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Title:
DETECTION SENSOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/041371
Kind Code:
A1
Abstract:
It is an object to provide a technology that can make a vibrator high in sensitivity. If the ratio (Rb/Ra) of an inside diameter (Ra) to an outside diameter (Rb) of a vibrator (20) is appropriately selected, there may be an immobile point where an (r) displacement component (U(Ra) or U(Rb)) in the radial direction or an (r) displacement component (V(Ra) or V(Rb)) in the tangential direction in the outside diameter portion or inside diameter portion of the vibrator (20) is null. In that case, the vibrator (20) is supported with a holding member (22) comprised of a single span beam set in such a way that a boundary condition on a side of thevibrator (20) is set to be pinned while a boundary condition on a side of an anchor to support the vibrator (20) is set to be clamped, so that such support prevents vibration energy of the vibrator (20) from losing through the holding member (22) and avoids a condition to disturb a vibration mode, thereby making a sensor high in sensitivity.

Inventors:
KONNO, Mitsuo (C/O NATIONAL INSTITUTE OF ADVANCED INDUSTRIAL SCIENCE AND TECHNOLOGY, 2-1 Namiki 1-chome, Tsukuba-sh, Ibaraki 64, 3058564, JP)
昆野 舜夫 (〒64 茨城県つくば市並木1丁目2番地1 独立行政法人産業技術総合研究所内 Ibaraki, 3058564, JP)
IKEHARA, Tsuyoshi (C/O NATIONAL INSTITUTE OF ADVANCED INDUSTRIAL SCIENCE AND TECHNOLOGY, 2-1 Namiki 1-chome, Tsukuba-sh, Ibaraki 64, 3058564, JP)
池原 毅 (〒64 茨城県つくば市並木1丁目2番地1 独立行政法人産業技術総合研究所内 Ibaraki, 3058564, JP)
Application Number:
JP2008/067036
Publication Date:
April 02, 2009
Filing Date:
September 19, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NATIONAL INSTITUTE OF ADVANCED INDUSTRIAL SCIENCE AND TECHNOLOGY (3-1 Kasumigaseki 1-chome, Chiyoda-ku Tokyo, 21, 1008921, JP)
独立行政法人産業技術総合研究所 (〒21 東京都千代田区霞が関一丁目3番1号 Tokyo, 1008921, JP)
OLYMPUS CORPORATION (43-2, Hatagaya 2-chome Shibuya-k, Tokyo 72, 1510072, JP)
オリンパス株式会社 (〒72 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 Tokyo, 1510072, JP)
KONNO, Mitsuo (C/O NATIONAL INSTITUTE OF ADVANCED INDUSTRIAL SCIENCE AND TECHNOLOGY, 2-1 Namiki 1-chome, Tsukuba-sh, Ibaraki 64, 3058564, JP)
昆野 舜夫 (〒64 茨城県つくば市並木1丁目2番地1 独立行政法人産業技術総合研究所内 Ibaraki, 3058564, JP)
International Classes:
G01G3/16; G01N5/02
Attorney, Agent or Firm:
OBA, Mitsuru et al. (OBA & ASSOCIATES, 8FKM Building,4-3, Iwamotocho 1-chom, Chiyoda-ku Tokyo 32, 1010032, JP)
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Claims:
 質量を有した物質の付着または吸着により振動特性が変化するディスク状の振動子と、
 前記振動子を振動させる駆動部と、
 前記振動子における振動の変化を検出することで、前記物質を検出する検出部と、を備え、
 前記振動子は、外径がRaとされ、中央部に開口部が形成されることで内径がRbとされたリング状で、
 前記振動子が振動したときの位置座標(r、θ)における位置rでの、式(19)で表されるRadial方向の変位U(r)、Tangential方向の変位V(r)が、r=RaまたはRbとしたときにU(r)=0またはV(r)=0をほぼ満足する外径Raと内径Rbで、前記振動子が形成され、
 前記振動子は、前記振動子側の境界条件をピン支承(Pinned)、前記振動子を支持するアンカー側の境界条件を固定(Clamped)として設定されたシングルスパンビーム(Single-span beam)によって前記アンカーに支持されていることを特徴とする検出センサ。
 前記シングルスパンビームは、その振動周波数が前記振動子の振動周波数とほぼ等しくなるように、その長さと幅が設定されていることを特徴とする請求項1に記載の検出センサ。
 前記式(19)においてr=RaであるときにU(r)=0またはV(r)=0をほぼ満足する場合、前記振動子は外径部分で支持されていることを特徴とする請求項1に記載の検出センサ。
 前記式(19)においてr=RbであるときにU(r)=0またはV(r)=0をほぼ満足する場合、前記振動子は内径部分で支持されていることを特徴とする請求項1に記載の検出センサ。
 前記式(19)においてr=RaまたはRbであるときにU(r)=0をほぼ満足する場合、前記振動子は、sin(nθ)=0となる位置θで支持されていることを特徴とする請求項3に記載の検出センサ。
 前記式(19)においてr=RaまたはRbであるときにV(r)=0をほぼ満足する場合、前記振動子は、cos(nθ)=0となる位置θで支持されていることを特徴とする請求項3に記載の検出センサ。
 前記検出部は、前記振動子に付着した前記物質の量を検出することを特徴とする請求項1に記載の検出センサ。
 前記物質が特定の分子、あるいは特定の特性または特徴を有する複数種の分子であることを特徴とする請求項1に記載の検出センサ。
Description:
検出センサ

 本発明は、質量を有した物質の有無の検 、物質の質量の検出等を行うために用いる に適した検出センサに関する。

 マイクロマシン/MEMS(Micro Electro Mechanical Sys tems)技術などの微細加工技術の進展により、 械的な振動子を極めて小さく作ることが可 となっている。これにより振動子そのもの 質量を小さく作ることが可能になったこと ら、分子レベルの極微小な物質(例えば分子 やウイルス等)の付着による質量変化によっ も、周波数やインピーダンス特性の変動が ずるほどに高感度な振動子が実現しつつあ 。このような高感度な振動子を用いれば、 微小な物質の存在や量を検出できるセンサ を構成することが可能となる。
 機械的振動子の周波数変化等によって物質 量を検出する装置は、QCM(Quarts Crystal Micro  balance: 水晶天秤)センサとして良く知られて る。これは、水晶振動子に物質が付着する 、付着したその質量に応じて振動周波数が 動する(下がる)性質を利用したもので、微 な質量を計測する質量センサとして優れた 能を有しており、さらに膜厚計(蒸着モニタ) としてもよく用いられている。
 このような振動子は、その大きさが大幅に さくなったことにより、振動子の周波数がG Hzレベルにまで高くなり、しかもSiを材料と ることができるため、半導体回路との一体 を目指した研究に発展しつつある。

 また携帯電話などのパーソナル無線通信 等に盛んに用いられる高周波濾波器は、主 電気的共振器の小型化高性能化を図った誘 体共振器、音波の特性を利用した表面波濾 器(SAW Filter)、および水晶振動子の機械振動 特性を用いた水晶濾波器(Quarts Crystal Filter) があり、それぞれの特性を生かして携帯電 の高周波部などに広く用いられている。し し、無線装置の更なる小型化や高周波数化 どの高性能化と共に低価格化への要求も強 ことから、これら従来の濾波器に変わり、 導体集積回路と一体化、すなわちOne-chip化に よる小型・低価格化が可能な新方式の高周波 濾波器が求められている。MEMS加工技術で作 する機械振動子は、材料が半導体と同じSiを 用いているため、その有力な候補である。そ こで、MEMS振動子の高周波数化、高Q値(High Qua lity Factor)化等を目的とする基礎的な研究、 のMEMS振動子を用いた高周波濾波器や発信器 への応用研究も盛んになってきた(例えば、 非特許文献1参照。)。

 このような振動子の一種として、ディス 状の振動子がある。ディスク状の振動子の 械的振動に関する基礎的研究は、古くから われてきており、ディスク状の振動子の振 状態を規定する振動姿態(振動モード)等の 礎的研究は既に終了したと言っても良い。

C. T.-C. Nguyen, “Vibrating RF MEMS Technology  : Fuel for an Integrated Microchemical Circuit Revo lution?.” The 13th International Conference on Solid -State Sensors, Actuators and Microsystems (Transducers  `05), Korea, June 5-9, 2005

 しかしながら、上記したような、微小質量 付着によって振動特性が変化する振動子を いたセンサや濾波器においては、さらなる 感度化、小型化、低価格化が常に求められ いる。そこで、ディスク状の振動子のMEMS化 に伴う研究課題として、高感度化のためのQ の向上、振動子の駆動・検出法、濾波器へ 応用を目的として振動子の組み合わせによ 特性制御等があり、これらについては継続 に鋭意研究が行われている。
 本発明は、上記のような技術的課題のうち 振動子の高感度化を図ることのできる技術 提供することを目的とする。

 本発明における検出センサは、ディスク状 振動子と、振動子を振動させる駆動部と、 動子における振動の変化を検出することで 物質を検出する検出部と、を備える。この うな検出センサにおいては、物質の質量の 響により生じる振動子の振動の変化を検出 、これによって物質を検出する。なお、物 の検出は、物質の有無の検出だけでなく、 質の量を検出することも可能である。
 このような振動子は、特定の共振モードで 動する。このため振動子の表面では振幅の きな領域や殆ど振動しない領域が生じ、し もその領域が共振モードによって異なるこ から、振動子の表面のどこに検出すべき物 が付着するかによって、検出感度が異なっ しまう問題がある。このため、振動子の表 に一様に物質が付着または吸着したとして 、感度には部位によるばらつきがあるため 、ここに感度向上の余地があるのではない 、と本発明者らは考えた。
 このような振動子において感度向上を図る つの手段とは、感度の高い(振幅の大きい) 位に、物質を集中的・選択的に付着または 着させるというものであり、これについて 本出願人が既に提案を行っている(特開2007-18 7485号公報)。
 また、振動子が部位によって振幅が異なる 性を利用し、振動の少ない部位で振動子を 持することで、振動子の振動を妨げること よるロスを抑制して、高感度化を図るとい 手法も本出願人が既に提案をなしている(特 願2006-73742号)。

 ここで、後者の提案について概略を説明す 。
 振動子を評価するパラメータであるQ値は、 振動子が振動エネルギを失わずにいられるか によって決まり、式(1)のような関係で表すこ とができる。

 すなわち、振動子の振動エネルギが失われ 主な原因として、
  1)空気など周囲の媒質による損失Q air
  2)振動子が振動し変形することによって生 じる損失Q TED
  3)振動子の保持部材による損失Q anchor Loss
およびその他の損失Q others が考えられている。
 1)のQ air を決める空気を代表とする周囲の媒質へのエ ネルギ損失を少なくするためは、振動子の振 動を制御して、振動子の振動エネルギは大き いが周囲の媒質へのエネルギ移動が少ない振 動モードを選ぶことで対処している。例えば ディスク状機械的振動子は振動子のディスク 面内方向にだけ振動し(円柱座標で言えばr、 方向だけの振動で、Z方向には振動しない)、 太鼓の膜のように(Z方向に)振動して大きな振 動エネルギを周囲の媒質に移動することが少 ない。
 また2)のQ TED は、振動子が振動することで変形し、この変 形により断熱膨張や断熱圧縮が起こる。この ため断熱膨張領域は冷え、逆に断熱圧縮する 領域は熱くなり、振動子に温度傾斜が生まれ て、その温度が伝導して平均化することでエ ネルギが失われると言われている。すなわち このエネルギ損失は振動子の振動モードと振 動子の材質によって決まるものと言える。
 さて3)のQ anchor Loss は振動子の保持部による損失で、保持部に振 動子の振動が伝わることによって生ずる。例 えば振動子が振動しない所に保持部を設ける ことによってエネルギ損失を無くすことが可 能になると考えられるが、通常の円盤状のデ ィスク状振動子では、最も一般的な振動子材 料であるSi単結晶を用いる限り、この様な条 を見いだすには至っていない。

 例えば、ディスク状振動子の共振モード 中で最もよく知られているモードにWine-Glass モード(2,1)がある。このようなディスク状振 子の振動における、モード関数であるRadial 向の変位U(r,θ)とTangential方向の変位V(r,θ)は 式(2)で示すことができる。

 Wine-Glassモード(2,1)は、最低周波数の共振モ ドであり、この(2,1)モードの振動の様子は (2)に示すように、Radial方向では、r成分は振 子のr=0を除く全てrにおいて有限の値を持ち 、それがcos2θに従って円周方向に変化してお り、θ=π/4、3π/4、-3π/4、-π/4の角度ではRadial 向の振動は無くなる。このような位置を、n odal pointと称し、その位置で振動子を保持す 手法も提案されている。
 しかしこの(2,1)モードはCompoundモードであり 、Tangential方向にも振動成分があるため、こ Tangential方向の振動においてもr成分はr=0を除 く全てのrに対して有限の値を持ち、それが 周方向ではsin2θに従って変化している。こ ためU(r,θ)が0、すなわちcos2θが0になるθ=π/4 3π/4、-3π/4、-π/4の各角度において、V(r,θ) sin2θが1,-1,1,-1となるため、逆に振幅が最大 なってしまう。すなわちWine-Glassモード(2,1) 振動する円形振動子には、Radial成分とTangenti al成分の振動の双方が0となる部位は存在しな い。

 しかし、本発明者らが鋭意検討を重ねた結 、上記の例とは異なり、振動子上において Radial成分とTangential成分の振動が共に0とな 部位を存在させることのできる手法を見出 に至った。
 このようにして見出した手法においては、 動子を、中央部に開口部が形成されたリン 状とし、その外径をRa、内径をRbとする。こ の振動子が振動したときの位置座標(r、θ)に ける位置rでの変位は、式(3)に示すように、 Radial方向の変位がU(r)、Tangential方向の変位がV (r)によって表されるので、r=RaまたはRbとした ときにU(r)=0またはV(r)=0をほぼ満足する外径Ra 内径Rbで、振動子を形成するのである。

 なお、式(3)において、A6、A7、A8は、振動 の外径Raと内径Rb、振動子材料のヤング率、 密度およびポアソン比と、振動子の境界条件 (この場合はFree-Free条件)によって規定される 有振動モードに伴って一意的に決まる定数 ある。具体的には、後述する式(9)においてA 5=1とした場合、A6、A7、A8は、式(9)の連立一次 方程式の解である。

 このように、リング状の振動子において、 の外径Raと内径Rbの比によって、外径部分ま たは内径部分で振動の生じない部位が出現す ることがある。このときの比は、振動子を形 成する材料のポアソン比や、振動子を振動さ せるときの振動モードのモード数n、高調波 動の次数mによって異なってくる。
 そして、式(3)においてr=RaであるときにU(r)=0 またはV(r)=0をほぼ満足する場合、振動子は、 外径部分に、振動の生じない部位が存在する 。また、式(3)においてr=RbであるときにU(r)=0 たはV(r)=0をほぼ満足する場合は、振動子は 内径部分に、振動の生じない部位が存在す 。
 さらに、式(3)においてr=RaまたはRbであると にU(r)=0をほぼ満足する場合、振動子は、sin( nθ)=0となる位置θに、振動の生じない部位が 在する。また、式(3)においてr=RaまたはRbで るときにV(r)=0をほぼ満足する場合、振動子 、cos(nθ)=0となる位置θに、振動の生じない 位が存在する。
 このようにして、振動子における、Radial成 とTangential成分の振動を共に無くすことがで きる部位が存在する場合、その部位で振動子 を支持することで、感度を向上させることが できる。

 ここで、本発明においては、U(r)=0またはV(r) =0の条件を完全に満足する場合だけでなく、 ぼ満足する場合を許容する。これは、製造 差等により、U(r)=0またはV(r)=0の条件を完全 満足できる外径Ra、内径Rbで、振動子を形成 することが困難であるからであり、また、U(r )=0またはV(r)=0の条件を若干外れた場合であっ ても、外径部分または内径部分において、十 分に振動が小さい場合があるからである。
 上記したような条件を満足する部位は、振 子における、Radial成分とTangential成分の振動 を共に無くすことができるため、このような 部位(以下、このような部位を「不動点」と する)で振動子を保持するのが好ましい。

 さらに本発明者らが研究を継続したところ 以下のような課題が存在することが見出さ た。
 すなわち、具体的に細部の条件を設定して 析を行ったところ、上記したような条件を 足する不動点において振動子を支持しても 振動子を支持する支持部の近傍において、 位が生じていることを見出したのである。
 上記のような条件を満足する不動点は、文 通り「点」である。この不動点を純粋に点 して保持することができれば、保持部材を って振動子の振動エネルギが失われたり、 持部材を付けることで振動モードに影響を えて振動周波数を変化させたりすることは い。しかし、一般には不動点はあくまでも であるのに対し、実際の保持部材は有限の きさが必要である。このため、何ら工夫を えずに振動子を保持すれば、振動子の振動 ネルギが保持部材を通じて失われ、振動姿 が乱される状態が起こる。その結果、上記 たような支持部の近傍における変位が生じ いると本発明者らは把握するに至った。

 そこでなされた本発明は、質量を有した物 の付着または吸着により振動特性が変化す ディスク状の振動子と、振動子を振動させ 駆動部と、振動子における振動の変化を検 することで、物質を検出する検出部と、を える。そして、振動子は、外径がRaとされ 中央部に開口部が形成されることで内径がRb とされたリング状で、振動子が振動したとき の位置座標(r、θ)における位置rでの、式(1)で 表されるRadial方向の変位U(r)、Tangential方向の 位V(r)が、r=RaまたはRbとしたときにU(r)=0また はV(r)=0をほぼ満足する外径Raと内径Rbで振動 が形成される。さらに、振動子は、振動子 の境界条件をピン支承(Pinned)、振動子を支持 するアンカー側の境界条件を固定(Clamped)とし て設定されたシングルスパンビーム(Single-span  beam)によってアンカーに支持されているこ を特徴とする。
 ここで、シングルスパンビームは、その振 周波数が振動子の振動周波数とほぼ等しく るように、その長さと幅が設定されている が好ましい。

 検出部は、振動子に付着した物質の量を検 することができる。
 物質を付着または吸着させるには、例えば 振動子の表面に、分子の吸着を効率よく行 るような吸着材料を付加しても良い。これ は、グローバルな認識材と、選択認識材が る。グローバルな認識材は、選択性は強く いが、ある特定の分子群、例えばアルコー やエーテル等を吸着するポリマーである。 れらのポリマーをナノファイバー化したり またポーラスにして表面積を増やすことも 効である。また選択性の強い認識材として 、抗原-抗体反応を起こすような生物由来の 材料や、アクセプター-レセプターの組み合 せや、遺伝子やDNA、RNAとハイブリダイゼー ョンする特定の塩基配列を持ったプローブ がある。また、脂質二重膜でも良い。

 このような検出センサにおいては、検出 象となる物質を特定の分子、あるいは特定 特性または特徴を有する複数種の分子とす ことができる。これにより、例えば、ガス 出センサ、匂いセンサ等に本検出センサを いることができる。これには、特定の分子 してガスや生体由来の分子、生活空間の浮 分子、揮発性分子等を対象とする場合、特 種の分子のみを高い選択性を持って検出す のが望ましい。また、このように選択性の い検出センサを複数用い、複数種の分子を 識したり、用途の応用範囲を広げることが きる。また、グローバル認識と称される、 定の特徴を持った分子群や、同じ側鎖を持 分子群等を検出することもできる。この場 、検出センサを複数用い、これら複数の検 センサ間における検出能の差から、信号処 やソフトフェアを用いた処理等によって分 群の認識を行うようにしても良い。また、 中で動作するように構成を変更して、特定 たんぱく質や酵素、糖鎖等を検出しても良 。

 微小質量の検出は、薄膜形成の際の膜厚モ タ、抗体抗原反応や蛋白質吸着作用などの イオ研究にも用いることができる。本発明 検出センサは、このような用途に好適であ 。
 また、小型で安定な高感度な家庭用や個人 のガスセンサや、携帯性に優れる使い捨て で空気中などに浮遊する有害物質の検出等 用途にも、本発明の検出センサや振動子を いることも考えられる。更に高感度化が進 ばその応用範囲はさらに広がり、「におい の検出識別が可能となるまで発展すること 可能であり、さらにこれ以外の用途に対し も、本発明の検出センサの利用を妨げるも ではない。
 しかも本発明の検出センサは、いわゆるSi 結晶を構造材料として用いることで、MEMS技 により製造することができることから、Si 導体と同一チップ内に作り込むことも可能 なる。その場合、極めて安価でしかも高性 な微小物質の検出装置とすることができる

 本発明によれば、振動子において、Radial 分とTangential成分の振動のない部位において 、振動子側の境界条件をピン支承(Pinned)、振 子を支持するアンカー側の境界条件を固定( Clamped)として設定されたシングルスパンビー (Single-span beam)によってアンカーに支持する ことで、振動子の振動エネルギが保持部材を 通じて失われるのを防ぎ、振動姿態が乱され る状態を回避し、センサの高感度化を実現で きる。

(a)は本実施の形態のセンサの構成を示 図であり、(b)はディスク状の振動子を示す 視図である。 n=1モードにおける、ディスク状の振動 の外径と内径の比と、U(Ra)、U(Rb)、V(Ra)、V(Rb )の値との関係を示す図であり、(a)は(1,1)モー ドにおける関係図、(b)は(1,2)モードにおける 係図、(c)は(1,3)モードにおける関係図、(d) (1,4)モードにおける関係図である。 n=2モードにおける、ディスク状の振動 の外径と内径の比と、U(Ra)、U(Rb)、V(Ra)、V(Rb )の値との関係を示す図であり、(a)は(2,1)モー ドにおける関係図、(b)は(2,2)モードにおける 係図、(c)は(2,3)モードにおける関係図、(d) (2,4)モードにおける関係図である。 n=3モードにおける、ディスク状の振動 の外径と内径の比と、U(Ra)、U(Rb)、V(Ra)、V(Rb )の値との関係を示す図であり、(a)は(3,1)モー ドにおける関係図、(b)は(3,2)モードにおける 係図、(c)は(3,3)モードにおける関係図、(d) (3,4)モードにおける関係図である。 n=1モードにおける、式(12)が成立すると きのディスク状の振動子の外径と内径の比と 、ポアソン比との関係を示す図であり、(a)は (1,1)モードにおける関係図、(b)は(1,2)モード おける関係図、(c)は(1,3)モードにおける関係 図、(d)は(1,4)モードにおける関係図である。 n=2モードにおける、式(12)が成立すると きのディスク状の振動子の外径と内径の比と 、ポアソン比との関係を示す図であり、(a)は (2,1)モードにおける関係図、(b)は(2,2)モード おける関係図、(c)は(2,3)モードにおける関係 図、(d)は(2,4)モードにおける関係図である。 n=3モードにおける、式(12)が成立すると きのディスク状の振動子の外径と内径の比と 、ポアソン比との関係を示す図であり、(a)は (3,1)モードにおける関係図、(b)は(3,2)モード おける関係図、(c)は(3,3)モードにおける関係 図、(d)は(3,4)モードにおける関係図である。 位置(r CS CS )における全振幅Adと振動方向θdを求めるとき の座標系を示す図である。 外周もしくは内周に不動点が存在する 動子の代表例を示す図である。 (a)は(1,2)モード、Rb/Ra=0.17の振動子にお ける不動点近傍における振動方向と振動振幅 の関係を示す図、(b)は不動点付近の振動ベク トルの模式図である。 (a)は(1,2)モード、Rb/Ra=0.31の振動子にお ける不動点近傍における振動方向と振動振幅 の関係を示す図、(b)は不動点付近の振動ベク トルの模式図である。 図11の例について、振動ベクトルをシ ュレーションした結果を示す図である。 (a)は(2,3)モード、Rb/Ra=0.41の振動子にお ける不動点近傍における振動方向と振動振幅 の関係を示す図、(b)は不動点付近の振動ベク トルの模式図である。 図13の例について、振動ベクトルをシ ュレーションした結果を示す図である。 (2,3)モード、Rb/Ra=0.43の振動子における 不動点近傍における振動方向と振動振幅の関 係を示す図である。 (3,1)モード、Rb/Ra=0.73の振動子における 不動点近傍における振動方向と振動振幅の関 係を示す図である。 振動子に生ずる不動点近傍の振動の様 子の4種の例を示す図である。 振動子の保持部材を示す図である。

符号の説明

 10…センサ(検出センサ)、20…振動子、21 開口部、22…支持部材、40…検出部

 以下、添付図面に示す実施の形態に基づい この発明を詳細に説明する。
 図1は、本実施の形態におけるセンサ(検出 ンサ)10の基本的な構成を説明するための図 ある。
 この図1に示すセンサ10は、ディスク状で、 体として円形、矩形、あるいは適宜他の形 を有し、質量を有した分子等の検出対象物 付着すると振動周波数が変化する振動子20 、ディスク状の振動子20を振動させるための 駆動源30と、振動子20における振動特性の変 を検出する検出部40と、を備えている。

 駆動源30では、外部の図示しないコントロ ラで発生する電流によって、静電効果やピ ゾ効果(圧電効果)を用い、振動子20を振動さ る。
 また、検出部40も、静電効果やピエゾ効果 より、振動子20における振動を検出し、電気 信号として出力するようになっている。この とき、振動子20に質量を有した物質が付着す と、その質量の影響を受けて振動子20の振 数が変化する。検出部40では、検出部40から 力される電気的な振動をモニタリングする とで、振動子20への物質の付着の有無、あ いは振動子20への物質の付着量を検出するこ とが可能となっている。

 このようなセンサ10において、振動子20には 、その中央部に開口部21が形成されている。 して、この振動子20は、外周部の所定の位 に接続された支持部材22のみによって支持さ れ、残る他の部分は全てフリー状態とされて いる。
 ここで、振動子20の外径をRa、開口部21の径 Rbとすると、振動子20は、Rb/Raが以下のよう 条件をほぼ満足するように、振動子20の外 Ra、開口部21の径(振動子20の内径)Rbを設定す のが好ましい。

 ディスク状の振動子20に生じる振動には、(a )Radialモード(径方向(r方向)にのみ振動するモ ド)、(b)Tangentialモード(θ方向にのみ振動す モード)、(c)Compoundモード(径方向の振動およ θ方向の振動が複合したモード)、の3通りが ある。
 振動子20におけるCompoundモードにおける共振 周波数の決定式は、以下の式(4)のようになる 。

 ただし、a 11 ~a 44 は以下の通りである。

 なお、σ:振動子材料のポアソン比、E:振 子材料のヤング率、ρ:振動子材料の密度、ω :角周波数(=2πf)である。

 さて、開口部21を有した振動子20における 2つの境界、すなわち外径部分と内径部分で 、Free-Free条件であることから、Radial方向の 留ストレスとTangential方向の残留ストレスが くなり、これにより4つの境界条件が定まる ことが判る。また、モード関数であるRadial方 向の変位U(r,θ)とTangential方向の変位V(r,θ)は、 次式で表すことができる。

 そして、この式(6)に、先に述べた4つの境 界条件を適用することで、以下の関係式が求 まる。

 さらに式(3)の共振周波数の決定式は、式( 7)がいかなるA5,A6,A7,A8においても成り立つこ を意味し、これは式(7)の4×4マトリクスのDete rminant=0が条件となる。これは共振周波数を決 定する式(3)である。

 さて、モード関数である式(6)の係数A5,A6,A 7,A8は、未だ未定であり、これが決まらなけ ば振動子20の振動状態は定まらない。また共 振条件では式(7)はいかなるA5,A6,A7,A8において 成立しているため、共振時における係数A5,A 6,A7,A8は未定でありこのままでは決定できな 。しかし式(7)のマトリクスを1次式に分解し 表せば、次式(8)となる。

 この様にして求めた式(8)の4つの1次式の から、任意の3つの式を取り出し、さらにそ 中の係数A5,A6,A7,A8のどれか一つに対する比 してなら、係数を定めることができる。例 ば、式(8)から例えば上の3つの式を取り出し 全てA5で割ると、次式(9)のような連立一次 程式が得られる。

 この式(9)から、A5を分母とする係数比A6/A5,A7 /A5,A8/A5を求めることができる。この結果を式 (6)に代入すれば、共振時のRadial方向とTangentia l方向の変位、すなわちモード関数を全て決 できる。なお、ここでは式(8)の上3つの式を いたが、任意の異なる3個の式を用いて同様 に解くことができ、ここでは4組の異なる連 一次方程式が得られるが、求めた結果は全 同じである。
 また全てがA5に対して比例関係にあるためA5 =1としてもモード関数に本質的に変化は無い とから、改めてA5=1として、各モードにおけ るRadial方向のr成分をU(r)、Tangential方向のr成 をV(r)として表せば、式(6)のモード関数は、 式(10)となる。

 ここで、U(r)、V(r)は、次式(11)の通りであ 。

 さて、この解析は、通常のディスク状の振 子と異なり、開口部21を有した円形のディ ク状の振動子20に対するものである。この振 動子20においては、この振動子20の外径Raと内 径Rbの比によって、式(11)に示すU(r)とV(r)が大 く変わり、振動子20外径Raと内径Rbの比が特 の値になったとき、U(r)またはV(r)が0になる とが起こりうる。
 例えば振動子20の外径RaにおいてU(Ra)=0にな 場合には、振動子20の外径部分での振動がな くなる。したがって、振動子20を、支持部材2 2によってその外径部分で支持する。
 このとき、V(Ra)≠0であっても、式(10)に示す ようにTangential方向の変位は、これにsin(nθ)を かけたものであるから、sin(nθ)=0となる位置 おいては、式(10)のV(r,θ)では振動が生じない 。n=1の振動モードの場合、V(Ra,0)、V(Ra,π)の位 置で、支持部材22によって振動子20を保持す ば、振動子20の振動エネルギは支持部材22を して失われることは無い。
 逆にV(Ra)=0の場合には、U(Ra)≠0であってもRad ial方向の変位はこれにcos(nθ)をかけたもので るからcos(nθ)=0となる位置で、振動子20を保 すれば良いことになる。
 なお、ここでは穴あきのディスク状の振動 20の外径部分における保持方法を述べたが これが内径部分で保持する場合であっても 様の考え方でその位置を決めることができ 。

 図2~図4は、それぞれn=1からn=3までの各振動 ードにおけるr成分、すなわち式(11)に示し U(r)とV(r)の変動の様子を、内径Rbと外径Raの Rb/Raを横軸にして図示したものである。なお このとき、振動子20の材料としてSi単結晶を 定し、ポアソン比をσ=0.28とした。また、nは 振動モードのモード数、mは高調波振動の次 を示す。
 なお図2~図4では、各モードにおいて最低次 共振周波数(m=1)から4番目の共振周波数(m=4) で示し、これを通常のモード表現に従い(n,m) と表示している。

 図2~図4を見ると、図3(a)の(2,1)モードと図4(a) の(3,1)モードを除き、U(Ra),U(Rb),V(Ra)およびV(Rb) のいずれかが、適当なRb/Raにおいて0になるこ とが観察される。
 例えば図2(b)に示す(1,2)モードでは、V(Ra)がRb /Ra=0.17において0になっていることが示されて いる。従ってポアソン比0.28の材料(例えば、 結晶Si)を用い、(1,2)モードで用いる振動子20 を設計するには、内径Rbと外径Raの比を0.17に び、cosθ=0の角度、すなわちθ=±π/2の位置の 内径部分で振動子20を保持するように設計す ば、振動子20の共振振動になんら影響を与 ず振動子20を保持することが可能である。

 すなわち、外径Raが100μmで、(1,2)モードで 用いる振動子20の場合、Rb/Ra=0.17となる、開口 部21の径を17μmとしたときに、振動子20の外径 部分におけるTangential方向の振動を0とするこ ができる。そして、このときに、開口部21 外径部分において、cosθ=0の角度、すなわち =±π/2の位置で振動子20を支持することで、 振振動に全く影響を与えない振動子20の保持 法を実現できる。

 ところで、一般の材料、例えばポアソン がσ=0からσ=0.5の材料では、U(Ra),U(Rb),V(Ra)お びV(Rb)が0になる場合は、いかなるRb/Raの場 に起こるのかを調べることが非常に重要に る。このため式(11)から、次式(12)が成り立つ Rb/Raとポアソン比σの組み合わせを、各モー (n=1~3,m=1~4)について調べた。

 その結果を図5~図7に示す。

 なお、ポアソン比だけを変数とすることで ての材料について調べたことになる理由は (6)から、hとkに、
 k=h(2/(1-σ)) 1/2
という関係があり、hとkを変数として見ると この二つの変数がポアソン比σでのみ関係 けられていることによる。

 図5~図7では、n=1~3,m=1~4の各モードにおい 式(12)を満足するポアソン比σ(縦軸)と、振動 子20の内径Rbと外径Raの比Rb/Ra(横軸)との関係 示した。すなわち振動子材料のポアソン比 判れば、図5~図7の関係から、振動モードと の振動子20を保持する位置や、振動子20の内 Rbと外径Raの比を決めることができる。なお 共振周波数は振動子20、例えば大きさ、すな ち外径Raを変えることで決定する。

 このように、図5~図7の関係を予め知るこ により、振動エネルギが保持部を通して逃 ることの無い高性能なディスク状の振動子2 0を実現することが可能になる。

 さて、支持部材22は、Tangential方向に振動さ て使用する振動子20の場合、次式(13)で示さ る長さL R を有するものとするのが好ましい。なお、駆 動源30でピエゾ効果を用いた駆動方式を採用 る場合、振動子20はTangential方向に振動させ 使用することになるので、この場合、支持 材22の長さを、式(13)で表されるL R にするのが好ましい。

 また、Radial方向に振動させた振動子20の場 、支持部材22は、次式(14)で示される長さL S を有するものとするのが好ましい。

 このように、振動子20の内径Rbと外径Raと 比Rb/Raを適切に選ぶことにより、振動子20の 外径部分もしくは内径部分においてRadial方向 の変位のr成分すなわちU(Ra)もしくはU(Rb)、な びにTangential方向の変位のr成分すなわちV(Ra) もしくはV(Rb)が0になる不動点が存在する場合 がある。このようなディスク状で開口部21を した振動子20に特有な現象を用い、不動点 振動子20を保持することで、振動子20の共振 動に全く影響を与えず振動子20を保持する とが可能となる。その結果、極めてQの高い 動子20が提供できる。

 ここで、不動点近傍における振動振幅とそ 方向を調べた。
 図8に示すように、振動の様子を調べるため の中心となる座標(Rc,θc)を定める。この振動 20の中心からこの座標(Rc,θc)へのベクトルを 位置ベクトルと称す。また、座標(Rc,θc)から さRs、角度θsの位置を示すベクトルを検索 クトルと呼び、位置(r CS CS )=(Rc+Rs,θc+θs)における振動子の振動振幅と方 を、式(1)を用いて計算した。
 ここに図8に示す位置の座標(r CS CS )と位置ベクトルおよび検索ベクトルとの関 は式(15)に示す通りである。

 また、式(15)より求めた(r CS CS )を式(1)に代入して求めたU r (r CS CS )およびU θ (r CS CS )と、振動振幅Adおよび振動方向θdの関係は式 (16)で与えられる。

 さて、この振動振幅Adおよび振動方向θdを める例として、以下の5つのモードを挙げて 討する。図9は、各条件における振動子20の 動振幅の分布を示す解析結果であり、(a)は 振動モード(1,2)、Rb/Ra=0.17の場合、(b)は振動 ード(1,2)、Rb/Ra=0.31の場合、(c)は振動モード( 2,3)、Rb/Ra=0.41の場合、(d)は振動モード(2,3)、Rb /Ra=0.43の場合、(e)は振動モード(3,1)、Rb/Ra=0.73 場合である。なお、振動振幅を最も大きな 域を白、最も振動しない領域を黒として10 階で示している。
 図9に示す例について、位置ベクトルが与え る座標が不動点の位置になるようにし、そこ を中心として検索ベクトルを回転させた場合 の位置での振動振幅Adと振動方向θdを計算し 結果を以下に示す。図10(a)は、図9(a)に示す( 1,2)モード、Rb/Ra=0.17の場合について、振動子2 0の外径半径の2%、4%、6%、8%、10%の長さを持つ 5種類の検索ベクトルを用い、検索ベクトル 角度θsを変えながら、振動方向θdと、全振 振幅を最大振動振幅で規格化した値Ad/Amaxを 示したものである。
 Rb/Ra=0.17における(1,2)モードの不動点は、図9 (a)に示すように、振動子20の外周において、 度θb=π/2、3π/2の2個所に存在する。図10(a)は 、角度θs=π/2に位置する不動点周辺での振動 幅と振動方向を計算で求めたものである。 の様子を、振動ベクトルとして模式的に表 すると図10(b)のようになる。
 すなわち図10(a)によれば、振動子20において 、不動点に近ければ近いほど振動振幅(Ad/Amax) は小さくなるが、振動振幅は検索ベクトルの 角度θsによらずほぼ一定になり、振動方向(θ d)は、π/2から3π/2までほぼπだけ変化し、ま しく図10(b)に示した状態で振動していること が読み取れる。すなわちこの場合には不動点 近傍では不動点を中心として、ほぼ円運動し ていることがわかる。

 図11(a)は、図9(b)に示す振動モード(1,2)、Rb/Ra =0.31について求めた場合である。
 この例は、振動子20の内径で不動点が生ず 場合で、計算位置は内径のπの位置に位置す る不動点を中心として、振動子20の外径半径 2%、4%、6%、8%、10%の長さをもつ5種類の検索 クトルで不動点近傍の振動状態を調べたも である。検索ベクトルの角度θs=π/2では振 方向もπ/2、検索ベクトルの角度θs=πでは振 方向は0、検索ベクトルの角度θs=3π/2では振 動方向も3π/2となっている。この状態を先の 10(b)と同様の考え方で図示すると図11(b)のよ うになる。
 すなわち、振動子20において、不動点を挟 だ内周の2点では互いに反対方向に振動し、 の中間の位置はポアソン比の考え方に従い 先の2点が引っ張り合うとき(互いに離間す 方向に変位するとき)には縮み、押し合うと (互いに接近する方向に変位するとき)には びる形で運動している。

 図12は、図11(a)に示した(1,2)モード、Rb/Ra=0 .31の振動子20について、振動ベクトルを有限 素法によりANSYSでシミュレートした結果で る。図11(b)と同様に、不動点の両側が互いに 引っ張る形の場合には、その直角方向の位置 では縮む形、互いに押し合う場合には伸びる 形になっている様子が示されている。

 図13(a)は、図9(c)に示した、振動モード(2,3) Rb/Ra=0.41とした振動子20において調べたもの ある。この振動子20において、不動点は振動 子20の外径部分のπ/4、3π/4、5π/4および7π/4の 位置にある。
 Rb/Ra=0.41の振動子20における(2,3)モードの不 点は、図9(c)に示すように、振動子20の外径 分において、π/4、3π/4、5π/4および7π/4の4個 所に存在する。図13(a)は、π/4の位置にある不 動点近傍での振動振幅と振動方向を求めたも のである。検索ベクトル3π/4では振動方向は /4、検索ベクトルの角度θs=5π/4では振動方向 は3π/4、検索ベクトルの角度θs=7π/4では5π/4 なっている。この状態を先の図10(b)や図11(b) 同様の考え方で振動ベクトルとして模式的 表現すると図13(b)のようになる。これは基 的には図10(b)と全く同様の振動で、ここでも 不動点に近くなればなるほど振動ベクトルの 振幅は一定になり、そこでは理想的な回転運 動をしていることが判る。

 図14は、図13(a)に示した(2,3)モード、Rb/Ra=0 .41について振動ベクトルをANSYSを用いてシミ レートした結果である。図13(b)に示したの 同様の回転が、外径の4個所(π/4、3π/4、5π/4 よび7π/4)にある不動点の近傍で、そこを中 とした回転運動が示されている。

 図15は、図9(d)の振動子20の例であり、振動 ードは(2,3)、Rb/Ra=0.43で、不動点は内径の0、 /2、πおよび3π/2の位置にある。
 この例は振動子20の内径で不動点が生ずる 合であり、計算位置は内径のπの位置にある 不動点を中心として振動子20の外径半径の2% 4%、6%、8%、10%の長さをもつ5種類の検索ベク ルで不動点近傍の振動状態を調べたもので る。検索ベクトルの角度θs=π/2では振動方 は3π/2、検索ベクトルの角度θs=πでは振動方 向はπ、検索ベクトルの角度θs=3π/2では振動 向もπ/2となっている。この状態では振動ベ クトルの方向がπだけ違うが、基本的には図1 1(b)と全く同じものである。

 図16は、図9(e)の振動子20の例で、振動モー は(3,1)、Rb/Ra=0.73の場合である。不動点は振 子20の外径部分において、π/6、π/2、5π/6、7 /6、3π/2および11π/6の位置に6個所ある。
 この例では外径の6個所に生ずる不動点のう ち、振動状態を計算した位置は外径のπ/6に る不動点を中心として、外径半径の2%、4%、6 %、8%、10%の長さをもつ5種類の検索ベクトル この不動点近傍の振動状態を調べたもので る。
 検索ベクトルの角度θs=2π/3のとき、振動方 はπ/6、検索ベクトルの角度θs=7π/6では振動 方向は2π/3、検索ベクトルの角度θs=5π/3では 動方向も7π/6となっている。この状態は振 ベクトルの方向がπ/3だけ違うが、基本的に 図10(b)と全く同じもので、この場合もきれ な回転運動が観測される。

 これまで、穴あきの平面機械型の振動子20 5種類の振動モードについて、その外周また 内周に生ずる不動点の近傍の振動の様子を べてきた。その結果、不動点の近傍には基 的に2種類の振動が起こることが示された。 これを改めて図示すると図17のようになる。
 図17(a)は、先に式(1)で示した振動子20のDispla cement、すなわち振動を表す式において、振動 子20の外周又は内周においてTangential方向の振 動振幅が0になる場合がV r (r)| r=Ra or Rb ≠0 and V θ (r)| r=Ra or Rb =0 のときに起こる。このとき、Radial方向の 動振幅は、式(1)に示すようにVr(r)にcos(nθ)を けたものであることから、cos(nθ)=0の場合に Radial方向の振動振幅も0になり、この位置に 動点が生ずる。
 さて、不動点からr=Ra-ε(ε<<Ra)の様に少 だけずれると、Tangential成分が現れ、その方 向が図17(a)の場合と反対である場合も起こり る。これを図示すると図17(c)のようになる
 これと同様に、V θ (r)| r=Ra or Rb ≠0 and V r (r)| r=Ra or Rb =0のとき、Radial方向の振動方向が図17(b)と反 の場合には、図17(d)に示すように不動点を中 心として一方的に膨張する場合も考えられる 。

 このように不動点の近傍では4種類の振動形 態が考えられるが、振動子20の外周又は内周 限って考えると、図17(a)と図17(c)の場合((A) 場合と呼ぶ)には、不動点を中心とするシー ー運動であり、図17(b)と図17(d)の場合((B)の 合と呼ぶ)には、不動点を中心とする引張(圧 縮)運動の2つの運動に限ることができる。
 さて(A)の場合には、不動点を中心として支 として微小な振幅でシーソー運動をしてい ので、この場所に接続した保持部材22の端 シーソー運動をし、他の端は固定されるこ になる。シーソー運動は、一般的な境界条 で言えば、点の場合には‘Pinned’、線の場 には‘Simply supported’に相当する。
 すなわち、保持部材22を「棒もしくは同等 構造物」と考えて設計する場合にはPinned-Clam pedを境界条件とするSingle-span beamがこれに当 はまり、「板状もしくは同等の構造物」と えられる場合には、Simply supported-Free-Clamped- Freeを境界条件として保持部材22を設計するこ とになる。これらの構造の概要を図18に示す

 保持部材22をSingle-span beamと考える場合、そ の共振周波数f i は次式のようになる。

 ここにi:Harmonic Order、L:Length of Beam、E:Young s Modulus、I:Area moment、m:Mass per Unit Length、 ρ:Density、d:Thickness of Beam である。なおλ i は次式(18)で与えることができる。

 同様に、板状構造物の場合も基本的に同じ え方を用いて振動周波数を求めることがで る。
 このように周波数と振動子20の共振周波数 等しく設計すれば、互いに干渉することな 自由振動することになり、定常状態では振 エネルギのやり取りは非常に少なくなる。

 (B)の場合は、不動点を中心とした引張・ 縮運動が起っている。この場合の現実的な 持構造は、振動子20と保持部材22の接続幅d できるだけ狭くすることが現実的であるが 実際の幅dは、1)製造精度の限界、2)製作イー ルド、3)振動子20を機械的に保持できる機械 強度等の兼ね合いによって決まる。

 上述したようなセンサ10によれば、振動子20 において、Radial成分とTangential成分の振動の い部位である不動点において、振動子20側の 境界条件をPinned、振動子20を支持するアンカ 側の境界条件をClampedとして設定されたシン グルスパンビームからなる保持部材22によっ 支持することで、振動子20の振動エネルギ 保持部材22を通じて失われるのを防ぎ、振動 姿態が乱される状態を回避する。その結果、 センサ10の高感度化を実現できる。
 このようにして、センサ10においては高感 な質量の物体の検出や、質量の検出を行う とが可能となる。また、振動子20は、いわゆ るSi単結晶を構造材料として用い、MEMS技術に よって製造することができることから、Si半 体と同一チップ内にセンサ10を組み込んで ることも可能となる。

 ところで、上記では、振動子の材料としてS i単結晶(ポアソン比σ=0.28)を用いた振動子20の 例を示したが、もちろん、他の材料において も、同様の検討を行うことで、同様の効果を 得ることのできる構成を実現できる。
 これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選 したり、他の構成に適宜変更することが可 である。