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Title:
DETECTION SENSOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/148156
Kind Code:
A1
Abstract:
The objective is to detect an external force or acceleration with good sensitivity using a simple configuration. An external force detection sensor (1) is equipped with a comb tooth electrode (2) having a fixed electrode (10) having multiple fixed comb tooth parts (12a) and a movable electrode (20) having multiple movable comb tooth parts (20a) that can be inserted between the fixed comb tooth parts (12a), a power supply (3) connected to the fixed electrode (10) and the movable electrode (20) in order to vibrate the movable electrode (20) at a prescribed resonating frequency by using an electrostatic force relative for the fixed electrode (10), and a detection unit (4) that detects an external force based on changes in the electrical characteristics between the fixed electrode (10) and the movable electrode (20) when the movable electrode (20) is vibrated. For adjacent fixed comb tooth parts (12a) and a movable comb tooth part (20a) inserted between them, the space between one of the fixed comb tooth parts (12a) and the movable comb tooth part (20a) differs from the space between the other fixed comb tooth part (12a) and the movable comb tooth part (20a).

Inventors:
HASHIGUCHI GEN (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/060364
Publication Date:
December 10, 2009
Filing Date:
June 05, 2009
Export Citation:
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Assignee:
UNIV SHIZUOKA NAT UNIV CORP (JP)
HASHIGUCHI GEN (JP)
International Classes:
G01L1/10; G01P15/10; G01P15/18; H01L29/84
Foreign References:
JP2002039759A2002-02-06
JP2000131072A2000-05-12
JP2002323323A2002-11-08
JPH0979921A1997-03-28
JPH10153429A1998-06-09
Attorney, Agent or Firm:
HASEGAWA Yoshiki et al. (JP)
Yoshiki Hasegawa (JP)
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Claims:
 複数の固定櫛歯部を有する固定電極と、前記固定櫛歯部間に挿入された可動櫛歯部を複数有する可動電極とを含む櫛歯電極と、
 前記可動電極を前記固定電極に対する静電力により所定の共振周波数で振動させるために前記固定電極と前記可動電極とに接続される電源と、
 前記可動電極を振動させたときの前記固定電極と前記可動電極との間の電気特性の変化に基づいて外力または加速度を検知する検知手段と、
を備え、
 隣り合う前記固定櫛歯部及びその間に挿入された前記可動櫛歯部について、一方の固定櫛歯部と該可動櫛歯部との間隔が、他方の固定櫛歯部と該可動櫛歯部との間隔と異なる、
検知センサ。
 前記電源が、前記可動電極を前記可動櫛歯部の配列方向に振動させる共振周波数の電力を与える、
請求項1に記載の検知センサ。
 前記電源が、前記可動電極を前記可動櫛歯部の延伸方向に振動させる共振周波数の電力を与える、
請求項1に記載の検知センサ。
 前記電源が、前記所定の周波数を、前記可動櫛歯部の配列方向に振動させる第1の共振周波数と前記可動櫛歯部の延伸方向に振動させる第2の共振周波数との間で切り替えることで前記可動電極の振動方向を変更し、
 前記可動電極が、前記第1の共振周波数では前記可動櫛歯部の配列方向に振動し、前記第2の共振周波数では前記可動櫛歯部の延伸方向に振動する、
請求項1に記載の検知センサ。
 前記電源が、前記可動電極を前記可動櫛歯部の配列方向に振動させる第1の共振周波数と、前記可動電極を前記可動櫛歯部の延伸方向に振動させる第2の共振周波数とを重畳した信号を発生する、
請求項1に記載の検知センサ。
 前記固定櫛歯部の延伸方向及び配列方向と直交する方向における該固定櫛歯部の長さと、前記可動櫛歯部の延伸方向及び配列方向と直交する方向における該可動櫛歯部の長さとが異なり、
 前記電源が、前記可動電極を前記可動櫛歯部の延伸方向及び配列方向と直交する方向に振動させる共振周波数の電力を与える、
請求項1~5のいずれか一項に記載の検知センサ。
 前記電源が、前記共振周波数となる信号に直流バイアス信号を重畳して発生する、
請求項1~6のいずれか一項に記載の検知センサ。
Description:
検知センサ

 本発明は、外力または加速度を検知する 知センサに関する。

 外力または加速度を検知するセンサとし 、例えば加速度センサや変位センサが挙げ れる。このうち、加速度センサに関しては 可動マスの静的な変位を容量変化あるいは み抵抗方式で検知する手法が一般的である 例えば、下記特許文献1には、静電容量の変 化により変位を検知する加速度センサが開示 されている。

特開平10-206457号公報

 しかしながら、静電アクチュエータによ 静電容量変化を検知する場合には感度を向 させるための工夫が必要であり、歪み抵抗 式は装置の複雑化を招きやすい。

 本発明は、上記課題を解決するためにな れたものであり、簡易な構成で外力または 速度を感度良く検知することが可能な検知 ンサを提供することを目的とする。

 本発明の検知センサは、複数の固定櫛歯 を有する固定電極と、固定櫛歯部間に挿入 れた可動櫛歯部を複数有する可動電極とを む櫛歯電極と、可動電極を固定電極に対す 静電力により所定の共振周波数で振動させ ために固定電極と可動電極とに接続される 源と、可動電極を振動させたときの固定電 と可動電極との間の電気特性の変化に基づ て外力または加速度を検知する検知手段と を備え、隣り合う固定櫛歯部及びその間に 入された可動櫛歯部について、一方の固定 歯部と該可動櫛歯部との間隔が、他方の固 櫛歯部と該可動櫛歯部との間隔と異なる。

 このような検知センサによれば、隣り合 固定櫛歯部とその間に挿入された可動櫛歯 について固定櫛歯部と可動櫛歯部との間隔 左右で異なるので、所定の共振周波数の静 力で可動電極を振動させると、外力が加え れたときに、固定電極と可動電極との間の 気特性が大きく変化する。したがって、こ 変化を検知することで外力または加速度を 度良く検知できる。また、装置の構成も簡 になる。

 本発明の検知センサでは、電源が、可動 極を可動櫛歯部の配列方向に振動させる共 周波数の電力を与えることが好ましい。

 この場合、可動櫛歯部の配列方向に可動 極が振動するので、その配列方向に加えら た外力または加速度を特に感度良く検知で る。

 本発明の検知センサでは、電源が、可動 極を可動櫛歯部の延伸方向に振動させる共 周波数の電力を与えることが好ましい。

 この場合、可動櫛歯部の延伸方向に可動 極が振動するので、その延伸方向に加えら た外力または加速度を特に感度良く検知で る。

 本発明の検知センサでは、電源が、所定 周波数を、可動櫛歯部の配列方向に振動さ る第1の共振周波数と可動櫛歯部の延伸方向 に振動させる第2の共振周波数との間で切り えることで可動電極の振動方向を変更し、 動電極が、第1の共振周波数では可動櫛歯部 配列方向に振動し、第2の共振周波数では可 動櫛歯部の延伸方向に振動することが好まし い。

 この場合、可動櫛歯部の配列方向に可動 極が振動した場合にはその配列方向に加え れた外力または加速度を特に感度良く検知 き、可動櫛歯部の延伸方向に可動電極が振 した場合にはその延伸方向に加えられた外 または加速度を特に感度良く検知できる。 して、電源が共振周波数を切り替えること 可動電極の振動方向が変更されるので、検 したい外力または加速度の方向に応じて共 周波数を切り替えるだけで、外力または加 度を高感度に検知できる。

 本発明の検知センサでは、電源が、可動 極を可動櫛歯部の配列方向に振動させる第1 の共振周波数と、可動電極を可動櫛歯部の延 伸方向に振動させる第2の共振周波数とを重 した信号を発生することが好ましい。

 この場合、可動電極を可動櫛歯部の配列 向に共振周波数で振動させ、可動電極を可 櫛歯部の延伸方向に共振周波数で振動させ 。この場合、可動櫛歯部の配列方向と延伸 向とでは外力または加速度によって変化す 共振周波数が各々異なるので、周波数切替 行わなくても、各方向の外力または加速度 別個に高感度に検知できる。

 本発明の検知センサでは、固定櫛歯部の 伸方向及び配列方向と直交する方向におけ 該固定櫛歯部の長さと、可動櫛歯部の延伸 向及び配列方向と直交する方向における該 動櫛歯部の長さとが異なり、電源が、可動 極を可動櫛歯部の延伸方向及び配列方向と 交する方向に振動させる共振周波数の電力 与えることが好ましい。

 この場合、固定櫛歯部の延伸方向及び配 方向と直交する方向(高さ方向)における該 定櫛歯部の長さと、可動櫛歯部の延伸方向 び配列方向と直交する方向(高さ方向)におけ る該可動櫛歯部の長さとが異なるので、所定 の共振周波数で可動電極を振動させたときの 、固定電極と可動電極との間の電気特性を取 得することで、高さ方向についても外力また は加速度を検知できる。

 本発明の検知センサでは、電源が、共振 波数となる信号に直流バイアス信号を重畳 て発生することが好ましい。

 このような検知センサによれば、固定櫛 部と可動櫛歯部との間隔を左右で異ならせ ことで、可動電極に共振周波数の静電力を えた際の固定電極と可動電極との間の電気 性の変化により外力または加速度を検知で る。その結果、簡易な構成で外力または加 度を感度良く検知できる。

実施形態に係る外力検知センサの全体 成を模式的に示す斜視図である。 (a)~(c)は可動電極の振動の様子を示す写 真である。 アドミタンスと周波数との関係を示す ラフである。 共振周波数と直流バイアスとの関係を すグラフである。 アドミタンスカーブの解析値と実測値 の比較を示すグラフである。 共振周波数の直流バイアス依存性に関 る、解析値と実測値との比較を示すグラフ ある。 共振周波数と電圧感度との関係を示す ラフである。

 以下、添付図面を参照しながら本発明の 施形態を詳細に説明する。本実施形態では 本発明に係る検知センサを外力検知センサ 適用する。なお、図面の説明において同一 は同等の要素には同一の符号を付し、重複 る説明を省略する。

 図1は実施形態に係る外力検知センサの全 体構成を模式的に示す斜視図である。図2(a)~( c)は可動電極の振動の様子を示す写真である 図3はアドミタンスと周波数との関係を示す グラフである。図4は共振点と直流バイアス の関係を示すグラフである。図5はアドミタ スカーブの解析値と実測値との比較を示す ラフである。図6は、共振点の直流バイアス 依存性に関する、解析値と実測値との比較を 示すグラフである。図7は共振点と電圧感度 の関係を示すグラフである。

 外力検知センサ1は、櫛歯電極2、電源3及 検知部(検知手段)4を備えている。櫛歯電極2 は、固定電極10及び可動電極20を有している

 固定電極10は、下部シリコン層11と、上部 シリコン層12と、これら上下のシリコン層に まれた絶縁層13とを含んで構成されている 上部シリコン層12は、凸状に突き出た固定櫛 歯部12aを複数有している。

 可動電極20はシリコンにより形成されて り、弾性支持部21により支持されている。可 動電極20は凸状に突き出た可動櫛歯部20aを複 有している。可動櫛歯部20aは、隣り合う固 櫛歯部12aの間に挿入されるように配置され いる。すなわち、固定電極10の固定櫛歯部12 aと可動電極20の可動櫛歯部20aとは、一定の隙 間をおいて噛み合うように配置されている。 その結果、固定電極10(上部シリコン層12)と可 動電極20とは対向している。

 隣り合う固定櫛歯部12a及びその間に挿入さ た可動櫛歯部20aについてみると、一方の固 櫛歯部12aと可動櫛歯部20aとの間隔(図1にお るY 1 )は、他方の固定櫛歯部12aと可動櫛歯部20aと 間隔(図1におけるY 2 )とは異なっている。

 電源3は、固定電極10に対して可動電極20 振動させるための装置であり、交流電源31、 直流電源32及び抵抗部33を含んで構成されて る。電源3は、固定電極10と可動電極20とに接 続されている。直流電源32によりバイアス電 が固定電極10と可動電極20との間に印加され 、交流電源31により交流電圧が重畳して印加 れることで、固定電極10に対して可動電極20 が振動する。電源3は、所定の共振周波数の 電力で可動電極20を特定の方向に振動させる 。

 電源3による可動電極20の振動の様子を図2 に示す。図2(a)は可動電極20がまだ振動してい ない状態の写真である。図2(b)は、或る特定 共振周波数(第2周波数)が与えられたことで 動櫛歯部20a(可動電極20)がX方向に振動してい る状態の写真である。図2(c)は、第2周波数と 異なる特定の共振周波数(第1の共振周波数) 与えられたことで可動櫛歯部20a(可動電極20) がY方向に振動している状態の写真である。 こで、X方向とは、固定櫛歯部12a及び可動櫛 部20aの延伸方向であり、Y方向とは、固定櫛 歯部12a及び可動櫛歯部20aの配列方向である。 このように、電源3は共振周波数を切り替え ことで可動電極20の振動方向を変更する。

 電源3は、可動電極20をY方向に振動させる 第1の共振周波数と、可動電極20をX方向に振 させる第2の共振周波数とが重畳した信号の 電力で可動電極20を振動させてもよい。こ 場合、可動電極20は対角線方向に振動する。

 検知部4は、可動電極20を所定の共振周波 で振動させたときの固定電極10と可動電極20 との間の電気特性の変化に基づいて外力を検 知する部分である。なお、図1では、検知部4 固定電極10及び可動電極20と接続されている が、抵抗部33の両端に接続されてもよいし、 源3の両端に接続されてもよい。また、電源 3と検知部4とを直列に接続してもよい。

 ここで、検知部4による外力検知の原理を説 明する。X方向及びY方向を上述のように決め 場合には、直流電圧E及び交流電圧eの印加 よって振動する外力検知センサ1のラグラジ ンは下記式(1)で示される。

 ここで、X,Yは、直流電圧Eの印加による、可 動櫛歯部20aのX,Y方向への変位量である。x,yは 、交流電圧eの印加による、可動櫛歯部20aのX, Y方向への変位量である。v x ,v y は、それぞれX方向、Y方向への移動速度であ 。mは可動電極20の質量である。k x ,k y は、それぞれ可動電極20を支える弾性支持部2 1のX方向、Y方向のばね定数である。C(x,y)は、 固定電極10と可動電極20との間の静電容量で り、C p は下部シリコン層11と上部シリコン層12との の浮遊容量である。また、Q 0 ,qは、それぞれ直流電圧、交流電圧の印加に る電荷量を示す値である。

 固定櫛歯部12a及び可動櫛歯部20aの本数(櫛歯 の本数)をn、各櫛歯部の高さ(図1における上 方向の長さ)をbとすると、静電容量C(x,y)は下 記式(2)で示される。なお、ε 0 は真空の誘電率である。また、X 0 はX方向に沿った固定櫛歯部12aと可動櫛歯部20 aとの初期間隔(振動がないときの間隔)である 。更に、Y 1 は、隣り合う固定櫛歯部12a及びその間に挿入 された可動櫛歯部20aにおける一方の固定櫛歯 部12aと可動櫛歯部20aとの初期間隔であり、Y 2 は他方の固定櫛歯部12aと可動櫛歯部20aとの初 期間隔である。

 また、系のエネルギー散逸関数Fは、電流i び速度v x ,v y の関数として次式(3)で与えられる。なお、r f ,Rは、それぞれ機械抵抗、電気抵抗である。

 機械座標系(X方向及びY方向)、及び電気座標 系についてのラグランジュ運動方程式は、上 記式(1)、(2)を用いて次のように表される。こ こで、f x ,f y は、それぞれ外力のX成分、Y成分である。

 上記ラグランジュ運動方程式(4)~(6)を計算す ると、外力検知センサ1の動作を表す下記運 方程式(7)~(9)が得られる。なお、式(9)におけ E 0 は直流バイアスである。

 ここで、変位x,y及び交流電圧eが充分小さい と仮定して角周波数ωでの定常状態を考える 、上記式(7)~(9)をテイラー展開してその1次 をとることにより、次の連立式(10)が得られ 。

 ここで、C 0 はe=0での静電容量であり、次式(11)で与えら る。

 また、D,B,G,C y ”はそれぞれ下記式(12)~(15)で与えられる。D,B はそれぞれX方向、Y方向の電気機械結合係数 あり、GはX方向-Y方向の機械振動の相互作用 係数である。

 式(11)~(15)中のX,Yは、上述したように、直流 圧Eの印加による、可動櫛歯部20aのX,Y方向へ の変位量であるが、これは、式(7)~(9)のテイ ー展開の0次項として得られる下記連立方程 (16)、(17)から導くことができる。

 上記式(10)においてf x =f y =0とした場合(外力を0とした場合)の、電気系 らみたアドミタンスカーブLaを図3に示す。 3のグラフの縦軸、横軸は、それぞれアドミ タンス(S)、周波数(Hz)である。図3のアドミタ スカーブLaは、各パラメータを以下のよう 設定したときの解析結果である。

 可動電極20の質量m=1.9×10 -6 (Kg)
 X方向ばね定数k x =111(N/m)
 Y方向ばね定数k y =51(N/m)
 櫛歯の本数n=1070(本)
 X方向における固定櫛歯部12aと可動櫛歯部20a との重なりX 1 =10(um)
 隣り合う固定櫛歯部12a及びその間に挿入さ た可動櫛歯部20aに関する、Y方向における一 方の固定櫛歯部12aと可動櫛歯部20aとの間隔Y 1 =2.5(um)
 隣り合う固定櫛歯部12a及びその間に挿入さ た可動櫛歯部20aに関する、Y方向における他 方の固定櫛歯部12aと可動櫛歯部20aとの間隔Y 2 =3.0(um)
 X方向の機械抵抗r x =4.0×10 -5 (Ns/m)
 Y方向の機械抵抗r y =1.0×10 -6 (Ns/m)
 浮遊容量C p =4.65(pF)
 直流バイアスE 0 =3V

 図3に示すように、櫛歯電極2は二つの共振 (共振周波数)R1及びR2を持っている。ここで R1は可動電極20がY方向に振動する共振点(第1 共振周波数、以下では「Y方向の共振点」と もいう)であり、R2は可動電極20がX方向に振動 する共振点(第2の共振周波数、以下では「X方 向の共振点」ともいう)である。上記式(10)~(14 )においてY 1 =Y 2 且つY=0とすると、B及びGが0となり、X,Y両方向 の機械結合及びY方向の電気機械結合は生じ いことになる。このことから、Y方向の共振 発生は、Y 1 とY 2 とが異なることにより励起するといえる。

 したがって、所定の共振周波数で可動電 20を可動櫛歯部20aの延伸方向(X方向)又は可 櫛歯部20aの配列方向(Y方向)に振動させ、ア ミタンスの変化を計測することで外力を検 できる。このために、検知部4は、アドミタ スを検知して位相の変化を測定するインピ ダンスアナライザと、上記理論を適用した 算プログラムが組み込まれた演算装置を備 ている。検知部4は、検知されたアドミタン スを演算装置に入力することで、外力の方向 を算出し、算出結果を表示装置や他の演算装 置(共に図示せず)に出力する。

 ところで、図3に示したY方向の共振点は直 バイアスE 0 に依存する。この依存関係を図4に示す。図4 グラフの左縦軸、右縦軸及び横軸は、それ れX方向の共振周波数(Hz)、Y方向の共振周波 (Hz)、直流バイアス(V)である。また、グラフ 内の破線LxはX方向の共振点の推移を示し、実 線LyはY方向の共振点の推移を示している。Y 向の共振点は直流バイアスE 0 の減少と共に増大する傾向にあり、E 0 =0、すなわちY方向のばね-質量系で決まる自 共振周波数に漸近している。一方、X方向の 振点には顕著な直流バイアス依存性は認め れない。

 Y方向の直流バイアス依存性は、平行平板 アクチュエータの特性に類似している。平行 平板アクチュエータでは、二つの平行平板が 引き合う力は平板間の間隔が小さくなると増 大するため、電気系からみたイミタンスの共 振周波数は直流バイアスを大きくすると小さ くなることが知られている。櫛歯電極2のY方 の共振点も、これと同様の原理により、直 バイアスの増加と共に減少していくと考え れる。一方、X方向の共振点が直流バイアス により変化しないのは、X方向の変位に対し 固定電極10及び可動電極20の引き合う力が変 しないためである。

 このように、X方向の共振周波数は直流バ イアスにほとんど依存しないが、Y方向の共 周波数は直流バイアスに依存する。したが て、直流バイアスを変化させることにより X方向とY方向とで共振周波数を一致させたり 、X及びY方向の共振周波数について一方を他 の定数倍にしたりすることができる。X及び Y方向の共振周波数を同一または定数倍の関 にすれば、振動の軌道は楕円もしくはリサ ジュ図形状の定軌道となる。従来の一次元 往復運動を利用したMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)センサは、往復運動であるが故に可動 電極の速度がゼロになる点があり外力の検知 に不正確さを生じることがあった。これに対 しこの実施形態を採用すれば、可動電極20は に運動しているので速度がゼロになる点が く、よって効果的に外力を検知できる。こ 実施形態は、特にMEMSセンサをジャイロセン サとして用いたときに効果的である。

 図5,6は、図3,4で示す解析結果に、解析と 様の条件で行った実験結果を重ね合わせた ラフである。図5に関して、実線Laは図3と同 じアドミタンスカーブであり、白抜き四角印 Paはアドミタンスの実測値である。また、図6 に関して、破線Lx及び実線Lyは図4と同じ共振 推移を示し、黒塗り四角印PxはX方向の共振 の実測値であり、白抜き四角印PyはY方向の 振点の実測値である。図5,6に示すように、 ドミタンスカーブ、及びX,Y方向の共振点の 流バイアス依存性に関する実験結果は、解 結果と非常に良く一致している。

 以上説明したように、本実施形態によれ 、隣り合う固定櫛歯部12aとその間に挿入さ た可動櫛歯部20aについて固定櫛歯部12aと可 櫛歯部20aとの間隔が左右で異なるので、所 の共振周波数で可動電極20を振動させると 外力が加えられたときに固定電極10と可動電 極20との間の電気特性(アドミタンス)が大き 変化する。したがって、この変化を検知す ことで外力を感度良く検知できる。また、 力検知センサ1の構成も簡単になる。

 また、外力検知センサ1は、可動櫛歯部20a の配列方向(Y方向)に可動電極20が振動した場 にはその配列方向に加えられた外力を特に 度良く検知でき、可動櫛歯部20aの延伸方向( X方向)に可動電極20が振動した場合にはその 伸方向に加えられた外力を特に感度良く検 できる。

 このことを図7のグラフで示す。このグラフ の縦軸及び横軸はそれぞれ電圧感度(V/N)、周 数(Hz)である。グラフ中の菱形印Mxは可動櫛 部20aの延伸方向(X方向)に外力が加えられた 合の電圧感度(インピーダンスアナライザの 出力電圧値)を示し、正方形印Myは可動櫛歯部 20aの配列方向(Y方向)に外力が加えられた場合 の電圧感度を示す。破線Axで囲んだエリアは 可動電極20がX方向に振動する共振点(X方向 共振点)付近を示し、破線Ayで囲んだエリア 、可動電極20がY方向に振動する共振点(Y方向 の共振点)付近を示している。なお、直流バ アスE 0 は5Vである。

 図7から明らかなように、外力検知センサ 1は、X方向及びY方向の共振点において、X方 及びY方向の外力を感度良く検知することが きる。特に、外力検知センサ1は、Y方向の 振点付近AyではY方向に加えられた外力を非 に感度良く検知でき、X方向の共振点付近Ax おいてX方向に加えられた外力を非常に感度 く検知できる。したがって、電源3の共振周 波数の切替により、検知したい外力の方向を 高感度に検知できる。また、可動電極20をY方 向に振動させる第1の共振周波数と、可動電 20をX方向に振動させる第2の共振周波数とを 畳した静電力で可動電極20を振動させた場 には、電源3による周波数切替をすることな 、X方向又はY方向に加えられた外力を高感 に検知できる。

 X方向とY方向とで共振周波数を少しだけ らしてX方向の共振運動を発生させた場合に 、Y方向の変位があると急激にY方向の振幅 大きくなる。これを利用すれば、Y方向の検 感度が高いセンサを実現できる。

 以上、本発明をその実施形態に基づいて 細に説明した。しかし、本発明は上記実施 態に限定されるものではない。本発明は、 の要旨を逸脱しない範囲で以下のような様 な変形が可能である。

 上記実施形態では、外力検知センサ1は、 X方向及びY方向(二次元空間)における外力を 知したが、X,Y,Z方向(三次元空間)における外 を検知してもよい。ここで、Z方向とは、固 定櫛歯部(又は可動櫛歯部)の延伸方向及び配 方向と直交する方向である。この場合には 隣り合う固定櫛歯部及びその間に挿入され 可動櫛歯部について、一方の固定櫛歯部と 動櫛歯部との間隔と、他方の固定櫛歯部と 動櫛歯部との間隔とを異ならせると共に、Z 方向において固定櫛歯部と可動櫛歯部とで長 さを異ならせる。そして、X方向及びY方向の 振点と異なる共振周波数(第3の共振周波数) 可動電極をZ方向に振動させることで、X,Y方 向の外力を感度良く検知すると共に、Z方向 外力を特に感度良く検知することが可能に る。

 上記実施形態では本発明に係る検知セン を外力検知センサに適用したが、加速度を 知するセンサに本発明を適用してもよい。

 本発明に係る検知センサの可動電極にプ ーブを付けて、プローブからの外力を検知 る接触センサを実現することも可能である このような接触センサは、例えば原子間力 微鏡(Atomic Force Microscope:AFM)のプローブとし て用いることができる。

 1…外力検知センサ、2…櫛歯電極、3…電 、4…検知部(検知手段)、10…固定電極、12a 固定櫛歯部、20…可動電極、20a…可動櫛歯部 。