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Title:
DETERGENT COMPOSITION
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/093696
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a detergent composition containing (a) a nonionic surfactant containing a polyoxyalkylene alkyl ether having an average mole number of added alkylene oxide of 4-8; (b) an anionic surfactant (excluding fatty acids and salts thereof); and (c) not less than 3% by weight of a clay mineral represented by the following general formula (I): [Si8(MgaAlb)O20(OH)4]x-⋅Mex+ (I) (wherein 0 < a ≤ 6, 0 < b ≤ 4, x = 12 - 2a - 3b, and Me represents at least one of Na, K, Li, Ca, Mg and NH4). The weight ratio between the component (a) and the component (b), namely [(a)/(b)] is more than 1 but less than 5.

Inventors:
YANAGISAWA YUKI
MITSUYOSHI KUNIAKI
UENO WATARU
YAMADA ISAO
KUBOTA TERUO
Application Number:
PCT/JP2008/051351
Publication Date:
August 07, 2008
Filing Date:
January 30, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KAO CORP (JP)
YANAGISAWA YUKI
MITSUYOSHI KUNIAKI
UENO WATARU
YAMADA ISAO
KUBOTA TERUO
International Classes:
C11D1/72; C11D10/02; C11D3/12; C11D3/37; C11D17/06
Domestic Patent References:
WO2007077813A12007-07-12
Foreign References:
JP2005187998A2005-07-14
JP2005120162A2005-05-12
JPH10331067A1998-12-15
JP2006219554A2006-08-24
JPS62253694A1987-11-05
JPS56167798A1981-12-23
JP3043976B22000-05-22
JP3405941B22003-05-12
JPH10168483A1998-06-23
JP3272359B22002-04-08
JP3272362B22002-04-08
JPH01129830A1989-05-23
JPS63264699A1988-11-01
Other References:
See also references of EP 2133412A4
Attorney, Agent or Firm:
HOSODA, Yoshinori (P.O. Box 26 OMM Building 5th Floor, 7-31, Otemae 1-chome, Chuo-ku, Osaka-sh, Osaka 91, JP)
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Claims:
 (a)アルキレンオキサイドの平均付加モル数が4~8であるポリオキシアルキレンアルキルエーテルを含有する非イオン性界面活性剤、
(b)陰イオン性界面活性剤(ただし脂肪酸、およびその塩を含まない)、ならびに
(c)一般式(I)で表される粘土鉱物:3重量%以上
[Si 8   (Mg a   Al b   )O 20 (OH) 4   ] X- ・Me X+           (I)
(0<a≦6、0<b≦4、x=12-2a-3b、Me:Na、K、Li、Ca、MgおよびNH 4 の少なくとも1種)
を含有し、(a)成分と(b)成分の重量比〔(a)/(b)〕が1を超えて5未満である、洗剤組成物。
 陽イオン性界面活性剤の含有量が2重量%以下である請求項1記載の洗剤組成物。
 (c)成分の粘土鉱物のNa/Caの重量比が1.0以上である、請求項1または2記載の洗剤組成物。
 (c)成分の全部又は一部を、以下に示す攪拌条件とJIS  Z  8801規定の標準篩(目開き74μm)に供した場合、式(II)で算出される未溶解率が0.2~2.5%である粘土造粒物の形態で含有する請求項1~3いずれかに記載の洗剤組成物。
 攪拌条件:1リットルのイオン交換水(20℃)に該粘土造粒物1gを投入し、1リットルビーカー(内径105mm)内で攪拌子(長さ35mm、直径8mm)にて20分間攪拌(回転数800rpm)
 未溶解率(%)=T/S×100    (II)
  S : 粘土造粒物の投入重量(g)
  T : 上記攪拌条件にて得られた水溶液を上記篩に供したときに、篩上の残存する未溶解物の乾燥重量(乾燥条件:105℃の温度下に1時間保持した後、シリカゲルを入れたデシケーター(25℃)内で30分間保持する)(g)
 更に、N-ビニルピロリドン由来の構成単位を有する共重合体を含有する請求項1~4いずれかに記載の洗剤組成物。
 (a)成分と(b)成分の合計含有量が25重量%未満である、請求項1~5いずれかに記載の洗剤組成物。
 (A)(c)成分の粘土鉱物が、(a)成分および(b)成分を含有する界面活性剤含
有粒子の表面に存在し、かつその表層面が表面改質剤で更に被覆された構造を有する洗剤粒子、および
 (B)(c)成分の粘土鉱物を35重量%以上含有する粘土造粒物を含有する、請求項1~6いずれかに記載の洗剤組成物。
 更に、(d)重量平均分子量5000以上10万以下のポリアクリル酸系重合体を含有
する、請求項1~7いずれかに記載の洗剤組成物。
 粉末状である、請求項1~8いずれかに記載の洗剤組成物。
 
 
Description:
洗剤組成物

 本発明は、洗剤組成物、粉末洗剤組成物 関する。

 近年、環境意識の高まり等から、節水タ プの洗濯機、つまり、洗浄に使用される水 が少ない洗濯機が普及している。その顕著 例として、一般にドラム式洗濯機と呼ばれ 洗濯機があり、世界中で広く受け入れられ いる。しかしながら、この被洗浄物に対し 使用される水量が少ない洗浄システムには 洗濯をすることで、被洗浄物が黒ずんでい という課題がある。省エネルギーによる環 負荷の削減、経済性等の点から、洗濯水の 減は好ましいものの、下記のように、被洗 物の「黒ずみ」は、使用水量が少ないこと 主な原因の1つと考えられるために、洗濯機 自体による改善が困難な課題となっている。 したがって、節水タイプの洗濯機の普及がす すむ現在、このような使用水量の少ない洗浄 システムにおいても、高い洗浄性を発揮する のみでなく、被洗浄物の黒ずみを抑制できる ような洗剤組成物が、強く求められている。

 洗濯毎に被洗浄物が黒ずんでいく典型的 現象として、洗浄過程で被洗浄物から離脱 た汚れ等の着色成分が、再び洗濯水中の被 浄物に再付着する現象が挙げられる。洗濯 量が少なくなると、洗濯水中の汚れ濃度が くなるため、これらの再付着は起こりやす なる。たとえ、水量が少なくなることで、 れと同様に洗濯液中の界面活性剤等の洗浄 、分散剤濃度が高くなる場合でも、これら 成分による再付着防止への正の効果以上に 水中の汚れ濃度が高くなることによる負の 果が大きいために、被洗浄物への汚れの再 着の促進が起こることも確認できる。

 また、洗濯液中の汚れのうち、その着色 分として代表的なものに、泥に含まれるよ な親水性の微粒子と、すすのような疎水性 微粒子とがある。黒ずみを防止するために 、これらのような異なる物性をもつ汚れ粒 いずれに対しても、高い付着防止性をもつ 剤組成物が必要である。

 従来、汚れの再付着防止技術として、特 文献1のように、高分子などの分散剤を用い て洗濯液中における汚れの分散性を向上させ るものが知られている。

 また、これとは異なる機構に基づく技術 して、繊維に特定の化学種を吸着させるこ で、繊維の表面物性を変化させ、汚れの再 着を防止するものがある。例えば、特許文 2には、スメクタイト型の粘土鉱物を繊維に 付着させることで、汚れの再付着防止性を向 上させる記載がある。だが、特許文献2の場 、化学種が付着することで効果が現れるよ な再付着防止機構では、洗濯液中で汚れ粒 を安定に分散させる機構の示唆がなく、そ 化学種の繊維への付着性が良くない場合に 効果がほとんど現れない。特に、分散系に する技術である界面活性剤、特に非イオン 界面活性剤に関する示唆がないために、黒 みを防止するために重要な因子であると思 れるすすのような疎水性微粒子の再付着防 に対する性能が十分でない。また、このメ ニズムでは、洗濯を繰り返すことが効果発 の必要条件となるために、一回の洗濯でも ずみが認知されてしまうような、高い汚れ 度溶液での黒ずみを防止するのに十分では い。

 また、スメクタイト型の粘土鉱物を利用 た技術として、特許文献3のように、非イオ ン性界面活性剤を含有する洗剤組成物の粒子 物性を向上させるために、粘土鉱物を使用す る例がある。だが、特許文献3の場合、被洗 物の黒ずみを防止する技術思想がないため 、陰イオン性界面活性剤の含有率が十分で く、黒ずみの原因の1つである、泥粒子のよ な親水性微粒子の再付着防止性が十分では い。

 また、衣料用洗剤組成物に陽イオン性基 び陰イオン性基を有する両性ポリマーを応 して、洗濯機の洗いの工程において衣類を 汚処理する技術も知られている(特許文献4) しかし、洗濯時の皮脂汚れに対して洗浄効 が高いが、洗濯液中の汚れで泥に含まれる うな親水性の微粒子やすすのような疎水性 微粒子の再付着防止性が十分ではない。

 従って、これらのいずれの技術においても 上記のような、洗濯水量が少ないことによ 極端に汚れ濃度が増加した洗濯水における れの再付着を防止する為には十分ではない

特開昭62-253694号公報

特開昭56-167798号公報

特許第3043976号公報

特許第3405941号公報

 本発明は、上記の点に焦点をあて、家庭 行われる洗濯で被洗浄物の黒ずみを防止す ために、特に、使用水が少量であるために れの再付着が促進されるようになった洗濯 件において、十分な汚れ再付着防止効果を 現する、洗剤組成物を提供することを目的 する。

 本発明者らは、洗濯液中での汚れの再付 を防止するというニーズに対して研究を重 た結果、陰イオン性界面活性剤と特定の非 オン性界面活性剤とを特定の比率で含有す 界面活性剤と、粘土鉱物とを組み合わせる とで、単に、洗濯液中で汚れ粒子を安定に 散させるのみでなく、また、粘土鉱物の布 の吸着残留による被洗浄物の表面改変のみ よるものではない新しい機構により、様々 汚れに対してその被洗浄物への再付着を効 的に防止できる事を見出した。また、該組 物を実現する形態として、陰イオン性界面 性剤と非イオン性界面活性剤とを含有する 剤粒子の表面部位において、粘土鉱物が特 の箇所に偏在するような構造を持つ粒子が 耐固化性のような品質面において非常に優 ることを見出した。

 即ち、本発明の要旨は、
 (a)アルキレンオキサイドの平均付加モル数 4~8であるポリオキシアルキレンアルキルエ テルを含有する非イオン性界面活性剤、
(b)陰イオン性界面活性剤(ただし脂肪酸、お びその塩を含まない)、ならびに
(c)一般式(I)で表される粘土鉱物:3重量%以上
[Si 8   (Mg a   Al b   )O 20 (OH) 4   ] X- ・Me X+           (I)
(0<a≦6、0<b≦4、x=12-2a-3b、Me:Na、K、Li、Ca MgおよびNH 4 の少なくとも1種)
を含有し、(a)成分と(b)成分の重量比〔(a)/(b) が1を超えて5未満である、洗剤組成物
に関する。

 本発明の洗剤組成物を用いることで、通 の洗濯はもちろん、特に洗濯に使用する水 が少ないような汚れ濃度等が高い洗濯液に いても、洗濯による被洗浄物の黒ずみ、汚 の再付着が防止できるという効果が奏され 。具体的には、本発明を用いることで、洗 液中に、泥のような親水性の粒子が存在す 場合にも、すすのような疎水性の微粒子が 在する場合にも、それらの汚れをその洗濯 中にある被洗浄物への再付着を効果的に防 し、黒ずみを防止するような洗剤組成物を 供することができる。

 本発明の洗剤組成物は、特定の界面活性 と特定の粘土鉱物を含有することにその特 がある。本発明の洗剤組成物は、通常、洗 組成物に含有されるアルカリ剤、金属イオ 封鎖剤等の洗剤用ビルダー、その他通常の 剤成分を含む。洗剤組成物に含有される界 活性剤、粘土鉱物以外の成分・洗剤組成物 形態・その製造法には特に限定はない。か る洗剤組成物としては、例えば特許庁公報1 0(1998)-25(7159)周知慣用技術集(衣料用粉末洗剤) に記載の組成及び製造方法において得られる 洗剤組成物等が挙げられる。

1.洗剤組成物の組成
界面活性剤
 本発明の洗剤組成物は、適切な汚れ分散性 再付着防止性(以下、本発明では「再汚染防 止性」ともいう)を付与するために、非イオ 性界面活性剤と、陰イオン性界面活性剤と 含有する。

<(a)非イオン性界面活性剤>
 本発明の洗剤組成物は、(a)アルキレンオキ イドの平均付加モル数が4~8であるポリオキ アルキレンアルキルエーテルを含有する非 オン性界面活性剤を含有する。洗浄性の点 ら、好ましくは炭素数10~16の、より好まし は炭素数10~14の、最も好ましくは12~14のアル ル鎖をもつ、ポリオキシエチレンアルキル ーテルが用いられる。低温での溶解性の点 ら、炭素数が12~14のアルキル鎖をもつもの 好ましく、12のアルキル鎖をもつものがより 好ましい。
 すすのような疎水性微粒子の再付着防止性 点から、エチレンオキサイド(EO)の平均付加 モル数が、4~8であり、好ましくは4.5~8であり より好ましくは4.5~7であり、より好ましく 5~7であり、より好ましくは5~6.5である。木綿 への再付着防止性の点からは、平均付加モル 数が、4.5~8のものが好ましく、5~7のものがよ 好ましい。また、ポリエステルと木綿の混 生地への再付着防止性の点からは、平均付 モル数が、好ましくは4~7、より好ましくは4 .5~6.5のものが優れている。
 付加モル数1~12のポリオキシアルキレンアル キルエーテルの全含有量中に、付加モル数4~8 のポリオキシアルキレンアルキルエーテルの 含有量が30重量%以上であることが好ましく、 40重量%以上であることが好ましく、50重量%以 上であることが好ましく、60重量%以上である ことがより好ましい。
 平均付加モル数は、例えば水酸基化の測定 より求めることができる。また、付加モル の分析は、ガスクロマトグラフィーやLC-マ スペクトルを用いた方法、より正確には、3 ,5-ジニトロベンゾイルクロライドによりノニ オンの末端ヒドロキシ基をUVラベル化した後 HPLCで分析する方法を用いることができる。

 本発明において、上記のエチレンオキサ ドの平均付加モル数を有する非イオン性界 活性剤は、単独または複数で用いることが きる。

 本発明の洗剤組成物には、ポリオキシア キレンアルキルエーテル以外の非イオン性 面活性剤として、高級脂肪酸アルカノール ミド又はそのアルキレンオキシド付加物、 ョ糖脂肪酸エステル、アルキルグリコシド 脂肪酸グリセリンモノエステルを適宜配合 ることができる。非イオン性界面活性剤中 ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの 有量は、好ましくは70重量%以上であり、よ 好ましくは80重量%以上であり、さらに好ま くは90重量%以上であり、特に好ましくは95 量%以上であり、最も好ましくは100重量%であ る。

<(b)陰イオン性界面活性剤>
 本発明の洗剤組成物に用いられる(b)陰イオ 性界面活性剤としては、好ましくは炭素数1 0~18の、より好ましくは炭素数12~16の、さらに 好ましくは炭素数12~14の、アルキル鎖を持つ 鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキ 硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンア キルエーテル硫酸塩、アルファスルフォ脂 酸メチルエステル塩、N-アシルアミノ酸型 面活性剤、アルキル又はアルケニルエーテ カルボン酸塩、アミノ酸型界面活性剤、ア キル又はアルケニルリン酸エステル又はそ 塩等のアルカリ金属塩が使用できる。特に 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、アル ル硫酸エステル塩が好ましい。本発明にお ては(b)陰イオン性界面活性剤には、脂肪酸 およびその塩は含まれない。

非イオン性界面活性剤(ポリオキシアルキレ アルキルエーテル)/陰イオン性界面活性剤〔 (a)/(b)〕の重量比
 本発明において、配合する(a)アルキレンオ サイドの平均付加モル数が4~8であるポリオ シアルキレンアルキルエーテルを含有する イオン性界面活性剤/(b)陰イオン性界面活性 剤の重量比は、1を超えて5未満である。疎水 微粒子の再汚染防止性の点から、重量比は1 を超え、1.5以上が好ましく、1.75以上がより ましく、2以上がさらに好ましく、2.5以上が らにより好ましい。また、親水性微粒子の 汚染防止性の点から、5未満であり、4未満 好ましく、3未満がより好ましい。

陽イオン性界面活性剤
 更に、微粒子の被洗浄物への再付着を促進 る傾向をもつことから、陽イオン性界面活 剤を用いることは好ましくはないが、所望 範囲内で陽イオン性界面活性剤を含有させ ことができる。用いられる陽イオン性界面 性剤は、特に限定されない。洗剤組成物中 陽イオン性界面活性剤の含有量は、2重量% 下が好ましく、1.5重量%以下がより好ましく 1重量%以下がさらに好ましく、0.5重量%以下 さらにより好ましく、含有しないことが最 好ましい。特に、特開平10-168483号公報に記 されるような、粘土鉱物に予め吸着させた うな形態で陽イオン性界面活性剤を配合す ことは、汚れの再付着防止の点から好まし ない。
 その他の界面活性剤として、ベタイン型両 界面活性剤、リン酸エステル系界面活性剤 の界面活性剤も適宜配合することができる

界面活性剤含有量
 本発明において、(a)非イオン性界面活性剤 のアルキレンオキサイドの平均付加モル数 4~8であるポリオキシアルキレンアルキルエ テル/(b)陰イオン性界面活性剤の重量比が1 超えて5未満である界面活性剤と、後述する( c)粘土鉱物とを含有する洗剤組成物であれば 洗濯液中に分散する汚れ負荷が高い場合も より少ない濃度の界面活性剤量で、汚れ再 着防止性を発揮できる。本発明の洗剤組成 中の(a)非イオン性界面活性剤と(b)陰イオン 界面活性剤の合計含有量は、汚れの再付着 止性や洗浄性の点から、10重量%以上が好ま く、15重量%以上がより好ましく、17重量%以 がさらに好ましく、19重量%以上がさらによ 好ましい。また、(a)成分は常温で液体であ ために、洗剤粒子からしみだすことによる 品品質への影響の点から、合計含有量は、3 0重量%以下が好ましく、27.5重量%以下がより ましく、25重量%未満がさらに好ましい。

<(c)粘土鉱物>
 本発明の洗剤組成物に用いられる(c)成分は 下記一般式(I)で表されるスメクタイト型粘 鉱物である。
[Si 8   (Mg a   Al b   )O 20 (OH) 4   ] X- ・Me X+           (I)
(式中、0<a≦6、0<b≦4、好ましくは0<a< ;6、0<b<4、x=12-2a-3bであり、MeはNa、K、Li、 Ca、MgおよびNH 4 の少なくとも1種を表す)

 粘土鉱物は、特に天然の場合、クォーツ クリストバライト、カルサイト、長石など 不純物を含有するため、(c)成分の含有量と 、これらの不純物も含んだものとする。

 かかる一般式(I)で表される粘土鉱物の例と ては、ズード・ケミ社製の「ラウンドロジ DGA212」、「ラウンドロジルPR414」、「ラウ ドロジルDG214」
、「ラウンドロジルDGAパウダー」、「フラソ フト-1パウダー」、ラヴィオッサ社製
の「デタソフトGIS」、「デタソフトGIB」、「 デタソフトGISW」、CSM社製のピュアベントナ ト、スタンダードベントナイト、プレミア ベントナイト等が挙げられる。

 汚れの再付着防止性の点から、洗剤組成 中の(c)成分の含有量は、3重量%以上であり 5重量%以上が好ましく、7重量%以上がより好 しく、10重量%以上がさらに好ましい。組成 バランスの点から、25重量%以下が好ましく 20重量%以下がより好ましい。

 多くの粘土鉱物を製品の外観や品質安定 を損なわずに配合できる点から、本発明の 剤組成物は粉末状であることが好ましい。

 粘土鉱物の洗剤組成物への配合方法とし は、例えば、粉末状の粘土鉱物を、粉末洗 の造粒工程や表面改質工程で、他の洗剤成 と混合して洗剤粒子としても良いし、予め 土鉱物を主成分とする造粒物を作成した後 、アフターブレンド工程で、他の洗剤粒子 添加して洗剤組成物としても良い。洗剤が 体状である場合、溶解して供することもで る。

 汚れの再付着防止性の観点から、粘土鉱 のNa/Caの重量比は1.0以上が好ましく、2.0以 がより好ましく、3.0以上がさらに好ましい Na/Caの重量比が高い粘土鉱物を得る方法とし て、天然品であれば、産地を選択すればよい し、または、例えば粘土鉱物を製造する際に 、Na塩等を添加して調整することも可能であ 。また、合成品であれば公知の方法にて任 に調整が可能である。

 Na/Caの重量比が高い粘土鉱物を製造する 法としては、次の製法が有用である。水分 20%以上含む原料粘土鉱石に粉末の炭酸ナト ウム等のNa塩を添加した後に乾燥する工程を 含む製法、または、パウダー状に粉砕した粘 土鉱物を造粒機を用いて造粒する際に炭酸ナ トリウム等のNa塩の粉末や水溶液を添加する 程を含む製法である。

<粘土鉱物のNa/Ca重量比の測定>
 尚、粘土鉱物のNa/Caの重量比は、次の方法 測定する。粘土鉱物を乳鉢で粉砕し、目開 125μmの篩を通過した試料0.1gをマイクロウェ ブ湿式灰化装置(自動)で硫酸-過酸化水素分 したのち、メスフラスコにて50mLにメスアッ プして、ICP発光分析装置で測定してNaとCa量 定量して計算する。
 同様に汚れの再付着防止性の観点から、粘 鉱物に含有されるCaの重量割合は、粘土鉱 中、5重量%以下が好ましく、3重量%以下がよ 好ましく、1重量%以下がさらに好ましい。Ca の重量割合は、上記のNa/Caの重量比と同様に Ca定量値をサンプル重量と比較して計算す ことができる。

<粘土造粒物>
 本発明の組成物の一態様において、(c)成分 全部又は一部を粘土造粒物の形態で用いて よい。ここで粘土造粒物は、その分散性、 類残留性の観点から、以下に示す攪拌条件 JIS  Z  8801規定の標準篩(目開き74μm)に供 た場合、式(II)で算出される粘土造粒物の未 解率が0.2~2.5%であればよい。
 攪拌条件:1リットルのイオン交換水(20℃)に 粘土造粒物1gを投入し、1リットルビーカー( 内径105mm)内で攪拌子(長さ35mm、直径8mm)にて20 間攪拌(回転数800rpm)
 未溶解率(%)=T/S×100    (II)
  S : 粘土造粒物の投入重量(g)
  T : 上記攪拌条件にて得られた水溶液を 記篩に供したときに、篩上の残存する未溶 物の乾燥重量(乾燥条件:105℃の温度下に1時 保持した後、シリカゲルを入れたデシケー ー(25℃)内で30分間保持する)(g)
ここで、粘土鉱物は後述のように粘土造粒物 中に35重量%以上含有されるのが好ましい。

 式(II)で表される粘土造粒物の未溶解率は 、分散性の観点から、0.2%以上が好ましく、0. 4%以上がより好ましく、0.6%以上がさらに好ま しい。また、未溶解物の衣類への残留抑制の 観点から、2.5%以下が好ましく、2.2%以下がよ 好ましく、1.7%以下がさらに好ましく、1.3% 下がさらにより好ましい。

 本発明で定義する未溶解率を所望の割合 調整する方法として、造粒工程の前の工程 例えば原料を粉砕する工程で調整すること できる。具体的にはバッチ式であれば粉砕 間等、連続式であれば、粉砕機の回転数や 級条件等を調整することで調整が可能であ 。

 更に粘土造粒物の分散性の向上の観点か 、該粘土造粒物中のNa量が1.0重量%以上であ ことが好ましく、1.5重量%以上がより好まし く、2.0重量%以上がさらに好ましい。また、 様に粘土造粒物の分散性の向上の観点から 粘土造粒物中のNa/Caの重量比率は1.0以上が好 ましく、1.5以上がより好ましく、2.0以上がさ らに好ましい。

 粘土造粒物中のNa量が1.0重量%以上である は、上記の方法により測定したNaが1.0重量% 上の粘土造粒物のことをいい、Na源として 鉱石中に予め存在しているものや、粘土造 物の製造工程にて添加できるNa塩が挙げられ る。

<粘土造粒物の製造方法>
 以下の製造方法により製造された粘土造粒 を用いることにより、粘土鉱物や粘土造粒 中の不純物が衣類に残留しにくい洗剤組成 を提供することが可能になる。

 洗剤組成物用の粘土造粒物の製造方法と ては、スメクタイト型粘土鉱物を主成分と る水分6~18重量%の粘土鉱物を、調湿された ライエアーを使用した分級機構を備えた粉 機を用いて粉砕することで、粉砕後の粘土 物の水分を粉砕前の粘土鉱物の水分から5%以 上低減する工程を含むことが挙げられる。

 粉砕前の粘土鉱物の水分は粉砕機内への 着抑制や粉砕性の点から好ましくは6~18重量 %、より好ましくは7~16重量%、さらに好ましく は8~14重量%である。これを分級機構を備えた 砕機に用いて粉砕するときに調湿されたド イエアーを使用することで、粉砕後の水分 調整することが可能となり、ドライエアー 湿度は、粉砕性の点から温度20~30℃の相対 度50%以下が好ましく、相対湿度35%以下がよ 好ましく、相対湿度20%以下がさらに好まし 。また、該ドライエアーを用いて風力分級 行うことで、分級装置への粘土鉱物の付着 制に非常に有効である。

 更に、粉砕後の水分を粉砕前の粘土鉱物 水分から5~25%低減することが、粘土造粒物 の未溶解率を所望の範囲に調整するために 要であり、粉砕後の水分は7~22重量%が好まし く、10~20重量%がより好ましい。

<再汚染防止用の共重合体>
 本発明の組成物の一態様において、さらに 汚染防止能を高める為に、N―ビニルピロリ ドン由来の構成単位を有する共重合体を含有 させてもよい。N―ビニルピロリドン由来の 成単位を有する共重合体において、N―ビニ ピロリドン由来の構成単位以外の構成単位 特に限定はない。N―ビニルピロリドン由来 の構成単位を含有する共重合体は、疎水性表 面に対する親和性が高いと思われ、特に、化 繊を含む衣類に対する疎水性微粒子の再付着 防止性能を高めることができる。(c)粘土鉱物 との併用系において、汚れの再汚染防止を効 果的に高める観点から、全構成単位に対する N―ビニルピロリドン由来の構成単位のモル [N-ビニルピロリドン/全構成単位]は、10/100~50 /100であることが好ましく、10/100~40/100である とがより好ましく、10/100~30/100であることが さらに好ましい。

 また、N―ビニルピロリドン由来の構成単 位を有する共重合体の重量平均分子量は、汚 れの再汚染防止を効果的に高める観点から、 好ましくは5,000~100,000、より好ましくは8,000~50 ,000、さらに好ましくは10,000~30,000である。

 共重合体の重量平均分子量は、通常、ゲ 浸透クロマトグラフィ―(GPC)を用いて測定 る。溶媒にDMF(N,N-ジメチルホルムアミド)を い、標準物質にポリエチレングリコール(PEG) を用いる。例として、昭和電工製GPC(有機溶 カラム:Shodex Asahipacシリース゛ GPC KD-803又 GPC KD-804)、RI検出器(RI-71,101昭和電工製)、UV 出器(UV-41昭和電工製)等を用いて、重量平均 子量を求めることができる。

 本発明の組成物の一態様において、再汚 防止の観点から、共重合体の含有量は洗剤 成物中に好ましくは0.01~10重量%、より好ま くは0.05~5重量%、さらに好ましくは0.1~3重量% ある。上記の範囲で1種類以上の共重合体を 用いてもよい。

 N―ビニルピロリドン由来の構成単位を有す る共重合体として、例えば以下の(1)、(2)が好 適に用いることができる。いずれも、共重合 体であることで、同様にN―ビニルピロリド ホモポリマーより優れた性能を呈する。
 (1) N-ビニルピロリドン由来の構成単位と酢 酸ビニル由来の構成単位とを有する共重合体
 (2)N-ビニルピロリドン由来の構成単位とN-ビ ニルイミダゾール由来の構成単位とを有する 共重合体。

<N-ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体&g t;
 本発明の組成物の一態様において、N-ビニ ピロリドン(VP)/酢酸ビニル(VA)共重合体の最 形態は、白色粉末あるいはエタノール溶液 イソプロパノール溶液等の水溶液であるこ が好ましい。該共重合体の製造方法として 、所定量の遊離重合開始剤の存在下で、有 溶剤、好ましくは脂肪族炭化水素、より好 しくはシクロヘキサンまたはヘプタンある はこれらの混合物中で、直接製造する方法 どが挙げられる。適切な重合開始剤として 、アジルペルオキシド、例えば、ジアセチ ペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド よびジラウリルペルオキシド;過酸エステル 例えば、t-ブチルペルオキシピバレート、t- ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート; ルオキシド、例えば、ジ-t-ブチルペルオキ ド;ペルオキシ炭酸塩、例えば、ペルオキシ 炭酸ジシクロヘキシル;ならびにアゾ化合物 、例えば、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリ )、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリ ル)、1,1’-アゾビス(シアノシクロヘキサン) および2,2’-アゾビス(メチルブチロニトリル )が挙げられる。当業者に公知の他の重合開 剤もまた、用いることができる。

 このような重合開始剤の量は、広範囲に 化させることができ、一般的には、導入し 全構成単位の重量を基準として、約0.2~5.0% 用いることができる。反応温度を広範囲に 化させることができ、一般的には、反応混 物を、重合中好ましくは40~150℃、より好ま くは60~70℃に維持することができる。圧力は 通常、大気圧に保持するが、より高い圧力お よびより低い圧力も同様に用いることができ る。重合反応開始後、高目の操作温度(60~80℃ )において他の重合開始剤をさらに導入する とができる。その理由は、この重合開始剤 、残留VPおよびVA構成単位の含有量を、生成 中で100ppm未満に有効に低下させるからであ 。このような比較的高い温度の重合開始剤 系中に、個別に、または低温の重合開始剤 混合して加えることができる。好ましい比 的高い温度の重合開始剤は、2,5-ジメチル-2, 5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキサン(ルパーソ (Lupersol)(登録商標)101)である。このような重 開始剤を含む重合開始剤の合計量も、導入 た全構成単位の重量を基準として、約0.2~5.0 %とすることができる。

 重合は先ず適切な反応器に所定量の有機 媒、例えば脂肪族炭化水素溶媒を予め導入 、この溶媒を所望の反応温度に加熱し、同 に不活性気体雰囲気下で激しくかきまぜる とにより、実施することができる。次に、 合開始剤を反応器中に導入した後、ビニル ロリドンと酢酸ビニル由来の構成単位を、 応器中に、シリンジポンプによって連続的 導入することができる。各構成単位の量比 、共重合体中の所定のビニルピロリドンと 酸ビニルとで望まれる比率に基づいて調整 ることができる。ビニルピロリドンは、重 中、酢酸ビニルよりもはるかに反応性が高 、高分子主鎖上の構成単位の分布に関連し 実質的に均一な共重合体を提供するのが望 しいため、酢酸ビニル添加時間を比較的短 する場合は、通常3~5時間とし、ビニルピロ ドンの添加時間を比較的長くする場合は、 常5~7時間とすることが好ましい。好ましく 、反応混合物を反応器中に、溶媒の液面よ も下に導入する。反応混合物をさらに一定 間、通常6~8時間、比較的高い温度(60~80℃)に おいて、高温重合開始剤、例えば2,5-ジメチ -2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキサン(ルパー ル(登録商標)101)を添加して保持して、重合 完了することができる。最後に、反応混合 を室温まで冷却し、濾過し、溶媒で洗浄し 乾燥することにより、所望の共重合体が、 量的に近い収率で得ることができる。ある はまた、反応混合物を直接乾燥して、共重 体粉末を得ることもできる。

 共重合体の状態を示すガラス転移温度Tg 、この温度より高いと、共重合体は、粘稠 態またはゴム状態にあり;この温度より低い 、共重合体は硬質状態またはガラス状態に る。Tgは、共重合体中の遊離末端基の量に 連する。得られたN-ビニルピロリドン/酢酸 ニル共重合体のTgは、架橋反応を起こさない 通常の共重合体を合成する為に、好ましくは 50~130℃、より好ましくは55~120℃、さらに好ま しくは70~110℃の範囲内である。

 N-ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体 重量平均分子量は、汚れの再汚染防止を効 的に高める観点から、好ましくは5,000~70,000 あり、好ましくは8,000~50,000、より好ましく 10,000~30,000である。

 共重合体中、N-ビニルピロリドン由来の 成単位と酢酸ビニル由来の構成単位とのモ 比[N-ビニルピロリドン/酢酸ビニル]は、汚れ の再汚染防止を効果的に高める観点から、10/ 90~50/50であることが好ましく、10/90~40/60であ ことがより好ましく、10/90~30/70であることが さらに好ましい。

 共重合体は、全構成単位中に、ビニルア コール由来の構成単位を含有する共重合体 あってもよい。

 ビニルアルコール由来の構成単位を含有 せる方法としては以下の方法が挙げられる 一般に、ポリ酢酸ビニルの酢酸エステル残 を希酸またはアルカリにより加水分解する 、ポリビニルアルコールが得られる。ビニ アルコール(アセトアルデヒドのエノール互 変異体)は分子構造が不安定で、これを構成 位として直接、重合することができないた 、酢酸ビニルを経由してビニルアルコール 含有させることができる。

 共重合体は、ビニルアルコール由来の構 単位を、汚れの再汚染防止を効果的に高め 観点から、全構成単位中に、好ましくは0~15 モル%、より好ましくは0~10モル%、さらに好ま しくは0~5モル%含有する。

 本発明の洗剤組成物は、(2)の共重合体;N- ニルピロリドン由来の構成単位とN-ビニル ミダゾール由来の構成単位とを有してなる 重合体を含有することができる。本明細書 は、該共重合体を以下単に「N-ビニルピロリ ドン/N-ビニルイミダゾール共重合体」と称す ることがある。

<(2)N-ビニルピロリドン/N-ビニルイミダゾー ル共重合体>
 本発明の洗剤組成物は、(2)の共重合体;N-ビ ルピロリドン由来の構成単位とN-ビニルイ ダゾール由来の構成単位とを有してなる共 合体を好適に含有できる。本明細書では、 共重合体を以下単に「N-ビニルピロリドン/N- ビニルイミダゾール共重合体」と称すること がある。

 本発明のN-ビニルピロリドン/N-ビニルイ ダゾール共重合体の重量平均分子量は、再 染防止性能を高める観点から、好ましくは10 ,000~100,000、好ましくは55,000~100,000、より好ま くは60,000~80,000である。

 N-ビニルピロリドン/N-ビニルイミダゾー 共重合体(PVP/PVI共重合体)は、特許3272359号、 許3272362号などに記載のラジカル開始剤によ る製造方法により、共重合することができる 。

 尚、本発明の上記「再汚染防止用の共重 体」は界面活性剤の種類に拘らず使用する ともできる。つまり、非イオン性界面活性 /陰イオン界面活性剤の比に拘らず用いるこ とが出来る。

<(d)アクリル酸系重合体>
 更に、本発明の洗剤組成物は、重量平均分 量5000以上10万以下のポリアクリル酸もしく その塩、または重量平均分子量5000以上10万 下のアクリル酸-マレイン酸共重合体もしく はその塩等のアクリル酸系重合体を含有する ことが好ましい。これらの高分子は、泥のよ うな親水性の微粒子に対する分散性に優れる ために、これらの粒子の再付着防止性に効果 を発揮する。更に、炭酸イオンの存在下で、 上記粘土鉱物によるすすのような疎水性微粒 子の再汚染防止性向上を促進する効果を持つ 。この点から、洗剤組成物中の(d)成分の含有 量は、0.5重量%以上が好ましく、1.0重量%以上 より好ましく、2.0重量%以上がさらに好まし く、3.0重量%以上がさらにより好ましい。泥 れの再付着防止性の点から、ポリアクリル またはその塩がより好ましい。汚れの再付 防止性の観点から、ポリアクリル酸または の塩の重量平均分子量は5000以上5万以下が好 ましく、5000以上3万以下がより好ましい。

<(e)アルカリ剤>
 更に、本発明ではアルカリ剤を使用するこ が好ましい。使用できるアルカリ剤として 、従来知られているものが挙げられる。洗 性の点からは、アルカリ剤を洗剤組成物に 途配合することが好ましい。アルカリ剤の としては、デンス灰やライト灰と総称され 炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩、 びにJIS1号、2号、3号等の非晶質のアルカリ 属珪酸塩、結晶性アルカリ金属珪酸塩等の ルカリ金属塩が挙げられる。洗浄性の点か 、アルカリ剤の配合量は、洗剤組成物中に5 重量%以上が好ましく、10重量%以上がより好 しく、15重量%以上がさらに好ましい。配合 バランスの点から、50重量%以下が好ましく 40重量%以下がより好ましく、35重量%以下が らに好ましい。

<(f)金属イオン封鎖剤>
 金属イオン封鎖剤は、塩強度の増加による れ付着の促進を抑制する効果があるため、 合することが好ましい。また、ビルダーと て、金属イオン封鎖剤を洗剤組成物に配合 、洗濯水中の硬度成分を捕捉することは、 浄性の点から非常に効果的である。特にカ シウムイオン捕捉能100mgCaCO /g以上である金属イオン封鎖剤を配合するこ がより効果的である。かかる金属イオン封 剤としては、結晶性アルミノ珪酸塩、結晶 珪酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウ 、エチレンジアミン四酢酸、メチルグリシ 二酢酸が挙げられる。ただし、炭酸ナトリ ム、非晶質珪酸ナトリウムは、本発明にお ては金属イオン封鎖剤に含まれないことと る。洗剤組成物中の金属イオン封鎖剤の含 量は、洗浄性の観点から、1重量%以上が好 しく、5重量%以上がより好ましく、10重量%以 上がさらに好ましく、20重量%以上が特に好ま しい。また、配合のバランスの観点から、50 量%以下が好ましく、40重量%以下がより好ま しく、35重量%以下がさらに好ましい。

<その他のポリマー>
 また、本発明の洗剤組成物には、重量平均 子量数千~数十万の有機ポリマー、例えば、 ポリエチレングリコール、カルボキシメチル セルロース、ポリビニルアルコール等を本発 明の効果を損なわない範囲で配合することが できる。再汚染防止性の点から、重量平均分 子量30万以上の有機ポリマーは配合しないこ が好ましい。

<ポリエチレングリコール>
 ポリエチレングリコールは、固体粒子汚れ 洗濯浴中へ分散させる作用がある。重量平 分子量は1000以上2万以下のものが好ましい

<カルボキシメチルセルロース>
 カルボキシメチルセルロースは、固体粒子 れを洗濯浴中へ分散させる作用がある。分 性の点から、重量平均分子量は1000以上10万 下、エーテル化度0.2~1.0のものが好ましい。

<蛍光染料>
 本発明の洗剤組成物には、蛍光染料を好適 配合できる。蛍光染料としては、ビフェニ 型蛍光染料とスチルベン型蛍光染料が使用 きる。
 ビフェニル型蛍光染料としては4,4’-ビス(2- スルホスチリル)ビフェニルジナトリウムや4, 4’-ビス(2-スルホ-4-クロロスチリル)ビフェニ ルジナトリウムをあげることができ、特に4,4 ’-ビス(2-スルホスチリル)ビフェニルジナト ウムが好ましい。商品名として、チノパー CBS-X(チバスペシャリティケミカルス社製)等 が挙げられる。
 スチルベン型蛍光染料としては、一般式(III )の化合物が好ましい。ここで、M'の陽イオン としては、ナトリウムイオン等のアルカリ金 属イオン、マグネシウムイオン等のアルカリ 土類金属イオン、アンモニウムイオンが挙げ られる。特にアルカリ金属イオンが好ましい 。この化合物はチノパールAMS-GX(チバスペシ リティケミカルス社製)として入手可能であ 。        

 化繊/木綿の混紡布等に対する、疎水性微 粒子の再汚染防止性に関して、粘土鉱物の効 果を高める点から、〔スチルベン型蛍光染料 /全蛍光染料〕の重量比は、0/100以上75/100以下 が好ましく、0/100以上50/100以下がより好まし 、0/100以上25/100以下がさらに好ましく、0/100 以上10/100以下がよりさらに好ましい。

 化繊/木綿の混紡布等に対する、疎水性微 粒子の再汚染防止性に関して、粘土鉱物の効 果を高める点から、スチルベン型蛍光染料の 含有量は、洗剤組成物中に0重量%以上0.3重量% 以下が好ましく、0重量%以上0.15重量%以下が り好ましく、0重量%以上0.05重量%以下がさら 好ましい。

<その他添加剤>
 本発明の洗剤組成物には、酵素、香料、着 剤(顔料や染料)等も適宜配合することがで る。

2.洗剤組成物の構造
 本発明の洗剤組成物の一形態として、耐固 性、及び界面活性剤等のシミだし抑制等、 存安定性の点から、下記の(A)洗剤粒子と(B) 土造粒物を含有するものが好ましい。
 (A):(c)成分の粘土鉱物が、(a)成分および(b)成 分を含有する界面活性剤
含有粒子の表面に存在し、かつその表層面が 表面改質剤で更に被覆された構造を有する洗 剤粒子
 (B):(c)成分の粘土鉱物を35重量%以上含有する 粘土造粒物

 (A)洗剤粒子の製造法は特に限定されないが 例えば以下のような工程で得ることができ 。
工程(I):界面活性剤をその内部や表層に担持 能な洗剤ベース粒子と、(c)粘土鉱物を攪拌 合する工程。
工程(II):工程(I)で得られた粒子に、(a)および( b)を含む界面活性剤組成
物を加えて混合することで、これを担持させ る工程。
工程(III):工程(II)で得られた粒子に、表面改 剤を添加混合することで、粒
子の表層を表面改質剤で被覆する工程。

 また、先に、洗剤ベース粒子に界面活性 組成物を混合することで、界面活性剤組成 を担持させた後、(c)粘土鉱物を添加し、そ 後に表面改質の工程を行っても良いし、可 であれば、洗剤ベース粒子に対して、界面 性剤組成物と粘土鉱物をほぼ同時に添加し 混合し、これを表面改質することで(A)洗剤 子を得ても良い。

 ここで、洗剤ベース粒子は、洗剤成分と て一般的な界面活性剤、無機塩、高分子を なくとも一種類以上を含有し、(c)粘土鉱物 界面活性剤組成物や表面改質剤で被覆され 前の状態の粒子である。洗剤ベース粒子は 界面活性剤、無機塩、高分子を含有するス リー水溶液を噴霧乾燥して得られるもので 良いし、適当な無機塩でも良い。液状の界 活性剤組成物を安定に担持するために、液 をその内部に保持できる構造を有するもの 好ましい。例えば、特開平11-29830号公報に 示されるようなベース顆粒が好適に用いら る。

 この(A)洗剤粒子中の(c)粘土鉱物は、本発 における洗剤組成物における液状の界面活 剤組成物のシミ出しを抑制する効果を持つ また、液状成分を含有した際に粘着性を呈 ることで、表面改質剤の剥離を抑制する効 も持つ。このため効率的な表面改質が行わ る。これらの効果を発揮するため、洗剤ベ ス粒子表面に効率良く分散した状態が有利 ある。この点から、粘土鉱物の平均粒径は 1~80μmが好ましく、1~60μmがより好ましく、1~ 40μmがさらに好ましく、1~20μmが特に好ましい 。また、本発明の効果を十分に得るために、 粘土鉱物は洗剤ベース粒子100重量部に対して 0.5重量部以上が好ましく、1重量部以上がよ 好ましく、2重量部以上がさらに好ましく、3 重量部以上がさらにより好ましく、4重量部 上が特に好ましい。また、洗剤粒子の流動 の点から、20重量部以下が好ましく、15重量 以下がより好ましく、12重量部以下がさら 好ましい。

 ここで、上記(c)成分の平均粒径は、例え 乾式測定ユニットを有したレーザ回折/散乱 式粒子径分布測定装置を用いて測定すること ができる。具体的にはMie散乱法を用いたPartic a  LA-950(堀場製作所(株)製)にオプションで乾 式測定ユニットG0310630を接続することにより 定することができる。粉体の分散のための 縮空気の設定はノーマルで測定し、得られ メジアン径を粘土鉱物の平均粒径とする。

 界面活性剤組成物は、主に本発明の(a)非 オン性界面活性剤、(b)陰イオン性界面活性 から成る混合物で、その他の非イオン性界 活性剤や陰イオン性界面活性剤、両性界面 性剤、陽イオン性界面活性剤、脂肪酸塩、 リエチレングリコール、ポリプロピレング コール、プルロニック型非イオン性界面活 剤等を含有しても良い。洗剤ベース粒子と 混合時に液状であるものが好ましい。

 表面改質剤は、洗剤粒子の表面に被覆さ 、洗剤粒子の流動性を向上させるために配 する粉体である。具体的には、アルミノケ 酸塩が望ましい。アルミノケイ酸塩以外で 、ケイ酸カルシウム、結晶性ケイ酸塩化合 等のケイ酸塩化合物のような無機微粉体も ましい。洗剤粒子群表面の被覆率が向上し 洗剤粒子群の流動性が向上する点で、その 次粒子の平均粒径が10μm以下のものが好ま く、0.1~10μmであることがより好ましい。表 改質剤の使用量としては、表面被覆の効率 の点から工程(II)で得られる混合物100重量部 対して5重量部以上が好ましく、10重量部以 がより好ましい。また、流動性の点から100 量部以下が好ましく、75重量部以下がより ましく、50重量部以下がさらに好ましい。

 (B)の粘土造粒物は、前記の一般式(I)で表 れる粘土鉱物を好ましくは35重量%以上、よ 好ましくは50重量%以上、より好ましくは60 量%以上、さらに好ましくは70重量%以上含有 るものである。

 (B)粘土造粒物は、界面活性剤等を含有する( A)洗剤粒子と別粒子であることで、
容器中の湿度成分等の侵入に伴う(A)洗剤粒子 間の固着現象を防ぐ効果がある。この点から 、(B)粘土造粒物の含有量は、洗剤組成物中、 3重量%以上が好ましく、4重量%以上がより好 しく、5重量%以上がさらに好ましく、7重量% 上がさらにより好ましい。配合のバランス 点から、20重量%以下が好ましい。

 本発明において、粘土造粒物の嵩密度は 非分級性の観点から、好ましくは500~1200g/L より好ましくは600~1100g/L、さらに好ましくは 700~1050g/Lである。該粘土造粒物の平均粒径は 低発塵性、非分級性の観点から、好ましく 200~1000μm、より好ましくは300~900μm、さらに ましくは400~800μmである。

 加えて、発塵性、外観の観点から180~1410μ mの粒子群が全体の90重量%以上を占める粘土 粒物が好ましく、95重量%以上を占める粘土 粒物がより好ましい。

 粘土造粒物の水分値としては、粒子強度 観点から18重量%以下が好ましく、16重量%以 がより好ましく、14重量%以下がさらに好ま い。

 粘土造粒物の水溶液(分散液)のpHはガラス 電極法を用いた20℃、2重量%の測定条件にて 品質管理の観点から9.0以上が好ましく、9.5 上がより好ましく、10.0以上がさらに好まし 。

〔平均粒径〕
 本発明で用いられる洗剤粒子や造粒物等の 子の平均粒径は、JIS Z 8801の標準篩を用い 5分間振動させた後、篩目のサイズによる重 量分率から求める。

〔嵩密度〕
 同様に、洗剤粒子等の嵩密度は、JIS  K  3 362により規定された方法で測定する。

実施例1~7と比較例1~5
 粘土鉱物、酵素、香料、および表面改質用 オライト3重量%を除いた成分で、洗剤ベー を得た。これに、残りの成分を混合して洗 組成物を得た。洗剤組成物の組成を表1に示 。

実施例8~10と比較例6
 前記同様にして洗剤組成物を得た。洗剤組 物の組成を表2に示す。

 なお、実施例1~10、比較例1~6中、各成分とし ては、以下のものを用いた。
非イオン性界面活性剤1(ポリオキシアルキレ アルキルエーテル1):炭素数10~1
4の1級アルコールにEOを平均3モル付加させた の
非イオン性界面活性剤2(ポリオキシアルキレ アルキルエーテル2):炭素数10~1
4の1級アルコールにEOを平均5モル付加させた の
非イオン性界面活性剤3(ポリオキシアルキレ アルキルエーテル3):炭素数10~1
4の1級アルコールにEOを平均6モル付加させた の
非イオン性界面活性剤4(ポリオキシアルキレ アルキルエーテル4):炭素数10~1
4の1級アルコールにEOを平均8モル付加させた の
非イオン性界面活性剤5(ポリオキシアルキレ アルキルエーテル5):炭素数10~1
4の1級アルコールにEOを平均12モル付加させた もの
陰イオン性界面活性剤1:炭素数12~14のアルキ 基を有する直鎖アルキルベンゼンスルホン ナトリウム
陰イオン性界面活性剤2:炭素数12~14のアルキ 基を有する直鎖アルキル硫酸ナトリウム
粘土鉱物1:Na/Ca重量比が3のベントナイト
粘土鉱物2:Na/Ca重量比が0.1のベントナイト
PEG:ポリエチレングリコール(重量平均分子量 10000)
結晶性シリケート:プリフィード顆粒品(株式 社トクヤマシルテック製)
ゼオライト:「ゼオビルダー」(4A型、ゼオビ ダー社製)
石鹸:ルナックL-98(花王(株)製)、ルナックMY-98( 花王(株)製)を、ル
ナックP-95(花王(株)製)の中和物。混合比は脂 酸純分として、40重量%、10重量%、50重量%。
ソーダ灰:デンス灰(セントラル硝子(株)製)
芒硝:無水中性芒硝(四国化成(株)製)
ポリアクリル酸Na:重量平均分子量 1.5万;GPC測 定、ポリエチレングリコール
換算
酵素:「セルラーゼK」(特開昭63-264699号公報記 載)、「カンナーゼ24T
K」(ノボ社製)、「サビナーゼ6.0T」(ノボ社製) を3:1:2 の重量比で使用
蛍光染料1:「チノパールCBS-X」(チバスペシャ ティケミカルス社製)
蛍光染料2:「チノパールAMS-GX」(チバスペシャ リティケミカルス社製)
PVP/VA重合体:PVP/VAコポリマー 「I-335」 Internat ional Specialty Products社製(重量平均分子量14000 PVP/VA=30/70 モル比、Tg:71℃)

再汚染防止性評価
<処理布の調整法>
 試験布への処理は、衣料用洗剤(ニュービー ズ)を0.083重量%で使って、試験布に全自動洗 機・標準コースを使って5回累積洗濯処理を った。恒温室(25℃/40%RH)において一昼夜の乾 燥および調湿したものを処理布とした。試験 布のサイズは、それぞれ4×5cmとした。なお、 浴処理条件は、Haier(株)製全自動洗濯機JW-Z20A を用い、標準コース(洗い15分、濯ぎ2回、脱 水5分、水量15L)、水温20℃、浴比40である。

<試験布>
 木綿メリヤスニット(蛍光染料未染着布)、T/ Cブロード(蛍光染料染着布シルケット処理有) を、(株)谷頭商店TEL06-6328-6134より入手した。

<再汚染防止性試験法>
 再汚染防止効果の評価には、ラウンダオメ ターを使用して評価を行った。表1、2の洗 組成物を72mg/L(CaCO 3 換算)のカルシウム硬水100mLに各々溶解し、0.1 5%になるように調整した。次いで浴液中に、0 .13gのカーボン、または2.5gの泥(200meshの篩い 通過した園芸用鹿沼赤土〔(株)国幸園(大阪 和泉市善正町10)から購入〕)を入れ、超音波 振器((株)国際電気エルテック製  型式U0600P B-Y)の浴槽を用いて15分間超音波照射し分散さ せ、ラウンダオメーター用のガラスカップに 移した。

 2種類の処理布をそれぞれサイズ4×5cmとして 、1種類を5枚組で計20枚組にしたものをカッ 内の浴液中に投入し、25℃、30分間、ポット 転速度 40±2回/分でラウンダオメーターに 洗浄を行った。5Lの水道水でためすすぎの後 、アイロンプレス処理を行った。次いで、洗 浄前の原布、再汚染試験布の550nmにおける反 率を日本電色工業(株)製  分光色差計SE2000 て測定し、次式から再汚染防止率(%)を算出 た。その結果を表1、2に示す。
式:      再汚染防止率(%)=〔洗浄後の反射 /原布の反射率〕×100

<結果>
 表1に記載された通り、実施例1~7の洗剤組成 物は、本発明に基づき適正な配合組成となっ ているため、界面活性剤と粘土鉱物による効 果が発揮される。カーボンのような疎水性微 粒子、泥のような親水性微粒子、いずれに関 しても、比較例1~5と比較した場合、有意に高 い再汚染防止性を実現する。更に、適当な蛍 光染料、PVP/VA共重合体を配合することで、非 常に優れた再汚染防止性を実現する。

 表2に記載された通り、実施例8~10の洗剤 成物は、本発明に基づいた適正な配合組成 なっており、化繊を含む布に対してカーボ のような疎水性微粒子、泥のような親水性 粒子、いずれの再付着に関しても、界面活 剤と粘土鉱物による効果が発揮される。更 、適当な蛍光染料、PVP/VA共重合体を配合す ことで、非常に優れた再汚染防止性を実現 る。

実施例11
 実施例11においては以下の原料を用いた。
硫酸ナトリウム:無水中性芒硝(四国化成(株) )
亜硫酸ナトリウム:亜硫酸ソーダ(三井化学(株 )製)
蛍光染料:チノパールCBS-X(チバスペシャリテ ケミカルス社製)
炭酸ナトリウム:デンス灰(平均粒径:290μm、セ ントラル硝子(株)製)
40重量%ポリアクリル酸ナトリウム水溶液:重 平均分子量1万(花王(株)製)
塩化ナトリウム:ナクルN(南海塩業(株)製)
Na型ベントナイト粉末(粘土鉱物):SUD社製、品 :ランドロジルDGAパウダー、平均粒径:20μm  Na/Ca重量比:2.7
結晶性アルミノ珪酸ナトリウム(ゼオライト): ゼオビルダー(4A型、平均粒径:3.
5μm)、ゼオビルダー社製
結晶性シリケート:プリフィード6N((株)トクヤ マシルテック製)粉砕品(平均粒径
10μm)
ポリオキシエチレンアルキルエーテル(非イ ン性界面活性剤):エマルゲン106KH
(エチレンオキサイド平均付加モル数:6、アル キル鎖の炭素数:12~14)
ポリエチレングリコール:PEG13000(重量平均分 量:10000、三井化学(株)製)
ドデシルベンゼンスルホン酸(LAS-S):ネオペレ クスGS(花王(株)製)
脂肪酸:ルナックL-98(花王(株)製)を38重量%、ル ナックMY-98(花王(株)製)を12重量%、ルナックP-9 5(花王(株)製)を50重量%の割合でブレンドする
Na型ベントナイト粘土造粒物:SUD社製、品名: ンドロジルDGA、Na/Ca重量比:2.7 Na含有量:2.7重 量%

界面活性剤担持用ベース粒子の調製
 混合槽に水375kgを入れ、水温が50℃に達した 後に、硫酸ナトリウム182kg、亜硫酸ナトリウ 5kg、蛍光染料1kgを添加して10分間攪拌した これに、炭酸ナトリウム167kg、40重量%ポリア クリル酸ナトリウム水溶液75kgを添加した。10 分間攪拌した後、塩化ナトリウム30kgを添加 、10分間攪拌した。更にゼオライト160kgを添 し、30分間攪拌して均質なスラリーを得た このスラリーの最終温度は53℃であった。こ のスラリーをポンプで噴霧乾燥塔(向流式)に 給し、塔頂付近に設置した圧力噴霧ノズル ら噴霧圧2.5MPaで噴霧を行った。噴霧乾燥塔 供給する高温ガスは塔下部より温度が200℃ 供給され、塔頂より90℃で排出された。得 れた噴霧乾燥粒子を界面活性剤担持用ベー 粒子(洗剤ベース粒子)とした。界面活性剤担 持用ベース粒子の水分は2%であった。尚、粒 水分はJIS K 0068により規定された方法で測 する。

洗剤粒子の調製(1)
 リボンミキサー(ホソカワミクロン(株)製、 量200L、ジャケット付)に界面活性剤担持用 ース粒子を86.7kg、Na型ベントナイト粉末の粘 土鉱物5.5kgを投入し、2分間攪拌する(攪拌翼 回転数:60rpm、周速:1.6m/s)。尚、ジャケットに は、80℃の温水を40L/分で流す。そこに、上記 41kgの界面活性剤組成物(ポリオキシエチレン ルキルエーテル/ポリエチレングリコール/ デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム/水=24. 7/1/20.7/6.1)を4分間で投入し、その後6分間攪拌 を行う。これにより、界面活性剤組成物を担 持させた。

 次いでハイスピードミキサー(深江工業( )製、容量455L、ジャケット付)に担持させた ース粒子を移し、主軸(回転数:82rpm)及びチョ ッパー(回転数:1800rpm)を回転させながら、表 改質剤としてゼオライト(ゼオビルダー社製 4A型、平均粒径3.5μm)10kgを投入し、表面改質 を行い、洗剤粒子を得た。尚、ジャケットに は70℃の温水を60L/分で流した。

 その後、得られた洗剤粒子15kgに対してコ ンクリートミキサーを用いてゼオライト(ゼ ビルダー社製、4A型、平均粒径3.5μm)710g、香 を40g、Na型ベントナイト粘土造粒物1.2kgをブ レンドし、洗剤組成物を得た。

比較例7
洗剤粒子の調製(2)
 実施例11のNa型ベントナイト粉末の投入量を 0kg、Na型ベントナイト粘土造粒物の投入量を0 kgに変更する以外は、実施例11と同じ方法で 剤組成物を得た。

<保存安定性試験法>
 濾紙(ADVANTEC社製  No.2)で長さ10.2cm×幅6.2cm× さ4cmの上部のない箱を作り、四隅をステー ラーでとめる。試料(洗剤組成物)50gを入れ 該箱の上にアクリル樹脂板(15g)と鉛板(250g)を のせる。これを温度30℃、湿度70%RH雰囲気下3 び4週間放置した後のケーキング状態につい て下記の篩通過率を求めることによって行う 。

 篩通過率:試験後の試料を篩(JIS  Z  8801 定の目開き4760μm)上に静かにあけ、通過し 粉末重量を計り、試験後の試料に対する篩 過率(%)を求める。

 シミ出し性:篩通過率試験を行った濾紙の容 器の底部(粉体と非接触面)でのシミ出し状態 目視評価する。評価は、底部の濡れ面積で 定し、下記の1~5ランクとする。
    ランク1:濡れていない。
       2:1/4程度の面が濡れている。
       3:1/2程度の面が濡れている。
       4:3/4程度の面が濡れている。
       5:全面が濡れている。

 実施例11、比較例7の保存安定性を表3に示 す。

<結果>
 実施例11は、粉末状粘土鉱物、顆粒状粘土 物(粘土造粒物)が所望の効果が期待できる範 囲で配合されている。従って粘土鉱物の効果 が期待できない比較例7に比べて、篩通過率 びシミだし性の両面から保存安定性に優れ 。また、実施例11で用いたベントナイト粘土 造粒物について、前記記載の方法で測定した ところ、未溶解率は0.6%であった。