Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
DEEP-HOLE BORING DRILL HEAD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/157104
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a deep-hole boring drill head, which causes no disc to clog chip discharge ports when the head body of a drill head passes through a cutting object. The deep-hole boring drill head is constituted such that a central cutting blade tip (6) is so mounted at a head center portion to confront chip discharge ports (4 and 5) that the blade edge (6a) of the blade tip is inclined downward to the head center portion, such that a circumferential cutting blade tip (7) is so mounted on the circumferential portion that the blade edge (7a) of the blade tip is inclined upward to the head center portion, such that an intermediate cutting blade tip (8) is so mounted on an intermediate portion that the blade edge (8a) of the blade tip is inclined upward to the head center portion, and such that the inside of the hollow portion (3) of a head body (2) is a chip discharge passage communicating with the chip discharge ports (4 and 5). At the head center side end portion of a relief face (8b) of the intermediate cutting blade tip (8) inclined upward to the head center portion, a disc breaker (12) is formed to have a face inclined downward to the head center portion.

More Like This:
Inventors:
NOMURA TAKUJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/072629
Publication Date:
December 30, 2009
Filing Date:
December 12, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
UNITAC INC (JP)
NOMURA TAKUJI (JP)
International Classes:
B23B51/06
Foreign References:
JP2008126340A2008-06-05
JP2007216320A2007-08-30
JP2007276056A2007-10-25
Other References:
None
See also references of EP 2298478A4
Attorney, Agent or Firm:
FUJIKAWA, Tadashi et al. (JP)
Tadashi Fujikawa (JP)
Download PDF:
Claims:
 ヘッド本体先端面に開口した切屑排出口に臨んでヘッド中心部に中心側切刃チップを刃先縁がヘッド中心部に向かって下り傾斜状となるように取り付け、周辺部には周辺側切刃チップを刃先縁がヘッド中心部に向かって上り傾斜状となるように取り付け、中間には中間側切刃チップを刃先縁がヘッド中心部に向かって上り傾斜状となるように取り付け、ヘッド本体の中空部内を前記切屑排出口に連通する切屑排出路とした深孔切削用ドリルヘッドにおいて、
 中間側切刃チップが中心側切刃チップと周方向にオーバーラップする部分又はそれより若干手前側を含む部分の先端面側を切除することにより、ヘッド中心部に向かって上り傾斜状の中間側切刃チップの逃げ面のヘッド中心側端部に、ヘッド中心部に向かって下り傾斜となる傾斜面からなるディスクブレーカーを形成してなる深孔切削用ドリルヘッド。
 前記ディスクブレーカーは、前記オーバーラップする部分又はそれより若干手前側を含む部分においてヘッド本体の回転軸線と直交する面に対する角度が0°~60°となるような傾斜面に形成されている請求項1に記載の深孔切削用ドリルヘッド。
Description:
深孔切削用ドリルヘッド

 本発明は、ヘッド本体先端面に開口した 屑排出口に臨んで中心部に中心側切刃チッ 、周辺部に周辺側切刃チップ、その中間に 間側切刃チップが取り付けられ、中空部内 前記切屑排出口に連通する切屑排出路とし 深孔切削用ドリルヘッドに関する。

 図5は従来の深孔切削装置による深孔切削 加工状態を示したもので、先端部にドリルヘ ッド31を保持したボーリングバー41の基端側 、図示しない工具チャックを介して工作機 のスピンドル等に連結して回転駆動するか は逆に被削材Wを回転させることにより行う ここでは、クーラントは外部供給方式とし 、中空状ボーリングバー41を油密に包囲す クーラント供給ジャケット13を用い、このジ ャケット13をシールリング14を介して被削材W 押接した状態で、導入口15からジャケット13 内にクーラントCを供給すると、クーラントC 、ボーリングバー41の外周面と切削穴Hの内 面との間隙Tよりドリルヘッド31のヘッド本 32先端側へ供給され、図7の(a) から分かる うに、切削部で発生する切屑Sと共にヘッド 体32(図6及び図7参照)の切屑排出口34,35から ーリングバー41内の切屑排出路40へと流入し 外部へ排出される。また、図6及び図7の(a)  に示すように、ヘッド本体32には先端面32aに 口した切屑排出口34,35に臨んで中心部に中 側切刃チップ36、周辺部に周辺側切刃チップ 37、その中間に中間側切刃チップ38が取り付 られている。尚、図6及び図7において、16は リルヘッド31の外周先端側に設けられたガ ドパッド、17は同外周のやや中間寄りに設け られたクランプ溝を示す。

 切削部へのクーラントの供給は、上記し 図5及び図7の(a) に示す所謂BTAシステムのよ うな外部供給方式(シングルチューブ方式)の に、図7の(b) に示す所謂エジェクタシステ のような内部供給方式(ダブルチューブ方式 )とがあり、内部供給方式におけるクーラン は、図7の(b) に矢印で示すように、二重筒 のボーリングバー41の基部側で内外筒42,43間 クーラント供給路40aに導入され、先部側で リルヘッド31の周壁に設けたクーラント導 口46より外側へ流出して切削部側へ供給され 、切削部で発生する切屑Sと共にドリルヘッ 31の切屑排出口34,35から内筒43の内側で構成 る排出路40bへ流入させて外部へ排出する。

 ところで、上記のようにボーリングバー4 1の先端部のドリルヘッド31によって被削材W 深孔切削加工を行う際に、ドリルヘッド31が 被削材Wを貫通するまでは、切刃チップ36,37,38 によって切削される被削材Wの切屑Sは、図7の (a) ,(b) に示すようにドリルヘッド31の切屑 出口34,35の径より小さい片に分断されて、こ の切屑排出口34,35から内部の切屑排出路40,40b 流入して外部へ排出されてゆくが、ドリル ッド31が被削材Wを貫通する時、つまりドリ ヘッド31が図5の仮想線で示すように被削材W の先端壁部分Woを切削して突き破る時には、 リルヘッド31の中心側、周辺側、中間側の3 の切刃チップ36,37,38によって切削された被 材Wの切屑が、図8の(a-1),(a-2)~(d-1),(d-2)に示す うなディスクSa~Sdと呼ばれるディスク状の り残し塊状片となって、切屑排出口34,35から 排出されることなくヘッド本体の先端面側に 残る。しかして、被削材Wが一つの被削材で る場合は、貫通した被削材Wの孔から前方へ 出されて落下するため其れほど問題になら いが、図9に示すように複数枚の被削材W1~W5 重ねて深孔加工を行う場合には、1枚目の被 削材W1の孔を明けて2枚目の被削材W2の孔加工 しようとすると、1枚目被削材W1の孔の出口 ディスクSa~Sdが詰まって切屑の排出口が塞 れ、孔加工ができなくなってしまうという 題があった。

 図8の(a-1) 及び(a-2) は、中心側、周辺側 中間側の3つの切刃チップ36,37,38を備えたド ルヘッド31の中心側切刃チップ36によって発 生する円錐形状のディスクSaの正面図及び断 図、(b-1) 及び(b-2) は中間側切刃チップ38に よって発生するドーナツ状のディスクScの正 図及び断面図、(c-1) 及び(c-2) は周辺側切 チップ37によって発生する径大ドーナツ状の ディスクSbの正面図及び断面図であり、(d-1)  及び(d-2) は中心側切刃チップ36と中間側切刃 チップ38とによって発生するハット状のディ クSdで、ディスクSaとディスクScとが一体に 合したものを示す正面図及び断面図である

 本発明は、上記の課題に鑑み、ドリルヘ ドのヘッド本体が被削材を貫通した時に、 屑排出口を塞ぐようなディスクを発生させ ことなく、切屑を細かく分断して、確実に 屑排出口から排出させることのできる深孔 削用ドリルヘッドを提供することを目的と る。

 上記課題を解決するための手段を、後述す 実施形態の参照符号を付して説明すると、 求項1に係る発明は、ヘッド本体先端面2aに 口した切屑排出口4,5に臨んでヘッド中心部 中心側切刃チップ6を刃先縁6aがヘッド中心 に向かって下り傾斜状となるように取り付 、周辺部には周辺側切刃チップ7を刃先縁7a ヘッド中心部に向かって上り傾斜状となる うに取り付け、中間には中間側切刃チップ8 を刃先縁8aがヘッド中心部に向かって上り傾 状となるように取り付け、ヘッド本体2の中 空部3内を前記切屑排出口4,5に連通する切屑 出路とした深孔切削用ドリルヘッドにおい 、
 中間側切刃チップ8が中心側切刃チップ6と 方向にオーバーラップする部分OL又はそれよ り若干手前側を含む部分Mの先端面側を切除 ることにより、ヘッド中心部に向かって上 傾斜状の中間側切刃チップ8の逃げ面8bのヘ ド中心側端部に、ヘッド中心部に向かって り傾斜となる傾斜面からなるディスクブレ カー12を形成してなることを特徴とする。

 請求項2は、請求項1に記載の深孔切削用 リルヘッドにおいて、前記ディスクブレー ー12は、図2の(b) に示すように、前記オーバ ーラップ部分OL、又は図3に示すようにそれよ り若干手前側を含む部分Mにおいてヘッド本 2の回転軸線Gと直交する面Qに対する角度が0 ~60°となるような傾斜面に形成されているこ とを特徴とする。

 上記解決手段による発明の効果を、後述 る実施形態の参照符号を付して説明すると 請求項1に係る発明によれば、中間側切刃チ ップ8が中心側切刃チップ6と周方向にオーバ ラップする部分OL又はそれより若干手前側 含む部分Mの先端面側を切除して、ヘッド中 部に向かって上り傾斜状の中間側切刃チッ 8の逃げ面8bのヘッド中心側端部に、ヘッド 心部に向かって下り傾斜となる傾斜面から るディスクブレーカー12を形成しているか 、ディスクブレーカー12によって、特に中心 側切刃チップ6で削られる切屑と中間側切刃 ップ8で削られる切屑との縁が切られ、これ よりドリルヘッド1が被削材Wを貫通する時 は、各切刃チップ6,7,8と被削材Wの先端壁部 との間で形成されようとする削り残し塊状 が分断破砕されて、その分断破砕された切 は、切屑排出口4,5から内部の切屑排出路3へ 入して外部へ排出される。

 従って、複数枚の被削材W1~W5を重ねて深 加工を行う場合も、1枚目の被削材W1を貫通 る時には、各切刃チップ6,7,8と被削材Wの先 壁部分との間で形成されようとする削り残 塊状片が分断破砕され、その分断破砕され 切屑は、切屑排出口4,5から内部の切屑排出 3へ流入して外部へ排出されるから、ヘッド 体2の切屑排出口4,5を塞がれることがなくな って、2枚目以降も正常な切削が行われ、複 枚の被削材の重ね深孔加工を適正に行うこ ができる。

 請求項2に係る発明のように、ディスクブ レーカー12は、オーバーラップ部分OL又はそ より若干手前側を含む部分Mにおいてヘッド 体2の回転軸線Gと直交する面Qに対する角度 が0°~60°の範囲の傾斜面に形成されることが 望ましい。この角度θが0°以下のときは、す わちマイナス度になれば中心側切刃チップ6 で削られる切屑と中間側切刃チップ8で削ら る切屑との縁が切れにくく、ディスクブレ カー12の役割を果たさない恐れがあり、また この角度θが60°以上の場合には、ディスクブ レーカー12の周辺側端縁が尖鋭化し過ぎて欠 する恐れがある。

(a) は本発明に係る深孔切削用ドリル ッドを示す正面図、(b) はその平面図である 。 (a) は図1の(a) の一部拡大図、(b) は更 にその一部拡大図である。 本発明に係るディスクブレーカーの他 実施形態を示す図2の(b) と同様な一部拡大 である。 (a) は本発明に係るドリルヘッドを示 斜視図、(b) は従来のドリルヘッドを示す斜 視図である。 従来の深孔切削用ドリルヘッドを備え 深孔切削装置による深孔加工状態を示す縦 面図である。 従来の深孔切削用ドリルヘッドを示す 面図である。 従来の深孔切削用ドリルヘッドを備え 深孔切削装置による深孔加工中のドリルヘ ドを示し、(a) はクーラント外部供給方式 おける軸方向に沿う断面図、(b) はクーラン ト内部供給方式における軸方向に沿う断面図 である。 ドリルヘッドが被削材を通過する時に リルヘッドの切刃チップによって形成され ディスクと呼ばれる削り残し塊状片を示し (a-1) ~(d-1)は正面図 、(a-2) ~(d-2)は 断面図 ある。 複数枚の被削材を重ねて深孔加工する 態の断面図である。

符号の説明

1      ドリルヘッド
2      ヘッド本体
2a     ヘッド本体先端面
3      ヘッド本体の中空部(切屑排出路)
4,5    切屑排出口
6      中心側切刃チップ
7      周辺側切刃チップ
8      中間側切刃チップ
12     ディスクブレーカー

 以下に本発明の好適な実施形態を図面に づいて説明すると、図1の(a) は本発明に係 深孔切削用ドリルヘッド1を示す正面図、(b)  はその平面図であり、図2の(a) は図1の(a)  一部拡大図、(b) は更にその一部拡大図で り、図3は本発明の他の実施形態を示す図2の (b) と同様な一部拡大図であり、図4の(a) は 発明に係るドリルヘッド1を示す斜視図、(b)  は従来のドリルヘッドを示す斜視図である 図4の(a)において、この深孔切削用ドリルヘ ッド1は、先端側が略鈍角円錐形を成す略円 形状のヘッド本体2を有し、ヘッド本体2の内 部は中空部3(図1)を形成し、ヘッド本体2の下 側は全面開口している。

 略鈍角円錐形を成すヘッド本体先端面2a は、中空部3と連通する大小2つの切屑排出口 4,5が相互に径方向に対向して形成され、大き い切屑排出口4のヘッド径方向に沿う開口側 に中心側切刃チップ6及び周辺側切刃チップ7 が、また小さい切屑排出口5のヘッド径方向 沿う開口側縁に中間側切刃チップ8が、夫々 ッド側に設けた凹窪部9,10,11にロウ付けされ ている。

 図1の(a)、図2及び図4の(a)に示すように、 心側切刃チップ6は、その刃先縁6aがヘッド 心部に向かって下り傾斜となるように取り けられ、従って逃げ面6bもヘッド中心部に かって下り傾斜状となっており、周辺側切 チップ7は、その刃先縁7aがヘッド中心部に かって上り傾斜となるように取り付けられ 従って逃げ面7bもヘッド中心部に向かって上 り傾斜状となっており、また中間側切刃チッ プ8は、周辺側切刃チップ7と同様に刃先縁8a ヘッド中心部に向かって上り傾斜となるよ に取り付けられ、従って逃げ面8bもヘッド中 心部に向かって上り傾斜状となっている。尚 、図2及び図3において、6c,7c,8cは掬い面を示 、6d,7d,8dはチップブレーカーを示す。また図 1~図3において、Gはヘッド本体2の回転軸線を す。

 そして、本発明に係るドリルヘッド1の特 徴とするところは、図2の(a) 及び(b) から分 るように、中間側切刃チップ8が中心側切刃 チップ6と周方向にオーバーラップする部分OL の先端面側を切除することにより、ヘッド中 心部に向かって上り傾斜状の中間側切刃チッ プ8の逃げ面8bのヘッド中心側端部に、ヘッド 中心部に向かって下り傾斜となる傾斜面から なるディスクブレーカー12を形成したことで る。図2の(b) には、中間側切刃チップ8が中 心側切刃チップ6と周方向にオーバーラップ る部分OLの先端面側の切除部分を黒色で塗り 潰して符号Kで示す。さらに正確には、ディ クブレーカーなる用語は、中心側切刃チッ 6、周辺側切刃チップ7及び中間側切刃チップ 8によって形成されるディスク状の削り残し 状片であるディスクSa~Sd(図8)を横断状の分断 破砕し、ブレーカーとしての役割を的確に表 現するために本出願人によって便宜上用いら れたものである。

 この実施形態にあっては、ディスクブレ カー12は、図2の(b) に示すように、前記オ バーラップ部分OLにおいてヘッド本体2の回 軸線Gと直交する面Qに対する角度θが20°とな るような傾斜面に形成されている。この場合 、ヘッド中心部に向かって上り傾斜をなして いる中間側切刃チップ8の刃先縁8aの前記直交 面Qとの角度αは20°となっている。

 図2の(a) に示す実施形態では、中間側切 チップ8が中心側切刃チップ6と周方向にオ バーラップする部分OLの先端面側を切除して 、中間側切刃チップ8の逃げ面8bのヘッド中心 側端部にディスクブレーカー12を形成してい が、本発明に係るディスクブレーカー12は 中間側切刃チップ8が中心側切刃チップ6と周 方向にオーバーラップする部分OLに限るもの はなく、このオーバーラップ部分OLより若 手前側から切除することによっても形成す ことができ、その実施形態を図3に示す。即 、図3の実施形態においては、中間側切刃チ ップ8が中心側切刃チップ6と周方向にオーバ ラップする部分OLより若干(例えばオーバー ップする部分OLの幅の1/2~1/3程度)手前側を含 む部分Mの先端面側を切除することにより、 ッド中心部に向かって上り傾斜状の中間側 刃チップ8の逃げ面8bのヘッド中心側端部に ヘッド中心部に向かって下り傾斜となる傾 面からなるディスクブレーカー12を形成して いる。この図3の実施形態では、ディスクブ ーカー12は、前記オーバーラップ部分OLより 干手前側を含む部分Mにおいてヘッド本体2 回転軸線Gと直交する面Qに対する角度θが20° となるような傾斜面に形成されている。この 場合、ヘッド中心部に向かって上り傾斜をな している中間側切刃チップ8の刃先縁8aの前記 直交面Qとの角度αは20°となっている。

 図4の(b) は従来のドリルヘッド31を示し もので、本発明に係るドリルヘッド1と比較 れば分かるように、この従来のドリルヘッ 31では、中心側切刃チップ36及び周辺側切刃 チップ37については本発明に係るドリルヘッ の中心側切刃チップ6及び周辺側切刃チップ 7と夫々同じ構造であるが、中間側切刃チッ 38は、刃先縁38a及び逃げ面38bがヘッド周辺側 端部からヘッド中心側端部に至るまで上り傾 斜状に形成されており、しかして図2の(b) を 参照すれば分かるように、中間側切刃チップ 8が中心側切刃チップ6と周方向にオーバーラ プする部分OLの先端面側切除部分Kがそのま 残った構造となっており、中心側切刃チッ 6で削られる切屑Saと中間側切刃チップ8によ って削られる切屑Scとが残存部分K(図2の(b))で つながって破断することができない。

 これがために、ドリルヘッド31が被削材W 貫通する時、つまりドリルヘッド31が図5の 想線で示すように被削材Wの先端壁部分Woを 削して突き破る時に、ドリルヘッド31の中 側、周辺側、中間側の3つの切刃チップ36,37,3 8によって切削された被削材Wの切屑が、図8に 示すようなディスクSa~Sdと呼ばれる削り残し 状片となって、切屑排出口34,35から排出さ ずにヘッド本体の先端面側に残ることにな 。しかして、被削材Wが一つの被削材である 合は、貫通した被削材Wの穴から前方へ排出 されて落下するため其れほど問題にならない が、図9に示すように複数枚の被削材W1~W5を重 ねて深孔加工を行う場合には、1枚目の被削 W1の孔を明けて2枚目の被削材W2の孔加工をし ようとすると、1枚目被削材W1の孔の出口でデ ィスクSa~Sdが詰まって切屑の排出口が塞がれ 孔加工ができなくなるのである。

 然るに、本発明のドリルヘッド1によれば 、上記のように中間側切刃チップ8が中心側 刃チップ6と周方向にオーバーラップする部 OLの先端面側を切除することにより、ある はオーバーラップ部分OLより若干手前側を含 む部分Mの先端面側を図2の(b)の切除部分Kで示 すように切除することにより、ヘッド中心部 に向かって上り傾斜状の中間側切刃チップ8 逃げ面8bのヘッド中心側端部に、ヘッド中心 部に向かって下り傾斜となる傾斜面からなる ディスクブレーカー12を形成しているから、 のディスクブレーカー12によって、中心側 刃チップ6で削られる切屑と中間側切刃チッ 8で削られる切屑との縁が切られると共に、 中間側切刃チップ8で削られる切屑と周辺側 刃チップ7で削られる切屑との縁も切られ、 れによりドリルヘッド1が被削材Wを貫通す 時には、各切刃チップ6,7,8と被削材Wの先端 部分との間で形成されようとする削り残し 状片が分断破砕されて、その分断破砕され 切屑は、切屑排出口4,5から内部の切屑排出 3へ流入して外部へ排出されることになる。

 従って、図9に示すように複数枚の被削材 W1~W5を重ねて深孔加工を行う場合も、1枚目の 被削材W1を貫通する時には各切刃チップ6,7,8 被削材Wの先端壁部分との間で形成されよう する削り残し塊状片が分断破砕され、その 断破砕された切屑は、切屑排出口4,5から内 の切屑排出路3へ流入して外部へ排出される から、ヘッド本体2の切屑排出口4,5を塞がれ ことがなくなって、2枚目以降も正常な切削 行われ、複数枚の被削材の重ね深孔加工を 正に行うことができる。

 前記ディスクブレーカー12は、図2の(b)  び図3に示すように、オーバーラップ部分OL はそれより手前側を含む部分Mにおいてヘッ 本体2の回転軸線Gと直交する面Qに対する角 θが0°~60°の範囲の傾斜面に形成されること が望ましい。この角度θが0°以下のときは、 なわちマイナス度になれば中心側切刃チッ 6で削られる切屑と中間側切刃チップ8で削 れる切屑との縁が切れにくく、ディスクブ ーカー12の役割を果たさない恐れがあり、ま たこの角度θが60°以上の場合には、ディスク ブレーカー12の周辺側端縁が尖鋭化し過ぎて 損する恐れがある。