野村 倬司 (〒33 兵庫県尼崎市南武庫之荘3丁目23-21 ユニタック株式会社内 Hyogo, 6610033, JP)
ユニタック株式会社 (〒33 兵庫県尼崎市南武庫之荘3丁目23-21 Hyogo, 6610033, JP)
NOMURA, Takuji (Minamimukonoso 3-chome Amagasaki-sh, Hyogo 33, 6610033, JP)
| 切削ヘッド部の外周に、切削穴内周に摺接するガイドパッドがロウ付けされた深穴切削装置において、 前記ガイドパッドは、その工具先端側を尾端側よりも工具回転方向の前方側とする斜めに配置していることを特徴とする深穴切削装置。 |
| 前記ガイドパッドの幅方向中央線が工具軸線方向に対して10~40度の角度で傾斜してなる請求項1記載の深穴切削装置。 |
| 前記ガイドパッドの外面側が切刃による切削円周に沿う円弧面をなす請求項1又は2に記載の深穴切削装置。 |
本発明は、深穴切削加工に使用する切削 置、特に切削ヘッド部の外周にガイドパッ がロウ付けされた深穴切削装置に関する。
一般的に、深穴切削装置における切削ヘ ド部の外周に設けられるガイドパッドは、 孔中に切削穴の内周に摺接して切刃による 削反力を切削穴内周面に受け止めさせ、そ 摺接部位と切刃との位置関係を常に一定に たせる所謂バニッシング作用により、切削 ッド部を振れのない定軸線の回転状態に維 して切削精度を高めると共に、切削に伴う 内周の凹凸を押し潰して平滑に均す作用を 揮する。このようなガイドパッドとしては 切削ヘッド部に一体形成される場合もある 、鋼製の切削ヘッド部の外周に設けたパッ 取付凹部に対し、超硬合金やサーメット等 硬質材料からなるチップをロウ付けするか 同様のチップをねじ止めするものが主流で る。しかして、ロウ付けタイプのガイドパ ドは、切刃もロウ付けタイプとした切削ヘ ド部に適用されるのが普通である。
図6(A)~(C)にガイドパッド及び切刃が共に ウ付けタイプであるドリルヘッドの一例を す。このドリルヘッド1Bは、先部側の切削ヘ ッド部10aと、尾部側の外周に雄ねじ11を設け ねじシャンク部10bとで、中空内部が後端側 開放した切粉排出路12をなす略円筒状のヘ ド本体10を構成し、その切削ヘッド部10aの先 端面1aに、切粉排出路12に連通する大小扇形 切粉排出口13,14が開口している。そして、両 切粉排出口13,14の壁に沿って凹設された3つの 切刃取付座15に、それぞれ超硬合金やサーメ ト等の硬質材料からなる外周側及び中心側 中間部の3つの切刃2A~2Cが各々ロウ付けされ と共に、切削ヘッド部10aの外周面1bの二カ に凹設されたヘッド軸方向に沿う溝状のパ ド取付凹部16に、それぞれ略厚肉帯板状のガ イドパッド3がロウ付けされ、また切削ヘッ 部10aの外周面後部側の径方向対向位置には それぞれチャッキング用溝部17が形成されて いる。なお、各ガイドパッド3の外面側は、 ウ付け後の研磨加工により、外周側切刃2Aに よる切削円周に沿う円弧面3aに加工されると に、その四周縁が面取り3bされている。
切削加工は、図7(A)に示すように、深穴切 削用ドリルの丸パイプ状をなす工具シャンク (ボーリングバーとも称される)4の先端部に、 ドリルヘッド1Bをねじシャンク部10bの螺入に って連結した状態で、該工具シャンク4を工 作機械のスピンドル等に連結して回転駆動す るか、逆に被削材W側を回転させることによ て行う。なお、以下における工具回転方向 は、後者の被削材W側の回転駆動による切削 工を含めて、加工時の被削材Wに対する工具 側の相対回転方向を意味するものとする。
この場合、クーラントCは、外部供給方式 として、図示の如く工具シャンク4を油密に 囲するクーラント供給ジャケット41をシール リング42を介して被削材Wに押接した状態で、 導入口43から該ジャケット41内に高圧で導入 れ、工具シャンク4の外周面と切削穴Hの内周 面との間隙Tよりドリルヘッド1Bの先端側へ供 給され、図7(B)で示すように、切削部で発生 る切粉Fと共にドリルヘッド1Bの切粉排出口13 ,14から切粉排出路12内へ流入し、工具シャン 4内の切粉排出路4aを通って外部へ排出され 。そして、この加工中、切削穴Hの内周に摺 接するガイドパッド3,3により、切削反力が切 削穴Hの内周面に受け止められ、ドリルヘッ 1Bの回転状態が安定に維持されると共に、穴 内周が平滑に均されることになる。
ところで、この種の深穴切削装置におい 、ある程度の使用回数に達した段階でガイ パッド表面の摩耗状況を見ると、一般的に 耗部の中心が工具先端から離れるほど工具 転方向後方へずれることが判明している。 って、前記従来構成の深穴切削装置では、 6(C)で示すように、ガイドパッド3の円弧面3a において、破線ハッチングで表す摩耗部Z1が 具回転方向の後方側に偏った形になる。図 、L1は摩耗中心線であり、工具軸線方向L0に 対して角度θで傾斜している。
しかるに、ガイドパッド3の摩耗部Z1は全 が切削反力を切削穴Hの内周に受け止めさせ る摺接領域に相当するから、円弧面3a上で摩 部Z1が偏っている状況下では、ガイドパッ 3全体として切削穴H周面に対して不均等に押 接し、この押接による応力が4具中心から逸 た方向に向かうことになり、これによって 削状態が不安定化して加工精度の低下に繋 る上、ガイドパッド3自体も不均等摩耗によ て短寿命になる。
本発明は、上述の情況に鑑み、切削ヘッ 部にガイドパッドがロウ付けされた深穴切 装置として、安定した切削状態で高い加工 度が得られ、且つガイドパッドを長寿命化 得るものを提供することを目的としている
上記目的を達成するために、本発明の請 項1は、図面の参照符号を付して示せば、切 削ヘッド部10aの外周に、切削穴H内周に摺接 るガイドパッド5がロウ付けされた深穴切削 置において、ガイドパッド5は、その工具先 端側を尾端側よりも工具回転方向yの前方側 する斜めに配置していることを特徴として る。
請求項2の発明は、上記請求項1の深穴切 装置において、ガイドパッド5の幅方向中央 L1が工具軸線方向L0に対して10~40度の角度θ 傾斜してなる構成としている。
請求項3の発明は、上記請求項1又は2の深 切削装置において、ガイドパッド5の外面側 が切刃(外周側切刃2A)による切削円周Sに沿う 弧面5aをなす構成としている。
請求項1の発明に係る深穴切削装置によれ ば、切削ヘッド部の外周にロウ付けされるガ イドパッドが工具先端側を尾端側よりも工具 回転方向の前方側とする斜め配置になってい るから、ガイドパッド表面の摩耗中心が工具 先端から離れるほど工具回転方向後方へずれ ても、ガイドパッド外面上では摩耗部が偏ら ず、もってガイドパッド全体として切削穴周 面に対して均等に押接し、その押接による応 力が工具中心に向かうから、切削状態が安定 して加工精度の向上に繋がると共に、ガイド パッド自体も摩耗の均等化で寿命が延びるこ とになる。
請求項2の発明によれば、ガイドパッドの 幅方向中央線が工具軸線方向に対して適度な 角度範囲で傾斜していることから、その傾斜 方向が加工に伴う摩耗中心の傾き方向により 近くなり、加工精度がより向上する。
請求項3の発明によれば、ガイドパッドの 外面側が切削円周に沿う円弧面をなすから、 切削ヘッド部に対するガイドパッド用原材チ ップのロウ付け後の研磨加工により、該円弧 面を容易に且つ精度よく形成できる。
1A ドリルヘッド
10a 切削ヘッド部
18 パッド取付凹部
2A~2C 切刃
5 ガイドパッド
5a 円弧面
50 ガイドパッド用原材チップ
H 切削穴
L0 工具軸線方向
L2 幅方向二等分線
S 切削円周
y 工具回転方向
θ 角度
以下、本発明に係る深穴切削装置の実施 態について、図面を参照して具体的に説明 る。図1(A)~(C)は本実施形態の深穴切削装置 おけるドリルヘッド1A、図2(A)(B)は該ドリル ッド1Aのヘッド本体10、図3は該ドリルヘッド 1Aに用いるガイドパッド用原材チップ50、図4( A)(B)はヘッド本体10に同原材チップ50をロウ付 けした状態、図5は同原材チップ50を研磨加工 後のドリルヘッド1Aの先端面要部、をそれぞ 示す。なお、この実施形態の深穴切削装置 は、ドリルヘッド1Aのガイドパッド5とパッ 取付凹部18の形態を除く基本的構造が図6(A)~ (C)で示す既述の従来構成のドリルヘッド1Bと 様であるため、両ドリルヘッド1A,1Bで共通 る各部については同一符号を付してその説 を省略する。
図1(A)~(C)に示すように、ドリルヘッド1Aは 、ヘッド本体10の切削ヘッド部10aの外周面の カ所にそれぞれ、超硬合金やサーメット等 硬質材料からなる略蒲鉾形のガイドパッド5 が、その凸曲面側を外向きにして、且つ長手 方向一端側である工具先端側を同他端側であ る尾端側よりも工具回転方向yの前方側とす 斜め配置で固着されている。そして、各ガ ドパッド5の幅方向二等分線L2は、工具軸線 向L0に対し、既述した従来構成のドリルヘッ ド1Bにおけるガイドパッド7の摩耗中心線L1〔 6(C)参照)と同じ角度θで傾斜している。
このようなガイドパッド5は、図2(A)(B)に すヘッド本体10の外周面1bに設けたパッド取 凹部18に、図3に示すようなガイドパッド用 原材チップ50をロウ付けしたのち、この原 チップ50の外面側を研磨加工したものである 。
しかして、パッド取付凹部18は、ヘッド 体10の先端面1aから外周面1bの先側半部にわ り、ガイドパッド5の前記斜め配置に対応し 工具軸線方向L0と角度θをなす傾斜方向に沿 う浅い溝状に形成されると共に、その工具回 転方向yの後方側の側縁が受け部18aとして外 への突出量を大きくしている。一方、原材 ップ50は、片側の主面50aの両側縁に面取り50b ,50bを施した厚肉帯板状であり、最終的なガ ドパッド5の寸法形状に対し、主としてロウ け後の外面側になる前記主面50a側に削り代 持っている。
ガイドパッド5の円弧面5aを形成するため 研磨加工は、原材チップ50をロウ付けした ッド本体10の軸心Oを中心として、当該ヘッ 本体10側又は研磨工具側を回転駆動させ、原 材チップ50の主面50a側に研磨工具を接触させ 回転研磨方式にて行えばよい。しかして、 5に示すように、円弧面5aは、外周側切刃2A よる切削円周Sに沿う円弧に設定する。また 原材チップ50の斜め配置により、図4(B)の如 その工具先端側の端部50cがヘッド本体10の 端面1aより傾いて突出するから、この突出部 分を該先端面1aと略面一になるように研磨除 する。更に、ガイドパッド5の外面側の周縁 (円弧面5aの周縁)についても、切削孔H内周へ 食付き防止のために研磨による面取り5bを う。
なお、切刃2A~2Cも相前後してヘッド本体10 の各切刃取付座15にロウ付けするが、特に切 径を定める外周部切刃2Aの外縁側について 、同様にロウ付け後の研磨加工によって所 の刃先端位置を高精度に設定することにな 。
上記構成のドリルヘッド1Aは、既述のよ に、深穴切削用ドリルのドリルヘッド1Bと同 じように工具シャンク4の先端部にねじシャ ク部10bを螺入して連結し〔図7(A)(B)参照〕、 要の深穴切削加工に供される。しかして、 の深穴切削加工では、各ガイドパッド5が切 削穴Hの内周に摺接することにより、切削反 が当該ガイドパッド5を介して切削穴H内周面 に受け止められると共に、切削に伴う穴内周 の凹凸が平滑に均されるが、ガイドパッド5 外面側には切削穴H内周との摺接による摩耗 生じ、その摩耗部の中心が工具先端から離 るほど工具回転方向yの後方側へずれる形に なる。
しかるに、この深穴切削装置では、切削 ッド部10aの外周にロウ付けされたガイドパ ド5が斜め配置しており、その斜め配置方向 つまり幅方向二等分線L2の方向が摩耗中心の き方向と一致するから、図1(B)の点線ハッチ ングで示すように、摩耗部Z2は幅方向二等分 L2の両側で均等に現出する。従って、切削 工中、ガイドパッド5が全体として切削穴H周 面に対して均等に接触し、切削穴Hの内周へ 押接による応力が工具中心に向かうから、 想的なバニッシング作用が発揮され、極め 安定した切削状態に基づく高い加工精度が られる。また、このような摩耗の均等化に り、ガイドパッド5自体の寿命も延びること なる。なお、図1(B)において、ガイドパッド 5の摩耗部Z2が工具先端側から離れるほど幅を 減じているのは、一般的にドリルヘッド1Aの 削ヘッド部10aが全体として僅かに先太テー ー状に設定されることによる。
工具軸線方向L0と斜め配置するガイドパ ド5の幅方向二等分線L2との角度θは、工具径 (切削穴径)や切削条件によって最適範囲は異 るが、一般的には10~40度の範囲とするのが い。すなわち、この角度θが小さ過ぎても大 き過ぎても、切削穴H周面に対して当該ガイ パッド5が均等に接触しにくくなり、押接に る応力方向が工具中心から逸れて切削状態 安定化しにくくなる。なお、ガイドパッド5 を最適な斜め配置とする上では、予め対応す る加工条件下での摩耗中心線の傾きを調べて おき、その傾きに一致する配置角度に設定す るのがよい。
ガイドパッド5の円弧面5aについて、既述 ように原材チップ50を切削ヘッド部10aへロ 付け後の研磨加工にて仕上げるのは、ロウ け特有の位置精度の問題と、当該ガイドパ ド5の斜め配置という特殊事情による。すな ち、ロウ付けでは被着面との間にロウ材が 在するから、予め原材チップ50自体を精密 寸法形状に仕上げていても、切削ヘッド部10 a上での厳密な位置精度を確保できない。ま 、ガイドパッド5が切削ヘッド部10aの軸線方 に対して斜め配置して、且つ円弧面5aがヘ ド部10aの径線上(実施形態では工具中心O)に 弧中心を持つためには、当該円弧面5aをガイ ドパッド5の底面や両側面とは非平行な曲面 設定する必要があり、チップの段階では非 に困難な加工操作を余儀なくされる。しか に、ロウ付け後の研磨加工によれば、これ の問題が一挙に解消される。
本発明の深穴切削装置に用いるガイドパ ドとしては、前記実施形態で例示したもの は長さと幅の比率が種々異なるものを包含 る。しかして、ガイドパッド用の原材チッ については、工具先端側の突出端部の研磨 去を省くために、正面視矩形であってもパ ド取付凹部にロウ付けした際に該端部が突 しない寸法のもの、成形物として予め該端 をロウ付け時の取付ヘッド先端面に沿う向 に形成したもの、両端部がロウ付け時の取 ヘッド先端面に沿う正面視平行四辺形のも 等を用いてもよい。また、ガイドパッドは 全体を超硬合金やサーメット等の硬質材料 する以外に、切削穴内周に摺接させる表面 のみに硬質材料を用い、他の部分をベース して一般鋼等の安価な材料を用いた構造と てもよい。
なお、実施形態ではドリルヘッド1の切削 ヘッド部10aに外周側・中心側・中間の3つの 刃2A~2Cを有するものを例示したが、本発明は 、切削ヘッド部の切刃が一つ、二つ、4つ以 のいずれの場合にも適用できると共に、切 ヘッド部がドリルヘッドとして独立せずに 具シャンクに一体形成された深穴切削装置 も適用可能である。更に、切削ヘッド部が リルヘッドとして独立部材を構成する場合 、図7に示すようなクーラント外部供給方式( シングルチューブ方式)ではなく、二重筒状 工具シャンクにドリルヘッドを接続し,該工 シャンクの内外筒間のクーラント供給路か ドリルヘッドの外側へ導出したクーラント 切粉と共に、ドリルヘッドのクーラント排 口より工具シャンクの内筒内のクーラント 出路へ流入させるようにしたクーラント内 供給方式(ダブルチューブ方式)を採用して よい。
Next Patent: CARBON DIOXIDE UNDERGROUND RESERVING SYSTEM
