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Patent Searching and Data


Title:
DEVICE AND METHOD FOR MANUFACTURING SPLINE MEMBER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/041216
Kind Code:
A1
Abstract:
A device (6) for manufacturing a spline member has a shaving punch (61), a shaving die (62), a spline punch (63) and a stripper (64). A first surface (111) of a substrate portion (11) and the outer circumferential surface (202) of a boss portion (2) are supported by means of a stripper (64), the shaving punch (61) is advanced relatively while pressing a material (100) and the stripper (64), and a cutout is formed in the outer circumference of the substrate portion (11) by means of the shaving punch (61) and the shaving die (62). Furthermore, the shaving punch (61) is advanced relatively while restricting the outer circumferential surface ofthe substrate portion (11) by means of the shaving die (62) and the spline punch (63) is inserted into the inner circumferential surface (201) of the boss portion (2) thus forming a spline portion.

Inventors:
NAKAJIMA MASAKI (JP)
NAGAI HIDEYUKI (JP)
NAGASHIMA KAZUSHI (JP)
TERAO ARIYOSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/065670
Publication Date:
April 02, 2009
Filing Date:
September 01, 2008
Export Citation:
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Assignee:
AISIN AW CO (JP)
NAKAJIMA MASAKI (JP)
NAGAI HIDEYUKI (JP)
NAGASHIMA KAZUSHI (JP)
TERAO ARIYOSHI (JP)
International Classes:
B21J5/12; B21K1/30; B21K23/04
Foreign References:
JPH10166102A1998-06-23
JP2001108027A2001-04-20
JP2007064889A2007-03-15
JPS645638A1989-01-10
JP2003010921A2003-01-15
Attorney, Agent or Firm:
AICHI, Takahashi, Iwakura & Associates (26-19 Meieki 3-chome, Nakamura-ku, Nagoya-sh, Aichi 02, JP)
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Claims:
 板状の基板部と該基板部の一方の表面である第1表面から突出するように設けられた円筒状のボス部とを有する素材を用いて、上記ボス部の内周面において軸方向に沿って形成された山部と該山部の間に形成された谷部とを交互に設けたスプライン部を有するスプライン部材を製造する製造装置であって、
 該製造装置は、上記基板部の外周部の少なくとも一部に切り欠き部を形成するためのシェービングパンチ及びシェービングダイスと、
 上記ボス部の内周面に挿入して上記スプライン部を形成するためのスプラインパンチと、
 上記基板部の上記第1表面及び上記ボス部の外周面を支持するストリッパーとを有し、
 上記シェービングパンチ、上記シェービングダイス、上記スプラインパンチ及び上記ストリッパーが同軸上に配置され、上記スプラインパンチの外周側に上記ストリッパーが配置され、該ストリッパーの外周側にシェービングダイスが配置され、軸方向において上記ストリッパーに対向するように上記シェービングパンチが配置されており、上記シェービングダイス及び上記スプラインパンチに対して上記シェービングパンチが相対的に軸方向に移動可能に設けられていると共に、上記シェービングパンチの押圧力によって上記ストリッパーが相対的に後退するよう設けられており、
 上記基板部の上記第1表面及び上記ボス部の外周面を上記ストリッパーによって支持し、上記シェービングパンチを相対的に上記ストリッパーに向けて前進させ、上記基板部の上記第1表面の反対側の面である第2表面に当接させ、さらに上記素材及び上記ストリッパーを押圧しながら上記シェービングパンチを相対的に前進させ、上記シェービングパンチ及び上記シェービングダイスによって上記素材にせん断力を加え、上記基板部の外周部の少なくとも一部に上記切り欠き部を形成し、さらに上記基板部の外周面を上記シェービングダイスによって拘束しながら上記シェービングパンチを相対的に前進させ、上記ボス部の内周面に上記スプラインパンチを挿入して上記スプライン部を形成することができるよう構成されていることを特徴とするスプライン部材の製造装置。
 請求項1において、上記製造装置は、さらに上記ストリッパーの後退を規制する受圧部材を有し、
 上記スプライン部を成形した後、さらに上記シェービングパンチを相対的に前進させ、上記ストリッパーを上記受圧部材に当接させて上記ストリッパーの後退を停止させ、上記シェービングパンチの押圧力によって上記基板部における上記第2表面の所定の場所に対してコイニング加工することができるよう構成されていることを特徴とするスプライン部材の製造装置。
 請求項1又は2において、上記素材の上記ボス部は、バーリング加工により成形してあることを特徴とするスプライン部材の製造装置。
 請求項1~3のいずれか1項に記載のスプライン部材の製造装置を用い、上記スプライン部材を製造する方法であって、
 上記基板部の上記第1表面及び上記ボス部の外周面を上記ストリッパーによって支持する素材支持工程と、
 上記シェービングパンチを相対的に上記ストリッパーに向けて前進させ、上記基板部の上記第2表面に当接させ、さらに上記素材及び上記ストリッパーを押圧しながら上記シェービングパンチを相対的に前進させ、上記シェービングパンチ及び上記シェービングダイスによって上記素材にせん断力を加え、上記基板部の外周部の少なくとも一部に上記切り欠き部を形成するシェービング工程と、
 さらに上記基板部の外周面を上記シェービングダイスによって拘束しながら上記シェービングパンチを相対的に前進させ、上記ボス部の内周面に上記スプラインパンチを挿入して上記スプライン部を形成するスプライン形成工程とを有するスプライン部材の製造方法。
 請求項4において、上記スプライン形成工程の後、さらに上記シェービングパンチを相対的に前進させ、上記ストリッパーを上記受圧部材に当接させて上記ストリッパーの後退を停止させ、上記シェービングパンチの押圧力によって上記基板部における上記第2表面の所定の場所に対してコイニング加工するコイニング加工工程を行うことを特徴とするスプライン部材の製造方法。
 請求項4又は5において、上記スプライン部材は、自動変速機のプラネタリギア用のキャリアカバーであることを特徴とするスプライン部材の製造方法。
 請求項4又は5に記載のスプライン部材の製造方法により製造されてなることを特徴とするスプライン部材。
 請求項7において、上記スプライン部材は、自動変速機のプラネタリギア用のキャリアカバーであることを特徴とするスプライン部材。
Description:
スプライン部材の製造装置及び 造方法

 本発明は、円筒状のボス部にスプライン を形成してなるスプライン部材の製造装置 び製造方法に関する。

 例えば、自動車用の部品等に、円筒状のボ 部にスプライン部を形成してなるスプライ 部材が多用されている(特許文献1参照)。
 このようなスプライン部材は、通常、板状 基板部とその基板部から突出するように設 られた円筒状のボス部とを有する素材を用 、ボス部において軸方向に沿ってスプライ 部を形成することによって製造される。

特開2004-34037号公報

 従来の製造方法では、スプライン部を形 するスプライン形成工程の前に、基板部の 周部に切り欠き部を設け、所望の外形状に 工するシェービング工程を行う。しかしな ら、シェービング工程とスプライン形成工 とを別々に行っていたため、得られるスプ イン部材は、スプライン部に対する切り欠 部の同軸度、位置精度が不充分であった。

 本発明は、かかる従来の問題点に鑑みて されたもので、スプライン部に対する切り き部の同軸度、位置精度を充分に確保する とができるスプライン部材の製造装置及び 造方法を提供しようとするものである。

 第1の発明は、板状の基板部と該基板部の一 方の表面である第1表面から突出するように けられた円筒状のボス部とを有する素材を いて、上記ボス部の内周面において軸方向 沿って形成された山部と該山部の間に形成 れた谷部とを交互に設けたスプライン部を するスプライン部材を製造する製造装置で って、
 該製造装置は、上記基板部の外周部の少な とも一部に切り欠き部を形成するためのシ ービングパンチ及びシェービングダイスと
 上記ボス部の内周面に挿入して上記スプラ ン部を形成するためのスプラインパンチと
 上記基板部の上記第1表面及び上記ボス部の 外周面を支持するストリッパーとを有し、
 上記シェービングパンチ、上記シェービン ダイス、上記スプラインパンチ及び上記ス リッパーが同軸上に配置され、上記スプラ ンパンチの外周側に上記ストリッパーが配 され、該ストリッパーの外周側にシェービ グダイスが配置され、軸方向において上記 トリッパーに対向するように上記シェービ グパンチが配置されており、上記シェービ グダイス及び上記スプラインパンチに対し 上記シェービングパンチが相対的に軸方向 移動可能に設けられていると共に、上記シ ービングパンチの押圧力によって上記スト ッパーが相対的に後退するよう設けられて り、
 上記基板部の上記第1表面及び上記ボス部の 外周面を上記ストリッパーによって支持し、 上記シェービングパンチを相対的に上記スト リッパーに向けて前進させ、上記基板部の上 記第1表面の反対側の面である第2表面に当接 せ、さらに上記素材及び上記ストリッパー 押圧しながら上記シェービングパンチを相 的に前進させ、上記シェービングパンチ及 上記シェービングダイスによって上記素材 せん断力を加え、上記基板部の外周部の少 くとも一部に上記切り欠き部を形成し、さ に上記基板部の外周面を上記シェービング イスによって拘束しながら上記シェービン パンチを相対的に前進させ、上記ボス部の 周面に上記スプラインパンチを挿入して上 スプライン部を形成することができるよう 成されていることを特徴とするスプライン 材の製造装置にある。

 本発明の製造装置は、上記のごとく、シ ービングパンチ、シェービングダイス、ス ラインパンチ及びストリッパーを有し、こ らは同軸上に配置されている。そして、上 シェービングパンチを前進させることによ 、上記シェービングパンチ及び上記シェー ングダイスによって上記基板部の外周部に 記切り欠き部を形成することができる。そ て、さらに、上記シェービングパンチを前 させることにより、上記ボス部の内周面に 記スプラインパンチを挿入して上記スプラ ン部を形成することができる。

 すなわち、上記製造装置は、同軸上に配 された上記シェービングパンチ、上記シェ ビングダイス、上記スプラインパンチ及び 記ストリッパーを用い、上記シェービング ンチの1ストローク動作により、上記素材に 対して上記切り欠き部の形成と上記スプライ ン部の形成とを同軸上で連続的に行うことが できるよう構成されている。そのため、得ら れる上記スプライン部材は、上記スプライン 部に対する上記切り欠き部の同軸度、位置精 度を充分に確保することができる。

 そして、本発明の製造装置においては、 記切り欠き部を形成した後、上記基板部の 周面を上記シェービングダイスによって拘 しながら上記シェービングパンチを相対的 前進させ、上記スプライン部を形成するこ ができるよう構成されている。すなわち、 記基板部の加工面を含む外周面を拘束する とにより、形成した上記切り欠き部の軸や 方向位置を保持した状態で、上記スプライ 部を形成することができる。そのため、上 スプライン部に対する上記切り欠き部の同 度、位置精度をより一層高めることができ 。

 例えば、後述の実施例2に示すごとく、上 記スプライン部材を自動変速機のプラネタリ アギア用のキャリアカバーとして適用する場 合には、上記基板部の外周部に形成した上記 切り欠き部がキャリアとの接合部分となる。 そのため、キャリアカバーとキャリアとの接 合精度を向上させることができる。

 このように、本発明によれば、スプライ 部に対する切り欠き部の同軸度、位置精度 充分に確保することができるスプライン部 の製造装置を提供することができる。

 第2の発明は、上記第1の発明のスプライン 材の製造装置を用い、上記スプライン部材 製造する方法であって、
 上記基板部の上記第1表面及び上記ボス部の 外周面を上記ストリッパーによって支持する 素材支持工程と、
 上記シェービングパンチを相対的に上記ス リッパーに向けて前進させ、上記基板部の 記第2表面に当接させ、さらに上記素材及び 上記ストリッパーを押圧しながら上記シェー ビングパンチを相対的に前進させ、上記シェ ービングパンチ及び上記シェービングダイス によって上記素材にせん断力を加え、上記基 板部の外周部の少なくとも一部に上記切り欠 き部を形成するシェービング工程と、
 さらに上記基板部の外周面を上記シェービ グダイスによって拘束しながら上記シェー ングパンチを相対的に前進させ、上記ボス の内周面に上記スプラインパンチを挿入し 上記スプライン部を形成するスプライン形 工程とを有するスプライン部材の製造方法 ある。

 本発明の製造方法は、上記第1の発明のスプ ライン部材の製造装置を用い、上記のごとく 、素材支持工程、シェービング工程及びスプ ライン形成工程を行う。
 すなわち、上記製造方法は、同軸上に配置 れた上記シェービングパンチ、上記シェー ングダイス、上記スプラインパンチ及び上 ストリッパーを有する上記製造装置を用い 上記シェービングパンチの1ストローク動作 により、上記素材に対して上記切り欠き部を 形成する上記シェービング工程と上記スプラ イン部を形成する上記スプライン形成工程と を同軸上で連続的に行う。そのため、得られ る上記スプライン部材は、上記スプライン部 に対する上記切り欠き部の同軸度、位置精度 を充分に確保することができる。

 そして、本発明の製造方法のおいては、 記シェービング工程の後、上記スプライン 成工程において、上記基板部の外周面を上 シェービングダイスによって拘束しながら 記シェービングパンチを相対的に前進させ 上記スプライン部を形成する。すなわち、 記基板部の加工面を含む外周面を拘束する とにより、形成した上記切り欠き部の軸や 方向位置を保持した状態で、上記スプライ 部を形成する。そのため、上記スプライン に対する上記切り欠き部の同軸度、位置精 をより一層高めることができる。

 このように、本発明の製造方法によれば スプライン部に対する切り欠き部の同軸度 位置精度を充分に確保することができるス ライン部材を得ることができる。

 第3の発明は、上記第2の発明のスプライン 材の製造方法により製造されてなることを 徴とするスプライン部材にある。
 本発明のスプライン部材は、上記第2の発明 のスプライン部材の製造方法により製造され てなるものである。よって、上記スプライン 部材は、上記スプライン部に対する切り欠き 部の同軸度、位置精度を充分に確保したもの となる。

実施例1における、スプライン部材の全 体を示す説明図。 実施例1における、素材を示す説明図。 実施例1における、スプライン部を形成 する前の状態を示す説明図。 実施例1における、スプライン部を形成 する工程を示す説明図。 実施例1における、スプライン部形成後 のスプライン部材を示す説明図。 実施例1における、切削後のスプライン 部材を示す説明図。 実施例2における、スプライン部材を組 み込んだ状態のプラネタリギアの構造を示す 説明図。

 上記第1の発明において、上記製造装置は、 さらに上記ストリッパーの後退を規制する受 圧部材を有し、
 上記スプライン部を成形した後、さらに上 シェービングパンチを相対的に前進させ、 記ストリッパーを上記受圧部材に当接させ 上記ストリッパーの後退を停止させ、上記 ェービングパンチの押圧力によって上記基 部における上記第2表面の所定の場所に対し てコイニング加工することができるよう構成 されていることが好ましい。

 この場合には、上記シェービングパンチ 1ストローク動作により、上記切り欠き部の 形成及び上記スプライン部の形成に加えて、 上記コイニング加工も同軸上で連続的に行う ことができる。そのため、得られる上記スプ ライン部材は、上記スプライン部に対する上 記基板部における上記第2表面のコイニング 工部分の面振れを抑え、直角度を充分に確 することができる。

 例えば、後述の実施例2に示すごとく、上 記スプライン部材を自動変速機のプラネタリ アギア用のキャリアカバーとして適用する場 合には、上記コイニング加工部分がピニオン シャフトのワッシャーとの座面となる。その ため、キャリアカバーとピニオンシャフトと の接合精度を向上させることができる。

 また、上記素材の上記ボス部は、バーリン 加工により成形してあることが好ましい。
 この場合には、上記ボス部を容易に精度良 形成することができ、上記ボス部の内周面 び外周面の同軸度を充分に確保することが きる。そのため、得られる上記スプライン 材の品質を向上させることができる。

 上記第2の発明において、上記スプライン 形成工程の後、さらに上記シェービングパン チを相対的に前進させ、上記ストリッパーを 上記受圧部材に当接させて上記ストリッパー の後退を停止させ、上記シェービングパンチ の押圧力によって上記基板部における上記第 2表面の所定の場所に対してコイニング加工 るコイニング加工工程を行うことが好まし 。

 この場合には、上記シェービングパンチ 1ストローク動作により、上記シェービング 工程及び上記スプライン形成工程に加えて、 上記コイニング加工工程も同軸上で連続的に 行うことができる。そのため、得られる上記 スプライン部材は、上記スプライン部に対す る上記基板部における上記第2表面のコイニ グ加工部分の面振れを抑え、直角度を充分 確保することができる。

 上記第2及び第3の発明において、上記スプ イン部材は、自動変速機のプラネタリギア のキャリアカバーであることが好ましい。
 この場合には、上記キャリアカバーの品質 上を図ることができる。また、上記キャリ カバーと接合するキャリアとの接合精度を 上させることができる。
 なお、上記スプライン部材は、上記スプラ ン部を有するその他の様々な部品に適用す ことができる。

(実施例1)
 本発明の実施例にかかるスプライン部材の 造装置及び製造方法について、図を用いて 明する。
 本例の製造装置6は、図3、図4に示すごとく 板状の基板部11と基板部11の一方の表面であ る第1表面111から突出するように設けられた 筒状のボス部2とを有する素材100(図2)を用い 、ボス部2の内周面201において軸方向に沿っ て形成された山部31と山部31の間に形成され 谷部32とを交互に設けたスプライン部3を有 るスプライン部材1(図1)を製造する製造装置 ある。
 なお、本例において製造するスプライン部 1は、自動変速機のプラネタリギア用のキャ リアカバーに用いられるものである。

 製造装置6は、図3に示すごとく、素材100 おける基板部11の外周部に切り欠き部13(図1) 形成するためのシェービングパンチ61及び ェービングダイス62と、ボス部2の内周面201 挿入してスプライン部3を形成するためのス ラインパンチ63と、基板部11の第1表面111及 ボス部2の外周面202を支持するストリッパー6 4とを有する。

 シェービングパンチ61、シェービングダイ 62、スプラインパンチ63及びストリッパー64 、同軸上に配置されている。
 また、スプラインパンチ63の外周側にスト ッパー64が配置され、ストリッパー64の外周 にシェービングダイス62が配置されている また、軸方向においてストリッパー64に対向 するようにスプラインパンチ63が配置されて る。
 また、シェービングダイス62及びスプライ パンチ63に対してシェービングパンチ61が相 的に軸方向に移動可能に設けられていると に、ストリッパー64がシェービングパンチ61 の押圧力によって相対的に後退するよう設け られている。

 また、図3、図4を参照のごとく、製造装置6 、基板部11の第1表面111及びボス部2の外周面 202をストリッパー64によって支持することが きるよう構成されている。
 そして、シェービングパンチ61を相対的に トリッパー64に向けて前進させ、基板部11の 1表面111の反対側の面である第2表面112に当 させ、さらに素材100及びストリッパー64を押 圧しながらシェービングパンチ61を相対的に 進させ、シェービングパンチ61及びシェー ングダイス62によって素材100にせん断力を加 え、基板部11の外周部に切り欠き部13を形成 ることができるよう構成されている。
 そして、さらに基板部11の外周面をシェー ングダイス62によって拘束しながらシェービ ングパンチ61を相対的に前進させ、ボス部2の 内周面201にスプラインパンチ63を挿入してス ライン部3を形成することができるよう構成 されている。

 以下、これを詳説する。
 本例において使用する素材100は、鋼(SAPH440) りなり、図2(a)~(c)に示すごとく、円形板状 基板部11と基板部11の第1表面111から突出する ように設けられた円筒状のボス部2とを有す 。ボス部2は、バーリング加工により形成さ ている。

 また、同図に示すごとく、ボス部2の先端 面21の内周側には、スプライン部3を形成する 基点となるスプライン基点面22が形成されて る。スプライン基点面22の最大内径aは、ス ライン基点面22の外周端222の内径であり、36 .2mmである。また、スプライン基点面22は、そ の内径がボス部2の先端に向かって徐々に拡 するように傾斜している。スプライン基点 22の軸方向に対する傾斜角αは60°である(図2( c))。

 また、同図に示すごとく、本例の素材100 おいては、基板部11に4つの第1貫通穴12が形 されている。また、基板部11の第1表面111に いて、第1貫通穴12の周囲にディンプル部121 形成されている。また、基板部11の第1表面1 11及び第2表面112において、第1貫通穴12の周囲 にテーパ状の面取り部122が形成されている。

 図3に、本例において使用する製造装置6を す。
 本例の製造装置6は、上記のごとく、シェー ビングパンチ61とシェービングダイス62とス ラインパンチ63とストリーパー64とを有し、 例においては、さらにこれらに加えてスト ッパー64の後退を規制する受圧部材65と、ス プラインパンチ63とストリッパー64との間に けられたノックアウト部材66とを有する。

 シェービングパンチ61は、素材100におけ 基板部11の第2表面112に当接する基板当接面61 2を有する。また、基板当接面612には、シェ ビングパンチ61の押圧力によって基板部11の 2表面112に対してコイニング加工するための コイニング加工凸部613(図示略)を有する。コ ニング加工凸部613の形状は、コイニング加 領域140(図5(a))に対応する形状である。

 また、シェービングパンチ61の内周側には ボス部2の後端面29を支持するボス後端支持 614が設けられている。ボス後端支持部614は シェービングパンチ61と同期して移動するよ う構成されている。
 また、シェービングパンチ61の外周面610及 シェービングダイス62の内周面620の形状は、 最終的に得ようとするスプライン部材1の外 状に対応する形状を有する。

 スプラインパンチ63は、円柱状を呈して る。また、スプラインパンチ63の外周面630に は、スプライン部3に対応する形状を有する プライン形成部631が設けられている。また スプラインパンチ63は、シェービングパンチ 61側の先端部に、素材100のボス部2の内周面201 への導入を容易にするためのテーパ状のテー パ部632を有する。

 ストリッパー64は、円筒状を呈しており、 材100における基板部11の第1表面111を支持す 基板支持面641と、ボス部2の外周面202を支持 るボス外周支持面642とを有する。
 受圧部材65は、円筒状を呈しており、スト ッパー64に当接してストリッパー64の後退を 制する受圧面651を有する。

 本例の製造装置6は、シェービングパンチ 61が上方に、シェービングダイス62、スプラ ンパンチ63が下方に位置するように設けられ ている。また、シェービングパンチの下方に はストリッパー64が設けられており、ストリ パー64の下方には受圧部材65が設けられてい る。そして、シェービングダイス62、スプラ ンパンチ63及び受圧部材65は、固定して設け られている。

 また、シェービングパンチ61は、軸方向 進退可能に設けられている。また、ストリ パー64は、シェービングダイス62の内周側を 方向に進退可能に設けられている。ただし 受圧部材65によって後退方向の移動が規制 れている。また、ノックアウト部材66は、ス プラインパンチ63と受圧部材65との間を軸方 に進退可能に設けられている。

 次に、上記製造装置6を用いて、スプライン 部材1を製造する方法について説明する。
 まず、図3に示すごとく、素材100における基 板部11の第1表面111及びボス部2の外周面202を れぞれストリッパー64の基板支持面641及びボ ス外周支持面642によって支持する。

 そして、図4(a)に示すごとく、シェービング パンチ61を相対的にストリッパー64に向けて 進させ、パンチ部611の基板当接面612を基板 11の第2表面112に当接させると共に、ボス後 支持部614によってボス部2の後端面29を支持 る。
 さらに、素材100及びストリッパー64を押圧 ながらシェービングパンチ61を相対的に前進 させ、シェービングパンチ61のパンチ部611及 シェービングダイス62によって素材100にせ 断力を加える。これにより、素材100のシェ ビング領域130(図5(a))をシェービングし、基 部11の外周部に4つの切り欠き部13(図5(a))を形 成する。

 次いで、図4(b)に示すごとく、基板部11の 周面110をシェービングダイス62によって拘 しながらシェービングパンチ61を相対的に前 進させ、ボス部2の内周面201にスプラインパ チ63のスプライン形成部631を挿入してスプラ イン部3を形成する。これにより、ボス部2の 周面201を塑性変形させ、ボス端面22から軸 向に沿って山部31と谷部32とを交互に設けた プライン部3(図5(b))を形成する。

 次いで、図4(c)に示すごとく、さらにシェ ービングパンチ61を相対的に前進させ、スト ッパー64を受圧部材65の受圧面651に当接させ てストリッパー64の後退を停止させる。そし 、基板部11の第2表面112におけるコイニング 工領域140(図5(a))に対してシェービングパン 61のコイニング加工凸部613を押圧すること よってコイニング加工を行う。これにより 基板部11の第2表面112にコイニング加工部14( 5(a))を形成する。

 その後、図示を省略したが、シェービン パンチ61を後退させ、ノックアウト部材66を シェービングパンチ61の後退方向に前進させ 。そして、スプライン形成装置6からスプラ イン部材1(図5)を取り出す。

 これにより、図5(a)、(b)に示すごとく、ボ ス部2の内周面201に山部31と谷部32とを交互に けたスプライン部3を形成したスプライン部 材1を得る。スプライン部材1において、基板 11の外周部には、4つの切り欠き部13が形成 れており、基板部11の第2表面112には、コイ ング加工部14が形成されている。なお、スプ ライン部3の最大内径bは、スプライン部3の谷 部32の内径であり、36.2mmである。

 最後に、図6に示すごとく、スプライン部材 1の基板部11に2つの第2貫通穴15を形成する。 して、ボス部2の先端面21を研削し、ボス部2 先端面21の形状を整える。このとき、ボス 2のスプライン形成領域30を切削しないよう 、ボス部2のスプライン形成領域30よりも先 側の不要部200を切削する。
 以上により、スプライン部材1(図1)を完成す る。

 次に、本例の製造装置6における作用効果に ついて説明する。
 本例の製造装置6は、シェービングパンチ61 シェービングダイス62、スプラインパンチ63 及びストリッパー64を有し、これらは同軸上 配置されている。そして、シェービングパ チ61を前進させることにより、シェービン パンチ61及びシェービングダイス62によって 板部11の外周部に切り欠き部13を形成するこ とができる。そして、さらに、シェービング パンチ61を前進させることにより、ボス部2の 内周面201にスプラインパンチ63を挿入してス ライン部3を形成することができる。

 すなわち、製造装置6は、同軸上に配置さ れたシェービングパンチ61、シェービングダ ス62、スプラインパンチ63及びストリッパー 64を用い、シェービングパンチ61の1ストロー 動作により、素材100に対して切り欠き部13 形成とスプライン部3の形成とを同軸上で連 的に行うことができるよう構成されている そのため、得られるスプライン部材1は、ス プライン部3に対する切り欠き部13の同軸度、 位置精度を充分に確保することができる。

 そして、本例の製造装置6においては、切 り欠き部13を形成した後、基板部11の外周面11 0をシェービングダイス62によって拘束しなが らシェービングパンチ61を相対的に前進させ スプライン部3を形成することができるよう 構成されている。すなわち、基板部11の加工 を含む外周面110を拘束することにより、形 した切り欠き部13の軸や位置を保持した状 で、スプライン部3を形成することができる そのため、スプライン部3に対する切り欠き 部13の同軸度、位置精度をより一層高めるこ ができる。

 例えば、後述の実施例2に示すごとく、ス プライン部材1を自動変速機のプラネタリア ア用のキャリアカバーとして適用する場合 は、基板部11の外周部に形成した切り欠き部 13がキャリアとの接合部分となる。そのため キャリアカバーとキャリアとの接合精度を 上させることができる。

 また、本例では、製造装置6は、ストリッ パー64の後退を規制する受圧部材65を有し、 プライン部3を成形した後、さらにシェービ グパンチ61を相対的に前進させ、ストリッ ー64を受圧部材65に当接させてストリッパー6 4の後退を停止させ、シェービングパンチ61の 押圧力によって基板部11における第2表面112の 所定の場所に対してコイニング加工すること ができるよう構成されている。

 そのため、シェービングパンチ61の1スト ーク動作により、切り欠き部13の形成及び プライン部3の形成に加えて、コイニング加 も同軸上で連続的に行うことができる。そ ため、得られるスプライン部材1は、スプラ イン部3に対する基板部11における第2表面112 コイニング加工部14の面振れを抑え、直角度 を充分に確保することができる。

 これにより、後述の実施例2に示すごとく 、スプライン部材1を自動変速機のプラネタ アギア用のキャリアカバーとして適用する 合には、基板部11のコイニング加工部14がピ オンシャフトのワッシャーとの座面となる そのため、キャリアカバーとピニオンシャ トとの接合精度を向上させることができる

 このように、本例の製造装置6を用いるこ とにより、スプライン部3に対する切り欠き 13の同軸度、位置精度を充分に確保すること ができるスプライン部材1を製造することが きる。

(実施例2)
 本例は、実施例1のスプライン部材1をプラ タリギア8のキャリアカバーとして組み込ん 例である。
 プラネタリギア8は、図7に示すごとく、中 軸81の外周にインプットフランジ85を介して プライン部材1であるキャリアカバーが配設 されている。そして、スプライン部材1のボ 部2の後端側には、ベアリング82が配設され いる。

 また、スプライン部材1には、他の部材で あるピニオンシャフト83、キャリア84等が接 されている。そして、スプライン部材1のコ ニング加工部(図示略)は、ピニオンシャフ 83のワッシャーの座面として機能している。 また、切り欠き部13は、キャリア84との溶接 分として機能している。

 また、スプライン部材1とインプットフラ ンジ85とは、互いのスプラインによって係合 ている。すなわち、インプットフランジ85 は、その外周面にスプライン部850が形成さ ており、これがスプライン部材1のボス部2の 内周面201におけるスプライン部3と係合して る。

 そして、本例のプラネタリギア8においては 、上記のごとく、スプライン部3に対する切 欠き部13の同軸度、位置精度を充分に確保し ているスプライン部材1をキャリアカバーと て用いている。そのため、キャリアカバー( プライン部材1)とキャリア84との接合精度を 向上させることができる。
 また、スプライン部材1は、スプライン部3 対するコイニング加工部の面振れを抑え、 角度を充分に確保している。そのため、キ リアカバー(スプライン部材1)とピニオンシ フト83との接合精度を向上させることができ る。
 これにより、プラネタリギア8全体の品質を 向上させることができる。