P 2を介してブレーキ液を適切に流出させるこ ができる。
[ 0 0 8 7 ] 以上、 添付図面を参照しつつ本発明の好適な実施形 態について説明したが、 本発明は上 述した実施形態に限定されないことは勿論で あり、 特許請求の範囲に記載された範疇にお ける各種の変更例または修正例についても、 本発明の技術的範囲に属することは言うまで もない。
[ 0 0 8 8 ] 上記では、 図 2を参照して、 減衰装置 1 0 0の構成について説明した。 ただし、 図 2の 例に対して各種変更を加えたものも本発明に 係る減衰装置に含まれ得る。
[ 0 0 8 9 ] 例えば、 第 1 ピス トン 1 0 4の摺動方向である第 1摺動方向は、 ハウジング 1 0 1の軸 方向と異なっていてもよい。 第 1液室 S 1の中心軸がハウジング 1 0 1 と同軸上に配置さ れない場合、 第 1摺動方向は、 ハウジング 1 〇 1の軸方向と異なる第 1液室 S 1の軸方向 となる。
[ 0 0 9 0 ] また、 例えば、 第 1液室 S 1および第 1 ピス トン 1 0 4の第 1摺動方向と直交する断面 形状は、 円形状でなくてもよい。 当該断面形状は、 例えば、 楕円形状または多角形状等で あってもよい。 なお、 その場合においても、 第 1 ピス トン 1 0 4の周方向は、 第 1 ピス ト ン 1 0 4の外周縁に沿った方向であり、 第 1 ピス トン 1 0 4の中心軸まわりの方向となる
[ 0 0 9 1 ] また、 例えば、 突起部材 1 0 9の基部 1 0 9 aの軸方向と直交する断面形状は、 円形状 でなくてもよい。 当該断面形状は、 例えば、 楕円形状または多角形状等であってもよい。 なお、 その場合においても、 基部 1 〇 9 aの周方向は、 基部 1 0 9 aの外周縁に沿った方 向であり、 基部 1 0 9 aの中心軸まわりの方向となる。
[ 0 0 9 2 ] また、 例えば、 第 2ピス トン 1 1 1の摺動方向である第 2摺動方向は、 ハウジング 1 〇 ! の軸方向と異なっていてもよい。 第 2液室 S 2の中心軸がハウジング 1 〇 ! と同軸上に 配置されない場合、 第 2摺動方向は、 ハウジング 1 〇 1の軸方向と異なる第 2液室 S 2の 軸方向となる。 また、 第 2摺動方向は、 第 1摺動方向と一致していなくてもよい。 第 2液 室 S 2の中心軸が第 1液室 S 1 と同軸上に配置されない場合、 第 2摺動方向は、 第 1摺動 方向と異なる第 2液室 S 2の軸方向となる。
[ 0 0 9 3 ] また、 例えば、 第 2液室 S 2および第 2ピス トン 1 1 1の第 2摺動方向と直交する断面 形状は、 円形状でなくてもよい。 当該断面形状は、 例えば、 楕円形状または多角形状等で あってもよい。 なお、 その場合においても、 第 2ピス トン 1 1 1の周方向は、 第 2ピス ト ン 1 1 1の外周縁に沿った方向であり、 第 2ピス トン 1 1 1の中心軸まわりの方向となる 〇
[ 0 0 9 4 ] また、 例えば、 図 2の例に対して、 第 2ピス トン 1 1 1、 第 2シール部材 1 1 2および 第 3付勢部材 1 1 3、 ! 1 4を省略したものも本発明に係る減衰装置に まれ得る。 この 場合、 第 2液室 S 2も省略され得る。
[ 0 0 9 5 ] また、 例えば、 図 2の例に対して、 第 2貫通孔 1 0 4 f 、 第 3貫通孔 1 〇 9 dおよび第 4 貫通孔 1 1 1 cの少なく とも 1つを省略したものも本発明に係る減衰装置 含まれ得る 〇 ただし、 第 3貫通孔 1 0 9 dが省略される場合、 突起部材 1 0 9よりも入口ポート P 1 側から出口ポート P 2側までブレーキ液が流通できるようにする 要がある。 また、 第 4 貫通孔 1 1 1 cが省略される場合、 第 2ピス トン 1 1 1よりも入口ポート P 1側から出口 ポート P 2側までブレーキ液が流通できるようにする 要がある。
【符号の説明】
[ 0 0 9 6 ]
1 ブレーキシステム
1 1 ブレーキペダル
1 2 倍カ装置
1 3 マスターシリンダ
1 4 リザーバ
1 5 液圧制御ユニッ ト
1 6 ブレーキ装置
1 7 車輪
2 1 主流路
2 2 副流路
2 3 供給流路
3 1 込め弁
3 2 弛め弁
3 3 第 1弁
3 4 第 2弁
3 5 アキュムレータ
3 6 ポンプ
3 7 モータ
! 〇〇 減衰装置
1 0 1 ハウジング
1 0 1 a 第 1孔部
1 0 1 b 第 2孔部
1 0 1 c 第 3孔部
1 0 1 d 第 4孔部 (第 5貫通孔)
1 0 1 e 第 5孔部
1 0 2 第 1カバー
1 0 3 第 2カバー
1 0 4 第 1 ピス トン
1 0 4 第 1貫通孔
1 0 4 f 第 2貫通孔
1 0 5 第 1シール部材
1 〇 6 第 1弁体
1 0 7 ケース部材
1 〇 8 第 1付勢部材
1 〇 9 突起部材
1 0 9 a 基部
1 0 9 b 突起部
1 0 9 d 第 3貫通孔
1 1 〇 第 2付勢部材
1 1 1 第 2ピス トン 1 1 1 c 第 4貫通孔
1 1 2 第 2シール部材
1 1 3 第 3付勢部材
1 1 4 第 3付勢部材
1 1 5 第 2弁体
1 1 6 第 4付勢部材
P 1 入口ポート
P 2 出口ポート
S 1 第 1液室
S 2 第 2液室
S 3 第 3液室